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従事
じゅうじ [1] 【従事】 (名)スル
仕事にたずさわること。「研究に―する」
従事する
じゅうじ【従事する】
engage[be engaged] <in> ;→英和
pursue;→英和
follow.→英和
従位
じゅうい [1] 【従位】
位階で,同じ位を正と従に二分した,従の位。正二位の下の従二位の類。
従価税
じゅうかぜい [3] 【従価税】
課税物件の価格を課税標準とする租税。
→従量税
従僕
じゅうぼく [0] 【従僕】
召し使いの男。下男。下僕。しもべ。
従僕
じゅうぼく【従僕】
a servant;→英和
an attendant;→英和
a valet.→英和
従僧
じゅうそう [0] 【従僧】
高僧や住職に付き従う僧。
従儀師
じゅうぎし [3] 【従儀師】
⇒従威儀師(ジユウイギシ)
従兄
じゅうけい [0] 【従兄】
年上の,男のいとこ。
⇔従弟
従兄弟
いとこ [2] 【従兄弟・従姉妹】
(「愛子(イトコ)」と同源か)父または母の兄弟・姉妹の子。
〔年齢・性別の違いで,「従兄」「従弟」「従姉」「従妹」などと書き分ける〕
従兄弟
じゅうけいてい [3] 【従兄弟】
男のいとこ。
⇔従姉妹
従兄弟半
いとこはん [4] 【従兄弟半】
「いとこちがい」に同じ。
従兄弟合せ
いとこあわせ [4] 【従兄弟合(わ)せ】
いとこどうしを結婚させること。
従兄弟合わせ
いとこあわせ [4] 【従兄弟合(わ)せ】
いとこどうしを結婚させること。
従兄弟大小母
いとこおおおば [4] 【従兄弟大小母】
祖父母のいとこ(従姉妹)。族伯祖母。
従兄弟大小父
いとこおおおじ [4] 【従兄弟大小父】
祖父母のいとこ(従兄弟)。族伯祖父。
従兄弟小母
いとこおば [3] 【従兄弟小母】
父母のいとこ(従姉妹)。いとこちがい。従祖母。
従兄弟小父
いとこおじ [3] 【従兄弟小父】
父母のいとこ(従兄弟)。いとこちがい。従祖父。
従兄弟煮
いとこに [0][4] 【従兄弟煮】
小豆・ごぼう・大根・豆腐などを煮えにくいものから順に入れて,味噌で味付けした料理。
〔「追い追い煮る」に「甥々」を掛けた洒落という〕
従兄弟違い
いとこちがい [4] 【従兄弟違い】
(1)自分の父母のいとこ。
(2)自分のいとこの子供。
従兄弟[姉妹]
いとこ【従兄弟[姉妹]】
a (first) cousin.また従兄弟 a second cousin.
従兵
じゅうへい [0][1] 【従兵】
(1)「従卒」に同じ。
(2)つき従う兵。
従前
じゅうぜん [0] 【従前】
今より前。以前。これまで。副詞的にも用いる。「―のとおり」「―通告したごとく実施する」
従前
じゅうぜん【従前】
⇒従来.
従動軸
じゅうどうじく [3] 【従動軸】
他から伝導される力を受けて回転する軸。
従卒
じゅうそつ [0] 【従卒】
隊付きの将校に専属し,身のまわりの世話などをする兵卒。将校当番兵。従兵。
従参加
じゅうさんか [3] 【従参加】
⇒補助参加(ホジヨサンカ)
従因
じゅういん [0] 【従因】
間接的な原因。
⇔主因
従士
じゅうし [1] 【従士】
とものさむらい。従者。
従士制
じゅうしせい [0] 【従士制】
〔(ドイツ) Gefolgschaft〕
古代ゲルマンの主従制度。有力者が自由人の子弟の物質的生活を保障する代わりに,その忠誠を受ける人的関係。土地関係としての恩貸地制と結合して中世封建制度に発展。
従妹
じゅうまい [0] 【従妹】
年下の,女のいとこ。
⇔従姉(ジユウシ)
従姉
じゅうし [1] 【従姉】
年上の女のいとこ。
⇔従妹
従姉妹
いとこ [2] 【従兄弟・従姉妹】
(「愛子(イトコ)」と同源か)父または母の兄弟・姉妹の子。
〔年齢・性別の違いで,「従兄」「従弟」「従姉」「従妹」などと書き分ける〕
従姉妹
じゅうしまい [3] 【従姉妹】
女のいとこ。
⇔従兄弟
従威儀師
じゅういぎし [4] 【従威儀師】
法会(ホウエ)の時,威儀師を補佐する役僧。従儀師。
従子
じゅうし [1] 【従子】
甥(オイ)のこと。
従学
じゅうがく [0] 【従学】 (名)スル
師について学ぶこと。「直ちに蘭軒に―することになつた/渋江抽斎(鴎外)」
従孫
じゅうそん [0] 【従孫】
兄弟・姉妹の孫。
従容
しょうよう [0] 【従容】 (ト|タル)[文]形動タリ
ゆったりと落ち着いているさま。「―として死に就く」
従容として
しょうよう【従容として】
calmly;with composure[serenity].
従容録
しょうようろく 【従容録】
詳しくは,万松老人評唱天童覚和尚頌古従容庵録。六巻。1223年,宋の万松行秀編著。宏智(ワンシ)正覚の頌古百則に,示衆・著語・評唱を加えたもの。特に,曹洞宗で重んずる。
従属
じゅうぞく【従属】
subordination.〜する be subordinate <to> ;→英和
be dependent <upon> .→英和
〜的 dependent;subordinate.‖従属節《文》a subordinate[dependent]clause.
従属
じゅうぞく [0] 【従属】 (名)スル
強力なもの,中心となるものにつき従うこと。「大国に―する」
従属事象
じゅうぞくじしょう [5] 【従属事象】
〔数〕 確率論の用語。複数の事象において,ある事象の起こるか起こらないかが,別の事象の起こる確率に影響を与えるような関係にあるもの。
⇔独立事象
従属会社
じゅうぞくがいしゃ [5] 【従属会社】
資本や経営などで,支配会社に従属する会社。
⇔支配会社
従属国
じゅうぞくこく [4][3] 【従属国】
他国家(宗主国)の国内法で自治を認められ,外交関係の一部は自ら処理するが,他の部分は宗主国によって処理される国。第一次大戦前のエジプト(宗主国はオスマン帝国)がその例。従国。付庸国。
⇔宗主国
従属変数
じゅうぞくへんすう [5] 【従属変数】
関数 �=�(�)において,独立変数 � の変化に応じて変わる � をいう語。
従属栄養
じゅうぞくえいよう [5] 【従属栄養】
⇒有機栄養(ユウキエイヨウ)
従属栄養生物
じゅうぞくえいようせいぶつ [9] 【従属栄養生物】
有機物を摂取することによって生育している生物。他家栄養生物。有機栄養生物。
⇔独立栄養生物
従属犯
じゅうぞくはん [4][3] 【従属犯】
⇒従犯(ジユウハン)
従属節
じゅうぞくせつ [4] 【従属節】
複文で,主節に対し名詞・形容詞・副詞に相当する機能をもって従属する節。「春が来ると花が咲く」における「春が来ると」など。従節。
従属論
じゅうぞくろん [4] 【従属論】
資本主義的世界システムの中で,周辺地域としての第三世界が,中枢部(先進諸国)によって従属させられ,収奪され,低開発化されたとする考え方。
従属関係
じゅうぞくかんけい [5] 【従属関係】
(1)〔論〕 上位概念に対する下位概念の関係。類概念と種概念との関係。
(2)政治・経済・身分などの上で,他に従属している関係。
従弟
じゅうてい [0] 【従弟】
年下の,男のいとこ。
⇔従兄
従心
じゅうしん [0] 【従心】
〔論語「七十而従�心所�欲,不�踰�矩」より〕
七〇歳の異名。
従性遺伝
じゅうせいいでん [5] 【従性遺伝】
遺伝子の表現型が性によって異なって現れる遺伝。対立遺伝子の優劣関係が雄と雌とで異なることによる。
従来
じゅうらい [1] 【従来】
以前から今まで。これまで。副詞的にも用いる。「―の方針を守る」「―見られなかった傾向」
従来
じゅうらい【従来】
up to this time[the present];so far;hitherto.→英和
〜の usual;→英和
former;→英和
old.→英和
〜通り as before[usual].
従業
じゅうぎょう [0] 【従業】 (名)スル
業務に従事すること。
従業する
じゅうぎょう【従業する】
be employed;be in the service.→英和
‖従業員 an employee;a worker;working men (総称).従業員組合 a workers union.
従業員
じゅうぎょういん [3] 【従業員】
雇われて業務に従事している人。
従業員持ち株制度
じゅうぎょういんもちかぶせいど [3][5] 【従業員持(ち)株制度】
労働意欲の向上,企業利潤分配への参加や株主安定などを目的として,会社がその従業員に自社株を取得させる制度。
従業員持株制度
じゅうぎょういんもちかぶせいど [3][5] 【従業員持(ち)株制度】
労働意欲の向上,企業利潤分配への参加や株主安定などを目的として,会社がその従業員に自社株を取得させる制度。
従業員組合
じゅうぎょういんくみあい [7] 【従業員組合】
企業内の従業員だけで組織する労働組合。
従死
じゅうし [1] 【従死】 (名)スル
故人のあとを追って死ぬこと。「―する者,鎌倉中に六千余人/文明論之概略(諭吉)」
従母
じゅうぼ [1] 【従母】
母方のおば。
⇔従父
従父
じゅうふ [1] 【従父】
父方のおじ。
⇔従母
従父兄
じゅうふけい [3] 【従父兄】
父方の従兄。
従父弟
じゅうふてい [3] 【従父弟】
父方の従弟。
従物
じゅうぶつ [0] 【従物】
〔法〕 ある物(主物)の利用を継続的に助けるために,それに結合させた他の物。独立の所有権の客体であるが,処分は主物に従う。家屋に対する畳・建具など。
⇔主物
従犯
じゅうはん【従犯】
《法》participation in a crime (罪);→英和
an accessory <to a crime> (人).→英和
従犯
じゅうはん [0] 【従犯】
共犯の一形式。正犯を幇助(ホウジヨ)すること。従属犯。幇助犯。
⇔主犯
→共犯
従祖母
おおおば オホヲバ [1] 【大伯母・大叔母・従祖母】
両親のおばにあたる人。祖父母の姉妹。
⇔大伯父(オオオジ)
[和名抄]
従祖母
じゅうそぼ [3] 【従祖母】
(1)従祖父{(1)}の妻。いとこおば。
(2)祖父の姉妹。
従祖父
じゅうそふ [3] 【従祖父】
(1)父母の従兄弟(イトコ)。いとこおじ。
(2)祖父の兄弟。
従祖父
おおおじ オホヲヂ [1] 【大伯父・大叔父・従祖父】
両親のおじにあたる人。祖父母の兄弟。
⇔大伯母(オオオバ)
[和名抄]
従者
ずさ 【従者】
「じゅしゃ」の直音表記。「ありがたきもの…主そしらぬ―/枕草子 75」
従者
じゅしゃ [1] 【従者】
「じゅうしゃ(従者)」に同じ。
従者
じゅうしゃ【従者】
an attendant;→英和
a suite (随員全体);→英和
a follower;→英和
a valet.→英和
従者
じゅうしゃ [1] 【従者】
主人のともをする人。おとも。ともびと。じゅしゃ。ずさ。
従良
じゅうりょう [0] 【従良】
(1)古代,奴婢(ヌヒ)などを解放し,良民とすること。
(2)芸妓・娼妓などが身請けされること。
従軍
じゅうぐん [0] 【従軍】 (名)スル
軍隊につき従ってともに戦地へ行くこと。「軍医として―する」
従軍する
じゅうぐん【従軍する】
join the army;→英和
go to the front.→英和
〜中である be at the front.‖従軍記者 a war correspondent.
従軍慰安婦
じゅうぐんいあんふ [6] 【従軍慰安婦】
日中戦争や太平洋戦争中,朝鮮などアジアから「女子挺身隊」の名で動員され,兵士相手に慰安所で性の相手となることを強要された女性たち。1991年韓国などの元従軍慰安婦から補償と謝罪要求が提起された。
従軍記章
じゅうぐんきしょう [5] 【従軍記章】
旧軍隊で,戦地から帰還した軍人・軍属に与えられた記章。
従軍記者
じゅうぐんきしゃ [5][6] 【従軍記者】
従軍し,戦地の状況を報道する新聞・雑誌の記者。
従輪
じゅうりん [0] 【従輪】
機関車などで,動輪以外の車輪。
従量税
じゅうりょうぜい ジユウリヤウ― [3] 【従量税】
課税物件の数量を課税標準とする租税。
→従価税
従順
じゅうじゅん [0] 【従順】 (名・形動)[文]ナリ
人に逆らわず,おとなしい・こと(さま)。「―な家来」
[派生] ――さ(名)
従順な
じゅうじゅん【従順な】
meek;→英和
obedient;→英和
submissive.〜に meekly;→英和
obediently.→英和
得
う 【得】 (動ア下二)
(1)下一段活用の動詞「える(得)」の文語形。
(2)(「…する(こと)をう」の形で)…することができる,…することが許されるという意を表す。文語調のごくかたい表現として用いられる。「改悛の情あるときは…出獄を許すことを〈う〉」「許可なき者は入室するを〈え〉ず」
→える(得)
→うる(得)
得
とく【得】
[もうけ](a) profit;→英和
gains;[有利]an advantage;→英和
benefit.→英和
〜な profitable;→英和
economical;→英和
advantageous;→英和
lucky <nature> (性分).→英和
〜をする[になる]benefit[profit] <by> ;gain;→英和
be to one's interest[advantage].
得
とく [0] 【得】
■一■ (名)
(1)利益を得ること。もうけること。また,その利益。もうけ。
⇔損
「損して―とれ」「何の―にもならない」
(2)手に入れること。得ること。
⇔失
「自他のために失多く―少なし/徒然 164」
(3)〔仏〕 真宗で,浄土に往生し,涅槃に入ること。
■二■ (形動)[文]ナリ
有利である・こと(さま)。
⇔損
「そっちを買うほうが―だ」「百円お―な商品です」「憎めない―な性格」
得
え 【得・能】 (副)
〔動詞「う(得)」の連用形から〕
(1)下に否定の表現を伴って,不可能の意を表す。…できない。全く…しない。「帝,はた,まして―忍びあへ給はず/源氏(桐壺)」
(2)下に肯定の表現を伴って可能の意を表す。できる。「其の暴浪(アラナミ)自(オノズカ)らなぎて,御船―進みき/古事記(中訓)」
得々と
とくとく【得々と】
proudly;→英和
triumphantly.→英和
〜としている be proud <of> .
得する
とく・する [0] 【得する】 (動サ変)[文]サ変 とく・す
もうける。利益を得る。得をする。
⇔損する
「百円―・した」
得たり
えたり 【得たり】 (感)
〔動詞「得(ウ)」の連用形「え」に完了の助動詞「たり」の付いたものから〕
自分の思いどおりになったときに発する声。しめた。うまい。してやったり。「―とばかり打ちこむ」
得たりと
えたり【得たりと】
eagerly;readily.〜とばかり…する seize the opportunity of doing;jump <at an offer> .→英和
‖得たり顔 a look of triumph.
得たり顔
えたりがお [0] 【得たり顔】
得意顔。したり顔。「―に言ひけるを/今鏡(すべらぎ上)」
得て
えて [1] 【得て】 (副)
〔動詞「う(得)」の連用形に助詞「て」の付いたもの〕
(1)ある傾向になりがちであることを表す語。とかく。よく。えてして。「人情は―其様なものだ/思出の記(蘆花)」
(2)(あとに打ち消しの語を伴って)不可能だ,とても…できない,の意を表す。副詞「え」に同じ。「時代小説の目的をば―遂ること能はざるなり/小説神髄(逍遥)」
得てして
えてして [1] 【得てして】 (副)
ややもすると。ともすると。とかく。えて。「金持ちは―けちなものだ」
得ては
えては 【得ては】 (副)
〔副詞「得て」に助詞「は」の付いたものから〕
えてして。とかく。「ああいふやつは…―食ひ逃げをして,ぶちのめされるもんだ/滑稽本・膝栗毛 3」
得ない
え∘ない 【得ない】 (連語)
〔動詞「える(得)」に助動詞「ない」のついたもの。動詞連用形の下に付いて用いられる〕
不可能の意味を表す。…することができない。「目標を達し―∘ない」「苦笑を禁じ―∘ない」
得べかりし利益
うべかりしりえき 【得べかりし利益】
⇒逸失利益(イツシツリエキ)
得も言われぬ
えもいわれぬ【得も言われぬ】
indescribable;→英和
exquisite;→英和
inexpressible.→英和
得る
える [1] 【得る】 (動ア下一)[文]ア下二 う
(1)自分のものとする。手に入れる。「賞金を〈え〉る」「知識を〈え〉る」「男はこの女をこそ〈え〉めと思ふ/伊勢 23」
→える(獲)
(2)好ましい状態を自分のものとして受ける。「小康を〈え〉る」「支持を〈え〉る」「機会を〈え〉る」
(3)自分の意志に反して,好ましくない物事を身に受ける。「病を〈え〉る」「罪を〈え〉る」
(4)(「要領を得る」「意を得る」などの形で)さとる。理解する。「彼の話は一向に要領を〈え〉ない」
(5)得意とする。「これかれ〈え〉たる所,〈え〉ぬ所,互になむある/古今(仮名序)」
(6)動詞の連用形の下に付いて,…することができるの意を表す。「言い〈え〉て妙だ」「一言の言葉もかわし〈え〉ないで別れた」「笑いを禁じ〈え〉なかった」
〔連体形・仮定形には下二段活用の「うる」「うれ」が使われる〕
→うる(得)
→う(得)
→えない
[慣用] 緩急宜しきを―・貴意を―・御意を―・志を―・事無きを―・力を―・時を―・所を―・名を―・要を―/我が意を得たり
得る
うる【得る】
⇒得(え)る.大いに〜ところがある profit much <by> ;be much benefited <by> ;learn a great deal <from> .少しも〜ところがない have nothing to gain <by> .
得る
うる [1] 【得る】 (動ア下二)
動詞「える(得る)」の文語的な言い方。古語の下二段活用動詞「う」の連体形が,現代語でも終止形・連体形として用いられる。
(1)「える{(1)}」に同じ。「今日の会は大いに〈うる〉ものがあった」
(2)動詞の連用形の下に付いて,可能の意を表す。…することができる。「…ということも十分あり〈うる〉」「集め〈うる〉限りの材料をみな集める」「でき〈うる〉ことならば,もう少し日時がほしい」
→える(得る)
得る
える【得る】
(1) get;→英和
have;→英和
obtain;→英和
earn;→英和
gain;→英和
acquire;→英和
win;→英和
find.→英和
(2)[できる]can;→英和
be able <to do> ;may.→英和
得仏
とくぶつ [0] 【得仏】
「成仏(ジヨウブツ)」に同じ。
得代
とくたい 【得替・得代】
(1)国司・大番などの任期が終わって,後任の者と交替すること。
(2)領主が新しい領主にかわること。また領主が所領を取りあげられること。「まさる狼藉引き出だし,両方―の身となりぬべし/曾我 1」
得体
えたい [0] 【得体】
真の姿や考え。本当のこと。正体。「―の知れない男だ」
得体の知れない
えたい【得体の知れない】
strange(-looking);→英和
mysterious.→英和
得分
とくぶん [2] 【得分】
(1)もうけ。利益。利潤。
(2)物を分配する際,その人がもらう分。分けまえ。取りまえ。
(3)中世,荘園の領主・荘官・地頭・名主などの職(シキ)に伴う収益。
得喪
とくそう [0] 【得喪】
得ることと失うこと。得失。
得失
とくしつ【得失】
merits and demerits; <weigh> relative advantages[merits].
得失
とくしつ [0] 【得失】
(1)得ることと失うこと。
(2)利と不利。損得。利害。「―を論ずる」「―相半(ナカ)ばする」
(3)成功と失敗。「毎度ただ―なく/徒然 92」
得宗
とくそう 【得宗・徳宗】
〔北条義時の法号を徳宗といったことから〕
鎌倉幕府の執権北条氏嫡流の家督のこと。初代北条時政以下九代を総称。
得宗領
とくそうりょう 【得宗領】
鎌倉時代,北条氏で執権となる者が代々世襲した領地。
得度
とくど [1] 【得度】 (名)スル
〔仏〕
(1)悟って,彼岸へ渡ること。
(2)仏門に入り僧になること。出家すること。律令制においては得度者は官許により,度縁を発行して課役を免除した。これに対し,無断で僧形になることを私度・自度という。「―して世俗を離れる」
得度する
とくど【得度する】
enter the Buddhist priesthood.
得度式
とくどしき [3] 【得度式】
〔仏〕 仏門に入り,僧となるための儀式。
得得
とくとく [0] 【得得】 (ト|タル)[文]形動タリ
得意そうなさま。「―と話す」「―として自慢する」
得心
とくしん [0] 【得心】 (名)スル
心から納得すること。「説明を受けてやっと―した」「―がゆく」
得心する
とくしん【得心する】
be persuaded[satisfied] <of> ;consent <to> .→英和
〜させる persuade;→英和
convince;→英和
satisfy.→英和
〜のいくように <explain> to a person's satisfaction;by mutual agreement (双方の).
得心尽く
とくしんずく [0] 【得心尽く】
互いに承知の上ですること。納得ずく。
得恋
とくれん [0] 【得恋】 (名)スル
〔「失恋」に対してできた語〕
恋がかなうこと。恋愛が成功すること。
得意
とくい【得意】
(1) pride.→英和
(2) one's strong point[forte].(3)[得意先]a customer;→英和
a patron.→英和
〜の favorite;→英和
pet.→英和
〜ができる(へる) get (lose) a customer.〜になる be proud <of> ;boast <of> .→英和
〜になって with a proud[triumphant]look[air];proudly.→英和
〜である(ない) be good (bad) <at> ;be strong (weak) <in> .
得意
とくい [2][0] 【得意】 (名・形動)[文]ナリ
(1)望みがかない満足していること。
⇔失意
「―の絶頂」
(2)誇らしげな・こと(さま)。「優勝して―な顔をする」
(3)上手で,そのことに自信もある・こと(さま)。えて。おてのもの。「―な技」「―中の―」「お―の料理」
(4)商店などで,よく品物を買ってくれる客。「上―」「お―さん」「―客」
(5)親しい友。「彼の項伯と年来―として一事を隔つることなし/今昔 10」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
得意先
とくいさき [0] 【得意先】
ひいきにしてくれる客。いつもよく買ってくれる客。とくい。顧客。取引先。「―をまわる」
得意回り
とくいまわり [4] 【得意回り】
注文などをとるために得意先を訪ねること。
得意場
とくいば [0] 【得意場】
得意先。「五十軒によき―は持ちたりとも/たけくらべ(一葉)」
得意満面
とくいまんめん [0][2] 【得意満面】
自慢する気持ちが顔中に現れていること。得意でたまらないこと。また,そういう顔つき。
得意顔
とくいがお [0] 【得意顔】
望みどおりになったという顔つき。誇らしげな顔つき。したりがお。自慢顔。
得手
えて [2] 【得手】
(1)最も得意とすること。また,そのわざ。
⇔不得手
「だれにでも―不得手があるものだ」
(2)勝手気ままなこと。得手勝手。「いよいよ―にさして/松翁道話」
(3)(聞き手にそれと分かる事物・人物・場所などをさして)例のもの。例のこと。例のところ。「歩(アイ)ばつし。―へ行つて,ももんぢいで四文(シモン)二合半(コナカラ)ときめべい/滑稽本・浮世風呂 3」
(4) [1]
〔サルが「去る」に通ずるのを忌んでいう〕
猿のこと。えてきち。えてこう。
得手
えて【得手】
one's forte[strong point].
得手勝手
えてかって【得手勝手】
selfishness.→英和
〜な selfish.→英和
〜をする have one's own way.
得手勝手
えてかって [3] 【得手勝手】 (名・形動)
他人のことは考えずに自分勝手にする・こと(さま)。自分本位。わがまま。「―な振る舞い」「―をいう」
[派生] ――さ(名)
得手吉
えてきち [0] 【得手吉】
〔「得手」を人名化した語〕
(1)「えて(得手){(1)}」に同じ。
(2)「えて(得手){(3)}」に同じ。「はてこりや北八,―ぢや。しみがついては/滑稽本・膝栗毛 8」
(3)「えて(得手){(4)}」に同じ。えてこう。
得手物
えてもの 【得手物】
(1)「えて(得手){(1)}」に同じ。「そこはおれが―,占つてみよう/洒落本・売花新駅」
(2)「えて(得手){(3)}」に同じ。「また―(=オ金ノ意)ではねえか/黄表紙・金生木」
得撫島
ウルップとう 【得撫島】
ロシア連邦,千島列島の南西部にある火山島。ラッコ・オットセイの生息地。1786年最上徳内が探検。
得撫草
ウルップそう [0] 【得撫草】
ゴマノハグサ科の多年草。本州中部以北の高山および北海道以北の海岸に生える。卵形で柄のある厚い葉を根生し,夏に高さ約20センチメートルの花茎を出して,頂に唇形の淡青紫色の小花を穂状に密につける。ハマレンゲ。
得替
とくたい 【得替・得代】
(1)国司・大番などの任期が終わって,後任の者と交替すること。
(2)領主が新しい領主にかわること。また領主が所領を取りあげられること。「まさる狼藉引き出だし,両方―の身となりぬべし/曾我 1」
得業
とくぎょう [0] 【得業】
ある課程を修了したこと。
→とくごう(得業)
得業
とくごう [0] 【得業】
〔「ごう」は呉音〕
〔仏〕 僧の学階の一。所定の学業を終了した者に与えられる称号。奈良の三会(興福寺の維摩会と法華会,薬師寺の最勝会)の竪義(リユウギ)を終わった者をいう。浄土宗・真宗では,現在でも学階の一。
得業士
とくぎょうし [3] 【得業士】
旧制の,専門学校,特に医学専門学校の卒業生の称号。
得業生
とくごうしょう 【得業生】
平安時代,大学の学生で所定の試験に合格した者。とくごうのしょう。
得業生
とくぎょうせい [3] 【得業生】
(1)得業をしたもの。卒業生。
(2)
⇒とくごうしょう(得業生)
得法
とくほう [0] 【得法】
(1)〔仏〕 真理に到達すること。悟ること。特に禅宗などでいう。得道。
(2)物事の奥義をきわめること。「たとひ,天下に許され,能に―したりとも/風姿花伝」
得点
とくてん [0] 【得点】 (名)スル
勝負・試験などで点を得ること。また,その得た点数。
⇔失点
「大量に―する」「―差」
得点
とくてん【得点】
a score;→英和
runs (野球の).→英和
〜する score <a point> ;make a score <of> .得点表 a scorebook[-card].→英和
得点圏
とくてんけん [3] 【得点圏】
⇒スコアリング-ポジション
得物
えもの [0] 【得物】
(1)得意とする武器。また,単に武器。「手に手に―を持つ」
(2)得意なこと。自信のある技。「かうした所を名誉呼寄せるが我等が―じや/浮世草子・禁短気」
得用
とくよう [0] 【徳用・得用】 (名・形動)[文]ナリ
(1)値段の安い割に量が多くて役に立つ・こと(さま)。割安。多く「お徳用」の形で用いる。「―マッチ」「お―な品です」
(2)利得。得分。「是れを手代の―にして/浮世草子・新永代蔵」
(3)有得で応用の才能のあること。「汝は坐道場の―を備へたり/盛衰記 1」
(4)功徳の力。「此経の―にて/謡曲・海士」
得田
とくでん 【得田・徳田】
平安末期から中世,年貢を取ることができる田。定田から損田を除いたもの。
得票
とくひょう [0] 【得票】 (名)スル
選挙で候補者が票を得ること。また,その票。「地元で大量に―する」「―数」
得票
とくひょう【得票】
one's poll[votes obtained].得票差で by a margin <of> .→英和
得票率
とくひょうりつ [3] 【得票率】
投票総数に対する得票の比率。
得策
とくさく [0] 【得策】
うまいやり方。あとでよい結果になるような方策。「ここは一言わびておくのが―だ」
得策である
とくさく【得策である(ない)】
It is (un)advisable[(un)wise] <to do,that…> ./One had better (not) do.
得脱
とくだつ [0] 【得脱】
〔仏〕 悟りを得ること。得道。
得花
とっか トククワ [1] 【得花】
世阿弥の能楽論で,花を獲得した境地をいう。「既に―に至る初入頭也/九位」
→花
得道
とくどう [0] 【得道】 (名)スル
〔仏〕 悟りを開くこと。悟道。
得選
とくせん 【得選】
(1)采女(ウネメ)の中から選ばれた御厨子所(ミズシドコロ)の女官。食事などの雑事に従事。
(2)律令制で,考課の対象となる官職。
得選子
とくせんこ 【得選子】
得選を親しんで呼ぶ語。「―が閨なる,や,霜結ふ檜葉(ヒバ)を誰かは手折りし/神楽歌」
得避らず
えさら∘ず 【得避らず】 (連語)
〔副詞「え」と動詞「さる(避)」の未然形「さら」と打ち消しの助動詞「ず」が結び付いたもの〕
避けられない。やむをえない。よんどころない。「―∘ぬ事のみいとど重なりて/徒然 59」
得難い
えがた・い [3] 【得難い】 (形)[文]ク えがた・し
手に入れにくい。貴重だ。「―・い宝」「―・い経験」
[派生] ――さ(名)
得難い
えがたい【得難い】
<be> hard[difficult]to get[obtain];not easily obtainable;scarce[rare](稀な).→英和
徘徊
はいかい [0] 【徘徊】 (名)スル
(1)目的もなく,うろうろと歩きまわること。うろつくこと。「夜の巷(チマタ)を―する」
(2)葛藤からの逃避,精神病・痴呆などにより,無意識のうちに目的なく歩きまわること。
徘徊する
はいかい【徘徊する】
wander[walk]about;prowl;→英和
loiter.→英和
徘徊り
たもとおり 【徘徊り】 (枕詞)
〔動詞「たもとおる」の連用形から〕
「ゆきめぐる」意から「ゆきみ(=地名)」にかかる。「―行箕(ユキミ)の里に妹を置きて/万葉 2541」
徘徊る
たもとお・る 【徘徊る】 (動ラ四)
〔「た」は接頭語〕
同じ場所を行ったり来たりする。行き廻る。もとおる。「若子(ミドリゴ)の這ひ―・り朝夕に/万葉 458」
徙移
しい [1] 【徙移】
移ること。移動。移徙。
徜徉
しょうよう シヤウヤウ [0] 【徜徉・倘佯・倡佯】 (名)スル
歩きまわること。「山水の間に―するも/明六雑誌 12」
御
おおん オホ― 【御・大御】 (接頭)
〔「おおみ(大御)」の転。「おほむ」とも表記〕
(1)神・天皇に関する語に付いて,高い敬意を表す。「―ぶく(大御服)」「―とき(御時)」
(2)下にくる名詞が省かれて単独で名詞のように用いられることがある。「これもうちの―(=「御歌」ノ略)/大和 52」「対の上の―(=「御香」ノ略)は三種ある中に/源氏(梅枝)」
〔「おおん」「おん」は多く「御」と漢字で書かれ,「おおん」か「おん」かその読み方が決定しがたい。しかし,中古の例は「おおん」と読むべきものといわれる〕
御
ご 【御】
■一■ (名)
〔「御前」の略か〕
婦人の敬称。「伊勢の―もかくこそありけめ/源氏(総角)」
■二■ (接頭)
(1)主として漢語の名詞などに付いて,尊敬の意を表す。「―意見を尊重します」「―両親」「―家庭のみなさま」「―本」「―殿」
(2)動作を表す漢語に付く。
(ア)人の行為に対する尊敬の意を表す。「―成人のあかつきには」「―帰国なさる」「―説明くださる」
(イ)行為の及ぶ他人を敬って,自分の行為をへりくだっていう。「―案内申しあげる」「―招待いたします」「―紹介する」
(3)漢語の名詞に付いて,丁寧・上品にいう。「―飯」「―詠歌」「―馳走」
→お(御)
■三■ (接尾)
人物を表す名詞に付いて,尊敬の意を添える。「伯父―」「てて―」「めい―さま」
御
おおむ オホ― 【御】 (接頭)
⇒おおん(御)
御
おん 【御】 (接頭)
〔「おおん」の転〕
(1)名詞に(古くは,まれに用言にも)付いて,尊敬の意を添える。「お」よりあらたまった感じがある。「―身」「―礼」「―みずから」「日比も―恋しく思ひ奉りつれど/発心 3」
(2)中古には,下にくる名詞を略して単独で名詞のように用いることがある。「ふみなど講ずるにも,源氏の君の御(=「御詩」ノ略)をば,講師もえ読みやらず/源氏(花宴)」
〔(2)は「御」と漢字で表記され,「おん」と読まれることもあるが,中古のこのような例は「おおん」と読むべきであるといわれる〕
御
ぎょ 【御】
■一■ (接頭)
漢語に付く。
(1)尊敬すべき人の行為・事柄などを表す語に付いて,尊敬の意を表す。「―意」「―慶」
(2)特に天皇またはこれに準ずる人の行為・事柄や持ち物などを表す語に付いて,尊敬の意を表す。「―感」「―製」「―物」
■二■ (接尾)
動作を表す漢語に付いて,それが天子またはそれに準ずる人の動作であることを表す。「還―」「出―」「渡―」
御
み 【御】 (接頭)
〔本来は神など霊威のあるものに対する畏敬の念を表した〕
(1)主として和語の名詞に付いて,それが神仏・天皇・貴人など,尊敬すべき人に属するものであることを示し,敬意を添える。お。「神の―心」「―子」「―姿」
(2)(多く「深」と書く)主として和語の名詞や地名に付けて,美しいとほめたたえたり,語調を整えたりするのに用いられる。「―山」「―雪」「―草」「―吉野」
御
お 【御】 (接頭)
〔「おおみ(大御)」が「おおむ(おおん)」「おん」を経て「お」と転じてできた語〕
(1)名詞に付く。
(ア)相手や第三者に対する敬意とともに,相手のもの,相手に関するものであることを表す。「あの方の―帽子」「―子様」
(イ)丁寧の意を表す。上品に表現しようとする気持ちをこめても用いる。「―茶」「―しるこ」「―値段」
(2)(「阿」「於」とも書く)女性の名前に付けて,親愛感を添える。「―菊」「―富さん」
(3)動詞の連用形・名詞に付く。
(ア)「なさる」「になる」「遊ばす」「くださる」「いただく」「だ」などの語を伴い,その動作の主に対する敬意を表す。「―いでなさる」「―世話になる」「―読みあそばす」「―書きくださる」「―越しいただく」「社長が―呼びだ」
(イ)和らげた命令表現をつくる。目上には使わない。「―黙り」「そう―し」「早く―はいり」
(ウ)「する」「いたす」などの語を伴って,自分の側の動作について,動作の及ぶ相手に対する敬意を表す。「かばんを―持ちいたしましょう」「御注文の品を―届けに上がりました」「先生を―呼びする」
(4)形容詞・形容動詞に付く。
(ア)丁寧・上品に表現する。「―暑うございます」
(イ)相手や第三者に対する敬意を表す。「さぞ―さびしいことでしたでしょう」「―きれいでいらっしゃる」
(5)
(ア)(尊敬の表現を裏返しにして)皮肉やからかいの気持ちを表す。「―高くとまっている」「とんだ―荷物をかかえこんだ」「―えら方」
(イ)謙遜・卑下の気持ちを表す。「―恥ずかしゅうございます」「―粗末でした」
→ご(御)
御か文字
おかもじ 【御か文字】
かもじを丁寧にいう語。おかみさん。「お主(シユウ)に袖を引かれそめたる阿漕(アコギ)が浦,―さま悋(リン)文字に/浄瑠璃・松風村雨」
→かもじ
御し易い
ぎょしやす・い [4] 【御し易い】 (形)
思い通りに扱いやすい。手なずけ易い。
御し難い
ぎょしがた・い [4] 【御し難い】 (形)
思い通りに扱いにくい。
御する
ぎょする【御する】
drive;→英和
manage[handle] <a person> .→英和
御しやすい(がたい) (un)manageable;→英和
easy (hard) to manage.
御する
ぎょ・する [2] 【御する】 (動サ変)[文]サ変 ぎよ・す
(1)(「馭する」とも書く)馬や馬車などを上手に操る。「荒馬を―・する」「馬車は妾(ワタシ)が―・すから/蜃中楼(柳浪)」
(2)人を自分の思うとおりに動かす。
→御しやすい
(3)統治する。「民を―・するに唯(タダ)力を用ひ/学問ノススメ(諭吉)」
(4)天皇が,おでましになる。出御する。「紫宸に―・して/古事記(序)」
御す文字
おすもじ [2] 【御す文字】
〔文字詞〕
(1)〔もと女房詞〕
鮨(スシ)。すもじ。
(2)「御推(スイ)文字」に同じ。「待つ身より待たるる身の千々の思ひを―/浄瑠璃・孕常盤」
御の字
おんのじ [3] 【御の字】
〔もと遊里語。「御」という字を付けたくなるほどのもの,の意〕
(1)たいへん結構な物。また,そのような人。「今の世の―の客/浮世草子・織留 3」
(2)ありがたいこと。満足なこと。「五千円なら―だ」
御は文字
おはもじ 【御は文字】
〔「恥ずかし」の文字詞に「お」の付いた語〕
はずかしいこと。「よいころな女夫(メオト)が一組出来ませう,ああ―や/浄瑠璃・反魂香」
御タバコ盆
おタバコぼん [4] 【御―盆】
少女の髪の結い方の一。髪を左右に分けて両方から横に合わせ,頭の頂でタバコ盆のつるのように結ぶ。その上に手絡(テガラ)などをかける。おタバコ。明治初期に流行。
御ニュー
おニュー [2] 【御―】
〔「ニュー(new)」を名詞化して「お」を付けた語〕
新しく買った物。また,新しく使い始めたばかりの物。「―の靴に―の帽子」
御一新
ごいっしん [2] 【御一新】
明治維新(メイジイシン)の別名。
御一方
おひとかた [3] 【御一方】
「おひとり様」を丁寧にいう語。
御一緒する
ごいっしょ∘する [0] 【御一緒する】 (動サ変)
同行することをへりくだっていう語。「そこまで―∘しましょう」
御七夜
おしちや [0][3] 【御七夜】
(1)子供が生まれて七日目。また,その日の祝い。ななよ。
→七夜(シチヤ)
(2)「報恩講(ホウオンコウ)」に同じ。
御三の間
おさんのま 【御三の間】
〔もと,江戸城の部屋の名〕
江戸幕府の奥女中の職名。掃除や雑務を扱う。
御三卿
ごさんきょう [2] 【御三卿】
〔当主が八省の卿(カミ)に任ぜられる慣例であったことから〕
徳川氏の一族で,田安・一橋・清水の三家。御三家の次席で,将軍を補佐し,将軍に継嗣のないときは将軍家を継いだ。御三家と将軍家との間が血縁的にも疎遠になったために設けられた。三卿。
→田安
→一橋
→清水
御三家
ごさんけ [2] 【御三家】
(1)徳川氏の一族で,尾張・紀伊・水戸の三家。親藩中の最高位を占め,将軍を補佐し,水戸家以外は御三卿とともに将軍に継嗣のない場合は将軍家を継ぐ家柄であった。
→尾張家
→紀州家
→水戸家
(2)ある分野で,有名であったり力をもっている三人。
御三方
おさんかた [2] 【御三方】
「三人様」を丁寧にいう語。
御三時
おさんじ [2] 【御三時】
「おやつ」に同じ。
御上
おうえ 【御上】
(1)「御上様(オウエサマ)」に同じ。「これもはだに―より給はつたる小袖/幸若・夜討曾我」
(2)主婦の居間。また,茶の間。「走り出でんと思へども―には亭主夫婦/浄瑠璃・曾根崎心中」
(3)(土間に対して)畳の部屋。座敷。
御上
おかみ [2] 【御上】
(1)天皇を敬っていう語。
(2)政府・幕府など政治を行なっている機関を敬っていう語。「―の命令」
(3)武家で,臣下がその主君や奥方を敬っていう語。「只今帰りますると―へ申して下され/歌舞伎・四谷怪談」
(4)商家で,主人やその家族を敬っていう語。
(5)(「御内儀」「内儀」とも書く)他人の妻の敬称。「商家の―らしい四十前後の女が/黴(秋声)」
(6)(「女将」と書く)料理屋・宿屋などの女主人。
御上り
おのぼり [2] 【御上り】
地方から都へ行くこと。また,その人。
御上りさん
おのぼりさん [2] 【御上りさん】
見物などのために地方から大都会に出てきた人をからかい気味にいう語。
御上家
おかみけ 【御上家】 (名・形動ナリ)
(1)身分の高い人の家。貴族の家。「我が恋は唯―の女中/浮世草子・一代男 4」
(2)貴族的なさま。上品なさま。「つとめ姿さつて―なる御所風あり/浮世草子・諸艶大鑑 1」
御上手
おじょうず [0] 【御上手】
お世辞。見えすいたほめ言葉。「―を言う」
御上様
おうえさま 【御上様】
主人や目上の人の妻の敬称。おえさま。おいえさま。おうえ。「―とてうちかけして大黒柱にもたれても/浮世草子・文反古 5」
御上神社
みかみじんじゃ 【御上神社】
滋賀県野洲町三上にある神社。祭神は天之御影命(アメノミカゲノミコト)で,鍛冶の祖神。
御下
おしも [2] 【御下】
(1)大小便や下半身を丁寧にいう語。「―の世話をする」
(2)宮中や貴族に仕える女中。お末。
(3)内侍(ナイシ)の次位の女官。
御下
おした [0] 【御下】
(1)奉公人などに与えられる,客や主人の食事の残り物。おさがり。おろし。「骨と皮は―に出て/歌舞伎・小袖曾我」
(2)その支配下にあること。また,その人。「万年亀太郎様と申す御代官あり。―の百姓山公事を取むすび/咄本・御前男」
(3)地位や身分が低いこと。
(ア)平安時代,最下級の女房。
(イ)江戸時代,最下級の歌舞伎役者。
御下がり
おさがり [2] 【御下(が)り】
(1)神仏に供えたあと,下げた飲食物。
(2)客に出した食物の残り。
(3)年長者や目上の人からもらった使い古しの品物。お古。「兄の―の服」
(4)(「御降り」と書く)正月三が日に降る雨や雪。[季]新年。《―になるらん旗の垂れ具合/夏目漱石》
御下げ
おさげ [2] 【御下げ】
(1)少女の髪形で,髪を左右に分けて編んで下げるもの。また,頭上にまとめて後ろへ垂れるものもいう。お下げ髪。
(2)女帯の結び方。結んで両端を垂れ下げる。お下げ結び。
御下げ髪
おさげがみ [3] 【御下げ髪】
「おさげ{(1)}」に同じ。
御下り
おさがり [2] 【御下(が)り】
(1)神仏に供えたあと,下げた飲食物。
(2)客に出した食物の残り。
(3)年長者や目上の人からもらった使い古しの品物。お古。「兄の―の服」
(4)(「御降り」と書く)正月三が日に降る雨や雪。[季]新年。《―になるらん旗の垂れ具合/夏目漱石》
御下地
おしたじ [3][0] 【御下地】
醤油(シヨウユ)のこと。
御不承
ごふしょう [0] 【御不承】
(1)相手を敬ってその人が不承知であることをいう敬語。「―とは存じますがどうぞよろしく」
(2)無理な願いの承諾を求める時にいう語。「まげて―給わりたくお願い申し上げます」
御不洒落る
おぶしゃ・れる 【御不洒落る】 (動ラ下一)
〔「お」は接頭語。近世江戸語〕
下らない冗談をいう。「馬鹿らしうおざりいすはな,―・れなんすな/洒落本・娼妓絹籭」
御不浄
ごふじょう [0] 【御不浄】
「便所」を婉曲にいう語。
御世話
おせわ [2] 【御世話】 (名・形動)
(1)世話を丁寧にいう語。「病人の―をする」
(2)御面倒。「―でもよろしくお願いします」
(3)お節介。「大きな―だ」
御世話様
おせわさま [0] 【御世話様】 (名・形動)
他人が自分のために尽力してくれることをいう語。その人に対する感謝の意を表す挨拶(アイサツ)の言葉として用いることが多い。おせわさん。「たいへん―になりました」「どうも―」「―でした」
御世辞
おせじ [0] 【御世辞】
相手の機嫌をとろうとしていう,口先だけのほめ言葉。お追従(ツイシヨウ)。「―を言う」「―にもよい出来とはいえない」「―笑い」
御両所
ごりょうしょ [2] 【御両所】
おふたり。お二方。
→両所
御中
おんちゅう [1] 【御中】
郵便物で,会社・団体など個人名以外のあて名の下に添える語。「○○株式会社人事課―」
御中
おんちゅう【御中】
Messrs. <Sato&Co.> .
御中
おなか [0] 【御中】
□一□〔もと中世女性語。多く「御腹」と書く〕
腹。「―がすく」
□二□
(1)〔女房詞。食卓の真ん中に飯を置いたことから〕
食事,特に飯。[大上臈御名之事]
(2)〔女房詞。布団・着物の中に入れることから〕
綿。やわやわ。
(3)室町時代,武家の奥向きに仕えた女中の役名。御中臈(オチユウロウ)。
御主
おしゅう 【御主】
ご主人。ご主君。「よくよく―は怖(コワ)いもの/浄瑠璃・鑓の権三(上)」
御主
おぬし [2] 【御主】 (代)
二人称。対等もしくはそれに近い者に対する語。男女ともに用いた。おまえ。そなた。「―か様な者は叶ふまい/蒙求抄 7」
御主
おのし 【御主】 (代)
〔「おぬし」の転〕
二人称。おまえ。対等もしくはそれに近い者に対する語。男女ともに用いたが,近世では女性に多く用いられた。そなた。「―の様な老ぼれで有うと思たれば/蒙求抄 4」「助坊か,―も植木を買つたな/咄本・聞上手」
御九日
おくんち [2][0] 【御九日】
⇒おくにち(御九日)
御九日
おくにち [2] 【御九日】
九月九日。また,その日に行われる氏神の祭り。収穫を祝うものが多い。「御供日」「御宮日」などと書いて,単に祭りの意にも用いる。おくんち。
→三九日(サンクニチ)
御乳
みぶ 【御乳・壬生】
大化前代,皇子の養育に奉仕した部(ベ)。壬生部(ミブベ)。
御乳
おち 【御乳】
「御乳の人」の略。「涙は―が胸の内/浄瑠璃・先代萩」
御乳の人
おちのひと 【御乳の人】
貴人の子の乳母。御乳(オチ)。「―の背中をとん��とぶたしやんして/浄瑠璃・丹波与作(上)」
御事
おんこと 【御事】
■一■ (名)
(1)貴人にかかわる「こと」を敬っていう語。「女院の御なげき,たぐひすくなかりし―なり/保元(上)」
(2)特に,貴人の死去のこと。「後嵯峨院の―ののち/新後撰(雑下詞)」
(3)人を敬っていう語。おかた。「これはこの辺りにては見馴れ申さぬ―なり/謡曲・賀茂」
■二■ (代)
二人称。相手を敬っていう語。あなた様。「―をのみなむ,心苦しう思ひ聞こゆるに/源氏(総角)」
御事
おこと 【御事】
■一■ (名)
「御事始め」または「御事納め」の略。
■二■ (代)
二人称。相手に対して親しみの情をこめて呼ぶ語。そなた。「只―の苦しさをこそ存じ候へ/保元(中)」
御事始め
おことはじめ [4] 【御事始め】
(1)江戸時代,江戸で陰暦一二月八日,上方では一二月一三日,煤(スス)払いをして正月の準備を始めること。ことはじめ。[季]冬。
(2)古く東国で,陰暦二月八日に農事を始めることを祝って行なった行事。
御事汁
おことじる [4] 【御事汁】
江戸時代,「御事始め{(1)}」と「御事納め{(1)}」に食べたみそ汁。大根・里芋・牛蒡(ゴボウ)・こんにゃく・人参・豆腐などを入れて作った。おことに。
御事納め
おことおさめ [4] 【御事納め】
(1)江戸時代,陰暦二月八日に年神の棚をはずして正月の行事を終わること。ことおさめ。
(2)古く東国で,陰暦一二月八日に農事を終わることを祝って行なった行事。おこと。ことおさめ。
御二方
おふたかた [3] 【御二方】
「おふたり様」を丁寧にいう語。
御井
みい 【御井】
井戸・泉の美称。「―の清水(マシミズ)/万葉 52」
御交じり
おまじり [2] 【御交じり】
ごくわずかの飯粒のまじった重湯(オモユ)。病人食や離乳食にする。
御亭
ごて 【御亭】
〔「御亭主」の略〕
御主人。ごてい。
→ごてさん
御亭
ごてい 【御亭】
(1)貴人などの邸宅。
(2)「御亭主」の略。「―はといへば,女房そのまま返答におよばず/咄本・露が咄」
御亭さん
ごてさん 【御亭さん】
〔「御亭主様」の転〕
遊里で,揚屋(アゲヤ)や茶屋の主人をいう語。ごてさま。ごて。
御亭主
ごていしゅ [2] 【御亭主】
(1)一家の主人の敬称。あるじ。
(2)他人の夫の敬称。
御人好し
おひとよし [0][3] 【御人好し】 (名・形動)
気がよくて,他人の言うことをすぐ信じたり,引き受けたりするさま。また,そういう性格の人。「―な性格」
御仁
ごじん [2][0] 【御仁】
他人を敬っていう語。おかた。「立派な―だ」「あの―には辟易(ヘキエキ)する」
〔現在では,多くからかい気味の芝居がかった言い方〕
御仁体
ごじんたい 【御仁体】
身分のある人を敬っていう語。ごじんてい。「さばかり―と見えたが/狂言・禁野(虎清本)」
御仁体
ごじんてい [2] 【御仁体】
〔「てい」は「体」の漢音〕
「ごじんたい(御仁体)」に同じ。「教育家らしい―が見当らぬやうだ/社会百面相(魯庵)」
御仏
みほとけ [0] 【御仏】
仏を敬っていう語。「―のお導き」
御仏供
おぶく 【御仏供】
仏への供物。御仏飯(オブツパン)。仏供(ブツク)。「―はまだか/浮世草子・一代女 3」
御仏前
ごぶつぜん [0] 【御仏前】
(1)仏前を丁寧にいう語。
(2)仏前に供える金品に記す語。
御仏名
おぶつみょう [0] 【御仏名】
⇒仏名会(ブツミヨウエ)
御仕着せ
おしきせ [0] 【御仕着せ】
(1)「仕着せ」に同じ。
(2)上から一方的に与えられたり,定められたりしていること。
御仕置き
おしおき [0][2] 【御仕置き】
(1)いたずらや悪い事をした子供に,こらしめのために罰を加えること。また,その罰。
(2)江戸時代,刑罰をいう。
→しおき
御仕置き者
おしおきもの [0] 【御仕置き者】
おしおきを受ける者。罪人。
御仕置例類集
おしおきれいるいしゅう 【御仕置例類集】
江戸後期の刑事判例集。幕府評定所が,1771年から1852年に至る判例を五回にわたって編纂したものの総称。
御仕舞
おしまい [0] 【御仕舞(い)】
(1)終わること。済むこと。「お話はこれで―」
(2)物事がだめになること。「おれの人生ももう―だ」
(3)売り切れ。品切れ。
→仕舞い
御仕舞い
おしまい [0] 【御仕舞(い)】
(1)終わること。済むこと。「お話はこれで―」
(2)物事がだめになること。「おれの人生ももう―だ」
(3)売り切れ。品切れ。
→仕舞い
御付き
おつき [0] 【御付き】
身分の高い人の側にいて,その用をする人。つきそい。おとも。
御付け
おつけ [0] 【御汁・御付け】
(1)〔本膳で飯に並べて付ける意から。中世女性語〕
吸い物の汁。おつゆ。
(2)特に,味噌汁。「―の実」
御代
おだい [0] 【御代】
代金を丁寧にいう語。「―はいかほど」
御代
みよ [1] 【御代】
天皇・皇帝・王などの治世を敬っていう語。ごよ。「明治の―」
御代
みよ【御代】
a reign;→英和
a period.→英和
…の〜に in the reign of….
御代り
おかわり [2] 【御代(わ)り】 (名)スル
同じものを続けてもう一度飲食すること。また,その飲食物。「何杯も―する」
御代わり
おかわり [2] 【御代(わ)り】 (名)スル
同じものを続けてもう一度飲食すること。また,その飲食物。「何杯も―する」
御休み
おやすみ [0] 【御休み】
(1)休暇・休日・休業を丁寧にいう語。休暇。休日。休業。「学校は明日から―です」
(2)その人を敬って寝ることをいう語。「別室で―になっていらっしゃいます」
(3)〔「お休みなさい」の略〕
寝るときの挨拶(アイサツ)の言葉。
御休みなさい
おやすみなさい 【御休みなさい】 (連語)
寝るときの挨拶(アイサツ)の言葉。
御会
ごかい [1][0] 【御会】
歌会をうやまっていう語。
御会式
おえしき [0][2] 【御会式】
「会式(エシキ)」に同じ。[季]秋。
御伴
おとも [2] 【御供・御伴】 (名)スル
〔供を丁寧にいう語〕
(1)供をすること。また,供の人。「―の侍」「私が―しましょう」
(2)料亭などで,帰る客を乗せる自動車をいう語。
御伴衆
おともしゅう 【御伴衆】
室町幕府の職名の一。将軍に近侍し,外出の供をしたり,饗宴の際に陪席したりする役。
御似まし
おにまし [2] 【御似まし】
似ていることの女性語。「お母様に―でいらっしゃること」
御伽
おとぎ [0][2] 【御伽】
〔伽を丁寧にいう語〕
(1)貴人の身近に仕えて,話し相手をつとめること。また,その者。「―をする」
(2)寝室にはべること。また,その女性。侍妾(ジシヨウ)。
(3)「御伽話」の略。「―の国」
(4)「御伽小姓(コシヨウ)」の略。「お傍の―もおないどし/浄瑠璃・先代萩」
御伽の国
おとぎのくに [0] 【御伽の国】
おとぎ話に出てくる,美しく楽しい空想の世界。
御伽噺
おとぎばなし [4] 【御伽話・御伽噺】
(1)大人が子供に語って聞かせる昔話や言い伝え。
(2)現実とは懸け離れた架空の話。夢物語。
御伽坊主
おとぎぼうず [4] 【御伽坊主】
(1)通夜のとき,死者の枕元にいて読経をする僧。
(2)「御伽衆(オトギシユウ)」に同じ。
御伽婢子
おとぎぼうこ 【御伽婢子】
仮名草子。一三巻。浅井了意作。1666年刊。中国小説「剪灯新話(セントウシンワ)」の翻案などによる怪異談を集めたもの。怪異小説流行の端緒となり,多くの影響作を生んだ。
御伽婢子
おとぎぼうこ [4] 【御伽這子・御伽婢子】
(1)子供のお守りの一種。長さ約30センチメートル。芯(シン)の綿を白い布で包み,黒い糸を髪として左右に分けて垂らした人形。
(2)書名(別項参照)。
御伽這子(1)[図]
御伽小姓
おとぎこしょう [4] 【御伽小姓】
幼い主君の遊び相手をする小姓。
御伽犬
おとぎいぬ [3] 【御伽犬】
雌雄一対の犬が臥した形の張り子の容器。産所や寝所で必要とする物を入れた。安産や魔除けのお守りでもあった。犬箱。
→犬張り子
御伽芝居
おとぎしばい [4] 【御伽芝居】
おとぎ話を脚色した児童劇。巌谷小波が提唱し,川上音二郎・貞奴夫妻が1903年(明治36)「狐の裁判」「浮かれ胡弓」を東京の本郷座で上演したのに始まる。
御伽草子
おとぎぞうし [4] 【御伽草子】
室町時代から江戸初期にかけて成った三百余編の短編物語。ほとんど作者未詳。享保(1716-1736)頃,大坂の書肆(シヨシ)渋川清右衛門が「御伽文庫」の名で二三編を刊行してから,この類の物語の総称となった。恋愛物・稚児物・遁世物・立身出世物・本地物(ホンジモノ)・異類物など種類は多く,教訓的・啓蒙的・空想的内容のものが多い。
御伽衆
おとぎしゅう [3] 【御伽衆】
将軍や大名の側近くに伺候して諸国咄(バナシ)をしたり,雑談の相手をつとめたりする職。また,その者。室町末期,戦陣のつれづれを慰めるため,老臣や僧侶をはべらせたのに始まる。同朋。御伽坊主。御咄衆(オハナシシユウ)。伽衆。伽。
御伽話
おとぎばなし [4] 【御伽話・御伽噺】
(1)大人が子供に語って聞かせる昔話や言い伝え。
(2)現実とは懸け離れた架空の話。夢物語。
御伽這子
おとぎぼうこ [4] 【御伽這子・御伽婢子】
(1)子供のお守りの一種。長さ約30センチメートル。芯(シン)の綿を白い布で包み,黒い糸を髪として左右に分けて垂らした人形。
(2)書名(別項参照)。
御伽這子(1)[図]
御体
ごたい 【御体】
身体の敬称。おからだ。ぎょたい。「八幡大菩薩の―正しく現じ給ひ/盛衰記 24」
御体の御占
ごたいのみうら 【御体の御占】
古代,神祇官(ジンギカン)で行なった,天皇が体に関して慎まねばならない日を占い奏する儀式。六月と一二月の一〇日に結果を奏上した。
御作
ぎょさく [0] 【御作】
(1)貴人の手になる作品。
(2)他人の作ったものを敬っていう語。「―拝見」
御作り
おつくり [0][2] 【御作り・御造り】
〔「つくり」の丁寧語〕
(1)化粧。身支度。
(2)〔もと,女性語〕
刺身。主に関西でいう。
御佩刀
みはかし 【御佩刀】
佩刀(ハカシ)を敬っていう語。みはかせ。「ここにその―のさきにつける血/古事記(上訓)」
御佩刀
みはかせ 【御佩刀】
「みはかし(御佩刀)」に同じ。
御佩刀を
みはかしを 【御佩刀を】 (枕詞)
類義語を重ねて,「剣の池」にかかる。「―剣の池の蓮葉(ハチスバ)に/万葉 3289」
御使い
おつかい [0] 【御使い】
(1)買い物などのためにちょっと外出すること。
(2)使者。
→使い
御供
ごくう [2][1] 【御供】
〔「ごく」の転〕
神仏へ供えるもの。御供物(ゴクモツ)。「人身(ヒトミ)―」「神前に―供ゆる様に/浄瑠璃・信州川中島」
御供
ごく 【御供】
⇒ごくう(御供)
御供
おとも [2] 【御供・御伴】 (名)スル
〔供を丁寧にいう語〕
(1)供をすること。また,供の人。「―の侍」「私が―しましょう」
(2)料亭などで,帰る客を乗せる自動車をいう語。
御供え
おそなえ [0] 【御供え】
(1)神仏に供える物。お供物(クモツ)。「―物(モノ)」
(2)お供え餅。鏡餅。
御供え餅
おそなえもち [4] 【御供え餅】
年始・祭礼などに神仏に供える餅。鏡餅。おそなえ。
御供御
おこご 【御供御】
〔「おくご(御供御)」の転〕
昼飯。「釈迦様の開帳の相伴やら―やら/浄瑠璃・長町女腹切(上)」
御供所
ごくうしょ [0][4] 【御供所】
〔「ごくしょ」とも〕
社寺に付属した,供え物を調える所。
御供料
ごくうりょう [2] 【御供料】
神仏へ供える品物,または金銭。おそなえもの。
御供水
ごくうすい [2] 【御供水】
神仏に供える水。
御供米
おくま [0] 【御糈・御供米】
「くましね」に同じ。
御侠
おきゃん [2] 【御侠】 (名・形動)
〔「きゃん」は唐音〕
若い女性が活発で,やや軽はずみな・こと(さま)。そのような娘をもいう。おてんば。「―な下町娘」
〔「きゃん」は男女ともに使ったが「お」を付けて女性に用いたもの〕
→きゃん
御修法
みずほう [2][0] 【御修法】
(1)正月八日から七日間,大内裏の真言院で行われた仏事。みしゅほう。みしほ。
(2)貴人の家などで行われる加持祈祷(キトウ)の法。
御修法
みしゅほう [2][0] 【御修法】
「みずほう(御修法)」に同じ。
御修法
みしほ 【御修法】
〔「みしゅほう(御修法)」の転〕
「みずほう(御修法)」に同じ。
御倉
おくら [0] 【御蔵・御倉】
(1)演劇・映画などで,企画や作品の上演が取りやめになること。「―になる」「―にする」
(2)江戸幕府が直轄地から収納した米を保管する蔵。御米蔵。
御倚子
ごいし [0] 【御倚子】
儀式において群臣の拝を受けるとき,天皇の着座したいす。
御偉方
おえらがた [0] 【御偉方】
偉い方々。お偉い人。「会社の―」
〔ちゃかした言い方〕
御側
おそば [2][0] 【御側】
(1)貴人のそばを敬っていう語。「―に仕える」
(2)主君・貴人のそばに仕える人。近侍。「―玉章(タマズサ)と言へる容貌(ミメ)よき女と/人情本・娘節用」
御側付き
おそばづき [0] 【御側付き】
主君・貴人のそばに仕えること。また,その人。おそば。
御側御用人
おそばごようにん [5] 【御側御用人】
⇒側用人(ソバヨウニン)
御側衆
おそばしゅう 【御側衆】
⇒側衆(ソバシユウ)
御傘
ごさん 【御傘】
俳諧式目。一〇巻。松永貞徳著。1651年刊。俳諧の作法書と歳時記を兼ねたもの。俳諧に用いる言葉をいろは順に配列し,差合(サシアイ)・去嫌(サリキライ)などの解説を施したもの。俳諧御傘。
御僧
ごそう [0][1] 【御僧】
(1)僧の敬称。
(2)(代名詞的に用いて)相手の僧を敬っていう語。
御先
みさき 【御先・御前】
(1)貴人の外出の際などの先導をすること。先払い。前駆(ゼンク)。「―の松明(マツ)ほのかにて,いと忍びていで給ふ/源氏(夕顔)」
(2)神が,使者としてつかわす動物。御先物。
御先
おさき [0] 【御先】
(1)相手を敬って「先」を丁寧にいう語。「どうぞ―にお召し上がり下さい」「私は―へ御飯戴きます/金色夜叉(紅葉)」
〔明治時代までは「お先へ」の形が用いられた〕
(2)(「お先に・お先に失礼します」の形で)相手よりも先に物事を行う時にいう挨拶のことば。「―,と言って帰る」
(3)将来。先。
(4)人を手先に使うこと。また,人に利用される者。「―に許り遣はれて/洒落本・南閨雑話」
御先タバコ
おさきタバコ [4] 【御先―】
主人が客にもてなしに出すタバコ。「しやあしやあと,―にわしが煙草をいくら呑んだか知れませぬ/歌舞伎・小袖曾我」
御先棒
おさきぼう [0] 【御先棒】
⇒先棒(サキボウ)
御先棒担ぎ
おさきぼうかつぎ [6] 【御先棒担ぎ】
⇒先棒担(サキボウカツ)ぎ
御先狐
おさきぎつね [4] 【御先狐】
⇒尾裂(オサ)き狐(ギツネ)
御先真っ暗
おさきまっくら [6] 【御先真っ暗】 (形動)
将来の見通しが全くつかないこと。将来に希望が見出せないこと。「不況で経済界は―だ」
御先者
おさきもの 【御先者】
人の手先に使われる者。また,人の先に立って騒ぐ軽率な人。「燃木に火をさす―/滑稽本・浮世風呂 4」
御先走り
おさきばしり [4] 【御先走り】
他人より先に軽はずみに行動すること。また,その人。おさきっぱしり。
御先追ひ
みさきおい 【御先追ひ・警蹕】
天皇・神体などの行列の前駆。「―既に動きぬ/日本書紀(天武下訓)」
御光
ごこう [1] 【御光】
グローリーのこと。見られる場所によって山の御光・海の御光・稲田の御光などと呼ばれる。後光。御来迎。来光。
御光厳天皇
ごこうごんてんのう ゴクワウゴンテンワウ 【御光厳天皇】
(1338-1374) 北朝第四代天皇(在位 1352-1371)。名は弥仁(イヤヒト)。光厳天皇の皇子。足利尊氏・義詮に擁立されて践祚(センソ)。南朝軍の襲撃でしばしば美濃・近江などに難を避けた。
御免
ごめん [0] 【御免】
(1)免許・許可の尊敬語。「お出入り―になる」「天下―」「木戸―」
(2)免官・免職の尊敬語。「お役を―になる」
(3)「ごめんなさい」の略。「さっきは―ね」
(4)「ごめんください」の略。「玄関で―,―と呼ばわる」
(5)拒否・拒絶の気持ちを婉曲に表す語。「戦争はもう―だ」「そんな役回りは―だ」
(6)赦免・容赦の尊敬語。「衆会(シユエ)のおん座敷とも存ぜず候。―あらうずるにて候/謡曲・吉野静」
御免なさい
ごめんなさい 【御免なさい】 (連語)
(1)許しを請うたり,謝罪したりするときに言う語。「―,痛かったでしょ」
(2)他家を訪れたり,辞去したりするときの挨拶の言葉。「ではこれで―」
御免をこうむって
ごめん【御免をこうむって】
with your leave[permission].御免ください Excuse me (ことわり)./I beg your pardon (わび).
御免下さい
ごめんください 【御免下さい】 (連語)
(1)他家を訪問したときや辞去するときの挨拶の言葉。「―。どなたかいらっしゃいませんか」
(2)許しを請う丁寧な言葉。「お気にさわったら―」
御免下駄
ごめんげた [2] 【御免下駄】
楕円形の台に,白い丸ぐけの鼻緒をつけた畳付きの駒下駄。宮中での履物は草履に限られたが,雨天の際だけ特に許されたのでいう。
御免筆
ごめんひつ [2][0] 【御免筆】
御家流の奥義を青蓮(シヨウレン)院門跡から許されること。また,許された人。
御免革
ごめんがわ [2] 【御免革】
(1)一般人の使用が許されていた染め革。茶色地に白で模様を染めたもの。
〔紫色の染め革は禁止されていた〕
[貞丈雑記]
(2)「正平(シヨウヘイ)革」に同じ。
御免駕籠
ごめんかご [2] 【御免駕籠】
江戸時代,医者や裕福な町人が,町奉行の許しを得て用いた黒塗りの自家用かご。
御児
おちご [0] 【御稚児・御児】
(1)「ちご(稚児)」を丁寧にいう語。
(2)「おちごわげ」の略。
御児成り
おちごなり [0] 【御児成り】
祭礼などの際,稚児が列をつくって練り歩くこと。
御入り
おんいり 【御入り】
御来訪。お越し。御入来。「―を知りたてまつらば,最前より申すべかりつる物を/曾我 6」
御入り
おいり [0] 【御入り】
「入ってくること」の尊敬語。おいで。
御入りある
おんいりあ・る 【御入りある】 (連語)
〔「おん…ある」の間に「入る」の連用形を入れたもの〕
補助動詞的に用いる。「ある」「いる」の尊敬語。…(で)いらっしゃる。…(で)ございます。おいりある。「さて御痛(イタ)はり(=病気)は何と―・るぞ/謡曲・熊野」
御入りある
おいりあ・る 【御入りある】 (連語)
(1)「来る」「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。ございます。あります。「明宗は沙漠に御座あるほどに率とは―・るまい/勅規桃源抄 1」
(2)(補助用言)動詞・形容詞の連用形,体言に「で」「にて」を添えたものなどに付いて,「ある」「いる」の意の尊敬語。(で)いらっしゃる。「これは今年生まれ,片子(カタコ)で―・る/咄本・醒睡笑」
御入り候
おんいりそうろ・う 【御入り候】 (連語)
(1)「来る」「行く」「ある」「いる」の尊敬語。おいでになる。いらっしゃる。「こなたへ―・へ/謡曲・松風」
(2)「ある」の意の丁寧語。ございます。あります。「さるかた卒度(ソツト)御目に懸りて申上度義の―・ふ/浮世草子・一代男 4」
(3)形容詞の連用形,名詞に「にて」の添えられたものに付いて,補助動詞的に用いられ,丁寧の意を表す。…(で)ございます。…であります。御座候。「今更馴々しく―・へ共,たへかねて申まいらせ候/浮世草子・一代男 1」
御八つ
おやつ [2] 【御八つ】
〔八つ時(午後三時頃)に食べることから〕
午後に食べる間食。お三時。「―にする」
御公儀
ごこうぎ [2] 【御公儀】
朝廷や幕府を敬い,はばかっていう語。
→公儀(2)
御典医
ごてんい [2] 【御殿医・御典医】
江戸時代,幕府や大名に召しかかえられた医者。御殿医者。おさじ。
御内
みうち 【御内】
■一■ (名)
(1)貴人。また,主人。「―只今機嫌あしく候/義経記 7」
(2)貴人,または主君の邸内。「其の後侍共―に夜討いたりとて/平家 12」
(3)将軍の指揮下に属する武士。「御曹司の―にわれとおもはん侍ども/保元(中)」
(4)代々その主君に仕える家臣。
⇔外様
「両六波羅を始めとして―外様の諸軍勢に至るまで/太平記 6」
(5)家臣。家来。「信濃国の住人麻生殿の―なる藤六と下六が/狂言・烏帽子麻生(天正本)」
■二■ (代)
二人称。軽い敬意をもって相手をさす語。「―のおやは包丁人/狂言・鱸庖丁」
御内
おんうち [1] 【御内】
手紙のあて名のかたわらに添える語。相手の妻や相手の一家にあてて出す場合に用いる。
御内
おうち [0] 【御内・御家】
■一■ (名)
(1)相手または第三者を敬ってその家や家庭をいう語。おたく。
(2)「家」「家庭」の丁寧語。「坊や,もう―に帰りましょうね」
■二■ (代)
二人称。軽い敬意をもって相手をさす語。あなた。「なふ,―はなにとの給ふぞ/幸若・烏帽子折」
→内(ウチ)■二■
御内儀
おないぎ [2] 【御内儀】
近世,他人の妻を敬っていう語。町家の妻にいうことが多かった。
御内儀
ごないぎ [2] 【御内儀】
貴人の妻または相手の妻を敬っていう語。御内室。御内証。
御内室
ごないしつ [0] 【御内室】
「御内儀」に同じ。
御内所
ごないしょ [0] 【御内所】
遊郭などで,主人の居間や帳場。また,その店の主人。
御内方
ごないほう 【御内方】
「御内儀」に同じ。「其元(ソコモト)の―は扨々心がけがござるは/浄瑠璃・忠臣蔵」
御内書
ごないしょ [2][0] 【御内書】
室町時代以後,将軍家から出される文書。形式的には私文書の書状であるが,公的効力をもつ。
→御教書(ミギヨウシヨ)
御内証
ごないしょう [0] 【御内証】
「内証」の丁寧語・尊敬語。
御冠
おかんむり [0] 【御冠】
〔「冠を曲げる」からという〕
機嫌が悪いこと。「社長は朝から―だ」
御冠船
おかんせん 【御冠船】
明・清の時代,中国から冊封使(サクホウシ)を琉球に運んだ船。冠船。冊封使船。
御冠船踊り
おかんせんおどり 【御冠船踊り】
琉球王国時代の宮廷舞踊の総称。中国の冊封使(サクホウシ)をもてなす祝宴のうち,仲秋の宴・重陽の宴に演ぜられた諸芸能をいう。
御冷え
おひえ 【御冷え】
木綿・麻などの綿入れの夜着をいう女性語。つめた。[日葡]「そなたの寝巻の―も貸して寝代つてたもらぬか/浄瑠璃・大経師(上)」
御冷や
おひや [2] 【御冷や】
(1)〔女房詞「御冷やし」の略〕
つめたい飲み水。水。
(2)つめたくなった御飯。ひやめし。
御冷やし
おひやし 【御冷やし】
〔女房詞〕
水。特に,飲料水。おひや。[大上臈御名之事]
御出
ごしゅつ 【御出】
⇒ぎょしゅつ(御出)
御出
ぎょしゅつ 【御出】
貴人が外出すること。おでまし。「大炊御門を西へ―なる/平家 1」
御出で
おいで [0] 【御出で】
■一■ (名)
(1)「来ること」「行くこと」の尊敬語。「―を請う」「―を願う」「どちらへ―ですか」
(2)「いること」の尊敬語。「ご主人は今どちらに―ですか」
■二■ (連語)
(1)下に「になる」「下さる」「なさる」などを伴って,「行く」「来る」「いる」などの尊敬表現。「二時の便で―なさい」「明日はお宅に―になりますか」「ここに―下さいますか」
(2)(「おいでなさい」の「なさい」を略した形で)
(ア)「行く」「来る」「いる」の意の命令・要求を表す。「早く学校へ―」「ちょっとこっちへ―」「しばらくここに―」
(イ)助詞「て」の下に付いて,補助動詞的にも用いる。「公園へ行って―」「おとなしくして―」
御出でなさい
おいでなさい 【御出でなさい】 (連語)
〔「おいでなさいます」の命令の形「おいでなさいませ(まし)」の略〕
(1)「行く」「来る」「いる」の意の尊敬表現。「おいでなさる」の命令の言い方。いらっしゃい。「あちらの方へ―」「こちらへ―」「ここに―」
(2)来客を歓迎する気持ちを表す挨拶(アイサツ)の言葉。いらっしゃい。「やあ,―。よく来たね」
御出でなさる
おいでなさ・る [5] 【御出でなさる】
■一■ (動ラ五[四])
(1)「行く」「来る」「いる」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。「アメリカにはいつ―・るのですか」「いつまで東京には―・るおつもりですか」「そら,やっこさんおいでなすった」「今日は里へ―・るのでございますかえ/人情本・英対暖語」
(2)(補助動詞)
動詞・形容詞の連用形に「て(で)」を添えた形に付き,「…ている」の意の尊敬を表す。「まだ疑って―・るのですか」「大層おとなしくて―・る」
〔命令形は「おいでなさい」。連用形は,「ます」に続くときは「おいでなさいます」となり,「た」「て」に続くときは,「おいでなすった(て)」の形も用いられる〕
■二■ (動ラ下二)
⇒おいでなされる
御出でなされる
おいでなさ・れる [6] 【御出でなされる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おいでなさ・る
(1)「おいでなさる{■一■(1)}」に同じ。「ようこそ―・れました」「いつまでこちらに―・れますか」
(2)(補助動詞)
「おいでなさる{■一■(2)}」に同じ。「五郷さんの方でそなたを探して―・れう/人情本・当世虎之巻後編」
御出でなんす
おいでなん・す 【御出でなんす】 (動サ特活)
(1)「来る」「行く」などの尊敬語。「久米さんよう―・したの/洒落本・風俗砂払伝」
(2)(補助動詞)
動詞の連用形に助詞「て(で)」を添えたもの,形容詞の連用形またはそれに助詞「て」を添えたものに付いて,「(て)いる」「(で)ある」の意の尊敬を表す。「よくも黙つて―・した/洒落本・色講釈」
〔活用は動詞「なんす」に同じ〕
→なんす
御出でになる
おいでにな・る [5] 【御出でになる】 (動ラ五[四])
(1)「来る」「行く」「いる」の尊敬語。いらっしゃる。「まもなくこちらへ―・ります」「展覧会にはもう―・りましたか」「日曜日はお宅に―・りますか」
(2)(補助動詞)
動詞・形容詞の連用形に助詞「て(で)」を添えた形に付いて,「ている」の意の尊敬を表す。「今論文を書いて―・ります」「御機嫌よくて―・りますね」
御出でる
おい・でる [3] 【御出でる】 (動ダ下一)
〔名詞「おいで」に「る」を付けて動詞化したもの〕
(1)「行く」「来る」「いる」の尊敬語。おいでになる。「わし所(トコ)へ―・でて飯(ママ)食ひんか/滑稽本・浮世風呂 2」
(2)(補助動詞)
動詞の連用形に助詞「て」を添えた形に付いて,「ている」の意の尊敬を表す。「二時間もすわって―・でたのでさぞお疲れになりましたでしょう」
〔現在ではやや古風な言い方〕
御出で御出で
おいでおいで [6] 【御出で御出で】
手招き。子供などを呼ぶときにする動作をいう。「―をする」
御出奉行
おいでぶぎょう [4] 【御出奉行】
鎌倉・室町幕府の職名。将軍の外出に際し,従者を定め,路次の行列の整理をつかさどった。江戸時代には臨時の職となる。
御出座
おでまし [0] 【御出座】
出かけること,来ること,出席することなどを敬っていう語。「開会式に―になる」
御出木偶
おででこ [0] 【御出木偶】
(1)享保・元文(1716-1741)の頃,見世物に用いた人形。放下師(ホウカシ)がオデデコデンの囃子(ハヤシ)に合わせ,伏せた笊(ザル)をあけるたびに,次々に変わる人形が出現する。
(2)「おででこしばい」の略。
御出木偶芝居
おででこしばい [5] 【御出木偶芝居】
〔もと,おででこを使った人形芝居であったことから〕
江戸三座以外の小さな劇場。
御出来
おでき [2] 【御出来】
皮膚にできて,膿(ウミ)をもつ腫(ハ)れ物。できもの。「―ができる」
御刀代
みとしろ 【御戸代・御刀代】
神に供える稲を作る田。みたしろ。神田(シンデン)。「皇神の―を始めて/祝詞(広瀬大忌祭)」
御分
ごぶん 【御分】 (代)
二人称。同輩またはやや目上の人に対して武士が用いる語。あなた。貴殿。御辺。「―誠に僧ならば/太平記 38」
御初
おはつ [0] 【御初】
(1)はじめての物。特に,その年はじめて食べる季節の物。はつもの。「―をいただく」
(2)おろしたての衣服。
(3)(「おはつに」の形で)「初めて」の丁寧な言い方。「―にお目にかかります」
御初穂
おはつほ [0] 【御初穂】
〔「おはつお」とも〕
(1)神仏や朝廷に奉る,その年に初めてとれた穀物。
(2)神仏に供える穀物やお供えもの。
御判
ごはん 【御判】
印判・花押(カオウ)を敬っていう語。
御判の御教書
ごはんのみぎょうしょ 【御判の御教書】
室町時代,将軍が御判を押して直接発給する形式の御教書。
御判焼
ごはんやき [0] 【御判焼】
慶長(1596-1615)頃に薩摩で作られた陶器。文禄の役で島津義弘の捕虜となった朝鮮人金海が薩摩に住して焼いた高麗伝法の陶器で,佳品には藩主自ら印判を押した。御判手。
御判物
ごはんもの [0] 【御判物】
(1)室町時代,武将の花押のある文書。ごはんもつ。
(2)江戸時代,将軍の花押のある文書。
御利生
ごりしょう [2] 【御利生】
神仏から受ける恩恵。
御利益
ごりやく [2] 【御利益】
(1)神仏を信ずることから受ける恩恵。めぐみ。「天神様の―」
(2)人や金品から与えられる恩恵。「お金の―」
御利益
ごりやく【御利益】
an answer to a prayer.→英和
〜のある propitious.→英和
〜があった One's prayer was answered.
御前
おめえ [0] 【御前】 (代)
〔「おまえ」の転〕
二人称。
(1)同輩以下の者に対するぞんざいな言い方として用いられる。「おれがこうなったのも―のせいだ」
(2)近世には,対等あるいはそれ以上の者に対して,男女ともに用いる。「―お茶を上がるかえ/洒落本・青楼楽種」
御前
ごぜん【御前】
(1)[貴人の前] <in> the presence <of> .→英和
(2)[敬称]Your[His]Excellency;my lord.‖御前会議 a council in the Imperial presence.
御前
ごぜん [0][1] 【御前】
〔「おまえ」の漢字表記「御前」を音読みした語〕
■一■ (名)
(1)天皇や貴人の前。また,神仏の前。「―に伺候する」
(2)〔「御前駆」の略〕
騎馬で貴人の先導をする者。「―どもの中に例見ゆる人などあり/蜻蛉(下)」
(3)貴人に対する敬称。近世,大名・旗本・大名の奥方に対する敬称。「―御寝なりて/今昔 24」
■二■ (代)
二人称。
(1)女性に対し敬意を含めて用いる。「―たち,さはいたく笑ひ給ひてわび給ふなよ/宇治拾遺 14」
(2)近世,大名・旗本,その奥方などを家臣が敬っていう語。「是ははしたない,―の御いでなさるる儀ではござりませぬ/歌舞伎・毛抜」
■三■ (接尾)
(1)神の名に付けて,尊敬の意を表す。「かかる折節には竜王―ともこそかしづき申すべき/盛衰記 18」
(2)人の名などに付けて軽い尊敬や親愛の気持ちを表す。「小松三位中将殿の若君六代―/平家 12」
(3)白拍子(シラビヨウシ)の名に付ける敬称。「祇王―/平家 1」
御前
みさき 【御先・御前】
(1)貴人の外出の際などの先導をすること。先払い。前駆(ゼンク)。「―の松明(マツ)ほのかにて,いと忍びていで給ふ/源氏(夕顔)」
(2)神が,使者としてつかわす動物。御先物。
御前
おんまえ [1] 【御前】
(1)貴人の前。「陛下の―に進み出る」
(2)女性の手紙の脇付(ワキヅケ)に用いる語。御前に。
御前
おまい [0] 【御前】 (代)
〔「おまえ」の転〕
二人称。同等以下の相手に用いる。
〔「おまえ」よりやや卑俗な語感をもつ〕
御前
おまえ 【御前】
■一■ (名) [2]
(1)神仏・貴人の前。おんまえ。みまえ。「神の―にぬかずく」
(2)身分の高い人を直接にさすことを避けていう語。「―にはいと悩ましげにて/落窪 1」
(3)(「…のおまえ」の形で)身分の高い人を敬う気持ちで付ける語。「殿の―は三十より関白せさせ給ひて/大鏡(道長)」
■二■ (代) [0]
(1)二人称。
(ア)同等またはそれ以下の相手をさしていう。多く男性が用いる。「―はなんというだらしない男だ」
(イ)相手を敬っていう語。男女ともに用いる。あなたさま。「―にだにつつませ給はむことを,ましてことびとはいかでか/源氏(手習)」
(2)三人称。第三者を敬っていう語。あのかた。「これは―に参らせ給へ/源氏(玉鬘)」
〔二人称としては近世前期までは最も高い敬意をもって用いられたが,次第に敬意が薄れ,明治以降は対等またはそれ以下の者に対する語となった〕
御前
ごぜ 【御前】
〔「ごぜん(御前)」の転〕
■一■ (名)
貴人などに対する敬称。ごぜん。「夷(エビス)の―腰掛けの石/狂言・石神」
■二■ (代)
二人称。女性に対し敬意を含めて用いる。ごぜん。「や―,―と言ひけれども音もせず/義経記 7」
■三■ (接尾)
女性の名などに付けて,敬意を添える。ごぜん。「姫―」
御前さん
おまえさん [0] 【御前さん】 (代)
〔「おまえさま」の転〕
二人称。
(1)親しみの気持ちをこめて自分より下の人を呼ぶ語。「―は長生きするよ」
(2)妻が夫を呼ぶ語。「―,帰りにパンを買ってきて」
(3)相手を敬っていう語。近世,一般社会でも遊里でも用いられ,かなり高い敬意を表した。「―にはちとおあつうございませう/滑稽本・浮世風呂 2」
御前さん
おめえさん 【御前さん】 (代)
二人称。対等あるいはそれ以上の者に対して用いる。「―,お上がんなせえ/滑稽本・浮世床(初)」
御前の試み
ごぜんのこころみ 【御前の試み】
五節(ゴセチ)の儀式の一。一一月中(ナカ)の寅の日の夜,天皇が五節の舞姫の試舞を見るもの。五節の試み。おまえのこころみ。
御前の試み
おまえのこころみ 【御前の試み】
「ごぜん(御前)のこころみ」に同じ。「―の夜の御髪上/枕草子 156」
御前会議
ごぜんかいぎ [4] 【御前会議】
戦前の日本で国家の重大時に,天皇の出席のもとに,元老・主要閣僚・軍部首脳などによって開かれた最高会議。
御前崎
おまえざき オマヘ― 【御前崎】
静岡県中南部,駿河湾と遠州灘を分ける岬。付近一帯は海抜40メートルの隆起海食台。
御前披講
ごぜんひこう [4] 【御前披講】
宮中での歌合(ウタアワセ)や歌会の時,天皇の前で和歌を詠み上げること。
御前掛かり
ごぜんがかり [4] 【御前掛(か)り】
貴人上覧の際,能楽などを通常とは違った特別な作法で演ずること。
御前掛り
ごぜんがかり [4] 【御前掛(か)り】
貴人上覧の際,能楽などを通常とは違った特別な作法で演ずること。
御前方
おまえがた 【御前方】 (代)
〔「がた」は接尾語〕
二人称の複数。相手を敬っていう語。あなたさまがた。「卒爾ながら―の懐中(フトコロ)を詮議して下されませ/歌舞伎・一心二河白道」
御前様
ごぜんさま [4][5] 【御前様】
〔「御前」をさらに敬っていう語〕
(1)高位・高官の人,また高僧をその使用人や信者などが敬っていう語。
(2)特に,大名や高禄の旗本などの夫人を敬っていう語。
〔(1)(2)とも,二人称の人代名詞的にも用いられることがある〕
御前様
おめえさま 【御前様】 (代)
二人称。対等あるいはそれ以上の者に対して,かなり高い敬意を表す。「きうくつにすわつて―といひ/柳多留 10」
御前様
おまえさま 【御前様】 (代)
二人称。近世にはきわめて高い敬意を表し,男女ともに用いた。あなたさま。「―がもうちつと大人らしくあそばせばよいに/人情本・娘節用」
御前橘
ごぜんたちばな [5] 【御前橘】
ミズキ科の常緑多年草。高山の針葉樹林内に生える。茎は高さ10センチメートル内外で,頂に狭倒卵形の葉六個が輪生する。初夏,葉心から花柄を出し,頭状に多数の小花をつけ,球形の赤い実を結ぶ。
御前沙汰
おまえざた 【御前沙汰】
正式の裁判。おおやけ沙汰。
⇔内沙汰
「こなたは口不調法なほどに,―では負けになりませう/狂言記・内沙汰」
御前町
おまえまち [2][3] 【御前町】
社寺などの前に発達した町。門前町。
御前試合
ごぜんじあい [4] 【御前試合】
将軍・大名などの前で行う武術の試合。また,天覧試合。
御前達
おまえたち [2][3] 【御前達】
■一■ (代)
二人称の複数。
(1)二人以上の,同等あるいはそれ以下の相手に対して用いる。「―は,しっかり勉強しなさいよ」
(2)貴人に対して,敬意をこめていう。「―にまさりたる人々など,いたう,いかで,いかで,とぞ言へど/狭衣 1」
■二■ (名)
貴人の前に仕える人たち。宮仕えの女房たち。「―も必ずさ思すゆゑ侍らむかし/更級」
御前達
おめえたち 【御前達】 (代)
二人称の複数。対等あるいはそれ以下の者に対して用いる。「第一―に切つかけも稽古もいらねえから,まちげえがなくつていい/滑稽本・八笑人」
御剣
ぎょけん [0] 【御剣】
天皇・貴人のつける剣を敬っていう語。みはかし。
御剣の役
ぎょけんのやく 【御剣の役】
行幸の際に,昼(ヒ)の御座(オマシ)の剣をささげもって従う役。また,その人。太刀役。
御勝手
おかって [0] 【御勝手】
台所。かって。「―口」
御勤め
おつとめ [0] 【御勤め】
(1)「勤め」を丁寧にいう語。「―はどちらですか」
(2)仏前で読経すること。勤行(ゴンギヨウ)。「朝晩の―」
(3)商人が客に奉仕すること。サービス。
(4)遊女に払う遊興代。花代。「げんなまでさきへ―を渡しておいたから/滑稽本・膝栗毛(初)」
御勤め品
おつとめひん [0] 【御勤め品】
特別に値段を安くして,客に奉仕したり,客寄せにしたりする商品。サービス品。「本日の―」
御包み
おくるみ [2] 【御包み】
赤ん坊用の防寒具。衣服の上から全身を包むもの。
御化け
おばけ [2] 【御化け】
(1)何物かが霊能によって姿を変えたもの。特に,異様・奇怪な形をしたものをいう。ばけもの。「から傘の―」「―が出た」
(2)死人が再びこの世に現れたときの,想像上の姿。幽霊。
(3)形や大きさが異様なもの。「―カボチャ」「―きのこ」
御化け暦
おばけごよみ [4] 【御化け暦】
明治・大正時代,伊勢神宮司庁が発行した官製暦以外に,民間で禁を破って発行した私家製の暦の俗称。
御化け貝
おばけがい [3] 【御化け貝】
ヤドカリの異名。
御匙
おさじ [2] 【御匙】
(1)さじを丁寧にいう語。
(2)「御匙医師」の略。
御匙医師
おさじいし 【御匙医師】
〔匙で薬を盛るところから〕
江戸時代,将軍・大名の侍医の称。御匙医。
御匣
みくしげ 【御櫛笥・御匣】
貴人を敬ってそのくしげをいう語。「海神の神の命の―に貯(タクワ)ひ置きて斎(イツ)くとふ/万葉 4220」
御匣殿
みくしげどの 【御匣殿】
(1)内裏の貞観殿(ジヨウガンデン)のこと。
(2)貞観殿の中にある,装束を調進した所。また,大臣家などでも装束所のことを称した。
(3){(2)}に仕える官女の長である御匣殿別当の略。上臈(ジヨウロウ)女房。
御十夜
おじゅうや [0] 【御十夜】
⇒十夜(ジユウヤ)
御半下
おはした 【御半下・御端】
「はしため」を丁寧にいう語。おすえ。「日のめもついに見給はぬ女郎達や―なり/浮世草子・一代男 4」
御厄
おやく 【御厄】
〔誰もが免れられない大厄の意から〕
疱瘡(ホウソウ)のこと。「―を遊ばしたさうで/滑稽本・浮世風呂 3」
御厠
おかわ [2] 【御厠】
〔「おかわや」の略〕
持ち運びできる便器。おまる。
御厠人
みかわやうど ミカハヤ― 【御厠人】
宮中で便所を清掃した身分の低い女。「―なるもの走りきて/枕草子 9」
御厨
みくりや 【御厨】
(1)古代・中世,供御(クゴ)・供祭用の魚介類・果物類を調進するために設けられた所領。内膳司所属のもの,伊勢神宮所属のものが著名。
(2)神に供える食物を調理する所。
御厨子
みずし [0] 【御厨子】
(1)厨子を敬っていう語。「いま一つ―のもとなりけるを取りて/枕草子 138」
(2)御厨子所に仕える女官。「まことに―が車にぞありければ/枕草子 278」
御厨子所
みずしどころ [4] 【御厨子所】
(1)宮内省内膳司に属した役所。後涼殿の西に置かれ,天皇の食膳調理,節会(セチエ)の酒肴をつかさどった。
(2)(一般に)台所。調理場。「親の―に使ひける女の/宇治拾遺 9」
御厨子棚
みずしだな [0][3] 【御厨子棚】
もと,御厨子所にあって食物などを納めた棚。のち,美しく製作して座敷に置き,飾りとした。二階棚に似るが,下段は両開きの扉をつけ,櫛筥(クシバコ)・硯筥(スズリバコ)などの器物を置いた。
御参り
おまいり [0] 【御参り】 (名)スル
参詣。「神社に―する」
御参る
おまい・る 【御参る】 (動ラ四)
「食う」「飲む」などの尊敬語。召し上がる。「亭主の酒を―・る時まで添へに泣いたに/狂言・泣尼(虎清本)」
御取越
おとりこし [0] 【御取越】
浄土真宗の末寺や信徒が,親鸞(シンラン)上人の命日(陰暦一一月二八日)に本山で行われる報恩講と重ならないように,一月繰り上げて陰暦一〇月に行う報恩講。報恩講引上会(インジヨウエ)。[季]冬。
御古
おふる [2] 【御古】
他人が使い古したもの。特に,衣服など。おさがり。「兄貴の―」
御召
おめし 【御召(し)】
(1) [0]
呼ぶこと,乗ること,着ることの尊敬語。「王様の―があった」「服を―になる」
→召す
(2) [2]
「御召縮緬(チリメン)」の略。
(3) [2]
おめしもの。
御召し
おめし 【御召(し)】
(1) [0]
呼ぶこと,乗ること,着ることの尊敬語。「王様の―があった」「服を―になる」
→召す
(2) [2]
「御召縮緬(チリメン)」の略。
(3) [2]
おめしもの。
御召し列車
おめしれっしゃ [4] 【御召(し)列車】
天皇・皇族の乗用に特別に運行される列車。
御召し替え
おめしかえ [2][0] 【御召(し)替え】 (名)スル
衣服を着かえること。また,そのための衣服を敬っていう語。
御召し物
おめしもの [3][2] 【御召(し)物】
着る人を敬って,その着物をいう語。おめし。
御召列車
おめしれっしゃ [4] 【御召(し)列車】
天皇・皇族の乗用に特別に運行される列車。
御召替え
おめしかえ [2][0] 【御召(し)替え】 (名)スル
衣服を着かえること。また,そのための衣服を敬っていう語。
御召物
おめしもの [3][2] 【御召(し)物】
着る人を敬って,その着物をいう語。おめし。
御召縮緬
おめしちりめん [4] 【御召縮緬】
〔もと貴人が着用したからという〕
たて糸よこ糸ともに練り染め糸を用い,織り上げたのち,ぬるま湯に浸して強くもみ,表面に皺(シボ)を出した絹織物。婦人用の羽織・コートなどに用いる。おめし。縞縮緬。せば。
御台
おだい 【御台】
〔「御台盤」の略〕
(1)食膳。「―もて参るをみれば/宇治拾遺 7」
(2)〔中世以降,主として女性が用いた〕
御飯。「白飯(ハクハン)山とは白い―のこと/狂言・岡太夫」
御台
みだい 【御台】
(1)身分の高い人を敬って,その食事をのせる台をいう。食卓。
(2)天皇や貴人の食物。おもの。「とかくまぎらはして―はまゐる/源氏(夕霧)」
(3)「御台所(ミダイドコロ)」の略。「―君達まで皆引具し進(マヰラ)せて/太平記 9」
御台匙
おだいがい 【御台匙】
飯をすくうしゃもじ。いいがい。「明日から―を渡さうぞ/咄本・醒睡笑」
御台場
おだいば [0] 【御台場】
(1)台場のうち,特に品川台場のこと。
(2)〔品川台場築造の人夫に多く支払われたので〕
一朱銀の称。安政年間(1854-1860)鋳造の小銀貨。
御台所
みだいどころ 【御台所】
「御台盤所(ミダイバンドコロ)」の略。
御台櫃
おだいびつ [0][2] 【御台櫃】
(1)飯櫃(メシビツ)。
(2)(京阪地方で)千木箱(チギバコ)のこと。
御台盤所
みだいばんどころ 【御台盤所】
台盤所を敬っていう語。貴人の妻。奥方。北の方。みだいどころ。「花山院の左大臣殿の―にならせ給ひて/平家 1」
御叱り
おしかり [0] 【御叱り】
しかることを,その人を敬っていう語。「―を受ける」
御史
ぎょし [1] 【御史】
(1)弾正(ダンジヨウ)の唐名。
(2)中国の官名。戦国時代は君主に侍御する史官であったが,秦代以後,監察官の名称となった。
御史台
ぎょしだい [2] 【御史台】
(1)弾正台(ダンジヨウダイ)の唐名。
(2)中国で,後漢代からおかれた官吏監察機関。唐代に整備されたが,明代に廃され,代わって都察院がおかれた。
御史大夫
ぎょしたいふ [3] 【御史大夫】
(1)弾正尹(ダンジヨウノカミ)の唐名。
(2)大納言(ダイナゴン)の古名。
(3)中国で,御史の筆頭。丞相(ジヨウシヨウ)・太尉と並んで三公の一。官吏の監察・弾劾をつかさどった。秦代におかれ,前漢末に大司空と改められた。隋・唐・元では御史台の長官。
御合ひ
みあい 【御合ひ】
〔「み」は接頭語〕
契りを結ぶこと。「其の夜は合はずて,明日の夜―為(シ)たまひき/古事記(上訓)」
御名
ぎょめい [1][0] 【御名】
天皇の名前。
御名代
みなしろ [0] 【御名代】
名代を敬っていう語。
御名御璽
ぎょめいぎょじ [1][1] 【御名御璽】
天皇の名前と天皇の公印。詔勅などの末尾に御名と御璽が記されていることを表す。法律の公布にあたっても記される。
御名残狂言
おなごりきょうげん [5] 【御名残狂言】
(1)俳優が興行地を離れる前の日や,引退の折に出す狂言。その俳優のあたり狂言や新作の所作事が多い。
(2)江戸時代,秋狂言の別名。
御名算
ごめいさん [2][0] 【御名算・御明算】
他人の計算の正しい意の丁寧語。主に算盤(ソロバン)でいう。
御向い
おむかい [2] 【御向(か)い】
道を隔てて向こう側にある家を丁寧にいう語。「―の山田さん」
御向かい
おむかい [2] 【御向(か)い】
道を隔てて向こう側にある家を丁寧にいう語。「―の山田さん」
御向こう
おむこう [2] 【御向こう】
⇒向(ム)こう付(ヅ)け
御告げ
おつげ [0] 【御告げ】
神仏がその意思・予言などを人間に告げ知らせること。託宣。神託。「夢に―があった」
御告げ文
おつげぶみ [0] 【御告げ文】
天皇が祖先の神霊に奏上する文。ごこくぶん。ごこうもん。
御告文
ごこくぶん [0] 【御告文】
⇒ごこうもん(御告文)
御告文
ごこうもん [0] 【御告文】
天皇が皇祖皇宗の神霊に告げる文。ごこくぶん。おつげぶみ。
御呼ばれ
およばれ [2] 【御呼ばれ】
他人から御馳走などに招待されること。「―にあずかり光栄至極」「今夜は―だ」
御呼び
および [0] 【御呼び】
相手を敬って呼ぶことを丁寧にいう語。「社長が―です」「先生を―する」
御呼び立て
およびたて [0] 【御呼び立て】 (名)スル
わざわざ呼び出すことを丁寧にいう語。「―してすみません」
御命講
おめいこう [0] 【御命講】
「会式(エシキ)」に同じ。[季]秋。《菊鶏頭きり尽しけり―/芭蕉》
御哭
みね 【御哭】
〔「み」は接頭語〕
貴人の葬送のとき,弔意を表して声をあげて泣くこと。「大きに,―たてまつる/日本書紀(允恭訓)」
御喋り
おしゃべり [2] 【御喋り】
■一■ (名)スル
人と気軽な話をすること。雑談。「道端で―する」
■二■ (名・形動)
口数の多いこと。口が軽いさま。また,そのような人をもいう。「あの―にも困ったものだ」「―な娘」
御喧しゅう
おやかましゅう [0] 【御喧しゅう】
人を訪問して,辞去するときの挨拶(アイサツ)の語。「―ございました」
御器
ごき [0] 【御器・五器】
〔「合器(ゴウキ)」の転〕
(1)食物を盛るための蓋(フタ)つきの椀(ワン)。
→御器の実(ミ)
(2)修行僧や乞食が食べ物を乞うために携える椀。
(3)「呉器」に同じ。
御器の実
ごきのみ 【御器の実】
〔御器に盛るものの意〕
(1)めし。
(2)めしのたね。生活の手段。
御器噛
ごきかぶり [3] 【御器噛・蜚蠊】
〔御器をかじる虫の意〕
ゴキブリの異名。[和漢三才図会]
御器籠
ごきかご [2] 【御器籠・五器籠】
御器を入れる籠。
御器蔓
ごきづる [2][0] 【合器蔓・御器蔓】
ウリ科のつる性一年草。水辺の草地に自生。丈は約2メートル。葉は狭卵三角形。晩夏,葉腋に黄緑色の小花を開く。漢名,合子草。
御囃子
おはやし [0] 【御囃子】
囃子を丁寧にいう語。
御四国
おしこく [2][3] 【御四国】
四国遍路。御四国さん。
御回
おめぐり [2] 【御廻・御回】
(1)宮中で,夏の土用に供御所(クゴシヨ)から奉られる味噌煮の団子。
(2)〔女房詞。飯を入れる椀の周囲に置くことから〕
おかず。おまわり。
(3)〔近世女性語〕
すりこぎ。
御回り
おまわり [2] 【御巡り・御廻り・御回り】
(1)〔「お巡りさん」を略した俗語〕
警官。巡査。
(2)ぐるっと回ること。特に,犬などがぐるぐる回る芸当にいう。
(3)同心・目明し・医者などの巡回。「―を気をつけやれと角をなり/柳多留 10」
(4)〔女房詞。主食のまわりの物の意〕
おかず。おめぐり。[海人藻芥]
御図帳
みずちょう [0] 【御図帳・水帳】
〔「水帳」は当て字〕
(1)江戸時代,村ごとに行われた検地の結果を記録した土地台帳。検地帳。
(2)戸籍。人別帳。
御国
みくに [0] 【御国】
(1)国を敬っていう語。
(2)日本国を敬っていう語。「嬉しくも七ます神の十の宮に―のわざを手向けつるかな/拾玉集」
御国
おくに [0] 【御国】
(1)他人の国・故郷を敬っていう語。「―はどちらですか」
(2)故郷。出身地。「―訛り」
(3)自分の国。母国。「―のためだ」
(4)江戸時代,大名の領国のこと。
御国入り
おくにいり [0] 【御国入り】 (名)スル
(1)参勤交代で江戸へ出た領主が自分の領国に帰ること。
(2)大臣・国会議員や著名人などが自分の故郷に帰ること。
御国学び
みくにまなび [4] 【御国学び】
〔江戸時代の国学者の用語〕
日本固有のことを学ぶ学問。
御国浄瑠璃
おくにじょうるり [4] 【御国浄瑠璃】
⇒奥浄瑠璃(オクジヨウルリ)
御国者
おくにもの [0] 【御国者】
(1)田舎者。地方の者。
(2)田舎侍。
(3)その大名の領地の者。「(藤吉郎ハ)信長へ―だと申上げ/柳多留 5」
御国腹
おくにばら 【御国腹】
江戸時代,大名がその領国でもうけた妾腹(シヨウフク)の子。「調べの姫は―/浄瑠璃・丹波与作(上)」
御国自慢
おくにじまん [4] 【御国自慢】
生まれ故郷の自慢をすること。
御国衆
おくにしゅう 【御国衆】
主に勤番で江戸に出てきた,地方の武士。国衆。
御国言葉
みくにことば [4] 【御国言葉】
〔江戸時代の国学者の用語〕
わが国のことば。日本語。やまとことば。「―に読めるは字音(モジゴエ)は聞きにくかりしが故なり/玉勝間」
御国言葉
おくにことば [4] 【御国言葉】
生まれ故郷の言葉や方言。
御国訛り
おくになまり [4] 【御国訛り】
生まれ故郷の言葉のなまり。
御国詞活用抄
みくにことばかつようしょう 【御国詞活用抄】
語学書。一冊。本居宣長著。1782年成立。動詞・形容詞などの活用語を,語尾変化の形式によって二七種に分け,その例を五十音順に示す。鈴木朖(アキラ)・本居春庭らの活用研究に大きく寄与した。
御国風
みくにぶり [0] 【御国風】
日本固有のさま。風習・文学などについていう。「―今も神代のままならん/東歌」
御園
みその [0] 【御園】
(1)園(ソノ)を敬っていう語。
(2)神社所有の荘園で,供饌(グセン)のための野菜・果実などを献納する領地。
御園生
みそのう 【御園生】
園生(ソノウ)を敬っていう語。「―の竹の林にうぐひすはしば鳴きにしを/万葉 4286」
御土産人形
おみやげにんぎょう [5] 【御土産人形】
御所人形の別名。江戸時代,諸国の大名やその家臣が京都から国に持ち帰ったところからいう。
御土砂
おどしゃ [2] 【御土砂】
土砂加持(ドシヤカジ)に用いる砂。おどさ。
→土砂加持
御在所山
ございしょやま 【御在所山】
三重県と滋賀県の境にある山。鈴鹿(スズカ)山脈の主峰。海抜1212メートル。
御地
おんち [1] 【御地】
相手を敬ってその人がいる土地をいう語。貴地。
御坊
ごぼう ゴバウ 【御坊】
和歌山県西部,日高川河口にある市。製材業が盛ん。西本願寺日高別院(日高御坊)の門前町。
御坊
ごぼう [1] 【御坊・御房】
■一■ (名)
(1)寺院またはその僧坊の敬称。
(2)僧の敬称。
■二■ (代)
二人称。僧に対して敬って呼びかける語。「―の勤め給ふべき也/今昔 39」
御坊
おんぼう [0] 【隠坊・隠亡・御坊】
(1)死者の火葬・埋葬の世話をし,墓所を守ることを業とした人。江戸時代,賤民身分扱いとされ,差別された。おんぼ。おんぼうやき。
(2)遊里で,遣り手の異名。
御坊さん
おぼうさん [0] 【御坊さん】
(1)僧を敬い,親しんで呼ぶ語。
(2)男子の小児の愛称。おぼっちゃん。「背中におぶつた―は首をがつくり横にまげて/滑稽本・浮世風呂 4」
(3)大事に育てられ世俗のことにうとい良家の子息。「どうしてあの―が,そんなはたらきが出来るものかね/人情本・梅之春」
御坊ちゃま
おぼっちゃま [2] 【御坊ちゃま】
「おぼっちゃん」をさらに丁寧にいう語。
御坊ちゃん
おぼっちゃん [2] 【御坊ちゃん】
(1)他人の息子や主家の息子を敬っていう語。
(2)世事に通じない男,世間知らずの男をいう。「―育ち」
御垂髪
おすべらかし [0][4] 【御垂髪】
⇒すべらかし(垂髪)
御垣
みかき 【御垣】
宮中・神社などの神聖な地域のまわりにある垣。「同じ―の内ながら/源氏(賢木)」
御垣の原
みかきのはら 【御垣の原】
(1)宮中の庭。あるいは,高貴な人の家の庭。「―を分け入りてはべりしに/源氏(若菜上)」
(2)奈良県吉野郡にあった吉野離宮の外垣内の野原。みかきがはら。((歌枕))「ふる里は春めきにけりみよしののみかきが原は霞こめたり/詞花(春)」
御垣守
みかきもり 【御垣守】
宮中の諸門を警固する人。衛士。「みかきよりとのへもる身の―/古今(雑体)」
御城碁
おしろご 【御城碁】
江戸時代,将軍上覧の囲碁対局。寺社奉行の指図で,毎年一回,江戸城黒書院で開かれた。
御城米
ごじょうまい ゴジヤウ― [0] 【御城米】
江戸時代,幕府の年貢米。
御執
みたらし 【御執・御弓】
「みとらし(御執)」に同じ。「みな君達―遊ばすほどに/宇津保(初秋)」
御執
おんたらし 【御執・御弓】
〔古くは「おんだらし」とも〕
貴人の持つ弓を敬っていう語。おおんたらし。みとらし。「たとひ千疋万疋にかへさせ給ふべき―なりとも/平家 11」
御執らし
みとらし 【御執らし】
〔「み」は接頭語〕
手に取り持っていらっしゃること。また,そのもの。特に,弓をいう。「―の梓の弓の中弭(ハズ)の音すなり/万葉 3」
御堂
みどう [0] 【御堂】
(1)
(ア)仏教で,仏を安置した堂。また,寺をいう。
(イ)キリスト教,特にカトリック教会で,聖堂。普通「おみどう」という。
(2)法成(ホウジヨウ)寺の別名。また,法成寺の設立者である藤原道長の異名。「―殿」
御堂筋
みどうすじ ミダウスヂ 【御堂筋】
大阪駅前の梅田から,梅田・中之島・船場・島之内などを経て難波に至る目抜き通り。大阪を代表するビジネス街・繁華街。
御堂筋線
みどうすじせん ミダウスヂ― 【御堂筋線】
大阪市営地下鉄の鉄道線。大阪府江坂・梅田・中百舌鳥(ナカモズ)間,24.5キロメートル。主として御堂筋の地下を走り,大阪市を南北に縦断。梅田・心斎橋間は大阪市地下鉄初の開業区間。
御堂関白
みどうかんぱく 【御堂関白】
藤原道長の異名。
御堂関白記
みどうかんぱくき ミダウクワンパクキ 【御堂関白記】
藤原道長の日記。もと三六巻。写本のほかに一四巻の自筆本が現存する。998〜1021年に至る公私の生活を具注暦(グチユウレキ)に記入したもの。当時の根本史料の一つ。法成寺入道左大臣記。
御報
ごほう [0] 【御報】
(1)他人からの通知の意の丁寧語。「―多謝」
(2)室町時代,身分の高い人に出す,文書による返事。また,それに用いる脇付(ワキヅケ)。[日葡]
御填り
おはまり 【御填り】
(1)夢中になること。悪いことに溺(オボ)れること。「ふかい恋の淵をしりながら水心しらぬ人の―なり/浮世草子・椀久二世(下)」
(2)計略にかかってだまされること。また,思い違いをすること。「大抵の梅桜と同じ事に思するさうながそれは大きな―/浄瑠璃・日本西王母」
御墨付き
おすみつき [0][3] 【御墨付き】
(1)将軍や大名の黒印を押した文書。
(2)権力者や権威者の許可・承諾・保証など。また,その文書。「―をいただく」
御壁
おかべ 【御壁】
〔もと女房詞。白壁に似ることから〕
豆腐。
御声掛かり
おこえがかり オコヱ― [4] 【御声掛(か)り】
勢力や権力のある人の特別な口添え・命令・とりはからい。「社長の―で新事業を始める」
御声掛り
おこえがかり オコヱ― [4] 【御声掛(か)り】
勢力や権力のある人の特別な口添え・命令・とりはからい。「社長の―で新事業を始める」
御壺
おつぼ 【御壺】
(1)膳部(ゼンブ)にのせる,壺に入れた食物。
(2)御所などの中庭の敬称。「広綱を―のうちへ召し/平家 11」
御壺口
おつぼぐち [3] 【御壺口】
おちょぼぐち。
御多分
ごたぶん [0] 【御多分】
世間一般の例。大勢。
御多分にもれず
ごたぶん【御多分にもれず】
like the rest;→英和
as is usual <with> .〜にもれない <He is> no exception.
御多賀杓子
おたがじゃくし [4] 【御多賀杓子】
(1)滋賀県多賀神社から長命のお守りとして出すしゃくし。
(2)「御玉杓子(オタマジヤクシ){(1)(2)}」に同じ。
御夜
およる 【御夜・御寝】
その人を敬って寝ることをいう語。おやすみ。「御所もいまだ―にもならせおはしまさず/弁内侍日記」
御夜長
およなが 【御夜長】
〔宮中で天皇の御膳のお下がりを女官が夜食に食べたことから〕
夜食。「―を仕舞てから参じますと/滑稽本・浮世風呂 2」
御夢想
ごむそう 【御夢想】
夢で神仏のお告げがあること。また,そのお告げ。「今夜の―に,西門に立たせられたを妻とさだめよとの―/狂言・伊文字」
御大
おんたい [0][1] 【御大】
〔「御大将」の意〕
かしら立つ人,その道の長たる人を,親しんで呼ぶ語。「いよいよ―のお出ましだ」
御大切
ごたいせつ 【御大切】
〔キリシタン用語〕
愛。「デウスの―/こんてむつすむん地」
御大名
おだいみょう [0][4] 【御大名】
(1)大名を敬っていう語。
(2)ぜいたくな者。
(3)おうようで世事にうとい者。
御大層
ごたいそう [2] 【御大層】 (形動)
滑稽なほどおおげさなさまを,あざけっていう語。「―な口振り」
御大層らしい
ごたいそうらし・い [7] 【御大層らしい】 (形)
ひどくもったいぶった様子である。「―・い態度」
御大師
おだいし 【御大師】
弘法大師の尊称。「―様」
御天気
おてんき [2] 【御天気】
(1)天気を丁寧にいう語。「あいにくの―で」
(2)機嫌の良しあし。人の気分。「社長の今日の―はどうだ」
御天気屋
おてんきや [0] 【御天気屋】
気の変わりやすい人。おてんきもの。
御天気師
おてんきし [4] 【御天気師】
詐欺師の一種。にせ札などを路上に置いておき,通行人とふたりで拾ったように装って,拾った金を預けて信用させておき,言葉巧みにその通行人の持ち金をだまし取って逃げる。
御天道様
おてんとうさま オテンタウ― [2] 【御天道様】
〔「おてんとさま」とも〕
(1)太陽を親しみ敬愛していう語。「―と米の飯はついてまわる」
(2)〔太陽を神とみることから〕
神。「―は何から何までお見通しだ」
御太鼓
おたいこ [0] 【御太鼓】
(1)「御太鼓結び」の略。
(2)たいこもち。
御太鼓結び
おたいこむすび [5] 【御太鼓結び】
女帯の代表的な結び方。帯の一端を太鼓の胴のように張らせ,その中に掛けをおさめ,帯締めで強く締めてとめる結び方。おたいこ。太鼓結び。
御太鼓結び[図]
御奉射
おびしゃ 【御歩射・御奉射】
年頭に行う徒弓(カチユミ)神事。的を射た結果で年占をするところが多い。また,弓を射る行事が脱落し,単に年頭の初寄り合いになっているところも少なくない。おぶしゃ。
御奉礼
ごほうらい [2] 【御奉礼・御宝来】
山伏が錫杖(シヤクジヨウ)を振り祭文(サイモン)を読みながら家々を回ること。また,その山伏。
御奴
みやつこ 【御奴】
〔「み」は接頭語〕
朝廷に仕える男女の召し使い。「朝庭(ミカド)の―と/続紀(天平神護一宣命)」
御妻
みめ 【御妻・妃】
貴人の妻を敬っていう語。おきさき。「帝の―をさへあやまち給ひて/源氏(須磨)」
御姫様
おひめさま [2] 【御姫様】
(1)姫を敬っていう語。
(2)世事にうとい娘を揶揄していう語。
(3)〔姫糊(ヒメノリ)から〕
糊。
御姫様
おひいさま [2] 【御姫様】
「おひめさま」の転。
御娘
おむす 【御娘】
〔「むす」は「むすめ」の略〕
他人の娘の敬称。「さあ��―や出なせえ/人情本・梅児誉美(後)」
御婆
おば 【姥・御婆】
年とった女。老婆。[名義抄]
御嬢
おじょう [2] 【御嬢】
上・中流家庭の娘を敬っていう語。「庄屋の―が新田村の,杢蔵男にうつ惚れて/歌舞伎・お染久松色読販」
御嬢さん
おじょうさん [2] 【御嬢さん】
「おじょうさま」のややくだけた言い方。未婚の若い女性に対する呼びかけに多く用いる。
御嬢様
おじょうさま [2] 【御嬢様】
(1)他人の娘や主家の娘を敬っていう語。
(2)世の中の苦労を知らずに,大事に育てられた女性。「―育ち」
御嬶
おかか [2] 【御母・御嬶】
自分の妻または他人の妻を親しんで呼ぶ語。
御嬶様
おかかさま 【御母様・御嬶様】
(1)他人の妻を敬って呼ぶ語。おかみ様。奥様。
(2)母を敬って呼ぶ語。おかあさま。
〔主に近世に用いられた〕
御子
おこ [1] 【御子】
(1)他人の子供を丁寧にいう語。「かわいい―ですな」
(2)遊里で,茶屋の女房や遣り手などが遊女をさしていった語。「あの―は御気が軽いと茶屋は言ひ/柳多留 5」
御子
みこ [1] 【御子・皇子・皇女・親王】
(1)天皇の子供を敬っていう語。皇子・皇女。
(2)(父である神に対して)キリストを敬っていう語。「神の―」「救いの―」
(3)親王。親王宣下を受けた天皇の皇子。「仁和のみかど,―におましましける時に/古今(春上)」
(4)他人を敬ってその子をいう語。「主を殺さぬ事,―の君ぞしらせ給へる/読本・春雨(捨石丸)」
御子左家
みこひだりけ 【御子左家】
〔藤原道長の六男長家が醍醐天皇の皇子左大臣源兼明の邸(御子左第(ミコサテイ))を受け継いで祖となったところから〕
平安・鎌倉時代の歌道の家。平安末期に俊成が出て歌道の師範家となり,その子定家・為家と続き六条家を圧して歌壇の実権を握った。為家の子為氏・為教(タメノリ)・為相(タメスケ)はそれぞれ二条・京極・冷泉家に分かれた。みこさけ。
御子様
おこさま [0] 【御子様】
(1)他人の子を敬っていう語。「―のお土産にどうぞ」
(2)子供。
御子様ランチ
おこさまランチ [5] 【御子様―】
幼児向けの盛りつけ・飾りつけをした洋風定食。
御子良子
おこらご 【御子良子】
伊勢神宮などで,神饌(シンセン)に奉仕する童女。おくらご。「―の一もとゆかし梅の花/笈の小文」
御存じ
ごぞんじ [2] 【御存じ】
(1)相手が知っていらっしゃること。また,世間周知のこと。「―のような有り様です」
(2)知っている人。知人。
〔「御存知」とも書く〕
御学問所
ごがくもんじょ [0][6] 【御学問所】
天皇または皇太子が学問をし,また臨時の進講を受けるところ。
御孫
みま 【御孫】
貴人の子孫を敬っていう語。「あまつがみ―のみことの取り持ちて/続紀(天平一五)」
御孫の命
みまのみこと 【御孫の命】
天照大神の子孫。すなわち,天皇。「あまつ神―の取り持ちて/続紀(天平一五)」
御宅
おたく [0] 【御宅】
■一■ (名)
(1)相手を敬ってその家・家庭をいう語。おうち。「明日―に伺います」
(2)相手の夫を敬っていう語。
(3)相手を敬ってその所属する会社・組織などをいう語。「―では新製品を出されたそうですね」
(4)ある分野・物事に異常なまでにくわしい人を俗にいう若者言葉。「漫画―」
■二■ (代)
二人称。ほぼ対等の,あまり親しくない相手に軽い敬意をもっていう語。「―の御意見はいかがですか」
御宇
ぎょう [1] 【御宇】
〔宇内(ウダイ)を統御するの意〕
天子の治世の期間。御代(ミヨ)。「宇多天皇の―」
御守
おもり [0] 【御守(り)】 (名)スル
(1)「子守り」に同じ。
(2)世話のやける人の機嫌をとりながら世話をすること。「酔っぱらいの―はごめんだ」
御守り
おまもり [0] 【御守り】
神や仏の守り札(フダ)。おふだ。
御守り
おもり [0] 【御守(り)】 (名)スル
(1)「子守り」に同じ。
(2)世話のやける人の機嫌をとりながら世話をすること。「酔っぱらいの―はごめんだ」
御守殿
ごしゅでん [2][0] 【御守殿】
(1)江戸時代,将軍の娘で三位以上の大名に嫁した者の敬称。また,その住居。
(2){(1)}に仕えた女中。御守殿女中。
(3)「御主殿風(フウ)」の略。
御守殿門
ごしゅでんもん [3] 【御守殿門】
御守殿の居所の門。全部朱塗りで黒金具を用い,門の左右に両番所という唐破風(カラハフ)造りの番所を設ける。
御守殿風
ごしゅでんふう [0] 【御守殿風】
御守殿女中の風俗。髪の結い方,服装などにいう。
御定まり
おさだまり [0] 【御定まり】
決まりきっていること。お決まり。「会えば―のお説教」
御定書
おさだめがき [0] 【御定書】
(1)江戸時代,法令一般の称。
(2)「公事方(クジガタ)御定書」の略。
御定書百箇条
おさだめがきひゃっかじょう 【御定書百箇条】
「公事方(クジガタ)御定書」の下巻の称。
御宝
おたから [0] 【御宝】
(1)宝を丁寧にいう語。
(2)紙に刷った宝船の絵。正月二日の夜,枕の下に入れて寝るとよい初夢を見るという。
(3)金銭。おかね。
御宝前
ごほうぜん [0][2] 【御宝前】
神仏の御前。賽銭箱のある所。
御宝売り
おたからうり [4] 【御宝売り】
「御宝{(2)}」を売り歩いた人。
御宝来
ごほうらい [2] 【御奉礼・御宝来】
山伏が錫杖(シヤクジヨウ)を振り祭文(サイモン)を読みながら家々を回ること。また,その山伏。
御宣託
ごせんたく [0] 【御宣託】
「御託宣(ゴタクセン)」に同じ。
御室
おむろ 【御室】
(1)〔宇多天皇が建立し,退位後その御所としたことから〕
京都市右京区にある仁和寺(ニンナジ)の別名。御室御所。
(2)仁和寺の周辺の地。
(3)仁和寺の門跡(モンゼキ)。「仁和寺の―,みなこの殿の君だちにておはすれば/増鏡(藤衣)」
御室
みむろ 【御室】
(1)貴人の住居を敬っていう語。「しひて―にまうでてをがみ奉るに/伊勢 83」
(2)神を安置する室。神社。「かけてこふる神の―の玉かづら/夫木 34」
御室参り
おむろまいり [4] 【御室参り】
弘法大師の命日に,御室にある仁和寺に詣でること。昔は陰暦三月二一日,現在は四月二一日。御室もうで。御影供(ミエイク)。
御室御所
おむろごしょ 【御室御所】
仁和寺のこと。また,その住職。
御室派
おむろは 【御室派】
真言宗の一派。御室仁和寺が本山。宇多天皇を派祖とし,古義真言宗の系統をひく。
御室焼
おむろやき [0] 【御室焼】
仁和寺門前で野々村仁清が創始した色絵の陶器。元禄(1688-1704)初年に絶えたが,のち永楽和全が再興。優麗典雅な作風で京焼の手本となった。仁和寺焼。仁清焼。おもろやき。
御室門跡
おむろもんぜき 【御室門跡】
仁和寺の住職。宇多天皇が出家後この寺に入ったことから門跡の寺院となった。
御宮
おみや [0] 【御宮】
(1)神社の丁寧語。「―参り」
(2)「御宮入り」の略。
御宮入り
おみやいり [0] 【御宮入り】
警察の隠語で,迷宮入りのこと。
御家
おいえ [0] 【御家】
(1)貴人や大名の家の敬称。主人や主君の家などにもいう。また,他人の家の敬称。「―の一大事」
(2)上方で,良家の主婦の敬称。「―はどうぢやいな,痛所はえいかいな/滑稽本・膝栗毛 6」
(3)〔もと主婦の居間をいったことから〕
敷物・畳の敷いてある部屋。座敷。「様子聞うと―の真中どつかと坐れば/浄瑠璃・忠臣蔵」
御家
おうち [0] 【御内・御家】
■一■ (名)
(1)相手または第三者を敬ってその家や家庭をいう語。おたく。
(2)「家」「家庭」の丁寧語。「坊や,もう―に帰りましょうね」
■二■ (代)
二人称。軽い敬意をもって相手をさす語。あなた。「なふ,―はなにとの給ふぞ/幸若・烏帽子折」
→内(ウチ)■二■
御家人
ごけにん [0] 【御家人】
〔「家人」の敬称〕
(1)平安時代,貴族や武家棟梁の従者をつとめた武士。家の子。郎党。
(2)鎌倉時代,将軍直属の家臣。本領安堵(アンド)・新恩給与・官位推挙などの保護を受けたが,御家人役と呼ばれる多くの義務を負わされた。
(3)江戸初期,将軍直属の一万石以下の家臣の称。のちに旗本と御家人とに区別され,御目見(オメミエ)以下の者とされた。直参(ジキサン)。
→旗本
御家人役
ごけにんやく [3] 【御家人役】
御家人が鎌倉幕府に対して負った軍役・大番役・関東公事などの義務の総称。
御家人株
ごけにんかぶ [5] 【御家人株】
江戸時代,農民・商人などの庶民が養子縁組の形をとるなどして,御家人から買い取った御家人の家格。
御家様
おえさま オヘ― 【御家様】
「おいえさま」の転。「―にも御目にかからうと存じ参りました/浄瑠璃・氷の朔日(上)」
御家様
おいえさま [0] 【御家様】
上方で,中流以上の商家の主婦の敬称。おえさま。
御家流
おいえりゅう 【御家流】
(1)京都粟田口の青蓮院(シヨウレンイン)門跡,尊円法親王(1298-1356)を祖とする書流。世尊寺流に上代書法を取り入れた,流麗で平明・穏和な書風。中世にも愛好されたが,特に江戸時代には御家流の名で呼ばれて朝廷・幕府・諸藩の公文書類で用いられたほか,寺子屋でも教えられて盛行した。青蓮院流。尊円流。粟田口流。粟田流。家様。
(2)香道の一流派。三条西実隆を始祖とする。
御家物
おいえもの [0] 【御家物】
⇒御家狂言(オイエキヨウゲン)
御家狂言
おいえきょうげん [4] 【御家狂言】
歌舞伎や浄瑠璃で,大名・旗本の家で起こった御家騒動や仇討ちを題材とした狂言。「伽羅先代萩(メイボクセンダイハギ)」など。御家物。
御家芸
おいえげい [3] 【御家芸】
(1)代々その家に伝わり,専門とする技芸。
(2)その人が最も得意とするもの。おはこ。十八番。「早食いは彼の―だ」
御家門
ごかもん [0] 【御家門】
「家門(カモン){(2)}」に同じ。
御家頬
おいえほお [3] 【御家頬】
面頬(メンポオ)の一。しわもひげもない,滑らかなもの。江戸時代,将軍家が着用。
御家騒動
おいえそうどう [4] 【御家騒動】
(1)江戸時代,大名家の家督相続争いや権臣の権力争いなどをきっかけにして起こった,藩全体の争い。伊達(ダテ)騒動・黒田騒動など。
(2)一つの家庭・組織などの中での勢力争い。
御宿
おんじゅく 【御宿】
千葉県南東部,夷隅(イスミ)郡の町。太平洋に面し,古くから漁業が盛ん。網代湾は童謡「月の砂漠」の舞台といわれる。
御寄
おより [0] 【御寄】
「御寄講(オヨリコウ)」の略。
御寄講
およりこう [0] 【御寄講】
浄土真宗の信徒が,親鸞の報恩や念仏のために信徒の家に大勢より集まって行う法会(ホウエ)。遊びの方が主になることもあった。お霜月。おより。
御寒い
おさむ・い [0] 【御寒い】 (形)
(1)「寒い」の丁寧語。
(2)期待や理想から程遠く,情けなくなるような状態である。「研究所とは名ばかりの―・い施設だ」「―・い話」
御寝
およる 【御夜・御寝】
その人を敬って寝ることをいう語。おやすみ。「御所もいまだ―にもならせおはしまさず/弁内侍日記」
御寝
ぎょしん 【御寝】
貴人などが寝ること。おやすみ。ぎょし。「さんぬる夜―のならざりしゆへなりとて/平家 4」
御寝
ぎょし 【御寝】
〔「ぎょしん(御寝)」の撥音「ん」の無表記〕
「寝ること」の尊敬語。「ゆるりとちぢかまつて―なりませ/浄瑠璃・伊賀越道中双六」
御寝る
およ・る 【御寝る】 (動ラ四)
「寝る」の尊敬語。おやすみになる。「晦日の夜から昨夜迄案じて一目も―・らず/浄瑠璃・生玉心中(中)」
御寝る
おしずま・る 【御寝る】 (動ラ四)
「寝る」の尊敬語。おやすみになる。「もう―・りなさいませ/滑稽本・膝栗毛 4」
御寝んなる
およんな・る 【御寝んなる】 (動ラ四)
〔「およるなる」の転〕
おやすみになる。およる。
⇔おひんなる
御察し
おさっし [0] 【御察し】
「察し」の尊敬語。「―のとおり」「どれほどの苦労か―がつくでしょう」
御寮
ごりょう [1] 【御寮・御料】
(1)貴人,または貴人の子女を敬っていう語。「少輔(ジヨウ)の―とぞ申す/義経記 8」「―は青竹おろしの館に入り給ひぬ/曾我 5」
(2)人名や人を表す語に付けて,敬愛の意を表す。「嫁―」「万寿―をも五大院右衛門宗繁が具足しまゐらせ候ひつるを/太平記 10」
御寮
おりょう 【御寮】
(1)「御寮人(オリヨウニン)」の略。「此の―が所へは方々から酒(ササ)をたくさんにたもるに/狂言・比丘貞」
(2)勧進比丘尼(カンジンビクニ)・歌比丘尼の元締め。「いつごろより―猥(ミダリ)になして遊女同前に/浮世草子・一代男 3」
御寮人
おりょうにん 【御寮人】
〔寮に住む人の意から〕
尼僧の敬称。おりょう。
御寮人
ごりょうにん [2] 【御寮人・御料人】
(1)貴人や上流階級の人の娘・妻に対する敬称。近世以降,中流の町家の娘や若妻をもいう。「是は―様の不断着/浮世草子・一代男 1」
(2)人の娘や妻の名に付けて,敬愛の気持ちを表す。「俵藤太殿の御娘子,米市―のお里通ひぢやとおしやれ/狂言・米市(虎寛本)」
御寮人さん
ごりょんさん [1] 【御寮人さん】
〔「ごりょうにんさん」の転〕
「御寮人」を敬っていう語。主に西日本で用いる。
御寺
おてら [0] 【御寺】
(1)寺の尊敬語。
(2)「お寺様」の略。
御寺様
おてらさま [5][4] 【御寺様】
寺の住職や僧の敬称。
御尋ね者
おたずねもの オタヅネ― [0] 【御尋ね者】
(警察などが)捜し求めている犯罪容疑者。「―の身の上」
御尤も
ごもっとも [2] 【御尤も】 (形動)
「もっとも」を丁寧にいう語。「―な御意見でございます」
御尤もです
ごもっとも【御尤もです】
You are right.そうおっしゃるのも〜 You may well say that.
御局
おつぼね [0][2] 【御局】
(1)宮中で局(ツボネ)(個室)を賜った女官の称。典侍・権典侍・掌侍・権掌侍・命婦・権命婦など。
(2)江戸時代,個室をもっている奥女中の称。また,女中を取り締まった老女の称。
(3)局女郎のこと。
御居処
おいど [2] 【御居処】
〔もと中世女性語〕
尻(シリ)。[日葡]
御屈み
おかがみ 【御屈み】
〔女房詞〕
えび。「串柿,―添ひて参らする/御湯殿上(文明一六)」
御山
みやま [0] 【御山】
(1)山を敬っていう語。
(2)御陵,または墓を敬っていう語。「―にまうで給ひて/源氏(須磨)」
御山
おやま [0] 【御山】
(1)山の尊称。特に,山中に神仏がまつられたり,修行場があったりする山の尊称。
(2)奈良県大峰山。また,そこに参詣すること。「俗体ながら数度(スド)の―/浄瑠璃・油地獄(中)」
(3)山伏(ヤマブシ)のこと。
御山
おやま ヲヤマ [1][2] 【女形・女方・御山】
〔江戸初期に小山次郎三郎が使った遊女の人形から出た語という。→おやま人形〕
(1)歌舞伎で女役を演ずる男性の役者。また操り人形で,女役の人形。おんながた。
(2)(上方で)遊女のこと。「あの上手な絵書殿によい―を十人程書いてもらひ/浄瑠璃・反魂香」
御山の大将
おやまのたいしょう [5] 【御山の大将】
(1)子供の遊びの一。小高い所や盛り土などの頂上を互いに独り占めしようと争う遊び。「―われ一人」
(2)仲間内や狭い範囲の人たちの間で一番偉そうに得意顔に振る舞うこと。「―になる」
御山狂ひ
おやまぐるい ヲヤマグルヒ 【御山狂ひ】
遊女ぐるい。「女房子供の身の皮はぎ,其の金で―/浄瑠璃・天の網島(中)」
御山獅子
みやまじし 【御山獅子】
地歌の一。菊岡検校が三味線曲として作曲,八重崎検校が箏の手を編曲した。作詞竹中墨子。京風手事物(テゴトモノ)。伊勢の神路山をめぐる名所を巧みにつらねて獅子舞の手事を加えためでたい曲。
御山見じ
おやまけんじ ヲヤマ― 【御山見じ】
遊女見物。「いかな家にも走り出て,―と目をつける/浄瑠璃・淀鯉(上)」
御山雀
おやますずめ [4] 【御山雀】
イワヒバリの別名。
御岳
うたき 【御岳】
沖縄地方で,ムイ・ウガン・オンなどと呼ばれる聖地の総称。多くは村の信仰の中心となる聖域で村の祭りが催され,神女(ノロ)が祈願する。
御岳
みたけ 【御岳・御嶽】
(1)奈良県吉野にある金峰山(キンプセン)の異名。
(2)東京都青梅市西部にある山。海抜929メートル。山上に御岳神社と御師(オシ)の集落がある。御岳山。
(3)御岳(オンタケ)の別名。木曾御岳。
御岳
みたけ 【御岳】
〔「み」は美称〕
山。特に,高い山。[和名抄]
御岳参り
みたけまいり [4] 【御岳参り】
奈良県金峰山(キンプセン)に参詣すること。御岳詣(モウ)で。行者参り。
御岳山
おんたけさん 【御岳山・御嶽山】
長野・岐阜両県にまたがる火山。海抜3067メートル。古来,霊峰として信仰の対象となる。山麓の檜(ヒノキ)林は日本三大美林の一。1979年(昭和54),有史以来初めて噴火。木曾御岳。
御岳精進
みたけそうじ 【御岳精進】
吉野の金峰山に参詣しようとする者が,参詣に先立つ前行として五〇日から一〇〇日の間,写経などをすること。「あはれなるもの…よき男の若きが―したる/枕草子 119」
御崎馬
みさきうま [3] 【岬馬・御崎馬】
日本在来馬の一。約一〇〇頭が宮崎県都井岬に自然繁殖している。外国産品種との混血を免れ,日本古来の馬の姿を伝える貴重な集団である。天然記念物。
御嵩
みたけ 【御嵩】
岐阜県南部,可児(カニ)郡の町。中山道の旧宿場町。
御嶽
みたけ 【御岳・御嶽】
(1)奈良県吉野にある金峰山(キンプセン)の異名。
(2)東京都青梅市西部にある山。海抜929メートル。山上に御岳神社と御師(オシ)の集落がある。御岳山。
(3)御岳(オンタケ)の別名。木曾御岳。
御嶽山
おんたけさん 【御岳山・御嶽山】
長野・岐阜両県にまたがる火山。海抜3067メートル。古来,霊峰として信仰の対象となる。山麓の檜(ヒノキ)林は日本三大美林の一。1979年(昭和54),有史以来初めて噴火。木曾御岳。
御嶽教
みたけきょう 【御嶽教】
神道十三派の一。もとは信濃(シナノ)国御岳山(オンタケサン)を崇敬する山岳信仰。1873年(明治6)から御嶽講の結集を図っていた下山応助らにより82年一派として独立。国常立尊(クニノトコタチノミコト)・大己貴命(オオナムチノミコト)・少彦名命(スクナビコナノミコト)を御岳大神と称して主神とする。おんたけきょう。
御嶽教
おんたけきょう 【御嶽教】
⇒みたけきょう(御嶽教)
御巡り
おまわり [2] 【御巡り・御廻り・御回り】
(1)〔「お巡りさん」を略した俗語〕
警官。巡査。
(2)ぐるっと回ること。特に,犬などがぐるぐる回る芸当にいう。
(3)同心・目明し・医者などの巡回。「―を気をつけやれと角をなり/柳多留 10」
(4)〔女房詞。主食のまわりの物の意〕
おかず。おめぐり。[海人藻芥]
御巣鷹
おすたか 【御巣鷹】
群馬県南西部,多野(タノ)郡上野(ウエノ)村にある山(尾根)。1985年(昭和60),日本航空機が墜落。
御巫
みかんなぎ [2] 【御巫】
(1)古代,神祇官に属し,そこにまつる二三座の神に奉仕した少女。
(2)1871年(明治4)9月神祇省に置かれた,祭典に従事した女性の職。
御差し
おさし 【御差し】
(1)身分の高い人の子に乳を与える女。「―抱乳母(ダキウバ)お乳の人/浄瑠璃・丹波与作(上)」
(2)〔「さし」は「刺身」の略〕
刺身を丁寧にいう語。「冷くつてもひらめ―が書抜さ/歌舞伎・小袖曾我」
(3)〔「お差し支え」の略〕
都合の悪いこと。「『―かえ』『いつもの癪さ』/人情本・辰巳園 3」
御己証
ごこしょう [2] 【御己証】
宗祖などが師の教えをうけないで自ら悟った事柄を,弟子などが尊崇していう語。宗祖独自の御見解。御自証(ゴジシヨウ)。
御布施
おふせ [0] 【御布施】
布施を丁寧にいう語。「―を包む」
御師
おし [1] 【御師】
祈祷(キトウ)の事に従う,身分の低い神職・社僧。熊野三山・伊勢神宮・阿夫利神社などでは,宿坊の経営や参詣人の案内を兼ね,信仰の普及にも寄与した。伊勢では「おんし」という。
御師
おんし 【御師】
「おし(御師)」に同じ。
御師さん
おしさん 【御師さん】
「お師匠さん」の略。おっしょうさん。「―から下ると毎日(メエニチ)行(イキ)まあす/滑稽本・浮世風呂(前)」
御帳
おちょう 【御帳】
江戸時代,前科者の罪状や所在を記録した帳簿。
御帳
みちょう 【御帳】
貴人の御座所の帳(トバリ)または帳台を敬っていう語。「―にかかれる薬玉も/徒然 138」
御帳付き
おちょうつき 【御帳付き】
前科者。注意人物。
御幘
おさく [0] 【御幘】
御幘の冠に結ぶ白絹。纓(エイ)を巾子(コジ)の上から前へ折り巾子ぐるみ後ろに結び垂れる。結び方に山科流と高倉流がある。
御幘の冠
おさくのかんむり [0] 【御幘の冠】
御幘を結び垂れた黒の生絹(スズシ)の冠。天皇が神事のときに用いる。
御幘の冠[図]
御幣
おんべい [0] 【御幣】
「ごへい(御幣)」に同じ。おんべ。
御幣
ごへい [0][1] 【御幣】
幣束を敬っていう語。おんべい。みてぐら。ぬさ。
御幣かつぎ
ごへい【御幣かつぎ(をかつぐ)】
a superstitious person (be superstitious).
御幣担ぎ
ごへいかつぎ [4] 【御幣担ぎ】
縁起を気にすること。また,その人。かつぎや。
御幣持
ごへいもち [2][5] 【御幣持(ち)】
(1)御幣を持って行く者。また御幣を持って,主君の参拝の供をする人。
(2)他人におもねりながら,ついて歩く人。
御幣持ち
ごへいもち [2][5] 【御幣持(ち)】
(1)御幣を持って行く者。また御幣を持って,主君の参拝の供をする人。
(2)他人におもねりながら,ついて歩く人。
御幣餅
ごへいもち [2] 【御幣餅・五平餅】
餅を団子にし,串にさして焼いたもの。味噌や醤油などをつけて食べる。
御平
おひら [2] 【御平】
(1)平椀(ヒラワン)に盛った料理。
(2)〔女房詞〕
平椀。平型かぶせ蓋の椀。「―のかちん/御湯殿上(文明一九)」
(3)〔もと女房詞〕
鯛(タイ)。[大上臈御名之事]
御平らに
おたいらに オタヒラ― 【御平らに】 (連語)
足をくずしてどうぞ楽にお座りくださいと,客などにすすめるときの言葉。
御年
みとし 【御年】
〔「み」は接頭語〕
穀物。また,稲。「今年二月(キサラギ)に―初めたまはむとして/祝詞(祈年祭)」
御年玉
おとしだま [0] 【御年玉】
〔「玉」は賜物の意。年玉を丁寧にいう語。もと,正月に神に捧げた餅を各自に分け与えたものをいった〕
新年の祝いに贈る金品。子供など目下の者への贈り物にいうことが多い。[季]新年。
御幸
ごこう [0] 【御幸】
(天皇の「行幸」に対して)上皇・法皇・女院の外出。
御幸
みゆき [0] 【行幸・御幸】 (名)スル
(1)天皇の外出。《行幸》「―には,みこたちなど,世に残る人なく仕うまつり給へり/源氏(紅葉賀)」
(2)上皇・法皇・女院の外出。《御幸》
御幸始め
ごこうはじめ [4] 【御幸始め】
上皇になって初めての外出。また,新年に上皇が法皇または皇太后宮のもとに行くこと。
御幸鞍
ごこうぐら [2] 【御幸鞍】
⇒鏡鞍(カガミグラ)
御店
おたな [0] 【御店】
(1)奉公人や出入りの商人・職人などが,その商家を敬っていう語。
(2)(相手の所有・管理する)借家。「―の孫介どのに三貫文借りうけまして/黄表紙・孔子縞于時藍染」
御店者
おたなもの [0] 【御店者】
商家の奉公人。
御府内
ごふない [2] 【御府内】
江戸時代,江戸の市域とされた地域。支配向きごとに境域は一定しなかったが,1818年寺社勧化場と塗高札掲示の範囲をもってその境域とし,絵図に朱線で示した。大体,東は中川,北は荒川・石神井川下流,西は神田上水,南は目黒川を境とする。朱引き内。
御座
みまし 【御座】
貴人がすわる所。御座所。また,その敷物。「大宮人に―しかせん/新勅撰(秋下)」
御座
ござ 【御座】
〔「おわします」の漢字表記「御座」を音読みした語〕
(1)天皇や貴人の席。おまし。「―をしつらえる」
(2)おいでであること。いらっしゃること。「是に―の事は如何なる人も知り候はじ/太平記 11」
(3)貴人の席に,畳の上にさらに重ねて敷く畳。上げ畳。「―といふ畳のさまにて,高麗などいときよらなり/枕草子 277」
御座
おざ [0] 【御座】
(1)座を丁寧にいう語。
(2)浄土真宗で,説教をきくための集まり。
御座
ぎょざ [1] 【御座】
天子・貴人の座席。おまし。玉座。
御座
おまし 【御座】
(1)貴人が座ったり,臥せったりする所。また,貴人の居室。「西の対に―などよそふ程/源氏(夕顔)」
(2)貴人の敷物。「ここかしこ―ひきつくろはせなどしつつ/源氏(蓬生)」
御座い
ござい 【御座い】
〔近世江戸語〕
(1)〔「ござる」の命令形「ござれ」の転〕
「来い」の意の軽い尊敬語。きなさい。「かかあどのちよつと―と間(アイ)をさせ/柳多留 8」
(2)〔「ございます」の略〕
補助動詞として用いられる。「ある」の意の丁寧語。であります。「其内には呼うとおもふ女郎もあるもので―/洒落本・弁蒙通人講釈」
御座いす
ござい・す 【御座いす】 (動サ特活)
〔「ございます」の転。近世江戸語〕
(1)「ある」「いる」の意の丁寧語。ございます。います。「芸者衆におかよといふは―・せん/洒落本・一目土堤」
(2)(補助動詞)
「ある」の意の丁寧語。であります。「そして亭主はどつちへで―・す/洒落本・遊子方言」
〔活用は「ございます」に同じ〕
御座います
ございま・す [4] 【御座います】 (動サ特活)
〔動詞「ござる」に助動詞「ます」の付いた「ござります」の転。近世江戸語以降の語〕
(1)「ある」の意の丁寧語。「お探しの本はここに―・す」
(2)(補助動詞)
「ある」の意の丁寧語。「明けましておめでとう―・す」「ただいま帰りまして―・す」「どなた様で―・すか」
〔活用は「―・せ(―・しょ)|―・し |―・す |―・す |―・すれ |○」〕
御座いやす
ございや・す 【御座いやす】 (動サ特活)
〔「ござりやす」の転。近世江戸語〕
(1)「ある」「いる」の意の丁寧語。「いろ男は知らねえがめつかちなら―・すよ/洒落本・船頭深話」
(2)(補助動詞)
「ある」の意の丁寧語。「はやく帰らねえきやあ,わるう―・す/洒落本・弁蒙通人講釈」
〔活用は「ござりやす」に同じ〕
御座えす
ござえ・す 【御座えす】 (動サ特活)
〔「ございます」の転。一説に,「ございやす」の転とも。近世江戸語〕
(1)「ある」の意の丁寧語。ございます。「聞きたくつても咄して聞かせ人が―・せん/洒落本・深川手習草紙」
(2)(補助動詞)
「ある」の意の丁寧語。でございます。「此間はおせわで―・した/洒落本・通言総籬」
〔活用は「ございます」に同じ〕
御座さうず
おわそう・ず オハサウズ 【御座さうず】 (動サ変)
〔「おはさふ」の連用形「おはさひ」にサ変動詞「す」が付いた「おはさひす」の転〕
(1)複数の人々が「ある」「いる」「行く」「来る」の意の尊敬語。(人々が)いらっしゃる。おいでになる。「いま二所もにがむにがむ―・じぬ/大鏡(道長)」
(2)(補助動詞)
動詞・形容詞・形容動詞の連用形に付いて,複数の人々が…ている,…である,の意の尊敬語として用いられる。(人々が)…て(で)いらっしゃる。「皆深き心は思ひ分かねどうちひそみて泣き―・ず/源氏(真木柱)」
御座さふ
おわそ・う オハサフ 【御座さふ】 (動ハ四)
⇒おわさう
御座さふ
おわさ・う オハサフ 【御座さふ】 (動ハ四)
〔「おわしあう」の転〕
(1)複数の人々が「ある」「いる」「行く」「来る」の意の尊敬語。「昔物語してこの―・ふ人々に…と聞かせ奉らむ/大鏡(序)」
(2)(補助動詞)
動詞の連用形に付いて,複数の人々が…ている,の意の尊敬語。(人々が)…ていらっしゃる。「おとど,宮,よろこび給ふことかぎりなし。…生まれ給ひつる御子をうつくしみ―・ふ/宇津保(国譲中)」
御座しまさふ
おわしまさ・う オハシマサフ 【御座しまさふ】 (動ハ四)
〔「おわしましあう」の転〕
(1)複数の人々が「ある」「いる」「行く」「来る」などの意の尊敬語。(人々が)いらっしゃる。おいでになる。おありになる。「大宮,子持の宮の御はらからの女宮たち―・ふ/宇津保(蔵開上)」
(2)(補助動詞)
動詞・形容詞の連用形,体言に断定の助動詞「なり」の連用形「に」の付いたものなどに付いて,複数の人々が…ている,…であるの意の尊敬語として用いられる。(人々が)…て(で)いらっしゃる。「陽成院の御子たち,いみじうすきをかしう―・ひて/栄花(日蔭のかづら)」「とりどりに有識にめでたく―・ふも/大鏡(道長)」
御座します
おわしま・す オハシ― 【御座します】 (動サ四)
(1)「ある」「いる」の尊敬語。いらっしゃる。おいで遊ばす。おありになる。「東の五条に大后(オオキサイ)の宮―・しける,西の対に住む人ありけり/伊勢 4」
(2)この世にいる,生きている意の尊敬語。御在世である。「同じ宮,―・しける時,亭子院にすみ給ひけり/大和 72」
(3)「行く」「来る」の尊敬語。いらっしゃる。おいで遊ばす。「仁和のみかど,…ふるの滝御覧ぜむとて―・しける道に/古今(秋上詞)」
(4)(補助動詞)
(ア)動詞の連用形,またはそれに助詞「て」の付いたものに付いて,「てある」「ている」「ていく」「てくる」などの意を敬っていうのに用いる。…ていらっしゃる。…ておいで遊ばす。「帝,春宮の御才かしこく,すぐれ―・す/源氏(花宴)」
(イ)使役の助動詞「す」「さす」とともに用いて,特に敬意を強く言い表す。「上も聞しめして興ぜさせ―・しつ/枕草子 137」
(ウ)形容詞・形容動詞の連用形,体言に断定の助動詞「なり」の連用形「に」の付いたもの,または,それらに助詞「て」の付いたものに付いて,叙述の意を添える「ある」「いる」の意の尊敬語として用いられる。…て(で)いらっしゃる。「広きおほむめぐみの陰(カゲ)筑波山のふもとよりもしげく―・して/古今(仮名序)」「仁和のみかど,みこに―・しける時/古今(秋上詞)」
〔「おわします」は「おわす」よりさらに高い敬意を表す。中古では,一般に帝・后・院・東宮などの動作・状態を高い敬意をもって表すのに用いられる〕
御座す
おわ・す オハス 【御座す】 (動サ変)
(1)「ある」「いる」の尊敬語。おいでになる。いらっしゃる。おありになる。「故上―・せましかば…と思しながらも罪を隠い給はまし/源氏(夕霧)」
(2)「行く」「来る」の尊敬語。「かの寮に―・して見たまふにまことに燕巣作れり/竹取」
(3)(補助動詞)
(ア)動詞の連用形,またはそれに助詞「て」の付いたものに付いて,「てある」「ている」「ていく」「てくる」などの意を敬っていうのに用いる。…ていらっしゃる。…ておいでになる。「かかる人も世に出で―・するものなりけり/源氏(桐壺)」
(イ)形容詞・形容動詞の連用形,体言に断定の助動詞「なり」の連用形「に」,またはそれらに助詞「て」の付いたものなどに付いて,それらに叙述の意を添える「ある」「いる」を敬っていうのに用いられる。…て(で)いらっしゃる。「この度はいかでか辞(イナ)び申さむ。様もよき人に―・す/竹取」「この大臣(オトド)どのはかくあまりにうるはしく―・せしをもどきて/大鏡(伊尹)」
〔(1)上代にはまだ用いられず,中古の仮名文に多く用いられる。(2)活用については,サ変説のほかに,四段・下二段の両活用があったとするものもある。(3)命令形には,「おはせよ」のほかに,「おはせ」の形も見られる。「あなうれし。とく―・せ/枕草子 82」(4)近世には,サ変のほかに,四段の例も見られる。「なふそれなれば直実入道にて―・さぬか/浄瑠璃・念仏往生記」〕
御座す
ござ・す 【御座す】 (動サ特活)
〔「ござんす」の転〕
(1)「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。「必ず―・せと様をまねく/松の葉」
(2)(補助動詞)
「ある」の意の丁寧語。「近年大坂にて通言をはくこと流行,妙で―・す/洒落本・虚実柳巷方言」
〔活用は「ござります」に同じ〕
御座なさる
ござなさ・る 【御座なさる】 (動ラ下二)
(1)「ある」「いる」などの意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。「方々と御行方尋ねしに,いづくにか―・れし/浄瑠璃・菅原」
(2)(補助動詞)
「ある」「いる」などの意の尊敬語。「大殿様此間は御機嫌宜しう―・れまして/歌舞伎・大雑書伊勢白粉」
御座なる
ござな・る 【御座なる】 (動ラ四)
(1)「ある」「いる」などの意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。「平岡どの,そこに―・りまするか/歌舞伎・関取菖蒲�」
(2)(補助動詞)
「ある」「いる」などの意の尊敬語。「満足で―・るか/歌舞伎・貢曾我富士着綿」
御座の間
ござのま 【御座の間】
天皇や貴人のお出ましになる席を設けた部屋。また,天皇や貴人の居室。御座所。
御座ます
ござま・す 【御座ます】 (動サ特活)
〔「ござります」の転。近世語〕
補助動詞としても用いられる。
(1)「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。「人に計り世話やかせ何所にはいつて―・した/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
(2)「ある」の意の丁寧語。…でございます。「ええなんで―・す/滑稽本・当世花街談義」
〔活用は「ござります」に同じ〕
御座らっしゃる
ござらっしゃ・る 【御座らっしゃる】 (動ラ四)
〔動詞「ござる」に助動詞「しゃる」の付いた「ござらしゃる」に促音が加わったもの〕
「来る」「いる」の意の尊敬語。補助動詞としても用いられる。おいでになる。いらっしゃる。「あたりに人様も―・んねえ様に,野方図な奴等ぢやあねえか/滑稽本・浮世風呂 3」
御座り
おすわり [2] 【御座り】 (名)スル
(1)座ること。幼児の動作についていう。「―して食べなさい」
(2)犬が座ること。また,座るよう犬に命令する言葉。
御座りいす
ござりい・す 【御座りいす】 (動サ特活)
〔「ござりんす」の転。近世の遊女語〕
補助動詞として用いられる。「ある」の意の丁寧語。「けさの惣ざいはなんだ。たしか芋に油揚で―・すよ/洒落本・青楼昼之世界錦之裏」
〔活用は「ござりんす」に同じ〕
御座りす
ござり・す 【御座りす】 (動サ特活)
〔「ござりんす」の転〕
「あり」の意の丁寧語。補助動詞としても用いられる。「売る者に人の懐を当にせぬ者は一人も―・せん。欲は人の常にある所で―・す/洒落本・風俗七遊談」
〔活用は「ござりんす」に同じ〕
御座ります
ござりま・す 【御座ります】 (動サ特活)
〔動詞「ござる」に助動詞「ます」が付いてできたもの〕
(1)「ある」「いる」「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。「この嵯峨に人知れず,御台様の―・するを嗅出しに来た敵の犬/浄瑠璃・菅原」「こりや,どなたから―・した/狂言記・吟聟」
(2)「ある」の意の丁寧語。「寿屋と申します新廓が―・す/洒落本・福神粋語録」
(3)(補助動詞)
形容詞の音便形,「て」「で」に付く。「ある」の意の丁寧語。「市さんは下で―・すよ。お向かひは例の通りでよう―・せうね/洒落本・青楼五ツ雁金」
〔活用は「―・せ |―・し |―・す(―・する)|―・す(―・する)|―・すれ |―・せ」。ただし,命令形「―・せ」は(1) の場合だけ〕
御座りやす
ござりや・す 【御座りやす】 (動サ特活)
〔動詞「ござる」に助動詞「やす」が付いてできたもの〕
(1)「来る」「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。「与平様はどこにぞ。顔が見たい。―・せ/浄瑠璃・寿の門松」
(2)「ある」の意の丁寧語。ございます。あります。「おどり子がだいぶ―・した/洒落本・古契三娼」
(3)(補助動詞)
「ある」の意の丁寧語。「何それぢやわるう―・す/洒落本・妓者呼子鳥」
〔活用は「―・せ |―・し |―・す |―・す |○ |―・せ」〕
御座りんす
ござりん・す 【御座りんす】 (動サ特活)
〔「ござります」の転。近世の遊里語〕
(1)「行く」「来る」「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。「是からすぐに曾根崎へ叶はぬ用とて―・した/浄瑠璃・油地獄(下)」
(2)「ある」の意の丁寧語。ございます。「それについてお話が―・す/洒落本・遊子方言」
(3)(補助動詞)
「ある」の意の丁寧語。…でございます。「わたしは大坂者,半七がをばで―・す/浄瑠璃・長町女腹切(上)」
〔活用は「―・せ(―・しょ)|―・し |―・す |―・す |―・すれ |―・せ」〕
御座り申す
ござりもう・す 【御座り申す】 (動サ四)
「ござる」をさらに丁寧にいった語。「御託宣でござやり申すで―・す/浄瑠璃・用明天皇」
御座る
ござ・る 【御座る】 (動ラ四)
〔「ござある」の転。中世後期以降の語。用法の広い待遇語で,尊敬語にも丁寧語にも用いられる〕
□一□
(1)「ある」「いる」の意の尊敬語。「いつも同道いたす人が―・る/狂言・福の神」「寺に―・るをよう知つて直ぐに仕かける不敵者/浄瑠璃・菅原」
(2)「行く」「来る」の意の尊敬語。「おまへどこへ―・る/咄本・鹿の子餅」
(3)「ある」「いる」の意の丁寧語。「仰せられたごとくに,両に皮が―・る/狂言・張蛸」
(4)食べ物が腐る。「―・つたは目元で知れる生肴/柳多留 105」
(5)ある人を恋慕する。ほれる。「いふにいはれぬ舞台子風に相手のおいらんよつぽど―・つたやうすにて/洒落本・福神粋語録」
(6)腹がすく。「腹がすこし―・つたぢやあねえか/滑稽本・膝栗毛 4」
□二□(補助動詞)
(1)「ある」「いる」の意の尊敬語。「天下にありとあらゆる事ども,余さず漏さず知つて―・る丞相様/浄瑠璃・菅原」
(2)「ある」の意の丁寧語。「是は此あたりに住居する者で―・る/狂言・連歌毘沙門」
〔「ござる」の打ち消しの形として,中世後期には「ござない」,近世には「ござらぬ」が用いられた〕
御座ろ
ござろ 【御座ろ】 (連語)
〔動詞「ござる」に助動詞「う」の付いた「ござろう」の転〕
(1)「あるだろう」の意の丁寧語。ございましょう。「五日十日暇のいる事が―と/狂言記・宗論」
(2)(補助動詞的に用いて)…でございましょう。「もはや清水へ参つたで―/狂言記・水汲新発意」
御座んす
ござん・す 【御座んす】 (動サ特活)
〔「ござります」の転。遊女言葉から出た語。近世語〕
(1)「行く」「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。「それが定なら晩に寝所へ―・すか/浄瑠璃・冥途の飛脚(上)」
(2)「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。「それ故この子も屋敷に―・す/浄瑠璃・御曹子初寅詣」
(3)「ある」の意の丁寧語。ございます。「おめへ今ほれたものはねえといつたぢやねえか。たつたひとり―・すよ/洒落本・傾城買四十八手」
(4)(補助動詞)
(ア)「いる」の意の尊敬語。「お客まつまの酒事(ササゴト),けんをして―・する/浄瑠璃・冥途の飛脚(中)」
(イ)「ある」「いる」の意の丁寧語。「みんなこしらへ事さ。ただでも読むがめんどうで―・す/黄表紙・艶気樺焼」
〔活用は「ござります」に同じ〕
御座んまい
ござんまい 【御座んまい】 (連語)
〔「ござるまい」の転〕
ありませんでしょう。「うの毛のさき程も祐経(スケツネ)ひける扱ひならば,お為に能く―/浄瑠璃・会稽山」
御座んやす
ござんや・す 【御座んやす】 (動サ特活)
〔「ござりやす」の転。近世江戸語〕
(1)「ある」の意の丁寧語。ございます。「ちつとさうも―・すまい/滑稽本・浮世風呂 3」
(2)(補助動詞)
「ある」の意の丁寧語。…でございます。「生口で目上で―・すといふのだな/滑稽本・浮世床 2」
〔活用は「ござりやす」に同じ〕
御座付き
おざつき [0][2] 【御座付き】
宴席に呼ばれた芸者が最初に弾く,御祝儀の三味線音楽。また,その唄。御座付き唄。
御座候ふ
ござそうろ・う 【御座候ふ】 (動ハ四)
〔「ござあり」の「あり」を「候ふ」に代えて丁寧の意を添えた語〕
(1)「ある」「いる」に尊敬・丁寧の意を添えたもの。いらっしゃいます。「自然居士(ジネンコジ)の雲居寺に―・ふ程に/謡曲・自然居士」
(2)(補助動詞)
補助動詞「ござある」の丁寧語。「今藤にて―・ふと申上給へ/三河物語」
御座在る
ござあ・る 【御座在る】 (動ラ四)
〔「ござ」に動詞「あり」の付いたもの。「ござあり」で本来はラ行変格活用であるが,のちラ行四段となる。この語形からさらに「ござる」が生じた〕
(1)「ある」「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。いられる。「屋形の中に―・るこそ日本国の主,忝(カタジケナ)くも十善の君にていらせ給へ/太平記 7」
(2)「行く」「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。行かれる。来られる。「高宗…田遊岩が門まで―・りて/中華若木詩抄」
(3)「ある」の丁寧語。あります。「市あまた―・るとは申せども/狂言・牛馬」
(4)(補助動詞)
(ア)補助動詞「ある」「いる」の尊敬語。「何とて旦那は寿命の洗濯に日和(ヒヨリ)見て―・るぞ/浮世草子・色三味線」
(イ)「ある」の意の丁寧語。ます。「罷出たる者は洛中に住居いたす者で―・る/狂言・煎物」
御座子
おくらご 【御座子】
「御子良子(オコラゴ)」に同じ。
御座形
おざなり [0] 【御座形・御座成り】 (名・形動)
その場逃れにいいかげんな言動をする・こと(さま)。「―な言い訳」「―な返事」「―を言う」
御座成り
おざなり [0] 【御座形・御座成り】 (名・形動)
その場逃れにいいかげんな言動をする・こと(さま)。「―な言い訳」「―な返事」「―を言う」
御座所
ござしょ [2][0] 【御座所】
天皇や貴人の居室。おましどころ。
御座所
おわしどころ オハシ― 【御座所】
貴人の居所。おわしまし所。「―尋ねられ給ふ日もあり/源氏(浮舟)」
御座所
おわしましどころ オハシマシ― 【御座所】
貴人の居所。おわしどころ。「この―の見苦しさを/狭衣 4」
御座所
おましどころ 【御座所】
天皇など,貴人の御座所。「げによろしき―にもとて/源氏(帚木)」
御座敷
おざしき [0] 【御座敷】
(1)座敷を丁寧にいう語。
(2)芸者や芸人が,客に呼ばれて出る席。「―を勤める」
御座敷唄
おざしきうた [4] 【御座敷唄】
民謡分類上の名称。芸者衆が,お座敷で三味線の伴奏で艶(ツヤ)っぽく,粋にしっとりと唄う唄。
→酒盛り唄
→騒ぎ唄
御座無い
ござな・い 【御座無い】 (形)
〔中世語〕
⇒ござなし
御座無し
ござな・し 【御座無し】 (形ク)
〔「ござあり」の否定形。中世前期から起こり,中世後期の口語では「ござない」となる〕
(1)「ない」「いない」の意の尊敬語。いらっしゃらない。おいでにならない。「内裏へ参じて見奉るに,主上は―・くて/太平記 2」
(2)「ない」の意の丁寧語。ございません。ありません。「ながの在京なれば,使ひきつて,価(アタイ)が―・いによつて/狂言・鏡男」
(3)(補助形容詞)
「ない」の意の丁寧語。…ではありません。「いやいやさやうの事では―・い/狂言・薬水(虎清本)」
御座畳
ござだたみ 【御座畳】
「上(ア)げ畳(ダタミ)」に同じ。
御座直し
ござなおし 【御座直し】
(1)謁見の際,主君がその人に敬意を表して座を直すこと。
(2)近世,妾(メカケ)・囲い者のこと。
御座船
ござぶね [0][3] 【御座船】
(1)天皇・公家・将軍・大名など,貴人の乗る船。
(2)川遊びの屋形船。「芝居の果てより―をさしよせ/浮世草子・一代女 3」
御庫裏
おくり [2] 【御庫裏】
浄土真宗で,僧の妻。大黒。
御庭焼
おにわやき オニハ― [0] 【御庭焼】
江戸時代,大名・貴顕などが自分の趣向に合わせて居城や藩邸の内に窯を築き焼成した陶磁器。紀州の偕楽園焼,水戸の後楽園焼,尾張の御深井(オフケ)焼,備前の後楽園焼などがある。
御庭番
おにわばん オニハ― [0] 【御庭番】
江戸幕府の職名。八代将軍徳川吉宗の創設。正式名称は,御休息御庭之者。通常は大奥の雑役や警固にあたり,ときには将軍直属の密偵として,市中の風聞や諸大名の動静を探った。命令・報告は直接将軍との間で行われた。村垣家など数家の者があたり,他との交際は禁じられた。
御庵
おあん 【御庵】
尼の住居,またはそこに住む尼を敬っていう語。「お寮がゐる所を―といひ候よ/狂言・比丘貞」
御廟
ごびょう [1][2] 【御廟】
廟を敬っていう語。みたまや。
御廻
おめぐり [2] 【御廻・御回】
(1)宮中で,夏の土用に供御所(クゴシヨ)から奉られる味噌煮の団子。
(2)〔女房詞。飯を入れる椀の周囲に置くことから〕
おかず。おまわり。
(3)〔近世女性語〕
すりこぎ。
御廻り
おまわり [2] 【御巡り・御廻り・御回り】
(1)〔「お巡りさん」を略した俗語〕
警官。巡査。
(2)ぐるっと回ること。特に,犬などがぐるぐる回る芸当にいう。
(3)同心・目明し・医者などの巡回。「―を気をつけやれと角をなり/柳多留 10」
(4)〔女房詞。主食のまわりの物の意〕
おかず。おめぐり。[海人藻芥]
御弓
おんたらし 【御執・御弓】
〔古くは「おんだらし」とも〕
貴人の持つ弓を敬っていう語。おおんたらし。みとらし。「たとひ千疋万疋にかへさせ給ふべき―なりとも/平家 11」
御弓
みたらし 【御執・御弓】
「みとらし(御執)」に同じ。「みな君達―遊ばすほどに/宇津保(初秋)」
御弓の奏
おんたらしのそう 【御弓の奏】
平安時代以降,正月七日の白馬(アオウマ)の節会(セチエ)の時,一七日に行われる射礼(ジヤライ)に使う天皇の弓矢を兵部省から奉ることを内弁が天皇に奏上する行事。みたらしのそう。
御弓の神事
おゆみのしんじ [5] 【御弓の神事】
神社で,祓(ハラエ)などのために,神官が神前で弓を射る儀式。その当たった矢数により,一年の天候や作物の出来具合などを占う。蟇目(ヒキメ)の神事。奉射(ブシヤ)の神事。御結(ミケツ)。弓祈祷(ユミギトウ)。
御弓始め
おゆみはじめ [4] 【御弓始め】
中世以降,毎年正月に幕府で行われた弓を射る儀式。
御引き
おひき 【御引き】
引き出物。御進物。御祝儀。「暦配る家によつて―が出る/浄瑠璃・大経師(上)」
御引き摺り
おひきずり [3] 【御引き摺り】
(1)歩くとひきずるような裾の長い着物。また,そのような仕立て方。
(2)「ひきずり{(1)}」に同じ。
御引直衣
おひきのうし 【御引直衣】
天皇が日常に着用した丈の長い直衣。緋の長袴の上に重ねて用い,裾を長く引く。御下直衣(オサゲノウシ)。
御強
おこわ [0] 【御強】
(1)〔もと女房詞〕
強飯(コワメシ)。赤飯。
(2)〔「おお恐(コワ)」の転〕
だますこと。特に,美人局(ツツモタセ)のことをいった近世語。「地獄の女の―にかかつちやあ,男がたたねえ/歌舞伎・四谷怪談」
御弾き
おはじき [2] 【御弾き】
女児の遊戯の一。貝殻,ガラスの平たい玉などをまきひろげ,指先ではじきあてて取り合う遊び。また,その貝殻・ガラス玉など。
御当地
ごとうち [2] 【御当地】
ある土地に来た人が,そこの人に敬意を表してその土地をいう語。「―ソング」
御当所
ごとうしょ [2] 【御当所】
敬意をもってその土地をいう語。
御当所相撲
ごとうしょずもう [5] 【御当所相撲】
興業する場所がその力士の出身地である相撲。御当地相撲。
御形
ごぎょう [0][1] 【御形・五形】
ハハコグサの異名。春の七草の一つとしてあげるときにいう。おぎょう。
御形
おぎょう [0] 【御形】
ハハコグサの異名。ゴギョウ。
御形
みかた [0] 【御形・御象】
神体。また,仏像。お姿。「盧遮那仏(ルシヤナブツ)の―」
御影
みかげ 【御影】
神戸市東灘区の地名。山手地区は高級住宅地,海岸低地は灘五郷に属する酒造地区。背後の六甲山から良質の花崗岩(カコウガン)を産する。
御影
みかげ [0][2] 【御影】
(1)神霊。みたま。
(2)死んだ人の姿や肖像。お姿。みえい。「きみが―のおもほゆるかな/古今(哀傷)」
御影
みえい [0][2] 【御影】
肖像を敬っていう語。尊影。「善導和尚并(ナラビ)に先帝の―をかけ/平家(灌頂)」
御影
ごえい [0] 【御影】
神仏・貴人の画像や木像。みえい。
御影
ぎょえい [0] 【御影】
天皇・三后・皇太子などの写真。
御影供
おめいく [0][2] 【御影供】
〔「おみえいく(大御影供)」の転か〕
「会式(エシキ)」に同じ。
〔「みえいく」は別語〕
御影供
みえいく [2] 【御影供】
(1)真言宗で,空海の忌日である三月二一日に,その画像をかけて行う法会(ホウエ)。みえく。
〔京都の東寺では四月二一日に行う〕
[季]春。
(2)柿本人麻呂の画像をまつって,和歌を講ずる会。人麻呂影供。
御影堂
みえいどう [0] 【御影堂】
(1)一寺の開基,一宗の開祖の御影を安置する堂。開山堂。祖師堂。
(2)京都五条橋の西にあった新善光寺の別名。
(3)京都名産の扇の名。平敦盛の妻が新善光寺に住して作ったのが始まりといい,江戸時代には扇の最上品とされた。
御影石
みかげいし【御影石】
granite.→英和
御影石
みかげいし [3] 【御影石】
〔御影地方が産地として有名だったことから〕
花崗岩(カコウガン)質岩石の石材名。庭石・墓石や石造品に多く用いられる。
御役
おやく [0] 【御役】
(1)役目を丁寧にいう「御役目」の略。
(2)〔女性語〕
月経。つきやく。「日勤の妾―で非番なり/柳多留 91」
御役御免
おやくごめん [0] 【御役御免】
(1)免官・免職になること。また,役目・仕事から解放されること。「不始末で―になる」
(2)転じて,不用になった物を処分することにいう。
御待ち兼ね
おまちかね [0] 【御待(ち)兼ね】
今か今かと待っていること。また,その待っているもの。「先生が先ほどから―です」
御待ち遠様
おまちどおさま オマチドホ― [0] 【御待ち遠様】
相手を待たせた時にわびる気持ちで言う挨拶(アイサツ)の言葉。「どうも―」
御待兼ね
おまちかね [0] 【御待(ち)兼ね】
今か今かと待っていること。また,その待っているもの。「先生が先ほどから―です」
御徒
おかち 【御徒】
⇒徒(カチ)(2)(3)(4)
御徒目付
おかちめつけ 【御徒目付】
⇒徒目付(カチメツケ)
御徒組
おかちぐみ 【御徒組】
⇒徒士組(カチグミ)
御徒衆
おかちしゅう 【御徒衆】
⇒徒士衆(カチシユウ)
御得意
おとくい [0] 【御得意】
「得意」の丁寧語。「―の料理」「―を回る」
御御
おご 【御御】
「おごう(御御)」に同じ。「これの―はことし二十にこそならるれ/咄本・醒睡笑」
御御
おみ 【御御】 (接頭)
〔接頭語「お」「み」を重ねたもの〕
尊敬の意を表す。「―足」「―くじ」
御御
おごう 【御御】
〔「御御前(オゴゼ)」の転とも〕
妻または娘をいう語。おご。「こなたへ遣はしました―が/狂言・岡太夫(鷺流)」
御御御付け
おみおつけ [3] 【御御御付け】
〔「お」「み」は接頭語〕
味噌汁を丁寧にいう語。
〔「おみ」は味噌を丁寧にいう近世女性語からともいう〕
御御様
おごうさま 【御御様】
他人の妻や娘の敬称。「是は―もお出でなされてござるか/狂言・庖丁聟(虎寛本)」
御御灯
おみあかし [3] 【御御灯・御御灯火】
神仏の前に供える灯火。御灯明。おおみあかし。
御御灯火
おみあかし [3] 【御御灯・御御灯火】
神仏の前に供える灯火。御灯明。おおみあかし。
御御籤
おみくじ [0] 【御御籤・御神籤】
〔「お」「み」は接頭語〕
神仏に祈って,事の吉凶を占うために引くくじ。
御御覧じゃる
おごろうじゃ・る 【御御覧じゃる】 (連語)
御覧になられる。「まづわらはを,ゑどつて―・れ/狂言・金岡」
御御足
おみあし [0][2] 【御御足】
〔「お」「み」は接頭語。近世女性語〕
人を敬って,その人の足をいう女性語。「―をおもみいたしましょう」
御心
みこころ [0] 【御心】
他人の心を敬っていう語。
御心を
みこころを 【御心を】 (枕詞)
御心を寄すの意から,「吉野」にかかる。「山川の清き河内と―吉野の国の/万葉 36」
御心文字
ごしんもじ 【御心文字】
〔「御心中」などの文字詞。近世女性語〕
「御心中」「御心配」などをいう。「姫君様の―は最前申し上げた通りでござりまする程に/歌舞伎・伊勢平氏」
御忌
ごき [1] 【御忌】
⇒ぎょき(御忌)
御忌
ぎょき [1] 【御忌】
(1)高貴な人や祖師などの年忌の法会。ごき。
(2)浄土宗で,四月一九日(江戸時代以前は一月一九日)から七日間行われる,法然上人の年忌の法会。特に,京都知恩院のものが有名。法然忌。[季]春。
御忌祭
おいみまつり [4] 【御忌祭(り)】
祭りのための物忌みが,祭事となったもの。島根県の佐太神社,下関市の忌宮神社など中国地方に多くみられる。
御忌祭り
おいみまつり [4] 【御忌祭(り)】
祭りのための物忌みが,祭事となったもの。島根県の佐太神社,下関市の忌宮神社など中国地方に多くみられる。
御忌詣で
ぎょきもうで [3] 【御忌詣で】
京都知恩院での御忌に詣でること。[季]春。《難波女や京を寒がる―/蕪村》
御忍び
おしのび [0] 【御忍び】
(1)貴人が身分を隠して,あるいは非公式に外出すること。「―の旅行」
(2)「御忍び駕籠」の略。
御忍び駕籠
おしのびかご [4] 【御忍び駕籠】
江戸時代,大名などが身分を隠して外出する時に用いた駕籠。屋根を黒羅紗(ラシヤ)でおおい,腰と棒とを黒く塗った。おしのび。
御忍び駕籠[図]
御念
ごねん [2] 【御念】
(1)相手が心にかけていてくれることを敬っていう語。御心づかい。「―には及びません」
(2)念を丁寧にいう語。念を入れること。「―の入った御挨拶(ゴアイサツ)恐れ入ります」
(3)(軽蔑・からかいの意味で)ばか丁寧なこと。「―の入ったことだ」
御思ひ
みおもい 【御思ひ】
天皇の喪に服する期間。諒闇(リヨウアン)。みものおもい。「遂に以て―の際に/日本書紀(綏靖訓)」
御恩
ごおん [2] 【御恩】
(1)相手を敬って,その人から受けた恩をいう語。「―は忘れません」
(2)封建時代,主君が臣下に与える恩恵で,特に恩地の類。御恩地。「恩賞をもたまはり,―をも拝領して/太平記 26」
御息所
みやすんどころ 【御息所】
〔「みやすみどころ」の転〕
(1)〔天皇の御休息所の意から〕
天皇の寝所に侍する宮女。女御・更衣もいうが,公称である女御・更衣に対してそれ以下の天皇の寵愛(チヨウアイ)を受けた宮女を広くさす。
(2)平安後期以降,皇太子妃および親王妃をいう。「先坊(=前皇太子)に―まゐりたまふこと/大鏡(時平)」
御息所
みやすどころ 【御息所】
〔「みやすみどころ」の音便形「みやすんどころ」の撥音「ん」の無表記〕
「みやすんどころ」に同じ。「いかなる女院,―とも見奉るか/太平記 21」
御息文字
ごそくもじ 【御息文字】
〔「御息災」の文字詞。近世女性語〕
「御息災{(1)}」の意。「―にて御暮し/浮世草子・御前義経記」
御息災
ごそくさい [0] 【御息災】
(1)相手を敬って息災をいう語。「お母様は―でいらっしゃいますか」
(2)飾り気がなく質朴ではあるが,丈夫であること。「あのお縁さんは亭主が―で持つたものよ/滑稽本・浮世風呂 3」
御悔み
おくやみ [0] 【御悔(や)み】
「悔やみ」,特に「悔やみ{(2)}」の丁寧語。「―を述べる」
御悔やみ
おくやみ [0] 【御悔(や)み】
「悔やみ」,特に「悔やみ{(2)}」の丁寧語。「―を述べる」
御悩
ごのう 【御悩】
貴人の病気を敬っていう語。「建礼門院,其比は未だ中宮と聞えさせ給ひしが,―とて/平家 3」
御情け
おなさけ [2] 【御情け】
(1)哀れみや配慮。「―で進級させてもらう」
(2)格別のいつくしみや寵愛(チヨウアイ)。「―をいただく」
→情け
御惚け
おとぼけ [0] 【御惚け】
わざと知らないふりや忘れたふりをすること。「またいつもの―が始まった」
御愁傷様
ごしゅうしょうさま ゴシウシヤウ― [7][0] 【御愁傷様】
不幸のあった人に対する挨拶(アイサツ)の言葉。お気の毒さまの意。
御意
ぎょい [0][1] 【御意】
(1)貴人や目上の人を敬って,その考え・意向などをいう語。
(ア)おぼしめし。おこころ。「―のまま」「―に従う」
(イ)おおせ。おさしず。「社長の―を得たい」
(2)「御意のとおり」の意で,貴人・目上の人に対する返答としていう語。感動詞的にも用いる。おっしゃるとおり。お考えのとおり。「―にござります」
御意見番
ごいけんばん [3] 【御意見番】
地位の高い人に対し,忌憚(キタン)なく自分の意見を述べて言行をいましめる人。「天下の―大久保彦左衛門」
御愛想
おあいそ [0] 【御愛想】
〔「おあいそう」とも〕
(1)「愛想(アイソ){(1)}」を丁寧に言う語。
(2)「愛想{(2)}」を丁寧に言う語。「―に顔だけ出す」
(3)「愛想{(4)}」を丁寧に言う語。「―なしで…」
(4)「愛想{(5)}」を丁寧に言う語。「―お願いします」
御感
ごかん [0] 【御感】
「ぎょかん(御感)」に同じ。
御感
ぎょかん [0] 【御感】
(天皇や君主などが)感ずること,感心することを敬っていう語。ごかん。
御感の御書
ごかんのごしょ 【御感の御書】
中世,功績を賞して将軍が家臣に与えた状。ごかん。「今日―を下さる/東鑑(建久六)」
御慰み
おなぐさみ [0] 【御慰み】
その場に興を添えること。人を楽しませること。座興。「うまくできましたら―」
〔失敗するかもしれないことをにおわせて,皮肉やからかいの気持ちで使うことも多い〕
御慶
ぎょけい [1][0] 【御慶】
〔「ごけい」とも〕
(1)めでたいこと。およろこび。
(2)新年の賀詞を述べること。また,新年を祝う挨拶の語。[季]新年。《長松が親の名で来る―かな/野坡》
御慶
ごけい [1] 【御慶】
⇒ぎょけい(御慶)
御慶帳
ぎょけいちょう [0] 【御慶帳】
年賀の客が記名する帳面。
御憑
おたのむ 【御頼・御憑】
中世・近世の八朔(ハツサク)の習礼。
→たのむ(2)
御成
おなり [0] 【御成】
宮家・摂家・将軍など,高貴の人を敬ってその外出・到着をいう語。「上様の―」
御成切
おなりきり 【御成切】
碁石ほどの大きさにまるめ,平たく作った亥(イ)の子餅。将軍家から臣下に与えられた。おなれぎり。おまいりきり。「本朝にも十月の亥の子なんどを―と言ひて/四河入海 6」
御成庭
おなりにわ 【御成庭】
中に垣など設けない庭。怪しい者などが隠れ忍ぶことができないようにするためで,宮家・摂家などが出入りする家で採用した。
御成敗式目
ごせいばいしきもく 【御成敗式目】
1232年(貞永1),鎌倉幕府の執権北条泰時が法曹官僚系の評定衆に命じて編纂させた鎌倉幕府法。源頼朝以来の慣習法や先例などをもとに成文化したもので,武家法の範となった。全五一条。貞永式目。関東式目。
御成道
おなりみち [3] 【御成道】
宮家・摂家・将軍などが通る道。日光御成街道など。御成筋。
御成門
おなりもん [3] 【御成門】
大名の屋敷や寺院などで,宮家・摂家・将軍などを迎えるときに用いる門。おなりごもん。
御成飾り
おなりかざり [4] 【御成飾り】
客を招くための床の間の飾り方。掛け軸を三幅以上掛けて,本尊の前に三具足を飾り,両脇絵の前に対の脇花瓶を飾る。
御戸代
みとしろ 【御戸代・御刀代】
神に供える稲を作る田。みたしろ。神田(シンデン)。「皇神の―を始めて/祝詞(広瀬大忌祭)」
御房
ごぼう [1] 【御坊・御房】
■一■ (名)
(1)寺院またはその僧坊の敬称。
(2)僧の敬称。
■二■ (代)
二人称。僧に対して敬って呼びかける語。「―の勤め給ふべき也/今昔 39」
御所
ごせ 【御所】
奈良県西部の市。江戸初期,桑山氏の城下町。大和売薬・大和絣(ガスリ)で知られた。古代の遺跡が多い。
御所
ごしょ【御所】
an Imperial Palace.
御所
ごしょ [1] 【御所】
(1)天皇・上皇・三后・皇子などのすまい。特に,天皇の御座所。古くは一定の場所だけではなく,その時々の居所をもいう。「東宮―」「―の御舟をはじめ参らせて人々の舟どもみな出だしつつ/平家 4」
(2){(1)}に住んでいる人。天皇・上皇・三后などを敬っていう語。「―も二位殿抱き参らせて/弁内侍日記」
(3)親王・大臣・将軍などのすまい。また,そこに住む人を敬っていう語。「或る公卿の―へ宮仕はんとて/沙石 8」
御所の五郎蔵
ごしょのごろぞう 【御所の五郎蔵】
歌舞伎「曾我綉侠御所染(ソガモヨウタテシノゴシヨゾメ)」の通称。河竹黙阿弥作。1864年江戸市村座初演。柳亭種彦の読本「浅間嶽面影双紙(アサマガタケオモカゲソウシ)」を脚色したもの。
御所人形
ごしょにんぎょう [3] 【御所人形】
幼児の裸人形。大きな頭に小さな目鼻立ちで,丸々と太り,肌は胡粉(ゴフン)塗りで白い。江戸時代には,御所方が諸大名への贈答に用いた。大内人形。お土産人形。拝領人形。伊豆蔵(イズクラ)人形。
御所作り
ごしょづくり [3] 【御所作り・御所造り】
(1)菊一文字(キクイチモンジ)の異名。御所鍛(ギタ)い。
(2)御所風の家の造り。
御所侍
ごしょざむらい 【御所侍】
禁中・院の御所・摂家に仕えた身分の低い侍。ごしょさぶらい。
御所奉行
ごしょぶぎょう [3] 【御所奉行】
鎌倉・室町幕府の職名。将軍の寺社参詣のことや年中行事など,営中の諸事をつかさどった。
御所方
ごしょがた 【御所方】
(1)宮廷に味方する側(ガワ)。天皇方。「楠兵衛正成と言ふ者,―になりて/太平記 3」
(2)宮廷に関係のある方々。公家(クゲ)や女官など。また,その家。ごしょざま。「年久しく―に宮仕ひせしが/浮世草子・五人女 3」
御所染
ごしょぞめ [0] 【御所染(め)】
寛永(1624-1644)頃,女院の御所で好んで染められ,官女などに賜った染め物。また,その染め方。これを模したものが各地で流行したという。
御所染め
ごしょぞめ [0] 【御所染(め)】
寛永(1624-1644)頃,女院の御所で好んで染められ,官女などに賜った染め物。また,その染め方。これを模したものが各地で流行したという。
御所柿
ごしょがき [2] 【御所柿・五所柿】
カキの品種の一。奈良県御所(ゴセ)の原産という。果実は扁球形で,種が少なく,甘みが強い。大和(ヤマト)柿。
御所桜
ごしょざくら [3] 【御所桜】
サトザクラの一種。花は大形で八重咲き。
御所桜堀川夜討
ごしょざくらほりかわようち 【御所桜堀川夜討】
人形浄瑠璃,時代物の一。文耕堂・三好松洛作。1737年初演。通称「堀川夜討」。「平家物語」「義経記」などの土佐坊昌俊(シヨウシユン)が堀川御所を襲撃したことを中心とし,義経・伊勢三郎・弁慶・静御前などの伝説を加えて脚色。
御所棟
ごしょむね [0] 【御所棟】
端に獅子口(シシグチ)のある大棟。
御所様
ごすさま 【御所様】
〔「ごす」は「ごしょ」の転〕
摂家・大臣家などの子女が,父を敬って呼ぶ語。ごっさん。
御所様
ごっさん 【御所様】
(1)「ごすさま」の転。
(2)「ごてさん(御亭様)」の転。
御所模様
ごしょもよう [3] 【御所模様】
御所風の上品な模様。
御所的
ごしょまと 【御所的】
室町時代,正月に将軍の御所で行なった弓技。
御所羹
ごしょかん [2] 【御所羹】
寒天の中に薄く輪切りにしたミカンを入れて固めた和菓子。
御所落雁
ごしょらくがん [4] 【御所落雁】
干菓子の一。溶いた氷砂糖ともち米の粉で製した落雁。長方形で紅・白がある。富山県井波町の銘菓。
御所被
ごしょかずき 【御所被】
近世,京都の御所の女官たちが用いた衣被(キヌカズキ){(1)}。また,それをまねたもの。
御所解き模様
ごしょどきもよう [5] 【御所解(き)模様】
和服の模様の一。御殿や欄干・檜扇(ヒオウギ)・四季の花や木などを散らした多彩で華麗な模様。
御所解模様
ごしょどきもよう [5] 【御所解(き)模様】
和服の模様の一。御殿や欄干・檜扇(ヒオウギ)・四季の花や木などを散らした多彩で華麗な模様。
御所詞
ごしょことば [3] 【御所詞】
室町時代以降,宮中の女官の間に行われた特殊な言葉。
→女房詞(ニヨウボウコトバ)
御所車
ごしょぐるま [3] 【御所車】
(1)牛車(ギツシヤ)の俗称。源氏車。
(2)家紋の一。「源氏車」に同じ。
御所造り
ごしょづくり [3] 【御所作り・御所造り】
(1)菊一文字(キクイチモンジ)の異名。御所鍛(ギタ)い。
(2)御所風の家の造り。
御所風
ごしょふう 【御所風】
(1)(町人や武士の風俗・様式に対して)御所めいていること。優美で上品なこと。
(2)江戸初期の女性の髪形。束ねた髪を根の周りに巻き付け,一本の笄(コウガイ)でとめたもの。御所風髷(ワゲ)。
御所風(2)[図]
御手
おて [0] 【御手】
■一■ (名)
(1)手を丁寧にいう語。「―を拝借」
→御手の物
(2)人の筆跡を敬っていう語。
(3)犬に,前足をあげて人の手に触れるよう命ずる言葉。
■二■ (感)
相撲で,立ち合いの時や,勝った時に発する掛け声。「相撲をとりて,男をうちたおいて―というて/狂言・連尺」
御手の物
おてのもの [5][0] 【御手の物】
なれていて,わけなくできること。また,その物事。得意。「ギターなら―だ」
御手上げ
おてあげ [0] 【御手上げ】
〔両手をあげて,降参を表すことから〕
全くどうしようもなくなり,途方にくれること。「こうなってはもう―だ」
御手並
おてなみ [0] 【御手並(み)】
(相手の)腕前・技量。
御手並み
おてなみ [0] 【御手並(み)】
(相手の)腕前・技量。
御手並み拝見
おてなみはいけん [0] 【御手並(み)拝見】
腕前や能力がどれほどのものか見させていただきましょう。相手をやや見下した感じの言い方。「―といくか」
御手並拝見
おてなみはいけん [0] 【御手並(み)拝見】
腕前や能力がどれほどのものか見させていただきましょう。相手をやや見下した感じの言い方。「―といくか」
御手付き
おてつき 【御手付き】
(1) [2]
カルタ遊びで,間違って別の札に手をつけること。おてつけ。
(2) [0][2]
主人が侍女・女中と関係すること。また,その女。おてつけ。
御手付け
おてつけ [2] 【御手付け】
「御手付き」に同じ。
御手代
みてしろ 【御手代】
天皇にかわって御幣を取り持つこと。「(代御手ノ注ニ)―として/日本紀私記」
御手伝いさん
おてつだいさん オテツダヒ― [2] 【御手伝いさん】
家事の手伝いをするために雇われた女性。
〔「女中」というのをきらった言い換え語〕
御手元
おてもと [0] 【御手元・御手許】
(1)「てもと」の尊敬・丁寧語。「―のパンフレットをごらんください」
(2)〔食膳の最も手前にあることからいう〕
料理屋などで,箸(ハシ)。
御手元金
おてもときん [0][4] 【御手元金】
(1)天皇家の私有財産である金銭。
→内廷費
(2)高貴の人の手元にある金銭。
御手前
おてまえ 【御手前】
■一■ [2] (名)
(1)(「御点前」とも書く)茶をたてる作法・所作。また,そのできばえ。「結構な―でございました」
(2)手なみ。技量。
■二■ [2][0] (代)
二人称。主として武士が対等もしくはそれに近い者に対して用いた語。そなた。「―の方は何の用ばしあつて召し寄せられた/浮世草子・御前義経記」
御手医者
おていしゃ 【御手医者】
おかかえの医者。侍医(ジイ)。おてまえ医者。「―坂川玄春/浮世草子・武道伝来記 5」
御手塩
おてしょ [2] 【御手塩】
浅い小皿。手塩皿(テシオザラ)。おてしょう。主に女性が用いる語。
御手子
おてこ 【御手子】
江戸時代,大名お抱えの火消し人夫。
御手手
おてて [0] 【御手手】
「手」の幼児語。「―つないで」
御手柔らかに
おてやわらかに オテヤハラカ― 【御手柔らかに】 (連語)
自分は弱いのだから手加減してもらいたいの意で,試合などを始めるときの挨拶の言葉として用いる語。「―願います」「どうぞ―」
御手水
おちょうず [2] 【御手水】
(1)手水(チヨウズ)を丁寧にいう語。
(2)「御手水の会」の略。
御手水の会
おちょうずのえ [2] 【御手水の会】
京都北野神社の祭礼。御手洗(ミタラシ)祭。
御手水の間
おちょうずのま 【御手水の間】
⇒ちょうずのま(手水の間)
御手洗
みたらい [2] 【御手洗】
⇒みたらし(御手洗)
御手洗
みたらし [0] 【御手洗】
(1)神社の社頭にあって参拝者が神仏を拝む前に水で手や口を洗い清める所。
(2)「みたらし団子」の略。
(3)「御手洗川」の略。「この清川と申すは羽黒権現の―なり/義経記 7」
(4)「御手洗会(ミタラシエ)」に同じ。
御手洗会
みたらしえ 【御手洗会】
京都の下鴨神社の神事。参拝した人々が境内の御手洗川に足をつけて無病息災を祈ったもの。昔は,六月二〇日から晦日(ミソカ)まで行われたが,現在は七月土用の丑(ウシ)の日に行う。みたらし。
御手洗参り
みたらしまいり [5] 【御手洗参り】
下鴨神社の御手洗会に参詣すること。昔は,「糺(タダス)の涼み」と称して,納涼を兼ねて大勢が参詣し御手洗団子などが売られた。御手洗詣で。
→糺ノ森
御手洗団子
みたらしだんご [5] 【御手洗団子】
竹の串に数個の団子をさしたもの。初めは醤油で付け焼きにしたが,のちには葛餡(クズアン)をかけたものなども作られる。京都下鴨神社の御手洗川で行われる御手洗会の際,糺ノ森(タダスノモリ)の茶店で売られる。みたらし。
御手洗川
みたらしがわ [4] 【御手洗川】
神社の近くを流れていて,参拝人が手を洗ったり口をすすいだりする川。下鴨神社のものが有名。みたらし。和歌にもよく詠まれる。「恋せじと―にせしみそぎ/古今(恋一)」
〔本来は普通名詞だが,「八雲御抄」などで山城国の歌枕とされる。その場合は上賀茂神社のものを指す〕
御手洗祭
みたらしまつり 【御手洗祭】
京都北野天満宮の七夕の神事。七月七日,祭神菅原道真にちなんで,神宝の松風の硯(スズリ)と,水差し,角盥(ツノダライ)の上に簀(ス)を置き,その上に梶(カジ)の葉を添えて神前に供える。北野の御手水(オチヨウズ)。
御手玉
おてだま [2] 【御手玉】
(1)小豆(アズキ)などを入れた小さな布袋を幾つか手に持ち,歌を歌いながら交互に投げ上げて,手で受け取る遊び。主として少女のする遊び。また,その布袋。
(2)野球で,ボールを受ける際,うまく受けられず手でもてあそんでしまうこと。ジャッグル。
御手盛
おてもり [0] 【御手盛(り)】
〔自分の好きなように食物を器に盛ることから〕
地位などを利用して,決定者自身に利益があるように物事を決めること。「―法案」
御手盛り
おてもり [0] 【御手盛(り)】
〔自分の好きなように食物を器に盛ることから〕
地位などを利用して,決定者自身に利益があるように物事を決めること。「―法案」
御手許
おてもと [0] 【御手元・御手許】
(1)「てもと」の尊敬・丁寧語。「―のパンフレットをごらんください」
(2)〔食膳の最も手前にあることからいう〕
料理屋などで,箸(ハシ)。
御払い
おはらい [0] 【御払い】 (名)スル
(1)「払い」「支払い」の丁寧語・尊敬語。
(2)「お払い物」の略。「屑やあ,―」
御払い物
おはらいもの [0] 【御払い物】
屑屋などに売り払うべき品物。不用な物。
御披露目
おひろめ [0] 【御披露目】 (名)スル
〔「お広め」の意。「披露目」は当て字〕
(1)結婚・縁組の披露をすること。
〔「披露目」は当て字〕
(2)芸者などが,その土地で初めて商売をしたり一本立ちになったりするときに,茶屋などを挨拶(アイサツ)して回ること。
御抱え
おかかえ [0] 【御抱え】
個人的に人を雇っていること。また,その人。かかえ。「―の運転手」
御拝
ごはい [0] 【向拝・御拝】
(1)「こうはい(向拝)」に同じ。
(2)天皇が毎朝沐浴(モクヨク)ののち,神仏を礼拝する儀。《御拝》
御拾い
おひろい [0] 【御拾い】
〔近世女性語から〕
歩くことを敬っていう語。「―御迷惑ながら此辺(ホトリ)には車鳥渡(チヨツト)むつかしからん/別れ霜(一葉)」
御持たせ
おもたせ [2][0] 【御持たせ】
〔「おもたせ物(モノ)」の略〕
来客が持ってきた手土産を,その客の前でいう語。「―で恐縮ですが,お一つどうぞ」
御持僧
ごじそう ゴヂ― [2] 【護持僧・御持僧】
清涼殿の二間に侍して天皇護持のために勤行する僧。桓武天皇の時に始まり,東寺・延暦寺・園城寺の高僧に限られていた。夜居(ヨイ)の僧。
御持弓頭
おもちゆみがしら 【御持弓頭】
江戸幕府の職名。弓隊の長で,御持弓与力・御持弓同心を率いて,将軍を護衛する。平時は城内中仕切門を警固する。千五百石高で二人置かれていた。
御持筒頭
おもちづつがしら 【御持筒頭】
江戸幕府の職名。鉄砲隊の長で,御持筒与力・御持筒同心を率いて,将軍を護衛する。平時は城内中仕切門を警固する。千五百石高で三人置かれていた。
御挨拶
ごあいさつ [2] 【御挨拶】
(1)相手を敬って挨拶を丁寧に言う語。
(2)相手の失礼な言い方などに対して皮肉を込めて言う語。あきれた言いざま。「これは―だね」
御捻り
おひねり [2][0] 【御捻り】
神社や寺に供えたり他人に与えたりするために,小銭を紙にくるんでひねったもの。
御推文字
ごすいもじ 【御推文字】
〔「御推量」などの文字詞。近世女性語〕
「御推量」「御推察」などをいう。おすいもじ。「三浦の助と―の上は名乗に及ばず/浄瑠璃・花飾」
御推文字
おすいもじ 【御推文字】
〔推察・推量などの文字詞に「お」の付いた語〕
推察。推量。おすもじ。すもじ。「跡は言はずと―さ/歌舞伎・魚屋茶碗」
御掻
おかき [2] 【御欠き・御掻】
〔もと女性語〕
かきもち。
御揃い
おそろい [0] 【御揃い】
〔「そろい」を丁寧にいう語〕
(1)二人以上の人が連れ立って一緒にいること。「―でおでかけですか」
(2)衣服やその柄などが同じであること。「―のゆかた」
御握り
おにぎり [2] 【御握り】
〔もと女性語〕
にぎり飯を丁寧にいう語。おむすび。
御摩
おさすり 【御摩】
女中を兼ねた妾(メカケ)。お撫(ナデ)。「お針と―兼帯でしかも三分の給金に/歌舞伎・櫓太鼓」
御撰
ぎょせん [0] 【御撰】
歌集などを天皇が自ら編纂すること。また,その書。
御教書
みぎょうしょ [0] 【御教書】
三位以上の貴人の意向を伝える奉書。家司(ケイシ)が奉書の形式をとって下達する。上皇・天皇・親王の場合,それぞれ院宣(インゼン)・綸旨(リンジ)・令旨(リヨウジ)と称した。一一世紀初頭頃から行われるようになり,摂関政治とともに公的なものとなり,鎌倉幕府においても執権・連署がこの形式をとって発給。室町幕府に至っては奉書形式ではなく室町殿が直接出す御判(ゴハンノ)御教書も生まれた。
御数
おかず [0] 【御数・御菜】
〔数々とりそろえる意から。もと中世女性語〕
食事の際の副食物。[日葡]
御数寄屋坊主
おすきやぼうず [5] 【御数寄屋坊主】
「数寄屋坊主(スキヤボウズ)」に同じ。
御敵
おてき 【御敵】
近世,遊里で,客と遊女が互いに相手を指していう語。「―御ざつて銚子も動き出し/浮世草子・一代男 3」
御文
おふみ [2] 【御文】
(1)お手紙。御消息。
(2)蓮如(レンニヨ)の書簡・法語集。お文さま。
→御文章(ゴブンシヨウ)
御文章
ごぶんしょう ゴブンシヤウ 【御文章】
浄土真宗の本願寺八世蓮如(レンニヨ)がその門下に与えた法語や消息を,孫の円如が集めたもの。五帖八〇通。平易な文章で,宗義の拡大に貢献。本願寺派では御文章,大谷派では御文(オフミ)という。お文様(フミサマ)。
御斎
おとき [0][2] 【御斎】
仏事・法事などのときに出す食事。
→斎(トキ)
御斎会
みさいえ [2] 【御斎会】
⇒ごさいえ(御斎会)
御斎会
ごさいえ [2] 【御斎会】
宮中の年中行事の一。正月八日より一四日までの七日間,大極殿(のちには清涼殿)で国家護持・五穀成就の祈願をした法会。衆僧を召して斎食(トキ)を設け,金光明最勝王経を講じさせた。奈良中期に始まり,平安時代には重要な儀式となったが,室町時代に途絶えた。御斎講。みさいえ。
御斎講
ごさいこう [0] 【御斎講】
⇒御斎会(ゴサイエ)
御料
ごりょう [1][2] 【御料】
(1)天皇や貴人の用いるもの。衣服・飲食物・器具など。「かの―にとてまうけさせ給ひける櫛の箱一よろひ/源氏(蜻蛉)」
(2)寺社の供物。
(3)「御料所」「御料地」の略。
御料
ごりょう [1] 【御寮・御料】
(1)貴人,または貴人の子女を敬っていう語。「少輔(ジヨウ)の―とぞ申す/義経記 8」「―は青竹おろしの館に入り給ひぬ/曾我 5」
(2)人名や人を表す語に付けて,敬愛の意を表す。「嫁―」「万寿―をも五大院右衛門宗繁が具足しまゐらせ候ひつるを/太平記 10」
御料人
ごりょうにん [2] 【御寮人・御料人】
(1)貴人や上流階級の人の娘・妻に対する敬称。近世以降,中流の町家の娘や若妻をもいう。「是は―様の不断着/浮世草子・一代男 1」
(2)人の娘や妻の名に付けて,敬愛の気持ちを表す。「俵藤太殿の御娘子,米市―のお里通ひぢやとおしやれ/狂言・米市(虎寛本)」
御料地
ごりょうち [2] 【御料地】
「御料所{(1)}」に同じ。
御料所
ごりょうしょ [4][0] 【御料所】
(1)皇室の所有地。禁裏御料。御料地。御料。
(2)幕府の直轄領。御料。御領。天領。
⇔私領
御料林
ごりょうりん [0][2] 【御料林】
旧憲法下で,皇室所有の森林。宮内省の御料局(のちの帝室林野局)が管理し,その収入は皇室の主要財源となった。戦後,国有財産に移管。
御料車
ごりょうしゃ [2] 【御料車】
天皇や皇族の乗る車・車両。
御新さん
ごしんさん [2] 【御新さん】
「御新造(ゴシンゾウ)さん」の略。ややぞんざいな言い方。
御新造
ごしんぞう [2] 【御新造】
武家・富商・上流の町家の妻を敬っていう語。「奥様」に次ぐ格の語。のち一般に,他人の妻を敬っていう語。「大店の―さん」
御新造
ごしんぞ [2][0] 【御新造】
「ごしんぞう」の転。「其れから間もなく―様は御亡(オナク)なり/火の柱(尚江)」
御新香
おしんこ [0] 【御新香】
香(コウ)の物。しんこ。
御方
おかた [0] 【御方】
(1)人を敬っていう語。「あの―の言うことなら間違いない」
(2)他人の妻の敬称。「亭主のもてなし,―のけいはく/浮世草子・一代男 3」
(3)貴人の妻妾や子女の敬称。「明日は殿ごの砧打,―姫ごも出て打たい/松の葉」
御方
みかた [0] 【味方・御方・身方】 (名)スル
〔「かた」に尊敬の接頭語「み」の付いたものから。「味方・身方」は当て字〕
(1)自分の属する側。「―に引き入れる」
(2)加勢すること。「弱い方に―する」
御方
おんかた 【御方】
■一■ (名)
(1)貴人を敬ってその居所をいう語。「中宮の―へ参らせ給ひ/平家 4」
(2)貴人,ことに貴婦人・姫君を敬っていう語。おかた。「貞観殿の―は/蜻蛉(中)」
■二■ (代)
二人称。貴人を敬っていう。あなたさま。「―をば全くおろかに思ひ参らせ候はず/平家 7」
御方便
ごほうべん 【御方便】
(1)仏を敬って,その導きの手段をいう。「仏の―にてなむ/源氏(宿木)」
(2)うまい具合に事が運ぶこと。「どうぞ―で何ごとなく/洒落本・深川新話」
御方包丁
おかたぼうちょう 【御方包丁】
和泉国堺でつくられた,葉タバコを刻む包丁。
〔鍛冶工(カジコウ)が,妻に相槌を打たせたので,この名があるという〕
御方奉公
おかたぼうこう [4] 【御方奉公】
労働婚の一。婿が年限を定めて妻の家に住み込み働くこと。年限によって三年婿・五年婿とも称す。年期婿。
御方御所
おかたごしょ 【御方御所】
将軍家や大臣家の,まだ家督を継がない部屋住みの子息の敬称。おかたずまい。
御方成り
おかたなり 【御方成り】
遊女や妾(メカケ)だったものが本妻になること。また,そのときの披露。「願はくは―の前に/浮世草子・禁短気」
御方様
おかたさま 【御方様】 (代)
二人称。多く女性が男性に対して用いた語。あなたさま。「申しわたしはな,荻野と申して,―の母さまの妹ぶんにて候/浄瑠璃・三世相」
御方様
おかっさま 【御方様】
〔「おかたさま」の転〕
他人の妻の敬称。「先なは―,後なは下女でござろ/狂言記・釣女」
御旅
おたび [0] 【御旅】
〔「御旅所」の略〕
江戸深川八幡宮の御旅所近くにあった岡場所。「八まんたまらぬ―のさわぎ/滑稽本・志道軒伝」
御旅所
おたびしょ [0][4] 【御旅所】
神社の祭礼の神輿(ミコシ)渡御に際し,本宮を出た神輿を迎えて仮に奉安する所。仮宮。仮屋。頓宮(トングウ)。神輿宿。神霊社。おたびどころ。[季]夏。
御日待ち
おひまち [0] 【御日待ち】
「日待(ヒマ)ち」に同じ。
御日様
おひさま [0] 【御日様】
太陽を敬い親しんだ言い方。おてんとうさま。おてんとさま。主に女性・幼児が用いる。
御旨
ぎょし [1] 【御旨】
お考え。おぼしめし。
御明かし
みあかし [0] 【御明かし・御灯・御灯明】
神仏の前に供える灯火。おとうみょう。
御明算
ごめいさん [2][0] 【御名算・御明算】
他人の計算の正しい意の丁寧語。主に算盤(ソロバン)でいう。
御昼
おひる [2] 【御昼】
(1)昼を丁寧にいう語。「もう―になった」
(2)昼食。「―にしましょう」
(3)お起きになること。[日葡]
→おひるなる
御昼成る
おひな・る 【御昼成る】 (動ラ四)
「おひんなる」に同じ。「旦那様,―・つてでござりますか/人情本・玉襷」
御昼成る
おひるな・る 【御昼成る】 (動ラ四)
〔女房詞〕
おめざめになる。お起きになる。おひんなる。「暁,―・りて御聴聞/御湯殿上(永禄三)」
御昼成る
おひんな・る 【御昼成る】 (動ラ四)
〔「御昼(オヒル)成(ナ)る」の転。近世女性語〕
お目覚めになる。おひなる。
⇔およんなる
「朝はとうから―・り嫁をねめ/柳多留 21」
御時
おおんとき オホン― 【御時】
天皇の治世を敬っていう語。御代。「いづれの―にか/源氏(桐壺)」
御晩菜
おばんさい [0] 【御晩菜】
惣菜(ソウザイ)のこと。関西,特に京都でいう。
御晴れ
おはれ 【御晴れ】
(1)晴れ着。また,それを着た姿。晴れ姿。
(2)貴人の外出または到着。御成(オナリ)。
御暇
おいとま [0] 【御暇】 (名)スル
(1)人の前を去ること。帰ること。辞去。「―申し上げる」「これで―します」
(2)職を離れること。ひま。「―をいただく」
御暦
ごりゃく 【御暦】
〔「りゃく」は呉音〕
天皇に奉る暦(レキ)。
御暦の奏
おんこよみのそう 【御暦の奏】
⇒御暦(ゴリヤク)の奏(ソウ)
御暦の奏
ごりゃくのそう 【御暦の奏】
平安時代,陰陽寮の暦博士が作った翌年の暦を,中務省が奏上する儀式。一一月一日に紫宸殿で行われた。おんこよみの奏。こよみの奏。
御書
ごしょ [1] 【御書】
他人を敬ってその手紙・著書・筆跡などをいう語。
御書始め
ごしょはじめ [3] 【御書始め】
「読書(ドクシヨ)始め」に同じ。
御書始め
みふみはじめ [4] 【御書始め】
⇒ごしょはじめ(御書始)
御書所
ごしょどころ 【御書所】
平安時代,宮中の書物を管理する役所。長官を別当といい,その下に,預かり・開闔(カイコウ)などの職員を配した。
御書院番
ごしょいんばん ゴシヨヰン― [3] 【御書院番】
⇒書院番(シヨインバン)
御曹司
おんぞうし [3] 【御曹司・御曹子】
〔「曹司」は部屋(ヘヤ)の意〕
(1)名門の子弟。「社長の―」
(2)公家の子息でまだ独立していない者。
(3)(平家の「公達(キンダチ)」に対して)源氏の嫡流で,独立していない子息の敬称。特に,源義経。
御曹子
おんぞうし [3] 【御曹司・御曹子】
〔「曹司」は部屋(ヘヤ)の意〕
(1)名門の子弟。「社長の―」
(2)公家の子息でまだ独立していない者。
(3)(平家の「公達(キンダチ)」に対して)源氏の嫡流で,独立していない子息の敬称。特に,源義経。
御月様
おつきさま [1][3] 【御月様】
月を敬い親しんでいう語。
御服
おんぶく 【御服】
⇒おおんぶく(大御服)
御服所
ごふくどころ 【御服所】
平安時代,中務省内蔵(クラ)寮に属し,装束の事をつかさどった所。院・摂関家・大臣家などにも置かれた。ごふくしょ。
御木
みき 【御木】
姓氏の一。
御木徳一
みきとくはる 【御木徳一】
(1871-1938) 宗教家。愛媛県生まれ。禅僧から還俗し,金田徳光の徳光教教会教師となる。1924年(大正13)子の徳近と人道徳光教を開教して大阪を中心に布教,31年(昭和6)にひとのみち教団と改称。
御木徳近
みきとくちか 【御木徳近】
(1900-1983) 宗教家。徳一(トクハル)の長男。1946年(昭和21)ひとのみち教団を新たに PL(のちにパーフェクト-リバティー)教団として再出発させた。
御木本
みきもと 【御木本】
姓氏の一。
御木本幸吉
みきもとこうきち 【御木本幸吉】
(1858-1954) 実業家。伊勢生まれ。1896年(明治29)三重県多徳島に真珠の養殖場を開設,1905年世界初の真円真珠の養殖に成功。真珠王と称される。
御末
おすえ 【御末】
(1)宮中・将軍家・諸侯などの奥向きで,雑役に従事する女の詰めている部屋。また,その女。おはした。
(2)「御末衆」の略。
(3)〔女房詞〕
扇。
御末衆
おすえしゅう [3] 【御末衆】
室町幕府の職名。雑役・宿直を務める下級の侍。おすえ。
御本手
ごほんて [2] 【御本手】
(1)〔「ごほんで」とも〕
桃山時代から江戸初期に,日本から手本を朝鮮に送り,釜山などの窯で焼かせた陶器。陶土の質によって生じる赤みのある斑紋が特色。御本。
(2)赤糸入りの縦縞。奥縞。御本手縞。御本。
御札
おふだ [0] 【御札】
神社や寺が出す守り札。お守り。護符。
御札
ぎょさつ [0] 【御札】
他人を敬ってその手紙をいう語。
御札
おさつ [0] 【御札】
紙幣。札(サツ)。
御朱印
ごしゅいん [0] 【御朱印】
朱印(シユイン)の敬称。
御朱印船
ごしゅいんせん [0] 【御朱印船】
近世初期の鎖国までの一時期に行われた官許の貿易船。徳川家康ら日本の為政者が東南アジア諸国の支配者あてに発行する異国渡海朱印状を持って,海外貿易に従事した。主として中国船と洋船の折衷式の大型帆船を使用した。船主は加藤清正らの大名と末次・角倉・末吉などの商人のほか外国人もいた。
→奉書船(ホウシヨセン)
御朱印船[図]
御杖
みつえ [0] 【御杖】
(1)杖を敬っていう語。
(2)「御杖代(ミツエシロ)」に同じ。「天皇,倭姫命を以て―として,天照大神に奉りたまふ/日本書紀(垂仁訓)」
御杖代
みつえしろ 【御杖代】
大神・天皇などの御杖となって助けるもの。多く,伊勢神宮の斎宮の称。「豊耟入婦(トヨスキイリヒメ)を以ちて―として/皇太神宮儀式帳」
御来光
ごらいこう [0] 【御来光】
高山などで,尊いものとして迎える日の出。ブロッケン現象。仏の御光。[季]夏。「富士山頂で―を拝む」
御来光を見る
ごらいこう【御来光を見る】
see the sunrise <from the top of Mt.Fuji> .→英和
御来迎
ごらいごう [0] 【御来迎】
(1)「来迎」の尊敬語。
(2)江戸時代のおもちゃ。竹筒を引くと中に仕組んだ仏が現れ,後光を模した畳んだ紙が開く仕掛けになっている。
(3)高山で日の出や日没時に,太陽を背にして立つと霧に自分の影が大きく映り,影の周りに色のついた光が現れる現象。グローリー。来迎。[季]夏。
御来迎(2)[図]
御来迎を拝む
らいごう【御来迎を拝む】
view the sunrise.→英和
御東
おひがし 【御東】
東本願寺,または浄土真宗大谷派の通称。
⇔御西
御松明
おたいまつ [2] 【御松明】
三月一五日の夜,京都市嵯峨の清涼寺(釈迦堂)で行われる涅槃会(ネハンエ)の行事。大松明を焚(タ)いて釈尊の荼毘(ダビ)のさまを再現するといわれる。[季]春。
御板
おいた 【御板】
〔女房詞〕
かまぼこ。[大上臈御名之事]
御林
おはやし 【御林】
江戸幕府の直轄林。また,諸藩の直轄林をも称した。
御林奉行
おはやしぶぎょう [5] 【御林奉行】
江戸幕府の職名。勘定奉行に所属し,御林の木材伐採・運送などを管掌。
御林帳
おはやしちょう 【御林帳】
江戸幕府の御林台帳。御林の所在・縦横の間数・面積などを記入したもの。
御柱祭
おんばしらまつり 【御柱祭】
長野県諏訪大社の六年目ごとの大祭。寅(トラ)年と申(サル)年の春に神山から樅(モミ)の大木を曳き降ろし,上社・下社とも社殿の四隅に新しい柱を立てる祭事。みはしらさい。
御柳
ぎょりゅう [0] 【御柳】
ギョリュウ科の落葉小高木。中国北部の原産。寛保年間(1741-1744)に渡来。枝はよく分枝し,短針形の葉が鱗片(リンペン)状に重なりあって小枝に互生する。春夏の二度,淡紅色の五弁の小花を総状に密につける。観賞用。檉柳(テイリユウ)。
御柳[図]
御株
おかぶ [0] 【御株】
その人の得意とする芸。また,特有な癖。
御根葉
おねば 【御根葉・大根葉】
〔「おおねば」の転〕
大根などの間引き菜。菜飯や雑炊などに入れる。「そのちよきちよきで夕飯の―刻め/浄瑠璃・宵庚申(下)」
御格子
みこうし 【御格子】
格子の美称。
御案内
ごあんない [0] 【御案内】
ごぞんじ。御承知。「皆様―のとおり」
→案内(4)
御楽
おたの 【御楽】
〔近世江戸語〕
「お楽しみ」の略。女性が用いた。「『…呉服屋へは夫婦づれで見立てにいくか』『へん,―だの,ほんにあきれもしねえ』/滑稽本・浮世風呂 3」
御構い
おかまい [0] 【御構い】
(1)相手に対する「もてなし」「供応」などを丁寧にいう語。「どうぞ―なく」「何の―もしませんで」
(2)江戸時代の刑罰の一。追放。「江戸十里四方―」
御構い無し
おかまいなし [5] 【御構い無し】
(1)他人の気持ちや周囲の状況への気づかいのないこと。「人の迷惑も―に騒ぐ」
(2)江戸時代の裁判で,無罪となること。
御樋代
みひしろ [0] 【御樋代】
神社で神体を納める器。御船代(ミフナシロ)に入れ,神座に置く。特に,伊勢神宮のものをいう。
御機嫌
ごきげん [0] 【御機嫌】
■一■ (名)
相手を敬ってその機嫌をいう語。また,丁寧語。御気分。「―いかがですか」「社長の―をうかがう」
■二■ (形動)
(1)気分のよいさま。上機嫌。「酔いが回ってすっかり―になる」「大層―ですね」
(2)すばらしい,すぐれているなどの意の俗語。「―な曲」
御機嫌な
ごきげん【御機嫌な】
<be> in a good humor.〜いかがですか How are you (getting along)?
御機嫌よう
ごきげんよう [5] 【御機嫌よう】 (感)
〔「よう」は形容詞「よい」の連用形の音便〕
会ったときや別れるときに,相手の健康を祈り祝う意をこめて言う挨拶(アイサツ)の言葉。「―,さようなら」
御機嫌斜め
ごきげんななめ [6] 【御機嫌斜め】 (名・形動)
機嫌が悪い・こと(さま)。「約束をすっぽかされてすっかり―だ」
御櫃
おひつ [0] 【御櫃】
炊いた飯を釜から移し入れておく木製の器。めしびつ。おはち。
御櫃[図]
御櫛笥
みくしげ 【御櫛笥・御匣】
貴人を敬ってそのくしげをいう語。「海神の神の命の―に貯(タクワ)ひ置きて斎(イツ)くとふ/万葉 4220」
御欠き
おかき [2] 【御欠き・御掻】
〔もと女性語〕
かきもち。
御次
おつぎ [0][2] 【御次】
(1)次の順番。あとに続くこと。また,その人。「―はどなたですか」
(2)〔「お次の間(マ)」の略〕
高貴な人の居間の次の間。
(3)江戸時代,将軍・大名・高家の主人の居間の次の間に仕えた奥女中。仏間・台子・膳部・道具などのことをつかさどった。
御歌
おうた [0] 【御歌】
他人の歌を敬っていう語。特に,天皇や皇后の作歌にいう。
御歌
ぎょか [1] 【御歌】
(1)天皇の作った和歌。御製。御詠。
(2)他人を敬ってその作った和歌をいう語。おうた。
御歌
みうた [0] 【御歌】
身分の高い人を敬って,その作った歌をいう語。特に,皇族の詠んだ歌。
御歌
おんうた [1] 【御歌】
貴人や皇族などが作る歌。
〔天皇の歌は「御製(ギヨセイ)」という〕
御歌会
おうたかい [3][0] 【御歌会】
宮中で催される歌会。歌御会(ウタゴカイ)。
御歌所
おうたどころ [4] 【御歌所】
宮内省に属し,天皇・皇后の御製・御歌,御歌会に関する事務を取り扱った役所。1888年(明治21)設置,1946年(昭和21)廃止。
御歌所派
おうたどころは 【御歌所派】
明治前期,御歌所に属した歌人。桂園派を中心とし,詠風は保守的・観念的。当時の歌壇の中心勢力。高崎正風・入江為守・阪正臣・小出粲(ツバラ)・井上通泰・税所(サイシヨ)敦子などがいる。
御正体
みしょうたい [2] 【御正体】
神体または本尊を敬っていう語。御本体。図像や鏡像についてもいう。
御正忌
ごしょうき [2] 【御正忌】
親鸞(シンラン)の命日,またその法要。[季]冬。
御歩射
おびしゃ 【御歩射・御奉射】
年頭に行う徒弓(カチユミ)神事。的を射た結果で年占をするところが多い。また,弓を射る行事が脱落し,単に年頭の初寄り合いになっているところも少なくない。おぶしゃ。
御歯向き
おはむき 【御歯向き】
「はむき」を丁寧にいう語。おせじ。へつらい。「浮世に追従軽薄あれば,参会(デアイ)に座なり―あり/滑稽本・根無草後編」
御歯形
おはがた 【御歯形】
〔中世女性語〕
大根。[日葡]
御歯黒
おはぐろ [0] 【御歯黒・鉄漿】
〔「歯黒め」の女房詞〕
(1)歯を黒く染めること。古く上流婦人の間に起こり,院政期頃から貴族の男子もつけた。室町時代には,女子は九歳になると成年のしるしとしてつけ,江戸時代には,既婚婦人がつけた。かねつけ。
(2)かねつけに使う褐色の液体。酢・茶などに鉄片を浸し,飴なども入れ,付きをよくするために五倍子粉(フシノコ)を入れる。これを筆で歯に塗る。かね。
御歯黒壺
おはぐろつぼ [4] 【御歯黒壺】
御歯黒{(2)}を入れる壺。
御歯黒始め
おはぐろはじめ 【御歯黒始め】
女子が初めて御歯黒をつける儀式。男子の元服式にあたる。平安時代には,八,九歳の頃に行う習慣であったが,江戸時代には一三歳で行うようになり,さらに一三歳では儀式だけで,歯を染めるのは結婚後とするのが一般的になった。一三歳の式。清墨(キヨズミ)の式。初鉄漿(ハツカネ)。歯黒初め。
御歯黒溝
おはぐろどぶ [4] 【御歯黒溝】
〔遊女が御歯黒を捨てたことからとも,汚水が黒いための連想からとも〕
遊女の逃亡を防ぐため,江戸新吉原遊郭の周囲にめぐらした溝。おはぐろぼり。
御歯黒花
おはぐろばな [4] 【御歯黒花】
ウマノスズクサの異名。
御歯黒蜻蛉
おはぐろとんぼ [5] 【御歯黒蜻蛉】
ハグロトンボに同じ。カネツケトンボ。[季]夏。
御歯黒親
おはぐろおや 【御歯黒親】
女性が初めて御歯黒をつける時,その儀式の世話をする婦人。親類や知人の中で,徳望ある人に依頼した。鉄漿親(カネオヤ)。筆親。「おはてなされた母様の,―にならせられ/浄瑠璃・薩摩歌」
御歳暮
おせいぼ [0] 【御歳暮】
⇒せいぼ(歳暮)(2)
御歴歴
おれきれき [0] 【御歴歴】
「歴歴」の敬称。身分・地位などの高い人たち。名士たち。「―が揃(ソロ)う」
御殻
おから [0] 【御殻】
豆腐を作る際,豆乳を搾り取った残りかす。食用・飼料とする。卯(ウ)の花。雪花菜(キラズ)。豆腐殻。
御殻鮨
おからずし [3] 【御殻鮨】
⇒卯(ウ)の花鮨(ハナズシ)
御殿
ごてん [1] 【御殿】
(1)身分の高い人の住んでいる屋敷。また,豪華な邸宅。
(2)清涼殿(セイリヨウデン)の別名。
(3)社殿。やしろ。「八王子の―より鏑箭(カブラヤ)の声いでて/平家 1」
御殿
みあらか 【御舎・御殿】
宮殿を敬っていう語。御殿。「宮柱太敷きいまし―を高知りまして/万葉 167」
御殿
ごてん【御殿】
a palace.→英和
〜のような palatial.→英和
御殿医
ごてんい [2] 【御殿医・御典医】
江戸時代,幕府や大名に召しかかえられた医者。御殿医者。おさじ。
御殿場
ごてんば 【御殿場】
静岡県北東部,富士山南東麓の市。高原上にあり,避暑・保養地。富士山の登山口の一。
御殿場
ごてんば [0] 【御殿場】
(1)歌舞伎・浄瑠璃で,御殿の場面。御殿の場。
(2)地名(別項参照)。
御殿場線
ごてんばせん 【御殿場線】
JR 東日本の鉄道線。神奈川県国府津(コウヅ)・静岡県沼津間,60.2キロメートル。箱根火山の北側を通じ,丹那トンネルが完成するまでは東海道線の一部であった。
御殿女中
ごてんじょちゅう [4] 【御殿女中】
(1)江戸時代,宮中・将軍家・大名の奥向きに仕えた女性。行儀見習い等のために仕えた者が多い。奥女中。
(2)嫉妬深く,人を中傷する底意地の悪い女をたとえていう語。「全く―の生まれ変りか何かだぜ/坊っちゃん(漱石)」
御殿番
ごてんばん [0][2] 【御殿番】
江戸時代,幕府が管轄する城や殿舎を守衛する役。
御母
みおも 【御母】
母または乳母を敬っていう語。「―を取り,大湯坐(オオユエ),若湯坐(ワカユエ)を定めて/古事記(中訓)」
御母
おかか [2] 【御母・御嬶】
自分の妻または他人の妻を親しんで呼ぶ語。
御母様
おたあさま [2] 【御母様】
貴族・公家などの子弟が使う「母」の尊敬語。おたたさま。
⇔おもうさま
〔対屋(タイノヤ)に住む人の意か。室町時代,宮中や貴族の家の幼児語だったという〕
御母様
おたたさま [2] 【御母様】
「おたあさま(御母様)」に同じ。
御母様
おかかさま 【御母様・御嬶様】
(1)他人の妻を敬って呼ぶ語。おかみ様。奥様。
(2)母を敬って呼ぶ語。おかあさま。
〔主に近世に用いられた〕
御母様
おかあさま [2] 【御母様】
母親を敬っていう語。「おかあさん」より丁寧な言い方。
御母衣ダム
みぼろダム 【御母衣―】
岐阜県北西部,庄川上流部にある発電専用のロック-フィル-ダム。1961年(昭和36)完成。堤高131メートル,有効貯水量3.3億立方メートル。
御気に入り
おきにいり [0] 【御気に入り】
「気に入り」を丁寧にいう語。「先生の―の学生」「―の洋服」
御気に召す
おきにめ・す 【御気に召す】 (連語)
「気に入る」の尊敬語。「部屋は―・しましたか」
御気の毒様
おきのどくさま [0] 【御気の毒様】 (名・形動)
同情するとき,相手の期待や要求にこたえられなかったときなどに使う語。皮肉を込めて使うこともある。感動詞的にも用いる。「はなはだ―ですが,お引き取り願います」「―,私にだってそれぐらいのことは分かります」
御気文字
おきもじ 【御気文字】
「気遣い」「気分」「気持ち」「機嫌」などの文字詞に「お」の付いたもの。「―悪うはござりませぬか/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
御水
みもい 【御水】
〔「もい」は水を入れる器〕
水の美称。「―も寒し御秣(ミマクサ)もよし/催馬楽」
御水借り
おみずかり [0] 【御水借り】
雨乞いの一方式。霊験ある神社などの神水を貰って持ち帰り,田畑などにまいて降雨を願うもの。この神水を地上に置くとそこに雨が降ると言われ,人から人へとリレーして休まずに運ぶ。
御水取り
おみずとり [0] 【御水取り】
東大寺二月堂の修二会(シユニエ)の行事の一。三月一三日(もと陰暦二月一三日)の未明に,堂の前にある閼伽井屋(アカイヤ)から水を汲み,本堂に納める式。その水を飲むと病気が治るという。みずとり。[季]春。
御汁
おつけ [0] 【御汁・御付け】
(1)〔本膳で飯に並べて付ける意から。中世女性語〕
吸い物の汁。おつゆ。
(2)特に,味噌汁。「―の実」
御汁
おつゆ [2] 【御汁】
(1)汁(シル)を丁寧にいう語。
(2)油絵で,ガッシュの日本における俗称。
御決まり
おきまり [0][2] 【御決(ま)り】
いつも決まっていること。また,ありきたりであること。「―の自慢話」「―のコース」
御決り
おきまり [0][2] 【御決(ま)り】
いつも決まっていること。また,ありきたりであること。「―の自慢話」「―のコース」
御沙汰
ごさた [2] 【御沙汰】
(1)天皇や貴人の命令・指図。
(2)おさばき。ご処置。
→沙汰
御沙汰書
おさたがき [0] 【御沙汰書】
江戸時代,諸大名の留守居役の要望により,幕府の坊主が作成した江戸城中の政治,将軍・老中などの日々の動向の報告書。
御河童
おかっぱ [0] 【御河童】
〔河童の頭髪に似ているところから〕
少女の髪形の一。前髪を眉の上で切りそろえ,後ろ髪は首のあたりで切りそろえた断髪。
御法
みのり [0] 【御法】
(1)仏法。仏の教え。
(2)源氏物語の巻名。第四〇帖。
御法の会
みのりのえ 【御法の会】
法会。仏法の供養。
御法の花
みのりのはな 【御法の花】
〔「法華」の字の訓読みから〕
法華経(ホケキヨウ)。
御法度
ごはっと [2][0] 【御法度】
「法度」を敬っていう語。法令により禁止されている事柄。また,一般に禁じられていること。「衣裳は―の緋繻子の金入をめされ/浮世草子・好色敗毒散」「社内でマージャンの話は―だ」
御法度である
ごはっと【御法度である】
be under the ban;→英和
be forbidden <by> .
御洒落
おしゃれ [2] 【御洒落】 (名・形動)スル
(1)髪形・化粧・服装など身なりに気を配る・こと(さま)。また,そのような人をもいう。「―したい年頃」「―な娘」
(2)物がしゃれたようすであるさま。「―な靴」
御洒落
おしゃらく [2] 【御洒落】
(1)おしゃれ。おめかし。「黒油でもなすつてもう一ぺん―をする気だものを/滑稽本・浮世風呂 2」
(2)おじゃれの別名。[物類称呼]
御洗米
ごせんまい [2] 【御洗米】
神に供えるため洗い清めた米。
御津
みつ 【御津】
(1)難波の港。古く,官船の出入りがあったことから尊んでいう。「―の浜松待ち恋ひぬらむ/万葉 63」
(2)現在の大津市下阪本,比叡山東麓の琵琶湖岸にあった坂本の津のこと。((歌枕))「もろ人の願ひを―の浜風に/新古今(神祇)」
御流れ
おながれ [2] 【御流れ】
(1)予定していた会合や計画が取りやめになること。「旅行は―になった」
(2)酒席で,敬意を表すため目上の人の飲み干した杯を受けて注いでもらう酒。もとは貴人や主君の杯に残った酒をもらった。「―頂戴(チヨウダイ)」
御浚
おさらい [0] 【御浚】 (名)スル
(1)学んだことが確実に身につくように再びやってみること。復習。「英語を―する」「小唄の―」
(2)音曲・舞踊などで,師匠が教えたことを弟子に演じさせること。温習。「―会」
御浸し
おひたし [3] 【御浸し】
菜・山菜などをゆでて,合わせ醤油をかけた料理。「ほうれん草の―」
御浸し
おしたし [3] 【御浸し】
「おひたし」の訛り。
御涙頂戴
おなみだちょうだい [2] 【御涙頂戴】
映画・演劇などで,観客の悲しみを誘い,甘い感傷の涙をしぼらせるように作ること。また,その作品。
御清所
おきよどころ [4] 【御清所】
⇒きよどころ(清所)
御渡り
おわたり [0] 【御渡り】
貴人・神輿(ミコシ)などの,渡御(トギヨ)。
御湯
みゆ 【御湯】
(1)温泉の美称。いでゆ。「―の上の木群(コムラ)を見れば/万葉 322」
(2)神前で,巫女(ミコ)が笹の葉を熱湯にひたして身にふりかけて神に祈ること。湯立て。「神をも涼しめの,―参らせう舟方/狂言謡」
御湯割り
おゆわり [0] 【御湯割り】
焼酎(シヨウチユウ)・ウイスキーなどを湯で薄めること。また,そうした飲み物。
御湯殿
おゆどの [0] 【御湯殿】
(1)内裏清涼殿の西庇(ニシビサシ)の北にあって,天子が湯浴みをする部屋。
→清涼殿
(2)「御湯殿の儀式」の略。「―は酉の時とか/紫式部日記」
(3)湯浴みや湯をわかすのに奉仕する役。「―は宰相の君,御むかへ湯大納言の君/紫式部日記」
御湯殿の上
おゆどののうえ 【御湯殿の上】
清涼殿の御湯殿と廊下を隔てた一室の称。御湯殿のことをつかさどる女官のいる所で,食事の調度などが置かれた。また,宮中以外の,貴人の殿舎の御湯殿近くにある侍女の詰め所をもいった。
→清涼殿
御湯殿の儀式
おゆどののぎしき 【御湯殿の儀式】
皇子に産湯(ウブユ)を使わせる儀式。普通,湯殿は里方の寝殿に設け,朝夕二回,七日間行う。湯殿の外では読書・鳴弦・散米などの儀が行われた。御湯殿始め。
御湯殿上日記
おゆどののうえのにっき オユドノノウヘ― 【御湯殿上日記】
内裏清涼殿内の御湯殿の上に伺候する女官たちが書き継いだ仮名書き日記。室町中期から江戸末期までのものが伝存する。女房詞を多く交え,宮中内外の諸事動静を伝えている。御湯殿上記。御湯殿記。
御湯殿始め
おゆどのはじめ 【御湯殿始め】
(1)「御湯殿の儀式」に同じ。
(2)鎌倉時代以降武家で行われた,正月に初めて湯殿を開いて入浴する儀式。湯殿始め。湯始め。
御湿
おしめ [2] 【御湿・襁褓】
〔「しめ」は「しめし(湿布)」の略〕
赤ん坊の股に当て,大小便の汚れを受ける布や紙。おむつ。「―カバー」
御湿り
おしめり [2][0] 【御湿り】
晴天の続いたあとに降る,適度の雨。降雨を待ち望んでいた時にいう。「よい―ですね」
御溝
みかわ 【御溝】
「御溝水(ミカワミズ)」に同じ。「―に近きは河竹/徒然 200」
御溝水
みかわみず 【御溝水】
宮中の庭を流れる溝の水。御溝(ミカワ)。「さくらの花の―にちりてながれけるをみてよめる/古今(春下詞)」
→清涼殿
御滑り
おすべり [2] 【御滑り】
(1)「滑り台」に同じ。
(2)「おさがり{(1)(2)(3)}」に同じ。「―のこの御膳/浄瑠璃・先代萩」
御漏らし
おもらし [2] 【御漏らし】 (名)スル
小便をもらすことをいう幼児語。
御澄まし
おすまし [2] 【御澄まし】
(1)すまし,気取ること。また,その人。
(2)すまし汁。
御火焚
おひたき [0] 【御火焚・御火焼】
江戸時代から京都地方などで行われる神事。陰暦一一月に社前に神楽を奏し供物を供え,火を焚いて祭った。また,鍛冶屋の鞴(フイゴ)祭りなど,民間で行われることもあった。おほたき。[季]冬。
御火焚
おほたき 【御火焚・御火焼】
「おひたき(御火焚)」に同じ。[季]冬。《―の幣燃えながら揚りけり/鈴鹿野風呂》
御火焼
おひたき [0] 【御火焚・御火焼】
江戸時代から京都地方などで行われる神事。陰暦一一月に社前に神楽を奏し供物を供え,火を焚いて祭った。また,鍛冶屋の鞴(フイゴ)祭りなど,民間で行われることもあった。おほたき。[季]冬。
御火焼
おほたき 【御火焚・御火焼】
「おひたき(御火焚)」に同じ。[季]冬。《―の幣燃えながら揚りけり/鈴鹿野風呂》
御灯
みあかし [0] 【御明かし・御灯・御灯明】
神仏の前に供える灯火。おとうみょう。
御灯
みとう [0] 【御灯】
神仏に供える灯火。みあかし。
御灯
ごとう [0] 【御灯】
(1)神仏や貴人の前にともす灯火。みあかし。
(2)陰暦三月三日・九月三日に,天皇が北辰(北極星)に灯明をささげる行事。「ついたちには―の御清まはりなべければ/栄花(初花)」
御灯明
みあかし [0] 【御明かし・御灯・御灯明】
神仏の前に供える灯火。おとうみょう。
御為
おため [0] 【御為】
(1)相手を敬って,その人の利益となることをいう語。「これもあなたの―を思ってのことです」
(2)(京阪地方で)使いの者に与える,ほうび。また,贈り物に対するお返し。
御為倒し
おためごかし [4] 【御為倒し】
〔「ごかし」は接尾語〕
表面はいかにも相手のためであるかのようにいつわって,実際は自分の利益をはかること。「―を言う」
御為尽く
おためずく 【御為尽く】
「御為倒(オタメゴカ)し」に同じ。「実らしく―を申す時/浮世草子・禁短気」
御為替組
おかわせぐみ オカハセ― 【御為替組】
江戸時代,幕府の公金為替を取り扱った御用達商人の団体組織。御為替三井組・御為替十人組など。
御為筋
おためすじ [3] 【御為筋】
商家などで,商売上の利益にむすびつく客筋。ため筋。
御為者
おためしゃ 【御為者】
〔「おためじゃ」とも〕
主君の利益だけを考えて,厳しい政治を行う家臣。おためもの。「―といふ出来出頭人ありて/仮名草子・可笑記」
御為顔
おためがお [0] 【御為顔】
いかにも主人のためを思うような顔つき。忠義ぶったようす。
御無事
ごぶじ [0] 【御無事】
(1)相手を敬って「無事」を丁寧にいう語。「―で何よりでした」
(2)お人よし。鈍い人。[俚言集覧]
御無垢
おむく 【御無垢】
■一■ (形動)[文]ナリ
世慣れてなくてうぶなさま。「―な品のよい女郎でござりやす/洒落本・契国策」
■二■ (名)
うぶな娘。「あの様なしやれ者より,―むく��の手いらずをだかせうぞ/浄瑠璃・今宮心中(中)」
御無沙汰
ごぶさた [0] 【御無沙汰】 (名)スル
「無沙汰」の丁寧語。長い間便りや訪問をしないこと。「大変―いたしました」
御無沙汰する
ごぶさた【御無沙汰する】
neglect to write to[call on]a person.→英和
御無理御尤も
ごむりごもっとも [2][2] 【御無理御尤も】
相手の言うことに筋道が立ってないと知りながら,遠慮したり,恐れたりして従うこと。
御無用
ごむよう [2][0] 【御無用】
(1)必要がないこと,いらないことの意の丁寧語。相手の好意や心遣いを断るときに用いる。「心配は―です」
(2)門付(カドヅケ)などを断る語。
御無音
ごぶいん [0] 【御無音】
「無音」の丁寧語。ごぶさた。手紙に使う。「長らく―にうち過ぎ」
御焦げ
おこげ [2] 【御焦げ】
釜の底に,焦げついた飯。こげ。
御焼
おやき [2] 【御焼(き)】
(1)小麦粉を練り,厚手のなべに平たくして入れ,両面を焼いたもの。
(2)ねたむこと。やきもち。「あの子も―が過ぎたのよ/滑稽本・浮世床 2」
御焼き
おやき [2] 【御焼(き)】
(1)小麦粉を練り,厚手のなべに平たくして入れ,両面を焼いたもの。
(2)ねたむこと。やきもち。「あの子も―が過ぎたのよ/滑稽本・浮世床 2」
御焼き餅
おやきかちん 【御焼き餅】
〔女房詞〕
焼いたもち。「四季の間にて―まゐる/御湯殿上(貞享三)」
御煎
おせん [2] 【御煎】
「御煎餅(オセンベイ)」の略。「―にキャラメル」
御煎
おいり [0] 【御煎】
飯を干して煎り,砂糖をまぶした菓子。
御煮役
おにやく 【鬼役・御煮役】
貴人の飲食物を毒味する役。「貴人に物を参らするには,―毒味をなすべき筈/歌舞伎・吉備大臣」
→鬼食い
御燗
おかん [0] 【御燗】 (名)スル
酒の燗をすること。「―番」
御父様
おとうさま [2] 【御父様】
父親を敬っていう語。「おとうさん」より丁寧な言い方。
御父様
おもうさま [2] 【御父様】
貴族・公家などの子弟が使う「父」の尊敬語。おもうさん。
⇔おたたさま
⇔おたあさま
〔母屋(オモヤ)にいる人の意か。室町時代,宮中や貴族の家の幼児語だったという。「御申様・御孟様」とも書く〕
御牧
みまき 【御牧】
牧を敬っていう語。「領じ給ふ御庄・―よりはじめて/源氏(須磨)」
御物
ぎょぶつ [1][0] 【御物】
天子の所有物。おもの。ぎょもつ。ごもつ。「正倉院―」「―本」
御物
ごもつ [1] 【御物】
(1)その人を敬って,その持ち物をいう語。皇室や貴人の持ち物にいう。ぎょぶつ。
(2)武家や寺家で,主人の近くに仕えた少年。また,寵愛を受けた少年。
(3)「御物袋(ゴモツブクロ)」の略。
御物
ごぶつ 【御物】
⇒ごもつ(御物)
御物
おもの 【御物】
(1)天皇・貴人の食事。「大床子の―などはいと遥かにおぼしめしたれば/源氏(桐壺)」
(2)副食物に対する「飯」を丁寧にいう語。
⇔あわせ
「精米(シラゲ)に麦の―混ぜたり/宇津保(藤原君)」
〔(1)(2)は「御膳」「御飯」とも書く〕
(3)「ぎょぶつ(御物)」に同じ。
→おもの(佩物)
御物
ぎょもつ [1][0] 【御物】
⇒ぎょぶつ(御物)
御物上がり
ごもつあがり 【御物上がり】
かつて,「御物{(2)}」であった者。また,それから取り立てられた者。小姓あがり。
御物作り
おものづくり [4] 【御物作り】
室町時代,将軍佩用(ハイヨウ)の刀を作る者。また,その刀の拵(コシラ)え。
御物奉行
おものぶぎょう [4] 【御物奉行】
室町幕府の職名。将軍の参内の際などに衣服や刀剣などを入れた唐櫃(カラビツ)をあずかり,これに付き添った役職。御物中持奉行。御物長持奉行。唐櫃奉行。
御物奉行
ごもつぶぎょう [4] 【御物奉行】
⇒おものぶぎょう(御物奉行)
御物宿り
おものやどり 【御物宿り】
天皇の食物を納めておく所。宮中の紫宸殿(シシンデン)の西庇(ニシビサシ)にある。「女房は,―にむかひたる渡殿にさぶらふべし/枕草子 104」
御物師
おものし 【御物師】
裁縫をする女奉公人。お居間。ものし。「―は針にて血をしぼり/浮世草子・五人女 1」
御物棚
おものだな 【御物棚】
貴人の食膳を納めておく棚。「御厨子(ミズシ)所の―に沓おきて/枕草子 56」
御物石器
ごもつせっき [4] 【御物石器】
岐阜県周辺に出土する縄文時代の磨製石器。長さ30センチメートル,舟形の中央にへこみのある特異な形状で,用途は不明。名称は,同種のものが皇室の御物になったことに由来する。ぎょぶつせっき。
御物茶師
おものちゃし 【御物茶師】
江戸時代,宮中ならびに将軍家で用いる茶をつかさどった者。茶の名産地宇治の上林家など一一家あった。
御物蒔絵
ごもつまきえ [4][5] 【御物蒔絵】
貴人の所蔵する蒔絵。また,足利義政所蔵品風の蒔絵。
御物袋
ごもつぶくろ [4] 【御物袋】
茶器を入れる袋。御物。
御犬
おいぬ 【御犬】
江戸幕府の大奥に仕えた少女。奥女中の使用人。一五,六歳から二二,三歳まで,御錠口から御三の間までの雑用をする。御犬子供。
御状
ごじょう [0] 【御状】
他人を敬ってその手紙をいう語。御書。お手紙。
御狂言師
おきょうげんし [4] 【御狂言師】
江戸時代,幕府大奥や大名奥向きに招かれて歌舞伎を演じ,奥女中に歌舞音曲を指南した者の称。藤間・坂東両派の女師匠があたった。
御猟場
ごりょうば [0][4] 【御猟場】
皇室の狩猟場。
御猪口
おちょこ [2] 【御猪口】
ちょこを丁寧にいう語。
御玄猪
おげんちょ [2] 【御玄猪】
池坊で使用する銅製の重ね薄端(ウスバタ)の一。池坊専明(1793-1864)が亥の子の祝いに用いられる丸三宝を模して花器にし,「御玄猪」の銘を付したのが最初。
御玉
おたま [2] 【御玉】
(1)「御玉杓子(オタマジヤクシ){(1)}」の略。
(2)〔もと近世女性語〕
鶏卵。
御玉杓子
おたまじゃくし [4] 【御玉杓子】
(1)半球形で長い柄の付いたしゃくし。おたがじゃくし。おたま。
(2)カエルの幼生。尾があり,水中を泳ぎ,鰓(エラ)呼吸をする。かえるこ。蝌蚪(カト)。[季]春。《風ふけば―もあわたゞし/池内たけし》
(3)〔形が(2)に似ていることから〕
音符の俗称。
御璽
みしるし 【御璽】
皇位継承のしるしである神器。「天子の鏡(ミカガミ)剣(ミハカシ)の―を上(タテマツ)りて/日本書紀(継体訓)」
御璽
ぎょじ [1] 【御璽】
天皇の印。天皇の公印。印文は「天皇御璽」。古代以来何回か改印され,時代により違いがあるが,現在のものは1874年(明治7)より用いられ,曲尺方三寸(約9.1センチメートル平方)・篆書体・黄金製。内閣総理大臣・最高裁長官の任命書,天皇の国事行為に伴って発せられる文書に用いられる。
→内印
御生
みあれ [0] 【御生・御阿礼】
(1)神または貴人の再生・復活。また,誕生。ご降臨。
(2)「御阿礼祭」に同じ。
(3)賀茂神社の異称。「―に詣で給ふとて/源氏(藤裏葉)」
御生
おなま [2] 【御生】
(1)〔女性語。「お」は接頭語。「なま」は「なまいき」の略〕
なまいき。「いつからそんな―になったの」「―を言う」
(2)〔女房詞〕
なます。[大上臈御名之事]
御生憎様
おあいにくさま [0][7] 【御生憎様】 (名・形動)
相手の期待に添えないときに,わびたり慰めたりする場合にいう語。また,皮肉の意をこめても使う。「―ですが,今日は売り切れてしまいました」「―,あなたのお世話にはなりません」
御産
おさん [0] 【御産】
出産。「―は軽かった」
御用
ごよう [2] 【御用】
(1)その人を敬ってその用事・入用などをいう語。また,丁寧語。「―を承りましょう」
(2)朝廷・幕府などの用事・用命。公用・公務であること。「唐土朝鮮の湊に舟を入れ初め,大方ならぬ―を調へ/浮世草子・新色五巻書」
(3)江戸時代,捕り方が犯罪人を捕らえること。また,その時に発した語。
(4)政府などの権威にへつらって主体性のないこと。「―新聞」「―学者」
(5)商家で,御用聞きに回る丁稚(デツチ)や小僧。樽拾い。「酒屋の―」
御用
ごよう【御用】
(1)[注文]an order.→英和
(2)[用事]one's business.何か〜はありませんか (Is there) anything I can do for you?
‖御用聞き(に回る) an order taker (go the round of customers).御用組合 a company[kept]union.御用始め(納め) the opening (closing) of government offices for the year.
御用人
ごようにん [2] 【御用人】
用人の敬称。
→用人
御用出役
ごようでやく 【御用出役】
江戸時代,役人が本来の職務以外の臨時の職務に就くこと。また,その人。
御用取次
ごようとりつぎ 【御用取次】
⇒側用取次(ソバヨウトリツギ)
御用召
ごようめし [2] 【御用召】
官府が出頭せよと出す命令。多くは官位・官職を任命するための呼び出し。
御用商人
ごようしょうにん [4] 【御用商人】
(1)近世,幕府・諸藩の諸用を務め,特権を得ていた商人。蔵元・掛屋・札差など。御用達(ゴヨウタシ)。御用聞き。御出入り。
(2)認可を得て,宮中・官庁の用品を納める商人。御用達(ゴヨウタシ)。
御用始め
ごようはじめ [4] 【御用始め】
官庁で,年末年始の休暇が明けて,仕事を始めること。普通,一月四日。
⇔御用納め
[季]新年。
御用学者
ごようがくしゃ [4] 【御用学者】
時の政府や権力者に迎合して,その利益となる説を述べる学者。
御用提灯
ごようちょうちん [4] 【御用提灯】
(1)官用の者が持った,官符の紋章などの入った提灯。
(2)江戸時代,夜間,捕り手が犯人を捕らえる時にかざした「御用」と書いた提灯。
御用新聞
ごようしんぶん [4] 【御用新聞】
時の政府の保護を受け,その利益となるような論説・報道を行う新聞。
御用済み
ごようずみ [0] 【御用済み】
(1)身分が高い人の,使用済みのもの。
(2)官庁で,用務を命ぜられていた者が,用務が終わって,その職を免ぜられること。
御用物
ごようもの 【御用物】
宮中や官庁の用に供する物。
御用箱
ごようばこ [2] 【御用箱】
江戸時代,幕府や大名などの文書・物品を運ぶ時に納めた箱。
御用納め
ごようおさめ [4] 【御用納め】
官庁で,その年の仕事を終わりにすること。普通,一二月二八日。御用仕舞い。[季]冬。
⇔御用始め
御用組合
ごようくみあい [4] 【御用組合】
使用者に支配されたり,経費の多くを会社の補助によって得たりして,自主性に欠ける労働組合。会社組合。
御用絵師
ごようえし [4] 【御用絵師】
室町から江戸時代,幕府・諸大名の専属となって制作した画家。特に幕府に召しかかえられた狩野派をさす。
御用聞き
ごようきき [2] 【御用聞き】
(1)得意先を回って注文を聞くこと。また,その人。
(2)江戸時代,町人で,官命を受けて犯人の逮捕にあたった者。岡っ引き。目明かし。
御用船
ごようせん [0] 【御用船】
江戸時代,幕府・諸藩が荷物運送などを委託した民間の船舶。
御用達
ごようたし [0][2] 【御用達】
〔「ごようたつ」「ごようだち」とも〕
(1)宮中・官庁に物品を納入すること。
(2)「御用商人」に同じ。
御用邸
ごようてい [0] 【御用邸】
皇室の別邸。避寒・避暑などに使用する。
御用部屋
ごようべや [0] 【御用部屋】
江戸時代,老中・若年寄が政務を執った,江戸城内の部屋。
御用金
ごようきん [0][2] 【御用金】
(1)江戸時代,幕府・諸藩が公用遂行の資金を得るため,利息をつけて返済する約束で,町人・百姓に強制的に課した借用金。用金。
(2)江戸時代,二条城などに蓄えておいた幕府の備金。
(3)江戸時代,大名のお手元金。「殿の貯へ置き給ふ―を配分し/浄瑠璃・忠臣蔵」
御田
おでん [2] 【御田】
〔「でん」は「田楽(デンガク)」からという〕
(1)蒟蒻(コンニヤク)・里芋・大根・竹輪(チクワ)などを醤油味で煮込んだ料理。関東炊(ダ)き。関東煮。煮込みおでん。[季]冬。《人情のほろびし―煮えにけり/久保田万太郎》
(2)豆腐を串(クシ)にさして味噌をつけ,火であぶったもの。焼き田楽。また,蒟蒻・里芋などをゆで,串にさして味噌をつけたもの。[季]冬。
御田
おんだ [0] 【御田】
⇒田遊(タアソ)び
御田
みた [0] 【御田・屯田】
(1)神領の田。神田。
(2)大化前代,天皇に付属する御料田。畿内とその周辺に限られていた。とんでん。
(3)律令制で,官司所属の直営田。
御田代
みたしろ 【御田代】
「御戸代(ミトシロ)」に同じ。
御田屋
おでんや [0] 【御田屋】
煮込みおでんを売る店。また,売る人。[季]冬。
御田植え祭
おたうえまつり オタウヱ― [5] 【御田植え祭(り)】
(1)正月,二月頃にその年の豊作を予祝し,また占うために,神社で田植えあるいは収穫までの過程を演技化して行う神事。おたうえ。
(2)田植えの季節に,神田に田植えをする神事。伊勢神宮や香取神宮のものが著名。おたうえ。
御田植え祭り
おたうえまつり オタウヱ― [5] 【御田植え祭(り)】
(1)正月,二月頃にその年の豊作を予祝し,また占うために,神社で田植えあるいは収穫までの過程を演技化して行う神事。おたうえ。
(2)田植えの季節に,神田に田植えをする神事。伊勢神宮や香取神宮のものが著名。おたうえ。
御申待
おさるまち 【御申待】
⇒庚申待(コウシンマチ)
御町
おまち 【御町】
(1)花街。色町。「―をわがうちにして/浮世草子・置土産 4」
(2)遊女。「立ち振舞ひもどこやら―めきたる所あり/浮世草子・置土産 2」
御町
おちょう 【御町】
官許の遊郭。特に江戸で,新吉原をいう。おまち。ちょう。「かちはだしにて―の辻に立ちながら/浮世草子・一代男 6」
御町衆
おまちしゅう 【御町衆】
江戸時代,町政にあずかった,町役人・町年寄をいう。
御留場
おとめば 【御留場】
一般の狩猟を禁止する場所。禁猟区。江戸時代,将軍家の狩猟場。また,寺社から狩猟・漁猟を禁じられた場所。
御留川
おとめかわ 【御留川】
河川・湖沼で,領主の漁場として,一般の漁師の立ち入りを禁じた所。
御番
ごばん 【御番】
当番・当直を敬っていう語。「宰相中将の君,―の夜/宇津保(国譲上)」
御番入り
ごばんいり [0] 【御番入り】
江戸時代,非役である小普請組(コブシングミ)から選ばれて,大番・両番・新番などの番方や右筆などの役方に任ぜられること。
御番医師
ごばんいし [4] 【御番医師】
江戸幕府の職名。殿中に交替で宿直して,不時の診療に従事した医師。
御番所
ごばんしょ [4][0] 【御番所】
(1)番所を敬っていう語。
(2)江戸城内,諸番衆の詰め所。
(3)江戸時代,町奉行所のこと。
御番鍛冶
ごばんかじ [2] 【御番鍛冶】
鎌倉初期,後鳥羽上皇が,諸国から各月交替に院に召し出して作刀させた刀鍛冶。
→菊一文字
御疲れ様
おつかれさま [0] 【御疲れ様】 (名・形動)
仕事などの疲れをねぎらうときに使う語。仕事を終えて帰る人に対する挨拶(アイサツ)の言葉としても用いる。
御百度
おひゃくど [0] 【御百度】
「百度参り」に同じ。
御百度参り
おひゃくどまいり [5] 【御百度参り】
「百度参り」に同じ。
御盆
おぼん [2] 【御盆】
盂蘭盆会(ウラボンエ)のこと。「―の帰省客」
御監
ごげん 【御監】
(1)馬寮(メリヨウ)の長。左右各一人で,近衛大将が兼任した。
(2)親王家の家司(ケイシ)の上官。兵衛尉(ヒヨウエノジヨウ)などが務めた。
御盥
おたらい [0] 【御盥】
婦人の髪形の一。元結で束ねた髪を根元に差した笄(コウガイ)に 8 字形に巻き,残りの毛をそれに巻きつけたもの。江戸末期に,多く伝法な年増が結い,明治以後も行われた。たらい結び。たらい巻き。
御盥[図]
御目
おめ [0] 【御目】
(1)目の尊敬語。
(2)見ることの尊敬語。「―に触れる」「―が高い」「―がきく」
→め(目)
御目付け
おめつけ [0] 【御目付け】
素行などを監視する役割。また,その人。「―役」
御目出糖
おめでとう [0] 【御目出糖】
菓子の一。煎(イ)り種に砂糖と食用紅を加えていり,さらに小豆の甘納豆をまぜて赤飯のようにしたもの。出産・結婚などの祝儀に配る。
御目文字
おめもじ [0] 【御目文字】 (名)スル
〔お目にかかる意の文字詞。もと近世女性語〕
お目にかかることをいう女性語。「一度―いたしたく…」
御目玉
おめだま [2][0] 【御目玉】
目上の人からしかられること。「―をちょうだいする」「―を食う」
→大目玉
御目見
おめみえ [0] 【御目見・御目見得】 (名)スル
(1)目上の人,貴人に初めて会うこと。目見え。
(2)新たに人の前に姿を現すこと。「ニューモデルが―する」
(3)江戸時代,将軍に直接お目どおりすること。また,それが許される身分。
(4)歌舞伎・人形浄瑠璃などで,俳優・太夫・人形遣いなどが,初舞台・襲名またはその劇場での初出演などで演技すること。
(5)「御目見得奉公(オメミエボウコウ)」に同じ。
御目見以上
おめみえいじょう [5] 【御目見以上】
江戸時代,徳川将軍直参の武士のうち,将軍に謁見する資格のあるもの。旗本。目見得以上。
御目見以下
おめみえいか [5] 【御目見以下】
江戸時代,徳川将軍直参の武士のうち,将軍に謁見する資格のないもの。御家人(ゴケニン)。
御目見得
おめみえ [0] 【御目見・御目見得】 (名)スル
(1)目上の人,貴人に初めて会うこと。目見え。
(2)新たに人の前に姿を現すこと。「ニューモデルが―する」
(3)江戸時代,将軍に直接お目どおりすること。また,それが許される身分。
(4)歌舞伎・人形浄瑠璃などで,俳優・太夫・人形遣いなどが,初舞台・襲名またはその劇場での初出演などで演技すること。
(5)「御目見得奉公(オメミエボウコウ)」に同じ。
御目見得奉公
おめみえぼうこう [5] 【御目見得奉公】
正式に雇われる前に,試験的に二,三日主家に奉公すること。御目見得。目見得。
御目見得泥棒
おめみえどろぼう [5] 【御目見得泥棒】
御目見得奉公をして家の事情に通じた頃,その家から金品を盗み取ること。おめみえかせぎ。
御目見得狂言
おめみえきょうげん [5] 【御目見得狂言】
御目見得{(3)}で演ずる狂言。
御目見得稼ぎ
おめみえかせぎ [5] 【御目見得稼ぎ】
「御目見得泥棒(オメミエドロボウ)」に同じ。
御目通り
おめどおり [0] 【御目通り】
(1)身分の高い人に会うこと。拝謁。「―を許される」
(2)貴人や主君の目の前。御面前。「―にて高名感状取るべき/浮世草子・武家義理物語 3」
御直
おじき 【御直】
(1)他の人を介さず,貴人が直接かかわること。ごじき。「弁慶様にお目見え致し,―の詞下さるるが/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
(2)「御直衆」の略。「―の御奉公に出したきとの念願にて/浄瑠璃・堀川波鼓(上)」
御直
ごじき 【御直】
⇒おじき(御直)
御直り
おなおり [2] 【御直り】
料理屋などで,客が上級の席や部屋に移ることを,その客を敬っていう語。
御直衆
おじきしゅう 【御直衆】
主君の側近に親しく仕える家臣。近習衆。「―かまた者か,暗くて面は見えねども/浄瑠璃・扇八景」
御相
おあい 【御間・御相】
〔「あい(間・相)」を丁寧にいった語〕
(1)酒席で,相伴の者が正客と主人の間にはいって杯の受け差しをすること。「愛敬の小姓は―と色めきける/浄瑠璃・万年草(上)」
(2)相手をすること。また,その人。「もう一杯ああいくぢのねへ―だ,―だ/安愚楽鍋(魯文)」
御真向き様
おまむきさま 【御真向き様】
多く浄土真宗で,阿弥陀如来の正面画像。おまむき。
御真影
ごしんえい [0] 【御真影】
(1)高貴な人の肖像画・写真などを敬っていう語。
(2)戦前,宮内省から各学校に貸与された,天皇・皇后の写真。
御真魚
おまな 【御真魚】
〔女房詞〕
魚。
御眼鏡
おめがね [2][0] 【御眼鏡】
人の資質や物事の善悪などを見抜く能力。鑑識眼。「―違い」
→めがね
御着袴
ごちゃっこ [2] 【御着袴】
天皇・皇太子・親王などの袴着(ハカマギ)の儀式。[禁中方名目鈔校註]
御睡
おねむ [2] 【御睡】
ねむいこと。また,ねむることをいう幼児語・女性語。「坊やが―になったらしい」
御破算
ごはさん [0] 【御破算】
〔「ごわさん」とも〕
(1)算盤(ソロバン)で,珠を払って零の状態にすること。新しい計算に移ること。「―で願いましては」
(2)今まで進めてきたことや状態をすっかり元に戻すこと。白紙の状態にもどすこと。「今までの話はすべて―にしたい」「計画がすっかり―になった」
御破算
ごわさん [0] 【御破算】
⇒ごはさん(御破算)
御破算にする
ごはさん【御破算にする】
calculate anew;cancel (取り消す);→英和
make a fresh start.
御礼
おれい [0] 【御礼】
(1)感謝の意を表すこと。また,その言葉。「―を述べる」
(2)感謝を表すために贈る品物。「ほんの―のしるしです」
御礼参り
おれいまいり [4] 【御礼参り】
(1)神仏にかけた願が成就したお礼に,社寺にもうでること。
(2)俗に,暴力団員などが告発や証言など自分の不利益となるような行為をした者に対し,それを恨んで,あとで仕返しに行くこと。「―がこわくて泣き寝入りする」
御礼奉公
おれいぼうこう [4] 【御礼奉公】
奉公人が約束の期間の奉公が済んだあと,恩返しのためにある期間主家にとどまってする奉公。れいぼうこう。
御礼肥
おれいごえ [0] 【御礼肥】
花が咲いたあとや果実を収穫したあとに施す肥料。
御礼返し
おれいがえし [4] 【御礼返し】
贈る相手を敬って,返礼をいう語。
御社
おんしゃ [1] 【御社】
相手の会社・神社を敬っていう語。
御祈奉行
おいのりぶぎょう [5] 【御祈奉行】
鎌倉・室町幕府の職名。将軍家の息災を願い,天災・悪疫などをはらうために仏家・陰陽家に命じて祈祷(キトウ)をさせた役人。祈奉行。
御祓
おはらい [0] 【御祓】
(1)神社で行う災厄除けの神事。「社頭で―を受ける」
(2)神社で発行する災厄除けのお札(フダ)。
(3)六月と一二月とに行う災厄除けの神事。「盆と正月其の上に,十夜―煤掃を一度にするとも,かうは有るまい/浄瑠璃・曾根崎心中」
御祓立て
おはらえたて オハラヘ― [4] 【御祓立て】
兜(カブト)の眉庇(マビサシ)の中央の飾り物(前立物)を立てる所。伊勢の御幣(ゴヘイ)をさしたところからいう。はらいたて。
御祓箱
おはらいばこ 【御祓箱】
(1) [3]
伊勢の御師(オシ)によって,毎年諸国の信者に配られるお札(フダ)や暦などを入れておく箱。
(2) [0][3]
〔新しいお札がくると,古いお札が不要となるところから「お祓」を「お払い」にかけていう〕
(「御払い箱」と書く)
(ア)不用になったものを捨てること。「古いラジオは―だ」
(イ)使用人を解雇すること。「勤め先を―になった」
御祖
みおや 【御祖】
親や先祖を敬っていう語。多く,母・祖母をさす。「我が遠つ―の世に/日本書紀(孝徳)」
御祖師様
おそしさま [5][4] 【御祖師様】
仏教の各宗派の開祖の尊敬語。特に,日蓮上人の称。
御祝儀
ごしゅうぎ [2] 【御祝儀】
(1)祝儀を丁寧にいう語。
(2)葬儀の忌み詞。「御縫もとうとう亡くなつてね。―は済んだが/道草(漱石)」
御祝儀相場
ごしゅうぎそうば [5] 【御祝儀相場】
商品市場では新物の取引,株式市場では新規上場あるいは大発会・大納会などで,景気づけのために買い注文(御祝儀商い)を出して商いができた相場のこと。
御祝奉行
おいわいぶぎょう オイハヒブギヤウ [5] 【御祝奉行】
室町幕府の職名。幕府の祝賀の行事の料理・酒・茶などをつかさどる。
御神体
ごしんたい [0][2] 【御神体】
神体を敬っていう語。
御神楽
おかぐら [2] 【御神楽】
(1)神楽(カグラ)の丁寧語。
(2)平屋(ヒラヤ)の上に二階を増築すること。また,その二階。
(3)灰かぐら。
御神楽
みかぐら [2] 【御神楽】
宮中で行われる神楽。
→里神楽
御神渡り
おみわたり [0][3] 【御神渡り】
諏訪湖で見られる氷の亀裂現象。湖面が全面結氷してひびわれが生じ,この部分が再結氷し,朝の昇温に伴って氷が膨張し,割れ目の部分を押し上げて氷堤をつくる。諏訪大社の祭神が上社から下社へ渡った跡として,亀裂の方向で吉凶を占う。
御神火
ごじんか [2] 【御神火】
火山を神聖視して,その噴煙または火映(カエイ)をいう語。特に,伊豆大島の三原山の噴煙。
御神灯
ごしんとう [0] 【御神灯】
〔「ごじんとう」とも〕
(1)神に供える灯火。みあかし。
(2)職人・芸人などの家で縁起をかついで入り口につるした,「御神灯」と書いた提灯(チヨウチン)。
御神籤
おみくじ [0] 【御御籤・御神籤】
〔「お」「み」は接頭語〕
神仏に祈って,事の吉凶を占うために引くくじ。
御神輿
おみこし [2] 【御神輿】
(1)神輿を丁寧にいう語。
(2)〔「輿」に「腰」を言いかけて〕
腰。尻。「やっと―を上げる」
御祭
おんまつり 【御祭】
奈良市春日大社の摂社若宮神社の,一二月一七日を中心に行われる祭。田楽・猿楽・能など,種々の芸能が奉納される。古くは藤原氏の私祭。
御祭
おまつり [0] 【御祭(り)】
(1)神社の祭礼。
(2)〔大騒ぎになることから〕
釣り糸がほかの人の釣り糸とからまること。
(3)歌舞伎で,かつらの両鬢(ビン)の上に半輪形に出ている髪。
(4)男女の交合。「―の最中坊が目を覚し/柳多留 37」
御祭
ごさい [0] 【御祭】
陰暦六月の土用の半ば頃,一週間ほど吹く北東の風。六月一六,一七日に伊勢の御祭があることからの名という。
御祭り
おまつり [0] 【御祭(り)】
(1)神社の祭礼。
(2)〔大騒ぎになることから〕
釣り糸がほかの人の釣り糸とからまること。
(3)歌舞伎で,かつらの両鬢(ビン)の上に半輪形に出ている髪。
(4)男女の交合。「―の最中坊が目を覚し/柳多留 37」
御祭り騒ぎ
おまつりさわぎ [5] 【御祭(り)騒ぎ】
(1)祭礼の時の大騒ぎ。
(2)大勢の人が浮かれて大騒ぎすること。
御祭服
ごさいふく [2] 【御祭服】
天皇が大嘗祭(ダイジヨウサイ)・新嘗祭(シンジヨウサイ)の時に着る白の生絹(スズシ)の束帯。
御祭騒ぎ
おまつりさわぎ [5] 【御祭(り)騒ぎ】
(1)祭礼の時の大騒ぎ。
(2)大勢の人が浮かれて大騒ぎすること。
御禊
ごけい [0] 【御禊】
(1)中古以降,即位後の大嘗祭(ダイジヨウサイ)の前月(一〇月下旬)に,天皇が賀茂川などに臨んで行なったみそぎ。江戸時代には御所で行われた。
(2)斎宮・斎院などが賀茂川の河原で行なったみそぎ。
御福
ごふく 【御福】
神仏から授かる福。普通,お供物のお下がりをいう。「多聞天の―を主殿に参らせたりや/狂言記・福渡」
御福
おふく 【御福】
(1)神仏から授かった品物や幸運。
(2)「お多福」に同じ。「姫君は扨置きたとへ餅屋の―でも/浄瑠璃・反魂香」
(3)文楽人形の首(カシラ)の一。下女や端女郎に用いる。
御福の餅
ごふくのもち 【御福の餅】
神社や寺院の門前で参詣人に売った餅。[嬉遊笑覧]
御福分け
おふくわけ [0] 【御福分け】 (名)スル
おすそわけ。ふくわけ。
御移り
おうつり [2] 【御移り】
「移り{(6)}」に同じ。
御稚児
おちご [0] 【御稚児・御児】
(1)「ちご(稚児)」を丁寧にいう語。
(2)「おちごわげ」の略。
御稚児髷
おちごわげ 【御稚児髷】
⇒稚児髷(チゴマゲ)
御稜威
みいつ 【御稜威】
「いつ(厳)」の尊敬語。御威光。御威勢。
御種人参
おたねにんじん [4] 【御種人参】
チョウセンニンジンの別名。
御稲
みしね 【御稲】
稲の美称。「ささなみや滋賀の辛崎や―搗(ツ)く女の佳ささや/神楽歌」
御稲荷さん
おいなりさん [2][1] 【御稲荷さん】
(1)穀物の神である稲荷,また,それをまつる社(ヤシロ)を敬っていう語。
(2)稲荷ずしを丁寧にいう語。
御積もり
おつもり [0] 【御積(も)り】
酒席で,その杯限りで終わりにすること。また,その杯。「これで今日は―にしよう」
御積り
おつもり [0] 【御積(も)り】
酒席で,その杯限りで終わりにすること。また,その杯。「これで今日は―にしよう」
御空
みそら 【御空】
空の美称。「我が大君の…出で立たす,―を見れば万代(ヨロズヨ)に斯(カ)くしもがも/日本書紀(推古)」
御竈
おかま [0] 【御釜・御竈】
(1)釜を丁寧にいう語。
(2)火山の噴火口。また,火口湖。
(3)下女の異名。
(4)尻(シリ)。
(5)男色。また,その相手。
御竈の祓
おかまのはらい 【御竈の祓】
正月・五月・九月の三回,竈神(カマドガミ)をまつり,祓いをすること。かまどはらい。荒神祓(コウジンバラ)い。
御竈蟋蟀
おかまこおろぎ [4] 【御竈蟋蟀】
カマドウマの別名。
御立ち
おたち [0] 【御立ち】
(1)相手を敬って,その人の出発することをいう語。「いつ―ですか」
(2)料理屋などで,客が帰ることを敬っていう語。
御立ち台
おたちだい [0] 【御立(ち)台】
(1)身分の高い人が大勢の人に挨拶をしたり,その歓呼に応えたりする際に立つ台。
(2)俗に,スポーツで,殊勲者がインタビューを受ける際に立つ台。
御立ち合い
おたちあい [0] 【御立(ち)合い】
その場に立ち合っている人。大道の露天商などが,通行人や見物人に呼び掛ける言葉。ご見物のみなさん。「さあ,さあ,―」
御立ち酒
おたちざけ 【御立ち酒】
宮城県の民謡で祝い唄。婚礼が終わって嫁方の客が帰る時,庭先で別れの酒を酌み交わしながらうたう唄。
御立台
おたちだい [0] 【御立(ち)台】
(1)身分の高い人が大勢の人に挨拶をしたり,その歓呼に応えたりする際に立つ台。
(2)俗に,スポーツで,殊勲者がインタビューを受ける際に立つ台。
御立合い
おたちあい [0] 【御立(ち)合い】
その場に立ち合っている人。大道の露天商などが,通行人や見物人に呼び掛ける言葉。ご見物のみなさん。「さあ,さあ,―」
御端
おはした 【御半下・御端】
「はしため」を丁寧にいう語。おすえ。「日のめもついに見給はぬ女郎達や―なり/浮世草子・一代男 4」
御端折り
おはしょり [2] 【御端折り】
女性が着物を着るとき,着丈より余った分を腰のところで折り返しておくこと。また,その部分。
御笑い
おわらい [0] 【御笑い】
(1)観客の笑いをさそうことを主とした内容の出しもの。特に,落語。「―を一席」
(2)人に笑われるような,ばかばかしい失敗・事件。「こいつはとんだ―だ」
御笑い種
おわらいぐさ [0][3] 【御笑い種】
ばかげていて,嘲笑の種になること。もの笑いのたね。
御符
ごふ [1][0] 【護符・御符】
災厄から身を守ってくれると信じられているお守り札。神仏の像や名,真言の呪文や梵字などの書かれたものが多い。身につけたり家の内外に貼ったり,飲み下したりする。おふだ。お守り。護身符。護摩札。ごふう。秘符。呪符(ジユフ)。
御符
ごふう [0] 【護符・御符】
⇒ごふ(護符)
御筆先
おふでさき [0] 【御筆先】
(1)天理教・大本(オオモト)教などで,神の言葉を教祖が書いた文書の敬称。
(2)神のお告げ。神がかりの言葉。
御節
おせち [2][0] 【御節】
節(セチ){(2)}に作る料理。主に正月用の料理をいう。「―料理」
御節介
おせっかい [2] 【御節介】 (名・形動)
かえって迷惑になるような余計な世話をやくこと。また,そのような人やさま。「―な人」「―をやく」
御篶刈る
みすずかる 【御篶刈る・水篶刈る】 (枕詞)
「信濃(シナノ)」にかかる。万葉集の「みこもかる(水薦苅・三薦苅)」を万葉集童蒙抄などで誤読して広まった語。
→みこもかる
御簾
ぎょれん [0] 【御簾】
貴人を敬ってその簾(スダレ)をいう語。みす。
御簾
みす [0] 【御簾】
(1)簾(ス)を敬っていう語。
(2)神前・宮殿などにかける簾(スダレ)。
(3)「御簾紙(ミスガミ)」の略。
御簾中
ごれんじゅう [2] 【御簾中】
〔「ごれんちゅう」とも〕
公卿・将軍・大名などの正妻を敬っていう語。「引取る太刀にて―を害し/大友記」
御簾入り
みすいり [0] 【御簾入り】
昔,内親王が摂関家などに降嫁する際,輿入れ以前に夫となる人が内親王の御所に一泊すること。みすだれいり。
御簾内
みすうち [0] 【御簾内・翠簾内】
(1)垂れ下げた御簾の中。
(2)人形浄瑠璃や歌舞伎で,浄瑠璃やチョボを語る御簾を垂れた狭い部屋。また,そこで語ること。舞台上手の上方にある。また,修業中のものは御簾内で語るので未熟な義太夫語りの称。河東節・一中節などは御簾内で演奏するのが原則。
⇔出語り
御簾垣
みすがき [2] 【御簾垣】
御簾を下げた形に似せて細い丸竹を横に使った垣根。
御簾紙
みすがみ [2][0] 【御簾紙・三栖紙】
奈良県吉野に産する,コウゾを原料とする上質の薄様の和紙。表装用紙などとする。みす。
御簾草
みすくさ [0] 【御簾草】
ガマ(蒲)の別名。
御簾貝
みすがい [2] 【御簾貝】
海産の巻貝。貝殻は卵形で,殻高4センチメートルほど。殻は薄く,表面はなめらかで,淡灰褐色の地に暗褐色の細かい縞が多数ある。浅海の岩礁地にすむ。本州中部以南の暖海に分布。
御籠り
おこもり [0] 【御籠り】 (名)スル
祈願のため社寺にこもること。参籠(サンロウ)すること。
御籤
みくじ [0] 【御籤】
「おみくじ(御御籤)」に同じ。
御粗末
おそまつ [2] 【御粗末】 (形動)
上等でないことや不手際であることを,謙遜・自嘲の気持ちをこめていう語。「なんともわれながら―な話だ」
御粗末様
おそまつさま [2] 【御粗末様】 (形動)
相手に提供した物や労力が大したものではなかったと謙遜していう語。「―でした」
御粘
おねば [2] 【御粘】
(1)飯を炊いたとき,煮えたって釜の外にあふれでる白色のねばねばした汁。
(2)水を多くして炊いた飯から取った,ねばねばした汁。にぬき。
御糈
おくま [0] 【御糈・御供米】
「くましね」に同じ。
御紋
ごもん [2] 【御紋】
貴人を敬ってその紋章をいう語。「将軍家の―」「菊の―」
御紋拝領
ごもんはいりょう [4] 【御紋拝領】
主君の紋を賜ること。
御紋衆
ごもんしゅう [2] 【御紋衆】
武家で,主君と同じ紋をつけることを許された家臣。
御納戸
おなんど [0][2] 【御納戸】
(1)納戸を丁寧にいう語。
(2)「御納戸色」の略。「芝翫繋(シカンツナギ)の腰帯は―白茶の金もうる/人情本・梅児誉美(後)」
(3)「御納戸役」の略。
御納戸役
おなんどやく [0][4] 【御納戸役】
江戸幕府の職名。将軍家の金銀・衣服・調度の出納,大名・旗本からの献上品,諸役人への下賜の金品の管理などをつかさどる。若年寄の支配に属す。納戸方。納戸役。また,諸大名にもこの職名の役があった。
御納戸方
おなんどかた [0] 【御納戸方】
「御納戸役(オナンドヤク)」に同じ。
御納戸色
おなんどいろ [0] 【御納戸色】
⇒納戸色(ナンドイロ)
御結び
おむすび [2] 【御結び】
握り飯を丁寧にいう語。おにぎり。
御絞り
おしぼり [2] 【御絞り】
顔や手をふくために,冷水や湯でしめして絞った小さいタオル,あるいは手拭い。
御給
ごきゅう [0] 【御給】
平安時代,院や親王などが朝廷から得る収入。年官・年爵などをいう。
御統
みすまる [0] 【御統】
〔「すまる」は「すばる」の転で,集まって一つとなる意〕
古代の装身具。たくさんの珠(タマ)を糸に貫いて環状とし,首などにかけて飾りとしたもの。「弟棚機(オトタナバタ)の項(ウナ)がせる玉の―/古事記(上)」
御綱の次官
みつなのすけ 【御綱の次官】
平安時代以降,行幸の際,鳳輦(ホウレン)の綱を執った役人。近衛中将・少将があたった。
御綱柏
みつながしわ [4] 【御綱柏】
(1)オオタニワタリの別名。
(2)カクレミノの別名。
(3)「三角柏(ミツノガシワ)」に同じ。
御綾
ぎょりょう 【魚綾・御綾】
上質の唐綾(カラアヤ)。天子の御料からという。「義朝生年三十七,練色の―のひたたれに/平治(上)」
御練
おねり [0] 【御邌・御練】
(1)大名行列・祭礼の山車(ダシ)・踊り屋台などがゆっくりと進むこと。また,そのもの。邌(ネ)り物。
(2)寺院で行う行道(ギヨウドウ)の儀式。
御縄
おなわ [0] 【御縄】
(お上が)罪人を捕縛すること。「―に就く」「―を頂戴する」
御羽車
おはぐるま [3] 【御羽車】
⇒はぐるま(羽車)
御者
ぎょしゃ【御者(台)】
a driver('s seat).→英和
御者
ぎょしゃ [1][0] 【御者・馭者】
馬車に乗って馬を操る人。
御者台
ぎょしゃだい [0][2] 【御者台】
馬車の前面の高い位置に設けた,御者が馬を操る席。
御聞き及び
おききおよび [0] 【御聞(き)及び】
相手がすでに聞き及んでいることを,その人を敬っていう語。「すでに―のことと存じますが…」
御聞及び
おききおよび [0] 【御聞(き)及び】
相手がすでに聞き及んでいることを,その人を敬っていう語。「すでに―のことと存じますが…」
御職
おしょく [0] 【御職】
(1)同類の中で,最高のもの。主たるもの。「―もの」
(2)江戸時代,検校(ケンギヨウ)の首座にある人。総検校。
(3)「御職女郎」の略。
御職女郎
おしょくじょろう [4] 【御職女郎】
江戸吉原で,その娼家の中で最上位の遊女。また,最も売れっこの遊女。おしょく。
御肇国天皇
はつくにしらすすめらみこと 【始馭天下之天皇・御肇国天皇】
〔最初に国を統治した天皇の意〕
(1)神武天皇のこと。《始馭天下之天皇》
(2)崇神天皇のこと。《御肇国天皇》
〔古事記・日本書紀・常陸国風土記の記述による〕
御肉
おにく [2][0] 【御肉】
ハマウツボ科の一年生の寄生植物。ミヤマハンノキの根に寄生し,全体が赤褐色。茎は高さ約20センチメートル,円柱形で多肉質。鱗状(リンジヨウ)に退化した葉を多数つけ,夏,茎の上半に赤褐色の小花を密につける。全草を乾燥したものを和肉蓯蓉(ワノニクシヨウヨウ)といい,生薬として強壮剤に用いる。キムラタケ。
御腰
おこし [2] 【御腰】
腰巻をいう女性語。
御膝下
おひざもと [0] 【御膝下】
(1)貴人のそば。また,貴人のそば近く仕える人。側近。配下。「―から反対の声が出る」
(2)君主や将軍などのいる土地。「将軍の―として栄えた江戸」
御膳
ごぜん [1] 【御膳】
(1)食事・飯を丁寧にいう語。ごはん。
(2)天皇や主君の食事のこと。供御(クゴ)。
(3)飲食物を表す語の上に付いて接頭語的に用いられ,それが最上等のものである意を表す。「―そば」
御膳上等
ごぜんじょうとう [4] 【御膳上等】
「上等」を強めていう語。非常に上等であること。
御膳奉行
ごぜんぶぎょう [4] 【御膳奉行】
⇒膳奉行(ゼンブギヨウ)
御膳棚
ごぜんだな [2] 【御膳棚】
膳具をのせる棚。
御膳汁粉
ごぜんじるこ [4] 【御膳汁粉】
こしあんで作った汁粉。
→田舎(イナカ)汁粉
→小倉(オグラ)汁粉
御膳炊き
ごぜんたき [2] 【御膳炊き】
めしたき。ごはんたき。
御膳番
ごぜんばん [2][0] 【御膳番】
主君の食事のことを担当する役。「―の浅香市之進に/浄瑠璃・鑓の権三(上)」
御膳立て
おぜんだて [0] 【御膳立て】 (名)スル
(1)膳を出し,食器や料理を並べて,すぐ食事ができるようにすること。
(2)いつでもとりかかれるように,また,うまく事が運ぶように準備を整えること。「首脳会談を―する」
御膳箸
ごぜんばし [4] 【御膳箸】
食事のときに用いる箸。
御膳籠
ごぜんかご 【御膳籠】
竹で方形に編んだ籠。料理屋で,仕出しの料理を入れて天秤(テンビン)の両端にかけて運ぶ。
御膳粉
ごぜんこ [2] 【御膳粉】
⇒更科粉(サラシナコ)
御膳蒸
ごぜんむし [2] 【御膳蒸(し)】
蒸し器。ごはんむし。
御膳蒸し
ごぜんむし [2] 【御膳蒸(し)】
蒸し器。ごはんむし。
御膳蕎麦
ごぜんそば [4] 【御膳蕎麦】
上等なそば粉で作ったそば。
御自分
ごじぶん [0] 【御自分】 (代)
(1)反照代名詞。二人称・三人称に用いて,その人自身を敬意をこめてさす。御自身。「他人の事より―の事を心配したらどうですか」「先生は―ではおっしゃらないが,お待ちかねのようです」
(2)人代名詞。二人称。同輩または目上に対する敬称。あなた。近世,武士階級が男女ともに用いた。「大右衛門殿と申は―にてましますか/浮世草子・男色大鑑 1」
御自分様
ごじぶんさま 【御自分様】 (代)
〔近世語〕
二人称。武士が上位の者に対して高い敬意をもって用いた語。あなたさま。「私是程の心ざしに其御詞は―には似合ませぬ/浮世草子・武道伝来記 3」
御舎
みあらか 【御舎・御殿】
宮殿を敬っていう語。御殿。「宮柱太敷きいまし―を高知りまして/万葉 167」
御舎利
おしゃり [2][0] 【御舎利】
白殭(ハツキヨウ)病で白くなって死んだカイコ。舎利。
御舟入り
おふねいり [0] 【御舟入り】
高貴な人の遺骸を棺に納めること。納棺。また,その式。
御船
みふね 【御船】
熊本県中央部,上益城(カミマシキ)郡の町。阿蘇外輪山南西斜面を占め,市場町として発達。
御船代
みふなしろ [0] 【御船代】
伊勢神宮で,御樋代(ミヒシロ)を入れて神座に置く船形の具。
御船歌
おふなうた 【御船歌】
江戸時代,官船の進水式や将軍・諸侯の乗船の時などに水主(カコ)の歌った祝言と海上安全祈願の歌。のちに諸国の祭礼歌となり,船行事や御輿の海上渡御などに歌われた。起源は平安時代にまでさかのぼる。
御船祭
おふねまつり [4] 【御船祭(り)】
御輿を船に乗せ,川や海を渡る神事。御輿の乗る船のほか,多くの供奉船が従う。千葉県の香取神宮の神幸祭,和歌山県の熊野速玉神社の御船祭,大阪の天満天神祭など。船祭り。
御船祭り
おふねまつり [4] 【御船祭(り)】
御輿を船に乗せ,川や海を渡る神事。御輿の乗る船のほか,多くの供奉船が従う。千葉県の香取神宮の神幸祭,和歌山県の熊野速玉神社の御船祭,大阪の天満天神祭など。船祭り。
御色
おいろ 【御色】
〔もと女房詞〕
紅(ベニ)。「どれ,手拭を見せや。―を付けて,化粧(ケエケエ)をして/滑稽本・浮世風呂(前)」
御色直し
おいろなおし [4] 【御色直し】
「いろなおし」の丁寧語。
御花
おはな [0] 【御花】
(1)花を丁寧にいう語。
(2)生け花。華道。「―を習う」
御花料
おはなりょう [3] 【御花料】
(キリスト教関係で)香典のこと。
御花畑
おはなばたけ [4] 【御花畑・御花畠】
(1)花を栽培している畑。
(2)高山植物が群生する場所。夏の一時期に一斉に開花する。高山草原。[季]夏。《ちらばりて―を行きにけり/野村泊月》
御花畠
おはなばたけ [4] 【御花畑・御花畠】
(1)花を栽培している畑。
(2)高山植物が群生する場所。夏の一時期に一斉に開花する。高山草原。[季]夏。《ちらばりて―を行きにけり/野村泊月》
御苑
ぎょえん [0] 【御苑】
皇室の所有する庭園。苑地。
御苦労
ごくろう [2] 【御苦労】 (名・形動)
(1)苦労を丁寧にいう語。「いつまでも―が絶えませんね」
(2)相手の骨折りをねぎらっていう語。目上の人には使わないのが普通。「―,―。もう君は帰ってよろしい」
(3)人の努力や骨折りをひやかしたり,やや皮肉をこめていう語。「雨の中をジョギングとは―なことだ」
御苦労様
ごくろうさま [2] 【御苦労様】 (名・形動)
「御苦労{(2)(3)}」をさらに丁寧に,あるいは皮肉をこめていう語。「この暑いのに―なことだ」
御茶
おちゃ [0] 【御茶】
(1)茶を丁寧にいう語。「―をいれる」「―をたてる」
(2)茶道。「―を習う」
(3)仕事の途中でする小休止。茶菓などの飲食をする。「三時の―にしよう」
(4)紅茶・コーヒーなどの飲み物。また,それを飲むこと。「―に誘う」
御茶の子
おちゃのこ [0] 【御茶の子】
(1)お茶菓子。
(2)苦労せず,容易にできること。「なにさ此位な事は―だ/滑稽本・浮世床 2」
→茶の子
御茶の子さいさい
おちゃのこさいさい [0] 【御茶の子さいさい】
〔「さいさい」は俗謡の囃子詞から〕
物事がきわめて簡単にできるさま。「さか立ちぐらい―だ」
御茶の水
おちゃのみず オチヤノミヅ 【御茶の水・御茶ノ水】
(1)〔この地の湧き水を徳川秀忠の茶の湯に供したことからいう〕
東京都千代田区神田駿河台(スルガダイ)と文京区湯島との間を流れる神田川周辺の地名。湯島聖堂・ニコライ堂などがある。
(2)狂言の一。
→水汲(ミズクミ)
御茶の間
おちゃのま [0] 【御茶の間】
(1)茶の間を丁寧にいう語。
(2)「茶の間女」に同じ。
御茶ノ水
おちゃのみず オチヤノミヅ 【御茶の水・御茶ノ水】
(1)〔この地の湧き水を徳川秀忠の茶の湯に供したことからいう〕
東京都千代田区神田駿河台(スルガダイ)と文京区湯島との間を流れる神田川周辺の地名。湯島聖堂・ニコライ堂などがある。
(2)狂言の一。
→水汲(ミズクミ)
御茶坊主
おちゃぼうず [3] 【御茶坊主】
(1)子供の遊戯。目隠しをされ,茶碗をのせた盆を持った鬼が円陣の中に座り,周囲の一人にいざり寄って「…さん,お茶上がれ」と言って盆を差し出す。相手の名前が当たっていれば,当てられた者が次の鬼になる。
(2)「茶坊主(チヤボウズ)」に同じ。
御茶壺道中
おちゃつぼどうちゅう 【御茶壺道中】
江戸時代,将軍家飲用の宇治の新茶を納める茶壺を運んだ行列。茶壺に従う御数寄屋坊主には,将軍家御用をかさに横暴な振る舞いが目立った。
御茶子
おちゃこ [0] 【御茶子】
京阪の芝居茶屋・劇場・寄席などで,客を座席に案内したり,茶・弁当などを運ぶ女。通(カヨ)い。
御茶小姓
おちゃこしょう 【御茶小姓】
お茶の給仕をする小姓。
御茶所
おちゃしょ [0][3] 【御茶所】
〔「おちゃじょ」とも〕
寺社などで,湯茶の接待をする休憩所。
御茶所
おちゃどころ [3] 【御茶所】
(1)神社・寺院で,参詣人に代わって神仏に茶を供える所。
(2)「おちゃしょ(御茶所)」に同じ。
(3)茶店(チヤミセ)。
(4)茶の名産地。
御茶挽き
おちゃひき [0] 【御茶挽き】
芸者・遊女などが,客がなくて暇なこと。また,その芸者・遊女。
→お茶を挽く
御茶請け
おちゃうけ [0] 【御茶請け】
茶請けを丁寧にいう語。
御草草
おそうそう [0] 【御草草】
粗末であること。不十分であること。「お草々でございました」「お草々さま」などの形で,挨拶(アイサツ)の言葉に用いることが多い。
御荷物
おにもつ [2] 【御荷物】
(1)他人の荷物を丁寧にいう語。
(2)じゃまになったり,負担になったりする人や物。やっかいもの。「若い者の―にはなりたくない」
御菜
おかず [0] 【御数・御菜】
〔数々とりそろえる意から。もと中世女性語〕
食事の際の副食物。[日葡]
御菜
おさい [0] 【御菜】
菜を丁寧にいう語。副食物。おかず。
御菜葉
ごさいば [2] 【御菜葉】
〔葉に食物を盛ったことから〕
(1)アカメガシワの異名。
(2)イチビの異名。
御萩
おはぎ [2] 【御萩】
〔もと近世女性語〕
「萩の餅」のこと。うるちともち米をまぜて炊き,軽く搗(ツ)いて小さくまるめ,外側にあん・きなこなどをつけたもの。ぼたもち。
御葉漬
おはづけ [0] 【御葉漬(け)】
〔もと女房詞〕
菜漬け。または茎漬け。
御葉漬け
おはづけ [0] 【御葉漬(け)】
〔もと女房詞〕
菜漬け。または茎漬け。
御葬司
ごそうし [2] 【御葬司】
奈良・平安時代,天皇・三后の葬儀の時に臨時に置かれ,一切の事務をつかさどった職。
御蓋山
みかさやま 【三笠山・御蓋山】
(1)奈良市東部,春日大社のすぐ東にそびえる山。海抜283メートル。東側の花山・芳山(ハヤマ)とともに春日山と総称され,春日大社の神域をなす。古歌によく詠まれた。((歌枕))「あまの原ふりさけみれば春日(カスガ)なる三笠の山にいでし月かも/古今(羇旅)」
(2)〔天皇の御蓋(ミカサ)として近き衛(マモリ)をする意〕
近衛府(コノエフ)の大将・中将・少将の別名。
御蓼
おんたで 【御蓼】
タデ科の大形多年草。雌雄異株。高山の砂礫地に生え,地下茎が深く横走する。葉は卵形で厚く,大きい。夏,茎や枝の先に円錐花序を立てて黄白色の小花を密につける。イワタデ。ハクサンタデ。
御蔭
おかげ [0] 【御蔭・御陰】
(1)神仏の助け。加護。「神仏の―をこうむる」
(2)他人の助力。援助。庇護。「成功したのは先生の―です」「あなたの―で早く作れた」
(3)(多く「おかげで」の形で)ある事や物が原因となって生じた結果。効果・利益,また望ましくない結果や影響にもいう。「川がある―で夏は涼しい」「広くなった―で掃除が大変だ」
御蔭参り
おかげまいり [4] 【御蔭参り】
近世,伊勢神宮への集団的参拝。ほぼ60年の周期で数度流行した。[季]春。
→伊勢参り
御蔭年
おかげどし [3] 【御蔭年】
伊勢参宮をすると特別の御利益があると信じられた年。遷宮の翌年。
御蔭様
おかげさま [0] 【御蔭様】
(1)「おかげ」を丁寧に言う語。「―でよくわかりました」
(2)漠然とした感謝の気持ちを表す語。ありがたいことに。多く挨拶の語として用いる。「―で無事に帰って参りました」「『御両親は御健在ですか』『はい,―で』」
御蔭祭
みかげまつり 【御蔭祭】
葵祭の前儀として五月一二日(もと陰暦四月の中の午(ウマ)の日)に下鴨神社で行う祭儀。神霊を御蔭神社から移す神事を行う。
御蔵
おくら [0] 【御蔵・御倉】
(1)演劇・映画などで,企画や作品の上演が取りやめになること。「―になる」「―にする」
(2)江戸幕府が直轄地から収納した米を保管する蔵。御米蔵。
御蔵入り
おくらいり [0] 【御蔵入り】 (名)スル
(1)品物が使用されないまま蔵にしまっておかれること。
(2)上演予定の芝居などが上演取りやめになること。転じて,計画が取りやめになること。
(3)完成された映画作品が,一般公開を中止すること。
(4)「蔵入(クライ)り地(チ)」に同じ。
御蔵島
みくらじま 【御蔵島】
伊豆七島の一。火山島。海食崖の発達が著しい。全島シイ・ツゲの原生林でおおわれる。
御薄
おうす [2] 【御薄】
〔もと近世女性語〕
薄茶(ウスチヤ)。
御薦
おこも [0] 【御薦】
〔「こも」は「薦(コモ)被(カブ)り」の略。近世にできた語〕
乞食(コジキ)。ものもらい。
御薩
おさつ [2] 【御薩】
サツマイモのこと。主に女性がいう。
御薪
みかまぎ 【御薪】
(1)律令時代,毎年正月一五日に,在京の官人が位階に応じて一定数量の薪(タキギ)を宮内省に進納する儀式。また,その薪。天皇に忠節を示すものとして中国の行事を移入したものといわれる。
(2)江戸時代,武家で正月一五日に門の両柱に飾った薪。割り薪に墨で一二本(閏年は一三本)の横線が引いてある。
御虎子
おまる [0][2] 【御虎子】
〔「まる」は「放(マ)る」の意〕
持ち運びできる便器。幼児や病人に用いる便器。おかわ。
御蚕
おかいこ [2] 【御蚕】
(1)蚕を丁寧にいう語。おこさま。
(2)絹。絹の着物。
御蚕
おこ [1] 【御蚕】
蚕(カイコ)の異名。「―様」
御蚕ぐるみ
おかいこぐるみ [5] 【御蚕ぐるみ】
絹の着物ばかりを着ていること。ぜいたくな暮らしをしていること。「―で育てられる」
御蝦蛄
おしゃこ 【御蝦蛄】
江戸時代の女性の髪形の一。元結で束ねた髪を前に返し,二分して根の前にさした笄(コウガイ)の左右にかけ,余った毛先を返した髪に巻きつけたもの。シャコの胴に似ているのでいう。
御衣
みけし 【御衣】
貴人の衣服。おめしもの。「ぬばたまの黒き―を/古事記(上)」
→けし
御衣
みぞ 【御衣】
「おんぞ(御衣)」に同じ。「いと寒きに―一つ貸し給へ/大和 168」
御衣
ぎょい [1] 【御衣】
天皇や貴人を敬ってその衣服をいう語。お召し物。
御衣
おんぞ 【御衣】
着る人を敬ってその衣服をいう語。お召し物。「いみじき宝の―の綿のいみじき/宇治拾遺 13」
御衣勝ち
おんぞがち 【御衣勝ち】 (形動ナリ)
体が小さくて衣装ばかりが目立つさま。「いと―に,身もなくあえかなり/源氏(若菜上)」
御衣姫
みそひめ 【御衣姫】
〔「みぞひめ」とも〕
御衣につける姫糊(ヒメノリ)。「とり所なきもの…―のぬりたる/枕草子 141」
御衣木
みそぎ 【御衣木】
神仏の像を作るのに用いる木材を神聖視していう語。「あや杉は神の―にたてるなりけり/新古今(神祇)」
御衣香
ぎょいこう [0] 【御衣香】
サトザクラの園芸品種。花は中輪で淡黄色。花弁は一〇枚前後。中心部に緑色でのち紅変する条線がある。
御袋
おふくろ [0] 【御袋】
母親を親しんで呼ぶ語。
⇔おやじ
「―の味」
〔古くは,男女ともに自他の母親の敬称として用いた。現在では,主に男性が他人に対して自分の母親をいう場合に用いる〕
御裏様
おうらさん [2] 【御裏様】
(1)貴人の妻を敬っていう語。
(2)「裏方{(3)}」に同じ。
御裳濯川
みもすそがわ 【御裳濯川】
(1)五十鈴川(イスズガワ)の異名。((歌枕))「君が代はつきじとぞ思ふ神風や―のすまむかぎりは/後拾遺(賀)」
(2)皇統のたとえ。
御裳濯川の末
みもすそがわのすえ 【御裳濯川の末】
天照大神の子孫。皇統。「神かせや八重の榊葉かさねても―ぞはるけき/後鳥羽院御集」
御製
ぎょせい [0] 【御製】
天皇・皇族の作った詩文や和歌。現在では,特に天皇のものに限って用いられる。御製歌。
御裾分け
おすそわけ [0] 【御裾分け】 (名)スル
裾分けを丁寧にいう語。お福分け。「頂き物を―する」
御襁褓
おむつ [2] 【御襁褓】
〔「むつ」は「むつき」の略〕
赤ん坊の尻に当て,大小便の汚れが衣服に付かないようにする布や紙。おしめ。「―がとれる」
御西
おにし 【御西】
西本願寺,または浄土真宗本願寺派のこと。
⇔御東(オヒガシ)
御見
ごげん 【御見】
〔「ごけん」とも。「御見参」の略〕
会うことをへりくだっていう語。おめにかかること。江戸時代,女性,主として遊女が用いた。「ありし―に交せし言の,無下に変らぬ心ぞならば/松の葉」
御見え
おみえ [0] 【御見え】
人がその場所に来ることの尊敬語。「―になる」「まだ―でない」
御見文字
ごげんもじ 【御見文字】
〔文字詞。近世女性語〕
お目にかかること。おめもじ。「鬼の娘に―この末武めが思ひのたね/浄瑠璃・嫗山姥」
御見通し
おみとおし [0] 【御見通し】
他人の考えや思いをよく見抜いていること。「何でも―だ」
御見逸れ
おみそれ [0] 【御見逸れ】 (名)スル
(1)会っても気づかなかったり,だれであるか思い出せなかったりした時に言う語。「これは―しました」
(2)相手の能力・技量などをみそこなっていたことをわびる気持ちを表していう語。「見事なお手並み,―しました」
→みそれる
御見限り
おみかぎり [0] 【御見限り】
愛想をつかすこと。しばらくおとずれないこと。多く挨拶(アイサツ)の言葉として使われる。「最近はとんと―ですね」
御覧
ごらん [0] 【御覧】
■一■ (名)
見ることの尊敬語。「―に供する」「―のとおり」
■二■「ごらんなさい」の略。「お母さん早く―よ」「それ―,壊れちゃったじゃないか」「こっちへ来て―」
御覧じゃる
ごろうじゃ・る ゴラウジヤル 【御覧じゃる】 (動ラ四)
〔「ごろうず」に「ある」が付いた「ごろうじある」の転〕
ごらんになる。「当世風のやさ姿,お姫様―・れ/浄瑠璃・一谷嫩軍記」
御覧じゃる
ごろんじゃ・る 【御覧じゃる】
■一■ (動ラ四)
〔「ごらんじある」の転〕
「見る」の尊敬語。御覧になる。「この様子を―・つて下されい/狂言記・茶壺」
■二■ (動ラ下二)
〔「ごらんぜらる」の転〕
{■一■}に同じ。「これ―・れませい/狂言記・抜殻」
御覧じる
ごろう・じる ゴラウジル [4] 【御覧じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「ごろうず」の上一段化〕
(1)ごらんになる。「細工(サイク)は流々(リユウリユウ),仕上げを―・じろ」「わしの所は―・じる通り,馬部屋を見るような家でござりますが/歌舞伎・関取菖蒲�」
(2)(補助動詞)
動詞の連用形に助詞「て」の付いた形に付いて,「…てみる」の意の尊敬語として用いられる。「角町にしんみせが御座りますがお出なんして―・じませんか/洒落本・遊子方言」
〔現代語では,命令形の「ごろうじろ」以外の形はあまり用いられない〕
御覧ず
ごろう・ず ゴラウズ 【御覧ず】 (動サ変)
〔「ごらんず」の転〕
(1)ごらんになる。「なんと何れも旦那のはばを―・じたか/浄瑠璃・淀鯉(上)」
(2)(補助動詞)
動詞の連用形に「て」の付いた形に付いて,「…てみる」の意の尊敬語として用いられる。「よくよく按じて―・ぜい/杜詩続翠抄」
御覧ず
ごらん・ず 【御覧ず】 (動サ変)
「見る」の尊敬語。「見給ふ」より敬意が高い。
(1)御覧になる。「これを帝―・じて,いかが帰り給はむそらもなく思さる/竹取」
(2)結婚なさる。「まだ無下にいはけなき程に侍るめれば,たはぶれにても―・じがたくや/源氏(若紫)」
(3)世話をなさる。「年ごろも―・じて久しくなりぬ/堤中納言(よしなしごと)」
(4)連用形「ごらんじ」が他の動詞の上に付いて,「見…」の形の複合動詞の尊敬語となる。「とのにも御方々の童・下仕へのすぐれたるをと―・じくらべ/源氏(乙女)」
御覧ぜらる
ごらんぜ∘らる 【御覧ぜらる】 (連語)
〔「御覧ず」に助動詞「らる」の付いたもの〕
(1)(「らる」が受け身の場合)見ていただく。お見せする。御覧に入れる。「かくおほけなきさまを―∘られぬるも,かつはいと思ひやりなく恥づかしければ/源氏(若菜下)」
(2)(「らる」が可能の場合)御覧になることができる。御覧になれる。「ふとみゆきして御覧ぜむに,―∘られなむ/竹取」
(3)(「らる」が自発の場合)自然と御覧になる。「よろづの罪わすれて,あはれにらうたしと―∘らる/源氏(澪標)」
(4)(「らる」が尊敬の場合。中世以降の用法)御覧になられる。「めづらしきあづま男をこそ―∘られ候はんずらめ/平家 11」
御覧なさい
ごらんなさい 【御覧なさい】
〔「ごらんなさる」の命令の言い方。「ごらんなさいませ(まし)」の「ませ(まし)」の略から〕
(1)「見なさい」の尊敬語・丁寧語。「あの看板をよく―」
(2)自分の判断や予想が当たったとき,得意になって,その結果をさし示す語。「ほら―,私の言ったとおりになったでしょ」
(3)(補助動詞)
動詞の連用形に「て」の付いた形に付いて「…てみなさい」の丁寧な言い方として用いられる。「ちょっと貸して―」
御覧なさる
ごらんなさ・る [5] 【御覧なさる】
■一■ (動ラ五[四])
〔■二■ が本来の活用〕
「見る」の尊敬語。「そんなに根をつめて―・らずとも,少しお休みになってはいかが」
■二■ (動ラ下二)
(1){■一■}に同じ。「さやうに御心得なされ候て,その方のひがらも―・れ/捷解新語」
(2)(補助動詞)
動詞の連用形に助詞「て」の付いた形に付いて,「…てみる」の意の尊敬語として用いられる。「法印,占うて―・れ/歌舞伎・水木辰之助」
御覧のとおり
ごらん【御覧のとおり】
as you see.それ〜 There!/Didn't I tell you so?
御親兵
ごしんぺい [2] 【御親兵】
1871年(明治4),天皇警護のために編制された軍隊。翌年,近衛兵と改称。
御親文字
ごしんもじ 【御親文字】
〔「御親切」の文字詞。近世女性語〕
御親切。「一夜の情あらば,今の嬉しき―/松の落葉」
御親父
ごしんぷ [2] 【御親父】
他人の父を敬っていう語。御尊父。
御親祭
ごしんさい [0][2] 【御親祭】
天皇が自ら神をまつり,御告げ文を奉上する祭儀。元始祭など。
御触れ
おふれ [0] 【御触れ】
〔人に触れ知らす意から〕
役所から出す命令や通知。
御触書
おふれがき [0] 【御触書】
江戸時代,為政者の命令を庶民に伝えた公文書。触状。触書。御触。
御触書集成
おふれがきしゅうせい 【御触書集成】
江戸幕府の成文法である触書を編纂した法令集。寛保・宝暦・天明・天保の各期に前後四回編纂された。
御言
みこと 【御言】
貴人,特に天皇の言葉。おおせ。「大君の―かしこみ/万葉 79」
御託
ごたく [0] 【御託】
〔「御託宣」の略〕
自分勝手の偉そうな言葉。また,くどくど言う言葉。ごた。「―を並べる」
御託を並べる
ごたく【御託を並べる】
talk tediously.
御託宣
ごたくせん [0] 【御託宣】
(1)神のお告げ。御宣託。
(2)他人の言葉や意見を冗談めかしていう語。「―を重ねる」
御記
ごき [1] 【御記】
⇒ぎょき(御記)
御記
ぎょき [1] 【御記】
天皇や貴人の書いた日記・記録。ごき。
御許
おもと 【御許】
■一■ (名)
(1)貴人の座所を敬っていう語。おそば。「入鹿―にまろびつきて/日本書紀(皇極訓)」
(2)おそば近く仕える者。女房。「この―,馴れて目やすし/源氏(宿木)」
(3)高貴な家の主だった女房。「すこし―ほどのきはにてぞありける/大鏡(兼家)」
(4)(「…のおもと」の形で)女房の名の下につける敬称。「民部の―なめり/源氏(空蝉)」
■二■ (代)
二人称。多く女性に対して,敬愛の気持ちをこめて用いる。あなた。「―は今宵は上にやさぶらひ給ひつる/源氏(空蝉)」
御許
みもと [0] 【御許】
■一■ (名)
おいでになるところ。おそば。「山田様―へ」
■二■ (代)
二人称。あなた。おもと。「この仲人たてて―の容姿(カタチ)消息し訪ひに来るやさきむだちや/催馬楽」
御許
おんもと [1] 【御許】
(1)「おもと(御許){■一■}」に同じ。
(2)(多く「おんもとに」「おんもとへ」の形で)女性が手紙の脇付(ワキヅケ)に書く語。「山本様―に」
御許人
おもとびと 【御許人】
貴人のそば近くに仕える人。「御ゆかたびらして,―たちゐてまゐる/宇津保(蔵開中)」
御詠
ぎょえい [0][1] 【御詠】
天皇や皇族などが詩歌を作ること。また,その詩歌。
御詠歌
ごえいか [2] 【御詠歌】
霊場の巡礼者や浄土宗信者の歌う,仏や霊場をたたえる歌。和歌や和讃に単調で物悲しい節をつけ鈴(レイ)を振りながら歌う。巡礼歌。詠歌。
御詠歌
ごえいか【御詠歌】
a pilgrim hymn.
御詰
おつめ [0] 【御詰】
(1)茶会の末席の客。会が円滑に運ぶようにもろもろの世話をする役。老練の茶人がつとめる。
(2)〔一年分の葉茶を出入りの茶師に命じて茶壺に詰めさせたことから〕
茶師。
御詰衆
おつめしゅう 【御詰衆】
⇒詰衆(ツメシユウ)
御話
おはなし [0] 【御話】
(1)話の尊敬語・丁寧語。「―は承りました」
(2)現実離れした話。架空の話。「―として聞いておく」
(3)江戸時代,一番富の当たり番号を刷った紙札。影富(カゲトミ)は禁止されていたので,「お話」と称して売った。
御誂え
おあつらえ [0] 【御誂え】
「あつらえ{(1)}」を丁寧にいう語。「―の品」
御誂え向き
おあつらえむき [0] 【御誂え向き】 (名・形動)
「あつらえむき」に同じ。「運動会には―の天気だ」
御読経
みどきょう [2] 【御読経】
⇒季(キ)の御読経(ミドキヨウ)
御調
みつぎ [0] 【貢ぎ・調・御調】
〔「み」は接頭語。中世末期頃まで「みつき」〕
(1)租税。貢賦。「―を軽くし,斂(オサメモノ)を薄くして/日本書紀(仁徳訓)」
(2)大和政権に服属する集団が,服属儀礼としてさし出すもの。繊維製品を中心とする。海山の収穫物を主とする贄(ニエ)と対をなすが,のち,その多くを吸収し律令制の調(チヨウ)として体系化された。つき。
(3)「調(チヨウ){(1)}」に同じ。
御調子者
おちょうしもの オテウシ― [0] 【御調子者】
調子にのりやすく,軽はずみな行動をする人。調子者。
御談義
おだんぎ [2] 【御談義】
目上の人から聞かされる堅苦しい訓戒や小言。
→談義
御諚
ごじょう [0] 【御諚】
貴人の命令。仰せ。お言葉。「―で候へば仕てこそ見候はめ/平家 11」
御諸
みもろ 【御諸】
〔「もろ」は「もり」と同じく神の降下してくる場所の意〕
神をまつる樹木。鏡や木綿(ユウ)をかけて神をまつる神座。「我がやどに―を立てて枕辺に斉瓮(イワイベ)をすゑ/万葉 420」
御諸つく
みもろつく 【御諸つく】 (枕詞)
「みもろ」を設ける意で,「みもろ」のあった「鹿背山(カセヤマ)」「三輪山(ミワヤマ)」にかかる。「―鹿背山のまに咲く花の色めづらしき/万葉 1059」
御講
おこう [0][2] 【御講】
(1)古く,宮中や諸大寺で行われた仏事。法華八講(ホツケハツコウ)・唯識講(ユイシキコウ)・三論三十講など。
(2)真宗の寺院で,親鸞(シンラン)の忌日に行われる仏事。報恩講。[季]冬。
(3)仏教の信者が,称名・読経・聴法などのために,毎月,日を定めて行う会合。
御講書始
ごこうしょはじめ ゴカウシヨ― [5] 【御講書始】
⇒講書始(コウシヨハジメ)
御象
みかた [0] 【御形・御象】
神体。また,仏像。お姿。「盧遮那仏(ルシヤナブツ)の―」
御負け
おまけ [0] 【御負け】 (名)スル
(1)商品の値段を安くすること。「一〇〇円―しましょう」
(2)景品や付録をつけること。また,そのもの。
(3)あとから付け加えたもの。「うわさ話に―がつく」
御負けに
おまけに [0] 【御負けに】 (副)
さらにその上に。それだけでなく。「声は悪いし,―調子外れだ」
〔多く仮名書きで用いる〕
御貰い
おもらい [2] 【御貰い】
乞食(コジキ)。
御賓頭盧
おびんずる 【御賓頭盧】
賓頭盧を敬っていう語。
御越し
おこし [0] 【御越し】
(1)行くことの尊敬語。「どちらへ―ですか」
(2)来ることの尊敬語。「一度拙宅へも―下さい」
御足
おあし [0] 【御足・御銭】
〔もと女房詞〕
ぜに。おかね。
→足
御足労
ごそくろう [3][2] 【御足労】
相手を敬って,わざわざ足を運ばせることをいう語。「―をおかけいたしまして恐縮です」
御足労をかけてすみません
ごそくろう【御足労をかけてすみません】
I am sorry to have troubled you to come[go]so far.
御跳ね
おはね [2] 【御跳ね】
はねっかえり娘。おてんば娘。
御身
おみ 【御身】 (代)
二人称。対等またはそれに近い下位者に用いる。そなた。おまえ。「―がゐるとは知つての当言/浄瑠璃・宵庚申(中)」
〔近世の武士言葉で,「おんみ」より敬意は低い〕
→おんみ
御身
おんみ [1] 【御身】
■一■ (名)
相手のからだを敬っていう語。「―お大切に」
■二■ (代)
二人称。軽い敬意をふくんだ言い方。あなた。「いかに御辺,―は万の鳥の中にすぐれてうつくしく/仮名草子・伊曾保物語」
御身拭い
おみぬぐい [3] 【御身拭い】
京都市嵯峨の清涼寺で,四月一九日(もと陰暦三月一九日)に行う法会。釈迦堂本尊の釈迦像を,白い絹でぬぐい清める行事。みのごい。おみのごい。[季]春。《花を見て―見ぬ恨かな/河東碧梧桐》
御身様
おみさま 【御身様】 (代)
二人称。「御身(オミ)」より敬意が高く,丁寧にいう語。あなたさま。おまえさま。「―も,ただ一人の子を敵になされうか/浄瑠璃・国性爺後日」
御軍
みいくさ 【御軍】
天皇の軍隊。「鶏が鳴く東の国の―を召したまひて/万葉 199」
御転婆
おてんば [0] 【御転婆】 (名・形動)
若い娘や女児がしとやかさに欠け,いたって活発な・こと(さま)。また,そういう女。おきゃん。「うちの娘は―で困る」「―な女の子」「―をする」
→転婆(テンバ)
御輿
みこし [0][1] 【御輿・神輿】
(1)輿を敬っていう語。《御輿》
(2)神幸の際に神霊が乗る輿。屋根の中央に鳳凰(ホウオウ)や葱花(ソウカ)を置き,台に何本かのかつぎ棒を通し大勢でかつぐ。平安中期に怨霊信仰が盛んになるにつれ広く用いられるようになった。しんよ。おみこし。《神輿》 [季]夏。
(3)(「輿」を「腰」にかけて)腰をいう。おみこし。
御輿寄せ
みこしよせ [0] 【御輿寄せ】
建物の中で貴人が輿に乗り降りするようにしつらえられた所。後世の車寄せ。
御輿草
みこしぐさ [3] 【御輿草】
ゲンノショウコの別名。
御辞儀
おじぎ [0] 【御辞儀】 (名)スル
〔「辞儀」を丁寧にいう語〕
(1)頭を下げて挨拶すること。「先生に―する」
(2)遠慮すること。辞退。「何しに―申ましよ,両人ながらお茶はえたべませぬ/浄瑠璃・氷の朔日(上)」
御辺
ごへん 【御辺】 (代)
二人称。同輩またはやや目上の者に対して武士などが用いる語。あなた。貴殿。「―の教訓にはよもよらじ/保元(上)」
御辺
おんあたり 【御辺】 (代)
〔「ごへん(御辺)」の訓読みから〕
二人称。目上の人に対して,敬意をもって用いる。「―の御事どもうけ給はらまほしう候ひつるに/平家 12」
御迎え
おむかえ [0] 【御迎え】 (名)スル
(1)迎えることの丁寧語。「盛装して―する」
(2)お盆に祖先の霊を迎えること。また,その時に燃やす火。
(3)臨終の時に,仏が人を浄土へ呼ぶために現れること。御来迎(ゴライゴウ)。「―が来る」
御返し
おかえし [0] 【御返し】 (名)スル
(1)他人から物を贈られたときに,返礼として物を贈ること。また,その物。「病気見舞いの―をする」
(2)他人から受けた屈辱に対して返報すること。しかえし。「この―はきっとするからね」
御通し
おとおし [0] 【御通し】
酒の肴(サカナ)として最初に出す簡単な料理。突き出し。通し物。先付け。
御通り
おとおり [0] 【御通り】
(1)通ることの尊敬語。「御輿(ミコシ)の―」
(2)身分の高い人の前に召し出されること。おめどおり。「―にて物語などする人の/早雲寺殿廿一箇条」
(3)身分の高い人に召し出され,手ずからの杯をいただくこと。「―をくださるる/狂言・餅酒」
御通夜
おつや [2] 【御通夜】
通夜を丁寧にいう語。
御造り
おつくり [0][2] 【御作り・御造り】
〔「つくり」の丁寧語〕
(1)化粧。身支度。
(2)〔もと,女性語〕
刺身。主に関西でいう。
御造作
ごぞうさ [2] 【御造作】
相手を敬って,そのもてなしをいう語。おもてなし。ごちそう。「―をかけます」
御連枝
ごれんし [2] 【御連枝】
天皇や貴人の兄弟を敬っていう語。「これ皆後伏見院の御子,今上皇帝の―なり/太平記 5」
御遊
ぎょゆう 【御遊】
宮中・院中で催された管弦・朗詠の遊び。「十二人ながら御前に列して―なれば/平治(上)」
御運び
おはこび [0] 【御運び】
「行くこと」「来ること」の尊敬語。おいで。「―をいただき光栄です」
御達
ごたち 【御達】
身分のある女性たちを敬っていう語。また,宮仕えの上級の女房たちを敬っていう語。一人をさすこともある。「宮の内にて,ある―の局の前を渡りけるに/伊勢 31」
御達し
おたっし [0] 【御達し】
(1)江戸幕府の法令のうち,関係者にだけ通達する文書。
→触れ書き
(2)目上の者や上位の機関からの指示・命令。通達。「その筋の―」
→たっし(達)
御遣い物
おつかいもの [0] 【御遣い物】
贈り物。御進物(ゴシンモツ)。
御邌
おねり [0] 【御邌・御練】
(1)大名行列・祭礼の山車(ダシ)・踊り屋台などがゆっくりと進むこと。また,そのもの。邌(ネ)り物。
(2)寺院で行う行道(ギヨウドウ)の儀式。
御邪魔
おじゃま [0] 【御邪魔】 (名)スル
〔相手の邪魔をする意から〕
相手の家を訪問すること。訪問する際,また,訪問先から帰る際の挨拶(アイサツ)の言葉としても使う。「ちょっと―させていただきたいのですが」「大変―いたしました」
御部屋
おへや [0] 【御部屋】
(1)部屋の尊敬語・丁寧語。
(2)宮中の御服掛・御膳掛・雑仕などの称。
(3)貴人の妾の敬称。おへや様。御側室。「たとへ―にもせよ,傾城(ケイセイ)遊女を屋敷へ入れてはよその聞え/歌舞伎・幼稚子敵討」
(4)女郎屋の主人。また,その居間。
御部屋様
おへやさま [0][5] 【御部屋様】
(1)「おへや{(3)}」に同じ。
(2)中流・上流社会の人妻を敬っていう語。
御部屋衆
おへやしゅう [3] 【御部屋衆】
室町幕府の職名。将軍の近習となったもの。
御都合主義
ごつごうしゅぎ ゴツガフ― [5] 【御都合主義】
一定の方針や定見を持たず,その場その場の状況に合わせて行動する無節操なやり方をさげすんでいう語。オポチュニズム。
御都合主義
ごつごうしゅぎ【御都合主義(者)】
opportunism (an opportunist);timeserving (a timeserver).→英和
御酉様
おとりさま [4][5] 【御酉様】
酉(トリ)の市(イチ)のこと。
御酌
おしゃく [0] 【御酌】 (名)スル
(1)酌を丁寧にいう語。「上座から順に―する」
(2)客に酌をする女性。酌婦。
(3)一人前にならない芸者。半玉(ハンギヨク)。
御酒
ごしゅ [0] 【御酒】
飲む人やくれた人を敬って,その酒を丁寧にいう語。お酒。みき。
御酒
みき [0][1] 【神酒・御酒】
〔「み」は接頭語,「き」は酒〕
酒の美称。また,神に供える酒。おみき。
御酒
みわ 【神酒・御酒】
神にささげる酒。みき。「泣沢の神社(モリ)に―据ゑ祈れども/万葉 202」
御酒家
ごしゅか [0] 【御酒家】
酒を飲む人を丁寧にいう語。
御酒機嫌
ごしゅきげん 【御酒機嫌】
酒を飲んだ時の機嫌。一杯機嫌。「また例の―かと/狂言・法師が母(虎寛本)」
御釈迦
おしゃか [0] 【御釈迦】
(1)釈迦(シヤカ)を敬っていう語。「―に経」
(2)〔もと鋳物職人の隠語で,地蔵を鋳るのに誤って釈迦を鋳たことからという〕
出来損ないの品。役に立たない品。「―を出す」「―にする」「―になる」
御釈迦様
おしゃかさま [4][5] 【御釈迦様】
釈迦を敬っていう語。
御里
おさと [0] 【御里】
(1)他人の実家・生家を敬っていう語。
(2)生まれや育ち。また,今までの経歴。「鼻子の言葉使ひは益(マスマス)―をあらはして来る/吾輩は猫である(漱石)」
御重
おじゅう [2] 【御重】
重箱を丁寧にいう語。
御金
おかね [0] 【御金】
金銭を丁寧にいう語。「―を使う」
御釜
おかま [0] 【御釜・御竈】
(1)釜を丁寧にいう語。
(2)火山の噴火口。また,火口湖。
(3)下女の異名。
(4)尻(シリ)。
(5)男色。また,その相手。
御釜様
おかまさま [0] 【御釜様】
⇒竈神(カマドガミ)
御針
おはり [0][2] 【御針】
(1)裁縫をすること。針仕事。
(2)「お針子」に同じ。
御針子
おはりこ [0] 【御針子】
雇われて針仕事をする女。お針。
御釣
おつり [0] 【御釣(り)】
釣り銭を丁寧にいう語。
御釣り
おつり [0] 【御釣(り)】
釣り銭を丁寧にいう語。
御鉢
おはち [0] 【御鉢】
(1)〔もと近世女性語〕
炊いた飯を移し入れておく木製の器。おひつ。めしびつ。
(2)火山の火口。特に,富士山の噴火口跡。おかま。
御鉢入れ
おはちいれ [3] 【御鉢入れ】
御鉢を入れて飯の冷えるのを防ぐ藁(ワラ)製の器。ふご。御櫃(オヒツ)入れ。[季]冬。
御鉢回り
おはちまわり [4] 【御鉢回り】
火山の火口壁の周縁を歩くこと。富士山が代表的。おはちめぐり。[季]夏。
御鉢料
おはちりょう [3] 【御鉢料】
〔仏〕
〔托鉢の米の意〕
寺院に供える米。御供米。おはちごめ。おはちまい。
御銭
おあし [0] 【御足・御銭】
〔もと女房詞〕
ぜに。おかね。
→足
御錠口
おじょうぐち オヂヤウ― [2] 【御錠口】
江戸城や大名の邸で,表と奥との境の出入り口。江戸城では御錠口番が詰め,五つ(午前八時頃)に開き,六つ(午後六時頃)に閉めた。ここから奥へは特定の者以外男子禁制であった。
御鍋
おなべ [2] 【御鍋】
(1)なべを丁寧にいう語。
(2)江戸時代,女中・下女の代表的な名前。「―が父親(テテ)でござります/浮世草子・諸艶大鑑 1」
(3)夜する仕事。夜鍋。「―をばせよ,水をくんでおいてせよと法を定ぞ/蒙求抄 7」
御鍬立て
おくわたて 【御鍬立て】
正月一一日の初耕式をいう。田畑に紙の幣と松とを立て,これに祝い餅と魚とを供える。関東地方に多い習俗。鍬初め。
御鏡
おかがみ [0] 【御鏡】
〔もと女房詞〕
鏡餅。[季]新年。
御門
みかど [0] 【御門・帝】
〔「門(カド)」に尊敬の接頭語「み」が付いたもの。(2)が原義〕
(1)(「帝」と書く)天子・天皇の尊称。また,その位。「宇多の―の御いましめあれば/源氏(桐壺)」
→天皇
(2)門をいう尊敬語。特に皇居の門。ごもん。「大き―を入りかてぬかも/万葉 186」
(3)天皇の居所。皇居。また,朝廷。「万代(ヨロズヨ)にいましたまひて天の下奏(モウ)したまはね―去らずて/万葉 879」
(4)天子・天皇の治める国土。国家。「荒き風波にあはせず平けく率て帰りませもとの―に/万葉 4245」
御門守
みかどもり 【御門守】
皇居や貴人の門を守ること。また,その人。「―寒げなるけはひうすすき出で来てとみにもえあけやらず/源氏(朝顔)」
御門拝み
みかどおがみ 【御門拝み・朝拝み】
「ちょうはい(朝拝)」に同じ。「正月の甲子の朔に,―礼(コト)畢(オワ)りて/日本書紀(孝徳訓)」
御門祭
みかどまつり 【御門祭】
毎年6月・一二月の大殿祭(オオトノホガイ)の際に,宮中の門の神をまつり,邪神のはいって来るのを払いのけることを祈る祭り。みかどほがい。
御門跡
ごもんぜき [2] 【御門跡】
門跡を敬っていう語。
御門違い
おかどちがい [4] 【御門違い】
(1)めざす家や人をまちがえること。
(2)間違った方向をめざすこと。見当ちがい。「―の話だ」「―もはなはだしい」
御開き
おひらき [2] 【御開き】
(1)婚礼などの祝宴が終わること,終わって帰ることの忌み詞。また,広く会合・宴会などを終わりにすること。閉会。散会。「この辺で―にしたいと存じます」
(2)落ちのびることの忌み詞。退却。「只先づ筑紫へ―候へかし/太平記 15」
御開山
ごかいさん [0] 【御開山】
宗派の開祖,寺院の開創者を敬っていう語。特に,浄土真宗の開祖親鸞(シンラン)のこと。
御間
おあいだ 【御間】
(1)不用になること。また,そのために暇になること。
(2)異性に相手にされないこと。「おいらといふ好男子(イロオトコ)がゐるから他のものはとても―だ/滑稽本・七偏人」
御間
おあい 【御間・御相】
〔「あい(間・相)」を丁寧にいった語〕
(1)酒席で,相伴の者が正客と主人の間にはいって杯の受け差しをすること。「愛敬の小姓は―と色めきける/浄瑠璃・万年草(上)」
(2)相手をすること。また,その人。「もう一杯ああいくぢのねへ―だ,―だ/安愚楽鍋(魯文)」
御阿礼
みあれ [0] 【御生・御阿礼】
(1)神または貴人の再生・復活。また,誕生。ご降臨。
(2)「御阿礼祭」に同じ。
(3)賀茂神社の異称。「―に詣で給ふとて/源氏(藤裏葉)」
御阿礼の宣旨
みあれのせんじ 【御阿礼の宣旨】
賀茂祭に関する宣旨を賀茂の斎院に伝達する女官。みあれのせじ。
御阿礼木
みあれぎ [3] 【御阿礼木】
葵祭の前儀として行う上賀茂神社の御阿礼祭と下鴨神社の御蔭祭に立てられる,神移しのための榊(サカキ)。
御阿礼祭
みあれまつり 【御阿礼祭】
葵祭の前儀として五月一二日(もと陰暦四月の中の午(ウマ)の日)に上賀茂神社で行う祭儀。阿礼と称する榊の枝に神移しの神事を行う。
御陀仏
おだぶつ [2] 【御陀仏】
〔阿弥陀仏を唱えて往生する意〕
(1)死ぬこと。「ここから落ちたら―だ」
(2)物事に失敗してだめになること。「すべてが―になる」
(3)腐ってだめになること。「いや,この魚は―だぜ/滑稽本・膝栗毛 3」
御陣乗太鼓
ごじんじょうだいこ ゴヂンジヨウ― [6] 【御陣乗太鼓】
石川県輪島市に伝わる民俗芸能。さまざまな鬼面をかぶった者数人が,中央に据えた大太鼓を取り巻いて,交互に曲打ちをする。
御陰
おかげ [0] 【御蔭・御陰】
(1)神仏の助け。加護。「神仏の―をこうむる」
(2)他人の助力。援助。庇護。「成功したのは先生の―です」「あなたの―で早く作れた」
(3)(多く「おかげで」の形で)ある事や物が原因となって生じた結果。効果・利益,また望ましくない結果や影響にもいう。「川がある―で夏は涼しい」「広くなった―で掃除が大変だ」
御陵
ごりょう【御陵】
an Imperial mausoleum.
御陵
ごりょう [1] 【御陵】
天皇・皇后・皇太后・太皇太后の墓。みささぎ。
御階
みはし 【御階】
神社や宮殿などの階段を敬っていう語。特に,紫宸殿(シシンデン)の南にあるものをいう。「御前の―のもとに/源氏(明石)」
御階の桜
みはしのさくら 【御階の桜】
左近の桜の別名。
御階の橘
みはしのたちばな 【御階の橘】
右近の橘の別名。
御隠れ
おかくれ [0] 【御隠れ】
身分の高い人が死ぬことを敬っていう語。「天皇が―になる」
御隣事
おとなりごと [0] 【御隣事】
女児の遊戯の一。近所づきあいのまねごとをする遊び。おとなりごっこ。
御集
ぎょしゅう [0] 【御集】
皇族など,高貴な人の歌集。
御雇外国人
おやといがいこくじん オヤトヒグワイコクジン [8] 【御雇外国人】
幕末から明治前期,欧米の学問・技術・産業・政治制度などを急速に取り入れるため政府が雇った外国人。アトキンソン(英)・ボアソナード(仏)・ベルツ(独)・クラーク(米)・ロエスレル(独)などが有名。
御雛様
おひなさま [2] 【御雛様】
(1)雛人形。
(2)雛祭り。
御難
ごなん [2] 【御難】
(1)災難・難儀などの丁寧語。からかいや自嘲の気持ちを含めて使うこともある。「―続きで,大変でしたね」
(2)日蓮宗で,1272年9月12日の日蓮の法難をいう。
御難の餅
ごなんのもち 【御難の餅】
日蓮宗で,九月一二日に,宗祖日蓮上人の像に供する餅。
〔日蓮上人が滝の口の刑場に引かれて行く時,一老婆が餅を供した故事に基づくという〕
御霊
みたま [0] 【御霊・御魂】
〔「み」は接頭語〕
(1)死者の霊魂を尊んでいう語。「先祖の―をまつる」「―よ安らかに」
(2)「みたま祭り」の略。「―など見るにも/蜻蛉(下)」
(3)霊威。「我(ア)が主の―賜ひて春さらば/万葉 882」
御霊
みたま【御霊】
one's soul;the spirit of the dead.→英和
御霊
ごりょう [1] 【御霊】
(1)「霊魂」の尊敬語。みたま。「是れ讃岐院の―なりとて/保元(下・古活字本)」
(2)怨みを残して死んだ人の霊や疫神など,人々に災厄をもたらす怨霊(オンリヨウ)。
(3)「御霊会(ゴリヨウエ)」の略。
御霊代
みたましろ [3][0] 【御霊代】
御霊にかえてまつるもの。御神体。
御霊会
ごりょうえ [2] 【御霊会】
(1)御霊{(2)}を慰め遷(ウツ)すために行う祭り。863年平安京神泉苑で行われたのが最初で,疫病の発生する季節に盛んに催された。御霊祭。「今日はこの郷の―にや有らんと思へば/今昔 28」
(2)京都八坂神社の祭礼。祇園御霊会。祇園会。
御霊信仰
ごりょうしんこう [4] 【御霊信仰】
御霊{(2)}の祟りを恐れ,これを鎮めて平穏を回復し,繁栄をもたらそうとする信仰。平安時代初期以降御霊会(エ)が盛んに催される一方で,菅原道真の霊など霊威をふるう悪鬼的存在は神社の祭神として祀(マツ)られ恒常的な祭祀の対象となった。御霊信仰は祇園信仰や天神信仰へと発展した。なお,江戸時代の御霊としては佐倉惣五郎が有名。
御霊前
ごれいぜん [0] 【御霊前】
(1)死者を敬って霊前を丁寧にいう語。
(2)霊前に供える金品に書き記す語。
御霊塚
ごりょうづか [2] 【御霊塚】
祟りを恐れて,その霊魂を祀(マツ)った塚。
御霊屋
おたまや [0] 【御霊屋】
先祖の霊や貴人の霊をまつる殿堂。みたまや。霊廟。
御霊屋
みたまや [0] 【御霊屋】
⇒おたまや(御霊屋)
御霊振り
みたまふり 【御霊振り】
「魂振(タマフ)り」に同じ。
御霊神社
ごりょうじんじゃ [4] 【御霊神社】
非業の死をとげた人の霊のたたりを恐れて,その霊を鎮めるために祀(マツ)った神社。京都の上御霊神社・下御霊神社などが有名。
御霊祭
みたままつり [4] 【御霊祭(り)】
正月の行事の一。大晦日(オオミソカ)の夜または元旦の未明に,祖先の霊や歳徳神をまつること。
御霊祭り
みたままつり [4] 【御霊祭(り)】
正月の行事の一。大晦日(オオミソカ)の夜または元旦の未明に,祖先の霊や歳徳神をまつること。
御霜月
おしもつき [3] 【御霜月】
真宗で,一一月二二日から,親鸞の祥月命日である二八日までをいう。その間七昼夜報恩(ホウオン)講が行われる。
御面相
ごめんそう [0][2] 【御面相】
顔つき。容貌。悪く言ったり,からかったりする時に言う。「たいそうな―」
御預け
おあずけ [0] 【御預け】
(1)犬の前に食物を置き,「よし」と言うまで食べさせないこと。
(2)約束・計画などの実行がのばされること。また,実行にうつされないこと。「祝賀会は当分―だ」
(3)江戸時代の刑罰の一。
→あずけ(2)
御預人
おあずけにん 【御預人】
江戸時代,大名や旗本で,罪を得て諸大名の家に預けられて監禁された人。
御領
ごりょう [1] 【御領】
皇室・幕府などの領有する土地。
御頭
おかしら [0] 【御頭】
首領などを敬っていう語。親分。ボス。
御頭
みぐし 【御首・御頭】
首・頭の敬称。「―もたげ/源氏(総角)」
御頭会
おとうえ [2] 【御頭会】
毎年正月一三日に日蓮宗総本山身延山久遠寺(クオンジ)で行われる年頭の法会。
御頼
おたのむ 【御頼・御憑】
中世・近世の八朔(ハツサク)の習礼。
→たのむ(2)
御頼談
ごらいだん 【御頼談】
江戸時代,大名が秋の租税米を担保にして蔵屋敷に出入りする町人に借金を頼むこと。
御題
ぎょだい [0] 【御題】
(1)天皇が書いた題字。
(2)天皇が選んだ詩歌・文章の題。勅題。
御題噺
おだいばなし [4] 【御題噺】
落語の一。客から借りた品物に因んだ駄洒落をいいながら筋を展開させる。数人が父親・息子などの役になって行う場合もある。
御題目
おだいもく [0] 【御題目】
(1)法華経の題目を丁寧にいう語。
(2)ありがたそうに唱えているばかりで,内容・実質のない主張。「―を唱えてばかりいる」「―を並べる」
御願
ごがん [2] 【御願】
(1)阿弥陀仏の衆生救済の願。弥陀の誓願。
(2)貴人の祈願を敬っていう語。御祈願。「この殿,古き―はたしに石山に詣で給ふに/落窪 1」
(3)「御願寺」の略。
御願い
おねがい [0] 【御願い】
〔「お」は接頭語〕
相手を敬って「願い」「願うこと」をいう語。「あなたに―があります」「明日おいでくださいますよう―いたします」「よろしく―申し上げます」
→ねがう(願)
御願寺
ごがんじ [0][4] 【御願寺】
天皇・皇后などの願によって建立された寺。勅願寺。御願。
御食
みけ 【御食・御饌】
(1)天皇の食事の料。「―つ国」「この日肇めて―進(タテマツ)りて/日本書紀(天武訓)」
(2)神饌(シンセン)。「―殿」
御食
みおし 【御食】
飲食なさること。また,飲食物。「―せむとす/日本書紀(神代上訓)」
御食つ国
みけつくに 【御食つ国】
天皇の食物を献上する国。「―野島の海人の舟にあるらし/万葉 934」
御食つ物
みけつもの 【御食つ物】
天皇の食物。「擎(ササ)ぐる所の―を覆(コボ)しつ/日本書紀(雄略訓)」
御食人
みけびと 【御食人】
死者に供える食膳を調える人。「翠鳥(ソニドリ)を―と為(シ)/古事記(上訓)」
御食向かふ
みけむかう 【御食向かふ】 (枕詞)
食膳で向かい合っている食物,葱(キ)・粟(アワ)・味鴨・蜷(ミナ)の意からか,地名「城上(キノヘ)」「淡路」「味原(アジフ)」「南淵山(ミナブチヤマ)」にかかる。「―城上の宮を常宮(トコミヤ)と定めたまひて/万葉 196」「―淡路の島に直(タダ)向ふ敏馬(ミヌメ)の浦の/万葉 946」
御食津神
みけつかみ 【御食津神・御饌津神】
(1)食物をつかさどる神。大気都比売神(オオゲツヒメノカミ)・保食神(ウケモチノカミ)・倉稲魂神(ウカノミタマノカミ)・豊宇気毘売神(トヨウケヒメノカミ)・若宇迦乃売神(ワカウカノメノカミ)など。
(2)(「三狐神」とも書く)宇賀御魂神(ウカノミタマノカミ),すなわち稲荷(イナリ)の神の別名。
御飯
ごはん [1] 【御飯】
めし・食事の丁寧な言い方。「―にする」「―をよそる」「―を食べる」
御飯
おまんま [2] 【御飯】
「ごはん」の俗な言い方。「これでは―の食いあげだ」
御飯
ごはん【御飯】
(boiled) rice (めし);→英和
<take,have> a meal (食事).→英和
〜をたく boil rice.‖御飯どき mealtime.
御飯粒
ごはんつぶ [4] 【御飯粒】
めしつぶ。
御飯蒸
ごはんむし [2] 【御飯蒸(し)】
蒸し器の別称。
御飯蒸し
ごはんむし [2] 【御飯蒸(し)】
蒸し器の別称。
御飾り
おかざり [2][0] 【御飾り】
(1)神仏の前の飾り物や供え物。
(2)正月の飾り物。輪飾りなど。[季]新年。
御館
みたち 【御館】
(1)国府の庁を敬っていう語。「―より出でたうびし日より/土左」
(2)貴人の館(ヤカタ)を敬っていう語。「我らのまゐる―はこれでござるか/狂言・餅酒」
(3)領主。殿様。「此れは―の名立にも有らんと云て/今昔 24」
御饌
みけ 【御食・御饌】
(1)天皇の食事の料。「―つ国」「この日肇めて―進(タテマツ)りて/日本書紀(天武訓)」
(2)神饌(シンセン)。「―殿」
御饌
ごせん [0] 【御饌】
〔「御饌米」の略〕
神に供える米。
御饌
ぎょせん [0] 【御饌】
(1)神に供える食べ物。
(2)高貴の人,特に天皇の食べ物。みけ。供御(クゴ)。
御饌歌
みけうた 【御饌歌】
平安時代,神饌(シンセン)を奉る神饌祭に奏された神事歌謡。
御饌殿
みけどの 【御饌殿】
神饌を調理する建物。伊勢神宮では豊受大神宮にある。みけでん。御膳宿(ミケノヤドリ)。
御饌津神
みけつかみ 【御食津神・御饌津神】
(1)食物をつかさどる神。大気都比売神(オオゲツヒメノカミ)・保食神(ウケモチノカミ)・倉稲魂神(ウカノミタマノカミ)・豊宇気毘売神(トヨウケヒメノカミ)・若宇迦乃売神(ワカウカノメノカミ)など。
(2)(「三狐神」とも書く)宇賀御魂神(ウカノミタマノカミ),すなわち稲荷(イナリ)の神の別名。
御饗
みあえ 【御饗】
飲食のおもてなし。「―奉る/日本書紀(神武)」
御首
みぐし 【御首・御頭】
首・頭の敬称。「―もたげ/源氏(総角)」
御香香
おこうこう [2] 【御香香】
香々(コウコウ)を丁寧にいう語。おこうこ。
御馳走
ごちそう【御馳走】
a dinner;→英和
a treat (もてなし).→英和
〜さまでした Thank you for a wonderful meal.〜する(される) treat <a person> (be treated) to a dinner.
御馳走
ごちそう [0] 【御馳走】 (名)スル
(1)「ちそう(馳走)」の丁寧語。もてなし。また,その酒食。「―にあずかる」「今日は私が―しましょう」
(2)豪勢な料理。贅沢な食事。
御馳走攻め
ごちそうぜめ [0] 【御馳走攻め】
次から次へと御馳走を出してもてなすこと。「―に合う」
御馳走様
ごちそうさま [0][6] 【御馳走様】
(1)御馳走になったことに対して感謝する言葉。また,食後の挨拶(アイサツ)の語。「どうも―でした」
(2)のろけを聞かせられたり,男女の仲のいいところを見せつけられたりした時に,からかって言う語。「あら,聞かせるわねえ。―」
御馴染み
おなじみ [0] 【御馴染み】
「なじみ」を丁寧にいう語。「毎度―のお笑いを一席」「この店の―さん」
御高い
おたか・い [3] 【御高い】 (形)
〔形容詞「高い」に接頭語「お」を付けて,ひやかしの意をこめた語〕
人を見下した態度である。高慢である。「―・く構える」
御高盛
おたかもり [0] 【御高盛(り)】
人の一生の特定の区切りのときに供する,椀に高く盛った飯。すなわち,誕生の日の産飯(ウブメシ),婚礼の日の夫婦固めの飯,死亡の日の枕飯(マクラメシ)。
御高盛り
おたかもり [0] 【御高盛(り)】
人の一生の特定の区切りのときに供する,椀に高く盛った飯。すなわち,誕生の日の産飯(ウブメシ),婚礼の日の夫婦固めの飯,死亡の日の枕飯(マクラメシ)。
御高祖頭巾
おこそずきん [4][5] 【御高祖頭巾】
四角な布で製したかぶりもの。耳へ掛け顔を表すかぶり方と,目のまわりだけ出して頭部全体を包むものがある。多く女性が防寒用に用いた。宝暦(1751-1764)頃から明治時代まで行われた。
〔日蓮上人像のかぶりものに似るからという〕
御高祖頭巾[図]
御髪
おぐし [0] 【御髪】
〔「御櫛」の意か。もと女房詞〕
他人の頭髪,また頭の敬称。「きれいな―ですね」
御髪
みぐし [0] 【御髪】
髪の敬称。おぐし。「をかしの―や/源氏(若紫)」
御髪上げ
おかんあげ 【御髪上げ】
〔「おかみあげ」の転〕
貴人の髪を結うこと。また,その髪を結う人。おぐしあげ。「―にみやづかひをつかうまつりける/浮世草子・一代女 3」
御髪上げ
おぐしあげ [0][3] 【御髪上げ】 (名)スル
貴人の髪を結うこと。また,結う人。みぐしあげ。おかんあげ。「おらんといふ―/浄瑠璃・薩摩歌」
御髪上げ
みぐしあげ [0][5] 【御髪上げ】
(1)貴人の髪を結うこと。また,それを勤める人。
(2)昔,宮中で,陰暦一二月の下の午(ウマ)の日に,天皇・東宮などの一年中の髪のけずり屑(クズ)を蔵人がもらい下げて焼いた儀式。くしあげ。
御髪下ろし
みぐしおろし [4] 【御髪下ろし】
貴人が剃髪(テイハツ)して仏門に入ること。
御髪剃
おかみそり [0] 【御髪剃】
真宗で,髪剃(コウゾ)り{(3)}のこと。
御髪剃り
おこうぞり [0] 【御髪剃り】
⇒こうぞり(髪剃)(3)
御髭
おひげ [0] 【御髭】
ひげを丁寧にいう語。
御魂
みたま [0] 【御霊・御魂】
〔「み」は接頭語〕
(1)死者の霊魂を尊んでいう語。「先祖の―をまつる」「―よ安らかに」
(2)「みたま祭り」の略。「―など見るにも/蜻蛉(下)」
(3)霊威。「我(ア)が主の―賜ひて春さらば/万葉 882」
御鳥喰の神事
おとぐいのしんじ オトグヒ― 【御鳥喰の神事】
祭りの際,神供を鳥(多く烏)がついばむ様子で神意を伺う神事。厳島神社の島廻(メグ)りの神事のものが著名。
御黒戸
おくろど 【御黒戸】
宮中の仏壇のある場所。黒戸。
徧界
へんかい [0] 【遍界・徧界】
〔仏〕 全世界。三千世界。
復
また [0] 【又・復・亦】
■一■ (副)
(1)同じ事柄が再び起きたり,繰り返されたりするさまを表す。
(ア)もう一度。再び。重ねて。「―川の水があふれた」「―のおいでをお待ちします」
(イ)今度も。同様に。やはり。「―うまくいった」「今日も―雨だ」
(2)他と比べて事態・状態が同じであるさまを表す。やはり。同様に。「彼も―人の子である」「私も―彼女が好きです」
(3)もう一つ別の要素が加わるさまを表す。その上に。「彼は―熱血漢でもある」「一人で飲む酒も―よいものだ」
(4)(上にくる副詞を強めて)驚きいぶかしむ気持ちを表す。それにつけても。「よく―そんなことが言えたものだ」「どうして―そんなことをしたのだ」
→またの
→またも
■二■ (接続)
(1)その上に。かつ。「波―波」「詩人として名高いだけでなく,―音楽家でもある」「金もいらない。―地位もいらない」
(2)あるいは。または。「今日でもいい。―明日でもいい」
(3)話題を変えるときに用いる語。それから。ところで。「―,ふもとに一つの柴の庵あり/方丈記」
(4)しかし。「見る時は,―,かねて思ひつるままの顔したる人こそなけれ/徒然 71」
→または
■三■ (接頭)
名詞に付いて,間接である意を表す。「―聞き」「―貸し」
復す
ふく・す [2] 【復す】
■一■ (動サ五)
〔サ変動詞「復する」の五段化〕
「復する」に同じ。「旧に―・す」
■二■ (動サ変)
⇒ふくする
復する
ふく・する [3] 【復する】 (動サ変)[文]サ変 ふく・す
(1)もとの状態に戻る。かえる。「旧に―・する」「健康が―・したのを幸ひに/彷徨(潤一郎)」「帝位に―・するを得たり/花柳春話(純一郎)」
(2)もとの状態に戻す。「気を―・してまた何事かを申せしかを/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
(3)復命する。
(4)繰り返す。反復する。「夜は夜もすがらこれを―・し給ひ/義経記 2」
復する
ふくする【復する】
return <to> ;→英和
restore <to> ;→英和
be restored <to> .
復ち
おち ヲチ 【変若ち・復ち】
〔動詞「おつ(変若)」の連用形から〕
(1)もとに戻ること。「手放れも―もかやすき/万葉 4011」
(2)若返ること。
→いやおち
復ち返る
おちかえ・る ヲチカヘル 【変若ち返る・復ち返る】 (動ラ四)
(1)若返る。「老いぬともまた―・り君をし待たむ/万葉 2689」
(2)もとの場所や状態に返る。繰り返す。「―・り濡(ヌ)るとも来鳴けほととぎす/千載(夏)」
復つ
お・つ ヲツ 【変若つ・復つ】 (動タ上二)
若返る。「わが盛りまた―・ちめやも/万葉 331」
復交
ふっこう フクカウ [0] 【復交】 (名)スル
断絶していた国交が復活すること。
復仇
ふっきゅう フクキウ [0] 【復仇】 (名)スル
(1)かたきをうつこと。あだうち。「―をとげる」
(2)国際法上,外国による自国に対する不法行為に対して,その中止や救済を求めて報復的になされる強制的な行為。本来は違法行為であるが,相手側の違法行為と同程度である場合には違法性が阻却される。
→報復
復代理
ふくだいり [3] 【復代理】
代理人が選任した他人(復代理人)が直接に本人の代理行為をすること。復代理人は本人および第三者に対して,代理人と同じ権利義務を有する。
復任
ふくにん [0] 【復任】 (名)スル
(1)再びもとの官職に任ぜられること。
(2)律令制で,父母の喪にあって官職を解任された者が喪があけてもとの官職に戻ること。
復位
ふくい [2] 【復位】 (名)スル
もとの地位に戻ること。
復元
ふくげん [0] 【復元・復原】 (名)スル
もとの状態や位置に戻すこと。「遺跡の住居を―する」
復元
ふくげん【復元】
restoration.→英和
〜する restore <to the original state> .→英和
復元力
ふくげんりょく [3] 【復原力・復元力】
船舶や飛行機などが傾斜した時,もとの状態に戻ろうとしてはたらく力。
復党
ふくとう [0] 【復党】 (名)スル
もといた党へ戻ること。
復円
ふくえん [0] 【復円】 (名)スル
日食や月食が終わり,太陽や月がもとの円形にかえること。
⇒第四接触
復写し
またうつし [0] 【復写し】 (名)スル
写したものから,さらに写すこと。「ノートを―する」
復刊
ふっかん フク― [0] 【復刊】 (名)スル
中止または廃止していた雑誌・新聞などを,再び刊行すること。また,絶版になっていた書籍類を再び刊行すること。「雑誌が―される」
復刊
ふっかん【復刊(する)】
reissue.→英和
復刊
ふくかん [0] 【復刊】 (名)スル
⇒ふっかん(復刊)
復刻
ふっこく【復刻】
facsimile;→英和
reproduction.→英和
〜する reproduce;→英和
make a facsimile <of> .‖復刻版 a facsimile (edition).
復刻
ふっこく フク― [0] 【覆刻・復刻】 (名)スル
書籍類で,原本そのままに新たな版を作って出版すること。また,その物。「稀覯本(キコウボン)を―する」
復刻本
ふっこくぼん フク― [0] 【覆刻本・復刻本】
原本どおり新たに作った版で再版された本。覆刊本。
復原
ふくげん [0] 【復元・復原】 (名)スル
もとの状態や位置に戻すこと。「遺跡の住居を―する」
復原力
ふくげんりょく [3] 【復原力・復元力】
船舶や飛行機などが傾斜した時,もとの状態に戻ろうとしてはたらく力。
復古
ふっこ【復古】
restoration.→英和
復古調(の) (of) a revival mood.
復古
ふっこ フク― [1][0] 【復古】 (名)スル
昔の状態・体制に戻ること。また,戻すこと。「―思想」「王制に―する」
復古大和絵派
ふっこやまとえは フク―ヤマトヱ― 【復古大和絵派】
江戸後期に興った画派。土佐派・住吉派にかわる古典的大和絵の復興を目指した。田中訥言(トツゲン)を中心とし岡田(冷泉)為恭(タメチカ)など。皇室を尊重するところから討幕運動にかかわる者も多く,安政の大獄に連座した浮田一蕙(イツケイ)なども出た。
復古学
ふっこがく フク― [3] 【復古学】
⇒古学(コガク)(1)
復古神道
ふっこしんとう フク―タウ [4] 【復古神道】
江戸後期の復古主義的神道説。それまでの神道が含んでいた儒仏などの不純要素をしりぞけ,記紀などの古典に描かれた惟神(カンナガラ)の道にかえるべきであるとした。荷田春満(アズママロ)・賀茂真淵・本居宣長によって唱えられ,平田篤胤・大国隆正に及んで一大勢力となり,幕末尊攘思想,維新期の神仏分離・廃仏毀釈に大きな影響を与えた。
復古調
ふっこちょう フク―テウ [0] 【復古調】
過去の思想や制度・流行などに戻ろうとする傾向。
復命
ふくめい [0] 【復命】 (名)スル
命令を受けて行なった事柄の経過や結末を報告すること。復申。「社に帰つて,僕は得意で―した/ヰタ・セクスアリス(鴎外)」
復命する
ふくめい【復命する】
(make a) report <to a person> .→英和
復員
ふくいん【復員】
demobilization.〜する be demobilized.
復員
ふくいん [0] 【復員】 (名)スル
戦時体制の軍隊を平時体制に戻し,兵員の召集を解くこと。「大陸から―する」
復唱
ふくしょう [0] ―シヤウ 【復唱】 ・ ―シヨウ 【復誦】 (名)スル
受けた命令などを確認するため,その命令を繰り返して言うこと。「命令を―する」
復唱
ふくしょう【復唱】
repetition.→英和
〜する repeat.→英和
復啓
ふくけい [0] 【復啓】
⇒ふっけい(復啓)
復啓
ふっけい フク― [0] 【復啓】
返信の冒頭に用いる語。拝復。
復姓
ふくせい [0] 【復姓】 (名)スル
もとの姓に戻ること。旧姓に復すること。
→復氏(フクウジ)
復学
ふくがく [0] 【復学】 (名)スル
休・停学中の学生・生徒や退学した者が,学校に戻ること。「病気がなおって―する」
復学する
ふくがく【復学する】
return to school.
復寝
またね [0] 【又寝・復寝】
一度目を覚まして再び寝ること。
復席
ふくせき [0] 【復席】 (名)スル
離れた席に再び戻ること。
復帰
ふっき フク― [0] 【復帰】 (名)スル
もとの地位・状態に帰ること。「政界に―する」「現役に―する」
復帰
ふっき【復帰】
(a) return <to> ;→英和
a comeback.→英和
〜する return <to> ;make one's[a]comeback <to> .
復文
ふくぶん [0] 【復文】
書き下した漢文を原文に戻すこと。
復日
ふくにち [0] 【復日】
陰陽道(オンヨウドウ)で,その月に配する五行と,その日の五行とが重なる日。吉事を行えば吉事が重なり,凶事を行えば凶事が重なるとされる。結婚・葬儀は忌む。
復旦大学
ふくたんだいがく 【復旦大学】
中国上海市にある文理科総合大学。1905年フランス協会系震旦学院が分離,復旦公学設立。17年現名となる。
復旧
ふっきゅう【復旧】
restoration;→英和
reconstruction;→英和
repair (修理).→英和
〜する be restored;repair.道路は〜した The road has been reopened.‖復旧工事 repair work.
復旧
ふっきゅう フクキウ [0] 【復旧】 (名)スル
前の状態にもどすこと。こわれた物や乱れたものがもとの状態にもどること。「―作業」「ダイヤが―する」「―の見込みがたたない」
復校
ふっこう フクカウ [0] 【復校】 (名)スル
休学・退校した者が,またもとの学校へもどること。復学。
復業
ふくぎょう [0] 【復業】 (名)スル
一度やめていた業務に戻ること。「育児休暇を終えて―する」
復楽園
ふくらくえん 【復楽園】
〔原題 Paradise Regained〕
ミルトンの叙事詩。1671年刊。「失楽園」の続編。新約聖書に材を取り,荒野におけるサタンの誘惑にキリストが打ち勝つ過程を描く。
復権
ふっけん フク― [0] 【復権】 (名)スル
(1)一度失った権利・権力を回復すること。
(2)恩赦の一種。刑の言い渡しによって喪失し,または停止された資格や権利を回復させること。
(3)破産者が破産の宣告により失った公私の権利を享有する資格を回復すること。
復権
ふくけん [0] 【復権】 (名)スル
⇒ふっけん(復権)
復権
ふっけん【復権】
rehabilitation;reinstatement.→英和
〜する be rehabilitated;be reinstated.
復氏
ふくうじ [3] 【復氏】
婚姻,養子縁組等により氏を改めた者が,以前の氏にもどること。離婚・離縁・配偶者の死亡などによる。ふくし。
復氏
ふくし [0] 【復氏】
⇒復氏(フクウジ)
復水
ふくすい [0] 【復水】
蒸気を液体の状態に戻すこと。
復水器
ふくすいき [3] 【復水器】
蒸気機関で,一度動力として用いた水蒸気を冷却して凝固させるとともに,機関内圧力を大気圧以下に保つ働きをする装置。コンデンサー。凝汽器。
復氷
ふくひょう [0] 【復氷】
氷に圧力をかけると融解して水となり,圧力を除くと再び氷に戻る現象。例えば,氷を針金で巻いてつるすと針金が氷の中に入りこんでその跡は氷に戻る。
復活
ふっかつ フククワツ 【復活】
〔原題 (ロシア) Voskresenie〕
レフ=トルストイの長編小説。1899年刊。殺人罪に問われた娼婦カチューシャが,かつて自分が犯した娘であることを知った公爵ネフリュードフの改心と救援活動を描き,帝政ロシアの腐敗した現実を告発する。
復活
ふっかつ【復活】
revival (再生);→英和
restoration (再興);→英和
the Resurrection (of Christ) (キリストの).〜する revive;→英和
be restored.〜させる revive;restore.→英和
‖復活祭 Easter.
復活
ふっかつ フククワツ [0] 【復活】 (名)スル
(1)生きかえること。よみがえること。蘇生。
(2)衰えたもの・廃止したものを再び用い,盛んにすること。「対抗試合を―する」
(3)ユダヤ教・キリスト教で,一度死んだ者が再びよみがえるという信仰。特に,キリスト教で,イエス-キリストの復活をいい,教理の核心をなす。
復活折衝
ふっかつせっしょう フククワツ― [5] 【復活折衝】
⇒予算(ヨサン)折衝
復活祭
ふっかつさい フククワツ― [4] 【復活祭】
キリスト教で,イエス-キリストの復活を記念する祝祭日。春分後の最初の満月のあとの日曜日に行われる。イースター。[季]春。
復申
ふくしん [0] 【復申】
(1)返答をすること。返事。
(2)命令を受けた者がその結果を報告すること。復命。
復礼
ふくれい [0] 【復礼】
礼の本質に立ち返り,礼をふみ行うこと。
復社
ふくしゃ [0] 【復社】 (名)スル
退職・休職していた人が,もとの会社にもどること。
復祚
ふくそ [2] 【復祚】 (名)スル
「重祚(チヨウソ)」に同じ。
復答
ふくとう [0] 【復答】 (名)スル
答えること。返答。
復籍
ふくせき [0] 【復籍】 (名)スル
離縁・離婚などにより,縁組・婚姻前のもとの戸籍にかえること。
→復氏(フクウジ)
復縁
ふくえん [0] 【復縁】 (名)スル
離縁していた夫婦・養子などが再びもとの関係にもどること。「―を迫る」
復縁する
ふくえん【復縁する】
be reinstated as a person's wife[husband].
復習
さらい サラヒ [0] 【復習】
〔動詞「復習(サラ)う」の連用形から〕
(多く「おさらい」の形で)
(1)復習すること。さらえ。「ピアノのお―をする」「男は三五郎を中に仁和賀の―/たけくらべ(一葉)」
(2)音曲・舞踊などで,師匠が教えたことを弟子に演じさせること。さらえ。「踊りの大―」「十四の春金子で―のあつたとき/安愚楽鍋(魯文)」
→おさらい
復習
さらえ サラヘ [0] 【復習】
「さらい(復習)」に同じ。
復習
ふくしゅう [0] 【復習】 (名)スル
一度習ったことを繰り返して勉強すること。おさらい。
⇔予習
「漢字の―」
復習
ふくしゅう【復習(する)】
review <one's lessons> .→英和
復習う
さら・う サラフ [0] 【復習う】
〔「浚(サラ)う」と同源〕
■一■ (動ワ五[ハ四])
教わったことを繰り返し練習する。復習する。おさらいする。さらえる。「何か舞の手を―・つて居るらしい/続風流懺法(虚子)」
[可能] さらえる
■二■ (動ハ下二)
⇒さらえる
復習える
さら・える サラヘル [0] 【復習える】 (動ア下一)[文]ハ下二 さら・ふ
「さらう(復習)」に同じ。「この話をば…―・へ行くほどに/即興詩人(鴎外)」
復職
ふくしょく【復職】
reinstatement.→英和
〜する return to one's post;be reinstated in one's (former) post.
復職
ふくしょく [0] 【復職】 (名)スル
もとの職に再び戻ること。「病気が治り―する」
復興
ふっこう フク― [0] 【復興】 (名)スル
一度衰えたものが,再び盛んになること。また,盛んにすること。「戦災都市を―する」「文芸―」
復興
ふっこう【復興】
revival;→英和
reconstruction (再建).→英和
〜する revive;→英和
be reconstructed.
復興金融金庫
ふっこうきんゆうきんこ フク― 【復興金融金庫】
第二次大戦後,経済復興促進のため,1947年(昭和22)政府出資によって設立された特殊法人の金融機関。52年債務・債権を日本開発銀行に引き継いで解散した。
復航
ふっこう フクカウ [0] 【復航】 (名)スル
船舶・飛行機が目的地から出発地へ帰る運航。
⇔往航
復蜟
にしどち [0] 【復蜟】
蛹(サナギ)の異名。特に,アゲハチョウやスズメガの蛹にいう。指でつまんで「西,どっち」と問うと,答えるように腰から上を振るという。入道虫。西向け。にしどっち。
復誦
ふくしょう [0] ―シヤウ 【復唱】 ・ ―シヨウ 【復誦】 (名)スル
受けた命令などを確認するため,その命令を繰り返して言うこと。「命令を―する」
復読
ふくどく [0] 【復読】 (名)スル
繰り返して読むこと。「一版の本を再々―するが如く/文明論之概略(諭吉)」
復調
ふくちょう [0] 【復調】 (名)スル
(1)(体などの)具合がもとに戻ること。「―するまで休ませよう」
(2)変調波から信号波を取り出す操作。検波(ケンパ)。
復讐
ふくしゅう【復讐】
revenge.→英和
〜する revenge (oneself) <on a person> ;take revenge <for,on> .
復讐
ふくしゅう [0] 【復讐】 (名)スル
かたきを討つこと。仕返しをすること。「敵に―する」
復路
ふくろ [2][1] 【復路】
かえりみち。帰路。
⇔往路
復辟
ふくへき [0] 【復辟】 (名)スル
〔「辟」は君主の意〕
退位した君主が再び位につくこと。
復道
ふくどう [0] 【複道・復道】
上下で往来できるように二重に作った廊下。
復配
ふくはい [0] 【復配】 (名)スル
配当を復活すること。
復飾
ふくしょく [0] 【復飾】 (名)スル
「還俗(ゲンゾク)」に同じ。
循循
じゅんじゅん [0] 【循循】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)秩序のあるさま。
(2)ものごとにこだわらないさま。「唯―と歩いて行けば,目的地には達せられるのだ/思出の記(蘆花)」
循環
じゅんかん【循環】
circulation;→英和
rotation.〜する circulate;→英和
rotate;→英和
recur.→英和
血の〜が良(悪)い have a good (bad) circulation.‖循環器《医》the circulatory organs[system].循環系統 the circulating system.循環小数《数》recurring decimals.循環線 a loopline.
循環
じゅんかん [0] 【循環】 (名)スル
(1)閉じた回路を繰り返し通ること。ひとめぐりすること。「市内を―するバス」「血液の―」
(2)一連の変化の過程を繰り返すこと。「水の―」「大気の―」
循環器
じゅんかんき [3] 【循環器】
栄養物や酸素などを体内の各部分に運び,また体内の各部分から老廃物を集めて運ぶ器官。心臓・血管・リンパ節・リンパ管など。
循環小数
じゅんかんしょうすう [5][7] 【循環小数】
〔数〕 小数部分に,いくつかの数が,同じ順序で繰り返される小数。1/3=0.3333… のように,小数第一位から循環するものを純循環小数,7/22=0.3181818… のように,小数第二位以下から循環するものを混循環小数という。
循環形式
じゅんかんけいしき [5] 【循環形式】
〔音〕 多楽章の楽曲で,同じ主題や動機が全楽章または二つ以上の楽章に現れる形式。
循環気質
じゅんかんきしつ [5] 【循環気質】
クレッチマーの分類による気質の一。同調性が高く親しみやすい。陽気で活動的な躁の状態と憂鬱で優柔不断な鬱の状態との間で気分が変動したり,一方に傾いたりする。肥満型の体型の者に多いとされる。躁鬱気質。
循環系
じゅんかんけい [0] 【循環系】
血液およびリンパを循環させる器官の集まり。血管系とリンパ管系に区別される。脈管系(ミヤクカンケイ)。
循環論法
じゅんかんろんぽう [5] 【循環論法】
〔論〕 論点先取の誤謬の一つで,論証すべき結論を潜在的・顕在的に論証の前提とするような論証の方法。循環論証。
循環過程
じゅんかんかてい [5] 【循環過程】
サイクル{(1)}に同じ。
循良
じゅんりょう [0] 【順良・循良】 (名・形動)[文]ナリ
すなおで性質のよいさま。「性質は極―で/思出の記(蘆花)」
循行
じゅんこう [0] 【循行】 (名)スル
(1)順にめぐり歩くこと。巡行。
(2)命令に服従して行うこと。
徭夫
ようふ エウ― [1] 【徭夫】
律令制で,徭役に従事する人夫。
徭役
ようえき エウ― [0] 【徭役】
律令制下の労役の総称。特に,雑徭(ゾウヨウ)と歳役(サイエキ)。
微
び [1] 【微】 (名・形動)[文]ナリ
(1)非常に小さいこと。きわめて細かいこと。また,そのさま。
(2)かすかなこと。わずかであること。弱々しいこと。また,そのさま。「聖人邪鬼の説遂に―なり/新聞雑誌 56」
(3)数の単位。忽(コツ)の一〇分の一,すなわち一〇〇万分の一。[塵劫記]
微々たる
びび【微々たる】
small;→英和
little;→英和
slight;→英和
insignificant.→英和
微か
かすか [1] 【幽か・微か】 (形動)[文]ナリ
(1)物の形・音などがかろうじて認められる程度であるさま。勢いがなくて,弱々しいさま。「―な音」「―な記憶」「―に息をしている」
(2)物寂しいさま。人けのないさま。「人多う住み侍りけるを。今はいと―にこそなり行くめれ/源氏(夢浮橋)」
(3)人目につかぬさま。「七八人ばかり御供にて,いと―にいで立ち給ふ/源氏(須磨)」
(4)みすぼらしいさま。貧弱なさま。「―なる渡世に年月かさねしうちに/浮世草子・桜陰比事 4」
微に入り細にわたって
び【微に入り細にわたって】
⇒詳しく.
微係数
びけいすう [2][4] 【微係数】
⇒微分係数(ビブンケイスウ)
微傷
びしょう [0] 【微傷】
ほんのわずかな傷。軽傷。かすり傷。
微光
びこう【微光】
a faint light;a glimmer.→英和
微光
びこう [0] 【微光】
かすかな光。また,前途へのわずかな希望のたとえ。「事件解決の―すら見えない」
微分
びぶん [0] 【微分】 (名)スル
(1)〔differentiation〕
ある関数の導関数を求めること。
→導関数
→積分
(2)〔differential〕
関数 �=�(�)で変数 � の微小の増分 Δ� に対して,�′(�)Δ� を � の微分といい,�� と書く。
微分
びぶん【微分】
《数》differential calculus.微分方程式 a differential equation.
微分係数
びぶんけいすう [4][6] 【微分係数】
関数 �=�(�)の �=� における増加率を極限値で表したもの。�′(�)は点(�,�(�))におけるこの関数のグラフの傾きである。微係数。微分商。変化率。
微分学
びぶんがく [2] 【微分学】
微分法とそれに関連した理論・応用を研究する数学の一分科。
微分幾何学
びぶんきかがく [5] 【微分幾何学】
微積分学を用いて曲線・曲面の性質を研究する幾何学。
微分方程式
びぶんほうていしき [6] 【微分方程式】
未知関数の導関数を含んだ方程式。未知関数が一変数の場合は常微分方程式,多変数の場合は偏微分方程式という。また,この未知関数を求めることを,微分方程式を解くという。
微力
びりょく [0] 【微力】
(1)ごくわずかの力しかないこと。また,その力。
(2)自分の力量をへりくだっていう語。「―ながらお手伝いします」
微力を尽す
びりょく【微力を尽す】
do what one can;do one's best.
微功
びこう [0] 【微功】
わずかな手柄。
微動
びどう [0] 【微動】 (名)スル
ほんのちょっと動くこと。「―だにしない」「風なきにむら��と―する如く/吾輩は猫である(漱石)」
微動だにしない
びどう【微動だにしない】
stand firm;do not move an inch.→英和
微化石
びかせき [2] 【微化石】
光学顕微鏡でなければ観察できないほどの小さな化石。放散虫・有孔虫やケイ藻類などの微小生物や,花粉など生物体の一部が含まれる。
微吟
びぎん [0] 【微吟】 (名)スル
小声で詩歌などをうたうこと。「一詩を―す/浮城物語(竜渓)」
微塵
みじん [0] 【微塵】
〔「み」は呉音〕
(1)細かいちり。
(2)〔仏〕 物質の最小単位の極微(ゴクミ)が六方から集まったきわめて小さい単位。
(3)きわめて細かいもの。「粉(コナ)―」
(4)砕けて非常に細かくなること。「―に打ち砕かれる」
微塵になる
みじん【微塵になる】
be broken to pieces.〜も…ない not a bit[whit].→英和
〜切りにする mince.→英和
微塵も
みじんも [0] 【微塵も】 (副)
(下に打ち消しの語を伴って)ほんの少しも。いささかも。「だますなどという気持ちは―なかった」
微塵切り
みじんぎり [0] 【微塵切り】
料理で,材料を細かく切り刻むこと。また,そのもの。
微塵子
みじんこ [0] 【微塵子・水蚤】
甲殻綱鰓脚(サイキヤク)亜綱枝角目の節足動物。形は卵形で,体長1〜3ミリメートル。半透明で,無色・淡黄色・淡紅色など。夏は単為生殖,温度が下がって環境が悪くなると雄が生じて両性生殖を行う。浅い池や水田にすむ。世界各地に広く分布。また,橈脚(ジヨウキヤク)亜綱のケンミジンコ類を含めて,微小な甲殻類の総称にもいう。
微塵子[図]
微塵子
みじんこ【微塵子】
《動》a water flea.
微塵棒
みじんぼう [0] 【微塵棒】
駄菓子の名。微塵粉に砂糖を加えて煮固め,細長く棒状にねじったもの。
微塵流
みじんりゅう ミヂンリウ 【微塵流】
剣術の一派。祖は天正(1573-1592)の頃の人,根岸兎角。
微塵粉
みじんこ [0] 【微塵粉】
蒸して干した糯米(モチゴメ)をひいて粉にしたもの。菓子の材料などに用いる。
微塵縞
みじんじま [0] 【微塵縞】
縞柄の名。たて・よこともに二色の糸を二本おきに織り合わせた,きわめて細かい格子縞。微塵。
→縞
微塵骨灰
みじんこっぱい [4] 【微塵骨灰】
微塵を強めていう語。こっぱみじん。こなみじん。
微増
びぞう [0] 【微増】 (名)スル
わずかに増えること。
⇔微減
「人口が―しつつある」
微妙
びみょう [0] 【微妙】 (名・形動)[文]ナリ
(1)なんともいえない味わいや美しさがあって,おもむき深い・こと(さま)。「―な色彩のバランス」
(2)はっきりととらえられないほど細かく,複雑で難しい・こと(さま)。「両国の関係は―な段階にある」「―な意味あいの言葉」
[派生] ――さ(名)
微妙
びみょう【微妙(さ)】
subtlety;→英和
delicacy.→英和
〜な subtle;→英和
delicate;→英和
fine.→英和
微妙
みみょう [0] 【微妙】 (名・形動)[文]ナリ
〔「み」は呉音〕
何とも言えずすばらしい・こと(さま)。「―な音楽/春(藤村)」「―の財を金の箱に盛り満て/今昔 1」
微官
びかん [0] 【微官】
■一■ (名)
階級の低い官職。卑官。
■二■ (代)
一人称。官吏が自分をへりくだっていう語。小官。卑官。
微小
びしょう [0] 【微小】 (名・形動)[文]ナリ
きわめて小さい・こと(さま)。「―な生物」「―な動き」
微小な
びしょう【微小な】
very small;minute;→英和
tiny.→英和
微小体
びしょうたい [0] 【微小体】
真核生物の細胞小器官の一。一重膜に包まれた直径0.3〜1.5マイクロメートルの小体。カタラーゼと多数の酸化酵素を含む。物質の酸化と,それによって生じた過酸化水素の分解とに関与。ミクロボディー。マイクロボディー。ペルオキシソーム。
→グリオキシソーム
微小地震
びしょうじしん [4] 【微小地震】
マグニチュード三以下,一以上の地震。一以下を極微小地震という。
微小管
びしょうかん [0] 【微小管】
細胞内に見られる微小な中空の管。細胞の形の形成・保持および運動に関与。
微少
びしょう [0] 【微少】 (名・形動)[文]ナリ
取るに足りないほど少ない・こと(さま)。「銅銭は価―にして/新聞雑誌 16」
微少な
びしょう【微少な】
very little;next to nothing.
微弱
びじゃく [0] 【微弱】 (名・形動)[文]ナリ
かすかで弱い・こと(さま)。「―な振動」「陣痛―」「輿論も―にして勢力を政事上に及ぼすことが出来ぬのであります/花間鶯(鉄腸)」
[派生] ――さ(名)
微弱な
びじゃく【微弱な】
weak;→英和
feeble.→英和
微微
びび [1] 【微微】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
数量や程度がごくわずかであるさま。取るに足りないさま。「私の功績など―たるものだ」
■二■ (形動ナリ)
{■一■}に同じ。「事の儀式余りに―ならんは吾が朝の恥なるべしとて/太平記 4」
微微たる
びびたる [1] 【微微たる】
⇒びび(微微)■一■
微志
びし [1] 【微志】
わずかな志(ココロザシ)。寸志。自分の志をへりくだっていうことが多い。
微恙
びよう [0] 【微恙】
ちょっとした病気。軽い病気。「霞亭は―があつた/北条霞亭(鴎外)」
微惑星
びわくせい [2] 【微惑星】
太陽系の生成時に互いの衝突・合体により原始惑星に成長する小天体。原始太陽系の周辺部は個体微粒子によって固体層の円盤ができるが,ここの密度が高くなると円盤は分裂し,無数の微惑星になったと考えられている。
→原始太陽系
微意
びい [1] 【微意】
わずかな志。自分の志・気持ちをへりくだっていう語。「感謝の―を表す」
微才
びさい [0] 【微才】
わずかな才能。また,自分の才能をへりくだっていう語。
微旨
びし [1] 【微旨】
奥が深くて微妙な趣旨。
微明
びめい [0] 【微明】
かすかに明るいこと。うすあかり。
微服
びふく [0] 【微服】 (名)スル
人目につかないように,身なりをやつすこと。しのびすがた。「汚ない風(フウ)をして居るが,此れぞ―した天才であらふ/思出の記(蘆花)」
微気候
びきこう [2] 【微気候】
地表より100メートルくらいまで(2メートル以下のこともある)の狭い範囲の気候。
→微気象
微気圧計
びきあつけい [0] 【微気圧計】
気圧の微小な変化を測定できる,きわめて感度のよい自記気圧計。気圧そのものではなく,火山爆発や核爆発などによる気圧の微小振動を測る。
微気象
びきしょう [2] 【微気象】
地表より100メートルくらいまで(2メートル以下のこともある),水平的には数メートルから数キロメートルの範囲に起こる気象現象。地表・地形・建物・植生・農作物などの影響を受けて微細な変化を生じる。農業や生物の生活環境に大きな影響をもつ。
微波
びは [1] 【微波】
わずかに立つ波。さざ波。
微減
びげん [0] 【微減】 (名)スル
わずかに減ること。
⇔微増
「利益が―する」
微温
びおん [0] 【微温】 (名・形動)[文]ナリ
(1)わずかに温かいこと。なまあたたかいこと。また,そのさま。
(2)なまぬるいこと。手ぬるいこと。また,そのさま。「―な態度」
微温
ぬるま [0] 【微温】
(1)ぬるいこと。びおん。
(2)「ぬるま湯」の略。
(3)のろま。お人よし。「気の永井―の頭(カミ),武士のまね仕損ずなと/浄瑠璃・大塔宮曦鎧」
微温む
ぬる・む [2] 【温む・微温む】
■一■ (動マ五[四])
(1)熱いものの熱がやや冷める。「―・んだ茶に咽喉(ノド)を湿ほしつつ/社会百面相(魯庵)」
(2)冷たいものの温度が上がって,冷たさがゆるむ。ぬるくなる。「水―・む頃」
(3)病気で体温が上がる。「御身も―・みて御心地もいと悪しけれど/源氏(若菜下)」
■二■ (動マ下二)
⇒ぬるめる
微温める
ぬる・める [3] 【温める・微温める】 (動マ下一)[文]マ下二 ぬる・む
お湯などの温度を下げる。ぬるくする。「水で風呂を―・める」
微温湯
ぬるまゆ [0][3] 【微温湯】
(1)温度の低い湯。ぬるい湯。ぬる湯。
(2)刺激や緊張のない生活や環境にたとえていう語。
微温湯
ぬるゆ [0][2] 【微温湯】
「ぬるま湯{(1)}」に同じ。
微温湯
ぬるまゆ【微温湯】
tepid[lukewarm]water.
微温湯
びおんとう [0] 【微温湯】
温度の低い湯。ぬるまゆ。
微温火
ぬるび [0] 【微温火】
火力の弱い火。とろび。
微温的
びおん【微温的】
lukewarm;→英和
halfhearted (態度の).
微温的
びおんてき [0] 【微温的】 (形動)
なまぬるいさま。物事や態度が中途はんぱで徹底しないさま。「―な処置」
微熱
びねつ【微熱(がある)】
(have) a slight fever.
微熱
びねつ [0] 【微熱】
その人の平熱よりもちょっと高い熱。
微瑕
びか [1] 【微瑕】
少しのきず。わずかな欠点。
微生物
びせいぶつ [2] 【微生物】
肉眼では観察できない,きわめて小さな生物。通常,細菌・酵母・原生動物などをさすが,ウイルスを含めたり,場合によって多細胞の藻類まで含めたりすることもある。
微生物
びせいぶつ【微生物】
a microorganism.→英和
微生物学 microbiology.→英和
微生物学
びせいぶつがく [5] 【微生物学】
微生物を研究対象とする学問。病原微生物学・発酵微生物学・土壌微生物学などのほか,微生物遺伝学・微生物生化学など研究手法による分野がある。
微生物蛋白質
びせいぶつたんぱくしつ [9] 【微生物蛋白質】
〔single-cell protein〕
細菌や酵母など微生物の体内に含まれるタンパク質。糖類・デンプン・炭化水素類などを原料にし,これらの微生物を培養して得る。石油系の炭化水素を利用したものは石油タンパクと呼ばれる。SCP 。単細胞タンパク質。
微睡
びすい [0] 【微睡】
少しの間ねむること。まどろむこと。
微睡
まどろみ [0] 【微睡】
まどろむこと。
微睡む
まどろ・む [3] 【微睡む】 (動マ五[四])
(1)ちょっとの間眠る。仮眠する。「木陰で―・む」
(2)眠る。熟睡する。「わかき人は何心なく,いとよう―・みたるベし/源氏(空蝉)」
微禄
びろく [0] 【微禄】 (名)スル
(1)わずかの俸禄。
(2)おちぶれること。「妾(ワタシ)を―させるまではどんなに仕合せだつたか/罪と罰(魯庵)」
微積分
びせきぶん [3][2] 【微積分】
(1)微分と積分。
(2)「微積分学」の略。
微積分学
びせきぶんがく [4] 【微積分学】
微分と積分についての学問。また,微分学と積分学および両者の関連を考える学問。
微笑
みしょう [0] 【微笑】 (名)スル
〔「み」は呉音〕
「微笑(ビシヨウ)」に同じ。「拈華(ネンゲ)―」「花を捻(ヒネ)りつ―するを/風流仏(露伴)」
微笑
びしょう【微笑】
a smile.→英和
〜する smile <at> .〜して with a smile;smilingly.
微笑
びしょう [0] 【微笑】 (名)スル
ほほえむこと。ほほえみ。「思わず―を浮かべる」
微笑ましい
ほほえましい【微笑ましい】
pleasing;lovely.→英和
微笑ましい
ほほえまし・い [5] 【微笑ましい・頬笑ましい】 (形)[文]シク ほほゑま・し
好ましくて,思わず微笑したくなる。ほおえましい。「―・い光景」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
微笑ましい
ほおえまし・い ホホヱマシイ [5] 【微笑ましい】 (形)
⇒ほほえましい
微笑み
ほおえみ ホホヱミ [4][0] 【微笑み】
⇒ほほえみ
微笑み
ほほえみ [0][4] 【微笑み・頬笑み】
ほほえむこと。微笑(ビシヨウ)。ほおえみ。「―を浮かべる」
微笑み
ほほえみ【微笑み】
a smile.→英和
⇒微笑む.
微笑む
ほおえ・む ホホヱム [3] 【微笑む】 (動マ五[四])
⇒ほほえむ
微笑む
ほほえむ【微笑む】
smile <at> .→英和
微笑みながら with a smile.
微笑む
ほほえ・む [3] 【微笑む・頬笑む】 (動マ五[四])
〔後世「ほおえむ」とも〕
(1)わずかに笑う。古くは苦笑・冷笑などにもいう。「かすかに―・む」「いと若びていへば,げにと―・まれ給ひて/源氏(夕顔)」
(2)花が少しひらく。「桜が―・む」
微粒子
びりゅうし [2] 【微粒子】
非常に細かい粒。微粒。
微粒子
びりゅうし【微粒子】
《理》a corpuscle.→英和
微粒子フィルム a fine-grained film.
微粒子病
びりゅうしびょう [0] 【微粒子病】
蚕の病気の一。原生動物ノセマ-ボンビシスの寄生によって生じ,桑を食べなくなり,黒褐色の小斑点ができて死ぬ。
微細
びさい [0] 【微細】 (名・形動)[文]ナリ
きわめて細かな・こと(さま)。みさい。「説明は―な点にまでわたる」「―に追究する」
微細
みさい 【微細】 (名・形動ナリ)
〔「み」は呉音〕
「びさい(微細)」に同じ。「―ナコトヲナヲセラレソ/日葡」
微細な
びさい【微細な】
minute;→英和
detailed (詳細な);→英和
fine (微細な).→英和
〜に in detail;minutely.→英和
微罪
びざい [0] 【微罪】
軽い罪。程度の軽微な犯罪。
微罪
びざい【微罪】
a minor[petty]offense.
微罪処分
びざいしょぶん [4] 【微罪処分】
微罪で特に刑罰を科す必要がないものを起訴しないで終結させる処分。
微臣
びしん [1] 【微臣】
取るに足りない身分の低い臣下。また,臣下が主君に対してへりくだっていう語。「―いかでか尺寸(セキスン)のはかりごとを以て/太平記 11」
微苦笑
びくしょう [2] 【微苦笑】 (名)スル
微笑とも苦笑ともつかぬ笑い。かすかなにが笑い。「―を浮かべる」
〔久米正雄の造語〕
微苦笑
びくしょう【微苦笑】
⇒苦笑.
微茫
びぼう [0] 【微茫】 (ト|タル)[文]形動タリ
景色などがぼんやりしてはっきりしないさま。「月に淡き銀河一道,―として白く/不如帰(蘆花)」
微落
びらく [0] 【微落】 (名)スル
わずかにさがること。
⇔微騰
微行
びこう [0] 【微行】 (名)スル
身分や地位のある人が,他に知られないようにこっそりと出歩くこと。おしのび。「国君―して民間を廻り/文明論之概略(諭吉)」
微行する
びこう【微行する】
make a private visit <to> .
微衷
びちゅう [0][1] 【微衷】
自分の真心や本心をへりくだっていう語。「―の程を賢察下され/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
微視的
びしてき [0] 【微視的】 (形動)
〔microscopic〕
(1)人間の感覚で識別できないほど現象が微細であるさま。「―な世界」
(2)現象を全体としてでなく,個々別々に微細なところまでとらえようとする態度。ミクロ的。「問題を―にとらえて論ずる」
(3)無数の分子(原子)の集合体である物理系を,構成要素である個々の分子の行動に注目して記述する立場。
⇔巨視的
微視的分析
びしてきぶんせき [5] 【微視的分析】
⇒ミクロ分析
微言
びげん [0] 【微言】 (名)スル
(1)かすかにつぶやくこと。「只だ時器を見て―するのみ/花柳春話(純一郎)」
(2)奥深いすぐれた言葉。「―殆(ホトン)ど及びがたく侍を/六百番歌合」
微調整
びちょうせい [2] 【微調整】
大まかな調整を終えたあとに行う仕上げのためのわずかな調整。
微調整する
びちょうせい【微調整する】
fine-tune.
微賤
びせん [0] 【微賤】
身分や地位が卑しいこと。卑賤。
微躯
びく [1] 【微躯】
いやしいからだ。自分のからだ,また自分自身をへりくだっていう語。
微速
びそく [0] 【微速】
ごくゆったりした速度。「前進―」
微速度撮影
びそくどさつえい [5] 【微速度撮影】
映画撮影で,フィルムを標準速度(毎秒二四齣(コマ))より遅く送行させて撮影すること。このフィルムを標準速度で映写すると,長時間で変化する現象を短時間で再現観察できる。
微運
びうん [0] 【微運】
運にめぐまれないこと。ふしあわせ。「―の至極なり/平治(下・古活字本)」
微酔
びすい [0] 【微酔】
ほんのりと酒に酔うこと。ほろ酔い。
微酔い
ほろよい [0] 【微酔い】 (名)スル
いい気持ちになる程度に酒に酔うこと。また,その状態。
微酔い機嫌
ほろよいきげん [5] 【微酔い機嫌】
ほろ酔いで気持ちのよい状態。一杯機嫌。
微醺
びくん [0] 【微醺】
少し酒に酔うこと。ほろ酔い。「―を帯びる」
微量
びりょう [0] 【微量】
ごくわずかの量。
微量
びりょう【微量】
a very small quantity <of> .
微量元素
びりょうげんそ [4] 【微量元素】
(1)ある物質中に,微量に含まれている元素。
(2)ある生物にとって,微量でよいが,生命の維持に必要な元素,特に,金属元素。
→微量養素
微量分析
びりょうぶんせき [4] 【微量分析】
1〜10ミリグラムくらいの微量な試料を用いて行う化学分析。また,含有量が極めて少ない成分を対象とする化学分析。
微量天秤
びりょうてんびん [4] 【微量天秤】
微量物質を秤量するために小型で精巧に作られた化学天秤。最大秤量10〜30グラム。感量0.001ミリグラム程度。
微量要素
びりょうようそ [4] ―リヤウヤウ― 【微量養素】 ・ ―リヤウエウ― 【微量要素】
(1)ごく微量であるが,植物の生育に欠くことのできない養分。鉄・マンガン・ホウ素・銅など。微量元素。
(2)微量で作用する,動物の成長・生存に欠くことのできない栄養素。ビタミン・無機元素など。
微量養素
びりょうようそ [4] ―リヤウヤウ― 【微量養素】 ・ ―リヤウエウ― 【微量要素】
(1)ごく微量であるが,植物の生育に欠くことのできない養分。鉄・マンガン・ホウ素・銅など。微量元素。
(2)微量で作用する,動物の成長・生存に欠くことのできない栄養素。ビタミン・無機元素など。
微雨
びう [1] 【微雨】
小降りの雨。小雨。
微雪
びせつ [0] 【微雪】
雪が少し降ること。また,その雪。
微雲
びうん [0] 【微雲】
少しの雲。「―月を籠む/日乗(荷風)」
微震
びしん【微震】
a slight earthquake.
微震
びしん [0] 【微震】
(1)かすかな震動。
(2)震度 1 に当たる地震。静止している人,または特に注意している人に感じられる程度のもの。
微音
びおん [0] 【微音】
かすかな音。
微風
びふう【微風】
a breeze.→英和
微風
そよかぜ [2] 【微風】
そよそよと吹く風。びふう。「春の―」
微風
びふう [0] 【微風】
わずかに吹く風。そよかぜ。
微風
そよかぜ【微風】
a gentle breeze;a light wind.
微香
びこう [0] 【微香】
かすかなにおい。
微騰
びとう [0] 【微騰】 (名)スル
わずかにあがること。
⇔微落
徳
とく [0] 【徳】
(1)修養によって得た,自らを高め,他を感化する精神的能力。「―を積む」「―を養う」
(2)精神的・道徳的にすぐれた品性・人格。「先生の―を慕う」「―の高い人」
(3)身に備わっている能力。天性。「よく味(アジワイ)を調へ知れる人,大きなる―とすべし/徒然 122」
(4)めぐみ。神仏の慈悲。加護。おかげ。「―を施す」「神の御―をあはれにめでたしと思ふ/源氏(澪標)」
(5)善政。「師(イクサ)をかへして,―を敷くにはしかざりき/徒然 171」
(6)富。財産。裕福。財力。「上達部の筋にて,中らひも物ぎたなき人ならず,―いかめしうなどあれば/源氏(東屋)」
(7)富を得ること。利益。もうけ。得。「時の受領は世に―有る物といへば/落窪 1」
徳の高い
とく【徳の高い】
virtuous;→英和
<a man> of virtue.
徳一
とくいち 【徳一】
〔「とくいつ」とも。徳溢・得一とも書く〕
平安初期の法相宗の僧。藤原仲麻呂の子という。東大寺に住したが,のち東国に向かい,筑波山に中禅寺を,会津に慧日寺を開創。三乗真実の説を立てて,法華一乗を唱える最澄と三一権実論争を行なった。生没年未詳。
徳万歳
とこまんざい 【徳万歳】
〔「徳若に御万歳」の略〕
子供などがくしゃみをしたときのまじないの語。
徳之島
とくのしま 【徳之島】
鹿児島県奄美諸島の一島。面積248平方キロメートル。サトウキビや大島紬(ツムギ)を産する。アマミノクロウサギが生息。闘牛の盛んなことで知られる。
徳人
とくじん [0] 【徳人】
徳のそなわった人。徳の高い人。
→とくにん(徳人)
徳人
とくにん 【徳人】
(1)金持ち。富豪。「田を多く作りて,器量の―にてあるに/今昔 28」
(2)「とくじん(徳人)」に同じ。
徳俵
とくだわら [3] 【徳俵】
相撲の土俵の四方中央に,俵の幅だけ外側にずらせて置いてある俵。
徳元
とくげん 【徳元】
⇒斎藤(サイトウ)徳元
徳利
とっくり【徳利】
a (sake) bottle.〜のセーター a turtleneck (sweater).→英和
徳利
とっくり [0] 【徳利】
(1)「とくり(徳利){(1)}」に同じ。「五合―」
(2)「とっくり襟」の略。
徳利
とくり [0] 【徳利】
(1)細く高くて口のすぼまっている,酒などの液体を入れるための器。通常,陶製。ガラス製・金属製のものもある。とっくり。銚子。
(2)〔水に入れるとぶくぶく沈むことから〕
泳ぎのできない人。
徳利
とくり【徳利】
⇒徳利(とつくり).
徳利苺
とっくりいちご [5] 【徳利苺】
バラ科の落葉低木。朝鮮・中国原産。キイチゴの類で,庭木ともされる。全体に太いとげがある。葉は互生し,羽状複葉。六月頃,白色の小花を散房花序につける。果実は球形で赤く熟し,食べられる。
徳利蜂
とっくりばち [4] 【徳利蜂】
ドロバチ科のハチ。体長約15ミリメートル。体は黒く,黄斑がある。草木や人家の壁などに泥をかためてつぼ状の巣を造り,産卵後,麻痺させたチョウやガの幼虫を数匹入れ,かえった幼虫の餌にする。サムライトックリバチ・スズバチなどの近縁種を含めることもある。
徳利蜂[図]
徳利襟
とっくりえり [4] 【徳利襟】
⇒タートル-ネック
徳化
とっか トククワ [0] 【徳化】 (名)スル
徳によって教化すること。徳に感化されてよくなること。「師によって―される」
徳和歌後万載集
とくわかごまんざいしゅう 【徳和歌後万載集】
〔「徳若に御万歳」という祝い言葉のもじり〕
狂歌集。一五巻二冊。四方赤良(ヨモノアカラ)(大田南畝の別号)編。1785年刊。「万載狂歌集」の姉妹編。前集より天明調の整った秀吟を収める。
徳器
とっき トク― [1] 【徳器】
(1)身に備わっている徳行と器量。
(2)道徳を守る性質。
徳宗
とくそう 【得宗・徳宗】
〔北条義時の法号を徳宗といったことから〕
鎌倉幕府の執権北条氏嫡流の家督のこと。初代北条時政以下九代を総称。
徳宗
とくそう 【徳宗】
(1)(742-805) 中国,唐の第九代皇帝(在位 779-805)。租庸調制にかえて両税法を施行し,中国の税制史上に一大変革をもたらした。一方,節度使の勢力の鎮圧に苦慮した。
(2)清の光緒(コウシヨ)帝の廟号。
徳富
とくとみ 【徳富】
姓氏の一。
徳富蘆花
とくとみろか 【徳富蘆花】
(1868-1927) 小説家。熊本県生まれ。本名,健次郎。兄蘇峰の民友社社員を経て,「不如帰(ホトトギス)」により文壇に独自の地位を確立。トルストイの影響を受け,キリスト教的人道主義の立場に立ち,粕谷(東京世田谷区)で半農生活に入り,「生活即芸術」の文学をめざした。作品に「自然と人生」「思出の記」「みみずのたはこと」など。本人は姓に「冨」の字を用いた。
徳富蘇峰
とくとみそほう 【徳富蘇峰】
(1863-1957) 評論家。熊本県生まれ。本名,猪一郎。蘆花の兄。民友社を創立し「国民之友」「国民新聞」を刊行。進歩的平民主義に立つ時論家として知られたが,日清戦争前後より国権主義に転じた。第二次大戦中は大日本言論報国会会長となる。戦後,公職追放。著「近世日本国民史」「蘇峰自伝」など多数。
徳山
とくやま 【徳山】
山口県南部,周防灘に面する市。近世,長州藩の支藩毛利氏の城下町,山陽道の宿場町。湾岸に石油化学コンビナートが発達。
徳山大学
とくやまだいがく 【徳山大学】
私立大学の一。1971年(昭和46)設立。本部は徳山市。
徳山石
とくやまいし [4] 【徳山石】
徳山市の黒髪島から産する石材名。島全体が黒雲母花崗岩(クロウンモカコウガン)からなる。土木・墓石用。徳山御影(ミカゲ)。黒髪石。黒髪御影(ミカゲ)。
徳岡
とくおか トクヲカ 【徳岡】
姓氏の一。
徳岡神泉
とくおかしんせん トクヲカ― 【徳岡神泉】
(1896-1972) 日本画家。京都生まれ。京都絵画専門学校卒。本名,時次郎。竹内栖鳳の門下。代表作「鯉」
徳島
とくしま 【徳島】
(1)四国地方東部の県。かつての阿波(アワ)国全域を占める。南は太平洋,東は紀伊水道に面する。中央部を剣山地が占め,北部の讃岐山脈との間を吉野川が東流し,下流域に徳島平野が広がる。県庁所在地,徳島市。
(2)徳島県北東部,吉野川の下流域にある市。県庁所在地。近世,蜂須賀氏の城下町。木工・織物工業が盛ん。八月一二〜一五日に阿波踊りが行われる。
徳島大学
とくしまだいがく 【徳島大学】
国立大学の一。1922年(大正11)創立の徳島高等工業(のち工専)を中心に,徳島医専・徳島高校・師範系学校などを統合して49年(昭和24)新制大学となる。本部は徳島市。
徳島文理大学
とくしまぶんりだいがく 【徳島文理大学】
私立大学の一。1966年(昭和41)徳島女子大学として設立,72年現名に改称。本部は徳島市。
徳島線
とくしません 【徳島線】
JR 四国の鉄道線。徳島県佐古・佃間,67.5キロメートル。吉野川に沿って東西に走る。
徳川
とくがわ トクガハ 【徳川】
姓氏の一。三河国賀茂郡松平郷に拠点を置く松平(マツダイラ)氏が家康の代に改称。清和源氏(新田氏)の裔(スエ)と称するが不詳。分立した諸家のうち,御三家と三卿の嫡流のみが徳川氏を名乗った。
→松平
徳川信康
とくがわのぶやす トクガハ― 【徳川信康】
(1559-1579) 戦国時代の武将。家康の長男。母は家康の正室築山殿(ツキヤマドノ)。織田信長の娘を娶り,岡崎城主。信長から武田氏通謀の嫌疑をかけられ家康の命により二俣城で自刃。
徳川光圀
とくがわみつくに トクガハ― 【徳川光圀】
(1628-1700) 江戸前期の水戸藩主。頼房の三男。幼名千代松。字(アザナ)は子竜,号は梅里(バイリ)。諡号,義公。中納言の唐名黄門により,世に水戸黄門とも。大義名分を重んじて儒学を奨励,彰考館を設けて俊才を招き,「大日本史」を編纂した。希代の名君と賞され「水戸黄門漫遊記」による逸話が広く流布している。
徳川吉宗
とくがわよしむね トクガハ― 【徳川吉宗】
(1684-1751) 江戸幕府第八代将軍(1716-1745)。紀州藩主徳川光貞の四男。幼名源六・新之助。兄の相次ぐ死により紀州藩主となり,徳川家継のあと,徳川宗家を継いだ。諸事家康への復古を唱え,武芸・学問・殖産興業を奨励(享保の改革),幕府中興の祖とされる。
徳川夢声
とくがわむせい トクガハ― 【徳川夢声】
(1894-1971) 漫談家。島根県生まれ。本名福原駿雄。赤坂葵館・新宿武蔵野館の主任弁士であったが,トーキー後は俳優・声優などに転じ,ラジオの朗読に独特の境地を開拓した。
徳川宗春
とくがわむねはる トクガハ― 【徳川宗春】
(1696-1764) 江戸中期の尾張藩主。三代藩主綱誠(ツナナリ)の二〇子。商工業の振興など積極的経済政策を打ち出し,吉宗の享保改革の施策と対立,1739年蟄居(チツキヨ)を命ぜられた。著「温知政要」
徳川実紀
とくがわじっき トクガハ― 【徳川実紀】
江戸幕府編纂の歴史書。林述斎監修,成島司直(モトナオ)撰修。1809年着手,49年完成。五一六冊。家康から一〇代家治までの各将軍の治績を編年体で詳述。一一代家斉以降の「続徳川実紀」も計画されたが,明治維新のため成書に至らず,史料のみまとめられた。御実紀。
徳川家光
とくがわいえみつ トクガハイヘミツ 【徳川家光】
(1604-1651) 江戸幕府第三代将軍(1623-1651)。秀忠の二男。幼名竹千代。諸法度の制定,参勤交代など諸制度を整備,キリシタンを弾圧して鎖国を断行,以後二百年余にわたる幕府の支配体制を確立した。
徳川家定
とくがわいえさだ トクガハイヘサダ 【徳川家定】
(1824-1858) 江戸幕府第一三代将軍(1853-1858)。家慶の四男。幼名政之助。ペリー来航による日米和親条約の締結を行う。子がなかったため,将軍継嗣問題を起こして幕末政争の因を作った。
徳川家宣
とくがわいえのぶ トクガハイヘノブ 【徳川家宣】
(1662-1712) 江戸幕府第六代将軍(1709-1712)。甲府藩主徳川綱重の長男。綱吉の養子。幼名虎松。側用人,間部詮房(マナベアキフサ)を老中とし,新井白石を登用して正徳の治を行なった。
徳川家康
とくがわいえやす トクガハイヘヤス 【徳川家康】
(1542-1616) 江戸幕府初代将軍(1603-1605)。三河岡崎城主松平広忠の長男。幼名竹千代,のち元信,元康,家康と改めた。はじめ今川義元,のち織田信長と結び東海に勢力を拡大,信長とともに甲斐武田氏を滅ぼす。豊臣秀吉の天下統一後はこれに協力,関八州を与えられ,1590年江戸入府。関ヶ原の戦勝を経て1603年征夷大将軍となり,江戸に開幕。将軍職を譲った後も大御所として実権を握り,大坂冬・夏の陣で豊臣氏を滅ぼし,統一を完成した。
徳川家慶
とくがわいえよし トクガハイヘヨシ 【徳川家慶】
(1793-1853) 江戸幕府第一二代将軍(1837-1853)。家斉の二男。幼名敏次郎。はじめ家斉が大御所として実権を握っていたが,その死後水野忠邦を登用して天保の改革を行わせた。1853年ペリー来航直後に病没。
徳川家斉
とくがわいえなり トクガハイヘナリ 【徳川家斉】
(1773-1841) 江戸幕府第一一代将軍(1787-1837)。一橋治斉の長男。家治の養子。幼名豊千代。田沼意次を排して,松平定信を老中主座とし,学問を奨励,寛政の改革を行わせた。定信失脚後家斉親政になると,幕政はゆるみ,爛熟した化政文化が現出。隠居後も大御所と称して実権を握った。側室四〇人,子女五五人を数えた。
徳川家治
とくがわいえはる トクガハイヘハル 【徳川家治】
(1737-1786) 江戸幕府第一〇代将軍(1760-1786)。家重の長男。幼名竹千代。老中田沼意次は積極的な経済政策を行なったが,他方で賄賂が横行した。
徳川家継
とくがわいえつぐ トクガハイヘツグ 【徳川家継】
(1709-1716) 江戸幕府第七代将軍(1713-1716)。家宣の四男。幼名鍋松丸。間部詮房(マナベアキフサ)・新井白石の補佐によって,父の政治を継承。
徳川家綱
とくがわいえつな トクガハイヘツナ 【徳川家綱】
(1641-1680) 江戸幕府第四代将軍(1651-1680)。家光の長男。幼名竹千代。保科正之・酒井忠清が補佐した。
徳川家茂
とくがわいえもち トクガハイヘモチ 【徳川家茂】
(1846-1866) 江戸幕府第一四代将軍(1858-1866)。紀州藩主徳川斉順の長男。幼名菊千代。紀州藩主時代の名は慶福(ヨシトミ)。井伊直弼(ナオスケ)に擁立され,皇女和宮を迎えて公武合体策を推進。第二次長州征伐出陣中大坂城で病死。
徳川家達
とくがわいえさと トクガハイヘサト 【徳川家達】
(1863-1940) 政治家。田安慶頼の三男。幼名亀之助。明治維新後,徳川宗家一六代を継ぐ。1890年(明治23)以後貴族院議員,同議長を歴任。
徳川家重
とくがわいえしげ トクガハイヘシゲ 【徳川家重】
(1711-1761) 江戸幕府第九代将軍(1745-1760)。吉宗の長男。幼名長福。身体虚弱で酒色に溺れたという。
徳川幕府
とくがわばくふ トクガハ― [5] 【徳川幕府】
⇒江戸幕府(エドバクフ)
徳川幕府県治要略
とくがわばくふけんちようりゃく トクガハ―エウリヤク 【徳川幕府県治要略】
徳川幕府の地方役人だった安藤博が民政の概略を記したもの。1915年(大正4)刊。
徳川忠長
とくがわただなが トクガハ― 【徳川忠長】
(1606-1633) 江戸初期の大名。幼名国松。通称駿河大納言。将軍秀忠の三男。駿府五五万石の大名だったが,兄の将軍家光と不和になり,改易後上野高崎城で自刃させられた。
徳川慶喜
とくがわよしのぶ トクガハ― 【徳川慶喜】
(1837-1913) 江戸幕府第一五代,最後の将軍(1866-1867)。水戸藩主斉昭の七男。幼名七郎麿・昭致。1847年一橋家を継ぐ。62年将軍家茂の後見職として公武合体策を推進。将軍となってのち,フランスの援助を受けて幕政改革をはかったが,挽回はならず大政を奉還し,江戸開城後は水戸で謹慎し,徳川宗家の家督を田安亀之助(徳川家達)に譲り駿府に移った。のち公爵。
徳川慶福
とくがわよしとみ トクガハ― 【徳川慶福】
徳川家茂の紀州藩主時代の名。
徳川斉昭
とくがわなりあき トクガハ― 【徳川斉昭】
(1800-1860) 江戸末期の水戸藩主。治紀の三男。字(アザナ)は子信,号は景山・潜竜閣。諡号,烈公。弘道館の設立,兵制改革などの藩政改革を行い,幕政参与となったが,井伊直弼と対立,安政の大獄で蟄居(チツキヨ)させられた。
徳川昭武
とくがわあきたけ トクガハ― 【徳川昭武】
(1853-1910) 幕末期の水戸藩主。1867年パリ万国博覧会に将軍慶喜の名代として渡仏。箱館戦争に功をあげ,のち北海道開拓に着手。
徳川時代
とくがわじだい トクガハ― 【徳川時代】
⇒江戸時代(エドジダイ)
徳川禁令考
とくがわきんれいこう トクガハ―カウ 【徳川禁令考】
江戸幕府の法規集。1878(明治11)〜95年刊。司法省編。基本法を収めた前聚と司法警察関係の法令を収めた後聚に分かれる。
徳川秀忠
とくがわひでただ トクガハ― 【徳川秀忠】
(1579-1632) 江戸幕府第二代将軍(1605-1623)。家康の三男。幼名長松,のち竹千代。大坂両度の陣に出陣,家康の遺命を守って,諸法度の制定・キリシタン禁圧など幕府草創期の基礎を固めた。
徳川綱吉
とくがわつなよし トクガハ― 【徳川綱吉】
(1646-1709) 江戸幕府第五代将軍(1680-1709)。家光の四男。幼名徳松。母(桂昌院)は本庄氏。上野館林一五万石の領主。四代将軍家綱の養子となり将軍職を継いだ。大老堀田正俊のもとで湯島に聖堂を移築するなど文治主義の政治を展開,その後,側用人柳沢吉保を登用,悪貨乱発・生類憐みの令の制定など悪政を重ねた反面,その治政下に元禄文化の出現を見た。犬公方(イヌクボウ)。
徳川綱重
とくがわつなしげ トクガハ― 【徳川綱重】
(1644-1678) 江戸前期の大名。家光の三男。家宣の父。幼名長松麿。通称甲府殿。甲府二五万石領主。五代将軍就任を図ったが,大老酒井忠清に阻まれた。
徳川義直
とくがわよしなお トクガハヨシナホ 【徳川義直】
(1600-1650) 江戸初期の大名。尾張家の祖。家康の九男。学問を好み,儒学を奨励した。
徳川頼宣
とくがわよりのぶ トクガハ― 【徳川頼宣】
(1602-1671) 江戸初期の大名。紀州徳川家の祖。家康の一〇男。幼名長福。通称南竜公。知略にすぐれ,詩歌もよくした。
徳川頼房
とくがわよりふさ トクガハ― 【徳川頼房】
(1603-1661) 江戸初期の大名。水戸徳川家の祖。家康の一一男。光圀の父。幼名鶴千代。諡号,威公。学を好み,儒学・神道を学ぶ。
徳性
とくせい【徳性】
<cultivate> moral character.
徳性
とくせい [0] 【徳性】
徳義をわきまえた立派な品性。道徳的意識。道徳心。「―を磨く」
徳操
とくそう [0] 【徳操】
常に道徳を守る堅い節操。
徳政
とくせい [0] 【徳政】
〔本来は,善政・仁政の意〕
(1)古代,朝廷の大赦,貧窮者の救済,凶作の際の租税の減免などの仁政をいった語。
(2)鎌倉末期から室町時代,売買・質入れ・貸借などに伴う債権・債務の契約破棄のこと。1297年に御家人の困窮を救済するため発せられた「永仁の徳政令」に始まり,室町時代には,農民や下級武士たちが徳政を要求して一揆を起こし,幕府はしばしば徳政令を発布した。農民たちが実力で債務を破棄したものを私徳政という。
徳政一揆
とくせいいっき [5] 【徳政一揆】
室町時代,徳政令の発布を幕府に要求して起きた土一揆。1428年の正長の土一揆に始まり,室町中期に京都およびその周辺で数多く発生し,酒屋・土倉・寺院などの金融業者を襲い,略奪を行なった。
徳政令
とくせいれい [3] 【徳政令】
鎌倉末期から室町時代,幕府や大名が徳政を行うために発布した法令。
徳教
とくきょう [0] 【徳教】
⇒とっきょう(徳教)
徳教
とっきょう トクケウ [0] 【徳教】
道徳によって,人をよい道に勧め導くおしえ。善教。
徳日
とくにち 【徳日】
衰日(スイニチ)の忌み詞。陰陽家(オンヨウカ)で,万事に忌みつつしむべしとする日。
徳星
とくせい [0] 【徳星】
(1)瑞祥のしるしとしてあらわれる星。めでたい星。景星。
(2)徳のある人。賢人。
(3)木星の異名。歳星(木星)のある所に福徳があるからいう。
徳望
とくぼう [0] 【徳望】
徳が高く人望があること。多くの人からその人格が慕われること。「―がある」「―が厚い」
徳望家
とくぼうか [0] 【徳望家】
徳が高く,多くの人望を得ている人。
徳本峠
とくごうとうげ 【徳本峠】
長野県安曇(アズミ)村,北アルプス南部の峠。海抜2135メートル。昭和初年まで上高地へ入る登山路として親しまれた。穂高岳の眺望にすぐれる。
徳業
とくぎょう [2] 【徳業】
(1)仁徳と功業。
(2)徳をたてる事業。善にすすむ所業。
徳永
とくなが 【徳永】
姓氏の一。
徳永恕
とくながゆき 【徳永恕】
(1887-1973) 保育事業家。東京生まれ。日本初の母子保護施設を設立。戦争被害者や孤児の救済・保護活動に尽力。
徳永直
とくながすなお 【徳永直】
(1899-1958) 小説家。熊本県生まれ。博文館印刷所(共同印刷の前身)労働争議の体験をもとに「太陽のない街」を雑誌「戦旗」に書き,労働者出身のプロレタリア作家として認められる。「ナップ」に参加。戦後は民主主義文学の代表作家として活躍。代表作「はたらく一家」「妻よねむれ」
徳沢
とくたく [0] 【徳沢】
恵み。恩沢。おかげ。「他国のおよばぬ―に潤ふ民の仕合せにて/西洋道中膝栗毛(魯文)」
徳治
とくち [1] 【徳治】
有徳の君主が道徳を基本として国を治めること。
徳治
とくじ トクヂ 【徳治】
年号(1306.12.14-1308.10.9)。嘉元の後,延慶の前。後二条・花園天皇の代。
徳治主義
とくちしゅぎ [4] 【徳治主義】
法律によって政治を行う法治主義に対し,道徳により民を治める政治をめざす考え方。儒家の基本的な思想。
徳王
とくおう 【徳王】
(1902-?) 内モンゴルの政治家。日中戦争開始後の1937年,日本軍の援助下に蒙古連盟自治政府を発足させ,39年蒙古連合自治政府をつくり,主席となった。49年モンゴル人民共和国に逃亡し逮捕された。モンゴル名,デムチュクドンロブ。
徳用
とくよう [0] 【徳用・得用】 (名・形動)[文]ナリ
(1)値段の安い割に量が多くて役に立つ・こと(さま)。割安。多く「お徳用」の形で用いる。「―マッチ」「お―な品です」
(2)利得。得分。「是れを手代の―にして/浮世草子・新永代蔵」
(3)有得で応用の才能のあること。「汝は坐道場の―を備へたり/盛衰記 1」
(4)功徳の力。「此経の―にて/謡曲・海士」
徳用の
とくよう【徳用の】
economical.→英和
徳用大瓶(箱) a large economy bottle (box).
徳用品
とくようひん [0] 【徳用品】
値段が安い割に,よく役に立つ品。
徳田
とくでん 【得田・徳田】
平安末期から中世,年貢を取ることができる田。定田から損田を除いたもの。
徳田
とくだ 【徳田】
姓氏の一。
徳田球一
とくだきゅういち 【徳田球一】
(1894-1953) 政治家。沖縄県生まれ。日大卒。苦学して弁護士となり社会運動に参加。日本共産党創立に参画。三・一五事件で検挙され獄中18年。戦後,党を再建,書記長となったが,マッカーサーの指令で追放,地下活動に入り,北京で客死。
徳田秋声
とくだしゅうせい 【徳田秋声】
(1871-1943) 小説家。金沢生まれ。本名,末雄。硯友社系の小説家として出発,のち人生派的な自然主義の傾向を強めた。地道な散文精神と庶民的作風から,生まれながらの自然主義者と称された。著「新世帯」「足迹」「黴」「爛」「あらくれ」「仮装人物」「縮図」
徳目
とくもく [0] 【徳目】
徳を細目に分類して列挙した名称,またその細目の一。仁・義・忠・孝など,昔から道徳の基本とされるもの。
徳義
とくぎ [1] 【徳義】
人間としてふみ行うべき道徳上の義務。「―に篤い人」
徳義
とくぎ【徳義】
morality.→英和
〜上の moral.→英和
〜を重んじる have a sense of honor.〜心がある(ない) have (lack) moral sense.
徳義心
とくぎしん [3] 【徳義心】
徳義を重んずる心。
徳育
とくいく [0][2] 【徳育】
道徳意識を養うための教育。道徳教育。体育・知育と並び教育の重要な一側面をなす。
徳育
とくいく【徳育】
moral education.
徳若
とくわか 【徳若】 (名・形動ナリ)
〔「常若(トコワカ)」の転〕
いつまでも若々しい・こと(さま)。「今年より蔵代官をゆづりえて殿も―民も―/狂言・松楪」
徳行
とくぎょう [2] 【徳行】
〔仏〕 修行によって得られる優れた状態や能力である徳と,それを実現する方法である行。功徳と行法。
徳行
とっこう トクカウ [0] 【徳行】
道徳にかなった行為。正しいおこない。「―の士」「―に秀でた人」
徳論
とくろん [0] 【徳論】
徳の本質,種類,徳を養う方法などを主題とする倫理学の一部門。
徳風
とくふう [0] 【徳風】
仁徳の感化の及ぶさまを風にたとえていった語。
徴
しるし【徴】
⇒徴候.
徴
しるし [0] 【験・徴】
〔「しるし(印)」と同源〕
(1)これから起ころうとする物事の前ぶれ。きざし。前兆。徴候。「成功の―が見える」「大雪は豊年の―」
(2)霊験。御利益(ゴリヤク)。「真実微妙の仏の不思議,―を見せしめ給へやと/浄瑠璃・用明天皇」
(3)ききめ。効能。効果。「薬の―を待ち居りぬ/浴泉記(喜美子)」「なべてならぬ法ども行はるれど,更にその―なし/方丈記」
(4)甲斐(カイ)のあること。「―無き物を思はずは一坏(ヒトツキ)の濁れる酒を飲むべくあるらし/万葉 338」
徴
しるまし 【怪・徴】
奇怪な前兆。不吉な前ぶれ。「今是の―を視るに甚だ懼(カシコ)し/日本書紀(仁徳訓)」
徴
ち [1] 【徴】
中国・日本の音楽理論でいう五音(ゴイン)のうち,低い方から数えて四番目の音。
→五音
徴
ちょう [1] 【徴】
(1)よびだすこと。召し出すこと。「―に応ずる」
(2)事のおこる前触れ。きざし。「天候激変の―」
(3)供出させること。とりたて。
徴し
めし 【召し・徴し】
〔動詞「召す」の連用形から〕
(1)上位の人が呼び寄せること。呼び出し。「うちより―ありつれば/蜻蛉(中)」
→お召し
(2)貴人が命じて取り寄せること。
徴する
ちょうする【徴する】
[意見を]call[ask]for <a person's opinion> ;consult <a lawyer> .→英和
徴する
ちょう・する [3] 【徴する】 (動サ変)[文]サ変 ちよう・す
(1)証拠を求める。照らし合わせる。「歴史に―・しても明らかである」
(2)求める。要求する。「意見を―・する」
(3)とりたてる。「租税を―・する」
(4)呼び出す。召す。「兵を―・する」
徴る
はた・る 【徴る】 (動ラ四)
催促する。促し責める。また,とりたてる。「その兄,あながちに乞ひ―・りき/古事記(上訓)」
徴候
ちょうこう [0] テウ― 【兆候】 ・ チヨウ― 【徴候】
物事の起こる前触れ。きざし。しるし。「インフレの―がみられる」
徴候がある
ちょうこう【徴候がある】
show signs <of> ;There is every indication <that…> ;have symptoms <of> (病気の).
徴兵
ちょうへい【徴兵】
conscription; <米> draft.→英和
〜される be conscripted[enlisted,drafted] <for military service> .‖徴兵忌避 evasion of conscription[ <米> the draft].徴兵制度(令) the conscription system (law).
徴兵
ちょうへい [0] 【徴兵】 (名)スル
国家が国民を強制的に兵役につかせること。「成年に達した男子を―する」
徴兵令
ちょうへいれい 【徴兵令】
1872年(明治5)の徴兵に関する詔書および太政官告諭に基づいて翌年1月公布された法令。これにより近代的常備軍が編成された。
徴兵制
ちょうへいせい [0] 【徴兵制】
国民に兵役義務を課し,強制的に軍隊に編入する制度。日本では1873年(明治6)徴兵令が出され,当初は種々の免役規定があったが,89年徴兵猶予の制を廃止,国民皆兵による天皇制軍隊が確立し,敗戦まで続いた。徴兵制度。
徴兵忌避
ちょうへいきひ [5] 【徴兵忌避】
徴兵制度下で,徴兵適齢者が,兵役を免れるために,身体を傷つけたり,疾病を装ったり,逃亡して隠れたりすること。兵役忌避。
徴兵検査
ちょうへいけんさ [5] 【徴兵検査】
旧兵役法で,徴兵適齢者に対して兵役に服する資格の有無を身体・身上にわたり検査したこと。
徴兵猶予
ちょうへいゆうよ [5] 【徴兵猶予】
徴兵義務を一定期間猶予すること。旧兵役法では,在学中の者,外国に在留する者などに適用された。徴集延期。
徴兵適齢
ちょうへいてきれい [5] 【徴兵適齢】
兵役義務に就くのに適した年齢。日本の旧兵役法では前年12月1日からその年の一一月三〇日までに満二〇歳に達したものを徴兵適齢者とした。
徴募
ちょうぼ [1] 【徴募】 (名)スル
(1)参加者の意志をもって集めること。つのり集めること。「義勇兵を―する」
(2)呼び集めること。徴集。「諸藩の兵を―して/近世紀聞(延房)」
徴募
ちょうぼ【徴募】
enlistment.→英和
〜する enlist;→英和
raise;→英和
recruit.→英和
徴収
ちょうしゅう [0] 【徴収】 (名)スル
(1)金をとりたてること。「会費を―する」「臨時―」
(2)行政機関が法に従って租税・手数料などを国民からとりたてること。「住民税を―する」
徴収する
ちょうしゅう【徴収する】
collect[levy] <taxes> ;→英和
charge <a fee> .→英和
徴士
ちょうし [1] 【徴士】
(1)朝廷または政府に召し出された人士。
(2)1868年(慶応4)1月から69年(明治2)6月まで,政府に召し出された議事官。諸藩士・庶民から有能な者が選ばれ,議事所で国政の審議にあたった。
徴姉妹
チュンしまい 【徴姉妹】
ベトナムのチュン=チャク(徴側),チュン=ニー(徴弐)の姉妹。西暦40年,中国の漢の支配に対して反乱を起こし,一時王位に就いたが,43年漢に捕らえられ,処刑された。ベトナムの民族英雄。
徴憑
ちょうひょう [0] 【徴憑】
事実を証明する材料。あかしとなる事実。徴証。
徴求
ちょうきゅう [0] 【徴求】 (名)スル
(1)要求すること。とりたてること。「夥多の軍費を―せず/経国美談(竜渓)」
(2)金融機関などが担保・保証などを請求し,とること。
徴物使
ちょうもつし 【徴物使】
平安時代,封主が封戸の調庸の徴収のために置いた職。封戸の調庸は国郡司の責任において封主に送るのが原則で,その出納にあたるのが徴物使だったと考えられるが,平安中期以降納入の遅滞が顕著になると,納入のため上京する郡司を途中で襲ったり,当国まで出向いて強奪したり,盗賊的行為をはたらくようになったという。
徴用
ちょうよう [0] 【徴用】 (名)スル
(1)戦時などに国家が国民を強制的に動員して,兵役以外の一定の業務につかせること。日本では1939年(昭和14)国民徴用令が制定され,敗戦まで行われた。「―工」「―船舶」「軍需工場の工員として―される」
(2)強制的に物品を取り立てて使用すること。徴発して用いること。
徴用する
ちょうよう【徴用する】
commandeer;→英和
<米> draft.→英和
徴用工 a drafted worker.
徴発
ちょうはつ [0] 【徴発】 (名)スル
(1)強制的に物を取り立てること。特に,軍需物資を民間から集めること。「民家から食糧を―する」
(2)強制的に人を呼び集めること。「堤防工事に人員を―する」
徴発する
ちょうはつ【徴発する】
requisition;→英和
commandeer;→英和
press <a thing> into service;forage (糧食などを).→英和
徴租
ちょうそ [1] 【徴租】 (名)スル
租税をとり立てること。
徴税
ちょうぜい【徴税】
tax collection.〜する ⇒徴収.‖徴税令書 a tax bill.
徴税
ちょうぜい [0] 【徴税】 (名)スル
租税を取り立てること。また,取り立てた税金。
徴符
ちょうふ 【徴符】
中世,荘園領主が農民に年貢上納を命じた命令書。
徴表
ちょうひょう [0] 【徴表】
その事物のあり方を特徴的に示し,他の物と区別する性質。属性。メルクマール。
徴証
ちょうしょう [0] 【徴証】 (名)スル
(1)めじるしになるものや,あかしとなるもの。証拠。
(2)証拠をあげてあきらかにすること。「之を以て開花の進不進を―するに足るものなり/日本開化小史(卯吉)」
徴辟
ちょうへき [0] 【徴辟】
朝廷や官庁に召し出すこと。「霞亭が福山藩の―を被(コウム)つたからである/北条霞亭(鴎外)」
徴逐
ちょうちく [0] 【徴逐】
招いたり招かれたりすること。「詩酒―の日々を送る」
徴集
ちょうしゅう [0] 【徴集】 (名)スル
(1)人や物を召し集めること。「租税を―する時に/花間鶯(鉄腸)」
(2)兵役制度で,強制的に現役または補充兵として人を呼び集めること。
徴集する
ちょうしゅう【徴集する】
levy;→英和
recruit[ <米> draft].→英和
徹する
てっ・する [0][3] 【徹する】 (動サ変)[文]サ変 てつ・す
(1)つきとおる。「骨身に―・する」
(2)一つの主義・態度などを最後まで貫く。「脇役に―・する」「金もうけに―・する」
(3)その時間を通して,する。「夜を―・して歩く」
[慣用] 眼光紙背に―/恨み骨髄に徹す
徹する
てっする【徹する】
be given to (熱中);come home to <one> (骨身に);sit[stay]up all night (夜を).
徹マン
てつマン [0] 【徹―】
徹夜で麻雀(マージヤン)をすること。
徹夜
てつや [0] 【徹夜】 (名)スル
ある事をして夜をあかすこと。徹宵。「―して仕上げる」
徹夜する
てつや【徹夜する】
sit[stay]up all night.〜の[で]all night.
徹宵
てっしょう [0] 【徹宵】 (名)スル
ある事をして夜を明かすこと。夜どおし。徹夜。副詞的にも用いる。「―して観測にあたる」「寂しい―の後に,やつと,待ち設けた眠りを貪(ムサボ)つた/耽溺(泡鳴)」
徹底
てってい [0] 【徹底】 (名)スル
〔底まで貫き通ることの意〕
(1)すみずみまで行きとどくこと。「サービスが―している」「趣旨を―させる」
(2)思想・態度などが一貫していること。「―した平和主義者」
徹底する
てってい【徹底する】
be thorough(going);→英和
bring[drive]home (痛感させる);let <a person> know[understand](知らせる);make oneself understood (通じる).〜的(に) thorough(ly);complete(ly);→英和
exhaustive(ly).
徹底的
てっていてき [0] 【徹底的】 (形動)
残る所がないように十分に行うさま。「責任を―に追及する」「―な調査」
徹書記
てっしょき 【徹書記】
正徹(シヨウテツ)の異名。
徹書記物語
てっしょきものがたり 【徹書記物語】
⇒正徹物語(シヨウテツモノガタリ)
徹甲弾
てっこうだん テツカフ― [3] 【徹甲弾】
装甲板で覆われているような堅固な目標を貫くのに用いる砲弾。頭部に弾帽をかぶせ,着弾表面で破裂しないようにしてある。
徹頭徹尾
てっとうてつび [5] 【徹頭徹尾】 (副)
最初から最後まで一貫するさま。完全に。「―反対する」
徹頭徹尾
てっとうてつび【徹頭徹尾】
thoroughly;→英和
altogether;→英和
every inch;from beginning to end.
徹骨
てっこつ [0] 【徹骨】
骨までとおること。物事の中核・真底にまで達すること。「憎悪,怨恨,嫉妬などの―の苦しい情/重右衛門の最後(花袋)」
徽号
きごう [0] 【徽号】
(1)「旗号」に同じ。
(2)天皇から高僧に生前贈られる号。禅師号・大師号など。
徽墨
きぼく [0] 【徽墨】
中国,安徽省産のすみ。名墨として有名。
徽安門
きあんもん 【徽安門】
平安京内裏内郭十二門の一。北面する三門のうち西にあったもの。西廂門。
→内裏
徽宗
きそう 【徽宗】
(1082-1135) 中国,北宋の第八代皇帝(在位 1100-1125)。神宗の子。新法を採用し,蔡京(サイケイ)らを重用。靖康(セイコウ)の変で金軍の捕虜となり,五国城(黒竜江省)で没した。道教を尊崇し,詩文書画をよくした。
→靖康の変
徽章
きしょう [0] 【徽章・記章】
〔「徽」は旗じるし,「章」は模様・印などの意〕
身分・資格・所属団体などを表すために,衣服・帽子などにつけるしるし。バッジ。
心
うら 【心】
〔表に対する裏,外面に現れない内部の意〕
(1)こころ。心のうち。
→うらも無し
(2)形容詞・動詞の上に付いて,複合語をつくり,心の中で,心から,などの意を表す。「―さびし」「―がなし」「―まつ」
心
こころ [3][2] 【心】
❶人間の体の中にあって,広く精神活動をつかさどるもとになると考えられるもの。
(1)人間の精神活動を知・情・意に分けた時,知を除いた情・意をつかさどる能力。喜怒哀楽・快不快・美醜・善悪などを判断し,その人の人格を決定すると考えられるもの。「―の広い人」「―の支えとなる人」「豊かな―」「―なき木石」
(2)気持ち。また,その状態。感情。「重い―」「―が通じる」
(3)思慮分別。判断力。「―ある人」
(4)相手を思いやる気持ち。また,誠意。「母の―のこもった弁当」「規則一点張りで―が感じられない」
(5)本当の気持ち。表面には出さない思い。本心。「―からありがたいと思った」「笑っていても―では泣いていた」
(6)芸術的な興趣を解する感性。「絵―」
(7)人に背こうとする気持ち。二心。「人言(ヒトゴト)を繁みこちたみ逢はざりき―あるごとな思ひ我が背子/万葉 538」
❷物事の奥底にある事柄。
(1)深く考え,味わって初めて分かる,物の本質。神髄。「茶の―」
(2)事の事情。内情。わけ。「目見合はせ,笑ひなどして―知らぬ人に心得ず思はする事/徒然 78」
(3)言葉・歌・文などの意味・内容。「文字二つ落ちてあやふし,ことの―たがひてもあるかなと見えしは/紫式部日記」
(4)事柄の訳・根拠などの説明。また謎(ナゾ)で,答えの説明。「九月の草花とかけて,隣の踊りととく,―は,菊(聞く)ばかりだ」
❸
(1)心臓。胸。「別れし来れば肝向かふ―を痛み/万葉 135」
(2)(「池の心」の形で)中心。底。「池の―広くしなして/源氏(桐壺)」
(3)書名(別項参照)。
心
こころ【心】
(the) mind;→英和
(the) heart (心情);→英和
spirit (精神);→英和
feeling (感情);→英和
intention (意向);→英和
will (意志).→英和
〜ある(ない) thoughtful (thoughtless);→英和
(in)considerate.→英和
〜から sincerely;→英和
heartily;from (the bottom of) one's heart.〜からの hearty;→英和
cordial;→英和
warm.→英和
〜ならずも against one's will;reluctantly.→英和
〜にいだく cherish;→英和
entertain.→英和
〜に浮かぶ[事が主語]occur to <one> ;[人が主語]think of.〜に留める[掛ける]bear[keep]in mind.〜ゆくまで to one's heart's content.〜を引く attract.→英和
心
しん [1] 【心】
(1)こころ。精神。「―・技・体」
(2)心のそこ。本心。「―から納得する」「―は素直な子だ」
(3)物の中央。中心。多く「芯」の字が用いられる。
(ア)物の中心にある硬い部分。「鉛筆の―」
(イ)飯粒などの煮え切らない硬い部分。「ごはんに―がある」
(ウ)物の中心部。「体の―まで暖まる」「バットの―で打つ」
(エ)衣服の襟・帯などの中に入れて形が崩れないようにするための布。
→芯(シン)
(4)〔仏〕
(ア)対象を捉え,思惟するはたらきをもつもの。主観。精神。
⇔色(シキ)
(イ)「心王(シンノウ)」に同じ。
(5)心の臓。心臓。
(6)二十八宿の一。東方の星宿。蠍(サソリ)座のアンタレスほか二星をいう。心宿。なかごぼし。
(7)信仰心。信。「この月頃まうでで過しつらむと,まづ―もおこる/枕草子 120」
(8)〔江戸の幼児語〕
仲間。「ああ,あんな馬鹿は―に入れないよ/滑稽本・浮世風呂 2」
心から
こころから [2] 【心から】 (副)
(1)心の底から。しんから。心より。「―礼を言う」
(2)自分の意志で。心より。「―などかう憂き世を見あつかふらむ/源氏(末摘花)」
心から
しんから [1] 【心から】 (副)
こころから。心の底から。
心ぐし
こころぐ・し 【心ぐし】 (形ク)
せつなく苦しい。「春日山霞たなびき―・く照れる月夜(ツクヨ)にひとりかも寝む/万葉 735」
心して
こころして【心して】
with care.
心して
こころして [3][2] 【心して】 (副)
十分な心構えを持って。十分に気を配って。「―聞け」「―行け」
心しらひ
こころしらい 【心しらひ】
心遣い。配慮。「帯刀(タチハキ)―仕うまつることねんごろなり/落窪 2」
心しらふ
こころしら・う 【心しらふ】 (動ハ四)
(1)詳しく知っている。「兵の事に―・へるは今麁鹿火が右に出づるひと無し/日本書紀(継体訓)」
(2)心遣いをする。気を配る。「下りては少し―・ひて立ち去り給へり/源氏(東屋)」
心す
こころ・す 【心す】 (動サ変)
⇒こころする
心する
こころ・する [2] 【心する】 (動サ変)[文]サ変 こころ・す
気をつける。注意する。用心する。「―・してかかれ」
心づから
こころずから 【心づから】 (副)
自分の心から。自分の意志で。自発的に。「春風は花のあたりをよぎて吹け―や移ろふと見む/古今(春下)」
心と
こころと 【心と】 (連語)
自分の考えで。自分から求めて。「つくづくと思へばやすき世の中を―なげく我が身なりけり/新古今(雑下)」
心ど
こころど 【心ど】
気力。気合。「妹を見ず越(コシ)の国辺(クニヘ)に年経(フ)れば我(ア)が―の和(ナ)ぐる日もなし/万葉 4173」
心ならず
こころなら∘ず 【心ならず】 (連語)
(1)自分の気持ち・意志に反しているさま。「―∘ぬ里居十日ばかりするにも/讃岐典侍(上)」
(2)思い通りにできないさま。「うき世はたれも―∘ねば/千載(雑中)」
(3)気が気でない。「―∘ざる胸騒ぎ/歌舞伎・小袖曾我」
(4)無意識にするさま。「―∘ずに母走り向ひ/曾我 7」
心ならずも
こころなら∘ずも 【心ならずも】 (連語)
自分の本意ではないが,やむをえず。「―応諾するしかなかった」
心に銘じる
めいじる【心に銘じる】
keep <a thing> in mind.⇒銘記.
心の丈
こころのたけ [6] 【心の丈】
心の中にあることを全部。思いの丈。「―をのべる」
心の儘
こころのまま [0] 【心の儘】
心に思う通り。思うまま。
心の占
こころのうら 【心の占】
心の中でおしはかること。予感。予想。「かく恋ひむものとは我も思ひにき―ぞまさしかりける/古今(恋四)」
心の友
こころのとも [5] 【心の友】
(1)心からの友人。
(2)心の慰めとなるもの。「聖書を―とする」
心の外
こころのほか 【心の外】
(1)自分の思うままにならないこと。「世を御―にまつりごちなし給ふ人々のあるに/源氏(須磨)」
(2)予想外のこと。思いのほか。「―の仕合せめぐりて/浮世草子・織留 4」
(3)心に留めないこと。気にかけないこと。「今はただ―に聞くものを/新古今(恋四)」
心の底
こころのそこ [0] 【心の底】
(1)心の奥。意識の底。
(2)偽りのない心の中。心底(シンテイ)。「―から感謝する」
心の御柱
しんのみはしら 【心の御柱】
伊勢神宮の正殿の床下中央に建てられる柱。神霊のよりつく柱で特に神聖視され,これを中心として祭祀(サイシ)を行う。忌柱(イムハシラ)。天御柱(アメノミハシラ)。天御量柱(アメノミカテバシラ)。
心の月
こころのつき 【心の月】
〔「心月」の訓読み〕
心中の悟り,真如を月にたとえていう語。悟り。仏性。「いかでわれ清くくもらぬ身になりて―の影をみがかむ/山家(雑)」
心の杉
こころのすぎ 【心の杉】
心が誠実であるのを,まっすぐに生える杉にたとえた語。「たれぞこの三輪の檜原(ヒバラ)も知らなくに―の我をたづぬる/新古今(恋一)」
心の柱
こころのはしら 【心の柱】
⇒しんばしら(心柱)(1)
心の柱
しんのはしら 【心の柱】
⇒しんばしら(心柱)
心の水
こころのみず 【心の水】
心の清濁や深さ浅さを水にたとえた語。「にごりたる―の少なきに/山家(雑)」
心の池
こころのいけ 【心の池】
心中に物思いが多いのを,池に水がたたえられているのにたとえていう語。「埋木の人知れぬ身と沈めども,―の言ひ難き/謡曲・実盛」
心の猿
こころのさる 【心の猿】
〔「心猿」の訓読み〕
煩悩(ボンノウ)が激しく抑えがたいことを,猿がさわぎたてて制しがたいことにたとえた語。
→意馬心猿
心の秋
こころのあき 【心の秋】
(1)心に飽きがくることを秋にかけていう語。心変わりすること。「しぐれつつもみづるよりもことの葉の―にあふぞわびしき/古今(恋五)」
(2)心に弱まりを感ずること。「いつまでのはかなき人のことの葉か―の風を待つらむ/後撰(恋五)」
心の空
こころのそら 【心の空】
(1)いろいろな思いの浮かんだり消えたりする場としてみた心。「風吹けば室の八島の夕煙―に立ちにけるかな/新古今(恋一)」
(2)心がうわの空になって何も手につかない状態。「君をのみ思ひやりつつ神よりも―になりし宵かな/拾遺(雑恋)」
心の糧
こころのかて [6] 【心の糧】
心を豊かにしたり慰めたりするもの。「聖書を―とする」
心の臓
しんのぞう [1] 【心の臓】
心臓のこと。
心の色
こころのいろ 【心の色】
(1)心のようす。心持ち。「ときはなる日かげのかづら今日しこそ―に深く見えけれ/後撰(恋三)」
(2)やさしい心。人情味。「吾妻人(アズマウド)は…―なく情おくれ/徒然 141」
心の花
こころのはな 【心の花】
短歌雑誌。1898年(明治31)佐佐木信綱主宰の竹柏会より創刊。信綱没後も遺族の手で継続発刊。個性伸長を方針に,川田順・石榑千亦(イシクレチマタ)・木下利玄・九条武子など多彩な歌人を輩出した。
心の花
こころのはな 【心の花】
(1)人の心の移りやすさを花にたとえていう語。あだ心。「色見えでうつろふものは世の中の人の―にぞありける/古今(恋五)」
(2)美しい心を花にたとえていう語。「わしの山のちの春こそ待たれけれ―の色をたのみて/新後撰(釈教)」
心の関
こころのせき 【心の関】
自分の思いを受け入れようとしない他人の心を関所にたとえていう語。「憂き人の―にうちも寝で夢路をさへぞ許さざりける/新千載(恋二)」
心の闇
こころのやみ 【心の闇】
(1)思い乱れて正しい判断ができなくなることを闇にたとえた語。「かきくらす―にまどひにき/古今(恋三)」
(2)特に,親が子を思うあまり,分別がつかなくなることをいう。子ゆえの闇。「親の御―は,あやまりて後の世の罪などもおぼしやられず/浜松中納言 2」
心の馬
こころのうま 【心の馬】
〔「意馬」の訓読み〕
奔馬が逸(ハヤ)って抑えがたいように,感情が激して抑えがたいことをたとえた語。「―を急がせ,岡崎の長橋わたりて/浮世草子・一代男 2」
→意馬心猿(イバシンエン)
心の駒
こころのこま 【心の駒】
〔「意馬」の訓読み〕
「心の馬」に同じ。「あらそへる―の乗り物に/新撰菟玖波(雑三)」
心の鬼
こころのおに 【心の鬼】
(1)やましい心をとがめる心。良心の呵責(カシヤク)。「―に恥づかしくぞおぼゆる/源氏(東屋)」
(2)煩悩(ボンノウ)・嫉妬(シツト)の心。「―はもしここ近き所にさはりありてかへされてにやあらむと思ふ/蜻蛉(下)」
心ばえ
こころばえ【心ばえ】
disposition;→英和
one's sentiment.〜のやさしい tenderhearted.
心ばかりの
こころばかり【心ばかりの】
trifling;→英和
small <present> .→英和
心ばむ
こころば・む 【心ばむ】 (動マ四)
(1)気取る。気張る。「―・みたる方(カタ)をすこし添へたらばと/源氏(夕顔)」
(2)気づかう。心配する。「あやしく―・み過ぐさるるとて/源氏(末摘花)」
心やる
こころや・る 【心やる】 (動ラ四)
〔「心得ある」の転。多く命令形「心やれ」の形で用いる〕
心得る。承知する。「惣じてようお―・れ/狂言・鱸庖丁」
心より
こころより [3][2] 【心より】 (副)
(1)心の底から。心から。「―御礼申し上げます」
(2)自分の心で。自発的に。「秋はただ―おく夕露を/新古今(秋上)」
心一杯
こころいっぱい [4] 【心一杯】 (副)
心のかぎり。精一杯。思う存分。「廿日はお祭礼(マツリ)なれば―面白い事をして/たけくらべ(一葉)」
心丈夫
こころじょうぶ [4] 【心丈夫】 (形動)[文]ナリ
頼れるものがあって心強いさま。「君が一緒なので―だ」
心丈夫である
こころじょうぶ【心丈夫である】
feel safe[reassured].
心下痞硬
しんかひこう [4] 【心下痞硬】
漢方の用語で,みぞおちのあたりがつかえて硬い状態。
心不全
しんふぜん【心不全】
《医》cardiac failure[insufficiency].
心不全
しんふぜん [3] 【心不全】
心筋変性・心臓弁膜症・高血圧症・心膜炎などのため,心臓が身体の必要とする血液を十分に送り出せない状態。「急性―」
心中
しんちゅう [1][0] 【心中】
心のうち。内心。「―を打ち明ける」
心中
しんちゅう【心中】
〔名〕the heart;→英和
〔副〕at heart;in one's mind.〜を察する share[enter into]a person's feelings;sympathize <with a person> .→英和
〜を打ち明ける take <a person> into one's confidence.
心中
しんじゅう [0] 【心中】 (名)スル
□一□
(1)相愛の男女が合意の上で一緒に自殺すること。情死。「結婚できないのを苦に―する」
(2)二人以上の者が一緒に自殺すること。「親子―」「無理―」
(3)(比喩的に)ある物事と運命をともにすること。「仕事と―する」
□二□
(1)こころのなか。むねのうち。しんちゅう。
(2)義理を立てること。「丹波橋の少六といふ大臣に,添はいでは―立たず/浮世草子・禁短気」
(3)男女がその愛を相手に示す証拠。誓紙を書いたり入れ墨をしたり指を切ったり爪を抜いたりする。「女郎の―に,髪を切り爪をはなち/浮世草子・一代男 4」
心中
しんじゅう【心中】
<commit> a double suicide.‖心中未遂 an attempted double suicide.一家心中 a whole family suicide.無理心中 a forced double suicide.
心中万年草
しんじゅうまんねんそう シンヂユウマンネンサウ 【心中万年草】
浄瑠璃。世話物。近松門左衛門作。1710年初演。高野山女人堂で南谷吉祥院の寺小姓久米之介と山麓(サンロク)神谷の宿の雑賀(サイガ)屋の娘お梅とが心中した事件を脚色したもの。
心中二つ腹帯
しんじゅうふたつはらおび シンヂユウ― 【心中二つ腹帯】
浄瑠璃。世話物。紀海音作。1722年初演。近松門左衛門作の「心中宵庚申」と同題材の,お千代・半兵衛の心中物。
心中二枚絵草紙
しんじゅうにまいえぞうし シンヂユウニマイヱザウシ 【心中二枚絵草紙】
浄瑠璃。世話物。近松門左衛門作。1706年初演。大坂北の新地の天満屋お島と長柄村の百姓の養子市郎右衛門とが,情死した事件を脚色したもの。
心中刃は氷の朔日
しんじゅうやいばはこおりのついたち シンヂユウヤイバハコホリノツイタチ 【心中刃は氷の朔日】
浄瑠璃。世話物。近松門左衛門作。1709年初演。大坂備後町の鍛冶屋(カジヤ)平兵衛と曾根崎新地の平野屋小かんの心中事件を脚色。実説の詳細は不明。
心中天網島
しんじゅうてんのあみじま シンヂユウ― 【心中天網島】
浄瑠璃。世話物。近松門左衛門作。1720年初演。大坂天満の紙屋治兵衛と曾根崎新地の遊女紀伊国屋小春が,網島の大長寺で心中した事件を脚色したもの。
心中宵庚申
しんじゅうよいごうしん シンヂユウヨヒガウシン 【心中宵庚申】
浄瑠璃。世話物。近松門左衛門作。1722年初演。大坂新靫(シンウツボ)の八百屋の養子半兵衛と,姑(シユウトメ)のために離縁された女房の千世とが宵庚申の夜,生玉の大仏勧進所で心中した事件を脚色したもの。
心中尽く
しんじゅうずく 【心中尽く】
相手への愛情を貫き通すこと。「同じ勤めの身ながら―になつて/浮世草子・風流曲三味線」
心中物
しんじゅうもの [0] 【心中物】
情死を主題にした浄瑠璃・歌舞伎狂言。
心中立て
しんじゅうだて [0][6] 【心中立て】 (名)スル
(1)人への義理を守り通すこと。
(2)男女がその愛を守り通すこと。また,その証拠を示すこと。「袴もいがみなりに仕立るのも,みんなあなたへの―/当世書生気質(逍遥)」
心中箱
しんじゅうばこ 【心中箱】
遊女から心中立てに送られた髪・爪・起請文などを入れておく箱。
心中重井筒
しんじゅうかさねいづつ シンヂユウカサネヰヅツ 【心中重井筒】
浄瑠璃。世話物。近松門左衛門作。1707年初演。通称「お房徳兵衛」。大坂万年町の紺屋の養子徳兵衛は実兄の営む六軒町の色茶屋重井筒のお房と深く契ったが,金に詰まって高津の大仏殿勧進所で心中する。
心事
しんじ [1] 【心事】
心の中で思っていること。心中。「天下の士人,忠義の外に―はなきや/文明論之概略(諭吉)」
心仏
しんぶつ [0][1] 【心仏】
〔仏〕
(1)人間の心がすなわち仏である,ということ。
(2)心中に現れる仏。
心付
こころづけ【心付】
<give> a tip <to> .→英和
心付き
こころづき 【心付き】 (名・形動ナリ)
気に入ること。愛着をもつこと。また,そのさま。「人の家より物見に出づる車を見て―におぼえ侍りければ/後撰(恋二詞)」
心付き無し
こころづきな・し 【心付き無し】 (形ク)
気に入らない。意に満たない。不愉快だ。「いとどしう―・く思ふことぞ限りなきや/蜻蛉(上)」
心付く
こころづ・く [4] 【心付く】
■一■ (動カ五[四])
(1)気付く。感づく。「客の来たのを―・かなかつた/婦系図(鏡花)」
(2)物心がつく。
(3)意識を取り戻す。正気になる。「北八―・きしと見へやうやくに目を開き/西洋道中膝栗毛(魯文)」
→こころつく(「心」の句項目)
■二■ (動カ下二)
⇒こころづける
心付け
こころづけ [0] 【心付け】
(1)特別な配慮に対する感謝のしるしや祝儀として与える,小額のお金や物。チップ。「運転手に―を渡す」
(2)連歌・俳諧の付合(ツケアイ)の方法の一。前句の意想・心情を見定め,詞の縁や寄合を避け,その起こりや場などを具体的に示す付け方。
→詞付け
→物付け
(3)気をつけること。注意。配慮。「兼ねて覚悟の良実を思し召しての御―,近頃忝(カタジケ)なう存ずる/歌舞伎・名歌徳」
心付ける
こころづ・ける [5] 【心付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 こころづ・く
(1)気を付ける。注意を払う。「彼此(アレコレ)と陰ながら―・ける/多情多恨(紅葉)」
(2)心付けを与える。「親切にも腕車(クルマ)賃まで―・けて/魔風恋風(天外)」
心任せ
こころまかせ [4] 【心任せ】
気の向くままにすること。随意。「貴方のお―に成すって下さい/其面影(四迷)」
心任せに
こころまかせ【心任せに】
as one pleases[likes].
心休め
こころやすめ [4] 【心休め】
一時的に心配・不安を軽くすること。気休め。
心体
しんたい [1] 【心体】
こころとからだ。精神と身体。心身。
心体
しんてい [1] 【心体】
心の持ち方。心ざま。心だて。
心做し
こころなし [0] 【心做し・心成し】
自分の気のせいでそう思えること。思い做し。「―寂しそうに見える」
心做しか
こころなしか 【心做しか】 (連語)
気のせいか。心なし。「―少しやせたようだ」
心停止
しんていし [3] 【心停止】
心臓の拍動が停止し,血液が心臓から送り出されなくなった状態。
心像
しんぞう [0] 【心像】
記憶・想像などにより,現実の刺激なしに意識に生じる直接的な像。視覚心像・聴覚心像・運動心像などがある。表像。心象(シンシヨウ)。イメージ。
心元
こころもと 【心元】
胸元。胸先。「おつつけ行くぞ南無阿弥陀と―を刺し通し/浄瑠璃・出世景清」
心入れ
こころいれ [0] 【心入れ】
(1)心構え。考え。「貴嬢(アナタ)の御―をも承り,飛立つ程うれしく/露団々(露伴)」
(2)心づかい。配慮。「忝(カタジケナ)き御―/浮世草子・五人女 4」
心内
しんない [1] 【心内】
心の中。内心。心中。
心内膜炎
しんないまくえん [6] 【心内膜炎】
心臓内面をおおう膜の炎症。リューマチ熱によるものと細菌感染によるものが多い。心臓内膜炎。
心凄し
こころすご・し 【心凄し】 (形ク)
寂しくて心細い。「深き里は人離れ―・く/源氏(若紫)」
心切り
しんきり [3] 【心切り・芯切り】
ろうそくの心のもえさしを切り取る道具。心切り鋏(バサミ)。
心切れ
こころぎれ [0] 【心切れ】
連歌や俳諧で,切れ字を用いずに内容的に句切れになること。また,そのような句。
心力
しんりょく [1] 【心力】
心の働き。心の力。精神力。
心劣り
こころおとり [4] 【心劣り】 (名)スル
(1)予想より劣って感じられること。見劣り。
⇔心勝り
「めでたしと見る人の―せらるる本性見えんこそ,口をしかるべけれ/徒然 1」
(2)気負けすること。気後れすること。「河守のこのありさまに―せられて/読本・春雨(宮木が塚)」
心労
しんろう【心労】
<free from> cares;anxiety.→英和
心労
しんろう [0] 【心労】 (名)スル
(1)あれこれと心配して心を悩ますこと。気苦労。「進学問題で日夜―する」
(2)精神的疲労。気疲れ。「長年の―から病気になる」
心勝り
こころまさり 【心勝り】 (名)スル
(1)予想よりもすぐれていること。
⇔心劣り
「いよいよ―してめでおぼしめしけり/著聞 8」
(2)姿かたちより心の方がすぐれていること。「継信は―の剛の人にて/謡曲・摂待」
心化粧
こころげそう 【心化粧】
相手に好感を与えるために心の用意をすること。「すいたる若き女たちは舟の上さへはづかしう―せらる/源氏(須磨)」
心匠
こころだくみ 【心匠】
心の中であれこれ工夫すること。心づもり。「となむ造るべき,かうなむ建つべきといふ御―いみじ/栄花(疑)」
心印
しんいん [0] 【心印】
〔仏〕 禅宗で,以心伝心によって伝えられる悟り。不変の悟りの本体。仏心印。
心即理
しんそくり [1][1] 【心即理】
陽明学の主要命題の一。心と理(道徳的準則)とを二分して考えない陽明学で,心の本来のあり方が理に合致している,心を離れては理が存在しないという二つの観点から,心を理に合致せしめよ,心の外に理を求めるな,と主張したもの。
心友
しんゆう [0] 【心友】
心から通じ合っている友達。
心向け
こころむけ 【心向け】
意向。考え。心向き。「年月隔て給ふ―のつらきなり/源氏(常夏)」
心咎め
こころとがめ [4] 【心咎め】
うしろめたい気持ち。
心問ふ
うらど・う 【心問ふ・裏問ふ】 (動ハ四)
相手の心中にそれとなく探りを入れる。「なんと私(ワシ)に頼まれて下んすまいかと―・へば/浄瑠璃・夏祭」
心喪
しんそう [0] 【心喪】
(1)喪(モ)が終わっても,なお喪中のように心に悲しみを抱くこと。
(2)喪服を着ず,心の中だけで喪に服すること。弟子が師の喪に服する場合など。
心嚢
しんのう [0] 【心嚢】
内外二葉からなる心膜の外側の膜。狭義の心膜。
→心膜
心因
しんいん [0] 【心因】
精神的・心理的な原因。「―性疾患」
心因反応
しんいんはんのう [5] 【心因反応】
心因によって起こる精神障害。神経症と反応性精神病があり,特に後者をさす。後者には,分裂病性反応・鬱(ウツ)反応などがある。
心因性
しんいんせい【心因性(の)】
《医》psychogenic.→英和
心土
しんど [1] 【心土】
田畑の,表土の下にある土の層。耕したとき,すき返されない部分の土。底土。
⇔作土
心地
しんち [1] 【心地】
⇒しんじ(心地)
心地
ここち [0] 【心地】
(1)物や事に接した時の心の状態。気分。気持ち。「天にも上る―」「生きた―がしない」「住み―」「夢見―」
〔他の語と複合する時は「ごこち」となる〕
(2)考え。分別。心。「おのが―にかしこしと思ふ人のほめたる/枕草子 8」
(3)(体の状態によって起こる)気分。また,病気。「御―は少し例ならずおぼされければ/大鏡(道兼)」
心地
ここち【心地】
a feeling;→英和
a sensation;→英和
a mood (気分).→英和
〜が良い comfortable;→英和
pleasant.→英和
心地
しんじ [1] 【心地】
〔「しんち」とも〕
〔仏〕
(1)心のこと。
(2)戒のこと。
(3)菩薩の実践のよりどころとなる心。
(4)禅宗で,悟りの心。
心地好い
ここちよ・い [4] 【心地好い】 (形)[文]ク ここちよ・し
気持ちがよい。気分がよい。「―・いそよ風」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
心地無し
ここちな・し 【心地無し】 (形ク)
思慮がない。分別がない。心ない。「いと―・しと思はれぬべけれど/源氏(浮舟)」
心地行く
ここちゆ・く 【心地行く】 (動カ四)
気持ちや気分がさっぱりとする。満足に思う。「いとよくはらはれたる遣水(ヤリミズ)の―・きたるけしきして/紫式部日記」
心地観経
しんじかんぎょう シンヂクワンギヤウ 【心地観経】
大乗経典の一。密教に基づき,父母・衆生(シユジヨウ)・国王・三宝の四恩を説く。大乗本生心地観経。
心垢
しんく [1] 【心垢】
〔仏〕 煩悩(ボンノウ)のこと。
心境
しんきょう [0] 【心境】
心の状態。心持ち。胸の中。「―の変化」
心境
しんきょう【心境】
a frame of mind;one's <present> state of mind.〜を打ち明ける speak one's mind <to> .
心境小説
しんきょうしょうせつ [5] 【心境小説】
私小説の一。作家の心境の吐露や描写を通して美的観照の世界を追究しようとするもの。志賀直哉「城の崎にて」,尾崎一雄「虫のいろいろ」,島木健作「赤蛙」など。
心変り
こころがわり【心変り】
a change of mind;treachery (裏切り).→英和
〜する change one's mind.
心変り
こころがわり [4] 【心変(わ)り】 (名)スル
(1)愛情・忠誠心・好みなどが,他の人や物に移ること。変心。「恋人が―したのを悲しむ」
(2)心が常と違うようになること。「心ひとつに思し嘆くに,いとど御―もまさり行く/源氏(葵)」
心変わり
こころがわり [4] 【心変(わ)り】 (名)スル
(1)愛情・忠誠心・好みなどが,他の人や物に移ること。変心。「恋人が―したのを悲しむ」
(2)心が常と違うようになること。「心ひとつに思し嘆くに,いとど御―もまさり行く/源氏(葵)」
心外
しんがい [0] 【心外】 (名・形動)[文]ナリ
(1)思いもよらないこと。意外な・こと(さま)。「―な出来事」
(2)予期に反することが起こり,残念に思う・こと(さま)。「君までが疑っているとは―だ」「―の至り」
心外
しんげ 【心外】
(1)心のほか。心以外。心のそと。
(2)心の及ばないところ。「―に見風の是非あるべき事を用心して/遊楽習道風見」
心外な
しんがい【心外な】
regrettable;→英和
unexpected (意外な).→英和
〜に思う regret.→英和
心外無別法
しんがいむべっぽう 【心外無別法】
⇒しんげむべつほう(心外無別法)
心外無別法
しんげむべつほう 【心外無別法】
華厳経の中心的思想で,唯識思想の基本的主張。この世の諸現象はすべて心の生みだしたもので,心を離れて他の存在はないということ。三界唯一心とともに使われる。しんがいむべっぽう。
心太
こころぶと 【心太】
(1)植物のテングサ。[和名抄]
(2)ところてん。「―のやうなる物生じたりければ/沙石 5」
心太
ところてん【心太】
gelidium jelly.〜式に successively;→英和
mechanically.→英和
心太
ところてん [0] 【心太・瓊脂】
テングサなど,寒天質を含む海草を煮て溶かし,箱に流して冷やし固めた食品。ところてん突きで麺(メン)状に突き出し,醤油や酢・からしなどをかけて食べる。[季]夏。《―煙のごとく沈みをり/日野草城》
心太し
こころぶと・し 【心太し】 (形ク)
大胆である。度胸がある。「ああ―・きくせものども/浄瑠璃・京今宮御本地」
心太式
ところてんしき [0] 【心太式】
ところてんを突き出すように,あとから押されて進むこと。何の苦労もしないで,押されるままに進んだり,物事を終えたりすること。「―に大学を卒業する」
心太突き
ところてんつき [4] 【心太突き】
ところてんを入れ,棒で突いて,細く麺のようにして出す道具。一端に格子形の網目のある箱筒と,突き出す棒とからなる。
心太草
ところてんぐさ [4] 【心太草】
テングサのこと。
心夫
こころづま 【心夫・心妻】
〔「こころつま」とも〕
心の中で自分の夫(または妻)と定めて思う人。「あしひきの山下とよめ鳴く鹿の言ともしかも我(ア)が―/万葉 1611」
心奥
しんおう [0] 【心奥】
心の奥。心底。
心妻
こころづま 【心夫・心妻】
〔「こころつま」とも〕
心の中で自分の夫(または妻)と定めて思う人。「あしひきの山下とよめ鳴く鹿の言ともしかも我(ア)が―/万葉 1611」
心嬉しい
こころうれし・い [6] 【心嬉しい】 (形)
うれしい。よろこばしい。「ただ何となく―・くなつて/浮雲(四迷)」
心字池
しんじいけ [3] 【心字池】
日本式庭園で「心」の字をかたどって造られた池。京都の西芳寺や桂離宮のものが有名。
心学
しんがく [0] 【心学】
(1)心を修養する学問。儒教のうちで,内面的な心を重視する陸象山・王陽明などの学問。
(2)江戸時代,享保年間(1716-1736)に興った庶民教育思想。儒・仏・神の三教を混融し,平易な道話によって道徳の実践を説いたもの。石田梅巌を祖とし,手島堵庵・中沢道二・柴田鳩翁らに受け継がれて全国に普及した。石門心学。
心学早染草
しんがくはやそめぐさ 【心学早染草】
黄表紙。三巻。山東京伝作,北尾政美画。1790年刊。当時流行した心学を趣向にしたもの。主人公理太郎の体内に悪玉が入って性格が変わるが,道理先生の教えで目がさめ,体内の悪玉も善玉によって滅ぼされる。
心安
うらやす 【心安】 (形動ナリ)
心の安らかなさま。気掛かりのないさま。「春へ咲く藤の末葉(ウラバ)の―にさぬる夜そなき子ろをし思へば/万葉 3504」
心安い
こころやす・い [5] 【心安い】 (形)[文]ク こころやす・し
(1)気心がわかっていて,遠慮のいらない間柄である。懇意である。「―・くしている知人」
(2)気軽だ。気安い。「何でも―・く頼める人」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
心安い
こころやすい【心安い】
(1) intimate;→英和
friendly.→英和
(2) feel easy (安心).
心安くなる become acquainted <with> ;make friends <with> .
心安くしている be friends <with> .
心安らか
こころやすらか [5] 【心安らか】 (形動)
心が落ち着いているさま。「―におやすみ下さい」
心安立て
こころやすだて [0][5] 【心安立て】
親しさに慣れて無遠慮にすること。「―から,浸々(シミジミ)お礼も言はずに居た/金色夜叉(紅葉)」
心宛て
こころあて [0] 【心当て・心宛て】
(1)あて推量。見当。「かねて―にしていたこと」
(2)心のうちで期待すること。心だのみ。「兼ての算用には十五両の―/浮世草子・胸算用 3」
(3)心掛け。心構え。「あつぱれ賢き―かな/仮名草子・伊曾保物語」
心室
しんしつ [0] 【心室】
心臓の下半部を占め,血液を送り出す部分。鳥類・哺乳類では隔壁で二室に分かれ,左心室は大動脈に,右心室は肺動脈に血液を送り出す。
心室
しんしつ【心室】
《解》the <right> ventricle (of the heart).→英和
心室細動
しんしつさいどう [5] 【心室細動】
心室筋が無秩序に興奮していて,血液を送り出すような収縮が生じない状態。一種の心停止状態。
心宿
なかごぼし 【中子星・心宿】
二十八宿の心(シン)宿の和名。蠍(サソリ)座のアンタレスほか二星にあたる。
心寂しい
こころさびし・い [6] 【心寂しい・心淋しい】 (形)[文]シク こころさび・し
何となくさびしい。心ざみしい。「―・い婚礼をすまして了つた/あらくれ(秋声)」
心寂しい
うらさびし・い [5][0] 【心寂しい】 (形)[文]シク うらさび・し
何となくさびしい。「―・い場末の町並み」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
心密かに
こころひそかに【心密かに】
secretly;→英和
in one's heart.
心密かに
こころひそかに [4][5] 【心密かに】 (副)
口には出さずに心の中で。「―好機の到来を待つ」「―慕う」
心射図法
しんしゃずほう [4] 【心射図法】
地図投影法の一。地球の中心に視点を置き,地球に外接する平面に投影する図法。経線および大円(大圏)が常に直線で表される。球心図法。心射投影図法。大圏図法。大円図法。
心尖部
しんせんぶ [3] 【心尖部】
心臓の倒円錐形の先端部分。
心尽くし
こころづくし [4] 【心尽(く)し】
(1)人のためにこまごまと気をつかうこと。また,そのようにして調えたもの。「友人の―の歓待に感謝する」「母の―の手料理」
(2)物思いに心をすり減らすこと。悲しみ悩むこと。「過ぎにし方の思ひいでらるるにも,中々―に/源氏(手習)」
心尽し
こころづくし【心尽し】
kindness;→英和
solicitude (配慮);→英和
efforts (尽力).
心尽し
こころづくし [4] 【心尽(く)し】
(1)人のためにこまごまと気をつかうこと。また,そのようにして調えたもの。「友人の―の歓待に感謝する」「母の―の手料理」
(2)物思いに心をすり減らすこと。悲しみ悩むこと。「過ぎにし方の思ひいでらるるにも,中々―に/源氏(手習)」
心幼し
こころおさな・し 【心幼し】 (形ク)
心が幼稚である。思慮が浅い。「―・く竜を殺さむと思ひけり/竹取」
心床し
こころゆか・し 【心床し】 (形シク)
なんとなく心が引かれるようだ。奥ゆかしい。「如何なる人やらん,―・しと問ひ給へば/浄瑠璃・信州川中島」
心底
しんてい【心底】
the bottom of a person's heart; <read> a person's inmost thoughts.〜は at bottom[heart].
心底
しんそこ [1][0] 【心底・真底】
■一■ (名)
心の奥底。「―から愛する」「夫人の胸中に立ち入つて,其―を探ると/明暗(漱石)」
■二■ (副)
心から。本当に。「こんどばかりは―あいそが尽きた」「―お前の了簡が知れたよ/真景累ヶ淵(円朝)」
心底
しんてい [0][1] 【心底】
(1)心の奥底。心の中で考えていること。本心。しんそこ。「―を見抜く」
(2)相手に真情をそそぐこと。また,その相手。情人。「彼の吉原の―方よりまえつた玉章(タマズサ)を/滑稽本・八笑人」
心底から
しんそこ【心底から】
from the bottom of one's heart.〜からの hearty;→英和
heartfelt.→英和
〜は at heart.
心底尽く
しんていずく 【心底尽く】
心の底からのこと。「色も恋も打ち越して―の二人が仲/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
心底話
しんていばなし [5] 【心底話】
心の奥底をうちあけてする話。
心延え
こころばえ [0] 【心延え】
〔「はえ」は動詞「延(ハ)う」の連用形の名詞化〕
(1)心のありよう。心構え。主にその人の長所となるような性質や気性についていう。「―のいい人」「すぐれた―」
(2)人の性質・性向。「―などあてやかにうつくしかりつる事を見ならひて/竹取」
(3)人の心の表れとしての言動・しぐさ。思いやりや気づかいなど。「その程の―はしも,ねんごろなるやうなりけり/蜻蛉(上)」
(4)趣向。風情。おもむき。「春の―ある歌たてまつらせ給ふ/伊勢 77」
(5)趣意。意味。わけ。「かくいひける―は,…一生に男せでやみなむといふことを/大和 142」
心弱い
こころよわ・い [5] 【心弱い】 (形)[文]ク こころよわ・し
(1)意志が弱い。気が弱い。「―・くも妥協してしまった」
(2)情にもろい。「―・くも落つる涙よ」
心張
しんばり [0] 【心張(り)】
「心張り棒」の略。「―をかう」「―をはずす」
心張り
しんばり [0] 【心張(り)】
「心張り棒」の略。「―をかう」「―をはずす」
心張り棒
しんばりぼう [0][4] 【心張(り)棒】
引き戸などが開かないようにするために用いるつっかえ棒。心張り。「―をかう」
心張棒
しんばりぼう [0][4] 【心張(り)棒】
引き戸などが開かないようにするために用いるつっかえ棒。心張り。「―をかう」
心強い
こころづよい【心強い】
reassuring.心強く思う feel reassured[secure].
心強い
こころづよ・い [5] 【心強い】 (形)[文]ク こころづよ・し
(1)頼りになるものがあって安心していられる。心丈夫だ。
⇔心細い
「君がいてくれれば―・い」「―・い味方」
(2)気持ちがしっかりしている。気丈だ。「堪へがたきを―・く念じ返させ給ふ/源氏(桐壺)」
(3)かたくなだ。つれない。「―・くうけたまはらずなりにしこと/竹取」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
心強し
こころごわ・し 【心強し】 (形ク)
情がこわい。気がつよい。「故宮にもしか―・きものに思はれ奉りて過ぎ侍りしを/源氏(乙女)」
心当たり
こころあたり [4] 【心当(た)り】
心にこれと思いあたること。目当て。見当。「いくら考えても―がない」「―を探す」
心当て
こころあて [0] 【心当て・心宛て】
(1)あて推量。見当。「かねて―にしていたこと」
(2)心のうちで期待すること。心だのみ。「兼ての算用には十五両の―/浮世草子・胸算用 3」
(3)心掛け。心構え。「あつぱれ賢き―かな/仮名草子・伊曾保物語」
心当り
こころあたり [4] 【心当(た)り】
心にこれと思いあたること。目当て。見当。「いくら考えても―がない」「―を探す」
心当りがある
こころあたり【心当りがある(ない)】
know <of> (have no idea <of> ).→英和
〜の場所 a likely place.
心形刀流
しんけいとうりゅう シンケイタウリウ 【心形刀流】
〔「しんぎょうとうりゅう」とも〕
剣術の一派。伊庭(イバ)是水軒秀明が柳生流・本心流を学び,天和(1681-1684)頃創始。
心待ち
こころまち [0][5] 【心待ち】 (名)スル
期待をもって心の中で待つこと。「―にしていた手紙が来る」
心待ちにする
こころまち【心待ちにする】
look forward to <doing,a thing> ;expect.→英和
心後れ
こころおくれ [4] 【心後れ】 (名)スル
(1)恐れひるむこと。気おくれ。「遂―が致しまして/露団々(露伴)」
(2)心が劣ること。「かたち見にくく,―にして出で仕へ/徒然 134」
心得
こころ・う 【心得】 (動ア下二)
⇒こころえる
心得
こころえ【心得】
(1) knowledge <of English> ;→英和
<米> know-how (やり方);a notion;→英和
an idea (概念);→英和
understanding (理解);→英和
experience (経験).→英和
(2) rules;regulations.〜顔に with a knowing look.‖校長(課長)心得 an acting principal (chief of the section).執務心得 office regulations.
心得
こころえ [3][4] 【心得】
(1)技術・技芸などを,習いおぼえて修得していること。たしなみ。「茶の湯の―がある」
(2)なにか事に当たる場合に,わきまえておくべき事柄。「電話をかける時の―」「―帳」
(3)官庁や会社で,ある役職の職務を下級の者が代行する時の職名。「局長―」「課長―」
(4)気持ち。考え方。「あれにはさいぜんより―がなをつた/狂言・昆布売」
心得る
こころ・える [4] 【心得る】 (動ア下一)[文]ア下二 こころ・う
(1)ある物事について,こうであると理解する。わかる。「この場を何と―・えるか」「呼ばれたものと―・えて/歌行灯(鏡花)」
(2)事情を十分知った上で引き受ける。承知する。「万事―・えました」
(3)すっかり身についている。心得がある。「茶道については一通りのことは―・えている」
(4)気をつける。用心する。「ころび落ちぬやう―・えて炭を積むべきなり/徒然 213」
心得る
こころえる【心得る】
(1)[知る]learn;→英和
[知っている]know;→英和
have a knowledge <of> .→英和
(2)[考える]think;→英和
regard[consider] <something> as.
心得違い
こころえちがい【心得違い】
(1) misbehavior;misdemeanor (不行跡).→英和
(2) misunderstanding;→英和
a mistaken idea (誤解).
〜をする misbehave[misconduct](oneself);→英和
misunderstand;→英和
get <it> wrong.
心得違い
こころえちがい [5] 【心得違い】 (名・形動)
(1)思い違い。勘違い。誤解。「とんだ―をしていた」
(2)よくない間違った考えやおこない。不心得。「若い娘を一人置て,―な事でもあつてはならんと/塩原多助一代記(円朝)」
心得顔
こころえがお [0] 【心得顔】 (名・形動)[文]ナリ
事情などをよく知っている,わかっているといった顔つき。「―に言う」
心心
こころごころ 【心心】 (名・形動ナリ)
(1)人それぞれの心。「人の―,おのがじしの立てたるおもむきも見えて/源氏(帚木)」
(2)考え・思いが人さまざまであるさま。思い思い。「―なる人の有様どもを見給ひ重ぬるに/源氏(玉鬘)」
心志
しんし [1] 【心志】
こころざし。意志。「自づから―を鼓舞して/花柳春話(純一郎)」
心忙しい
こころぜわし・い [6] 【心忙しい】 (形)[文]シク こころぜは・し
気ぜわしい。気がせいて何となく落ち着かない。「出発の日が迫って何かと―・い日々を送る」
心忠実し
こころまめ・し 【心忠実し】 (形シク)
心がけがまじめだ。誠実だ。「御前ていの思し召し,諸傍輩(ホウバイ)にすぐれ候ふ故,―・しく相勤め/浄瑠璃・娥哥がるた」
心念
しんねん [0] 【心念】
(1)〔仏〕 こころ。考え。思い。「―も刹那生滅し無所住なり/正法眼蔵」
(2)心に念ずること。
心念口称
しんねんくしょう [5] 【心念口称】
心に仏を思い,口に仏名をとなえること。「―を忘れ給はずは/平家 10」
心思
しんし [1] 【心思】
こころ。おもい。考え。「―を此一事に置かざることなく/月世界旅行(勤)」
心急く
こころせ・く [4] 【心急く】 (動カ五[四])
気持ちばかりあせる。心がはやる。「―・くままに旅立つ」
心性
しんしょう [0] 【心性】
(1)〔仏〕 不変な心の姿。本来の清浄な心。「いはゆる―の常住なる理(コトワリ)を知るなり/正法眼蔵」
(2)「しんせい(心性)」に同じ。
心性
しんせい [0] 【心性】
(1)こころ。こころのあり方。
(2)心の特質。
心性史
しんせいし [3] 【心性史】
〔(フランス) l'histoire des mentalités〕
歴史学の分野の一。人々の思考様式や感覚を,文献史料の他に図像や遺物・口頭伝承なども用いて研究する。1970年頃からフランスを中心に発展。
→文化史
心恋し
うらごい・し 【心恋し】 (形シク)
心の中で恋しく思う。なんとなく恋しい。「―・し我兄(ワガセ)の君は/万葉 4010」
心恋ほし
うらごお・し 【心恋ほし】 (形シク)
「うらごいし」に同じ。「其(シ)があれば―・しけむ鮪突く鮪/古事記(下)」
心恥ずかしい
うらはずかし・い [6] 【心恥ずかしい】 (形)[文]シク うらはづか・し
何となく恥ずかしい。「道義を口にするものといへども之を読むにいたりては時に―・しう思ふこと/小説神髄(逍遥)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
心恥づかし
こころはずか・し 【心恥づかし】 (形シク)
気後れがする。気がひける。「いと気高う―・しき御有様に/源氏(明石)」
心悪し
こころわる・し 【心悪し】 (形ク)
(1)心がけが悪い。心がねじけている。心わろし。「いと―・きしわざかな/発心 2」
(2)気分が悪い。「最前からちと―・うござる/浄瑠璃・忠臣蔵」
心悪し
こころあ・し 【心悪し】 (形シク)
性質が悪い。「とりどころなきもの,かたちにくさげに,―・しき人/枕草子 141」
心悲しい
うらがなし・い [5][0] 【心悲しい】 (形)[文]シク うらがな・し
何となく悲しい。「―・い気持ちになる」「―・い音楽」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
心悸
しんき [1] 【心悸】
心臓の鼓動。心臓の動悸。
心悸亢進
しんきこうしん [1] 【心悸亢進】
心臓の鼓動が激しくなること。動悸がひどくなる症状。
心悸昂進
しんきこうしん【心悸昂進】
palpitation (of the heart);heart acceleration.
心情
しんじょう【心情】
one's feelings.〜を察する feel for <a person> ;enter into a person's feelings.
心情
しんじょう [0] 【心情】
心の中で思っていること。こころの状態。「―を察する」
心情け
うらなさけ 【心情け】
心に秘めた愛情。「頼み顔なる―,向ひて言ふもさすがなり/曾我 4」
心情倫理
しんじょうりんり [5] 【心情倫理】
道徳的善悪の基準を,行為の結果ではなく,行為者の意図・気持ち・意志などに置く立場。カント・リップスなどがこれに属する。心情道徳。心術道徳。
心情的
しんじょうてき [0] 【心情的】 (形動)
論理的な面ではなく,感情的な面に関するさま。「―には理解できる」
心惑い
こころまどい [4] 【心惑い】 (名)スル
心が乱れること。心迷い。「内の様子に―せらるる体(テイ)にて/金色夜叉(紅葉)」
心惹かれる
こころひか・れる 【心惹かれる】 (連語)
(興味や魅力を感じて)心がひきつけられる。「―・れる情景」
心意
しんい [1] 【心意】
こころ。精神。
心意気
こころいき【心意気】
⇒心ばえ.
心意気
こころいき [0][4] 【心意気】
(1)物事に積極的に向かってゆく,きっぱりとした態度。また,そういう気性。気概。「―に感ずる」「その―がうれしい」
(2)きっぷのよい心。意気地。気概。「大阪商人の―を見せる」「辰巳芸者の―」
(3)性格。気性。気質。「世の中に大部かういふ―の者が有るて/黄表紙・艶気樺焼」
(4)なったつもり。また,気どり。「艶二郎は役者・女郎などの―にて/黄表紙・艶気樺焼」
(5)真情。こころね。「ぬしの―次第でどうともしいすのさ/洒落本・傾城買二筋道」
(6)(歌舞伎で)真情を表現する身振りや表情をすること。
心慮
しんりょ [1] 【心慮】
考え。思い。思慮。
心憂し
こころう・し 【心憂し】 (形ク)
(1)なさけない。「わが容貌(カタチ)の醜くあさましきことをあまりに―・くおぼえて/徒然 134」
(2)好ましくない。「悪霊の左大臣殿と申し伝へたる,いと―・き御名なりかし/大鏡(兼通)」
心憎い
こころにく・い [5] 【心憎い】 (形)[文]ク こころにく・し
□一□
(1)あまりにすぐれているので憎らしくさえ感じられる。「―・いまでに落ち着きはらっている」「―・い演技力」
(2)表面はさりげないが深い配慮が感じられる。「―・い心遣い」「―・い庭石の配置」
□二□
(1)上品で奥ゆかしい。深みがある。「たきものの香,いと―・し/枕草子 201」
(2)(よくわからないもの,はっきりしないものに)関心をそそられる。心をひかれる。「殿ばらなどには―・き今参りのいと御覧ずる際にはあらぬほど/枕草子 201」
(3)奥底が知れない。あなどりがたい。「さだめて打手むけられ候はんずらん,―・うも候はず/平家 4」
(4)不審だ。あやしい。「―・し,重きものを軽う見せたるは隠し銀(ガネ)にきはまる所/浮世草子・胸算用 4」
〔相手のすぐれていることをねたましく思う状態の□一□(1)が原義〕
[派生] ――さ(名)
心憎い
こころにくい【心憎い】
(1) hateful.(2) exquisite;→英和
admirable (みごとな).→英和
〜ほど strikingly;→英和
irresistibly.→英和
心懐
しんかい [0] 【心懐】
心に思うこと。意中。
心懸かり
こころがかり [4] 【心懸(か)り・心掛(か)り】 (名・形動)
気になる・こと(さま)。心配。気がかり。「老母のことが―だ」
心懸り
こころがかり [4] 【心懸(か)り・心掛(か)り】 (名・形動)
気になる・こと(さま)。心配。気がかり。「老母のことが―だ」
心成し
こころなし [0] 【心做し・心成し】
自分の気のせいでそう思えること。思い做し。「―寂しそうに見える」
心房
しんぼう [0] 【心房】
心臓の内腔の上半部を占め,体循環および肺循環の血液を受ける部分。両生類以上の高等脊椎動物では,隔壁により左心房・右心房とに分かれる。
心房細動
しんぼうさいどう [5] 【心房細動】
洞結節からの規則的な刺激に反応せずに,心房が不規則で無秩序な興奮を生じている状態。心室の収縮も不規則になる。
心打
しんうち [1][0] 【真打・心打】
(1)寄席などでその日の最後に出演してすぐれた芸を演ずる人。最上級格の人。真(シン)。
(2)落語家などの最高の資格。興行の主任をつとめることができる。現在は上方の落語家には用いない。
心技
しんぎ [1] 【心技】
心のあり方と技術の両面。「―充実」
心拍
しんぱく [0] 【心拍・心搏】
心臓の鼓動。「―数」
心拍動
しんぱくどう [4] 【心拍動】
心臓が繰り返す,周期的な収縮と弛緩による運動。
心拍子
こころびょうし 【心拍子】
(1)心の中でとる拍子。「轡(クツワ)の音のしやん��りん��しやりりん��と―に乗掛けは/浄瑠璃・堀川波鼓(中)」
(2)「声枕(コワマクラ)」に同じ。「ここには声枕を置くべし,今程―と言へり/申楽談儀」
心持
こころもち【心持】
(1) a frame of mind;feeling;→英和
mood.→英和
(2) a little;→英和
a bit (少し).→英和
心持
こころもち 【心持(ち)】
■一■ [0][5] (名)
(1)心の持ち方。気立て。「―のよい人」
(2)気持ち。ここち。「いい―だ」「―が悪い」
■二■ [0] (副)
気のせいでそう思われる程度。わずかばかり。いくらか。少し。「―右に曲がっているようだ」
心持ち
こころもち 【心持(ち)】
■一■ [0][5] (名)
(1)心の持ち方。気立て。「―のよい人」
(2)気持ち。ここち。「いい―だ」「―が悪い」
■二■ [0] (副)
気のせいでそう思われる程度。わずかばかり。いくらか。少し。「―右に曲がっているようだ」
心持ち材
しんもちざい [4] 【心持ち材】
樹心を含んだ木材。
心掛かり
こころがかり [4] 【心懸(か)り・心掛(か)り】 (名・形動)
気になる・こと(さま)。心配。気がかり。「老母のことが―だ」
心掛け
こころがけ [0] 【心掛け】
(1)平素からの心の持ち方。「ふだんの―がよくない」
(2)こころえ。たしなみ。「天平美術の―もある/社会百面相(魯庵)」
心掛け
こころがけ【心掛け】
(an) intention (意図);→英和
care (注意);→英和
prudence (用心);→英和
one's mental attitude (心構え).〜の良い of good intentions;prudent.→英和
〜の悪い careless;→英和
imprudent.→英和
心掛ける
こころが・ける [5] 【心掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 こころが・く
いつも心に留めて忘れないようにする。いつもそれを目指して努力する。「規則正しい生活を―・ける」
心掛ける
こころがける【心掛ける】
intend;→英和
try;→英和
bear[keep]in mind.
心掛り
こころがかり【心掛り】
⇒気掛り.
心掛り
こころがかり [4] 【心懸(か)り・心掛(か)り】 (名・形動)
気になる・こと(さま)。心配。気がかり。「老母のことが―だ」
心掟
こころおきて 【心掟】
(1)心に思い定めていること。「朱雀院の御―を,本意かなはせ給へるもいとめでたし/栄花(月の宴)」
(2)心の持ち方。性格。気立て。「幼かるべき程よりは―大人大人しく目やすく/源氏(竹河)」
心搏
しんぱく [0] 【心拍・心搏】
心臓の鼓動。「―数」
心操
しんそう [0] 【心操】
心構え。心ばえ。志操。「形皃(ギヨウミヨウ)(=容姿)端正にして―正直なり/今昔 5」
心支度
こころじたく [4] 【心支度】
心の準備。心構え。
心教
しんきょう [1] 【心教】
禅宗の異名。
心敬
しんけい 【心敬】
(1406-1475) 室町中期の連歌師・歌人。権大僧都。初名,心恵。紀伊の人。京都十住心院住持。和歌を正徹(シヨウテツ)に学び,連歌界の中心人物として活躍。美と宗教との調和を求めたその句風や連歌論は,のちの宗祇などに影響を与えた。句集「心玉集」「芝草」,連歌論「ささめごと」「所々返答」「ひとりごと」「老のくりごと」など。
心斎橋筋
しんさいばしすじ 【心斎橋筋】
大阪市中央区の繁華街。心斎橋南詰めから道頓堀川にかかる戎(エビス)橋の間の南北の通り。
心早し
こころはや・し 【心早し】 (形ク)
心の働きが機敏である。勘が鋭い。「大殿さる―・きものにて,ことありとさとりて/著聞 12」
心易
しんえき [0] 【心易】
易の一種。宋の邵康節(シヨウコウセツ)の創始。筮竹(ゼイチク)を用いず,年月日時などによって卦(ケ)を立てるもの。梅花数。
心暖まる
こころあたたまる【心暖まる】
〔形〕heart-warming.
心暖まる
こころあたたま・る 【心暖まる】 (連語)
人の誠意や愛情が感じられて,心がなごむ。「―・る光景」
心曲
しんきょく [0][1] 【心曲】
心の中の一部始終。胸中の委曲。
心月
しんげつ [1] 【心月】
〔仏〕 明月のように澄みきっている,悟りを開いた心。
心有り
こころあ・り 【心有り】 (連語)
(1)思慮分別がある。物の道理がわかっている。「少し―・らむ人は,我があたりをさへ疎みぬべかめり/源氏(東屋)」
(2)思いやりがある。情がある。「三輪山を然(シカ)も隠すか雲だにも―・らなも隠さふべしや/万葉 18」
(3)趣がある。また,情趣や風雅を解する。「―・る朝ぼらけに急ぎ出でつる車副ひなどこそ/源氏(東屋)」「―・らむ人に見せばや津の国の難波わたりの春の景色を/後拾遺(春上)」
(4)相手にさからうような気持ちをひそかにいだく。下心がある。「かく親しき御なからひにて,―・るやうならむもびんなくて/源氏(若菜上)」
(5)歌論や連歌の用語。深い心をこめている。有心体(ウシンタイ)。「常に―・る体の歌を御心にかけてあそばし候べく候/毎月抄」
⇔心無い
心有る
こころある [4] 【心有る】 (連体)
分別思慮がある。物の道理がわかっている。
⇔心無い
「―人は嘆いている」
心服
しんぷく [0] 【心服】 (名)スル
〔古くは「しんぶく」とも〕
心の底から尊敬し,服従すること。「師の人格学識に―する」
心服する
しんぷく【心服する】
have a high regard <for> ;be obediently devoted <to> .
心木
しんぎ [1] 【心木】
(1)車の中心となる棒。心棒。
(2)物事の中心となるもの。活動の中心。
心材
しんざい [0] 【心材】
樹木の材の中心に近い部分。細胞壁に種々の色素が沈着して赤・黒・黄などに着色される。一般に,腐朽しにくい。赤身。
→辺材
心柄
こころがら [0][5] 【心柄】
(1)気だて。性質。「―のよい人」
(2)〔「心から」の転〕
自分の心から,そうなること。自業自得。「雪の中に凍えるとは定し―で有う/鉄仮面(涙香)」
心柱
しんばしら [3] 【心柱・真柱】
(1)建築物,特に仏塔などの中心となる柱。しんのはしら。こころのはしら。
(2)天理教の統率者。《真柱》
心根
しんこん [0][1] 【心根】
心の奥底。心底。こころね。
心根
こころね【心根】
one's feelings (感情);one's motive (動機);one's disposition (心ばえ).
心根
こころね [0] 【心根】
心の奥底にあるもの。心底(シンテイ)。真情。本性。「―のやさしい人」
心棒
しんぼう【心棒】
an axle;→英和
a shaft (車の);→英和
a stem (こまの).→英和
心棒
しんぼう [1] 【心棒】
(1)車輪・こまなど,回転する物の中心となる軸。回転軸。
(2)活動の中心になっているもの。
心構え
こころがまえ [4] 【心構え】
心の中での準備。心の用意。「いざという時のためにふだんからの―が必要だ」
心構え
こころがまえ【心構え】
one's mental attitude;preparation (用意).→英和
〜をする be prepared[ready] <for> .
心様
こころざま [0] 【心様】
心のもちよう。気質。気だて。性格。「―やさしきをとめ/浴泉記(喜美子)」
心機
しんき [1] 【心機】
心のはたらき。心の動き。心持ち。
心機一転
しんきいってん [1] 【心機一転】 (名)スル
ある動機から翻然と心持ちを変えること。「―一から出直す」
心機一転する
しんき【心機一転する】
change one's mind;One's mind takes a new turn.
心次第
こころしだい [4] 【心次第】
心の向くまま。心まかせ。
心止め
しんどめ [0] 【心止め】
果樹などの幹の先端を切って生長を止めること。側枝の生長や発芽を促すために行う。
心残り
こころのこり [4] 【心残り】 (名・形動)
あとに心が残って,心配したり残念に思う・こと(さま)。未練。「完成を見とどけられないのが―だ」
心残り
こころのこり【心残り】
regret.→英和
〜がする feel[be]reluctant <to leave> .〜がない have nothing to regret.→英和
心気
しんき [1] 【心気・辛気】 (名・形動)[文]ナリ
(1)心持ち。心。気持ち。気分。
(2)心がはればれしないこと。くさくさすること。また,そのさま。「不断からえら―な人で,あぢよいつても真(ホン)にしねえだ/めぐりあひ(四迷)」
心気泣き
しんきなき 【心気泣き】
どうしようもないもどかしさから泣くこと。もだえ泣き。「是程思ひ合うた中,なぜにめをとになれぬと,―にぞ泣きゐたる/浄瑠璃・五十年忌(中)」
心気病み
しんきやみ [0] 【心気病み】
気がうつうつとして晴れず病気のようになること。また,その人。
心気症
しんきしょう [0] 【心気症】
自分の健康状態について必要以上に心配して各種の自覚症状を訴えるとともに,訴えた自覚症状にとらわれ一層不安になる状態。神経症・鬱(ウツ)病・分裂病などにみられる。ヒポコンドリー。
心汚し
こころきたな・し 【心汚し】 (形ク)
心がいやしい。あさましい。卑劣である。「―・き聖(ヒジリ)心なりける/源氏(総角)」
心法
しんぼう [0] 【心法】
〔「しんほう」とも〕
□一□〔歴史的仮名遣い「しんばふ」〕
(1)心を修練する法。
(2)宋儒の語で,心の体を存養し,心の用を省察する道。
□二□〔歴史的仮名遣い「しんぼふ」〕
〔仏〕 心の働き。心。
⇔色法(シキホウ)
→五位
心浅し
こころあさ・し 【心浅し】 (形ク)
(1)思慮が浅い。考えが足りない。
⇔心深し
「―・くけしからず人笑へならむを/源氏(浮舟)」
(2)情が薄い。薄情だ。「御有様にたがひて―・きやうなる御もてなしの/源氏(総角)」
心涼し
こころすず・し 【心涼し】 (形シク)
気持ちがすがすがしい。「―・しき四手(シデ)の音かな/新古今(神祇)」
心淋しい
こころさみし・い [6] 【心淋しい】 (形)[文]シク こころさみ・し
〔「こころざみしい」とも〕
「こころさびしい」に同じ。
心淋しい
こころさびし・い [6] 【心寂しい・心淋しい】 (形)[文]シク こころさび・し
何となくさびしい。心ざみしい。「―・い婚礼をすまして了つた/あらくれ(秋声)」
心深し
こころふか・し 【心深し】 (形ク)
(1)思慮が深い。考えが深い。
⇔心浅し
「―・しやなどほめ立てられて/源氏(帚木)」
(2)情趣に富んでいる。「中にもかはむしの―・きさましたるこそ心にくけれ/堤中納言(虫めづる)」
心添え
こころぞえ [0] 【心添え】
注意・忠告を与えること。また,その注意・忠告。「何かとお―をいただき…」
心火
しんか [1] 【心火】
(1)
(ア)激しい怒りや憎悪の感情を火にたとえた語。心の火。胸の火。「―を燃やす」
(イ)神の怒りによって発する火。「彼の神は雷(イカズチ)の神として嗔(イカリ)の―を出だせるなり/今昔 11」
(2)幽霊・死者・墓の周囲を飛ぶ火。「怪しい哉―ぱつと燃え上り/読本・稲妻表紙」
(3)歌舞伎で,人魂(ヒトダマ)を表すために燃やす火。
心無い
こころな・い [4] 【心無い】 (形)[文]ク こころな・し
□一□
(1)思慮がない。分別がない。
⇔心ある
「―・い子供たちのいたずら」
(2)他に対する思いやりがない。「当人の将来を考えぬ―・い仕打ち」
(3)趣を解さない。物の風情(フゼイ)がわからない。「桜の枝を折る―・い人」
□二□
(1)(無生物について)知・情・意をそなえていない。「木は此れ―・し。何(イカ)でか音(コエ)を出ださんや/今昔 12」
(2)関心がない。熱意がない。「書に―・し/胆大小心録」
⇔心あり
[派生] ――さ(名)
心無し
うらな・し 【心無し・裏無し】 (形ク)
(1)相手に対して自分の心を包み隠さない。へだて心がない。「さるは,よしと人にいはるる人よりも―・くぞ見ゆる/枕草子 305」
(2)裏表がない。率直だ。いつわりがない。「ひきときの―・く思ふ心よりあはせてたべと神せがむなり/徳和歌後万載集」
心無し
こころなし 【心無し】
思慮・分別のないこと。また,その人。「然(サ)る―は生きても何(イカ)にかはせん/今昔 19」
心状
しんじょう [0] 【心状】
心のありさま。心の状態。
心狭し
こころせば・し 【心狭し】 (形ク)
度量が小さい。「をみなへし咲ける大野を防ぎつつ―・くやしめ(=シメナワ)を結ふらむ/源氏(総角)」
心猿
しんえん [0] 【心猿】
心の欲の制し難いことを,猿がわめき騒ぐのにたとえていう語。「意馬―」
心王
しんのう [3] 【心王】
〔「しんおう」の連声〕
〔仏〕 心の主体。特に,対象の全体を認識する働きをする。心(シン)。
心理
しんり【心理】
psychology;→英和
a mental state.〜的(に) psychological(ly);→英和
mental(ly).→英和
‖心理学 psychology.心理学者 a psychologist.心理作用 mental process.心理小説 a psychological novel.異常(群集,実験,児童,社会,産業)心理学 abnormal (mass,experimental,child,social,industrial) psychology.
心理
しんり [1] 【心理】
(1)心の働き。行動に表れる心の動き。「女性―」「思春期特有の―」
(2)「心理学」の略。
心理主義
しんりしゅぎ [4] 【心理主義】
論理学や認識論の諸問題を,人間の心的・主観的過程に還元して心理学的見地から説明する立場。
⇔論理主義
心理劇
しんりげき [3] 【心理劇】
⇒サイコドラマ
心理学
しんりがく [3] 【心理学】
〔西周(ニシアマネ)が psychology から訳した語〕
経験的事実としての意識現象と行動を研究する学問。精神についての学問として形而上学的な側面をもっていたが,一九世紀以降実験的方法を取り入れ,実証的科学となった。
心理小説
しんりしょうせつ [4] 【心理小説】
作中人物の心理の精密な分析と描写を中心とする小説。個人主義と市民社会の成立を背景に主にフランスで発展し,心理学の新しい展開につれて,より意識の内奥までも分析・描写されるようになる。スタンダールの「赤と黒」,ラディゲの「ドルジェル伯の舞踏会」など。
心理戦
しんりせん [0] 【心理戦】
相手の心理に計画的・継続的に働きかけて,交渉・軍事その他で自分側が有利になるようにすること。心理戦争。
心理描写
しんりびょうしゃ [4] 【心理描写】
文学作品などで,人物の心の微妙な移り変わりを細かく分析して描き出すこと。
心理検査
しんりけんさ [4] 【心理検査】
心理的特性の測定・評価を目的とする検査の総称。知能検査・性格検査など。心理テスト。
心理療法
しんりりょうほう [4] 【心理療法】
神経症のように心理的な原因によると考えられる病気に対して,薬物によるのではなく心理的な技術を用いて治療する方法。精神療法。サイコセラピー。
心理的
しんりてき [0] 【心理的】 (形動)
心の働きに関するさま。「―な圧迫を加える」
心理言語学
しんりげんごがく [6] 【心理言語学】
言語活動の発生・学習・発達・異常などを,心理的・生理的に解明しようとする学問。
心田
しんでん [0] 【心田】
「しんじ(心地)」に同じ。「こころ」を田地にたとえた語。
心界
しんかい [0][1] 【心界】
心の世界。
⇔物界
心異
こころこと 【心異】 (形動ナリ)
(1)心が変わっているさま。「きぬ着せつる人は―になるなりといふ/竹取」
(2)他ときわだっているさま。なみなみでないさま。「この御子生まれ給ひて後はいと―におもほしおきてたれば/源氏(桐壺)」
心疚しい
こころやまし・い [6] 【心疚しい・心疾しい】 (形)[文]シク こころやま・し
(1)心にやましく感じる。「何も―・いものはない」
(2)いらだたしい。おもしろくない。「左のしきりに負け,右のみ勝つにむげにもの腹だたしう―・しうおぼされければ/栄花(初花)」
[派生] ――さ(名)
心疾
しんしつ [0] 【心疾】
心労によって起こる病気。
心疾し
こころと・し 【心疾し】 (形ク)
理解がはやい。気がきいている。賢明である。「平中,―・き者にて/今昔 30」
心疾しい
こころやまし・い [6] 【心疚しい・心疾しい】 (形)[文]シク こころやま・し
(1)心にやましく感じる。「何も―・いものはない」
(2)いらだたしい。おもしろくない。「左のしきりに負け,右のみ勝つにむげにもの腹だたしう―・しうおぼされければ/栄花(初花)」
[派生] ――さ(名)
心痛
しんつう [0] 【心痛】 (名)スル
(1)心をいためて心配すること。「其父よりも母よりも宮は更に切なる誠を籠めて―せり/金色夜叉(紅葉)」
(2)胸の痛み。
心痛
しんつう【心痛】
⇒心配.
心療内科
しんりょうないか シンレウナイクワ [5] 【心療内科】
内科的症状を呈する神経症や心身症を治療対象とする診療科目。内科的治療とともに心理療法も行う。
心的
しんてき [0] 【心的】 (形動)
心にかかわるさま。「―な現象」「―作用」
心的
しんてき【心的】
mental.→英和
心的現象(作用) a mental phenomenon (action).
心的外傷
しんてきがいしょう [5][0] 【心的外傷】
個人にとって心理的に大きな打撃を与え,その影響が長く残るような体験。精神的外傷。外傷体験。トラウマ。
心皮
しんぴ [1] 【心皮】
めしべを構成する特殊な分化をした葉。子房・花柱・柱頭に分化する。羊歯(シダ)植物では大胞子葉がこれに相当する。
心目
しんもく [1][0] 【心目】
(1)心と目。
(2)物事の最も重要な部分。
心眼
しんがん【心眼】
one's mind's eye.
心眼
しんがん [0] 【心眼】
物事の真実の姿をはっきり見抜くことができるような心のはたらきを目に見立てた語。「彼の腹の中の行きさつが手にとる様に吾輩の―に映ずる/吾輩は猫である(漱石)」
心眼
しんげん [0] 【心眼】
(1)〔仏〕 修行によって得た智慧。心のはたらき。
(2)「しんがん(心眼)」に同じ。
心矢
しんや [1] 【心矢・真矢】
杙(クイ)打ち機械の一種。やぐらの滑車にかけた引き綱を引いておもりを上下させ,杙を打ち込む装置。
心知り
こころしり 【心知り】 (名・形動ナリ)
(1)互いに心を知り合うさま。また,その人。懇意。知己。「花すすき招くたよりのかひもなし―なる人し見えねば/和泉式部集」
(2)事情をよく知っているさま。また,その人。わけしり。「よべの―の人々は/源氏(東屋)」
心短し
こころみじか・し 【心短し】 (形ク)
気がみじかい。短気だ。「たのもしげなきもの。―・く,人忘れがちなる婿の,つねに夜離(ガ)れする/枕草子 164」
心確か
こころたしか [4] 【心確か】 (形動ナリ)
考えがしっかりしているさま。「―なる女なれども/義血侠血(鏡花)」
心礎
しんそ [1] 【心礎】
仏塔などの中心柱の礎石。柱を受ける穴や舎利を納める舎利穴などの加工が施されることが多い。擦礎(サツソ)。
心祝
こころいわい [4] 【心祝(い)】
(1)外見や形式にこだわらない,気持ちばかりのささやかな祝い。
(2)心の中で良い事が起きるのを願うこと。「すずむ顔して二三べん―の神のくじ/浄瑠璃・鑓の権三(下)」
心祝い
こころいわい [4] 【心祝(い)】
(1)外見や形式にこだわらない,気持ちばかりのささやかな祝い。
(2)心の中で良い事が起きるのを願うこと。「すずむ顔して二三べん―の神のくじ/浄瑠璃・鑓の権三(下)」
心神
しんしん [0][1] 【心神】
精神。心。
心神喪失
しんしん【心神喪失】
《法》lunacy.→英和
心神喪失
しんしんそうしつ [1][0] 【心神喪失】
〔法〕 精神機能の障害により,行為の是非の判断や行動の制御ができない状態。刑法上は責任無能力者として処罰されず,民法上は禁治産宣告の原因となる。
心神耗弱
しんしんこうじゃく [1] 【心神耗弱】
〔法〕 心神喪失には至らないが,精神機能の障害により行為の是非を判断する能力や行動を制御する能力がいちじるしく減弱した状態。刑法上は刑が減軽され,民法上は準禁治産宣告の原因となる。
心移り
こころうつり [4] 【心移り】
興味・好みがほかに変わること。心変わり。気移り。
心積もり
こころづもり [4] 【心積(も)り】 (名)スル
心の中であらかじめこうしよう,こうなるだろうと考えておくこと。予定。「仕事の―をする」「ひそかに―していたとおりになる」
心積もりがある
こころづもり【心積もりがある】
have the will <to do> ;→英和
be ready[prepared] <for,to do> .
心積り
こころづもり [4] 【心積(も)り】 (名)スル
心の中であらかじめこうしよう,こうなるだろうと考えておくこと。予定。「仕事の―をする」「ひそかに―していたとおりになる」
心窩
しんか [1] 【心窩】
胸骨の下方中央の,少しくぼんだ所。みずおち。みぞおち。しんわ。「―部」
心窩
しんわ [1] 【心窩】
⇒しんか(心窩)
心立て
こころだて [0][5] 【心立て】
気だて。心のもちよう。「―のやさしい子」
心競べ
こころくらべ 【心競べ】
意地のはりあい。根気くらべ。「―に負けむこそ人わるけれ/源氏(明石)」
心筋
しんきん [0] 【心筋】
心臓の壁を構成する筋肉。随意筋に特徴的な横紋を有するが,生理的には不随意筋で自働性がある。
心筋梗塞
しんきんこうそく [5] 【心筋梗塞】
冠状動脈に血栓などが生じて血液の循環障害が起き,その部分の心筋が壊死(エシ)する疾患。胸部前面に激しい疼痛(トウツウ)が起こり長時間持続し,呼吸困難・不整脈・チアノーゼ・ショック状態などを呈する。
→狭心症
心筋梗塞
しんきんこうそく【心筋梗塞】
cardiac infarction;myocardial infarction.
心筋炎
しんきんえん [3] 【心筋炎】
心臓の筋肉の炎症。細菌やウイルスの感染,アレルギー反応などによって起きる。不整脈や心不全などの症状があらわれる。
心筋症
しんきんしょう [0] 【心筋症】
心筋に病変を有する疾患の総称。ただし,虚血性心疾患・心臓弁膜症・肺性心など,病因の明らかなものを除く。
心算
しんさん [0] 【心算】
心の中の計画。心づもり。「海賊といふもののことを聞出さうといふ―が/小公子(賤子)」
心算用
こころさんよう 【心算用】 (名)スル
心の中で利害得失などを考えること。胸算用。「商売の事より外には人とものをも言はず毎日―して/浮世草子・胸算用 5」
心細い
こころぼそ・い [5] 【心細い】 (形)[文]ク こころぼそ・し
頼りなく不安である。自信がなく心配だ。
⇔心強い
「女の一人旅では―・い」「合格できるかどうか―・いものだ」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
心細い
こころぼそい【心細い】
helpless;→英和
discouraging;lonely.→英和
心細く思う feel helpless;→英和
feel lonely.→英和
心細し
うらぐわ・し 【心細し】 (形シク)
心にしみて美しい。「朝日なすまぐはしも夕日なす―・しも/万葉 3234」
心組み
こころぐみ [0] 【心組み】
心づもり。心構え。「失敗を盛返さうといふ―である/社会百面相(魯庵)」
心経
しんぎょう [1] 【心経】
「般若(ハンニヤ)心経」の略。
心緒
しんしょ [1] 【心緒】
思いのはしばし。考えの筋道。心持ち。しんちょ。「―正に掻(カキ)乱れて,定め難きに/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
心緒
しんちょ [1] 【心緒】
「しんしょ(心緒)」の慣用読み。「―麻のごとく乱れる」
心線
しんせん [1] 【心線】
電線・コード・ケーブルなどの中心部にある導線。
心置き
こころおき [0] 【心置き】
心づかいをすること。遠慮。気兼ね。「骨肉の人々の間にのみ感ぜられる淡い―を感じた/或る女(武郎)」
心置きなく
こころおきなく【心置きなく】
without reserve (遠慮なく);without anxiety.
心置き無い
こころおきな・い [6] 【心置き無い】 (形)
気兼ねや遠慮がない。「―・い無二の友達として彼に対してゐた/都会の憂鬱(春夫)」
〔現代語では多く「心置きなく」の形で用いられる〕
心置き無く
こころおきなく [6][5] 【心置き無く】 (副)
〔形容詞「こころおきない」の連用形から〕
(1)気兼ねしないで。遠慮なく。「―語り合う」
(2)あとに心を残すことなく。心配なく。「―旅に出る」
心美し
こころうつく・し 【心美し】 (形シク)
(1)心持ちがかわいらしい。人柄に好意がもてる。「人にくく,―・しくはあらぬわざなり/源氏(常夏)」
(2)すなおで親しみがもてる。無邪気だ。「いと若やかに―・しうらうたき心はたおはする人なれば/源氏(夕霧)」
心耳
しんじ [1] 【心耳】
(1)心と耳。心を耳にすること。
(2)心房の一部をなす耳殻状の部分。左心房に左心耳,右心房に右心耳があり,それぞれ肺動脈・大静脈の基部を両側から包む形となっている。
(3)
⇒しんに(心耳)
心耳
しんに [1] 【心耳】
心の耳。心。しんじ。
心肝
こころぎも 【心肝】
(1)心。魂。胸のうち。
(2)深い考え。「やをらひき隠してあるべかりけることを―なく申すかな/大鏡(昔物語)」
心肝
しんかん [0] 【心肝】
〔心臓と肝臓の意から〕
心。心の底。「―に徹する」「―を披(ヒラ)く」
心肺
しんぱい [0] 【心肺】
(1)心臓と肺。「―機能」
(2)「人工心肺」の略。
心肺機能
しんぱい【心肺機能】
the heart-lung function.人工心肺 a heart-lung machine.
心胆
しんたん [0][1] 【心胆】
きもったま。こころ。
心胆を寒からしめる
しんたん【心胆を寒からしめる】
strike terror into a person's heart.
心胸
しんきょう [0] 【心胸】
むね。こころ。胸中。「これに―を披瀝(ヒレキ)した/魚玄機(鴎外)」
心腑
しんぷ [1] 【心腑】
(1)こころ。むねの内。「今様朗詠して―に銘ず/盛衰記 18」
(2)胸と臓腑(ゾウフ)。
心腸
しんちょう [0] 【心腸】
心の中。心中(シンチユウ)。
心腹
しんぷく [0] 【心腹】
(1)心。胸中。
(2)腹の底まで打ち明けて頼りとすること。また,その人。腹心。
心腹
こころばら 【心腹】
考え。気持ち。心が勇み立つこと。
心膜
しんまく [1] 【心膜】
心臓を包む漿膜。内外二葉から成り,両葉の間に漿液がある。
心膜炎
しんまくえん [4][0] 【心膜炎】
心膜の炎症。リューマチ熱・細菌感染・結核などに併発または続発することが多い。
心臓
しんぞう【心臓】
the heart.→英和
〜が強(弱)い be cheeky (nerveless) (比喩的).〜が悪い have heart trouble.‖心臓外科 cardiosurgery.心臓病 a heart disease.心臓部 the core <of> .心臓弁膜症 a valvular disease of the heart.心臓発作 a heart attack.心臓麻痺 heart failure.
心臓
しんぞう [0] 【心臓】
■一■ (名)
(1)循環器系の中枢器官。血液を血管中に押し出し循環させる働きをする。魚類では一心房一心室,両生類では二心房一心室,鳥類・哺乳類では二心房二心室に分かれる。人間の心臓は胸腔内の中央より左にあり,握りこぶしよりやや大きい。
(2)組織や物事の一番大事なところ。
→心臓部
■二■ (名・形動)
〔「心臓が強い」から〕
あつかましくずうずうしい・こと(さま)。「あいつも相当の―だ」
心臓■一■(1)[図]
心臓マッサージ
しんぞうマッサージ [7] 【心臓―】
心臓が止まったときの応急処置。外力により人工的に心臓を動かすこと。外から胸骨部を圧迫する方法と,開胸して行う方法とがある。
心臓弁膜
しんぞうべんまく [5] 【心臓弁膜】
心臓の弛緩・収縮に伴って開閉し,血液の逆流を防いでいる弁の総称。
心臓弁膜症
しんぞうべんまくしょう [0][8] 【心臓弁膜症】
心臓弁膜の機能が持続的に障害されて生ずる疾患。動悸(ドウキ)・疲労感・呼吸困難・浮腫・不整脈などの症状が見られる。弁膜症。
心臓形
しんぞうけい [0] 【心臓形】
トランプ-カードのハートの形(♥)。多く,植物の葉の形容にいう。ハート形(ガタ)。
心臓死
しんぞうし [3] 【心臓死】
直接の原因が心臓の永久的な停止にある死。またそれをもって人の死とみなすこと。
⇔脳死
心臓病
しんぞうびょう [0] 【心臓病】
心臓の疾患の総称。
心臓神経症
しんぞうしんけいしょう [0][7] 【心臓神経症】
心因によって起こる心臓の機能的障害。心臓部に疼痛(トウツウ)があり,脈搏(ミヤクハク)増加・呼吸性不整脈など多様な症状を訴えるが,心臓に器質的疾患はない。
心臓肥大
しんぞうひだい [0][5] 【心臓肥大】
心臓に負担がかかるため,心臓の壁が肥厚し容積が増加した状態。先天性心奇形・心臓弁膜症・高血圧症などの患者,スポーツマンや激しい肉体労働者などに見られる。心肥大。
心臓部
しんぞうぶ [3] 【心臓部】
(1)心臓のあるあたり。
(2)機械や組織などを動かす一番大事なところ。中枢部。中心部。「社会の―」
心臓麻痺
しんぞうまひ [5] 【心臓麻痺】
急性の心機能停止。
心良い
こころよ・い [4] 【快い・心良い】 (形)[文]ク こころよ・し
(1)心にさわやかに感じられる。気持ちよい。「―・いリズム」「―・い雰囲気」
(2)体に気持ちよく感じられるさま。快感がある。ここちよい。「―・い眠り」「潮風が肌に―・い」
(3)いやな気持ちを持たない。好ましいと思う。「―・くひきうける」
(4)心がきれいだ。気立てがよい。お人よしだ。《心良》「―・く,かいそめたる者に女君も思したれど/源氏(玉鬘)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
心苦しい
こころぐるしい【心苦しい】
painful;→英和
regrettable.→英和
心苦しく思う be[feel]sorry[uneasy].
心苦しい
こころぐるし・い [6] 【心苦しい】 (形)[文]シク こころぐる・し
(1)(他人に対して)申し訳なく,すまない気持ちがする。気がとがめる。「誠に―・いが,要請には応じかねる」
(2)心に苦痛を感じる。心配だ。「この御方の御いさめをのみぞ,なほ,わづらはしく,―・しう思ひ聞えさせ給ひける/源氏(桐壺)」「いと―・しく物思ふなるは/竹取」
(3)(相手が)気の毒だ。いたわしい。「かかる所に一人離れておはせむが,いと―・しうおぼえ給へばなり/宇津保(楼上・上)」
〔上代には,自分に対してつらいと感ずるさまを表したが,平安時代には他人の身を思いやって心が痛む場合にも用い,また,相手がつらいと感ずる状態にある(3)の意も生じた。(1)の意は近世以降の用法〕
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
心荒ぶ
うらさ・ぶ 【心荒ぶ】 (動バ上二)
心が荒れる。「国つ御神の―・びて荒れたる都見れば悲しも/万葉 33」
心葉
こころば 【心葉】
(1)心。心ばえ。「人知れぬわが―にあらねどもかきあつめてぞ物をこそ思へ/和泉式部集」
(2)作り物の枝や花。
(ア)贈り物などに添える金銀糸や色糸で作った松や梅。「筥(ハコ)一よろひに薫物(タキモノ)入れて,―,梅の枝をしていどみきこえたり/紫式部日記」
(イ)大嘗会(ダイジヨウエ)などの神事で,冠の巾子(コジ)の前に挿頭(カザシ)としてつける金銀の造花。
(ウ)四角い綾織りの絹に,銀・銅などで造った梅・松などの花形を付け,組紐(クミヒモ)で飾ったもの。贈り物の箱や香箱・櫛箱などの調度品をおおうのに用いた。
心葉(2)
(イ)[図]
心血
しんけつ [1][0] 【心血】
精神と肉体。
心血を注ぐ
しんけつ【心血を注ぐ】
put one's heart <into> ;do one's utmost.〜を注いで with all one's heart.
心行
しんぎょう [0] 【心行】
〔仏〕
(1)心の働き。「よくよく―を察して,名利の穴をいで,執着の氷をとくべし/沙石 10」
(2)浄土教で,安心(アンジン)と起行(キギヨウ)。
心行かし
こころゆかし [5] 【心行かし】
気晴らし。慰め。心ゆかせ。「目を惹くほどの―もなく/ふところ日記(眉山)」
心行かせ
こころゆかせ [5] 【心行かせ】
「心行かし」に同じ。
心行き
こころゆき [0] 【心行き】
(1)心の向く方向。心の持ち方。
(2)気持ちが晴れること。満足すること。「思ふ事なく―増して/狭衣 1」
(3)談林俳諧で,前句のことばと付句のことばとの間に相応ずる呼吸・あんばいをいう語。
心行く
こころゆ・く [0][4] 【心行く】 (動カ五[四])
十分に満足して,気が晴れ晴れとする。現代語では多く連体形を用いる。「―・くばかり大声で歌った」「―・くまで遊んだ」「おのおの―・きたる気色なるに/源氏(総角)」
心術
しんじゅつ [1] 【心術】
心の持ち方。こころばえ。こころね。
心術道徳
しんじゅつどうとく [5] 【心術道徳】
⇒心情倫理(シンジヨウリンリ)
心裏
しんり [1] 【心裏・心裡】
心の中。心中。
心裡
しんり [1] 【心裏・心裡】
心の中。心中。
心裡留保
しんりりゅうほ [4] 【心裡留保】
〔法〕 売る意思がないのに売ると言ったりするように,自分の内心の意思と異なることを自覚しながらする意思表示。原則として,表示どおりの効果を生ずる。
心見え
こころみえ 【心見え】 (名・形動ナリ)
心のうちを見すかされること。底が知れていること。また,そのさま。「思ふほどよりはわろし。―なりとそしられめ/枕草子 319」
心覚え
こころおぼえ【心覚え】
remembrance.→英和
〜がある remember.→英和
〜に to help one's memory.
心覚え
こころおぼえ [4] 【心覚え】
(1)覚えていること。また,その事柄。「言われてみれば―がある」「―の場所」
(2)忘れないための,ちょっとしたしるし。メモ。「―を記す」
心計
しんけい [0] 【心計】
(1)こころづもり。胸算用。
(2)もくろみ。
心設け
こころもうけ 【心設け】
心の中で準備すること。心づもり。心がまえ。「昼より―して日ごろも御文とりつぎて/和泉式部日記」
心設けて
うらまけて 【心設けて・裏設けて】 (連語)
心の準備をして。「夏影の房(ツマヤ)の下に衣裁つ吾妹(ワギモ)―わがため裁たばやや大に裁て/万葉 1278」
〔例歌は,着物の裏地をつける用意をしての意をかける〕
心許ない
こころもとな・い [6] 【心許ない】 (形)[文]ク こころもとな・し
(1)気づかわしい。頼りなくて不安だ。「娘を独りで遊学させるのはどうも―・い」「ふところが―・い」
(2)待ち遠しい。じれったい。もどかしい。「いと―・くて待ちをれば/伊勢 69」「夜のあくるほど,いと―・し/枕草子 160」
(3)はっきりしない。「梨の花,花びらの端に,をかしき匂ひこそ―・う付きためれ/枕草子 37」
〔「心」に副詞「もとな」が添ったものの形容詞化で,気持ちの方が先走って落ち着かないさまが原義。期待や願望が強いために(1)(2)の意となり,また,ようすがわからないところから(3)の意も生じた。中世以降(1)の意で用いられることが多くなった〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
心許ない
こころもとない【心許ない】
<feel> uneasy <about> ;→英和
uncertain.→英和
心許り
こころばかり [4] 【心許り】
まごころや好意などを表すための形だけのしるし。物を贈ったりするとき,謙遜の気持ちをこめて使う語。「―の品物」「―で恐縮ですが」
心許無し
うらもとな・し 【心許無し】 (形ク)
心細い。心もとない。「君が来まさぬ―・くも/万葉 3495」
心証
しんしょう【心証】
an impression;→英和
《法》conviction.〜を害する hurt a person's feelings.
心証
しんしょう [0] 【心証】
(1)言葉や行動から受ける印象。「上役の―を害する」
(2)〔法〕 訴訟事件の審理において,裁判官が得た事実の存否に関する認識や確信。
心誌
しんし [1] 【心誌】
⇒サイコグラフ
心誤り
こころあやまり 【心誤り】
(1)心得ちがい。考えちがい。「―やしたりけむ/伊勢 103」
(2)心の平常を失うこと。「本性は,いと静かに,心よく,こめき給へる人の,時どき,―して/源氏(真木柱)」
(3)気分が悪くなること。「―して,わづらはしくおぼゆれば/源氏(総角)」
心謎解色糸
こころのなぞとけたいろいと 【心謎解色糸】
歌舞伎。世話物の一。五幕。四世鶴屋南北作。通称「お祭佐七」。小糸・佐七の情話を扱ったもの。
→江戸育(エドソダチ)お祭佐七(マツリサシチ)
心象
しんしょう [0] 【心象】
〔心〕 見たり聞いたりしたことが基になり,意識の中に現れてくる像や姿。イメージ。心像。「―風景」
心象
しんしょう【心象】
an image.→英和
心賢し
こころかしこ・し 【心賢し】 (形ク)
心がけがしっかりしている。気が利く。「年ごろおとづれざりける女,―・くやあらざりけむ/伊勢 62」
心賢しら
こころさかしら 【心賢しら】 (名・形動ナリ)
利口ぶった心。分別くさい気持ち。また,そのさま。「みづからの―にや,宰相殿も思ほさむ。いとほしきわざかな/狭衣 4」
心走り
こころばしり 【心走り】
胸さわぎ。心さわぎ。「あやしく―のするかな/源氏(浮舟)」
心跳
しんちょう [0] 【心跳】
心がおどること。鼓動。「我―は常に倍せり/即興詩人(鴎外)」
心身
しんしん [1] 【心身・神身】
〔古くは「しんじん」とも〕
心とからだ。身心。
心身
しんみ [1] 【心身】
こころとからだ。全身。骨身(ホネミ)。
心身二元論
しんしんにげんろん [6] 【心身二元論】
物(身体)は延長を本質とし,心(精神)は非延長的な思考を本質とするから,両者は異質な二実体であるとするデカルトの説。物・心の間の依存関係や相互作用が説明できないという難点がある。物心二元論。
→機会原因論
→並行論
心身共に
しんしん【心身共に】
<be sound> in mind and body.心身症《医》psychosomatic disease.心身障害者(児) a mentally and physically handicapped person (child).
心身医学
しんしんいがく [5] 【心身医学】
「精神身体医学」に同じ。
心身症
しんしんしょう [3][0] 【心身症】
心理的要因・精神的ストレスが原因で,胃炎・胃潰瘍・狭心症その他,身体に疾患としての病的変調が現れる過程,またその現れた疾患。広義には,診断や治療に心理的因子への配慮が必要とされるすべての身体疾患を含む。
心身相関
しんしんそうかん [0] 【心身相関】
心理と生理との作用が相関関係にあること。心に喜びや怒りを感じれば,身体にもそれに対応する状態が現れる類。
心身関係
しんしんかんけい [5] 【心身関係】
心と身体との関係。精神的なものと物質的なものの相互関係。哲学史上の中心的論題の一。
心身障害児
しんしんしょうがいじ [7] 【心身障害児】
⇒障害児(シヨウガイジ)
心身障害者
しんしんしょうがいしゃ [7] 【心身障害者】
⇒障害者(シヨウガイシヤ)
心軽し
こころかる・し 【心軽し】 (形ク)
心がうわついている。軽薄だ。「出でて去なば―・しといひやせむ世のありさまを人は知らねば/伊勢 21」
心軽し
こころかろ・し 【心軽し】 (形ク)
「こころかるし」に同じ。「―・き人のつら(=仲間)にて/源氏(初音)」
心遣い
こころづかい [4] 【心遣い】
物事がうまくいくように気をつかうこと。「お―ありがとうございました」
心遣い
こころづかい【心遣い】
concern;→英和
anxiety;→英和
care.→英和
心遣り
こころやり [0][5] 【心遣り】
気晴らし。なぐさみ。「お種の一寸でも寄るのを―にして/多情多恨(紅葉)」
心配
しんぱい【心配】
[気がかり]apprehensions;anxiety;→英和
concern;→英和
[不安]uneasiness;fear;→英和
[心遣い]care;→英和
worry;→英和
trouble;→英和
[世話]good offices.〜する feel anxiety;→英和
be anxious <about> ;feel misgivings;be concerned;fear;→英和
be worried;trouble oneself <about> ;[世話]look after;use one's good offices.〜して anxiously;with anxiety.〜そうに with a concerned air.〜の余り in an excess of anxiety.〜の種 cause of anxiety.〜をかける give a person trouble.〜を去る relieve a person of his anxiety.金の〜をしてやる find money for a person.→英和
〜して病気になる worry oneself ill.‖心配性[人]a worrier;a worrywart.
心配
しんぱい [0] 【心配】
〔「こころくばり」の漢字表記「心配」を音読みした語〕
■一■ (名)スル
(1)何か起きはしないかと,気にかけること。不安がること。気がかり。「―な空模様」「―の種が尽きない」「何も―することはない」「―事」
(2)心を配って骨を折ること。いろいろと世話をすること。「いろいろと御―いただきまして」「資金を―してやる」
■二■ (形動)
何か起きはしないかと気にかけるさま。気がかりなさま。「仕事がうまくいくかどうか―だ」「テストの結果が―だ」
[派生] ――げ(形動)
心配り
こころくばり [4] 【心配り】
気をつかうこと。気づかい。心づかい。配慮。「いろいろと―をする」
心配事
しんぱいごと【心配事】
<have> cares;worries;troubles.
心配性
しんぱいしょう [0] 【心配性】 (名・形動)[文]ナリ
「苦労性(クロウシヨウ)」に同じ。
心酔
しんすい [0] 【心酔】 (名)スル
(1)ある人,その作品に,深く尊敬の気持ちをもつこと。「夏目漱石に―する」
(2)物事の出来栄えなどに心を奪われること。「名演奏に―する」
心酔する
しんすい【心酔する】
be fascinated <with> ;be devoted <to> .心酔者 a devoted admirer;an adorer.
心鈍し
こころおそ・し 【心鈍し】 (形ク)
(1)心がこもっていない。「山背の石田(イワタ)の社(モリ)に―・く手向したれや妹に逢ひ難き/万葉 2856」
(2)心の働きがにぶい。「さやうの事にも―・くてものし給ふ/源氏(蓬生)」
心長し
こころなが・し 【心長し】 (形ク)
(1)長い間,同じ気持ちでいるさま。「あるが中に―・かりける喜び/宇津保(国譲上)」
(2)安心している。「―・う養生をして/狂言・武悪(虎寛本)」
心長閑
こころのどか [4] 【心長閑】 (形動)[文]ナリ
心が平静なさま。心中に屈託のないさま。「―に暮らす」
心門
しんもん [0] 【心門】
開放血管系を有する節足動物などの心臓にある血液の流入口。逆流を防ぐための弁がある。
心隈
こころぐま 【心隈】
心にわだかまりのあること。「―我れは隔てて思はぬに何ゆゑ人の恨みがほなる/風葉集」
心障
しんしょう [0] 【心障】
精神障害のこと。「―を除く」
心障り
こころざわり [4] 【心障り】
心がかり。気ざわり。「前後に―なくて胸安からん/暗夜(一葉)」
心雑音
しんざつおん [3] 【心雑音】
心臓部で聞こえる正常な心音以外の音。心内血流の異常や弁膜の障害などにより発生。
心電図
しんでんず【心電図】
《医》an electrocardiogram <ECG> .→英和
心電図
しんでんず [3] 【心電図】
心筋の興奮により生ずる活動電流を増幅して記録したもの。心臓疾患の診断に役立つ。
心電計
しんでんけい【心電計】
《医》an electrocardiograph <ECG> .→英和
心霊
しんれい【心霊】
the spirit.→英和
‖心霊学 psychics.心霊術 spiritualism.
心霊
しんれい [0] 【心霊】
(1)精神。たましい。こころ。
(2)肉体と別に存在すると考えられている霊や魂など,宗教的・超現実的な存在。
心霊修業
しんれいしゅぎょう [5] 【心霊修業】
⇒霊操(レイソウ)
心霊現象
しんれいげんしょう [5] 【心霊現象】
遠く隔たった人との精神的な意思疎通(テレパシー)や千里眼(透視),未来の予知・予言,死者との交霊,念写・念動など,現在の科学では説明できない現象。
心霊術
しんれいじゅつ [3] 【心霊術】
特異な心霊現象を起こさせる種々の術。
心静か
こころしずか [4] 【心静か】 (形動)[文]ナリ
事にのぞんで,あわてずに心が落ち着いているさま。「―に判決の日を待つ」「―な毎日を送る」
心面白い
こころおもしろ・い 【心面白い】 (形)[文]ク こころおもしろ・し
楽しい。愉快だ。「柳之助も―・く話をした/多情多恨(紅葉)」
心音
しんおん【心音】
《医》heart sound.
心音
しんおん [0] 【心音】
心臓の搏動により生じる音。心室の収縮・弛緩に伴って反復して発する。
心頭
しんとう [0] 【心頭】
こころ。心中。「怒り―に発する」
心頼み
こころだのみ【心頼み】
reliance;→英和
hope.→英和
〜にする count (up)on;look forward <to a person's answer> .
心頼み
こころだのみ [4] 【心頼み】
(1)頼みに思っている物事や人。「先輩の援助を―にする」「灯火を―にして三合村に着き/続千山万水(乙羽)」
(2)〔「頼み」は結納(ユイノウ)の意〕
縁組の約束のしるし。「どれぞ媒(ナコウド)頼みて本式のいひ入れはお前から,是は先それまでの―/浄瑠璃・鑓の権三(上)」
心願
しんがん [0][1] 【心願】
心の中で神仏に願(ガン)を立てること。また,心から願うこと。「床の間には陰膳を据ゑて,朝夕其前に神仏(カミホトケ)を―して/多情多恨(紅葉)」
心馳せ
こころばせ [0] 【心馳せ】
(1)心を向け,気を配ること。思慮があり,注意深いこと。心配り。心づかい。
(2)情趣を解する心。
→心ばせ有り
(3)思慮分別のある心。
→心ばせ有り
(4)その事物や行為にこめられている意味合い。「大嘗(オオナメ)に従ふ小忌(オミ)の人たちも,昔の髻華(ウズ)の―,木(コ)の花の木を冠(カウムリ)の巾子(コジ)に添へ立て/謡曲・梅」
(5)気立て。性質。「―も雄々しくて/こがね丸(小波)」
心骨
しんこつ [0][1] 【心骨】
(1)精神と身体。心身。
(2)心の奥底。「―に刻す」
心髄
しんずい [0][1] 【心髄】
(1)まんなかにある髄。
(2)物事の中心となる大切な所。中枢。
(3)心の中。心底。
心高し
こころたか・し 【心高し】 (形ク)
(1)理想が高い。志が高い。「はかなき夢に頼みをかけて―・く物し給ふなりけり/源氏(若菜上)」
(2)自尊心が強い。高慢だ。「世に知らず,―・くおもへるに/源氏(須磨)」
心魂
こころだましい 【心魂】
(1)心の働き。意識。「―もあくがれ果てて/源氏(夕霧)」
(2)思慮。才覚。「かたちとても人にも似ず―もあるにもあらで/蜻蛉(上)」
心魂
しんこん [1][0] 【心魂・神魂】
たましい。精神。「―を傾ける」
心魂
こころだま 【心魂】
(1)精神。たましい。心。「諸人の―うきたつ/浮世草子・諸国はなし 4」
(2)度胸。肝玉。こころだましい。「商人(アキンド)の―,各別に広し/浮世草子・胸算用 5」
(3)霊魂。「我は木挽(コビキ)の吉介が娘おはつが―なり/浮世草子・一代男 4」
心[芯]
しん【心[芯]】
(1)[心]a heart;→英和
a mind;→英和
a spirit.→英和
(2)[中心]a core;→英和
pith;→英和
a padding (帯の);→英和
<trim> a wick (ろうそくの);→英和
lead (鉛筆の).→英和
〜から heartily;sincerely;→英和
from the bottom of one's heart.〜のある飯 halfboiled rice.
必する
ひっ・する [0] 【必する】 (動サ変)[文]サ変 ひつ・す
(1)必ずそうなる。「奴隷の域をば脱する由なく,塗炭に呻吟なすや―・せり/慨世士伝(逍遥)」
(2)かたく決心する。「錯誤なきを―・し難し/新聞雑誌 24」
必ず
かならず [0] 【必ず】 (副)
〔「仮(カリ)ならず」からできた語か〕
(1)例外なく。常に。「生あるものは―死ぬ」「会えば―けんかになる」
(2)まちがいなく。きっと。「―来てください」「―成功してみせる」「宿題を―やりなさいよ」
(3)(下に禁止や打ち消しの語を伴って)決して。必ずしも。「―一味同心なることは候はず/平家 7」
必ず
かならず【必ず】
certainly;→英和
surely;without fail (確かに);by all means (ぜひ);always (常に).→英和
〜しも…でない not always[necessarily].
必ずしも
かならずしも [4] 【必ずしも】 (副)
(下に打ち消しの語を伴って)一部分はそうであっても,全部がそうではないということを表す。いつでも…ではない。「貧乏だからといって―不幸ではない」
必ずや
かならずや [4] 【必ずや】 (副)
〔「必ず」に助詞「や」の付いた語〕
きっと。たしかに。「―実業界において成功するだろう」
必中
ひっちゅう [0] 【必中】 (名)スル
必ず命中すること。「一発―」
必修
ひっしゅう [0] 【必修】
必ず学ばなければならないこと。
必修科目
ひっしゅうかもく [5] 【必修科目】
履修過程の中で,必ず学習しなければならない科目。
必修科目
ひっしゅうかもく【必修科目】
<米> a required subject; <英> a compulsory subject.
必備
ひつび [1] 【必備】 (名)スル
必ず備えなければならないこと。備える必要のあること。「―の辞書」「―すべき物」
必出
ひっしゅつ [0] 【必出】
(試験に)必ず出題されること。「―熟語」
必勝
ひっしょう [0] ―シヨウ 【必勝】 ・ ―セフ 【必捷】
必ず勝つこと。「―の信念」「―を期する」
必勝を期する
ひっしょう【必勝を期する】
be sure of victory[success].
必定
ひつじょう [0] 【必定】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
(1)必ずそうなるに決まっていること。そうなることが避けられないこと。また,そのさま。「味方の勝利は―」「他日必ずブリグハムヤングを残(ソコナウ)て犠牲となすは―なり/八十日間世界一周(忠之助)」
(2)〔仏〕 成仏(ジヨウブツ)することが決定し,後退することのない修行者の段階。一退転。
■二■ (副)
きっと。確かに。「前なるは―捕兵に相違なし/経国美談(竜渓)」
必従河川
ひつじゅうかせん [5] 【必従河川】
地表面の最大傾斜方向に流れる川。
必捷
ひっしょう [0] ―シヨウ 【必勝】 ・ ―セフ 【必捷】
必ず勝つこと。「―の信念」「―を期する」
必携
ひっけい [0] 【必携】
(1)必ず持っていなければならないこと。また,そのもの。「受験票―のこと」
(2)ある事について要領よくまとめた書。ハンド-ブック。「源氏物語―」
必携の
ひっけい【必携の】
indispensable <to> .→英和
必死
ひっし [0] 【必死】
■一■ (形動)[文]ナリ
失敗すると取り返しがつかないという気持ちで全力を尽くすさま。死に物狂い。一生懸命。「―になる」「―に逃げる」「―で勉強する」「―の努力」「―の形相」
■二■ (名)
(1)必ず死ぬこと。「正成―の鏃(ヤジリ)に死を遁れ/太平記 3」
(2)(「必至」とも書く)将棋で,どう守っても必ず詰んでしまう状態。また,その攻め手。
必死の
ひっし【必死の(に)】
desperate(ly).→英和
〜の努力をする make a desperate effort.
必殺
ひっさつ [0] 【必殺】
相手を必ず殺すこと。また,その意気込み。「―の剣」「―技」
必滅
ひつめつ [0] 【必滅】 (名)スル
必ず滅びること。「生者(シヨウジヤ)―」
必無
ひつむ [1][2] 【必無】
必ずないこと。絶無。「モンゴルホーランドに似るの事―とせんや/明六雑誌 13」
必然
ひつぜん [0] 【必然】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
必ずそうなると決まっていること。それ以外になりようのないこと。また,そのさま。
⇔偶然
⇔蓋然(ガイゼン)
「―の結果」「―の帰結」「失敗は―である」「歴史の―」
■二■ (副)
必ず。きっと。「実に疑もなき事実にして―さる事のありしならめど/小説神髄(逍遥)」
■三■ (形動タリ)
{■一■}に同じ。「―としてあひ離れざるものか/雑談 1」
必然
ひつぜん【必然】
necessity.→英和
〜の necessary;→英和
inevitable.→英和
〜的に necessarily;inevitably;→英和
naturally.→英和
‖必然性 inevitability;necessity.
必然命題
ひつぜんめいだい [5] 【必然命題】
〔論〕 様相命題の一。ある事実が生起しないことが不可能であることを述べる命題。「 S は必然的に P である」ないし「 S が P であることは必然的である」という形をとる。
→可能命題
→偶然命題
必然心理
ひつぜんしんり [5] 【必然心理】
偽りであることがありえないような真理。必然命題によって言及される真理。
必然性
ひつぜんせい [0] 【必然性】
(1)そうなる以外にありえないこと。
(2)〔哲〕
〔英 necessity; (ドイツ) Notwendigkeit〕
法則・規範などに不可避的に制約されていること。
(ア)(自然的必然性)自然現象が合法則的なこと。
(イ)(道徳的必然性)道徳律によってある当為が要求されていること。
(ウ)(論理的必然性)主述が必ずそう関係し,判断の確実の程度(様相)が最も強いこと。また,公理から演繹(エンエキ)的であること。
必然的
ひつぜんてき [0] 【必然的】 (形動)
必ずそうなるさま。当然そうなるさま。
⇔蓋然(ガイゼン)的
「断れば―に両者の関係は悪化する」
必然的判断
ひつぜんてきはんだん [7] 【必然的判断】
〔論〕 様相,すなわち判断の確実の程度から分けられた判断の区分の一。主概念と賓概念との関係が必然的であることを示す。「 S は必ず P である」など。
→実然的判断
→蓋然(ガイゼン)的判断
必然論
ひつぜんろん [3] 【必然論】
⇒決定論(ケツテイロン)
必用
ひつよう [0] 【必用】 (名・形動)[文]ナリ
必ず用いなければならないこと。なくてはならないこと。また,そのさま。必要。
⇔不用
「日常―の品」「学問には文字を知ること―なれども/学問ノススメ(諭吉)」
必着
ひっちゃく [0] 【必着】
必ず着くこと。「郵送の場合は月末までに―のこと」
必罰
ひつばつ [0] 【必罰】
罪ある者を必ず罰すること。「信賞―」
必至
ひっし [0] 【必至】 (名・形動)[文]ナリ
(1)必ずそうなる・こと(さま)。必然。「総辞職は―の情勢だ」
(2)「必死{■二■(2)}」に同じ。
必至の
ひっし【必至の】
inevitable.→英和
必衰
ひっすい [0] 【必衰】
必ず衰えること。「娑羅双樹の花の色,盛者―のことはりをあらはす/平家 1」
必要
ひつよう [0] 【必要】 (名・形動)[文]ナリ
(1)必ず要すること。なくてはならないこと。また,そのさま。必用。
⇔不要
「登山に―な道具」「眼鏡が―になる」「―に迫られる」「完成までにはあと一か月の期間を―とする」
(2)どうしてもしなければならないこと。「家族に知らせる―がある」「精密検査の―はない」
〔necessary の訳語〕
[派生] ――さ(名)
必要
ひつよう【必要】
necessity;→英和
need.→英和
〜がない need not <do> .〜である be necessary <to,for> ;→英和
be essential <to> .→英和
〜とする need;be in need <of money> ;require.→英和
〜な necessary;essential;indispensable (不可欠).→英和
‖必要悪 a necessary evil.必要経費 expenses.必要条件 a necessary condition.
必要労働時間
ひつようろうどうじかん [9] 【必要労働時間】
一労働日のうち労働者が労働力の価値部分(賃金部分)を生産するために必要な労働時間。これを超えた分は剰余労働時間となる。
必要十分条件
ひつようじゅうぶんじょうけん [9] 【必要十分条件】
ある事柄が成り立つためには,必ずなくてはならない条件(必要条件)と,その条件が成り立つときに必ずある事が成り立つような条件(十分条件)の二つを兼ね備えた条件。「 � ならば � 」と「 � ならば � 」の命題がともに真のとき,� は � の(または � は � の)必要十分条件である。必要にしてかつ十分な条件。同値。
必要性
ひつようせい [0] 【必要性】
必要であること。また,その度合。「―を認める」「―が高い」
必要悪
ひつようあく [3] 【必要悪】
ない方が望ましいが,組織などの運営上また社会生活上,やむをえず必要とされる物事。
必要条件
ひつようじょうけん [5] 【必要条件】
ある事柄が成り立つために,必ずなくてはならない条件。「 � ならば � 」という命題が真であるとき,� は � の必要条件という。
⇔十分条件
必要的弁護
ひつようてきべんご [7] 【必要的弁護】
⇒強制弁護(キヨウセイベンゴ)
必要経費
ひつようけいひ [5] 【必要経費】
所得税法上,所得を生み出すために必要な経費。収入金額から控除される。
必要費
ひつようひ [3] 【必要費】
物の保存または管理に必要な費用。民法上,必要費を支出した者は,原則として支出した額の償還を請求できる。
→有益費
必見
ひっけん [0] 【必見】
必ず見たり読んだりしなければならないこと。また,そのもの。「―の書」「―の展覧会」
必読
ひつどく [0] 【必読】
必ず読まなくてはならないこと。「―書」「―文献」
必読の書
ひつどく【必読の書】
a book everyone must read;a must book.
必需
ひつじゅ [0] 【必需】
必ず要ること。なくてはならないこと。必要。
必需品
ひつじゅひん [0] 【必需品】
どうしても必要な品物。常に必要とする品物。「生活―」
必需品
ひつじゅひん【必需品】
necessaries.生活必需品 the necessities of life.
必須
ひっす [0] 【必須】
〔「ひっすう」「ひっしゅ」とも〕
なくてはならないこと。必要なこと。「―の条件」「―科目」
必須
ひっしゅ [0] 【必須】
⇒ひっす(必須)
必須の
ひっす【必須の】
necessary;→英和
indispensable <to> ;→英和
essential <to> .→英和
必須アミノ酸
ひっすアミノさん [0] 【必須―酸】
動物が生命を保つために必要なアミノ酸のうち,体内で合成されにくいため,外界から食物として摂取しなければならないものの総称。その種類は動物によって異なり,人間の場合,成人では八種が知られる。不可欠アミノ酸。
必須微量元素
ひっすびりょうげんそ [7] 【必須微量元素】
生体機能の維持のために微量ではあるが必要な金属元素。鉄・亜鉛など。
必須脂肪酸
ひっすしぼうさん [0] 【必須脂肪酸】
人体内で生合成されないため,食物から摂取しなければならない脂肪酸。リノール酸・リノレン酸・アラキドン酸をさす。植物油に豊富に含まれる。欠乏すると発育不全,皮膚の角化,脱毛,腎障害などを起こすことが知られている。不可欠脂肪酸。
忉利天
とうりてん タウリ― 【忉利天】
〔梵 Trāyastriṃśa〕
六欲天の下から二番目の天。帝釈天がその中心に住み,周囲の四つの峰にそれぞれ八天がいる。三十三天。
忌
き [1] 【忌】
(1)喪にこもる一定の日数。いみ。忌中。「―が明ける」
(2)死者の命日。他の語と複合して用いられる。「一周―」「七回―」「桜桃―」
忌
き【忌】
(a period of) mourning;→英和
the <third> anniversary of a person's death.
忌々しい
いまいましい【忌々しい】
annoying;→英和
vex ing;disgusting.→英和
忌々しがる be[feel]vexed[disgusted] <at> .忌々しそうに ruefully.
忌ひ
いもい イモヒ 【斎ひ・忌ひ】
(1)ものいみ。精進。「―をして吾はをらん/竹取」
(2)(「斎食」とも書く)精進の料理。「―の御鉢まゐるべきを/源氏(若菜下)」
忌まふ
いま・う イマフ 【忌まふ・斎まふ】 (動ハ四)
〔動詞「忌む」に継続の助動詞「ふ」の付いた語から〕
きらって避ける。「平家のし給ひたりしを―・うてなり/平家 11」
忌まわしい
いまわし・い イマハシイ [4] 【忌まわしい】 (形)[文]シク いまは・し
〔動詞「忌まふ」の形容詞形〕
(1)いとわしい。いやな感じだ。「―・い過去」
(2)忌むべきことである。不吉だ。「あの御浄衣のよに―・しきやうに見えさせおはしまし候/平家 3」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
忌ま忌ましい
いまいまし・い [5] 【忌ま忌ましい】 (形)[文]シク いまいま・し
(1)悔しく腹立たしい。癪(シヤク)にさわる。「今さら頭を下げるなんて―・い」
(2)はばかり遠慮するべきである。「ゆゆしき事を近う聞き侍れば,心の乱れ侍る程も―・しうて/源氏(蜻蛉)」
(3)不吉な事を連想させる。縁起が悪い。「男女うちひそめて,禁中―・しうぞ見えける/平家 6」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
忌み
いみ [2][1] 【忌み・斎】
〔動詞「いむ(忌)」の連用形から〕
(1)神に仕えるために汚(ケガ)れを避けて謹慎すること。
(2)死・産・血などの汚れに触れた人が一定期間,神の祀(マツ)りや他人から遠ざかること。「―が明ける」
(3)避けるべきこと。方角・日取りその他,一般によくないとされていること。差し支え。はばかり。「事の―あるはこたみはたてまつらじ/源氏(絵合)」
(4)他の語の上に付いて複合語を作り,汚れを清めた,神聖な,などの意を表す。「―斧」「―垣」「―鎌」「―竈(カマド)」「―場」「―柱」「―殿(ドノ)」「―服殿(ハタドノ)」
忌み嫌う
いみきら・う [1][0] 【忌(み)嫌う】 (動ワ五[ハ四])
嫌って避ける。ひどくいやがる。「町中の人から―・われる」
忌み嫌う
いみきらう【忌み嫌う】
hate;→英和
loathe;→英和
detest.→英和
忌み島田
いみしまだ [3] 【忌(み)島田】
⇒忌中島田(キチユウシマダ)
忌み掛かり
いみがかり 【忌み掛(か)り】
喪に服すべき親族の間柄。律令制では喪葬令,近世には服忌(ブツキ)令で定められていた。
忌み掛り
いみがかり 【忌み掛(か)り】
喪に服すべき親族の間柄。律令制では喪葬令,近世には服忌(ブツキ)令で定められていた。
忌み数
いみかず [3][2] 【忌(み)数】
忌み嫌われる数。死・苦を連想させる四・九など。
忌み日
いみび [2] 【忌(み)日・斎日】
身を慎んで災いを避けるべき日。かつては,暦の悪日,親の命日,庚申(コウシン)の日などをいったが,のち,単に日常の仕事を休む日,縁起の悪い日と考えられるようになった。
忌み明け
いみあけ [0] 【忌(み)明け】
出産・死などによる汚(ケガ)れのために忌み慎んでいた期間の終わること。いみあき。
忌み月
いみづき [2] 【忌(み)月・斎月】
忌み慎むべき月。一月・五月・九月をいい,結婚・出産などを嫌った。
忌み火
いみび 【斎火・忌(み)火】
火鑽(ヒキ)りでおこした清浄な火。供物の煮炊きなど神事に用いる。いむび。いんび。
忌み物
いみもの [2] 【忌(み)物・斎物】
忌みはばかって用いないもの。また,嫌って用いないもの。
忌み言葉
いみことば [3] 【忌み詞・忌(み)言葉】
(1)信仰上の理由や,特定の職業・場面で使用を避ける言葉。不吉な意味の語を連想させる言葉,特に死や病気に関するものが多い。
(2){(1)}の代わりに使う言葉。昔,斎宮(サイグウ)で「僧」を「髪長(カミナガ)」といい,また,商家で「すり鉢」を「あたり鉢」,結婚式で「終わる」を「お開きにする」という類。
→斎宮の忌み詞
忌み詞
いみことば [3] 【忌み詞・忌(み)言葉】
(1)信仰上の理由や,特定の職業・場面で使用を避ける言葉。不吉な意味の語を連想させる言葉,特に死や病気に関するものが多い。
(2){(1)}の代わりに使う言葉。昔,斎宮(サイグウ)で「僧」を「髪長(カミナガ)」といい,また,商家で「すり鉢」を「あたり鉢」,結婚式で「終わる」を「お開きにする」という類。
→斎宮の忌み詞
忌み違へ
いみたがえ 【忌み違へ】
物忌みすべき状況を回避するため,その期間自分の居所から他所へ移ること。「四十五日の―せさせ給ふとて,御いとこの三位の家におはします/和泉式部日記」
忌み門
いみもん [2] 【忌(み)門】
武家屋敷などで,死者・罪人・糞尿などけがれたものを運び出すための裏門。不浄門。
忌む
いむ【忌む】
dislike;→英和
detest (嫌う);→英和
taboo (禁止する).→英和
〜べき abominable;→英和
detestable.→英和
忌む
いむ 【忌む・斎】
〔「いみ(忌・斎)」の転〕
「いみ」に同じ。他の語に付いて複合語を作る。「―斧(オノ)」「―鎌」「―御衣(ミゾ)」
忌む
い・む [1] 【忌む・斎む】 (動マ五[四])
(1)畏敬すべき崇高なものや不浄なものなどを,神秘的なものとして恐れ避ける。「西洋では一三という数を―・む」「月の顔見るは―・むこと/竹取」
(2)不快に思って遠ざける。近づくことを嫌う。《忌》「不正を―・む」「鏡は湿気を―・む」
(3)けがれを避けて慎む。「所を去て―・めとも云て/今昔 26」
(4)受戒する。「―・むことのしるしによみがへりてなむ/源氏(夕顔)」
忌わしい
いまわしい【忌わしい】
disgusting;→英和
detestable;→英和
scandalous <rumor> .→英和
〜事件 a scandal.→英和
忌中
きちゅう [0] 【忌中】
家族が死んだ時,家人が慎んでいる期間。特に,死者が宙をさまよっているといわれる,死後四九日間。
忌中
きちゅう【忌中】
<be in> mourning <for one's late father> .→英和
忌中島田
きちゅうしまだ [4] 【忌中島田】
忌中に結う髪飾りなしの島田。忌島田(イミシマダ)。空島田(カラシマダ)。泣き島田。忌中髷(マゲ)。
忌人
いわいびと イハヒ― 【斎人・忌人】
神をまつる人。神職。「―となりて仕へ奉らむ/古事記(中訓)」
忌地
いやじ [0] 【厭地・忌地】
⇒いやち(厭地)
忌地
いやち [0] 【厭地・忌地】
〔「いやじ」とも〕
連作すると作物の生育が悪くなり,収穫が減少する現象。ナス科やウリ科の作物に顕著にみられる。
忌嫌う
いみきら・う [1][0] 【忌(み)嫌う】 (動ワ五[ハ四])
嫌って避ける。ひどくいやがる。「町中の人から―・われる」
忌子
いむこ [1] 【斎子・忌子】
〔「いみこ」とも〕
(1)即位や大嘗祭(ダイジヨウサイ)に奉仕する少女。
(2)賀茂別雷(カモワケイカズチ)神社に仕える少女。
忌寸
いみき 【忌寸】
八色(ヤクサ)の姓(カバネ)の第四位。主として,国造(クニノミヤツコ)や渡来人の有力氏族に与えられた。
忌島田
いみしまだ [3] 【忌(み)島田】
⇒忌中島田(キチユウシマダ)
忌引
きびき [0] 【忌引(き)】
近親者が死んだために勤めや学校を休み,喪に服すること。また,そのための休暇。
忌引
きびき【忌引】
absence due to mourning.
忌引き
きびき [0] 【忌引(き)】
近親者が死んだために勤めや学校を休み,喪に服すること。また,そのための休暇。
忌忌しい
ゆゆし・い [3] 【忌忌しい・由由しい】 (形)[文]シク ゆゆ・し
□一□そのままほうっておくと,とんでもない結果を引き起こすことになる。容易ならない。「教育上―・い問題」「―・き事態」
□二□
(1)神聖で触れることがはばかられる。おそれ多い。「かけまくもあやに恐(カシコ)し言はまくも―・しきかも/万葉 475」
(2)不吉である。縁起が悪い。「―・しき身に侍れば,かくておはしますも,いまいましうかたじけなく/源氏(桐壺)」
(3)恐ろしい。気味が悪い。「海はなほいと―・しと思ふに/枕草子 306」
(4)普通でない。並はずれている。はなはだしい。「たかき屐子(ケイシ)をさへはきたれば,―・しうたかし/枕草子 12」
(5)堂々としている。立派だ。「(鹿谷ハ)後ろは三井寺に続いて―・しき城郭にてぞありける/平家 1」
(6)すぐれている。すばらしい。りっぱである。「舎人など給はるきはは―・しと見ゆ/徒然 1」
〔神聖の意の「ゆ(斎)」を重ねて形容詞化した語で,□二□(1)が原義〕
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
忌憚
きたん [0] 【忌憚】 (名)スル
はばかり,遠慮すること。普通,下に否定の語を伴って用いる。「―のない意見を聞きたい」「―なく言う」「投書するあるも宜く注意して顧慮―する/明六雑誌 30」
忌憚のない
きたん【忌憚のない】
frank;→英和
outspoken.→英和
〜なく without reserve;plainly;→英和
frankly <speaking> .
忌数
いみかず [3][2] 【忌(み)数】
忌み嫌われる数。死・苦を連想させる四・九など。
忌日
きじつ [1][0] 【忌日】
⇒きにち(忌日)
忌日
きにち [0][1] 【忌日】
(1)毎年または毎月の,その人が死んだ日と同じ日付の日で,回向(エコウ)をする日。命日。きじつ。忌辰。
(2)初七日より四十九日に至る七日目ごとの日。
忌日
いみび [2] 【忌(み)日・斎日】
身を慎んで災いを避けるべき日。かつては,暦の悪日,親の命日,庚申(コウシン)の日などをいったが,のち,単に日常の仕事を休む日,縁起の悪い日と考えられるようになった。
忌明
きめい [0] 【忌明】
いみあけ。きあけ。
忌明け
きあけ [0] 【忌明け】
服喪の期間が終わること。いみあけ。
忌明け
いみあけ [0] 【忌(み)明け】
出産・死などによる汚(ケガ)れのために忌み慎んでいた期間の終わること。いみあき。
忌明けになる
きあけ【忌明けになる】
go out of mourning.
忌景
きけい [0] 【忌景】
〔「景」は日の意〕
死者の回向(エコウ)などをする日。忌日。「百日の―既に満てり/曾我 11」
忌月
きげつ [1] 【忌月】
忌日のある月。祥月(シヨウツキ)。命月(メイゲツ)。きづき。
忌月
きづき [1] 【忌月】
⇒きげつ(忌月)
忌月
いみづき [2] 【忌(み)月・斎月】
忌み慎むべき月。一月・五月・九月をいい,結婚・出産などを嫌った。
忌服
きぶく [0] 【忌服】
近親が死んだとき,一定の期間,喪に服すること。服忌。服喪。
忌火
いみび 【斎火・忌(み)火】
火鑽(ヒキ)りでおこした清浄な火。供物の煮炊きなど神事に用いる。いむび。いんび。
忌物
いみもの [2] 【忌(み)物・斎物】
忌みはばかって用いないもの。また,嫌って用いないもの。
忌瓮
いわいべ イハヒ― 【斎瓮・忌瓮】
神に供えるための忌み清めた容器。いみべ。いむべ。「草枕旅行く君を幸(サキ)くあれと―すゑつ/万葉 3927」
忌矢
いわいや イハヒ― 【斎矢・忌矢】
神聖な矢。合戦の初めに吉兆を神に祈って両軍が射交わした。「先づ―はなつべし/古事記(中訓)」
忌祭
きさい [0] 【忌祭】
故人の年忌の祭り。
忌籠り
いごもり [0] 【斎籠り・忌籠り】
祭りの前や葬儀などの場合,一定の場所にこもって外部との接触を断つこと。いみごもり。
忌籠る
いこも・る 【斎籠る・忌籠る】 (動ラ四)
〔「いみこもる」の転〕
けがれたものに触れないようにある所に閉じこもる。「ほととぎす卯月の忌(イミ)に―・るを/山家(夏)」
忌言葉
いみことば [3] 【忌み詞・忌(み)言葉】
(1)信仰上の理由や,特定の職業・場面で使用を避ける言葉。不吉な意味の語を連想させる言葉,特に死や病気に関するものが多い。
(2){(1)}の代わりに使う言葉。昔,斎宮(サイグウ)で「僧」を「髪長(カミナガ)」といい,また,商家で「すり鉢」を「あたり鉢」,結婚式で「終わる」を「お開きにする」という類。
→斎宮の忌み詞
忌言葉
いみことば【忌言葉】
a taboo(word).→英和
忌諱
きい [1] 【忌諱】 (名)スル
「きき(忌諱)」の慣用読み。
忌諱
きき [1] 【忌諱】 (名)スル
忌み嫌うこと。おそれはばかること。きい。
忌辰
きしん [0] 【忌辰】
「忌日(キニチ)」に同じ。
忌避
きひ [1] 【忌避】 (名)スル
(1)きらってさけること。「徴兵を―する」
(2)訴訟において当事者が,不公正な職務執行を行う恐れのある裁判官・裁判所書記官を職務の執行から除外するよう申し立てること。
→除斥(ジヨセキ)
忌避する
きひ【忌避する】
evade <conscription> ;→英和
shirk;→英和
avoid;→英和
《法》challenge[take exception to] <a judge> .→英和
忌避剤
きひざい [2] 【忌避剤】
害虫などを近づけさせないために用いる薬剤。昆虫類がそのにおいや味を嫌ってさける性質を利用したもの。
→誘引(ユウイン)剤
忌避関係
きひかんけい [3] 【忌避関係】
〔avoidance relationship〕
文化人類学で,夫と妻の母,兄弟と姉妹,父と息子などの間で,直接顔を合わせたり,性的な話題にふれたりすることが禁忌となるような関係をいう語。
→冗談関係
忌部
いみべ 【忌部・斎部】
⇒いんべ(忌部・斎部)
忌部
いむベ 【忌部・斎部】
⇒いんべ(忌部・斎部)
忌部
いんべ 【忌部・斎部】
(1)姓氏の一。古代,中臣氏と並んで朝廷の祭祀(サイシ)をつかさどった氏族で,太玉命(フトダマノミコト)の子孫と称する。中臣氏におされて次第に衰退。平安初期に忌部から斎部へと改姓。
(2)斎部氏に率いられた品部(トモベ)。いみべ。いむべ。
忌門
いみもん [2] 【忌(み)門】
武家屋敷などで,死者・罪人・糞尿などけがれたものを運び出すための裏門。不浄門。
忍
しのぶ [1] 【忍・荵】
(1)シノブ科夏緑性シダ植物。岩や木に着生する。根茎は太く,長くはい,淡褐色の鱗片を基部に密生する。葉は長柄で根茎につき,三角形で羽状に分裂する。根茎を丸めて忍玉(シノブダマ)を作り,夏,軒下などにつるして観賞する。忍ぶ草。事無草(コトナシグサ)。
(2)「忍ぶ摺り」の略。「―の乱れ限り知られず/伊勢 1」
(3)ノキシノブの異名。
(4)襲(カサネ)の色目の名。表は薄い萌黄,裏は青。秋に着用。
忍(1)[図]
忍ばせる
しのばせる【忍ばせる】
conceal;→英和
hide.→英和
忍ばせる
しのば・せる [4][0] 【忍ばせる】 (動サ下一)
(1)他人や敵に気づかれぬように隠し持つ。「懐に短刀を―・せる」
(2)他人や敵に気づかれぬようにする。「木陰に身を―・せる」「足音を―・せる」
忍び
しのび [0] 【忍び】
〔動詞「忍ぶ」の連用形から〕
(1)人に気付かれないように,ひそかに行うこと。「人を―にあひりて,知あひがたくありければ/古今(恋四詞)」
(2)「忍び歩き」の略。「お―」
(3)忍術。また,忍者。「―の術」「―の者」
(4)窃盗。
忍びない
しのびな・い [4][3] 【忍びない】 (形)
(多く「…するにしのびない」の形で)…するのはがまんができない。…するのに耐えられない。「見るに―・い」「捨てるに―・い」
忍びに
しのびに 【忍びに】 (副)
人目を忍んで。「たちばなの清きが―あひしれりける女のもとより/古今(恋三詞)」
忍びの緒
しのびのお [5] 【忍びの緒】
室町時代以降,兜(カブト)の鉢に付けたあごひもの称。兜の緒。
→兜
忍びの者
しのびのもの [6] 【忍びの者】
⇒忍者(ニンジヤ)
忍びの術
しのびのじゅつ [6] 【忍びの術】
⇒忍術(ニンジユツ)
忍びやか
しのびやか [3] 【忍びやか】 (形動)[文]ナリ
ひそかに振る舞ったり,ものを言ったりするさま。「―に歩く」「―なる声づかひなどをよろしう聞きなし給へり/源氏(夕霧)」
忍び三重
しのびさんじゅう [4] 【忍び三重】
下座音楽の一。三味線の独奏によるもので,暗闇での探り合いの場面などで用いる。
忍び事
しのびごと [0][4] 【忍び事】
隠し事。内証ごと。密事。「かかる御―により,山里の御ありきも,ゆくりかに思し立つなりけり/源氏(総角)」
忍び会い
しのびあい【忍び会い】
⇒密会.
忍び元結
しのびもとゆい [4] 【忍び元結】
外部からは見えないようにして結ぶ元結。
忍び入る
しのびい・る [4] 【忍び入る】 (動ラ五[四])
人に気付かれぬようにそっと入る。忍び込む。「敵陣に―・る」
忍び出る
しのびでる【忍び出る】
steal[slip,sneak]out <of> .
忍び包丁
しのびぼうちょう [4] 【忍び包丁】
⇒隠(カク)し包丁(ボウチヨウ)
忍び垣
しのびがき [3] 【忍び垣】
袖垣の一。高さ2メートルほどで三段に分かれ,上段は建仁寺垣のように竹または木を編み合わせ,中段は葭(ヨシ)を用いて櫛形のすかしやのぞき穴などを設け,下段は二つ割りの大竹を斜めに組み合わせる。小待(コマチ)垣。
忍び声
しのびごえ [4] 【忍び声】
相手以外の人に聞こえないように低く話す声。ひそひそ声。小声。
忍び夫
しのびづま 【忍び夫・忍び妻】
ひそかに契った異性。隠し男(女)。忍び男(女)。「―かへるなごりの移り香を/玉葉(雑一)」
忍び女
しのびおんな 【忍び女】
私娼。「礒嶋といへるにも舟子の瀬枕,―有る所ぞかし/浮世草子・一代男 3」
忍び妻
しのびづま 【忍び夫・忍び妻】
ひそかに契った異性。隠し男(女)。忍び男(女)。「―かへるなごりの移り香を/玉葉(雑一)」
忍び寄る
しのびよる【忍び寄る】
steal up[near].
忍び寄る
しのびよ・る [4][0] 【忍び寄る】 (動ラ五[四])
相手に気付かれぬように近寄る。「敵の陣地に―・る」「悪の手が―・る」「―・る秋の気配」
忍び忍び
しのびしのび 【忍び忍び】 (副)
他人に知られぬように。ひそかに。「―の御方たがへ/源氏(帚木)」
忍び所
しのびどころ 【忍び所】
(1)隠れ住む所。また,忍んで通う所。「通ひ給ふ―多く/源氏(紅梅)」
(2)なつかしく思うよすが。「ここら年経給へる御すみかの,いかでか―なくはあらむ/源氏(真木柱)」
忍び手
しのびで [0] 【短手・忍び手】
柏手(カシワデ)の打ち方の一。右手の親指以外の四本の指で左の掌を音を立てないように打つ。神道の葬儀で行う。
忍び提灯
しのびぢょうちん [4] 【忍び提灯】
(1)昔,貴人が夜の忍び歩きなどの際に用いた替え紋を入れた提灯。
(2)強盗(ガンドウ)提灯のこと。「残るは―鎮鉢巻/浄瑠璃・忠臣蔵」
忍び歩き
しのびありき 【忍び歩き】
「しのびあるき(忍歩)」に同じ。「六条わたりの御―のころ/源氏(夕顔)」
忍び歩き
しのびあるき [4] 【忍び歩き】
身分の高い人などが,他人にその人と知られぬように外出すること。微行。おしのび。しのびありき。
忍び歩く
しのびあり・く 【忍び歩く】 (動カ四)
(身分の高い者が)人目を避けて出歩く。「わりなく―・かむ程も,心づくしに,女のかたがた思し乱れむ事よ/源氏(宿木)」
忍び泣き
しのびなき【忍び泣き】
(suppressed) sobbing.〜する sob.→英和
忍び泣き
しのびなき [0] 【忍び泣き】
人目をはばかって泣くこと。ひそかに泣くこと。
忍び泣く
しのびな・く [4] 【忍び泣く・忍び鳴く】 (動カ五[四])
(1)人に知れないように声を殺して泣く。《忍泣》「若い女の―・く声」
(2)鳥などが,ひそやかに鳴く。声をひそめて鳴く。《忍鳴》「山郭公―・く/海道記」
忍び涙
しのびなみだ [4] 【忍び涙】
人目を忍んで泣くこと。また,その涙。「心の奥の信夫山―の折からに/浄瑠璃・先代萩」
忍び火
しのびび 【忍び火】
音を立てぬようにして打つ切り火。「小者に―をうたせ/浮世草子・男色大鑑 4」
忍び田
しのびた 【忍び田・隠び田】
⇒隠田(オンデン)
忍び男
しのびおとこ 【忍び男】
(1)密会する相手の男。隠し男。「月に六さいの―/浮世草子・一代女 6」
(2)ひそかに売淫する男。「うるはしき―の若盛りなるを二十余人/浮世草子・栄花一代男 1」
忍び目付
しのびめつけ [4] 【忍び目付】
江戸時代,ひそかに各地を回り政情を視察する役の者。隠し目付。忍び回り。
忍び笑い
しのびわらい [4] 【忍び笑い】
人にわからないように,声をひそめて笑うこと。「あちこちから―が起こる」
忍び笑い
しのびわらい【忍び笑い】
a chuckle;→英和
a titter.→英和
〜する chuckle;titter.
忍び草
しのびぐさ 【忍び草】
思い慕うたねとなるもの。しのぶぐさ。「行く先の―にもなるやとて/元輔集」
忍び言
しのびごと 【忍び言】
ひそひそ話。内証話。「ありつる―どもの御耳とまりつるや/狭衣 4」
忍び足
しのびあし [3] 【忍び足】
足音をたてぬように,そっと歩くこと。「抜き足差し足―」
忍び足で
しのびあし【忍び足で】
stealthily;→英和
softly;→英和
<walk> on tiptoe.
忍び路
しのびじ 【忍び路】
隠れ忍んで行くこと。また,その道。「―を雲居のよそにめぐらして/謡曲・蝉丸」
忍び車
しのびぐるま 【忍び車】
人目を避けてひそかに乗って行く車。「―のやすらひに/閑吟集」
忍び込む
しのびこ・む [4] 【忍び込む】 (動マ五[四])
人に気付かれないように,こっそりと入り込む。「窓から―・む」
[可能] しのびこめる
忍び込む
しのびこむ【忍び込む】
steal[sneak] <into> .→英和
忍び返し
しのびがえし [4] 【忍び返し】
盗賊などの入るのを防ぐため,塀などの上に竹・釘(クギ)など,とがったものを取り付けたもの。矢切り。
忍び返し[図]
忍び逢い
しのびあい [0] 【忍び逢い】
男女が人目を避けてそっと逢うこと。
忍び逢う
しのびあ・う [4] 【忍び逢う】 (動ワ五[ハ四])
男女が人目を避けてそっと逢う。「親の目を盗んで―・う」
忍び釘
しのびくぎ [3] 【忍び釘】
「隠(カク)し釘(クギ)」に同じ。
忍び難い
しのびがた・い [5] 【忍び難い】 (形)[文]ク しのびがた・し
(気持ちを心におさめて)我慢することができない。耐えがたい。「耐え難きを耐え,―・きをしのぶ」
忍び難い
しのびがたい【忍び難い】
unbearable;→英和
intolerable.→英和
忍び音
しのびね [0] 【忍び音】
(1)ひそひそ声。小声。しのび声。「―に言ひつれば,右の柱を左と聞きてもや有らん/盛衰記 18」
(2)忍び泣きの声。「枕に顔を当てて,繁は―に泣伏した/青春(風葉)」「恋しくあはれなりと思ひつつ,―をのみ泣きて/更級」
(3)陰暦四月頃のホトトギスの鳴き声。ホトトギスの初音。「―は苦しき物を時鳥/和泉式部日記」
忍び頭巾
しのびずきん [4][5] 【忍び頭巾】
忍び歩き,特に遊里に通う際などに,顔を隠すための頭巾。
忍び駒
しのびごま [0][4] 【忍び駒】
三味線の音を小さくするための特別の駒。また,その駒を入れて三味線を弾くこと。
忍び駕籠
しのびかご 【忍び駕籠】
人目を避けてこっそり行く駕籠。また,その駕籠に乗ること。
忍び鳴く
しのびな・く [4] 【忍び泣く・忍び鳴く】 (動カ五[四])
(1)人に知れないように声を殺して泣く。《忍泣》「若い女の―・く声」
(2)鳥などが,ひそやかに鳴く。声をひそめて鳴く。《忍鳴》「山郭公―・く/海道記」
忍ぶ
しのぶ【忍ぶ】
[忍耐]bear;→英和
stand <heat> ;→英和
endure;→英和
put up with;tolerate;→英和
pocket <an insult> ;→英和
[隠れる]conceal[hide]oneself;lie hidden.…するに忍びない do not have the heart <to do> ;→英和
be unwilling <to do> .世を〜 live in seclusion.
忍ぶ
しの・ぶ [2][0] 【忍ぶ】
■一■ (動バ五[四])
(1)つらいことを我慢する。こらえる。「不便を―・ばねばならぬ」「恥を―・んでお願いに来ました」「耐え―・ぶ」
(2)他人に知られないようにこっそりと何かをする。「男がこっそり―・んで来る」「人目を―・んで会いに行く」「世を―・ぶ仮の姿」「―・び寄る」「―・び泣く」
[可能] しのべる
■二■ (動バ上二)
(1)気持ちを抑える。こらえる。現代語では,「…するに―・びず,…」「…するに―・びない」という形でのみ使われる。「思い出の品を捨てるに―・びず,そのまましまいこむ」
→しのびない
(2)気持ちが外に表れそうになるのをじっとこらえる。「我が背子が捻(ツ)みし手見つつ―・びかねつも/万葉 3940」
(3){■一■(2)}に同じ。「世の中に―・ぶる恋のわびしきは逢ひてののちの逢はぬなりけり/後撰(恋一)」
〔本来は上二段の語。「しのぶ(偲)」の補説参照〕
忍ぶの衣
しのぶのころも 【忍ぶの衣】
忍ぶ摺りの衣。しばしば,慕う心を忍ぶ意を込めて用いる。「逢ふ事は―あはれなど稀(マレ)なる色に乱れそめけむ/新勅撰(恋五)」
忍ぶらふ
しのぶら・う シノブラフ 【忍ぶらふ】 (動ハ四)
ずっとしのび続ける。長くしのぶ。「さす竹の舎人壮士(トネリオトコ)も―・ひかへらひ見つつ/万葉 3791」
〔上二段活用の動詞「しのぶ」からの派生語形。語尾の「ふ」は,反復・継続の助動詞「ふ」とみられるが,「しのぶらふ」という語形の成立過程は未詳〕
忍ぶ恋路
しのぶこいじ 【忍ぶ恋路】
端唄・うた沢の一。本調子。恋のはかなさ,切なさをうたったもの。
忍ぶ捩ぢ摺り
しのぶもじずり 【忍ぶ捩ぢ摺り・信夫捩ぢ摺り】
「忍(シノ)ぶ摺(ズ)り」に同じ。「みちのくの―誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに/伊勢 1」
忍ぶ摺り
しのぶずり [0][3] 【忍ぶ摺り・信夫摺り】
摺り染めの一。シノブの葉や茎の色素で,もじれ乱れた模様を摺り出したもの。陸奥(ムツ)国信夫郡から産するところからの名と解釈されてきた。しのぶもじずり。もじずり。「その男,―の狩衣をなむ着たりける/伊勢 1」
忍ぶ石
しのぶいし [3] 【忍ぶ石】
(1)シノブの葉に似た模様が付着した石。石灰岩や頁岩(ケツガン)などの割れ目に酸化マンガンなどが樹枝状に浸み込んでできたもの。模樹石。
(2)福島県下に産する石英安山岩質熔結凝灰岩の石材名。信夫(シノブ)石。
忍ぶ草
しのぶぐさ [3] 【忍ぶ草】
(1)シノブの別名。
(2)昔をしのぶよすが。「われは外(ホカ)の世にたち離れ,かかる―もつみいでけるよ/浜松中納言 2」
(3)ノキシノブの異名。
(4)ワスレグサの異名。
忍ぶ髷
しのぶわげ [3] 【忍ぶ髷】
女性の結髪の一。髷の余りの髪先を二つに分けて,輪にして折り返し根で結び,その根元に笄(コウガイ)をさすもの。「御所桜堀川夜討」の信夫(シノブ)役で中村千弥が用いた髪形が広まったもの。
忍ぶ髷[図]
忍冬
にんどう [1] 【忍冬】
(1)スイカズラの別名。
(2){(1)}の葉を乾かした生薬。止血・殺菌・利尿に用いる。
忍冬
すいかずら スヒカヅラ [3] 【忍冬】
スイカズラ科のつる性半常緑木本。山野に自生。枝は長く伸び,卵状長楕円形の葉を対生。初夏,葉腋に甘い香りのする白い花を二個ずつつける。花はのちに黄色になる。葉・茎・蕾(ツボミ)は解毒・利尿作用があり薬用とする。金銀花。ニンドウ。
〔「忍冬の花」は [季]夏〕
忍冬[図]
忍冬
すいかずら【忍冬】
《植》a honeysuckle.→英和
忍冬唐草文
にんどうからくさもん [8] 【忍冬唐草文】
スイカズラのような蔓草(ツルクサ)を図案化した唐草文。忍冬文。
→唐草文
→パルメット
忍冬唐草文[図]
忍冬文
にんどうもん [3] 【忍冬文】
「忍冬唐草文」に同じ。
忍冬酒
にんどうしゅ [3] 【忍冬酒】
スイカズラの花を用いてつくる薬用酒。
忍受
にんじゅ [1] 【忍受】 (名)スル
こらえて受けいれること。耐え忍んで受けいれること。「不当な扱いを―する」
忍坂
おさか 【忍坂】
奈良県桜井市忍阪(オツサカ)の古名。神武東征伝説では,天皇の命で道臣命(ミチノオミノミコト)が酒盛り中の賊を殺した所。おしさか。
忍壁親王
おさかべしんのう 【忍壁親王・刑部親王】
(?-705) 天武天皇の皇子。681年帝紀などの修史事業に参加。701年藤原不比等らと大宝律令を編纂。
忍夜恋曲者
しのびよるこいはくせもの 【忍夜恋曲者】
歌舞伎舞踊の一。常磐津。通称「将門(マサカド)」。宝田寿助作詞。1836年,江戸市村座初演。平将門の娘滝夜叉姫が大宅太郎光国を籠絡しようとするが正体を見破られる。
忍岡
しのぶがおか 【忍岡】
東京都台東区上野公園一帯の旧名。しのぶのおか。
忍岡文庫
しのぶがおかぶんこ 【忍岡文庫】
1632年,林羅山が忍岡の自邸内に建てた図書館。明暦の大火で焼失。
忍従
にんじゅう [0] 【忍従】 (名)スル
耐え忍んで,言われるがままに従うこと。「召し使い同様の扱いに―する」
忍従
にんじゅう【忍従】
submission;→英和
resignation.→英和
〜する submit <to> .→英和
忍性
にんしょう ニンシヤウ 【忍性】
(1217-1303) 鎌倉末期の律宗の僧。字(アザナ)は良観。大和の人。叡尊(エイソン)・覚盛に師事。鎌倉に光泉寺・極楽寺を開く。道路や橋梁を設けたり,各地に悲田院や施薬院を建てたりして,社会福祉事業に貢献した。
忍月
にんげつ 【忍月】
⇒石橋(イシバシ)忍月
忍法
にんぽう [1] 【忍法】
忍術の法。しのびの術。
忍者
にんじゃ [1] 【忍者】
忍術を使って密偵・謀略・後方攪乱・暗殺などを行う者。戦国時代,各家に抱えられて活躍。特に甲賀・伊賀の忍者組織が有名。忍びの者。
忍耐
にんたい【忍耐】
patience;→英和
perseverance;endurance.→英和
〜する be patient <with> ;→英和
persevere;→英和
endure.→英和
〜強い patient.〜力がない have no patience;→英和
be impatient.
忍耐
にんたい [1] 【忍耐】 (名)スル
苦しみ・つらさ・怒りなどを,たえしのぶこと。「寛容と―」「―する限度」
忍耐力
にんたいりょく [3] 【忍耐力】
苦しみ・つらさなどに耐える力。
忍耐強い
にんたいづよ・い [6] 【忍耐強い】 (形)[文]ク にんたいづよ・し
我慢強い。「―・い性質」
忍苦
にんく [1] 【忍苦】 (名)スル
苦しみにたえること。苦痛をこらえること。
忍術
にんじゅつ [1] 【忍術】
特殊な体術を身につけ,変装・詭計などを用い,ひそかに敵地をさぐったり,敵を襲ったりする武術。甲賀流・伊賀流などが有名。忍びの術。「―つかい」
忍辱
にんにく [0] 【忍辱】
〔仏〕 六波羅蜜の第三。種々の侮辱や苦しみを耐え忍び心を動かさないこと。忍。
忍辱の袈裟
にんにくのけさ 【忍辱の袈裟】
〔仏〕 袈裟が忍辱のはたらきをもつことを強調していう語。忍辱衣(ニンニクエ)。「不浄を隔つる―/謡曲・葵上」
忍辱波羅蜜
にんにくはらみつ [6] 【忍辱波羅蜜】
〔仏〕 忍辱の心を保つ修行。この修行を積むことが同時に悟りに至る行為でもあるのでこう呼ぶ。
忍野八海
おしのはっかい 【忍野八海】
山梨県南東部,富士山北東麓の忍野村にある八つの湧水池。溶岩の下を流れる伏流水が湧出して形成。
忍音物語
しのびねものがたり 【忍音物語】
擬古物語。一巻。作者未詳。南北朝時代の成立か。現存本は平安時代の古本の改作で,原作は現在伝わらない。四位少将きんつねと,しのびねの姫君の悲恋物語。
忖度
そんたく [1][0] 【忖度】 (名)スル
〔「忖」も「度」もはかる意〕
他人の気持ちをおしはかること。推察。「相手の心中を―する」
忖度する
そんたく【忖度する】
guess;→英和
conjecture;→英和
judge <of> (判断する).→英和
志
し [1] 【志】
(1)紀伝体の史書で,天文・地理・礼楽などを記述した部分。
(2)律令制で,衛府の主典(サカン)。
志
こころざし [0] 【志】
(1)心に決めて目指していること。また,何になろう,何をしようと心に決めること。「―を立てる」「―を曲げる」「事―と違(タガ)う」「―を同じくする」
(2)人に対する厚意。人を思う気持ち。「お―だけはありがたくいただきます」
(3)好意・謝意などの気持ちを表す贈り物。また,故人を悼んで供える物やお布施などの上書きの語。
(4)追善供養。「母人の十三年にあたり,千日寺へ石塔を立て―仕り候/浮世草子・一代男 7」
志
こころざし【志】
(a) will;→英和
(an) intention;→英和
<attain one's> aim;→英和
(an) ambition;→英和
(a) desire[wish](願望);→英和
kindness[goodwill](心尽し);→英和
a present[gift](贈物).→英和
志す
こころざ・す [4] 【志す】 (動サ五[四])
〔「心指(サ)す」の意〕
(1)気持ちがそちらに向く。心の中で目標を定める。心中に決めた目標に向かって進む。「学問に―・す」「画家を―・して上京した」「あまた物し給ふ御女(ムスメ)たちを一人一人はと―・し給ひながら/源氏(匂宮)」
(2)好意・謝意などを表して物を贈る。「これより後は彼等に飯を―・して/今昔 20」
(3)追善供養をする。「今日は―・す日にて候程に,墓所へ参り候/謡曲・定家」
志す
こころざす【志す】
intend;→英和
aim <at,to do> ;→英和
aspire <to> .→英和
志ん生
しんしょう シンシヤウ 【志ん生】
⇒古今亭(ココンテイ)志ん生
志免
しめ 【志免】
福岡県西部,糟屋(カスヤ)郡の町。福岡市の東に接し,住宅地化。かつては炭鉱で栄えた。
志向
しこう [0] 【志向】 (名)スル
(1)意識をある目的へ向けること。こころざすこと。意向。指向。「民主国家の建設を―する」
(2)〔哲〕
〔(ドイツ) Intention〕
意識がいつもある対象に向かっていること。
→志向性
志向
しこう【志向】
(an) intention.→英和
〜する intend <to do> ;→英和
aim <at> .→英和
〜の <male-> oriented.
志向性
しこうせい [0] 【志向性】
〔哲〕
〔(ドイツ) Intentionalität〕
ブレンターノの心理学・フッサールの現象学における意識のもつ特性。すべての意識は何ものかについての意識であり,常に一定の対象に向かっていること。実存哲学では人間存在の存在論的特性に拡大される。指向性。
志士
しし [1] 【志士】
身を犠牲にして国や社会のために尽くそうという,高い志をもっている人。「勤王の―」
志士
しし【志士】
a patriot.→英和
志太
しだ 【志太】
姓氏の一。
志太野坡
しだやば 【志太野坡】
(1662-1740) 江戸中期の俳人。姓は志田とも。越前国福井生まれ。江戸で越後屋両替店の番頭をしたが,のち大坂に移住。芭蕉に入門,「炭俵」の撰にかかわった。著「野坡吟艸」など。
志学
しがく [1] 【志学】
(1)学問に志すこと。
(2)〔論語(為政)「吾十有五而志�于学�」〕
一五歳の異名。
志尚
ししょう [0] 【志尚】
こころざし。
志州
ししゅう 【志州】
志摩(シマ)国の別名。
志布志
しぶし 【志布志】
鹿児島県東部,曾於(ソオ)郡の町。志布志湾奥の港町。
志布志湾
しぶしわん 【志布志湾】
鹿児島県大隅半島の東部にある湾。亜熱帯植物が自生する枇榔(ビロウ)島および西部砂浜海岸一帯は日南海岸国定公園の一部。有明湾。
志度
しど 【志度】
香川県東部,大川郡の町。志度寺の門前町として発展。平賀源内の生地。
志度寺
しどうじ 【志度寺・志渡寺】
浄瑠璃「花上野誉石碑(ハナノウエノホマレノイシブミ)」四段目の通称。田宮坊太郎の乳母お辻が,身命を捧(ササ)げて,金毘羅(コンピラ)権現に坊太郎の仇討ち成就を祈願する段。歌舞伎では「しどでら」。
志度寺
しどでら 【志度寺】
⇒しどじ(志度寺)
志度寺
しどじ 【志度寺】
香川県大川郡志度町にある真言宗善通寺派の寺。山号は補陀落山。寺伝では推古天皇と行基の創建。志度寺縁起にある藤原不比等とこの地の海女が結ばれたという伝説が,謡曲「海女」などの素材となった。
→しどうじ(志度寺)
志度焼
しどやき [0] 【志度焼】
讃岐(サヌキ)国志度浦で焼かれた陶器。のち富田金山山麓に移る。宝暦(1751-1764)頃,平賀源内が交趾(コーチ)焼の製法を伝えて創業。閉窯期は未詳。
志怪小説
しかいしょうせつ シクワイセウセツ [4] 【志怪小説】
中国,魏(ギ)・晋(シン)・六朝(リクチヨウ)時代の怪異のことを述べた小説。東晋の干宝(カンポウ)の「捜神記(ソウジンキ)」など。
志想
しそう [0] 【志想】
こころざし。
志戸呂焼
しどろやき [0] 【志戸呂焼】
遠江(トオトウミ)国志戸呂で産した陶器。衰退していたが,寛永年間(1624-1644)小堀遠州の意匠を採用して復興。遠州七窯の一。
志手原焼
しではらやき [0] 【志手原焼】
兵庫県三田(サンダ)市志手原で産した陶磁器。宝暦・明和(1751-1772)頃の創業という。盛時には青磁・染め付け・呉須赤絵などを産した。三田焼の先駆。1941年(昭和16)閉窯。
志手石
しでいし 【志手石】
木や木の葉などの化石。「色黒うして縦理(モクメ)あり―と名づく/仮名草子・東海道名所記」
志摩
しま 【志摩】
(1)旧国名の一。三重県志摩半島の東部に相当。
(2)三重県西部,志摩郡の町。先志摩の大部分を占め,伊勢志摩国立公園に属する。真珠養殖が活発。
(3)福岡県西部,糸島郡の町。糸島半島西部で,玄海国定公園に属する。ハマユウが群生。
志摩半島
しまはんとう 【志摩半島】
三重県東部,太平洋に突出する半島。伊勢志摩国立公園の大部分を占める。リアス式海岸と真珠養殖で知られる観光地。
志摩海老
しまえび [2] 【志摩海老】
イセエビの別名。
志操
しそう [0] 【志操】
主義や考えなどを固く守る意志。志節。「―が堅固だ」「―高潔な人」
志操
しそう【志操】
<high> principle.→英和
志操堅固な人 a man of firm purpose.
志方
しかた 【志方】
姓氏の一。
志方益三
しかたますぞう 【志方益三】
(1895-1964) 化学者。東京生まれ。京大教授・名大教授。ヘイロウスキーとともにポーラログラフィーを創案,電気化学の研究に貢献。
志望
しぼう [0] 【志望】 (名)スル
こうなりたい,こうしたいと望むこと。こころざし。希望。「女優―」「進学―者」「―する大学に入る」
志望する
しぼう【志望する】
wish;→英和
desire;→英和
choose.→英和
‖志望者 an applicant.第一志望 <the school of> one's first choice.
志木
しき 【志木】
埼玉県中南部の市。近世,奥州から甲州・相州への脇街道の宿場町。現代は住宅地として発展。
志業
しぎょう [0] 【志業】
学業・事業にこころざすこと。「勤皇の―浅からず/近世紀聞(延房)」
志気
しき [1][2] 【志気】
物事をしようとする気持ち。こころざし。士気。「盛んな―」
志津川
しづがわ シヅガハ 【志津川】
宮城県北東部,本吉(モトヨシ)郡の町。志津川湾に臨み,椿島の暖地性植物群落は天然記念物。
志津磨流
しづまりゅう 【志津磨流】
書道の一流派。佐々木志津磨(1619-1695)が創始。和様・唐様折衷様式を特色とする。
志渡寺
しどうじ 【志度寺・志渡寺】
浄瑠璃「花上野誉石碑(ハナノウエノホマレノイシブミ)」四段目の通称。田宮坊太郎の乳母お辻が,身命を捧(ササ)げて,金毘羅(コンピラ)権現に坊太郎の仇討ち成就を祈願する段。歌舞伎では「しどでら」。
志濃夫廼舎歌集
しのぶのやかしゅう 【志濃夫廼舎歌集】
歌集。五巻。橘曙覧(アケミ)の和歌を長男,今滋が編。1878年(明治11)刊。日常生活の実感を詠い,連作が多い。詠史・画賛にも巧みで,幅広い教養がうかがわれる。
志田
しだ 【志田】
姓氏の一。
志田林三郎
しだりんざぶろう 【志田林三郎】
(1855-1892) 電気工学者。肥前(佐賀県)の生まれ。工部大学校教授。わが国初の工学博士の一人。電気学会創立の主唱者。電信事業の改良に努めたほか,電流自記機を発明。
志田順
しだとし 【志田順】
(1876-1936) 地球物理学者。千葉県生まれ。京大教授。地震波の P 波の初動分布の規則性,深発地震の存在を指摘。阿蘇火山観測所を開設。
志登支石墓
しとしせきぼ 【志登支石墓】
福岡県前原町志登にある弥生時代の支石墓群。十数基の支石墓と甕棺(カメカン)が散在。
志筑
しづき 【志筑】
姓氏の一。
志筑忠雄
しづきただお 【志筑忠雄】
(1760-1806) 江戸中期の天文学者・蘭学者。長崎の人。本姓中野。号,柳圃(リユウホ)。長崎通詞志筑家の養子。オランダ語文法書「和蘭詞品考」「助字考」を書き,訳書「暦象新書」でニュートン・ケプラーの学説を紹介,さらには独自の星雲説をも説いた。
志節
しせつ [1] 【志節】
「志操(シソウ)」に同じ。
志納金
しのうきん シナフ― [0] 【志納金】
拝観料のこと。
→志(ココロザシ)(3)
志行
しこう [0] 【志行】
こころざしとおこない。
志貴皇子
しきのみこ 【志貴皇子・施基皇子】
(?-716) 天智天皇の第七皇子。光仁天皇の父。清澄な調べの歌六首が万葉集に見える。没年は,一説に715年。しきのおうじ。
志賀
しが 【志賀】
滋賀県中西部,滋賀郡の町。琵琶湖西岸にあり比良山地への登山口。小野篁(タカムラ)神社・小野道風(トウフウ)神社・小野妹子の墓がある。((歌枕))
志賀
しが 【志賀】
姓氏の一。
志賀
しか 【志賀】
石川県北部,能登半島西岸,羽咋(ハクイ)郡の町。
志賀の大輪田
しがのおおわだ 【志賀の大輪田】
大津市の唐崎の南方,琵琶湖の湾曲したあたりをいったか。((歌枕))「楽浪(ササナミ)の―淀むとも昔の人にまたも逢はめやも/万葉 31」
志賀の山越
しがのやまごえ 【志賀の山越】
大津から志賀峠を越えて京都北白川に出る峠道。白川越。((歌枕))「桜花道見えぬまで散りにけりいかがはすべき―/後拾遺(春下)」
志賀の都
しがのみやこ 【滋賀の都・志賀の都】
大津京(オオツノミヤコ)の異名。
志賀寺
しがでら 【志賀寺】
⇒崇福寺(スウフクジ)
志賀山
しがやま 【志賀山】
志賀高原の中央に位置する山。海抜2037メートル。二峰よりなる。この山の溶岩流により志賀高原が形成された。
志賀山
しがやま 【滋賀山・志賀山】
大津市の西方,比叡山の南に続く山。大津から志賀峠(421メートル)を越し,山中を経て京都北白川に至る山道を,志賀の山越あるいは白川越という。
志賀山寺
しがやまでら 【志賀山寺】
⇒崇福寺(スウフクジ)
志賀山流
しがやまりゅう 【志賀山流】
日本舞踊の流派の一。江戸の歌舞伎舞踊の振付師の祖志賀山万作が,元禄(1688-1704)頃創始。日本舞踊最古の流派とされる。
志賀島
しかのしま 【志賀島】
福岡市北部,博多湾上にある陸繋島。海ノ中道で本土と連絡する。古来,大陸との交通の要地。志賀海神社など史跡が多く1784年には金印「漢委奴国王(カンノワノナノコクオウ)」を出土。しかしま。((歌枕))「みよや人―へと急げどもかのこまだらに波で立つめる/重之集」
志賀浦
しがのうら 【滋賀浦・志賀浦】
滋賀県志賀町の琵琶湖南西岸の地。((歌枕))「―や遠ざかり行く浪まより氷りて出づる有明の月/新古今(冬)」
志賀浦
しかのうら 【志賀浦】
福岡市志賀島付近の浦。((歌枕))「―にいざりする海人家人(イエビト)の/万葉 3653」
志賀潔
しがきよし 【志賀潔】
(1870-1957) 細菌学者。仙台市生まれ。東大卒。伝染病研究所に入り,北里柴三郎のもとで細菌学を研究。1898年(明治31)赤痢菌を発見。ドイツ留学後,結核その他の研究に従事。京城大学総長。
志賀直哉
しがなおや 【志賀直哉】
(1883-1971) 小説家。宮城県生まれ。東大中退。武者小路実篤らと「白樺」を創刊。父親との確執により作家としての主体を確立,強靭(キヨウジン)かつ純粋な自我意識と明晰(メイセキ)な文体によって,独創的なリアリズム文学を樹立した。代表作「大津順吉」「城の崎にて」「和解」「暗夜行路」
志賀重昂
しがしげたか 【志賀重昂】
(1863-1927) 地理学者。号,矧川(シンセン)。愛知県の人。札幌農学校卒。三宅雪嶺らと雑誌「日本人」を創刊,国粋主義宣揚の論陣を張る。著「日本風景論」「世界山水図説」など。
志賀高原
しがこうげん 【志賀高原】
長野県北東部にある溶岩台地からなる高原。海抜1400〜2000メートル。上信越高原国立公園の一部で,志賀山などの山岳や多くの温泉・湖沼があり,スキー・登山客でにぎわう。
志賀高穴穂宮
しがのたかあなほのみや 【志賀高穴穂宮】
景行・成務・仲哀天皇の皇居。大津市坂本穴太(アノウ)町付近が故地。
志道派
しどうは シダウ― 【師堂派・志道派】
平曲の流派の一。室町時代,疋田仙一(法名,師堂)を流祖とし,一方(イチカタ)流より分派。
志道軒
しどうけん シダウケン 【志道軒】
(1680?-1765) 江戸中期の辻講釈師。本名,深井新蔵。別号,一無堂。明和(1764-1772)頃,浅草奥山で木製の男根で台を打ちつつ,軍談などを読んだ。平賀源内の「風流志道軒伝」のモデル。著「元無草」など。
志都歌
しつうた 【志都歌】
上代歌謡の一。全体の調子を下げて歌う歌か。また,ゆっくり歌う歌とも。「此の天皇と大后と歌ひたまひし六歌は―の歌ひ返しなり/古事記(下)」
志野
しの 【志野】
姓氏の一。
志野宗信
しのそうしん 【志野宗信】
室町中期の香道「志野流」の始祖。通称,三郎右衛門。号,花香舎・松隠軒。子の宗温,孫の省巴と共に茶道でも著名。生没年未詳。
志野折
しのおり [0] 【志野折】
香道で,試香包と本香包を入れる畳(タトウ)。総包み。
志野棚
しのだな [0] 【志野棚】
袋棚の一。左側(逆勝手用は右側)に地袋のある香棚。茶道でも用いられる。
志野流
しのりゅう 【志野流】
香道・茶道の流派の一。室町時代の志野宗信を始祖とし,現在蜂谷家が継承している。
志野焼
しのやき [0] 【志野焼】
美濃(岐阜県土岐市・可児(カニ)市付近)で産した陶器。桃山時代に盛んに焼かれ,茶器が多い。白い半透明の長石釉(チヨウセキユウ)を厚くかけ,釉(ウワグスリ)の下に鉄で簡素な絵を描く。絵志野・鼠志野・紅志野などがある。
志野袋
しのぶくろ [3] 【志野袋】
香道で,香包みと銀葉包みを入れる丸い巾着(キンチヤク)。裂(キレ)は片身替わり,緒で花結びをする。
志願
しがん【志願】
desire (願望);→英和
application (申込み).→英和
〜する desire;aspire <to> ;→英和
apply[volunteer] <for> .→英和
‖志願者 an applicant;a candidate.志願兵 a volunteer.
志願
しがん [1] 【志願】 (名)スル
望むこと。希望して願い出ること。「―者」「―兵」「―して軍隊に入る」
忘ずる
ぼう・ずる バウ― [0][3] 【忘ずる】 (動サ変)[文]サ変 ばう・ず
(1)わすれる。「故郷―・じがたし」
(2)(「前後を忘ずる」などの形で)われを忘れる。正気を失う。「渠(カレ)は既に前後を―・じて/義血侠血(鏡花)」
忘られぬ
わすられ∘ぬ 【忘られぬ】 (連語)
〔四段動詞「忘る」の未然形に助動詞「る」の未然形「れ」,打ち消しの助動詞「ぬ」の付いたもの〕
忘れることができない。忘れられない。忘られない。「―∘ぬパリの思い出」
忘る
わす・る 【忘る】
■一■ (動ラ四)
忘れる。忘れようと努める。「―・らむて野行き山行き我来れど/万葉 4344」「汝しれりや,―・れりや/平家 3」
〔主として上代に用いられた語。未然形は「わすらる」「わすらす」などの語に残る〕
■二■ (動ラ下二)
⇒わすれる
忘れ
わすれ 【忘れ】
忘れること。「我が父母は―せぬかも/万葉 4344」
忘れっぽい
わすれっぽい【忘れっぽい】
⇒忘れ勝ち.
忘れっぽい
わすれっぽ・い [5] 【忘れっぽい】 (形)
忘れることが多い。「最近―・くなった」
[派生] ――さ(名)
忘れる
わす・れる [0] 【忘れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 わす・る
(1)覚えていたはずのことが思い出せなくなる。記憶がなくなる。「小学校の同級生の顔を―・れる」「恩を―・れる」
(2)他のことに心を奪われて,一時的にそのことを意識しなくなる。「時のたつのを―・れる」「寝食を―・れる」「我を―・れる」
(3)うっかりして,物を置いたままにする。「電車に傘を―・れる」
(4)しなければならないことをしないでいる。「届けるのを―・れる」「宿題を―・れる」
(5)思い切る。「わびぬれば強ひて―・れむと思へども/古今(恋二)」
忘れる
わすれる【忘れる】
(1)[忘却]forget;→英和
[物が主語]slip (out of) one's memory[mind].御親切は決して忘れません I shall never forget your kindness.忘れずに…する Don't forget <to do> ./Be sure and <do> ./without fail.忘れられない unforgettable.→英和
忘れた頃に when we least expect it.我を忘れる ⇒我.
(2)[物を忘れて来る]⇒忘れ物(をする).
忘れん坊
わすれんぼう [0] 【忘れん坊】
忘れやすい人。忘れっぽい人。わすれんぼ。
忘れ勝ち
わすれがち [0] 【忘れ勝ち】 (形動)[文]ナリ
忘れることが多いさま。「天災に対する備えを―だ」
忘れ勝ちである
わすれがち【忘れ勝ちである】
often forget;be forgetful <of> ;have a poor memory;be negligent <of> (怠り勝ち).
忘れ去る
わすれさ・る [4] 【忘れ去る】 (動ラ五[四])
忘れて二度と思い出さない。「―・ることのできない体験」
忘れ咲き
わすれざき [0] 【忘れ咲き】
小春日和のころ,時節はずれに花が咲くこと。また,その花。返り咲き。[季]冬。《―ゆびさゝるれば在りしかな/阿波野青畝》
忘れ形見
わすれがたみ【忘れ形見】
(1)[記念の品]a keepsake.→英和
(2)[遺児]⇒遺児.
忘れ形見
わすれがたみ [4] 【忘れ形見】
(1)その人を忘れないように残しておく記念の品。「―の時計」
(2)親の死後に残された子。遺児。
忘れ扇
わすれおうぎ [4] 【忘れ扇】
秋になって,身辺にありながら手に取ることも置いてあることも忘れがちになった扇。捨て扇。秋の扇。[季]秋。
忘れ水
わすれみず 【忘れ水】
茂みや岩かげの人目につかない所を流れている水。「あづま路の道の冬草茂りあひてあとだに見えぬ―かな/新古今(冬)」
忘れ潮
わすれじお [3] 【忘れ潮】
潮が引いたあと,岩のくぼみなどにたまったまま残っている海水。
忘れ物
わすれもの【忘れ物】
a thing left behind.〜をする forget <a thing> ;→英和
leave a thing <in the train> .→英和
忘れ物
わすれもの [0] 【忘れ物】
置き忘れてきた品物。持ってくるべきなのに忘れてきてしまうこと。また,その忘れてきた物。「電車の網棚に―をする」
忘れ種
わすれぐさ 【忘れ種】
心配を忘れる材料。心の憂さを吹き払うもの。「―とぞ今はなるらし/後撰(恋五)」
忘れ緒
わすれお [3] 【忘れ緒】
半臂(ハンピ)の腰を結ぶ飾り紐(ヒモ)。幅三寸三分,長さ一丈二尺の羅(ウスギヌ)で,半臂着用の際,折り畳んで左腰の前に小紐にかけて垂らす。
→半臂
忘れ花
わすればな 【忘れ花】
時節が過ぎさってから咲く花。
忘れ草
わすれぐさ [3] 【忘れ草・萱草】
(1)ヤブカンゾウの別名。[季]夏。
(2)煙草(タバコ)の異名。
忘れ貝
わすれがい [3] 【忘れ貝】
(1)海産の二枚貝。殻は厚く,ふくらみが少なく,ほぼ円形で直径6センチメートル内外。殻表は平滑で,淡紫色の地に濃い紫色の放射帯や網目紋がある。肉は食用。房総半島以南の太平洋沿岸に分布。ササラガイ。
(2)二枚貝の殻の,離れてしまった一片。また,一枚貝の殻。これを拾うと,恋しい人を忘れることができると考えられていた。「海人娘子(アマオトメ)潜(カズ)き取るといふ―よにも忘れじ妹が姿は/万葉 3084」
→恋忘れ貝
忘れ難い
わすれがた・い [5] 【忘れ難い】 (形)[文]ク わすれがた・し
なかなか忘れられない。「―・い思い出」
[派生] ――さ(名)
忘れ雪
わすれゆき [3] 【忘れ雪】
「雪の果て」に同じ。[季]春。
忘れ霜
わすれじも [3] 【忘れ霜】
晩春,八十八夜の頃に降りる霜。別れ霜。[季]春。
忘れ音
わすれね 【忘れ音】
季節を過ぎて鳴く虫の音。
忘備録
ぼうびろく バウビ― [3] 【忘備録】
「びぼうろく(備忘録)」に同じ。
忘八
ぼうはち バウ― [0][4] 【亡八・忘八】
〔仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌の八徳を失った者,また,それらを忘れさせるほどおもしろい所の意〕
(1)遊里で遊ぶこと。また,その人。
(2)遊女屋。置屋。また,その主人。
忘却
ぼうきゃく【忘却】
oblivion.→英和
⇒忘れる.
忘却
ぼうきゃく バウ― [0] 【忘却】 (名)スル
忘れ去ること。忘れてしまうこと。「前後を―する」
忘失
ぼうしつ バウ― [0] 【忘失】 (名)スル
忘れてしまうこと。また,忘れてなくすこと。
忘年
ぼうねん バウ― [0] 【忘年】
(1)年の終わりに,その年にあった苦労を忘れること。としわすれ。
(2)年齢の差を忘れること。
忘年の友
ぼうねんのとも バウ― [6] 【忘年の友】
年齢の差にかかわりなく親しく交わる友。忘年の交わり。
忘年会
ぼうねんかい バウ―クワイ [3] 【忘年会】
その年の苦労を忘れるために年末に催す宴会。[季]冬。
忘年会
ぼうねんかい【忘年会】
a year-end party.
忘形
ぼうけい バウ― [0] 【忘形】
(1)〔荘子(譲王)〕
物我を忘れて無為自然の道を悟ること。
(2)容貌・地位・形式などを問題とせず,親密に交わること。「―の友」
忘恩
ぼうおん【忘恩】
ingratitude <to> .→英和
〜の ungrateful <to> .→英和
忘恩
ぼうおん バウ― [0] 【忘恩】
恩を忘れること。恩にむくいないこと。恩知らず。「―の徒」
忘憂
ぼうゆう バウイウ [0] 【忘憂】
(1)うれいを忘れること。
(2)「忘憂の物」に同じ。
(3)植物カンゾウの異名。
忘憂の物
ぼうゆうのもの バウイウ― 【忘憂の物】
〔陶潜(飲酒詩)〕
酒の異名。
忘我
ぼうが バウ― [1] 【忘我】
物事に心を奪われて自分を忘れること。夢中になること。「―の境」
忘我の境に入る
ぼうが【忘我の境に入る】
be in ecstasies.
忙し
せわ・し セハシ 【忙し】 (形シク)
⇒せわしい
忙しい
いそがしい【忙しい】
be busy <(in) doing,with one's work> ;be engaged (用事がある).
忙しい
いそがし・い [4] 【忙しい】 (形)[文]シク いそが・し
〔動詞「急ぐ」の形容詞化〕
(1)することが多くて暇がない。多忙である。「大売り出しの準備で―・い」「猫の手も借りたいほどに―・い」
(2)落ち着きなくよく動き回って,あわただしい。せわしない。「小鳥が木の間を―・くとびまわる」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
忙しい
せわしい【忙しい】
busy;→英和
restless.→英和
⇒忙(いそが)しい.
忙しい
せわし・い セハシイ [3] 【忙しい】 (形)[文]シク せは・し
(1)用事が多くて気持ちが落ち着かない。いそがしくてゆったりした気分になれない。せわしない。「―・い毎日」「―・い年末」
(2)動作などがせかせかしていて,見る者聞く者を落ち着かせない。せわしない。「扇子を―・く動かす」「―・いミシンの音」「いつ会っても―・い男」
(3)精神的にゆとりがない。こせこせしている。「人とは物をもいはせず―・しく,気のつまる事にぞ/浮世草子・一代男 3」
(4)経済的に切迫している。金銭的に困っている。「よく��―・しければこそ,芝居並みの利銀にて何程でも借らるるなり/浮世草子・胸算用 2」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
忙しない
せわしない【忙しない】
restless;→英和
in a hurry;→英和
fidgety.→英和
忙しない
せわしな・い セハシ― [4] 【忙しない】 (形)[文]ク せはしな・し
〔「せわしい」の語幹に形容詞をつくる接尾語「ない」の付いた形〕
(1)「せわしい{(1)}」に同じ。「―・く働く」
(2)「せわしい{(2)}」に同じ。「―・い子だね,少しじっとしていなさい」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
忙わしい
いそがわし・い イソガハシイ [5] 【忙わしい】 (形)[文]シク いそがは・し
せかされているような感じだ。せわしい。「お政は,茫然としてゐたお勢の袖を―・く曳揺(ヒキウゴ)かして/浮雲(四迷)」
[派生] ――げ(形動)
忙中
ぼうちゅう バウ― [0] 【忙中】
忙しいさなか。
忙事
ぼうじ バウ― [1] 【忙事】
忙しい仕事。また,忙しいこと。
忙忙
せわせわ セハセハ 【忙忙】 (副)
心の落ち着かないさま。せかせか。「何を仰(オ)しやるぞ―と/閑吟集」
忙忙しい
せわせわし・い セハセハ― 【忙忙しい】 (形)[文]シク せはせは・し
いそがしい。あわただしい。「娘をお屋敷へ上げますので,何か―・しうございまして/滑稽本・浮世風呂 3」
忙殺
ぼうさつ バウ― [0] 【忙殺】 (名)スル
〔「殺」は意味を強めるために添えた字〕
非常に忙しいこと。仕事などに追われること。「仕事に―される」
忙殺される
ぼうさつ【忙殺される】
be very busy <with,doing> .
忙裏
ぼうり バウ― [1] 【忙裏・忙裡】
いそがしくしている時。「―の忙,急中の急なる境遇の中央に/自然と人生(蘆花)」
忙裡
ぼうり バウ― [1] 【忙裏・忙裡】
いそがしくしている時。「―の忙,急中の急なる境遇の中央に/自然と人生(蘆花)」
忙閑
ぼうかん バウ― [0] 【忙閑】
いそがしいことと,ひまなこと。
応
おう [1] 【応】
承知すること。「否(イヤ)も―もない」
応え
こたえ コタヘ [2] 【答(え)・応え・報え】
(1)人の呼び掛けや問いに応じてこたえること。また,その言葉。返答。返事。「呼べど叫べど―がない」
(2)問題を考えて出た結果。解答。「―が間違っている」
(3)報い。応報。「われこの国の守になりて此の―をせん/宇治拾遺 3」
(4)あいさつ。ことわり。「相役の某に一応の―もなく気儘なる致し方/浄瑠璃・太功記」
応え
いらえ イラヘ [2] 【答え・応え】
こたえ。返事。応答。「窓の中はしづまりかへりて何の―もなし/即興詩人(鴎外)」
応え
こたえ コタヘ [3] 【応え】
〔「こたえ(答)」と同源〕
他からの刺激・作用を身に感じること。多く他の語の下に付いて「ごたえ」の形で用いられる。「手―(テゴタエ)」「見―(ミゴタエ)」
応える
こた・える コタヘル [3][2] 【応える・報える】 (動ア下一)[文]ハ下二 こた・ふ
〔「答ふ」と同源〕
(1)相手の行動や状況を受け,十分見合うような行動をとる。応じる。「期待に―・える」「市民の歓呼に―・えて手を振る」「時代の要請に―・える」
(2)刺激や衝撃などを受け,それを痛手として強く感じる。「寒さが骨身に―・える」「いくつになっても親父の小言は―・えるよ」「此言葉は�陀(バンダ)の胸に毒矢の如く―・へたり/鉄仮面(涙香)」
(3)感応する。「わがねぎ事を神も―・へよ/後拾遺(雑六)」
〔中世にはヤ行にも活用した〕
応える
こたえる【応える】
come[go]home <to one's heart> ;be hard[trying] <to> ;affect;→英和
tell <on> .→英和
応える
いら・える イラヘル [3][2] 【答える・応える】 (動ア下一)[文]ハ下二 いら・ふ
返事をする。返答する。「襖(フスマ)の彼方へ声をかくれば,ヘイと―・へて次の間より/当世書生気質(逍遥)」
応じる
おうじる【応じる】
(1)[応答]answer;→英和
reply <to> (答える).→英和
(2)[承諾]comply <with> ;→英和
agree <to a proposal> ;→英和
accept <an invitation> .→英和
(3)[要求,注文に]meet <the demand,the order> ;→英和
satisfy <a need> .→英和
(4)[応募]subscribe[apply] <for> .→英和
…に応じて in response to (答えて);in obedience to (従って);in compliance with (承諾);in proportion to (比例);in accordance with (準拠).
応じる
おう・じる [0][3] 【応じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「応ずる」の上一段化〕
「応ずる」に同じ。「注文に―・じる」
応ず
おう・ず 【応ず】 (動サ変)
⇒おうずる(応)
応ずる
おう・ずる [0][3] 【応ずる】 (動サ変)[文]サ変 おう・ず
(1)ほかからの働き掛けにこたえて,行動を起こす。呼び掛けにこたえる。「募集に―・ずる」「注文が多くて―・じきれない」
(2)外部の変化に合わせる。つり合うようにする。「収入に―・じた生活」「相手の出方に―・じた戦法」
応ふ
いら・う イラフ 【答ふ・応ふ】 (動ハ下二)
⇒いらえる
応ふ
こた・う コタフ 【答ふ・応ふ】 (動ハ下二)
⇒こたえる(答)
⇒こたえる(応)
応ゆ
こた・ゆ 【答ゆ・応ゆ・報ゆ】 (動ヤ下二)
「こたえる(答・応)」に同じ。「手づよく平気で―・ゆれど/人情本・英対暖語 4」
〔室町時代頃からの語。終止形は多く「こたゆる」の形で用いられた〕
応仁
おうにん 【応仁】
年号(1467.3.5-1469.4.28)。文正の後,文明の前。後土御門(ゴツチミカド)天皇の代。
応仁の乱
おうにんのらん 【応仁の乱】
1467年(応仁1)から11年間続いた内乱。細川勝元と山名持豊(宗全)との対立に,将軍足利義政の跡継ぎ問題,斯波・畠山両管領家の相続争いがからんで,諸国の守護大名が細川方の東軍と山名方の西軍に分かれて戦った。戦乱は地方に拡散し,戦国時代を現出。京都は荒廃し,以後幕府の権威は失墜した。
応作
おうさ [1] 【応作】
「応化(オウゲ)」に同じ。
応供
おうぐ [1] 【応供】
〔梵 arhat(阿羅漢)の意訳〕
供養を受けるのにふさわしい徳のある者。仏の十の称号の一。小乗仏教での最上の聖者。
→阿羅漢
応保
おうほう 【応保】
年号(1161.9.4-1163.3.29)。永暦の後,長寛の前。二条天皇の代。
応其
おうご 【応其】
⇒木食(モクジキ)
応其寺
おうごじ 【応其寺】
⇒おうごうじ(応其寺)
応其寺
おうごうじ 【応其寺】
和歌山県橋本市にある真言宗の寺。山号は中興山。1587年木食応其(モクジキオウゴ)の創建。
応分
おうぶん [0] 【応分】 (名・形動)[文]ナリ
身分・能力にふさわしい・こと(さま)。分相応。
⇔過分
「―の寄付」
応分の
おうぶん【応分の】
according to one's means (資力)[ability (能力)].
応制
おうせい [0] 【応制】
〔「制」は天子の命令の意〕
勅命によって詩歌を詠進すること。また,その詩歌。応詔。
応力
おうりょく [1] 【応力】
物体に外力が加わる際,その物体内部に生ずる力。物体内の任意の面の両側の部分が互いに力を及ぼし合う。圧力・張力は応力の例。内力。歪力(ワイリヨク)。
応力腐食割れ
おうりょくふしょくわれ [0] 【応力腐食割れ】
〔stress corrosion〕
金属材料が腐食しやすい環境下で,破壊されるほどの強い力を受けずに,配管の溶接部などが割れる現象。特に原子炉の配管設計で十分な配慮が必要とされる。
応募
おうぼ [1][0] 【応募】 (名)スル
募集に応じること。「懸賞に―する」
応募する
おうぼ【応募する】
subscribe <for> (予約など);→英和
apply <for> (志願).→英和
‖応募者 a subscriber;an applicant.応募(総)数 (total) number of applicants.
応募者利回り
おうぼしゃりまわり [6] 【応募者利回り】
新規発行の債券を取得した人が,その債券を最終償還期限まで保有した場合に得るはずの投資利回り。
→発行者利回り
応化
おうか [1] 【応化】 (名)スル
世の中の変化に順応すること。適応。
→おうげ(応化)
応化
おうげ [1] 【応化】
〔「おうけ」とも〕
仏や菩薩が衆生を救うために,時機に応じた姿となって現れること。応現。応作(オウサ)。応用。
応化利生
おうげりしょう 【応化利生】
仏や菩薩が衆生のそれぞれに応じた姿で出現し,適切な仏法を説いて利益(リヤク)を与えること。
応召
おうしょう [0] 【応召】 (名)スル
呼び出しに応ずること。特に,召集令状を受け軍務につくため指定地に行くこと。
応召する
おうしょう【応召する】
answer to a call to arms.応召兵 a draftee.
応否
おうひ [1] 【応否】
承諾か不承諾かということ。「―を問う」
応和
おうわ 【応和】
年号(961.2.16-964.7.10)。天徳の後,康保の前。村上天皇の代。
応唱
おうしょう [0] 【応唱】
「答唱(トウシヨウ)」に同じ。
応器
おうき [1] 【応器】
⇒応量器(オウリヨウキ)
応報
おうほう【応報】
⇒因果(いんが).
応報
おうほう [0] 【応報】
行為の善悪に応じて受ける苦または楽の報い。果報。「因果―」
応報刑論
おうほうけいろん [5] 【応報刑論】
刑罰の本質を犯罪という害悪に対する応報であるとする考え方。
→目的刑論
応変
おうへん [0] 【応変】
その場の状況に応じて適切に処理すること。「臨機―」
応天門
おうてんもん 【応天門】
平安京大内裏朝堂院二十五門の一。南面の正門。東西に廊を配し,栖鳳(セイホウ)・翔鸞(シヨウラン)の二楼に連なる。
→大内裏
応天門の変
おうてんもんのへん 【応天門の変】
866年,応天門の炎上をめぐる政変。大納言伴善男(トモノヨシオ)(大伴氏)は左大臣源信(ミナモトノマコト)の放火としてその失脚を謀ったが,善男の子中庸のしわざとの訴えがあり,善男父子は遠流,共謀者の伴氏・紀氏の一族も流罪となった。この事件により,藤原氏摂関政治の基礎が確立された。
応安
おうあん 【応安】
北朝の年号(1368.2.18-1375.2.27)。貞治の後,永和の前。後光厳・後円融天皇の代。
応安新式
おうあんしんしき 【応安新式】
連歌書。一巻。二条良基著。1372年一応成立。その後追加された。当時乱れていた連歌作法の式目を,「建治の新式」を参照しつつ,救済(キユウセイ)・周阿の助力を得て定めたもの。連歌新式の一つ。
応対
おうたい [0][1] 【応対】 (名)スル
相手になって受け答えをすること。「電話の―が上手だ」「母が―した客」
応対する
おうたい【応対する】
receive <callers> ;→英和
attend[wait on] <customers> ;→英和
deal with.〜のじょうず(へた)な人 a man of good (awkward) address.
応射
おうしゃ [0] 【応射】 (名)スル
相手の銃撃・砲撃などに対して,こちらからもうちかえすこと。
応徳
おうとく 【応徳】
年号(1084.2.7-1087.4.7)。永保の後,寛治の前。白河・堀河天皇の代。
応急
おうきゅう [0] 【応急】
とりあえず急場をしのぐこと。「―の手当て」「―措置」
応急の
おうきゅう【応急の】
emergency <measure> .→英和
〜手当を施す give (the) first aid <to> .
応急仮設建築物
おうきゅうかせつけんちくぶつ [11] 【応急仮設建築物】
被災地で一時的に使用する建築物。三か月を超えて使用するときは特定行政庁の許可が必要。
応急手当
おうきゅうてあて [5] 【応急手当(て)】
急病人やけが人に対して,とりあえず施す手当て。
応急手当て
おうきゅうてあて [5] 【応急手当(て)】
急病人やけが人に対して,とりあえず施す手当て。
応戦
おうせん [0] 【応戦】 (名)スル
敵の攻撃に対して戦うこと。「必死に―する」
応戦する
おうせん【応戦する】
return the fire (砲撃に);→英和
accept the challenge (挑戦に);→英和
fight back.
応手
おうしゅ [1][0] 【応手】
碁・将棋で,相手の打った手に応じて打つ手。また,一般に対応策の意にも用いる。
応挙
おうきょ 【応挙】
⇒円山(マルヤマ)応挙
応挙寺
おうきょでら 【応挙寺】
大乗(ダイジヨウ)寺の通称。おうきょじ。
応接
おうせつ【応接】
(a) reception;→英和
an interview.→英和
〜する receive <a visitor> .→英和
‖応接係 a receptionist.応接間 a parlor[drawing room].
応接
おうせつ [0] 【応接】 (名)スル
訪ねて来た人を迎え入れて,相手をすること。相手になって応対すること。「―室」「大勢の客に手際よく―する」
応接間
おうせつま [0] 【応接間】
来客を迎え入れる部屋。
応援
おうえん【応援】
aid;→英和
(an) assistance (援助);support (支持);→英和
cheering[ <米> rooting](競技の声援).→英和
〜する aid;→英和
assist;→英和
support;back (up);→英和
cheer[root for] <a team> .→英和
‖応援演説 a campaign speech <for> .応援団 a cheering party;a cheerleader (人).
応援
おうえん [0] 【応援】 (名)スル
(1)他人の手助けをすること。また,その人。「友人の―を仰ぐ」「地元候補を―する」
(2)(競技・試合などで)歌を歌ったり声をかけたりして味方のチーム・選手を元気づけること。「母校のチームを―する」「―合戦」
応援団
おうえんだん [3] 【応援団】
その選手・チームなどを応援する人々の集まり。
応援歌
おうえんか [3] 【応援歌】
運動競技で,味方の選手を励ますために作られた歌。
応札
おうさつ [0] 【応札】 (名)スル
競争入札に応募すること。
応永
おうえい 【応永】
年号(1394.7.5-1428.4.27)。明徳の後,正長の前。後小松・称光天皇の代。
応永の乱
おうえいのらん 【応永の乱】
1399年(応永6),守護大名大内義弘が将軍足利義満に対し,堺に挙兵しておこした乱。義弘は敗死。
応永の外寇
おうえいのがいこう 【応永の外寇】
1419年(応永26),朝鮮李朝の太宗の軍勢が対馬(ツシマ)を襲った事件。対馬を,朝鮮各地に大きな被害を与えていた倭寇(ワコウ)の根拠地と目し,その一掃をめざしたものであったが,対馬守護宗貞盛(ソウサダモリ)の防戦にあい,間もなく撤退。己亥の東征。
応現
おうげん [0] 【応現】 (名)スル
「応化(オウゲ)」に同じ。
応用
おうよう【応用】
(practical) application.→英和
〜する apply;→英和
put to practical use.〜できる(できない) (in)applicable;→英和
(im)practicable.→英和
‖応用科学(化学) applied science (chemistry).応用問題 an applied question;an exercise.
応用
おうよう [0] 【応用】 (名)スル
(1)理論やすでに得た知識を,具体的な個々の事例や他の分野の事柄にあてはめて用いること。また,相手やその場の状況に合わせて変化させて用いること。「―がきく」「てこの原理を―する」
(2)〔仏〕
〔「おうゆう」とも〕
「応化(オウゲ)」に同じ。「―言(コト)ば辺々に候へば/太平記 29」
応用倫理学
おうようりんりがく [7] 【応用倫理学】
〔applied ethics〕
1970年代から開拓された倫理学の新しい分野。倫理の原理的探究ではなく,テクノロジーの発達が引き起こす諸問題に対応しようとする。生命・医療倫理,環境倫理,ビジネス(職業)倫理,コンピューター倫理などの総称。
応用力学
おうようりきがく [6][5] 【応用力学】
工学と力学との間のさまざまな境界問題を研究する物理学の分野。材料力学・トライボロジーなど,工学の基礎としての役割が大きい。
応用化学
おうようかがく [5] 【応用化学】
化学の理論や実験から得られた結果を,産業や生活に応用する学問。工業化学・農芸化学・薬化学・医化学などの諸分野を含む。狭義には,工業化学のみをいう。
応用問題
おうようもんだい [5] 【応用問題】
すでに学習した知識を応用して解く問題。特に,算数・数学の文章題。
応用心理学
おうようしんりがく [7] 【応用心理学】
心理学のうち,主に実験心理学の原理・方法・結果を実際的問題や日常生活に応用しようとする心理学の一分野。産業心理学・犯罪心理学・教育心理学・臨床心理学など。
応用数学
おうようすうがく [5] 【応用数学】
狭義には,物理学・工学で用いる数学の諸分野の総称。広義には,社会科学などにも利用される確率論・数理統計学などをいう。
応用物理学
おうようぶつりがく [7] 【応用物理学】
物理学の応用を目的とした学問。明確な範囲はなく,物理学と工学との境界領域を意味することが多い。また狭義には,計測・自動制御などの技術をさすことがある。
応用美術
おうようびじゅつ [5] 【応用美術】
絵画・彫刻などの技法を,実用品に応用する美術。
応用芸術
おうようげいじゅつ [5] 【応用芸術】
〔applied arts〕
実用的機能と芸術美とを併せもつ物,およびそれを生産する芸術的活動。工芸。実用芸術・装飾芸術・小芸術などともいう。
応病与薬
おうびょうよやく オウビヤウ― [5] 【応病与薬】
病気に合わせて薬を与えること。人々の在り方に合わせて,仏が教え導くことをたとえた語。「唯摩経」に出る。
応益
おうえき [0] 【応益】
受ける利益の程度に対応すること。
応益課税
おうえきかぜい [5] 【応益課税】
各人が政府から受ける利益に応じて課税されるべきとする考えに基づく税。
→応能課税
応神天皇
おうじんてんのう 【応神天皇】
記紀の所伝の第一五代天皇誉田別命(ホンダワケノミコト)の漢風諡号(シゴウ)。仲哀天皇の皇子。母は神功皇后。この時期,朝鮮・中国から渡来して技術を移入する者が多く,大和朝廷の勢力が大いに発展した。「宋書」の倭王讃をこの天皇にあてる説がある。
応神天皇陵
おうじんてんのうりょう 【応神天皇陵】
応神天皇の陵に比定される前方後円墳。大阪府羽曳野市誉田(コンダ)にある全長約420メートルで,仁徳天皇陵に次ぐ日本第二の大型古墳。誉田山古墳。
応答
おうとう【応答】
a reply;→英和
an answer.→英和
〜する reply;answer.‖質疑応答 questions and answers.
応答
おうとう [0] 【応答】 (名)スル
問いや呼びかけに答えること。「質疑―」「速やかに―せよ」
応能
おうのう [0] 【応能】
持っている能力の程度に対応すること。
応能家賃
おうのうやちん [5] 【応能家賃】
家賃を設定する場合に,建設原価に基づかず,入居者の負担能力を勘案して設定する方式。
応能課税
おうのうかぜい [5] 【応能課税】
各人がその支払能力に応じて課税されるべきとする考えに基づく税。
→応益課税
応訴
おうそ [1] 【応訴】 (名)スル
民事訴訟で,原告の提起した訴訟に応じ,被告となって法廷で弁論などをすること。
応詔
おうしょう [0] 【応詔】
(1)勅令に応ずること。
(2)勅命によって詩歌を詠進すること。応制。
応諾
おうだく [0] 【応諾】 (名)スル
他人の依頼や申し入れを引き受けること。承諾。「快く―する」「―を得る」
応護
おうご [1] 【応護・擁護】
仏や菩薩が助け守ること。加護。
応贖者
おうぞくしゃ 【応贖者】
律令制の刑法で,贖(ゾク)の特典を与えられている者。
応身
おうじん [0] 【応身】
〔梵 nirmāṇa-kāya〕
仏の三身の一。人人を救済するため,救済する対象の宗教的能力に応じた姿をとってこの世に姿を現した仏。歴史上の人物として出現した釈迦やさまざまの鬼神などの姿をとって現れた仏をいう。応化身。化身。現身。
応迹
おうじゃく [0] 【応迹】
〔「おうしゃく」とも。応化垂迹の意〕
仏や菩薩が衆生(シユジヨウ)を救うために姿を変えて現れること。
応酬
おうしゅう [0] 【応酬】 (名)スル
(1)互いにやりとりすること。また,相手のやり方にこたえて,やり返すこと。「やじの―」「パンチの―」
(2)書状・詩歌などの返しをすること。また,その返事や返歌。
(3)酒席での杯のやりとり。献酬。
応酬
おうしゅう【応酬】
an answer;→英和
a reply (返事);→英和
(a) repartee[retort](やりかえす);→英和
an exchange <of cups> .→英和
〜する reply;retort;→英和
exchange.
応量器
おうりょうき オウリヤウ― [3] 【応量器】
〔梵 pātra〕
〔仏〕 僧侶が食器として用いる鉢。托鉢(タクハツ)にも持っていき,食物を受ける。応器。
応量器[図]
応鐘
おうしょう [0] 【応鐘】
(1)〔音〕 中国音楽の音名。十二律の一一番目の音。日本十二律の上無(カミム)に相当。
(2)陰暦一〇月の異名。
応長
おうちょう オウチヤウ 【応長】
年号(1311.4.28-1312.3.20)。延慶の後,正和の前。花園天皇の代。
応需
おうじゅ [1] 【応需】 (名)スル
もとめに応じること。「入院―」
忝あり
かたじけあ・り 【忝あり】 (動ラ変)
〔「かたじけなし」をふざけて言いかえたもの。元禄(1688-1704)頃の遊里の流行語〕
おそれ多い。恐縮である。「はにふの小屋へのお立寄り,―・りというものぢやと/浮世草子・置土産 1」
忝い
かたじけな・い [5] 【忝い・辱い】 (形)[文]ク かたじけな・し
(1)(身にあまる好意・親切に対して)感謝にたえない。ありがたい。「御配慮の程まことに―・く存じます」
(2)(分に過ぎた処遇に対して)おそれ多い。もったいない。恐縮だ。「―・く汚げなる所に年月を経て物し給ふこと,極まりたるかしこまり/竹取」
(3)恥ずかしい。面目ない。「天の下の百姓(オオミタカラ)の思へらまくも恥かし―・し/続紀(宝亀三宣命)」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――さ(名)
忝うする
かたじけのう∘する カタジケナウ― 【忝うする・辱うする】 (連語)
〔「かたじけなくする」の転〕
⇒かたじけなくする
忝くする
かたじけなく∘する 【忝くする・辱くする】 (連語)
おそれ多くも…していただく。…していただいてもったいなく思う。「御高批を―∘する」
忝涙
かたじけなみだ 【忝涙・辱涙】
〔「かたじけない」の「ない」に「なみだ」をかけた語〕
ありがたなみだ。「声を知るべの―/浄瑠璃・寿の門松」
忠
ちゅう [1] 【忠】
(1)真心をこめて物事をすること。まごころ。
(2)真心をこめて国家や主君に仕えること。臣下としての本分を全うすること。忠義。忠誠。忠節。
(3)律令制で,弾正台の判官(ジヨウ)。大少の区別がある。
忠七
ちゅうしち 【忠七】
大坂で,軽口物真似を演ずる者の称。もと,その一座の座元の名であった。
→豆蔵(マメゾウ)
忠信
ちゅうしん [0][1] 【忠信】
真心を尽くし,偽りのないこと。忠と信。「人能(ヨク)―ならば亦(マタ)善からずや/明六雑誌 12」
忠僕
ちゅうぼく [0] 【忠僕】
忠実な下男。忠義な下僕。
忠勇
ちゅうゆう [0][1] 【忠勇】 (名・形動)[文]ナリ
忠義と勇気。また,忠義であって勇気がある・こと(さま)。「―無比」
忠勤
ちゅうきん [0] 【忠勤】
忠義を尽くしてつとめること。忠実につとめること。「―を励む」
忠厚
ちゅうこう [0] 【忠厚】 (名・形動)[文]ナリ
忠実で人情に厚い・こと(さま)。「―なる我邦人民を規諭(キユ)せんとする/天賦人権論(辰猪)」
忠吉
ただよし 【忠吉】
(1572-1632) 江戸初期の刀工。肥前の人。本名,橋本新左衛門。埋忠明寿に師事。「肥前国忠吉」と銘を切るところから五字忠吉と呼ぶ。晩年,武蔵大掾忠広と改める。堅実・重厚な作風。肥前新刀の祖。
忠君
ちゅうくん [0][1] 【忠君】
君主に忠義を尽くすこと。
忠君愛国
ちゅうくんあいこく [5] 【忠君愛国】
君主に忠義を尽くし,祖国を愛すること。
忠告
ちゅうこく [0] 【忠告】 (名)スル
心をこめて,過ちや欠点などを直すように言うこと。また,その言葉。いさめ。「―に従う」「友人として―する」
忠告
ちゅうこく【忠告】
<a piece of> advice;→英和
a warning (警告).→英和
〜する advise <a person (not) to do> ;→英和
warn.→英和
〜に従って(そむいて) on (against) a person's advice.‖忠告者 an adviser.
忠士
ちゅうし [1] 【忠士】
忠義の士。
忠孝
ちゅうこう [0][1] 【忠孝】
主君への忠義と,親への孝行。
忠孝
ちゅうこう【忠孝】
loyalty and filial piety.
忠孝一本
ちゅうこういっぽん [0][1] 【忠孝一本】
君主への忠と親への孝とは,対象が異なるだけで,本来同じ真心から出たものである,という水戸学派が唱えた考え方。
忠孝両全
ちゅうこうりょうぜん [0][1] 【忠孝両全】
〔李商隠「為濮陽公陳許謝上表」から〕
忠義・孝行ともに立派で完全であること。
忠実
ちゅうじつ [0] 【忠実】 (名・形動)[文]ナリ
(1)真心をもって仕えること。真心をもってつとめること。また,そのさま。「職務に―な人」
(2)少しの誤りやいつわりもなく正確である・こと(さま)。「事実に最も―な小説」「―に再現する」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
忠実
まめ [0] 【忠実】 (名・形動)[文]ナリ
(1)まじめによく働くこと。よく気がついて面倒がらずにてきぱきと動くこと。また,そのさま。「―な人」「筆―」
(2)体が丈夫である・こと(さま)。達者。「―に暮らす」
(3)誠実である・こと(さま)。「いと―にじちようにて,あだなる心なかりけり/伊勢 103」
(4)実際の役に立つさま。実用的。「車にて―なるものさまざまにもてきたり/大和 173」
忠実し
まめ・し 【忠実し】 (形シク)
(1)誠実である。まじめである。「人がらも―・しく,いとねんごろに思ひきこえ給へれば/増鏡(草枕)」
(2)かいがいしい。勤勉である。「―・しき心もなければ,梳ることもないぞ/中華若木詩抄」
忠実し気
まめしげ 【忠実し気】 (形動ナリ)
(1)まじめなさま。かいがいしいさま。「あるじの老女が―に吾を憩(イコ)はして/読本・八犬伝 5」
(2)頼もしく,当てになるさま。かいのあるさま。「悪ううたはれて―もなき浮世やと/浄瑠璃・丹波与作(中)」
忠実な
ちゅうじつ【忠実な】
faithful <to one's master> ;→英和
true <to one's principle> .→英和
《電》高忠実度(の) high-fidelity
忠実やか
まめやか [2] 【忠実やか】 (形動)[文]ナリ
(1)心のこもっているさま。誠実なさま。「―なもてなし」「―に働く」
(2)本格的であるさま。かりそめでないさま。「(雨が)―に降れば,笠もなきをのこども,ただ引きに引き入れつ/枕草子 99」
(3)実生活にかかわるさま。実用的であるさま。「をかしきやうにも,―なるさまにも/源氏(橋姫)」
[派生] ――さ(名)
忠実事
まめわざ 【忠実事】
実用的な仕事。裁縫など日常の仕事。「この頃御前の―に参りなどして/栄花(御裳着)」
忠実事
まめごと 【忠実事】
まじめなこと。実生活や実務に関すること。「あだごとにも―にも,わが心と思ひ得ることなく/源氏(帚木)」
忠実人
まめびと 【忠実人】
実直な人。誠実な人。まじめな人。「うたての御達や,恥づかしげなる―をさへ/源氏(竹河)」
忠実心
まめごころ 【忠実心】
誠実な心。実直な気持ち。「―もなまあくがるる心地す/源氏(野分)」
忠実忠実しい
まめまめし・い [5] 【忠実忠実しい】 (形)[文]シク まめまめ・し
(1)怠けずに,せっせと身軽に働く様子である。「―・く働く」
(2)まじめである。本気である。「―・しくおぼしなるらむことを,つれなく戯れに/源氏(朝顔)」
(3)実用的である。日常向きである。「何をか奉らむ。―・しきものはまさなかりなむ/更級」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
忠実文
まめぶみ 【忠実文】
真心のこもった手紙。まじめな手紙。「―通ひ通ひて/蜻蛉(上)」
忠実男
まめおとこ 【忠実男】
(1)まじめな男。誠実な男。「かの―うち物語らひて/伊勢 2」
(2)〔「伊勢物語」二段から〕
(ア)在原業平の異名。「業平名少々。東男。―/宗祇袖下」
(イ)風流で色好みの男。「緋の袴踏みしだき,誘ひ出づるや―/謡曲・雲林院」
(ウ)他人の妻と密通している男。間男。「ある人の妻のもとに―の通ふ由夫聞きて/沙石 7」
忠実立つ
まめだ・つ 【忠実立つ】 (動タ四)
〔「だつ」は接尾語〕
まじめになる。まじめに振る舞う。「いといたく世をはばかり,―・ち給ひけるほど/源氏(帚木)」
忠岡
ただおか タダヲカ 【忠岡】
大阪府南西部,泉北(センボク)郡の町。大阪湾に面し,紡織・木材工業が立地。
忠度
ただのり 【忠度】
能の一。二番目物。世阿弥作。「平家物語」や「源平盛衰記」に基づく。源平の合戦で討ち死にした平忠度の霊が,自分の詠歌が「千載集」に「読人知らず」として入集されたことに対する苦情を訴え,勇壮な最期を見せるという筋。
忠心
ちゅうしん [0] 【忠心】
忠義の心。
忠恕
ちゅうじょ [1] 【忠恕】
誠実で,思いやりのあること。
忠愛
ちゅうあい [0] 【忠愛】 (名・形動)[文]ナリ
(1)忠実で仁愛のある・こと(さま)。「此の―なる良民の誠意の/良人の自白(尚江)」
(2)まごころをこめて愛する・こと(さま)。「―に厚く,仁恵を好む人は/西国立志編(正直)」
忠憤
ちゅうふん [0] 【忠憤】
忠誠心から起こるいきどおり。
忠死
ちゅうし [0] 【忠死】 (名)スル
忠義を尽くして死ぬこと。死んで忠誠を示すこと。「主君のために―する」
忠清北道
ちゅうせいほくどう 【忠清北道】
韓国の中央部,内陸にある道。道庁所在地は清州。チュンチョン-ブク-ト。
忠清南道
ちゅうせいなんどう 【忠清南道】
韓国中西部,黄海に面する道。道庁所在地は大田(タイデン)。チュンチョン-ナム-ド。
忠烈
ちゅうれつ [0] 【忠烈】
忠義心が非常に厚いこと。「―の臣」
忠犬
ちゅうけん [0] 【忠犬】
飼い主に忠実な犬。「―ハチ公」
忠直
ちゅうちょく [0] 【忠直】 (名・形動)[文]ナリ
忠義で正直な・こと(さま)。律義。「其性―にして頗る義気あり/近世紀聞(採菊)」
忠節
ちゅうせつ【忠節】
⇒忠誠.
忠節
ちゅうせつ [0] 【忠節】
変わりなく尽くす忠義。「二代の主君に―を尽くす」
忠綱
ただつな 【忠綱】
江戸中期の刀工。大坂の人。浅井氏。通称,万太夫。粟田口国綱の後裔(コウエイ)と称す。一竿子と号し,近江守を受領。初代近江守忠綱の子。刀身の彫り物に優れ,大坂新刀を代表する刀工の一人。生没年未詳。
忠義
ちゅうぎ【忠義】
loyalty.→英和
〜な(を尽す) (be) loyal[faithful] <to> .→英和
忠義
ちゅうぎ [1] 【忠義】 (名・形動)[文]ナリ
主君や国家に対して真心をもって仕える・こと(さま)。忠節。忠誠。「―を尽くす」「―な家臣」「―者」
忠義立て
ちゅうぎだて [0] 【忠義立て】
忠義を立て通すこと。また,忠義らしく振る舞うこと。「いらざる―」
忠義顔
ちゅうぎがお [0] 【忠義顔】
忠義を装った顔つきやふるまい。
忠肝
ちゅうかん [0] 【忠肝】
強固な忠義の心。忠魂。
忠肝義胆
ちゅうかんぎたん [5] 【忠肝義胆】
忠義いちずに凝り固まった心。
忠胆
ちゅうたん [0] 【忠胆】
忠義の心。忠肝。
忠臣
ちゅうしん【忠臣】
a loyal subject.
忠臣
ちゅうしん [0] 【忠臣】
(1)忠義な家来。忠義な臣下。
⇔逆臣
(2)准(ジユン)大臣の異名。
忠臣蔵
ちゅうしんぐら 【忠臣蔵】
赤穂浪士の敵討ちを主題とした,浄瑠璃・歌舞伎・実録本などの総称。普通は「仮名手本(カナデホン)忠臣蔵」をいう。
忠良
ちゅうりょう [0] 【忠良】 (名・形動)[文]ナリ
忠義で善良な・こと(さま)。そういう人をもいう。「―なる臣民」
忠言
ちゅうげん [0] 【忠言】
まごころをこめていさめること。忠告の言葉。「臣下の―に従う」
忠誠
ちゅうせい [0] 【忠誠】
まごころ。また,まごころをもって尽くすこと。「祖国への―を示す」「―心」
忠誠
ちゅうせい【忠誠】
loyalty;→英和
allegiance.→英和
〜を誓う pledge one's loyalty.
忠諫
ちゅうかん [0] 【忠諫】 (名)スル
忠義の心から主君をいさめること。「鎖港攘夷の建白を捧げ専(オサオサ)―せられしかど/近世紀聞(採菊)」
忠貞
ちゅうてい [0] 【忠貞】
忠義と貞節。まじめで,おこないが立派なこと。
忠霊
ちゅうれい [0] 【忠霊】
忠義のために死んだ人の霊魂。忠魂。
忠霊塔
ちゅうれいとう [0] 【忠霊塔】
忠義のために死んだ人の霊をまつる塔。
忠順
ちゅうじゅん [0] 【忠順】 (名・形動)[文]ナリ
忠実で従順である・こと(さま)。「―なる言語,―なる顔容は,大いに徳行の価をして高からしむるなり/西国立志編(正直)」
忠魂
ちゅうこん [0] 【忠魂】
(1)忠義ひとすじの心。忠心。
(2)忠義を尽くして死んだ人の霊魂。
忠魂碑
ちゅうこんひ [3] 【忠魂碑】
戦死者を記念する石碑。日露戦争後,全国に広がった。
忡忡
ちゅうちゅう [0] 【忡忡】 (ト|タル)[文]形動タリ
憂いなやむさま。「心事匇忙(ソウボウ)―として安んぜず/佳人之奇遇(散士)」
忩劇
そうげき 【怱劇・忩劇】
非常にあわただしいこと。多忙。「―の中にも其の御名残きつと思ひ出でて/平家 7」
快
かい クワイ [1] 【快】 (名・形動)[文]ナリ
気持ちがよい・こと(さま)。「―をむさぼる」「―なるかな」
快い
こころよい【快い】
pleasant;→英和
agreeable;→英和
refreshing;→英和
well (病気が).→英和
快い
こころよ・い [4] 【快い・心良い】 (形)[文]ク こころよ・し
(1)心にさわやかに感じられる。気持ちよい。「―・いリズム」「―・い雰囲気」
(2)体に気持ちよく感じられるさま。快感がある。ここちよい。「―・い眠り」「潮風が肌に―・い」
(3)いやな気持ちを持たない。好ましいと思う。「―・くひきうける」
(4)心がきれいだ。気立てがよい。お人よしだ。《心良》「―・く,かいそめたる者に女君も思したれど/源氏(玉鬘)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
快く
こころよく【快く】
(1) pleasantly;→英和
agreeably.→英和
(2) willingly (進んで);→英和
with pleasure.
快事
かいじ クワイ― [1] 【快事】
気持ちのよいできごと。「近来の―」
快作
かいさく クワイ― [0] 【快作】
胸のすくような,優れた作品。
快便
かいべん クワイ― [0] 【快便】
気持ちよい便通。「快食―」
快刀
かいとう クワイタウ [0] 【快刀】
よく切れる刀。
快刀乱麻を断つ
かいとう【快刀乱麻を断つ】
cut the Gordian knot.
快削鋼
かいさくこう クワイサクカウ [0] 【快削鋼】
低炭素鋼の一種。切削加工をしやすくするために硫黄・鉛・リン・マンガンなどを微量混合した鋼。
快勝
かいしょう クワイ― [0] 【快勝】 (名)スル
一方的に相手を負かし,気持ちよく勝つこと。また,その勝利。「宿敵に―する」
快勝
かいしょう【快勝(する)】
(win) a signal[an overwhelming (圧勝)]victory.
快味
かいみ クワイ― [1] 【快味】
気持ちのよい感じ。こころよい気分。「それを極めずに置く処に,一種の―がある/青年(鴎外)」
快哉
かいさい クワイ― [0] 【快哉】
〔「快なる哉(カナ)」の意〕
胸がすっとするように気持ちがいいこと。痛快なこと。「―を叫ぶ」
快報
かいほう クワイ― [0] 【快報】
よいしらせ。吉報。
快夢
かいむ クワイ― [1] 【快夢】
こころよい夢。また,心地よい眠り。
快川紹喜
かいせんじょうき クワイセンゼウキ 【快川紹喜】
(?-1582) 室町末期の臨済宗の僧。美濃の人。武田氏に招かれ,甲斐の恵林寺(エリンジ)に住す。武田勝頼が織田信長に攻められた時,恵林寺にて諸僧とともに火中に没した。
→心頭(シントウ)滅却すれば火もまた涼し
快弁
かいべん クワイ― [0] 【快弁】
よどみがなくて,巧みな話しぶり。弁舌さわやかであること。「―を振るう」
快復
かいふく クワイ― [0] 【快復】 (名)スル
病気がなおること。「病気が―する」
快心
かいしん クワイ― [0] 【快心】
よい心持ち。気持ちのよいこと。
快快的
カイカイデー [3] 【快快的】 (副)
〔中国語〕
早く。大急ぎで。速やかに。大正時代に用いられた語。
快意
かいい クワイ― [1] 【快意】
心地よいこと。よい気持ち。「妾の精神却て蘇回するの―を覚ゆ/花柳春話(純一郎)」
快感
かいかん【快感】
a pleasant sensation;pleasure.→英和
〜を覚える feel pleasant[comfortable].
快感
かいかん クワイ― [0] 【快感】
気持ちのいい感じ。「―を味わう」
快感原則
かいかんげんそく クワイ― [5] 【快感原則】
⇒快楽原則(カイラクゲンソク)
快慶
かいけい クワイケイ 【快慶】
鎌倉時代の仏師。康慶の弟子。丹波講師・越後法橋・安阿弥などと号す。運慶の力強い作風と比べて,流麗で親しみやすく安阿弥様(ヨウ)と称される。作品は,東大寺の阿弥陀如来・地蔵菩薩像など三〇点近くが残る。1183年から1223年の記録はあるが生没年未詳。
快打
かいだ【快打】
《野》a clean hit;《ゴルフ》a pretty stroke.
快打
かいだ クワイ― [1] 【快打】 (名)スル
野球で,胸がすくようなみごとな打撃。また,それをすること。クリーン-ヒット。
快技
かいぎ クワイ― [1] 【快技】
胸のすくような,みごとな技。美技。
快投
かいとう クワイ― [0] 【快投】 (名)スル
野球で,投手が胸のすくような投球をすること。
快挙
かいきょ クワイ― [1] 【快挙】
胸がすっとするようなすばらしい行動。「―を成し遂げる」「世紀の―」
快挙
かいきょ【快挙】
a heroic deed.
快捷
かいしょう クワイセフ [0] 【快捷】 (名・形動)[文]ナリ
行動などが,すばやいさま。敏捷。「その―なるを以て/西国立志編(正直)」
快方
かいほう クワイハウ [0] 【快方】
病気や傷がよくなってくること。「病状が―に向かう」
快方に向かう
かいほう【快方に向かう】
improve;→英和
get better.
快晴
かいせい クワイ― [0] 【快晴】
空が気持ちよく晴れること。気象観測では雲量一以下で,降水や雷を伴わない状態をいう。
快晴
かいせい【快晴】
fine[fair]weather.
快暢
かいちょう クワイチヤウ [0] 【快暢】 (名・形動)[文]ナリ
気持ちよくのびのびとしている・こと(さま)。「どんなに―な脳髄の人でも/文学評論(漱石)」
快楽
かいらく【快楽】
pleasure;→英和
enjoyment.〜にふける be given to pleasure.‖快楽主義(者) epicureanism (an epicure);hedonism (a hedonist).
快楽
けらく [0][1] 【快楽】
〔「け」は呉音〕
(1)〔仏〕 宗教上の喜び,たのしみ。
(2)こころよく楽しいこと。かいらく。「一時消失せた―の夢を思起したのです/あめりか物語(荷風)」
快楽
かいらく クワイ― [1][0] 【快楽】
こころよく楽しいこと。特に,官能的な欲望の満足によって起こる感情。「―を求める」
快楽主義
かいらくしゅぎ クワイ― [5] 【快楽主義】
〔hedonism〕
快楽を行為の究極目的とし,苦を避けるべきだとする考え。幸福主義の一。古代ギリシャのエピクロスにその源流があるが,近代ではとりわけ功利主義の基礎となる。快楽説。
快楽原則
かいらくげんそく クワイ― [5] 【快楽原則】
フロイトの用語。不快を避け快を得ようとする傾向。イドはこの原則に従うとされる。快‐不快の原則。快感原則。
⇔現実原則
快楽計算
かいらくけいさん クワイ― [5] 【快楽計算】
ベンサム的功利主義の用語。快楽を量的に測り,快の総和が増加し苦の総和が減少することを目標とする。社会においては「最大多数の最大幸福」が目指される。
快気
かいき クワイ― [1] 【快気】
(1)気分がいいこと。
(2)病気がよくなること。
快気炎
かいきえん クワイ― [3] 【快気炎】
〔「怪気炎」のもじり〕
威勢がよく,胸のすくような発言。
快気祝
かいきいわい クワイ―イハヒ [4] 【快気祝(い)】
病気全快の祝い。病気が全快した時,病気中に見舞いをしてくれた人に贈り物などをしてお礼をすること。
快気祝い
かいきいわい クワイ―イハヒ [4] 【快気祝(い)】
病気全快の祝い。病気が全快した時,病気中に見舞いをしてくれた人に贈り物などをしてお礼をすること。
快活
かいかつ クワイクワツ [0] 【快活】 (名・形動)[文]ナリ
気持ちが明るく,元気な・こと(さま)。「―な性格」
[派生] ――さ(名)
快活な
かいかつ【快活な】
cheerful;→英和
merry;→英和
lively.→英和
〜に cheerfully;→英和
merrily.→英和
快漢
かいかん クワイ― [0] 【快漢】
気性のさっぱりした男。男らしい男。快男子。快男児。好漢。
快然
かいぜん クワイ― [0] 【快然】
■一■ (名・形動タリ)
心地よいさま。気がかりのないさま。「其議論雄爽,人をして―たらしむ/文明論之概略(諭吉)」
■二■ (名・形動ナリ)
病気がすっかりよくなるさま。「当今の御脳,日を追つて―ならず/浄瑠璃・菅原」
快爽
かいそう クワイサウ [0] 【快爽】 (形動)[文]ナリ
さわやかで気持ちよいさま。「精神猶ほ―なり/花柳春話(純一郎)」
快男児
かいだんじ【快男児】
a jolly good fellow;a nice guy.
快男児
かいだんじ クワイ― [3] 【快男児】
気性のさっぱりした男。男らしい男。好漢。快男子。
快男子
かいだんし クワイ― [3] 【快男子】
快男児(カイダンジ)。
快癒
かいゆ クワイ― [1] 【快癒】 (名)スル
病気が完全になおること。全快。本復。「難病が―する」
快癒する
かいゆ【快癒する】
recover completely.
快眠
かいみん クワイ― [0] 【快眠】 (名)スル
気持ちよくぐっすりと眠ること。また,その眠り。「夢も見ずに朝まで―する」
快童丸
かいどうまる クワイドウ― 【怪童丸・快童丸】
浄瑠璃・歌舞伎の山姥(ヤマンバ)物に登場する子供の役名。幼時の坂田金時とする。
快絶
かいぜつ クワイ― [0] 【快絶】 (名・形動)[文]ナリ
この上なくいい気分である・こと(さま)。「アー―…自然の美景に吸込まれさうです/乙女心(思案)」
快美
かいび クワイ― [1] 【快美】 (名・形動)[文]ナリ
快く美しいこと。また,非常に快いこと。また,そのさま。「―な感覚」
快調
かいちょう クワイテウ [0] 【快調】 (名・形動)[文]ナリ
物事の具合が非常にいい・こと(さま)。「エンジンの調子は―だ」「―なすべり出し」「―に運ぶ」
[派生] ――さ(名)
快調
かいちょう【快調】
an excellent condition.〜である be in the best condition;be in good shape[form].
快談
かいだん クワイ― [0] 【快談】 (名)スル
愉快に話すこと。話がはずむこと。また,その話。「旧友と―する」
快諾
かいだく クワイ― [0] 【快諾】 (名)スル
頼みを気持ちよく引き受け,承知すること。「総裁就任を―する」
快諾する
かいだく【快諾する】
give a ready[willing]consent.
快豁
かいかつ クワイクワツ [0] 【快闊・快豁】 (形動)[文]ナリ
(1)心の広いさま。さっぱりとして物事を気にしないさま。「此女元来―な性質(タチ)であるが/罪と罰(魯庵)」
(2)広くひらけているさま。ひろびろとして気持ちのいいさま。「風光の―なること九州の東岸に冠たり/日本風景論(重昂)」
快走
かいそう クワイ― [0] 【快走】 (名)スル
気持ちよく速く走ること。「ヨットで―する」
快走する
かいそう【快走する】
sail[run]fast.
快足
かいそく クワイ― [0] 【快足】
(1)走り方が速いこと。足が速いこと。「―を誇る」
(2)心地よく満ち足りること。「その衣裾に触(フレ)し時,吾が心を―慰満せしこと/西国立志編(正直)」
快速
かいそく【快速(力)】
high speed.〜で at a high speed <of 60 miles an hour> .〜の high-speed;speedy.→英和
‖快速列車(船) a fast train (boat).
快速
かいそく クワイ― [0] 【快速】
(1)気持ちがよいほどに速いこと。「―船」
(2)「快速電車」の略。
快速球
かいそっきゅう クワイソクキウ [3] 【快速球】
胸のすくような速球。
快速電車
かいそくでんしゃ クワイ― [5] 【快速電車】
普通電車より停車駅を少なくして速く走る電車。快速。
快適
かいてき クワイ― [0] 【快適】 (名・形動)[文]ナリ
心やからだの望むとおりの条件が満たされて,とても気持ちのよい・こと(さま)。「―な生活」
[派生] ――さ(名)
快適な
かいてき【快適な】
agreeable;→英和
comfortable;→英和
pleasant.→英和
快闊
かいかつ クワイクワツ [0] 【快闊・快豁】 (形動)[文]ナリ
(1)心の広いさま。さっぱりとして物事を気にしないさま。「此女元来―な性質(タチ)であるが/罪と罰(魯庵)」
(2)広くひらけているさま。ひろびろとして気持ちのいいさま。「風光の―なること九州の東岸に冠たり/日本風景論(重昂)」
快雨
かいう クワイ― [1] 【快雨】
気分がさわやかになるような雨。
快音
かいおん クワイ― [0] 【快音】
胸のすくような,さわやかな音。多く野球で,打球についていう。「―を発する」
快食
かいしょく クワイ― [0] 【快食】
おいしく食事をすること。「―快眠」
念
ねん【念】
[観念]an idea;→英和
a sense (意識);→英和
a feeling (感情).→英和
不安の〜 a sense[feeling]of uneasiness.〜を入れる be careful <of,to do> .〜を押す make sure <of,that…> ;remind <a person of a thing> .→英和
〜のため to make sure.⇒念入り.
念
ねん [0][1] 【念】
(1)思い。気持ち。考え。「憎悪の―」
(2)気をつけること。注意。「御―には及びません/婦系図(鏡花)」
(3)かねての望み。希望。「―が届く」
(4)〔仏〕
(ア)物事を記憶している心のはたらき。憶。
(イ)物事を考えたり,思い描く心のはたらき。
(ウ)きわめて短い時間の単位。
→刹那(セツナ)
(エ)浄土教で,称名念仏すなわち阿弥陀仏の名号をとなえること。
(オ)心の中の一定の対象に精神を集中させること。
念じる
ねん・じる [0][3] 【念じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「念ずる」の上一段化〕
「念ずる」に同じ。「成功を―・じる」
念じる
ねんじる【念じる】
pray (祈る);→英和
wish (望む).→英和
念じ入る
ねんじい・る 【念じ入る】 (動ラ四)
ひたすらに祈る。「ひたひに手をあてて,―・りてをり/源氏(玉鬘)」
念じ返す
ねんじかえ・す 【念じ返す】 (動サ四)
思い直してじっと我慢する。「堪へがたきを心づよく―・させ給ふ/源氏(桐壺)」
念ずる
ねん・ずる [0][3] 【念ずる】 (動サ変)[文]サ変 ねん・ず
(1)ある事柄・事態などの実現を強く思い願う。こうあってほしいと心の中で祈る。「合格を―・ずる」「子供の幸福を―・ずる」
(2)神仏の名,経文,呪文などを,心の中で唱える。「仏ヲ―・ズル/ヘボン」
(3)苦痛・悲しみなどをじっとこらえる。「中に心さかしき者,―・じて射むとすれども/竹取」
念ひの珠
おもいのたま オモヒ― 【念ひの珠】
〔念珠(ネンズ)の訓読み〕
数珠(ジユズ)。「草の蔭なる露の身を,―の数々に/謡曲・定家」
念ふ
も・う モフ 【思ふ・念ふ】 (動ハ四)
〔「おもう」の転〕
思う。「みやびたる花と我(アレ)―・ふ/万葉 852」
念人
ねんにん 【念人】
平安時代以降,賭弓(ノリユミ)・歌合・詩合・小弓合(コユミアワセ)・闘鶏などの勝負事のとき,世話をした人。勝負の判定・応援なども行なった。
念仏
ねんぶつ [0] 【念仏】 (名)スル
〔仏〕
(1)仏の姿や功徳を心に思い描くこと。
(2)阿弥陀仏の名を唱えること。浄土教では阿弥陀仏の名を唱えることにより浄土へ救済されると説く。ねぶつ。「―を唱える」
→題目
念仏
ねんぶつ【念仏(を唱える)】
(chant) a prayer to Buddha.
念仏三昧
ねんぶつざんまい [5] 【念仏三昧】
一心に念仏すること。
念仏僧
ねんぶつそう [4] 【念仏僧】
法会その他の儀式で,念仏を行う僧。
念仏堂
ねんぶつどう [0] 【念仏堂】
念仏修行のために設けた堂。
念仏宗
ねんぶつしゅう [4][3] 【念仏宗】
極楽往生のために念仏を唱え,阿弥陀仏の救いを信ずることを説く宗派。浄土宗・浄土真宗・時宗・融通念仏宗など。念仏門。
念仏尺
ねんぶつじゃく [4] 【念仏尺】
近世以前の竹尺の一。近江国の伊吹山から出土した,塔婆に刻まれた尺度によるという。一尺は,曲尺(カネジヤク)より約四厘長い。ねんぶつざし。
念仏往生
ねんぶつおうじょう [5] 【念仏往生】 (名)スル
阿弥陀仏の名号を唱えて,その救いによって極楽浄土に生まれること。
→諸行往生
念仏講
ねんぶつこう [0] 【念仏講】
(1)〔仏〕 浄土宗や真宗の信者が集まって念仏をする集い。多くは,親睦をかねて毎月当番の家に集まり,念仏を勤める一方,掛け金を積み立て,会食や葬式などの費用にあてた。
(2)〔(1)で,鉦(カネ)を打つ人を中心に人々が円形に取り巻くのに擬して〕
輪姦。「小遣銭少しくれて,―にせよ/浮世草子・御前義経記」
念仏踊り
ねんぶつおどり [5] 【念仏踊り】
太鼓・鉦(カネ)・瓢(フクベ)などを打ち鳴らして,念仏・和讃を唱えながら踊ること。また,その踊り。空也上人に始まるといわれ,鎌倉時代,一遍の時宗派僧侶の遊行(ユギヨウ)に用いられて全国に流行した。のち芸能化して,江戸時代には女歌舞伎にも取り入れられた。また,盆踊りの源流といわれる。踊り念仏。空也念仏。
念仏銭
ねんぶつせん [0] 【念仏銭】
南無阿弥陀仏の名号を鋳出した絵銭(エセン)。通用銭ではない。
念仏門
ねんぶつもん [4] 【念仏門】
阿弥陀仏の名を唱えて極楽往生を願う宗門。浄土教。
念仏鯛
ねんぶつだい [4] 【念仏鯛】
スズキ目の海魚。全長約12センチメートル。体は長楕円形で側扁する。体表は淡紅色で,吻(フン)端から目を通り,鰓蓋(エラブタ)に達する黒色の縦帯がある。雄が口中に卵塊を含んで保護する習性がある。南日本以南に分布。
念入り
ねんいり [0][4] 【念入り】 (名・形動)[文]ナリ
細かい点までよく注意すること。念を入れること。また,そのさま。入念。「―な仕事ぶり」「―に点検する」
念入りな
ねんいり【念入りな(に)】
careful(ly);→英和
deliberate(ly);→英和
elaborate(ly).→英和
念写
ねんしゃ [0] 【念写】
〔心〕 超心理学の用語。心の中で念ずることによって写真乾板やフィルムに感光させたり,映像を現したりすること。
念力
ねんりき [0] 【念力】
(1)〔仏〕 記憶している能力。
(2)一心に思いこむことによってわいてくる力。
(3)〔心〕 超心理学の用語。通常の物理手段を用いず,心に念じただけで物体に物理的影響を及ぼす能力または現象。念動力。サイコキネシス。PK 。
念力
ねんりき【念力】
psychokinesis.→英和
念友
ねんゆう 【念友】
男色の関係にある相手。また,男色の関係。「我に―の数ありとや/浮世草子・男色大鑑 3」
念彼観音
ねびかんのん 【念彼観音】
「念彼観音力(ネンピカンノンリキ)」の転。「異口同音に―大慈大悲と合掌し/浄瑠璃・日本西王母」
念彼観音力
ねんぴかんのんりき 【念彼観音力】
「法華経(普門品)」にある言葉。「観音菩薩の力を念ずれば」の意で,それによって信者にもたらされる諸功徳を列挙した部分に繰り返し用いられる。「刀尋段段壊(トウジンダンダンネ)(刃がいくつにも折れるの意)」と続く一節は,法華経の信者を迫害から守る証(アカシ)として引かれることが多い。
念念
ねんねん [0] 【念念】
〔仏〕
(1)一刹那(セツナ)一刹那。瞬間瞬間。「銭に恋着して―忘るること能はず/福翁百話(諭吉)」
(2)一刹那一刹那におこる思い。一念一念。「我等がこころに―のほしきままに来りうかぶも/徒然 235」
念念生滅
ねんねんしょうめつ [0] 【念念生滅】
〔仏〕 宇宙にある一切のものは,刻一刻と生じたり,滅したりして,絶えず変化していること。
念念相続
ねんねんそうぞく [5] 【念念相続】
〔仏〕 絶え間なく続けること。多く念仏についていう。
念念称名
ねんねんしょうみょう [5] 【念念称名】
〔仏〕
〔唐の善導の「般舟讃(ハンジユウサン)」にある句〕
一瞬も休むひまなく,一心に阿弥陀仏の名号を唱えること。
念慮
ねんりょ [1] 【念慮】
(1)心の中で思いめぐらすこと。思念。思慮。
(2)〔仏〕 凡夫の浅い智慧であれこれ思うこと。また,その思い。
念押し
ねんおし [0] 【念押し】 (名)スル
念を押すこと。確認。「―(を)する」
念持
ねんじ [0] 【念持】 (名)スル
〔仏〕(仏の教えなどを)しっかりと心にとどめて保つこと。
念持仏
ねんじぶつ [3] 【念持仏】
〔仏〕 平生身につけたり,私室に安置したりして信仰する仏像。持仏。
念掛ける
ねんが・ける 【念掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ねんが・く
〔近世語〕
思いをかける。手に入れようとねらう。「おめえを此男が―・けてゐるから油断しなさるなえ/滑稽本・続膝栗毛」
念晴し
ねんばらし [3] 【念晴(ら)し】
疑念など,心にわだかまっている思いを晴らすこと。「―のために,染井へ尋ねに往つた/渋江抽斎(鴎外)」
念晴らし
ねんばらし [3] 【念晴(ら)し】
疑念など,心にわだかまっている思いを晴らすこと。「―のために,染井へ尋ねに往つた/渋江抽斎(鴎外)」
念書
ねんしょ [0] 【念書】
後日の証拠として,念のために作成しておく文書。「―を取っておく」
念校
ねんこう [0] 【念校】
責了にしたあとで,念のためにさらにもう一度校正すること。また,その校正刷り。
念根
ねんこん [0] 【念根】
〔仏〕 五根{(2)}の一。正法を深く心中に銘記して忘れないこと。
念死
ねんし [0] 【念死】
〔仏〕 十念{(2)}の一。人間は必ず死ぬものであることを心に念ずること。
念流
ねんりゅう 【念流】
(1)剣術の一派。上坂半左衛門安久を祖とする。正法念流。
(2)剣術の一派。相馬四郎義元(念阿弥慈恩)を祖とする。念阿弥流。慈恩流。
念無し
ねんな・し 【念無し】 (形ク)
(1)残念である。無念である。「是を射も殺し斬りも殺したらんは無下に―・かるべし/平家 6」
(2)容易である。たやすい。「高櫓一つ,―・く攻め破られて焼きけり/太平記 17」
(3)意外である。思いがけない。「―・う早かつた/狂言・末広がり(虎寛本)」
(4)心残りがない。「亡君のうらみを報ひ,―・うこそ泉岳寺へ引きとりたり/新花摘」
念珠
ねんじゅ [1] 【念珠】
〔仏を念じながらつまぐる珠の意〕
数珠(ジユズ)。ねんず。
念珠
ねんず [1] 【念珠】
「ねんじゅ(念珠)」に同じ。
念珠ヶ関
ねずがせき 【念珠ヶ関・鼠ヶ関】
山形県温海(アツミ)町鼠ヶ関付近にあった古代の関所。出羽国と越後国の境にあたり,奥州三関の一。ねんじゅのせき。
念珠引き
ねんじゅひき 【念珠引き】
数珠をつくる職人。「その使,―が妻なりけり/著聞 12」
念珠藻
ねんじゅも [3] 【念珠藻】
藍藻類ユレモ目の淡水藻の総称。淡水中や湿地上に生育する。糸状の細胞列が多数集まって寒天質に包まれ,群体をつくる。カワタケ・イシクラゲなどは食用になる。
念紙
ねんし [0] 【念紙】
日本画で下絵を本紙に写しとるとき,下絵と本紙の間に入れる木炭の粉を付けてある紙。上から下絵をなぞると本紙に絵がそのまま写る。
念者
ねんじゃ 【念者】
男色関係の兄貴分。念友。念人。
⇔若衆(ワカシユ)
「われも江戸に置いたらば―の有る時分じやが,痛しや/浮世草子・五人女 4」
念者
ねんしゃ 【念者】
〔「ねんじゃ」とも〕
念入りに事を行う人。「梶原殿は取り分けの―と申すが/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
念誦
ねんず 【念誦】
「ねんじゅ(念誦)」に同じ。「―を,いと,あはれにし給ふ/源氏(夕顔)」
念誦
ねんじゅ [1] 【念誦】 (名)スル
〔仏〕 心に仏の姿を思い描き,口に仏の名や経文などをとなえること。念仏誦経。ねんず。
念誦堂
ねんじゅどう [0] 【念誦堂】
仏を安置し念仏するための堂。ねんずどう。
念頭
ねんとう [0] 【念頭】
心のうち。頭の中。「他人のことなど―にない」
念頭に置く
ねんとう【念頭に置く】
bear <a thing> in mind.〜に置かない do not care <about> .〜に浮かぶ[人が主語]remember <a thing> ;→英和
[物が主語]occur <to one> .→英和
〜を去らない[人が主語]cannot forget <a thing> .
念願
ねんがん [0] 【念願】 (名)スル
ひたすら望み願うこと。かねてからの願い。「成功を―していた」「―がかなう」
念願
ねんがん【念願】
one's (dearest) wish.→英和
〜する wish.
忸怩
じくじ ヂクヂ [1] 【忸怩】 (ト|タル)[文]形動タリ
自分のおこないについて,心のうちで恥じ入るさま。「内心―たる思いであった」「―たらざることを得ない/渋江抽斎(鴎外)」
忻然
きんぜん [0] 【欣然・忻然】 (ト|タル)[文]形動タリ
よろこぶさま。楽しげに事をするさま。「道長―として大笑す/誕生(潤一郎)」
忻都
きんと 【忻都】
元の武将。文永・弘安の役に日本に遠征してきたが,暴風にあって退却。生没年未詳。
忼慨
こうがい カウ― [0] 【慷慨・忼慨】
■一■ (名)スル
世の中の不義・不正や自分の不運を憤りなげくこと。「悲憤―する」「―の士」
■二■ (名・形動)[文]ナリ
意気盛んな・こと(さま)。「壮しと雖ども―にして大節あり/経国美談(竜渓)」
忽
いるかせ 【忽】 (形動ナリ)
「ゆるがせ」に同じ。「此禅門世ざかりのほどは,いささか―にも申す者なし/平家 1」
忽
こつ [1] 【忽】
数の単位。糸の一〇分の一。すなわち一の一〇万分の一。[塵劫記]
忽せ
ゆるがせ [0] 【忽せ】 (形動)[文]ナリ
〔「いるかせ」の転。古くは「ゆるかせ」〕
(1)物事をいいかげんにするさま。なおざりにするさま。「―にする」「一字たりとも―にできない」
(2)厳しくないさま。ゆったりしたさま。「時に連歌の掟を―にして俳諧といふも,これ歌道の一体なり/浮世草子・織留 3」「世を―に暮しける/浄瑠璃・千本桜」
忽せにする
ゆるがせ【忽せにする】
neglect;→英和
disregard;→英和
make light of;slight.→英和
忽ち
たちまち [0] 【忽ち】 (副)
〔「立ち待ち」の意かという〕
(1)物事が短時間内に行われるさま。またたく間。「―売り切れる」「―(に)消える水の泡」「―のうちに問題を解決する」「一年なんて―だね」
(2)突然起こるさま。にわかに。急に。「―起こる突撃の声」
(3)(多く「に」を伴って)現に。ただ今。「我が身―に不浄にあらずといへども,思へば,また不浄なり/今昔 6」
忽ち
たちまち【忽ち】
at once;immediately;→英和
right away;suddenly (突然).
忽如
こつじょ [1] 【忽如】 (ト|タル)[文]形動タリ
にわかなさま。突如。「―として奮跳し走り出だす/浮城物語(竜渓)」
忽微
こつび 【忽微】 (名・形動ナリ)
きわめてわずかな・こと(さま)。「其きざしの―なるを覚えず/駿台雑話」
忽忽
こつこつ 【忽忽】 (形動タリ)
(1)速やかなさま。たちまち変わるさま。「此法身は其其物物に―と転ずる也/報恩録」
(2)心がうつろなさま。「心も―としてどこへ行くやらん覚えぬやうなり/四河入海 3」
(3)我を忘れて,うっとりしているさま。「或いは管絃或いは女色なんどを好みて―として一生如酔なる程に/四河入海 25」
忽焉
こつえん [0] 【忽焉】 (ト|タル)[文]形動タリ
にわかなさま。突然。たちまち。忽然。「―として逝く」「鳥海山の三角形なる峯尖―と露はる/日本風景論(重昂)」
忽然
こつぜん [0] 【忽然】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
たちまちにおこるさま。にわかなさま。「―と姿を消す」
■二■ (副)
にわかに。突然。こつねん。「さう云ふ想像に耽る自分を,―意識した時,はつと驚いた/雁(鴎外)」
忽然
こつねん [0] 【忽然】 (副)
「こつぜん(忽然)」に同じ。「船底岩石に触(アタ)つて凄夢(セイム)―と破れ/いさなとり(露伴)」
忽然と
こつぜん【忽然と】
suddenly.
忽略
こつりゃく [0] 【忽略】 (名・形動)[文]ナリ
物事をおろそかにすること。なおざりなさま。「事務を―にせざるものは/西国立志編(正直)」
忽諸
こっしょ 【忽諸】
おろそかにすること。なおざりにすること。「争(イカ)でか忝くも宣旨を―し奉るべき/盛衰記 13」
忽那諸島
くつなしょとう 【忽那諸島】
瀬戸内海西部,松山市の北西の島群。中世,忽那氏の所領。ほとんどの島が愛媛県中島町を形成。
忿怒
ふんど [1] 【憤怒・忿怒】 (名)スル
大いに怒ること。ふんぬ。「―の念をおぼえる」「卑劣な行為に対して―する」
忿怒
ふんぬ [1] 【憤怒・忿怒】 (名)スル
〔「ぬ」は呉音〕
「ふんど(憤怒)」に同じ。「―の形相」
忿怨
ふんえん [0] 【憤怨・忿怨】 (名)スル
いかり,うらむこと。立腹すること。「貨物を掠(カス)められしを見て更に―せざる歟/緑簑談(南翠)」
忿恚
ふんい [1] 【忿恚】 (名)スル
怒りいきどおること。憤怒(フンヌ)。瞋恚(シンイ)。「吾能く―す/明六雑誌 9」
忿恨
ふんこん [0] 【憤恨・忿恨】 (名)スル
いきどおり,うらむこと。「屈を受けて自ら―する者は/三酔人経綸問答(兆民)」
忿懣
ふんまん [0] 【憤懣・忿懣】 (名)スル
いきどおりもだえること。腹が立っていらいらすること。「―やる方がない」「―する如く肩を怒らし/社会百面相(魯庵)」
忿然
ふんぜん [0] 【憤然・忿然】 (ト|タル)[文]形動タリ
怒るさま。いきどおるさま。「―として怒りて曰く/日本開化小史(卯吉)」
怏怏
おうおう アウアウ [0] 【怏怏】 (ト|タル)[文]形動タリ
不平不満のあるさま。「―として楽しまず」「―たる顔の色/浮雲(四迷)」
怒らかす
いからか・す 【怒らかす】 (動サ四)
おこった様子をする。いからす。「目を―・して吾をとく得んと/宇治拾遺 8」
怒らす
いから・す [3][0] 【怒らす】
■一■ (動サ五[四])
(1)おこらせる。
(2)相手を威圧するような様子をする。いからせる。「肩を―・して歩く」「目を―・して相手をにらむ」
■二■ (動サ下二)
⇒いからせる
怒らせる
おこらせる【怒らせる】
make <a person> angry;offend[give offense to] <a person> ;→英和
provoke.→英和
怒らせる
いからせる【怒らせる】
肩を〜 square one's shoulders.
怒らせる
いから・せる [4][0] 【怒らせる】 (動サ下一)[文]サ下二 いから・す
いからす。「肩を―・せる」「目を―・せる」
怒り
いかり【怒り】
anger;→英和
indignation;→英和
rage;→英和
wrath.→英和
〜に任せて in a fit of anger.〜を招く(なだめる) arouse (appease) a person's anger.
怒り
いかり [3] 【怒り】
いかること。おこること。腹立ち。立腹。「―に燃える」「相手の―をかう」「―をしずめる」
怒りっぽい
おこりっぽい【怒りっぽい】
quick-[hot-]tempered;touchy.→英和
怒りっぽい
おこりっぽ・い [5] 【怒りっぽい】 (形)
怒りやすい。すぐに腹を立てる性質である。「年をとって―・くなった」
怒りの日
いかりのひ [5] 【怒りの日】
(1)キリスト教で,神が最後の審判を行う日。公審判の日。
(2)死者のためのミサで歌われる聖歌の一。最後の審判をテーマとしたもの。非宗教音楽でも,死を表現する主題に用いられ,ベルリオーズ「幻想交響曲」,リスト「死の舞踏」などにみられる。ディエス-イレ。
怒りんぼ
おこりんぼ【怒りんぼ】
a quick-[hot-]tempered person.
怒りん坊
おこりんぼう [3] 【怒りん坊】
少しのことにも,すぐ腹を立てる人。よく怒る人。怒りっぽい人。おこりんぼ。
怒り上戸
おこりじょうご [4] 【怒り上戸】
酒に酔うと怒り出すくせのあること。また,その人。
怒り上戸
おこりじょうご【怒り上戸】
a quarrelsome drinker.
怒り毛
いかりげ 【怒り毛】
けものが怒ったとき逆立てる毛。「獅子の―の如く巻いて/太平記 28」
怒り爪
いかりづめ 【怒り爪】
獣などがおこってむき出す爪。
怒り狂う
いかりくる・う [5][0] 【怒り狂う】 (動ワ五[ハ四])
狂ったように怒る。「―・った群集」
怒り肩
いかりがた [3][0] 【怒り肩】
高く角張った肩。
⇔撫(ナ)で肩
怒り鼻
いかりばな [3][0] 【怒り鼻】
小鼻が横にひろがっている鼻。
怒る
おこ・る [2] 【怒る】 (動ラ五[四])
(1)腹を立てる。立腹する。いかる。「真っ赤になって―・る」
(2)しかる。「先生に―・られる」
[可能] おこれる
怒る
いかる【怒る】
⇒怒(おこ)る.
怒る
いか・る [2] 【怒る】 (動ラ五[四])
(1)腹を立てる。おこる。「烈火のごとく―・る」
(2)ごつごつした形をする。角張る。「―・った肩」「小鼻が―・っている」
(3)荒々しく動く。「荒海の―・れる魚の姿/源氏(帚木)」
[可能] いかれる
怒る
おこる【怒る】
get angry <with a person,at a thing> ;lose one's temper.怒って in anger;angrily.
怒れる若者たち
いかれるわかものたち 【怒れる若者たち】
〔Angry Young Men〕
1950年代,イギリスの一群の作家に与えられた名称。既成社会に対する若者たちの反発を描いた劇作家オズボーンの「怒りをこめてふり返れ」(1956)から生まれた呼称。C =ウィルソン,J =ウェイン,K =エイミスなど。
怒号
どごう [0] 【怒号】 (名)スル
(1)怒って大声で叫ぶこと。また,その声。「演説会は野次と―につつまれた」
(2)風や波の激しい音。「逆浪―して/新聞雑誌 23」
怒号
どごう【怒号】
a roar;→英和
a bellow.→英和
〜する roar;bellow;howl.→英和
怒声
どせい【怒声】
an angry voice.
怒声
どせい [0] 【怒声】
おこった声。怒り声。「―を発する」
怒張
どちょう [0] 【怒張】 (名)スル
(1)血管などがはれふくれること。「額の筋がいら��と―してゐる/俳諧師(虚子)」
(2)肩などをいからして張ること。「―した筋肉がふるえる」
怒気
どき [1] 【怒気】
怒った様子。怒った気持ち。「―を含んだ声」
怒気を帯びて
どき【怒気を帯びて】
in an angry tone.
怒涛
どとう【怒涛】
angry waves;a high sea.〜のように押し寄せる surge <to,upon> .→英和
怒潮
どちょう [0] 【怒潮】
荒れ狂ううしお。激しく寄せる潮。
怒濤
どとう [0] 【怒濤】
荒れ狂う大波。激しく打ち寄せる波。「逆巻く―を乗り切る」「―のごとき進撃」
怒火
どか [1] 【怒火】
烈火の怒り。「―心を焦しては/いさなとり(露伴)」
怒罵
どば [1] 【怒罵】 (名)スル
怒りののしること。「―する声」
怒責
どせき [0] 【怒責】 (名)スル
〔医〕 排便時などに下腹部に力を入れること。「―ヘルニア」
怒髪
どはつ [0][1] 【怒髪】
激しい怒りのために逆立った毛髪。
怒鳴り付ける
どなりつ・ける [5] 【怒鳴り付ける】 (動カ下一)
激しく大声でしかる。「子供を―・ける」
怒鳴り声
どなりごえ [4] 【怒鳴り声】
どなって言う声。
怒鳴り散らす
どなりちら・す [5] 【怒鳴り散らす】 (動サ五[四])
辺りかまわずどなる。「使用人を―・す」
[可能] どなりちらせる
怒鳴り立てる
どなりた・てる [5] 【怒鳴り立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 どなりた・つ
激しくどなる。盛んにわめく。「大声で―・てる」
怒鳴り込む
どなりこ・む [4] 【怒鳴り込む】 (動マ五[四])
激しい口調で抗議を申し入れる。相手のいる場所に入り込んで声高に非難する。「騒音を出す工場へ―・む」
怒鳴る
どなる【怒鳴る】
cry (out);→英和
roar;→英和
shout;→英和
yell.→英和
怒鳴りつける roar[thunder] <at> ; <米> call <a person> down.怒鳴り込む storm <into a house> (to make a protest).→英和
怒鳴る
どな・る [2] 【怒鳴る】 (動ラ五[四])
(1)大声で言う。さけぶ。「そんなに―・らなくても十分聞こえる」
(2)大声でしかる。「いたずらをして親に―・られた」
[可能] どなれる
怖々
こわごわ【怖々】
timidly;→英和
with fear.
怖い
こわ・い コハイ [2] 【怖い・恐い】 (形)[文]ク こは・し
〔「強(コワ)い」と同源〕
(1)危害を加えられそうで逃げ出したい感じだ。自分に危険なことが起こりそうで身がすくむ思いだ。「―・いもの見たさ」「―・い顔」「雷が―・い」
(2)悪い結果が予想されて不安だ。先行きが心配で避けたい。「相場は―・いから手を出さない」「今はいいが,あとが―・い」
(3)軽視できない。予想以上に大した力をもっている。「やはり専門家は―・い」「一念というのは―・いもので,とうとうやりとげた」
〔「おそろしい」に似ているが,それより主観性が強く,また口語的である。「おっかない」はさらに口語的で東日本に用いられる〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
怖い
こわい【怖い】
〔形〕fearful;→英和
dreadful;→英和
terrible;→英和
horrible;→英和
〔動〕fear;→英和
be afraid <of a thing,to do> .〜顔をする look fierce[angry].〜目にあう have a dreadful experience.
怖いもの無し
怖いもの無し
恐れはばかるものがなく,わがまま勝手にふるまうさま。「―の若殿」
怖いもの知らず
怖いもの知らず
自信に満ちて何物も恐れないこと。また,無鉄砲なこと。「―の新人」
怖いもの見たさ
怖いもの見たさ
こわいものは,かえって好奇心を刺激されて見たくなるということ。「―にのぞいてみる」
怖がり
こわがり コハ― [3][4] 【怖がり・恐がり】
何でもないことでもこわがること。また,そのような人。臆病者。
怖がる
こわがる【怖がる】
fear;→英和
be afraid <of a thing,to do> ;be frightened <at> .怖がらせる frighten;→英和
scare;→英和
terrify.→英和
怖がる
こわが・る コハ― [3] 【怖がる・恐がる】 (動ラ五)
ある物や事をひどくおそれる。おびえる。「犬を―・る」
怖ける
おじ・ける オヂケル [0] 【怖ける】 (動カ下一)
恐ろしさで,びくびくする。「―・ケテモノモイエヌ/ヘボン」
怖し
こわ・し コハシ 【怖し・恐し】 (形ク)
⇒こわい
怖じける
おじける【怖じける】
be frightened <at,of> .
怖じる
お・じる オヂル [2] 【怖じる】 (動ザ上一)[文]ダ上二 お・づ
(1)こわがる。びくびくする。「物音に―・じる」
(2)恐れてはばかる。「紅濃くよき衣着ず,それは海の神に―・ぢて/土左」
〔「おどす」に対する自動詞〕
怖じ恐れる
おじおそ・れる オヂ― 【怖じ恐れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おぢおそ・る
ひどくこわがる。「(狂女ハ)槍は降りても必ず来(ク)べし,と―・れながら/金色夜叉(紅葉)」
怖じ気がつく
おじけ【怖じ気がつく】
be seized[smitten]with fear;become timid.
怖ぢ恐る
おじおそ・る オヂ― 【怖ぢ恐る】
■一■ (動ラ上二)
「おじおそれる」に同じ。「このよしを申すに,帝いみじく―・り給ひ/宇治拾遺 15」
■二■ (動ラ下二)
⇒おじおそれる
怖づ
お・ず オヅ 【怖づ】 (動ダ上二)
⇒おじる
怖む
お・む 【怖む】 (動マ下二)
⇒おめる(怖)
怖めず臆(オク)せず
怖めず臆(オク)せず
少しも気おくれすることなく。
怖めず臆せず
おめずおくせず 【怖めず臆せず】 (連語)
少しも恐れたり気おくれしたりすることなく。堂々と。「―意見を述べる」
→おめる(怖)
怖める
お・める 【怖める】 (動マ下一)[文]マ下二 お・む
気おくれする。ひるむ。「少しも―・めたる顔色なく/当世書生気質(逍遥)」
怖らしい
こわらし・い コハ― [4] 【怖らしい】 (形)
〔近世江戸語以降の語〕
おそろしそうである。こわそうだ。「厭な眼付の―・い人ぢやないか/夢かたり(四迷)」
怖れる
おそ・れる [3] 【恐れる・畏れる・怖れる・懼れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おそ・る
(1)危害が及ぶことを心配してびくびくする。危害を及ぼすような人や物と接することを避けたがる。こわがる。《恐・怖・懼》「野獣は火を―・れる」「相手が去年の優勝チームだからといって―・れるな」「報復を―・れる」「残りの船は風に―・るるか/平家 11」
(2)良くないことが起きることを予想し,そうならなければよいが,と思う。危惧(キグ)する。《恐・懼》「失敗を―・れていては進歩は望めない」「資料の散逸を―・れる」
(3)神仏などを,人為の及ばないものとして敬い,身をつつしむ。《恐・畏》「神をも―・れぬ不逞(フテイ)の輩(ヤカラ)」
(4)閉口する。恐れ入る。《恐》「飲六さんの悪ふざけには―・れるねへ/滑稽本・浮世風呂 2」
〔上代は上二段か四段か不明だが,平安初期は上二段活用が多い。平安中期に下二段にも活用するようになり,中世以降は下二段活用のみとなった〕
怖怖
こわごわ コハゴハ [0][3] 【怖怖】 (副)
こわがりながらするさま。おそるおそる。びくびく。「古井戸を―とのぞく」
怖気
おぞけ [0] 【怖気】
恐ろしく思う気持ち。恐怖感。おじけ。「どうしても,―がついてそこへ這入る気になれない/放浪(泡鳴)」
怖気
おじけ オヂ― [0] 【怖気】
こわがる気持ち。恐怖心。おぞけ。「―がつく」
怖気付く
おじけづ・く オヂケ― [4] 【怖気付く】 (動カ五[四])
恐ろしい,かなわないという気になる。ひるむ。「相手が優勝候補と聞いただけで―・いた」
怖気立つ
おじけだ・つ オヂケ― [4] 【怖気立つ】 (動タ五[四])
恐ろしくなってくる。恐怖心が生ずる。「相手のけんまくに―・つ」
怖気立つ
おぞけだ・つ [4] 【怖気立つ】 (動タ五[四])
恐ろしさやいとわしさでぞっとする。「生際(ハエギワ)の抜上り方が,―・つほど厭はしく/ふらんす物語(荷風)」
怖畏
ふい [1] 【怖畏】
おそれおののくこと。畏怖。「鬼魅の―をのがるといふとも,水波の漂難さりがたし/平家 10」
怖震ふ
うぞふる・う 【怖震ふ】 (動ハ四)
〔「うぞ」は「おぞ」の転〕
恐ろしさのために震える。恐れおののく。「山田のかがしと―・ひ,二目と見られぬなりかたち/浄瑠璃・五十年忌(中)」
怙恃
こじ [1] 【怙恃】
(1)たより。たのみ。
(2)〔詩経(小雅)「無�父何怙,無�母何恃」より〕
両親。父母。「総角の頃に早く―を喪ひ/浮雲(四迷)」
怜悧
れいり [1] 【怜悧・伶俐】 (名・形動)[文]ナリ
頭のはたらきがすぐれていて,かしこい・こと(さま)。聡明。「―な頭脳」
怜悧な
れいり【怜悧な】
clever;→英和
bright;→英和
intelligent.→英和
怜野集
れいやしゅう 【怜野集】
江戸後期の和歌集。一二巻。清原雄風(キヨハラオカゼ)編。1806年成立。初学者のために,風姿のよく整った歌を万葉集および中古の勅撰集などから抄出し類聚(ルイジユ)したもの。春・夏・秋・冬・恋・雑の六部に部類,題数五千八百余,総歌数一五七〇〇。類題怜野集。
思い
おもい オモヒ [2] 【思い】
(1)思うこと。思うところ。考え。思慮。「―を述べる」「―にふける」
(2)感じること。感じ。経験。「いやな―をした」「やっとの―で作り上げた」
(3)予想すること。もくろみ。推量。「―どおりになる」「―のほかの収穫」
(4)あれこれ心に浮かべること。「―が乱れる」
(5)気にかけること。心配すること。「親―」「―に沈む」
(6)希望すること。願い。「―を遂げる」「長年の―がかなう」
(7)思いしたうこと。恋すること。恋心。「―を寄せる」「―がつのる」
(8)恨み。にくみ。
(9)喪に服すること。また,その期間。喪中。「女のおやの―にて山寺に侍りけるを/古今(哀傷詞)」
〔「想い」「念い」などとも書く〕
思い
おもい【思い】
thought (思想);→英和
feeling (感情);→英和
mind[heart](心中);→英和
love[affection](愛情);→英和
wish[desire](願望);→英和
expectation (期待);→英和
(an) intention,will (意志).〜も寄らぬ unexpected.→英和
〜の外に unexpectedly.→英和
悲しい(気まずい)〜をする have a sad (an awkward) experience.
思いがけない
おもいがけない【思いがけない】
unexpected;→英和
unforeseen;→英和
思いがけなく unexpectedly;→英和
by accident[chance];suddenly (不意に).
思いきや
おもいきや オモヒ― [2] 【思いきや】 (連語)
〔動詞「思う」の連用形に過去の助動詞「き」と反語の助詞「や」が付いたもの〕
(1)予想に反して。意外にも。…と思ったがどうしてか。「楽勝と―,案外の苦戦だった」
(2)そんな事を考えたであろうか,いや全く予想もしなかった。「忘れては夢かとぞ思ふ―雪ふみわけて君を見むとは/伊勢 83」
思いのまま
おもいのまま【思いのまま】
⇒思い通り.
思いの丈
おもいのたけ オモヒ― [6] 【思いの丈】
慕う心のすべて。思いのかぎり。「―を述べる」
思いの儘
おもいのまま オモヒ― [6] 【思いの儘】
心に思うとおり。思う存分。「―に振る舞う」
思いの外
おもいのほか【思いの外】
⇒思い.
思いの外
おもいのほか オモヒ― [0][3] 【思いの外】 (副)
予想と違って。思いがけず。意外に。「―よくできた」
思いも寄らぬ
おもいもよらぬ【思いも寄らぬ】
⇒思い.
思い上がり
おもいあがり オモヒ― [0] 【思い上(が)り】
思いあがること。つけあがること。うぬぼれ。「―もほどほどにしろ」
思い上がる
おもいあがる【思い上がる】
become conceited;→英和
be puffed up <with success> .思い上がった conceited <young man> .
思い上がる
おもいあが・る オモヒ― [5][0] 【思い上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)実際よりえらい者だと思い込む。いい気になる。うぬぼれる。「―・った態度」
(2)気位を高くもつ。自負する。「はじめよりわれはと,―・り給へる御かたがた/源氏(桐壺)」
思い上り
おもいあがり オモヒ― [0] 【思い上(が)り】
思いあがること。つけあがること。うぬぼれ。「―もほどほどにしろ」
思い上る
おもいあが・る オモヒ― [5][0] 【思い上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)実際よりえらい者だと思い込む。いい気になる。うぬぼれる。「―・った態度」
(2)気位を高くもつ。自負する。「はじめよりわれはと,―・り給へる御かたがた/源氏(桐壺)」
思い乱れる
おもいみだ・れる オモヒ― [6][2] 【思い乱れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おもひみだ・る
(1)あれこれと思い悩む。「―・れて一夜を過ごす」
(2)恋しさのあまり心が落ち着かない。「たわや女の―・れて縫へる衣ぞ/万葉 3753」
思い付き
おもいつき【思い付き】
an idea;→英和
a suggestion.→英和
〜の casual.→英和
思い付き
おもいつき オモヒ― [0] 【思い付き】
■一■ (名)
(1)ふと心に浮かんだこと。「その場の―で物をいう」
(2)よい考え。よい工夫。着想。「いい―があったら教えて下さい」
(3)あるものに心を寄せること。ひいきにすること。「都の評判よろしけれども大坂においては―うすし/浮世草子・元禄太平記」
■二■ (名・形動)[文]ナリ
おもしろいと感じる・こと(さま)。「この国で―な商売がありやす/西洋道中膝栗毛(魯文)」
思い付く
おもいつ・く オモヒ― [4][0] 【思い付く】
■一■ (動カ五[四])
(1)ふと考えが心に浮かぶ。「いい方法を―・いた」
(2)恋しいと思う。心がひかれる。好感をもつ。「―・きにし君が目に/万葉 3248」「ことに若くかたちよき人の言(コト)うるはしきは,忘れがたく―・かるるものなり/徒然 233」
■二■ (動カ下二)
ふと考えつく。「―・けたることこそあれ/浮世草子・五人女 3」
思い付く
おもいつく【思い付く】
think <of> ;→英和
hit upon;[事物が主語]occur to one.
思い余る
おもいあま・る オモヒ― [5] 【思い余る】 (動ラ五[四])
あれこれ考えたがどうしてもよい考えが浮かばない。思案にあまる。現代語では,多く「思い余って」の形で用いる。「―・って上司に相談する」「をとこ,臥して思ひ,起きて思ひ,―・りて/伊勢 56」
思い余る
おもいあまる【思い余る】
be unable to decide (for oneself).
思い倦ねる
おもいあぐ・ねる オモヒ― [6] 【思い倦ねる】 (動ナ下一)
考えがまとまらず,あれこれと思い惑う。考えあぐねる。
思い做し
おもいなし オモヒ― 【思い做し】
(1)周りの人がそうだろうと推量すること。ある人に対する世間の評判。「これは人のきはまさりて,―めでたく/源氏(桐壺)」
(2)(多く「に」を伴って)自分でそうだろうと思い決めること。「わたらせ給ふ儀式はかはらねど,―にあはれにて/源氏(賢木)」
思い做しか
おもいなしか オモヒ― 【思い做しか】 (連語)
そう思うせいか。「―顔色が悪いようだ」
思い僻める
おもいひが・める オモヒ― [6] 【思い僻める】 (動マ下一)[文]マ下二 おもひひが・む
ゆがめて思い込む。邪推する。「さては此奴が噬(カ)みしならんと,―・めつ大いに怒つて/こがね丸(小波)」
思い入れ
おもいいれ オモヒ― [0] 【思い入れ】
■一■ (名)スル
(1)深く心にかけて思うこと。執心。「前々から強い―のあること」
(2)歌舞伎で,言葉によらずにしぐさや表情・感情で心理を表現すること。また,その演技。
(3)〔(2)の意から〕
芝居がかった動作や表情。「―たっぷりの動作」
(4)見込み。もくろみ。「―にて売る人あり買ふ人あり/浮世草子・永代蔵 1」
(5)信用。信望。人気。「人の―もよろしく/浮世草子・織留 4」
(6)考え。思案。「―を胸に持つて罷りしさる/浮世草子・禁短気」
■二■ (副)
思う存分。徹底的に。おもいれ。「親父が―負けてせんかたなく娘を売る/洒落本・蕩子筌枉解」
思い入れ
おもいいれ【思い入れ】
contemplation.→英和
〜をする strike a pose <of grief> (役者が).→英和
思い出
おもいで オモヒ― [0] 【思い出】
〔「想い出」とも書く〕
(1)前にあった出来事や体験を心に浮かべること。また,その内容。追憶。追想。「―にふける」
(2)昔を思い浮かべる材料となる事柄。「一生の―となる」「―の品」
思い出
おもいで【思い出】
memories;reminiscences;recollections.〜の多い full of memories;memorable.→英和
思い出し笑い
おもいだしわらい オモヒダシワラヒ [6] 【思い出し笑い】 (名)スル
何かを思い出してひとりで笑うこと。「―をする」
思い出す
おもいだ・す オモヒ― [4][0] 【思い出す】 (動サ五[四])
過去のことや,忘れていたことを心の中に思い浮かべる。「用事を―・す」「青春時代のことが―・される」「―・したように雨が降る」
[可能] おもいだせる
思い出す
おもいだす【思い出す】
remember;→英和
recall;→英和
recollect;→英和
be reminded <of> .思い出させる remind one <of a thing> .思い出したように by fits (and starts).
思い出話
おもいでばなし オモヒ― [5] 【思い出話】
昔を思い出してする話。回想談。「―に花が咲く」
思い切った
おもいきった オモヒキツ― 【思い切った】 (連語)
連体詞的に用いる。普通では考えられないような。おどろくほど大胆な。「―処置を取る」
思い切って
おもいきって オモヒキツ― 【思い切って】 (連語)
副詞的に用いる。やりにくいことを決意を固めてするさま。決心して。「―やってみよう」
思い切り
おもいきり オモヒ― [0] 【思い切り】
■一■ (名)
決心すること。あきらめること。「―よく捨てる」「―が悪い」
■二■ (副)
したいと思うだけ。存分に。「―身体を動かして汗を流す」
思い切り
おもいきり【思い切り】
(1)〔名〕resignation (諦め);→英和
(a) resolution[decision](決心).→英和
(2)〔副〕to one's heart's content (思う存分).
〜の良い(悪い) (ir)resolute;→英和
(in)decisive.→英和
思い切る
おもいき・る オモヒ― [4] 【思い切る】 (動ラ五[四])
(1)きっぱりあきらめる。「家庭の事情で進学を―・る」
(2)心を決める。覚悟する。「―・りたる道なれども/平家 10」
→おもいきって
→おもいきった
[可能] おもいきれる
思い切る
おもいきる【思い切る】
give up (断念する);resign oneself <to> (諦める);make up one's mind <to do> (決心).思い切った(て) bold(ly);→英和
daring(ly);→英和
drastic(-ally).→英和
思い切って…する venture[dare] <to do> .→英和
思い及ぶ
おもいおよ・ぶ オモヒ― [5][0] 【思い及ぶ】 (動バ五[四])
考えが及ぶ。思い至る。「そこまでは―・ばなかった」
思い合う
おもいあ・う オモヒアフ [4][0] 【思い合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)愛し合う。「互いに―・った仲」
(2)(複数の人が)同じようにものを思う。「さぶらふ人々もこしらへわびつつ心細く―・へり/源氏(須磨)」
(3)偶然考えが一致する。考えがぴったりあう。「これは―・うた事ぢや/狂言記・雁雁金」
思い合せる
おもいあわ・せる オモヒアハセル [6] 【思い合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 おもひあは・す
(1)一つの事を他の事と比べて考える。考えあわせる。「あれこれと―・せて迷う」
(2)思いあたる。「われなりけりと―・せば,さりとも罪ゆるしてむ/源氏(夕顔)」
思い合わせる
おもいあわ・せる オモヒアハセル [6] 【思い合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 おもひあは・す
(1)一つの事を他の事と比べて考える。考えあわせる。「あれこれと―・せて迷う」
(2)思いあたる。「われなりけりと―・せば,さりとも罪ゆるしてむ/源氏(夕顔)」
思い合わせる
おもいあわせる【思い合わせる】
think about;consider.→英和
いろいろ〜と all things considered.
思い回す
おもいまわ・す オモヒマハス [5][0] 【思い回す】 (動サ五[四])
(1)昔のことを思い出す。回想する。「―・せば七年前/あやしやな(露伴)」
(2)あれこれと考える。思いめぐらす。「いかで物まゐらむ,いかに御心地あしからむと―・して/落窪 1」
思い定める
おもいさだ・める オモヒ― [6][0] 【思い定める】 (動マ下一)[文]マ下二 おもひさだ・む
考えて心を決める。心に決める。「ここが勝負どころと―・めてたたかう」
思い寄る
おもいよ・る オモヒ― [4][0] 【思い寄る】 (動ラ五[四])
(1)考えつく。考え及ぶ。思い当たる。「―・らない事態」
(2)心がひかれる。「―・る人は,いざなはれつつ/源氏(匂宮)」
思い屈する
おもいくっ・する オモヒ― [6] 【思い屈する】 (動サ変)[文]サ変 おもひくつ・す
気がめいる。元気がなくなる。「恋ひ煩つたり,―・したり/思出の記(蘆花)」
思い巡らす
おもいめぐら・す オモヒ― [6][0] 【思い巡らす】 (動サ五[四])
あれこれと考える。思案する。「老後のことを―・す」
思い巡らす
おもいめぐらす【思い巡らす】
think[ponder] <over a matter> .→英和
思い当たる
おもいあたる【思い当たる】
[事物が主語]occur to one[one's mind];[人が主語]recall[remember];→英和
think <of> .→英和
思い当たる
おもいあた・る オモヒ― [5][0] 【思い当(た)る】 (動ラ五[四])
なるほどと気づく。「―・るふしがある」
思い当る
おもいあた・る オモヒ― [5][0] 【思い当(た)る】 (動ラ五[四])
なるほどと気づく。「―・るふしがある」
思い思い
おもいおもい オモヒオモヒ [4] 【思い思い】 (副)
人々がそれぞれ自分の思ったとおりに。めいめいの考えに従って。「―の衣装を身につける」「―の道を進む」
思い思いに
おもいおもいに【思い思いに】
each in his own way.
思い悩む
おもいなや・む オモヒ― [5][0] 【思い悩む】 (動マ五[四])
いろいろと考え苦しむ。思いわずらう。「あれこれ―・む」
思い悩む
おもいなやむ【思い悩む】
worry <about> ;→英和
be worried[troubled] <about> ;be at a loss <what to do> (当惑).→英和
思い惑う
おもいまど・う オモヒマドフ [5][2] 【思い惑う】 (動ワ五[ハ四])
〔上代は「おもいまとふ」と清音〕
あれこれと考えて,どうしてよいかわからなくなる。途方にくれる。思い迷う。「将来の身の振り方を―・う」
思い掛けず
おもいがけず オモヒガケ― [5][4] 【思い掛けず】 (副)
思いも寄らず。意外にも。「―大金が手に入った」
思い掛け無い
おもいがけな・い オモヒガケ― [5][6] 【思い掛け無い】 (形)[文]ク おもひがけな・し
思ってもみなかった。意外だ。予期しない。「―・い好運にであう」
思い描く
おもいえが・く オモヒヱガク [5][0] 【思い描く】 (動カ五[四])
情景などを想像して頭の中に描く。「新しい生活を―・く」
[可能] おもいえがける
思い止まる
おもいとどま・る オモヒ― [6] 【思い止まる】 (動ラ五[四])
しようと思っていたことをやめる。考え直してやめる。「辞任を―・る」
思い止まる
おもいとま・る オモヒ― [5][0] 【思い止(ま)る】 (動ラ五[四])
(1)思いとどまる。「実施を―・る」
(2)心がそこに残る。「見そめつる契りばかりを捨てがたく―・る人は/源氏(帚木)」
思い止まる
おもいとどまる【思い止まる】
give up <the idea of doing> ;change one's mind <about> .思い止まらせる dissuade <a person from doing> .→英和
思い止る
おもいとま・る オモヒ― [5][0] 【思い止(ま)る】 (動ラ五[四])
(1)思いとどまる。「実施を―・る」
(2)心がそこに残る。「見そめつる契りばかりを捨てがたく―・る人は/源氏(帚木)」
思い死に
おもいじに オモヒ― [0] 【思い死に】 (名)スル
思いこがれたすえに,死ぬこと。こがれ死に。
思い残す
おもいのこ・す オモヒ― [5] 【思い残す】 (動サ五[四])
しておきたかった,しておくべきだったという気持ちが残る。「もう―・すことは何もない」
思い残す事はない
おもいのこす【思い残す事はない】
have no regrets;have nothing to regret;can die in peace (死ぬ人が).
思い比べる
おもいくら・べる オモヒ― [6] 【思い比べる】 (動バ下一)[文]バ下二 おもひくら・ぶ
比べて考える。心の中で比べる。「自分の若かった頃と今を―・べる」
思い浮かぶ
おもいうか・ぶ オモヒ― [0][5] 【思い浮(か)ぶ】
■一■ (動バ五[四])
念頭にうかぶ。「ふるさとの山河が―・ぶ」
■二■ (動バ下二)
⇒おもいうかべる
思い浮かぶ
おもいうかぶ【思い浮かぶ】
⇒思い付く.
思い浮かべる
おもいうかべる【思い浮かべる】
⇒思い出す.
思い浮かべる
おもいうか・べる オモヒ― [0][6] 【思い浮(か)べる】 (動バ下一)[文]バ下二 おもひうか・ぶ
(1)心の中に描く。思い出す。想起する。「楽しかったことを―・べる」
(2)頭に描く。連想する。「『海』という言葉から何を―・べますか」
思い浮ぶ
おもいうか・ぶ オモヒ― [0][5] 【思い浮(か)ぶ】
■一■ (動バ五[四])
念頭にうかぶ。「ふるさとの山河が―・ぶ」
■二■ (動バ下二)
⇒おもいうかべる
思い浮べる
おもいうか・べる オモヒ― [0][6] 【思い浮(か)べる】 (動バ下一)[文]バ下二 おもひうか・ぶ
(1)心の中に描く。思い出す。想起する。「楽しかったことを―・べる」
(2)頭に描く。連想する。「『海』という言葉から何を―・べますか」
思い焦がれる
おもいこが・れる オモヒ― [6][0] 【思い焦がれる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おもひこが・る
たまらなく恋しく思う。「恋人に―・れる」
思い焦がれる
おもいこがれる【思い焦がれる】
burn with love <for> ;pine <after,for> .→英和
思い煩う
おもいわずらう【思い煩う】
worry (oneself) <about a matter> .→英和
思い煩う
おもいわずら・う オモヒワヅラフ [6][0][2] 【思い煩う】 (動ワ五[ハ四])
いろいろと考えて苦しむ。思い悩む。「将来のことをあれこれ―・う」
思い直す
おもいなお・す オモヒナホス [5][0] 【思い直す】 (動サ五[四])
考えを変える。考え直す。「辞任を―・す」
思い直す
おもいなおす【思い直す】
⇒思い返す.
思い知らせる
おもいしら・せる オモヒ― [6][0] 【思い知らせる】 (動サ下一)[文]サ下二 おもひしら・す
相手の誤りや思い上がりなどを身にしみてわからせる。「いつか―・せてやる」
思い知る
おもいしる【思い知る】
see;→英和
realize;→英和
know to one's cost;learn a lesson.→英和
思い知らせる teach <a person> a lesson.
思い知る
おもいし・る オモヒ― [4][0] 【思い知る】 (動ラ五[四])
つくづくと身にしみて悟る。わきまえる。「芸の未熟さを―・る」「どうだ,―・ったか」
思い立ったが吉日
思い立ったが吉日
「思い立つ日が吉日」に同じ。
思い立つ
おもいたつ【思い立つ】
make up one's mind <to do> ;take <it> into one's head <to do> ;plan <to do> .→英和
思い立つ
おもいた・つ オモヒ― [4] 【思い立つ】 (動タ五[四])
何かしようと決心する。その気になる。「急に―・って旅に出る」
思い立つ日が吉日
思い立つ日が吉日
物事は思い立ったら,その日を吉日としてその日からやり始めた方がいい。事を企てたらすぐに始めよ。思い立つ日に日咎(ヒトガ)なし。
思い続ける
おもいつづ・ける オモヒ― [0][6] 【思い続ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おもひつづ・く
(1)考え続ける。「必ず帰ってくると―・けてきた」
(2)いちずに心の中で恋い慕う。「初恋の女性を―・ける」
(3)感慨を歌の形にして表現する。「ある女房,君隠れさせ給ひぬと承つて,かうぞ―・けける/平家 6」
思い羽
おもいば オモヒ― [2][3] 【思い羽】
オシドリ・クジャク・カモ・キジなどの,尾の両脇にあるイチョウの葉形の羽。剣羽(ツルギバ)。[季]冬。
思い羽包み
おもいばづつみ オモヒ― [5] 【思い羽包み】
〔形が鳥の思い羽に似ていることから〕
拝領した香木や香の小包みを入れておく包み。厚紙に,内側は金箔張り,外側は紫の絹を張り花鳥の彩色を施し,赤または紫の紐(ヒモ)で結ぶ。
思い者
おもいもの オモヒ― [0][5] 【思い者】
(1)自分が恋しく思っている人。恋人。愛人。
(2)めかけ。情婦。側室。
思い耽る
おもいふけ・る オモヒ― [5] 【思い耽る】 (動ラ五[四])
物思いに没頭する。「今自分が経過して来た冒険に就いて―・つたのである/明暗(漱石)」
思い至る
おもいいた・る オモヒ― [5][0] 【思い至る】 (動ラ五[四])
〔「想い到る」とも書く〕
考えがそこにたどりつく。思い及ぶ。「我が身の不明に―・る」
思い見る
おもい・みる オモヒ― [4] 【思い見る・惟る】 (動マ上一)[文]マ上一
いろいろと思いめぐらす。おもんみる。「彼は明日の…憐れな自分の姿を―・みた/道草(漱石)」
思い設ける
おもいもう・ける オモヒマウケル [6] 【思い設ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おもひまう・く
前もって考える。予期する。予想する。「―・けぬ事態」
思い詰める
おもいつめる【思い詰める】
take <a thing> to heart;brood <over one's misfortune> .→英和
思い詰める
おもいつ・める オモヒ― [5][0] 【思い詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 おもひつ・む
そのことをいちずに考えて,思い悩む。また,この方法しかないと思い込む。「―・めた表情」
思い起こす
おもいおこ・す オモヒ― [5] 【思い起(こ)す】 (動サ五[四])
(1)以前に経験した事などを思い出す。「学生時代を―・す」
(2)心をふるい起こす。「翁(オキナ)び果てにたる心地し侍るを,今よりはと―・し侍りてなむ/源氏(蜻蛉)」
[可能] おもいおこせる
思い起こす
おもいおこす【思い起こす】
⇒思い出す.
思い起す
おもいおこ・す オモヒ― [5] 【思い起(こ)す】 (動サ五[四])
(1)以前に経験した事などを思い出す。「学生時代を―・す」
(2)心をふるい起こす。「翁(オキナ)び果てにたる心地し侍るを,今よりはと―・し侍りてなむ/源氏(蜻蛉)」
[可能] おもいおこせる
思い込み
おもいこみ オモヒ― [0] 【思い込み】
(1)そうだとばかり信じきっていること。
(2)それ以外にはないと固く心に決めること。「―の強い男」
思い込む
おもいこむ【思い込む】
be convinced that… (固く信じる);be under the impression that… (つもりでいる);set one's heart <on a matter> (一心になる);fall in love <with> (ほれ込む).
思い込む
おもいこ・む オモヒ― [4][0] 【思い込む】 (動マ五[四])
(1)そうだと固く信じる。「本当だと―・む」
(2)必ずやり遂げると固く決心する。「―・んだら命がけ」
思い返す
おもいかえ・す オモヒカヘス [4] 【思い返す】 (動サ五[四])
(1)過ぎ去ったことをもう一度思い浮かべる。回顧する。「学生時代を―・す」
(2)考えを変える。考え直す。「―・して外出をやめる」
(3)思惑が外れる。「憑て行たる所にも―・して,此にてはえ殺さじと言ければ/今昔 31」
思い返す
おもいかえす【思い返す】
(1) reconsider;→英和
think better <of> (考え直す);change one's mind.(2) look back (回顧).
思い迫る
おもいせま・る オモヒ― [5] 【思い迫る】 (動ラ五[四])
喜怒哀楽や恋慕などの思いで胸が一杯になる。「―・る余に半(ナカバ)は独語になつて,覚えず悲(カナシミ)を漏すのである/多情多恨(紅葉)」
思い迷う
おもいまよ・う オモヒマヨフ [5] 【思い迷う】 (動ワ五[ハ四])
あれこれと考え迷う。思い惑う。「進退に―・う」
思い通り
おもいどおり【思い通り】
as one pleases[likes].〜の satisfactory.→英和
〜にさせる let <a person> have his own way.
思い通り
おもいどおり オモヒドホリ [4] 【思い通り】 (名・形動)
思ったとおりになる・こと(さま)。思っているとおり。「すべてが―になった」「―の結果が出た」「―にふるまう」
思い過ごし
おもいすごし オモヒ― [0] 【思い過(ご)し】
考えすぎること。取り越し苦労。思いすぎ。「それは君の―だ」
思い過ごす
おもいすご・す オモヒ― [5] 【思い過(ご)す】 (動サ五[四])
(1)よけいなことまで考えて気をもむ。取り越し苦労をする。「―・してくよくよする」
(2)〔上代東国方言〕
「思い過ぐす{(1)}」に同じ。「かなしけ児ろを―・さむ/万葉 3564」
思い過ごす
おもいすごす【思い過ごす】
worry too much <about> .思い過ごし (a) groundless fear.
思い過し
おもいすごし オモヒ― [0] 【思い過(ご)し】
考えすぎること。取り越し苦労。思いすぎ。「それは君の―だ」
思い過す
おもいすご・す オモヒ― [5] 【思い過(ご)す】 (動サ五[四])
(1)よけいなことまで考えて気をもむ。取り越し苦労をする。「―・してくよくよする」
(2)〔上代東国方言〕
「思い過ぐす{(1)}」に同じ。「かなしけ児ろを―・さむ/万葉 3564」
思い違い
おもいちがい【思い違い】
(a) misunderstanding;→英和
a mistake.→英和
〜をする misunderstand;→英和
mistake;be wrong.
思い違い
おもいちがい オモヒチガヒ [0] 【思い違い】 (名)スル
間違って考えたり理解したりしていること。また,その事柄。考え違い。勘違い。思い違え。「うっかり―する」
思い違える
おもいちが・える オモヒチガヘル [0][6] 【思い違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 おもひちが・ふ
考え違いをする。「兄を弟と―・えた」
思い遣られる
おもいやられる【思い遣られる】
feel anxious <about> .
思い遣り
おもいやり オモヒ― [0] 【思い遣り】
(1)その人の身になって考えること。察して気遣うこと。同情。「―のない仕打ち」
(2)遠くから思うこと。想像。推量。「―異なることなき閨のうちに/源氏(帚木)」
(3)思いめぐらすこと。思慮。考え。「いにしへのすきは,―少なきほどのあやまちに/源氏(薄雲)」
思い遣り
おもいやり【思い遣り】
sympathy;→英和
consideration (察し).→英和
〜のある(ない) (un)sympathetic;→英和
(in)considerate;→英和
(un)kind.→英和
思い遣る
おもいや・る オモヒ― [4][0] 【思い遣る】 (動ラ五[四])
(1)その人の身になって考える。同情する。察して気遣う。「相手の心中を―・る」
(2)遠く離れている人や所を心に浮かべる。思いを馳(ハ)せる。「故郷の両親を―・る」
(3)(「おもいやられる」の形で)悪い状態になるのではと心配する。「先が―・られる」
(4)気を晴らす。「草枕旅にしあれば―・るたづきを知らに/万葉 5」
[可能] おもいやれる
思い頽れる
おもいくず・れる オモヒクヅレル [6] 【思い頽れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二おもひくづ・る
思いが弱る。思いがくじける。「柳之助は近頃遽(ニワカ)に甚しく―・れて,間(ヒマ)さへあれば太息(タメイキ)を吐(ツ)いて/多情多恨(紅葉)」
思う
おも・う オモフ [2] 【思う・想う】 (動ワ五[ハ四])
(1)物事に対してある感情や意識をもつ。
(ア)心に浮かべる。また,想像する。「―・ったままを書く」「―・っていた通りの人」「春を―・わせるような日」
(イ)希望する。願う。「ヨーロッパへ行きたいと―・っている」
(ウ)恋い慕って,頭に思い浮かべる。「私の彼女を―・う気持ちに偽りはない」「私のことを―・ってくれる人」
(エ)心配して,頭に思い浮かべる。思いやる。「子を―・う親の心」「災害に遭った人のことを―・えば私など幸運なほうだ」
(オ)思い起こす。回想する。「異郷で故国を―・う」「亡き母を―・う」
(2)(「〜と思う」の形で文の述語につけて用いられる)〜が現在における話し手の個人的な判断や推量であることを示す。〜だろう。「あしたは晴れると―・う」「親は知らないだろうと―・う」
(3)(感情の内容を表す形容詞・形容動詞の連用形を伴い,「〜を…に思う」のような形で用いる)〜に対して,それが…であるという感情や評価をもつ。〜が…であると感ずる。「母をなくした子をあわれに―・う」「仲のよい二人をうらやましく―・う」
(4)(判断の内容を表す名詞を伴い,「〜を…と思う」の形で用いる)〜に対して,それが…であるという判断をもつ。〜が…であると断定する。「二人を同一人と―・っていた」「いずれの方法も最善とは―・えない」
(5)(「〜と思うと」「〜と思ったら」などの形で)二つのことがらが相次いで起こること,または二つのことがらが一緒に起こることを表す。〜するとすぐ。〜すると同時に。「彼は,来たと―・ったらもう帰ってしまった」「こちらで本を読んでいるやつがいるかと―・うと,あちらでテレビを見ているやつがいる」
(6)(「思うに」,「思えば」などの形で副詞的に用いて)話し手の個人的な判断や推量であることを示す。けだし。恐らく。確かに。「今にして―・うに,…」「―・えばずいぶん長い旅であった」
(7)そういう顔つきをする。気持ちを顔に表す。「いみじくなげかしげに―・ひたり/竹取」
(8)気が合う。「―・ふどち飲みての後は散りぬともよし/万葉 1656」
〔「念う」「憶う」「懐う」などとも書く〕
[可能] おもえる
[慣用] どうかと―/屁(ヘ)とも思わない・我と思わん者
思う
おもう【思う】
(1) think <of,about> (考える).→英和
(2) consider[regard,look upon] <as> (見なす);→英和
believe (信じる);→英和
expect (予期する).→英和
(3) feel (感じる).→英和
(4) wish[desire,want](願望).→英和
(5) wonder (いぶかる);→英和
suspect (ではないかと思う).→英和
(6) imagine (想像);→英和
suppose,guess (推測).
(7) be going to <do> ,intend <to do> (つもり).
(8) love,care for (愛する).
良く(悪く)〜 think well (ill) of.
思うところなし
思うところな・し
思慮がない。無分別である。「所せきさましたる人こそ,うたて―・く見ゆれ/徒然 2」
思うどち
思うどち
〔「どち」は仲間・友達の意〕
気の合った者どうし。親しい仲間。「或人の許に―さし集まりて/無名抄」
思うに
おもうに オモフ― [2] 【思うに・惟うに】 (副)
考えてみると。考えてみたところでは。「―これが唯一の解決策だ」
思うに任せ∘ない
思うに任せ∘ない
思うように物事が進まない。思いどおりにならない。
思うに別れ思わぬに添う
思うに別れ思わぬに添う
男女の縁は思うとおりにならないということ。「世の中は月にむら雲花に風―/仮名草子・薄雪物語」
思うはかり
思うはかり
〔「はかり」は際限の意〕
いろいろと考えること。思案。おもんぱかり。多く後に「なし」を伴って用いられる。「聖も未だ見えず,使者をだにも上せねば―ぞなかりける/平家 12」
思うまま
おもうまま【思うまま(に)】
as one pleases[likes].
思う事言わねば腹(ハラ)ふくる
思う事言わねば腹(ハラ)ふくる
心に思っていることを言わないでいるのは腹に物がつまっているようで落ち着かないものだ。
思う人
思う人
(1)心の合う人。親しい友人。「古りにしさとの秋萩を―どち相見つるかも/万葉 1558」
(2)恋しく思う人。「―来むと知りせば/万葉 2824」
(3)自分をかわいがってくれる人。「まづは―にさまざまおくれ/源氏(若菜下)」
思う仲(ナカ)の小(コ)いさかい
思う仲(ナカ)の小(コ)いさかい
親しい二人の間には,かえって小さな争いが起きやすいものだ。
思う儘
おもうまま オモフ― [2] 【思う儘】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
心の中に思うとおりである・こと(さま)。「―を正直に答えた」「―な振る舞い」
■二■ (副)
思う存分。心ゆくまで。「―遊び歩く」
思う壷にはまる
おもうつぼ【思う壷にはまる】
[事物が主語]turn out just as one wanted;[人が主語]play into the hands <of> (相手の).
思う壺
おもうつぼ オモフ― [2] 【思う壺】
〔「つぼ」は,博打(バクチ)でさいころを入れて振るもの〕
期待したとおりになること。「―にはまる」「敵の―だ」
思う存分
おもうぞんぶん オモフ― [2] 【思う存分】 (副)
もうこれで十分だと満足するまで。思いきり。「―(に)食べる」
思う存分に
おもうぞんぶん【思う存分に】
as much as one likes;to one's heart's content.〜食べる eat one's fill.
思う心(ココロ)
思う心(ココロ)
(1)恋しく思う心。深い愛情。「家にして結ひてし紐を解きさけず―をたれか知らなむ/万葉 3950」
(2)こうしたいという考え。「生れし時より―ありし人にて/源氏(桐壺)」
思う念力(ネンリキ)岩をも通す
思う念力(ネンリキ)岩をも通す
精魂こめてすれば,できないことはない。一念岩をも通す。
思う故(エ)に
思う故(エ)に
〔「おもうゆえに」の転〕
一生懸命心にかけた結果として。「―逢ふものならばしましくも妹が目離(カ)れて我(アレ)居らめやも/万葉 3731」
思う様
おもうさま オモフ― [2] 【思う様】
■一■ (副)
思うとおりに。思いきり。思う存分。「―かけまわる」
■二■ (名・形動ナリ)
(1)心に思っていること。考え。「―ことなる事にてなむ/源氏(澪標)」
(2)望んでいたとおりであること。理想的なさま。「頭の中将の御小舎人わらは―とて/堤中納言(ほどほどの)」
(3)思うとおりに振る舞うさま。「これは入道相国よろづ―なるが致すところなり/平家 4」
思う空(ソラ)
思う空(ソラ)
〔「空」はこころの意〕
思う心持ち。「―安くもあらず/万葉 4480」
思える
おも・える オモヘル [3] 【思える】 (動ア下一)
〔「思う」の可能動詞から〕
思うことができる。また,何となくそういう気がする。「人のしわざとは―・えない」
思しい
おぼし・い [3] 【思しい】 (形)[文]シク おぼ・し
〔「おもほし」の転〕
(1)(「…とおぼしい」「…とおぼしき」の形で名詞を修飾する場合に多く用いて)…と思われる。…のように見える。「犯人と―・き男」
(2)心の中に,…したいと思っている。「―・しき事をも言ひ語らひつつ/浜松中納言 4」
思し召し
おぼしめし [0] 【思し召し】
(1)考え・気持ちを敬っていう語。お考え。お気持ち。「神様の―」
(2)金額を払う人の考えに任せること。「見料は―で結構です」
(3)(俗な言い方で)異性にひかれる気持ち。恋心。恋情。「其女が君に―があると悟つたのは/行人(漱石)」
思し召す
おぼしめ・す [4][0] 【思し召す】 (動サ五[四])
〔「おもほしめす」の転〕
「思う」の尊敬語。
(1)お思いになる。お考えになる。「哀れと―・してお見逃し下さい」
(2)心をお向けになる。愛しなさる。「そのみこ,女を―・して/伊勢 43」
(3)心の中の動きを示す動詞の上に付けて,その動作主への尊敬の意を加える。「おぼしめしいづ」「おぼしめしたつ」「おぼしめしなげく」など。
〔古くは,天皇や上皇の言葉の中で,自らの動作に用いる場合がある。「御行水をめさばやと―・すはいかがせんずる/平家 3」〕
→おぼす
思し寄る
おぼしよ・る 【思し寄る】 (動ラ四)
「おもいよる」の尊敬語。思いつかれる。「宮も…(紫上ノ)むこになどは―・らで/源氏(紅葉賀)」
思し消つ
おぼしけ・つ 【思し消つ】 (動タ四)
「おもいけつ」の尊敬語。
(1)お忘れになる。「かつは(恨ミヲ)―・ちてよかし/源氏(葵)」
(2)無視なさる。「(更衣ノ死ヲ)ことにもあらず―・ちてもてなし給ふなるべし/源氏(桐壺)」
思す
おぼ・す 【思す】 (動サ四)
〔「おもほす」の転〕
「思う」の尊敬語。
(1)お思いになる。お考えになる。「御鷹,世になく賢かりければ,になう―・して/大和 152」
(2)心をお向けになる。愛しなさる。「むかし,おほやけ―・してつかう給ふ女の,色ゆるされたるありけり/伊勢 65」
(3)心の中の動きを表す動詞の上に付けて,その動作主への尊敬の意を加える。「いかさまにせむ,と―・しまどひつつ/源氏(若菜下)」
思はくらし
おもわくら・し オモハク― 【思はくらし】 (形シク)
どこか人の気を引く風情(フゼイ)がある。魅力的なところがある。「―・しう顋(オトガイ)を襟の中へ差し込みし粧ひ/浮世草子・禁短気」
思はく女
おもわくおんな オモハクヲンナ 【思はく女】
思いをかけている女。好きな女。「預け浴衣をこしらへ―銘銘に出し入れをするも相応の楽み/浮世草子・一代女 5」
思はずげ
おもわずげ オモハズ― 【思はずげ】 (形動ナリ)
意外そうであるさま。「入道をはじめ奉て,人々皆―にぞ見給ひける/平家 2」
思はふ
おもは・う オモハフ 【思はふ】 (動ハ下二)
〔「思ひ敢(ア)ふ」の転〕
(1)予期する。考えつく。「潮舟の舳(ヘ)越そ白波にはしくも負ふせたまほか―・へなくに/万葉 4389」
(2)あれこれ比較して考える。考えを及ぼす。「皆これらを―・へて書くべき也/無名抄」
思はふ
おもわ・う オモハフ 【思はふ】 (動ハ下二)
⇒おもはう
思はれ人
おもわれびと オモハレ― 【思はれ人】
恋い慕われている人。恋人。思い人。「つれなき―かな/浮世草子・一代男 1」
思ひげ
おもいげ オモヒ― 【思ひげ】 (名・形動ナリ)
物を思っているさま。「あやしうくやしと―なる時がちなり/蜻蛉(上)」
思ひの家
おもいのいえ オモヒ―イヘ 【思ひの家】
〔「思ひ」の「ひ」を「火」にかけて,火の家つまり火宅(カタク)をいう〕
煩悩(ボンノウ)の多い憂き世。「世の中に牛の車のなかりせば―をいかでいでまし/拾遺(哀傷)」
思ひの煙
おもいのけぶり オモヒ― 【思ひの煙】
〔「思ひ」の「ひ」を「火」にかけて〕
煙が出るほど恋しい思いが激しく燃え上がることをいう。思いのけむり。「空に満つ―雲ならばながむる人の目にぞ見えまし/拾遺(恋五)」
思ひの色
おもいのいろ オモヒ― 【思ひの色】
(1)〔「思ひ」の「ひ」を「緋(ヒ)」にかけて〕
紅色。「―の下染めにせむ/古今(雑体)」
(2)思っている様子。「心くらべのつれびきに―を忍び駒/浄瑠璃・長町女腹切(中)」
思ひばか
おもいばか オモヒ― 【思ひばか】
〔「ばか」は「量(ハカ)」〕
(下に「行かず」などを伴って)物事が思い通りに進む程度。「男のまおとこ同前にて―いかぬ物ぞとよ/浄瑠璃・重井筒(中)」
思ひ交はす
おもいかわ・す オモヒカハス 【思ひ交はす】 (動サ四)
互いに恋しく思う。「互ひに―・し給へり/源氏(若菜下)」
思ひ人
おもいびと オモヒ― 【思ひ人】
愛人。恋人。「後白河法皇の御最愛ならびなき御―にておはしけるを/平家 2」
思ひ休む
おもいやす・む オモヒ― 【思ひ休む】 (動マ四)
心にかけなくなる。忘れる。「人皆の―・みてつれも無く/万葉 928」
思ひ休らふ
おもいやすら・う オモヒヤスラフ 【思ひ休らふ】 (動ハ四)
ためらう。「ゆくりなくあくがれん事を女は―・ひ/源氏(夕顔)」
思ひ侘ぶ
おもいわ・ぶ オモヒ― 【思ひ侘ぶ】 (動バ上二)
物思いに悩む。つらく思う。「われ故に―・ぶらむ妹が悲しさ/万葉 3727」
思ひ倦んず
おもいうん・ず オモヒ― 【思ひ倦んず】 (動サ変)
いろいろと思い悩んでいやになる。「世の中を―・じて/伊勢 102」
思ひ做す
おもいな・す オモヒ― 【思ひ做す】 (動サ四)
(1)…だと考える。そのように自分から思う。「その男,身を要なき物に―・して/伊勢 9」
(2)(推測の表現とともに用いられて)推定して決める。「更に浅くはあらじと―・し給へ/源氏(帚木)」
思ひ傅く
おもいかしず・く オモヒカシヅク 【思ひ傅く】 (動カ四)
大切に世話をし育てる。「いと,やむごとなき物に―・きたてまつり給ふなり/源氏(東屋)」
思ひ入り
おもいいり オモヒ― 【思ひ入り】
(1)思い込むこと。おもいいれ。
(2)深く思いをかけた人。「何故に女房持ちやらぬ,但しどこぞに―がなあるかいの/浄瑠璃・今宮心中(上)」
思ひ入る
おもいい・る オモヒ― 【思ひ入る】
■一■ (動ラ四)
(1)深く心に思う。「深くなさけなく憂しと―・りたるさまも/源氏(帚木)」
(2)望んで入る。「―・りたらむ山住みの心地/源氏(椎本)」
■二■ (動ラ下二)
深く心にかける。「つらきも憂きもかたはら痛き事も―・れたるさまならで/源氏(夕顔)」
思ひ共
おもいどち オモヒ― 【思ひ共】
思い合った者どうし。おもうどち。「うへも限りなき御―にて/源氏(桐壺)」
思ひ兼ぬ
おもいか・ぬ オモヒ― 【思ひ兼ぬ】 (動ナ下二)
(1)恋しさを抑えきれなくなる。「隠れし君を―・ねつも/万葉 3475」
(2)考え及ばなくなる。「行かむたどきも―・ねつも/万葉 3696」
思ひ処
おもいど オモヒ― 【思ひ所・思ひ処】
気にかかる所。欠点。「女は一つ―ありてもかなしや/浮世草子・織留 5」
思ひ出
おもいで オモヒデ 【思ひ出】
詩集。北原白秋作。1911年(明治44)刊。郷里の福岡県柳川における幼年時代を,南蛮趣味の残る風物を背景に追憶した抒情詩集。
思ひ出づ
おもいい・ず オモヒイヅ 【思ひ出づ】 (動ダ下二)
思い起こす。思い出す。「かうにこそありけれ,と夢のやうに―・づ/寝覚 1」
思ひ分く
おもいわ・く オモヒ― 【思ひ分く】
■一■ (動カ四)
適切な理解・判断をする。違いなどを識別する。「さばかりの色も―・かざりけりや/源氏(野分)」
■二■ (動カ下二)
{■一■}に同じ。「これを他人と―・けたることと/源氏(東屋)」
思ひ励む
おもいはげ・む オモヒ― 【思ひ励む】 (動マ四)
努力する。励む。「後の世までのことをも思はむと―・みて/更級」
思ひ包む
おもいつつ・む オモヒ― 【思ひ包む】 (動マ四)
心の中に包み隠す。遠慮する。「ひとへに物を―・み/源氏(玉鬘)」
思ひ取り
おもいどり オモヒ― 【思ひ取り】
決めた相手から杯をもらうこと。
⇔思い差し
「その盃,義秀のみて,面々にくだし,おもひざし,―/曾我 6」
思ひ取る
おもいと・る オモヒ― 【思ひ取る】 (動ラ四)
(1)悟る。理解する。「世の中をかりそめの事と―・り/源氏(橋姫)」
(2)決心する。決断する。「心ばへなどもわが心とは―・るかたもなきやうに物づつみをし/紫式部日記」
思ひ同胞
おもいはらから オモヒ― 【思ひ同胞】
仲のよい兄弟姉妹。「北の方はいづれとも,もとよりいみじき―にて/宇津保(蔵開下)」
思ひ和む
おもいのど・む オモヒ― 【思ひ和む】 (動マ下二)
気持ちを落ち着ける。「みづからながら知らぬ命の程を―・め侍りけるさへはかなくなん/源氏(柏木)」
思ひ塞く
おもいせ・く オモヒ― 【思ひ塞く】 (動カ四)
思いを無理に抑えつける。「―・く心のうちの滝なれや/古今(雑下)」
思ひ増す
おもいま・す オモヒ― 【思ひ増す】 (動サ四)
(1)恋しい思いがますますつのる。「心清くて過ぐい給ひけるなどをありがたうあはれと―・し聞え給ふ/源氏(真木柱)」
(2)一層大切に思う。「まてといふに散らでしとまる物ならばなにをさくらに―・さまし/古今(春下)」
思ひ夫
おもいづま オモヒ― 【思ひ妻・思ひ夫】
(1)いとしく思う妻。《思妻》「なかさだめる―あはれ/古事記(下)」
(2)いとしく思う夫。《思夫》「思はぬ人を―の跡を慕ひて/謡曲・水無月祓」
思ひ妻
おもいづま オモヒ― 【思ひ妻・思ひ夫】
(1)いとしく思う妻。《思妻》「なかさだめる―あはれ/古事記(下)」
(2)いとしく思う夫。《思夫》「思はぬ人を―の跡を慕ひて/謡曲・水無月祓」
思ひ子
おもいご オモヒ― 【思ひ子】
かわいく思う子。いとし子。「―の跡を尋ねて迷ふなり/謡曲・隅田川」
思ひ宥らむ
おもいなだら・む オモヒ― 【思ひ宥らむ】 (動マ下二)
心を静めて考える。おもいなだむ。「今は世の中を皆さまざまに―・めて/源氏(若菜上)」
思ひ寄す
おもいよ・す オモヒ― 【思ひ寄す】 (動サ下二)
関連づけて考える。思いあわせる。「もて離れたる事をも―・せて/源氏(帚木)」
思ひ寄そふ
おもいよそ・う オモヒヨソフ 【思ひ寄そふ・思ひ準ふ】 (動ハ下二)
似たものを思い浮かべる。…と似ていると思う。「たが袖に―・へてほととぎす花橘の枝になくらん/拾遺(夏)」
思ひ寝
おもいね オモヒ― 【思ひ寝】
(1)恋しい人を思いながら寝ること。「君をのみ―にねし夢なればわが心から見つるなりけり/古今(恋二)」
(2)ものを思いながら寝ること。「今一度起こせかしと―に聞えば/宇治拾遺 1」
思ひ屈ず
おもいくん・ず オモヒ― 【思ひ屈ず】 (動サ変)
文語サ変動詞「おもいくっす」の促音を「ん」で表記したもの。「かくのみ―・じたるを/更級」
思ひ川
おもいがわ オモヒガハ 【思ひ川】
(1)思いが深く絶える間もないことを,川の流れにたとえていう語。「―たえず流るる水の泡のうたかた人にあはで消えめや/後撰(恋一)」
(2)福岡県太宰府市の太宰府天満宮境内を流れる御笠川の上流。思染川,逢初(アイゾメ)川。
〔筑前国の歌枕とする説もあるが,この川を指しているかどうかは不明〕
→染川
思ひ差し
おもいざし オモヒ― 【思ひ差し】
この人にと相手を決めて酒をつぐこと。
⇔思い取り
「熊井や片岡に―せん/義経記 7」
思ひ弛む
おもいたゆ・む オモヒ― 【思ひ弛む】 (動マ四)
(1)気がゆるむ。ほっとする。「なに事をみきくにもかたとき―・む事は,いかにしてかあらむ/右京大夫集」
(2)ためらいながら思う。「山のあなたのすまひにも,心苦しき様をひきこめむもいかが,など―・みて/狭衣 4」
思ひ弱る
おもいよわ・る オモヒ― 【思ひ弱る】 (動ラ四)
心が弱る。心がくじける。「いかがはせむと―・りて/狭衣 4」
思ひ当つ
おもいあ・つ オモヒ― 【思ひ当つ】 (動タ下二)
(1)気づく。思いつく。「いとしるく―・てられ給へる御側目を見過さで/源氏(夕顔)」
(2)考えてそれぞれに割り当てる。「女房の中にも,品々に―・てたるきはぎは/源氏(柏木)」
思ひ得
おもい・う オモヒ― 【思ひ得】 (動ア下二)
思いつく。考えつく。「その人とは更にえ―・え侍らず/源氏(夕顔)」
思ひ念ず
おもいねん・ず オモヒ― 【思ひ念ず】 (動サ変)
(1)心の中でしっかりと祈る。「命ながくとこそ―・ぜめ/源氏(桐壺)」
(2)じっとがまんする。「北の方,…と―・じて,ただ,するままにまかせて見居たり/源氏(東屋)」
思ひ思ふ
おもいおも・う オモヒオモフ 【思ひ思ふ】 (動ハ四)
強く思う。深く思い続ける。「ねたき目見せむと―・ふ/落窪 2」
思ひ慰む
おもいなぐさ・む オモヒ― 【思ひ慰む】
■一■ (動マ四)
気が晴れる。「つひの別れをのがれぬわざなめれど―・まむ方ありてこそ/源氏(椎本)」
■二■ (動マ下二)
自分の心を慰める。「かかる住まひをも―・むるわざなめれ/源氏(蓬生)」
思ひ懸く
おもいか・く オモヒ― 【思ひ懸く】 (動カ下二)
(1)予期する。「宮仕へにいで立ちて―・けぬさいはひ取り出づるためしども多かるかし/源氏(帚木)」
(2)恋いしたう。懸想(ケソウ)する。「男,―・けたる女のえ得まじうなりての世に/伊勢 55」
思ひ成る
おもいな・る オモヒ― 【思ひ成る】 (動ラ四)
その気持ちになる。そう考えるようになる。「今は亡き人とひたぶるに―・りなむ/源氏(桐壺)」
思ひ所
おもいど オモヒ― 【思ひ所・思ひ処】
気にかかる所。欠点。「女は一つ―ありてもかなしや/浮世草子・織留 5」
思ひ扱ふ
おもいあつか・う オモヒアツカフ 【思ひ扱ふ】 (動ハ四)
(1)心をくばって世話する。「いとしのびて隠ろへて―・ふを,あはれにうれしと思して/寝覚 2」
(2)心を痛める。思い悩む。「―・ふ煩悩の焔皆滅除すらむと覚ゆ/栄花(玉の台)」
思ひ捨つ
おもいす・つ オモヒ― 【思ひ捨つ】 (動タ下二)
心にかけることをやめる。見捨てる。「―・てがたきこと多し/徒然 19」
思ひ掟つ
おもいおき・つ オモヒ― 【思ひ掟つ】 (動タ下二)
思い定める。心に決める。「宮仕へやがてせさすべく―・てたり/源氏(乙女)」
思ひ撓む
おもいたわ・む オモヒ― 【思ひ撓む】 (動マ四)
気が弱くなる。心がくじける。「たわや女の―・みてたもとほり/万葉 935」
思ひ放つ
おもいはな・つ オモヒ― 【思ひ放つ】 (動タ四)
思いを捨てる。気にかけることをやめる。「猶この君の事の,―・ちがたくおぼえてなむ/源氏(若菜下)」
思ひ敢ふ
おもいあ・う オモヒアフ 【思ひ敢ふ】 (動ハ下二)
(下に打ち消しを伴う)
(1)思い切る。決心する。「玉の緒の短き心―・へず/古今(雑体)」
(2)考えつく。予期する。「まだ―・へぬ程なれば/源氏(東屋)」
思ひ果つ
おもいは・つ オモヒ― 【思ひ果つ】 (動タ下二)
(1)いろいろ考えて判断する。「おそろしきものに―・てにためれば/蜻蛉(中)」
(2)あきらめる。思い切る。「われ独りとや―・てまし/拾遺(雑上)」
(3)最後まで好意を持ち続ける。「つらきゆかりにこそえ―・つまじけれ/源氏(空蝉)」
思ひ染む
おもいそ・む オモヒ― 【思ひ染む】
■一■ (動マ四)
深く心に思う。決意する。「年来―・み願ひし事にて/沙石 10」
■二■ (動マ下二)
(1)深く心に染めつける。「なぞもかく―・めけむ桜花/増鏡(藤衣)」
(2)深く恋い慕う。「などてかくはひあひがたきむらさきを心に深く―・めけむ/源氏(真木柱)」
思ひ染む
おもいし・む オモヒ― 【思ひ染む】
■一■ (動マ四)
深く思いをかける。「いとあはれと物を―・みながら言にいでても聞えやらず/源氏(桐壺)」
■二■ (動マ下二)
深く心にしみこませる。「―・めてし事は更に御心に離れねど/源氏(賢木)」
思ひ構ふ
おもいかま・う オモヒカマフ 【思ひ構ふ】 (動ハ下二)
企てる。計画する。「人疾くしづめなど,心知れるどちは―・ふ/源氏(総角)」
思ひ止む
おもいとど・む オモヒ― 【思ひ止む】 (動マ下二)
(1)忘れないように心にとどめる。「心ぼそげなめる御有様を,人よりも心ぐるしうなむ―・めらるる/寝覚 4」
(2)心に思い定める。「この人をとまりにとも―・め侍らず/源氏(帚木)」
(3)執着する。「世の中を―・めたる様にもおはせざりし一所を/源氏(宿木)」
(4)断念する。「かうまでうち出で給ひつれば,え―・め給はず/源氏(浮舟)」
思ひ止む
おもいや・む オモヒ― 【思ひ止む】 (動マ四)
思いとどまる。思い切る。「この事―・ませ奉らむと/源氏(賢木)」
思ひ死ぬ
おもいし・ぬ オモヒ― 【思ひ死ぬ】 (動ナ変)
思いこがれて死ぬ。「紅の色にな出でそ―・ぬとも/万葉 683」
思ひ沈む
おもいしず・む オモヒシヅム 【思ひ沈む】 (動マ四)
深く考え込む。気がめいる。「女は更にもいはず―・みたり/源氏(明石)」
思ひ流す
おもいなが・す オモヒ― 【思ひ流す】 (動サ四)
(1)思いを流し捨てる。あきらめる。「父母の御ためと―・せばくやみもなし/浄瑠璃・大磯虎」
(2)次から次へと頭に浮かんでくる。「げになほわが世のほかまでこそよろづ―・さるれ/源氏(鈴虫)」
思ひ消つ
おもいけ・つ オモヒ― 【思ひ消つ】 (動タ四)
(1)無理に忘れる。「よろづの事すさびにこそあれと―・たれ給ふ/源氏(澪標)」
(2)無視する。「人の―・ち,なき物にもてなすさまなりし/源氏(葵)」
思ひ消ゆ
おもいき・ゆ オモヒ― 【思ひ消ゆ】 (動ヤ下二)
気がめいる。「いとかすかなる有様に―・えて/源氏(末摘花)」
思ひ準ふ
おもいよそ・う オモヒヨソフ 【思ひ寄そふ・思ひ準ふ】 (動ハ下二)
似たものを思い浮かべる。…と似ていると思う。「たが袖に―・へてほととぎす花橘の枝になくらん/拾遺(夏)」
思ひ準ふ
おもいなずら・う オモヒナズラフ 【思ひ準ふ】 (動ハ下二)
くらべあわせて考える。「人がらもなべての人に―・ふれば,けはひこよなくおはすれども/源氏(若菜下)」
思ひ滞る
おもいとどこお・る オモヒトドコホル 【思ひ滞る】 (動ラ四)
迷って決心がつかない。躊躇(チユウチヨ)する。「はかなき事に―・り/源氏(橋姫)」
思ひ漂ふ
おもいただよ・う オモヒタダヨフ 【思ひ漂ふ】 (動ハ四)
心が定まらない。心が迷う。「中頃―・はれし事は/源氏(若菜上)」
思ひ澄ます
おもいすま・す オモヒ― 【思ひ澄ます】 (動サ四)
(1)心を落ち着けて考える。冷静に考える。「世の中を深くあぢきなきものに―・したる心なれば/源氏(匂宮)」
(2)俗世間を離れて仏道に専心する。行いすます。「世を―・したる尼君達/源氏(賢木)」
思ひ無し
おもいな・し オモヒ― 【思ひ無し】 (形ク)
心配ない。安心である。「よろづの事なのめに目やすくなれば,いとなむ―・く嬉しき/源氏(若菜上)」
思ひ疎む
おもいうと・む オモヒ― 【思ひ疎む】 (動マ四)
うとましく思う。「心のへだてありけると―・まれ奉らむ/源氏(明石)」
思ひ直る
おもいなお・る オモヒナホル 【思ひ直る】 (動ラ四)
考えが変わる。「かかる心―・るべきさまに/狭衣 4」
思ひ睦ぶ
おもいむつ・ぶ オモヒ― 【思ひ睦ぶ】 (動バ上二)
親しみを感じる。「親しく―・ぶるすぢは/源氏(夕顔)」
思ひ砕く
おもいくだ・く オモヒ― 【思ひ砕く】
■一■ (動カ四)
あれこれと思案して気をもむ。「遂にかくかけとどめ奉り給へるものをなどとり集めて―・くに/源氏(柏木)」
■二■ (動カ下二)
思い乱れる。「ちぢに―・くれど宣ふ人しなければ/宇津保(俊蔭)」
思ひ種
おもいぐさ オモヒ― 【思ひ種】
物思いのたね。「これを見るたびにいや増しの―/謡曲・松風」
思ひ籠む
おもいこ・む オモヒ― 【思ひ籠む】 (動マ下二)
外に表さないで,心中深く思う。「恋しきも―・めつつあるものを/後撰(恋三)」
思ひ紛ふ
おもいまが・う オモヒマガフ 【思ひ紛ふ】 (動ハ下二)
間違って思い込む。「霞める空もうぐひすの音も,春やむかしのとのみ―・へたるにも/浜松中納言 1」
思ひ結ぼほる
おもいむすぼお・る オモヒムスボホル 【思ひ結ぼほる】 (動ラ下二)
物思いで心が晴れない。あれこれ思って憂鬱である。「いたく世を―・れたる気色にながめ給へば/寝覚 1」
思ひ結ぼる
おもいむすぼ・る オモヒ― 【思ひ結ぼる】 (動ラ下二)
「おもいむすぼおる」に同じ。「―・れ嘆きつつ/万葉 4116」
思ひ絶ゆ
おもいた・ゆ オモヒ― 【思ひ絶ゆ】 (動ヤ下二)
思うことをやめる。あきらめる。「旅なれば―・えてもありつれど/万葉 3686」
思ひ綴ぢむ
おもいとじ・む オモヒトヂム 【思ひ綴ぢむ】 (動マ下二)
思いを断つ。あきらめる。「今はかぎりにやと,―・めし程も/寝覚 2」
思ひ置く
おもいお・く オモヒ― 【思ひ置く】 (動カ四)
(1)心に決めておく。「終の頼みどころには―・くべかりける/源氏(帚木)」
(2)心を残す。思い残す。「我は一人の子なければ,この世に―・く事なきに/平家 11」
思ひ習ふ
おもいなら・う オモヒナラフ 【思ひ習ふ】 (動ハ四)
(1)ならい覚える。「君により―・ひぬ世の中の人はこれをや恋といふらむ/伊勢 38」
(2)思いなれている。「又二つとなくてあるべきものに―・ひたるただ人の中/源氏(宿木)」
思ひ腐す
おもいくた・す オモヒ― 【思ひ腐す】 (動サ四)
心の中でけなす。悪く思う。「いかがは推し量り―・さむ/源氏(帚木)」
思ひ草
おもいぐさ オモヒ― 【思ひ草】
(1)ナンバンギセルの古名か。「道の辺の尾花が下の―/万葉 2270」
〔和歌では多く「思い種(グサ)」とかけて詠まれ,また忍ぶ恋をする人にたとえられる。古来,種々の説があり,オミナエシ・シオン・ススキ・ツユクサ・サクラ・リンドウ・チガヤ・ナデシコなどの異名ともいう〕
(2)タバコの異名。「一わの火縄に火を付けて相合ぎせる―/浄瑠璃・丹波与作(下)」
思ひ葉
おもいば オモヒ― 【思ひ葉】
触れ合ったり重なり合ったりしている草木の葉。多く,男女の相愛にたとえる。「茂りたる森は―となり/浮世草子・一代男 3」
思ひ解く
おもいと・く オモヒ― 【思ひ解く】 (動カ四)
(1)考えて疑問を解く。納得する。「雪ならばまがきにのみは積もらじと―・くにぞ白菊の花/千載(秋下)」
(2)斟酌(シンシヤク)する。大目に見る。「思ひはなつまじきあたりは,いとほしなど―・けば念じていはぬをや/枕草子 270」
思ひ許す
おもいゆる・す オモヒ― 【思ひ許す】 (動サ四)
心の中で許す。容認する。また,自分を納得させる。「『いかがはせむ。これも,さるべきにこそは』と―・して,心まうけし給へり/源氏(総角)」
思ひ譲る
おもいゆず・る オモヒユヅル 【思ひ譲る】 (動ラ四)
世話を他人に任せる。「思ふ人具したるは,おのづからと―・られて/源氏(東屋)」
思ひ貶す
おもいおと・す オモヒ― 【思ひ貶す】 (動サ四)
劣っていると考える。見下げる。「人も―・し/源氏(薄雲)」
思ひ返る
おもいかえ・る オモヒカヘル 【思ひ返る】 (動ラ四)
気持ちや考えが元に戻る。「かく言ひ契りつれば―・るべきにもあらず/蜻蛉(下)」
思ひ連ぬ
おもいつら・ぬ オモヒ― 【思ひ連ぬ】 (動ナ下二)
いろいろのことを次々と思い続ける。「うきことを―・ねて/古今(秋上)」
思ひ過ぐす
おもいすぐ・す オモヒ― 【思ひ過ぐす】 (動サ四)
(1)心にとめずに過ごしてしまう。忘れる。「今は人知れぬさまになりゆくものをと―・して/蜻蛉(下)」
(2)そのことを思い悩みながら日を過ごす。「ちぢの憂きふしを余り―・し来て/寝覚 4」
思ひ遣す
おもいおこ・す オモヒ― 【思ひ遣す】 (動サ下二)
こちらの方に思いをよこす。気づかう。「伊勢まで誰か―・せむ/源氏(賢木)」
思ひ醒す
おもいさま・す オモヒ― 【思ひ醒す】 (動サ四)
心を冷静にする。「強いてこの事を―・さむと思ふ方にて/源氏(若菜下)」
思ひ量る
おもいはか・る オモヒ― 【思ひ量る】 (動ラ四)
思いめぐらす。おもんぱかる。「よき人にあはせんと―・れど/竹取」
思ひ鎮まる
おもいしずま・る オモヒシヅマル 【思ひ鎮まる】 (動ラ四)
(1)気持ちがしずまる。「いささか―・らむ折になむ/源氏(蜻蛉)」
(2)落ち着いていて控えめである。「御身の飾りも心につかずのみ,―・り給へり/源氏(匂宮)」
思ひ鎮む
おもいしず・む オモヒシヅム 【思ひ鎮む】 (動マ下二)
気持ちをしずめる。「さかしく―・むる心も失せて/源氏(若菜下)」
思ひ限る
おもいかぎ・る オモヒ― 【思ひ限る】 (動ラ四)
あきらめる。おもいきる。「今は斯かる方に―・りつる有様になむ/源氏(手習)」
思ひ隈
おもいぐま オモヒ― 【思ひ隈】
深い思慮。深い思いやり。「―ありて,心くるしう物せさせ給ふべきなり/浜松中納言 4」
思ひ隈無し
おもいぐまな・し オモヒグマ― 【思ひ隈無し】 (形ク)
(1)相手に対して心が行き届かない。思いやりがない。「むなしく見なされたてまつらむが,いと―・かるべければ/源氏(若菜下)」
(2)考えが足りない。「などて昔の人の心掟てをもて違へて―・かりけむ/源氏(宿木)」
思ひ隔つ
おもいへだ・つ オモヒ― 【思ひ隔つ】 (動タ下二)
心に隔てをおく。よそよそしくする。「こと人なりければ―・てて御有様を聞かせぬなりけり/源氏(夕顔)」
思ひ集む
おもいあつ・む オモヒ― 【思ひ集む】 (動マ下二)
あれこれと思う。いろいろなことを思う。「つくづくと臥して―・むることぞあいなきまで多かるを/蜻蛉(中)」
思ひ離る
おもいはな・る オモヒ― 【思ひ離る】 (動ラ下二)
心が離れる。思い切る。「あはれてふことこそうたて世の中を―・れぬほだしなりけれ/古今(雑下)」
思ひ頼む
おもいたの・む オモヒ― 【思ひ頼む】 (動マ四)
頼みに思う。「あはれ,いまはかくてあるべき物と―・むに/寝覚 4」
思ひ頽る
おもいくずお・る オモヒクヅホル 【思ひ頽る】 (動ラ下二)
がっかりして気が弱くなる。気がくじける。「われ亡くなりぬとて口惜しう―・るな/源氏(桐壺)」
思ひ顔
おもいがお オモヒガホ 【思ひ顔】
(1)心の中の思いが表れている顔つき。「つれなさを憂しと思へる人はよに笑みせじとこそ―なれ/落窪 1」
(2)恋しく思っているような顔つき。「思はぬ人を―にとりなす言の葉/源氏(総角)」
思ひ馴る
おもいな・る オモヒ― 【思ひ馴る】 (動ラ下二)
そう思うことが習慣となる。「うらみ侘び待たじ今はの身なれども―・れにし夕暮の空/新古今(恋四)」
思ふ
も・う モフ 【思ふ・念ふ】 (動ハ四)
〔「おもう」の転〕
思う。「みやびたる花と我(アレ)―・ふ/万葉 852」
思ふ思ふ
おもうおもう オモフオモフ 【思ふ思ふ】 (副)
思いながら。思いつつ。「重ねてのたまへれば,苦しと―参りぬ/源氏(若菜下)」
思ふ様
おもうよう オモフヤウ 【思ふ様】 (名・形動ナリ)
(1)心の中に思っていること。考え。「―ありてものし給へるにや/源氏(藤裏葉)」
(2)望みどおりのさま。「男君,―におはすめり/落窪 3」
思へらく
おもえらく オモヘ― 【思へらく・以為らく】
〔動詞「思う」に完了の助動詞「り」の付いた「思えり」のク語法。漢文訓読に由来する語〕
思っていることには。「蝦夷―,軍衆(イクサヒト)猶多(サワ)なりと/日本書紀(舒明訓)」
思ほえず
おもほえ∘ず 【思ほえず】 (連語)
〔動詞「おもほゆ」の未然形「おもほえ」に打ち消しの助動詞「ず」の付いたもの〕
思いがけなく。副詞的に用いる。「―∘ずふるさとにいとはしたなくてありければ心地惑ひにけり/伊勢 1」
思ほし
おもお・し オモホシ 【思ほし】 (形シク)
⇒おもほし
思ほし
おもほ・し 【思ほし】 (形シク)
〔動詞「おもふ(思)」の形容詞化〕
心の中で望んでいる。望ましい。「―・しき言(コト)も通はず/万葉 3969」
思ほしめす
おもおしめ・す オモホシ― 【思ほしめす】 (動サ四)
⇒おもほしめす
思ほしめす
おもほしめ・す 【思ほしめす】 (動サ四)
「思う」の尊敬語。おぼしめす。「万代に国知らさむと…神ながら―・して/万葉 4266」
思ほす
おもお・す オモホス 【思ほす】 (動サ四)
⇒おもほす
思ほす
おもほ・す 【思ほす】 (動サ四)
〔「おもふ(思)」に尊敬の助動詞「す」の付いた「おもはす」の転〕
「思う」の尊敬語。
(1)お思いになる。「をそろと我(アレ)を―・さむかも/万葉 654」
(2)心の中の動きを表す動詞の上に付けて,その動作主への尊敬の意を加える。「たえて―・し忘れなむ事も/源氏(夕顔)」
思ほす
おぼほ・す 【思ほす】 (動サ四)
〔「おもほす」の転〕
「思う」の尊敬語。お思いになる。おもほす。おぼす。「飽かずあはれなるものに―・して/源氏(桐壺)」
思ほゆ
おもお・ゆ オモホユ 【思ほゆ】 (動ヤ下二)
⇒おもほゆ
思ほゆ
おぼお・ゆ オボホユ 【思ほゆ】 (動ヤ下二)
⇒おぼほゆ
思ほゆ
おもほ・ゆ 【思ほゆ】 (動ヤ下二)
〔「おもふ(思)」の未然形「おもは」に自発の助動詞「ゆ」の付いた「おもはゆ」の転〕
思われる。「瓜食(ハ)めば子ども―・ゆ/万葉 802」
思ほゆ
おぼほ・ゆ 【思ほゆ】 (動ヤ下二)
〔「おもほゆ」の転〕
「おもほゆ」に同じ。「恋しきに難波の事も―・えず誰すみよしの松と言ひけん/古本説話 5」
思やる
おもや・る 【思やる】 (動ラ四)
〔「おもいある」の転〕
思いなさる。同輩,またはそれ以下の者に対していう。「宵からいくら取られたと―・る/咄本・鹿の巻筆」
思わく
おもわく オモハク [0] 【思惑・思わく】
〔「おもう」のク語法から。「惑」は当て字〕
(1)思うところ。考え。意図。見込み。期待。「彼には何か―があるらしい」「―がはずれる」「―どおり」
(2)他の人々の考え。評判。気うけ。「世間の―を気にする」
(3)相場の変動を予想すること。また,その予想によって利益を得ることを目的に売買すること。
(4)恋い慕う気持ち。恋心。「吉三郎方より―数々の文(フミ)おくりける心ざし互に入り乱れて/浮世草子・五人女 4」
(5)恋い慕っている相手。意中の人。「いはねどしるき四天王の―たち/浄瑠璃・関八州繋馬」
(6)〔「おもう」のク語法〕
(ア)思うこと。「君を―止む時なし/万葉 3189」
(イ)思うことには。「自ら―『…』 と思ふに/今昔 1」
思わしい
おもわし・い オモハシイ [4] 【思わしい】 (形)[文]シク おもは・し
(1)(普通,打ち消しを伴って)思いどおりで望ましい。よいと思われる。「―・い進展が見られない」「病状が―・くない」
(2)好ましく思われる。愛着を感ずる。「ゆゆしく心うくおぼえて,女(ムスメ)の―・しさも失せぬ/宇治拾遺 9」
思わしい
おもわしい【思わしい(くない)】
(un)satisfactory;→英和
promising (disappointing).
思わず
おもわず【思わず】
in spite of oneself;involuntarily;→英和
unconsciously.→英和
思わず
おもわず オモハズ [2] 【思わず】
■一■ (副)
(1)意識せずに。知らずに。考えずに。「あまりのおかしさに―吹き出した」「―口走る」
(2)思いもかけず。意外にも。「―も雲居を出づる春の夜の,月の都の名残かな/謡曲・国栖」
■二■ (形動ナリ)
(1)心外だ。面白くない。「女御・更衣といへど…うちまじりて,―なることもあれど/源氏(若菜下)」
(2)思いもかけないさま。予想外だ。「また,御末に―なることのうちまじり/大鏡(師輔)」
思わせる
おもわせる【思わせる】
make <a person> think[believe];remind <a person of> ;→英和
be suggestive <of> (連想させる).
思わせ振り
おもわせぶり オモハセ― [0] 【思わせ振り】 (名・形動)[文]ナリ
人に気をもたせるような態度や振る舞いをする・こと(さま)。「―なことを言う」
思わせ振りな
おもわせぶり【思わせ振りな】
suggestive <air> ;→英和
coquettish (女が).
思わぬ
おもわぬ オモハ― 【思わぬ】 (連語)
〔動詞「思う」に打ち消しの助動詞「ぬ」の連体形が付いたもの〕
連体詞的に用いる。思いもよらない。意外な。「―誤解を受ける」
思わぬ
おもわぬ【思わぬ】
unexpected;→英和
unlooked-for.
思われる
おもわれる【思われる】
(1) seem <to be> ;→英和
appear <to be> (と見える);→英和
be regarded[thought of]as (と見なされる).
(2) be loved (愛される).
良く(悪く)〜 be well (ill) thought of <by others> .
思入れ
おもいれ 【思入れ】
〔「おもいいれ」の転〕
■一■ (名)
(1)思いを寄せること。「ある宗匠―の女郎ありて買つて見た所が/洒落本・柳巷訛言」
(2)おもわく。考え。「あすこは新造かひでちと―がある/洒落本・売花新駅」
(3)歌舞伎などで,しぐさや表情により心理状態を表すこと。
■二■ (副)
思う存分に。「湯でも―飲みなせえ/滑稽本・膝栗毛 2」
思入れ三重
おもいれさんじゅう [5] 【思入れ三重】
俳優が思い入れを演じる時,これに合わせて弾く三味線の囃子(ハヤシ)。
思兼神
おもいかねのかみ オモヒカネ― 【思兼神・思金神】
記紀神話の神。高皇産霊尊(タカミムスヒノミコト)の子で思慮の神。天の岩屋戸に隠れた天照大神(アマテラスオオミカミ)を,慰め誘い出す方法を考え出した。また,葦原中国(アシハラノナカツクニ)平定の使者を選定し,瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に従って地上に下った。八意思兼神(ヤゴコロオモイカネノカミ)。
思出の記
おもいでのき オモヒデ― 【思出の記】
小説。徳富蘆花作。1900(明治33)〜1901年発表。明治の青年の,新しい時代を背景とした近代的知識人へ成長する過程を描く自伝的教養小説。
思召
おぼしめし【思召】
[御意見]your opinion;[好み]your fancy[taste].〜にかなう suit a person's fancy.
思国歌
くにしのびうた 【思邦歌・思国歌】
〔上代は「くにしのひうた」〕
故郷をしのんで詠んだ歌。くにしぬびうた。「この歌は―なり/古事記(中訓)」
思察
しさつ [0] 【思察】 (名)スル
よく考えること。「予この事を勤めて―し/西国立志編(正直)」
思弁
しべん [0] 【思弁】 (名)スル
(1)よく考えてものの道理をわきまえること。
(2)〔哲〕
〔(ギリシヤ) theōria; (ラテン) speculatio〕
実践や経験を介さないで,純粋な思惟・理性のみによって事物の真相に到達しようとすること。理論。観想。実践や経験を重んじる立場からは,抽象的理論・空論の意となる。
→観想
思弁
しべん【思弁】
speculation.
思弁哲学
しべんてつがく [5][4] 【思弁哲学】
思弁を根拠・方法とする哲学。古代ギリシャ哲学・大陸合理論など,経験に対して理性を重んずる哲学はおおむねこの傾向にあるが,特にフィヒテ・シェリング・ヘーゲルなどのドイツ観念論哲学をさしていう場合がある。
思弁的
しべんてき [0] 【思弁的】 (形動)
経験によらず,思考や論理にのみ基づいているさま。
思念
しねん [1] 【思念】 (名)スル
心に思うこと。常に心にかけること。「―をこらす」「天国を―する」
思惑
しわく [0] 【思惑】
〔仏〕「修惑(シユワク)」に同じ。
思惑
おもわく【思惑】
(1) (a) thought;→英和
intention;→英和
expectation;→英和
calculation.(2) speculation (投機).
〜買い(をする) speculative buying (speculate <in> ).
思惑
おもわく オモハク [0] 【思惑・思わく】
〔「おもう」のク語法から。「惑」は当て字〕
(1)思うところ。考え。意図。見込み。期待。「彼には何か―があるらしい」「―がはずれる」「―どおり」
(2)他の人々の考え。評判。気うけ。「世間の―を気にする」
(3)相場の変動を予想すること。また,その予想によって利益を得ることを目的に売買すること。
(4)恋い慕う気持ち。恋心。「吉三郎方より―数々の文(フミ)おくりける心ざし互に入り乱れて/浮世草子・五人女 4」
(5)恋い慕っている相手。意中の人。「いはねどしるき四天王の―たち/浄瑠璃・関八州繋馬」
(6)〔「おもう」のク語法〕
(ア)思うこと。「君を―止む時なし/万葉 3189」
(イ)思うことには。「自ら―『…』 と思ふに/今昔 1」
思惑売り
おもわくうり オモハク― [0] 【思惑売り】
相場の値下がりを見込んで売ること。見越し売り。
⇔思惑買い
思惑師
おもわくし オモハク― [4] 【思惑師】
思惑で売買をする人。相場師。
→山師
思惑買い
おもわくがい オモハクガヒ [0][4] 【思惑買い】
相場の値上がりを見込んで投機的に買うこと。見越し買い。
⇔思惑売り
思惑違い
おもわくちがい オモハクチガヒ [5] 【思惑違い】
自分の考え・予想と違うこと。見込み違い。
思惟
しゆい [1] 【思惟】 (名)スル
(1)〔仏〕 思いはからうこと。考えること。分別すること。思考。しい。
(2)「しい(思惟)」に同じ。「さらに出直ほして―して見て/浮雲(四迷)」
思惟
しい [1] 【思惟】 (名)スル
(1)考えること。思考。しゆい。「其―する所甚だ卑下にして/明六雑誌 19」
(2)〔仏〕「しゆい(思惟)」に同じ。
(3)〔哲〕「思考(シコウ){(2)}」に同じ。
思惟する
しい【思惟する】
think;→英和
consider;→英和
speculate.→英和
思惟経済
しいけいざい シヰ― [3] 【思惟経済】
⇒思考経済(シコウケイザイ)
思想
しそう [0] 【思想】
(1)人がもつ,生きる世界や生き方についての,まとまりのある見解。多く,社会的・政治的な性格をもつものをいう。
(2)〔哲〕
〔thought〕
単なる直観の内容に論理的な反省を施して得られた,まとまった体系的な思考内容。
(3)考えること。考えつくこと。「道上に於て,―することあれば,これを記録せり/西国立志編(正直)」
思想
しそう【思想】
thought;→英和
an idea.→英和
〜が豊か(貧弱)である be rich (poor) in ideas.〜を取り締まる control thoughts.〜を練る train one's ideas.‖思想家 a thinker.思想取締 thought control.思想問題 a thought problem.危険思想 dangerous thoughts.
思想の自由
しそうのじゆう 【思想の自由】
憲法が保障する基本的人権の一。人がどのような思想をもっていても,それを理由に社会的不利益を受けることのない自由。
思想劇
しそうげき [2] 【思想劇】
人生観・世界観・宗教観など思想的な問題を主題とする劇。イプセン・ストリンドベリ・ショーなどの劇の類。
思想家
しそうか [0] 【思想家】
思想を,深く豊かにもっている人。思想の面で,社会的影響力をもっている人。
思想犯
しそうはん [2] 【思想犯】
(1)確信犯の一。思想上の主義主張の相違による犯罪。
(2)もと治安維持法に触れる犯罪の通称。また,その犯罪者。
思想犯保護観察法
しそうはんほごかんさつほう 【思想犯保護観察法】
治安維持法違反に問われた(刑期終了・仮出獄・執行猶予・不起訴)者を,再犯防止のため保護観察に付することを規定した法律。1936年(昭和11)制定,45年廃止。
思想警察
しそうけいさつ [4] 【思想警察】
反政府的ないし反体制的思想の取り締まりを任務とする警察。戦前の特別高等警察など。
思想闘争
しそうとうそう [4] 【思想闘争】
共産主義運動において,革命的プロレタリア思想をもってするブルジョア思想との闘争。
思慕
しぼ [1] 【思慕】 (名)スル
したうこと。恋しく思うこと。「―の念」「別れた母を―する」
思慕
しぼ【思慕】
deep attachment;longing;→英和
yearning.→英和
〜する love dearly;long <for> ;→英和
yearn <after> .→英和
思慮
しりょ【思慮】
thought;→英和
consideration;→英和
prudence (分別).→英和
〜のある(ない) (in)considerate;→英和
(im)prudent;→英和
thoughtful (thoughtless).→英和
思慮
しりょ [1] 【思慮】 (名)スル
いろいろと慎重に考えること。おもんぱかり。「―に欠けた行動」「常に郷里の事を―する暇(イトマ)なかりしが/花間鶯(鉄腸)」
思慮分別
しりょふんべつ [1][1] 【思慮分別】
慎重に考えて物事を判断すること。
思料
しりょう [0] ―リヤウ 【思量】 ・ ―レウ 【思料】 (名)スル
いろいろと考えること。おもんぱかること。思慮。「客人ならんと―せしかば小腰を屈めて前掛けに手を拭ひ/新粧之佳人(南翠)」
思春期
ししゅんき【思春期】
puberty.→英和
〜の adolescent.→英和
思春期
ししゅんき [2] 【思春期】
児童期から青年期への移行期。もしくは青年期の前半。第二次性徴が現れ,異性への関心が高まる年頃。一一,二歳から一六,七歳頃をいう。春機発動期。青春期。
思春期痩せ症
ししゅんきやせしょう [6] 【思春期痩せ症】
思春期の女子に多く見られる疾患。拒食により体重が極端に減少する。心理的要因が多い。
→食欲異常
思案
しあん 【思案】
⇒石橋(イシバシ)思案
思案
しあん【思案】
meditation;consideration.→英和
〜する think <about> ;→英和
consider;→英和
meditate <on> .→英和
〜に余る be at one's wit's end.〜に暮れる be lost in thought;be at a loss.→英和
‖思案顔 <with> a thoughtful look.
思案
しあん [1] 【思案】 (名)スル
(1)考えをめぐらすこと。また,その考え。「―をめぐらす」「左様なこともあらうか位に―して/小公子(賤子)」
(2)心配。ものおもい。「―の種」
思案所
しあんどころ [4] 【思案所】
よく考えねばならない場合。思案のしどころ。「ここが―」
思案投げ首
しあんなげくび [1][2] 【思案投(げ)首】
名案が浮かばず,困りきって首を傾けていること。「―の体(テイ)」
思案投首
しあんなげくび [1][2] 【思案投(げ)首】
名案が浮かばず,困りきって首を傾けていること。「―の体(テイ)」
思案橋
しあんばし [2] 【思案橋】
渡ろうか渡るまいかと,思いあぐねるという橋。各地にこの名の橋があり,本来は橋占(ハシウラ)の行われた所という。
思案顔
しあんがお [0] 【思案顔】
深く考えこんでいる顔つき。
思潮
しちょう [0] 【思潮】
ある時代の思想の主な流れ。「時代―」「文芸―」
思潮
しちょう【思潮】
the trend of thought.現代思潮 contemporary thought.
思索
しさく【思索】
meditation;speculation;contemplation.→英和
〜する think <about,over> ;→英和
speculate[meditate] <on> ;→英和
contemplate.→英和
〜的 speculative;→英和
meditative.〜にふける be lost in meditation.‖思索家 a thinker.
思索
しさく [0] 【思索】 (名)スル
筋道を立てて深く考えること。思惟。「―にふける」「静かに―する」
思考
しこう【思考】
thinking;→英和
consideration;→英和
thought.→英和
〜する think;→英和
consider.→英和
‖思考力 thinking power.
思考
しこう [0] 【思考】 (名)スル
(1)考えること。また,その考え。「誤った―」「余は―す,故に余は存在す/吾輩は猫である(漱石)」
(2)〔哲〕
〔thinking〕
意志・感覚・感情・直観などと区別される人間の知的作用の総称。物事の表象を分析して整理し,あるいはこれを結合して新たな表象を得ること。狭義には概念・判断・推理の作用による合理的・抽象的な形式の把握をさす。思惟。
〔明治期につくられた語〕
思考の原理
しこうのげんり 【思考の原理】
論理的な思考において欠くことのできない根本的な法則。普通,同一律・矛盾律・排中律・充足理由律の四つをさす。
思考力
しこうりょく [2] 【思考力】
思考する力。考える能力。
思考実験
しこうじっけん [4] 【思考実験】
〔物〕 実行可能性にとらわれず,単純化された装置などの条件を想定して,そこで起こると考えられる現象を理論的に追究すること。物理量の定義法として,また理論の矛盾の検証などに利用する。
思考経済
しこうけいざい [4] 【思考経済】
〔(ドイツ) Denkökonomie〕
できるだけ多くの事実をできるだけ少ない思考の労力で記述することを科学的認識の目標と考える説。マッハ(E. Mach)らによって説かれたが,プラグマティズムにもこの考えが見られる。思惟経済。
思考障害
しこうしょうがい [4] 【思考障害】
〔心〕 思考の過程や内容,体験様式に異常をきたすこと。思考過程の異常には思考制止・観念奔逸などがあり,そのほかに,妄想は思考内容の異常,強迫観念は思考を体験する様式の異常,とされる。
思議
しぎ [1] 【思議】 (名)スル
思いはかること。考えめぐらすこと。「かく―する間,終始我心目の前に往来するものは/即興詩人(鴎外)」
思邦歌
くにしのびうた 【思邦歌・思国歌】
〔上代は「くにしのひうた」〕
故郷をしのんで詠んだ歌。くにしぬびうた。「この歌は―なり/古事記(中訓)」
思郷
しきょう [0] 【思郷】
故郷をなつかしく思うこと。
思量
しりょう [0] ―リヤウ 【思量】 ・ ―レウ 【思料】 (名)スル
いろいろと考えること。おもんぱかること。思慮。「客人ならんと―せしかば小腰を屈めて前掛けに手を拭ひ/新粧之佳人(南翠)」
思金神
おもいかねのかみ オモヒカネ― 【思兼神・思金神】
記紀神話の神。高皇産霊尊(タカミムスヒノミコト)の子で思慮の神。天の岩屋戸に隠れた天照大神(アマテラスオオミカミ)を,慰め誘い出す方法を考え出した。また,葦原中国(アシハラノナカツクニ)平定の使者を選定し,瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に従って地上に下った。八意思兼神(ヤゴコロオモイカネノカミ)。
怠い
だる・い [2][0] 【怠い・懈い】 (形)[文]ク だる・し
〔近世「たるい」とも〕
(1)疲れていて,からだに力がない。動くのがおっくうである。「熱があるのか体が―・い」
(2)しまりがない。きちんとしない。「下げ髪の―・い姿をようは見てゐる事とそしりて/浮世草子・男色大鑑 7」「ナワガ―・イ/ヘボン」
(3)(「たるい」の形で)味が甘く感ずる。「甘っ―・い」「コノ酒ワ―・イ/ヘボン(三版)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
怠く
なま・く 【怠く・懶く】 (動カ下二)
⇒なまける
怠ける
なまける【怠ける】
be idle[lazy];neglect <one's work> ;→英和
idle away one's time.
怠ける
なま・ける [3] 【怠ける・懶ける】 (動カ下一)[文]カ下二 なま・く
(1)すべきことをしないで無駄にすごす。「仕事を―・ける」「学校を―・ける」
(2)だらけている。なまぬるくなる。また,なまる。「おれも上州の新田で育つた故,京の詞は―・けて悪い/浄瑠璃・神霊矢口渡」
(3)元気がなくなる。「とんだ顔つきが―・けて来た/滑稽本・続膝栗毛」
怠け癖
なまけぐせ【怠け癖(がつく)】
(fall into) idleness.
怠け癖
なまけぐせ [0] 【怠け癖】
怠けて,すべきことをしないですまそうとする習慣。「―がつく」
怠け者
なまけもの【怠け者】
a lazy person;an idler; <話> a lazybones.→英和
怠け者
なまけもの [0][5] 【怠け者・懶け者】
(1)仕事や勉強を怠ける人。怠けてばかりいる人。怠惰(タイダ)な人。
(2) [0]
(「樹懶」と書く)貧歯目ナマケモノ科に属する哺乳動物の総称。一見サルに似た体形で,体長60センチメートル前後。耳は目立たず,尾は短いか無い。常に肢端のかぎ爪を木の枝にかけてぶら下がっている。きわめて不活発で,全身をおおう長い毛は,付着したコケのためにしばしば緑色を帯びる。中南米の森林にすむ。ミツユビナマケモノ・フタユビナマケモノなど。
樹懶(2)[図]
怠し
だる・し 【怠し】 (形ク)
⇒だるい
怠り
おこたり [0] 【怠り】
(1)怠ること。なまけること。手落ちがあること。「―なく準備する」「用意おさおさ―なし」
(2)怠慢や宿命によって生ずるあやまち。過失。失敗。また,罪。「ひがひがしき人に従ひにたる心の―ぞ/源氏(明石)」
(3)あやまちをわびること。謝罪。「泣く泣く―を言へど/堤中納言(はいずみ)」
怠り文
おこたりぶみ 【怠り文】
あやまちを謝罪する文書。謝罪文。「かやうに名簿に―をそへていだす/宇治拾遺 11」
怠る
おこた・る [0][3] 【怠る】 (動ラ五[四])
(1)しなければならないことを,なまけ心や不注意によりしないままでいる。なまける。さぼる。「事件の報告を―・る」「注意義務を―・る」「準備を―・らない」
(2)病気の勢いが弱まる。良くなる。「―・りおはしまさずとも少しのしるしはあるべかりしことよ/大鏡(三条)」
(3)途切れる。中断する。「―・る間なく洩りゆかば,やがて尽きぬべし/徒然 137」
(4)油断する。気がゆるむ。「君はおぼし―・る時の間もなく/源氏(帚木)」
[可能] おこたれる
怠る
おこたる【怠る】
neglect <one's studies> ;→英和
be neglectful <of one's duties> .
怠学
たいがく [0] 【怠学】
勉強を怠けて,学校に行かないこと。
怠惰
たいだ [1] 【怠惰】 (名・形動)[文]ナリ
なまけること。なまけてだらしないこと。また,そのさま。「―な生活」
怠惰な
たいだ【怠惰な】
idle;→英和
lazy;→英和
indolent.→英和
怠慢
たいまん [0] 【怠慢】 (名・形動)[文]ナリ
なまけおこたること。なまけてするべき事をしないこと。また,そのさま。「職務―」「―のそしりを免れない」
[派生] ――さ(名)
怠慢
たいまん【怠慢】
negligence;→英和
neglect.→英和
〜な negligent;→英和
neglectful.→英和
〜である neglect <one's duties> .
怠業
たいぎょう [0] 【怠業】
⇒サボタージュ
怠業
たいぎょう【怠業】
<go on> a slowdown (strike).→英和
怠業的行為
たいぎょうてきこうい [7] 【怠業的行為】
公務員による政府または地方公共団体の機関の活動・能率を低下させるような行為。法律で禁止されている。
怠状
たいじょう [0] 【怠状】
(1)過怠を謝る手紙。謝罪状。おこたりぶみ。過状。「かくばかり名符に―を副へて奉れるに/今昔 25」
(2)あやまること。謝罪。「車より引き落て,さる事いはじやと―せさせて許してけり/十訓 4」
怠納
たいのう [0] 【怠納】 (名)スル
納付を怠って定められた期限を過ごすこと。「授業料を―する」
怡土
いと 【伊都・怡土】
⇒伊都国(イトノクニ)
怡土城
いとじょう 【怡土城】
福岡県前原市の高祖山にあった山城。768年完成。新羅(シラギ)との関係悪化から築かれ,大宰府の守りとされた。土塁・礎石などが残る。
怡怡
いい [1] 【怡怡】 (ト|タル)[文]形動タリ
喜び楽しむさま。「煕煕(キキ)として語り―として笑ひ/佳人之奇遇(散士)」
怡悦
いえつ [0] 【怡悦】 (名)スル
たのしみ喜ぶこと。「我が人をして…―せしむべき句ぞと/即興詩人(鴎外)」
怡楽
いらく [1] 【怡楽】 (名)スル
喜び楽しむこと。「苦痛に打勝つて―を得よう/一隅より(晶子)」
怡渓
いけい 【怡渓】
(1644-1714) 江戸前・中期の僧・茶人。号,宗悦。大徳寺第二五四世住持。江戸東海寺高源院の開山。片桐石州に茶を学ぶ。のち,自らを祖として石州流怡渓派をたてる。
怡渓派
いけいは 【怡渓派】
石州流茶道の一流派。怡渓宗悦を祖とする。江戸怡渓と越後怡渓とがある。
怡然
いぜん [0] 【怡然】 (ト|タル)[文]形動タリ
喜ぶさま。楽しむさま。「心は―として楽しんで居るのじや/金色夜叉(紅葉)」
急
きゅう キフ [0] 【急】
■一■ (形動)[文]ナリ
(1)流れや進み方が速いさま。「流れが―だ」「―ピッチ」
(2)前ぶれもなく物事が起こるさま。また,変化が突然なさま。にわか。「―な話」「―に雨が降り出す」「病状が―に悪化する」
(3)さし迫っているさま。急がなければならないさま。「―な用事」「―にはできかねる」
(4)傾斜の度合の大きいさま。険しいさま。「―な坂」「―カーブ」
(5)(責める勢いなどが)厳しいさま。「催促が―だ」
(6)気短なさま。性急。「いと―に剛(コワ)き人になむ侍る/宇津保(国譲下)」
■二■ (名)
(1)急ぐこと。また,急がなければならないこと。「―を要する」
(2)さし迫った事態。危険な事態。「―を知らせる」「風雲―を告げる」「―に備える」「―を救う」
(3)日本の芸能の理論用語「序破急」の第三区分。
→序破急
急
きゅう【急】
(1)[危急](an) emergency;→英和
a crisis;→英和
(a) danger.→英和
(2) urgency (緊急).
〜な urgent;→英和
pressing;→英和
sudden (突然);→英和
steep <slope> ;→英和
sharp <turn> ;→英和
rapid <current> .→英和
〜に hastily;suddenly;quickly;→英和
immediately.→英和
急いては事を仕損(シソン)ずる
急いては事を仕損(シソン)ずる
急ぐとかえって失敗する。
急かす
せかす【急かす】
expedite;→英和
hurry;→英和
rush.→英和
急かす
せか・す [2] 【急かす】
■一■ (動サ五[四])
「せかせる」に同じ。「そう―・さないでほしい」
■二■ (動サ下二)
⇒せかせる
急かせる
せか・せる [3] 【急かせる】 (動サ下一)[文]サ下二 せか・す
(1)早くするように促す。「職人を―・せる」
(2)じらす。腹を立てさせる。「面当てに外の女郎に会うて―・せん/浮世草子・御前義経記」
急がす
いそが・す [3] 【急がす】 (動サ五[四])
早くやるようにさせる。いそがせる。「そう―・すものではない」
急がせる
いそが・せる [4] 【急がせる】 (動サ下一)
「いそがす」に同じ。「車を―・せる」
急がせる
いそがせる【急がせる】
hasten <the work> ;→英和
urge <a person> (on).→英和
急がば回れ
急がば回れ
急ぐときには,危険な近道より,遠くても安全な本道を通るほうが結局早い。安全で,着実な方法をとれといういましめ。
急き切る
せきき・る 【急き切る】 (動ラ四)
気がせいてあせる。「『…尋ねて��』と―・る女房/浄瑠璃・阿波の鳴門」
→息急き切る
急き心
せきごころ 【急き心】
いそぎあせる気持ち。「―になつて,我にうそをいふ物か/浮世草子・一代男 7」
急き来る
せき・くる [3] 【急き来る】 (動カ変)[文]カ変 せき・く
(涙や激情などが)こみあげてくる。「―・くる涙を胸に湛へて/鉄仮面(涙香)」
急き立つ
せきた・つ 【急き立つ】
■一■ (動タ五[四])
あせる。いそぐ。「―・つ心を静める」
■二■ (動タ下二)
⇒せきたてる
急き立てる
せきた・てる [4][0] 【急き立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 せきた・つ
早くするようにと促す。急がせる。「早く早くと―・てる」「フネガ出ルトテ人ヲ―・テル/ヘボン(二版)」
急き立てる
せきたてる【急き立てる】
hurry <up> ;→英和
hasten;→英和
urge <on> .→英和
急き込む
せきこ・む [3][0] 【急き込む】 (動マ五[四])
ひどく心がせく。あせってことをする。「―・んで話す」
急き込む
せきこむ【急き込む】
get excited[agitated,flurried].
急ぎ
いそぎ [3][0] 【急ぎ】
(1)いそぐこと。急を要すること。副詞的にも用いる。「―の用事」「―引き返す」
(2)支度。準備。「このごろの出でたち―を見れど/土左」
急ぎ
いそぎ【急ぎ】
hurry;→英和
haste.→英和
〜の <on> urgent <business> .→英和
〜足で at a quick pace.
急ぎ物
いそぎもの [0][5] 【急ぎ物】
(1)急いでしなければならない事。
(2)取引で,月末換金や船積みなどの必要に迫られて,損を覚悟で売買する品物。
急ぎ足
いそぎあし [3] 【急ぎ足】
急いでいる足どり。はやあし。
急く
せく【急く】
<be in a> hurry;→英和
hasten;→英和
be impatient (あせる);[急きたてる]urge;→英和
press.→英和
急く
せ・く [1] 【急く】 (動カ五[四])
(1)早くしようとあせる。いそぐ。また,あせっていらいらする。「気が―・く」「一刻を―・く程の用事でも無い/斑鳩物語(虚子)」
(2)息づかいなどが激しくなる。せわしくなる。「息が―・く」
(3)(怒り・悲しみなどの気持ちが)こみあげる。「阿古屋は読みも果て給はずはつと―・きたるけしきにて/浄瑠璃・出世景清」
(4)いそがせる。せかす。「はや立退け,さあ立退けと―・きければ/浄瑠璃・平家女護島」
急ぐ
また・ぐ 【急ぐ】 (動ガ四)
心がはやる。あせる。「いつしかと―・ぐ心をはぎにあげて/古今(雑体)」
急ぐ
いそぐ【急ぐ】
(be in a) hurry;→英和
hasten;→英和
make haste.仕事を〜 speed (up) one's work.道を〜 make the best of one's way.急いで in a hurry;in haste;hastily;hurriedly.
急ぐ
いそ・ぐ [2] 【急ぐ】 (動ガ五[四])
(1)普通よりも短い時間で事をしようとする。早くやる。「着工を―・ぐ」「解決が―・がれる」
(2)目的地へ早く着こうとする。早く進む。「駅へ―・ぐ」「家路を―・ぐ」
(3)支度をする。準備する。「御はての事―・がせ給ふ/源氏(総角)」
[可能] いそげる
急の舞
きゅうのまい キフ―マヒ [0] 【急の舞】
能の舞の一。最も急テンポの舞。伴奏の囃子(ハヤシ)は,笛・小鼓・大鼓。曲により太鼓を加える。「道成寺」「淡路」などの曲にある。
急めく
いそめ・く 【急めく】 (動カ四)
いそがしそうに振る舞う。「ゆゆしげに―・きあはれけるに/弁内侍日記」
急カーブ
きゅうカーブ【急カーブ】
<make> a sharp[sudden]turn.
急テンポ
きゅうテンポ キフ― [3] 【急―】 (名・形動)
テンポが急なこと。またそのさま。急調子。「―な町の発展」
急テンポ
きゅうテンポ【急テンポ】
a quick tempo.〜の[で]double-quick.
急ピッチ
きゅうピッチ キフ― [3] 【急―】 (名・形動)
調子・進行などが急速な・こと(さま)。「―で工事が進む」「太鼓の―な連打」
急上昇
きゅうじょうしょう キフジヤウシヨウ [3] 【急上昇】 (名)スル
(1)飛行機やヘリコプターなどが,急角度で上昇すること。
⇔急降下
(2)数値などが急激に上昇すること。「株価が―する」
急事
きゅうじ キフ― [1] 【急事】
急に起こった事件。急を要する事柄。
急伸
きゅうしん キフ― [0] 【急伸】 (名)スル
(1)売り上げ・利益・業績などが急に伸びること。
(2)株価・相場などが急に上がること。「株価が―する」
急使
きゅうし【急使】
an express messenger.
急使
きゅうし キフ― [0][1] 【急使】
急ぎの使い。「―をたてる」
急便
きゅうびん キフ― [0] 【急便】
急ぎの通信。急ぎの使い。
急信
きゅうしん キフ― [0] 【急信】
急を要する通信。急報。
急停車
きゅうていしゃ【急停車】
<come to,be brought to> a sudden stop.
急傾斜の
きゅうけいしゃ【急傾斜の】
steep <ascent (登り),descent (降り)> .→英和
急先鋒
きゅうせんぽう【急先鋒】
a forerunner;→英和
a leader.→英和
急先鋒
きゅうせんぽう キフ― [3] 【急先鋒】
社会運動や論争などの時,先頭に立って勢いよく活動すること。また,その人。「改革派の―」
急冷
きゅうれい キフ― [0] 【急冷】 (名)スル
急速に冷やすこと。急に冷えること。
急切
きゅうせつ キフ― [0] 【急切】 (名・形動)[文]ナリ
さしせまっている・こと(さま)。切迫。「機関砲を運び来つて―なる射撃を加へた/肉弾(忠温)」
急劇
きゅうげき キフ― [0] 【急激・急劇】 (形動)[文]ナリ
変化や行動などが急で,はげしいさま。「事態は―に悪化した」「―な変化」
急務
きゅうむ【急務】
a pressing need;urgent business.
急務
きゅうむ キフ― [1] 【急務】
急いでしなければならない仕事や任務。「インフレ抑制が―だ」
急募
きゅうぼ キフ― [1][0] 【急募】 (名)スル
大急ぎで募集すること。「店員を―する」
急勾配
きゅうこうばい キフ― [3] 【急勾配】
傾斜が急であること。傾斜が強い斜面。
⇔緩勾配
急勾配の
きゅうこうばい【急勾配の】
steep <slope> .→英和
急告
きゅうこく キフ― [0] 【急告】 (名)スル
急いで広く知らせること。また,急ぎの知らせ。「危険を―する」
急告
きゅうこく【急告】
an urgent notice.
急命
きゅうめい キフ― [0] 【急命】
緊急の命令。急を要する命令。
急坂
きゅうはん キフ― [0] 【急坂】
傾斜の急な坂。峻坂(シユンパン)。
急報
きゅうほう キフ― [0] 【急報】 (名)スル
急いで知らせること。急ぎの知らせ。「事件を―する」「―に接する」
急報
きゅうほう【急報】
<send> an urgent message;a dispatch.→英和
〜する report promptly;give the alarm (火事を).→英和
急場
きゅうば【急場】
(an) emergency;→英和
a crisis.→英和
〜の間に合わせる devise a makeshift.→英和
〜をしのぐ tide over a crisis.→英和
急場
きゅうば キフ― [0] 【急場】
早急に対処しなければならないさし迫った場面。せっぱつまった場合。「―を切り抜ける」「―をしのぐ」
急場凌ぎ
きゅうばしのぎ キフ― [4] 【急場凌ぎ】
さし迫った場面を切り抜けるための間に合わせの処置。「―の対策」
急増
きゅうぞう キフ― [0] 【急増】 (名)スル
急に増えること。
⇔急減
「―する都市人口」
急増
きゅうぞう【急増】
a sudden increase.〜する increase suddenly[rapidly].
急変
きゅうへん キフ― [0] 【急変】 (名)スル
(1)急激に変化すること。「病状が―する」
(2)急に起こった変事。「―を知らせる」
急変する
きゅうへん【急変する】
change suddenly;take a sudden turn for the worse (容態が).→英和
急峻
きゅうしゅん キフ― [0] 【急峻】 (名・形動)[文]ナリ
傾斜が急で険しい・こと(さま)。「―な岩場」「―立てるが如き勾配/日光山の奥(花袋)」
急度
きっと 【屹度・急度】 (副)
〔「きと」の促音添加。「屹度」「急度」は当て字〕
(1) [0]
確実にそうなるだろうと予測しているさま。「明日は―晴れる」「君なら―合格するよ」
(2)自身の事柄に関しては決意を,相手に対しては強い要望を表す。必ず。「一〇日には―お返し致します」
(3) [1][0]
厳しいさま。状態にゆるみがないさま。「鉢巻を―結ぶ」「額に青筋を顕し,―詰め寄り/怪談牡丹灯籠(円朝)」
(4)動作・状態が瞬間的であるさま。「かかる怱劇の中にも其の御名残―思ひ出て/平家 7」
急急
きゅうきゅう キフキフ 【急急】 (形動ナリ)
急ぎに急ぐさま。「―なる除目(ジモク)かなと/平治(上・古活字本)」
急急如律令
きゅうきゅうにょりつりょう キフキフ―リツリヤウ [6] 【急急如律令】
中国漢代に,公文書の末尾に添えて,急々に律令のように行え,の意を示した語。のち道家・陰陽家・祈祷僧(キトウソウ)などが魔を払う呪文(ジユモン)の結びとした。また,誓詞などの末尾にも記した。
急性
きゅうせい キフ― [0] 【急性】
発病が急で病状の進行が早いこと。
⇔慢性
急性の
きゅうせい【急性の】
acute.→英和
急性肺炎 acute pneumonia.
急性アルコール中毒
きゅうせいアルコールちゅうどく キフ― [10] 【急性―中毒】
短時間で多量の飲酒をした際に起こる中毒。飲酒経験がない場合,少量の飲酒またはアルコール塗布によっても症状が現れる。血中アルコール濃度が100ミリリットル中400ミリグラムを超えると昏睡状態となり,死亡の可能性もあるため,胃洗浄などの早急な処置が必要となる。
急性中毒
きゅうせいちゅうどく キフ― [5] 【急性中毒】
化学物質が短期間内に生体に作用したとき,急に疾病状態に陥る現象。
⇔慢性中毒
急性伝染病
きゅうせいでんせんびょう キフ―ビヤウ [0] 【急性伝染病】
突然発症し,激しい症状を伴い短い経過をとる伝染性疾患の総称。腸チフス・コレラ・ペストなど。
→慢性伝染病
急性灰白髄炎
きゅうせいかいはくずいえん キフ―クワイハクズイ― [9] 【急性灰白髄炎】
ポリオ-ウイルスの感染による急性伝染病。多くは子供がかかる。経口的に感染。ウイルスは脊髄を侵し,手足の麻痺(マヒ)が起こる。現在ではワクチンの投与によりほとんどみられない。俗に小児麻痺という。ポリオ。ハイネ-メディン病。脊髄性小児麻痺。
急性肝炎
きゅうせいかんえん キフ― [5] 【急性肝炎】
ウイルス,薬物などによる肝臓の急性炎症。慢性肝炎に対する病名で,通常三〜六か月以内に治癒するものをいう。
急性腹症
きゅうせいふくしょう キフ―シヤウ [5] 【急性腹症】
突発する激しい腹痛を主徴とし,緊急に開腹手術を必要とする腹部疾患,およびこれと鑑別を要する疾患群の総括的名称。急性虫垂炎・腸閉塞・消化管穿孔など。
急患
きゅうかん キフクワン [0] 【急患】
急病の患者。
急患
きゅうかん【急患】
an emergency case (人);a sudden illness (病).
急戦
きゅうせん キフ― [0] 【急戦】
急に戦いが激しくなること。また,激しい戦い。
急所
きゅうしょ キフ― [0][3] 【急所】
(1)体の中で,打たれたり傷つけられたりすると命にかかわるような重要な所。「―をはずれる」
(2)物事の最も重要な部分。要所。要点。
急所
きゅうしょ【急所】
a vital[key]point (要点);→英和
a sore spot (痛いところ);one's weak point (弱点).〜を突く hit a person on a sore spot.〜を突いた(はずれた)質問 a question to the point (beside the mark).
急拵え
きゅうごしらえ キフゴシラヘ [3] 【急拵え】
急場しのぎに間に合わせのものをこしらえること。また,そのもの。「―の屋台」
急文字
いそもじ 【急文字】
〔文字詞に擬して作られた近世語〕
忙しいこと。「心々の願立に神の御身さへ,ああ―の/浄瑠璃・生玉心中(上)」
急斜面
きゅうしゃめん キフ― [3] 【急斜面】
傾斜の急な斜面。
急歩
きゅうほ キフ― [1] 【急歩】
(1)急ぎ足。
(2)競歩競技で,ルールとして定められている歩き方。
→競歩
急死
きゅうし キフ― [0] 【急死】 (名)スル
急に死ぬこと。頓死(トンシ)。「旅先で―する」
急死
きゅうし【急死】
a sudden death.〜する die suddenly.
急派
きゅうは キフ― [1][0] 【急派】 (名)スル
急いで派遣すること。「特使を―する」
急流
きゅうりゅう キフリウ [0] 【急流】
水勢の急な流れ。
急流
きゅうりゅう【急流】
a rapid stream;a torrent;→英和
rapids (場所).
急減
きゅうげん キフ― [0] 【急減】 (名)スル
急に減ること。
⇔急増
「学童数が―する」
急湍
きゅうたん キフ― [0] 【急湍】
流れの急な瀬。早瀬。急灘(キユウダン)。「末は高原川の―になる/日本北アルプス縦断記(烏水)」
急潮
きゅうちょう キフテウ [0] 【急潮】
(1)流れの速い潮流。海底に起伏のある所や礁上(シヨウジヨウ)を波紋をつくりながら速く流れる。
(2)太平洋沿岸,特に相模湾や駿河湾などで見られる異常海流現象。外洋水が急に湾内に流入する。その後,沿岸にブリの大漁をもたらす。
急激
きゅうげき キフ― [0] 【急激・急劇】 (形動)[文]ナリ
変化や行動などが急で,はげしいさま。「事態は―に悪化した」「―な変化」
急激な
きゅうげき【急激な(に)】
sudden(ly);→英和
abrupt(ly);→英和
radical(ly).→英和
急灘
きゅうだん キフ― [0] 【急灘】
「急湍(キユウタン)」に同じ。
急火
きゅうび キフ― [0] 【急火】
(1)急に燃えあがる火。
(2)強い火力。
急火
きゅうか キフクワ [0] 【急火】
急に燃え上がった火事。近所の火事。
急焼
きびしょ [3][0] 【急焼】
〔「急焼」の唐音の転〕
急須(キユウス)。
急用
きゅうよう キフ― [0] 【急用】
急ぎの用件。「―ができる」
急用
きゅうよう【急用(で)】
(on) urgent business.
急病
きゅうびょう キフビヤウ [0] 【急病】
急に起こる病気。「―人」
急病
きゅうびょう【急病】
a sudden illness.〜にかかる be suddenly taken ill.‖急病患者 an acute case.
急症
きゅうしょう キフシヤウ [0] 【急症】
急激に起こった病気やその症状。急病。
急癇
きゅうかん キフ― [0] 【急癇】
〔医〕 全身痙攣(ケイレン)の発作を急に起こし,それをしばしば繰り返すうちについには失神する子供の神経病。ひきつけ。
急登
きゅうとう キフ― [0] 【急登】 (名)スル
登山で,急な斜面を登ること。また,その道。
急結剤
きゅうけつざい キフケツ― [4] 【急結剤】
モルタル・プラスター・コンクリートなどに入れて,それらを急速に固化させる物質。吹き付けなどによく用いられる。
急落
きゅうらく【急落】
a sudden fall <in price> .
急落
きゅうらく キフ― [0] 【急落】 (名)スル
物価や相場が急にさがること。
⇔急騰
「株価が―する」
急行
きゅうこう【急行(列車)】
an express (train).→英和
〜する hurry[hasten,rush] <to> .→英和
〜させる dispatch <a person to the scene> .→英和
〜で by express.‖急行券(停車駅) an express ticket (station).急行料金 express charges.特別(普通)急行列車 a special (an ordinary) express (train).
急行
きゅうこう キフカウ [0] 【急行】 (名)スル
(1)急いで行くこと。「現場に―する」
(2)「急行列車」の略。
⇔鈍行
急行列車
きゅうこうれっしゃ キフカウ― [5] 【急行列車】
乗降客の多い主要な駅だけに停車し,高速で運行する列車。急行。
急行券
きゅうこうけん キフカウ― [3] 【急行券】
急行列車の乗客に対して,普通乗車券とは別に発行する切符。
急行軍
きゅうこうぐん キフカウグン [3] 【急行軍】 (名)スル
軍隊で,目的地に早く達するために,休憩を減らし速く歩く行軍。
急襲
きゅうしゅう【急襲】
<make> a surprise attack <on> .
急襲
きゅうしゅう キフシフ [0] 【急襲】 (名)スル
急に敵におそいかかること。「敵を―する」
急角度
きゅうかくど キフ― [3] 【急角度】
角度が急なこと。「―に曲がる」
急角度に
きゅうかくど【急角度に】
at an acute angle;sharply.→英和
急設
きゅうせつ キフ― [0] 【急設】 (名)スル
急いで設置すること。「救護所を―する」
急設する
きゅうせつ【急設する】
install[lay] <a telephone> speedily.
急診
きゅうしん キフ― [0] 【急診】
急病人または病状が急に悪化した患者を急いで診察すること。
急調
きゅうちょう キフテウ [0] 【急調】
調子の早いこと。また,物事の進行の速度のはやいこと。急調子。
急調子
きゅうちょうし キフテウシ [3] 【急調子】
物事の進み方や調子が急速度で進行すること。急ピッチ。急テンポ。
急談
きゅうだん キフ― [0] 【急談】
急ぎの話。至急の用談。
急躁
きゅうそう キフサウ [0] 【急躁】 (名・形動)[文]ナリ
せっかちであわただしい・こと(さま)。「主義目的の―にして過激なるなり/緑簑談(南翠)」
急転
きゅうてん キフ― [0] 【急転】 (名)スル
物事の状態が急に変わること。急変。「局面が―する」
急転
きゅうてん【急転】
<take> a sudden turn.〜する change suddenly.‖急転直下 all of a sudden.
急転直下
きゅうてんちょっか キフ―チヨク― [5] 【急転直下】 (名)スル
様子が急に変わって解決・結末に向かうこと。「―事件が解決する」
急迫
きゅうはく キフ― [0] 【急迫】 (名)スル
(1)物事がさし迫った状態になること。「事態が―する」
(2)敵などが急速に迫ってくること。「―するに及はば之を射斃(タオ)さん/八十日間世界一周(忠之助)」
急迫する
きゅうはく【急迫する】
grow tense[acute].〜した pressing;→英和
urgent;→英和
imminent.→英和
急追
きゅうつい キフ― [0] 【急追】 (名)スル
逃げる者を激しく追いかけること。「敵を―する」
急送
きゅうそう キフ― [0] 【急送】 (名)スル
急いで送ること。「被災地へ食糧を―する」
急送する
きゅうそう【急送する】
send <a thing> by express;dispatch.→英和
急逝
きゅうせい キフ― [0] 【急逝】 (名)スル
急に死ぬこと。急死。「帰国を前に―する」
急逝
きゅうせい【急逝】
⇒急死.
急速
きゅうそく キフ― [0] 【急速】 (名・形動)[文]ナリ
物事の進み方や変わり方が非常にはやい・こと(さま)。「―な進歩」「―に事態は収拾に向かった」「―冷凍」
急速な
きゅうそく【急速な(に)】
fast;→英和
rapid(ly);→英和
quick(ly);→英和
prompt(ly).→英和
急造
きゅうぞう キフザウ [0] 【急造】 (名)スル
急いで物を造ること。急ごしらえ。「―の建物」
急造の
きゅうぞう【急造の】
makeshift;→英和
temporary.→英和
〜する construct in haste.
急進
きゅうしん キフ― [0] 【急進】 (名)スル
(1)目的地へ急いで進むこと。
⇔漸進(ゼンシン)
「精鋭の軍艦のみを率ゐて直に浦塩に―せん/此一戦(広徳)」
(2)急いで目的を実現させようとすること。
急進主義
きゅうしんしゅぎ キフ― [5] 【急進主義】
社会主義運動などで,現体制・秩序を急激に変革しようとする主張および立場。ラディカリズム。
⇔改良主義
⇔漸進主義
急進的
きゅうしん【急進的】
radical.→英和
急進主義(派) radicalism (the radicals).→英和
急進的
きゅうしんてき キフ― [0] 【急進的】 (形動)
理想の実現や物事の改革を急激に行おうとするさま。「―な思想」
急進社会党
きゅうしんしゃかいとう キフ―シヤクワイタウ 【急進社会党】
1901年に急進的共和派を集めて結成されたフランスの政党。中産階級層を基盤とし,第三共和制における指導的政党としてしばしば政権に参加。
急遽
きゅうきょ【急遽】
in haste.
急遽
きゅうきょ キフ― [1] 【急遽】
■一■ (副)
あわただしく急ぐさま。非常に急いで。「―帰国した」
■二■ (形動)[文]ナリ
にわかなさま。「―にして水蒸気大に湧き/日本風景論(重昂)」
急降下
きゅうこうか【急降下】
<make> a nosedive.→英和
急降下爆撃(機) dive bombing (a dive bomber).
急降下
きゅうこうか キフカウカ [3] 【急降下】 (名)スル
飛行機が機首を地面に向けて垂直に近い急角度で降下すること。「―爆撃」
急難
きゅうなん キフ― [0] 【急難】
突然の災難。切迫した災難。
急雨
きゅうう キフ― [1] 【急雨】
急に降り出す雨。にわか雨。驟雨(シユウウ)。
急雷
きゅうらい キフ― [0] 【急雷】
急に鳴り出した雷。
急霰
きゅうさん キフ― [0] 【急霰】
にわかに降るはげしいあられ。また,その音。きゅうせん。「―の如き拍手」
急須
きゅうす【急須】
a (small) teapot.
急須
きゅうす キフ― [0] 【急須】
■一■ (名)
煎茶(センチヤ)を淹(イ)れるのに用いる器具。葉茶を入れ,湯を注いで煎じ出す。普通,小形で横に取っ手のあるものをいう。茶出し。きびしょ。
〔もと中国で酒の燗(カン)に用いた器が日本に伝わって煎茶器になったという〕
■二■ (名・形動ナリ)
急場のときに用いるさま。急場に必要なもの。「災に逢へる家こそ―なるべければ,この金を与へ/西国立志編(正直)」
急養子
きゅうようし キフヤウシ [3] 【急養子】
⇒末期養子(マツゴヨウシ)
急駛
きゅうし キフ― [1] 【急駛】 (名)スル
はやく進むこと。「小舟は…海岸に向け―した/肉弾(忠温)」
急騰
きゅうとう キフ― [0] 【急騰】 (名)スル
物価や相場が急に上がること。
⇔急落
「小豆相場が―する」
急騰
きゅうとう【急騰】
a sudden rise.〜する jump <to> .→英和
急驚風
きゅうきょうふう キフキヤウフウ [3] 【急驚風】
漢方で,子供の急性脳膜炎をいう。
性
しょう シヤウ [1] 【性】
〔呉音〕
(1)もって生まれたもの。生まれつきの気質・傾向・素質など。
(2)物の品質・材質。人の体質。「―のよい鉄」「夏には強い―だ」
(3)魂。精神。根性。「ちつと―をつけてあげ申さう,と胴背中を一つくらはせて/洒落本・船頭部屋」
(4)習性。ならい。「はづさうはづさうと思うたが―に成り/浄瑠璃・鎌田兵衛」
(5)〔仏〕
(ア)外部の影響や周囲との関係で変化することのない,その物自体のもっている性質。その物自体を特徴付けている不変の本質。
(イ)衆生(シユジヨウ)の奥に秘められている真如。
(ウ)衆生の本来の姿。また,それが仏性であること。
→見性
性
せい【性】
(1)[性質]nature.→英和
(2)[男女の]sex.→英和
(3)《文》gender.→英和
〜の sexual <desire> .→英和
〜の区別なく irrespective of sex.
性
しょう【性】
nature;→英和
disposition;→英和
character;→英和
quality (品質).→英和
〜が合う(合わない) be (un)congenial <to,with> .→英和
〜に合った congenial <work> .〜の悪い ill-natured;wicked.→英和
〜の知れない品 an article of unknown quality.
性
さが [1] 【性】
(1)生まれつきの性質。もって生まれた性分。持ち前。「おのれの―のつたなさをはじる」
(2)ならわし。ならい。習慣。「定めなきはうき世の―だ」
〔「性・祥」などの字音に基づく語ともいう〕
性
せい [1] 【性】
(1)生まれつきもっている性質。生まれつき。さが。「人の―は善である」「習い―となる」
(2)男と女,または,めすとおすの区別。
→セックス
→ジェンダー
(3)男女両性間,あるいは同性間において生じる肉体的結合への欲求や衝動。また,それに基づく諸活動。
(4)〔gender〕
インド-ヨーロッパ語において,名詞・代名詞・形容詞などにみられる,男性・中性・女性などの文法上の区別。
(5)名詞の下に付いて,その性質・傾向をもっていることを表す。「柔軟―」「植物―」「経済―」「アルカリ―」
性に眼覚める頃
せいにめざめるころ 【性に眼覚める頃】
小説。室生犀星作。1919年(大正8)発表。思春期の性と詩(文学)の目覚めを描いた自伝的な作品。
性フェロモン
せいフェロモン [3] 【性―】
動物の雌雄いずれかの個体が分泌し,同種の異性を誘引するフェロモン。昆虫でよく知られる。
→フェロモン
性ホルモン
せいホルモン [3] 【性―】
脊椎動物の生殖腺から分泌されるステロイド-ホルモン。生殖器の発育・機能維持,第二次性徴の発現,発情などに関係する。雄性ホルモンと雌性ホルモンがあり,その分泌は下垂体の性腺刺激ホルモンにより調節される。
性交
せいこう [0] 【性交】 (名)スル
男女が性的交わりをすること。交接。交合。房事。セックス。
性交
せいこう【性交】
sexual intercourse.
性体験
せいたいけん [3] 【性体験】
性交など,性に関する体験。
性倒錯
せいとうさく [3] 【性倒錯】
⇒性的倒錯(セイテキトウサク)
性具
せいぐ [1] 【性具】
性行為に用いる器具。補助的に用いるもの,自慰に用いるものなどがある。
性典
せいてん [0] 【性典】
性的な事柄が書かれた本。
性分
しょうぶん【性分】
nature;→英和
temperament.→英和
〜に合わない go against the grain.→英和
性分
しょうぶん シヤウ― [0][1] 【性分】
生まれつきの性質。天性。性格。「何事もいい加減にできない―」「損な―」
性分化
せいぶんか [3] 【性分化】
個体発生の際,雌雄の区別が生ずること。生殖腺の分化,第二次性徴の出現など。
性別
せいべつ【性別】
sex distinction.
性別
せいべつ [0] 【性別】
男性と女性の区別。また,雌と雄の区別。
性別役割分業
せいべつやくわりぶんぎょう [9] 【性別役割分業】
性別により,役割や労働に相違があること。近代家族においては,夫婦間で一般に「男は仕事,女は家庭」という役割や労働の分業がある。このような男女間の分業,あるいはそれを前提とした社会制度のこと。性役割。
性即理
せいそくり 【性即理】
宋学,特に朱子学の主要命題の一。気質の干渉を受けない純粋至善なる人間の本性に道徳的価値の根拠を置き,人間の本性がそのまま理(道徳的倫理的法則)であるという道徳的理想主義的観点から,倫理道徳の絶対性,尊厳性を主張したもの。
性合
しょうあい シヤウアヒ [0][3] 【性合(い)】
(1)性質。たち。「兄弟でも―が異なる」
(2)互いの性質のあうこと。相性のいいこと。
性合い
しょうあい シヤウアヒ [0][3] 【性合(い)】
(1)性質。たち。「兄弟でも―が異なる」
(2)互いの性質のあうこと。相性のいいこと。
性向
せいこう [0] 【性向】
(1)性質の傾向。気だて。気質。「黙ってはいられない―」
(2)物事の傾向。「貯蓄―」
性向
せいこう【性向】
an inclination;→英和
a disposition.→英和
性周期
せいしゅうき [3] 【性周期】
哺乳類の発情周期と月経周期のこと。
性命
せいめい [1] 【性命】
(1)生まれながらの性質と天命。
(2)生命。いのち。また,最も大切なもの。「美しさを―にしてゐるあの女が/雁(鴎外)」
性善
しょうぜん シヤウ― [0] 【性善】
衆生(シユジヨウ)が生まれつきもっている善。
→修善(シユゼン)
性善
せいぜん [0] 【性善】
人の本性が善であること。
性善説
せいぜんせつ [3] 【性善説】
人間は善を行うべき道徳的本性を先天的に具有しており,悪の行為はその本性を汚損・隠蔽することから起こるとする説。正統的儒学の人間観。孟子の首唱。
⇔性悪説
性器
せいき [1] 【性器】
(1)(ヒトの)生殖器官。生殖器。
(2)外性器。
性器
せいき【性器】
genitals;genital organs.
性器崇拝
せいきすうはい [4] 【性器崇拝】
⇒生殖器崇拝(セイシヨクキスウハイ)
性器期
せいきき [3] 【性器期】
口唇期・肛門期・男根期を経て到達する最も成熟した段階。性衝動のエネルギーが自分以外の対象に向けられる時期。思春期以後に相当する。
性夢
せいむ [1] 【性夢】
性的な夢。
性巣
せいそう [0] 【性巣】
「生殖腺」に同じ。
性差
せいさ [1] 【性差】
男女・雌雄の性別による差。男女差。
性差別
せいさべつ [3] 【性差別】
性別により差別すること。あるいはそのような差別を維持する制度のこと。
性差別
せいさべつ【性差別(主義)】
sexism.→英和
性形質
せいけいしつ [3] 【性形質】
「性徴(セイチヨウ)」に同じ。
性役割
せいやくわり [3] 【性役割】
⇒性別役割分業(セイベツヤクワリブンギヨウ)
性徴
せいちょう [0] 【性徴】
男女・雌雄を区別しうる形態的特徴。生殖腺とこれに直接付随する器官とを第一次性徴,それ以外で男女・雌雄の判別の手掛かりとなる事柄(例えば,声帯の違いによる声質,乳房の大小,ライオンの雄のたてがみなど)を第二次性徴という。婚姻色などを第三次性徴として分けることもある。性形質。
性念場
しょうねんば シヤウ― [0] 【正念場・性念場】
(1)歌舞伎・浄瑠璃などで,主人公がその役の本質的性格(性根)を発揮させる最も重要な場面。性根場(シヨウネバ)。
(2)その人の真価を問われる大事な場面。重要な局面。
性急
せいきゅう [0] 【性急】 (名・形動)[文]ナリ
(1)気が短いこと。せっかちなこと。また,そのさま。「―に結論を出す」
(2)物事が急を要するさま。「―なる要事の残りてありつれば/竜動鬼談(勤)」
[派生] ――さ(名)
性急な
せいきゅう【性急な】
impatient;→英和
quick-tempered.⇒せっかち.
性悪
せいあく [0] 【性悪】
人の本性が悪であること。
性悪
しょうわる シヤウ― [0] 【性悪】 (名・形動)[文]ナリ
(1)性質のわるい・こと(さま)。また,その人。「―な子」
(2)浮気である・こと(さま)。浮気な人にもいう。「其の聟め,なんともならぬ―/浮世草子・一代女 3」
性悪な
しょうわる【性悪な】
ill-natured;wicked;→英和
malicious.→英和
性悪説
せいあくせつ [3][4] 【性悪説】
人間の本性を利己的欲望とみて,善の行為は後天的習得によってのみ可能とする説。孟子の性善説に対立して荀子が首唱。
⇔性善説
性情
せいじょう [0] 【性情】
(1)生まれつきの気質。気だて。「穏和な―」
(2)性質と心情。こころ。
性情
せいじょう【性情】
nature.→英和
⇒性質.
性愛
せいあい [0] 【性愛】
男女間の性的な愛情。
性感
せいかん [0] 【性感】
性的な快感。
性感帯
せいかんたい [0] 【性感帯】
刺激によって性的な快感をひき起こしやすい身体部分。
性感染症
せいかんせんしょう [5] 【性感染症】
⇒性行為感染症
性慾
せいよく [0][1] 【性欲・性慾】
成熟した男女両性間の性行為への欲望。肉欲。
性懲り
しょうこり シヤウ― [0][4] 【性懲り】
心底から懲りること。
性懲りもなく
しょうこり【性懲りもなく】
without any repentance;obstinately.→英和
性戒
しょうかい シヤウ― [0] 【性戒】
〔仏〕 出家・在家を問わず,行為自体が罪であるとして禁止する戒律。殺生(セツシヨウ)戒・偸盗(チユウトウ)戒・邪淫(ジヤイン)戒・妄語(モウゴ)戒がこれにあたる。
→遮戒(シヤカイ)
性技
せいぎ [1] 【性技】
性愛に関する技巧。
性支配
せいしはい [3] 【性支配】
男女間に支配と従属の関係があること。男性が女性を支配すること。男性支配。
性教育
せいきょういく【性教育】
<give> sex education.
性教育
せいきょういく [3] 【性教育】
性についての科学的知識を与えるとともに,性道徳を身につけさせる教育。
性暴力
せいぼうりょく [3] 【性暴力】
主として男性が女性を暴力により性的に侵害すること。あるいは,他者を侵害する目的で性的な攻撃を加えること。強姦・暴行など。
性来
せいらい [1] 【性来】
本来の性質。生来。しょうらい。
性来
しょうらい シヤウ― [1] 【性来】
「せいらい(性来)」に同じ。「私は―騒々敷い所が嫌ですから/吾輩は猫である(漱石)」
性染色体
せいせんしょくたい [0] 【性染色体】
生物の性の決定に関係する染色体。基本的には X および Y 染色体などがある。
→常染色体
性根
しょうね【性根】
character.→英和
〜の腐った corrupt;→英和
depraved.〜を入れ替える mend one's ways.
性根
しょうこん シヤウ― [0] 【性根】
根気。根性。
性根
しょうね シヤウ― [0][3] 【性根】
(1)行動・言葉などのもとになる,根本的な心の持ち方。「―を据える」「―が腐る」
(2)しっかりした心。たしかな心。正気。「次第に―乱れなん後は有りのままに白状したらば/義経記 6」
(3)本質的な部分。核心。「ばからしきほどあどけなきが,恋の―といふべきか/人情本・梅児誉美(初)」
(4)情事。また,情事の相手。「産神の榎の木影で―ぢやえ―ぢやえ/歌舞伎・お染久松色読販」
性根玉
しょうねだま シヤウ― [0] 【性根玉】
「性根」を強めていう語。
性格
せいかく [0] 【性格】
(1)その人が生まれつきもっている感情や意志などの傾向。「彼とは―が合わない」
(2)ある物事に特有の傾向や性質。「事件の―を解明する」
(3)〔心〕
〔character〕
その人特有の行動の仕方,ならびにそれを支える心理的な特性。特に感情的・意志的な側面をいうことが多い。キャラクター。
性格
せいかく【性格】
<bear a good> character;→英和
personality.→英和
強い(弱い)〜の人 a man of strong (weak) character.〜の合わない incompatible.→英和
〜の不一致 incompatibility of temperament.‖性格俳優 a character actor[actress].性格描写 character description.
性格俳優
せいかくはいゆう [5] 【性格俳優】
(1)劇中人物の性格を巧みに演じる俳優。
(2)自分の個性を特徴とする俳優。
性格劇
せいかくげき [4] 【性格劇】
主人公の特殊な性格を特に強く表現し,その性格によって引き起こされる事件を展開した劇。
性格小品
せいかくしょうひん [5] 【性格小品】
一八世紀末から一九世紀に好まれた,特定の気分や情景を喚起する自由な形式の器楽用小曲の総称。ピアノ用が多く,バガテル・バラード・子守歌・無言歌など多様。キャラクター-ピース。
性格描写
せいかくびょうしゃ [5] 【性格描写】
小説や戯曲で,人物の性格を描き出すこと。
性格検査
せいかくけんさ [5] 【性格検査】
性格を測定する検査。情緒・性向・適応性などを調べるもの。
性格異常
せいかくいじょう [5] 【性格異常】
個人の感情・意志・行動面の特徴に恒常的にみられる異常。知能障害や疾病によるものなどは除く。異常性格。
性格破綻者
せいかくはたんしゃ [6] 【性格破綻者】
性格に欠陥があり,一個の人間として社会生活を満足に営むことのできない者。
性欲
せいよく [0][1] 【性欲・性慾】
成熟した男女両性間の性行為への欲望。肉欲。
性欲
せいよく【性欲】
sexual desire(s).性欲倒錯(者) sexual perversion (a sexual pervert).
性比
せいひ [1] 【性比】
同一種内の雌雄の個体数の比。普通雌雄はほぼ同数生じる。人間の場合,出産児の性比は男のほうがやや多い。
性毛
せいもう [0] 【性毛】
陰部に生える毛。恥毛。陰毛。
性決定
せいけってい [3] 【性決定】
雌雄異体の動植物において個体の性が雌雄のいずれかに決まること。「―遺伝子」
性法
せいほう [0] 【性法】
自然法。
〔明治期の訳語〕
性海
しょうかい シヤウ― [0] 【性海】
〔仏〕
(1)清浄で絶対的な真理が,海のように広大であること。真如の世界。
(2)現象とは別に,不変な真理が実体的に存在しているとすること。
性淘汰
せいとうた [3] 【性淘汰】
⇒雌雄淘汰(シユウトウタ)
性犯罪
せいはんざい [3] 【性犯罪】
人の性的自由を侵害する,または善良な性風俗を乱す犯罪の総称。前者は強姦罪・強制猥褻(ワイセツ)罪が,後者は公然猥褻罪・猥褻物頒布罪が代表的。
性犯罪
せいはんざい【性犯罪】
a sex offense.
性状
せいじょう [0] 【性状】
(1)人の性質と行状。「風変わりな―」
(2)物の性質と状態。
性理
せいり [1] 【性理】
(1)人の性命と天理。
(2)(朱子学で)人間の存在原理。
性理大全
せいりたいぜん 【性理大全】
中国,宋学の精粋を集めた叢書(ソウシヨ)。七〇巻。明の胡広らが永楽帝の勅命によって編纂(ヘンサン)し,1415年完成。宋学の代表作とされる書を収録した部分と,テーマ別に抜粋採録した部分から成る。
性理学
せいりがく [3] 【性理学】
宋学の別名。宋学が事物(世界)や人間の本性を理ととらえるのでいう。
性生活
せいせいかつ [3] 【性生活】
人間生活のうち,性に関するいとなみ。
性病
せいびょう【性病】
a venereal disease.
性病
せいびょう [0] 【性病】
主として性行為によって伝染する病気。梅毒・淋病・軟性下疳(ゲカン)や,クラミジアによる尿道炎,陰部ヘルペスなど。花柳病。
→性行為感染症
性癖
せいへき【性癖】
one's (natural) disposition;a mental habit.
性癖
せいへき [0] 【性癖】
性質の片寄り。くせ。「誇大妄想の―」
性的
せいてき【性的(な)】
sexual <appeal> .→英和
性的
せいてき [0] 【性的】 (形動)
(1)性欲に関するさま。「―な魅力」「―な関心」
(2)(男女・雌雄の)性にかかわるさま。「―特徴」
性的倒錯
せいてきとうさく [0][5] 【性的倒錯】
異常性欲のうち,性行為およびその対象が異常であるもの。サディズム・マゾヒズム・露出症・小児性愛・獣姦など。性倒錯。
性相
しょうそう シヤウサウ [0] 【性相】
〔仏〕
(1)万物の真実の本性・本体である性と,現象として現れる姿である相。存在の二面。
(2)(「しょうぞう」という){(1)}を研究する法相(ホツソウ)宗のこと。性相学。
性相学
せいそうがく セイサウ― [3] 【性相学】
人の肉体上に表れた特性から,その人の性質や運命などを判断する術。人相学・骨相学・手相学などの総称。
性空
しょうくう シヤウ― [0] 【性空】
〔仏〕 十八空の一。一切のものは因縁和合によって生じたもので,万有の本性は空であるということ。
性空
しょうくう シヤウクウ 【性空】
(910-1007)平安中期の天台宗の僧。京都の人。播磨(ハリマ)の書写山に円教寺を開いた。書写上人。
性細胞
せいさいぼう [3] 【性細胞】
「生殖細胞」に同じ。
性能
せいのう [0] 【性能】
(1)機械などが仕事をなしうる能力。「―のよいカメラ」
(2)生まれついての性質や能力。
性能
せいのう【性能】
ability;→英和
capacity;→英和
efficiency;→英和
performance.→英和
〜の良い efficient.→英和
‖性能検査 an ability test;an efficiency[a performance]test.
性能曲線
せいのうきょくせん [5] 【性能曲線】
機械の作動に基づく各種の特性から得られる性能を示す曲線。エンジンの場合,回転速度と負荷,ガソリン消費量の関係を示すものなどがある。
性腺
せいせん [0] 【性腺】
「生殖腺(セイシヨクセン)」に同じ。
性腺刺激ホルモン
せいせんしげきホルモン [8] 【性腺刺激―】
生殖腺のはたらきを調節するホルモンの総称。脊椎動物では脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン( FSH ),黄体形成ホルモン( LH )など。
性行
せいこう【性行】
character and conduct.
性行
せいこう [0] 【性行】
性質とおこない。「―不良」
性行動
せいこうどう [3] 【性行動】
性的欲求による行動。
性行為
せいこうい【性行為】
sexual intercourse.
性行為
せいこうい [3] 【性行為】
性欲を満たすための行為。普通,性交をいう。
性行為感染症
せいこういかんせんしょう [8] 【性行為感染症】
〔sexually transmitted disease〕
性行為を通して感染した諸疾患症の総称。従来の性病に加えて,非淋菌性尿道炎・性器ヘルペス・ B 型肝炎・成人 T 細胞白血病( ATL )・後天性免疫不全症候群(エイズ)など。STD 。
性説
せいせつ [1] 【性説】
中国における人間の生まれながらの性質に関する研究・論説。性善説・性悪説,それらを合わせた性善悪混合説などがある。
性質
せいしつ [0] 【性質】
(1)その人に生まれつき備わっている気質。人となり。天性。「温和な―」
(2)他のものと区別しうる,そのもの本来のありかた。「さびにくいという―をもつ金属」「問題の―が違う」
(3)「質(シツ){(3)
(ア)}」に同じ。
性質
せいしつ【性質】
[天性]nature;→英和
disposition;→英和
property;→英和
quality;→英和
character.→英和
〜の良い(良くない) good-(ill-)natured;of good (bad) character.→英和
問題の〜上 from the nature of the matter.→英和
性転換
せいてんかん【性転換】
sex change.性転換者(手術) a transsexual (operation).→英和
性転換
せいてんかん [3] 【性転換】 (名)スル
(1)雌雄異体の生物で,雄または雌としての機能を発揮していた個体が何らかの原因で反対の性の機能をもつようになること。個体の性が発生の途上で逆転する場合も含む。
(2)男性あるいは女性が,外科的処置により自らの外性器をもう一方のそれに変えること。
性道徳
せいどうとく [3] 【性道徳】
社会道徳のうち,特に性に関する道徳。
性道徳
せいどうとく【性道徳】
sex(ual) morality.
性霊
せいれい [0] 【性霊】
霊妙な心。たましい。精神。
性霊説
せいれいせつ [3] 【性霊説】
中国の詩論の一。性情の霊妙なはたらきの発露を尊重する文学説。宋の楊万里が唱え,明の袁中郎兄弟によって発揮され,清の袁枚(エンバイ)が一派を成した。
性霊集
しょうりょうしゅう シヤウリヤウシフ 【性霊集】
平安初期の漢詩文集。一〇巻。空海作,真済(シンゼイ)編。835年頃成立。詩・碑文・啓・願文など,約一一〇編を収める。のちに巻八・九・一〇が散逸したが,1079年済暹(サイセン)が逸文を集めて「続性霊集補闕鈔」として編んで補った。せいれいしゅう。遍照発揮(ヘンジヨウホツキ)性霊集。
性骨
せいこつ 【性骨】
⇒しょうこつ(性骨)
性骨
しょうこつ シヤウ― 【性骨】
持って生まれた素質。天性。「口伝の上に―を加へて心を入るること/徒然 219」
怨じる
えん・じる ヱン― [0][3] 【怨じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「怨ずる」の上一段化〕
「怨ずる」に同じ。「不実を―・じる」
怨ず
え・ず ヱ― 【怨ず】 (動サ変)
「ゑんず」の撥音「ん」の無表記。「歌主(ウタヌシ),いとけしきあしくて―・ず/土左」
怨ずる
えん・ずる ヱン― [0][3] 【怨ずる】 (動サ変)[文]サ変 ゑん・ず
うらみごとを言う。うらむ。「―・ずるようなまなざし」
怨み
うらみ [3] 【恨み・怨み】
(1)うらむこと。また,その気持ち。怨恨(エンコン)。《恨・怨》「―を晴らす」「―を抱く」「長年の―」
(2)(多く「憾み」と書く)残念に思う気持ち。不満に思われる点。「安易に過ぎる―がある」
(3)うらみごとを言うこと。「うとくおぼいたる事などうちかすめ,―などするに/枕草子 36」
怨みがましい
うらみがまし・い [6] 【恨みがましい・怨みがましい】 (形)[文]シク うらみがま・し
うらんでいる様子である。「―・い顔つき」
[派生] ――げ(形動)
怨む
うら・む [2] 【恨む・怨む】
■一■ (動マ五[四])
(1)人から不利益を受けた,としてその人に対する不満や不快感を心に抱き続ける。「招待されなかったのを―・んでいた」
(2)(「憾む」とも書く)思い通り,あるいは理想通りにならないことを残念に思う。「自らの不勉強を―・む」
(3)不満や嘆きを人に訴える。うらみ言を言う。「松島は笑ふが如く,象潟は―・むがごとし/奥の細道」
(4)復讐(フクシユウ)する。うらみを晴らす。「一太刀―・む」
■二■ (動マ上二)
{■一■}に同じ。「褻(ナ)るる身を―・むるよりは松島のあまの衣にたちやかへまし/源氏(夕霧)」「あはれといふ人もあらば,それをも―・みむ/大鏡(伊尹)」「世ヲ―・ムル/日葡」
〔古くは上二段活用。近世以降四段化したが,まれに上一段に活用した例も見られる。なお,上代には上一段活用であったとする説もある〕
→うらみる
[可能] うらめる
怨めしい
うらめし・い [4] 【恨めしい・怨めしい】 (形)[文]シク うらめ・し
(1)(相手や状況に不満で)うらみたい気持ちだ。うらみ言を言いたいほど憎らしい。「自分を見捨てた友が―・い」「雨とは―・い」
(2)(自分に過失や不足があって)残念だ。情けない。「人を見る目のなかったことが―・い」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
怨嗟
えんさ ヱン― [1] 【怨嗟】 (名)スル
うらみ嘆くこと。「―の声」
怨声
えんせい ヱン― [0] 【怨声】
うらみの声。
怨女
えんじょ ヱンヂヨ [1] 【怨女】
婚期を失したり,夫が留守であったりして,独り身でいることを嘆く女。
怨家
おんけ ヲン― [1] 【怨家】
互いにうらみをもつ者同士。仇敵。
怨府
えんぷ ヱン― [1] 【怨府】
人々のうらみの集まるところ。
怨念
おんねん ヲン― [0][3] 【怨念】
深く心に刻み込まれたうらみ。「―をいだく」「―をはらす」
怨恨
えんこん ヱン― [0] 【怨恨】
うらみ。「―をいだく」「―による殺人」
怨恨
えんこん【怨恨】
⇒うらみ.
怨憎
おんぞう ヲン― [0] 【怨憎】
うらみにくむこと。えんぞう。「我執―は邪見放逸の剣をとぐ/盛衰記 45」
怨憎
えんぞう ヱン― [0] 【怨憎】
うらみとにくしみ。「―を招く」
怨憎会苦
おんぞうえく ヲン―ヱ― [5] 【怨憎会苦】
〔仏〕 八苦の一。うらみにくむ人に会う苦しみ。「―の恨みを扁舟の内につみ/平家 12」
怨敵
おんてき ヲン― [1][0] 【怨敵】
〔古くは「おんでき」〕
深いうらみのある敵。かたき。「戒円こそ仏法王法の―なれ/義経記 3」
怨敵退散
おんてきたいさん ヲン― [1][1][0] 【怨敵退散】
怨敵を退けること。また,怨敵を調伏(チヨウブク)する時の呪文。
怨望
えんぼう ヱンバウ [0] 【怨望】 (名)スル
恨みを抱くこと。恨み。「之に洩れて―する者なきを得ず/福翁百話(諭吉)」
怨色
えんしょく ヱン― [0] 【怨色】
うらんでいる顔つき。
怨言
えんげん ヱン― [0] 【怨言】
うらみの言葉。怨語。
怨語
えんご ヱン― [0][1] 【怨語】
恨みの言葉。怨言。「怨情―」
怨讐
おんしゅう ヲンシウ [0] 【怨讐】
恨み,かたきとすること。えんしゅう。「父子・兄弟―を結び/太平記 27」
怨讐
えんしゅう ヱンシウ [0] 【怨讐】
恨んでかたきとすること。恨みのある敵。おんしゅう。
怨霊
おんりょう ヲンリヤウ [0] 【怨霊】
うらみをいだいて,たたりをなす霊。
怨霊
おんりょう【怨霊】
a revengeful ghost.
怨霊事
おんりょうごと ヲンリヤウ― [0] 【怨霊事】
歌舞伎の演技および演出。怨霊となって現れ,恨みを述べて,所作事・軽業・早替わりなどを演ずる。元禄(1688-1704)期の女方の特技の一。怪談物もこの系統に属する。
怨鬼
えんき ヱン― [1] 【怨鬼】
うらみを晴らそうとする死者の霊。
怪
かい クワイ [1] 【怪】
ふしぎなこと。あやしいこと。「山荘の―」
怪
け 【怪】
異常なできごと。怪異。「かやうの―ども,未然に凶を示しけれども/太平記 20」
怪
しるまし 【怪・徴】
奇怪な前兆。不吉な前ぶれ。「今是の―を視るに甚だ懼(カシコ)し/日本書紀(仁徳訓)」
怪し
あや・し 【怪し】 (形シク)
⇒あやしい
怪し
け・し 【異し・怪し】 (形シク)
(1)普通と違っている。いつもの状態ではない。「あらたまの年の緒長く逢はざれど―・しき心を我(ア)が思(モ)はなくに/万葉 3775」
(2)不審だ。奇怪だ。「この女かく書きおきたるを―・しう,…何によりてかからむと,いといたう泣きて/伊勢 21」
(3)(程度が)はなはだしい。ひどい。「宿世は知らねども,さるまじらひせむにも,―・しうは人に劣らじ/宇津保(嵯峨院)」
怪しい
あやし・い [0][3] 【怪しい】 (形)[文]シク あや・し
□一□十分に納得のいかないようす。
(1)普通と違っていて変だ。異様だ。不審だ。「挙動の―・い男」
(2)正体がわからなくて気味が悪い。「―・い人影」「―・い物音」
(3)(「妖しい」とも書く)神秘的な力がある。不可思議だ。「―・い魔力」「目が―・く輝く」
(4)後ろ暗いところがありそうだ。疑わしい。「刑事が―・いとにらんだ男」
(5)確実かどうか,はっきりしない。信用ができない。「公約が実行されるかどうかきわめて―・い」
(6)ただならぬ様子だ。悪くなりそうな状況だ。望ましくない結果になりそうだ。「雲行きが―・い」「中東情勢が―・い」
(7)(男女間に)秘密の関係があるらしい。「あのふたりは,どうも―・い」
□二□
(1)
(ア)普通でない。珍しい。「―・しくおもしろき所々/伊勢 81」
(イ)とがめられるべきだ。けしからぬ。「ここかしこの道に―・しきわざをしつつ/源氏(桐壺)」
(2)(「賤しい」と書く)
(ア)粗末だ。見苦しい。「ちごは,―・しき弓・しもとだちたるものなどささげて遊びたる,いとよし/枕草子 59」
(イ)身分が低い。いやしい。「あてなるも―・しきも/竹取」
〔感動詞「あや」の形容詞化。本来は,異様な物事や正体のわからないものに対する驚異・畏敬の気持ちを表したが,転じて□二□(1)
(ア)の普通でないの意ともなった。また,もともと善悪にかかわらず用いられたが,身分の高い人は,異様なもの,正体不明のものに対して否定的感情を持ったところから,□二□(1)
(イ),(2)のようなマイナスの意が生じた。近世以降は,物事を否定的に予想する□一□(5)(6)の意でも用いられた〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
怪しい
あやしい【怪しい】
doubtful;→英和
dubious;→英和
suspicious;→英和
uncertain (不確かな);→英和
[奇異な]strange;→英和
queer;→英和
[信じられぬ]incredible;→英和
unreliable;[おぼつかない]poor;→英和
clumsy;→英和
awkward.→英和
〜と思う[疑う]doubt;→英和
be doubtful;→英和
have a doubt;[嫌疑をもつ]suspect.→英和
〜天気 threatening weather.〜手つきで with clumsy hands.〜話 a fishy story.
怪しからず
けしから∘ず 【怪しからず】 (連語)
〔形容詞「けし」の補助活用「けしかり」の未然形「けしから」に打ち消しの助動詞「ず」の付いたもの〕
(1)普通ではない。「かく―∘ぬ心ばへは使ふものか/源氏(帚木)」
(2)不都合だ。「―∘ぬ所に通ひいきて,悲しきことを見ること/宇津保(忠こそ)」
(3)はなはだしい。「―∘ず物騒に候は,何事にて候ぞ/謡曲・隅田川」
(4)たいしたこともない。「世の中のかくはかなければこそ―∘ぬ童部の行先思ひやられて/宇津保(春日詣)」
(5)格別である。「一夜―∘ず摂して候ひしよ/謡曲・鵜飼」
怪しからぬ
けしからぬ 【怪しからぬ】 (連語)
道理や礼儀にはずれていてよくない。無礼だ。不都合だ。けしからん。「―振る舞い」
〔本来は「怪(ケ)しかる」の意。強い否定の意を表すために,誤って打ち消しの助動詞「ぬ」を加えたもの〕
怪しからぬ[ん]
けしからぬ【怪しからぬ[ん]】
rude;→英和
shameful;→英和
scandalous;→英和
unpardonable;indecent;→英和
improper <behavior> .→英和
怪しからん
けしからん 【怪しからん】 (連語)
(1)「けしからぬ」に同じ。「―ことを言うやつだ」
(2)憤慨した感情を表出する語。「こんなに待たせるとは全く―」
怪しかる
けしかる 【怪しかる】
〔形容詞「けし」の補助活用「けしかり」の連体形〕
(1)ふしぎだ。異様だ。えたいがしれない。「―紙をたづねて得させたり。かやうの紙で物かくやうなし,とて投げ返す/平家 5」
(2)いっぷう変わっている。おもしろい。「これも―わざかな,とて御衣ぬぎてかづけさせ給ふ/増鏡(おどろの下)」
怪しげな
あやしげな【怪しげな】
[奇怪な]strange;→英和
dubious;→英和
suspicious(-looking);→英和
doubtful;→英和
[不確かな]uncertain;→英和
unsteady <step> ;→英和
broken <English> .→英和
怪しばむ
あやしば・む 【怪しばむ】 (動マ四)
怪しい様子をしている。「―・うだるものの見えつる/平家 12」
怪しぶ
あやし・ぶ 【怪しぶ】 (動バ四)
「あやしむ{■一■}」に同じ。「相人驚きて,あまたたびかたぶき―・ぶ/源氏(桐壺)」
怪しむ
あやし・む [3] 【怪しむ】
〔形容詞「あやし」の動詞化〕
■一■ (動マ五[四])
あやしいと思う。不思議に思う。変だと思う。疑う。「受付で―・まれる」「―・むにたりない」
■二■ (動マ下二)
{■一■}に同じ。「此勢一所に集らば,人に―・めらるべし/太平記 24」
怪しむ
あやしむ【怪しむ】
[不思議に思う]wonder <at> ;→英和
[疑う]suspect (…だと思う);→英和
doubt (…でないと思う).→英和
〜べき doubtful;→英和
suspicious;→英和
strange.→英和
〜に足りない It is no wonder <that…> .
怪む
あや・む 【怪む】 (動マ下二)
〔形容詞「あやし」の動詞化〕
怪しいと思う。あやしむ。「あながちに我が行末を―・めしり給ふもあやしくて/浜松中納言 4」
怪事
かいじ クワイ― [1] 【怪事】
怪しいできごと。奇怪な事件。
怪人
かいじん クワイ― [0] 【怪人】
正体不明のあやしい人物。
怪人二十面相
かいじんにじゅうめんそう クワイジンニジフメンサウ 【怪人二十面相】
小説。江戸川乱歩作。1936年(昭和11)「少年倶楽部」に発表。変装の名人である怪盗二十面相と,これを追う名探偵明智小五郎や少年探偵団の活躍を描いた少年向け推理小説。シリーズとして戦後まで書き継がれ人気が高かった。
怪傑
かいけつ クワイ― [0] 【怪傑】
非常にすぐれた能力をもつ人。不思議な力をもつ人物。
怪光
かいこう クワイクワウ [0] 【怪光】
正体不明のあやしい光。
怪力
かいりょく クワイ― [0] 【怪力】
⇒かいりき(怪力)
怪力
かいりき クワイ― [0] 【怪力】
ものすごく強い力。「―の持ち主」
怪力
かいりき【怪力】
supernatural[Herculean]strength.
怪力乱神
かいりょくらんしん クワイ― [0] 【怪力乱神】
〔論語(述而)「子不�語�怪力乱神�」。怪異・勇力・悖乱(ハイラン)・鬼神の意から〕
理性では説明できないような不思議な存在や現象をいう。
怪夢
かいむ クワイ― [1] 【怪夢】
あやしい夢。不思議な夢。
怪奇
かいき クワイ― [1] 【怪奇】 (名・形動)[文]ナリ
(1)説明のできないふしぎな・こと(さま)。「複雑―」
(2)姿や顔つきが奇妙で気味がわるい・こと(さま)。グロテスク。「―な面相」
[派生] ――さ(名)
怪奇
かいき【怪奇】
mystery.→英和
〜的 mysterious;→英和
weird;→英和
grotesque.→英和
‖怪奇小説 a mystery (story).
怪奇小説
かいきしょうせつ クワイ―セウ― [4] 【怪奇小説】
超自然的・非現実的な怪事件による恐怖を描く小説。ホラー小説。
→ゴシック小説
怪怪
かいかい クワイクワイ [0] 【怪怪】 (形動)[文]ナリ
非常に怪しいさま。「奇奇―」
怪我
けが [2] 【怪我】 (名)スル
(1)不注意・不測の事態などのため,身体を傷つけること。また,その傷。「足を―する」
(2)過失。欠点。「一座のさばき終に―を見付ず/浮世草子・一代男 6」
(3)思いがけない事態。偶然。「―のはづみ/浄瑠璃・新版歌祭文」
〔「怪我」は当て字〕
→怪我な
→怪我に
怪我
けが【怪我】
<inflict> a wound <on> ;→英和
an injury.→英和
〜をする get hurt <in the leg> .→英和
〜をさせる wound;injure;→英和
hurt.‖怪我人 a wounded person;the wounded (複数扱い);the casualties.怪我の功名 a chance success;a lucky hit.
怪我な
けがな 【怪我な】 (連語)
「けがに」に同じ。「―身に付けた例がない/浄瑠璃・新版歌祭文」
怪我に
けがに 【怪我に】 (連語)
(下に打ち消しや禁止の言い方を伴って)たとえ間違っても。決して。「軽薄な犬畜生にも劣つた奴に,―も迷ふ筈はない/浮雲(四迷)」「隣の雪隠へは行く人―一人もなく/咄本・鹿の子餅」
怪我人
けがにん [0] 【怪我人】
けがをした人。負傷者。
怪文書
かいぶんしょ クワイ― [3] 【怪文書】
中傷的・暴露的な内容で,出所・筆者不明の文書。
怪文書
かいぶんしょ【怪文書】
a mysterious document.
怪死
かいし クワイ― [0] 【怪死】 (名)スル
原因のわからないおかしな死に方をすること。また,その死に方。
怪死
かいし【怪死】
a mysterious death.
怪気炎
かいきえん クワイ― [3] 【怪気炎】
威勢がよすぎて真実味が疑われるような意気込み。話しぶりにいう。「―をあげる」
怪漢
かいかん クワイ― [0] 【怪漢】
あやしい男。
怪火
かいか クワイクワ [1][0] 【怪火】
(1)原因不明の火事。放火と疑われるような火事。
(2)鬼火・火の玉など,正体不明の火。
怪物
かいぶつ クワイ― [0] 【怪物】
(1)得体の知れない不気味な生き物。ばけもの。
(2)理解しがたいほどの不思議な力をもっている人や物。また,とび抜けた実力や強い影響力・支配力をもつ人物。「コンピューターという現代の―」「政界の―」
怪物
かいぶつ【怪物】
a monster;→英和
a monstrous fellow (人).
怪猫
かいびょう クワイベウ [0] 【怪猫】
化け猫(ネコ)。
怪獣
かいじゅう【怪獣】
a monster.→英和
怪獣
かいじゅう クワイジウ [0] 【怪獣】
(1)怪しいけもの。正体のわからないけもの。
(2)太古に栄えた恐竜などをモデルに創作された,超能力をもつ動物。「―映画」
怪異
かいい クワイ― [1] 【怪異】 (名・形動)[文]ナリ
(1)あやしいこと。不思議なこと。また,そのさま。「―な現象」
(2)ばけもの。妖怪。
怪異
かいい【怪異】
(a) mystery.→英和
〜な strange;→英和
mysterious.→英和
怪異
けい 【怪異】 (名・形動ナリ)
ふしぎなさま。あやしいもの。かいい。「今勅命を蒙つて―を鎮めんとす/盛衰記 16」
怪盗
かいとう【怪盗】
a mysterious thief.
怪盗
かいとう クワイタウ [0] 【怪盗】
正体不明で,手口が巧みな盗賊。「―ルパン」
怪石
かいせき クワイ― [0] 【怪石】
奇怪な形をした石。「奇岩―」
怪童
かいどう クワイ― [0] 【怪童】
体が大きく,怪力をもった男の子。
怪童丸
かいどうまる クワイドウ― 【怪童丸・快童丸】
浄瑠璃・歌舞伎の山姥(ヤマンバ)物に登場する子供の役名。幼時の坂田金時とする。
怪聞
かいぶん クワイ― [0] 【怪聞】
変なうわさ。「―が乱れとぶ」
怪腕
かいわん【怪腕(をふるう)】
(display) remarkable ability.
怪腕
かいわん クワイ― [0] 【怪腕】
優れた腕前。「―を振るう」
怪訝
けげん [0] 【怪訝】 (名・形動)[文]ナリ
訳がわからなくて,変だと思うさま。不思議そうにするさま。「―そうに尋ねる」「―な顔をする」
怪訝
かいが クワイ― [1] 【怪訝】 (名)スル
あやしみいぶかること。不思議に思うこと。けげん。「梅は―の目を睜(ミハ)つた/雁(鴎外)」
怪訝な
けげん【怪訝な(そうに)】
dubious(ly).→英和
〜な顔をする look dubious.
怪誕
かいたん クワイ― [0] 【怪誕】
〔「誕」はうその意〕
奇怪なうそ。でたらめ。「―にして信ずるに足らずとせり/自由之理(正直)」
怪談
かいだん クワイ― [0] 【怪談】
化け物や幽霊などに関する恐ろしい不思議な話。「四谷―」
怪談
かいだん【怪談】
a ghost story.
怪談噺
かいだんばなし クワイ― [5] 【怪談噺】
人情噺・芝居噺の一。夏の寄席で怪談を演じる時,照明を暗くし,前座に幽霊の扮装をさせて客席に出したり,仕掛けを用いたりして客に恐怖感を与えるもの。初世林屋正蔵が元祖。
怪雨
かいう クワイ― [1] 【怪雨】
竜巻などによってまきあげられた草・魚・虫・土などが,雨とともに降ってくる現象。あやしのあめ。[和漢三才図会]
怪顛
けでん 【怪顛】
非常にびっくりすること。驚くこと。「此の男―して逃げんとするを/咄本・昨日は今日」
怪鳥
けちょう 【怪鳥・化鳥】
怪しい鳥。鳥の姿をした化け物。「鵼(ヌエ)といふ―禁中に鳴いて/平家 4」
怪鳥
かいちょう クワイテウ [0] 【怪鳥】
⇒けちょう(怪鳥)
怫然
ふつぜん [0] 【怫然・艴然】 (ト|タル)[文]形動タリ
むっとするさま。怒るさま。憤然。「わざと仰山に―として/羹(潤一郎)」
怯え
おびえ [0] 【怯え】
おそれ驚くこと。おびえること。恐怖。
怯える
おび・える [0][3] 【怯える・脅える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 おび・ゆ
怖がってびくびくする。また,恐ろしくて声をたてる。「―・えたような目つき」「物におそはるる心地して,や,と―・ゆれど/源氏(帚木)」
怯し
おじな・し ヲヂ― 【怯し】 (形ク)
(1)意気地がない。おくびょうだ。「―・き事する舟人にもあるかな/竹取」
(2)劣っている。「―・きや我に劣れる人を多み/仏足石歌」
怯む
ひる・む [2] 【怯む】 (動マ五[四])
(1)恐れて気力が弱まる。気持ちがくじける。「ピストルを見て―・む」
(2)手足がしびれる。[和名抄]
怯む
ひるむ【怯む】
shrink <from> ;→英和
wince <at> ;→英和
be overpowered <by> .
怯めず臆せず
おめずおくせず【怯めず臆せず】
fearlessly.
怯ゆ
おび・ゆ 【怯ゆ・脅ゆ】 (動ヤ下二)
⇒おびえる
怯夫
きょうふ ケフ― [1] 【怯夫】
臆病(オクビヨウ)な男。懦夫(ダフ)。
怯弱
きょうじゃく ケフ― [0] 【怯弱】 (名・形動)[文]ナリ
気が小さくて弱い・こと(さま)。おくびょう。怯懦(キヨウダ)。「心志―にして物に接するの勇なく/学問ノススメ(諭吉)」
怯懦
きょうだ ケフ― [1] 【怯懦】 (名・形動)[文]ナリ
おくびょうなこと。おじおそれること。また,そのさま。「―な性格」「―にして狐疑する/西国立志編(正直)」
怯者
きょうしゃ ケフ― [1] 【怯者】
おくびょうな人。「己より弱く,助けなきものを凌虐する人は,―にして/西国立志編(正直)」
怯臆
きょうおく ケフ― [0] 【怯臆】
恐れ,おびえること。臆病なこと。「危窮に遇しが毫も―の色なく/花柳春話(純一郎)」
怯[脅]える
おびえる【怯[脅]える】
be frightened[scared] <at> .
怱劇
そうげき 【怱劇・忩劇】
非常にあわただしいこと。多忙。「―の中にも其の御名残きつと思ひ出でて/平家 7」
怱卒
そうそつ [0] サウ― 【倉卒・草卒】 ・ ソウ― 【怱卒】 (名・形動)[文]ナリ
(1)忙しく慌ただしいこと。あわてて事を行うこと。また,そのさま。「―の間(カン)」「両者の優劣にいたりては未だ―に断言すべからざるものあり/小説神髄(逍遥)」
(2)突然なこと。急なこと。また,そのさま。にわか。「かく―に会戦して/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
(3)なげやりなこと。いいかげんなこと。また,そのさま。「酬金の薄きものと雖ども,―に筆を下すことなし/西国立志編(正直)」
怱忙
そうぼう [0] 【怱忙】
いそがしいこと。あわただしいこと。「―の間(カン)」
怱怱
そうそう [0] 【怱怱・匆匆】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
(1)忙しいこと。あわただしいこと。また,そのさま。「黄蝶二つ―に飛び去る/仰臥漫録(子規)」
(2)簡略にする・こと(さま)。「お―べい致しやす/塩原多助一代記(円朝)」
(3)「そうそう(草草){(3)}」に同じ。
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
{■一■}に同じ。「氏は―として急く事なしと雖/八十日間世界一周(忠之助)」
怵惕
じゅってき [0] 【怵惕】
おそれあやぶむこと。
怺える
こら・える コラヘル [3] 【堪える・怺える】 (動ア下一)[文]ハ下二 こら・ふ
(1)苦しみ・痛みなどをがまんする。耐える。「傷の痛さを―・える」
(2)悲しみ・苦しみ・怒りなどの感情や欲求が表面に出ようとするのをおさえる。「怒りを―・えて静かに語る」「涙を―・える」「笑いを―・えるのに苦労する」
(3)外から加えられる力に負けないように保つ。もちこたえる。「土俵際で―・える」「鎧は―・へたりけるか/保元(中)」
(4)処罰したり,しかったりすべきところを,許す。堪忍する。「―・えてやって下さい」
恁麼
いんも 【恁麼】
〔中国宋代の俗語。日本では主に禅語として用いられる。また,「どのような」の意の疑問語「什麼(ジユウマ)」「甚麼」なども,混同して「いんも」と読んで,同義とすることがある〕
(1)このような。そのような。
(2)({(1)}より転じて)絶対の真理のままにあること。
恊和
きょうわ ケフ― [0] 【協和・恊和】 (名)スル
〔明治初期には「きょうか」とも〕
(1)心を合わせなかよくすること。「互に尊敬し―して男女各自の天分を全くすべき真理/一隅より(晶子)」
(2)〔音〕 同時に発せられた,あるいは継続的な二つ以上の音がよく調和していること。どのような響き(あるいは音程)が協和とされるかは,時代や音楽様式によって変化。
→不協和
恋
こい コヒ [1] 【恋】
(1)異性に強く惹(ヒ)かれ,会いたい,ひとりじめにしたい,一緒になりたいと思う気持ち。「―に落ちる」
(2)古くは,異性に限らず,植物・土地・古都・季節・過去の時など,目の前にない対象を慕う心にいう。「明日香川川淀去らず立つ霧の思ひ過ぐべき―にあらなくに/万葉 325」
恋
こい【恋】
love.→英和
〜する love;fall in love <with> .〜を得る win <her,his> heart.
恋々とする
れんれん【恋々とする】
cling[be deeply attached] <to> .→英和
恋いる
こ・いる コヒル [2] 【恋いる】 (動ア上一)[文]ハ上一
〔上二段動詞「恋ふ」の上一段化〕
「恋う」に同じ。「自分がこの祖母を―・ひる事を忘れて出てゐる間に/小鳥の巣(三重吉)」
恋い初める
こいそ・める コヒ― [0][4] 【恋(い)初める】 (動マ下一)[文]マ下二 こひそ・む
恋の心をもちはじめる。恋しはじめる。「薄紅(ウスクレナイ)の秋の実に人―・めしはじめなり/若菜集(藤村)」
恋い慕う
こいした・う コヒシタフ [4][1] 【恋(い)慕う】 (動ワ五[ハ四])
恋しく思う。なつかしく思う。恋しがる。「ひそかに―・う」
恋い焦がれる
こいこが・れる コヒ― [5] 【恋(い)焦がれる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 こひこが・る
恋しくて,心が乱れ苦しむ。「一目見ただけの人に―・れる」[日葡]
恋う
こ・う コフ [1] 【恋う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
思い慕う。愛する。懐かしく思う。「母を―・う」「故郷を―・う気持ちがつのる」「妻―・ふ鹿の音/松の葉」
■二■ (動ハ上二)
(1)人,特に異性を恋する。ほれる。「出で立たむ力をなみと隠り居て君に―・ふるに心どもなし/万葉 3972」「まだ見ぬ人を―・ふるものとは/伊勢 101」
(2)慕わしく思う。「君をこそ兄君よりはいみじう―・ひ聞え給ふめれ/大鏡(伊尹)」
(3)(ある場所や物を)懐かしく思う。「人皆の見らむ松浦の玉島を見ずてや我は―・ひつつ居らむ/万葉 862」「月のおもしろかりける夜,こぞを―・ひて/古今(恋五詞)」
〔本来は上二段活用の語で,中世末期以降四段にも活用された。現代語では「恋い慕う」「恋いこがれる」のように複合動詞として多く用いられ,単独で用いられることは少ない〕
恋し
こお・し コホシ 【恋し】 (形シク)
〔「こひし(恋)」の古形〕
恋しい。「百鳥(モモトリ)の声の―・しき春来るらし/万葉 834」
恋し
こう・し コフシ 【恋し】 (形シク)
〔「こひし」の上代東国方言〕
恋しい。「うべ児なは我(ワヌ)に恋ふなも立(タ)と月(ツク)のぬがなへ行けば―・しかるなも/万葉 3476」
恋し
こほ・し 【恋し】 (形シク)
⇒こおし
恋し
くふ・し 【恋し】 (形シク)
〔「こひし」の上代東国方言〕
恋しい。「駿河の嶺(ネ)らは―・しくめあるか/万葉 4345」
恋しい
こいし・い コヒシイ [3] 【恋しい】 (形)[文]シク こひ・し
〔動詞「恋ふ」の形容詞形〕
人・場所・物事に心を強くひきつけられ,なつかしく,したわしく思われる。「故郷が―・い」「別れた人が―・い」「寒くなると火が―・い」「老い衰へたる様を見たてまつらざらむこそ―・しからめ/竹取」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
恋しい
こいしい【恋しい】
dear;→英和
beloved;→英和
darling.→英和
恋しがる long[pine] <for> ;→英和
yearn <after> .→英和
〜人 one's darling.→英和
恋しらに
こいしらに コヒシラ― 【恋しらに】 (連語)
〔「ら」は接尾語〕
恋しくて。恋しさに。「妹―見つる月かな/千載(羇旅)」
恋し鳥
こいしどり コヒシ― 【恋し鳥】
〔「死出の山越えて来つらむほととぎす恋しき人のうへ語らなむ/拾遺(哀傷)」から出た名〕
ホトトギスの異名。
恋する
こい・する コヒ― [3][1] 【恋する】 (動サ変)[文]サ変 こひ・す
男女の間で,相手に愛情を寄せる。異性を愛する。「―・する乙女」
恋の奴
こいのやっこ コヒ― 【恋の奴】
恋のとりこ。「徒らに―になり果てて/謡曲・恋重荷」
恋の山
こいのやま コヒ― 【恋の山】
うず高く積もった恋の思いを山にたとえた語。「―入りて苦しき道ぞとは/新千載(恋一)」
恋の歌
こいのうた コヒ― [1] 【恋の歌】
(1)恋の心をよんだ歌。恋愛を扱った歌。こいか。こいうた。
(2)古今集以後の勅撰集・私家集の部立ての一。恋愛の歌を集めた部分。
恋の淵
こいのふち コヒ― 【恋の淵】
恋慕の情の深いことを淵にたとえていう語。「三瀬川絶えぬ涙の憂き瀬にも乱るる―はありけり/謡曲・松風」
恋の煙
こいのけぶり コヒ― 【恋の煙】
恋いこがれるさまを物が火に焦げて煙るのにたとえていう語。「消えはてて屍は灰になりぬとも―はたちもはなれじ/狭衣 4」
恋の病
こいのやまい コヒ―ヤマヒ [1][1] 【恋の病】
「恋煩(コイワズラ)い」に同じ。
恋の重荷
こいのおもに コヒ― 【恋の重荷】
恋心がつのって耐えがたいことを,重荷を背負う苦しさにたとえた語。「名もことわりや―,げに持ちかぬるこの身かな/謡曲・恋重荷」
恋の闇
こいのやみ コヒ― [1][2] 【恋の闇】
恋のために心が迷い,理性を失った状態を闇にたとえていう語。
恋ひ余る
こいあま・る コヒ― 【恋ひ余る】 (動ラ四)
恋するあまり,それが表に現れでる。「隠(コモ)り沼(ヌ)の下ゆ―・り白波のいちしろく出でぬ人の知るべく/万葉 3935」
恋ひ渡る
こいわた・る コヒ― 【恋ひ渡る】 (動ラ四)
恋い慕いながら年月を過ごす。「朝霧のおほに相見し人ゆゑに命死ぬべく―・るかも/万葉 599」
恋人
こいびと【恋人】
a lover (男);→英和
a love (女);→英和
a sweetheart (特に女).→英和
〜同士 a pair of lovers.
恋人
こいびと コヒ― [0] 【恋人】
恋しく思う人。相思の間柄にある,相手方。
恋仲
こいなか コヒ― [0] 【恋仲】
互いに恋し合っている間柄。
恋仲である[になる]
こいなか【恋仲である[になる]】
be[fall]in love <with> .
恋初める
こいそ・める コヒ― [0][4] 【恋(い)初める】 (動マ下一)[文]マ下二 こひそ・む
恋の心をもちはじめる。恋しはじめる。「薄紅(ウスクレナイ)の秋の実に人―・めしはじめなり/若菜集(藤村)」
恋塚
こいづか コヒ― 【恋塚】
恋のために死んだ人を葬った塚。「鳥羽の―,秋の山,月の桂の川瀬舟/謡曲・卒都婆小町」
恋女房
こいにょうぼう コヒニヨウバウ [3] 【恋女房】
恋い慕い合って連れ添った妻。愛している妻。こいづま。
恋女房
こいにょうぼう【恋女房】
one's beloved wife.〜をもらう marry a girl for love.
恋女房染分手綱
こいにょうぼうそめわけたづな コヒニヨウバウ― 【恋女房染分手綱】
人形浄瑠璃の一。時代物。吉田冠子・三好松洛作。1751年初演。近松の「丹波与作待夜の小室節」の改作。丹波由留木(ユルギ)家の乳人重(シゲ)の井が,我が子の三吉と対面しながら,主家への義理で母子の名乗りができずに別れる「重の井子別れ」の段が著名。
恋妻
こいづま コヒ― 【恋妻】
恋い慕う相手。恋しい妻。「我(ア)が―を見むよしもがも/万葉 2371」
恋娘昔八丈
こいむすめむかしはちじょう コヒムスメムカシハチヂヤウ 【恋娘昔八丈】
人形浄瑠璃の一。世話物。松貫四・吉田角丸作。1775年初演。通称「お駒才三」。江戸の材木商白子屋の娘お熊が,手代らと謀って婿を殺害した実説を,城木屋の娘お駒と髪結いの才三郎との情話とし,お家騒動をからませたもの。「城木屋」と「鈴ヶ森」の段が有名。
恋婿
こいむこ コヒ― [3] 【恋婿】
恋い慕って迎えた婿。
恋川春町
こいかわはるまち コヒカハ― 【恋川春町】
(1744-1789) 江戸中期の黄表紙作者・狂歌師。本名,倉橋格。別号,狂号,酒上不埒(サケノウエノフラチ)。駿河小島の松平家の家臣。江戸小石川春日町に住む。黄表紙の鼻祖。作「金々先生栄花夢」「鸚鵡返文武二道」など。
恋心
こいごころ コヒ― [3] 【恋心】
恋しいと思う心。「―が芽生える」
恋忘れ草
こいわすれぐさ コヒワスレ― 【恋忘れ草】
恋を忘れさせるという草。萱草(カンゾウ)の異名。「―見るにいまだ生ひず/万葉 2475」
恋忘れ貝
こいわすれがい コヒワスレガヒ 【恋忘れ貝】
恋の思いを忘れさせるという貝。「我が背子に恋ふれば苦し暇(イトマ)あらば拾(ヒリ)ひて行かむ―/万葉 964」
→わすれがい(2)
恋恋
れんれん [0] 【恋恋】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
未練の気持ちが強く,思いきれないさま。「その地位に―としてすがりつく」「何ぞや其人爵を排撃したるは…猶天爵に―たるが如きは/筆まかせ(子規)」
■二■ (名)スル
恋慕の情を思い切れないこと。「―の情」「先きの愛を回顧―するも/欺かざるの記(独歩)」
恋情
れんじょう [0] 【恋情】
異性を恋い慕うこころ。恋ごころ。
恋情
れんじょう【恋情】
love.→英和
恋愛
れんあい [0] 【恋愛】 (名)スル
男女が恋い慕うこと。また,その感情。ラブ。
〔love の訳語〕
恋愛
れんあい【恋愛】
love.→英和
〜している(する) be (fall) in love <with> .‖恋愛結婚(する) a love match[marriage](marry for love).恋愛事件(小説) a love affair (story).
恋愛小説
れんあいしょうせつ [5] 【恋愛小説】
恋愛を主題とする小説。
恋愛結婚
れんあいけっこん [5] 【恋愛結婚】
見合い結婚に対して,恋愛から結婚に進むこと。
恋愛至上主義
れんあいしじょうしゅぎ [8] 【恋愛至上主義】
恋愛を人生において最高のものとする考え方。
恋愛論
れんあいろん 【恋愛論】
〔原題 (フランス) De l'Amour〕
スタンダールの評論。1822年刊。第一部では恋愛を情熱・趣味・肉体・虚栄の四つのタイプに分け,第二部で社会生活との関係を考察する。塩の結晶を例に,恋愛心理の発生を説いた「結晶作用」が名高い。
恋愛関係
れんあいかんけい [5] 【恋愛関係】
恋愛中の二人の間柄。
恋慕
れんぼ [1] 【恋慕】 (名)スル
(1)恋い慕うこと。「―の情」「横―」「若(モ)し男児を―することあらば/花柳春話(純一郎)」
(2)「鈴慕(レイボ)」に同じ。
恋慕う
こいした・う コヒシタフ [4][1] 【恋(い)慕う】 (動ワ五[ハ四])
恋しく思う。なつかしく思う。恋しがる。「ひそかに―・う」
恋慕する
れんぼ【恋慕する】
fall in love <with> .
恋慕流し
れんぼながし [4] 【恋慕流し】
⇒鈴慕(レイボ)流し
恋教へ鳥
こいおしえどり コヒヲシヘ― [5] 【恋教へ鳥】
〔伊弉諾(イザナキ)・伊弉冉(イザナミ)二神が,セキレイの動作を見て夫婦の道を知ったという説話から〕
セキレイの異名。こいしりどり。
恋敵
こいがたき【恋敵】
a rival in love.
恋敵
こいがたき コヒ― [3] 【恋敵】
恋愛の競争相手。同じ人を恋している相手。ライバル。
恋文
こいぶみ【恋文】
a love letter.
恋文
こいぶみ コヒ― [0][1] 【恋文】
恋い慕っている気持ちを述べた手紙。ラブレター。艶書(エンシヨ)。懸想文(ケソウブミ)。いろぶみ。
恋歌
こいか コヒ― [1] 【恋歌】
⇒こいうた(恋歌)
恋歌
れんか [1] 【恋歌】
相手を恋い慕う思いを述べた歌や和歌。こいうた。相聞歌(ソウモンカ)。
恋歌
こいうた コヒ― [0][2] 【恋歌】
恋の心をよんだ和歌や詩。相聞歌。こいか。
→恋の歌
恋歌
れんか【恋歌】
a love song.
恋死に
こいじに コヒ― [0] 【恋死に】 (名)スル
恋いこがれて死ぬこと。
恋焦がれる
こいこが・れる コヒ― [5] 【恋(い)焦がれる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 こひこが・る
恋しくて,心が乱れ苦しむ。「一目見ただけの人に―・れる」[日葡]
恋煩い
こいわずらい【恋煩い】
lovesickness.〜をする be lovesick.
恋煩い
こいわずらい コヒワヅラヒ [3] 【恋煩い】 (名)スル
ある人を恋い慕う気持ちがつのったあまりに病気のようになること。こいやまい。こいのやまい。こいやみ。
恋猫
こいねこ コヒ― [0][1] 【恋猫】
さかりのついた猫。[季]春。《―をあはれみつゝもうとむかな/虚子》
恋病
こいやまい コヒヤマヒ [3] 【恋病】
「恋煩(コイワズラ)い」に同じ。
恋病み
こいやみ コヒ― [0] 【恋病み】
「恋煩(コイワズラ)い」に同じ。
恋着
れんちゃく [0] 【恋着】 (名)スル
忘れられないほど深く恋いしたうこと。「往来を通る婦人の七割弱には―するといふ事が/吾輩は猫である(漱石)」
恋知り
こいしり コヒ― 【恋知り】
恋愛の情を解すること。また,その人。「お俊といへる―が/浄瑠璃・近頃河原達引」
恋知り鳥
こいしりどり コヒ― 【恋知り鳥】
「恋教え鳥」に同じ。「神代の昔より,このこと―の教へ/浮世草子・五人女 3」
恋結び
こいむすび コヒ― 【恋結び】
恋愛の関係が切れないようにと,神に祈って紐などを結ぶ呪術。「白たへの我が紐の緒の絶えぬ間に―せむ逢はむ日までに/万葉 2854」
恋衣
こいごろも コヒ― 【恋衣】
心から離れない恋の思いを衣にたとえた語。「―着奈良の山に鳴く鳥の/万葉 3088」
恋路
こいじ コヒヂ [0][1] 【恋路】
恋心を通わす道の意で,恋愛をいう語。恋のみち。「人の―のじゃまをする」「忍ぶ―」
恋路の闇
こいじのやみ コヒヂ― 【恋路の闇】
恋のために心が乱れて,分別を失うこと。「お七こそ―の暗がりに/浄瑠璃・八百屋お七」
恋重荷
こいのおもに コヒ― 【恋重荷】
能の一。四番目物。「綾鼓」の原作「綾の太鼓」を世阿弥(ゼアミ)が改作。女御(ニヨウゴ)を見初めた庭守りの老人が,重荷を背負って庭を巡れば女御の姿を拝ませようとなぶられて,重荷を負おうとするが耐えられず死に,亡霊となって女御を悩ます。
恋風
こいかぜ コヒ― 【恋風】
恋の思いにとらえられて自由にならないさまを風に悩まされるさまにたとえた語。「―が来ては袂にかいもとれてなう,袖の重さよ/閑吟集」
恍
こう クワウ [1] 【恍】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)うっとりするさま。「―として夢み惚として覚め/世路日記(香水)」
(2)はっきり見分けがたいさま。「―たる月日を返すに難きいたづらの身や/ふところ日記(眉山)」
恍く
とぼ・く 【恍く・惚く】 (動カ下二)
⇒とぼける(恍・惚)
恍け
とぼけ [3] 【恍け・惚け】
とぼけること。
→おとぼけ
恍ける
とぼ・ける [3] 【恍ける・惚ける】 (動カ下一)[文]カ下二 とぼ・く
(1)知っていながら,知らない,というふりをする。しらばくれる。「―・けたってだめだ。お前がやったんだろう」
(2)間の抜けた言動をする。「―・けたことを言う」「―・けた表情」
(3)頭の働きがにぶくなる。ぼける。「―・ケテ我ガ子ノ顔モ知ラヌ/ヘボン」
恍け者
とぼけもの [0] 【恍け者】
(1)とぼけた人。ひょうきんもの。
(2)ぼんやりした人。うっかりもの。
(3)しらばくれる人。
恍け顔
とぼけがお [0] 【恍け顔】
とぼけた顔つき。とぼけづら。
恍れる
ほ・れる [0] 【惚れる・恍れる・耄れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ほ・る
(1)ある異性がたまらなく好きになる。…に恋をする。「おれはあのこに―・れちまったんだ」「人ニ―・ルル/日葡」
(2)人柄や技能などのすぐれていることに心をひかれる。心酔する。「社長は君の度胸のよさに―・れたのだ」
(3)(他の動詞の下に付いて)ある一つのことをよいと感じて夢中になって,他を忘れるほどになる。心を奪われる。「聞き―・れる」「見―・れる」
(4)頭がぼんやりする。また,年をとって頭がぼける。耄碌(モウロク)する。「いかなる事出で来む,と思ひ嘆きて,頬杖(ツラヅエ)をつきて―・れてゐたるを/落窪 1」
恍乎
こうこ クワウ― [1] 【恍乎】 (ト|タル)[文]形動タリ
うっとりと心を奪われるさま。「精神―として恰(アタカ)も仙境に在るが如く/月世界旅行(勤)」
恍惚
こうこつ クワウ― [0] 【恍惚】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)心を奪われてうっとりするさま。「何事も忘れたやうに―として/或る女(武郎)」
(2)頭がぼけて意識がはっきりしないさま。特に,老年になって,脳軟化症などで起こる状態をいう。
〔(2)は有吉佐和子の小説「恍惚の人」(1972年)で流行した〕
恍惚とする
こうこつ【恍惚とする】
be enraptured[in raptures];be charmed[enchanted].〜として in an ecstasy.→英和
〜の人 a person in his second childhood.
恍然
こうぜん クワウ― [0] 【恍然】 (ト|タル)[文]形動タリ
心を奪われてうっとりとしているさま。「其の凛とした美しさを平野は―と見て居たが/良人の自白(尚江)」
恐い
こわ・い コハイ [2] 【怖い・恐い】 (形)[文]ク こは・し
〔「強(コワ)い」と同源〕
(1)危害を加えられそうで逃げ出したい感じだ。自分に危険なことが起こりそうで身がすくむ思いだ。「―・いもの見たさ」「―・い顔」「雷が―・い」
(2)悪い結果が予想されて不安だ。先行きが心配で避けたい。「相場は―・いから手を出さない」「今はいいが,あとが―・い」
(3)軽視できない。予想以上に大した力をもっている。「やはり専門家は―・い」「一念というのは―・いもので,とうとうやりとげた」
〔「おそろしい」に似ているが,それより主観性が強く,また口語的である。「おっかない」はさらに口語的で東日本に用いられる〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
恐がり
こわがり コハ― [3][4] 【怖がり・恐がり】
何でもないことでもこわがること。また,そのような人。臆病者。
恐がる
こわが・る コハ― [3] 【怖がる・恐がる】 (動ラ五)
ある物や事をひどくおそれる。おびえる。「犬を―・る」
恐し
こわ・し コハシ 【怖し・恐し】 (形ク)
⇒こわい
恐らく
おそらく【恐らく】
perhaps;→英和
probably;→英和
possibly;→英和
I fear[am afraid]….
恐らく
おそらく [2] 【恐らく】 (副)
〔「恐らくは」の略〕
(1)下に推量の表現を伴って,かなり確実な推量判断を導く。多分。きっと。「明日も―天気だろう」「―来ないだろう」
(2)恐れ多いことではあるが。はばかりながら。「人切る様は大名人,―宗匠ござんなれ/浄瑠璃・反魂香」
(3)恐ろしくなるほどの。「鼻の高さ―也/仮名草子・難波物語」
恐らくは
おそらくは [2] 【恐らくは】 (副)
〔「恐るらくは」の転〕
(1)「おそらく」に同じ。
(2)恐れることは。「―他の官の者,此の由を知らずして,亦,君を捕へむと為む/今昔 7」
恐り
おそり 【恐り】
〔上二段動詞「恐る」の連用形から〕
心配。おそれ。「永く三途八難の―を免れたり/栄花(玉の台)」
恐る
おそ・る [2] 【恐る・畏る】
■一■ (動ラ上二)
「おそれる」に同じ。「諸の人是を見て―・りぬ物なし/三宝絵詞(中)」
■二■ (動ラ四)
「おそれる」に同じ。「聞く人は―・らむとせる心を生ず/地蔵十輪経(元慶点)」
■三■ (動ラ下二)
⇒おそれる
恐るべき
おそるべき【恐るべき】
terrible;→英和
formidable.→英和
恐るべき
おそるべき [4] 【恐るべき・畏るべき】 (連語)
(1)恐怖感をもつのが当然な。おそろしい。《恐》「原爆の―破壊力」
(2)程度が並外れている。大変な。「―才能の持ち主」
恐るらくは
おそるらくは 【恐るらくは】 (連語)
〔下二段活用の動詞「恐る」のク語法に係助詞「は」の付いたもの。漢文訓読に由来する語法〕
「おそらくは」に同じ。
恐る恐る
おそるおそる [4] 【恐る恐る】 (副)
(1)こわがりながら。びくびくしながら。こわごわ。「―ライオンをなでる」
(2)恐れはばかりながら。「―天子の前に進み出る」
恐る恐る
おそるおそる【恐る恐る】
timidly[nervously](こわごわ);→英和
reverently (うやうやしく);cautiously (用心して).→英和
恐れ
おそれ [3] 【恐れ】
(1)こわいという気持ち。恐怖。「―をいだく」
(2)(「虞」とも書く)悪いことが起こるのではないかという心配。懸念。「肺炎を併発する―がある」
(3)(「畏れ」とも書く)神仏や年長者に対するつつしみ。はばかり。「富士への―にこの度はさしおく/狂言・富士松」
恐れがまし
おそれがま・し 【恐れがまし】 (形シク)
恐れ多いようである。もったいない。「『さらば身どもが持たう』『それは―・しいことでござる』/狂言・止動方角」
恐れる
おそれる【恐れる】
fear;→英和
dread;→英和
be afraid <of> .…を恐れて for fear <of,that…> .
恐れる
おそ・れる [3] 【恐れる・畏れる・怖れる・懼れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おそ・る
(1)危害が及ぶことを心配してびくびくする。危害を及ぼすような人や物と接することを避けたがる。こわがる。《恐・怖・懼》「野獣は火を―・れる」「相手が去年の優勝チームだからといって―・れるな」「報復を―・れる」「残りの船は風に―・るるか/平家 11」
(2)良くないことが起きることを予想し,そうならなければよいが,と思う。危惧(キグ)する。《恐・懼》「失敗を―・れていては進歩は望めない」「資料の散逸を―・れる」
(3)神仏などを,人為の及ばないものとして敬い,身をつつしむ。《恐・畏》「神をも―・れぬ不逞(フテイ)の輩(ヤカラ)」
(4)閉口する。恐れ入る。《恐》「飲六さんの悪ふざけには―・れるねへ/滑稽本・浮世風呂 2」
〔上代は上二段か四段か不明だが,平安初期は上二段活用が多い。平安中期に下二段にも活用するようになり,中世以降は下二段活用のみとなった〕
恐れ乍ら
おそれながら [4][0] 【恐れ乍ら】 (副)
失礼ではあるが。恐れ多いことであるが。「―申し上げます」
恐れ乍ら
おそれながら【恐れ乍ら】
most humbly[respectfully].
恐れ入ります
おそれいります 【恐れ入ります】 (連語)
(1)自分にとって過分と思われる目上の人の行為に対しての感謝の気持ちをあらわす挨拶。大変ありがとうございます。
(2)〔「おそれいりますが」の形で〕
目上の人や客などに,迷惑や骨折りに対して「申し訳ない」という気持ちでいう語。大変申し訳ありません。「―が,お名前をお教えいただけませんでしょうか」
恐れ入る
おそれい・る [2] 【恐れ入る】 (動ラ五[四])
(1)相手の優れている点に,すっかり感心して,まいったと思う。「刑事の眼力に―・る」
(2)相手のあまりのひどさに言う言葉もないほどにあきれる。「―・った屁理屈」
(3)目上の人に迷惑をかけたり失礼なことをしたりして申し訳ないと思う。「また攻撃するやうで―・るが/二人女房(紅葉)」
(4)相手の行為をありがたいと思う。
(5)すっかりこわくなる。「難波も瀬尾もともに―・りたりけり/平家 2」
→恐れ入ります
恐れ入る
おそれいる【恐れ入る】
(1) be awestruck (畏縮);be overwhelmed;feel small.(2) be sorry <to trouble a person> (恐縮);be much obliged <to> (多謝).
(3) be embarrassed[confounded](閉口).
(4) be astonished[surprised] <at,to hear> (驚き).
恐れ入ります Thank you./It's very kind of you.恐れ入りますが I am sorry to trouble you,but <will you…> ?
恐れ多い
おそれおおい【恐れ多い】
gracious.→英和
恐れ多くも graciously.→英和
恐れ多い
おそれおお・い [4][5] 【恐れ多い・畏れ多い】 (形)[文]ク おそれおほ・し
(1)身分の高い人に対して失礼だ。「口にするのも―・い」
(2)身分の高い人から受けた厚意が,身に過ぎてもったいない。「―・くも陛下の御臨席を賜る」
[派生] ――さ(名)
恐れ戦く
おそれおののく【恐れ戦く】
tremble with fear.
恐れ戦く
おそれおのの・く [6] 【恐れ戦く】 (動カ五[四])
恐ろしくて体がぶるぶる震える。非常に恐ろしがる。「暴力団に市民は―・いた」
恐れ気
おそれげ [0] 【恐れ気】
おそろしがっているようす。「―もなく近づく」
恐ろ
おそろ 【恐ろ】 (形動)
〔形容詞「おそろし」の語幹から。近世江戸語〕
恐れ入ったさま。「此白紙認め置き水にひたせば皆読(ヨメ)る。こりや―だ/浄瑠璃・神霊矢口渡」
〔安永・天明(1772-1789)の頃,通人の間で用いられた〕
恐ろしい
おそろしい【恐ろしい】
fearful;→英和
awful;→英和
terrible;→英和
dreadful;→英和
horrible;→英和
fierce (凶悪な);→英和
ferocious.→英和
恐ろしく fearfully;→英和
terribly.→英和
恐ろしい
おそろし・い [4] 【恐ろしい】 (形)[文]シク おそろ・し
〔動詞「おそる」の形容詞化〕
(1)恐怖や畏敬の念を感ずる。「―・くて声も出せない」
(2)(将来のことを心配して)避けたい。警戒しなければならない。「いちばん―・いのは油断だ」「地震によるパニックが―・い」
(3)程度が並外れている。驚くほど立派だ。「―・く足の速い男」「文覚もとより―・しき聖にて/平家 12」
(4)不思議だ。説明がつかない。「慣れとは―・いもので,静かな所ではかえって眠れない」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
恐ろしがる
おそろしがる【恐ろしがる】
⇒恐れる.
恐ろしさ
おそろしさ【恐ろしさ】
dreadfulness;frightfulness;→英和
<in> terror.→英和
〜に for[from,out of]fear.
恐喝
きょうかつ【恐喝】
a threat;→英和
threatening;→英和
blackmail (ゆすり).→英和
〜する threat;intimidate.→英和
〜して金を取る blackmail <a person> of money.‖恐喝状 a threatening[blackmailing]letter.
恐喝
きょうかつ [0] 【恐喝】 (名)スル
相手の弱点・秘密などを種におどしつけること。ゆすり。「スキャンダルを種に―する」
恐喝罪
きょうかつざい [4][0] 【恐喝罪】
人を威嚇(イカク)して財物を交付させ,または財産上不法の利益を得たり,他人にこれを得させたりすることによって成立する罪。未遂も処罰される。
恐嚇
きょうかく [0] ケフ― 【脅嚇】 ・ キヨウ― 【恐嚇】 (名)スル
おびやかしおどすこと。「短銃を擬しなどして,其等を―する/鬼啾々(夢柳)」
恐妻
きょうさい [0] 【恐妻】
夫が妻を恐れること。夫が妻に頭の上がらないこと。「―家」
恐妻
きょうさい【恐妻(病)】
wifephobia.恐妻家 a henpecked husband.
恐察
きょうさつ [0] 【恐察】 (名)スル
推察することをへりくだっていう語。拝察。「皇帝の宸襟こそ,誠に―するに余りがある/此一戦(広徳)」
恐山
おそれざん 【恐山】
青森県下北半島北部にある火山。海抜879メートル。カルデラ湖岸の円通寺は日本三大霊場の一つで,七月に「いたこの口寄せ」がある。宇曾利(ウソリ)山。
恐怖
きょうふ【恐怖】
(a) fear;→英和
(a) fright;→英和
(a) terror.→英和
〜を感じる fear;be afraid <of> ;dread;→英和
be frightened <at,by> .‖恐怖映画 a horror movie.恐怖観念 a fear complex.恐怖症 morbid fear;…(-)phobia.
恐怖
きょうふ [1][0] 【恐怖】 (名)スル
恐れること。恐れ。「―感」「―心」「人心を―せしむる事件/日本開化小史(卯吉)」
恐怖小説
きょうふしょうせつ [4] 【恐怖小説】
⇒ゴシック小説
恐怖政治
きょうふせいじ [4] 【恐怖政治】
(1)権力者が逮捕・投獄・暗殺などの暴力的手段によって反対者を弾圧して強行する政治。暗黒政治。
(2)〔(フランス) La Terreur〕
フランス革命時代のロベスピエールらによるジャコバン派独裁をさす。
恐怖症
きょうふしょう [3][0] 【恐怖症】
神経症の一。不合理だとわかりながらも特定の対象・状況についての強い不安に苦しむ症状。対人恐怖症・高所恐怖症・閉所恐怖症など。
恐恐
きょうきょう [0] 【恐恐】 (副)
恐れかしこまるさま。おそるおそる。
恐恐謹言
きょうきょうきんげん [0] 【恐恐謹言】
恐れながらつつしんで申し上げるという意の語。手紙文の結びに記して,敬意を表す。
恐悚
きょうしょう [0] 【恐悚】
〔「悚」もおそれるの意〕
「恐縮(キヨウシユク)」に同じ。「深く―の至に堪ず/新聞雑誌 9」
恐悦
きょうえつ [0] 【恐悦・恭悦】 (名)スル
(1)かしこまり喜ぶこと。感謝を述べるときに多く用いる。「―至極に存じます」
(2)ひどく喜ぶこと。「芸者は平手で野だの膝を叩いたら野だは―して笑つてる/坊っちゃん(漱石)」
恐惶
きょうこう [0] 【恐惶】 (名)スル
(1)おそれかしこまること。「―至極」「良心に逐れて―せる盗人/義血侠血(鏡花)」
(2)候文の手紙の末尾に書く挨拶(アイサツ)の言葉。
恐惶敬白
きょうこうけいはく [0] 【恐惶敬白】
〔おそれかしこみ,うやまって申し上げるの意〕
「恐惶謹言」に同じ。きょうこうけいびゃく。
恐惶謹言
きょうこうきんげん [0] 【恐惶謹言】
〔おそれかしこみ,つつしんで申し上げるの意〕
候文の手紙の結びに使う挨拶(アイサツ)の言葉。
恐慌
きょうこう【恐慌】
<cause> a panic;→英和
alarm.→英和
〜を来たす be panic-stricken[alarmed](人が).金融恐慌 a financial panic.
恐慌
きょうこう [0] 【恐慌】 (名)スル
(1)〔経〕
〔panic〕
景気変動の後退局面で,需要の急速な低下,商品の過剰,物価の下落,信用関係麻痺(マヒ),企業倒産,失業が急激かつ大規模に生じ,一時的に経済活動全体が麻痺すること。経済恐慌。パニック。
(2)おそれあわてること。「―をきたす」「―し,狼狽し,悩乱し/金色夜叉(紅葉)」
恐慌性障害
きょうこうせいしょうがい [7] 【恐慌性障害】
⇒パニック障害
恐懼
きょうく [1] 【恐懼】 (名)スル
(1)おそれ,かしこまること。「―感激」「剛毅にして―することなき行状/西国立志編(正直)」
(2)候文(ソウロウブン)の手紙の末尾に用いる語。「―謹言」「―再拝」
(3)朝廷から勘気を受け,謹慎を命ぜられること。「其の罪軽からず。暫く―すべし/台記」
恐水病
きょうすいびょう [0] 【恐水病】
⇒狂犬病(キヨウケンビヨウ)
恐水病
きょうすいびょう【恐水病】
⇒狂犬(病).
恐竜
きょうりゅう【恐竜】
a dinosaur.→英和
恐竜
きょうりゅう [0] 【恐竜】
中生代に栄え,絶滅した巨大な爬虫類の一種。骨格の化石が発見されている。肉食性と草食性とがあり,白亜紀の草食性のものには体長35メートル,体重75トンに及ぶものもあった。
恐縮
きょうしゅく [0] 【恐縮】 (名)スル
(1)恐ろしくて身が縮むこと。「家畜伝染のやまひとあるからわれ人ともに―はいたしたものの/安愚楽鍋(魯文)」
(2)身も縮むほど恐れ入ること。恐悚(キヨウシヨウ)。「おほめの言葉をいただき―しております」「―ですが,伝言をお願い致します」
〔依頼・礼・わびなどをいうときにも用いる〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])
恐縮する
きょうしゅく【恐縮する】
be thankful <to a person for> (感謝);be sorry <for> (気の毒);be ashamed (恥じ入る).〜ですが… Excuse me,but….
恐鳥
きょうちょう [0] 【恐鳥】
モアの異名。
恐[怖]れ
おそれ【恐[怖]れ】
fear;→英和
dread;→英和
terror;→英和
horror (戦慄);→英和
apprehension (懸念);→英和
awe (畏怖);→英和
reverence (畏敬).→英和
…の〜がある be in danger of…;It is feared that….
恒
つね [1] 【常・恒】
(1)いつも通りであること。また,いつもそうすること。ふだん。平素。「顔色が―と違う」「車中での読書を―とする」
(2)いつも変わらないこと。永遠であること。「世中はなにか―なる飛鳥川きのふの淵ぞけふは瀬になる/古今(雑下)」
(3)ありふれていること。普通。「―の人」
(4)世の中のことわり。ならわし。ならい。「親が子を思うのは世の―だ」
(5)ある種のものに共通の特性としてありがちなこと。「愚劣な者の―として,何事も自分に都合の好い様にばかり考へるから/平凡(四迷)」
→常に
恒久
こうきゅう [0] 【恒久】
長く変わらないこと。永久。「日本国民は,―の平和を念願し/日本国憲法(前文)」
恒久の
こうきゅう【恒久の】
permanent.→英和
恒久化(性) perpetuation (permanency).
恒久棚卸法
こうきゅうたなおろしほう [0] 【恒久棚卸法】
在庫残高を商品の出し入れ量から算出する方法。同様に,国民経済計算において資本ストックの総量を年々の投資と減価償却から算出する方法。パーペチュアル-インベントリー法。
恒久法
こうきゅうほう [0] 【恒久法】
条文中に有効期間を限定していない法律。
⇔限時法
恒久的
こうきゅうてき [0] 【恒久的】 (形動)
永久に変わらないさま。「―な平和」
恒例
こうれい【恒例】
an established custom;→英和
a usual practice.〜の customary;→英和
usual.→英和
〜により according to the custom;as usual.→英和
恒例
こうれい [0] 【恒例】
〔古くは「ごうれい」とも〕
物事が決まった方式で行われること。また,しきたり・ならわしになっている行事や儀式。慣例。「―による」「―の忘年会」
恒信風
こうしんふう [0] 【恒信風】
「貿易風」のこと。
恒山
こうざん 【恒山】
中国,山西省北部の山。五岳の一。北岳。古くは河北省定県北西の大茂山をさした。ホン-シャン。
恒常
こうじょう [0] 【恒常】
変化がなく,いつも一定であること。「―的な施設」
恒常
こうじょう【恒常】
constancy.→英和
恒常的(に) constant(ly).→英和
恒常仮定
こうじょうかてい [5] 【恒常仮定】
〔心〕 刺激と感覚とは必ず一対一で対応しているとする心理学上の仮定。精神現象を個々の感覚のよせ集めではないとするゲシュタルト心理学によって批判された。
恒常性
こうじょうせい [0] 【恒常性】
〔homeostasis〕
生体がさまざまな環境の変化に対応して,内部状態を一定に保って生存を維持する現象。また,その状態。血液の性状の一定性や体温調節などがその例。動物では主に神経やホルモンによって行われる。ホメオスタシス。
恒常所得
こうじょうしょとく [5] 【恒常所得】
不定期的な所得ではなく,月給のように定期的に入ることが予想される所得。
→変動所得
恒常所得仮説
こうじょうしょとくかせつ [8] 【恒常所得仮説】
所得中に占める恒常所得の割合が高ければ,それだけ消費性向が高いとする説。M=フリードマンが唱えた。
恒常現象
こうじょうげんしょう [5] 【恒常現象】
〔心〕 感覚器官が受け取る刺激そのものは変化しても,大きさ・形などの知覚上の性質は変わらない感じがする現象。例えば,ある人から二倍の距離に離れると網膜上での大きさは半分になるが,実際にはほぼ同じ大きさに知覚されるなど。知覚の恒常性。
恒心
こうしん [0] 【恒心】
〔孟子(梁恵王上)〕
人間として常に持つべき変わらぬ心。節操。「恒産なき者は―なし」
→恒産
恒数
こうすう [3] 【恒数】
⇒定数(テイスウ)(3)
恒星
こうせい [0] 【恒星】
天球上の互いの位置をほとんど変えず,それ自体の重力により一塊となり,光や熱などを放射している星。星座をつくっている星や太陽はこれに当たる。
→惑星
恒星
こうせい【恒星】
a fixed star.
恒星の種族
こうせいのしゅぞく 【恒星の種族】
恒星を性質などによって I と II の二つに分けた種類。種族 I は一般に若くて重元素が多く,高温度の主系列星・散開星団などとして銀河系の渦巻きに沿って存在し,種族 II は一般に老いた星で重元素が少なく,低温の巨星,球状星団の星々として銀河系の中心部やハロー部分に存在している。
恒星天
こうせいてん [3] 【恒星天】
古代ギリシャの天文学において,恒星がちりばめられていると想像した天球。地球を中心として最も外側にある球殻で,一様に回転しているとされた。
恒星天文学
こうせいてんもんがく [7] 【恒星天文学】
天文学の一分野。恒星の分布や運動,物理・化学的特性を統計的に解析し,恒星の進化や銀河系の構造を研究する。
恒星年
こうせいねん [3] 【恒星年】
太陽が恒星に対して,黄道上を一周する時間。西暦2000年における一恒星年は三六五・二五六四日。
恒星日
こうせいじつ [3] 【恒星日】
春分点が任意の地点の子午線を通過してから次に通過するまでの時間。西暦2000年での値は二三時間五六分四・〇九〇五秒。
恒星時
こうせいじ [3] 【恒星時】
天球上の春分点の時角として定義される時刻。時刻観測によって容易に知ることができ,世界時のもとになっている。
→時角
恒星月
こうせいげつ [3] 【恒星月】
恒星に対して,月が天球上を一周する時間の平均値。西暦2000年における値は二七・三二一六六二日。
恒星状天体
こうせいじょうてんたい [7] 【恒星状天体】
非常に遠方にあるため,小さな恒星状に見える天体。
→準星
恒星表
こうせいひょう [0] 【恒星表】
⇒星表(セイヒヨウ)
恒星進化論
こうせいしんかろん [7] 【恒星進化論】
恒星の一生についての説。現在は,星雲でできたグロビュールが各々内部で核融合反応を起こして恒星となり,主系列星として一生の大部分を過ごしたあと,巨星へと進み,最後は質量の大きいものはブラック-ホールや中性子星に,小さいものは白色矮星になると考えられている。
恒業
こうぎょう [0] 【恒業】
継続して行う仕事。
恒沙
ごうしゃ [1] 【恒沙】
「ごうがしゃ(恒河沙){(1)}」の略。
恒河
ごうが 【恒河】
〔梵 Ganṅgā〕
ガンジス川。
恒河沙
ごうがしゃ [3] 【恒河沙】
(1)恒河にある砂の数。数のきわめて多いたとえ。恒沙(ゴウジヤ)。「物の命をたつこと―のごとし/曾我 11」
(2)数の単位。極(ゴク)の一億倍。すなわち一〇の五六乗。[塵劫記]
恒温
こうおん [0] 【恒温】
温度が一定であること。定温。
恒温動物
こうおんどうぶつ [5] 【恒温動物】
外界の温度変化にかかわりなく常にほぼ一定の体温を保っている動物の総称。哺乳類や鳥類がこれに属する。温血動物。定温動物。
⇔変温動物
恒温槽
こうおんそう [3] 【恒温槽】
サーモスタットなどを用い,内部の温度を自動的に一定に保つようにした装置。恒温器。
恒産
こうさん [0] 【恒産】
一定の財産。一定の安定した職業。
恒真式
こうしんしき [3] 【恒真式】
⇒トートロジー(2)
恒等式
こうとうしき [3] 【恒等式】
等式で,その中の文字にどんな数値を入れても常に成り立つ式。
恒良親王
つねながしんのう 【恒良親王】
〔名は「もりよし」とも〕
(1324-1338) 後醍醐天皇皇子。元弘の変で但馬に配流,建武新政後皇太子となった。足利尊氏が離反すると,越前金崎城にこもってこれに応戦,捕らえられ毒殺されたという。
恒藤
つねとう 【恒藤】
姓氏の一。
恒藤恭
つねとうきょう 【恒藤恭】
(1888-1967) 法哲学者。松江市生まれ。滝川事件で京大教授を辞し,戦後,大阪市大学長。新カント学派の法哲学から出発し,のちに独自の立場から法思想を説いた。著「法の基本問題」「法的人格者の理論」など。
恒風
こうふう [0] 【恒風】
ほとんど風向きの変わらない風。貿易風・偏西風など。
恕
じょ [1] 【恕】
思いやること。思いやり。同情。「己れの欲せざる所を人に施す勿れとは…之を―の道と云ふ/福翁百話(諭吉)」
恕す
じょ・す 【恕す】 (動サ変)
⇒じょする(恕)
恕する
じょ・する [2] 【恕する】 (動サ変)[文]サ変 じよ・す
同情してとがめないでおく。ゆるす。「人の我を―・するは我を軽んずる所以なるを思ふ/即興詩人(鴎外)」
恕免
じょめん [0] 【恕免】
ゆるして罪を問わないこと。
恙
つつが [0] 【恙】
病気などの災難。わずらい。「敏子は何処と云ふて指示す程の―を覚ゆるにあらねど/蜃中楼(柳浪)」
→つつがない
恙なく
つつがなく【恙なく】
⇒無事.
恙み無し
つつみな・し 【恙み無し】 (形ク)
さしさわりがない。無事だ。つつがない。「―・く幸(サキ)くいまして/万葉 894」
恙無い
つつがな・い [4] 【恙無い】 (形)[文]ク つつがな・し
異常がない。無事である。「―・く旅を終える」「日々―・く暮らす」
恙虫
ようちゅう ヤウ― [0] 【恙虫】
⇒つつがむし(恙虫)
恙虫
つつがむし [3] 【恙虫】
ダニ目ツツガムシ科とその近縁の節足動物の総称。体長は成虫で0.2〜1ミリメートル。卵形または瓢箪(ヒヨウタン)形で,歩脚は三対。幼虫は野ネズミなどに寄生し,恙虫病を媒介する。全世界に広く分布。特に,新潟・秋田・山形県下の河川の中・下流域沿岸にすむアカツツガムシ(アカムシ)が知られる。ようちゅう。
恙虫[図]
恙虫病
つつがむし【恙虫病】
a tsutsugamushi disease;Japanese river fever.
恙虫病
つつがむしびょう [0] 【恙虫病】
ツツガムシに媒介されて起こるリケッチア疾患。刺し口と局所リンパ節の腫脹が診断の手がかりになる。死亡率が高かったが,治療の進歩により死亡例は少なくなった。
恚く
ふつ・く 【憤く・恚く】 (動カ四)
〔「ふづく」とも〕
腹を立てる。いきどおる。「此の神,性(ヒトトナリ)悪(サカナ)うして,常に哭(ナ)き―・くことを好む/日本書紀(神代上訓)」
恚る
ふしく・る 【恚る】 (動ラ四)
「ふしこる」に同じ。「此は張耳と―・りて将印を去てひつこうでゐた程に/史記抄 5」
恚る
ふしこ・る 【恚る】 (動ラ四)
いきどおる。怒る。ふしくる。「茲に因りて,大神―・り賜へりと/文徳実録(仁寿一)」
恟恟
きょうきょう [0] 【恟恟】 (ト|タル)[文]形動タリ
恐れおののくさま。おどおど。びくびく。洶洶(キヨウキヨウ)。「―として仕える」「人心頓(シキ)りに―たり/緑簑談(南翠)」
恟然
きょうぜん [0] 【恟然】 (ト|タル)[文]形動タリ
恐れさわぐさま。恟恟。「人心何となく―たり/泣かん乎笑はん乎(透谷)」
恢宏
かいこう [0] クワイ― 【恢弘】 ・ クワイクワウ 【恢宏】 (名)スル
おしひろめること。ひろく大きくすること。「先王の遺業を―するの盛意あらば/浮城物語(竜渓)」
恢弘
かいこう [0] クワイ― 【恢弘】 ・ クワイクワウ 【恢宏】 (名)スル
おしひろめること。ひろく大きくすること。「先王の遺業を―するの盛意あらば/浮城物語(竜渓)」
恢復
かいふく クワイ― [0] 【回復・恢復】 (名)スル
(1)一度悪い状態になったものが,元の状態になること。「天候が―する」「景気が―する」
(2)一度失ったものを取り戻すこと。「権利を―する」「名誉を―する」
恢恢
かいかい クワイクワイ [0] 【恢恢】 (形動)[文]ナリ
大きくて広いさま。
→天網(テンモウ)恢恢疎にして漏らさず
恣
ほしきまま 【縦・恣・擅】 (形動ナリ)
「ほしいまま」に同じ。「巧みにして,―なるは,失のもとなり/徒然 187」
恣
ほしいまま [2] 【縦・恣・擅】 (名・形動)[文]ナリ
〔「ほしきまま」の転〕
やりたいままに振る舞うこと。自分の思いどおりに事を行うこと。また,そのさま。「―の悪業」「一国の政治を―にする」
恣な
ほしいまま【恣な】
arbitrary (独断的);→英和
selfish (利己的).→英和
〜に at will;as one pleases[likes].
恣意
しい [1] 【恣意・肆意】
(1)その時々の気ままな思いつき。自分勝手な考え。「会長の―によって方針が左右される」
(2)物事の関係が偶然的であること。「言語の―性」
恣意性
しいせい [0] 【恣意性】
〔(フランス) arbitraire〕
ソシュールの用語。言語記号の音声面(能記)と意味内容面(所記)との間には自然な結びつきが存在しないこと。
恣意的
しいてき [0] 【恣意的】 (形動)
その時々の思いつきで物事を判断するさま。「―な解釈」
恣意的な
しい【恣意的な(に)】
arbitrary(-ily).→英和
恣行
しこう [0] 【恣行】 (名)スル
ほしいままにおこなうこと。
恤む
めぐ・む [0] 【恵む・恤む】 (動マ五[四])
〔「めぐし」と同源〕
(1)困っている人をあわれんで金品を与える。施す。「少々の金を―・む」
(2)神仏・君主などが人々をいつくしむ。思いやる。「国つ御神は旅行きもし知らぬ君を―・みたまはな/万葉 3930」
恤兵
じゅっぺい [0] 【恤兵】
金銭や品物を送って,兵士を慰問すること。「―金」
恤救
じゅっきゅう [0] 【恤救】 (名)スル
あわれみ救うこと。
恤救規則
じゅっきゅうきそく 【恤救規則】
1874年(明治7)明治政府によって制定された慈恵的な貧民救済制度。1931年(昭和6),救護法制定とともに廃止。
恥
はじ【恥】
(a) shame;→英和
(a) humiliation (屈辱);an insult (侮辱).→英和
〜知らずの shameless.→英和
〜をかかせる put <a person> to shame.〜をかく be put to shame;humiliate oneself.〜をさらす disgrace oneself.〜をしのぶ swallow an insult;bear a shame.〜をしのんで…する stoop to do.〜を知れ Shame on you!
恥
はじ ハヂ [2] 【恥・辱】
(1)面目を失うこと。はじること。「そんなことをするのはわが家の―になる」
(2)はずかしいと感じられる行為や事柄。「―とも思わない」
恥がまし
はじがま・し ハヂ― 【恥がまし】 (形シク)
恥ずかしい。外聞が悪い。「人のため―・しき事なく/源氏(葵)」
恥しめる
はじし・める ハヂ― [4] 【恥しめる】 (動マ下一)[文]マ下二 はぢし・む
恥ずかしめる。侮辱する。「しつたぶりをしてをり��―・められても/安愚楽鍋(魯文)」
恥じらい
はじらい ハヂラヒ [0] 【恥じらい・羞じらい】
はじらう気持ち。はじらう態度。「―の色も見えない」
恥じらう
はじら・う ハヂラフ [3] 【恥じらう・羞じらう】 (動ワ五[ハ四])
はずかしがる。「ほおを染めて―・う」「花も―・う美人」
恥じる
はじる【恥じる】
be[feel]ashamed <of,that…> ;blush <with shame> (赤面).→英和
恥ずべき shameful;→英和
dishonorable.→英和
恥じる
は・じる ハヂル [2] 【恥じる】 (動ザ上一)[文]ダ上二 は・づ
(1)良心がとがめたり,欠点・誤りに気づいて,他人に顔向けできないと思う。はずかしいと思う。「良心に―・じる」「おのれの不明を―・じる」
(2)劣る。ひけをとる。(名誉・地位などに)釣り合わない。「横綱の名に―・じない立派な相撲」「松島は…およそ洞庭・西湖を―・ぢず/奥の細道」
(3)遠慮する。はばかる。「かく語らふとならば,なにか―・づる/枕草子 49」
恥じ入る
はじいる【恥じ入る】
be[feel]deeply ashamed <of,that…> .⇒恥じる.
恥じ入る
はじい・る ハヂ― [3][0] 【恥(じ)入る】 (動ラ五[四])
深くはじる。非常にはずかしいと思う。「大人げないふるまいに―・る」
恥ずかしい
はずかしい【恥ずかしい】
[不面目な]〔形〕shameful;→英和
disgraceful;→英和
dishonorable;→英和
〔動〕[きまりがわるい]be[feel]shy;be ashamed <of,that…> (恥じる).
恥ずかしい
はずかし・い ハヅカシイ [4] 【恥ずかしい】 (形)[文]シク はづか・し
(1)(自分の欠点や失敗,あるいは良心のとがめを意識して)他人に顔向けできない気持ちだ。面目ない。「ぶざまな負け方をして―・い」「どこへ出しても―・くない実力」「社会人として―・い行為」
(2)(人前で気持ちがうわずって)どう振る舞ってよいかわからない気持ちだ。照れくさい。「異性が―・い年頃」「そんなにほめられると―・い」
(3)(自分が恥ずかしくなるくらい相手が)すぐれている。すばらしい。「言ひにくきもの…―・しき人の物などおこせたる返りごと/枕草子 110」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
恥ずかしからぬ
はずかしからぬ【恥ずかしからぬ】
worthy;→英和
decent.→英和
年齢に〜 (be) worthy of one's age.
恥ずかしがりの
はずかしがり【恥ずかしがりの】
shy <person> .→英和
恥ずかしがり屋
はずかしがりや ハヅカシガリ― [0] 【恥ずかしがり屋】
なにかにつけて恥ずかしがるたちの人。はずかしがり。
恥ずかしがる
はずかしがる【恥ずかしがる】
be[feel]shy.⇒恥ずかしい.
恥ずかし乍ら
はずかしながら ハヅカシ― 【恥ずかし乍ら】 (連語)
恥ずかしいことだが。「―見ての通りの貧乏暮らし」
恥ずべき
はずべき ハヅ― 【恥ずべき】 (連語)
恥じて当然な。当然恥ずかしいと思うべき。「―行為」
恥ずべき
はずべき【恥ずべき】
shameful;→英和
disgraceful.→英和
恥ぢがはし
はじがわ・し ハヂガハシ 【恥ぢがはし】 (形シク)
恥ずかしげである。「おとなしく―・しく,互に今は成にけり/謡曲・井筒」
恥ぢしらふ
はじしら・う ハヂシラフ 【恥ぢしらふ】 (動ハ四)
恥ずかしがる。恥じらう。「女すべて物を言はねば,しばしは,―・ひたるかと思ふに/今昔 16」
恥づ
は・ず ハヅ 【恥づ】 (動ダ上二)
⇒はじる
恥丘
ちきゅう [0] 【恥丘】
⇒陰阜(インプ)
恥入る
はじい・る ハヂ― [3][0] 【恥(じ)入る】 (動ラ五[四])
深くはじる。非常にはずかしいと思う。「大人げないふるまいに―・る」
恥垢
ちこう [0] 【恥垢】
外部生殖器のひだの部分にたまる,あかのようなもの。スメグマ。
恥掻き
はじかき ハヂ― [2][3][0] 【恥掻き】
恥をかくこと。恥さらし。
恥曝し
はじさらし ハヂ― [3] 【恥曝し】 (名・形動)[文]ナリ
世間に恥をさらす・こと(さま)。そのような人をもいう。「わが家の―」「―なことをする」
恥毛
ちもう【恥毛】
pubic hair.
恥毛
ちもう [0] 【恥毛】
恥部にはえている毛。陰毛(インモウ)。
恥知らず
はじしらず ハヂ― [3] 【恥知らず】 (名・形動)[文]ナリ
恥ずべきことをして,平然としている・こと(さま)。そのような人をもいう。「―なことをする」「この―め」
恥赫く
はじかかや・く ハヂ― 【恥赫く】 (動カ四)
恥じて赤くなる。赤面する。「なかなか―・かむよりは,罪許されてぞ見えける/源氏(夕顔)」
恥辱
ちじょく【恥辱】
(a) shame;→英和
(a) disgrace;→英和
(a) dishonor.→英和
〜と思う be ashamed <of> .〜を与える(受ける) insult (be insulted).→英和
恥辱
ちじょく [0] 【恥辱】
はじ。はずかしめ。「―を受ける」
恥部
ちぶ [1] 【恥部】
(1)「陰部(インブ)」に同じ。
(2)恥ずべき部分。また,そのものごと。「―をさらす」
恥部
ちぶ【恥部】
the private parts;[恥,面汚し]a shame;→英和
a disgrace.→英和
恥骨
ちこつ [2][0] 【恥骨】
骨盤を形成する寛骨の前方下部を占める骨。左右の恥骨が会合する部分を恥骨結合という。
恥骨
ちこつ【恥骨】
《解》the pubis.→英和
恨
ハン [1] 【恨】
〔朝鮮語〕
植民地時代の抑圧の中で,朝鮮の民衆の中に蓄積されてきた痛恨・悲哀・怒りなどの感情。
恨み
うらみ [3] 【恨み・怨み】
(1)うらむこと。また,その気持ち。怨恨(エンコン)。《恨・怨》「―を晴らす」「―を抱く」「長年の―」
(2)(多く「憾み」と書く)残念に思う気持ち。不満に思われる点。「安易に過ぎる―がある」
(3)うらみごとを言うこと。「うとくおぼいたる事などうちかすめ,―などするに/枕草子 36」
恨みがましい
うらみがまし・い [6] 【恨みがましい・怨みがましい】 (形)[文]シク うらみがま・し
うらんでいる様子である。「―・い顔つき」
[派生] ――げ(形動)
恨みっこ
うらみっこ [3] 【恨みっこ】
互いにうらみ合うこと。「これで―なしだね」
恨みつらみ
うらみつらみ [6][0] 【恨みつらみ】
〔「うらみ」に合わせて,「つらい」を「つらみ」として重ねた語〕
うらめしいことや苦しいこと。「―を並べ立てる」
恨みる
うら・みる 【恨みる】 (動マ上一)
「うらむ」に同じ。「昇に―・みられる覚えは更にない/浮雲(四迷)」「此間少将さんに大に―・みられました/洒落本・曾我糠袋」
→うらむ
恨み死に
うらみじに [0] 【恨み死に】
うらみつつ死ぬこと。
恨み言
うらみごと [0][5] 【恨み言】
うらみを述べる言葉。怨言(エンゲン)。「―を言う」
恨み顔
うらみがお [0][4] 【恨み顔】
うらんでいる顔つき。うらめしそうな顔つき。
恨む
うら・む [2] 【恨む・怨む】
■一■ (動マ五[四])
(1)人から不利益を受けた,としてその人に対する不満や不快感を心に抱き続ける。「招待されなかったのを―・んでいた」
(2)(「憾む」とも書く)思い通り,あるいは理想通りにならないことを残念に思う。「自らの不勉強を―・む」
(3)不満や嘆きを人に訴える。うらみ言を言う。「松島は笑ふが如く,象潟は―・むがごとし/奥の細道」
(4)復讐(フクシユウ)する。うらみを晴らす。「一太刀―・む」
■二■ (動マ上二)
{■一■}に同じ。「褻(ナ)るる身を―・むるよりは松島のあまの衣にたちやかへまし/源氏(夕霧)」「あはれといふ人もあらば,それをも―・みむ/大鏡(伊尹)」「世ヲ―・ムル/日葡」
〔古くは上二段活用。近世以降四段化したが,まれに上一段に活用した例も見られる。なお,上代には上一段活用であったとする説もある〕
→うらみる
[可能] うらめる
恨むらくは
うらむらくは [2] 【恨むらくは・憾むらくは】 (連語)
残念なことには。遺憾なのは。「―仕上げが雑だ」
恨めしい
うらめしい【恨めしい】
reproachful;→英和
resentful;→英和
hateful;regretful.→英和
恨めしげに[そうに]reproachfully;resentfully;with a reproachful look.
恨めしい
うらめし・い [4] 【恨めしい・怨めしい】 (形)[文]シク うらめ・し
(1)(相手や状況に不満で)うらみたい気持ちだ。うらみ言を言いたいほど憎らしい。「自分を見捨てた友が―・い」「雨とは―・い」
(2)(自分に過失や不足があって)残念だ。情けない。「人を見る目のなかったことが―・い」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
恨之介
うらみのすけ 【恨之介】
仮名草子。二巻。作者未詳。慶長年間(1596-1615)成立。関東の武士,葛の恨之介と木村常陸介の遺子,雪の前との悲恋物語。
恨事
こんじ [1] 【恨事】
残念なこと。恨めしいこと。「千載の―」
恨[憾]み
うらみ【恨[憾]み】
[怨恨]a bitter[an ill]feeling;a grudge;→英和
hatred (憎悪);→英和
enmity (敵意);→英和
an ill will (悪意).〜をいだく ⇒恨む.〜を晴らす revenge oneself[take one's revenge] <on a person> ;avenge <one's father's death> <on> .→英和
〜を言う reproach <a person> .→英和
〜を買う incur a person's ill will[enmity].
恨[憾]む
うらむ【恨[憾]む】
(1) bear <a person> a grudge[an ill will];→英和
have[bear]a grudge <against a person> ;think ill of <a person> ;reproach.→英和
(2)[残念]be sorry for;regret <for,that…> .→英和
恩
おん【恩】
(a) kindness;→英和
a favor;→英和
an obligation;→英和
a debt of gratitude.〜知らずの ungrateful.→英和
〜に着る be profoundly grateful <for> .〜を仇(あだ)で返す return evil for good;bite the hand that feeds one.〜を受ける be indebted <to> .〜を施す do <a person> a favor.〜着せがましい態度で with a patronizing attitude;patronizingly.
恩
おん [1] 【恩】
(1)他の人から与えられためぐみ。いつくしみ。「御―は一生忘れません」「親の―」
(2)封建時代,家臣の奉公に対して主人が領地などを与えて報いること。
(3)給与。手当。「―をもせで,はなれんことこそ無念なれ/曾我 9」
→御恩(ゴオン)
恩がましい
おんがまし・い [5] 【恩がましい】 (形)[文]シク おんがま・し
恩着せがましい。「―・い挙動(フルマイ)をなし/いさなとり(露伴)」
恩人
おんじん【恩人】
a benefactor;→英和
a patron.→英和
恩人
おんじん [0][3] 【恩人】
助けてくれた人。恩恵を施してくれた人。「命の―」
恩倖
おんこう [0] 【恩幸・恩倖】
天子の特別の寵愛。「―,之に過ぎたる/山月記(敦)」
恩借
おんしゃく [0] 【恩借】 (名)スル
〔「おんじゃく」とも〕
特別の情けで金品を借りること。また,その金品。「お願ひ申して償ひ金―いたせしその砌り/歌舞伎・蝶鶼山崎踊」
恩光
おんこう [0] 【恩光】
(1)ありがたい光。日光。特に,春の光。
(2)君主の恵みのたとえ。「―あたたかにてらして国土皆豊也/保元(上)」
恩典
おんてん [0] 【恩典】
めぐみとなるようなとりはからい。有利な扱い。「―に浴する」「会員には種々の―がある」
恩典
おんてん【恩典】
<receive,be granted> a (special) favor;a privilege.→英和
恩叙
おんじょ [1] 【恩叙】
特別な恩恵により,位階を授けられること。
恩命
おんめい [0][1] 【恩命】
ありがたい仰せ。情けある御命令。
恩地
おんち 【恩地】
鎌倉・室町時代,家臣の勲功に対する恩賞として与えた土地。恩賞地。恩領。
恩地
おんち 【恩地】
姓氏の一。
恩地孝四郎
おんちこうしろう 【恩地孝四郎】
(1891-1955) 版画家。東京生まれ。東京美校中退。日本創作版画協会の創設に参画。抽象画を多く制作。装本図案分野でも活躍。
恩威
おんい [1] 【恩威】
思いやりと厳しさ。恩恵と威光。「信賞必罰―行はれざる所なく/学問ノススメ(諭吉)」
恩宥
おんゆう [0] 【恩宥】
情けをかけて罪をゆるすこと。
恩容
おんよう [0] 【恩容】
慈愛に満ちた様子。
恩寵
おんちょう [0] 【恩寵】
(1)神や君主の愛やめぐみ。
(2)キリスト教で,人類に対する神の愛。聖寵。
恩寵
おんちょう【恩寵】
grace <of God> .→英和
恩寵の国
おんちょうのくに 【恩寵の国】
〔(ラテン) regnum gratiae〕
キリスト教思想で,超自然的な宗教の世界,神の国の意。
→自然の国
恩師
おんし【恩師】
one's (former) teacher.
恩師
おんし [1] 【恩師】
教えてもらった学恩のある先生。
恩幸
おんこう [0] 【恩幸・恩倖】
天子の特別の寵愛。「―,之に過ぎたる/山月記(敦)」
恩待
おんたい [0] 【恩待】 (名)スル
手厚い待遇をすること。「良人の―を被る/花柳春話(純一郎)」
恩徳
おんとく [0] 【恩徳】
〔「おんどく」とも〕
めぐみ。なさけ。恩恵。「母の御―七生(シチシヨウ)生まれかはりても報じがたなく/浄瑠璃・嫗山姥」
恩怨
おんえん [0] 【恩怨】
なさけとうらみ。恩讐(オンシユウ)。
恩恤
おんじゅつ [0] 【恩恤】
めぐみあわれむこと。「早く―を垂れ/太平記 15」
恩恵
おんけい [0] 【恩恵】
恵み。いつくしみ。「―をこうむる」「―を施す」「福祉の―に浴する」
恩恵
おんけい【恩恵】
<do a person> a favor[kindness].→英和
〜を受ける benefit[be benefited] <by the labor of others> .→英和
恩恵日
おんけいび [3] 【恩恵日】
手形または小切手の支払猶予期間。猶予日。
恩恵期間
おんけいきかん [6][5] 【恩恵期間】
国際法で,開戦の際,入港している,あるいは開戦を知らずに入港した敵国の商船を抑留せず,出港するために認める猶予期間。
恩情
おんじょう [0] 【恩情】
情けある心。恩愛の情。いつくしみの心。
恩愛
おんない [0] 【恩愛】
「おんあい(恩愛)」の連声。
恩愛
おんあい [0] 【恩愛】
〔「おんない」とも〕
(1)愛情のこもった思いやり。なさけ。
(2)親子・夫婦など,肉親の間の情愛。また,その情愛に対する執着。「―の絆」
恩沢
おんたく [0] 【恩沢】
〔古くは「おんだく」とも〕
めぐみ。いつくしみ。おかげ。「―に浴する」「―を施す」
恩沢奉行
おんたくぶぎょう 【恩沢奉行】
鎌倉幕府の職名。御家人の勲功・功績を検討し,恩賞領地の交付などをつかさどる。勲功奉行。
恩波
おんぱ [1] 【恩波】
恩恵がゆきわたることを波にたとえていう語。
恩物
おんぶつ [0][1] 【恩物】
〔(ドイツ) Gabe(神の賜った物)の訳語〕
フレーベルの考案した遊具。幼児の自発的活動を促し,表現力や創造力を養うためのもの。球・円筒・立方体・板・ひも・棒その他からなる。
恩田
おんだ 【恩田】
姓氏の一。
恩田
おんでん [0] 【恩田】
〔仏〕 福田(フクデン)の一。父母・師・目上の者などの恩に報いることで福徳を生じること。報恩田。報恩福田。
→福田
→三福田
→八福田
恩田杢
おんだもく 【恩田杢】
(1717-1762) 信濃国松代藩の家老。実名は民親。藩主真田幸弘に登用され財政改革にあたった。
→日暮硯(ヒグラシスズリ)
恩盗人
おんぬすびと [3] 【恩盗人】
恩を受けたのに報いない者。恩知らず。
恩眷
おんけん [0] 【恩眷】
〔「眷」は面倒をみる意〕
世話をして引き立てること。目をかけること。恩顧。「深厚なる―を垂れ給へる大隈伯爵閣下/肉弾(忠温)」
恩着せがましい
おんきせがまし・い [7] 【恩着せがましい】 (形)
恩恵を施して,いかにも感謝しろと言わんばかりの態度である。「―・い口振り」
[派生] ――さ(名)
恩知らず
おんしらず【恩知らず】
ingratitude;→英和
an ungrateful person (人).〜の ungrateful.→英和
恩知らず
おんしらず [3] 【恩知らず】
人から受けた恩をありがたいとも,その恩に報いようとも思わないこと。また,そのような人。「この―め」
恩簡
おんかん [0] 【恩簡】
他人から来た手紙を敬っていう語。
恩給
おんきゅう [0] 【恩給】
(1)一定年限勤続後退職した公務員および旧軍人,またはそれらの遺族に国が恩給法に基づいて支給する年金または一時金。1956年(昭和31)に公共企業体職員等共済組合法,58年に国家公務員共済組合法,62年に地方公務員等共済組合法が制定され,順次共済組合制度に移行。
(2)鎌倉・室町時代,家臣の奉公に対して主人が所領などを与えること。
恩給
おんきゅう【恩給】
<grant,receive> a pension.→英和
〜暮しをする live on one's pension.‖恩給生活者 a pensioner.
恩給証書
おんきゅうしょうしょ [5] 【恩給証書】
恩給を受ける権利のあることを証明する証書。総務庁恩給局長が交付。
恩義
おんぎ [1] 【恩義・恩誼】
恩を受けた義理。「―に報いる」「あの人には―がある」
恩義
おんぎ【恩義】
a favor;→英和
an obligation.→英和
〜を受けている be indebted <to a person> .
恩補
おんぽ [1] 【恩補】
中世,恩賞として職に任ぜられること。おんふ。「軈て所望の国を―せらる/太平記 39」
恩詔
おんしょう [0] 【恩詔】
〔「おんじょう」とも〕
情のこもったみことのり。ありがたいお言葉。
恩誼
おんぎ [1] 【恩義・恩誼】
恩を受けた義理。「―に報いる」「あの人には―がある」
恩讐
おんしゅう [0] 【恩讐】
恩とあだ。なさけとうらみ。
恩讐
おんしゅう【恩讐】
<beyond> love and hate.
恩讐の彼方に
おんしゅうのかなたに オンシウ― 【恩讐の彼方に】
小説。菊池寛作。1919年(大正8)「中央公論」に発表。主殺しの罪を負いながら豊前耶馬渓(ヤバケイ)の難所に隧道(ズイドウ)を開こうと志す了海と,彼を父の敵とねらう実之介とが協力して,了海の悲願を達成するまでを描く。
恩貸
おんたい [0] 【恩貸】 (名)スル
めぐみを与えること。「―地」「射的銃一挺を―せよ/浮城物語(竜渓)」
恩貸地制度
おんたいちせいど [6] 【恩貸地制度】
中世ヨーロッパで,主君が家臣に奉仕を求める代償として土地の使用権を貸与する慣例。封建制度成立の基盤となった。
恩賚
みたまのふゆ 【恩賚・恩頼】
神あるいは天皇の霊などの加護を敬っていう語。「国むけしほこのさきより伝へくる―はけふぞうれしき/日本紀竟宴和歌」
恩賜
おんし【恩賜】
an Imperial gift.
恩賜
おんし [1] 【恩賜】
天皇や主君から物を賜ること。また,その物。「―のタバコ」
恩賜賞
おんししょう [3] 【恩賜賞】
皇室の下賜金に基づき,芸術院賞・学士院賞の受賞者のうち特に優れた者に贈られる賞。
恩賞
おんしょう【恩賞】
a reward.→英和
恩賞
おんしょう [0] 【恩賞】
(1)功績や奉仕をほめて,主君が家臣に与える褒美(ホウビ)。また,その褒美の金品・土地など。
(2)恩を返すこと。恩返し。「かく厄介になれる―に,せめてはと思ひ/浮世草子・永代蔵 5」
恩賞地
おんしょうち 【恩賞地】
封建時代,恩賞として与えられた土地。恩地。
恩賞奉行
おんしょうぶぎょう 【恩賞奉行】
「恩賞方{(2)}」に同じ。
恩賞方
おんしょうかた 【恩賞方】
(1)建武政府の職名。軍功を検討して恩賞を与える部局。1333年設置されたが決定権がなく事務が遅滞し,廃絶。
(2)室町幕府の職名。1336年設置。勲功を検討して恩賞を決定した。恩賞奉行。
恩赦
おんしゃ【恩赦】
<be granted> amnesty.→英和
恩赦
おんしゃ [1] 【恩赦】
確定した刑の全部または一部を消滅させ,あるいは公訴権を消滅させること。内閣が決定し,天皇の認証により行う。大赦・特赦・減刑と刑の執行の免除および復権の五種がある。奈良・平安時代には,天皇の権限で慶事や凶事に際して行われた。
恩返し
おんがえし [3] 【恩返し】 (名)スル
受けた恩に報いること。「せめてもの―」「鶴の―」
恩返しをする
おんがえし【恩返しをする】
repay a person's kindness.
恩遇
おんぐう [0] 【恩遇】
情け深いもてなし。「―を被る」
恩金
おんきん [0] 【恩金】
人の情けで貸し与えられた金。
恩降
おんこう [0] 【恩降】
律令制で,恩赦によって罪を軽減されること。
恩領
おんりょう [0] 【恩領】
「恩地」に同じ。
恩頼
みたまのふゆ 【恩賚・恩頼】
神あるいは天皇の霊などの加護を敬っていう語。「国むけしほこのさきより伝へくる―はけふぞうれしき/日本紀竟宴和歌」
恩顔
おんがん [0] 【恩顔】
慈愛に満ちた顔。多く主君の顔についていう。「―を拝せねば/謡曲・小袖曾我」
恩顧
おんこ [1] 【恩顧】
特別に目をかけ援助すること。ひきたて。「御―をこうむる」「豊臣家―の大名」
恩顧
おんこ【恩顧】
<receive> special favors <from> .
恪勤
かくご 【恪勤】
「かくごん」の撥音「ん」の無表記。「一の人の御もとに―して候ひけるに/宇治拾遺 1」
恪勤
かっきん カク― [0] 【恪勤】 (名)スル
まじめに,一生懸命職務に励むこと。精勤。かくごん。「精励―」
恪勤
かくごん 【恪勤】 (名)スル
(1)忠実に職務に励むこと。かくご。「―のうすさにけふばかりは慰め侍るを/狭衣 1」
(2)平安時代,禁中・院・貴族に仕え,警護や雑役を勤める下級の武士の称。また,鎌倉時代,宿直を勤める番衆の類の称。恪勤者。かくごしゃ。「陣の―の者共/今昔 28」
恪勤者
かくごしゃ 【恪勤者】
「かくごん(恪勤){(2)}」に同じ。かくごんしゃ。「健児童(コンデイワラワ)もしは―などにて召しつかはれけるが/平家 1」
恪守
かくしゅ [1] 【恪守】 (名)スル
つつしんで守ること。
恪循
かくじゅん [0] 【恪遵・恪循】 (名)スル
つつしんで守り行うこと。つつしんで従うこと。「そが命令に―するよりは他事なかるべし/自由之理(正直)」
恪遵
かくじゅん [0] 【恪遵・恪循】 (名)スル
つつしんで守り行うこと。つつしんで従うこと。「そが命令に―するよりは他事なかるべし/自由之理(正直)」
恫喝
どうかつ [0] 【恫喝・恫愒】 (名)スル
おどしておびえさせること。「―を加える」「―して金品をまきあげる」
恫愒
どうかつ [0] 【恫喝・恫愒】 (名)スル
おどしておびえさせること。「―を加える」「―して金品をまきあげる」
恬
てん [1] 【恬】 (形動タリ)
平然としているさま。多く「恬として」の形で用いる。
→てんとして
恬として
てんとして [1] 【恬として】 (副)
少しも気にかけないさま。平然として。多く下に打ち消しの語を伴って用いる。「―恥じない」「―他国の話を聞く/文明論の概略(諭吉)」
恬安
てんあん [0] 【恬安】 (名・形動)[文]ナリ
おだやかで,やすらかな・こと(さま)。安穏。
恬惔
てんたん [0] 【恬淡・恬澹・恬惔】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
無欲であっさりしていること。物に執着せず心の安らかなこと。また,そのさま。「無欲―」「地位や名誉に―な人」
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
{■一■}に同じ。「すべてに―とした人」
恬淡
てんたん [0] 【恬淡・恬澹・恬惔】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
無欲であっさりしていること。物に執着せず心の安らかなこと。また,そのさま。「無欲―」「地位や名誉に―な人」
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
{■一■}に同じ。「すべてに―とした人」
恬淡な
てんたん【恬淡な】
indifferent;→英和
disinterested;→英和
unselfish.→英和
恬澹
てんたん [0] 【恬淡・恬澹・恬惔】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
無欲であっさりしていること。物に執着せず心の安らかなこと。また,そのさま。「無欲―」「地位や名誉に―な人」
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
{■一■}に同じ。「すべてに―とした人」
恬然
てんぜん [0] 【恬然】 (ト|タル)[文]形動タリ
物事にこだわらず,平気でいるさま。「―として恥じることを知らない」
恭々しい
うやうやしい【恭々しい(く)】
respectful(ly);→英和
reverent(ly).→英和
恭しい
うやうやし・い [5] 【恭しい】 (形)[文]シク うやうや・し
〔「礼(ウヤ)」を重ねて形容詞化した語〕
丁寧で礼儀正しい。丁重である。「―・く一礼する」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
恭仁京
くにのみやこ 【恭仁京】
740年から744年までの聖武天皇の都。未完成のまま難波宮に遷った。現在の京都府相楽郡加茂町瓶原(ミカノハラ)付近,木津川のほとりにあった。正称,大養徳恭仁大宮(オオヤマトクニノオオミヤ)。くにきょう。
恭仁京
くにきょう 【恭仁京】
⇒くにのみやこ(恭仁京)
恭倹
きょうけん [0] 【恭倹】 (名・形動)[文]ナリ
人に対して慎み深く,控え目に振る舞う・こと(さま)。「―己を持す」
恭悦
きょうえつ [0] 【恐悦・恭悦】 (名)スル
(1)かしこまり喜ぶこと。感謝を述べるときに多く用いる。「―至極に存じます」
(2)ひどく喜ぶこと。「芸者は平手で野だの膝を叩いたら野だは―して笑つてる/坊っちゃん(漱石)」
恭敬
くぎょう 【恭敬】 (名)スル
つつしみうやまうこと。きょうけい。「礼拝―して数珠はらはらとおしもみ/曾我 7」
恭敬
きょうけい [0] 【恭敬】 (名・形動)スル [文]ナリ
〔もと仏語〕
つつしみうやまう・こと(さま)。「―の意を表す」「他人を―するは吾が当然の分にして/西国立志編(正直)」「その人となり,和悦―にして/西国立志編(正直)」
恭親王奕訢
きょうしんのうえききん キヨウシンワウ― 【恭親王奕訢】
(1832-1898) 中国,清朝の皇族。道光帝の第六子。1860年北京条約の締結にあたる。また総理衙門(ソウリガモン)を創設して諸外国との協調を図った。同治中興の中心的人物。清仏戦争後,失脚。
恭謙
きょうけん [0] 【恭謙】 (名・形動)[文]ナリ
うやうやしい態度でへりくだる・こと(さま)。「温順―なるに/民約論(徳)」
恭謹
きょうきん [0] 【恭謹】 (名・形動)[文]ナリ
礼儀正しくつつしみ深い・こと(さま)。「己(オノレ)を衒はず,他(ヒト)を貶めず,―にして而も気節に乏からざるなど/金色夜叉(紅葉)」
恭賀
きょうが [1] 【恭賀】
つつしんで祝うこと。
恭賀新年
きょうがしんねん [4] 【恭賀新年】
うやうやしく新年を祝う意で,年賀状に書く挨拶の言葉。謹賀新年。
恭順
きょうじゅん [0] 【恭順】 (名)スル
命令に対してつつしみ従うこと。かしこまって従うこと。「―の意を表する」「君命に―する/明六雑誌 7」
息
いき [1] 【息】
(1)口や鼻から吐く呼気や吸う吸気。「―を吐く」
(2)呼吸運動。「―が絶える」「―がとまる」
(3)元気。活気。勢い。「―を吹き返す」
(4)組になって仕事をするときの,仕事をうまく運ぶための調子やリズム。「―が合わない」
(5)茶などのかおり。
(6)いのち。「人妻児ろを―に我がする/万葉 3539」
息
そく [1] 【息】
(1)子息。むすこ。「君の処の―もはやく洋学をまなばせなせえ/安愚楽鍋(魯文)」
(2)利子。利息。「年に三分三分半の―/公議所日誌」
息
いき【息】
(a) breath;→英和
breathing (呼吸).→英和
〜が臭い have foul breath.〜をする breathe.→英和
〜をつく take breath.〜を出す(吸う) give out (take in) breath.〜が切れる be short of breath.〜を切らして breathlessly.→英和
〜を殺す hold one's breath.〜を殺して with bated breath;with breathless interest.〜を引き取る(吹き返す) breathe one's last (revive).〜が合っている be in harmony <with> .〜がかかっている be backed up <by a person> .
息う
いこ・う イコフ [2] 【憩う・息う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
休む。休息する。くつろぐ。「水辺に―・う」「―・ふこと無く駈(オイツカ)はれ/霊異記(中訓注)」
〔漢文訓読系の語〕
[可能] いこえる
■二■ (動ハ下二)
休ませる。安らかにする。「国の政をも―・へ,物をもよく納めさせ給ひて/今昔 28」
息だうし
いきどう・し 【息だうし】 (形シク)
〔「息だわし」の転〕
呼吸が苦しい。「―・しくささやき/仮名草子・東海道名所記」
息だはし
いきだわ・し 【息だはし】 (形シク)
〔「息いたはし」の転〕
息づかいが激しく苦しい。息苦しい。息切れがする。「腹ふくれて―・しきとて/著聞 7」
息どし
いきど・し 【息どし】 (形シク)
〔近世語〕
「いきどうし」の転。「声―・しくすたきながら/浄瑠璃・関八州繋馬」
息の下
いきのした [1] 【息の下】
(1)苦しそうな息。すぐにも息のとだえそうな臨終の状態。「苦しい―から遺言を言いのこす」
(2)息をひそめてごく小さな声でものを言うさま。「人たがへにこそ侍るめれといふも―なり/源氏(帚木)」
息の根
いきのね [1] 【息の根】
(1)呼吸。いのち。
(2)声。「駈け寄る女房引き寄せて―とめ/浄瑠璃・一谷嫩軍記」
息の根を止める
いきのね【息の根を止める】
kill.→英和
息の緒
いきのお 【息の緒】
(1)〔「緒」はとぎれることなく長く続いている物,の意〕
命。玉の緒。
〔万葉集では「息の緒に」の形でのみ用いられ「命のかぎり」の意を表す〕
「―に我は思へど人目多みこそ/万葉 2359」
(2)息。呼吸。「―の苦しき時は/三十二番職人歌合」
息み
いきみ [3][0] 【息み】
(1)いきむこと。
(2)陣痛のこと。「―が強くなる」
息む
いきむ【息む】
strain oneself.
息む
いき・む [2] 【息む】 (動マ五[四])
息をつめて腹に力を入れる。いきばる。「―・むと下腹が痛む」
[可能] いきめる
息休め
いきやすめ [3] 【息休め】
仕事の途中で一休みすること。息つぎ。休息。
息出し
いきだし [0][4] 【息出し】
(1)空気抜きの穴。息抜き。
(2)兜(カブト)の天辺(テヘン)の穴の異名。
(3)飲み口から中の酒・醤油などが出るように,樽(タル)の上にあけた穴。
息切れ
いきぎれ [0][4] 【息切れ】 (名)スル
(1)呼吸が乱れて苦しくなること。あえぐこと。「ちょっと走っただけで―がする」
(2)仕事の途中で,疲れたりあきたりして能率が急に落ちること。「はりきりすぎて途中で―する」
息切れがする
いきぎれ【息切れがする】
become short of breath;pant for breath.
息利
そくり [1] 【息利】
利子。利息。
息合ひ
いきあい 【息合ひ】
(1)息遣い。息。呼吸。「―のたるみを待て一刀と互に挑む勢は/浄瑠璃・鎌田兵衛」
(2)「息合ひ薬」の略。「馬の―をだに飲ません/仮名草子・仁勢物語」
息合ひ薬
いきあいぐすり 【息合ひ薬】
呼吸を整え,心気を爽快(ソウカイ)にするという薬。近世,江戸の中村七三郎方から売り出された「玉の梅」など。いきあいのくすり。
息吹
いぶき [1][0] 【息吹・気吹】
〔上代は「いふき」〕
(1)息を吐くこと。また,吐いた息。呼吸。息。
(2)(活動を行う前の)気配。生気。きざし。「春の―」「新時代の―」
息吹き
いぶき【息吹き】
<feel the> breath <of spring> .→英和
息吹く
いぶ・く [2] 【息吹く・気吹く】 (動カ四)
〔上代は「いふく」〕
息を吹く。呼吸する。「根の国・底の国に―・き放ちてむ/祝詞(六月晦大祓)」
息嘯
おきそ 【息嘯】
〔「おき」は息の意,「そ」は「うそ(嘯)」から〕
ため息。嘆息。「我が嘆く―の風に霧立ちわたる/万葉 799」
息女
そくじょ [1] 【息女】
身分ある人の娘。また,他人の娘を敬っていう語。「御―様」
息子
むすこ【息子】
a son.→英和
息子
むすこ [0] 【息子】
〔「産(ム)す子」の意〕
(1)親にとって,男の子供。子息(シソク)。せがれ。
⇔娘
(2)俗に,陰茎。せがれ。
息子株
むすこかぶ 【息子株】
〔「かぶ(株)」は接尾語〕
息子としての身分。「あつぱれの―と見えますぞ/黄表紙・高慢斎行脚日記」
息差し
いきざし [0] 【息差し】
いきづかい。
息巻く
いきま・く [3] 【息巻く】 (動カ五[四])
(1)息づかいを荒くして怒る。「ただではおかないと―・く」
(2)勢い込んで言う。「必ず勝つと―・く」
(3)勢力をふるう。「大后の坊の初めの女御にて―・き給ひしかど/源氏(若菜上)」
[可能] いきまける
息巻く
いきまく【息巻く】
rage;→英和
declare (断言する);→英和
threaten (おどす).→英和
息張る
いきば・る [3] 【息張る】 (動ラ五[四])
息をつめて腹に力を入れてがんばる。いきむ。「倒されまいと―・る」
息急き
いきせき [1] 【息急き】 (副)
息をはあはあとはずませるさま。急いでいるさまの形容。「折柄(オリカラ)ばた��―と廊下ならしてかけくるお常/当世書生気質(逍遥)」
息急き切って
いきせききって【息急き切って】
breathlessly;→英和
out of breath.
息急き切る
いきせきき・る [1] 【息急き切る】 (動ラ五[四])
(多く「いきせききって」の形で副詞的に用いる)急いで走るなどして,息をはずませる。「―・ってかけつける」
息急く
いきせ・く [3] 【息急く】 (動カ五[四])
「いきせききる」に同じ。「―・きながら話す」
息抜き
いきぬき [3][4] 【息抜き】 (名)スル
(1)仕事の間などで,ちょっと休むこと。休憩。息休め。「―にお茶にしよう」
(2)空気の流通・換気をよくするための装置や穴。換気口。
息抜き
いきぬき【息抜き】
(1) <take> a rest;→英和
a breathing space;[気晴らし](a) recreation;→英和
(a) relaxation.→英和
(2)[換気孔]a breathing hole.
息杖
いきづえ 【息杖】
駕籠舁(カゴカ)きや重い荷を運ぶ人が,休むときや肩を替えるときに荷などを支える長い棒。「雲駕(クモカゴ)の―をしてえいやらやつと/滑稽本・膝栗毛(初)」
息災
そくさい [0][3] 【息災】 (名・形動)[文]ナリ
(1)何事もなく達者であること。また,そのさま。「無病―」「―に過ごす」
(2)(仏の力で)災害・病気など災いを除くこと。「いみじう易き―の祈ななり/枕草子 277」
息災
そくさい【息災】
⇒無事.
息災延命
そくさいえんめい [0] 【息災延命】
わざわいをなくし,無事に長生きをすること。
息災日
そくさいにち [3] 【息災日】
万事に吉とされる日。春は巳(ミ)の日,夏は申(サル)の日,秋は辰(タツ)の日,冬は酉(トリ)の日。
息災法
そくさいほう [3] 【息災法】
〔仏〕 災害や病気などの災厄を除いて,無事息災を祈るために行う密教の修法。
息男
そくなん [2] 【息男】
むすこ。子息。
息筋
いきすじ [2] 【息筋】
力を入れたときに顔に表れる筋。
息精
いきせい [1] 【息精】
呼吸と精力。いきせ。
息継ぎ
いきつぎ [3][4] 【息継ぎ】 (名)スル
(1)歌・吹奏・水泳などの途中で息を吸い込むこと。
(2)仕事の途中の短い休憩。休息。
息綱
いきづな [0][2] 【息綱】
海女(アマ)が潜水するときに,腰につなぐ綱。呼吸が苦しくなると,これを引いて舟に合図する。いのちづな。
息苦しい
いきぐるしい【息苦しい】
stifling;choking;stuffy.→英和
煙で〜 be choked with smoke.
息苦しい
いきぐるし・い [5] 【息苦しい】 (形)[文]シク いきぐる・し
(1)呼吸が十分にできず,苦しい。「電車が超満員で―・い」
(2)胸を圧迫されるような,重苦しい感じである。「―・いほどの緊張」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
息衝かし
いきづか・し 【息衝かし】 (形シク)
嘆かわしい。ため息が出そうな気持ちだ。「あな―・し相別れなば/万葉 1454」
息衝き
いきづき 【息衝き】
(1)呼吸。
(2)大きく息をつくこと。長大息(チヨウタイソク)。「泣くにもえ泣かず,ただ―をし入りたらんやうにて居たり/今昔 26」
息衝く
いきづ・く [3] 【息衝く】 (動カ五[四])
(1)呼吸する。また,生きている。「岩かげにひっそりと―・く野草」「鳰鳥(ミオドリ)のかづき―・き/古事記(中)」
(2)ため息をつく。嘆く。「かくのみや―・き居らむあらたまの来経行く年の限り知らずて/万葉 881」
(3)荒い呼吸をする。あえぐ。「みづからは鉾(ホコ)をだに持たず―・き苦しむ/徒然 221」
息詰まる
いきづまる【息詰まる】
be choked[suffocated].〜ような choking;oppressive <atmosphere> ;→英和
breathtaking <feat> .
息詰まる
いきづま・る [4] 【息詰(ま)る】 (動ラ五[四])
思わず呼吸を止めてしまうほど緊張する。「―・るような熱戦」
息詰る
いきづま・る [4] 【息詰(ま)る】 (動ラ五[四])
思わず呼吸を止めてしまうほど緊張する。「―・るような熱戦」
息軒
そっけん ソクケン 【息軒】
⇒安井(ヤスイ)息軒
息遣い
いきづかい [3] 【息遣い】
息を吐いたり吸ったりするようす。呼吸の仕方・調子。「―が荒い」
息遣いが荒い
いきづかい【息遣いが荒い】
breathe hard.
息長帯比売命
おきながたらしひめのみこと 【気長足姫尊・息長帯比売命】
神功(ジングウ)皇后の名。
息長鳥
しながどり 【息長鳥】
■一■ [3] (名)
カイツブリの古名か。
■二■ (枕詞)
〔■一■が居並ぶこと,またその鳴き声からいうか〕
地名「猪名(イナ)」「安房(アワ)」にかかる。「―猪名野を来れば/万葉 1140」「―安房に継ぎたる梓弓/万葉 1738」
恰も
あたかも【恰も】
as if;just (like);→英和
as it were;so to speak.⇒まるで.
恰も
あたかも [1] 【恰も・宛も】 (副)
〔「あだかも」とも〕
(1)(多く下に「のようだ」「のごとし」などを伴って)形状・様態・性質などを,よく似ている物事にたとえて形容する語。ちょうど。まるで。「―戦場のような光景」「―勝者のごとく振る舞う」
(2)ちょうどその時。まさに。「時―一月一日」「―柱時計は徐(シズ)かに八時を点(ウ)ち初めた/社会百面相(魯庵)」
恰好
かっこう [0] ―カウ 【恰好】 ・ カクカウ 【格好】
■一■ (名)
(1)外から見た形。外見。姿。「変な―の帽子」「歩く―がおもしろい」「―を気にする」
(2)体裁(テイサイ)。世間体。みば。「―が悪い」「―のいいことを言う」
(3)(用言の連体形に付いて)状態。ありさま。「会議は中断された―になっている」
■二■ (名・形動)[文]ナリ
ちょうどよいこと。適当であること。また,そのさま。手頃。「―な値段」「オフィスに―な部屋」
■三■ (接尾)
年齢が大体そのくらいであること,ちょうどその年齢くらいであることを示す。「四〇―の男」
〔「恰」はまさに・ちょうど,「好」はよい意。ちょうどよいというところから,形・体裁の意に転じたもの。「格好」は当て字〕
恰幅
かっぷく [0] 【恰幅】
肩幅や肉づきの具合などからみた体のかっこう。押し出し。「―がよい」「堂々たる―の紳士」
恰幅のよい
かっぷく【恰幅のよい】
<a man> of stout build.
恵
え ヱ [1] 【恵・慧】
(1)知恵。さとり。
(2)〔仏〕 真理を見通す心のはたらき。智慧。般若(ハンニヤ)。「戒・定・―の三学を兼備し給へる独(ヒトリ)の沙門おはしけり/太平記 2」
恵まれた
めぐまれた【恵まれた】
fortunate;→英和
blessed <with good health> .→英和
〜生活 a happy life.恵まれない人々 unfortunate people.
恵まれる
めぐま・れる [0][4] 【恵まれる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 めぐま・る
(1)普通より良い条件・環境などを与えられる。「―・れた家庭」
(2)運よく与えられる。「天候に―・れる」
恵み
めぐみ [0] 【恵み】
めぐむこと。恩恵。「神の―」
恵み
めぐみ【恵み】
[天恵]a blessing <from Heaven> ;grace <of God> ;→英和
[恩恵]a favor;→英和
(a) kindness;→英和
[慈悲](a) mercy;→英和
charity (慈善);→英和
alms (施し物).→英和
恵みの雨
めぐみのあめ 【恵みの雨】
(1)日照りの続いたあとで降る雨。慈雨。
(2)神仏・君主などの恩が広くゆきわたるたとえ。「君が代に民の伏屋もうるふなり―や四方にあまねき/師兼千首」
恵む
めぐ・む [0] 【恵む・恤む】 (動マ五[四])
〔「めぐし」と同源〕
(1)困っている人をあわれんで金品を与える。施す。「少々の金を―・む」
(2)神仏・君主などが人々をいつくしむ。思いやる。「国つ御神は旅行きもし知らぬ君を―・みたまはな/万葉 3930」
恵む
めぐむ【恵む】
give <alms to a person,a thing in charity> .→英和
恵与
けいよ [1] 【恵与】 (名)スル
(1)人から与えられることを敬っていう語。恵贈。「御―の品」
(2)めぐみ与えること。「之を助け之に銭を―するは/福翁百話(諭吉)」
恵信尼
えしんに ヱシン― 【恵信尼】
(1182-1268) 親鸞(シンラン)の妻。親鸞に従い東国・北陸地方を遍歴し越後で没す。信蓮房・覚信尼らの母。消息一〇通が現存する。生没年等には異説がある。
恵存
けいぞん [0] 【恵存】
〔「けいそん」とも〕
自分の著述などを贈るとき,相手の名前の脇に書き添える語。「お手元にお置き下されば幸いです」の意。
恵展
けいてん [0] 【恵展】
手紙の脇付(ワキヅケ)に用いる語。「どうぞおひらきください」の意。
恵山
えさん ヱ― 【恵山】
北海道渡島(オシマ)半島南東端,太平洋に面する二重式火山。海抜618メートル。高山植物が豊富。
恵庭
えにわ ヱニハ 【恵庭】
北海道西部,石狩平野南部の市。もと酪農・林産の町。市の中部に自衛隊演習場がある。札幌市に近く近年は住宅地として人口が増加。
恵庭事件
えにわじけん ヱニハ― 【恵庭事件】
1962年(昭和37)北海道石狩支庁恵庭町の陸上自衛隊島松演習場そばの牧場経営者が,演習に伴う騒音に抗議し,通信連絡線を切断して罪に問われた事件。裁判で自衛隊の合憲・違憲が争われた。67年無罪判決。
恵庭岳
えにわだけ ヱニハ― 【恵庭岳】
札幌の南方,支笏(シコツ)湖の北岸にそびえる活火山。海抜1320メートル。
恵心
えしん ヱシン 【恵心】
〔比叡山の恵心院(エシンイン)に住んだので〕
源信(ゲンシン)の通称。恵心僧都(ソウズ)。
恵心派
えしんは ヱシン― 【恵心派】
源信を祖とする仏画の流派。
恵心流
えしんりゅう ヱシンリウ 【恵心流】
日本の天台宗の二流の一。一一世紀後半に分かれ,源信を祖とあおぐ。天台・密教・禅の一致を主張する。
→檀那(ダンナ)流
恵慶
えぎょう ヱギヤウ 【恵慶】
平安中期の歌僧。「えけい」とも。中古三十六歌仙の一人。播磨講師。河原院(カワラノイン)に出入りして詠んだ歌を多く残す。「拾遺和歌集」以下の勅撰集に五五首入集。生没年未詳。家集「恵慶法師集」
恵投
けいとう [0] 【恵投】 (名)スル
人から物を贈られることを敬っていう語。恵贈。恵与。
恵撫
けいぶ [1] 【恵撫】 (名)スル
情をかけていつくしむこと。
恵方
えほう ヱハウ [0] 【恵方】 ・ エハウ 【吉方・兄方】
陰陽道(オンヨウドウ)で,その年の干支(エト)に基づいてめでたいと定められた方角。その年の歳徳神(トシトクジン)のいる方角。明きの方。きっぽう。
⇔ふさがり
[季]新年。
恵方参り
えほうまいり ヱハウマヰリ [4] 【恵方参り】
新年,恵方にあたる社寺に参拝し,その年の福徳を祈ること。恵方詣で。[季]新年。「天満とやらの神明さまへ―/浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(中)」
恵方棚
えほうだな ヱハウ― [2] 【恵方棚】
「歳徳棚(トシトクダナ)」に同じ。
恵方神
えほうがみ ヱハウ― [2] 【恵方神】
「歳徳神(トシトクジン)」に同じ。
恵施
けいし 【恵施】
中国,戦国時代の宋の思想家。荘子の論敵かつ友人であり,名家を代表する論理学者。生没年・伝記とも未詳。
恵林寺
えりんじ ヱリン― 【恵林寺】
山梨県塩山市にある臨済宗妙心寺派の寺。山号,乾徳山。1330年二階堂道蘊(ドウウン)が自邸を寄進して草創。開山は夢窓疎石。1582年織田信長の焼き打ちにあい,時の住持快川(カイセン)は「心頭滅却すれば火もまた涼し」の言葉を残して火中に死した。のち,再興。池泉回遊式庭園がある。
恵果
えか ヱクワ 【恵果】
⇒恵果(ケイカ)
恵果
けいか ケイクワ 【恵果】
(746-805) 中国唐代の密教の高僧。不空三蔵に学ぶ。代宗・徳宗・順宗に信任され,三朝の国師といわれる。空海の師として灌頂(カンジヨウ)を授けた。
恵比寿
えびす [0] 【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
七福神の一。商売繁盛・福の神として広く信仰される,兵庫県西宮神社の祭神。蛭子(ヒルコ)とも,事代主(コトシロヌシノ)神ともいわれる。古くは豊漁の神として漁民に信仰され,また農神としても信仰された。狩衣(カリギヌ)・風折り烏帽子(エボシ)姿で右手に釣り竿,左手に鯛(タイ)を抱えた神像に描かれる。夷(エビス)三郎。
〔「えびす(戎・夷)」と同源の語。一般に「恵比須」と書くことが多く,この場合の歴史的仮名遣いは「ゑびす」〕
恵比須[図]
恵比須
えべす [0] 【恵比須】
「えびす(恵比須)」の転。「―様」
恵比須
えびす [0] 【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
七福神の一。商売繁盛・福の神として広く信仰される,兵庫県西宮神社の祭神。蛭子(ヒルコ)とも,事代主(コトシロヌシノ)神ともいわれる。古くは豊漁の神として漁民に信仰され,また農神としても信仰された。狩衣(カリギヌ)・風折り烏帽子(エボシ)姿で右手に釣り竿,左手に鯛(タイ)を抱えた神像に描かれる。夷(エビス)三郎。
〔「えびす(戎・夷)」と同源の語。一般に「恵比須」と書くことが多く,この場合の歴史的仮名遣いは「ゑびす」〕
恵比須[図]
恵比須
えびす【恵比須】
the god of wealth.〜顔 a smiling[beaming]face.
恵比須の魚
えびすのうお [6] 【恵比須の魚】
漁獲物の中から初穂として恵比須神に供える魚。えびすうお。
恵比須三郎
えびすさぶろう [0][1] 【夷三郎・恵比須三郎】
「えびす」の異名。
恵比須切れ
えびすぎれ 【恵比須切れ】
恵比須講の日に,呉服屋で安く売り出す寄せ切れ。
恵比須回し
えびすまわし 【恵比須回し】
傀儡師(カイライシ)の一。兵庫の西宮の恵比寿神社を根拠地に,家々を回って首にかけた箱の中の恵比須人形を操って見せた芸人。のちに浄瑠璃と結んで浄瑠璃操りとなった。えびすかき。
恵比須大黒
えびすだいこく [0] 【恵比須大黒】
(1)恵比須と大黒天。また,その像。民家で福の神として二体を一対として並べてまつる。
(2)(多く「夷大黒」「蛭子大黒」と書く)狂言の曲名。
恵比須扇
えびすおうぎ [4] 【恵比須扇・戎扇】
年の初めの祝いに用いる粗製の扇。
恵比須柱
えびすばしら [4] 【恵比須柱・夷柱】
民家で,大黒柱とともに重要な柱。使用場所は一定しない。大黒柱と同じ太さか,やや細め。
恵比須歯
えびすば [3] 【恵比須歯】
人間の上の二枚の前歯のうち,右の歯の俗称。左の歯を大黒歯という。
恵比須祭り
えびすまつり [4] 【恵比須祭り】
「恵比須講(コウ)」に同じ。
恵比須紙
えびすがみ [3] 【恵比須紙】
紙を重ねて裁つとき,内に折れこんで,裁ち残しとなったもの。福紙(フクガミ)。
恵比須舁
えびすかき 【恵比須舁】
「恵比須回し」に同じ。
恵比須舞
えびすまい [3][0] 【恵比須舞・戎舞】
恵比須に扮して踊る舞。豊作を祈る大黒舞に対して大漁を祈願する。七福神舞や神楽・田植え踊りなどに入る。
恵比須草
えびすぐさ 【夷草・恵比須草】
マメ科の一年草。北アメリカ原産。高さ1メートル内外。葉は羽状複葉。葉腋に五弁の黄色花を開く。さやは細長く,六角円柱形で,中にある菱形の種子を決明子(ケツメイシ)といい,下剤・強壮剤とする。決明。ロッカクソウ。
夷草[図]
恵比須講
えびすこう [0] 【恵比須講・戎講・夷講】
商家で,商売繁盛を祈って恵比須をまつり,親類・知人を招いて祝う行事。祭日は一〇月二〇日(もと陰暦)・一一月二〇日・一月一〇日など,地方により異なる。[季]秋。《行かゝり客に成けり―/去来》
恵比須迎え
えびすむかえ 【恵比須迎え】
近世,奈良吉野の村民が,正月二日の早朝,恵比須の絵を刷ったものを売り歩いたこと。また,その呼び声。
恵比須銭
えびすぜに 【恵比須銭】
江戸時代に作られた絵銭(エセン)の一種。表面に恵比須の姿を描き出したもの。
恵比須顔
えびすがお [0][3] 【恵比須顔・夷顔】
恵比須のようにうれしそうににこにこ笑っている顔。
⇔えんま顔
恵比須鯛
えびすだい [3] 【恵比須鯛】
キンメダイ目の海魚。全長約45センチメートル。体はタイ形で,体高があり側扁する。目は大きく,鰓(エラ)の上縁に一本のとげがある。鱗(ウロコ)は大きくて堅い。体色は鮮やかな赤色。美味で,祝い魚ともする。本州中部以南の岩礁域に分布。ヨロイダイ。グソクダイ。
恵沢
けいたく [0] 【恵沢】
〔「けいだく」とも〕
めぐみ。恩恵。恩沢。「自由のもたらす―」
恵泉女学園大学
けいせんじょがくえんだいがく 【恵泉女学園大学】
私立大学の一。1929年(昭和4)創立のキリスト教系の恵泉女学園普通部を源とし,87年設立。本部は多摩市。
恵瓊
えけい ヱケイ 【恵瓊】
(?-1600) 安土桃山時代の臨済宗の僧。安芸の人。字(アザナ)は瑶甫(ヨウホ)。東福寺・安国寺を再興。毛利輝元(テルモト)や豊臣秀吉の信任を受け,両者間の和議をとりもつ。のちに還俗。関ヶ原の戦いに参加し,捕らえられて斬られた。安国寺恵瓊。
恵美
えみ ヱミ 【恵美】
姓氏の一。
恵美押勝
えみのおしかつ ヱミ― 【恵美押勝】
藤原仲麻呂(ナカマロ)の別名。
恵胡海苔
えごのり ヱゴ― [2] 【恵胡海苔】
紅藻類イギス目の海藻。日本の沿岸に広く分布。ホンダワラ類に着生。細い針金状に分枝し枝先は鉤(カギ)状に曲がる。寒天の副原料で,おきゅうとなどの材料とする。
恵胡海苔[図]
恵賜
けいし [1] 【恵賜】 (名)スル
目下の者に金品を与えること。また,目上の人からいただくこと。また,そのもの。
恵贈
けいぞう [0] 【恵贈】 (名)スル
人から物を贈られることを敬っていう語。恵与。恵投。「御―にあずかる」「御―の品」
恵送
けいそう [0] 【恵送】
人から物を送られることを敬っていう語。「御―の品」
恵運
えうん ヱウン 【恵運】
(798-869) 平安初期の真言宗の僧。入唐八家の一人。842年に入唐,青竜寺の義真に学んで,金胎両部の密印を授かり帰朝。山城に安祥寺を開いた。
恵那
えな ヱナ 【恵那】
岐阜県南東部,木曾川中流域の市。もと中山道の宿場町。パルプ・時計工業が盛ん。恵那峡がある。
恵那山
えなさん ヱナ― 【恵那山】
岐阜県南東部,長野県境にある山。海抜2191メートル。北部を中央自動車道の恵那山トンネル(全長8649メートル)が貫通している。
恵那峡
えなきょう ヱナケフ 【恵那峡】
岐阜県南東部,木曾川中流の渓谷。両岸が花崗岩の奇岩・絶壁からなる景勝地。
恵雨
けいう [1] 【恵雨】
(1)日照りの時に降って,農作物をうるおす雨。慈雨。
(2)君主や神仏のめぐみ。
恵風
けいふう [0][3] 【恵風】
(1)めぐみの風。春風。
(2)二月の異名。
悃誠
こんせい [0] 【懇誠・悃誠】 (名・形動)[文]ナリ
真心のこもっている・こと(さま)。「極めて率直に,極めて―に…言はねば止(ヤ)まぬ/多情多恨(紅葉)」
悃願
こんがん [0] 【懇願・悃願】 (名)スル
誠意をこめて頼むこと。「協力を―する」
悄悄
すごすご [1][3] 【悄悄】 (副)
気落ちして元気なく,しょんぼりしているさまを表す語。また,元気なくその場を立ち去るさま。しおしお。「ことわられて,―(と)帰る」「返す言葉も無く―と立上り/鉄仮面(涙香)」
悄悄
しょうしょう セウセウ [0] 【悄悄】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)元気のないさま。「―として帰途につく」
(2)静かなさま。
悄愴
しょうそう セウサウ [0] 【悄愴】 (形動タリ)
(1)悲しみうれえるさま。
(2)ものさびしいさま。
悄気る
しょげる【悄気る】
be cast down;be disheartened;lose heart.
悄気る
しょ・げる [2][0] 【悄気る】 (動ガ下一)
失望したり,叱られたりして元気を失う。しゅんとする。「叱られて―・げる」
悄気る
しょげ・る 【悄気る】 (動ラ四)
下一段活用動詞「しょげる」に同じ。「嗜みをれと呵(シカ)られて,俄に―・り/浄瑠璃・艶容女舞衣」
悄気込む
しょげこ・む [0][3] 【悄気込む】 (動マ五[四])
「しょげかえる」に同じ。「落第して―・む」
悄気返る
しょげかえ・る [3][0] 【悄気返る】 (動ラ五[四])
ひどくしょげる。しょげこむ。「しかられて―・る」
悄然
しょうぜん セウ― [0] 【悄然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)心にかかることがあって元気がないさま。「―と去る」「色青ざめて―と立つて居る/良人の自白(尚江)」
(2)ひっそりして寂しいさま。「―としてまつ所に玉妃いでたまふ/曾我 2」
悄然と
しょうぜん【悄然と】
with a heavy heart;dejectedly.
悉
ことごと 【悉】 (副)
〔「事事」の意〕
(1)残らず。すっかり。全部。ことごとく。「あをによし国内(クヌチ)―見せましものを/万葉 797」
(2)すべてのことにつけて。完全に。まったく。「二葉より―疑ひなく后がねとかしづききこえ給へるに/栄花(根合)」
(3)詳細に。くわしく。「―には身づからさぶらひて申し侍らむ/源氏(夢浮橋)」
→ことごとく
悉く
ことごとく【悉く】
all;→英和
entirely;→英和
without exception;to a man (全員).→英和
悉く
ことごとく [3] 【悉く・尽く】 (副)
〔「事事」に接尾語「く」の付いた語。漢文訓読に用いられた語〕
すべて。残らず。「財産を―失う」
→ことごと
悉に
ふつくに 【悉に】 (副)
すっかり。ことごとく。ふつに。「百済の王子余昌…―国の中の兵を発して/日本書紀(欽明訓)」
悉地
しっち [1] 【悉地】
〔仏〕
〔「しっじ」とも。梵語 siddhi 成就の意〕
密教で,修行によって完成された境地。
悉多
しった 【悉達・悉多】
⇒悉達多(シツタルタ)
悉曇
しったん [0] 【悉曇】
〔梵 sīddhaṃ の音訳で,成就・吉祥(キツシヨウ)の意。もと字母表の初めに成就・吉祥を願ってこの語を書いたところから出た語〕
梵字の字母。摩多(マタ)(母音)一二字と体文(タイモン)(子音)三五で構成される。狭くは,摩多のみをさす。また,これに関する研究をもいう。日本へは八世紀頃に伝えられ,五十音図成立のきっかけとなるなどの影響を与えた。当時の盛んな悉曇学の集大成に,安然(アンネン)著「悉曇蔵」(880年成立)がある。
悉曇三密鈔
しったんさんみつしょう 【悉曇三密鈔】
悉曇研究書。三巻。浄厳(ジヨウゴン)著。1682年刊。梵字の音韻・字義を説き,日本の悉曇学説を集約。
悉曇字門
しったんじもん [5] 【悉曇字門】
表音字である悉曇文字のそれぞれに,その音を含む語を選んで意義を付すこと。「阿(a)」で「不生(anutpāda)」の意を表す類。
悉曇要訣
しったんようけつ 【悉曇要訣】
悉曇研究書。四巻。明覚(ミヨウガク)著。1101年以後成立。梵語・中国語の音韻を研究し,あわせて,日本語の諸現象にも言及。
悉無律
しつむりつ [3] 【悉無律】
生体において,刺激が限界値(閾値(イキチ))以下では反応は全く起こらず,それを超えると一定の反応が現れ,しかもそれ以上刺激を強めてもその反応が大きくなることはないという法則。骨格筋の収縮や神経繊維の興奮過程などに見られる。全か無かの法則。
悉皆
しっかい [3][0] 【悉皆】 (副)
(1)一つ残らず全部。ことごとく。「―調査」「不利な所は―取除いて/浮雲(四迷)」
(2)(下に打ち消しの語を伴って)全然。まったく。「一人歩行(アルキ)して来るなど―ためしのなき事なるに/十三夜(一葉)」
(3)まるで。まったく。「その恨めしさうな顔は―幽霊ぢや/狂言・木六駄(鷺流)」
悉皆屋
しっかいや [0] 【悉皆屋】
江戸時代,大坂で注文を取り京都に送って衣服の染めや染め返しをさせることを職業とした者。
悉皆成仏
しっかいじょうぶつ [5] 【悉皆成仏】
〔「涅槃経」の言葉「草木国土悉皆成仏」の略〕
万物すべて仏になるということ。
悉達
しった 【悉達・悉多】
⇒悉達多(シツタルタ)
悉達多
しったるた 【悉達多】
〔梵 Siddhārtha すべて完成しているものの意〕
釈迦が出家前,太子だったときの名前。悉達(シツタ)。悉多。悉多太子。
悋惜
りんしゃく [0] 【悋惜・吝惜】
〔「りんじゃく」とも〕
(1)物惜しみすること。りんせき。「御―無ク賜ワルベク候/日葡」
(2)嫉妬。悋気(リンキ)。りんせき。「身づからが夫(ツマ)の宿通ひを深く―申すによつて/狂言・女楽阿弥(天正本)」
悋惜
りんせき [0] 【悋惜・吝惜】 (名)スル
⇒りんしゃく(悋惜)
悋気
りんき【悋気】
⇒嫉妬(しつと).
悋気
りんき [1] 【悋気】 (名)スル
やきもちをやくこと。男女間の嫉妬。「其様(ソン)な事に―する私でもなく/十三夜(一葉)」「―の炎(ホムラ)は絶える間は無く/真景累ヶ淵(円朝)」
悌
てい 【悌】
兄や年長者によく従うこと。また,兄弟の仲が良いこと。「兄は―に弟は敬し/仮名草子・浮世物語」
悌順
ていじゅん [0] 【弟順・悌順】
年少の者が年長の人に従って逆らわないこと。
悍し
おず・し 【悍し】 (形ク)
気性が激しい。おずまし。おぞし。「―・かるべき事を,思ひ寄るなりけむかし/源氏(浮舟)」
悍し
おぞ・し 【悍し】 (形ク)
(1)強情だ。気が強い。「内裡の后いと―・く,心かしこくおはす/宇津保(国譲中)」
(2)恐ろしい。「おどろおどろしく―・きやうなり/源氏(蜻蛉)」
(3)悪賢い。ずるい。「そちが今度の―・い仕様,魔法でも叶ふまい/浄瑠璃・五十年忌(中)」
悍まし
おずま・し 【悍まし】 (形シク)
「おぞましい(悍){(2)}」に同じ。「人聞きも,うたて―・しかべきわざを/源氏(夕霧)」
悍ましい
おぞまし・い [4] 【悍ましい】 (形)[文]シク おぞま・し
〔「おぞし(悍)」と同源〕
(1)身ぶるいするほどいやな感じである。ぞっとするほどである。「聞くだけでも―・い話だ」
(2)(性格が)強く,激しい。我が強い。おずまし。「かく―・しくは,いみじき契深くとも絶えて又見じ/源氏(帚木)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
悍婦
かんぷ [1] 【悍婦】
気の荒い女。気性の強い女。
悍然
かんぜん [0] 【悍然】 (ト|タル)[文]形動タリ
あらあらしくたけだけしいさま。「敢て―として来襲ふ/三酔人経綸問答(兆民)」
悍馬
かんば [1] 【悍馬・駻馬】
性質の荒々しい馬。あばれ馬。あらうま。はねうま。
悒悒
ゆうゆう イフイフ [0] 【悒悒】 (ト|タル)[文]形動タリ
心がふさいで楽しくないさま。怏怏(オウオウ)。「―として楽しまず」
悒鬱
ゆううつ イフ― [0] 【悒鬱】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
「ゆううつ(憂鬱){(1)}」に同じ。「葉子は…―な険しい色を引きしめた口のあたりに漲らした/或る女(武郎)」
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
{■一■}に同じ。「其顔色―として/世路日記(香水)」
悔い
くい【悔い】
regret;→英和
remorse.→英和
⇒後悔.
悔い
くい [1][2] 【悔い】
悔いること。心のこり。「―を千載に残す」「―はない」
悔いる
く・いる [2] 【悔いる】 (動ア上一)[文]ヤ上二 く・ゆ
自分がしてしまったことを,しなければよかったと残念に思う。後悔する。「前非を―・いる」「立ちて居て後に―・ゆとも験(シルシ)あらめやも/万葉 410」
悔いる
くいる【悔いる】
regret to have done;regret having done;repent (of).→英和
悔い改め
くいあらため [3][0] 【悔(い)改め】
キリスト教で,自分の罪を認めて,神の恵みによる罪のゆるしを求めること。
悔い改める
くいあらた・める [6][0] 【悔(い)改める】 (動マ下一)[文]マ下二 くいあらた・む
過去のあやまちを反省して,心を入れかえる。「不行跡を―・める」
悔い改める
くいあらためる【悔い改める】
repent <of a sin> ;→英和
turn over a new leaf.
悔い返し
くいかえし 【悔い返し】
中世武家法で,いったん譲与した財産・所領を,その譲り主が改めて取り戻すこと。「貞永式目」でも親の子息に対する悔い返しが規定されており,それがたとえ安堵(アンド)された所領であっても行使できる強力な権利として認められていた。
悔し
くやし 【悔し・口惜し】
(形容詞「くやしい」の語幹)
悔しい
くやし・い [3] 【悔しい・口惜しい】 (形)[文]シク くや・し
(1)失敗や恥辱を経験して,あきらめたり忘れたりできないさま。「一点の差で負けて―・い」「あんなやつにばかにされて―・い」
(2)自分のした行為を後悔するさま。悔やまれる。「かなし妹をいづち行かめと山菅のそがひに寝しく今し―・しも/万葉 3577」
〔上二段動詞「悔ゆ」の形容詞形。(1)は近世以降の用法〕
→くちおしい
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
悔しい
くやしい【悔しい】
mortifying;→英和
vexing.悔し涙 <shed> tears of vexation.悔しまぎれに out of vexation[spite].
悔しがる
くやしがる【悔しがる】
be[feel]vexed[mortified] <at> ;resent.→英和
悔しさ
くやしさ【悔しさ】
vexation;→英和
mortification;chagrin.→英和
悔しむ
くやし・む 【悔しむ】 (動マ四)
くやしく思う。くやしぶ。「孰(タレ)にかも我が問ひさけむ―・み惜(アタラシ)み/続紀(宝亀二宣命)」
悔しん坊
くやしんぼう [3] 【悔しん坊】
いつまでもひどくくやしがる性質の人。くやしさのあまり我を忘れること。「ふりこかされた―で身請をしてつれてゆかふといふから/西洋道中膝栗毛(魯文)」
悔し泣き
くやしなき [0] 【悔し泣き】 (名)スル
くやしがって泣くこと。
悔し涙
くやしなみだ [4] 【悔し涙】
あまりのくやしさに流す涙。
悔し紛れ
くやしまぎれ [4] 【悔し紛れ】
悔しさのあまり分別のない振る舞いをすること。「―に八つ当たりをする」
悔ふ
く・う クフ 【悔ふ】 (動ハ上二)
〔ヤ行上二段動詞「くゆ」の転〕
後悔する。くいる。「此れを―・ふる心无くして/今昔 14」
悔み
くやみ【悔み】
<a letter of> condolence;repentance (後悔).→英和
お〜を言う express one's condolences[sympathy] <with> .お〜申し上げます Please accept my condolences.
悔み
くやみ [3] 【悔(や)み】
(1)くやむこと。後悔。「―が残る」
(2)人の死を惜しみ,残った人に慰めの言葉をかけること。また,その言葉。「お―を述べる」「お―に行く」
悔み状
くやみじょう [3][0] 【悔(や)み状】
人の死をいたむ書状。くやみぶみ。
悔み言
くやみごと [0][5] 【悔(や)み言】
(1)後悔し,残念がっていう言葉。
(2)人の死を惜しんでいう言葉。弔辞。
悔む
くや・む [2] 【悔(や)む】 (動マ五[四])
(1)失敗したり,うまくゆかなかったりしたことについて,別の処理をしておけばよかった,とあとになって残念に思う。くやしく思う。後悔する。「あとから―・んでも仕方がない」
(2)人の死を惜しんで悲しむ。悼む。「友の死を―・む」
悔む
くやむ【悔む】
repent <of,that…> ;→英和
regret;→英和
mourn <for,over> (悲しむ);→英和
condole <with> (弔慰).→英和
悔やみ
くやみ [3] 【悔(や)み】
(1)くやむこと。後悔。「―が残る」
(2)人の死を惜しみ,残った人に慰めの言葉をかけること。また,その言葉。「お―を述べる」「お―に行く」
悔やみ状
くやみじょう [3][0] 【悔(や)み状】
人の死をいたむ書状。くやみぶみ。
悔やみ言
くやみごと [0][5] 【悔(や)み言】
(1)後悔し,残念がっていう言葉。
(2)人の死を惜しんでいう言葉。弔辞。
悔やむ
くや・む [2] 【悔(や)む】 (動マ五[四])
(1)失敗したり,うまくゆかなかったりしたことについて,別の処理をしておけばよかった,とあとになって残念に思う。くやしく思う。後悔する。「あとから―・んでも仕方がない」
(2)人の死を惜しんで悲しむ。悼む。「友の死を―・む」
悔ゆ
く・ゆ 【悔ゆ】 (動ヤ上二)
⇒くいる
悔恨
かいこん【悔恨】
remorse;→英和
regret;→英和
repentance.→英和
悔恨
かいこん クワイ― [0] 【悔恨】 (名)スル
自分のしたことをくやみ残念に思うこと。「―の情にかられる」「過悪をなすの後…懊悩―すべし/明六雑誌 9」
悔悛
かいしゅん クワイ― [0] 【悔悛】 (名)スル
(1)犯した罪を悔い改めること。改心。改悟。「―して仏道に入る」
(2)カトリック教会で,ゆるしの秘跡の旧称。
悔悟
かいご クワイ― [1] 【悔悟】 (名)スル
自分のした事を悪かったとさとり,後悔すること。「―の涙を流す」「無事出獄して,大いに―する処あり/妾の半生涯(英子)」
悔改め
くいあらため [3][0] 【悔(い)改め】
キリスト教で,自分の罪を認めて,神の恵みによる罪のゆるしを求めること。
悔改める
くいあらた・める [6][0] 【悔(い)改める】 (動マ下一)[文]マ下二 くいあらた・む
過去のあやまちを反省して,心を入れかえる。「不行跡を―・める」
悔過
けか 【悔過】
(1)〔仏〕 仏・菩薩・僧に対し自分の罪を懺悔(ザンゲ)すること。また,その儀式。
(2)謝罪。「―はしたりとも,したりとも,目を見せむ/梁塵秘抄」
悖る
もと・る [2] 【悖る】 (動ラ五[四])
(1)物事の筋道にあわない。道理にそむく。反する。「人の道に―・る行為」
(2)ゆがむ。ねじれる。また,ゆがませる。ねじる。「毛野の臣人為(ヒトトナリ)―・り很(イスカ)しくして/日本書紀(継体訓)」
悖る
もとる【悖る】
go[be]against <nature> ;act[be]contrary <to> .
悖反
はいはん [0] 【背反・悖反】 (名)スル
(1)相反すること。相いれないこと。「二律―」「その言語と相ひ―するものは/西国立志編(正直)」
(2)命令などにそむくこと。「或は―するあらん/花柳春話(純一郎)」
悖徳
はいとく [0] 【背徳・悖徳】
道徳にそむきもとること。「―者」「―的」
悖戻
ぼつれい [0] 【悖戻】
そむくこと。さからうこと。「―の情は一時我心上に起り来りて/即興詩人(鴎外)」
悖戻
はいれい [0] 【背戻・悖戻】 (名)スル
道理にそむくこと。「実に社会の本性に―するものと云ふべきなり/民約論(徳)」
悖理
はいり [1] 【背理・悖理】 (名)スル
道理にもとること。理屈に合わないこと。
悖礼
はいれい [0] 【背礼・悖礼】
礼儀・作法に反していること。
悖逆
はいぎゃく [0] 【悖逆】 (名)スル
道理にそむくこと。はいげき。
悚然
しょうぜん [0] 【悚然・竦然】 (ト|タル)[文]形動タリ
恐れて立ちすくむさま。こわがるさま。慄然(リツゼン)。「―として戦慄(センリツ)するの外なし/福翁百話(諭吉)」
悛改
しゅんかい [0] 【悛改】 (名)スル
今までの悪いところを改めること。改悛。
悟り
さとり [0] 【悟り・覚り】
(1)さとること。知らなかったことを知ること。気がつくこと,感づくこと。「―が遅い」「―の悪い男だ」
(2)〔仏〕 迷妄を去って,真理を会得すること。また,その真理。開悟。菩提。覚。
⇔迷い
「―を開く」「―の境地」
悟り
さとり【悟り】
(1)[理解]comprehension;→英和
understanding.→英和
(2)[悟道]spiritual awakening;philosophy.→英和
〜が良(悪)い be quick (slow) to understand.〜を開く attain enlightenment;be spiritually awakened.
悟り澄ます
さとりすま・す [5] 【悟り澄ます】 (動サ五[四])
すっかり悟っているという様子をしている。「―・した顔つき」
悟り絵
さとりえ [3] 【悟り絵】
判じ絵の一。ある意味をわからせるために,寓意をもたせた絵。鎌と輪の絵に「ぬ」の字を添えて「かまわぬ」と読ませる類。
悟る
さとる【悟る】
(1)[気付く]see;→英和
realize;→英和
be aware <of> ;[理解]understand;→英和
comprehend.→英和
(2)[悟道]attain enlightenment;find one's philosophy.悟られずに without being noticed; <enter the room> unnoticed.→英和
悟る
さと・る [0][2] 【悟る・覚る】 (動ラ五[四])
(1)表面には表れていないことをおしはかって知る。感づく。「言外の意を―・る」「相手に―・られないようにそっと近づく」「死期を―・る」
(2)道理を知る。明らかに知る。「事の重大性を―・る」「日のあたる所には屹度(キツト)影がさすと―・つた/草枕(漱石)」「天文・暦数によく―・り/今昔 9」
(3)(仏教で)欲望・執着・迷いなどを去って,真理を会得する。悟りを開く。
〔「さとす」に対する自動詞〕
[可能] さとれる
悟了
ごりょう [0] 【悟了】 (名)スル
さとりきること。「四目相見て両心―し/福翁百話(諭吉)」
悟入
ごにゅう [0] 【悟入】 (名)スル
(1)悟りの境地に入ること。
(2)体験を通して深く理解すること。「北湖先生は凡兆の句によつて―されたり/俳諧師(虚子)」
悟得
ごとく [0] 【悟得】 (名)スル
悟りを開いて真理を会得すること。「一新理を―するものあれば/西洋聞見録(文夫)」
悟性
ごせい【悟性】
understanding.→英和
悟性
ごせい [1][0] 【悟性】
〔(ドイツ) Verstand; 英 understanding〕
〔哲〕
(1)広義には,論理的な思考を行う能力・知力を指していう語。。知性。
(2)カント・ヘーゲルでは,さらに理性とも区別される。
(ア)カントでは,理念の能力である理性と異なって,感性に受容された感覚内容に基づいて対象を構成する概念の能力,判断の能力をいう。
(イ)ヘーゲルでは,具体的普遍の認識に至る理性に対して,物を個別的・固定的にのみ見て統合しえない思考の能力,非弁証法的な反省的・抽象的認識能力をいう。
→感性
→理性
悟性概念
ごせいがいねん [4] 【悟性概念】
⇒範疇(ハンチユウ)(2)
(イ)
悟道
ごどう [1][0] 【悟道】
仏教の精髄を悟ること。悟りの道。
悠
ゆう イウ 【悠】 (形動ナリ)
ゆったりと落ち着いたさま。「九重の楽―にして/日本開化小史(卯吉)」
悠々と
ゆうゆう【悠々と】
calmly;composedly;slowly;easily.→英和
〜と勝つ win an easy victory <over> .〜自適する live free from worldly cares.
悠久
ゆうきゅう イウキウ [0] 【悠久】 (名・形動)[文]ナリ
はてしなく長く続いている・こと(さま)。「―の大義」「―な営み」「―の歴史の流れ」
[派生] ――さ(名)
悠久の
ゆうきゅう【悠久の】
eternal;→英和
everlasting;→英和
permanent.→英和
悠悠
ゆうゆう イウイウ [0][3] 【悠悠】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)あわてずにゆったりと落ち着いているさま。「―と歩く」
(2)十分に余裕のあるさま。「一〇時までには―間に合う」「―五〇センチはある大きさ」
(3)はるかに遠いさま。限りないさま。「天の漠々―たるを見/欺かざるの記(独歩)」
悠悠自適
ゆうゆうじてき イウイウ― [0][3] 【悠悠自適】 (名)スル
俗事にわずらわされず,自分の思うままに心静かに生活を送ること。「―の生活」
悠悠閑閑
ゆうゆうかんかん イウイウ― [0][3] 【悠悠閑閑】 (ト|タル)[文]形動タリ
ゆったりとしたさま。急がぬさま。悠悠緩緩。「―と生きる」「しかも彼等は頗る―たる物で/吾輩は猫である(漱石)」
悠揚
ゆうよう イウヤウ [0] 【悠揚】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
ゆったりとしてこせこせしない・こと(さま)。「―として迫らぬ態度」「卅分程先生と相対してゐると心持が―になる/三四郎(漱石)」
■二■ (名)スル
ゆっくりと上がりひろがること。「天花風に繽紛として梵音雲に―す/太平記 24」
悠揚迫らざる態度で
ゆうよう【悠揚迫らざる態度で】
calmly;composedly.
悠然
ゆうぜん イウ― [0] 【悠然】 (ト|タル)[文]形動タリ
落ち着いてゆったりとしているさま。「―と構える」「―たる面持ち」
悠然として
ゆうぜん【悠然として】
⇒悠々.
悠紀
ゆき 【悠紀・斎忌・由基】
〔「斎酒」で,新聖な酒,の意〕
大嘗祭(ダイジヨウサイ)のとき,神事に用いる新穀を奉るため卜定(ボクジヨウ)によって選ばれた第一の国郡。悠紀の国。
→主基(スキ)
悠紀殿
ゆきでん 【悠紀殿】
大嘗祭(ダイジヨウサイ)のとき,主基殿(スキデン)と並んで建てられる殿舎。
悠紀田
ゆきでん 【悠紀田】
大嘗祭(ダイジヨウサイ)のとき,悠紀殿の神饌(シンセン)とするための穀物を作る田。
→主基田(スキデン)
悠遠
ゆうえん イウヱン [0] 【悠遠】 (名・形動)[文]ナリ
時間的・空間的にはるかに遠い・こと(さま)。「―のかなた」「―なる太古の世」
悠長
ゆうちょう イウチヤウ [1] 【悠長】 (名・形動)[文]ナリ
落ち着いていて気の長いこと。のんびりとして急がないこと。また,そのさま。「―に構える」「―な態度」「そんな―なことを言っていられない」
[派生] ――さ(名)
悠長な
ゆうちょう【悠長な】
slow;→英和
easygoing.→英和
〜に構える take it[things]easy.
患
かん クワン [1] 【患】
憂え。わずらい。「後日の―となろう」
患い
わずらい ワヅラヒ [0] 【煩い・患い】
(1)病気。《患》「長の―」
(2)心を悩ませること。心配の種。苦労。「妻と云ふ―を有するに/渋江抽斎(鴎外)」
患い付く
わずらいつ・く ワヅラヒ― [0] 【患い付く】 (動カ五[四])
病気になる。やみつく。「ふとしたことで―・く」
患う
わずら・う ワヅラフ [0][3] 【煩う・患う】 (動ワ五[ハ四])
(1)心の中で悩む。苦しむ。心配する。《煩》「思い―・う」
(2)病気になる。《患》「長く―・う」「胸を―・う」
(3)障害にあって苦しむ。難渋する。《煩》「舟なども―・はで,御馬にてなりけり/源氏(橋姫)」
(4)動詞の連用形の下に付いて,…するのに困る,の意を表す。…しかねる。「言い―・う」「暮らし―・ふ昨日今日かな/枕草子 301」
〔「煩わす」に対する自動詞〕
患家
かんか クワン― [1] 【患家】
患者の家。医者の側からいう語。
患所
かんしょ クワン― [1] 【患所】
病気や傷のあるところ。患部。
患禍
かんか クワンクワ [1] 【患禍】
わざわい。
患者
かんじゃ クワン― [0] 【患者】
病人やけが人。主に医者の側からいう言葉。「外来―」
患者
かんじゃ【患者】
a patient;→英和
a case <of cholera> .→英和
患苦
かんく クワン― [1] 【患苦】
うれえ苦しむこと。苦しみ。
患部
かんぶ クワン― [1] 【患部】
疾患や傷のある部分。「―を冷やす」
患部
かんぶ【患部】
the diseased[affected]part.
患難
かんなん クワン― [1] 【患難】
困難にあってなやむこと。また,その困難。「甚しき―に逢ひたれども/西国立志編(正直)」
患[煩]う
わずらう【患[煩]う】
(1)[病気にかかる]suffer <from an eye disease> ;→英和
have trouble <with one's eyes> .
(2)[心配する]worry <about> .→英和
悦
えつ [1][0] 【悦】
喜ぶこと。うれしがること。
悦に入る
えつ【悦に入る】
rejoice <at,to do> ;→英和
be in ecstasies <over> ;be pleased <with oneself> ;chuckle <over> .→英和
悦ばす
よろこば・す [4] 【喜ばす・悦ばす】
■一■ (動サ五[四])
喜ぶようにさせる。うれしがらせる。よろこばせる。「妹を―・す」
■二■ (動サ下二)
⇒よろこばせる
悦び
よろこび [0][3][4] 【喜び・慶び・悦び】
(1)よろこぶこと。「初優勝の―」
(2)よろこぶべきこと。慶賀すべきこと。
(ア)任官・昇進などの慶事。「正月の司召に,さまざまの―どもありて/栄花(月の宴)」
(イ)出産という慶事。「―ヲスル/日葡」
(3)祝いの言葉。祝辞。「お―を申し上げる」
(4)謝礼。お礼。「熊野へ―の奉幣をぞ立てられける/平家 3」
悦ぶ
よろこ・ぶ [3] 【喜ぶ・慶ぶ・悦ぶ】
■一■ (動バ五[四])
(1)よい事に出合って快い・楽しい・うれしいと思う。また,その思いを言動に表す。「お目にかかれてとても―・んでいました」「応援団が―・んでいる」「人の耳を―・ばしめんとにはあらず/方丈記」
(2)祝福する。「無事な生還を―・ぶ」
(3)ありがたいと思いつつ受け入れる。「彼は他人の忠告を―・ばない」
→喜んで
(4)(出産を喜ぶ意から転じて)出産する。子を産む。「懐体して兄を―・びしより/浮世草子・桜陰比事 1」
[可能] よろこべる
■二■ (動バ上二)
(1)うれしく思う。「こほろぎの待ち―・ぶる秋の夜を寝る験なし枕と我は/万葉 2264」
(2)ありがたいと思う。「貴き御命を頂に受け給はり,―・び貴み懼ぢ恐まりて/続紀(天平宝字三宣命)」
悦んで
よろこんで [3] 【喜んで・悦んで】 (副)
相手のことばを快く受け入れるさま。自分から進んで。快く。「―伺います」
悦予
えつよ 【悦予】
悦楽。満足。「―ヲイダク/日葡」
悦哉
えっさい [0] 【悦哉・雀�】
タカ目の鳥,ツミの雄の呼称。
悦喜
えっき [1] 【悦喜】 (名)スル
よろこぶこと。喜悦。「僕が輩も大に―せり/新聞雑誌 17」
悦懌
えつえき [0] 【悦懌】 (名)スル
よろこぶこと。「深く―す/即興詩人(鴎外)」
悦服
えっぷく [0] 【悦服】 (名)スル
(人民が朝廷などに)満足して服従すること。「人民大ひに其諸件に―せざるの色あるを以て/民約論(徳)」
悦楽
えつらく 【悦楽】 (名)スル
(1)喜び楽しむこと。「甘い生活に―する日々を過ごす」
(2)心から満足して,喜びの気持ちで満たされること。「深い―にひたる」
悦目抄
えつもくしょう 【悦目抄】
歌論書。二巻。藤原基俊著と伝えるが後世(鎌倉中期か)の偽作。古人の詠風・歌病・歌体・本歌取り・禁忌など広く歌の詠み方について記したもの。更科記。
悦般
えっぱん 【悦般】
中国の史書「魏書」にみえる西域のトルコ系民族の国。五世紀頃,イリ地方を領した。
悧巧
りこう [0] ―コウ 【利口】 ・ ―カウ 【利巧・悧巧】 (名・形動)スル [文]ナリ
(1)頭がいいこと。かしこいこと。また,そのさま。利発。
⇔馬鹿
「―な動物」「―になる」
(2)(特に子供について)聞きわけのいいこと。物分かりがよくて素直なこと。また,そのさま。「お―さんだから静かにしなさい」
(3)抜け目がないこと。要領のいいこと。また,そのさま。「―者」「―に立ち回る」
(4)弁舌が巧みな・こと(さま)。巧言。「行きて―に云ひ聞かせよ/今昔 28」
(5)冗談を言うこと。「もとどり切られてそれにもこりず,猶―しありきける程に/著聞 16」
〔「利口」は,もと弁舌の巧みなことをいう語であったが,生まれつき利発なことを意味する「利根(リコン)」と混同され,意味が変化し,「利巧・悧巧」とも表記されるようになった〕
[派生] ――さ(名)
悩ましい
なやまし・い [4] 【悩ましい】 (形)[文]シク なやま・し
〔動詞「悩む」の形容詞形〕
(1)感覚に性的な刺激を受けて,心が落ち着かない。「―・い香水のかおり」
(2)気持ちがはれない。悩みが多い。「煩悶(ハンモン)多き青春の―・い日々」
(3)病気などで気分が悪い。「君は心地もいと―・しきに/源氏(若紫)」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
悩ましい
なやましい【悩ましい】
[つらい]painful;→英和
[刺激的]embarrassing;→英和
disturbing;[誘惑的な]alluring;coquettish.
悩ます
なやま・す [3] 【悩ます】 (動サ五[四])
悩むようにする。苦しめる。「霧に―・される」「我を―・し絶ゆる紐の緒/万葉 2982」
悩ます
なやます【悩ます】
[苦しめる]torment;→英和
[当惑さす]worry;→英和
annoy;→英和
distress.→英和
頭を〜 rack[puzzle]one's brains <about> .心を〜 worry <about> .⇒悩む.
悩み
なやみ【悩み】
[苦悩]suffering(s);→英和
(a) hardship;→英和
[心配]anxiety;→英和
a worry;→英和
a trouble (面倒).→英和
〜の種 a source of anxiety.⇒悩む.
悩み
なやみ [3] 【悩み】
(1)悩むこと。思い苦しむこと。思いわずらうこと。煩悶(ハンモン)。「―を打ち明ける」
(2)病気。わずらい。「后の―重くならせたまひけるころ/十訓 1」
悩む
なや・む [2] 【悩む】
■一■ (動マ五[四])
(1)結論が出せなくて苦しむ。思いわずらう。「将来について―・む」「家庭内のもめごとに―・む」「人生の意義について―・む」
(2)肉体的な苦痛で苦しむ。病む。「持病の神経痛に―・む」「わらは病みに久しう―・み給ひて/源氏(賢木)」
(3)動作の進行がうまくいかなくて苦しむ。「のび―・む」「行き―・む」「安けくもなく―・み来て/万葉 3694」
■二■ (動マ下二)
⇒なやめる
悩む
やくさ・む 【悩む】 (動マ四)
病気になる。わずらう。「天皇,玉体不悆(オオミヤマイ)したまひて―・みたまふ/日本書紀(履中訓)」
悩む
なやむ【悩む】
suffer <from> ;→英和
be troubled <with> ;be worried <about> .
悩める
なや・める [3] 【悩める】 (動マ下一)[文]マ下二 なや・む
(1)「悩む{■一■(2)}」に同じ。「体じゅう―・めてならない」
(2)悩ます。苦しめる。「出家をとらまへて―・めたが/狂言記・悪坊」
悩乱
のうらん ナウ― [0] 【悩乱】 (名)スル
思い悩んで心が乱れること。「頭が―し,五体が痺れた刹那/飇風(潤一郎)」
悩殺
のうさつ ナウ― [0] 【悩殺】 (名)スル
大いに悩ますこと。特に,女性がその美しさや性的魅力によって男性を夢中にさせること。「―的なポーズ」「眼付が男を―する魔力がある/社会百面相(魯庵)」
悩殺する
のうさつ【悩殺する】
fascinate;→英和
charm.→英和
悪
あく【悪】
evil;→英和
wrong;→英和
vice.→英和
〜に染まる be steeped in vice.→英和
悪
あく 【悪】
■一■ [1] (名)
(1)わるいこと。否定すべき物事。道徳・法律などに背く行動や考え。
⇔善
「近代社会が内包する―」「―の道に走る」「―の限りを尽くす」
(2)演劇で,敵役。悪役。
(3)〔近世語〕
悪口。悪態。「よく―をいひなんす。ちつとだまんなんし/洒落本・妓娼精子」
■二■ (接頭)
名詞に付いて,畏敬の念を抱かせるほど荒々しく強い意を表す。「―七兵衛」「―源太」
悪
わる [1] 【悪】
〔形容詞「悪い」の語幹から〕
(1)悪い者。悪党。「相当の―だ」
(2)悪いこと。よくないこと。「あら―の念仏の拍子や候/謡曲・百万」
(3)種々の語の上に付いて,複合語を作る。
(ア)悪い,不快である,害になる,などの意を表す。「―酔い」「―がしこい」
(イ)程度が過ぎている意を表す。「―乗り」「―ふざけ」
悪あがきする
わるあがき【悪あがきする】
make useless struggle[resistance].
悪い
にく・い 【難い・悪い】 (接尾)
〔形容詞「にくい」の接尾語化。形容詞型活用([文]ク にく・し)〕
動詞の連用形に付いて,…するのがむずかしい,なかなか…できないなどの意を表す。「読み―・い」「歩き―・い」「話し―・い」
悪い
わる・い [2] 【悪い】 (形)[文]ク わる・し
〔望ましくない状態を広くいう語〕
(1)好ましくない状態である。よくない。「天気が―・い」「日が―・い」
(2)品質的に下級である。粗悪だ。「作りが―・い箱」
(3)美的に劣っている。醜い。「声が―・い」「器量が―・い」
(4)能力的に劣っている。劣等だ。「頭が―・い」「物覚えが―・い」「できが―・い」
(5)身分・家柄が低い。経済的に恵まれない。「育ちが―・い」「―・い暮らし」「唐めきて―・き家の物とは見えず/枕草子 40」
(6)倫理・道徳に反する。道にはずれている。「隠れて―・い事をする」「―・い人間を罰する」
(7)規範・標準に合わない。適格でない。「箸(ハシ)の持ち方が―・い」「姿勢が―・い」
(8)友好的でない。むつまじくない。「仲が―・い」「両大国の関係が―・くなる」
(9)人格的に好ましくない。「意地が―・い」「人柄が―・い」
(10)都合がよくない。具合がよくない。「―・いことに,その時は持ち合わせがなかった」「―・い時に来たものだ」
(11)不利益になる。得でない。「分(ブ)が―・い」「立場が―・い」
(12)快くない。不快だ。「気分が―・い」「気を―・くする」「―・く思わないでくれ」
⇔良い
(13)調子がよくない。病気・故障だ。「体を―・くする」「この時計はどこが―・いのですか」「今日こそ―・う見ゆれ/平家 11」
(14)好ましくない結果に対して責任がある。「それは君の方が―・い」「政治が―・い」
(15)迷惑がかかって気の毒である。申し訳ない。「―・いけど,もう少し待ってね」「彼には―・いが先に行こう」
→わろし
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
[慣用] 口が―・手癖が―・寝覚めが―・ばつが―・間が―・虫の居所が―・胸糞(ムナクソ)が―/安かろう悪かろう
悪い
にく・い [2] 【憎い・悪い】 (形)[文]ク にく・し
〔「にくむ」と同源〕
(1)憎悪の感情を抱かせるさまである。許しがたい。にくらしい。「敵に寝返った―・い男」
(2)(反語的に用いて)かわいい。いとしい。「私の心を奪った―・い人」
(3)(にくく思うくらいにすばらしいの意で)感心だ。みごとだ。あっぱれだ。「なんとも―・い振る舞いだ」
(4)気に入らない。気にくわない。「紫のにほへる妹を―・くあらば/万葉 21」
(5)みにくい。見苦しい。「これはこの比(ゴロ)やうのことなり。いと―・し/徒然 208」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
悪い
わるい【悪い】
(1)[道徳上]bad;→英和
wrong;→英和
immoral;→英和
evil <thought> .→英和
(2)[品質が]bad;coarse (粗悪な);→英和
poor;→英和
inferior (劣った);→英和
[腐った]bad;spoiled <food> ;sour <milk> .→英和
(3)[からだが]ill;→英和
sick;→英和
not well;serious (ひどく悪い);→英和
[顔色が] <look> pale[unwell];→英和
[記憶が] <have a> poor <memory> ;[頭が]dull;→英和
stupid;→英和
[故障]wrong;→英和
broken;→英和
out of order.(4)[まちがって] <Your answer is[You are]> wrong.(5)[有害で]bad <for (the) health> ;harmful.(6)[天気が]bad;nasty;→英和
miserable;→英和
[道が]bad;muddy;→英和
[不吉な]ill <news> ;unlucky;→英和
ominous.→英和
(7)[容貎が]plain;→英和
ugly.→英和
(8)[味が] <taste,smell> bad.〜ことをする do (something) wrong;→英和
commit a crime[sin].→英和
〜人 a bad[wicked]man.悪くすると possibly;→英和
I am afraid; <米> maybe.→英和
悪くなる[腐る]go bad;be[get]spoiled;be[turn]sour.
悪いようにはしない
悪いようにはしない
不利益になるようなことはしない。損はさせない。
悪い虫
悪い虫
(1)娘にとって好ましくないと思われる交際相手。特に,たちの悪い情夫。「―がつく」
(2)癇癪(カンシヤク)の虫。「―押へかねてずんと出で/浄瑠璃・冥途の飛脚(中)」
悪い酒
悪い酒
(1)品質の劣っている酒。
(2)飲んで他人に迷惑をかけるような酒の飲み方。「―につき合わされる」
悪がる
わるが・る [3] 【悪がる】 (動ラ五[四])
(1)反省したり恐縮したりする気持ちを,態度や言葉に出す。「おそいからと―・って寄らずに帰る」
(2)悪者ぶる。悪ぶる。「―・っているが,根は善良だ」
(3)(「きまりを悪がる」「気味を悪がる」の形で)きまりが悪いと思う。気味が悪いと思う。「此夫婦は自分たちの極まりを―・る事は忘れて居る/野分(漱石)」「嬢様も夫人(オクサマ)も気味を―・つて/社会百面相(魯庵)」
悪くすると
悪くすると
うまくいかない場合には。「―約束の時間に間に合わないかも知れない」
悪さ
わるさ [1] 【悪さ】
(1)悪いこと。悪い程度。「彼の口の―には閉口する」
(2)いたずら。「―ばかりしている」
(3)博打(バクチ)などの悪い行為。不品行。
(4)いたずらっ子。「お師匠様でござりますか,―をお頼み申します/浄瑠璃・菅原」
悪さする
わるさ【悪さする】
play a trick <on> .→英和
悪し
わろ・し 【悪し】 (形ク)
〔「あし(悪)」が本質的なわるさをいうのに対して,相対的によくないさまをいう。「わるし」とも〕
(1)好ましくない。望ましくない。「人はすべてつくろふところあるは―・し/堤中納言(虫めづる)」
(2)美しくない。見劣りする。「かつ女の目にも―・しと思ふを思ふは/枕草子 268」
(3)つたない。へただ。「まして―・く吹きたるはいとにくきに/枕草子 218」
(4)品質が劣っている。上等でない。「(紙ガ)―・かめれば,寿命経もえ書くまじげにこそ/枕草子 277」
(5)めでたくない。不吉である。「御宿世の―・くおはしましけるを/栄花(玉のむら菊)」
(6)生活が恵まれない。身分や地位が低い。「年頃わたらひなども―・くなりて/大和 148」
(7)食物がいたんでいる。古くてだめになっている。「瓜をとりいでたりけるが,―・くなりて水ぐみたりければ/著聞 18」
(8)正しくない。誤りである。「行法も法の字を澄みていふ,―・し。濁りていふ/徒然 160」
→あし
悪し
にく・し 【憎し・悪し】 (形ク)
⇒にくい(憎)
悪し
わる・し 【悪し】 (形ク)
⇒わるい
悪し
あ・し 【悪し】 (形シク)
〔「あし」は絶対的な評価として,「わろし」は相対的な評価として用いる〕
(1)(道徳的・倫理的に)非難されるべきである。悪い。けしからぬ。「よきにつけ―・しきにつけ」「―・しからず」「人よりは妹そも―・しき恋もなくあらましものを思はしめつつ/万葉 3737」
(2)(吉凶・禍福について)不吉だ。不運だ。「例の所には,方―・しとて,とどまりぬ/蜻蛉(中)」
(3)(美的に)みにくい。醜悪だ。「御声も惜しませ給はず,いとさま―・しきまで泣かせ給ふ/栄花(花山)」
(4)(技術的に)へただ。拙劣だ。「中納言,―・しく探ればなき也と腹立ちて/竹取」
(5)(身分的・階層的に)卑しい。下賤(ゲセン)だ。「冬はついたち,つごもりとて,―・しきもよきもさわぐめるものなれば/蜻蛉(上)」
(6)(品質的に)粗末だ。粗悪だ。「下衆女のなり―・しきが子負ひたる/枕草子 122」
(7)(気分・心理状態について)不快だ。不機嫌だ。苦しい。「おほやけの御気色―・しかりけり/伊勢 114」
(8)(自然的状況について)荒れている。険悪だ。「外の海いといみじく―・しく浪高くて/更級」
(9)都合が悪い。具合が悪い。「折―・しく」「ここには弓場なくて―・しかりぬべしとてかしこにののしる/蜻蛉(中)」
(10)(動詞の連用形の下に付いて)…するのが難しい。…しにくい。「他国(ヒトクニ)はすみ―・しとそいふ/万葉 3748」
→わろし
悪し
にく・し 【難し・悪し】 (接尾)
⇒にくい(難)
悪しい
あし・い [2] 【悪しい】 (形)[文]シク あ・し
〔現代語では,文語形を含め,一部の活用形が「おりあしく」「よきにつけあしきにつけ」「よしあしだ」などの形で慣用的に用いられる〕
よくない。「いつも呑ませ付けた物をのませねば心に掛つて―・い/狂言・抜殻(虎寛本)」
→悪(ア)し
悪しからず
あしからず [3] 【悪しからず・不悪】 (連語)
悪く思わないで。気を悪くしないで。相手の意にそえず申し訳ないという気持ちを表す語。「―ご了承下さい」
悪しからず
あしからず【悪しからず】
Please do not take it amiss./I beg you not to take it amiss. <話> No hard feelings.
悪しき
あしき [1] 【悪しき】
〔文語形容詞「悪(ア)し」の連体形から〕
■一■ (名)
悪いこと。悪いもの。「―を捨てる」
■二■ (連体)
悪い。よくない。「―見本」「―前例」
悪し様
あしざま [0] 【悪し様】 (名・形動)[文]ナリ
事実を曲げて,悪く言ったり解釈したりする・こと(さま)。
⇔よさま
「人を―に言う」
悪たれ
あくたれ [0] 【悪たれ】
(1)憎まれ口をきいたり,乱暴をしたりして人に嫌がらせをすること。また,その人。「―小僧」
(2)「悪たれ口」に同じ。
悪たれる
あくた・れる [4][0] 【悪たれる】 (動ラ下一)
乱暴・無法なことを言ったりしたりする。いたずらをする。また,すねる。「―・れて其の場に行倒れたまゝ鼾をかいたりする/あめりか物語(荷風)」
悪たれをつく
あくたれ【悪たれをつく】
use abusive language.
悪たれ口
あくたれぐち [4] 【悪たれ口】
わざわざ相手を怒らせるように言う言葉。憎まれ口。あくたれ。「―をたたく」
悪たれ者
あくたれもの [0][6] 【悪たれ者】
すぐに乱暴する者。また,悪たれ口をきく者。
悪てんごう
わるてんごう [3] 【悪てんごう】
たちの悪いいたずら。悪ふざけ。
悪のりする
わるのり【悪のりする】
get carried away.
悪の華
あくのはな 【悪の華】
〔原題 (フランス) Les fleurs du mal〕
ボードレールの詩集。初版1857年刊。裁判による削除追加による再版61年。象徴派の先駆的作品。精神の暗部を感覚の呼応の内にうたう。
悪びれずに
わるびれる【悪びれずに】
calmly;without fear[hesitation,resistance].
悪ふざけ
わるふざけ [3] 【悪ふざけ】 (名)スル
人に迷惑をかけるほど度を越してふざけること。「酔ったふりをして―する」
悪ふざけをする
わるふざけ【悪ふざけをする】
play a trick[practical joke] <on> .→英和
〜が過ぎる That is a heartless joke[a nasty trick].
悪ぶ
わる・ぶ 【悪ぶ】 (動バ上二)
「わろぶ」に同じ。「いとかうあまりうもれたらむは,心づきなく―・びたり/源氏(末摘花)」
悪ぶ
わろ・ぶ 【悪ぶ】 (動バ上二)
悪く見える。劣って見える。「―・びたる事ども出で来るわざなめれば/源氏(帚木)」
悪ぶる
わるぶ・る [3] 【悪ぶる】 (動ラ五)
〔「ぶる」は接尾語〕
いかにも悪者であるかのように振る舞う。悪者ぶる。
悪む
にく・む [2] 【憎む・悪む】 (動マ五[四])
(1)嫌だと思う。不快に思う。また,よくないこと,あってはならないこととして,許しがたく思う。「戦争を―・む」「―・んでもあまりある」「罪を―・んで,人を―・まず」
(2)ねたむ。そねむ。うらやましく思う。「これにつけても―・み給ふ人々多かり/源氏(桐壺)」
(3)非難する。反対する。「違ふ所もあらん人こそ,我はさやは思ふ,など争ひ―・み/徒然 12」
[可能] にくめる
悪丁寧
わるていねい [3] 【悪丁寧】 (名・形動)[文]ナリ
〔「わるでいねい」とも〕
必要以上に丁寧である・こと(さま)。「くど��しく―なるに/天うつ浪(露伴)」
悪七兵衛
あくしちびょうえ 【悪七兵衛】
平景清(タイラノカゲキヨ)の異名。
悪世
あくせ [1] 【悪世】
悪事の行われる乱れた世の中。
悪乗り
わるのり [0] 【悪乗り】 (名)スル
その場の雰囲気や相手の調子に合わせるうちに,度をすごして調子に乗ること。「―して非難をあびる」
悪事
あくじ [1] 【悪事】
悪いおこない。「―が露見する」
悪事
あくじ【悪事】
an evil deed;a crime.→英和
〜を働く do evil;commit a crime.→英和
〜をたくらむ plot evil.‖悪事千里を走る <諺> Ill news runs apace.
悪事千里を走る
せんり【悪事千里を走る】
⇒悪事.
悪人
あくにん【悪人】
a bad[wicked]man.
悪人
あくにん [0] 【悪人】
よくない心をもった人。よくない事をする人。わるもの。悪党。
⇔善人
悪人方
あくにんがた [0] 【悪人方】
歌舞伎で,悪人に扮する役者。あくがた。いやがた。敵役(カタキヤク)。
悪人正機
あくにんしょうき [5] 【悪人正機】
悪人こそまさしく阿弥陀仏の本願に救われる対象であるということ。親鸞の説いた,浄土真宗の根本的な思想。「歎異抄」の「善人なほもちて往生をとぐ,いはんや悪人をや」という言葉に端的に示されている。
悪例
あくれい [0] 【悪例】
悪い手本。悪い先例。「―を残す」
悪例
あくれい【悪例】
a bad example[precedent].
悪僧
あくそう [0] 【悪僧】
(1)仏の教えを守らない堕落した僧。
(2)武芸にすぐれた勇猛な僧。荒法師。
悪党
あくとう【悪党】
a scoundrel;→英和
a villain.→英和
悪党
あくとう [3] 【悪党】
(1)わるものの仲間。「―の一味」
(2)悪人。悪者。
(3)中世,荘園領主や幕府の支配に反抗し,社会の秩序を乱す者。また,その集団。
悪功
わるごう 【悪功】
(1)悪ふざけ。「ひとつも口をあかせず,―有程つくして物しける/浮世草子・一代男 1」
(2)悪いことに年功を積んでいること。「左の目がいごくと,こいつあこうだなと,―が入て居るから/洒落本・傾城買四十八手」
悪化
あっか アククワ [0] 【悪化】 (名)スル
状態が悪くなること。「病状が―する」「環境の―」
悪化
あっか【悪化】
a change for the worse.→英和
〜する grow worse;deteriorate;→英和
be aggravated;take a turn for the worse (病状が).
悪友
あくゆう [0] 【悪友】
よくない友人。親しみをこめて,親友や遊び仲間にもいう。
⇔良友
悪友
あくゆう【悪友】
a bad friend;bad company.〜が出来る keep bad company.
悪口
あっこう【悪口】
abuse.→英和
悪口雑言する curse and swear.
悪口
あくこう 【悪口】
⇒あっこう(悪口)
悪口
わるくち [2] 【悪口】
〔「わるぐち」とも〕
人を悪く言うこと。また,その言葉。あっこう。「友人の―を言う」
悪口
あっこう アク― [0][3] 【悪口】 (名)スル
人を悪く言うこと。また,その言葉。わるくち。「―を浴びせる」
悪口
あっく アク― [0][1] 【悪口】 (名)スル
〔仏〕 十悪の一。言葉による悪。荒々しく人をののしること。また,その言葉。
悪口祭
わるくちまつり [5] 【悪口祭(り)】
参詣人が互いに悪口を言い合ったり,天狗(テング)や鬼に扮(フン)した人と問答したりする祭り。言い勝った者は運が開けるとか,豊作になるなどという。
悪口祭り
わるくちまつり [5] 【悪口祭(り)】
参詣人が互いに悪口を言い合ったり,天狗(テング)や鬼に扮(フン)した人と問答したりする祭り。言い勝った者は運が開けるとか,豊作になるなどという。
悪口雑言
あっこうぞうごん アク―ザフ― [3] 【悪口雑言】
口ぎたなくののしること。罵詈(バリ)雑言。
悪名
あくめい [0] 【悪名】
悪い評判。よくないうわさ。あくみょう。「―が高い」「―をはせる」
悪名
あくめい【悪名】
⇒悪名(あくみよう).
悪名
あくみょう【悪名】
a bad name[reputation];ill repute.〜高い infamous;→英和
notorious.→英和
〜をはせる become notorious.→英和
悪名
あくみょう [0] 【悪名】
(1)「あくめい(悪名)」に同じ。
(2)悪事を働いた者。また,その悪事。「是も新九郎―にまぎれなく/浮世草子・武家義理物語 6」
悪因
あくいん [0] 【悪因】
悪い結果をもたらす原因。
悪因悪果
あくいんあっか [5] 【悪因悪果】
〔仏〕 悪いおこないが原因となって悪い結果の生ずること。
⇔善因善果
悪因縁
あくいんねん [3] 【悪因縁】
悪縁。くされ縁。
悪地
あくち [1] 【悪地】
(1)地質や地形が悪く,植物の栽培や住宅の建設・交通などに適さない土地。
(2)「悪地地形」に同じ。
悪地地形
あくちちけい [4] 【悪地地形】
深い溝や谷が無数に発達し,急斜面が複雑に入り組んで通行困難な地形。強雨による急速な浸食でつくられ,植物が茂らずに山肌が露出する。北アメリカのロッキー山脈東側の大平原地方はその例。
悪堅い
わるがた・い [4] 【悪堅い】 (形)
必要以上に物堅い。頑固なほど義理堅い。
悪報
あくほう [0] 【悪報】
(1)悪い知らせ。凶報。
⇔吉報
(2)〔仏〕 悪事が因となって招く悪い果報。悪の報い。
⇔善報
悪場
わるば [0] 【悪場】
登山で,コースの途中にある困難で危険な場所。
悪声
あくせい [0] 【悪声】
(1)不快な声。いやな声。また,野卑な声。
⇔美声
(2)よくない評判。悪いうわさ。悪口。
悪変
あくへん [0] 【悪変】 (名)スル
状態が悪い方へ転ずること。悪化。「天候が―する」
悪夢
あくむ [1] 【悪夢】
(1)恐ろしい夢。縁起の悪い夢。
(2)転じて,夢としか思えないような恐ろしい出来事やいやな現実。「―のような事件」
悪夢
あくむ【悪夢】
a bad dream;a nightmare.→英和
〜にうなされる have a nightmare.→英和
悪天
あくてん [0] 【悪天】
悪い天候。悪天候。
⇔好天
悪天候
あくてんこう [3] 【悪天候】
悪い天候。
悪天候
あくてんこう【悪天候】
rough[bad]weather.
悪太郎
あくたろう [3] 【悪太郎】
(1)いたずらな子供をののしっていう語。いたずら小僧。
(2)乱暴者。「―と申て,さけにようては,あくぎやく仕たるが/狂言・悪太郎」
悪太郎
あくたろう アクタラウ 【悪太郎】
狂言の一。酔って寝ている間に叔父に坊主にされた悪太郎は,それまでの乱暴を後悔し,通りかかった念仏僧とともに殊勝に念仏を唱える。
悪太郎
あくたろう【悪太郎】
a naughty[bad]boy.
悪女
あくじょ【悪女】
a wicked woman;an ugly woman(醜い女).
悪女
あくじょ [1] 【悪女】
(1)性質のよくない女。
(2)容貌の醜い女。
悪妻
あくさい [0] 【悪妻】
夫にとってよくない妻。
⇔良妻
悪妻
あくさい【悪妻】
a bad wife;a Xanthippe.
悪婆
あくば [1] 【悪婆】
(1)意地悪な老女。
(2)歌舞伎の役柄の名称の一。中年の女性で,伝法肌(デンポウハダ)であだっぽい毒婦的な性格の役。
悪婦
あくふ [1] 【悪婦】
性質の悪い女性。意地悪な女。
悪寒
おかん【悪寒】
<have> a chill.→英和
悪寒
おかん ヲ― [0] 【悪寒】
急な発熱により起こる,ぞくぞくとした寒け。「―がする」
悪尉
あくじょう [2][0] 【悪尉】
能面の一。恐ろしい顔の尉の面。「恋重荷(コイノオモニ)」「白髭(シラヒゲ)」などの後ジテに用いる。
悪尉[図]
悪尻
わるじり 【悪尻】
他人に隠している悪事や欠点。「御后の―をいふ陰陽師/柳多留(初)」
悪左府
あくさふ 【悪左府】
藤原頼長(フジワラノヨリナガ)の異名。
悪巧み
わるだくみ [3] 【悪巧み】 (名)スル
悪い事をたくらむこと。また,そのたくらみ。「―にひっかかる」
悪巧みをする
わるだくみ【悪巧みをする】
play a trick <on> (いたずら);→英和
frame a plot <against> (陰謀).→英和
悪平等
あくびょうどう [3] 【悪平等】
個性や特質を無視して,一律に同じ扱いにするため,かえって不公平になること。
悪平等
あくびょうどう【悪平等】
(a) perverted equality.
悪度胸
わるどきょう [3] 【悪度胸】
あとさきを考えない度胸。くそ度胸。「捕まつたら其迄(ソレマデ)だ,と―で当つて見ると/婦系図(鏡花)」
悪弊
あくへい [0] 【悪弊】
よくない風習。弊害を伴う悪習。「旧来の―を除く」
悪弊
あくへい【悪弊】
an evil (practice);→英和
an abuse.→英和
悪強い
わるじい [0] 【悪強い】 (名)スル
度を過ぎて強いること。無理強い。
悪形
あくがた [0] 【悪形・悪方】
「悪人方(アクニンガタ)」に同じ。
悪影響
あくえいきょう [3] 【悪影響】
悪い影響。「―を与える」
悪影響
あくえいきょう【悪影響】
<have> a bad influence <on> .
悪役
あくやく [0] 【悪役】
(1)芝居で悪人を演ずる役。また,その役者。敵役(カタキヤク)。
(2)転じて,人から憎まれる悪い役回り。
悪役
あくやく【悪役】
a villain(s' part).→英和
悪徒
あくと [1] 【悪徒】
わるもの。またその仲間。悪党。
悪循環
あくじゅんかん【悪循環】
《経》a vicious circle.
悪循環
あくじゅんかん [3] 【悪循環】
ある物事が他に悪い影響をもたらし,それがまた,もとの物事に悪い影響をもたらすというように,相互に際限なく悪い影響を与え続ける状態。「―を繰り返す」「―を断つ」
悪徳
あくとく【悪徳】
vice;→英和
corruption.→英和
‖悪徳記者 a corrupt journalist.悪徳業者 a wicked dealer.悪徳新聞 the vicious press.
悪徳
あくとく [0] 【悪徳】
道徳に反する行為または精神。
⇔美徳
「―商法」
悪心
おしん ヲ― [0] 【悪心】
胸がむかむかして,吐き気のすること。嘔気(オウキ)。
〔「あくしん」と読めば別語〕
悪心
あくしん [0][3] 【悪心】
悪い事をしようとする心。他人に害を加えようとする心。「―を抱く」
→おしん(悪心)
悪心
あくしん【悪心】
an evil intention.
悪念
あくねん [0] 【悪念】
悪事を働こうとする考え。悪心。
悪性
あくしょう 【悪性】 (名・形動)
性質が悪いこと。特に,身持ちの悪いこと。酒色にふけること。また,そのさま。「とかくさうした―な男を/浮世草子・禁短気」
悪性
あくせい [0] 【悪性】
(1)(病気などの)たちがよくないこと。癌性であること。
⇔良性
「―のできもの」
(2)〔法〕 犯罪を犯す危険性,もしくは,犯罪を繰り返す可能性のある性格など反社会的性格。
悪性の
あくせい【悪性の】
malignant;→英和
virulent;→英和
bad;→英和
vicious <inflation> .→英和
悪性インフレ
あくせいインフレ [5] 【悪性―】
物価の上昇が急激で,生産の阻害・経済秩序の混乱をもたらすインフレーション。経済活動を刺激する適度なインフレーションに対する概念。
悪性リンパ腫
あくせいリンパしゅ [7] 【悪性―腫】
リンパ系の細胞に発生した悪性の腫瘍。頸部・わきの下・鼠蹊(ソケイ)部などの表面のリンパ節が大きくはれる。四〇代以降に多い。
→ホジキン病
悪性所
あくしょうどころ 【悪性所】
遊蕩(ユウトウ)する場所。遊里。
悪性狂ひ
あくしょうぐるい 【悪性狂ひ】
「悪所狂(アクシヨグル)い」に同じ。
悪性者
あくしょうもの 【悪性者】
道楽者。浮気者。「どうでも男は―/長唄・娘道成寺」
悪性腫瘍
あくせいしゅよう [5] 【悪性腫瘍】
増殖力が強く,周囲の組織を破壊・浸潤して全身に転移し,生体に致命的な害を与える腫瘍。癌腫と肉腫をいう。
悪性話
あくしょうばなし [5] 【悪性話】
酒色・遊蕩(ユウトウ)に関する話。
悪性貧血
あくせいひんけつ [5] 【悪性貧血】
造血因子であるビタミンB��の欠乏に起因する貧血。
悪性金
あくしょうがね 【悪性金】
「悪所金(アクシヨガネ)」に同じ。「親旦那の―を十四貫目横取りして/浄瑠璃・淀鯉(上)」
悪性黒色腫
あくせいこくしょくしゅ [8] 【悪性黒色腫】
メラノサイトから生じる悪性腫瘍(シユヨウ)。足の裏や爪の下,顔などに好発し,ほくろのようなものが急に大きくなる。転移が早く,皮膚癌にくらべ予後が悪い。メラノーマ。
悪怯る
わろび・る 【悪怯る】 (動ラ下二)
「わるびれる」に同じ。「随分の勇士どもも,―・れて進み得ず/保元(下・古活字本)」
悪怯れる
わるび・れる [4] 【悪怯れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 わるび・る
おどおどしたり,恥ずかしがったりする。「いっこうに―・れた様子もない」
悪悪戯
わるいたずら [3] 【悪悪戯】
人の迷惑になるいたずら。わるふざけ。
悪意
あくい [1] 【悪意】
(1)他人に害を与えようとする心。他人を憎む心。わるぎ。わるげ。
⇔好意
「―をもつ」「―を抱く」「―にみちた批評」
(2)わるい意味。意地のわるい見方。
⇔善意
「―に解釈する」
(3)〔法〕
(ア)一定の事実を知っていること。法律上の効果に影響する場合がある。例えば,ある取引について存在する特殊の事情を知っている第三者を「悪意の第三者」という。道徳的善悪とは別のもの。
(イ)他人を害する意思。「―の遺棄」
⇔善意
悪意
あくい【悪意】
malice;→英和
ill will;an evil intention.〜ある malicious;→英和
evil.→英和
〜で from malice.〜のない harmless;innocent.→英和
〜にとる take <a thing> ill.〜を抱く bear malice <to,against a person> .
悪意占有
あくいせんゆう [1] 【悪意占有】
〔法〕 正当に占有する権利のない,あるいは権利の有無に疑問があることを知りつつ占有していること。20年間の悪意占有の継続により時効取得が可能である。
⇔善意占有
悪感情
あっかんじょう アクカンジヤウ [3] 【悪感情】
⇒あくかんじょう(悪感情)
悪感情
あくかんじょう [3] 【悪感情】
ある人を嫌う気持ち。あっかんじょう。「―を抱く」
悪感情
あくかんじょう【悪感情】
an ill feeling;a grudge.→英和
〜を抱く bear an ill feeling <against> .
悪態
あくたい [0][3] 【悪態】
憎まれ口。悪口。あくたい口。あくたれ口。「―の限りを尽くす」
悪態をつく
あくたい【悪態をつく】
use abusive language.
悪態口
あくたいぐち [3] 【悪態口】
「あくたい」に同じ。
悪態祭
あくたいまつり [5] 【悪態祭(り)】
祭りの参詣人が互いに悪口を言い合う祭り。言い合いに勝てばその年の幸運を得るとされる。全国各地にある。
悪態祭り
あくたいまつり [5] 【悪態祭(り)】
祭りの参詣人が互いに悪口を言い合う祭り。言い合いに勝てばその年の幸運を得るとされる。全国各地にある。
悪戦
あくせん【悪戦】
a desperate[hard]fight.〜する fight a hard battle.
悪戦
あくせん [0] 【悪戦】 (名)スル
不利な状況下で戦うこと。苦しい戦い。苦戦。「家庭の犠牲となつて是非なく社会に―する/良人の自白(尚江)」
悪戦苦闘
あくせんくとう [0] 【悪戦苦闘】 (名)スル
(1)非常に苦しんで戦うこと。「強敵を相手に―する」
(2)困難を乗り切るために非常な努力を払うこと。「―の末,成功をかちとる」
悪戯
いたずら イタヅラ [0] 【悪戯】 (名・形動)スル [文]ナリ
〔「いたずら(徒)」と同源〕
(1)人の迷惑になるような遊び。また,そうした遊びをするさま。悪ふざけ。「―な子供」「単なる―にしては悪質だ」
(2)本来おもちゃでないもので遊ぶこと。「ライターを―してはいけない」
(3)自分の趣味などを謙遜していう語。手なぐさみ。「ちょっとパソコンを―しています」
(4)品行のよくない・こと(さま)。「―娘」
(5)異性に対し,みだらな行為をはたらくこと。「教え子に―する」
悪戯
いたずら【悪戯】
<do> mischief;→英和
<play> a trick <on> .→英和
〜をする be mischievous;play a practical joke <on> ;play <with a thing> (もてあそぶ);→英和
have an amour <with> (男女間).→英和
〜書きをする scribble.→英和
‖悪戯っ子 a naughty boy[girl];an urchin.悪戯半分に for fun;in joke.
悪戯
あくぎ [1] 【悪戯】
悪いいたずら。わるふざけ。
悪戯っ子
いたずらっこ イタヅラ― [0] 【悪戯っ子】
いたずらな子供。
悪戯坊主
いたずらぼうず イタヅラバウ― [5] 【悪戯坊主】
いたずらこぞう。
悪戯娘
いたずらむすめ イタヅラ― [5] 【悪戯娘】
(1)いたずらな女の子。やんちゃ娘。
(2)浮気な娘。好色な娘。
悪戯小僧
いたずらこぞう イタヅラ― [6] 【悪戯小僧】
よくいたずらをする子供。悪童。いたずらっこ。いたずらぼうず。
悪戯書き
いたずらがき イタヅラ― [0] 【悪戯書き・徒書き】
(1)書いてはいけない所に,文字・絵などを書くこと。また,その文字など。
(2)遊びの気持ちで文字・絵などを書くこと。また,その文字など。
悪戯盛り
いたずらざかり イタヅラ― [5] 【悪戯盛り】
しきりにいたずらをする年頃。少年時代をいう。「―の子供」
悪戯者
いたずらもの イタヅラ― [0] 【徒者・悪戯者】
(1)いたずら好きの人。
(2)役に立たない者。また,落ちぶれた人。「今はつかさもなき―になれるよし也/著聞 5」
(3)怠け者。「かれは家業を嫌ふ―の世事しらず/読本・英草紙」
(4)みだらな者。特に,浮気な女。「敵の手かけ・妾と成る様なすけべいの―/浄瑠璃・平家女護島」
(5)ならず者。無法者。「かかる無理無法なる―/仮名草子・伊曾保物語」
(6)ネズミの異名。
悪所
あくしょ [1][0] 【悪所】
(1)山道や坂道などの,特に険しい所。難所。
(2)遊蕩(ユウトウ)する場所。遊里。悪所場。
悪所場
あくしょば [0] 【悪所場】
遊里。悪所。
悪所狂い
あくしょぐるい [4] 【悪所狂い】
遊里に入りびたって,遊びにふけること。悪性狂い。
悪所船
あくしょぶね [4] 【悪所船】
江戸時代,遊里へ通った船。江戸では吉原通いの猪牙舟(チヨキブネ)が有名。
悪所落ち
あくしょおち 【悪所落ち】
遊里に通うこと。「礼場(レイバ)よりすぐに―の内談/浮世草子・一代女 3」
悪所通い
あくしょがよい [4] 【悪所通い】 (名)スル
遊里に通うこと。
悪所金
あくしょがね 【悪所金】
遊里で使う金銭。遊蕩(ユウトウ)費。悪性金。「京中の―を借り出す男なり/浮世草子・二十不孝 1」
悪手
あくしゅ [0][1] 【悪手】
碁・将棋で,自分の形勢を不利にする悪い手。まずい手。
悪才
あくさい [0] 【悪才】
悪事に関する才能。「―にたける」
悪投
あくとう [0] 【悪投】 (名)スル
野球で,野手が普通の守備行為では捕球できないような球を,他の野手に投げること。悪送球。「一塁へ―して走者を生かす」
→暴投
悪投
あくとう【悪投】
wild pitching.
悪推
わるずい [3] 【悪推】
「悪推量(ワルズイリヨウ)」の略。「―も程があらあ/人情本・梅児誉美 3」
悪推量
わるずいりょう [3] 【悪推量】
悪い方に推量すること。悪く気をまわすこと。悪推(ワルズイ)。
悪擦れ
わるずれ [0] 【悪擦れ】 (名)スル
世間ずれしていて悪賢いこと。「―していない純な人」
悪擦れしている
わるずれ【悪擦れしている】
be worldly-wise.
悪政
あくせい [0] 【悪政】
悪い政治。人民の意思を無視し,人民を苦しめる政治。
⇔善政
悪政
あくせい【悪政】
misgovernment;→英和
maladministration.→英和
悪文
あくぶん [0] 【悪文】
難解な言葉を使ったり,文脈が乱れていたりして,理解しにくい文。へたな文章。
悪文
あくぶん【悪文】
a bad style (悪い文体);poor writing (下手な文章).
悪方
あくがた [0] 【悪形・悪方】
「悪人方(アクニンガタ)」に同じ。
悪日
あくにち [0] 【悪日】
運勢の悪い日。不運に遭う日。凶日。あくび。
悪日
あくび [1][2] 【悪日】
⇒あくにち(悪日)
悪書
あくしょ【悪書】
an evil[a harmful]book.
悪書
あくしょ [1] 【悪書】
(1)低俗な内容の本。読者や社会に悪い影響を与えるいかがわしい本。
⇔良書
「―追放」
(2)遊里や好色について書いた本。
悪木盗泉
あくぼくとうせん [0] 【悪木盗泉】
〔陸機「猛虎行」渇不�飲�盗泉水�,熱不�息�悪木陰�から。のどが渇いても盗泉という名のついた川の水は飲まず,暑くとも悪い木のかげには休まないの意〕
志のある人は,決して不義をしないことをいう。
悪材料
あくざいりょう [3] 【悪材料】
取引で,相場を下げる原因となる種々の条件・事情。弱材料(ヨワザイリヨウ)。安材料。また,物事をするときの悪い条件の意でも用いる。
⇔好材料
「実施にふみきるには―が多すぎる」
悪材料
あくざいりょう【悪材料】
《株》an unfavorable[adverse]factor.
悪条件
あくじょうけん [3] 【悪条件】
成立・成功をはばむ悪い事柄。「―を克服して優勝する」
悪果
あっか アククワ [1] 【悪果】
〔仏〕 悪いおこないのむくい。悪い果報。
⇔善果
悪業
あくぎょう [0][2] 【悪業】
悪いしわざ。また,よくない職業。
→あくごう(悪業)
悪業
あくごう [0] 【悪業】
〔仏〕 悪い報いをもたらす,悪いおこない。
⇔善業
→あくぎょう(悪業)
悪様に言う
あしざま【悪様に言う】
speak ill <of a person> .
悪樽
わるだる 【悪樽】
水・汚物などを入れた酒樽。また,それにのしを付けて婚家に送ること。婿いじめの風習の一つであった。「―の内二三人ほれた奴/柳多留 9」
悪止め
わるどめ [0][4] 【悪止め】 (名)スル
人の都合など考えないでしつこく引き止めること。「―してはいけない」
悪気
あっき アク― [1][3] 【悪気】
(1)悪いにおいの空気。濁った空気。
(2)人に災いをなす気。「―ヲサル/日葡」
悪気
わるぎ [0][3] 【悪気】
(1)人に害を与えようとする気持ち。悪意。「―があってしたのではない」
(2)悪知恵。「又あの子に―を付け/浄瑠璃・薩摩歌」
悪気のない
わるぎ【悪気のない】
innocent;→英和
good-natured.〜があってしたのではない I meant no harm.
悪水
あくすい [0] 【悪水】
飲むことのできない水。汚水。
悪水路
あくすいろ [3] 【悪水路】
排水路。
悪法
あくほう [0] 【悪法】
□一□〔歴史的仮名遣い「あくはふ」〕
(1)人民を苦しめる,悪い法律。
(2)悪い方法。たちの悪いやり方。「心にもねえ―も,おまはんゆゑなら身を粉にしても/人情本・梅児誉美(初)」
□二□〔歴史的仮名遣い「あくほふ」〕
悪い宗教。「―をとく釈迦ならば,何とて提婆は似せけるやらん/浄瑠璃・用明天皇」
悪洒落
わるじゃれ [0] 【悪洒落】
■一■ (名)
人の気を悪くするような洒落。へたな洒落。「ノンセンスな―だと思つた/虞美人草(漱石)」
■二■ (名・形動)[文]ナリ
悪ふざけ。たちの悪いいたずらの好きな・こと(さま)。そのような人をもいう。「―が過ぎる」「―なだんな衆/咄本・御前男」
悪液質
あくえきしつ [4] 【悪液質】
主として悪性腫瘍(シユヨウ)で,病気の進んだときに現れる著しい衰弱状態。全身が痩(ヤ)せ,まぶたや足はむくみ,皮膚は貧血によって灰黄色を呈する。
悪源太
あくげんた 【悪源太】
源義平(ミナモトノヨシヒラ)の異名。
悪漢
あっかん【悪漢】
a rascal;→英和
a villain.→英和
悪漢
あっかん アク― [0] 【悪漢】
悪いことをする男。わるもの。悪党。
悪漢小説
あっかんしょうせつ アク―セウ― [5] 【悪漢小説】
⇒ピカレスク小説
悪澄まし
わるすまし [0] 【悪澄まし】
変に気取ってとりすましていること。
悪点
あくてん 【悪点】
悪く批評すること。悪評。「唯通人の口まねをして,―をのみ楽しみとなし/洒落本・辰巳婦言」
悪物
わるもの [0] 【悪物】
質の劣った物。粗悪品。
悪物食い
あくものぐい [0][4] 【悪物食い】
「如何物(イカモノ)食い」に同じ。
悪狂ひ
わるぐるい 【悪狂ひ】
(1)女遊びに熱中すること。悪所狂い。「莫大の黄金―に遣果し/浄瑠璃・双生隅田川」
(2)悪ふざけ。「みだりに―さすな/仮名草子・伊曾保物語」
悪玉
あくだま【悪玉】
a bad character.
悪玉
あくだま [0] 【悪玉・悪魂】
〔江戸時代の草双紙で,心学の考えに基づいて人物の顔を丸く描き,その中に善人には「善」,悪人には「悪」とだけ書いてその類型を示したことから〕
悪人。
⇔善玉
悪玉化
あくだまか [0] 【悪玉化】
⇒スケープゴーティング
悪用
あくよう【悪用】
a misuse;→英和
an abuse.→英和
〜する misuse;abuse.
悪用
あくよう [0] 【悪用】 (名)スル
物事を,本来の用途とは違った悪い目的のために用いること。
⇔善用
「地位を―する」
悪疫
あくえき【悪疫】
an epidemic;→英和
a plague.→英和
悪疫
あくえき [0] 【悪疫】
コレラ・ペストなど,悪性の流行病。
悪疾
あくしつ [0] 【悪疾】
治りにくく,たちの悪い病気。
悪疾
あくしつ【悪疾】
a malignant disease.
悪病
あくびょう [0] 【悪病】
たちの悪い病気。悪疾。
悪癖
あくへき [0] 【悪癖】
悪いくせ。よくない習性。
悪癖
あくへき【悪癖(に陥る)】
(fall into) a bad habit;(fall into) a vice.→英和
悪目
あくめ 【悪目】
(1)欠点。落ち度。「何を―に離別とは/浄瑠璃・会稽山」
(2)刀に縦にできる裂けめ。ひび。[日葡]
悪相
あくそう [3][0] 【悪相】
(1)恐ろしい人相。醜い顔つき。
(2)不吉な現象。「天より悪事の物降り,さまざまの―を現ず/今昔 1」
悪知恵
わるぢえ [0] 【悪知恵】
悪い事によく働く知恵。「―が働く」「―をつける」
悪知恵のある
わるぢえ【悪知恵のある】
⇒悪賢い.〜をつける urge;→英和
instigate;→英和
abet.→英和
悪知識
あくちしき [3] 【悪知識】
〔仏〕 悪法・邪法を説き,人を悪に導く人。悪い友人。また,悪僧。
⇔善知識
悪神
あくじん [0] 【悪神】
悪い神。災いをなす神。
悪税
あくぜい【悪税】
a bad tax;a heavy tax.
悪税
あくぜい [0] 【悪税】
不当に課せられる税金。
悪竜
あくりゅう [0] 【悪竜】
(1)人に危害を与える獰猛(ドウモウ)な竜。あくりょう。「我れ,―と成て国を破り/今昔 3」
(2)翼をもち火を吐く,西洋の伝説上の竜。ドラゴン。
悪童
あくどう【悪童】
a naughty boy.
悪童
あくどう [0] 【悪童】
いたずらをする子。いたずらっ子。
悪筆
あくひつ [0] 【悪筆】
字がへたなこと。へたな字。
悪筆
あくひつ【悪筆】
a poor hand(writing).
悪縁
あくえん [0] 【悪縁】
(1)〔仏〕 悪に導く,好ましくない状況。
(2)思うにまかせない男女の関係。また,離れようとしても離れられない関係。くされ縁。
(3)結びつくと悪いことの起こる人間関係。結んではいけない人間関係。
悪縁
あくえん【悪縁】
an evil destiny;unlucky love.
悪罵
あくば [1] 【悪罵】 (名)スル
ひどくののしること。口ぎたないののしり。「―を浴びせる」
悪罵する
あくば【悪罵する】
heap abuses <on> ;curse.→英和
悪習
あくしゅう [0] 【悪習】
よくない習慣。悪い習慣。悪弊。悪風。「―に染まる」
悪習
あくしゅう【悪習】
a bad habit;an evil practice;abuses (悪弊).
悪者
わるもの [0] 【悪者】
悪いことをする者。他人に害を与える者。悪人(アクニン)。
悪者
わるもの【悪者】
⇒悪人.人を〜にする lay all the blame on a person.→英和
自分が〜になる take all the blame to oneself.
悪者小説
わるものしょうせつ [5] 【悪者小説】
⇒ピカレスク小説(シヨウセツ)
悪臣
あくしん [0] 【悪臣】
悪い家来。腹黒い家来。奸臣(カンシン)。
悪臭
あくしゅう [0] 【悪臭】
いやなにおい。「―を放つ」
悪臭
あくしゅう【悪臭】
a bad smell;an offensive odor.〜のする stinking;→英和
foul-smelling.
悪臭い
わるくさ・い [4] 【悪臭い】 (形)[文]ク わるくさ・し
〔「わるぐさい」とも〕
いやなにおいがする。「近く寄つたら―・い匂が紛(プン)としさうな/平凡(四迷)」
悪臭防止法
あくしゅうぼうしほう 【悪臭防止法】
工場その他の事業場から発生するアンモニアなど悪臭物質について,都道府県による規制,違反に対する改善勧告,命令措置などについて定める法。1971年(昭和46)制定。
悪舌
あくぜつ [0] 【悪舌】
他人を悪くいうこと。悪口。
悪茶利
あくちゃり 【悪茶利】
〔「あくぢゃり」とも〕
悪ふざけ。悪い洒落(シヤレ)。「さまざまの―あれども/洒落本・辰巳婦言」
悪落ち
わるおち [0] 【悪落ち】
演劇や演芸で,演者の失敗のために意図からはずれたところで観衆が失笑したり野次ったりすること。「―をとる」
悪血
おけつ ヲ― [0] 【悪血】
(1)病毒に冒された悪い血。くろち。
(2)悪心を抱く者の血。悪人の血。
悪血
わるち [2] 【悪血】
病毒がまじった血液。あくち。
悪血
あくち 【悪血】
病毒を含んだ血。[日葡]
悪行
あくぎょう【悪行】
evil doings;an evil deed.
悪行
あっこう アクカウ [0] 【悪行】
⇒あくぎょう(悪行)
悪行
あくぎょう [0][2] 【悪行】
悪いおこない。法や人の道に背いたおこない。あっこう。
⇔善行
「―の限りを尽くす」
悪衣
あくい [1] 【悪衣】
粗末な着物。粗衣。あくえ。
悪見
あっけん アク― [0] 【悪見】
〔仏〕 仏教に反する誤った考え・学説。
→五見(ゴケン)
悪言
あくげん [0] 【悪言】
人をあしざまにいう言葉。悪口(アツコウ)。
悪言
あくごん 【悪言】
「あくげん(悪言)」に同じ。「おことが今の―は/浄瑠璃・嫗山姥」
悪計
あっけい アク― [0] 【悪計】
悪意のあるはかりごと。奸計(カンケイ)。
悪計
あっけい【悪計】
a wicked[an evil]design; <plot> a trick.→英和
悪評
あくひょう [0] 【悪評】
悪い評判。悪い批評。
⇔好評
「―を買う」「―が立つ」
悪評
あくひょう【悪評】
an unfavorable criticism;a bad reputation;a scandal.→英和
〜する speak ill <of> ;criticize severely.
悪謀
あくぼう [0] 【悪謀】
よくないたくらみ。悪計。
悪貨
あくか [1] 【悪貨】
⇒あっか(悪貨)
悪貨
あっか【悪貨】
a bad coin.⇒良貨.
悪貨
あっか アククワ [1] 【悪貨】
量目が不足していたり品質が劣っていたりして,地金の価格が法定価格を大きく下回る,悪質な貨幣。
⇔良貨
悪貨は良貨を駆逐する
りょうか【悪貨は良貨を駆逐する】
Bad money drives out good.
悪賢い
わるがしこい【悪賢い】
cunning;→英和
sly;→英和
dishonest.→英和
悪賢い
わるがしこ・い [5] 【悪賢い】 (形)[文]ク わるがしこ・し
悪いことによく頭が働く。悪知恵がある。狡猾(コウカツ)だ。「―・い男」
[派生] ――さ(名)
悪質
あくしつ [0] 【悪質】 (名・形動)[文]ナリ
(1)質がわるい・こと(さま)。粗悪。
⇔良質
「―な貨幣」
(2)たちが悪い・こと(さま)。「―な犯罪」
[派生] ――さ(名)
悪質な
あくしつ【悪質な】
vicious;→英和
malignant;→英和
pernicious.→英和
悪趣
あくしゅ [1] 【悪趣】
〔仏〕「悪道(アクドウ){(2)}」に同じ。
⇔善趣
悪趣味
あくしゅみ【悪趣味】
vulgar[bad]taste.
悪趣味
あくしゅみ [3] 【悪趣味】 (名・形動)
(1)品のよくない趣味。「―な服装」
(2)人のいやがることをわざとやって喜ぶような性格や態度。また,そのさま。「―な冗談」
悪足
わるあし [0] 【悪足】
遊女・囲われ者などの,たちの悪い情夫。「―でもあることと直ぐ察したから/別れたる妻に送る手紙(秋江)」
悪足掻き
わるあがき [3] 【悪足掻き】 (名)スル
(1)してもむだなのに,あせって甲斐のないことをすること。「この段階で―してもむだだ」
(2)悪ふざけ。いたずら。「男の子は―が過ぎます/滑稽本・浮世風呂 2」
悪路
あくろ【悪路】
a bad road;a rough way.
悪路
あくろ [1] 【悪路】
歩きにくい道。悪い道。険しい道。
悪辣
あくらつ [0] 【悪辣】 (形動)[文]ナリ
非常にたちが悪いさま。やり方があくどいさま。「―な手口」「―無比」
[派生] ――さ(名)
悪辣な
あくらつ【悪辣な】
crafty;→英和
villainous.→英和
〜な事をする resort to knavish tricks.
悪送球
あくそうきゅう [3] 【悪送球】
「悪投」に同じ。
悪逆
あくぎゃく【悪逆】
treason;→英和
atrociousness;atrocity.悪逆無道な atrocious.→英和
悪逆
あくぎゃく [0] 【悪逆】
(1)人の道に背いた,ひどいおこない。
(2)古代,律の八虐の一。主君や尊属を殺そうと謀る罪。
(3)いたずら。乱暴。「酒に酔うては―仕たるが/狂言・悪太郎」
[派生] ――さ(名)
悪逆無道
あくぎゃくむどう [0][5] 【悪逆無道】
〔「あくぎゃくぶとう」とも〕
「悪逆」を強めた語。「入道相国の体を見るに―にして/平家 3」
悪遊び
わるあそび [3] 【悪遊び】
よくない遊び。特に,博打(バクチ)や女遊びをいう。
悪運
あくうん【悪運】
(an) evil fate;bad fortune.〜が強い have the devil's (own) luck.〜が尽きる come to the end of one's devil's luck.
悪運
あくうん [0] 【悪運】
(1)運が悪いこと。悪い運命。
⇔幸運
(2)悪いことをしながら,その報いを受けないですむような強い運。「―が尽きる」「―が強い」
悪道
あくどう 【悪道】
(1) [0]
歩きにくい道。悪路。
(2) [2][0]
〔仏〕 この世での悪事の報いとして,死後におちる苦悩の世界。六道のうちの地獄・餓鬼・畜生の三道。悪趣。
(3) [2][0]
悪いおこない。酒色にふけること。放蕩(ホウトウ)。「人の小息子そそのかし―に引き入れる/浄瑠璃・生玉心中(上)」
悪達者
わるだっしゃ [3] 【悪達者】 (名・形動)[文]ナリ
芸などがたくみであるが,品がない・こと(さま)。そのような人をもいう。
悪遠慮
わるえんりょ [3] 【悪遠慮】
相手を不愉快にさせるほど過度に遠慮すること。
悪酒
わるざけ [0] 【悪酒】
(1)質の悪い酒。
(2)酒ぐせの悪いこと。酒を飲んで他人に迷惑をかけること。
悪酒
あくしゅ [0][1] 【悪酒】
まずい酒。安物の酒。
悪酔い
わるよい [0] 【悪酔い】 (名)スル
酒に酔って頭が痛くなったり,吐き気を覚えたりするようになること。また,からんだり,わめいたり,まわりの人が不快になる言動をとるようなひどい酔い方。「無理に飲まされて―する」
悪酔する
わるよい【悪酔する】
get sick from drink;be unruly when drunk;[酒が]be heady (頭に来る).
悪金
わるがね [0] 【悪金】
(1)不正な手段で手に入れた金。悪銭(アクセン)。
(2)品質の悪い材料で作った貨幣。悪銭。
悪銭
あくせん【悪銭】
ill-gotten money.悪銭身につかず <諺> Ill got(ten),ill spent.
悪銭
あくせん [0] 【悪銭】
(1)正しくない方法で手に入れた金。
(2)粗悪な材料で造った貨幣。あくぜに。
悪阻
おそ ヲ― [1] 【悪阻】
つわり。
悪阻
つわり【悪阻】
<have> morning sickness.
悪霊
あくりょう【悪霊】
an evil spirit.
悪霊
あくりょう [0] 【悪霊】
人にたたりをする,死人の魂。怨霊(オンリヨウ)。あくれい。あくろう。
悪霊
あくりょう アクリヤウ 【悪霊】
〔原題 (ロシア) Besy〕
ドストエフスキーの小説。1871〜72年刊。新旧世代の対立を背景に,転向者殺しを軸として,無神論的革命思想をはじめとするさまざまな思想にとりつかれた人々の苦悩と破滅の物語。なぞの主人公スタブローギンが全編に影を落とす。
悪霊
あくれい 【悪霊】
⇒あくりょう(悪霊)
悪露
おろ ヲ― [1] 【悪露】
分娩後,五,六週間にわたって子宮および膣から出る分泌物。リンパ液・血液・粘液・細胞組織片などからなる。おりもの。
悪風
あくふう [0] 【悪風】
悪い習慣。よくない風習。悪習。
悪風
あくふう【悪風】
a bad custom;evil manners.
悪食
あくしょく [0] 【悪食】
⇒あくじき(悪食)
悪食
あくじき [0] 【悪食】 (名)スル
(1)普通,人が口にしない物を食べること。いかものぐい。「好んで―する」
(2)粗末な食事。粗食。
(3)仏教で,禁じられた獣肉を食べること。
悪餓鬼
わるがき [0] 【悪餓鬼】
いたずら坊主。悪童。
悪馬
あくば [1] 【悪馬】
性質が荒く,御しにくい馬。あくめ。
悪騒ぎ
わるさわぎ [3] 【悪騒ぎ】
周囲の人を不愉快にするほど騒ぐこと。また,その騒ぎ。
悪鬼
あっき アク― [1] 【悪鬼】
(1)たたりをする魔物。「―のごとき形相(ギヨウソウ)」
(2)〔仏〕
(ア)仏道をさまたげ,人を悪に向かわせる,悪い神。夜叉(ヤシヤ)・羅刹(ラセツ)の類。悪鬼神。
(イ)地獄で罪人を苦しめる鬼。
悪鬼貝
あくきがい [3] 【悪鬼貝】
⇒あっきがい
悪鬼貝
あっきがい アク―ガヒ [3] 【悪鬼貝】
海産の巻貝。殻は卵円錐形で下端に長く水管を伸ばし,殻長約17センチメートル。殻は淡黄褐色で,細長いとげを多くもつ奇異な形をしている。魔除けとして門に飾る地方がある。肉は食用。房総以南の太平洋に広く分布。あくきがい。
悪鬼貝[図]
悪魂
あくだま [0] 【悪玉・悪魂】
〔江戸時代の草双紙で,心学の考えに基づいて人物の顔を丸く描き,その中に善人には「善」,悪人には「悪」とだけ書いてその類型を示したことから〕
悪人。
⇔善玉
悪魔
あくま【悪魔】
an evil spirit;a devil;→英和
Satan.→英和
〜のような devilish.→英和
悪魔
あくま [1] 【悪魔】
(1)仏道を妨げる悪神。魔羅(マラ)。
(2)悪・不義・闇(ヤミ)の擬人化されたもの。人を悪に誘い,滅ぼすもの。ユダヤ教・キリスト教では,神の敵対者(サタン)。堕天使。
(3)極悪人。
悪魔の辞典
あくまのじてん 【悪魔の辞典】
〔原題 The Devil's Dictionary〕
アメリカの小説家 A =ビアスの警句集。言葉に冷笑的な風刺のきいた定義を与える。
悪魔主義
あくましゅぎ [4] 【悪魔主義】
文学・思想などにおける倒錯的な考え方。醜悪・怪異・恐怖などを描き,その中に美と感動を見いだそうとするもの。一九世紀末,ヨーロッパに現れたもので,代表的作家はポー・ボードレール・ワイルド。日本では谷崎潤一郎などに影響がみられる。悪魔派。
悪魔払い
あくまばらい [4] 【悪魔払い】
祈祷(キトウ)などにより,悪魔を追い払うこと。
悲しい
かなし・い [0][3] 【悲しい・哀しい・愛しい】 (形)[文]シク かな・し
□一□心が痛んで泣きたくなるような気持ちだ。つらく切ない。《悲・哀》「母に死なれて―・い」「誠意が通じなくて―・い」
□二□(古くは「愛し」と書かれた)
(1)身にしみていとしい。切ないほどにかわいい。《愛》「何そこの児(コ)のここだ―・しき/万葉 3373」
(2)心にしみるような趣だ。深い感興を感ずる。「みちのくはいづくはあれど塩釜の浦こぐ舟の綱手―・しも/古今(東歌)」
(3)見事だ。感心するほど立派だ。「―・しくせられたりとて,見あさみけるとなん/著聞 17」
(4)残念だ。くやしい。「物もおぼえぬくさり女に―・しう言はれたる/宇治拾遺 7」
(5)貧苦がつらい。「ひとりあるせがれを行く末の楽しみに,―・しき年をふりしに/浮世草子・永代蔵 1」
〔悲しいにつけ愛(イト)しいにつけ,感情が痛切に迫って心が強く打たれるさまを表す意が原義〕
[派生] ――げ(形動)――さ(名)――み(名)
悲しい
かなしい【悲しい】
sad;→英和
sorrowful.悲しそうに[悲しげに]sadly;→英和
sorrowfully.
悲しい哉(カナ)
悲しい哉(カナ)
悲しいことには。残念なことには。「―,体力の差はいかんともしがたい」
悲しがる
かなしが・る [4] 【悲しがる】 (動ラ五[四])
(1)悲しいという気持ちを態度に表す。
(2)いとしいと思う気持ちを態度に表す。《愛》「にくげなるちごを,おのが心地のかなしきままに,うつくしみ―・り/枕草子 96」
悲しき玩具
かなしきがんぐ 【悲しき玩具】
歌集。石川啄木作。死後,1912年(明治45)土岐哀果の手で刊行。第二歌集。処女歌集「一握の砂」の三行書きを踏襲し,切迫した生活感情がうたわれている。
悲しげに
−げ【悲し(嬉し)げに】
sadly (joyfully).→英和
惜し〜もなく freely.
悲しさ
かなしさ【悲しさ】
sadness;→英和
sorrow;→英和
sorrowfulness.
悲しび
かなしび 【悲しび・哀しび】
悲しむこと。悲しみ。「見奉り置く―をなむ,かへすがへす宣ひける/源氏(桐壺)」
悲しぶ
かなし・ぶ 【悲しぶ・哀しぶ・愛しぶ】
■一■ (動バ四)
「かなしむ」に同じ。「霞をあはれび露を―・ぶ心/古今(仮名序)」
■二■ (動バ上二)
「かなしむ」に同じ。「言問ひせむと惜しみつつ―・びませば/万葉 4408」
〔上代には上二段活用,中古に四段に転じた〕
悲しみ
かなしみ【悲しみ】
sorrow;→英和
sadness;→英和
grief.→英和
悲しみ
かなしみ [0][3] 【悲しみ・哀しみ・愛しみ】
(1)かなしむこと。「―に打ち沈む」
(2)いとおしむこと。また,あわれむこと。「祖子(オヤコ)の―深き事を知しめんが為也/今昔 4」
悲しみの節
かなしみのせつ [6] 【悲しみの節】
四旬節(シジユンセツ)の異名。
悲しむ
かなし・む [3] 【悲しむ・哀しむ・愛しむ】 (動マ五[四])
(1)悲しい気持ちになる。心が痛む。《悲・哀》「恩師の死を―・む」
(2)いとしいと思う。かわいがる。《愛》「親の身として子を―・まざるはなかりしに/浮世草子・置土産 2」
(3)深く心を動かす。《愛》「かく機縁深くして行き合へる事を―・んで/今昔 26」
[可能] かなしめる
悲しむ
かなしむ【悲しむ】
be[feel]sad[sorrowful];grieve <at,over> ;→英和
regret (遺憾).→英和
〜べき regrettable;→英和
deplorable.→英和
…は〜べきことだ It is a pity that….
悲傷
ひしょう [0] 【悲傷】 (名)スル
痛ましい出来事にあって,深く悲しむこと。「誠に―すべきの次第/近世紀聞(延房)」
悲劇
ひげき [1] 【悲劇】
〔tragedy〕
(1)不幸や悲惨な出来事を題材とし,人間や人生を悲壮さ・崇高さの面からとらえ,受難とそれへの闘いの過程を厳粛に表現した劇。主人公の破滅で終わるのが普通。運命悲劇・性格悲劇・境遇悲劇などに分けられる。
⇔喜劇
(2)悲惨な出来事。「―に巻き込まれる」
悲劇
ひげき【悲劇】
(a) tragedy.→英和
〜の[的な]tragic;sad.→英和
悲劇的
ひげきてき [0] 【悲劇的】 (形動)
悲劇の特質をもつさま。悲惨。「―な最期」「―な結末」
悲史
ひし [1] 【悲史】
悲しい史話。
悲哀
ひあい【悲哀】
sadness;→英和
sorrow;→英和
grief.→英和
〜を感じる feel sad.
悲哀
ひあい [0][1] 【悲哀】 (名・形動)[文]ナリ
かなしく,あわれな・こと(さま)。「人生の―を感ずる」「―が漂う」「一種の―なる新音階を作れり/希臘思潮を論ず(敏)」
悲喜
ひき [1][2] 【悲喜】
かなしみとよろこび。「―こもごも」
悲喜
ひき【悲喜】
joy and sorrow.
悲喜交交
ひきこもごも [1][2][1][2] 【悲喜交交】
悲しみと喜びをともに味わうこと。「―至る」
悲喜劇
ひきげき [2] 【悲喜劇】
(1)悲劇と喜劇の両方の要素を備えた劇。悲劇としての構成をもちながら,めでたしめでたしで終わる劇。トラジ-コメディー。
(2)悲しみと喜び。また,悲しみと喜びのまじった出来事。「人生の―を見る思い」
悲喜劇
ひきげき【悲喜劇】
a tragicomedy.→英和
悲嘆
ひたん【悲嘆】
sorrow;→英和
grief.→英和
〜にくれる be very sad;be overcome with sorrow.
悲嘆
ひたん [0] 【悲嘆・悲歎】 (名)スル
悲しみなげくこと。「―にくれる」
悲報
ひほう [0] 【悲報】
悲しい知らせ。凶報。
悲報
ひほう【悲報】
sad news.
悲境
ひきょう [0] 【悲境】
ふしあわせな,悲しい身の上。不幸な境遇。「其―が想像される/社会百面相(魯庵)」
悲境
ひきょう【悲境】
misery;→英和
distress.→英和
〜に陥る be in[reduced to]distress.→英和
悲壮
ひそう [0] 【悲壮】 (名・形動)[文]ナリ
悲しい中にも勇ましく雄々しいところがある・こと(さま)。「―の最期」「―な覚悟」
[派生] ――さ(名)
悲壮な
ひそう【悲壮な】
pathetic;→英和
tragic.
悲壮美
ひそうび [2] 【悲壮美】
美的範疇(ハンチユウ)の一。悲劇性の中に生じる崇高美。
悲心
ひしん [0] 【悲心】
(1)悲しい心。
(2)〔仏〕 衆生の苦をあわれみ救う心。
悲恋
ひれん [0][1] 【悲恋】
実らず悲劇に終わる恋。「―の物語」
悲恋
ひれん【悲恋】
tragic love.
悲悼
ひとう [0] 【悲悼】 (名)スル
(死を)悲しみいたむこと。
悲惨
ひさん [0] 【悲惨・悲酸】 (名・形動)[文]ナリ
気の毒で見ていられないほど痛ましい・こと(さま)。「―な光景」「―を極める」
[派生] ――さ(名)
悲惨な
ひさん【悲惨な】
miserable;→英和
wretched;→英和
sad.→英和
悲惨小説
ひさんしょうせつ [4] 【悲惨小説】
⇒深刻小説(シンコクシヨウセツ)
悲愁
ひしゅう [0] 【悲愁】
かなしみに深く沈む気持ち。また,悲しみとうれい。
悲感
ひかん [0] 【悲感】
悲しみの感情。
悲愴
ひそう [0] 【悲愴】 (名・形動)[文]ナリ
悲しくいたましい・こと(さま)。「―感が漂う」「―な顔つき」
[派生] ――さ(名)
悲愴交響曲
ひそうこうきょうきょく ヒサウカウキヤウキヨク 【悲愴交響曲】
〔原題 (フランス) Symphonie pathétique〕
チャイコフスキー作曲の交響曲第六番ロ短調。1893年,自らの指揮により初演。絶望的で悲愴な感情が巧みに表現される。
→「悲愴交響曲」第1楽章(チャイコフスキー)[音声]
悲憤
ひふん【悲憤】
indignation.→英和
〜慷慨(こうがい)する be indignant <at> .
悲憤
ひふん [0] 【悲憤】 (名)スル
悲しみいきどおること。「紅涙を泛べ慷慨―せる情態(サマ)は/緑簑談(南翠)」
悲憤慷慨
ひふんこうがい [1][0] 【悲憤慷慨】 (名)スル
運命や世の不正などを悲しみいきどおって嘆くこと。「不遇を―する」
悲曲
ひきょく [2] 【悲曲】
悲しい調子の楽曲。
悲歌
ひか [1][2] 【悲歌】 (名)スル
(1)悲しみの気持ちを表した歌。悲しい調子の歌。また,死者をいたむ歌。エレジー。
(2)悲しみ歌うこと。「往々―して独り流涕す/金色夜叉(紅葉)」
悲歌
ひか【悲歌】
an elegy;→英和
a dirge.→英和
悲歌慷慨
ひかこうがい [1] 【悲歌慷慨】 (名)スル
〔史記(項羽本紀)〕
悲壮な詩歌を歌い,憤りなげくこと。
悲歎
ひたん [0] 【悲嘆・悲歎】 (名)スル
悲しみなげくこと。「―にくれる」
悲母
ひも [1] 【悲母】
⇒ひぼ(悲母)
悲母
ひぼ [1] 【悲母】
慈悲深い母。慈母。「―観音」
悲況
ひきょう [0] 【悲況】
悲しい状況。情けない有様。
悲泣
ひきゅう [0] 【悲泣】 (名)スル
悲しみ泣くこと。「卿―するなかれ/花柳春話(純一郎)」
悲涙
ひるい [0][1] 【悲涙】
悲しみのあまりに流す涙。
悲涼
ひりょう [0] 【悲涼】
もの悲しく寂しいこと。「―凄楚の声/日本風景論(重昂)」
悲田
ひでん 【悲田】
〔仏〕
(1)福田(フクデン)の一。恵みを施すことで福徳を生じるものの意で,貧窮者・病者など。貧窮福田。「貧病乞匃(コツガイ)の―にも施せずして/沙石 7」
→福田
→三福田
→八福田
(2)「悲田院」の略。
悲田所
ひでんしょ 【悲田所】
「悲田院」に同じ。
悲田院
ひでんいん 【悲田院】
貧窮者・病者・孤児などを救済した施設。723年,興福寺に置かれたのが最初とされる。730年,光明皇后の皇后宮職に施薬院が置かれた際に平城京に官設され,平安京では左右両京に置かれた。平安中期以降衰退。悲田所。
悲痛
ひつう [0] 【悲痛】 (名・形動)[文]ナリ
いたましいこと。あまりの悲しさやつらさに耐えられないほどであること。また,そのさま。「―な叫び声をあげる」「―な面持ち」
[派生] ――さ(名)
悲痛な
ひつう【悲痛な】
sad;→英和
pathetic;→英和
tragic.
悲秋
ひしゅう [0] 【悲秋】
ものがなしい秋。
悲絶
ひぜつ [0] 【悲絶】 (名)スル
ひどく悲しむこと。「哀傷―するも人ごころ也/欺かざるの記(独歩)」
悲観
ひかん [0] 【悲観】 (名)スル
(1)悪い結果を予想して気を落とすこと。「将来を―する」
(2)この世の中を悪いものだと考えること。
⇔楽観
悲観
ひかん【悲観】
pessimism;→英和
disappointment (落胆).→英和
〜する be pessimistic <about> ;take a gloomy view <of> ;be disappointed.〜的な pessimistic.‖悲観論 pessimism.悲観論者 a pessimist.
悲観的
ひかんてき [0] 【悲観的】 (形動)
悲観するさま。悲観する傾向にあるさま。
⇔楽観的
「―なものの見方」「交渉のなりゆきは―だ」
悲話
ひわ [1] 【悲話】
悲しい物語。悲劇的な物語。哀話。
悲調
ひちょう [0] 【悲調】
悲しい調子。もの悲しい調べ。
悲運
ひうん [1][0] 【悲運】
ふしあわせな運命。悲しい運命。
悲酸
ひさん [0] 【悲惨・悲酸】 (名・形動)[文]ナリ
気の毒で見ていられないほど痛ましい・こと(さま)。「―な光景」「―を極める」
[派生] ――さ(名)
悲門
ひもん [0] 【悲門】
〔仏〕 仏・菩薩が備えるべき能力を二分したうちの,衆生をあわれみ,救済しようとする利他の側面のこと。
⇔智門
悲願
ひがん【悲願】
one's earnest wish.
悲願
ひがん [1] 【悲願】
(1)どんなことがあってもなしとげようと思う悲壮な願い。「―達成に燃える」
(2)仏・菩薩(ボサツ)の大慈悲にもとづく誓願。阿弥陀仏の四十八願,薬師如来の十二願などの類。
悲風
ひふう [0] 【悲風】
人を悲しい気持ちにさせるような風。多く,秋風にいう。
悲鳴
ひめい [0] 【悲鳴】 (名)スル
(1)悲しみ泣き叫ぶこと。また,その声。
(2)驚いた時,恐ろしい時,困った時などに高く声をあげること。また,その叫び声。「また��―する新太を/いさなとり(露伴)」
悲鳴
ひめい【悲鳴】
a scream;→英和
a cry <for help> .→英和
〜をあげる scream;cry.
悴
かせ 【悴】 (接頭)
〔動詞「悴(カ)せる」の連用形から〕
名詞に付いて,やせ細った,貧相な,取るに足りないなどの意を表す。「―首」「―侍」
悴
せがれ [0] 【倅・悴】
(1)自分の息子のことをへりくだっていう語。「うちの―がご厄介になっています」
(2)子供や年の若い者をぞんざいにいう語。「酒屋の―」「小―」
〔古くは(1)(2) とも女子にもいった〕
(3)俗に,陰茎のこと。
悴く
かじ・く 【悴く】 (動カ下二)
⇒かじける
悴ける
かじ・ける [3] 【悴ける】 (動カ下一)[文]カ下二 かじ・く
〔古くは「かしく」と清音〕
(1)寒さで凍えて,手足が自由に動かなくなる。かじかむ。「手ガ―・ケタ/ヘボン(三版)」
(2)生気を失う。しおれる。やつれる。「衣裳弊(ヤ)れ垢つき,形色(カオ)―・け/日本書紀(崇峻訓)」
悴す
か・す 【痂す・悴す】 (動サ下二)
⇒かせる
悴せる
か・せる [0] 【痂せる・悴せる】 (動サ下一)[文]サ下二 か・す
(1)ひからびる。また,傷やでき物の表面が乾く。「おできが―・せる」
(2)かぶれる。「漆ニ―・セタ/ヘボン(三版)」
(3)やせこける。やつれる。「―・セタ人/日葡」
悴む
かじか・む [0] 【悴む】 (動マ五[四])
〔古くは「かしかむ」。「悴(カシ)く」と同源〕
(1)手足が凍えて思うように動かなくなる。[季]冬。「手が―・んで字が書けない」
(2)生気がなくなってやせおとろえる。[新撰字鏡]
悴侍
かせざむらい 【悴侍】
身分の低い侍。雑役を仕事とする下級武士。「山科と云所の―なりしが/申楽談儀」
悴首
かせくび [2] 【悴首】
やせた首。細い首。かせっくび。
悵恨
ちょうこん チヤウ― [0] 【悵恨】
〔「悵」は,うれえなげく意〕
なげきうらむこと。
悵望
ちょうぼう チヤウバウ 【悵望】 (名)スル
心をいためて思いやること。うらめしげに見やること。「七夕の深き契によりて驪山の雲に―すること勿れ/今鏡(すべらぎ中)」
悵然
ちょうぜん チヤウ― [0] 【悵然】 (ト|タル)[文]形動タリ
失意のあまり恨みなげくさま。「之に対して暫く―としてゐた/平凡(四迷)」「故郷の空をながめて―たり/西洋道中膝栗毛(七杉子)」
悶
もん [1] 【悶】
ひどく苦しみ悩むこと。もだえ。「心に快とし―とするの感覚は/日本開化小史(卯吉)」
悶え
もだえ [3][2] 【悶え】
もだえること。煩悶。「心の―」
悶え
もだえ【悶え】
(an) agony.→英和
悶える
もだえる【悶える】
writhe <in pain> ;→英和
be agonized.
悶える
もだ・える [3] 【悶える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 もだ・ゆ
(1)苦しくて身をねじり動かす。「激痛に―・え苦しむ」
(2)悩み苦しむ。嘆き惑う。「恋に―・える」「書き付けたるものを見付けて,大臣驚き―・え給ひて/宇津保(忠こそ)」
悶え死に
もだえじに [0] 【悶え死に】 (名)スル
もだえて死ぬこと。悶死(モンシ)。
悶ゆ
もだ・ゆ 【悶ゆ】 (動ヤ下二)
⇒もだえる
悶悶
もんもん [0] 【悶悶】 (ト|タル)[文]形動タリ
大いに悩み苦しむ・こと(さま)。「日夜―とする」「―の情」
悶死
もんし [0] 【悶死】 (名)スル
苦しみもだえながら死ぬこと。「完全を求めて得られんなら,―すべきではないか?/平凡(四迷)」
悶死する
もんし【悶死する】
die in agony.
悶着
もんちゃく【悶着】
a trouble;→英和
a quarrel;→英和
a dispute (論争).→英和
悶着
もんちゃく [0][1] 【悶着】 (名)スル
〔古くは「もんぢゃく」〕
もめごと。争い。「―を起こす」「―のたね」「お秀はあわてて追すがりて,引留(トド)めんとて―せり/当世書生気質(逍遥)」
悶絶
もんぜつ【悶絶】
faint in pain.
悶絶
もんぜつ [0] 【悶絶】 (名)スル
もだえ苦しんで気絶すること。「―するやうな苦しみの中から/或る女(武郎)」
悶絶躃地
もんぜつびゃくじ [5] 【悶絶躃地】 (名)スル
苦しみもだえてころげ回ること。「―して,遂にあつち死にぞし給ひける/平家 6」
悸悸
きき [1][2] 【悸悸】 (ト|タル)[文]形動タリ
驚き恐れて胸さわぎするさま。「思へば胸中―として/八十日間世界一周(忠之助)」
悼む
いたむ【悼む】
mourn <for a person's death> ;→英和
condole <with a person on the death…> (弔慰).→英和
悼む
いた・む [2] 【悼む】 (動マ五[四])
〔「いたむ(痛・傷)」と同源〕
人の死を悲しみ嘆く。「親友の死を―・む」
悼惜
とうせき タウ― [0] 【悼惜】 (名)スル
人の死をいたみおしむこと。
悼詞
とうし タウ― [0] 【悼詞】
人の死をいたみ弔う言葉。悼辞。
悼辞
とうじ タウ― [0] 【悼辞】
人の死をいたみ弔う文。弔辞。
悽惨
せいさん [0] 【凄惨・悽惨】 (名・形動)[文]ナリ
目もあてられないほどむごたらしい・こと(さま)。「―な事故現場」
[派生] ――さ(名)
悽惻
せいそく [0] 【悽惻・凄惻】 (名・形動タリ)
ひどく悲しむこと。いたましく思うこと。また,そのさま。「沈痛―人生を穢土なりとのみ観ずる/厭世詩家と女性(透谷)」
悽愴
せいそう [0] 【悽愴】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
いたましく悲しい・こと(さま)。「―な事件現場」「―な死闘を繰り返す」
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
{■一■}に同じ。「今迄の―たる光景が多少和らげられて/趣味の遺伝(漱石)」
悽然
せいぜん [0] 【悽然】 (ト|タル)[文]形動タリ
悲しみに沈むさま。「―として胆を落し/文明論之概略(諭吉)」
情
なさけ【情】
sympathy (同情);→英和
pity (あわれみ);→英和
mercy (慈悲);→英和
kindness (親切);→英和
love (愛情).→英和
〜のある kindhearted.→英和
〜のない[を知らぬ]heartless;→英和
unfeeling.→英和
〜をかける pity;sympathize <with> .→英和
お〜で out of pity.〜容赦なく mercilessly.→英和
情
じょう ジヤウ [0] 【情】
(1)何かを見たり聞いたりして起きる心の動き。「好悪の―」「憐憫(レンビン)の―」「―が激する」
(2)人が本来もっている性質。「―がこまやかな人」
(3)他人を気の毒だと思う気持ち。思いやり。なさけ。「―にうたれる」「―において忍びない」
(4)特定の異性を愛する心。恋情。「―が濃い」「―を交わす」
(5)実際のようす。ありさま。「―を明かす」
(6)我(ガ)。意地。頑固。[日葡]
情
じょう【情】
feeling;→英和
emotion;→英和
affection;→英和
love;→英和
sympathy;→英和
circumstances (事情).〜にもろい tenderhearted;susceptible.→英和
〜にほだされる be swayed by pity.〜のある affectionate;→英和
kindhearted.→英和
〜のない coldhearted;unkind;→英和
heartless.→英和
〜をこめて tenderly;→英和
passionately.→英和
情け
なさけ [1][3] 【情け】
(1)他人に対する心づかい。哀れみや思いやりの感情。「人の―にすがる」「人の―が身にしみる」
(2)男女の愛情。恋愛の情。恋心。「深―」「姫君様の―程我身の罪は重うなる/浄瑠璃・反魂香」
(3)男女の情事。色事。「―を商売になさるる吾妻様/浄瑠璃・寿の門松」
(4)人としての感情。「人,木石にあらざれば,皆―あり/源氏(蜻蛉)」
(5)風流の心。趣味を解する心。「―ある人にて,瓶(カメ)に花をさせり/伊勢 101」
(6)風情(フゼイ)。おもむき。情緒。「たれこめて春のゆくへ知らぬも,なほあはれに―深し/徒然 137」
(7)義理。「―の兄の継信が行方を尋ね出るにぞ/浄瑠璃・門出八島」
情けごかし
なさけごかし 【情けごかし】
情けをかけるようにみせて自分の利益を図ること。「襟つきに靡(ナビ)く君ぢやものを,―は愚者(シロト)の昔/浮世草子・好色万金丹」
情けの道
なさけのみち 【情けの道】
(1)物の情趣を解する心。風雅な心。
(2)男女の愛情の道。また,色の道。
情けぶ
なさけ・ぶ 【情けぶ】 (動バ上二)
風流めく。なさけだつ。「いと―・び,きらきらしう物し給ひしを/源氏(玉鬘)」
情けらしい
なさけらし・い 【情けらしい】 (形)[文]シク なさけら・し
情けがあるようである。情けが深い様子である。「―・い言葉をかける」「―・き声して/浮世草子・五人女 2」
情け人
なさけびと 【情け人】
物の情趣,特に男女の情のわかる人。
情け代
なさけだい 【情け代】
〔情けを売る代金の意〕
遊女の玉代。
情け容赦
なさけようしゃ [4] 【情け容赦】
相手への思いやりと遠慮。多く下に打ち消しの語を伴って用いる。「―もなくやっつける」「―をしない」
情け宿
なさけやど 【情け宿】
男女の密会場所に用いられる宿。あいびき宿。出会い宿。
情け心
なさけごころ [4] 【情け心】
思いやりの深い心。情けのある心。
情け情けし
なさけなさけ・し 【情け情けし】 (形シク)
情けのあるさまである。思いやりがある。「かやうに人のために―・しきところおはしましけるに/大鏡(道兼)」
情け所
なさけどころ 【情け所】
(1)陰部。「『どれどれ,ちつと―を炙るべい』ト股火をする/歌舞伎・吾嬬鑑」
(2)男色で,肛門のこと。「貴殿の秘蔵の―/浄瑠璃・先代萩」
情け深い
なさけぶか・い [5] 【情け深い】 (形)[文]ク なさけぶか・し
(1)思いやりの気持ちが十分にある。人情味にあふれている。「―・い取り計らい」「―・い人」
(2)風流心がある。情趣を解する心が深い。「この僧正は優に―・き人なり/平家 6」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
情け無い
なさけな・い [4] 【情け無い】 (形)[文]ク なさけな・し
□一□
(1)(期待や予想に反していて)嘆かわしい。ふがいなく残念だ。「我ながら―・い」「目先の利益しか考えないとは―・い奴だ」
(2)みじめである。貧弱である。「―・い声を出す」「―・い服装」
□二□
(1)情けがない。思いやりがない。無情だ。「継母は―・いもんだとね/照葉狂言(鏡花)」「殊更に―・くつれなきさまを見せて/源氏(帚木)」
(2)風流でない。興ざめである。「…と歌ふ声の―・きしも哀れに聞ゆ/源氏(玉鬘)」
(3)情け容赦がない。むごたらしい。「墳墓を忽ちうがつて,死骸を実検せらるること,いたはしく―・くぞ聞えし/保元(下)」
〔そのもの自体に情けがない意の□二□(1)が原義〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
情け無用
なさけむよう [4] 【情け無用】
情けをかける必要がないこと。
情け知らず
なさけしらず [4] 【情け知らず】
(1)思いやりのないこと。また,その人。「恩を仇(アダ)で返すとは,―な奴だ」
(2)男女の情愛を知らないこと。また,その人。「―の娘/浮世草子・一代男 3」
情け知り
なさけしり [3] 【情け知り】
人情の機微に通じていること。男女の道をよくわきまえていること。また,その人。「こなたは隠れもない―と聞く/歌舞伎・仏の原」
情け立つ
なさけだ・つ 【情け立つ】 (動タ四)
(1)情愛のあるように振る舞う。「わざとならねど―・ち給ふ若人は/源氏(藤裏葉)」
(2)風流を解するように振る舞う。風流ぶる。「思ひわかぬばかりの心にては,よしばみ,―・たざらむなむ目やすかるべき/源氏(帚木)」
情け顔
なさけがお 【情け顔】
情けのあるような顔つき。「夕霧が―,半太夫がうつくしさ/浮世草子・諸艶大鑑 8」
情っ張り
じょうっぱり ジヤウツ― 【情っ張り】
〔「じょうはり」の転〕
強情(ゴウジヨ)っぱり。「―のかかあ左衛門/滑稽本・浮世床 2」
情ない
なさけない【情ない】
[みじめな]miserable;→英和
wretched;→英和
lamentable (嘆かわしい);→英和
shameful (恥ずべき).→英和
情事
じょうじ【情事】
a love affair;a romance.→英和
情事
じょうじ ジヤウ― [1] 【情事】
(1)恋愛に関する事柄。いろごと。
(2)事情。ありさま。「凡そ能(ヨク)すべからざる―に逢へば/西国立志編(正直)」
情交
じょうこう ジヤウカウ [0] 【情交】 (名)スル
(1)恋愛。また,男女の交際が進んで肉体的交わりを結ぶこと。
(2)親しい交際。親密な交際。「―ハナハダ密ナリ/ヘボン(三版)」
情交
じょうこう【情交】
intimacy;→英和
a liaison.→英和
〜を結ぶ have intercourse <with> .
情人
じょうにん ジヤウ― [0] 【情人】
「じょうじん(情人)」に同じ。
情人
じょうじん ジヤウ― [0] 【情人】
(1)情交関係にある人。愛人。いろ。じょうにん。
(2)情のある人。
情偽
じょうぎ ジヤウ― [1] 【情偽】
まことといつわり。
情動
じょうどう ジヤウ― [0] 【情動】
〔心〕
〔emotion〕
感情のうち,急速にひき起こされ,その過程が一時的で急激なもの。怒り・恐れ・喜び・悲しみといった意識状態と同時に,顔色が変わる,呼吸や脈搏(ミヤクハク)が変化する,などの生理的な変化が伴う。情緒。
情勢
じょうせい ジヤウ― [0] 【情勢・状勢】
変化する物事の,現在の様子。また,近い将来の変化・進展の具合。「―判断」「―は混沌(コントン)としている」
情勢
じょうせい【情勢】
⇒情況.
情合
じょうあい ジヤウアヒ [0] 【情合(い)】
思いやり。なさけ。情(ジヨウ)。「身寄でも親類でもねえが,其処あ―だ/真景累ヶ淵(円朝)」
情合い
じょうあい ジヤウアヒ [0] 【情合(い)】
思いやり。なさけ。情(ジヨウ)。「身寄でも親類でもねえが,其処あ―だ/真景累ヶ淵(円朝)」
情味
じょうみ【情味】
(a) sentiment;→英和
(the milk of) human kindness.〜の豊かな charming;affectionate;→英和
loving.→英和
情味
じょうみ ジヤウ― [1][0] 【情味】
思いやり,やさしさなど,人の心のあたたかみ。また,情景などから感じられる心のあたたまるような味わい。「―に欠ける」
情報
じょうほう【情報】
information;→英和
intelligence;→英和
a report;→英和
news.→英和
〜を得る(与える) obtain (give) information.‖情報化社会 the informationalized[information-oriented]society.情報公開法 freedom of information law[act].情報処理 information processing.情報部 an information bureau.情報屋 <米俗> a dopester.
情報
じょうほう ジヤウ― [0] 【情報】
(1)事物・出来事などの内容・様子。また,その知らせ。「横綱が引退するという―が入った」「戦争は既に所々に起つて,飛脚が日ごとに―をもたらした/渋江抽斎(鴎外)」
(2)〔information〕
ある特定の目的について,適切な判断を下したり,行動の意志決定をするために役立つ資料や知識。
(3)機械系や生体系に与えられる指令や信号。例えば,遺伝情報など。
(4)物質・エネルギーとともに,現代社会を構成する要素の一。
情報システム
じょうほうシステム ジヤウ― [5] 【情報―】
利用者の目的にそったコンピューター・周辺機器・情報ネットワークおよびそれを運用するためのソフトウエアの体系をいう。
情報スーパーハイウエー
じょうほうスーパーハイウエー ジヤウ― [12] 【情報―】
アメリカ全土に広帯域の光ファイバーを敷設し,マルチ-メディアに対応した社会基盤としての高度情報通信ネットワークを張りめぐらす構想。高速自動車道路網に対していう。
情報リテラシー
じょうほうリテラシー ジヤウ― [5] 【情報―】
情報化社会でコンピューターなど情報関連技術を習得し,積極的に情報を活用することのできる能力。
情報公開制度
じょうほうこうかいせいど ジヤウ― [9] 【情報公開制度】
行政機関のもっている情報を,国民が自由に知ることができるように公開する制度。
情報処理
じょうほうしょり ジヤウ― [5] 【情報処理】
収集した多量の情報に,コンピューターなどを使って分類・整理・選択・演算などの処理を施して,目的に応じた情報を得られるように加工すること。
情報処理技術者
じょうほうしょりぎじゅつしゃ ジヤウ― [9] 【情報処理技術者】
コンピューターを用いた情報の整理・加工・検索などの処理を行う専門家として,通産省が認定する資格。
情報化社会
じょうほうかしゃかい ジヤウ―クワシヤクワイ [6] 【情報化社会】
社会的に大量の情報が生み出され,それを加工・処理・操作するための機構が巨大化し,人々の意思決定や行動に大きな影響を与えるに至った社会。情報社会。
情報基礎
じょうほうきそ ジヤウ― [5] 【情報基礎】
中学校の技術家庭科の一単元として1993年(平成5)から導入された,コンピューター教育。
情報家電
じょうほうかでん ジヤウ― [5] 【情報家電】
個人レベルの情報を手軽に扱うため,通信機能をもたせたコンピューターをベースとした家庭電気製品。
情報局
じょうほうきょく ジヤウ― [3] 【情報局】
⇒内閣情報局(ナイカクジヨウホウキヨク)
情報操作
じょうほうそうさ ジヤウ―サウ― [5] 【情報操作】
情報をありのままに提供するのでなく,内容や公表の方法などに介入して影響を及ぼし,世論形成をある方面に有利になるよう操作すること。
情報検索
じょうほうけんさく ジヤウ― [5] 【情報検索】
〔information retrieval〕
ある目的のために収集・蓄積した膨大な情報を体系的に整理し,必要に応じて希望する情報を迅速にとり出すこと,あるいはその方法。IR 。
情報機器
じょうほうきき ジヤウ― [5] 【情報機器】
情報を処理したり,伝達・加工するための機器。コンピューターとその周辺機器,またファクシミリ・複写機などをいう。
情報機関
じょうほうきかん ジヤウ―クワン [6][5] 【情報機関】
各種情報の収集・調査や宣伝活動を行う政府機関。日本の戦前の情報局やアメリカの CIA など。
情報源
じょうほうげん ジヤウ― [3] 【情報源】
必要な情報を提供してくれる人・機関・データベースなど。その筋。ニュース-ソース。
情報理論
じょうほうりろん ジヤウ― [5] 【情報理論】
情報科学の基礎分野をなす諸理論のすべてをさし,信号理論・パターン認識理論・言語理論・人工知能論などを含む。狭義には,シャノンが通信理論として確立した,情報の伝達および処理についての数学的理論。通信路の伝送容量,雑音を排除するための符号化,情報発生速度などについて論じる。
情報環境
じょうほうかんきょう ジヤウ―クワンキヤウ [5] 【情報環境】
情報の創造・処理加工・伝達・蓄積を行う過程で,それを実現するための情報メディア・ソフトウエア・データベースなどの利用可能な環境をいう。また,特にマルチ-メディアの利用を前提にした,コンピューターをめぐる諸条件の整備の程度をいう。
情報産業
じょうほうさんぎょう ジヤウ―ゲフ [5] 【情報産業】
情報の生成・収集・加工・提供およびコンピューター情報システムの開発などを行う産業の総称。広くは新聞・出版・放送・広告などのサービス産業をも含める。
情報科学
じょうほうかがく ジヤウ―クワ― [5] 【情報科学】
機械系や生体系のみならず社会における諸現象や諸活動を,情報の授受・保存・処理という側面からみて,そのような情報の生成・伝達・変換・蓄積・利用などについての一般原理を考究する諸科学の総称。コンピューターおよび通信ネットワークに代表される情報処理・伝達技術の著しい発達を背景にもつ。
情報管理
じょうほうかんり ジヤウ―クワン― [5] 【情報管理】
(1)情報化社会において,人や金と同様に資源としての価値をもつ情報を有効に利用するため,効率的・統合的に運用すること。
(2)限られた目的以外に,情報が故意にまた事故などによって漏洩(ロウエイ)しないように管理すること。
情報網
じょうほうもう ジヤウ―マウ [3] 【情報網】
情報をやりとりするために設けた組織。情報ネットワーク。
情報誌
じょうほうし ジヤウ― [3] 【情報誌】
各種の情報を列記した雑誌。映画・演劇・音楽・展覧会・競技会などの各種イベント情報や職業・住宅情報など,多くは分野別に編集・発行される。
情報資本主義
じょうほうしほんしゅぎ ジヤウ― [8] 【情報資本主義】
(1)産業(工業)資本主義が終わり,情報や知識の蓄積・伝達・処理が中心となった資本主義社会を特徴づける用語。
→脱工業化社会
(2)情報の所有者と非所有者の間に生まれる支配の関係を資本による階級支配に比していう語。
情報通
じょうほうつう ジヤウ― [0] 【情報通】
その道の情報に詳しい人。消息通。
情報通信
じょうほうつうしん ジヤウ― [5] 【情報通信】
コンピューターと通信技術を統合した情報技術およびその利用形態。
情夫
じょうふ ジヤウ― [1] 【情夫】
夫以外の愛人である男。いろおとこ。かくしおとこ。また,内縁関係にある男。
情夫
じょうふ【情夫】
a lover;→英和
a sweetheart.→英和
情好
じょうこう ジヤウカウ [0] 【情好】
仲のよいこと。よしみ。
情婦
じょうふ【情婦】
a mistress.→英和
情婦
じょうふ ジヤウ― [1] 【情婦】
妻以外の愛人である女。いろおんな。かくしおんな。また,内縁関係にある女。
情宜
じょうぎ ジヤウ― [1] 【情誼・情宜】
真心のこもった,つきあい。「―に厚い」
情実
じょうじつ【情実】
private circumstances;personal considerations;favoritism (ひいき).〜にとらわれる take personal circumstances into consideration.〜を排する disregard personal gain.
情実
じょうじつ ジヤウ― [0] 【情実】
(1)個人的な感情などがからまって,公正を欠いた事情や関係。「―を排する」
(2)物事の本当のありさま。実情。「今いつた―ゆゑ/当世書生気質(逍遥)」
(3)いつわりのない心。まごころ。
情宣
じょうせん ジヤウ― [0] 【情宣】
〔情報宣伝の略〕
労働組合などで,組合員に対しての情報提供や内外に向けてする宣伝。教宣。「―活動」
情張り
じょうはり ジヤウ― 【情張り】
〔「じょうばり」とも〕
意地を張ること。また,その人。いじっぱり。じょうっぱり。じょうごわ。「―の勝つ月弓の寸の論/譏草」
情強
じょうごわ ジヤウゴハ [0] 【情強】 (名・形動)[文]ナリ
片意地である・こと(さま)。また,その人にもいう。強情。「―に理屈を巻き出して中々受付けも仕無い/天うつ浪(露伴)」
情強し
じょうごわ・し ジヤウゴハシ 【情強し】 (形ク)
意地が強く,考えを容易には変えない。強情である。「―・きどち女郎ぶを殺してしまはんとは思へども/浄瑠璃・苅萱桑門」
情形
じょうけい ジヤウ― [0] 【情形】
物事のありさま・状態。
情念
じょうねん ジヤウ― [1] 【情念】
深く心に刻みこまれ,理性では抑えることのできない悲・喜・愛・憎・欲などの強い感情。
情念
じょうねん【情念】
passion.→英和
情思
じょうし ジヤウ― [1] 【情思】
(1)心の思い。
(2)恋い慕う心。恋心。
情性
じょうせい ジヤウ― [0] 【情性】
感情と生まれつきの性質。また,こころ。性情。「過敏の―を錬り/基督信徒の慰(鑑三)」
情想
じょうそう ジヤウサウ [0] 【情想】
感情と思想。「歌として発言せねばならぬ―/一隅より(晶子)」
情意
じょうい ジヤウ― [1] 【情意】
心中のおもい。気持ち。
情意投合
じょういとうごう ジヤウ―ガフ [4] 【情意投合】 (名)スル
互いの気持ちが一致すること。意気投合。
情愛
じょうあい ジヤウ― [0] 【情愛】
深く愛する気持ち。愛情。なさけ。「親子の―」「―を捨てる」
情愛
じょうあい【情愛】
affection;→英和
love.→英和
情感
じょうかん ジヤウ― [0] 【情感】
物事に感じて起きる心の動き。感情。「―の豊かな人」「―を込めて歌う」
情感
じょうかん【情感】
emotion.→英和
〜をこめて with feeling.
情態
じょうたい ジヤウ― [0] 【状態・情態】
変化する物事の,その時その時の様子。「静止した―で測る」「生活―」「健康―」
情態副詞
じょうたいふくし ジヤウ― [5] 【情態副詞・状態副詞】
主として動詞にかかり,動作・作用の様子をくわしく表す副詞。「がたり」「ぬるぬる」など,擬声語・擬態語がその中心をしめるが,「しばらく」など時に関するもの,「わざと」など態度に関するものも含まれる。
情慾
じょうよく ジヤウ― [1][0] 【情欲・情慾】
(1)男女間の肉体的欲望。色情。「―のとりことなる」
(2)世俗的な欲望。
(3)〔仏〕 物に執着し,むさぼる心。
情懐
じょうかい ジヤウクワイ [0] 【情懐】
心の中のおもい。所懐。
情操
じょうそう【情操】
(a) sentiment.→英和
情操教育 cultivation of sentiments.
情操
じょうそう ジヤウサウ [0] 【情操】
最も複雑で,高次の感情。感情の中で,最も安定した形をとり,知的作用・価値を伴う。美的・道徳的・知的・宗教的の四つに分けられる。
情操教育
じょうそうきょういく ジヤウサウケウ― [5] 【情操教育】
真・善・美・聖などの人間の価値感情を養うための教育。
情景
じょうけい【情景】
⇒光景.
情景
じょうけい ジヤウ― [0] 【情景・状景】
人の心を動かす風景や場面。「言葉では表せない―」「ほほえましい―」[ヘボン(三版)]
情欲
じょうよく ジヤウ― [1][0] 【情欲・情慾】
(1)男女間の肉体的欲望。色情。「―のとりことなる」
(2)世俗的な欲望。
(3)〔仏〕 物に執着し,むさぼる心。
情欲
じょうよく【情欲】
a passion;→英和
sexual desire(s);(a) lust.→英和
情歌
じょうか ジヤウ― [1] 【情歌】
(1)恋の思いをのべた歌。こいうた。
(2)都々逸(ドドイツ)の異名。
情死
じょうし ジヤウ― [0] 【情死】 (名)スル
相愛の男女が一緒に死ぬこと。心中(シンジユウ)。「―した作家」
情況
じょうきょう【情況】
circumstances;a situation;→英和
the state of things.目下の〜では under the present conditions.‖情況証拠《法》circumstantial evidence.情況判断を誤る misjudge the state of affairs.
情況
じょうきょう ジヤウキヤウ [0] 【状況・情況】
時とともに変化する物事の,その時,その時のありさま,ようす。
情況証拠
じょうきょうしょうこ ジヤウキヤウ― [5] 【情況証拠】
犯罪事実を間接的に推測させる証拠。
情深い
なさけぶかい【情深い】
kindhearted;→英和
benevolent (慈悲深い).→英和
情火
じょうか ジヤウクワ [1] 【情火】
火のように燃え上がる激しい情欲。
情炎
じょうえん ジヤウ― [0] 【情炎】
はげしい欲情。「―を燃やす」
情無し
じょうなし ジヤウ― [0] 【情無し】 (名・形動)[文]ナリ
人情のないこと。思いやりのないさま。また,その人。「―な男」
情熱
じょうねつ ジヤウ― [0] 【情熱】
激しく高まった気持ち。熱情。「―を燃やす」「―を傾ける」「―家」
〔passion を北村透谷が訳した語といわれる〕
情熱
じょうねつ【情熱】
⇒熱情.〜的な passionate.→英和
情熱的
じょうねつてき ジヤウ― [0] 【情熱的】 (形動)
感情を燃え上がらせているさま。「―な目の輝き」
情状
じょうじょう【情状】
<take> the circumstances <into consideration> .〜を酌量して in consideration of mitigating circumstances.
情状
じょうじょう ジヤウジヤウ [0] 【情状】
(1)実際の事情・状態。実際のありさま。「処々人民の―を察し/西国立志編(正直)」
(2)刑事手続において,訴追を行うかどうかの判断や刑の量定に影響を及ぼすべき一切の事情。犯人の動機や目的,犯人の年齢・経歴や犯行後の態度など。
情状酌量
じょうじょうしゃくりょう ジヤウジヤウ―リヤウ [0] 【情状酌量】 (名)スル
裁判で刑を決定する際,同情すべき事情を考慮して,刑罰を軽くすること。酌量減軽。「―の余地なし」「―して執行猶予となる」
情理
じょうり ジヤウ― [1] 【情理】
(1)人情と道理。「―を兼ねる」
(2)物事の筋道。道理。
情理を尽して説く
じょうり【情理を尽して説く】
reason <with a person> ;→英和
expostulate <with a person> .→英和
情痴
じょうち ジヤウ― [1] 【情痴】
色情に溺れて理性を失うこと。痴情。「―の限りを尽くす」
情緒
じょうしょ ジヤウ― [1] 【情緒】
〔慣用読みで「じょうちょ」とも〕
(1)人にある感慨をもよおさせる,その物独特の味わい。また,物事に触れて起こるさまざまな感慨。「―のある風景」「江戸―」「―豊かに描写する」
(2)〔心理〕「情動(ジヨウドウ)」に同じ。「―不安定」
情緒
じょうちょ ジヤウ― [1] 【情緒】
「じょうしょ(情緒)」の慣用読み。「異国―」
情緒
じょうちょ【情緒】
[雰囲気]atmosphere;→英和
[感情]emotion;→英和
(a) feeling.→英和
〜不安定な emotionally unstable.
情緒纏綿
じょうしょてんめん ジヤウ― [1] 【情緒纏綿】
情緒がこまやかなこと。愛情が深く離れがたいこと。
情緒障害
じょうちょしょうがい ジヤウ―シヤウ― [4] 【情緒障害】
児童の適応障害のうち,情緒不安定,情緒表現の未成熟など,主に情緒面に問題があるもの。行政上の概念で,具体的には登校拒否・緘黙(カンモク)・自閉的傾向などが含まれる。
情縁
じょうえん ジヤウ― [0] 【情縁】
恋愛によって結ばれている関係。男女の契り。「―を断つ」
情義
じょうぎ ジヤウ― [1] 【情義】
人情と義理。「―を欠く」
情義
じょうぎ【情義】
friendly feelings;friendship.→英和
〜に厚い cordial;→英和
warmhearted.
情致
じょうち ジヤウ― [1] 【情致】
おもむき。風情。情緒。情趣。
情詩
じょうし ジヤウ― [1] 【情詩】
恋心を詠じた詩歌。
情話
じょうわ ジヤウ― [0] 【情話】
(1)人情を中心とした話。特に,男女の恋愛に関する話。「佐渡―」
(2)情愛のこもった話。また,男女の睦言(ムツゴト)。
情誼
じょうぎ ジヤウ― [1] 【情誼・情宜】
真心のこもった,つきあい。「―に厚い」
情調
じょうちょう ジヤウテウ [0] 【情調】
(1)その物のかもし出す雰囲気。心にしみる趣。「浪漫的―に浸る」
(2)感覚に伴って起こるさまざまな感情。喜び・悲しみなどの気持ち。
情識
じょうしき ジヤウ― [0] 【情識】
(1)〔仏〕 凡夫のもつ迷いの心。心。
(2)強情であること。頑固。
情趣
じょうしゅ【情趣】
a mood;→英和
a sentiment;→英和
an artistic effect.〜に富む tasteful.→英和
情趣
じょうしゅ ジヤウ― [1] 【情趣】
そのものに接して感じられる,しみじみとした味わい。「―に富む景色」
情趣的
じょうしゅてき ジヤウ― [0] 【情趣的】 (形動)
情趣に富んでいるさま。
情願
じょうがん ジヤウグワン [0] 【情願】
事情を述べて願い出ること。また,その願い。
惆悵
ちゅうちょう チウチヤウ [0] 【惆悵】 (ト|タル)[文]形動タリ
恨み嘆くこと。いたみ悲しむこと。また,そのさま。「―去るに忍びざるの思あり/日乗(荷風)」「―と独り帰つて来ました/秋山図(竜之介)」
惑
わく [2] 【惑】
〔仏〕 煩悩(ボンノウ)のこと。
惑い
まどい【惑い】
⇒迷い.
惑い
まどい マドヒ [2] 【惑い】
まどうこと。まよい。「―を感ずる」
惑い箸
まどいばし マドヒ― [4] 【惑い箸】
「迷い箸」に同じ。
惑う
まど・う マドフ [2] 【惑う】 (動ワ五[ハ四])
〔上代は「まとふ」と清音〕
(1)道や方向がわからなくてうろたえる。道に迷う。「山で日が暮れて道に―・う」
(2)どうしたらよいか決めかねて心が乱れる。思い迷う。「四十にして―・わず」
(3)心を奪われ,判断力を失う。「女ニ―・ウテ道ニソムク/ヘボン」
(4)進むべき道や方向がわからなくて途方に暮れる。「―・ひぬる妹を求めむ山道知らずも/万葉 208」
(5)あわてふためく。うろたえる。狼狽(ロウバイ)する。「我もかかる物飲まんずるかと思ふに,あさましく,―・ふと思ふ程に夢覚めぬ/宇治拾遺 9」
(6)(他の動詞の連用形に付いて)ひどく…する。「風の吹き―・ひたるさま,恐ろしげなること/更級」
惑はかす
まどわか・す マドハ― 【惑はかす】 (動サ四)
「惑わす」に同じ。「殿上人・上達部達,足手を―・したり/栄花(月の宴)」
惑ひ歩く
まどいあり・く マドヒ― 【惑ひ歩く】 (動カ四)
道に迷って,あるいは途方にくれて,あちらこちら歩き回る。さまよう。「露霜にしほたれて,所さだめず―・き/徒然 3」
惑ひ者
まどいもの マドヒ― 【惑ひ者】
(1)居所を離れてさまよう者。流浪者。浮浪者。「御内の上下皆―になりなんず/平家 2」
(2)人の道にはずれた者。「大事の娘をそそのかし,―になしたる恨み/浄瑠璃・五十年忌(中)」
惑わす
まどわす【惑わす】
⇒迷わす.
惑わす
まどわ・す マドハス [3] 【惑わす】 (動サ五[四])
〔上代は「まとはす」と清音〕
(1)正常な判断力を失わせて,人を不安におとしいれたり,混乱させたりする。また,そうして好ましくない行動に走らせる。「人心を―・す」「世を―・す」
(2)進路を見失わせる。「入りぬれば影も残らぬ山の端に宿―・して嘆く旅人/宇津保(俊蔭)」
(3)困惑させる。難儀させる。「夜一夜,雪に―・されてぞおはしましける/源氏(総角)」
惑乱
わくらん [0] 【惑乱】 (名)スル
判断力を失うほど心が乱れること。また,人心や社会をまどわしみだすこと。「更に僕を―さする出来事にぶつかりました/牛肉と馬鈴薯(独歩)」「以て世人を―するに至らば/明六雑誌 6」
惑星
わくせい【惑星】
a planet.→英和
惑星
わくせい [0] 【惑星】
(1)太陽の周囲を主に太陽の重力の影響を受けて公転し,自らは発光しない天体。普通,水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星を指し,小惑星やその他の塵状物質を含めない。遊星。
→恒星
(2)人物・手腕などはよく知られていないが,何かやりそうに思われる人物。なぞの人。「政界の―」
→惑星[表]
惑星気象学
わくせいきしょうがく [6] 【惑星気象学】
惑星や衛星の大気現象や大気の構造を研究する学問。現在は,惑星大気物理学と呼ぶことも多い。
惑星状星雲
わくせいじょうせいうん [7] 【惑星状星雲】
銀河系内にあり,楕円形・環形などで,惑星のように見えるガス星雲。輝線スペクトルを発する。琴座の環状星雲,大熊座のふくろう星雲など。
惑星現象
わくせいげんしょう [5] 【惑星現象】
地球から見た惑星の動きや太陽に対する位置についての現象。順行・逆行,内合・衝など。内惑星と外惑星で現象が異なる。
→視運動
→最大離角
惑星間物質
わくせいかんぶっしつ [7] 【惑星間物質】
惑星間の空間に存在する無数の微小物質の総称。固体・ガス状・荷電粒子などがあり,ほぼ黄道面に沿って分布する。黄道光や対日照はこれらが太陽光を散乱したもの。直径1ミリメートル以上の固体微粒子が地球大気中に突入すると流星となる。
惑溺
わくでき [0] 【惑溺】 (名)スル
まどいおぼれること。夢中になって,正常な判断ができなくなること。「古習に―する者は/文明論之概略(諭吉)」
惕然
てきぜん [0] 【惕然】 (ト|タル)[文]形動タリ
おそれるさま。びくびくするさま。「胸―として悸(ワナナ)き/佳人之奇遇(散士)」
惘る
あき・る 【呆る・惘る】 (動ラ下二)
⇒あきれる
惘れ
あきれ [0] 【呆れ・惘れ】
あきれること。
惘れる
あき・れる [0] 【呆れる・惘れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 あき・る
(1)好ましくないことについて,意外さ・はなはだしさに驚く。「―・れるほど気が長い」「―・れてものが言えない」
(2)意外なことに出合って,どうしてよいか分からなくなる。「心地は―・れて我(アレ)か人かにてあれば/蜻蛉(中)」
惘惘
ぼうぼう バウバウ [0] 【惘惘】 (ト|タル)[文]形動タリ
⇒もうもう(惘惘)
惘惘
もうもう マウマウ [0] 【惘惘】 (ト|タル)[文]形動タリ
気が抜けてぼんやりしたさま。「―としたる浪子の顔を/不如帰(蘆花)」
惘然
もうぜん マウ― [0] 【惘然】 (ト|タル)[文]形動タリ
「ぼうぜん(惘然)」に同じ。「―として烟草の烟を眺めてゐる/虞美人草(漱石)」
惘然
ぼうぜん バウ― [0] 【惘然】 (ト|タル)[文]形動タリ
〔「もうぜん」とも〕
「呆然(ボウゼン)」に同じ。「暫くは―として気の抜けた顔をしていた/浮雲(四迷)」
惚く
ほう・く 【惚く・耄く】 (動カ下二)
⇒ほうける
惚く
ほ・く 【惚く・呆く】
〔「ほぐ」とも〕
■一■ (動カ四)
知覚がにぶる。ぼんやりする。ぼける。「世にも―・きたることとそしり聞こゆ/源氏(常夏)」
■二■ (動カ下二)
⇒ほける
惚く
とぼ・く 【恍く・惚く】 (動カ下二)
⇒とぼける(恍・惚)
惚く
ほお・く ホホク 【惚く・耄く】 (動カ下二)
⇒ほうける
惚く
ぼ・く 【惚く・暈く】 (動カ下二)
⇒ぼける(惚)
⇒ぼける(暈)
惚け
とぼけ [3] 【恍け・惚け】
とぼけること。
→おとぼけ
惚け
ぼけ [2] 【惚け・呆け】
(1)ぼけること。また,ぼけている人。「時差―」
(2)漫才で,つっこみに対してとぼけた話をして,客を笑わせる方の役。
(3)老化に伴って起こる痴呆を主とする症状。
惚け
ほうけ [3] 【惚け・耄け】
ほうけること。また,その人。あほう。
惚けた
ぼけた【惚けた】
senile.→英和
惚ける
ほう・ける [3] 【惚ける・耄ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ほう・く
(1)知覚がにぶってぼんやりする。ぼける。「遊びに―・けて/たけくらべ(一葉)」「病み―・ける」
(2)動詞の連用形の下に付いて,夢中になって…する,とことんまで…するの意を表す。「遊び―・ける」「高名の古ばくちにて,うち―・けてすべてまけ/著聞 12」
(3)草や毛髪などがほつれ乱れる。そそける。ほおける。「蕗の薹背戸の垣根に―・け/いさなとり(露伴)」
〔「惚(ホ)く」の転。「ほほく」の転ともいう〕
惚ける
ほ・ける [2] 【惚ける・呆ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ほ・く
〔「ほげる」とも〕
(1)知覚が衰える。ぼける。「ちょっと―・けたような表情をしたあとから/老妓抄(かの子)」「月頃に―・けにたらむ身の有様/源氏(幻)」
(2)夢中になる。ほうける。「遊びに―・けて忘れていたのが/多情仏心(弴)」
(3)古くなって色があせたり,けば立ってくる。「畳が―・けて/野分(漱石)」
惚ける
ぼける【惚ける】
(1)[年をとって]grow senile.(2)[色が]shade off;fade (あせる).→英和
惚ける
ぼ・ける [2] 【惚ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ぼ・く
〔「ほける」の転〕
頭の働きがにぶってくる。「まだ―・ける年でもない」「心ノ―・ケタ人ヂャ/日葡」
惚ける
とぼ・ける [3] 【恍ける・惚ける】 (動カ下一)[文]カ下二 とぼ・く
(1)知っていながら,知らない,というふりをする。しらばくれる。「―・けたってだめだ。お前がやったんだろう」
(2)間の抜けた言動をする。「―・けたことを言う」「―・けた表情」
(3)頭の働きがにぶくなる。ぼける。「―・ケテ我ガ子ノ顔モ知ラヌ/ヘボン」
惚け土
ほけつち [2] 【壚土・惚け土】
ぼろぼろしていて,植物・作物に適さない土。
惚け惚け
ほけほけ 【惚け惚け・呆け呆け】 (副)
ぼうっとしているさま。ある事に心を奪われているさま。「いかにも―しみしみとあるが,先づ最上の事也/十問最秘抄」
惚け惚けし
ほけほけ・し 【惚け惚けし・呆け呆けし】 (形シク)
ひどくぼんやりしている。大変にぼけている。「いささか―・しからず仰せらる/宇津保(楼上・上)」
惚け者
ほうけもの [0] 【惚け者】
おろかもの。愚者。うすのろ。
惚け茄子
ぼけなす [0] 【惚け茄子】
(1)色つやのあせた茄子。
(2)反応のにぶいぼけている人をあざけっていう語。
惚ほる
おぼほ・る 【溺ほる・惚ほる】 (動ラ下二)
〔「おぼる」の古形〕
(1)水中に沈む。おぼれる。「今何の報いにかここら横ざまなる波風には―・れ給はむ/源氏(明石)」
(2)(涙に)むせぶ。「ただ涙に―・れたるばかりを/源氏(蜻蛉)」
(3)もっぱら,そればかりする。「尼君しはぶき―・れて起きにたり/源氏(手習)」
(4)ぼける。ぼんやりする。「夢ばかりだになく―・れて,何のわきまへか侍らん/増鏡(序)」
惚る
ほ・る 【惚る】 (動ラ下二)
⇒ほれる(惚)
惚れたが因果(インガ)
惚れたが因果(インガ)
惚れたのが運の尽き。好きになったのだからしかたがない。
惚れた欲目
惚れた欲目
惚れた相手を実際以上によくみようとする気持ち。
惚れた目には痘痕(アバタ)も靨(エクボ)
惚れた目には痘痕(アバタ)も靨(エクボ)
惚れていると相手の欠点も美点に見えるというたとえ。
惚れた腫(ハ)れた
惚れた腫(ハ)れた
恋に夢中である状態を,茶化(チヤカ)したり,強めたりしていう言葉。
惚れっぽい
ほれっぽ・い [4] 【惚れっぽい】 (形)
簡単にほれるさまである。ほれやすい。「―・い質(タチ)」
惚れて通えば千里も一里
惚れて通えば千里も一里
惚れた相手の所へ通うときは遠い道も近く感じられる。
惚れる
ほれる【惚れる】
fall[be]in love <with> ;take a fancy <to> ;→英和
[感心する]be impressed <with> .
惚れる
ほ・れる [0] 【惚れる・恍れる・耄れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ほ・る
(1)ある異性がたまらなく好きになる。…に恋をする。「おれはあのこに―・れちまったんだ」「人ニ―・ルル/日葡」
(2)人柄や技能などのすぐれていることに心をひかれる。心酔する。「社長は君の度胸のよさに―・れたのだ」
(3)(他の動詞の下に付いて)ある一つのことをよいと感じて夢中になって,他を忘れるほどになる。心を奪われる。「聞き―・れる」「見―・れる」
(4)頭がぼんやりする。また,年をとって頭がぼける。耄碌(モウロク)する。「いかなる事出で来む,と思ひ嘆きて,頬杖(ツラヅエ)をつきて―・れてゐたるを/落窪 1」
惚れ惚れ
ほれぼれ [3][2] 【惚れ惚れ】 (副)スル
(1)あるものに心を奪われてうっとりするさま。「あで姿に―(と)見いる」「―するような声でうたう」
(2)普通の状態でなくぼんやりしているさま。ぼうぜん。「ただ―とのみおぼゆ/右京大夫集」
惚れ惚れし
ほれぼれ・し 【惚れ惚れし】 (形シク)
(1)何かに心を奪われて,放心状態である。「あやしう―・しう過ぐし侍るを/源氏(柏木)」
(2)年をとってぼけている。「年は六十ばかり…―・しき事はあれど,いにしへの物をも見知りて/源氏(明石)」
惚れ惚れと眺める
ほれぼれ【惚れ惚れと眺める】
gaze fondly <at> .
惚れ薬
ほれぐすり [3] 【惚れ薬】
飲めば,飲ました相手に恋情を催すといわれる薬。イモリの黒焼きなどが有名。
→媚薬(ビヤク)
惚れ込む
ほれこ・む [3] 【惚れ込む】 (動マ五[四])
すっかりほれる。それ以外にはないというほど夢中になる。「彼の人柄に―・んだ」
[可能] ほれこめる
惚気
のろけ [0][3] 【惚気】
のろけること。また,その話。「―を聞かされる」
惚気る
のろ・ける [0][3] 【惚気る】 (動カ下一)
(1)自分の夫・妻・恋人との間のむつまじいことを得意になって人に話して聞かせる。「手ばなしで―・ける」
(2)女色にひかれる。色情にひかれて甘くなる。「なにつまらねえ,素人じみて,さう女に―・けもしますめえ/人情本・梅児誉美 3」
惚気を言う
のろけ【惚気を言う】
talk (fondly) about one's sweetheart[wife,etc.].
惚気話
のろけばなし [4] 【惚気話】
のろけてする話。
惛惛
こんこん [0] 【昏昏・惛惛】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)意識のないさま。また,よく眠っているさま。「―と眠り続ける」「―として譫言(ウワゴト)を発し/不如帰(蘆花)」
(2)暗くてはっきりしないさま。また,愚かなさま。「―として只だアイドルの支配の下に在り/欺かざるの記(独歩)」
惜し
お・し ヲシ 【惜し・愛し】 (形シク)
⇒おしい
惜しい
おし・い ヲシイ [2] 【惜しい】 (形)[文]シク を・し
(1)貴重で失いたくない。価値のあるものをむだにしたくない。「命が―・い」「時間が―・い」「埋もれさせておくのは―・い人物」
(2)あと一息のところで物事が成就せず残念だ。ほんの少し欠けたところがあって物足りない。「―・くも敗れた」「いい人なのに気の弱いのが―・い」
(3)心残りだ。いつまでも未練が残る。「このまま別れてしまうのは―・い」「寝るのが―・いような名月」
(4)(「愛し」と書いた)いとしい。かわいい。「人も―・し人もうらめし/続後撰(雑)」
→惜しくも
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
惜しい
おしい【惜しい】
(1)[残念]regrettable;→英和
It is a pity that…./What a pity (it is)!
(2)[貴重な]precious;→英和
dear.→英和
(3)[もったいない]wasteful;→英和
too good <for,to> .
惜しそうに grudgingly;→英和
reluctantly;→英和
unwillingly;→英和
sparingly.
惜しい哉 (カナ)
惜しい哉 (カナ)
何とも惜しいことには。
→かな
惜しがる
おしがる【惜しがる】
⇒惜しむ.
惜しがる
おしが・る ヲシ― [3] 【惜しがる】 (動ラ五[四])
惜しいと思う気持ちを表す。残念がる。「皆に―・られて会社を辞めた」
惜しくも
おしくも ヲシク― [1] 【惜しくも】 (副)
惜しいことに。「―敗れた」
惜しけく
おしけく ヲシケク 【惜しけく】
〔「惜し」のク語法〕
惜しいこと。「剣太刀名の―もわれは無し/万葉 616」
惜しけし
おしけ・し ヲシケシ 【惜しけし】 (形ク)
〔「惜しけく」の形容詞化〕
惜しい。「淵に身投げむ名やは―・き/源氏(胡蝶)」
惜しげ
おしげ ヲシ― [3] 【惜しげ】 (名・形動)
惜しそうな様子。
惜しそうに
おしそうに【惜しそうに】
⇒惜しい.
惜しみ
おしみ ヲシミ [0] 【惜しみ】
惜しむこと。多く,他の語と複合して用いられる。「もの―」「売り―」
惜しみ手
おしみて ヲシミ― 【惜しみ手】
もの惜しみする人。けちんぼう。「先の―の方へ明朝斎(トキ)を申さんと言ひやりぬ/咄本・醒睡笑」
惜しみ無い
おしみな・い ヲシミ― [4] 【惜しみ無い】 (形)
控えたりためらったりしない。「―・い拍手を送る」「―・く与える」
惜しみ綱
おしみづな ヲシミ― [3] 【惜しみ綱】
葬送のとき,棺の前や後ろに長く引いて参列者が持つ綱。名残の綱。
惜しむ
おしむ【惜しむ】
(1)[出し惜しむ]spare <expenses> ;→英和
grudge;→英和
be stingy <of> .
(2)[大切に思う]value[prize]highly.(3)[残念に思う]be[feel]sorry <for> .
別れを〜 be unwilling[reluctant]to part <with a person> .
時を〜 value time.惜しまずに freely;ungrudgingly.
惜しむ
おし・む ヲシム [2] 【惜しむ】 (動マ五[四])
〔形容詞「をし」の動詞化〕
(1)自分の金銭や物品を大切に思い,使わずに済ませようとする。「わずかな手間を―・んだために失敗した」「費用を―・まず造った建物」
(2)自分の労力を使うのをいやがる。普通は否定表現とともに用いる。「できるだけの協力を―・まないつもりだ」「称賛を―・まない」「骨身を―・まず働く」
(3)無駄に失われないよう,大切にする。「寸暇を―・んで勉強する」
(4)価値あるものが失われたこと,また,活用されずに終わることを残念に思う。「ゆく春を―・む」「彼の死は―・みても余りあるものがある」「皆に―・まれつつ職場を去る」
(5)(多く「愛しむ」と書く)価値あるものと考えて大切にする。いとおしむ。「―・むらむ人の心を知らぬ間に/古今(離別)」
[慣用] 名を―
惜しむらくは
おしむらくは ヲシムラク― [2] 【惜しむらくは】 (連語)
〔「らく」は接尾語。ク語法の類推によってできた〕
惜しいことには。残念なことには。「勇気はあるが,―才知に欠ける」
惜し気もなく
おしげ【惜し気もなく】
ungrudgingly;freely.
惜らし
あったら・し 【惜らし】 (形シク)
「あたらし(惜)」の転。「かかる臆病者共に―・しき御所領を徒らにたばんより/幸若・十番斬」
惜別
せきべつ [0] 【惜別】
名残惜しくて別れづらく思うこと。別れを惜しむこと。「―の情」
惜愛
せきあい [0] 【惜愛】
おしみ大切にすること。愛惜。
惜敗
せきはい [0] 【惜敗】 (名)スル
競技・試合などに惜しくも負けること。「善戦むなしく―した」
惜敗する
せきはい【惜敗する】
be defeated by a narrow margin.
惜春
せきしゅん [0] 【惜春】
過ぎ行く春を惜しむこと。[季]春。
惜陰
せきいん [0] 【惜陰】
光陰の空しく過ぎるのを惜しむこと。片時の間も惜しんで努力すること。
惝怳
しょうこう シヤウクワウ [0] 【惝怳】
「しょうきょう(惝怳)」に同じ。
惝怳
しょうきょう シヤウキヤウ [0] 【惝怳】 (名)スル
(1)驚いてぼんやりすること。ひどい驚き。「道徳を超絶した美の境の―/青春(風葉)」
(2)がっかりすること。失望すること。「そんなに憧憬したり―したり/吾輩は猫である(漱石)」
惟
これ [0] 【此れ・是・之・惟】 (代)
□一□
(1)近称の指示代名詞。話し手にとって近い物事をさし示す言葉。
(ア)物の場合。「―にサインして下さい」「―は私の帽子だ」
(イ)事柄の場合。「―がうまく行けば万事解決だ」「―はひどい」
(ウ)時間の場合。「―からうかがいます」「―までの事をお話ししましょう」
(エ)場所の場合。古風な言い方。「―にてお待ち申します」「―へどうぞ」
(2)人代名詞的に自分の身内をさす,他称の謙譲語。「―が大変お世話になりました」「―が私の母です」
(3)話や文章の中で,直前に取り上げられた人物や事物をさす言葉。「そこへ一人の男が現れた。―がとんでもない男だった」「組織を変えようとしたが,―は失敗に終わった」
(4)〔漢文における「是」「之」「惟」などの訓読みから生じた,文語的な言い方〕
提示された主題について,それを改めて主語や目的語として指定する言葉。主題を強調し,また言葉の調子を整える。「人間は,―本来無一物である」「思想および良心の自由は,―を侵してはならない」
□二□
(1)一人称。私。「殿上人なども,なほ―一人は,などのたまふを/枕草子 92」「―は此のあたりに住居致す者でござる/狂言・二人袴」
(2)二人称。お前。「山のあるじ大きに驚きて,―は何ぞの人ぞ/宇津保(俊蔭)」「―は誰(タ)そ,と問ひ給へば/今昔 22」
惟うに
おもうに オモフ― [2] 【思うに・惟うに】 (副)
考えてみると。考えてみたところでは。「―これが唯一の解決策だ」
惟る
おもい・みる オモヒ― [4] 【思い見る・惟る】 (動マ上一)[文]マ上一
いろいろと思いめぐらす。おもんみる。「彼は明日の…憐れな自分の姿を―・みた/道草(漱石)」
惟る
おもん・みる [4] 【惟る】 (動マ上一)[文]マ上一
〔「おもいみる」の転〕
よくよく考えてみる。「つらつら―・みるに」
惟中
いちゅう ヰチユウ 【惟中】
⇒岡西(オカニシ)惟中
惟光
これみつ 【惟光】
源氏物語に登場する光源氏の従者の名。主人に付き従って機嫌をとっていたことから,後世幇間(ホウカン)の異名にもなった。
惟喬親王
これたかしんのう 【惟喬親王】
(844-897) 文徳天皇の第一皇子。母は紀氏で静子。藤原良房を外祖父とする第四皇子惟仁親王(のちの清和天皇)の出生で皇太子につけず,大宰帥(ダザイノソツ)・弾正尹(ダンジヨウノイン)などを歴任後,比叡山の山麓小野に隠棲した。世に小野宮・水無瀬宮(ミナセノミヤ)と呼ぶ。
惟康親王
これやすしんのう 【惟康親王】
(1264-1326) 鎌倉幕府七代将軍。六代将軍宗尊親王の第一子。1266年征夷大将軍となるが,89年執権北条貞時に将軍職を追われた。
惟然
いぜん ヰゼン 【惟然】
⇒広瀬(ヒロセ)惟然
惟神
かんながら 【随神・惟神】 (副)
⇒かむながら(随神)
惣
そう 【惣】
中世の自治組織の総称。特に,室町時代にみられる村落の運営機構。入会(イリアイ)や水利の管理運営・村落の自衛などにあたった。また,土一揆や年貢の百姓請などの基盤ともなった。惣村。惣中。
惣並
そうなみ 【総並・惣並】
(1)全部が一様であること。全部。「会津を―に立ちのき/浮世草子・武家義理物語 2」
(2)世間一般の傾向。「軽薄らしき事,ここの―なれば/浮世草子・胸算用 4」
惣中
そうちゅう [0] 【総中・惣中】
〔「そうじゅう」とも〕
「そう(惣)」に同じ。「―御訴訟申し上ぐべし/浮世草子・新可笑記 3」
惣作
そうさく 【総作・惣作】
江戸時代,耕作者のいなくなった田畑を,村全体で耕作し,年貢を納めること。
惣八
そうはち 【惣八・宗八】
狂言の一。もと料理人の俄(ニワカ)坊主と,還俗(ゲンゾク)したての惣八という料理人が,それぞれ主人から仕事を命じられる。二人は慣れないのでてこずるが,互いに前身をうちあけ,仕事を交換する。
惣別
そうべつ [0] 【総別・惣別】
■一■ (副)
およそ。だいたい。「西洋支那も―女はもも引のごときものをはいてゐるゆゑ/西洋道中膝栗毛(魯文)」
■二■ (名)
一般的なことと個別のこと。すべての事。万事。「―につけて歎きおぼしめせども/平家 3」
惣包み
そうづつみ [3] 【総包み・惣包み】
組香の香包みをまとめて入れる包み。
惣地頭
そうじとう [3] 【総地頭・惣地頭】
(1)鎌倉時代,領地を分割支配した数人の小地頭職を統轄した者。普通,一門の総領が任ぜられ,領地を総体的に支配した。総領地頭。大総領。
(2)鎌倉初期,西国の一定地域の小地頭(名主)を統轄するため,幕府から派遣された地頭。
惣太鰹
そうだがつお [4] 【宗太鰹・惣太鰹】
スズキ目サバ科の海魚ヒラソウダガツオとマルソウダガツオの総称。全長40センチメートル内外。体形はカツオに似るがやや細長い。削り節の原料とする。北海道以南に分布。メジカ。ウズワガツオ。
惣嫁
そうか 【総嫁・惣嫁】
江戸時代,京坂地方で夜,街頭に立って客を引いた下級の娼婦。辻君(ツジギミ)。そうよめ。
惣嫁
そうよめ 【総嫁・惣嫁】
⇒そうか(総嫁)
惣年寄
そうどしより [3] 【総年寄・惣年寄】
「町年寄」の大坂・岡山などにおける呼称。
惣惣
そうぞう [0] 【総総・惣惣】
みんな。全員。全部。「何の彼んのと―で六七両がものはある/破垣(魯庵)」
惣暗
つつくら 【惣暗】
まっくら。真の闇。つつやみ。「火も打ち消えつれば,―になりぬ/今昔 27」
惣物
そうぶつ 【総物・惣物】
盆・暮れに主人が奉公人に与える衣類など。お仕着せ。惣物物(ソウブツモノ)。[日葡]
惣百姓
そうびゃくしょう [3] 【惣百姓】
(1)室町時代,惣を構成する百姓。
(2)江戸時代,本百姓のこと。
惣百姓一揆
そうびゃくしょういっき [7] 【惣百姓一揆】
江戸時代,百姓一統の要求のもとに,広範な農民層が結集して起こす百姓一揆。一八世紀前半から各地に起こり,しばしば全藩的規模に及んだ。1761年の信州上田騒動や,1811年の豊後岡騒動の発端となった百姓一揆がその例。
惣菜
そうざい [0] 【総菜・惣菜】
日常の食事の副食物。ふだんのおかず。
惣闇
つつやみ 【惣闇】
まっ暗やみ。つつくら。「―にて笑ふ笑ふ道のあしきをよろぼひおはするほどに/落窪 1」
惣領
そうりょう [0][1] 【総領・惣領】
(1)家を継ぐ子。あととり。
(2)長男または長女。
(3)上代の地方行政官。筑紫・吉備(キビ)などの要地に置かれ数か国を統治した。大宝令施行により大宰府(筑紫総領)以外は廃止された。すべおさ。すぶるおさ。
(4)中世,特に鎌倉時代,武家社会における一族の長。一族の祭祀の中心となり,一族・庶子を統率し,御家人として鎌倉殿に奉仕した。
(5)すべてを支配すること。全部を領有すること。「将軍があとをば母堂の二位の尼―して/愚管 6」
惣髪
そうはつ [0] 【総髪・惣髪】
(1)男子の結髪の一。月代(サカヤキ)を剃(ソ)らず,伸ばした髪の毛全部を頭頂で束ねて結ったもの。近世,主に儒者・医者や山伏などが結った髪形。そうごう。そうがみ。
(2)束ねたり,剃(ソ)ったりしないで,髪の毛を全部後ろへなでつけて垂れ下げたもの。
総髪(1)[図]
惨
さん [1] 【惨】 (ト|タル)[文]形動タリ
むごたらしいさま。また,ひどくいたましいさま。多く「さんとして」の形で用いられる。「―として風雨の来襲を待つ状(サマ)/自然と人生(蘆花)」「浪子は―として笑みつ/不如帰(蘆花)」
惨い
むごい【惨い】
⇒残酷.
惨い
むご・い [2] 【惨い・酷い】 (形)[文]ク むご・し
(1)見ていられないくらい悲惨だ。いたましい。「―・い死に方」
(2)思いやりがなくひどい。無慈悲だ。「―・い仕打ち」
(3)程度が限度を超えている。はなはだしい。「其のお手もとが―・いほど似まらした/狂言・二千石」
[派生] ――さ(名)
惨し
むご・し 【惨し・酷し】 (形ク)
⇒むごい
惨たらしい
むごたらし・い [5] 【惨たらしい・酷たらしい】 (形)[文]シク むごたら・し
目をそむけたくなるほどひどい。残酷である。無慈悲である。むごらしい。「焼け跡の―・い死体」「―・い目にあわせる」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
惨として
さんとして 【惨として】 (連語)
⇒さん(惨)
惨め
みじめ【惨め(さ)】
misery.→英和
〜な miserable;→英和
poor;→英和
wretched.→英和
惨め
みじめ [1] 【惨め】 (名・形動)[文]ナリ
〔「見じ(=見タクナイ)」に「目」の付いた形から〕
見ていられないほどあわれなこと。なんとも情けないこと。また,そのさま。「敗戦後の―な生活」「―な思いをする」「見るも―な姿」
[派生] ――さ(名)
惨らしい
むごらし・い [4] 【惨らしい・酷らしい】 (形)[文]シク むごら・し
「むごたらしい(惨)」に同じ。
惨事
さんじ [1] 【惨事】
見ていられないような,むごたらしい事件。いたましい出来事。「ガス爆発の―」「大(ダイ)―」
惨事
さんじ【惨事】
<cause> a terrible accident;a disaster;→英和
a tragedy.→英和
惨刑
さんけい [0] 【惨刑】
残酷な刑罰。「異説の人を―に行ふに至る/自由之理(正直)」
惨劇
さんげき【惨劇】
<enact> a tragedy.→英和
惨劇
さんげき [0] 【惨劇】
むごたらしい筋の劇。また,そのような出来事・事件。「一家皆殺しの―」
惨害
さんがい [0] 【惨害】
いたましい被害。ひどい災害。
惨害
さんがい【惨害】
heavy damage;havoc;→英和
ravage.→英和
〜を与える work havoc <on> .〜を被る suffer heavily <from> .
惨忍
ざんにん [0] 【残忍・惨忍】 (名・形動)[文]ナリ
むごいことを平気でするさま。「―な仕打ち」「―な性格」
[派生] ――さ(名)
惨慄
さんりつ [0] 【惨慄】 (名)スル
残酷さや寒さなどで身ぶるいすること。「見るに随ひ聞くに随ひて皆―/菅家後集」
惨憺
さんたん [0] 【惨憺・惨澹】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)いたましくて見るに忍びないさま。「―たる結果に終わる」「―たる殺戮を世上に見るのみなりき/日本開化小史(卯吉)」
(2)あれこれと心を砕くさま。「苦心―」「自己の―たる労力の一部を割いて/土(節)」
(3)薄暗くて恐ろしいさま。「黄雲―とし,満眸皆な黄色/日本風景論(重昂)」
惨憺たる
さんたん【惨憺たる】
[無残な]tragic;horrible;→英和
miserable;→英和
[哀れな]pitiful;→英和
piteous.→英和
惨敗
ざんぱい【惨敗】
<suffer> a crushing defeat.〜する be crushed.
惨敗
ざんぱい [0] 【惨敗】 (名)スル
〔「さんぱい」とも〕
さんざんに負けること。みじめな負け方。「予選で―する」「―を喫する」
惨死
ざんし [0] 【惨死】 (名)スル
むごたらしくみじめな死に方をすること。「―するもの多数にいたる」
惨死する
ざんし【惨死する】
meet with a tragic death;be killed (in an accident).
惨殺
ざんさつ【惨殺】
slaughter;→英和
massacre.→英和
〜する murder;→英和
slaughter;→英和
butcher.→英和
‖惨殺死体 a mangled body.
惨殺
ざんさつ [0] 【惨殺】 (名)スル
〔「ざん」は慣用音〕
むごたらしい殺し方をすること。「捕虜を―する」
惨毒
さんどく [1][0] 【惨毒】 (名・形動)[文]ナリ
ひどく傷つける・こと(さま)。「財本を一朝悉(コトゴト)く烏有に帰せしむるが如き―なる大禍/明六雑誌 22」
惨況
さんきょう [0] 【惨況】
むごたらしいありさま。いたいたしい状態。惨状。「大地震の―を伝えるニュース」
惨澹
さんたん [0] 【惨憺・惨澹】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)いたましくて見るに忍びないさま。「―たる結果に終わる」「―たる殺戮を世上に見るのみなりき/日本開化小史(卯吉)」
(2)あれこれと心を砕くさま。「苦心―」「自己の―たる労力の一部を割いて/土(節)」
(3)薄暗くて恐ろしいさま。「黄雲―とし,満眸皆な黄色/日本風景論(重昂)」
惨烈
さんれつ [0] 【惨烈】 (名・形動)[文]ナリ
非常にむごたらしいこと。寒さなどの厳しいこと。また,そのさま。「―を極める」「其攻撃戦の如何に―なりしかを/肉弾(忠温)」
惨然
さんぜん [0] 【惨然】 (ト|タル)[文]形動タリ
心を痛めるさま。みじめなさま。「―として楽まざりしを憶ひ/佳人之奇遇(散士)」
惨状
さんじょう【惨状】
a disastrous scene;a wretched state;misery.→英和
〜を呈する present a terrible[disastrous]sight.
惨状
さんじょう [0] 【惨状】
むごたらしいありさま。いたいたしいありさま。「事故の―を物語る」
惨痛
さんつう [0] 【惨痛】
ひどく心を痛めて苦しむこと。また,その苦しみ。「その労苦―,おほかたならず/西国立志編(正直)」
惨禍
さんか【惨禍】
⇒惨害.
惨禍
さんか [1] 【惨禍】
(風水害・戦争・火災などによる)むごたらしい被害。いたましい災難。「戦争の―」
惨絶
さんぜつ [0] 【惨絶】 (名・形動)[文]ナリ
きわめて悲惨なさま。非常にむごいさま。「凄絶か,―か/此一戦(広徳)」
惨聞
さんぶん [0] 【惨聞】
いたましいうわさ。
惨苦
さんく [1] 【惨苦】
ひどい苦しみ。つらい苦しみ。「―を目(マ)のあたりにする」
惨落
さんらく [0] 【惨落】 (名)スル
相場が暴落すること。
惨酷
さんこく [0] 【惨酷・酸酷】
「残酷(ザンコク)」に同じ。「其―なる状態(アリサマ)は口の能(ヨ)く云尽し得べきにあらず/竜動鬼談(勤)」
惰力
だりょく【惰力】
⇒惰性.
惰力
だりょく [0] 【惰力】
(1)惰性の力。
(2)習慣による力。「まだ…江戸の町家の習慣律が―を持つてゐた/雁(鴎外)」
惰弱
だじゃく [0] 【惰弱・懦弱】 (名・形動)[文]ナリ
(1)積極的に物事をしようとする意気込みをもたないこと。意気地のないこと。気力に欠けること。また,そのさま。「―な心」「世の中が益々―に流れる/象(潤一郎)」
(2)体力の弱いこと。勢力の弱いこと。また,そのさま。「―な体を鍛えなおす」
惰性
だせい [0] 【惰性】
(1)「慣性」に同じ。
(2)今まで続いてきた習慣や癖。
惰性で
だせい【惰性で】
<run> by inertia (惰力);from[by]habit (習慣).
惰性的
だせいてき [0] 【惰性的】 (形動)
今までの習慣や癖だけでものごとに取り組むさま。
惰性系
だせいけい [0] 【惰性系】
⇒慣性系(カンセイケイ)
惰民
だみん [0] 【惰民】
貧困の原因をその者自身の怠惰心に求める考え方に基づき,貧困者をいった語。
惰気
だき [1] 【惰気】
なまけ心。怠る心。「―を払う」
惰眠
だみん [0] 【惰眠】
(1)なまけて眠ること。
(2)何もせずのらくらと日を暮らすこと。
惰眠を貪る
だみん【惰眠を貪(むさぼ)る】
idle away one's time.
惰走
だそう [0] 【惰走】 (名)スル
惰性で走り続けること。
惰農
だのう [0] 【惰農】
怠惰な農夫。
⇔精農
惲南田
うんなんでん 【惲南田】
惲格(ウンカク)の別名。
惲格
うんかく 【惲格】
(1633-1690) 中国,清代の画家。江蘇省出身。字(アザナ)は寿平,号は南田など。明末清初の六大画家四王呉惲(シオウゴウン)の一人。没骨(モツコツ)写生画風の着色花鳥画を得意とし,常州派と呼ばれた。画論に「南田画跋」がある。
想
そう サウ [1] 【想】
考え。構想。「―を練る」
想
そう【想】
an idea;→英和
a conception.→英和
〜を練る meditate <on> ;→英和
turn <a matter> over in one's mind.
想う
おも・う オモフ [2] 【思う・想う】 (動ワ五[ハ四])
(1)物事に対してある感情や意識をもつ。
(ア)心に浮かべる。また,想像する。「―・ったままを書く」「―・っていた通りの人」「春を―・わせるような日」
(イ)希望する。願う。「ヨーロッパへ行きたいと―・っている」
(ウ)恋い慕って,頭に思い浮かべる。「私の彼女を―・う気持ちに偽りはない」「私のことを―・ってくれる人」
(エ)心配して,頭に思い浮かべる。思いやる。「子を―・う親の心」「災害に遭った人のことを―・えば私など幸運なほうだ」
(オ)思い起こす。回想する。「異郷で故国を―・う」「亡き母を―・う」
(2)(「〜と思う」の形で文の述語につけて用いられる)〜が現在における話し手の個人的な判断や推量であることを示す。〜だろう。「あしたは晴れると―・う」「親は知らないだろうと―・う」
(3)(感情の内容を表す形容詞・形容動詞の連用形を伴い,「〜を…に思う」のような形で用いる)〜に対して,それが…であるという感情や評価をもつ。〜が…であると感ずる。「母をなくした子をあわれに―・う」「仲のよい二人をうらやましく―・う」
(4)(判断の内容を表す名詞を伴い,「〜を…と思う」の形で用いる)〜に対して,それが…であるという判断をもつ。〜が…であると断定する。「二人を同一人と―・っていた」「いずれの方法も最善とは―・えない」
(5)(「〜と思うと」「〜と思ったら」などの形で)二つのことがらが相次いで起こること,または二つのことがらが一緒に起こることを表す。〜するとすぐ。〜すると同時に。「彼は,来たと―・ったらもう帰ってしまった」「こちらで本を読んでいるやつがいるかと―・うと,あちらでテレビを見ているやつがいる」
(6)(「思うに」,「思えば」などの形で副詞的に用いて)話し手の個人的な判断や推量であることを示す。けだし。恐らく。確かに。「今にして―・うに,…」「―・えばずいぶん長い旅であった」
(7)そういう顔つきをする。気持ちを顔に表す。「いみじくなげかしげに―・ひたり/竹取」
(8)気が合う。「―・ふどち飲みての後は散りぬともよし/万葉 1656」
〔「念う」「憶う」「懐う」などとも書く〕
[可能] おもえる
[慣用] どうかと―/屁(ヘ)とも思わない・我と思わん者
想像
そうぞう【想像】
imagination;→英和
fancy;→英和
supposition (仮定);→英和
[推測](a) conjecture;→英和
(a) surmise;→英和
a guess.→英和
〜する imagine;→英和
fancy;→英和
suppose;→英和
conjecture;surmise;guess.〜(上)の imaginary.→英和
〜できる(も及ばない) (un)imaginable;→英和
(un)thinkable.→英和
〜が当たる guess right.〜をめぐらす give full play to one's imagination.‖想像妊娠 imaginary pregnancy.想像力 imaginative power.想像力に富んだ(乏しい) (un)imaginative.
想像
そうぞう サウザウ [0] 【想像】 (名)スル
頭の中に思い描くこと。既知の事柄をもとにして推し量ったり,現実にはありえないことを頭の中だけで思ったりすること。「―していたよりずっと立派だ」「―がつく」
想像力
そうぞうりょく サウザウ― [3] 【想像力】
〔英 imagination; (ドイツ) Einbildungskraft〕
〔哲〕
(1)想像する能力やはたらき。過去の表象を再生するもの,全く新しいイメージを創造するものなどに大別される。
(2)カントでは,感性と悟性とを媒介して認識を成立せしめる能力。すなわち直観における多様なものを結合して統覚による統一にもたらす能力。構想力。
想像妊娠
そうぞうにんしん サウザウ― [5] 【想像妊娠】
妊娠を切望あるいは恐れる婦人に時折みられる現象。無月経や悪阻(ツワリ),胎動の自覚,乳房の腫大,初乳の分泌などを呈するが,妊娠反応は陰性である。偽妊娠。
想到
そうとう サウタウ [0] 【想到】 (名)スル
あれこれ考えた末,考えがそのことに行き着くこと。思い至ること。「啓蒙の必要性に―する」
想夫恋
そうふれん サウフレン 【相府蓮・想夫恋・想夫憐】
雅楽の一。左方の新楽で,平調(ヒヨウジヨウ)の中曲。晋(シン)の大臣王倹が一時失脚し,清廉(セイレン)であることがわかって重任されたのを,泥中の蓮(ハス)の花にたとえて作ったという。舞はない。小督局(コゴウノツボネ)が弾奏して天皇の愛情をしのんだ平家物語中の話で有名。
想夫憐
そうふれん サウフレン 【相府蓮・想夫恋・想夫憐】
雅楽の一。左方の新楽で,平調(ヒヨウジヨウ)の中曲。晋(シン)の大臣王倹が一時失脚し,清廉(セイレン)であることがわかって重任されたのを,泥中の蓮(ハス)の花にたとえて作ったという。舞はない。小督局(コゴウノツボネ)が弾奏して天皇の愛情をしのんだ平家物語中の話で有名。
想定
そうてい サウ― [0] 【想定】 (名)スル
状況・条件などを仮にきめること。「大地震発生を―して防災訓練を行う」
想定する
そうてい【想定する】
suppose;→英和
imagine;→英和
estimate (見積もる).→英和
〜的 imaginary;→英和
hypothetic.
想察
そうさつ サウ― [0] 【想察】 (名)スル
事情や他人の心情などをおもいやること。推察。「未来の情状を―すれば/西国立志編(正直)」
想念
そうねん サウ― [1][0] 【想念】
心の中に浮かぶ考え。おもい。
想念
そうねん【想念】
a notion;→英和
an idea.→英和
想望
そうぼう サウバウ [0] 【想望】 (名)スル
心に思い描くこと。また,思い描いて待ち望むこと。「一夕の雅会を―して健羨に堪へず/俳諧師(虚子)」
想蘊
そううん サウ― [0] 【想蘊】
〔仏〕 事物を思い描く心のはたらき。表象作用。五蘊(ゴウン)の一。
想見
そうけん サウ― [0] 【想見】 (名)スル
想像すること。思い浮かべること。「詩趣ある人物を―するの好材料として/倫敦塔(漱石)」
想起
そうき サウ― [1] 【想起】 (名)スル
(1)思い出すこと。前にあったことを思い浮かべること。「前例を―されたい」
(2)〔(ギリシヤ) anamnēsis〕
プラトンの用語。人間の魂が真の知識であるイデアを得る過程。人間の魂が真の認識に至る仕方を,生まれる前に見てきたイデアを思い起こすこととして説明した。アナムネーシス。
(3)〔心〕「再生{(7)}」に同じ。
想起する
そうき【想起する】
recollect;→英和
remember.→英和
〜させる remind <a person of a thing> .→英和
惴惴
ずいずい [0] 【惴惴】 (ト|タル)[文]形動タリ
恐れてびくびくするさま。「その恐ろしさにソヒヤは日常―として物事に手を着くれば/鬼啾々(夢柳)」
惶惑
こうわく クワウ― [0] 【惶惑】 (名)スル
おそれ,まどうこと。「人皆疑懼―/新聞雑誌 5」
惶懼
こうく クワウ― [1] 【惶懼】
(1)おそれいること。恐懼。
(2)敬意を表すために手紙の末尾に書き添える語。「―再拝」
惸然
けいぜん [0] 【煢然・惸然】 (ト|タル)[文]形動タリ
孤独で頼るところのないさま。ひとりでさびしいさま。「―として吾独り在り/金色夜叉(紅葉)」
惸独
けいどく [0] 【煢独・惸独】
〔「惸」は兄弟のないこと,「独」は子のない老人の意〕
身寄りのないひとりもの。孤独の身。
惸独田
けいどくでん [4] 【惸独田】
平安時代,身寄りのない者や貧窮者を救うために設けた不輸租田。
惹く
ひ・く [0] 【引く・曳く・退く・牽く・惹く】
■一■ (動カ五[四])
□一□(他動詞)
(1)物に手をかけて近くへ寄せる。《引》
〔綱や網の場合は「曳く」とも書く〕
(ア)物に手をかけて力を入れ,全体を自分の方へ近寄せる。引っ張る。
⇔押す
「押しても―・いてもびくともしない」「地曳き網を―・く」
(イ)装置や道具の一部分を,自分の近くへ寄せる。「サイド-ブレーキを―・く」「ひもを―・くと明かりがつく」「引き金を―・く」
(ウ)引き抜く。「大根を―・く」「お前の山の小松―・き遊ぶ/源氏(初音)」
(2)人・動物や物を離れないようにつないだりして,自分が先に立ち,ともに移動する。引っ張る。
(ア)車両などを引っ張って進む。《引・牽・曳》「荷車を―・く」「たくさんの貨車を―・いた機関車」「犬に橇(ソリ)を―・かせる」
(イ)動物などをついて来させる。《引・曳》「馬を―・いて村へ帰る」
(3)無理について来させて,ある場所に移動させる。《引・曳》「屠所に―・かれる羊」
(4)地面をこすって進むようにする。引きずる。《引・曳》「裾(スソ)を―・く」
(5)自分の体の中に入れる。「かぜを―・く」
(6)人を誘い寄せる。
(ア)呼びこむ。誘いこむ。《引》「店先で客を―・く」
(イ)他人の注意・心をこちらに向けさせる。《引・惹》「人目を―・くような服」「同情を―・く」「美貌に―・かれる」「気を―・く」「人柄に―・かれる」
(7)線状の施設を作って,自分の方へ導き入れる。「用水路を作って水を―・く」「水道を―・く」「電話を―・く」
(8)のばす。《引》
(ア)縮んでいたものを広げる。「窓にカーテンを―・く」「幕を―・く」
(イ)表面に広く塗る。「フライパンに油を―・く」「蝋(ロウ)を―・いた紙」
(ウ)本体から長く伸びるようにする。「声を長く―・く」「裾を長く―・く」
(9)線を書く。線状に長く伸ばす。「線を―・く」「図面を―・く」「納豆が糸を―・く」
(10)長く続ける。「声を長く―・く」
(11)一部を取る。《引》
(ア)数量や金額について,一部を取り去る。少なくする。「一〇―・く三は七」「毎月の給料から税金を―・かれている」
(イ)言葉・証拠などをあげる。「徒然草の一節を―・く」「吉野川を―・きて世中をうらみきつるに/古今(仮名序)」
(ウ)くじ引きなどで,一つを選んで自分のものとする。「おみくじを―・く」「(トランプデ)ばばを―・く」
(エ)こっそり盗む。「ねずみが餅を―・く」
(12)辞書・索引などを参照する。《引》「辞書を―・いて調べる」「電話帳を―・いて番号を調べる」
(13)血統・素質などを受け継ぐ。《引》「この子は祖父の血を―・いて気が強い」「彼の哲学はドイツ観念論の流れを―・いている」
(14)弓に張った弦を引っ張る。また,弓につがえた矢を射る。《引》「的に向かって弓を―・く」
(15)退却させる。《引・退》
(ア)出ていた体・手足などを引っこめる。「体を―・いて車をよける」「もう少しあごを―・いて」
(イ)自分の側の軍勢を退却させる。「兵を―・く」
(ウ)(「身を引く」の形で)それまでかかわりのあった人や事柄との関係を断つ。「実業界から身を―・く」
(16)花札で遊ぶ。《引》「花札を―・く」
(17)引き出物として与える。また,配付する。「布施に馬を―・き給へりける/今鏡(村上の源氏)」
(18)湯を汲んで浴びる。「湯殿しつらひなどして御湯―・かせ奉る/平家 10」
(19)取り外す。「橋を―・いたぞ,誤ちすな,とどよみけれども/平家 4」
(20)贔屓(ヒイキ)にする。「この弟の左の大臣を院とともに―・き給ひて/今鏡(藤波中)」
□二□(自動詞)
(1)後ろにさがる。退却する。また,やり始めたことを途中でやめる。《引・退》「進むことも―・くこともできない」「言いだしたらあとには―・かない」
(2)長く続いた勤めをやめる。引退する。《引・退》「 H 先生はこの三月で本校をお―・きになる」「今度の公演を最後に舞台から―・くことになった」
(3)勤めなどを休む。「『寝てゐるか』『あい,此頃は―・いてやすが,お前だから出たのよ』/洒落本・寸南破良意」
(4)十分な程度にあったものがなくなる。《引・退》
⇔出る
「潮が―・く」「汗が―・く」「顔から血の気が―・く」「やっと熱が―・いた」「腫れが―・く」
[可能] ひける
■二■ (動カ下二)
⇒ひける
[慣用] あとを―・糸を―・尾を―・杖(ツエ)を―・手薬煉(テグスネ)を―・手を―・弓を―・我が田へ水を―/鼠(ネズミ)に引かれそう
惹句
じゃっく ジヤク― [1] 【惹句】
人の注意や興味をひきつけるための文句。広告などのうたい文句。キャッチフレーズ。
惹起
じゃっき ジヤク― [1] 【惹起】 (名)スル
事件や問題をひきおこすこと。「尽る期なき滑稽の葛藤を―せり/即興詩人(鴎外)」
惹起する
じゃっき【惹起する】
cause;→英和
bring about;give rise <to> .
惺門
せいもん 【惺門】
藤原惺窩(セイカ)の門下。
惺門四家
せいもんしか 【惺門四家】
惺門の四人の大家。林羅山・松永尺五・堀杏庵・那波活所の称。
惻惻
そくそく [0] 【惻惻】 (ト|タル)[文]形動タリ
かわいそうに思うさま。あわれみ悲しむさま。しょくしょく。「哀情の―として身に迫るのを感じる/うづまき(敏)」
惻然
そくぜん [0] 【惻然】 (ト|タル)[文]形動タリ
かわいそうに思うさま。同情するさま。惻惻。「先づ―として心を動かしぬ/天うつ浪(露伴)」
惻隠
そくいん [0] 【惻隠】
かわいそうに思うこと。あわれむこと。「―の情」
愁い
うれい ウレヒ [3][2] 【愁い・憂い】
(1)悪い状態になることを予想し心配すること。不安。「日本の将来に―をいだく」「後顧の―がない」
(2)心中にいだくもの悲しい思い。憂愁。「―を帯びた顔」「春の―」
(3)災い。難儀。「遠慮ノナイ者ワ必ズ近イ―ガアル/天草本伊曾保」
〔現代語では「うれえ」より「うれい」の方が一般的に用いられる〕
愁い事
うれいごと ウレヒ― [0][5] 【愁い事・憂い事】
(1)心配事。「―が絶えない」
(2)歌舞伎で,親子・夫婦の別れなど,愁嘆の演技。「やつしは甚左衛門,幸左衛門が思案事,四郎三(=俳優ノ名)が―/浄瑠璃・油地獄(上)」
愁い節
うれいぶし ウレヒ― [0] 【愁い節】
浄瑠璃で,愁嘆の表現に用いる節。
愁える
うれ・える ウレヘル [3] 【愁える・憂える】 (動ア下一)[文]ハ下二 うれ・ふ
(1)悪い状態になるのではないかと心配する。「道義の退廃を―・える」「子供の将来を―・える」
(2)(良くない状態を)嘆き悲しむ。「病身を―・える」「貧を―・ふべからず/徒然 217」
(3)嘆き訴える。嘆願する。「政かしこき世に―・へ奉らむとて,うれへ文を作りて/宇津保(あて宮)」
(4)病気になる。「昔は身の病を―・へき/今昔 7」
→うれう
愁ふ
うりょ・う ウレフ 【愁ふ・憂ふ】 (動ハ上二)
⇒うれう(愁)
愁ふ
うれ・う ウレフ [2] 【愁ふ・憂ふ】
■一■ (動ハ上二)
思いなやむ。心配する。「しるべなき旅の空に此の疾を―・ひ給ふは/読本・雨月(菊花の約)」
〔(1)本来は下二段活用と思われるが,中世以降上二段活用も用いられた。(2)連用形は現代語でも用いられることがある。「暴力の横行を―・いている」〕
■二■ (動ハ下二)
⇒うれえる
愁へ
うれえ ウレヘ 【愁へ・憂へ】
〔動詞「うれえる」の連用形から〕
(1)苦しみ。つらい思い。悲嘆。「草枕旅の―を慰もる事もありやと/万葉 1757」
(2)不満や苦しみを人に嘆き訴えること。愁訴。「かの―をしたる匠(タクミ)をば,かぐや姫呼びすゑて/竹取」
(3)悪い状態になることを予想して心配すること。不安。「民の―つひに空しからざりければ/方丈記」
(4)病気。「此の国の族,常に斯の―有り/大唐西域記(長寛点)」
(5)喪。忌中。「真の病とおやの―とに非ずして/日本書紀(天武訓)」
愁三重
うれいさんじゅう ウレヒ―ヂユウ [4] 【愁三重】
(1)浄瑠璃で,愁嘆場の終わりに愁いを強調する義太夫の節,および三味線の手。特に親子・肉親の生き別れ,死に別れなどの悲劇をもって終わる場面に多い。
(2)下座音楽の一。主役が愁いに沈んで花道を引っ込むときに用いる。幕外へ立て三味線が出て独奏する。次第にテンポを速めたあと,送り三重となる。「忠臣蔵」四段目,「熊谷陣屋」など。
愁傷
しゅうしょう シウシヤウ [0] 【愁傷】 (名)スル
嘆き悲しむこと。「娘二人はいかにも―致しまして/真景累ヶ淵(円朝)」
→御愁傷様
愁傷
しゅうしょう【愁傷】
(deep) sorrow;→英和
grief;→英和
lamentation.→英和
御愁傷さま I sympathize with you.
愁吟
しゅうぎん シウ― [0] 【愁吟】
うれい,かこつこと。
愁嘆
しゅうたん シウ― [0] 【愁嘆・愁歎】 (名)スル
(1)なげき悲しむこと。
(2)「愁嘆場」の略。「―に汗の出るのは宮芝居/柳多留 34」
愁嘆
しゅうたん【愁嘆】
(a) grief;→英和
sorrow.→英和
愁嘆場 a tragic[pathetic]scene.
愁嘆場
しゅうたんば シウ― [0] 【愁嘆場】
芝居で,嘆き悲しむ所作(シヨサ)をする場面。転じて,実生活の悲劇的な場面にもいう。愁嘆。
愁容
しゅうよう シウ― [0] 【愁容】
うれいをふくんだ表情。「此言を聞くや否,顔色忽ち―を顕はし/花柳春話(純一郎)」
愁思
しゅうし シウ― [1] 【愁思】
悲しい物思い。
愁悶
しゅうもん シウ― [0] 【愁悶】
うれえ,もだえること。「大に失望し,―特(コト)に深く/西国立志編(正直)」
愁情
しゅうじょう シウジヤウ [0] 【愁情】
悲しみに沈む気持ち。うれいの情。「満腔の―排(シリゾ)けがたし/日乗(荷風)」
愁文
うれえぶみ ウレヘ― 【愁文】
「愁状(ウレイジヨウ)」に同じ。「―を作りて,文挟みにはさみて出で立ち給ふ/宇津保(あて宮)」
愁歎
しゅうたん シウ― [0] 【愁嘆・愁歎】 (名)スル
(1)なげき悲しむこと。
(2)「愁嘆場」の略。「―に汗の出るのは宮芝居/柳多留 34」
愁死
しゅうし シウ― [1] 【愁死】 (名)スル
うれい悲しんで死ぬこと。
愁殺
しゅうさつ シウ― [0] 【愁殺】 (名)スル
〔「殺」は強意の助字〕
ひどく嘆き悲しむこと。しゅうさい。「郎(ロウ)を思ひ郎を恨んで,遂に其―するところと成る/春(藤村)」
愁殺
しゅうさい シウ― [0] 【愁殺】 (名)スル
⇒しゅうさつ(愁殺)
愁涙
しゅうるい シウ― [0] 【愁涙】
うれえ悲しんで涙を流すこと。また,その涙。「観賢深く―して/平家 10」
愁然
しゅうぜん シウ― [0] 【愁然】 (ト|タル)[文]形動タリ
うれいに沈んでいるさま。「―として彼は頭を俛(タ)れぬ/金色夜叉(紅葉)」
愁状
うれいじょう ウレヒジヤウ 【愁状】
中世,上位の者に裁可を求めて出した嘆願書。愁文(ウレエブミ)。
愁状
しゅうじょう シウジヤウ [0] 【愁状】
古代から中世にかけて,農民や地方官などが中央政府に国司などの不法の善処を求めるために提出した訴状。
愁眉
しゅうび シウ― [1] 【愁眉】
うれいにしかめた眉(マユ)。心配事のあるような顔つき。
愁眉を開く
しゅうび【愁眉を開く】
feel relieved.
愁絶
しゅうぜつ シウ― [0] 【愁絶】
ひどくうれえ悲しむこと。堪えられない悲しみ。
愁緒
しゅうしょ シウ― [1] 【愁緒】
〔「緒」は心の意〕
うれい悲しむ心。
愁腸
しゅうちょう シウチヤウ [0] 【愁腸】
うれえ悲しむ心。愁心。
愁色
しゅうしょく シウ― [0] 【愁色】
うれいを含んだ顔色。「―面に見(アラ)はれて曰く/花柳春話(純一郎)」
愁苦
しゅうく シウ― [1] 【愁苦】
うれえ苦しむこと。
愁訴
しゅうそ シウ― [1] 【愁訴】 (名)スル
(同情を求めて)苦しみや悲しみを訴えること。また,その訴え。「不定―」「先生に―するより外(ホカ)手段なしさ/緑簑談(南翠)」
愁雲
しゅううん シウ― [0] 【愁雲】
心にうれいを呼び起こす雲。転じて,うれい,悲しみに沈むことのたとえ。
愈
いよいよ [2] 【愈・愈愈・弥弥】 (副)
(1)前よりも程度がはなはだしくなるさま。ますます。「痛みが―ひどくなる」
(2)その時期がついにやって来たさま。とうとう。「―決戦だ」「―春になる」
(3)その時期が迫っているさま。「―の時」「―という時になったら助けよう」
(4)確かに。ほんとうに。どちらともいえなかった物事が確実になったときなどに使う。「―まちがいない」
愈
いよよ 【愈・弥】 (副)
〔「いよいよ」の略〕
ますます。いよいよ。「剣大刀―研ぐべし/万葉 4467」
愈愈
いよいよ [2] 【愈・愈愈・弥弥】 (副)
(1)前よりも程度がはなはだしくなるさま。ますます。「痛みが―ひどくなる」
(2)その時期がついにやって来たさま。とうとう。「―決戦だ」「―春になる」
(3)その時期が迫っているさま。「―の時」「―という時になったら助けよう」
(4)確かに。ほんとうに。どちらともいえなかった物事が確実になったときなどに使う。「―まちがいない」
愉快
ゆかい【愉快(なこと)】
(a) pleasure;→英和
fun;→英和
(a) joy;→英和
(a) delight.→英和
〜な(に) pleasant(ly);→英和
happy(-ily);→英和
cheerful(ly);→英和
delightful(ly).→英和
〜に過ごす have a good time;enjoy oneself.
愉快
ゆかい [1] 【愉快】 (名・形動)[文]ナリ
楽しくて気持ちのよい・こと(さま)。
⇔不愉快
「―な人間」「―に一日を過ごす」
[派生] ――が・る(動ラ五)――げ(形動)――さ(名)
愉快犯
ゆかいはん [2] 【愉快犯】
世間を騒がせ,その反響を楽しむことを目的とする犯罪。また,その犯人。
愉悦
ゆえつ [0] 【愉悦】 (名)スル
心から愉快に思って喜ぶこと。「善事をなすの後其心如何曰く―すべし/明六雑誌 9」
愉楽
ゆらく [0] 【愉楽】
よろこび楽しむこと。悦楽。
愉色
ゆしょく [0][1] 【愉色】
愉快そうな顔色。うれしそうな顔つき。喜色。
愍れみ
あわれみ アハレミ [0] 【哀れみ・憐れみ・愍れみ・憫れみ】
あわれむ気持ち。同情。慈悲。「―を乞(コ)う」「―をかける」
愍然
びんぜん [0] 【憫然・愍然】
■一■ (形動)[文]ナリ
かわいそうなさま。あわれむべきさま。「其の心根は,思へば―なものだ/破戒(藤村)」
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
{■一■}に同じ。「今の西洋諸国の有様を見て,―たる野蛮の歎を為すこともある可し/文明論之概略(諭吉)」
愍笑
びんしょう [0] 【憫笑・愍笑】 (名)スル
あわれみ笑うこと。また,あわれみのこもった笑い。「―を買う」「吾々の無智不徳遅鈍乱暴を―するのみにして/福翁百話(諭吉)」
意
い [1] 【意】
(1)心の働き。思っていること。気持ち。考え。「―のままに振る舞う」「―に反する」「―を新たにする」
(2)意味。わけ。「打ち消しの―を表す助動詞」
(3)〔仏〕 感覚を除いた,思考などの心の働き。
意に介する
かいする【意に介する】
mind;→英和
take <a matter> to heart.…を介して through (the medium of)….→英和
意に介する
い【意に介する(さない)】
(do not) mind[care].→英和
〜のごとく as one pleases.〜を強くする It is encouraging <to do> .
意のまま
いのまま [1] 【意のまま】 (連語)
物事が,思うようになるさま。「日本の政治を―に動かす」
意中
いちゅう【意中】
<open> one's heart.〜の人 a man[lady]of one's heart.
意中
いちゅう [0][1] 【意中】
心の中。心の中で考えていること。「―を探る」「―を伝える」
意中の人
いちゅうのひと [0][1] 【意中の人】
ひそかに適格者と考えている人。特に,恋い慕う異性。
意先筆後
いせんひつご [5] 【意先筆後】
書道で,まず頭の中に書く字のイメージを思い浮かべ,それがまとまってから書き始めよ,との教え。
意力
いりょく [1] 【意力】
意志の力。精神力。「理想に向つて著者と礎を築いて行くと云ふ―/一隅より(晶子)」
意匠
いしょう [1][0] 【意匠】
(1)工夫をめぐらすこと。趣向。「―を凝らす」
(2)美術工芸品・工業製品などの形・色・模様などをさまざまに工夫すること。また,その結果できた装飾。デザイン。
意匠
いしょう【意匠】
<elaborate> a design.→英和
‖意匠家 an artistic designer.意匠登録 registration of designs.
意匠広告
いしょうこうこく [4] 【意匠広告】
意匠・図案を主として,それに文字・文案を組み合わせた形式の新聞広告。
意匠権
いしょうけん [2] 【意匠権】
工業所有権の一。工業上利用できる新規の意匠を排他独占的に利用できる権利。意匠登録により発生し,15年間存続する。
意匠法
いしょうほう [0] 【意匠法】
意匠を創作した者に意匠権を付与するなど,意匠権の要件,効力等を定めた法。1959年(昭和34)制定。
意匠登録
いしょうとうろく [4] 【意匠登録】
意匠権およびそれにかかわる諸事項を,特許庁の意匠原簿に登録すること。
意匠紙
いしょうし [2] 【意匠紙】
織物の組織を描くための方眼紙,または長方形の区画線を縦横に引いた紙。経(タテ)糸が緯(ヨコ)糸の上に浮いている箇所を黒く塗って表す。
意向
いこう【意向】
<have> an intention[a mind] <to do> .→英和
〜を探る sound a person's views.
意向
いこう [0] 【意向・意嚮】
どうしたいか,どうするつもりかという考え。「相手の―をくみとる」「―をうける」
意味
いみ【意味】
(a) meaning[sense];→英和
significance (意義);→英和
import (趣旨).→英和
〜する mean;→英和
signify;→英和
imply (含意).→英和
〜のない meaningless;→英和
senseless.→英和
〜深長な meaningful.→英和
〜ありげな(に) significant(-ly).→英和
‖意味論 semantics.
意味
いみ [1] 【意味】 (名)スル
(1)言葉・記号などで表現され,また理解される一定の内容。「単語の―」「この文は―が通らない」
(2)ある表現・作品・行為にこめられた内容・意図・理由・目的・気持ちなど。「―もなく笑う」「彼が怒った―がわからない」「感謝の―で贈る」
(3)物事がある脈絡の中でもつ価値。重要性。意義。「ここであきらめては努力してきた―がない」「歴史的―」
(4)表現によって暗示的にほのめかされる深い味わい。含蓄。「言外の―」
(5)ある表現・行為・物事などのもつ内容を表すこと。「赤字はマイナスを―する」「あの微笑は何を―するのか」
意味付ける
いみづ・ける [4] 【意味付ける】 (動カ下一)
その事にどんな意味や価値があるかを明らかにする。「今回の事件を戦後史の上で―・ける」
意味合
いみあい [0] 【意味合(い)】
(背後の事情を含めた)意味。理由。わけ。「微妙な―を含む」
意味合い
いみあい [0] 【意味合(い)】
(背後の事情を含めた)意味。理由。わけ。「微妙な―を含む」
意味有りげ
いみありげ [4][0] 【意味有りげ】 (形動)
何か意味がありそうな様子。「―な笑い」
意味深
いみしん [0] 【意味深】 (形動)
「意味深長」の意の俗な表現。「―な笑い」
意味深長
いみしんちょう [1][1][0] 【意味深長】 (名・形動)[文]ナリ
奥深い意味をもっていること。裏に別の意味が隠されていること。また,そのさま。「―な言い回し」
意味素
いみそ [2] 【意味素】
⇒意義素(イギソ)(2)
意味論
いみろん [2] 【意味論】
〔semantics〕
(1)〔言〕 言語の意味現象を研究する分野。意味の本質探究,意味構造の分析,意味変化の原因・類型の分析などを行う。意義学。
(2)〔論〕 記号論の一分科。記号とそれが指し示す対象や事態との間の関係を取り扱う。特に論理学では,記号の解釈と真理概念を扱う分野を指す。
→構文論
→語用論
意嚮
いこう [0] 【意向・意嚮】
どうしたいか,どうするつもりかという考え。「相手の―をくみとる」「―をうける」
意図
いと [1] 【意図】 (名)スル
(1)何かをしようと考えること。「―した半分もできない」
(2)こうしようと考えていること。めざしていること。「敵の―を見抜く」
意図
いと【意図】
(an) intention;→英和
a design;→英和
(an) aim.→英和
〜する intend <to do> ;→英和
aim <at> .
意図的
いとてき [0] 【意図的】 (形動)
はっきりした考え・目的があるさま。「―ないやがらせ」
意固地
いこじ [0] 【意固地・依怙地】 (名・形動)
〔「意気地」の転という〕
つまらないことに意地を張り通す・こと(さま)。えこじ。「―な男」「―になる」
[派生] ――さ(名)
意地
いじ [2] 【意地】
(1)自分の考えを通そうと思う気持ち。強情な気持ち。「男の―」
(2)気だて。気性。心根。「―の悪い男」
(3)物をむさぼろうとする気持ち。特に,食べ物に対する執着。「食い―」「―がきたない」
(4)〔仏〕 六識(ロクシキ)のうちの,意識。心のはたらき。
意地
いじ【意地】
nature;→英和
temper (根性).→英和
〜の悪い ill-natured[-tempered];nasty;→英和
spiteful.→英和
〜悪く ill-naturedly;spitefully.→英和
〜の悪いことをする be nasty[malicious] <to a person> .〜のきたない greedy (食物に);→英和
mean (行為が).→英和
〜になって obstinately;→英和
stubbornly.→英和
〜をはる be obstinate[stubborn].〜を通す have one's own way.
意地くね悪い
いじくねわる・い イヂクネ― 【意地くね悪い】 (形)
〔近世語。「くね」は動詞「くねる」と同源〕
心がねじけていて,意地が悪い。「―・うふく客/洒落本・くたまき綱目」
意地っ張り
いじっぱり イヂツ― [4][5] 【意地っ張り】 (名・形動)
〔「いじばり」の転〕
強情で,自分の思うことをどうしても変えまいとするさま。また,そういう人。「頑固で―な人」
意地っ張り
いじっぱり【意地っ張り】
an obstinate person.
意地尽く
いじずく イヂヅク [0] 【意地尽く】
意地だけで物事をしようとすること。いじばり。「―でやり通す」
意地張り
いじばり イヂ― [3][4] 【意地張り】 (名・形動)
「いじっぱり」に同じ。「僕は―といふ点に於て/彼岸過迄(漱石)」
意地張る
いじば・る イヂ― [3] 【意地張る】 (動ラ五[四])
思ったことをどうしても通そうとする。意地をはる。「さも―・つた声で/浮雲(四迷)」
意地悪
いじわる イヂ― [3][2] 【意地悪】 (名・形動)
わざと人を困らせたりつらくあたったりすること。また,そうするさま,人。「―をして泣かせる」「―なことを言う」
意地悪い
いじわる・い イヂ― [4] 【意地悪い】 (形)[文]ク いぢわる・し
意地悪である。意地が悪い。「―・いことを言う」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
意地汚い
いじきたな・い イヂ― [5] 【意地汚い】 (形)[文]ク いぢきたな・し
〔「いじぎたない」とも〕
(1)食い意地が張っている。「がつがつ―・く食べる」
(2)物欲が盛んである。貪欲(ドンヨク)である。「―・くもうける」
意執
いしゅう [0] 【意執】
〔仏〕 ある考えに固執する心。
意外
いがい [0][1] 【意外】 (名・形動)[文]ナリ
思いがけない・こと(さま)。前もって考えていたこととちがう・こと(さま)。予想外。「―な人に会った」「病気は―に重い」
[派生] ――さ(名)
意外と
いがいと [0] 【意外と】 (副)
予想外に。意外に。「被害は―大きい」
意外な
いがい【意外な】
unexpected <result> ;→英和
unlooked-for <event> ;surprising <news> .〜にも unexpectedly;→英和
contrary to one's expectation.〜に思う be surprised <at,to hear that…> .
意外千万
いがいせんばん [4] 【意外千万】
全く予想もしていなかったこと。主によくないことにいう。「―のことに」
意字
いじ [1] 【意字】
一字ごとに特定の意味を表し,同時に,ある読み方を備えた文字。漢字・エジプトの象形文字の類。表意文字。義字。
⇔音字
意志
いし [1] 【意志】
(1)考え。意向。「―を固める」
(2)物事をなすにあたっての積極的なこころざし。「―の強い人」「―の力でやりとげる」
(3)〔哲・倫〕
〔will〕
ある目的を実現するために自発的で意識的な行動を生起させる内的意欲。道徳的価値評価の原因ともなる。
(4)〔心〕 生活体が示す目的的行動を生起させ,それを統制する心的過程。反射的・本能的な行動とは区別される。
(5)文法で,話し手のある事を実現させようとする意向を表す言い方。口語では助動詞「う・よう」,文語では助動詞「む(ん)」「むず(んず)」を付けて言い表す。
意志
いし【意志】
(a) will;→英和
(a) volition.→英和
〜が強い(弱い) have a strong (weak) will.〜の疎通を計る bring about a cordial understanding <between> .自由〜で of one's free will;of one's own accord.
意志が疎通する
そつう【意志が疎通する】
understand each other.意志の疎通を図る promote a better understanding <between> .
意志的
いしてき [0] 【意志的】 (形動)
意志の感じられるさま。「―な生き方」
意志薄弱
いしはくじゃく [1] 【意志薄弱】 (名・形動)[文]ナリ
意志が弱くて,忍耐・努力・決行などができない・こと(さま)。
意念
いねん [1] 【意念】
思い。考え。意識。「―ある故,法界の悪魔・悪霊毒気を吹き入れ吹きかけ/浄瑠璃・蝉丸」
意思
いし [1] 【意思】
(1)心の中に思い浮かべる,何かをしようという考え。思い。「撤回する―はない」
(2)〔法〕
(ア)民法上,欲求ないし承認。表示行為の直接の原因としての心理作用。
(イ)刑法上,自分の為(ナ)そうとする行為についての認識。
意思
いし【意思】
(an) intention;→英和
(a) mind.→英和
〜表示(をする) expression of (express) one's intention.…する〜はない have no intention of doing;have no mind to do.
意思主義
いししゅぎ [3] 【意思主義】
〔法〕 外に表れた表示行為が,まちがいなどで真意と一致しない場合に,真意の方を重んじて意思表示の効力を決める主義。
⇔表示主義
意思実現
いしじつげん [1] 【意思実現】
主として私法上,法律効果の発生を欲する意思を外部から推測するに足りる客観的行為。売却する旨の申し込みとともに送られてきた物を消費する行為など。
意思機関
いしきかん [4][3] 【意思機関】
⇒議決機関(ギケツキカン)
意思決定
いしけってい [1] 【意思決定】
ある目標を達成するために,複数の選択可能な代替的手段の中から最適なものを選ぶこと。デシジョン-メイキング。
意思決定論
いしけっていろん [5] 【意思決定論】
個人や組織の行動を特定の合理的条件の下で,選択,探索行動,決定の観点から研究する理論。
意思無能力者
いしむのうりょくしゃ [6][1][4] 【意思無能力者】
自己のなした行為につき十分に認識できず,その結果を判断・予測できない者。意思能力を欠く者。
意思能力
いしのうりょく [3] 【意思能力】
〔法〕 自分の行為の性質や結果を判断することのできる精神的能力。幼児・精神病者・泥酔者などは意思能力がないものとされ,その者のなした法律行為は無効であり,不法行為の責任も負わない。
意思表示
いしひょうじ [3] 【意思表示】 (名)スル
(1)考えを表し示すこと。「はっきりと―する」
(2)〔法〕 一定の法律上の効果の発生を望み,その意思を外部に表示する行為。
意思通知
いしつうち [3] 【意思通知】
自己の意思を他人に通知する行為で,それにより法律効果を生じるもの。催告など。
意想
いそう [0] 【意想】
思い。考え。
意想外
いそうがい [2] 【意想外】 (名・形動)[文]ナリ
予想外。意外。「―な結果」
意想外の
いそうがい【意想外の(に)】
unexpected(-ly).→英和
意業
いごう [1] 【意業】
〔仏〕 三業の一。思考・判断・意志などの心の働き。
意欲
いよく [1] 【意欲】
物事を積極的にしようとする意志・気持ち。「創作―」「新事業への―に燃えている」
意欲
いよく【意欲】
(a) volition;→英和
one's will.
意欲的
いよくてき [0] 【意欲的】 (形動)
積極的に行動しようとするさま。「―に取り組む」「―な活動」
意気
いき [1] 【意気】
(1)何か事をしようという積極的な心持ち。気構え。元気。「―に燃える」「人生―に感ず」
(2)気持ちの張りの強いこと。根性。いくじ。「―さへよければ歴々の地女(ジオンナ)よりは情ふかく/浮世草子・禁短気」
(3)気だて。心ばえ。気風(キツプ)。「梅川をだましたという男の―は違ふた/浄瑠璃・冥途の飛脚(上)」
意気
いき【意気】
spirit(s) (元気);→英和
morale (士気).→英和
〜揚々として(消沈して)いる be in high (low) spirits.〜投合する fall in <with one another> .
意気がる
いきが・る [3] 【意気がる・粋がる】 (動ラ五[四])
いかにもいきであるかのように振る舞う。いきぶる。「―・ったことを言う」
意気ちょん
いきちょん 【意気ちょん・粋ちょん】
〔近世後期,通人(ツウジン)の流行語〕
(1)粋なこと。また,気取っていること。「―の魔道に引入れんとおもへども/黄表紙・高慢斎行脚日記」
(2)男女間の機微にふれる事柄。「―なる話/黄表紙・四天王大通仕達」
(3)明和・安永頃(1764-1781)に流行した男の髪形。
意気地
いくじ [1][0] 【意気地】
〔「いきじ」の転〕
物事をやりとおす気力。他に負けまいとする意地。
意気地
いきじ [1][0] 【意気地】
他人と張り合ってでも,自分の思う事をやりとげようという気構え。気力。意地。いくじ。「男の―」
意気地のない
いくじ【意気地のない】
weak(hearted);→英和
weak-kneed;spineless <fellow> .→英和
〜なし(人) a coward.→英和
意気地無し
いくじなし [3] 【意気地無し】
困難・苦しみに耐える元気・気力のないこと。また,そういう人。弱虫。
意気張り
いきはり 【意気張り】
遊女が意気地を張り通すこと。「いつしか客も粋に成て,立ひき―/滑稽本・志道軒伝」
意気張り尽く
いきはりずく 【意気張り尽く】
意気を張って負けまいとすること。「ひよつと―で,もしものことがあつた時には/歌舞伎・助六」
意気投合
いきとうごう [1][1][0] 【意気投合】 (名)スル
互いの気持ちと気持ちとがぴったり合うこと。「会ったばかりでたちまち―する」
意気投合する
とうごう【意気投合する】
agree <with> ;→英和
fall in <with> ;get on[along]well <with> .
意気揚揚
いきようよう [1] 【意気揚揚】 (ト|タル)[文]形動タリ
得意で元気のあふれているさま。「―と引きあげる」
意気沮喪
いきそそう [1] 【意気阻喪・意気沮喪】 (名)スル
意気込みがくじけること。意気消沈。「失敗して―する」
意気消沈
いきしょうちん [1][0] 【意気消沈・意気銷沈】 (名)スル
元気をなくし,沈みこむこと。意気阻喪(ソソウ)。「失敗して―する」
意気組み
いきぐみ [4][0] 【意気組み】
「いきごみ(意気込)」の転。「影をも守らむ―であつた/婦系図(鏡花)」
意気衝天
いきしょうてん [1][0] 【意気衝天】
〔意気が天を衝くほど盛んであるの意〕
大いに意気のあがる状態。「―の勢い」
意気軒昂
いきけんこう [1] 【意気軒昂】 (ト|タル)[文]形動タリ
意気込みの盛んなようす。「老いてますます―」
意気軒昂としている
けんこう【意気軒昂としている】
be in high spirits.
意気込み
いきごみ【意気込み】
eagerness;zeal;→英和
enthusiasm;→英和
determination (決意).
意気込み
いきごみ [0][3] 【意気込み】
積極的に何かしようとする気持ち。いきぐみ。「大変な―で取り組む」
意気込む
いきご・む [3] 【意気込む】 (動マ五[四])
何かをしようとして張り切る。力をいれる。勢いこむ。「今度こそ成功させようと―・む」「―・んで答える」
意気込む
いきごむ【意気込む】
be eager[determined] <to do> ;be keen[intent] <on doing> .大いに意気込んで with great enthusiasm[ardor].
意気銷沈
いきしょうちん [1][0] 【意気消沈・意気銷沈】 (名)スル
元気をなくし,沈みこむこと。意気阻喪(ソソウ)。「失敗して―する」
意気阻喪
いきそそう [1] 【意気阻喪・意気沮喪】 (名)スル
意気込みがくじけること。意気消沈。「失敗して―する」
意気阻喪する
そそう【意気阻喪する】
lose heart;be dejected;be depressed;be in low spirits.
意況
いきょう 【意況】
(1)心の状態。[色葉字類抄]
(2)意味。「―の解(サト)り易きは,更に注せず/古事記(序訓)」
意義
いぎ【意義】
(a) meaning;→英和
significance.→英和
〜ある(のない) significant (meaningless;senseless).→英和
⇒意味.
意義
いぎ [1] 【意義】
(1)ある言葉によって表される内容。特に,その言葉に固有の内容・概念。「言葉の形態と―」
(2)物事が他との関連においてもつ価値や重要性。「―のある仕事」
意義深い
いぎぶか・い [4] 【意義深い】 (形)
大きな価値がある。重要である。「国際平和にとって―・い出来事」
意義符
いぎふ [2] 【意義符】
漢字の構成要素のうち意義を示す部分。「銅」の「金」,「江」の「氵」の部分など。意符。
意義素
いぎそ [2] 【意義素】
(1)語の意味を扱う言語学の一分野で,個々の語には一回ごとの具体的な用法の制約を離れても一定の基本的意味がある,とする立場から設定される意味的単位。意味成分。
(2)〔sememe〕
形態素が表す意味。意味素。
→形態素(1)
(3)〔(フランス) sémantème; 英 semanteme〕
実質的意味を表す単語または単語の形の一部分。意義部。
⇔形態素(2)
意臨
いりん [0] 【意臨】
書道の臨書で,手本の字形には拘泥せず,もっぱら筆意を写すこと。
意表
いひょう [0] 【意表】 (名・形動)
思いも及ばないこと。意外なこと。また,そのさま。「―に出て驚かせる」「代助には―な返事をした/それから(漱石)」
意表をつく
いひょう【意表をつく】
take <a person> by surprise.
意表外
いひょうがい [2] 【意表外】 (名・形動)
意外な・こと(さま)。思いのほか。「―の行動」
意見
いけん【意見】
(1)[考え]an opinion;→英和
an idea;→英和
a view.→英和
(2)[忠告]advice;→英和
admonition (いさめ);→英和
reproof (小言).→英和
〜する advise;→英和
admonish.→英和
〜を述べる(尋ねる) give one's opinion (ask a person's opinion).
意見
いけん [1] 【意見】 (名)スル
(1)ある事についてもっている考え。「―を述べる」「―を聞く」「―書」
(2)道理や利害を説いて他人を戒めること。説教。「どら息子に―する」
(3)室町幕府の訴訟において,右筆方が衆議して将軍に提出する答申。
意見封事
いけんふうじ [4] 【意見封事】
古代,律令官僚が天皇の命により,密封して提出した政治上の意見書。封事。三善清行の「意見封事十二箇条」や,菅原文時の「意見封事三箇条」が有名。
意見広告
いけんこうこく [4] 【意見広告】
組織または個人が,特定の事柄についての自らの意見を主張するために行う広告。
意見状
いけんじょう [0] 【意見状】
室町幕府の右筆方が,将軍の諮問に答える形で出した上申文書。
意解
いげ [1] 【意解】
〔仏〕 心の解脱(ゲダツ)。
意訳
いやく【意訳(する)】
(give) a free translation.
意訳
いやく [0] 【意訳】 (名)スル
原文の一語一語にこだわらず,全体の意味をとって翻訳すること。また,その訳。「日本人にわかりやすく―する」
→直訳
→逐語訳
意識
いしき【意識】
<lose> consciousness;→英和
<recover one's> senses.〜する(しない) be (un)conscious[(un)aware] <of> .→英和
〜的(に) conscious(ly);deliberate(ly).→英和
意識
いしき [1] 【意識】 (名)スル
(1)
(ア)物事に気づくこと。また,その心。感知。知覚。「―を集中する」「人の目を―する」
(イ)(混濁・無意識などに対して)はっきりした自律的な心の働きがあること。自覚。覚醒。見当識。「―を失う」「―が残っている」
(2)状況・問題のありようなどを自らはっきり知っていること。「―が高い」「罪の―」
(3)〔哲・心〕
〔(ドイツ) Bewußtsein; 英 consciousness〕
(ア)思考・感覚・感情・意志などを含む広く精神的・心的なものの総体。特に対象を認識する心の働き。主観。物質・存在・世界・自然など,客観的なものに対する。現象学では世界を構成する超越論的自我の働き,また唯物論では存在に拘束される観念一般を意識と呼ぶ。
(イ)単なる直接的な情意作用や知覚ではなく,自他の在り方自身を察知する明瞭で反省的な心の状態。また,その作用・内容など。自己自身を対象化する対自的・反省的働き,人格あるいは自我による統一・自律,一定水準の明晰(メイセキ)さなどによって規定される。自己意識。
(4)〔仏〕
〔梵 mano-vijñāna〕
六識の一。感覚器官による眼・耳・鼻・舌・身の五識に対し,心の働き,精神の働きのこと。第六識。
意識の流れ
いしきのながれ [1] 【意識の流れ】
〔stream of consciousness〕
ウィリアム=ジェームズの心理学の用語。常に生成・変化する意識を統一的な流れとして総合的に把握すべきだとする説。文学上では,J =ジョイス,V =ウルフ,W =フォークナーなどにみられる内面描写の手法。
意識一般
いしきいっぱん [1] 【意識一般】
〔(ドイツ) Bewußtsein überhaupt〕
〔哲〕 カントの用語。単なる意識ではなく,多様な直観を統一する根拠としての自己意識。純粋意識。統覚。
意識不明
いしきふめい [1][1][0] 【意識不明】
意識がなくなった状態。
意識的
いしきてき [0] 【意識的】 (形動)
自分でもそうと知りながらしているさま。故意。意図的。
⇔無意識的
「あれは彼の―な発言だ」
意識障害
いしきしょうがい [4] 【意識障害】
意識の明るさ(覚醒(カクセイ)度)が低下したり,思考・判断・記憶などの能力が損なわれた状態。昏睡・傾眠・譫妄(センモウ)・錯乱・朦朧(モウロウ)状態などさまざまな段階に区分される。
意趣
いしゅ [1] 【意趣】
(1)他人の仕打ちに対する恨み。「―を晴らす」「―を含む」
(2)心の向かう所。考え。意向。趣向。「格調高雅,―卓逸/山月記(敦)」「全く別の―にあらず/保元(上・古活字本)」
(3)意地。いきがかり。「―なればと思ひて/著聞 9」
(4)わけ。理由。「神妙に―をのべ物の見事に討たんずる/浄瑠璃・堀川波鼓(下)」
(5)「意趣返し」に同じ。「昨日の―に一番参ろか/浄瑠璃・神霊矢口渡」
意趣
いしゅ【意趣】
a grudge <against> .→英和
意趣返しをする take one's revenge <on> ; <話> get back <at> .
意趣斬り
いしゅぎり 【意趣斬り】
恨みを晴らすために人を斬り殺すこと。「とどめをさしてござるが,―か/歌舞伎・幼稚子敵討」
意趣晴らし
いしゅばらし [3] 【意趣晴らし】
「意趣返し」に同じ。
意趣討ち
いしゅうち 【意趣討ち】
恨みを晴らすため,相手を討つこと。「―か時の口論か/浄瑠璃・信州川中島」
意趣返し
いしゅがえし [3] 【意趣返し】
仕返しをして恨みを晴らすこと。報復。意趣晴らし。
意馬心猿
いばしんえん [1] 【意馬心猿】
〔仏〕 妄念や煩悩(ボンノウ)が激しく,心の乱れが抑えられないのを,奔馬や野猿が騒ぐのを抑えがたいさまにたとえた語。
愕き
おどろき [0][4] 【驚き・愕き・駭き】
びっくりすること。おどろくこと。「内心の―を隠せない」
愕く
おどろ・く [3] 【驚く・愕く・駭く】 (動カ五[四])
(1)思いがけないことにあって,落ち着きを失う。びっくりする。「事の意外さに―・く」
(2)思い知らされて,感心したりあきれたりする。「達者な日本語に―・く」「君の世間知らずには―・いた」
(3)はっと気づく。「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ―・かれぬる/古今(秋上)」
(4)目がさめる。「起し給へば,…ふと―・きぬ/源氏(空蝉)」
〔現代も四国地方などで用いられる〕
愕愕
がくがく [0] 【諤諤・愕愕】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)遠慮せずに正しいと思うことを述べたてるさま。「侃々(カンカン)―」「―として飾り無く云ひ放たるれば/二宮尊徳(露伴)」
(2)やかましくしゃべりまくるさま。
愕然
がくぜん [0] 【愕然】 (ト|タル)[文]形動タリ
非常におどろくさま。「意外な結果を聞いて―とする」「―たる思い」
愕然として
がくぜん【愕然として】
in amazement.
愕眙
がくち [1] 【愕眙】 (名)スル
驚いて目を見張ること。
愚
ぐ [1][0] 【愚】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
おろかなこと。くだらないこと。また,そのさま。「己の―を恥じる」「―なること殆んど児戯に似たれど/三日月(浪六)」
■二■ (代)
一人称。自分を謙遜していう語。「東武にひろめて―の手柄にしたく候/芭蕉書簡」
愚
ぐ【愚】
(a) folly;→英和
stupidity.〜な foolish;→英和
stupid.→英和
〜にもつかぬことを言う talk non sense.
愚か
おろか [1] 【愚か】 (形動)[文]ナリ
〔「おろか(疎)」と同源〕
(1)頭の働きがにぶいさま。考えが足りないさま。「―な子ほどかわいい」
(2)ばかげているさま。「―なことを言うな」
(3)未熟である。劣っている。「かしこき人の,この芸には―なるを見て/徒然 193」
[派生] ――さ(名)
愚かしい
おろかし・い [4] 【愚かしい】 (形)[文]シク おろか・し
〔形容動詞語幹「愚か」の形容詞化〕
おろかだ。愚鈍だ。「―・い所業」
〔平安末期から現れる語〕
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
愚かな
おろか【愚かな】
foolish;→英和
silly;→英和
stupid.→英和
〜にも…する be foolish enough <to do> .‖愚か者 a fool;a foolish person.
愚か者
おろかもの [0] 【愚か者】
愚かな人間。ばかもの。ぐしゃ。
愚か聟
おろかむこ [4] 【愚か聟】
昔話の一。愚かな聟の愚行や失敗を語る笑い話。
愚る
お・る 【愚る】 (動ラ下二)
ぼける。「おのづから―・れたる事こそ出で来べかめれ/源氏(乙女)」
愚人
ぐにん [0] 【愚人】
愚かな人。愚者。ぐじん。
愚人
ぐじん [0] 【愚人】
おろかな人。愚者。ぐにん。
愚作
ぐさく [0] 【愚作】
(1)つまらない作品。
(2)自分の作品をへりくだっていう語。
愚僧
ぐそう 【愚僧】
■一■ [0] (名)
おろかな僧。
■二■ [0][1] (代)
一人称。僧侶が自分をへりくだっていう語。
愚兄
ぐけい [0] 【愚兄】
(1)愚かな兄。「―賢弟」
(2)自分の兄をへりくだっていう語。
愚公
ぐこう 【愚公】
「列子(湯問)」に登場する中国古代の伝説上の人物。家の前に二つの大山があり,出入りに不便であったため,家族とともに山を移し始めた。智叟(チソウ)(利口者)がその愚かさを嘲笑したが,意に介さず,天帝はその志に感じて山を移動させたという。
愚劣
ぐれつ [0] 【愚劣】 (名・形動)[文]ナリ
ばからしく何の価値もない・こと(さま)。「―極まる考え」「―な奴」
[派生] ――さ(名)
愚劣な
ぐれつ【愚劣な】
silly;→英和
stupid.→英和
愚命
ぐめい [0] 【愚命】
自分の命をへりくだっていう語。
愚問
ぐもん [0] 【愚問】
くだらない質問。また,自分の質問をへりくだっていう語。
愚問
ぐもん【愚問】
a silly[stupid]question.
愚問愚答
ぐもんぐとう [0] 【愚問愚答】
くだらない質問とくだらない答え。つまらない問答。
愚問賢註
ぐもんけんちゅう 【愚問賢註】
歌論書。一巻。二条良基・頓阿共著。1363年成立。良基の問いに対して頓阿が答える形で,歌体・本歌取り・制詞・歌の病(ヤマイ)などを二条派の立場から論じたもの。
愚図
ぐず【愚図】
a laggard;→英和
an irresolute person.
愚図
ぐず グヅ [1] 【愚図】 (名・形動)
〔「愚図」は当て字〕
はきはきせず,動作・決断を素早くしないこと。また,その人やそのさま。「―な奴」
愚図つく
ぐずつ・く グヅ― [0] 【愚図つく】 (動カ五[四])
〔「愚図」は当て字〕
(1)態度・動作がはっきりしない。ぐずぐずしている。「単にそれ等ばかりで大阪に―・いて居るのではなかつた/行人(漱石)」
(2)赤ん坊などが,機嫌が悪くて泣いたりだだをこねたりする。ぐずる。
(3)雨が降ったりやんだりしていて,天気がはっきりしない。「―・いた天気が続く」
愚図ら愚図ら
ぐずらぐずら グヅラグヅラ [1] 【愚図ら愚図ら】 (副)
〔「愚図」は当て字〕
(「と」を伴っても用いる)動作がひどく鈍いさま。ぐずぐずしているさま。また,ぶつぶつ不平不満などを言うさま。「昼近くまで―と寝床に入っている」「くだらないことをいつまでも―と言う」
愚図り
ぐずり グヅリ [3] 【愚図り】
〔動詞「ぐずる」の連用形から。「愚図」は当て字〕
(1)子供がぐずること。だだをこねること。「―泣き」
(2)いいがかりをつけること。また,いいがかりをつける人。「今日の御芽出度(オメデタ)を見かけて,―にうせたのぢや/歌舞伎・桑名屋徳蔵」
愚図る
ぐず・る グヅル [2] 【愚図る】 (動ラ五[四])
〔「愚図」は当て字〕
(1)機嫌が悪くいうことをきかず困らせる。だだをこねる。「子供が―・る」
(2)言いがかりをつける。「おいらが往つて―・りかけて,爰へおこすは/浄瑠璃・奥州安達原」
愚図愚図
ぐずぐず グヅグヅ 【愚図愚図】
〔「愚図愚図」は当て字〕
■一■ [1] (副)スル
(1)てきぱき行動せず,のろのろしているさま。「―していて時間に遅れる」
(2)ぶつぶつ不平を言うさま。「―言うな」
(3)はっきりと定まらないさま。「―した天気」
■二■ [0] (形動)
物のしまりのないさま。また,しまりなく崩れるさま。「着物が―になる」「豆腐が―になる」
愚夫
ぐふ [1] 【愚夫】
(1)愚かな男。
(2)自分の夫をへりくだっていう語。
愚女
ぐじょ [1] 【愚女】
(1)おろかな女。
(2)自分の娘をへりくだっていう語。
愚妹
ぐまい [0] 【愚妹】
自分の妹をへりくだっていう語。
愚妻
ぐさい [0] 【愚妻】
自分の妻をへりくだっていう語。
愚姉
ぐし [1] 【愚姉】
自分の姉をへりくだっていう語。
愚婦
ぐふ [1] 【愚婦】
(1)愚かな女。
(2)自分の妻をへりくだっていう語。愚妻。
愚存
ぐぞん [0] 【愚存】
自分の考えをへりくだっていう語。愚考。愚案。
愚察
ぐさつ [0] 【愚察】 (名)スル
自分の考察・推察をへりくだっていう語。「本件の原因を―するに」
愚将
ぐしょう [0] 【愚将】
おろかな将。無能な将軍。
愚弄
ぐろう [0] 【愚弄】 (名)スル
人を馬鹿にして,からかうこと。「人を―する」
愚弄する
ぐろう【愚弄する】
mock <at> ;→英和
make fun[a fool]of.
愚弟
ぐてい [0] 【愚弟】
(1)愚かな弟。「―賢兄」
(2)自分の弟をへりくだっていう語。
愚心
ぐしん [0] 【愚心】
(1)おろかな心。
(2)自分の心・考えをへりくだっていう語。
愚忠
ぐちゅう [0] 【愚忠】
(1)おろかしい忠義だて。
(2)自分の忠義についてへりくだっていう語。微忠。
愚息
ぐそく [0] 【愚息】
自分の息子をへりくだっていう語。豚児。
愚意
ぐい [1] 【愚意】
自分の意見・考えを謙遜していう語。愚見。愚案。
愚愚し
おれおれ・し 【愚愚し】 (形シク)
ぼんやりしている。愚かである。「もとより―・しき人の心にて/源氏(手習)」
愚慮
ぐりょ [1] 【愚慮】
愚かな考え。また,自分の考えをへりくだっていう語。
愚才
ぐさい [0] 【愚才】
自分の才知をへりくだっていう語。
愚拙
ぐせつ [0] 【愚拙】
■一■ [0] (名)
おろかでつたないこと。
■二■ [1] (代)
一人称。男性が自分をへりくだっていう語。愚生。
愚挙
ぐきょ [1] 【愚挙】
ばかげた企て。おろかな振る舞い。
愚推
ぐすい [0] 【愚推】
おろかな推量。自分の推測をへりくだっていう語。
愚昧
ぐまい [0] 【愚昧】 (名・形動)[文]ナリ
愚かで道理にくらい・こと(さま)。「―な人」「―卑屈の町人輩(バラ)/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
[派生] ――さ(名)
愚昧
ぐまい【愚昧(な)】
stupidity (stupid);ignorance (ignorant).→英和
愚昧記
ぐまいき 【愚昧記】
平安末期から鎌倉初期の公家三条実房の日記。1167年から95年の記事が部分的に残る。当時の政局の推移に詳しい。愚昧御記。実房記。
愚智
ぐち [1] 【愚知・愚智】
愚かなことと知恵のあること。また,愚者と知者。
愚暗
ぐあん [0] 【愚闇・愚暗】
おろかで道理にくらいこと。暗愚。「重盛が無才―の身をもて/平家 2」
愚書
ぐしょ [1] 【愚書】
(1)くだらない内容の本。
(2)自分の書いた手紙や書物などをへりくだっていう語。
愚札
ぐさつ [0] 【愚札】
自分の手紙をへりくだっていう語。
愚案
ぐあん [0] 【愚案】
(1)くだらない考え。愚考。
(2)自分の考えを謙遜していう語。愚見。「手近いところで―いたしますれば/安愚楽鍋(魯文)」
愚母
ぐぼ [1] 【愚母】
自分の母をへりくだっていう語。
愚民
ぐみん [0] 【愚民】
愚かな人民。
愚民政策
ぐみんせいさく [4] 【愚民政策】
為政者が民衆を無知・無教養の状態におしとどめ,その批判力を奪い,支配体制の維持を図ろうとする政策。
愚民政策
ぐみん【愚民(化)政策】
an ochlocratic policy.
愚父
ぐふ [1] 【愚父】
自分の父をへりくだっていう語。
愚物
ぐぶつ [0] 【愚物】
ばかな人。愚か者。愚人。
愚状
ぐじょう [0] 【愚状】
自分の手紙をへりくだっていう語。
愚生
ぐせい [1] 【愚生】 (代)
一人称。男性が書簡文などで自分をへりくだっていう語。小生。
愚痴
ぐち [0] 【愚痴】
(1)言ってもしかたがないことを言って嘆くこと。「―を言う」「―をこぼす」
(2)〔仏〕 三毒の一。物事を正しく認識したり判断したりできないこと。愚かであること。痴。癡。
愚痴
ぐち【愚痴】
an idle complaint.〜をこぼす grumble <at> ;→英和
complain <of,about> .→英和
〜っぽい grumbling <old man> .
愚痴っぽい
ぐちっぽ・い [4] 【愚痴っぽい】 (形)
愚痴をこぼしがちである。「年を取って―・くなった」
愚痴る
ぐち・る [2] 【愚痴る】 (動ラ五[四])
〔名詞「ぐち」の動詞化〕
ぐちをこぼす。不平を言う。「さんざん―・って帰った」
愚痴無知
ぐちむち [3] 【愚痴無知】
知恵の浅いこと。また,その人。「お政如き―の婦人に/浮雲(四迷)」
愚痴話
ぐちばなし [3] 【愚痴話】
言ってもしかたのないことをくどくどと言って嘆く話。
愚直
ぐちょく [0] 【愚直】 (名・形動)[文]ナリ
正直すぎて気のきかない・こと(さま)。馬鹿正直。「―な男」
[派生] ――さ(名)
愚直な
ぐちょく【愚直な】
simple and honest.
愚知
ぐち [1] 【愚知・愚智】
愚かなことと知恵のあること。また,愚者と知者。
愚神礼讃
ぐしんらいさん 【愚神礼讃】
⇒痴愚神礼讃(チグシンライサン)
愚禿
ぐとく [1] 【愚禿】 (代)
〔愚かなはげ頭の人間の意〕
(1)一人称。僧侶が自分のことをへりくだっていう語。
(2)特に,親鸞(シンラン)の自称。「―悲嘆述懐/正像末浄土和讃」
愚禿鈔
ぐとくしょう 【愚禿鈔】
親鸞(シンラン)の著。二巻。1255年成立。仏教の教説を分類・批判し,浄土真宗の教判的立場を明らかにしたもの。
愚稿
ぐこう [0] 【愚稿】
自分の文章・詩歌などの原稿をへりくだっていう語。
愚筆
ぐひつ [0] 【愚筆】
自分の手跡をへりくだっていう語。
愚答
ぐとう [0] 【愚答】
愚かな答え。また,自分の答えをへりくだっていう語。「賢問―」
愚策
ぐさく [0] 【愚策】
(1)おろかな方策。
(2)自分の方策をへりくだっていう語。
愚管抄
ぐかんしょう グクワンセウ 【愚管抄】
歴史書。七巻。慈円著。1220年成立か。神武天皇から順徳天皇に至る歴史と,その歴史を動かす「道理」とを仮名文でつづる。
愚老
ぐろう [0][1] 【愚老】 (代)
一人称。老人が自分をへりくだっていう語。
愚考
ぐこう [0] 【愚考】 (名)スル
自分の考えをへりくだっていう語。愚見。「以上のように―する次第であります」
愚者
ぐしゃ [1] 【愚者】
おろかな人。ばか者。
⇔賢者
愚者
おれもの 【愚者】
おろかもの。ばかもの。「深き労なき―も/源氏(絵合)」
愚臣
ぐしん [0] 【愚臣】
■一■ (名)
おろかな臣下。
■二■ (代)
一人称。主君に対して自分のことをへりくだっていう語。
愚草
ぐそう [0] 【愚草】
自分の草稿をへりくだっていう語。
愚蒙
ぐもう [0] 【愚蒙】 (名・形動)[文]ナリ
おろかな・こと(さま)。愚昧(グマイ)。「狡黠なる外国人の為に―なる邦人の損失を受けんことを/明六雑誌 24」
愚行
ぐこう [0] 【愚行】
おろかなおこない。「―を重ねる」
愚衷
ぐちゅう [0] 【愚衷】
自分の心情をへりくだっていう語。「―をお察しあれ」
愚見
ぐけん [0] 【愚見】
自分の意見や考えをへりくだっていう語。愚考。
愚計
ぐけい [0] 【愚計】
(1)愚かな計画。
(2)自分の計画をへりくだっていう語。
愚詠
ぐえい [0] 【愚詠】
自作の詩歌をへりくだっていう語。
愚説
ぐせつ [0] 【愚説】
(1)ばかげた意見。ばからしい考え。
(2)自分の意見をへりくだっていう語。
愚論
ぐろん【愚論】
a foolish argument;nonsense.→英和
愚論
ぐろん [0] 【愚論】
(1)おろかな論。つまらない意見,また議論。
(2)自分の意見をへりくだっていう語。
愚身
ぐしん [0] 【愚身】 (代)
自分をへりくだっていう語。「―の信心におきてはかくのごとし/歎異抄」
愚輩
ぐはい [0] 【愚輩】 (代)
一人称。自分のことをへりくだっていう語。
愚迷
ぐめい [0] 【愚迷】 (名・形動)[文]ナリ
愚かで迷いの多い・こと(さま)。
愚連隊
ぐれんたい [0] 【愚連隊】
〔「ぐれる」から出た語。「愚連」は当て字〕
定職がなく,繁華街などをうろつき,暴行やゆすりなどをする不良少年や不良少女の集まり。
愚鈍
ぐどん [0] 【愚鈍】 (名・形動)[文]ナリ
無知で間が抜けていること。知力が足りないこと。また,そのさま。のろま。「尚だ人間が―な時代には/社会百面相(魯庵)」
愚鈍な
ぐどん【愚鈍な】
stupid;→英和
silly.→英和
愚闇
ぐあん [0] 【愚闇・愚暗】
おろかで道理にくらいこと。暗愚。「重盛が無才―の身をもて/平家 2」
愚陋
ぐろう [0] 【愚陋】 (名・形動)[文]ナリ
おろかでいやしい・こと(さま)。愚劣。
愚騃
ぐがい [0] 【愚騃】 (名・形動)[文]ナリ
知恵がなくおろかな・こと(さま)。愚鈍。愚魯。「如何に―なる主人と雖(イエドモ)/吾輩は猫である(漱石)」
愛
まな 【愛・真】
■一■ (名)
かわいい子。いとしい女。「あしひきの山沢人の人さはに―と言ふ児があやにかなしさ/万葉 3462」
■二■ (接頭)
(1)人を表す名詞に付いて,大切に育てている,特別にかわいがっているなどの意を表す。「―娘」「―弟子」
(2)名詞に付いて,ほめたたえる気持ちを添える。「―鹿(カ)」
愛
あい【愛】
love <for a person,of a thing> ;→英和
affection <for,toward a person> (情愛);→英和
attachment (愛着).→英和
愛
え 【愛】 (接頭)
名詞に付いて,愛すべき,いとしい,の意を表す。「あなにやし,―をとこを/古事記(上)」
愛
あい [1] 【愛】
(1)対象をかけがえのないものと認め,それに引き付けられる心の動き。また,その気持ちの表れ。
(ア)相手をいつくしむ心。相手のために良かれと願う心。「子への―」「―を注ぐ」「―の手をさしのべる」
(イ)異性に対して抱く思慕の情。恋。「―が芽生える」「―を告げる」「―をはぐくむ」
(ウ)何事にもまして,大切にしたいと思う気持ち。「学問に対する―」
(2)キリスト教で,神が人類を限りなく深くいつくしむこと。
→アガペー
(3)〔仏〕 人や物にとらわれ,執着すること。むさぼり求めること。渇愛。
(4)他人に好ましい印象を与える容貌や振る舞い。あいそ。あいきょう。「阿呆口たたけば,夫が―に為つて/滑稽本・浮世風呂 4」
愛い
う・い 【愛い】 (形)
感心だ。殊勝である。かわいい。「―・い奴」「―・い若い者,出かした,出かした/浄瑠璃・本朝三国志」
〔ほとんど連体形のみ。目下の者をほめるのに用いる〕
愛おしい
いとおし・い イトホシイ [4] 【愛おしい】 (形)[文]シク いとほ・し
(1)かわいく,大事に思うさま。いとしい。かわいらしい。「年をとってからの子なのでよけいに―・い」
(2)気の毒だ。かわいそうだ。不便だ。「両親に死なれてなんとも―・い子たち」「―・しの有様やと亡骸(ナキガラ)に抱付き/浄瑠璃・忠臣蔵」
(3)困ったことである。苦痛に感ぜられる。「我がわづかに知れる方の事を,残なく見せつくさむ,と思へるこそ―・しけれ/源氏(帚木)」
〔語源は「いたわしい」の母音交替形。一説に,動詞「いとう(厭)」の形容詞化とも。心を痛めるさまを表すのが原義。自己に対しては(3),他者に対しては(1)(2)の意となる〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
愛おしむ
いとおし・む イトホシ― [4] 【愛おしむ】 (動マ五[四])
(1)愛着を感じて,大切にする。「過ぎゆく青春を―・む」
(2)深い愛情をもってかわいがる。「わが子を―・む」
(3)気の毒に思う。かわいそうに思う。ふびんに思う。「残された子を―・む」
愛くるしい
あいくるしい【愛くるしい】
charming;lovely;→英和
<米> cute.→英和
愛くるしい
あいくるし・い [5] 【愛くるしい】 (形)[文]シク あいくる・し
(子供や若い女性が)たいへんかわいらしい。「―・い笑顔」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
愛くろし
あいくろ・し 【愛くろし】 (形シク)
〔「あいくるし」の転〕
非常にかわいらしい。「―・しげにほのめかし,泣いていふさへ恋らしし/浄瑠璃・用明天皇」
愛し
は・し 【愛し】 (形シク)
可憐である。いとおしい。「み吉野の玉松が枝は―・しきかも/万葉 113」
愛し
めぐ・し 【愛し】 (形ク)
(1)たまらなくいとおしい。「妻子(メコ)見れば―・し愛(ウツク)し/万葉 800」
(2)かわいそうである。いたわしい。気がかりである。「人もなき古りにし郷にある人を―・くや君が恋に死なせむ/万葉 2560」
愛し
お・し ヲシ 【惜し・愛し】 (形シク)
⇒おしい
愛しい
かなし・い [0][3] 【悲しい・哀しい・愛しい】 (形)[文]シク かな・し
□一□心が痛んで泣きたくなるような気持ちだ。つらく切ない。《悲・哀》「母に死なれて―・い」「誠意が通じなくて―・い」
□二□(古くは「愛し」と書かれた)
(1)身にしみていとしい。切ないほどにかわいい。《愛》「何そこの児(コ)のここだ―・しき/万葉 3373」
(2)心にしみるような趣だ。深い感興を感ずる。「みちのくはいづくはあれど塩釜の浦こぐ舟の綱手―・しも/古今(東歌)」
(3)見事だ。感心するほど立派だ。「―・しくせられたりとて,見あさみけるとなん/著聞 17」
(4)残念だ。くやしい。「物もおぼえぬくさり女に―・しう言はれたる/宇治拾遺 7」
(5)貧苦がつらい。「ひとりあるせがれを行く末の楽しみに,―・しき年をふりしに/浮世草子・永代蔵 1」
〔悲しいにつけ愛(イト)しいにつけ,感情が痛切に迫って心が強く打たれるさまを表す意が原義〕
[派生] ――げ(形動)――さ(名)――み(名)
愛しい
いとし・い [3] 【愛しい】 (形)[文]シク いと・し
〔「いとおしい」の転〕
(1)かわいい。恋しい。慕わしい。「―・い人」
〔多く子供や異性を対象として使う〕
(2)気の毒だ。かわいそうだ。ふびんだ。「平六は此春はてられて御ざ有よなう。やれやれそれは―・い事をいたいた/狂言・塗師」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
愛しい
いとしい【愛しい】
dear <child> ;→英和
beloved <mother> ;→英和
darling.→英和
…を愛しく思う think tenderly of….
愛しがる
うつくしが・る 【愛しがる】 (動ラ四)
かわいがる。「松君のをかしうもののたまふを誰も誰も―・り聞こえ給ふ/枕草子 104」
愛しきやし
はしきやし 【愛しきやし】 (連語)
〔形容詞「はし(愛)」の連体形に,間投助詞「や」と強めの副助詞「し」の加わったもの〕
いとおしい。はしけよし。はしけやし。「―栄えし君のいましせば昨日も今日も我(ワ)を召さましを/万葉 454」
愛しきよし
はしきよし 【愛しきよし】 (連語)
「はしきやし」に同じ。「―かくのみからに慕ひ来し妹が心のすべもすべなさ/万葉 796」
愛しけやし
はしけやし 【愛しけやし】 (連語)
「はしきやし」に同じ。「―妻も子どもも高々に/万葉 3692」
愛しなげ
いとしなげ 【愛しなげ】 (形動ナリ)
かわいそうなさま。ふびんなさま。「―に兄貴に限つて…よもや有るまいと思うたが/浄瑠璃・桂川」
愛しぶ
うつくし・ぶ 【慈しぶ・愛しぶ】 (動バ上二)
かわいがる。うつくしむ。「兄―・び弟恭(イヤマ)ふ/日本書紀(顕宗訓)」
愛しぶ
かなし・ぶ 【悲しぶ・哀しぶ・愛しぶ】
■一■ (動バ四)
「かなしむ」に同じ。「霞をあはれび露を―・ぶ心/古今(仮名序)」
■二■ (動バ上二)
「かなしむ」に同じ。「言問ひせむと惜しみつつ―・びませば/万葉 4408」
〔上代には上二段活用,中古に四段に転じた〕
愛しみ
かなしみ [0][3] 【悲しみ・哀しみ・愛しみ】
(1)かなしむこと。「―に打ち沈む」
(2)いとおしむこと。また,あわれむこと。「祖子(オヤコ)の―深き事を知しめんが為也/今昔 4」
愛しむ
いとし・む [3] 【愛しむ】 (動マ五)
「いとおしむ」に同じ。
愛しむ
かなし・む [3] 【悲しむ・哀しむ・愛しむ】 (動マ五[四])
(1)悲しい気持ちになる。心が痛む。《悲・哀》「恩師の死を―・む」
(2)いとしいと思う。かわいがる。《愛》「親の身として子を―・まざるはなかりしに/浮世草子・置土産 2」
(3)深く心を動かす。《愛》「かく機縁深くして行き合へる事を―・んで/今昔 26」
[可能] かなしめる
愛しむ
うつくし・む 【慈しむ・愛しむ】 (動マ四)
かわいがる。いつくしむ。うつくしぶ。「よるひる―・みて/源氏(乙女)」
愛しらしい
いとしらし・い 【愛しらしい】 (形)
〔近世語〕
かわいらしい。「―・いお顔や/浄瑠璃・孕常盤」
愛し子
いとしご【愛し子】
a beloved child.
愛し子
いとしご [3] 【愛し子】
かわいいと思う子供。大切にしている子供。「―を失う」
愛す
あい・す [1] 【愛す】
■一■ (動サ五)
〔サ変動詞「愛する」の五段化〕
「愛する」に同じ。「いつまでも―・されたい」「自然を―・す心」
[可能] あいせる
■二■ (動サ変)
⇒あいする
〔口頭語では五段活用が優勢で,未然形は「愛さない」「愛される」のように「愛さ」が普通。終止形・連体形は五段の「愛す」,サ変の「愛する」の両方が用いられる。「愛すべし」の場合は文語のサ変「愛す」の終止形が用いられたもの〕
愛すべき
あいすべき 【愛すべき】 (連語)
いかにもかわいらしい。好ましく感じられる。「稚気―ものがある」
愛する
あい・する [3] 【愛する】 (動サ変)[文]サ変 あい・す
(1)幼い者などを,かわいがる。愛情をそそぐ。「子を―・する親の気持ち」「―・する息子へ」
(2)異性に心が引かれる。慕わしく思う。ほれる。「夫を―・する」「あなたを―・しているわ」
(3)物事に,美しさ・良さ・価値などを認めて,その物を好む。「こよなく山を―・した人生」「酒を―・する」
(4)かけがえのないものとして,大切に思う。「祖国を―・する心」「学問を―・する」
(5)相手を尊重し,温かい気持ちで接する。「真に民衆を―・した政治家」
(6)愛の行為を交わす。愛撫(アイブ)する。また単に,なでる。「二人臥して―・しつる顔よ/今昔 31」
(7)〔一説に「相する」とも〕
機嫌を取る。調子を合わせて相手をする。「是程の大勢の中へただ二人入たらば,何程の事をかしいだすべき。よしよししばし―・せよ/平家 9」
愛する
あいする【愛する】
〔動〕love;→英和
be fond <of> ;have an affection <for,toward a person> ;→英和
〔形〕loving;→英和
beloved.→英和
〜者 one's love[darling,dear].
愛づ
め・づ 【愛づ】 (動ダ下二)
⇒めでる
愛づ
め・ず メヅ 【愛づ】 (動ダ下二)
⇒めでる
愛づ子
めずこ メヅ― 【愛づ子】
いとし子。「―の刀自(トジ)/万葉 3880」
愛で
めで 【愛で】
めでること。「花ぐはし桜の―/日本書紀(允恭)」
愛でる
め・でる [2] 【賞でる・愛でる】 (動ダ下一)[文]ダ下二 め・づ
(1)物の美しさ・素晴らしさをほめ味わう。感嘆する。「花を―・でる心」「名に―・でて折れるばかりぞをみなへし/古今(秋上)」
(2)かわいがる。いとおしむ。「―・でいつくしむ」「わが―・づる児ら/日本書紀(允恭)」
(3)ほめる。感心する。「忠勤に―・でて,褒状を与える」
愛でる.
めでる【愛でる.】
love;→英和
admire.→英和
愛で惑ふ
めでまど・う 【愛で惑ふ】 (動ハ四)
ほめちぎる。「案を書きて,かかせてやりけり。―・ひにけり/伊勢 107」
愛で覆る
めでくつがえ・る 【愛で覆る】 (動ラ四)
非常にほめる。ひどく感心する。「名残りさへとまりたるかうばしさを,人人は―・る/源氏(竹河)」
愛と認識との出発
あいとにんしきとのしゅっぱつ 【愛と認識との出発】
評論集。倉田百三著。1921年(大正10)刊。「出家とその弟子」の思想的背景を語り,世界と自己,善と悪,愛と信仰,恋愛と性欲などの問題を内省的に探究。
愛の学校
あいのがっこう アイノガクカウ 【愛の学校】
「クオレ」の日本語訳名。
愛の巣
あいのす [1] 【愛の巣】
愛し合う者どうしがつくる新家庭。
愛の結晶
あいのけっしょう [1] 【愛の結晶】
愛し合う二人の間に生まれたもの。特に,子供。
愛の鞭
あいのむち [1][1] 【愛の鞭】
愛するゆえに与える罰。特に,体罰。
愛らしい
あいらし・い [4] 【愛らしい】 (形)[文]シク あいら・し
(弱さ・小ささ・美しさをもっていて)愛すべき様子である。かわいらしい。可憐(カレン)だ。「―・い口もと」「―・いしぐさ」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
愛らしい
あいらしい【愛らしい】
⇒可愛(かわい)い.
愛人
あいじん [0] 【愛人】
(1)愛している相手。特別に深い関係にある異性。情婦。情夫。情人。
(2)人間を大切なものと考えること。「敬天―」
〔(1)は sweet heart, lover などの訳語として幕末から使われた〕
愛人
あいじん【愛人】
one's lover.
愛他
あいた【愛他(主義)】
⇒利他主義.
愛他主義
あいたしゅぎ [4] 【愛他主義】
⇒利他主義(リタシユギ)
愛児
あいじ【愛児】
one's beloved[dear]child.
愛児
あいじ [1] 【愛児】
親のかわいがっている子。
愛党心
あいとうしん【愛党心】
party spirit.
愛別離苦
あいべつりく [5] 【愛別離苦】
〔仏〕 八苦の一。親・兄弟・妻子など愛する者と別れる苦しみ。
愛吟
あいぎん [0] 【愛吟】 (名)スル
好きで,よく口ずさむこと。「父の―した詩」
愛吟
あいぎん【愛吟】
one's favorite poem(s).〜する love to recite <a poem> ;love to sing <a song> .
愛唱
あいしょう [0] 【愛唱】 (名)スル
その歌が好きでよく歌うこと。「シューベルトの歌曲を―する」「―歌」
愛器
あいき [1] 【愛器】
気に入って大切に使っている楽器・器具。
愛国
あいこく [0] 【愛国】
自分の国を愛すること。「―心」「―者」
愛国
あいこく【愛国】
love of one's country;patriotism.→英和
〜の patriotic.‖愛国者 a patriot.愛国心 patriotism.
愛国公党
あいこくこうとう 【愛国公党】
(1)日本の最初の政党。1874年(明治7)征韓論で下野した板垣退助・江藤新平らが結成。民撰議院設立建白書を左院に提出して自由民権運動の口火を切ったが,約三か月で消滅。
(2)1890年(明治23)板垣退助が組織した政党。第一回総選挙後,自由党・大同倶楽部と合同して立憲自由党となる。
愛国啓蒙運動
あいこくけいもううんどう 【愛国啓蒙運動】
二〇世紀初め,朝鮮において,日本の侵略に反対して,教育・産業の発達によって自国の富強と国権の回復をはかろうとする運動。大韓協会や新民会などの組織が結成され,活発な啓蒙活動が行われ,各地に自主的な私立学校が設立されたが,日本の弾圧により終息させられた。
愛国婦人会
あいこくふじんかい 【愛国婦人会】
出征軍人や傷病兵の慰問,軍人遺家族の援護などを目的として,1901年(明治34)に奥村五百子(イオコ)が創設した婦人団体。42年(昭和17)大日本婦人会に統合された。
愛国社
あいこくしゃ 【愛国社】
1875年(明治8)立志社が中心となり,全国の政社を糾合した全国的民権組織。80年国会期成同盟と改称,国会開設運動を展開した。
愛執
あいしゅう [0] 【愛執】
「愛着(アイジヤク){(1)}」に同じ。「―の心いと深き/謡曲・江口」
愛好
あいこう [0] 【愛好】 (名)スル
ある事を好み楽しむこと。「歌舞伎―家」「古典音楽を―する」
愛好する
あいこう【愛好する】
love;→英和
be fond <of> ;be a lover <of> .→英和
愛妓
あいぎ [1] 【愛妓】
ひいきにしてかわいがっている芸妓。
愛妻
あいさい【愛妻】
one's (beloved) wife.愛妻家 a devoted husband.
愛妻
はしづま 【愛妻】
かわいい妻。いとしい妻。「吾が―にい及(シ)き遇はむかも/古事記(下)」
愛妻
めづま 【愛妻】
いとしく思っている妻。「我が―人は放(サ)くれど/万葉 3502」
愛妻
あいさい [0] 【愛妻】
(1)愛している妻。
(2)妻を愛し大切にすること。「―家」
愛妾
あいしょう [0] 【愛妾】
気に入りのめかけ。
愛娘
まなむすめ [3] 【愛娘】
かわいがっている娘。最愛の娘。
愛媛
えひめ 【愛媛】
四国地方北西部の県。かつての伊予(イヨ)国の全域を占める。北は瀬戸内海,西は豊後(ブンゴ)水道に面し,大部分は四国山地となる。北部に高縄半島,西部に佐田岬半島が突出。県庁所在地は松山市。
愛媛大学
えひめだいがく 【愛媛大学】
国立大学の一。1919年(大正8)創立の松山高等学校と新居浜工専・師範系学校が合併して,49年(昭和24)新制大学となる。54年県立松山農科大学を併合。本部は松山市。
愛媛菖蒲
えひめあやめ [4] 【愛媛菖蒲】
アヤメ科の多年草。西日本の山地に自生。葉は線形。短い根茎から高さ5〜15センチメートルの花茎を立て,アヤメに似た径約4センチメートルの青紫色の花を一個つける。たれゆえそう。
愛嬌
あいきょう【愛嬌】
charm;→英和
attractiveness.〜のある charming;amiable.→英和
〜のない unaffable;cold.→英和
〜を振りまく be all smiles <for everybody> .‖愛嬌者 a jolly fellow.
愛嬌
あいきょう [3] ―ケウ 【愛嬌】 ・ ―キヤウ 【愛敬】
〔古くは「あいぎょう」。中世後期以降清音化していき,「敬」の意味が薄れるとともに,「嬌」の字も当てられるようになった。→あいぎょう(愛敬)〕
(1)表情や言動が愛らしく,人好きのすること。「―のある娘」
(2)好ましさを感じさせたり,笑いを誘うような言動や表情。愛想。「―を振りまく」「ご―に舞をひとさし」「空振りもほんのご―さ」
(3)商店で客の気を引くために行う,値引き・おまけ・催し物など。
愛嬌付く
あいきょうづ・く アイケウ― [5] 【愛嬌付く】 (動カ五[四])
愛嬌がでてくる。かわいらしくなる。「次の女の子が,少しづつ―・いて来るにつれて/黴(秋声)」
愛嬌商売
あいきょうしょうばい [5] 【愛嬌商売】
愛嬌をよくすることが繁盛の大切な要素となるような職業。料亭・芸人など。
愛嬌笑い
あいきょうわらい [5] 【愛嬌笑い】
おせじ笑い。愛想笑い。
愛嬌者
あいきょうもの [0][6] 【愛嬌者】
滑稽さ・かわいらしさがあって,皆に好かれている人や動物。
愛嬌黒子
あいきょうぼくろ [5] 【愛嬌黒子】
顔に愛らしさを添えるほくろ。
愛嬢
あいじょう [0] 【愛嬢】
かわいがり,大切にしている娘。まなむすめ。他人の娘についていう。
愛子
あいし 【愛子】
愛児。「我等が―のひとり姫/幸若・大臣」
愛子
まなご [0] 【愛子】
かわいい子。いとしご。
愛子
いとこ 【愛子】
〔形容詞「いとし」の語幹に「子」の付いたもの〕
親しい人。いとしい人。「貴人(ウマヒト)は貴人どちや,―はも―どち/日本書紀(神功)」
愛子夫
いとこせ 【愛子夫】
(女性が男に対して)愛する夫。「―にま―にせむや/神楽歌」
愛孫
あいそん [0] 【愛孫】
かわいい孫。かわいがっている孫。
愛宕
あたご 【愛宕】
「愛宕山(アタゴヤマ){(1)}」に同じ。
愛宕参り
あたごまいり [4] 【愛宕参り】
愛宕神社に参詣すること。京都の愛宕神社では,七月三一日(もと陰暦六月二四日)に参詣する千日詣でが有名。
愛宕山
あたごやま 【愛宕山】
(1)東京都港区愛宕にある海抜26メートルの小丘。山上の愛宕神社への男坂の石段を曲垣(マガキ)平九郎が馬で登ったという話は講談で有名。1925年(大正14)日本最初のラジオ放送所が設置され,現在は放送博物館がある。
(2)京都市北西端,山城と丹波の国境にある山。海抜924メートル。山頂に愛宕神社がある。
愛宕火
あたごび [3] 【愛宕火】
近畿・山陰地方で,六月二四日または七月二四日の愛宕の縁日に行われる火祭りの行事。
愛宕白山
あたごはくさん [5] 【愛宕白山】
〔京都の愛宕権現と加賀の白山権現の二神に誓っての意〕
誓いや決意のかたいことを表す語。誓って。神かけて。あたごびゃくさん。「其つれな事はおいてくれい,―申しつうぜぬ/狂言・文山賊」
愛宕神社
あたごじんじゃ 【愛宕神社】
(1)京都市の愛宕山頂にある神社。本宮に稚産日神(ワクムスビノカミ)・伊弉冉尊(イザナミノミコト)などをまつり,若宮に雷神・迦具土神(カグツチノカミ)をまつる。防火の神として信仰を集め,各地の愛宕社の総本社。中世以降修験者の行場ともなった。愛宕権現。
(2)東京都の愛宕山頂にある神社。祭神は火産霊命(ホムスビノミコト)。防火の神として尊信される。
愛宕苔
あたごごけ [3] 【愛宕苔】
クラマゴケの別名。
愛宕連歌
あたごれんが 【愛宕連歌】
1582年5月24日,明智光秀が織田信長を本能寺に襲う前,京都の愛宕山で催した連歌の会。光秀の発句「時は今天(アメ)が下知るさつきかな」が,天下を取る野望をほのめかしたものとして有名。愛宕百韻。
愛山
あいざん 【愛山】
⇒山路(ヤマジ)愛山
愛川
あいかわ アイカハ 【愛川】
神奈川県北部,愛甲(アイコウ)郡の町。丹沢山地東麓に位置し繊維工業が盛ん。
愛弟子
まなでし【愛弟子】
one's favorite pupil.
愛弟子
まなでし [0] 【愛弟子】
特に期待をかけ,かわいがっている弟子。
愛念
あいねん [0] 【愛念】
(1)強く愛する気持ち。「同情も無ければ,私心の垢を洗つた―もなく/浮雲(四迷)」
(2)愛情。愛欲。
愛恋
あいれん [0] 【愛恋】 (名)スル
愛し慕うこと。恋愛。「女は一個特別の男を―す/花柳春話(純一郎)」
〔明治期に「恋愛」とともに用いられた〕
愛恤
あいじゅつ [0] 【哀恤・愛恤】 (名)スル
あわれみ恵むこと。「上官たるものが部下を―し無いのに/肉弾(忠温)」
愛息
あいそく [0] 【愛息】
かわいがっている息子。他人の息子についていう。
愛情
あいじょう【愛情】
love;→英和
affection.→英和
〜のある loving;→英和
affectionate.→英和
〜のない coldhearted;loveless.→英和
愛情
あいじょう [0] 【愛情】
(1)人や物を心から大切に思うあたたかい気持ち。いつくしみの心。「―を注ぐ」
(2)異性を恋しく思う心。「ほのかな―を抱く」
愛惜
あいせき [0] 【愛惜】 (名)スル
(1)あるものを愛して,大切にすること。あいじゃく。「父の―していた古伊万里」
(2)名残惜しく感じること。惜しむこと。「行く春を―する」
愛惜
あいじゃく [0] 【愛惜】
(1)「あいせき(愛惜)」に同じ。
(2)〔仏〕「あいじゃく(愛着)」に同じ。
愛惜する
あいせき【愛惜する】
be loath to part;miss <a person> .→英和
愛惜の情 sorrow of parting.
愛想
あいそう [3] 【愛想】
「あいそ(愛想)」に同じ。
愛想
あいそ【愛想】
affability;sociability;compliments (世辞).〜がつきる become disgusted <with> .〜のよい affable;→英和
sociable;→英和
hospitable.→英和
〜のない unsociable;→英和
cold.→英和
〜よくする make oneself agreeable <to> .〜を言う say nice things.〜づかしを言う say unkind things.‖愛想笑い a put-on smile.
愛想
あいそ [3] 【愛想】
〔「あいそう(愛想)」の転〕
(1)人に対する応対の仕方。好感をもたれる言葉遣い・表情・態度など。「―がいい」「―のない人」
(2)人を喜ばせるための言葉や振る舞い。「―を言う」
(3)相手に抱いている好意。「―が尽きる」
(4)特別な心遣い・もてなし・心付けなど。「何の―もございませんで…」
(5)飲食店などの勘定・勘定書。
〔(2)(4)(5)は「おあいそ」の形が多い〕
愛想尽かし
あいそづかし [4] 【愛想尽かし】 (名)スル
(1)好意がもてなくなること。また,その気持ちを表す言葉や行為。「―を言う」
(2)浄瑠璃・歌舞伎の世話物などで,愛人のためを思って身を引くために,相手の悪口を言い立てる場面。また,その台詞(セリフ)。縁切り。「殺し場」へ続くのが定石。
愛想笑い
あいそわらい [4] 【愛想笑い】 (名)スル
人の機嫌をとろうとする笑い。お世辞笑い。
愛愛しい
あいあいし・い [5] 【愛愛しい】 (形)[文]シク あいあい・し
愛嬌がある。かわいらしい。「育てがら小まざくれて―・く/三日月(浪六)」
愛慕
あいぼ【愛慕】
attachment;→英和
love.→英和
〜する love;be attached <to> .
愛慕
あいぼ [1] 【愛慕】 (名)スル
愛し慕うこと。あいも。「窃(ヒソ)かに其秀才を―せしが/花柳春話(純一郎)」
愛慾
あいよく [0] 【愛欲・愛慾】
(1)異性に対する性的な欲望。情欲。「―におぼれる」
(2)〔仏〕 対象に強く執着すること。特に,肉親あるいは異性に強く執着すること。
愛憎
あいぞう【愛憎】
love and hatred; <have strong> likes and dislikes.
愛憎
あいぞう [0] 【愛憎】
愛することとにくむこと。愛とにくしみ。「―相半ばする」
愛憐
あいれん [0] 【愛憐】 (名)スル
いつくしみ,あわれむこと。「能く老を―し,幼を扶助する仁恵(ジンエ)あり/緑簑談(南翠)」
愛撫
あいぶ [1] 【愛撫】 (名)スル
いとしんで,なでたりさすったりすること。また,そのように深く愛すること。「やさしく―する」「仁慈の政を行ひ人民を―する/明六雑誌 9」
愛撫する
あいぶ【愛撫する】
caress;→英和
fondle;→英和
pet.→英和
⇒可愛(かわい)がる.
愛敬
あいきょう [3] ―ケウ 【愛嬌】 ・ ―キヤウ 【愛敬】
〔古くは「あいぎょう」。中世後期以降清音化していき,「敬」の意味が薄れるとともに,「嬌」の字も当てられるようになった。→あいぎょう(愛敬)〕
(1)表情や言動が愛らしく,人好きのすること。「―のある娘」
(2)好ましさを感じさせたり,笑いを誘うような言動や表情。愛想。「―を振りまく」「ご―に舞をひとさし」「空振りもほんのご―さ」
(3)商店で客の気を引くために行う,値引き・おまけ・催し物など。
愛敬
あいぎょう 【愛敬】
〔中世後期以降「あいきょう」とも〕
(1)愛し敬うこと。敬愛。あいけい。「衆人―浅からずして万事心に叶ふべし/万民徳用」
(2)容姿や物言いなどがかわいらしく魅力的なこと。「わが顔にもうつりくるやうに―は匂ひちりて/源氏(野分)」
(3)相手への優しい思いやりがあること。「聞きにくからず,―ありて/徒然 1」
(4)夫婦の結びつき。夫妻の和合。「げに,―のはじめは日えりして聞し召すべき事にこそ/源氏(葵)」
(5)なまめかしさ。媚(コビ)。媚態(ビタイ)。「その縄手には―こぼすな/田植草紙」
愛敬
あいけい [0] 【愛敬】 (名)スル
心から敬うこと。敬愛。「余は其の詩人を―するなり/欺かざるの記(独歩)」
→あいぎょう(愛敬)
愛敬の守り
あいきょうのまもり 【愛敬の守り】
江戸時代,婚礼の際に新婦が打掛の上からかけた守り袋。愛染明王の守護札を雌雄の二つに作り,夫婦和合のしるしとする。あいきょうまもり。
愛敬の相
あいぎょうのそう 【愛敬の相】
仏・菩薩の慈愛に満ちた,おだやかな相。阿弥陀如来・地蔵菩薩などの慈相。
愛敬の餅
あいきょうのもちい 【愛敬の餅】
「三日(ミカ)の餅(モチイ)」に同じ。
愛敬らしい
あいきょうらし・い アイキヤウ― 【愛敬らしい】 (形)
かわいらしい。「かぎやの小じよくめらも―・い/滑稽本・膝栗毛 5」
愛敬付く
あいぎょうづ・く アイギヤウ― 【愛敬付く】 (動カ四)
顔だちやしぐさ,声・性格などに魅力が備わる。「口つきいと―・き,はなやかなるかたちなり/源氏(空蝉)」
愛敬日
あいきょうび [3] 【愛敬日】
⇒恩恵日(オンケイビ)
愛敬毛
あいきょうげ [3] 【愛敬毛】
おくれ毛の称。
愛敬紅
あいきょうべに [5] 【愛敬紅】
演劇で,役者が耳たぶにつける紅。また,女性が目じりや耳たぶにかすかにさす紅。
愛新覚羅
あいしんかくら 【愛新覚羅】
中国,清王朝帝室の姓。
〔満州語のアイシンギョロに漢字を当てたもの〕
愛日
あいじつ [0] 【愛日】
(1)〔左氏伝(文公七年注)「冬日可�愛,夏日可�畏」〕
冬の日の光。
⇔畏日(イジツ)
(2)〔法言(孝至)「孝子愛�日」〕
日時を惜しむこと。また,日時を惜しんで父母に孝養を尽くすこと。
愛書
あいしょ [0][1] 【愛書】
(1)本が好きで大事にすること。「―家」
(2)愛読している本。大切にしている本。
愛書家
あいしょか【愛書家】
a booklover;a bibliophile.→英和
愛本
あいもと 【愛本】
富山県東部,宇奈月(ウナヅキ)町の地名。1656年架設とされる愛本橋は日本三奇橋に数えられるはね橋であったが,1891年(明治24)別の型の橋となった。
愛染
あいぜん [0] 【愛染】
〔仏〕
(1)人や物に引きつけられ,執着すること。特に,男女の愛欲にとらわれること。愛着。
(2)「愛染法」の略。
(3)「愛染明王」の略。
愛染かつら
あいぜんかつら 【愛染かつら】
小説。川口松太郎作。1937(昭和12)〜38年「婦人倶楽部」連載。未亡人の看護婦と医師との恋愛を描いたもの。38年映画化され,主題歌「旅の夜風」とともに戦時下に大ヒットした。
愛染明王
あいぜんみょうおう 【愛染明王】
〔梵 Rāgarāja〕
愛欲の煩悩がそのまま悟りにつながることを示す明王。像は一般に,全身赤色,三目六臂(サンモクロツピ)で弓矢などを持ち,顔には怒りの相を表す。愛染法の本尊。恋愛成就の神として水商売の女性や,「藍染」に通じるところから染め物業者の守り神として信仰される。愛染王。
愛染明王[図]
愛染曼荼羅
あいぜんまんだら [5] 【愛染曼荼羅】
愛染明王を本尊として構成された曼荼羅。愛染法を修する際に用いる。三七尊建立と一七尊建立の二種がある。
愛染法
あいぜんほう [3][0] 【愛染法】
密教で,愛染明王を本尊として行う修法。災難を除き,幸福をもたらすという。
愛校
あいこう [0] 【愛校】
自分の学んでいる学校や母校を愛すること。「―心」
愛校心
あいこうしん【愛校心】
love of one's school[university].
愛楽
あいぎょう [0] 【愛楽】 (名)スル
(1)〔仏〕(仏法などを)願い求めること。
(2)愛し好むこと。「人に―せられずして衆にまじはるは恥なり/徒然 134」
愛様
いとさん 【愛様・幼様】
〔「いとさま(幼様)」の転。主に関西地方でいう〕
お嬢さん。いとはん。
愛機
あいき [1] 【愛機】
使い慣れて,大切にしている写真機などの機器。また,愛用の飛行機。
愛欲
あいよく [0] 【愛欲・愛慾】
(1)異性に対する性的な欲望。情欲。「―におぼれる」
(2)〔仏〕 対象に強く執着すること。特に,肉親あるいは異性に強く執着すること。
愛欲
あいよく【愛欲】
passion;→英和
love;→英和
lust.→英和
愛洲陰流
あいすかげりゅう 【愛洲陰流】
愛洲移香(イコウ)(1452-1538)が日向(ヒユウガ)国で創始した剣術の流派。のち関東にも伝わり,上泉秀綱の新陰流,柳生新陰流などの分派を形成した。
愛煙家
あいえんか【愛煙家】
a habitual smoker.
愛煙家
あいえんか [0] 【愛煙家】
タバコが好きな人。
愛犬
あいけん【愛犬】
one's pet dog.愛犬家 a lover of dogs;a dog fancier.
愛犬
あいけん [0] 【愛犬】
(1)かわいがって飼っている犬。
(2)犬をかわいがること。「―家」
愛猫
あいびょう [0] 【愛猫】
(1)かわいがっているネコ。
(2)ネコをかわいがること。「―家」
愛玉子
あいぎょくし [3] 【愛玉子】
クワ科の常緑つる性低木。沖縄や台湾に自生する。果実はイチジク状。内部の痩果(ソウカ)は水につけるとゼラチン状に溶け,砂糖などを加えて食用にする。カンテンイタビ。
愛玩
あいがん [0] 【愛玩・愛翫】 (名)スル
大切にし,かわいがること。多く小動物や器物についていう。
愛玩する
あいがん【愛玩する】
pet;→英和
love;→英和
prize (大切にする).→英和
‖愛玩物 one's prized possession;one's pet (動物など).
愛玩動物
あいがんどうぶつ [5] 【愛玩動物】
身近においてかわいがることを目的に飼う動物。ペット。
愛琿条約
アイグンじょうやく 【愛琿条約】
1858年中国黒竜江省の愛琿で,アロー戦争・太平天国の動乱後,ロシアが清と結んだ条約。アムール川以北をロシア領,沿海州を両国の共同管理地区とした。
愛用
あいよう [0] 【愛用】 (名)スル
気に入っていつも用いること。使いつけ。「―の辞典」「父が―した万年筆」
愛用する
あいよう【愛用する】
use regularly;patronize.→英和
〜の (one's) favorite.→英和
‖愛用者 a regular user[patron] <of> .
愛発山
あらちやま 【愛発山・有乳山・荒血山】
福井県敦賀市の南方一帯の山。古代,愛発関が置かれた。((歌枕))「八田(ヤタ)の野の浅茅色付く―峰の沫雪寒く降るらし/万葉 2331」
愛発関
あらちのせき 【愛発関】
愛発山あたりにあった古関。近江と越前の境にあたり,北陸道の要衝。鈴鹿・不破とともに三関と呼ばれたが,789年廃止。
愛着
あいちゃく [0] 【愛着】 (名)スル
(1)慣れ親しんでいる人や物に心をひかれ,はなれがたく感ずること。あいじゃく。「故郷に強い―を抱く」「―のある品」
→あいじゃく
(2)〔心〕 アタッチメント{(2)}に同じ。
愛着
あいじゃく [0] 【愛着・愛著】 (名)スル
(1)〔仏〕
(ア)対象を追い求めること。むさぼりの心をもって,物にとらわれること。渇愛。
(イ)恋愛感情や性的欲望によって異性愛に執着すること。愛執(アイシユウ)。
(2)「あいちゃく(愛着)」に同じ。「同じ婦人に―するなら/天うつ浪(露伴)」
愛着
あいちゃく【愛着】
affection <toward,for> ;→英和
attachment <for,to> ;→英和
love <for,of> .→英和
〜を感じる be(come) attached <to> .
愛知
あいち 【愛知】
〔古名「あゆち」の転〕
中部地方南西部の県。かつての尾張・三河の二国を占める。北東部は美濃三河高原に属し,西から南東に濃尾・岡崎・豊橋平野が並ぶ。南は太平洋に面し,南西の伊勢湾に,知多・渥美半島が突出。県庁所在地,名古屋市。
愛知みずほ大学
あいちみずほだいがく 【愛知みずほ大学】
私立大学の一。1992年(平成4)設立。本部は豊田市。
愛知医科大学
あいちいかだいがく 【愛知医科大学】
私立大学の一。1971年(昭和46)設立。本部は愛知県長久手町。
愛知大学
あいちだいがく 【愛知大学】
私立大学の一。東亜同文書院などを源とし,1946年(昭和21)設立。49年新制大学に移行。本部は豊橋市。
愛知学泉大学
あいちがくせんだいがく 【愛知学泉大学】
私立大学の一。1966年(昭和41)愛知女子大学として設立。82年現名に改称。本部は岡崎市。
愛知学院大学
あいちがくいんだいがく 【愛知学院大学】
私立大学の一。1953年(昭和28)設立。本部は愛知県日進市。
愛知川
えちがわ 【愛知川】
滋賀県中東部を北西流して琵琶湖に注ぐ川。鈴鹿山脈を源とし,上流に永源寺ダムがある。
愛知工業大学
あいちこうぎょうだいがく 【愛知工業大学】
私立大学の一。1954年(昭和29)設立の名古屋電気短期大学を母体とし,59年名古屋電気大学として設立。60年現名に改称。本部は豊田市。
愛知教育大学
あいちきょういくだいがく 【愛知教育大学】
国立大学の一。愛知第一・第二師範および青年師範が統合し,1949年(昭和24)に愛知学芸大学として発足。66年現名に改称。本部は刈谷市。
愛知淑徳大学
あいちしゅくとくだいがく 【愛知淑徳大学】
私立大学の一。1975年(昭和50)設立。本部は愛知県長久手町。
愛知産業大学
あいちさんぎょうだいがく 【愛知産業大学】
私立大学の一。1991年(平成3)設立。本部は岡崎市。
愛知用水
あいちようすい 【愛知用水】
岐阜県の兼山(カネヤマ)取水口から木曾川の水を取水し,愛知県の知多半島の先端に至る用水路。幹線延長113キロメートル。灌漑(カンガイ)・上水道・工業用。1961年(昭和36)完成。
愛知県立大学
あいちけんりつだいがく 【愛知県立大学】
公立大学の一。1950年(昭和25)創立の県立女子短期大学を母体とし,県立女子大学を経て,66年設立。本部は名古屋市瑞穂区。
愛知県立芸術大学
あいちけんりつげいじゅつだいがく 【愛知県立芸術大学】
公立大学の一。1966年(昭和41)設立。本部は愛知県長久手町。
愛知高原国定公園
あいちこうげんこくていこうえん 【愛知高原国定公園】
愛知県北東部の丘陵地域に細長く延びる,東海自然歩道沿いの国定公園。段戸(タンド)山・猿投(サナゲ)山・道樹山を含み,渓谷美に富む。
愛社
あいしゃ [0] 【愛社】
自分の属する会社に愛着を持ち,そのために尽くすこと。「―精神」
愛社精神
あいしゃ【愛社精神】
devotion to one's company.
愛称
あいしょう [0] 【愛称】
本名以外の,親しみをこめて呼ぶ呼び名。ニックネーム。「―で呼ぶ」
愛称
あいしょう【愛称】
a nickname;→英和
a pet name;a term of endearment.
愛翫
あいがん [0] 【愛玩・愛翫】 (名)スル
大切にし,かわいがること。多く小動物や器物についていう。
愛聴
あいちょう [0] 【愛聴】 (名)スル
好んでしばしば聞くこと。「―盤」
愛育
あいいく [0] 【愛育】 (名)スル
かわいがって育てること。「十五の歳まで―したのですから/乙女心(思案)」
愛育する
あいいく【愛育する】
bring up <a child> with care.
愛著
あいじゃく [0] 【愛着・愛著】 (名)スル
(1)〔仏〕
(ア)対象を追い求めること。むさぼりの心をもって,物にとらわれること。渇愛。
(イ)恋愛感情や性的欲望によって異性愛に執着すること。愛執(アイシユウ)。
(2)「あいちゃく(愛着)」に同じ。「同じ婦人に―するなら/天うつ浪(露伴)」
愛蔵
あいぞう [0] 【愛蔵】 (名)スル
大切なものとしてしまっておくこと。「父の―した書画」
愛蔵する
あいぞう【愛蔵する】
treasure.→英和
愛語
あいご [1] 【愛語】
〔仏〕
〔梵 priya-vāditā-saṃgraha〕
四摂法(シシヨウボウ)の一。仏道に導くため,親しみの気持ちを抱くような心のこもった言葉をかけること。
愛誦
あいしょう [0] 【愛誦】 (名)スル
詩文を好んで,常に口ずさむこと。「昔―した唐詩選や三体詩/ふらんす物語(荷風)」
愛誦する
あいしょう【愛誦(唱)する】
love to recite (sing).
愛読
あいどく [0] 【愛読】 (名)スル
特定の書物・雑誌などを気に入ってよく読むこと。「推理小説を―する」「―書」
愛読する
あいどく【愛読する】
read <a book> with pleasure;read <a magazine> regularly.‖愛読者 a (regular) reader;an admirer <of an author> ;a subscriber.愛読者が多い <The paper> has a large circle of readers.愛読書(作家) one's favorite book (author).
愛護
あいご【愛護】
protection;→英和
tender care.〜する protect;→英和
look after.
愛護
あいご [1] 【愛護】 (名)スル
(1)かわいがって,大事にすること。「動物―週間」「余が女を―せざるはなし/花柳春話(純一郎)」
(2)〔「愛護の若」の主人公の髪形から〕
歌舞伎の稚児役のつける鬘(カツラ)。
愛護の若
あいごのわか 【愛護の若】
説経節や古浄瑠璃の曲名。また,その主人公の名。長谷(ハセ)観音の申し子として生まれた愛護の若は,継母の恋慕を拒んだために盗人に仕立てられ,滝に投身自殺するが,のち,山王権現にまつられる。歌舞伎にも脚色。五説経の一。
愛車
あいしゃ【愛車】
one's own car.
愛車
あいしゃ [0] 【愛車】
気に入ってよく乗っている車。
愛郷
あいきょう [0] 【愛郷】
自分の故郷を愛すること。「―心」
愛郷塾
あいきょうじゅく 【愛郷塾】
農本主義者橘孝三郎が1931年(昭和6)茨城県水戸市郊外に創立した私塾。五・一五事件には農民決死隊を編成して参加。
愛郷心
あいきょうしん【愛郷心】
love of one's home;local patriotism.
愛重
あいちょう [0] 【愛重】 (名)スル
愛して大切にすること。「人類を―するの心/西国立志編(正直)」
愛顧
あいこ【愛顧(を乞う)】
(solicit) a person's patronage[custom];(curry) a person's favor.〜を受ける be patronized;receive favors <from> .
愛顧
あいこ [1] 【愛顧】 (名)スル
ひいきにすること。目をかけること。多く「御愛顧」の形で,目をかけられる側が用いる。「永年の御―に感謝いたします」「雲野通路の名は益々世上の―する所とはなりぬ/もしや草紙(桜痴)」
愛飲
あいいん [0] 【愛飲】 (名)スル
好んでいつも飲むこと。「日本酒を―する」
愛餐
あいさん [0] 【愛餐】
キリスト教会で,礼拝のあと信徒が共同でする食事。古くは聖餐と密接に結びついていた。アガペー。
愛馬
あいば [1] 【愛馬】
(1)かわいがっている馬。
(2)馬をかわいがること。「―会」
愛馬
あいば【愛馬】
one's pet horse.
愛鳥
あいちょう【愛鳥】
one's pet bird(s).愛鳥週間 Bird Week.
愛鳥
あいちょう [0] 【愛鳥】
鳥を大事にすること。特に,野鳥を愛護すること。
愛鳥週間
あいちょうしゅうかん [5] 【愛鳥週間】
野鳥を保護し,自然に親しむ週間。五月一〇日から一週間。バード-ウイーク。
愛鷹山
あしたかやま 【愛鷹山】
静岡県東部,富士山南東の火山。海抜1188メートル。広義には北に連なる位牌岳・呼子岳・越前岳(1504メートル)を含む愛鷹連峰をさす。
感
かん【感】
feeling (感じ);→英和
sense;→英和
an impression (印象);→英和
emotion (感動).→英和
〜きわまる be deeply moved <by> .…の〜を与える give <a person> an impression of….‖責任(義務,美)感 a sense of responsibility (duty,beauty).
感
かん [1] 【感】
(1)物事を見たり聞いたりして起こる心の動き。「隔世の―」「時期尚早の―がある」
(2)心が強く動かされること。感慨。
(3)接尾語的に用いて,…の感じの意を表す。「解放―」「幸福―」
感く
かま・く 【感く】 (動カ下二)
⇒かまける
感ける
かま・ける [3][0] 【感ける】 (動カ下一)[文]カ下二 かま・く
(1)あることだけにかかわって,ほかのことを顧みる余裕がなくなる。「育児に―・けて読書もできない」
(2)心が動く。感心する。「はしきやし翁の歌におほほしき九の児らや―・けて居らむ/万葉 3794」
(3)ぐちを言う。なげく。「昼頃より,まだ日くれぬかと―・けらるるに/父の終焉日記」
感じ
かんじ [0] 【感じ】
(1)外界の刺激によって生じる感覚。「指先の―が鈍る」
(2)物事に接して感じたこと。印象や感想,感触など。「夢を見ているような―だ」「―が悪い」
(3)そのものらしい味わいや雰囲気。「効果音で祭りの―を出す」
感じ
かんじ【感じ】
feeling;→英和
sense (感覚);→英和
touch (触覚);→英和
an impression (印象);→英和
the effect (芸術などの効果).→英和
〜がする feel;→英和
have a <queer> feeling.〜の良い(悪い) (dis)agreeable.→英和
〜が鋭い(鈍い) sensitive (dull).→英和
良い(悪い)〜を与える impress <a person> (un)favorably.
感じる
かん・じる [0] 【感じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「感ずる」の上一段化〕
「感ずる」に同じ。「痛みを―・じる」
感じる
かんじる【感じる】
feel;→英和
be aware[conscious] <of> (知覚する);be impressed <by,with> (感動する);be moved[touched] <by> ;be affected <by> (影響される).感じやすい sensitive <to> .→英和
空腹(痛み)を〜 feel hungry (pain).不便を〜 find <it> inconvenient <to do> .
感じ入る
かんじい・る [4] 【感じ入る】 (動ラ五[四])
すっかり感心する。「彼の勇気ある行動に,皆いたく―・った」
感じ取る
かんじと・る [4] 【感じ取る】 (動ラ五[四])
様子などから直感によって知る。「その場のただならぬ気配を―・る」「深い意味を―・る」
[可能] かんじとれる
感じ易い
かんじやす・い [5] 【感じ易い】 (形)[文]ク かんじやす・し
ちょっとしたことにも感情を動かされがちである。「―・い年頃」
[派生] ――さ(名)
感ず
かん・ず 【感ず】 (動サ変)
⇒かんずる(感)
感ずる
かん・ずる [0] 【感ずる】 (動サ変)[文]サ変 かん・ず
(1)刺激をとらえて,ある感覚を生ずる。「寒いと―・ずる」「痛みを―・ずる」「春を―・ずる」「無くても不便を―・じない」
(2)物や事に触れて,ある気持ちや感情を心にもつ。心に刻み付ける。「何かおかしいと―・ずる」「親しみを―・ずる」
(3)強く心が動かされる。感動する。「意気に―・ずる」「―・ずるところがあって酒をやめた」
(4)計器などが反応を示す。「放射能を―・ずる」
(5)病気に感染する。「愛馬突然虎烈剌(コレラ)病に―・じて/花柳春話(純一郎)」
(6)神仏などが認めて,そのしるしが表れる。「多くの人民を悩ませりしに依て今其の報を―・ぜる也/今昔 6」
(7)感心してほめる。「平家ふなばたをたたいて―・じたり/平家 11」
感付く
かんづく【感付く】
get wind[scent]of;suspect <(a) danger> .→英和
感付く
かんづ・く [3] 【感付く・勘付く】 (動カ五[四])
直観が働いて気付く。心づく。「気配に―・く」「相手に―・かれる」
感作
かんさ [1] 【感作】
〔生物〕 生体を抗原に対して感じやすい状態にすること。
感佩
かんぱい [0] 【感佩】 (名)スル
深く心に感じて忘れないこと。「御仁恤の深きを―せり/新聞雑誌 35」
感傷
かんしょう [0] 【感傷】
物事に感じて心をいためること。また,物事に感じやすい心の傾向。「―にひたる」
感傷主義
かんしょうしゅぎ [5] 【感傷主義】
⇒センチメンタリズム
感傷的
かんしょう【感傷的】
sentimental <feeling> .→英和
感傷主義(者) sentimentalism (a sentimentalist).→英和
感傷的
かんしょうてき [0] 【感傷的】 (形動)
悲哀の感情に動かされやすく,涙もろいさま。センチメンタル。「―になる」「―な文章」
感光
かんこう【感光】
《写》exposure (to light).→英和
〜させる expose (to light).→英和
‖感光度[性](photo)sensitivity.感光紙 sensitive[sensitized]paper.
感光
かんこう [0] 【感光】 (名)スル
物質が光をうけて化学的変化を起こすこと。「フィルムが―する」
感光乳剤
かんこうにゅうざい [5] 【感光乳剤】
⇒写真乳剤(シヤシンニユウザイ)
感光度
かんこうど [3] 【感光度】
感光材料が光に感ずる度合。国際規格 ISO,日本工業規格 JIS などで測定法表示法が定められている。
→写真感度
感光性
かんこうせい [0] 【感光性】
物質が光によって化学反応を引き起こす性質。
感光性樹脂
かんこうせいじゅし [7] 【感光性樹脂】
光の照射を受けると,重合反応などが起こって溶解性が変化したり,発色あるいは退色したり,電気伝導性が変化したりする高分子化合物。
感光材料
かんこうざいりょう [5] 【感光材料】
フィルム・乾板・印画紙など,写真乳剤を塗布した製品。
感光紙
かんこうし [3] 【感光紙】
印画紙・複写紙など,写真乳剤を塗布した紙。
感光膜
かんこうまく [3] 【感光膜】
写真乳剤を塗布してできた膜。
感冒
かんぼう [0] 【感冒】
特定のウイルスによって起こる呼吸器系の炎症。かぜ。「流行性―」
→インフルエンザ
感冒
かんぼう【感冒】
a cold;→英和
influenza;→英和
flu.→英和
⇒風邪(かぜ).
感動
かんどう【感動】
impression;→英和
emotion.→英和
〜する be impressed <with> ;be moved[touched] <by> .〜的 inspiring;impressive.→英和
〜しやすい emotional.→英和
感動
かんどう [0] 【感動】 (名)スル
美しいものやすばらしいことに接して強い印象を受け,心を奪われること。「深い―を覚える」「名画に―する」「―的な場面」
感動助詞
かんどうじょし [5] 【感動助詞】
助詞の一類。文中または文末にあって,文の調子を整えたり,感動・強調などの意味を表したりするもの。終助詞と間投助詞を合わせたもの。口語では「さ」「ぞ」「な」「ね」「わ」など,文語では「し」「や」「よ」「を」など。
感動文
かんどうぶん [0][3] 【感動文】
文を性質・内容の面から分類したときの一。感動の意を表す文で,主語・述語の形式が整わず,感動の気持ちをそのまま表現する。西欧語では文末に感嘆符「!」を付ける。感嘆文。
感動詞
かんどうし [3] 【感動詞】
品詞の一。活用のない自立語で,主語や修飾語にならず,他の文節とは独立して用いられるもの。感動詞は,一般に文のはじめにあって,感動・呼びかけ・応答などの意を表す。「まあ,きれいだ」の「まあ」,「もしもし,中村さんですか」の「もしもし」,「はい,そうです」の「はい」などの類。感嘆詞。間投詞。
感化
かんか【感化】
influence;→英和
reform (矯正).→英和
〜する influence;→英和
reform (矯正する).〜を受ける be influenced[affected] <by> .…の〜を受けて under the influence of….‖感化院 a reformatory.
感化
かんか [1] 【感化】 (名)スル
影響を与えて考えや情緒を,変化させること。「キリスト教の―を受ける」「友人に―された」
感化事業
かんかじぎょう [4] 【感化事業】
非行の少年・少女を保護・教育して,矯正する事業。教護事業。
感化院
かんかいん [3] 【感化院】
教護院(キヨウゴイン)の旧称。
感取
かんしゅ [1] 【感取】 (名)スル
感じ取ること。「鋭く―する」
感受
かんじゅ [1][0] 【感受】 (名)スル
心で感じとること。「物の作用を―する精神の本体/善の研究(幾多郎)」
感受する
かんじゅ【感受する】
be impressed <with> ;pick up (無電など);receive.→英和
‖感受性 susceptibility;receptivity.感受性の強い sensitive.
感受性
かんじゅせい [0] 【感受性】
外界からの刺激を深く感じ取り,心に受けとめる能力。「―が鋭い」「―が豊かだ」
感吟
かんぎん [0] 【感吟】 (名)スル
(1)詩歌に感動して吟ずること。
(2)物事に感動して作った詩歌。
(3)優れた詩歌・俳諧。
感喜
かんき [1] 【感喜】 (名)スル
感動して喜ぶこと。「是故に最初は其成功に―して/民約論(徳)」
感嘆
かんたん【感嘆】
<be struck with> admiration.→英和
〜する admire;→英和
wonder.→英和
〜すべき admirable;→英和
wonderful.→英和
‖感嘆詞 an interjection.感嘆符 an exclamation mark[point] <!> .感嘆文《文》an exclamatory sentence.
感嘆
かんたん [0] 【感嘆・感歎】 (名)スル
(1)感心してほめたたえること。「あの熱意には―する」「―おくあたわず」
(2)なげき悲しむこと。[日葡]
感嘆文
かんたんぶん [3] 【感嘆文】
⇒感動文(カンドウブン)
感嘆符
かんたんふ [3] 【感嘆符】
感嘆文の終わりに付ける「!」の符号。エクスクラメーション-マーク。
感嘆詞
かんたんし [3] 【感嘆詞】
(1)感嘆して発する言葉。
(2)「感動詞(カンドウシ)」に同じ。
感圧紙
かんあつし [4] 【感圧紙】
油に溶かした染料をゼラチンなどで包んで微小なカプセルとし,これを紙に塗布した複写紙。カーボン紙を必要とせず,筆圧で複写できる。伝票などに用いられる。感圧複写紙。ノーカーボン紙。
感声
かんせい [0] 【感声】
感嘆の声。感動して出す声。
感奮
かんぷん [0] 【感奮】 (名)スル
心に強く感じて奮起すること。「馭者は―して,両眼に熱涙を浮べ/義血侠血(鏡花)」
感孚
かんぷ [1] 【感孚】 (名)スル
〔「孚」はまことの意〕
まごころに深く感じること。「互に相(アイ)―して/花間鶯(鉄腸)」
感官
かんかん [0] 【感官】
感覚器官。「―のはたらき」
感寤
かんご [1] 【感悟・感寤】 (名)スル
感じてさとること。はっと思い当たること。「慨然として大に―する/民約論(徳)」
感度
かんど [1] 【感度】
(1)刺激に対して感ずる度合・程度。「―がにぶい」
(2)受信機や測定器などの電波・電流,また音などを感受する度合や能力。「―良好」
(3)フィルムや印画紙が光に感ずる鋭敏さの度合。感光度。
感度
かんど【感度】
sensitivity <of a radio> .→英和
〜が良い[高い]be highly sensitive <to> .
感得
かんとく [0] 【感得】 (名)スル
(1)感じ取ること。深遠な道理などをさとること。「小意識を破りて一大精神を―する/善の研究(幾多郎)」
(2)神仏に信心が通じ,望みがかなえられること。
(3)思いがけず手に入れること。「新たに渡りし薬,少々―し候/新札往来」
感心
かんしん [0] 【感心】
■一■ (名)スル
(1)すぐれたものとして,深く感じて心を動かされること。「達者な日本語に―する」
(2)(逆説的に)驚きあきれる気持ちをもつこと。「君のずうずうしさには―するよ」
■二■ (形動)[文]ナリ
行動・態度などが立派でほめるべきさまだ。「―な少年」
感心
かんしん【感心】
admiration;→英和
wonder.→英和
〜な admirable;→英和
praiseworthy.→英和
〜する admire;→英和
be deeply impressed <with,by> .〜しない be dissatisfied <with> .
感応
かんのう [0] 【感応】 (名)スル
〔「かんおう」の連声〕
(1)人々の信心に神仏がこたえること。「天神の―を垂て/今昔 9」
(2)事に触れて心が感じ動くこと。「此神社にて侍と聞ば,―殊しきりに覚えらる/奥の細道」
(3)電気・磁気の誘導の古い言い方。
感応
かんのう【感応】
induction (電気などの);→英和
sympathy (生理上の);→英和
response (神仏の);→英和
effect (効果).→英和
‖感応コイル an induction coil.
感応
かんおう [0] 【感応】 (名)スル
⇒かんのう(感応)
感応精神病
かんのうせいしんびょう [0] 【感応精神病】
精神病者からの影響によって生ずる一過性の精神障害。多くは妄想・幻覚など。親子・夫婦・友人など患者と密接なつながりのある者に起こりやすい。
感応道交
かんのうどうこう [5] 【感応道交】
〔仏〕 人々の仏を求める心と,それに応ずる仏の心が通じ合い,一つに交わること。かんのうどうきょう。
感忿
かんぷん [0] 【感憤・感忿】 (名)スル
心に強く感じて憤激すること。「我言葉によりて―するほどの/おとづれ(独歩)」
感性
かんせい [1] 【感性】
(1)〔哲〕
〔英 sensibility; (ドイツ) Sinnlichkeit〕
(ア)認識の上では,外界の刺激に応じて,知覚・感覚を生ずる感覚器官の感受能力をいう。ここで得られたものが,悟性の素材となり認識が成立する。
(イ)実践的には,人間の身体的感覚に基づく自然な欲求をいう。理性より下位のものとされ,意志の力によって克服されるべきものとされることが多い。
→理性
→悟性
(2)物事に感じる能力。感受性。感覚。「豊かな―を育てる」
感性界
かんせいかい [3] 【感性界】
〔哲〕
〔(ラテン) mundus sensibilis〕
感覚的な知覚によって認識されうる世界。普通,叡智(エイチ)界と対比されて,それより低い価値のものとみなされる。
⇔叡智界
感性的認識
かんせいてきにんしき [0] 【感性的認識】
〔哲〕 感覚や知覚によって得られる認識。感覚的認識。
→理性的認識
感性論
かんせいろん [3] 【感性論】
〔(ドイツ) Ästhetik〕
広義には概念的認識に対し,感性的認識に関する理論をいうが,バウムガルテンにより美学へと形成された。
感恩
かんおん [0] 【感恩】 (名)スル
人の恩をありがたく思うこと。
感悟
かんご [1] 【感悟・感寤】 (名)スル
感じてさとること。はっと思い当たること。「慨然として大に―する/民約論(徳)」
感悦
かんえつ [0] 【感悦】
心に感じてよろこぶこと。「『誠に天下の重宝なり』と―して/太平記 28」
感情
かんせい 【感情】
〔「せい」は漢音〕
物事に感じて起こる心のはたらき。特に,しみじみとした感情。かんじょう。[色葉字類抄]
〔明治以降は一般に「かんじょう」とよまれた〕
感情
かんじょう [0] 【感情】
(1)喜んだり悲しんだりする,心の動き。気持ち。気分。「―に訴える」「―を顔に出す」「―を害する」「―を込めて歌う」
(2)〔心〕 ある状態や対象に対する主観的な価値づけ。「美しい」「感じが悪い」など対象に関するものと,「快い」「不満だ」など主体自身に関するものがある。また,一時的なものを情動,持続的なものを気分と呼び分ける場合もある。
→かんせい(感情)
感情
かんじょう【感情】
feeling(s);→英和
(an) emotion (情緒);→英和
(a) passion (激情);→英和
(a) sentiment (情操).→英和
〜的な(に) sentimental(-ly);→英和
emotional(ly).→英和
〜を害する hurt a person's feelings;offend <a person> (人の);→英和
take offense <at> (自分が).〜に走る give way to one's feelings.一時の〜にかられて on the impulse of the moment.→英和
‖感情移入 empathy.感情論 an argument based on emotion.
感情家
かんじょうか [0] 【感情家】
すぐに感情をあらわにする人。感情に左右されやすい人。
感情教育
かんじょうきょういく カンジヤウケウイク 【感情教育】
〔原題 (フランス) L'Éducation sentimentale〕
フローベールの長編小説。1869年刊。平凡な一青年の恋愛を中心とする様々な体験とその果ての幻滅を描くとともに,フランス二月革命前後の社会を精緻に描出。
感情的
かんじょうてき [0] 【感情的】 (形動)
(1)感情に関するさま。「―な対立」「君の意見は―にはよくわかる」
(2)理性を失い,すぐ感情に走るさま。
⇔理性的
「―になる」
感情移入
かんじょういにゅう [5] 【感情移入】
(1)他人の言葉や表情をもとに,その感情や態度を追体験すること。共感。
(2)〔哲〕
〔英 empathy; (ドイツ) Einfühlung〕
リップスの美学などで,自然や芸術作品などの対象に自分の感情を投射し一体化すること。
感情論
かんじょうろん [3] 【感情論】
理知的でなく,感情にかられた,また主観にかたよった議論。
感想
かんそう [0] 【感想】 (名)スル
あることについて,感じたり思ったりしたこと。所感。感懐。「読後の―を語る」「―文」「高遠幽深なる関係を―する/欺かざるの記(独歩)」
感想
かんそう【感想】
thoughts;impressions.感想文 a description of one's impressions.
感慨
かんがい【感慨】
(a) deep emotion.
感慨
かんがい [0] 【感慨】
心に深く感じること。しみじみと思うこと。「―を覚える」「―にひたる」
感慨深い
かんがいぶか・い [6] 【感慨深い】 (形)
しみじみと深く感じている。「―・い面持ち」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
感慨無量
かんがいむりょう [0] 【感慨無量】
はかり知れないほど身にしみて感じること。感無量。
感憤
かんぷん [0] 【感憤・感忿】 (名)スル
心に強く感じて憤激すること。「我言葉によりて―するほどの/おとづれ(独歩)」
感懐
かんかい [0] 【感懐】
あることにあたって心に感じたこと。感慨。「―を抱く」
感戴
かんたい [0] 【感戴】 (名)スル
ありがたくおしいただくこと。「洪大無窮の聖恩を―せざらんや/明六雑誌 16」
感書
かんじょ 【感書】
⇒感状(カンジヨウ)
感服
かんぷく [0] 【感服】 (名・形動)スル [文]ナリ
深く感じて敬服あるいは服従する・こと(さま)。「―の至り」「見事な腕前にほとほと―した」「団十郎も年は若いが実に―に能(ヨ)く踊るではございませんか/新粧之佳人(南翠)」
感服する
かんぷく【感服する】
admire;→英和
be struck with admiration <at> .
感果
かんか [1] 【感果】
〔仏〕 ある原因のひきおこす結果がわかること。また,結果がはっきりとしてくること。
感染
かんせん【感染】
infection;contagion (接触による).→英和
〜する be infected <with tuberculosis> ;catch <cold> .→英和
‖感染経路 the route of infection.
感染
かんせん [0] 【感染】 (名)スル
〔infection〕
(1)病気がうつること。「コレラに―する」
(2)ある物事の影響を受け,それにそまること。「国粋主義思想に―する」
感染源
かんせんげん [3] 【感染源】
病原体を保有しているものの総称。人体・動物・排出物など。
感染症
かんせんしょう [0] 【感染症】
病原微生物が経口・経皮その他種々の経路により生体に侵入して増殖し,または毒素を出して起こす病気。
〔伝染病より広義〕
感染経路
かんせんけいろ [5] 【感染経路】
伝染病の病原体が生体に侵入する経路。感染源から直接伝染する直接感染と,媒介物を介して伝染する間接感染とに大別する。
感歎
かんたん [0] 【感嘆・感歎】 (名)スル
(1)感心してほめたたえること。「あの熱意には―する」「―おくあたわず」
(2)なげき悲しむこと。[日葡]
感泣
かんきゅう [0] 【感泣】 (名)スル
感激のあまりに泣くこと。「見る者聞く人―せざるはなし/新聞雑誌 31」
感泣する
かんきゅう【感泣する】
be moved to tears.
感涙
かんるい [0] 【感涙】
感激したり,感謝で強く心を動かされて流す涙。「―にむせぶ」
感涙
かんるい【感涙】
<shed> tears of gratitude.
感潮河川
かんちょうかせん カンテウ― [5] 【感潮河川】
潮の干満の影響を受ける河川。満潮時には,海水が遡上する。水位・流速の変化は,潮入りの区域よりもはるか上流にまで及ぶ。緩勾配の大河に多い。
→海嘯(カイシヨウ)
感激
かんげき【感激】
(a) deep emotion;impression.→英和
〜する be deeply moved[impressed] <by> ;be inspired <with> .〜的 impressive;→英和
inspiring.
感激
かんげき [0] 【感激】 (名)スル
人の言動や物事のすばらしさに心を打たれ,感情が高まること。「名演奏に―する」「―に耐えない」
感激家
かんげきか [0] 【感激家】
物事に感じやすい人。
感無量
かんむりょう [1] 【感無量】
「感慨無量(カンガイムリヨウ)」に同じ。「―の面持ち」
感無量
かんむりょう【感無量】
very emotional.
感熱紙
かんねつし [4] 【感熱紙】
熱を加えると発色する化学物質を表面に塗布した紙。ファクシミリやコンピューター用プリンターなどに用いる。感熱記録紙。
感状
かんじょう [0] 【感状】
(1)戦功をたたえて司令官が与える賞状。「―上聞に達する」
(2)武将が家臣の軍忠を認めて発給する文書。所領安堵などの証拠文書となった。
感発
かんぱつ [0] 【感発】 (名)スル
心が強く動かされ,発奮すること。「人の誠心(マコト)一旦―する時は/二宮尊徳(露伴)」
感知
かんち [1] 【感知】 (名)スル
感じとること。気付くこと。「隠れた事実を―する」「火災―器」
感知する
かんち【感知する】
perceive;→英和
notice.→英和
感知器 a sensor.→英和
感興
かんきょう【感興】
<arouse one's> interest;→英和
fun.→英和
感興
かんきょう [0] 【感興】
興味がわくこと。面白みを感じること。「―がわく」「―のおもむくままに一首作る」
感色性
かんしょくせい [0] 【感色性】
感光材料が光の各スペクトルに対して感応する性質。「―色素」
感覚
かんかく【感覚】
sense;→英和
sensation;→英和
feeling.→英和
〜的な sensuous;→英和
sensual.→英和
〜が鋭い(鈍い) have keen (dull) senses.〜のない insensible;→英和
senseless.→英和
‖感覚器官 a sense organ.色彩感覚 the color sense.
感覚
かんかく [0] 【感覚】 (名)スル
(1)目・耳・鼻・皮膚・舌などが身体の内外から受けた刺激を感じ取る働き。また,感じ取った色・音・におい・温度など。哲学的には,感覚は知覚の構成分であり,まだ意味づけられていないものとして知覚とは区別される。「寒さで―がなくなる」
→五感
(2)(美醜・善悪など物事について)感じとること。また,感じとる心の働き。感受性。感じ方。「色彩―」「―が古い」「新しい―の服」「金銭に対する―が麻痺(マヒ)している」「悲哀を―する心も/小説神髄(逍遥)」
〔幕末から明治初期にかけての,sensation などの訳語〕
感覚上皮
かんかくじょうひ [5] 【感覚上皮】
感覚に関与する上皮組織の一。感覚細胞をふくみ,刺激を感受する機能をもつ。
感覚与件
かんかくよけん [5] 【感覚与件】
〔哲〕
〔sense data〕
感覚器官を通して与えられる,解釈や判断を加えられる以前の直接的な経験のこと。具体的には色・形・音・匂い・味などを指す。論理実証主義において,経験的知識を検証する基盤とされた。
感覚中枢
かんかくちゅうすう [5] 【感覚中枢】
感覚器の受容した刺激を知覚する神経中枢。哺乳類では大脳皮質の各感覚野およびその連合野がこれにあたる。
感覚器
かんかくき [4][3] 【感覚器】
感覚を受容する器官の総称。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚など,種々の刺激を感知する感覚細胞により構成される器官。感覚器官。
感覚器官
かんかくきかん [6][5] 【感覚器官】
⇒感覚器(カンカクキ)
感覚性失語症
かんかくせいしつごしょう [0] 【感覚性失語症】
失語症のうち,主に言語の受容(言葉の意味を理解することなど)が障害されているもの。
感覚描写
かんかくびょうしゃ [5] 【感覚描写】
対象から受けた直観的な感覚を重視した描写。自然主義の,客観的だが平板で瑣末な写実に対して起こったもの。文学史的には,横光利一らの新感覚派の作品にその例を見る。
感覚毛
かんかくもう [4] 【感覚毛】
外界の刺激の受容装置として働く毛の総称。動物ではネコなどのヒゲのように基部に特殊な神経終末をもつものや感覚細胞の毛などで,味覚・嗅覚・触覚・振動覚をつかさどる。ハエジゴクなどの食虫植物の捕虫葉の上面にある毛もこれとみなされる。
感覚点
かんかくてん [4] 【感覚点】
皮膚上で特定の刺激に反応する感覚器。温点・冷点・触点(圧点)・痛点の四種に分けられる。
感覚的
かんかくてき [0] 【感覚的】 (形動)
理性ではなく,感覚に訴えるさま。「―な作品」
感覚神経
かんかくしんけい [5] 【感覚神経】
感覚器の興奮を中枢に伝える神経。脳神経(嗅神経・視神経・聴神経・動脈神経・三叉神経・顔面神経・舌咽神経・迷走神経)と脊髄から起こり後根を通って各感覚器に分布している脊髄神経とがある。知覚神経。
⇔運動神経
感覚細胞
かんかくさいぼう [5] 【感覚細胞】
特定の刺激を受け取る細胞。ヒトには,視細胞・聴細胞・味細胞・嗅細胞などがある。受容器。
→感覚上皮
感覚記憶
かんかくきおく [5] 【感覚記憶】
外部からの刺激の視覚的・音響的・音声的特徴を抽出して,最大一,二秒程度のごく短時間保持される意識されない記憶。注意を当てることで短期記憶に移行する。
感覚論
かんかくろん [4] 【感覚論】
〔哲〕
〔sensationalism〕
すべての認識の源泉は感覚にあるとし,知性の働きをも感覚に還元しようとする考え方。経験論の一種。古代ではキュレネ学派,近代ではロック・コンディヤックらがその代表。
感覚運動学習
かんかくうんどうがくしゅう [9] 【感覚運動学習】
感覚・知覚系と運動機能の協応関係の学習。楽器演奏,スポーツ技能などの学習がその例。
感覚遮断
かんかくしゃだん [5] 【感覚遮断】
被験者または被験動物に対して特定の刺激が全く与えられないか,刺激量を減じた環境をつくり出すこと。実験を目的として行われ,一定期間後,通常の刺激を与えた時の行動を研究する。
感覚野
かんかくや [4] 【感覚野】
大脳皮質を機能上から区分した場合の領域の一つ。感覚性の刺激を受理する終着部位。感覚領野。感覚領。
感覚領
かんかくりょう [4] 【感覚領】
⇒感覚野(カンカクヤ)
感覚麻痺
かんかくまひ [5] 【感覚麻痺】
⇒知覚麻痺(チカクマヒ)
感触
かんしょく [0] 【感触】 (名)スル
(1)手や体が他のものにふれた時に得られる感じ。はだざわり。手ざわり。触感。「つるつるした―」「絹の布の柔らかな―」
(2)外界からの働きかけによって心に感じること。感覚。「輓近(チカゴロ)何事に―したのか/当世書生気質(逍遥)」
(3)相手の態度などからそれとなく感じとれるもの。「確かな―が得られた」
感触
かんしょく【感触】
(the sense of) touch;→英和
feel(ing).→英和
感謝
かんしゃ【感謝】
<give one's> thanks; <express one's> gratitude.→英和
〜する thank <a person for something> ;→英和
be thankful[grateful] <for> .〜の印までに as a token of one's gratitude.‖感謝祭 Thanksgiving Day.感謝状 a letter of thanks.
感謝
かんしゃ [1] 【感謝】 (名)スル
ありがたいと思うこと。ありがたさを感じて謝意を表すること。「―の念にみたされる」「好意に―する」「―状」
感謝祭
かんしゃさい [3] 【感謝祭】
〔Thanksgiving Day〕
神に収穫を感謝する祭り。アメリカ合衆国とカナダの国の祝日の一。前者では一一月の第四木曜日,後者では一〇月の第二月曜日。
感賞
かんしょう [0] 【感賞】 (名)スル
(1)感心してほめたたえること。「人皆な其才識に―せざるはなし/世路日記(香水)」
(2)功績をほめて賜るほうび。
感通
かんつう [0] 【感通】 (名)スル
(1)思いなどが相手の心に通ずること。
(2)感じとってわかること。「人自然に―して悪心止み善心発す/詩学逢原」
感量
かんりょう [0] 【感量】
秤(ハカリ)・計器が反応して,量ることのできる最低の量。
感銘
かんめい [0] 【感銘】 (名)スル
忘れられないほど深く心に感ずること。「強い―を受ける」「時々は夢に見る位―した頭である/吾輩は猫である(漱石)」
〔「肝銘」とも書く〕
感銘
かんめい【感銘】
a deep impression.〜する be deeply impressed[moved,touched] <by> .
感電
かんでん [0] 【感電】 (名)スル
体に電流が流れて衝撃を受けること。「―死」
感電する
かんでん【感電(死)する】
be struck (be killed) by an electric shock.
感震
かんしん [0] 【感震】
地震を感知すること。
感震器
かんしんき [3] 【感震器】
地震の有無を検出する器械。
→地震計
愧死
きし [1] 【愧死】 (名)スル
深く恥じて死ぬこと。慚死(ザンシ)。また,死にたくなるほど恥ずかしく思うこと。「卑劣の小人をして―せしめんと欲するなり/経国美談(竜渓)」
愧赧
きたん [0] 【愧赧】 (名)スル
恥じて顔を赤くすること。赤面すること。「―の念」
愴然
そうぜん サウ― [0] 【愴然】 (ト|タル)[文]形動タリ
悲嘆にくれるさま。いたみ悲しむさま。「神澄み気清く―として涙の隕つるを知らず/不二の高根(麗水)」
愷悌
がいてい [0] 【豈弟・愷悌】
やわらぎ楽しむこと。
慄然
りつぜん [0] 【慄然】 (ト|タル)[文]形動タリ
恐ろしさで身のふるえるさま。ぞっとするさま。「事の重大さに―とする」
慄然とする
りつぜん【慄然とする】
be struck[filled]with horror <at> ;be terrified[horrified] <with,by> ;shudder <at> .→英和
慇懃
いんぎん [0] 【慇懃】 (名・形動)[文]ナリ
(1)礼儀正しく,丁寧な・こと(さま)。「―な態度」「―に挨拶(アイサツ)する」
(2)親しい交わり。よしみ。「―を重ねる」
(3)男女の情交。
[派生] ――さ(名)
慇懃
いんぎん【慇懃】
politeness.→英和
〜な(に) polite(-ly).→英和
〜無礼な condescending.→英和
慇懃無礼
いんぎんぶれい [5] 【慇懃無礼】 (名・形動)[文]ナリ
表面の態度は丁寧だが,心の中では相手を軽くみている・こと(さま)。「―な態度」
慇懃講
いんぎんこう [3][0] 【慇懃講】
礼儀を守って行われる集会。
→無礼講
慈しぶ
うつくし・ぶ 【慈しぶ・愛しぶ】 (動バ上二)
かわいがる。うつくしむ。「兄―・び弟恭(イヤマ)ふ/日本書紀(顕宗訓)」
慈しみ
いつくしみ [0] 【慈しみ】
慈愛。恵み。
慈しむ
いつくし・む [4] 【慈しむ】 (動マ五[四])
〔「うつくしむ」の転〕
かわいがって,大事にする。「我が子のように―・む」
慈しむ
うつくし・む 【慈しむ・愛しむ】 (動マ四)
かわいがる。いつくしむ。うつくしぶ。「よるひる―・みて/源氏(乙女)」
慈しむ
いつくしむ【慈しむ】
love;→英和
be kind <to> .慈しみ(深い) affection(ate).→英和
慈仁
じじん [0] 【慈仁】
情け深いこと。
慈光院茶室
じこういんちゃしつ ジクワウヰン― 【慈光院茶室】
大和郡山市小泉の慈光院にある茶室。片桐石州好みとしては最も確実なもの。二畳台目で点前座上座に床が付く。他に風炉先に丸窓を開け,踏み込み床を持った三畳の席がある。
慈円
じえん ジヱン 【慈円】
(1155-1225) 鎌倉初期の天台宗の僧。関白藤原忠通の子。九条兼実の弟。諡(オクリナ)は慈鎮。四度,天台座主。歌人としても優れる。著「愚管抄」,家集「拾玉集」など。
慈善
じぜん【慈善】
charity;→英和
benevolence.〜の charitable;→英和
benevolent.→英和
〜をする do good.‖慈善家 a charitable person.慈善事業 charities.慈善団体(心) a charitable corporation (spirit).慈善なべ(病院) a charity pot (hospital).
慈善
じぜん [0] 【慈善】
(1)あわれみ,たすけること。
(2)貧しい人や不幸な人をいたわり救済すること。「―を施す」
慈善事業
じぜんじぎょう [4] 【慈善事業】
宗教的・道徳的動機に基づいて,孤児・病人・老弱者・貧民などの救済のために行われる社会事業。国家による福祉事業と違い,民間の手で行われるものをいう。
慈善団体
じぜんだんたい [4] 【慈善団体】
慈善事業を行うことを目的とする団体。
慈善家
じぜんか [0] 【慈善家】
進んで慈善をする人。
慈善市
じぜんいち [2] 【慈善市】
⇒バザー(1)
慈善興行
じぜんこうぎょう [4] 【慈善興行】
慈善を目的として行われる演奏会などの興行。チャリティー-ショー。
慈善鍋
じぜんなべ [4] 【慈善鍋】
「社会鍋(シヤカイナベ)」に同じ。[季]冬。
慈姑
くわい クワヰ [0] 【慈姑】
(1)オモダカ科の多年草。オモダカの栽培変種。中国原産。塊茎を食用とし,古くから水田で栽培する。葉は根生し,大きな矢じり形で葉柄が長い。夏,花茎を出し白色の小花をつける。シログワイ。[季]春。
(2)クログワイの古名。
慈姑(1)[図]
慈姑
くわい【慈姑】
《植》an arrowhead.→英和
慈姑頭
くわいあたま クワヰ― 【慈姑頭】
江戸時代,医者などの髪の結い方。総髪をすべて後頭部に束ね,先を少しさげたもの。束ねがクワイの芽に似る。
慈姑頭[図]
慈尊
じそん 【慈尊】
〔仏〕 弥勒菩薩の尊称。慈氏。「我れ兜率(トソツ)天に生れて―を礼(オガ)み奉らん/今昔 12」
慈尊三会
じそんさんえ [4] 【慈尊三会】
⇒竜華(リユウゲ)三会(サンエ)
慈心
じしん [0][1] 【慈心】
慈悲深い心。情け深い心。
慈忍
じにん [0] 【慈忍】
人をいつくしみ,我慢して,怒ったり恨んだりしないこと。慈悲と忍耐。
慈恩寺
じおんじ 【慈恩寺】
唐の高宗が648年母の追福のために長安に建立した寺。その上座となった玄奘(ゲンジヨウ)はここで多数の仏典を漢訳した。会昌(841-846)の廃仏後廃絶。七層(もと五層)の大雁塔のみ現存。大慈恩寺。
慈恵
じけい [0] 【慈恵】
慈しみの心で他に恵むこと。「偏に君王―の厚恩なり/太平記 4」
慈恵医院
じけいいいん [4] 【慈恵医院】
貧しい人を施療するために設立された病院。
慈悲
じひ [1] 【慈悲】
(1)〔仏〕 仏・菩薩の衆生(シユジヨウ)をあわれむ心。楽を与える慈と苦を除く悲とをいう。
(2)いつくしみ,あわれむ心。また,情け深いこと。「―の心」「―を乞う」「―を垂れる」「お―でございますからお見逃し下さい」
(3)「慈悲心鳥(ジヒシンチヨウ)」の略。
慈悲
じひ【慈悲】
benevolence;charity;→英和
mercy;→英和
pity.→英和
〜深い merciful;→英和
kindhearted.→英和
〜をかける have mercy <on> ;do <a person> an act of charity.
慈悲心
じひしん [2] 【慈悲心】
慈悲の心。情け深い心。「―を起こす」「―にすがる」
慈悲心鳥
じひしんちょう [3][0] 【慈悲心鳥】
カッコウ科の鳥,ジュウイチの別名。[季]夏。《―おのが木魂に隠れけり/前田普羅》
慈悲深い
じひぶか・い [4] 【慈悲深い】 (形)[文]ク じひぶか・し
慈悲の心に満ちあふれている。「―・い老人」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
慈悲衣
じひえ [2] 【慈悲衣】
〔慈悲を行う者の衣の意〕
僧の着る法衣。慈悲服。
慈愛
じあい [0][1] 【慈愛】
我が子を愛するようないつくしみの気持ち。「深い―」
慈愛
じあい【慈愛】
affection;→英和
love.→英和
〜深い affectionate;→英和
loving.→英和
慈慧大師
じえだいし ジヱ― 【慈慧大師】
⇒良源(リヨウゲン)
慈救
じく [1] 【慈救】
「慈救呪(ジクジユ)」の略。
慈救呪
じくじゅ [1] 【慈救呪】
〔仏〕 不動明王の大・中・小の呪文のうち,中呪のこと。これを唱えると,災いを避けられ,願いも成就するという。慈救偈(ジクゲ)。慈救。
慈昌
じしょう ジシヤウ 【慈昌】
⇒存応(ゾンノウ)
慈母
じぼ [1] 【慈母】
思いやりのある,やさしい母親。また,母を敬愛してもいう。
慈母
じぼ【慈母】
an affectionate[a loving,a fond]mother.
慈氏
じし [1] 【慈氏】
〔仏〕
〔梵 Maitreya「弥勒(ミロク)」の意訳〕
弥勒の異名。慈氏菩薩。慈氏尊。
慈氏菩薩
じしぼさつ 【慈氏菩薩】
弥勒(ミロク)菩薩の異名。
慈江道
じこうどう ジカウダウ 【慈江道】
朝鮮民主主義人民共和国北部の道。北は鴨緑江(オウリヨツコウ)を隔てて中国に接する。道都は江界。チャガン-ド。
慈照寺
じしょうじ ジセウ― 【慈照寺】
銀閣寺(ギンカクジ)の正称。
慈父
じふ [1] 【慈父】
思いやりのある,やさしい父親。子に対して深い愛情をそそぐ父。また,父を敬愛してもいう。
慈父
じふ【慈父】
a loving[an affectionate]father.
慈眼
じげん [0][1] 【慈眼】
仏・菩薩が大慈大悲の心で衆生(シユジヨウ)を見る目。
慈眼
じがん [1][0] 【慈眼】
慈悲深い目。慈愛にみちたまなざし。
→じげん(慈眼)
慈眼大師
じげんだいし 【慈眼大師】
天海(テンカイ)の諡号(シゴウ)。
慈童
じどう [0] 【慈童】
(1)「菊慈童(キクジドウ){(1)}」に同じ。
(2)能面の一。神性を帯びた少年または平家の公達などに用いる。枕慈童(菊慈童)・田村・敦盛(アツモリ)などに用いる。
慈育
じいく [1][0] 【慈育】 (名)スル
いつくしみ育てること。
慈覚大師
じかくだいし 【慈覚大師】
円仁(エンニン)の諡号(シゴウ)。
慈親
じしん [0][1] 【慈親】
いつくしみの心の深い親。
慈遍
じへん 【慈遍】
鎌倉末期から南北朝時代の天台宗の僧。神道家。卜部兼顕の子で,徒然草の作者兼好の兄(一説に弟)。後醍醐天皇の信任厚く,南朝方の知識人の一人。著に「旧事本紀玄義(クジホンギゲンギ)」など。生没年未詳。
慈鎮
じちん 【慈鎮】
慈円(ジエン)の諡号(シゴウ)。
慈雨
じう [1] 【慈雨】
めぐみの雨。ほどよい時にほどよく降って,草木や作物をうるおしそだてる雨。「旱天(カンテン)の―」
慈雨
じう【慈雨】
a welcome rain.
慈雲
じうん 【慈雲】
(1718-1804) 江戸中期の真言宗の僧。諱(イミナ)は飲光(オンコウ)。大坂の人。正法律の開祖。悉曇(シツタン)を研究し「梵学津梁(ボンガクシンリヨウ)」一〇〇〇巻を著した。他に「十善法語」など。また,雲伝神道を創始。慈雲律師。葛城尊者。
慈顔
じがん [0] 【慈顔】
慈愛に満ちたやさしい顔つき。
慈養
じよう [0] 【慈養】
いつくしみ大切に育てること。
慈鳥
じちょう [0][1] 【慈鳥】
カラスの異名。
慊りる
あきた・りる [0] 【飽(き)足りる・慊りる】 (動ラ上一)
〔四段動詞「飽き足る」の上一段化。近世江戸語以降の語。多く下に打ち消しの語を伴う〕
「あきたる」に同じ。「現状に―・りなくなった」「人生の欲に―・りるより起つた迷ひだ/露団々(露伴)」
慊る
あきた・る [0] 【飽(き)足る・慊る】 (動ラ五[四])
〔古くは「あきだる」。多く下に打ち消しの語を伴う〕
十分に満足する。あきたりる。「―・らぬ気持ち」「音楽のやうな芸術の楽は,直に―・つてしまつて/うづまき(敏)」
慊焉
けんえん [0] 【慊焉】 (ト|タル)[文]形動タリ
〔「慊」は満足と不満の両意をもつ。「焉」は助字〕
(1)満足に思うさま。
(2)不満に思うさま。「現政府に―たる国内の不平党/此一戦(広徳)」
態
たい [1] 【態】
(1)すがた。かたち。ようす。てい。
(2)
(ア)
〔voice〕
文法で,動詞の表す動作の動作主体・動作対象などの別を,文中で主語・対象語(目的語)などのどの文の成分でとらえるかによって区別される文の種類(能動態・受動態・中間態など),およびそれを表現し分ける組織的な文法形式。ボイス。古い国文法では相と呼ばれることもある。
(イ)「相{(3)
(ア)}」に同じ。
態
ざま 【様・態】
〔「さま(様)」の転〕
■一■ [2] (名)
様子や格好などを,ののしったりあざけったりしていう語。「その―はなんだ」
■二■ (接尾)
⇒さま■三■□二□(1)
態
たい【態】
(1)《文》the voice.→英和
(2) ⇒有様(ありさま).
態
なり [2] 【形・態】
〔「成り」と同源〕
(1)物の形。特に人の体の格好。「―は大きいがまだ子供だ」「その山は…―は塩尻のやうになむありける/伊勢 9」
(2)服装。また,髪形・服装などを含めた,人の姿。身なり。「南極にでも行くような―でやって来た」「派手な―」
(3)様子。状態。ありさま。「あそこも爰にも物を談合する―が有たぞ/蒙求抄 2」「二貫目借りた内からする―をして太い事をいふてありかす/浮世草子・禁短気」
(4)名詞・活用語の連体形の下に付いて,それによって制約・決定された状態,それ相応の状態などの意を表す。「道―に行く」「彼には彼―の意地がある」「山―」「弓―」「人の言う―になる」「短い―にまとまった作品」「背が高ければ高い―の悩みがある」
態
てい [1] 【体・態】
(1)外から見た有り様。様子。「風になびく―に描く」
(2)みせかけの様子。体裁。「―の良い逃げ口上」
(3)名詞などの下に付いて接尾語的に用いられ,…のようなもの,…ふぜいなどの意を表す。「職人―の男」「凡人の家にとらば公文所(クモンジヨ)―のところ也/平家 4」
態々
わざわざ【態々】
(1) ⇒態と.
(2)[特別に]〜…する take the trouble to do.〜お出で下さって有難う It is very kind of you to come all the way to see me.
態っと
わざっと 【態っと】 (副)
〔「わざと」の促音添加〕
(1)わざわざ。わざと。「私へ―話すには及ばない/細君(逍遥)」
(2)少しばかり。ほんの。わざと。「これは赤の飯(マンマ)でございますが,―お祝ひ申ます/滑稽本・浮世風呂 2」
態と
わざと [1] 【態と】 (副)
(1)自然に,または偶然にそうなるのではなく,意識してそうしようと思ってするさま。わざわざ。故意に。「―こわす」
(2)際立って。特に。「ここちいと悪しうおぼえて―いと苦しければ/蜻蛉(中)」
(3)正式であるさま。本格的であるさま。「―の御学問はさるものにて/源氏(桐壺)」
(4)少しばかり。形ばかり。わざっと。「新製の羊羹と香煎,―お年玉のしるし/滑稽本・七偏人」
態と
わざと【態と】
on purpose;intentionally;→英和
deliberately.→英和
〜したのではない ⇒悪気.〜らしい unnatural;→英和
affected (気取った);→英和
forced (無理にした);→英和
exaggerated (大げさな).
態とがましい
わざとがまし・い [6] 【態とがましい】 (形)[文]シク わざとがま・し
「わざとらしい」に同じ。「―・い態度」
[派生] ――さ(名)
態とめく
わざとめ・く 【態とめく】 (動カ四)
わざとらしく感じられるさまだ。「女房の奥深きを起こし出づるほど久しくなりて,―・いたるも心苦しうて/源氏(橋姫)」
態とらしい
わざとらし・い [5] 【態とらしい】 (形)[文]シク わざとら・し
いかにもわざわざしているようで不自然である。意味ありげだ。「―・い咳払い」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
態勢
たいせい [0] 【態勢】
物事に対処する身構え。事態に対応するための状態。「万全の―で臨む」「―を整える」
態勢にある
たいせい【態勢にある(を整える)】
be prepared (prepare) <for,to do> .受入れ態勢 ⇒受入れ.
態度
たいど [1] 【態度】
(1)ある物事に対した時の,人のようす。動作・表情などの外面に表れたふるまい。「真剣な―に心うたれる」
(2)ある物事に対応する身構え。応対。出方。「学校側の―は弱腰すぎる」「強硬な―をとる」
(3)そぶり。挙動。「―がおかしい」
態度
たいど【態度】
an attitude;→英和
a manner;→英和
an air;→英和
bearing.→英和
〜が良い(悪い) have good (bad) manners.〜をとる assume[take]an <a firm> attitude <toward> .
態態
わざわざ [1] 【態態】 (副)
(1)何かのついでではなく,特にそのためだけにするさま。特別に。「―見舞いにくる」
(2)故意に。わざと。「―人の仕事をじゃましにくる」
態態し
わざわざ・し 【態態し】 (形シク)
ことさららしい。わざとらしく見える。「―・しくことごとしく聞ゆれど/大鏡(序)」
態様
たいよう [0] 【体様・態様】
ありさま。ようす。状態。
慌しい
あわただしい【慌しい(く)】
[急いだ]hurried(-ly);→英和
[慌てた]excited(ly);confused(-ly).→英和
〜旅行 a flying trip.
慌ただしい
あわただし・い [5] 【慌ただしい・遽しい】 (形)[文]シク あわただ・し
〔古くは「あわたたし」と清音。「慌(アワ)つ」と同源。「たたし」は「立つ」の形容詞形〕
(1)あれこれすることがあって,忙しい。気持ちがせきたてられるようで落ち着かない。せわしない。「―・い一日」「―・く旅立つ」
(2)ものの動きや周囲の状況が激しく変化する。「雲の動きが―・い」「政局の動きが―・い」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
慌つ
あわ・つ 【慌つ】 (動タ下二)
⇒あわてる
慌てふためく
あわてふため・く [6] 【慌てふためく】 (動カ五[四])
あわてて騒ぎまわる。うろたえて,取り乱す。「突然の銃声に―・く」
慌てる
あわ・てる [0] 【慌てる・周章てる】 (動タ下一)[文]タ下二 あわ・つ
(1)思いがけないことに出くわして,落ち着きを失う。驚きうろたえる。「うそがばれそうになって―・てた」「其夜受禅ありしかば,天下なにとなう―・てたるさまなり/平家 1」
(2)ひどく急いで事をする。「―・てて帰って行った」
慌てる
あわてる【慌てる】
(1)[動転]be upset[flurried].(2)[せく]be hurried;be in a hurry.→英和
慌てて in confusion[bewilderment];hurriedly.慌てない keep quiet;remain calm.慌てさせる throw a person into confusion.‖慌て者 a hasty person.
慌て者
あわてもの [0] 【慌て者】
気の早い人。そそっかしい人。
慍む
ふずく・む フヅクム 【憤む・慍む】 (動マ四)
⇒ふつくむ
慍む
ふつく・む 【憤む・慍む】 (動マ四)
〔近世には「ふづくむ」とも〕
腹を立てる。いきどおる。「句々いかり―・みて,なんぞして出る事有るに似たぞ/四河入海 11」
慍色
おんしょく ヲン― [0] 【慍色】
むっとした顔色。うんしょく。
慎ましい
つつましい【慎ましい(く)】
modest(ly);→英和
humble(-bly);→英和
frugal(ly) (節約).→英和
慎ましい
つつまし・い [4] 【慎ましい】 (形)[文]シク つつま・し
〔動詞「慎(ツツ)む」の形容詞化〕
(1)遠慮深く物静かである。ひかえめだ。「―・くひかえる」「―・いものごし」
(2)ぜいたくでない。質素だ。つましい。「―・い生活」「―・く暮らす」
(3)遠慮される。気がひける。「夢にや見ゆらむと,空恐ろしく―・し/源氏(帚木)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
慎ましやか
つつましやか [4] 【慎ましやか】 (形動)[文]ナリ
いかにもつつましそうなさま。ひかえめなさま。「―な女性」
[派生] ――さ(名)
慎み
つつしみ [0][4] 【慎み】
(1)慎むこと。謙虚な気持ちでいること。ひかえめにしていること。「―のある態度」「―がない」
(2)物忌み。斎戒。「いみじき御―どもをし給ふしるしにや/源氏(明石)」
(3)江戸時代の士分の者に科した刑罰の一種。家にとじこめ,外部との接触を禁ずるもの。謹慎。
慎み
つつしみ【慎み】
[慎重]discretion;→英和
prudence;→英和
caution;→英和
modesty (謙遜(けんそん));→英和
self-control[-restraint](抑制).〜深い(のない) (in)discreet;→英和
(im)prudent;→英和
self-restraining (self-indulgent).
慎み深い
つつしみぶか・い [6] 【慎み深い】 (形)[文]ク つつしみぶか・し
慎む心が深い。「―・い物言い」
[派生] ――さ(名)
慎む
つつし・む [3] 【慎む・謹む】 (動マ五[四])
〔「慎(ツツ)む」と同源〕
(1)あやまちのないように,行動を控えめにする。《慎》「軽挙妄動を―・む」「言葉を―・む」
(2)度がすぎないようにする。《慎》「酒を―・む」
(3)神仏・貴人などの前でかしこまった態度をとる。《謹》「―・んで承る」「余り―・み給て,今は目も見せ給はねば/狭衣 4」
→つつしんで
(4)斎戒する。物忌みする。「伊予の守の朝臣の家に―・む事侍りて/源氏(帚木)」
慎む
つつ・む 【慎む・障む】 (動マ四)
〔「包む」と同源〕
(1)人目をはばかる。気がねする。つつしむ。「人目も今は―・み給はず泣き給ふ/竹取」
(2)気後れする。行動を控える。「例いとよく書く人も,あぢきなうみな―・まれて/枕草子 23」
(3)障害にあう。妨げられる。「行くさ来さ―・むことなく舟は早けむ/万葉 4514」
(4)病気・けがなどの障りがあって,つつしんでいる。「びなきに―・みて世人のさわぐ行ひもせで/蜻蛉(下)」
慎到
しんとう 【慎到】
中国,戦国時代の趙の思想家。黄老の学を修め,法家の先駆をなしたといわれるが,思想・伝記とも未詳。その著「慎子」の現存部分も偽作という説がある。生没年未詳。
慎子
しんし 【慎子】
(1)慎到(シントウ)の敬称。
(2)慎到の著した書。五編が現存。
慎思録
しんしろく 【慎思録】
随筆。六巻。貝原益軒著。1714年成立。朱子学の基本問題について見解が述べられ,益軒の道徳論が展開されている。
慎機論
しんきろん 【慎機論】
経世書。一巻。渡辺崋山著。モリソン号に対する幕府の政策を批判して1838年に書かれたが途中で筆を絶ち,未公開。蛮社の獄で処罰される原因となる。
慎独
しんどく [0] 【慎独】
〔大学「君子必慎�其独�也」から〕
自分一人でいるときでも身をつつしみ,道をはずれないようにすること。
慎莫
しんまく 【慎莫】
(1)始末をきちんとすること。よく身辺の処置をすること。「うぬが身の―でもするがほんとうだのに/人情本・辰巳園 4」
(2)実直なこと。律義。「其顔もせず―に終に仕付けぬ賃為業(シゴト)/浄瑠璃・難波丸金鶏」
慎重
しんちょう【慎重】
prudence;→英和
discretion.→英和
〜な(に) careful(ly);→英和
cautious(ly);→英和
prudent(ly).→英和
〜な態度をとる take a prudent attitude.〜に審議する give careful consideration <to> .
慎重
しんちょう [0] 【慎重】 (名・形動)[文]ナリ
注意深く,落ち着いて,軽々しく行わない・こと(さま)。「―を期する」「―な態度」「―に審議する」
[派生] ――さ(名)
慎[謹]む
つつしむ【慎[謹]む】
[抑制]refrain <from> ;→英和
be moderate <in> ;be careful[cautious,discreet,prudent](用心).謹んで respectfully;sincerely;→英和
humbly;⇒心(から).
慓悍
ひょうかん ヘウ― [0] 【剽悍・慓悍】 (名・形動)[文]ナリ
すばしこく,しかも荒々しく強い・こと(さま)。「―な男」
[派生] ――さ(名)
慕う
したう【慕う】
yearn <after> ;→英和
long <for> ;→英和
love dearly;admire[adore](敬慕);→英和
follow a person <to a place> (追う).→英和
慕う
した・う シタフ [0][2] 【慕う】 (動ワ五[ハ四])
(1)恋しく思う。心がひかれなつかしく思う。思慕する。恋慕する。「以前からお―・い申しておりました」「故国を―・う」
(2)離れがたく思ってあとを追う。「母親を―・って泣く」
(3)学問・人徳などを尊敬して,それにならおうとする。「博士の学風を―・う人々」
(4)逃げる相手を追う。「わがあとを―・ひてうたんと思はれば/戴恩記」
慕ふ
しの・ふ 【偲ふ・慕ふ】 (動ハ四)
⇒しのぶ(偲)
慕ぶ
しの・ぶ [2][0] 【偲ぶ・慕ぶ】
■一■ (動バ五[四])
〔上代は「しのふ」と清音〕
(1)過ぎ去ったり遠く離れたりしたことや人を,なつかしむ気持ちや賞賛・同情の気持ちをもって思い出す。追憶する。「故郷を―・んで涙を流す」「故人を―・ぶ」「先人の苦労を―・ぶ」
(2)(「しのばれる」の形で)好ましいことが自然と推測される。「お人柄が―・ばれる」「教養の深さが―・ばれる」「昔の栄華が―・ばれる」
(3)目の前にある物の美しさを賞賛する。めでる。「秋山の木の葉を見ては黄葉(モミチ)をば取りてそ―・ふ/万葉 16」
■二■ (動バ上二)
{■一■(1)}に同じ。「なき人を―・ぶる宵のむらさめに濡れてや来つる山ほととぎす/源氏(幻)」
〔本来は四段活用の「しのふ(偲)」で,上二段活用の「しのぶ(忍)」とは全くの別語であったが,亡き人・別れた人のことを静かに思い浮かべることと,そのつらさをじっとこらえる(忍ぶ)こととが相通じ,また語形も平安時代にはともに「しのぶ」となったために,両語は交錯し,いずれも四段(五段)と上二段の両方の活用をするようになった〕
慕わしい
したわし・い シタハシイ [4] 【慕わしい】 (形)[文]シク したは・し
〔動詞「慕ふ」の形容詞形〕
心がひかれて,そばに近づきたくなる気持ちである。恋しい。したわしい。「―・く思っている人」「何事も古き世のみぞ―・しき/徒然 22」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
慕わしい
したわしい【慕わしい】
〔形〕dear;→英和
beloved.→英和
慕容
ぼよう 【慕容】
三〜五世紀に中国東北部で活躍した鮮卑系の一部族。前燕・後燕・西燕・南燕などを建国。
慕帰絵詞
ぼきえことば 【慕帰絵詞】
本願寺三世覚如の伝記を描いた絵巻。一〇巻。1351年作。絵は藤原隆章・隆昌,詞書(コトバガキ)は三条公忠らの筆。一巻と七巻は1482年の補作で絵は藤原久信,詞書は飛鳥井雅康。慕帰絵。
慕情
ぼじょう [0] 【慕情】
(異性を)したわしく思う気持ち。
慕情
ぼじょう【慕情】
longing.→英和
慙恚
ざんい [1] 【慚恚・慙恚】 (名)スル
恥じて恨み怒ること。
慙愧
ざんき [1] 【慚愧・慙愧】 (名)スル
〔「ざんぎ」とも。元来は仏教語で,「慚」は自己に対して恥じること,「愧」は外部に対してその気持ちを示すことと解釈された。「慚」「慙」は同字〕
自分の言動を反省して恥ずかしく思うこと。「―に堪えない」「我輩常に―するです/社会百面相(魯庵)」
慙愧に堪えない
ざんき【慙愧に堪えない】
be quite ashamed of oneself.〜せしめる put <a person> to shame.
慚恚
ざんい [1] 【慚恚・慙恚】 (名)スル
恥じて恨み怒ること。
慚悔
ざんかい [0] 【慚悔】 (名)スル
恥じ悔いること。慚愧。「少壮客気の失策なりと―し/復活(魯庵)」
慚愧
ざんき [1] 【慚愧・慙愧】 (名)スル
〔「ざんぎ」とも。元来は仏教語で,「慚」は自己に対して恥じること,「愧」は外部に対してその気持ちを示すことと解釈された。「慚」「慙」は同字〕
自分の言動を反省して恥ずかしく思うこと。「―に堪えない」「我輩常に―するです/社会百面相(魯庵)」
慚死
ざんし [1][0] 【慚死】 (名)スル
深く恥じて死ぬこと。また,深く恥じ入ること。「平生(フダン)の耳で居たら―する程の大言壮語を/思出の記(蘆花)」
慚汗
ざんかん [0] 【慚汗】
恥じ入って汗が流れること。また,その汗。「―背を流れる」
慚無い
ざんな・い 【慚無い】 (形)
〔「無慚(ムザン)」に返り点を付けて読んだ語。中世・近世語〕
見るに忍びない。むごい。「おお―・い仏様や/浄瑠璃・島原蛙合戦」
慚羞
ざんしゅう [0] 【慚羞】 (名)スル
恥じて顔を赤らめること。「悔悟―して其行(オコナイ)を改むるには至らずとも/小説神髄(逍遥)」「―に堪へず/浮城物語(竜渓)」
慟哭
どうこく [0] 【慟哭】 (名)スル
悲しみのために,声をあげて激しく泣くこと。哭慟。「友の死に―する」
慟哭する
どうこく【慟哭する】
cry bitterly;wail.→英和
慢ずる
まん・ずる [3] 【慢ずる】 (動サ変)[文]サ変 まん・ず
他人をあなどる。思い上がる。「我意に―・ずる貴族輩を/慨世士伝(逍遥)」
慢侮
まんぶ [1] 【慢侮】 (名)スル
あなどり軽んじること。
慢心
まんしん【慢心】
pride;→英和
self-conceit.〜する be proud;be self-conceited;be puffed up (いい気になって).
慢心
まんしん [0] 【慢心】 (名)スル
自慢していい気になること。おごり高ぶること。また,その心。「褒(ホ)められて―する」
慢性
まんせい [0] 【慢性】
急激な症状の変化もなく,良くも悪くもならないまま長引いて,なかなか治らない病気の状態。
⇔急性
「―の盲腸炎」
慢性の
まんせい【慢性の】
chronic <disease> .→英和
慢性アルコール中毒
まんせいアルコールちゅうどく [10] 【慢性―中毒】
⇒アルコール依存症(イソンシヨウ)
慢性中毒
まんせいちゅうどく [5] 【慢性中毒】
薬物や他の化学物質の長期にわたる摂取によって徐々に起こる疾病状態。
⇔急性中毒
慢性伝染病
まんせいでんせんびょう [0] 【慢性伝染病】
慢性の経過をとる伝染性疾患の総称。結核・ハンセン病・性病・トラコーマ・寄生虫疾患などの類。
→急性伝染病
慢性疲労症候群
まんせいひろうしょうこうぐん [0] 【慢性疲労症候群】
長期間にわたる原因不明の疲労を主症状とする症候群。微熱・咽頭痛・筋力低下・リンパ節の腫れなどの副症状がある。CFS 。
慢性疾患
まんせいしっかん [5] 【慢性疾患】
徐々に発病し,治癒にも長期間を要する疾患の総称。心臓病・関節リューマチ・結核・糖尿病などの類。慢性病。
慢性肝炎
まんせいかんえん [5] 【慢性肝炎】
肝臓の持続性炎症疾患。食欲不振・倦怠感などの自覚症状が見られることもあるが,一般には軽度。肝硬変に進行する場合もある。
慢慢的
マンマンデー [3] 【慢慢的】 (形動)
〔中国語〕
ゆっくりしているさま。ゆるやかであるさま。あくせくしないさま。「―な仕事ぶり」
慢気
まんき [1] 【慢気】
おごり高ぶる心。思い上がり。慢心。
慢罵
まんば [1] 【慢罵】 (名)スル
あなどりののしること。「―されるに任せる」
慢言
まんげん [0] 【慢言】
他人を見下した言葉。慢語。
慢語
まんご [0][1] 【慢語】
「慢言(マンゲン)」に同じ。
慣らう
なら・う ナラフ [2] 【倣う・慣らう】 (動ワ五[ハ四])
(1)あることを手本として同様に行う。まねる。「前例に―・う」「イギリスに―・った制度」
(2)何度も繰り返して,それが習慣になっている。なれている。「をのこも(船旅ヲ)―・はむはいとも心細し/土左」「さる御用意は―・はせ給へれば/大鏡(道隆)」
(3)慣れ親しむ。「使はるる人々も年頃―・ひて/竹取」
[慣用] 顰(ヒソ)みに―/右へ倣え
慣らし
ならし [3] 【慣らし・馴らし】
(1)ならすこと。練習。「―運転」「―に一矢づつ射て見候はん/太平記 17」
(2)ならわし。習慣。「宇治勢多―に馬筏を組んで渡して/盛衰記 34」
慣らす
なら・す [2] 【慣らす・馴らす】 (動サ五[四])
(1)繰り返し接してなじむようにする。なれさせる。順応させる。「体を寒さに―・す」「何度も英会話のテープを聞いて耳を―・す」
(2)獣や鳥が人になれるようにする。《馴》「野生の象を―・す」
(3)なれすぎて無遠慮に扱う。「人をも―・さず人にも―・されず/十訓 1」
〔「慣れる」に対する他動詞〕
慣る
な・る 【慣る・馴る・狎る・熟る】 (動ラ下二)
⇒なれる(慣・馴)
⇒なれる(狎)
⇒なれる(熟)
慣れ
なれ【慣れ】
practice (練習);→英和
experience (経験).→英和
慣れ
なれ [2] 【慣れ・馴れ】
(1)たび重なってなれること。習熟すること。「別に技術はいらぬ。―だけだ」「―が怖い」
(2)〔心〕 同じ刺激を繰り返し与えると,それに対する反応がしだいに弱くなりやがて消失すること。
慣れっこ
なれっこ [2] 【慣れっこ・馴れっこ】
なれきって特別のこととも感じないこと。「父の小言には―になっている」
慣れる
な・れる [2] 【慣れる・馴れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 な・る
(1)たびたび経験した結果,当たり前のこととして受けとめるようになる。なれっこになる。「都会での生活に―・れる」「会議の雰囲気に―・れる」「待たされるのには―・れている」
(2)何度も経験してうまくできるようになる。習熟する。「料理も―・れれば手際よくなる」「―・れた手つき」「―・れない仕事で疲れた」
(3)接触する機会が多く,心理的な隔たり・距離感がなくなる。
(ア)人に親しみをもつようになる。「生徒はようやく新しい先生に―・れてきた」
(イ)獣・鳥などが人に対して警戒心や敵愾心(テキガイシン)をもたなくなる。「野生の動物はなかなか人に―・れない」
(4)体になじんで具合がよくなる。「足に―・れた靴」
(5)動詞の連用形や名詞の下に付いて,何度も経験して具合がよくなる意を表す。「履き―・れた靴」「書き―・れた万年筆」「旅―・れた人」
(6)なじんで打ち解ける。「唐ごろも着つつ―・れにし妻しあればはるばる来(キ)ぬる旅をしぞ思ふ/伊勢 9」
(7)着物が着古されてよれよれになる。「紐解かず丸寝(マロネ)をすれば我(ア)が着たる衣は―・れぬ/万葉 1787」
〔「慣らす」に対する自動詞〕
[慣用] 習うより慣れよ
慣わし
ならわし ナラハシ [0] 【習わし・慣わし】
(1)これまでの習慣となっていること。しきたり。ならい。風習。「毎月一回集まるのが―だ」「世の―」
(2)ならわすこと。なれさせること。練習。「郭公(ホトトギス)羽―に枝うつりせよ/伊勢集」
慣わす
ならわ・す ナラハス [3] 【習わす・慣わす】 (動サ五[四])
(1)ならわせる。学習させる。「ピアノを―・す」
(2)(動詞の連用形に付いて)いつも…する。…する習慣である。「読み―・す」「呼び―・す」
(3)習慣となるようにさせる。なれさせる。「かくたいだいしくやは―・すべき/竹取」
(4)こらしめる。いましめる。ならわかす。「いで―・さんとてつと立つ。あは,事出で来たりとて犇(ヒシメ)く/義経記 3」
慣例
かんれい【慣例】
(a) custom;→英和
a usage;→英和
a precedent (先例).→英和
〜的(に) conventional(ly).→英和
慣例
かんれい クワン― [0] 【慣例】
これまで行われてきて習慣のようになったやり方。ならわし。しきたり。「―に従う」
慣性
かんせい クワン― [0] 【慣性】
〔物〕 物体が外力の作用を受けない限り同じ運動状態を続けようとする性質。
→慣性の法則
慣性
かんせい【慣性】
inertia.→英和
慣性の法則
かんせいのほうそく クワン―ハフソク [0] 【慣性の法則】
静止しているか,等速直線運動をしている物体は,外力が働かなければいつまでもその状態を続けるという法則。運動の第一法則。
→運動の法則
慣性モーメント
かんせいモーメント クワン― [5] 【慣性―】
ある軸の周りに回転運動する物体の,回転に対する慣性の大きさを表す量。その軸の周りの慣性モーメントが大きいほど,回転運動の変化を起こさせにくい。回転軸に対する物体の質量分布によって決まる。慣性能率。
慣性力
かんせいりょく クワン― [3] 【慣性力】
慣性系に対し加速度運動をしている座標系で運動方程式を記述する際に現れる見かけ上の力。大きさは質量に加速度を乗じたもの,向きは加速度と逆。慣性抵抗。
慣性抵抗
かんせいていこう クワン―カウ [5] 【慣性抵抗】
(1)「慣性力」に同じ。
(2)流体力学で,圧力抵抗のこと。
慣性系
かんせいけい クワン― [0] 【慣性系】
慣性の法則が成り立つ座標系。慣性系に対して等速度運動する座標系も慣性系であって,古典力学や特殊相対性理論は慣性系において基本方程式が記述される。惰性系。
慣性航法
かんせいこうほう クワン―カウハフ [5] 【慣性航法】
航空機・船舶などが,自己の加速度を検出し,速度・移動距離などをコンピューターで計算して自分の位置を求める航法。
→慣性誘導装置
慣性誘導装置
かんせいゆうどうそうち クワン―イウダウサウチ [9] 【慣性誘導装置】
船舶・航空機・宇宙船などが移動する際,位置の変化を自動的に知り得る装置。精密なジャイロにより絶対水平を保つ安定台に取り付けた加速度・角速度・重力の変化を感知する計器と積算機から成る。
慣性質量
かんせいしつりょう クワン―リヤウ [6] 【慣性質量】
ニュートンの運動方程式を基礎として,慣性の大きさから定義された質量。
→質量
慣手段
かんしゅだん クワン― [3] 【慣手段】
〔「慣用手段」の略〕
いつも決まってとる手段。常套(ジヨウトウ)手段。
慣熟
かんじゅく クワン― [0] 【慣熟】 (名)スル
物事に十分になれて,上手になること。「芸に―することを求め/西国立志編(正直)」
慣用
かんよう クワン― [0] 【慣用】 (名)スル
一般に用いられること。普通に使われること。「世間の―を重視する」「坊主の―する手段を試みるがよい/吾輩は猫である(漱石)」
慣用
かんよう【慣用】
common use;usage.→英和
〜の common;→英和
customary;→英和
idiomatic (語句の).‖慣用語句 an idiomatic expression;an idiom.
慣用句
かんようく クワン― [3] 【慣用句】
(1)二語以上が結合し,その全体が一つの意味を表すようになって固定したもの。「道草を食う」「耳にたこができる」の類。慣用語。イディオム。
(2)二語以上が,きまった結びつきしかしない表現。「間髪を入れず」「悦に入る」の類。慣用語。イディオム。
慣用名
かんようめい クワン― [3] 【慣用名】
古くから知られた化合物について,呼び慣らわされた名称。苛性(カセイ)ソーダ(水酸化ナトリウム)・炭酸ガス(二酸化炭素)など。
慣用語
かんようご クワン― [0] 【慣用語】
(1)一般に,特定の場面で習慣として使われていることば。きまり文句。「お早う」「ごめん下さい」の類。
(2)学術用語・官庁用語など,ある限られた社会・集団で習慣的によく使われる用語や言いまわし。通用語。
(3)「慣用句」に同じ。
慣用読み
かんようよみ クワン― [0] 【慣用読み】
慣用による読み方。正式な読み方以外によく用いられる読み方。
慣用音
かんようおん クワン― [3] 【慣用音】
漢音・呉音・唐音などとは異なるが,日本で広く使われ,一般化している漢字の音。石(せき・じゃく)を「こく」(千石船(センゴクブネ)),輸(しゅ)を「ゆ」(輸出)と読む類。通用音。
慣習
かんしゅう クワンシフ [0] 【慣習】 (名)スル
(1)ある社会で,長い間にみんなに認められるようになったならわし。世間のしきたり。「土地の―に従う」
(2)なれること。習慣となること。「風俗に―する/民約論(徳)」
慣習
かんしゅう【慣習】
⇒習慣.慣習法 the common[customary]law.
慣習法
かんしゅうほう クワンシフハフ [0][3] 【慣習法】
慣習のうちで,国家による強制がなくても,人々に法として意識され守られているもの。国家からどのような効力を付与されるかは,国・時代・問題により異なる。不文法の典型的なもの。習慣法。
→国家法
慣習風袋
かんしゅうふうたい クワンシフ― [5] 【慣習風袋】
取引で,慣習により,風袋(包装・容器など)の目方を総重量から差し引くことが認められている重量。普通風袋。習慣風袋。
慣行
かんこう【慣行】
habitual practice.〜の customary.→英和
慣行
かんこう クワンカウ [0] 【慣行】
しきたりとして行われていること。「―に従う」「―を破る」
慣[馴]れる
なれる【慣[馴]れる】
(1)[慣れる]get[be]used[accustomed] <to a thing,doing> ;become familiar <with> ;be experienced <in> (経験).→英和
(2)[馴れる]be tame(d).→英和
慣れた(ない) (un)skillful;(in)experienced.馴れた(ない) tame (untamed,wild).
慥か
たしか [1] 【確か・慥か】
■一■ (形動)
(1)(事柄が)明らかで,間違いのないさま。明白で疑う余地のないさま。「―に受け取りました」「―な証拠」「―な事実」
(2)事情やいきさつがはっきりしていて,信用のおけるさま。「身元の―な人」「―な筋からの情報」
(3)能力・判断力が優れていて安心できるさま。しっかりしていて信用できるさま。「―な技術」「―な鑑識眼」「気は―なのか」
■二■ (副)
断言はできないが,たぶん。まず間違いなく。「あれは―一昨年のことでした」
[派生] ――さ(名)
慥かめる
たしか・める [4] 【確かめる・慥かめる】 (動マ下一)[文]マ下二 たしか・む
調べたり,念を押したりしてはっきりそうだと納得する。「真偽を―・める」「辞書で―・める」
慧
え ヱ [1] 【恵・慧】
(1)知恵。さとり。
(2)〔仏〕 真理を見通す心のはたらき。智慧。般若(ハンニヤ)。「戒・定・―の三学を兼備し給へる独(ヒトリ)の沙門おはしけり/太平記 2」
慧剣
えけん ヱ― [1] 【慧剣】
〔仏〕 煩悩(ボンノウ)をよく断ち切る智慧の力を剣にたとえていう語。「講演論場の砌には学海智水を涌し,―を闘はしむる事なるに/太平記 40」
慧可
えか ヱカ 【慧可】
(487-593) 中国禅宗の第二の祖。洛陽の人。達磨(ダルマ)の弟子となり,六世紀中頃東魏で布教活動を行なった。
→慧可断臂(ダンピ)
慧可断臂
えかだんぴ ヱカ― [1][1] 【慧可断臂】
慧可が達磨(ダルマ)に入門を願って許されなかったとき,自分の左ひじを切って決意の固さを示し,入門を許されたという故事。
慧命
えみょう ヱミヤウ 【慧命】
(1)仏法の命脈。「絶えなんとする―を継がんこと/太平記 1」
(2)比丘(ビク)の敬称。
(3)(仏法の命を養うものにたとえて)智慧(チエ)のこと。法命。
慧慈
えじ ヱジ 【慧慈】
(?-622) 朝鮮,高句麗(コウクリ)の僧。595年来朝,聖徳太子の師となり,20年後に帰国。太子の著した「法華義疏」を高句麗に伝えたといわれる。
慧敏
けいびん [0] 【慧敏】 (名・形動)[文]ナリ
賢いこと。知恵があって気が利くこと。また,そのさま。「アリスの―なるや一聞忽ち其趣を解し/花柳春話(純一郎)」
慧根
えこん ヱ― [1] 【慧根】
〔仏〕 五根{(2)}の一。真理を見きわめる智慧(チエ)。
慧灯大師
えとうだいし ヱトウ― 【慧灯大師】
蓮如(レンニヨ)の諡号(シゴウ)。
慧玄
えげん ヱゲン 【慧玄】
⇒関山(カンザン)慧玄
慧琳
えりん ヱリン 【慧琳】
(768-820) 中国,唐代の僧。カシュガルの出身。一切経の注釈書「一切経音義」を著した。
慧眼
けいがん [0] 【慧眼】
物事の本質を見抜く鋭い眼力。鋭い洞察力。また,それをもつこと。「―の士」
→えげん(慧眼)
慧眼
けいがん【慧眼】
insight;→英和
a quick[keen]eye.〜な quick-sighted.
慧眼
えげん ヱ― [1] 【慧眼】
〔仏〕 五眼の一。この世の空(クウ)であるという真理を悟る能力をもつ目。二乗(ニジヨウ)の修行者,菩薩,仏が備える。
慧能
えのう ヱノウ 【慧能】
(638-713) 中国,唐代の禅宗の僧。姓は盧(ロ)氏。禅宗第六祖。諡(オクリナ)は,六祖大師・大鑑禅師。五祖弘忍の下で修行し,その法を継いだ。当時は同門の神秀の北宗禅が盛んであったが,数代で消滅し,慧能の南宗禅が後世に伝わった。語録に「六祖檀経」がある。
慧解
えげ ヱ― [1] 【慧解】
〔仏〕 真理によって物事を理解すること。
慧遠
えおん ヱヲン 【慧遠】
(1)(334-416) 中国,東晋の僧。道安に学ぶ。廬山(ロザン)にこもり,白蓮(ビヤクレン)社を結成して念仏行を行じ,経典翻訳を助けた。また,仏教の政治からの独立を説いた「沙門不敬王者論」を著した。廬山の慧遠。
(2)(523-592) 中国,隋の僧。敦煌(トンコウ)出身。姓は李氏。北周の武帝の行なった仏教廃止宣言に反対した。洛陽の浄影寺で仏教を講義。著「大乗義章」。浄影寺の慧遠。
慧鶴
えかく ヱカク 【慧鶴】
⇒白隠(ハクイン)
慨し
うれた・し 【慨し】 (形ク)
〔心の意の「うら」と「いたし」とが複合し一語化したもの〕
憎らしい。嘆かわしい。腹立たしい。「鶏(カケ)は鳴く―・くも鳴くなる鳥か/古事記(上)」
慨する
がい・する [3] 【慨する】 (動サ変)[文]サ変 がい・す
なげき,うれえる。慨嘆する。「再挙の成らざるを―・し,孤灯の下憤然として自刎(ジフン)せし/続千山万水(乙羽)」
慨世
がいせい [0] 【慨世】
世を嘆きうれえること。「―の士」
慨嘆
がいたん [0] 【慨嘆・慨歎】 (名)スル
なげきいきどおること。「―にたえない」「旧道徳の頽廃などを―する時ではありません/一隅より(晶子)」
慨嘆する
がいたん【慨嘆する】
deplore;→英和
lament.→英和
慨歎
がいたん [0] 【慨嘆・慨歎】 (名)スル
なげきいきどおること。「―にたえない」「旧道徳の頽廃などを―する時ではありません/一隅より(晶子)」
慨然
がいぜん [0] 【慨然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)憤り嘆くさま。憂い嘆くさま。「―として嘆息する」
(2)心をふるい立たせるさま。「吾が心―として/欺かざるの記(独歩)」
慫慂
しょうよう [0] 【慫慂】 (名)スル
他の人が勧めてそうするように仕向けること。「―されて出馬する」
慮り
おもんぱかり [0] 【慮り】
〔「おもいはかり」の転。「おもんばかり」とも〕
考えをめぐらすこと。思慮。「―に欠ける」
慮り
おもんぱかり【慮り】
consideration;→英和
foresight;→英和
prudence (用心).→英和
慮る
おもんぱかる【慮る】
consider;→英和
be thoughtful <of the future> .
慮る
おもんぱか・る [5] 【慮る】 (動ラ五[四])
〔「おもいはかる」の転。「おもんばかる」とも〕
あれこれ思いめぐらす。考慮する。「贅沢な二等室を選んだのも,美代子の便利を―・つた為めであるのに/羹(潤一郎)」「オモンバカル/日葡」
慮外
りょがい [1][0] 【慮外】 (名・形動)[文]ナリ
(1)思いもしなかったこと。意外なこと。また,そのさま。「―な出来事」
(2)礼儀を欠くこと。ぶしつけなこと。また,そのさま。無礼。「―千万」「―なこといはば年寄とて赦しはせぬ/いさなとり(露伴)」
慮外者
りょがいもの [0] 【慮外者】
ぶしつけな者。無礼者。
慰
なぐさ 【慰】
なぐさめるもの。なぐさめ。「我が背子が恋ふと言ふことは言の―そ/万葉 656」
慰する
い・する ヰ― [2] 【慰する】 (動サ変)[文]サ変 ゐ・す
なぐさめる。いたわる。「長途の労を―・せよ/花柳春話(純一郎)」
慰み
なぐさみ [0] 【慰み】
〔動詞「なぐさむ」の連用形から〕
(1)心を楽しませること。また,その手段。気晴らし。うさばらし。たのしみ。「―に小鳥を飼う」「何の―もない毎日」「うまくいったらお―」
(2)なぶりもの。なぐさみもの。「私を手籠めにして―でもなさるやうす/人情本・梅児誉美(初)」
慰み
なぐさみ【慰み】
[娯楽](a) pleasure;→英和
(an) amusement;fun;→英和
(a) recreation (気晴らし).→英和
〜に for pleasure[fun].‖慰み者 a plaything.
慰み事
なぐさみごと [0] 【慰み事】
(1)気晴らしにすること。なぐさみとして行うこと。「―に笛を習う」
(2)ばくち。かけごと。
慰み半分
なぐさみはんぶん [5] 【慰み半分】
半分は遊びの気持ちですること。おもしろ半分。「―に菜園をつくる」
慰み書き
なぐさみがき [0] 【慰み書き】
手なぐさみに書画をかくこと。
慰み物
なぐさみもの [0] 【慰み物】
なぐさみの種となるもの。また,なぐさみに使うもの。「―として小鳥を飼う」
慰み種
なぐさみぐさ [4] 【慰み種】
なぐさみとなるもの。「皆心の中にて,自の―と思ひ居れり/浴泉記(喜美子)」
慰み者
なぐさみもの [0] 【慰み者】
一時のなぐさみにもてあそばれる者。「―にされる」
慰む
なぐさ・む [3] 【慰む】
■一■ (動マ五[四])
□一□(自動詞)
(1)気が晴れ晴れとする。心がおだやかになる。なごむ。「いい音楽をきくと,気持ちが―・む」
(2)楽しんで遊ぶ。「ゆるりと―・うで帰らう/狂言・真奪(虎寛本)」
□二□(他動詞)
(1)心を楽しませる。気を晴らす。「人に本意なく思はせて我が心を―・まんこと/徒然 130」
(2)からかう。おもちゃにする。「たんと買ふつらをして―・んでやらう/滑稽本・膝栗毛 4」
(3)慰み者にする。もてあそぶ。「さんざん―・んで只逃げるとはあつかましい/滑稽本・膝栗毛 3」
■二■ (動マ下二)
⇒なぐさめる
慰め
いさめ 【勇め・慰め】
(1)勇気づけること。はげまし。「―の詞に引き立てられ/浄瑠璃・千本桜」
(2)慰めること。「お徒然(ツレヅレ)を―のため/浄瑠璃・反魂香」
慰め
なぐさめ [0] 【慰め】
なぐさめること。また,その手段となるもの。「―の言葉もない」「歌は心の―」「家族が無事だったのがせめてもの―だ」
慰め
なぐさめ【慰め】
(a) comfort;→英和
(a) consolation.→英和
慰める
なぐさ・める [4] 【慰める】 (動マ下一)[文]マ下二 なぐさ・む
(1)悲しんだり苦しんだりしている人に,やさしい言葉をかけたりして心をなごやかにさせ,静まらせる。「気の毒で,―・める言葉もない」「花をおくって病床の友を―・める」
(2)心にうるおいを与えたり,楽しませたりする。「バッハの音楽が私の心を―・めてくれる」
(3)心の波立ちを静める。「物笑ひに堪へぬはすべり出でてなむ―・めける/源氏(行幸)」
(4)労をねぎらう。いたわる。「下向には京へ寄て四五日も―・め/浮世草子・五人女 2」
慰める
なぐさめる【慰める】
comfort;→英和
console;→英和
cheer up (元気づける);amuse (気晴らし).→英和
慰め侘ぶ
なぐさめわ・ぶ 【慰め侘ぶ】 (動バ上二)
なぐさめるのにこまる。「我が心も―・び給ひて/狭衣 1」
慰め所
なぐさめどころ 【慰め所】
心のなぐさめとなるところ。気晴らしになる所や物。「思ふことうち語らひ,―なりける/枕草子 315」
慰め種
なぐさめぐさ 【慰め種・慰め草】
心をなぐさめたり,いやしたりする材料となるもの。「朝夕の―にて見過ぐしつべし/源氏(東屋)」
慰め草
なぐさめぐさ 【慰め種・慰め草】
心をなぐさめたり,いやしたりする材料となるもの。「朝夕の―にて見過ぐしつべし/源氏(東屋)」
慰め顔
なぐさめがお [0] 【慰め顔】
人をなぐさめるような顔つき。「―で話しかける」
慰もる
なぐさもる 【慰もる】 (動)
〔下二段動詞「なぐさむ」の連体形「なぐさむる」の転〕
なぐさめる。あるいは,気がまぎれる。「草枕旅の憂へを―事もありやと/万葉 1757」
慰労
いろう ヰラウ [0] 【慰労】 (名)スル
骨折りをねぎらうこと。慰めいたわること。「―会」「奔走してくれた人々を―する」
慰労する
いろう【慰労する】
acknowledge a person's services.‖慰労会 a recreation feast.慰労金 a reward;a bonus.
慰問
いもん ヰ― [0] 【慰問】 (名)スル
(病気・災害などで苦しみ悩んでいる人を)訪ね慰めること。「被災者を―する」
慰問
いもん【慰問】
an inquiry after a person's health (見舞);consolation (なぐさめ).→英和
〜する inquire <after> ;→英和
console;→英和
condole <with> (弔問).→英和
‖慰問品 a comfort.
慰問袋
いもんぶくろ ヰ― [4] 【慰問袋】
戦地の兵士などを慰めるために,日用品や手紙を入れて送った袋。
慰安
いあん【慰安】
<seek> consolation <in> ;→英和
<give> comfort <to> .→英和
慰安会(旅行) a recreation party (trip).
慰安
いあん ヰ― [0] 【慰安】 (名)スル
日頃の労をねぎらって楽しませること。「―旅行」
慰安会
いあんかい ヰ―クワイ [2] 【慰安会】
慰安のために催す会。
慰安婦
いあんふ ヰ― [2] 【慰安婦】
⇒従軍(ジユウグン)慰安婦
慰撫
いぶ ヰ― [1] 【慰撫】 (名)スル
人の怒りや不安をなだめ,いたわること。「賄賂でも使つて―するより外に道はない/吾輩は猫である(漱石)」
慰撫する
いぶ【慰撫する】
soothe;→英和
appease.→英和
慰楽
いらく ヰ― [0] 【慰楽】 (名)スル
慰みと楽しみ。「萱場氏来宅あり。大に―するを得たり/欺かざるの記(独歩)」
慰留
いりゅう ヰリウ [0] 【慰留】 (名)スル
なだめて思いとどまらせること。「辞職願を出した部下を―する」
慰留する
いりゅう【慰留する】
persuade <a person> to remain in office;dissuade <a person> from resigning.
慰藉
いしゃ ヰ― [1] 【慰藉】 (名)スル
慰め,いたわること。同情して慰めること。「彼の五子の母を―し/即興詩人(鴎外)」
慰藉料
いしゃりょう ヰ―レウ [2] 【慰謝料・慰藉料】
〔法〕 精神的苦痛に対する損害賠償。身体・自由・生命・名誉などを侵害する不法行為や債務不履行について請求できる。
慰諭
いゆ ヰ― [1] 【慰諭】 (名)スル
なぐさめさとすこと。「先づ其の椅子に凭りたまへと,懇ごろに―せし後/鬼啾々(夢柳)」
慰謝料
いしゃりょう ヰ―レウ [2] 【慰謝料・慰藉料】
〔法〕 精神的苦痛に対する損害賠償。身体・自由・生命・名誉などを侵害する不法行為や債務不履行について請求できる。
慰謝[藉]
いしゃ【慰謝[藉]】
consolation.→英和
慰謝料 conpensation money;a solatium.慰謝料を請求する demand compensation <for> .
慰霊
いれい ヰ― [0] 【慰霊】
死んだ人の霊魂をなぐさめること。「―碑」
慰霊祭
いれい【慰霊祭】
a memorial service.慰霊塔 a cenotaph.→英和
慰霊祭
いれいさい ヰ― [2] 【慰霊祭】
死者の霊魂をなぐさめるために行う祭儀。
慳し
やふさ・し 【慳し】 (形ク)
〔「やぶさし」とも〕
けちである。[新撰字鏡]
慳吝
けんりん [0] 【倹吝・慳吝】 (名・形動)[文]ナリ
物惜しみをし,欲深い・こと(さま)。
慳貪
けんどん 【慳貪・倹飩】 (名・形動)[文]ナリ
〔「慳」は物惜しみする,「貪」はむさぼる意〕
(1) [1]
思いやりのないこと。愛想のないこと。あらっぽいこと。また,そのさま。つっけんどん。「いらいらした調子で―に言ひ放つた/悪魔(潤一郎)」
(2) [1]
物惜しみすること。けちで欲が深いこと。また,そのさま。「人に物与ふることをせず,―に罪ふかくみえければ/宇治拾遺 12」
(3) [0]
(多く「倹飩」と書く)近世,うどん・そば・酒・飯などを,一杯の盛り切りで,代わりを出さないもの。「兎や角といふ内に酒五升と―十人前と/滑稽本・根南志具佐」
(4) [0]
「倹飩箱」「倹飩女郎」の略。
慴伏
しょうふく セフ― [0] 【懾伏・懾服・慴伏】 (名)スル
おそれひれ伏すこと。勢力におそれて屈服すること。「皆(ミナ)須知以芬(スチイブン)に―して,敬礼せざるはなかりき/慨世士伝(逍遥)」
慴然
しょうぜん セフ― [0] 【慴然】 (ト|タル)[文]形動タリ
恐れおののくさま。「―として肌膚の粟を生ずるを覚え/即興詩人(鴎外)」
慶す
けい・す 【慶す】 (動サ変)
⇒けいする(慶)
慶する
けい・する [3] 【慶する】 (動サ変)[文]サ変 けい・す
よろこび祝う。「大いに―・すべき事」
慶び
よろこび [0][3][4] 【喜び・慶び・悦び】
(1)よろこぶこと。「初優勝の―」
(2)よろこぶべきこと。慶賀すべきこと。
(ア)任官・昇進などの慶事。「正月の司召に,さまざまの―どもありて/栄花(月の宴)」
(イ)出産という慶事。「―ヲスル/日葡」
(3)祝いの言葉。祝辞。「お―を申し上げる」
(4)謝礼。お礼。「熊野へ―の奉幣をぞ立てられける/平家 3」
慶び事
よろこびごと [0][6] 【喜び事・慶び事】
祝い事。いわい。
慶び申し
よろこびもうし 【慶び申し】
官位に叙せられた者が宮中などに参上してお礼を申し上げること。また,その儀式。奏慶。「やがて同十七日,―ありしかども/平家 1」
慶ぶ
よろこ・ぶ [3] 【喜ぶ・慶ぶ・悦ぶ】
■一■ (動バ五[四])
(1)よい事に出合って快い・楽しい・うれしいと思う。また,その思いを言動に表す。「お目にかかれてとても―・んでいました」「応援団が―・んでいる」「人の耳を―・ばしめんとにはあらず/方丈記」
(2)祝福する。「無事な生還を―・ぶ」
(3)ありがたいと思いつつ受け入れる。「彼は他人の忠告を―・ばない」
→喜んで
(4)(出産を喜ぶ意から転じて)出産する。子を産む。「懐体して兄を―・びしより/浮世草子・桜陰比事 1」
[可能] よろこべる
■二■ (動バ上二)
(1)うれしく思う。「こほろぎの待ち―・ぶる秋の夜を寝る験なし枕と我は/万葉 2264」
(2)ありがたいと思う。「貴き御命を頂に受け給はり,―・び貴み懼ぢ恐まりて/続紀(天平宝字三宣命)」
慶事
けいじ [1] 【慶事】
(結婚・出産などの)めでたいこと。祝いごと。
⇔弔事
慶事
けいじ【慶事】
a happy event.
慶兆
けいちょう [0] 【慶兆】
よい事の前兆。吉兆。
慶典
けいてん [0] 【慶典】
めでたい儀式。慶事の儀式。祝典。
慶喜
きょうき キヤウ― 【慶喜】
〔仏〕 念仏行者が,他力の信心を得て,往生することの定まったことを喜ぶこと。「一念―する人は往生かならずさだまりぬ/浄土和讃」
慶喜
けいき 【慶喜】
⇒徳川慶喜(トクガワヨシノブ)
慶安
けいあん 【慶安】
年号(1648.2.15-1652.9.18)。正保の後,承応の前。後光明天皇の代。
慶安事件
けいあんじけん 【慶安事件】
1651年(慶安4)に発覚した由井正雪・丸橋忠弥らによる反乱計画。時勢に不満をもつ浪人を糾合して,江戸・大坂・京都などでの蜂起を企てたが未然に発覚,正雪は自刃し,一味は処断された。慶安の乱。
慶安太平記
けいあんたいへいき 【慶安太平記】
由井正雪らの慶安事件を題材にした,実録本・講談・歌舞伎などの題名や通称。
慶安御触書
けいあんおふれがき 【慶安御触書】
江戸幕府の触書。一巻。1649年(慶安2),諸国郷村を対象に公布。全三二条からなる農民の心得書で,幕府の農民統治の姿勢を表している。江戸時代中期の作とする説もある。
慶尚北道
けいしょうほくどう ケイシヤウホクダウ 【慶尚北道】
韓国南東部の道。東は日本海に臨み,西に小白山脈が連なる。道庁所在地は大邱(タイキユウ)。キョンサン-ブク-ト。
慶尚南道
けいしょうなんどう ケイシヤウナンダウ 【慶尚南道】
韓国南東端の道。東は日本海,南は朝鮮海峡に臨む。道庁所在地は晋州。南東部に釜山(政府直轄市)がある。キョンサン-ナム-ド。
慶州
けいしゅう 【慶州】
韓国南東部にある観光都市。四世紀から一〇世紀にかけて新羅の首都として繁栄。天馬塚を初め古墳群・瞻星台・仏国寺など遺跡が多い。キョンジュ。
慶州(国立慶州博物館)[カラー図版]
慶州(天馬塚古墳公園)[カラー図版]
慶州(古墳群)[カラー図版]
慶庵
けいあん [1] 【桂庵・慶庵】
〔寛文(1661-1673)の頃の江戸の医者大和桂庵が,奉公や縁談の世話をしたことによるという〕
(1)縁談や奉公の仲介を業とする人。口入れ屋。けいわん。
(2)お世辞。追従(ツイシヨウ)。また,世辞・追従をいう人。「―とりどり御機嫌伺ふ折節/浄瑠璃・傾城酒呑童子」
慶弔
けいちょう [0] 【慶弔】
祝い事ととむらい。結婚・出産などのよろこび事と葬式。「―電報」「―用の礼服」
慶弔
けいちょう【慶弔】
congratulations and condolences.
慶応
けいおう 【慶応】
年号(1865.4.7-1868.9.8)。元治の後,明治の前。孝明・明治天皇の代。
慶応義塾大学
けいおうぎじゅくだいがく 【慶応義塾大学】
私立大学の一。1858年,福沢諭吉が蘭学塾として創設,68年,慶応義塾と命名。1920年(大正9)大学令により大学となり,49年(昭和24)新制大学となる。本部は東京都港区三田。慶大。
慶春
けいしゅん [0] 【慶春】
新春をよろこぶこと。年賀状などの挨拶(アイサツ)にも使われる。
慶派
けいは 【慶派】
仏師の系統の一。平安末期に始まる。運慶・快慶など慶の字を用い,鎌倉時代には院派(インパ)・円派を圧して勢い盛んであった。七条仏所を形成し,江戸時代に至る。
→院派
慶滋
よししげ 【慶滋】
姓氏の一。
慶滋保胤
よししげのやすたね 【慶滋保胤】
(?-1002) 平安中期の文人。本姓は賀茂氏,字(アザナ)は茂能,法名は寂心。内記入道と称される。菅原文時に師事し,詩文にすぐれる。在俗の浄土教信者として,源信などとともに浄土信仰の発展に寄与。晩年に出家。具平親王の師をつとめ,藤原道長の戒師といわれる。その著「池亭記」は,鴨長明「方丈記」に大きな影響を与えた。「日本往生極楽記」など。
慶祝
けいしゅく [0] 【慶祝】 (名)スル
よろこび祝うこと。
慶福
けいふく [0] 【慶福】
めでたいこと。幸せ。喜び。
慶紀逸
けいきいつ 【慶紀逸】
(1695-1762?) 江戸中期の俳人・雑俳点者。本名,椎名土佐件人。其角系統の江戸座宗匠で,高点付句集「武玉川」の編者。
慶良間列島
けらまれっとう 【慶良間列島】
沖縄県沖縄島の西方にある二十余の島々。渡嘉敷島・座間味島・阿嘉島など。
慶良間鹿
けらまじか [3] 【慶良間鹿】
ニホンジカの一亜種。慶良間列島の特産種。小形で角が短い。古く薩摩から移入されたニホンジカの子孫が代を重ね,一亜種を形成したものといわれる。天然記念物。
慶色
けいしょく [0] 【慶色】
よろこびの表れている顔色・様子。めでたい様子。
慶親王奕劻
けいしんのうえききょう ケイシンワウエキキヤウ 【慶親王奕劻】
(1836-1916) 中国,清の皇族。義和団事件では清国全権として講和条約を締結。のち総理大臣に就任,辛亥(シンガイ)革命で辞職。
慶讃
きょうさん キヤウ― [0] 【慶讃】
〔「慶賀讃歎」の略〕
(1)仏徳をほめたたえること。
(2)仏像・経巻・堂塔の完成を祝うこと。
慶讃会
きょうさんえ キヤウ―ヱ [3] 【慶讃会】
(1)慶讃{(2)}の儀式。
(2)真宗で,毎年7月15日に阿弥陀の仏徳をたたえるために行う法会(ホウエ)。歓喜会(カンギエ)。
慶賀
けいが【慶賀】
congratulation.〜する congratulate <a person on his success> .→英和
慶賀
けいが [1] 【慶賀】 (名)スル
(1)喜び祝うこと。祝賀。「長寿を―する」
(2)任官・叙位の礼を天皇に申し上げること。
慶賀使
けいがし [3] 【慶賀使】
江戸時代,徳川将軍の代替わりごとに琉球国王が江戸に送った使節。
慶運
けいうん 【慶運】
南北朝中期の僧。浄弁の子。二条派の歌人で浄弁・頓阿・吉田兼好とともに和歌四天王の一人。「風雅和歌集」以下の勅撰集に一八首入集。「慶運法師集」「慶運百首」がある。きょううん。生没年未詳。
慶長
けいちょう ケイチヤウ 【慶長】
年号(1596.10.27-1615.7.13)。文禄の後,元和の前。後陽成・後水尾天皇の代。きょうちょう。
慶長の役
けいちょうのえき ケイチヤウ― 【慶長の役】
⇒文禄慶長(ブンロクケイチヨウ)の役(エキ)
慶長一分判金
けいちょういちぶばんきん ケイチヤウ― [0] 【慶長一分判金】
慶長金の一。量目一・一八匁(モンメ),千分中金約八五六。慶長一分金。
慶長勅版本
けいちょうちょくはんぼん ケイチヤウ― [0] 【慶長勅版本】
慶長年間に勅命によって印刷された日本最初の木活字本。「古文孝経」「日本書紀神代巻」「職原鈔」や四書その他がある。
慶長大判
けいちょうおおばん ケイチヤウオホ― [5] 【慶長大判】
慶長金の一。量目四三・九一匁。千分中金約六七一。拾両と墨書。儀礼用として多く用いられた。
慶長小判
けいちょうこばん ケイチヤウ― [5] 【慶長小判】
慶長金の一。量目四・七三匁(モンメ),千分中金約八六三。
慶長条約
けいちょうじょうやく ケイチヤウデウ― 【慶長条約】
⇒己酉約条(キユウヤクジヨウ)
慶長活字
けいちょうかつじ ケイチヤウクワツ― [5] 【慶長活字】
慶長年間に製造された大型の木製活字。文禄の役によって,朝鮮の活版法が伝えられたもの。慶長勅版本などを印刷した。
慶長版
けいちょうばん ケイチヤウ― [0] 【慶長版】
慶長年間に出版した書籍の総称。多くは木活字本。
慶長遣欧使節
けいちょうけんおうしせつ ケイチヤウ― [9][10] 【慶長遣欧使節】
1613年(慶長18)伊達政宗が,メキシコとの通商関係の樹立と仙台領に司教座を設置することを求めて,イスパニア国王・ローマ教皇のもとに派遣した使節。使節に選ばれた家臣支倉常長は,宣教師ルイス=ソテロとともに西洋型帆船に乗り組み,メキシコを経てイスパニアに渡り,国王に謁し,さらにローマに入って教皇に拝謁したが,幕府の禁教令発布により,目的を達せず,1620年帰仙した。
慶長金
けいちょうきん ケイチヤウ― [3][0] 【慶長金】
江戸幕府が1601年(慶長6)から発行した金貨の総称。95年まで鋳造された。大判金・小判金・一分判金がある。
慶長銀
けいちょうぎん ケイチヤウ― [3][0] 【慶長銀】
江戸幕府が1601年(慶長6)から発行した銀貨の総称。慶長丁銀・慶長豆板銀がある。
慶雲
けいうん 【慶雲】
年号(704.5.10-708.1.11)。大宝の後,和銅の前。文武(モンム)・元明(ゲンメイ)天皇の代。きょううん。
慶雲
けいうん [0] 【慶雲・景雲・卿雲】
めでたいことの前兆となる雲。瑞雲。
慷嘆
こうたん カウ― [0] 【慷嘆・慷歎】 (名)スル
いきどおり,嘆くこと。「藩政の不振(フルワザル)を―しありけるが/新聞雑誌 6」
慷慨
こうがい カウ― [0] 【慷慨・忼慨】
■一■ (名)スル
世の中の不義・不正や自分の不運を憤りなげくこと。「悲憤―する」「―の士」
■二■ (名・形動)[文]ナリ
意気盛んな・こと(さま)。「壮しと雖ども―にして大節あり/経国美談(竜渓)」
慷歎
こうたん カウ― [0] 【慷嘆・慷歎】 (名)スル
いきどおり,嘆くこと。「藩政の不振(フルワザル)を―しありけるが/新聞雑誌 6」
慾
よく [2] 【欲・慾】
(1)欲しがること。むさぼり求めること。また,その気持ち。欲望。欲心。「―が深い」「金銭―」
→欲の皮
(2)物事を進んでやろうとする気持ち。意欲。「まだ勉強に―が出ない」
憂
う 【憂】
〔形容詞「うし」の語幹。多く,「あなう」「こころう」など,他の語と複合して用いられる〕
つらいこと。悲しいこと。「あはれあな―とすぐしつるかな/古今(雑上)」
憂い
う・い [1] 【憂い】 (形)[文]ク う・し
(1)思うようにならずつらい。苦しい。「旅は―・いもの」
(2)憎い。「かくばかりをしと思ふ夜をいたづらに寝で明すらむ人さへぞ―・き/古今(秋上)」
(3)心苦しい。切ない。「たち返る浪路と聞けば袖ぬれてよそに鳴海の浦ぞ―・き/とはずがたり 4」
(4)つれない。冷たい。「―・かりける人を初瀬の山おろし烈しかれとは祈らぬものを/千載(恋二)」
(5)動詞の連用形の下に付いて,そうしていることがやりきれない,つらいなどの意を表す。「大方はいき―・しといひていざ帰りなむ/古今(離別)」
憂い
うれい ウレヒ [3][2] 【愁い・憂い】
(1)悪い状態になることを予想し心配すること。不安。「日本の将来に―をいだく」「後顧の―がない」
(2)心中にいだくもの悲しい思い。憂愁。「―を帯びた顔」「春の―」
(3)災い。難儀。「遠慮ノナイ者ワ必ズ近イ―ガアル/天草本伊曾保」
〔現代語では「うれえ」より「うれい」の方が一般的に用いられる〕
憂い
うれい【憂い】
[心配](an) anxiety;→英和
(a) trouble;→英和
concern;→英和
worry;→英和
[悲しみ]grief;→英和
sorrow;→英和
[恐れ](a) fear;→英和
danger.→英和
〜に沈む be buried in grief.〜がある(ない) be in (no) danger <of> ;there is some (no) fear <of> .
憂い事
うれいごと ウレヒ― [0][5] 【愁い事・憂い事】
(1)心配事。「―が絶えない」
(2)歌舞伎で,親子・夫婦の別れなど,愁嘆の演技。「やつしは甚左衛門,幸左衛門が思案事,四郎三(=俳優ノ名)が―/浄瑠璃・油地獄(上)」
憂い顔
うれいがお ウレヒガホ [0] 【憂い顔】
いかにも心配そうな顔つき。
憂い顔
うれいがお【憂い顔】
a troubled[worried]look.
憂える
うれえる【憂える】
[心配する]be anxious[worried,concerned] <about,over> ;be afraid <of,that…> ;fear;→英和
[嘆く]grieve <at,for,over> ;→英和
worry <about,over> ;→英和
regret.→英和
憂うべき deplorable;→英和
grievous;→英和
regrettable.→英和
憂える
うれ・える ウレヘル [3] 【愁える・憂える】 (動ア下一)[文]ハ下二 うれ・ふ
(1)悪い状態になるのではないかと心配する。「道義の退廃を―・える」「子供の将来を―・える」
(2)(良くない状態を)嘆き悲しむ。「病身を―・える」「貧を―・ふべからず/徒然 217」
(3)嘆き訴える。嘆願する。「政かしこき世に―・へ奉らむとて,うれへ文を作りて/宇津保(あて宮)」
(4)病気になる。「昔は身の病を―・へき/今昔 7」
→うれう
憂え顔
うれえがお ウレヘガホ 【憂え顔】
(1)「うれいがお」に同じ。
(2)何かを訴えているような顔つき。「―なる庭の露きらきらとして/源氏(野分)」
憂き
うき 【憂き】
〔形容詞「憂し」の連体形から〕
つらいこと。悲しいこと。「―がなかにも楽しき月日を送りぬ/舞姫(鴎外)」「散ることの―も忘れて/後撰(春下)」
憂き人
うきひと 【憂き人】
恋い慕っているのに,そ知らぬ顔でいる人。つれない人。「―しもぞ恋しかりける/新古今(恋四)」
憂き名
うきな [0][1] 【浮(き)名・憂き名】
(1)(「浮き名」と書く)男女間の恋愛・情事のうわさ。艶聞(エンブン)。「―を流す」「―が立つ」
(2)根も葉もないうわさ。悪い評判。「あたり隣も―立て/浄瑠璃・国性爺合戦」
憂き哭
うきね 【憂き哭・憂き音】
悲しみ泣くこと。また,その泣き声。「浮き寝」にかけることが多い。「つがはぬ鴛の―をぞなく/新後拾遺(冬)」
憂き目
うきめ [0][1] 【憂き目】
つらく悲しいこと。つらく悲しい経験。「落選の―にあう」「敗戦の―をみる」
憂き目を見る
うきめ【憂き目を見る】
have a hard time of it;have a bitter experience;suffer[go through]many hardships.
憂き節
うきふし 【憂き節】
つらく悲しいこと。つらさや悲しさ。「節」と「竹の節」とをかけて「竹」の縁語に使われることが多い。「世にふればことの葉しげき呉竹の―ごとに鶯ぞなく/古今(雑下)」
憂き節の里
うきふしのさと 【憂き節の里】
つらく悲しいことの多い里。遊里をいう。色里。
憂き身
うきみ 【憂き身】
つらいことの多い身の上。「―ひとつをもてわづらふ/蜻蛉(下)」
憂き身をやつす
うきみ【憂き身をやつす】
devote[give]oneself to <music> ;be absorbed in.
憂き音
うきね 【憂き哭・憂き音】
悲しみ泣くこと。また,その泣き声。「浮き寝」にかけることが多い。「つがはぬ鴛の―をぞなく/新後拾遺(冬)」
憂さ
うさ [1] 【憂さ】
心が晴れ晴れしないこと。気がめいること。「―を晴らす」
憂さ
うさ【憂さ】
gloom;→英和
melancholy.→英和
〜晴らしに for a diversion[distraction,change];→英和
<have a drink> to drown one's cares.
憂さ晴し
うさばらし [3] 【憂さ晴(ら)し】 (名)スル
苦しいことやつらいことを忘れたり,不愉快な気分を取り除くこと。気晴らし。気散じ。「―に酒でも飲みに行こう」
憂さ晴らし
うさばらし [3] 【憂さ晴(ら)し】 (名)スル
苦しいことやつらいことを忘れたり,不愉快な気分を取り除くこと。気晴らし。気散じ。「―に酒でも飲みに行こう」
憂し
う・し 【憂し】 (形ク)
⇒うい
憂はし
うれわ・し ウレハシ 【憂はし】 (形)シク
〔動詞「憂う」の形容詞形〕
心配すべきさまだ。嘆かわしい。「母なる人のいと―・しきことに思ひて/源氏(宿木)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
憂ふ
うりょ・う ウレフ 【愁ふ・憂ふ】 (動ハ上二)
⇒うれう(愁)
憂ふ
うれ・う ウレフ [2] 【愁ふ・憂ふ】
■一■ (動ハ上二)
思いなやむ。心配する。「しるべなき旅の空に此の疾を―・ひ給ふは/読本・雨月(菊花の約)」
〔(1)本来は下二段活用と思われるが,中世以降上二段活用も用いられた。(2)連用形は現代語でも用いられることがある。「暴力の横行を―・いている」〕
■二■ (動ハ下二)
⇒うれえる
憂へ
うれえ ウレヘ 【愁へ・憂へ】
〔動詞「うれえる」の連用形から〕
(1)苦しみ。つらい思い。悲嘆。「草枕旅の―を慰もる事もありやと/万葉 1757」
(2)不満や苦しみを人に嘆き訴えること。愁訴。「かの―をしたる匠(タクミ)をば,かぐや姫呼びすゑて/竹取」
(3)悪い状態になることを予想して心配すること。不安。「民の―つひに空しからざりければ/方丈記」
(4)病気。「此の国の族,常に斯の―有り/大唐西域記(長寛点)」
(5)喪。忌中。「真の病とおやの―とに非ずして/日本書紀(天武訓)」
憂世
ゆうせい イウ― [0] 【憂世】
国家や世の中のことをうれえ心配すること。「―愛国の情焔ゆる如く/社会百面相(魯庵)」
憂喜
ゆうき イウ― [1] 【憂喜】
うれいとよろこび。喜憂。
憂国
ゆうこく【憂国(の士)】
patriotism (a patriot).→英和
憂国
ゆうこく イウ― [0] 【憂国】
国の現状や将来を憂え嘆くこと。「―の士」
憂心
ゆうしん イウ― [0] 【憂心】
うれえる心。憂念。心配。
憂思
ゆうし イウ― [1] 【憂思】
うれえ思う心。
憂患
ゆうかん イウクワン [0] 【憂患】 (名)スル
ひどく心配して悩むこと。「世の識者の―する所も/文明論之概略(諭吉)」
憂悶
ゆうもん イウ― [0] 【憂悶】 (名)スル
心配し,悩み苦しむこと。「国の将来を―する」
憂惧
ゆうぐ イウ― [1] 【憂惧・憂虞】 (名)スル
心配し恐れること。「―する所と反対の結果を来して/一隅より(晶子)」
憂愁
ゆうしゅう【憂愁】
melancholy;→英和
<be filled with> anxiety[grief].→英和
憂愁
ゆうしゅう イウシウ [0] 【憂愁】 (名)スル
うれえもだえること。悲しみなげくこと。うれい。「―の色が濃い」「享楽し,―する人間らしき行為言動を/文学評論(漱石)」
憂慮
ゆうりょ【憂慮】
⇒憂い,憂える.
憂慮
ゆうりょ イウ― [1] 【憂慮】 (名)スル
心配すること。不安に思うこと。「―すべき事態」「―の面持ち」
憂憤
ゆうふん イウ― [0] 【憂憤】 (名)スル
うれえいきどおること。「彼れは―の,色を面に顕しましたか/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
憂懼
ゆうく イウ― [1] 【憂懼】 (名)スル
心配し恐れること。「大に―し之が為め寝食を絶つ事数日に及べり/新聞雑誌 43」
憂色
ゆうしょく イウ― [0] 【憂色】
心配そうな顔色。うれえる気配。
憂色を浮かべて
ゆうしょく【憂色を浮かべて】
looking anxious[worried];with a worried look.
憂苦
ゆうく イウ― [1] 【憂苦】 (名)スル
うれえくるしむこと。心配して気にやむこと。「猶更に―し相謀て言ひけるは/経国美談(竜渓)」
憂虞
ゆうぐ イウ― [1] 【憂惧・憂虞】 (名)スル
心配し恐れること。「―する所と反対の結果を来して/一隅より(晶子)」
憂鬱
ゆううつ イウ― [0] 【憂鬱・幽鬱】 (名・形動)[文]ナリ
(1)気持ちが晴れ晴れとしないこと。気のふさぐこと。また,そのさま。「試験があるので―だ」「雨の降り出しそうな―な天気」「―そうな顔をする」
(2)草木が生い茂っているさま。《幽鬱》「街道が廃れるにつれて,多くの家族は―な森林を出た/春(藤村)」
[派生] ――さ(名)
憂鬱な
ゆううつ【憂鬱な】
melancholy;→英和
gloomy.→英和
〜である feel low[blue,gloomy];be depressed; <話> be in the blues.〜な顔をする look blue[depressed].‖憂鬱症 melancholia;hypochondria.
憂鬱質
ゆううつしつ イウ― [4] 【憂鬱質】
〔心〕 ヒポクラテス以来の四気質の類型の一。わずかなことでも誇大に考えて取り越し苦労をし,いつもくよくよして心が晴れない性質。黒胆汁質(コクタンジユウシツ)。
憍慢
きょうまん ケウ― [0] 【驕慢・憍慢】 (名・形動)[文]ナリ
おごりたかぶって相手をあなどり,勝手気ままにふるまう・こと(さま)。「冷刻な―な光をその眸から射出した/或る女(武郎)」
[派生] ――さ(名)
憍曇弥
きょうどんみ ケウドンミ 【憍曇弥】
〔梵 Gautamī〕
釈迦の叔母。釈迦の誕生後七日目に母の摩耶夫人(マヤブニン)が死んだため,その後,釈迦の養育にあたった。憍答弥(キヨウトウミ)。
憍答弥
きょうとうみ ケウタフミ 【憍答弥】
憍曇弥(キヨウドンミ)の別名。
憎
ぞう [1] 【憎】
にくむこと。にくしみ。「愛を以て―に報ひ給ふエホバ神の故に/堕落の教義(鑑三)」
憎々しい
にくにくしい【憎々しい】
⇒憎む.
憎い
にくい【憎い】
⇒憎む.
憎い
にく・い [2] 【憎い・悪い】 (形)[文]ク にく・し
〔「にくむ」と同源〕
(1)憎悪の感情を抱かせるさまである。許しがたい。にくらしい。「敵に寝返った―・い男」
(2)(反語的に用いて)かわいい。いとしい。「私の心を奪った―・い人」
(3)(にくく思うくらいにすばらしいの意で)感心だ。みごとだ。あっぱれだ。「なんとも―・い振る舞いだ」
(4)気に入らない。気にくわない。「紫のにほへる妹を―・くあらば/万葉 21」
(5)みにくい。見苦しい。「これはこの比(ゴロ)やうのことなり。いと―・し/徒然 208」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
憎からず
にくから∘ず 【憎からず】 (連語)
〔形容詞「にくし」の未然形に打ち消しの助動詞「ず」が付いたもの〕
(1)愛情を感じてはいるが,それを直接表さず,いやではないと間接的に表す語。かわいい。「互いに―∘ず思っている」「―∘ぬ人のきせけむぬれぎぬは/後撰(恋五)」
(2)好感がもてる。感じがよい。「声―∘ざらむ人のみなむ思はしかるべき/枕草子 49」
憎げ
にくげ [3][2] 【憎げ】 (名・形動)[文]ナリ
いかにも憎らしそうなさま。また,そのような言動。「―ににらむ」「―を言う」
憎さ
にくさ [1] 【憎さ】
憎いこと。「かわいさ余って―が百倍」
憎さげ
にくさげ [3] 【憎さげ】 (形動)[文]ナリ
(1)憎らしいさま。憎らしげ。「如何にも―な妙な面の/復活(魯庵)」
(2)いかにも不体裁であるさま。「しなくだり,顔―なる人/徒然 1」
憎し
にく・し 【憎し・悪し】 (形ク)
⇒にくい(憎)
憎しみ
にくしみ【憎しみ】
hatred.→英和
〜を受ける be hated.
憎しみ
にくしみ [0] 【憎しみ】
憎く思う気持ち。憎悪。「愛と―」
憎しむ
にくし・む 【憎しむ】 (動マ四)
にくむ。にくいと思う。「一家一門そなたを恨み―・み/浄瑠璃・天の網島(上)」
憎たらしい
にくたらし・い [5] 【憎たらしい】 (形)[文]シク にくたら・し
いかにも憎らしい。「―・い小僧だ」[ヘボン(二版)]
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
憎たれ口
にくたれぐち [4] 【憎たれ口】
憎たらしいものの言い方。にくまれ口。「―をきく」
憎まれ
にくまれ [4] 【憎まれ】
(1)「にくまれ口」に同じ。「―を言う」
(2)他人から憎まれること。憎しみ。「されども如何なる故にや,御―を蒙り/謡曲・大蛇」
憎まれっ子
にくまれっこ [4] 【憎まれっ子】
人から憎まれる子供。また,他人から憎まれる人。
憎まれる
にくまれる【憎まれる】
be hated[detested].憎まれ口をたたく use offensive words;be insulting.‖憎まれ者 an object of hatred;a black sheep.憎まれ役 an unpopular role.
憎まれ口
にくまれぐち [4] 【憎まれ口】
人に憎まれるような口のきき方や話し方。「―をたたく」「―をきく」
憎まれ役
にくまれやく [0][4] 【憎まれ役】
他人から憎まれるような役目。かたきやく。「―を買って出る」
憎まれ者
にくまれもの [0][6] 【憎まれ者】
他人から憎まれる人。憎まれっ子。
憎み
にくみ 【憎み】
憎いと思うこと。憎しみ。憎悪(ゾウオ)。「我が恋をなどかは神の―して/夫木 34」
憎む
にくむ【憎む】
hate;→英和
detest.→英和
〜べき hateful;detestable;→英和
unpleasant.→英和
憎む
にく・む [2] 【憎む・悪む】 (動マ五[四])
(1)嫌だと思う。不快に思う。また,よくないこと,あってはならないこととして,許しがたく思う。「戦争を―・む」「―・んでもあまりある」「罪を―・んで,人を―・まず」
(2)ねたむ。そねむ。うらやましく思う。「これにつけても―・み給ふ人々多かり/源氏(桐壺)」
(3)非難する。反対する。「違ふ所もあらん人こそ,我はさやは思ふ,など争ひ―・み/徒然 12」
[可能] にくめる
憎めない
にくめ∘ない [3] 【憎めない】 (連語)
〔「にくむ」の可能動詞「にくめる」に打ち消しの助動詞「ない」の付いたもの〕
憎もうと思っても憎むことのできない,かわいらしいところがある。「―∘ない性格」
憎らしい
にくらし・い [4] 【憎らしい】 (形)[文]シク にくら・し
(1)しゃくにさわる。いやな感じだ。腹が立つ。「皮肉ばかり言う―・い男」「―・いことを言う」
(2)(反語的に用いて)心がひかれていとしい。かわいい。「私を夢中にさせた―・い人」
〔「にくらしい」の方が「にくい」よりも嫌悪の念がやや弱い〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
憎らしい
にくらしい【憎らしい】
hateful;detestable;→英和
abominable.→英和
憎体
にくてい [3][0] 【憎体】 (名・形動)[文]ナリ
(1)憎らしいさま。にくたい。にくて。「―な口をきく」「お国は―にいつて/微光(白鳥)」
(2)「憎体口」に同じ。「―を言う」
憎体
にくたい [0] 【憎体】
⇒にくてい(憎体)
憎体らしい
にくてらし・い 【憎体らしい】 (形)[文]シク にくてら・し
〔近世語〕
憎らしい。にくにくしい。「女郎さまにも美しいあり,かはゆらしい有り…―・い有り/ひとりね」
憎体口
にくていぐち [3][0] 【憎体口】
憎らしい口のきき方。にくまれぐち。
憎悪
ぞうお【憎悪】
⇒憎しみ,憎む.
憎悪
ぞうお [1] 【憎悪】 (名)スル
憎むこと。憎み嫌うこと。「―の念」「深く―する」
憎愛
ぞうあい [0] 【憎愛】
憎むことと愛すること。愛憎。
憎憎
にくにく 【憎憎】 (副)
たいそう憎そうであるさま。憎々しげなさま。「―と返事しければ/著聞 16」
憎憎しい
にくにくし・い [5] 【憎憎しい】 (形)[文]シク にくにく・し
非常に憎らしい。ひどくしゃくにさわる様子だ。「―・い目つきで見る」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
憎相
にくそう 【憎相】
〔「にくぞう」とも〕
憎らしい様子。憎らしい人相。また,その人。「如何なる―の者かしたりけん/太平記 15」
憐れぶ
あわれ・ぶ アハレブ 【哀れぶ・憐れぶ】
■一■ (動バ四)
「あわれむ」に同じ。「霞を―・び,露をかなしぶ心/古今(仮名序)」
■二■ (動バ上二)
「あわれむ」に同じ。「手のうらにいれて光を―・びむと思へど/加茂女集」
憐れみ
あわれみ アハレミ [0] 【哀れみ・憐れみ・愍れみ・憫れみ】
あわれむ気持ち。同情。慈悲。「―を乞(コ)う」「―をかける」
憐れみ
あわれみ【憐れみ】
pity;→英和
compassion.→英和
〜深い compassionate;→英和
sympathetic.→英和
憐れむ
あわれ・む アハレム [3] 【哀れむ・憐れむ】 (動マ五[四])
(1)かわいそうに思う。気の毒に思う。同情する。「遺児を―・んで引き取る」「人を―・むような目で見る」
(2)慈愛の心で接する。「―・まんと思ふ心は広けれど/金葉(雑上)」
(3)賞美する。めでる。惜しむ。《哀》「燭を背けては共に―・む深夜の月/和漢朗詠(春)」
憐れむ
あわれむ【憐れむ】
pity;→英和
feel pity <for> ;have[take]pity <on> .〜べき poor;→英和
piteous;→英和
wretched.→英和
憐察
れんさつ [0] 【憐察】 (名)スル
あわれみ思いやること。「ご―のほどお願い申し上げます」
憐恤
れんじゅつ [0] 【憐恤】 (名)スル
あわれんで,金品を恵むこと。
憐情
れんじょう [0] 【憐情】
あわれみの心。
憐惜
れんせき [0] 【憐惜】 (名)スル
あわれみおしむこと。
憐愍
れんびん [0] 【憐憫・憐愍】
あわれむこと。なさけをかけること。同情。れんみん。「―の情」
憐愍
れんみん 【憐愍】
「れんびん(憐憫)」に同じ。「―の情」
憐愛
れんあい [0] 【憐愛】
あわれみいつくしむこと。「―の情」
憐憫
れんびん【憐憫】
<feel> pity[compassion] <for> .→英和
憐憫
れんびん [0] 【憐憫・憐愍】
あわれむこと。なさけをかけること。同情。れんみん。「―の情」
憑かれる
つか・れる [3] 【憑かれる】 (動ラ下一)
魔性のものに乗りうつられる。何かそれに操られたような状態になる。「狐に―・れる」「ものに―・れたよう」
憑かれる
つかれる【憑かれる】
⇒取り付く.
憑き物
つきもの [2] 【憑き物】
人に取りついて災いをすると考えられている動物などの霊。これに取りつかれると,精神に異常をきたすといわれる。狐憑き・犬神憑きなど。もののけ。「―が落ちる」
憑く
つく【憑く】
possess;→英和
obsess;→英和
haunt.→英和
憑代
よりしろ [0] 【依り代・憑代】
神霊が現れるときに宿ると考えられているもの。樹木・岩石・御幣(ゴヘイ)・動物など種類が多く,神霊に代わってまつられる。
憑依
ひょうい [1] 【憑依】 (名)スル
(1)たよること。よりすがること。「法律に―せざる時は/明六雑誌 5」
(2)霊などがのりうつること。「―霊」
憑依妄想
ひょういもうそう [4] 【憑依妄想】
神仏・悪魔・霊・動物などがのりうつって,自分の行動を支配しているという妄想。つきもの妄想。
憑坐
よりまし [0] 【憑坐・尸童】
〔寄り坐(マ)し,の意〕
神霊がよりつく人間。特に,祈祷師(キトウシ)が神霊を乗り移らせたり,託宣をのべさせたりするために伴う童子や婦女。人形が使用されることもある。ものつき。
憑子
たのもし [0] 【頼母子・憑子】
「頼母子講(コウ)」に同じ。
憑拠
ひょうきょ [1] 【憑拠】 (名)スル
よりどころとすること。また,よりどころ。根拠。依拠。「名所図会なるもの…今日に当るも―するに足るもの多し/日本風景論(重昂)」
憑物がする
つきもの【憑物がする】
be possessed by some evil spirit.
憑総奉行
たのむそうぶぎょう [6] 【憑総奉行】
室町幕府の職名。八月朔日(ツイタチ)の進物贈答に関することをつかさどる職。たのもそうぶぎょう。
憑霊
ひょうれい [0] 【憑霊】
霊魂がのりうつること。憑依。
→脱魂
憔悴
しょうすい セウ― [0] 【憔悴】 (名)スル
病気や心痛のために,やせおとろえること。やつれること。「―した顔」
憔悴する
しょうすい【憔悴する】
become gaunt[haggard];be worn out;wither.→英和
〜した haggard;→英和
emaciated;worn-out.
憖
なまじ [0] 【憖】
〔「なまじい」の転〕
■一■ (副)
(1)中途半端なさま。不徹底なさま。なまじっか。「―腕に覚えがあるのがいけなかった」「―知ってる仲間だから頼みづらい」
(2)あることを仮定して,それをしないほうがむしろよいさまを表す。…するためにかえって。「―会えば未練がわく」「―真実を知れば苦悩が増す」
■二■ (形動)
{■一■}に同じ。「―なことはしないほうがよい」「―の玄人(クロウト)よりは腕がたつ」
憖
なまじい ナマジヒ [0] 【憖】
〔「なまじ」の古い形。「生強(ナマジ)い」の意。古くは「なましい」とも〕
■一■ (副)
(1)「なまじ{■一■}」に同じ。「―に究竟の水練にておはしければ,沈みもやり給はず/平家 11」
(2)十分に考えずにするさま。うかつ。「よくせざらんほどは,―に人に知られじ/徒然 150」
(3)できそうもないことを無理にするさま。あえて。「物思ふと人に見えじと―に常に思へりありそかねつる/万葉 613」
(4)望ましくないことをいやいやするさま。しぶしぶ。「強(アナガ)ちに敬ひて請ずれば,僧―に行きぬ/今昔 20」
■二■ (形動)[文]ナリ
「なまじ{■二■}」に同じ。「―なるやからに身を染め,何かせんと思し召し/御伽草子・のせ猿」
憖っか
なまじっか [0] 【憖っか】
■一■ (副)
「なまじ{■一■}」に同じ。「―知らせないほうがいい」
■二■ (形動)
「なまじ{■二■}」に同じ。「―なことでは勝てない」
憚し
はば・し 【憚し】 (形シク)
はばかられる。遠慮したくなる。はばからわし。「下臈はいかでかと―・しくいひけるを猶せめとはれて/今物語」
憚らし
はばから・し 【憚らし】 (形シク)
「はばからわし(憚)」に同じ。「善政善政とのみ云ひて,御遊ども―・しく思し召しけんをも見まゐらせて/愚管 6」
憚らはし
はばからわ・し ハバカラハシ 【憚らはし】 (形シク)
遠慮したい状態にある。気がひける。「―・しうおぼせど/浜松中納言 3」
憚り
はばかり [0] 【憚り】
〔動詞「はばかる」の連用形から〕
(1)おそれつつしむこと。さしひかえること。遠慮。「何の―もなく出入りする」
(2)さしさわりのあること。差しつかえ。支障。「表ざたにするには―がある」
(3)〔人目をはばかる所の意〕
便所。「―へ行く」
(4)「はばかりさま」の略。「母親が汲(クン)で出す茶碗を―とも言はずに受取りて/浮雲(四迷)」
憚りながら
はばかり【憚りながら】
I dare say…./Excuse me,but… (失礼だが).
憚り乍ら
はばかりながら [5][0] 【憚り乍ら】 (副)
(1)おそれおおいことですが。失礼ですが。出過ぎたことですが。「―,申し上げます」
(2)生意気なようだが。大きな口をきくようだが。「―,これでも作家のはしくれです」
憚り様
はばかりさま [0] 【憚り様】
(1)他人に手数をわずらわせたときなどに言う言葉。おそれいります。ご苦労さま。「これはこれは,―でございます」
(2)相手の非難を軽くかわして,皮肉をこめて言い返すときなどに言う言葉。お気の毒さま。「―,あなたのお世話にはなりません」
憚り様
はばかりさん [0] 【憚り様】
「はばかりさま」に同じ。主に関西地方で用いられる。
憚る
はばか・る [3] 【憚る】 (動ラ五[四])
□一□
(1)さしさわりがあるとして,さしひかえる。遠慮する。「人目を―・る」「あたりを―・らぬ高歌放吟」「外聞を―・る」
(2)障害にあって進むことをためらう。「富士の嶺を高み恐(カシコ)み天雲もい行き―・り/万葉 321」
□二□
(1)はばをきかせる。大きな顔をする。「憎まれっ子世に―・る」
(2)いっぱいに広がる。はびこる。「弥陀の身も天のみ空に―・りてよもせばしとや思ひしるらむ/散木奇歌集」
〔□二□は,「幅」を活用させた語とも,「はびこる」からともいう〕
憚る
はばかる【憚る】
be afraid <of doing> ;hesitate <to do> (躊躇);→英和
refrain from <doing> (遠慮する).人目を〜 be afraid of being seen.〜ところなく openly;→英和
without reserve.
憤く
ふつ・く 【憤く・恚く】 (動カ四)
〔「ふづく」とも〕
腹を立てる。いきどおる。「此の神,性(ヒトトナリ)悪(サカナ)うして,常に哭(ナ)き―・くことを好む/日本書紀(神代上訓)」
憤く
むつ・く 【憤く】 (動カ下二)
(1)不満に思う。不快になる。「御気色実にすさまじげに―・けたる体に御座ければ/雑談 10」
(2)衰弱する。「醒(ナマグサ)き風吹きかよひ,人の身にあたるといなや,―・ける程に/浮世草子・武家義理物語 1」
憤む
ふつく・む 【憤む・慍む】 (動マ四)
〔近世には「ふづくむ」とも〕
腹を立てる。いきどおる。「句々いかり―・みて,なんぞして出る事有るに似たぞ/四河入海 11」
憤む
ふずく・む フヅクム 【憤む・慍む】 (動マ四)
⇒ふつくむ
憤り
いきどおり イキドホリ [0] 【憤り】
いきどおること。怒り。腹立ち。「―を覚える」「世人の―を買う」
憤り
いきどおり【憤り】
resentment <against> ;→英和
indignation;→英和
rage.→英和
憤る resent;→英和
be[get]angry <with a person,at a thing> .
憤る
むずか・る ムヅカル [3][0] 【憤る】 (動ラ五[四])
〔近世末頃まで「むつかる」〕
(1)幼児などが機嫌が悪く泣いたりすねたりする。「赤ん坊が―・る」
(2)不機嫌になる。不平を言う。「萩原様に逢ひたいと私をお責め遊ばし,お―・つて/怪談牡丹灯籠(円朝)」「御車共せかれて…雑色ども―・る/落窪 2」
憤る
いきどお・る イキドホル [3] 【憤る】 (動ラ五[四])
(1)腹を立てる。怒る。憤慨する。「世の不正を―・る」
(2)不満をいだく。「―・る心の内を思ひ延べ/万葉 4154」
〔漢文訓読系の語〕
[可能] いきどおれる
憤る
むつか・る [0][3] 【憤る】 (動ラ五[四])
⇒むずかる
憤ろし
いきどおろ・し イキドホロシ 【憤ろし】 (形シク)
心がはればれとしない。不満だ。「目にし見えねば―・しも/日本書紀(神功)」
憤勇
ふんゆう [0] 【憤勇】
大いに怒って勇み立つこと。「―を震ひ死力を尽して/近世紀聞(延房)」
憤嫉
ふんしつ [0] 【憤嫉】 (名)スル
いきどおりねたむこと。「燃ゆるが如き―を胸に畳みつつ/不如帰(蘆花)」
憤怒
ふんぬ [1] 【憤怒・忿怒】 (名)スル
〔「ぬ」は呉音〕
「ふんど(憤怒)」に同じ。「―の形相」
憤怒
ふんど【憤怒】
(a) fury;→英和
indignation.→英和
⇒怒り.
憤怒
ふんど [1] 【憤怒・忿怒】 (名)スル
大いに怒ること。ふんぬ。「―の念をおぼえる」「卑劣な行為に対して―する」
憤怒相
ふんぬそう [3] 【憤怒相】
〔仏〕 激しい怒りを示す仏像や仏画の表情。不動などの明王や蔵王権現に見られる。
憤怨
ふんえん [0] 【憤怨・忿怨】 (名)スル
いかり,うらむこと。立腹すること。「貨物を掠(カス)められしを見て更に―せざる歟/緑簑談(南翠)」
憤恨
ふんこん [0] 【憤恨・忿恨】 (名)スル
いきどおり,うらむこと。「屈を受けて自ら―する者は/三酔人経綸問答(兆民)」
憤悶
ふんもん [0] 【憤悶】 (名)スル
いきどおり,もだえること。憤懣(フンマン)。「気も狂わんばかりに―する」
憤慨
ふんがい【憤慨】
indignation;→英和
resentment.→英和
〜する be indignant <at> ;resent <his word> .→英和
〜して indignantly.→英和
憤慨
ふんがい [0] 【憤慨】 (名)スル
非常に怒ること。「ひどい仕打ちに―する」
憤懣
ふんまん [0] 【憤懣・忿懣】 (名)スル
いきどおりもだえること。腹が立っていらいらすること。「―やる方がない」「―する如く肩を怒らし/社会百面相(魯庵)」
憤懣
ふんまん【憤懣】
indignation;→英和
resentment.→英和
憤死
ふんし [0] 【憤死】 (名)スル
(1)憤慨のあまり死ぬこと。「姦臣(カンシン)の讒(ザン)にあって―する」
(2)野球で,走者が惜しいところで塁上でアウトになること。「本塁で―する」
憤激
ふんげき [0] 【憤激】 (名)スル
大いにいきどおること。激しく怒ること。「時世に―する」
憤然
ふんぜん [0] 【憤然・忿然】 (ト|タル)[文]形動タリ
怒るさま。いきどおるさま。「―として怒りて曰く/日本開化小史(卯吉)」
憤然として
ふんぜん【憤然として】
indignantly;→英和
in a rage.→英和
憧らす
あくがら・す 【憧らす】 (動サ四)
〔動詞「憧る」の他動詞化〕
(1)放浪させる。「かくのみ―・しはつるはいとあしきわざなり/蜻蛉(中)」
(2)うかれ出させる。「さくら花なにし心を―・すらむ/風雅(春中)」
憧る
あこが・る 【憧る・憬る】 (動ラ下二)
⇒あこがれる
憧る
あくが・る 【憧る】 (動ラ下二)
〔「がる」は離れる意〕
(1)心や体が居るべき所から離れてさまよう。浮かれ出る。「思ひ余りわびぬる時は宿離(カ)れて―・れぬべき心ちこそすれ/古今六帖 2」「物思ふ人のたましひは,げに―・るる物になむありける/源氏(葵)」
(2)心が強くひきつけられて,じっとしていられない気持ちになる。「入道は心澄み果つまじく―・れてながめゐたり/源氏(松風)」
(3)何かに心をうばわれてぼんやりする。うわの空になる。「世の中をいとはかなきものに思して,ともすれば―・れ給ふを/栄花(様々の悦)」
(4)男女の仲がうとうとしくなる。「御中も―・れて程へにけれど/源氏(真木柱)」
憧れ
あこがれ [0] 【憧れ・憬れ】
あこがれること。憧憬(ドウケイ)((シヨウケイ))。「―を抱く」「少年の―のまと」
憧れ
あこがれ【憧れ】
yearning[longing] <for> ;→英和
admiration;→英和
adoration.→英和
憧れる
あこが・れる [0] 【憧れる・憬れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 あこが・る
〔「あくがる」の転〕
(1)理想とするものに強く心がひかれる。「映画スターに―・れる」「情熱的な恋に―・れる」「只徒らに―・れて両手を延ばすのみ/めぐりあひ(四迷)」
(2)(ある物に心がひかれて)ふらふらとさまよい出る。「名月に鞭をあげ,そことも知らず―・れ行く/平家 6」
(3)気をもむ。「母は―・れ火を吹消し/浄瑠璃・大経師(中)」
憧れる
あこがれる【憧れる】
aspire <to> ;→英和
long <for> ;→英和
yearn <for,after> ;→英和
admire.→英和
心ひそかに〜 have a secret longing <for> .
憧憬
どうけい [0] 【憧憬】 (名)スル
〔「しょうけい(憧憬)」の慣用読み〕
あこがれること。「―の的」
憧憬
どうけい【憧憬】
⇒憧(あこが)れ.
憧憬
しょうけい [0] 【憧憬】 (名)スル
〔(ドイツ) Sehnsucht〕
あこがれること。あこがれ。どうけい。「異国の文化を―する」
憩
いこい イコヒ [0] 【憩(い)】
いこうこと。くつろぎ。休息。「―のひととき」「市民の―の場」
憩い
いこい イコヒ [0] 【憩(い)】
いこうこと。くつろぎ。休息。「―のひととき」「市民の―の場」
憩い
いこい【憩い】
relaxation;→英和
rest.→英和
憩う
いこ・う イコフ [2] 【憩う・息う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
休む。休息する。くつろぐ。「水辺に―・う」「―・ふこと無く駈(オイツカ)はれ/霊異記(中訓注)」
〔漢文訓読系の語〕
[可能] いこえる
■二■ (動ハ下二)
休ませる。安らかにする。「国の政をも―・へ,物をもよく納めさせ給ひて/今昔 28」
憩ふ
いこの・う イコノフ 【憩ふ】
■一■ (動ハ四)
休息する。いこう。「山里はいで―・へるたもとこに風そよめきて袖しほるなり/散木奇歌集」
■二■ (動ハ下二)
休ませる。「人々身を―・へ心を延べて侍る程に/平家(六末・延慶本)」
憩室
けいしつ [0] 【憩室】
内腔性臓器(食道・胃・腸・気管・心臓・尿道・卵管など)における壁の限局性突出。一般に無症状。
憩息
けいそく [0] 【憩息】 (名)スル
しばらく休むこと。休息。「上帝―するを以つて七日を分ち/西洋聞見録(文夫)」
憩流
けいりゅう [0] 【憩流】
「憩潮(ケイチヨウ)」に同じ。
憩潮
けいちょう [0] 【憩潮】
干潮と満潮で潮流の方向が変わる場所で,干満の境で潮流の方向が入れ変わるとき,一時潮流がほとんど止まる状態。憩流。
憫れみ
あわれみ アハレミ [0] 【哀れみ・憐れみ・愍れみ・憫れみ】
あわれむ気持ち。同情。慈悲。「―を乞(コ)う」「―をかける」
憫察
びんさつ [0] 【憫察】 (名)スル
あわれみ思いやること。また,他人が自分の事を察することを敬っていう語。「請ふ卿少しく―する所あれ/世路日記(香水)」
憫然
びんぜん [0] 【憫然・愍然】
■一■ (形動)[文]ナリ
かわいそうなさま。あわれむべきさま。「其の心根は,思へば―なものだ/破戒(藤村)」
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
{■一■}に同じ。「今の西洋諸国の有様を見て,―たる野蛮の歎を為すこともある可し/文明論之概略(諭吉)」
憫笑
びんしょう [0] 【憫笑・愍笑】 (名)スル
あわれみ笑うこと。また,あわれみのこもった笑い。「―を買う」「吾々の無智不徳遅鈍乱暴を―するのみにして/福翁百話(諭吉)」
憫諒
びんりょう [0] 【憫諒】 (名)スル
あわれんで思いやること。あわれみ。
憬る
あこが・る 【憧る・憬る】 (動ラ下二)
⇒あこがれる
憬れ
あこがれ [0] 【憧れ・憬れ】
あこがれること。憧憬(ドウケイ)((シヨウケイ))。「―を抱く」「少年の―のまと」
憬れる
あこが・れる [0] 【憧れる・憬れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 あこが・る
〔「あくがる」の転〕
(1)理想とするものに強く心がひかれる。「映画スターに―・れる」「情熱的な恋に―・れる」「只徒らに―・れて両手を延ばすのみ/めぐりあひ(四迷)」
(2)(ある物に心がひかれて)ふらふらとさまよい出る。「名月に鞭をあげ,そことも知らず―・れ行く/平家 6」
(3)気をもむ。「母は―・れ火を吹消し/浄瑠璃・大経師(中)」
憮然
ぶぜん [0] 【憮然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)思いどおりにならなくて不満なさま。「―たる面持ち」
(2)落胆するさま。「昨夜幽明の郷に逝けり…―として大息する/佳人之奇遇(散士)」
(3)事の意外さに驚くさま。「一たび日本の秋を看るや,忽ちにして―自失すること/日本風景論(重昂)」
憮然として
ぶぜん【憮然として】
disappointed;→英和
sadly.→英和
憲兵
けんぺい【憲兵】
《陸軍》the military police <MP> ;《海軍》the shore patrol <SP> .憲兵司令官 a provost marshal.
憲兵
けんぺい [1] 【憲兵】
軍隊内の秩序維持を主任務とする兵隊。日本では1881年(明治14)憲兵条例により設置され犯罪捜査・軍紀維持・思想取り締まりにあたったが,次第に権限を拡大し,公安対策・思想弾圧・防諜などにも強い権力をふるった。
憲政
けんせい [0] 【憲政】
憲法の定めるところに基づいて行う政治。立憲政治。
憲政の常道
けんせいのじょうどう 【憲政の常道】
衆議院の多数党が政権の座につき内閣を組織する,議院内閣制を称した語。大正デモクラシー運動の高まりの中から言われるようになった。
憲政会
けんせいかい 【憲政会】
1916年(大正5),立憲同志会・中正会・公友倶楽部が合同して結成した政党。総裁加藤高明。24年,政友会・革新倶楽部とともに加藤を首班とする護憲三派連立内閣を組織し,普通選挙法を実現。三派分裂後単独で内閣を組織。27年,政友本党と合同,立憲民政党となった。立憲憲政会。
憲政党
けんせいとう 【憲政党】
(1)1898年(明治31)6月,板垣退助の自由党と大隈重信の進歩党が合同して結成した政党。日本最初の政党内閣を組織したが,同年10月両派の対立により内閣は瓦解し,旧自由党系の新憲政党と旧進歩党系の憲政本党に分裂した。
(2)1898年(明治31)憲政党分裂後,旧自由党系が組織した政党。1900年解党して立憲政友会に合流。
憲政擁護運動
けんせいようごうんどう [8] 【憲政擁護運動】
閥族・官僚政治に反対し,議会政治の樹立を目的とした運動。1913年(大正2)言論機関・民衆が桂内閣を倒した運動(第一次)と24年護憲三派が提携して清浦内閣を倒した運動(第二次)とがある。護憲運動。
憲政本党
けんせいほんとう 【憲政本党】
1898年(明治31)憲政党の分裂によって,旧進歩党系が組織した党。1910年小会派を合同して立憲国民党となる。
憲法
けんぼう ケンバフ 【憲法】
⇒吉岡(ヨシオカ)憲法
憲法
けんぽう [1] 【憲法】
〔古くは「けんぼう」〕
■一■ (名)
(1)国家の基本的事項を定め,他の法律や命令で変更することのできない,国家最高の法規範。
→大日本帝国憲法
→日本国憲法
(2)物事の大原則となる約束事。きまり。おきて。「わが家の―」「女にもかたさらずして遂にためしを立て給へる国司の―/十訓 10」
■二■ (名・形動ナリ)
公正であること。公平であること。また,そのさま。「賞罰ヲ―ニスル時ワ大将ノ威勢ガヨウアラワルル/天草本金句集」
憲法
けんぽう【憲法】
a constitution.→英和
〜上の constitutional.→英和
〜違反の unconstitutional <act> .→英和
‖憲法記念日 Constitution Day.憲法発布(改正) the prom ulgation of (the amendment to) the constitution.
憲法の変遷
けんぽうのへんせん 【憲法の変遷】
慣行・先例・解釈などにより,憲法の本来の意味内容が徐々に変化させられること。
憲法十七条
けんぽうじゅうしちじょう 【憲法十七条】
⇒十七条憲法(ジユウシチジヨウケンポウ)
憲法問題調査委員会
けんぽうもんだいちょうさいいんかい 【憲法問題調査委員会】
1945年(昭和20)憲法改正の要否について調査・検討するため内閣に置かれた委員会。委員長松本烝治。憲法改正要綱がつくられ,GHQ に提出されたがしりぞけられた。
憲法改正
けんぽうかいせい [1][1][0] 【憲法改正】
成文憲法に修正・追加・削除などの変更を加えること。日本国憲法の改正は,国会各議院の総議員の三分の二以上の賛成で国会が発議し,国民投票に付され,その過半数の承認を必要とする。
憲法染
けんぼうぞめ ケンバフ― [0] 【憲法染】
黒茶色の小紋染。また一説に,型紙を用い,防染糊(ノリ)で防染したのち引き染めにする小紋染の方式。いずれも吉岡憲法が考案したという。吉岡染。「油屋絹の諸織を―の紋付/浮世草子・永代蔵 5」
憲法流
けんぼうりゅう ケンバフリウ 【憲法流】
⇒吉岡流(ヨシオカリユウ)
憲法義解
けんぽうぎげ 【憲法義解】
明治憲法・皇室典範の逐条解説書。1889年(明治22)刊。
憲法裁判
けんぽうさいばん [5] 【憲法裁判】
憲法解釈,特に法令の合憲・違憲についての疑義を解決するための裁判。
憲法記念日
けんぽうきねんび [6] 【憲法記念日】
国民の祝日の一。日本国憲法の施行を記念する日。五月三日。[季]春。
憲法調査会
けんぽうちょうさかい 【憲法調査会】
日本国憲法改正の必要性の有無について調査検討するため,1956年(昭和31)に設けられた内閣の諮問機関。会長高柳賢三。64年に最終報告書を提出。
憲法違反
けんぽういはん [5][1] 【憲法違反】
法律・命令・規則・処分などが,憲法の規定に違反すること。憲法違反であるか否かは,最高裁判所によって確定される。違憲。
→違憲立法審査権
憲章
けんしょう【憲章】
a charter;→英和
a constitution.→英和
国連(児童)憲章 the United Nations (the Children's) Charter.
憲章
けんしょう [0] 【憲章】
(1)重大な事柄に関するおきて。根本的な原則に関するきまり。「児童―」
(2)憲法の典章。
憶念
おくねん [0] 【憶念・臆念】
心の中に堅く思いいだいていること。執念。「宇治悪左府の―/平家 3」
憶持
おくじ 【憶持】
常に心の中にもち続けること。「心経を―し現報を得て奇事を示す縁/霊異記(上)」
憶測
おくそく【憶測】
a supposition;→英和
a conjecture.→英和
〜する suppose;→英和
conjecture.
憶測
おくそく [0] 【憶測・臆測】 (名)スル
確かな根拠もなくいいかげんに推測すること。「彼の処遇についてさまざまに―されている」「―で物を言う」「単なる―にすぎない」
憶良
おくら 【憶良】
⇒山上(ヤマノウエノ)憶良
憶説
おくせつ【憶説】
<make> a conjecture <about> ;→英和
an assumption.→英和
憶説
おくせつ [0] 【憶説・臆説】
推測や仮定によって立てた意見。「それは―にすぎない」
憶[臆]病
おくびょう【憶[臆]病】
cowardice;timidity.〜な cowardly;timid.→英和
〜者 a coward.→英和
憾むらくは
うらむらくは [2] 【恨むらくは・憾むらくは】 (連語)
残念なことには。遺憾なのは。「―仕上げが雑だ」
懇々と
こんこん【懇々と】
<admonish> earnestly;→英和
kindly (親切に).→英和
懇し
あから・し 【懇し】 (形シク)
胸のしめつけられるような気持ちである。ひどい。心に痛切に感じられるさまにいう。「などか来ぬ,とはぬ,憎し,―・しとて/蜻蛉(下)」
懇ろ
ねんごろ [0] 【懇ろ】
〔「ねもころ」の転〕
■一■ (形動)[文]ナリ
(1)心のこもっているさま。手厚いさま。「―にもてなす」「―に弔う」
(2)親しいさま。特に,男女がなれ親しむさま。「―な間柄」「―になる」
(3)程度がはなはだしいさま。度を超しているさま。「満財が子此れを見て―に希有也と思ふ/今昔 1」
■二■ (名)スル
(1)親密になること。親しく付き合うこと。「お前は貧乏神と―してござるかして/浮世草子・禁短気」
(2)男女が深い仲になること。「今までしたる―の空しくなる事をあたらものと思ひ/仮名草子・難波物語」
(3)男色関係をもつこと。「我若年の時衆道の―せし人住家もとめてありしを/浮世草子・一代男 4」
[派生] ――さ(名)
懇ろ
ねもころ 【懇ろ】
■一■ (副)
〔「ねんごろ」の古い形〕
心をこめて。ていねいに。「かはづ鳴く六田の川の川柳の―見れど飽かぬ川かも/万葉 1723」
■二■ (形動ナリ)
{■一■}に同じ。「鶴が鳴く奈呉江の菅の―に思ひ結ぼれ/万葉 4116」
懇ろな
ねんごろ【懇ろな(に)】
kind(ly) (親切な);→英和
polite(ly) (ていねいな);→英和
intimate(ly) (親しい).→英和
〜になる become intimate <with> (男女が).
懇ろ分
ねんごろぶん 【懇ろ分】
ねんごろな関係をもつ人。特に,男色関係の兄弟分。「役者仲間に―を求め/浮世草子・男色大鑑 7」
懇ろ切る
ねんごろき・る 【懇ろ切る】 (動ラ四)
縁を切る。関係を絶つ。「畢竟おのれは傾城なれば,飽いた時は―・る/浄瑠璃・用明天皇」
懇ろ合ひ
ねんごろあい 【懇ろ合ひ】
互いに親しい間柄であること。ねんごろな仲。「小かんがいとしがる人と言うて互の―/浄瑠璃・氷の朔日(上)」
懇切
こんせつ [0][1] 【懇切】 (名・形動)[文]ナリ
(1)非常に親切で,細かな点にも気を配る・こと(さま)。「―丁寧に教える」「母の―な介抱から彼は救はれた/土(節)」
(2)真剣に心の底から願うこと。「欣求の念―なり/私聚百因縁集」
懇切な
こんせつ【懇切な(に)】
kind(ly);→英和
cordial(ly).→英和
懇到
こんとう [0] 【懇到】 (名・形動)[文]ナリ
丁寧で行き届いていること。懇切。「親切―に教授しければ/妾の半生涯(英子)」
懇命
こんめい [0] 【懇命】
心のこもった仰せ。他人の命令を敬っていう。「―を承る」
懇希
こんき [1] 【懇希】 (名)スル
真心から願うこと。「是微臣の―する所なり/新聞雑誌 24」
懇志
こんし [1] 【懇志】
(1)ねんごろな志。親切な志。厚志。
(2)〔仏〕 信徒が寺に銭・米などを差し上げること。また,そのもの。
懇情
こんせい [0] 【懇情】
「こんじょう(懇情)」に同じ。「君の―を蒙り今更言語に述べがたく候/八十日間世界一周(忠之助)」
懇情
こんじょう [0] 【懇情】
真心のこもった心遣い。親切な心。「御―を賜る」
懇意
こんい [1] 【懇意】 (名・形動)
(1)親しくしていること。遠慮のいらない間柄であること。また,そのさま。「―な間柄」「―にしている人」
(2)親切な心。好意。「御―の段忝う存じまする/歌舞伎・幼稚子敵討」
懇意な
こんい【懇意な】
intimate;→英和
friendly.→英和
…と〜になる get acquainted with….…と〜にしている be friends with….
懇懇
こんこん [0] 【懇懇】 (ト|タル)[文]形動タリ
真心のこもっているさま。丁寧に詳しく説くさま。「道理を―と説き聞かせる」
懇書
こんしょ [1] 【懇書】
誠意のこもった手紙。また,相手を敬ってその手紙をいう語。「御―拝受いたしました」
懇望
こんもう [0] 【懇望】 (名)スル
〔「もう」は呉音〕
熱心に希望すること。心から頼むこと。懇願。こんぼう。「総裁就任を―する」「―もだしがたく引き受ける」
懇望
こんぼう [0] 【懇望】 (名)スル
「こんもう(懇望)」に同じ。
懇篤
こんとく [0] 【懇篤】 (名・形動)[文]ナリ
心がこもっていて,手厚い・こと(さま)。「―なる援助と有益なる忠言とを与へられ/此一戦(広徳)」
[派生] ――さ(名)
懇親
こんしん [0] 【懇親】 (名・形動)[文]ナリ
打ち解けて親しくすること。また,非常に親しいさま。「―会」「会員相互の―を図る」「他国の君主とその交り―なり/明六雑誌 6」
懇親会
こんしんかい【懇親会】
a social gathering;a social;→英和
<米> a get-together.
懇話
こんわ [0] 【懇話】 (名)スル
親しく打ち解けて話し合うこと。懇談。「―会」「諸氏…列席して相ひ―す/浮城物語(竜渓)」
懇誠
こんせい [0] 【懇誠・悃誠】 (名・形動)[文]ナリ
真心のこもっている・こと(さま)。「極めて率直に,極めて―に…言はねば止(ヤ)まぬ/多情多恨(紅葉)」
懇談
こんだん【懇談】
a familiar talk; <have> a chat <with> .→英和
〜する chat[talk] <with> .‖懇談会 a round-table conference;a social gathering (社交の).
懇談
こんだん [0] 【懇談】 (名)スル
親しく,打ち解けて話し合うこと。「学級担任と父兄が―する」
懇談会
こんだんかい [3] 【懇談会】
打ち解けて話し合う会合。
懇請
こんせい [0] 【懇請】 (名)スル
真心をこめて頼むこと。「委員長就任を―する」
懇諭
こんゆ [1] 【懇諭】 (名)スル
真心をこめてさとすこと。「其(ソノ)不利なる事を―せられ/近世紀聞(延房)」
懇願
こんがん [0] 【懇願・悃願】 (名)スル
誠意をこめて頼むこと。「協力を―する」
懇願する
こんがん【懇願する】
entreat;→英和
implore.→英和
懈い
だる・い [2][0] 【怠い・懈い】 (形)[文]ク だる・し
〔近世「たるい」とも〕
(1)疲れていて,からだに力がない。動くのがおっくうである。「熱があるのか体が―・い」
(2)しまりがない。きちんとしない。「下げ髪の―・い姿をようは見てゐる事とそしりて/浮世草子・男色大鑑 7」「ナワガ―・イ/ヘボン」
(3)(「たるい」の形で)味が甘く感ずる。「甘っ―・い」「コノ酒ワ―・イ/ヘボン(三版)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
懈げ
たゆげ 【弛げ・懈げ】 (形動ナリ)
だるそうなさま。「いと苦しげに―なれば/源氏(桐壺)」
懈し
たゆ・し 【弛し・懈し】 (形ク)
(1)疲れて力がない。だるい。「手も―・く扇の風のぬるければ関の清水に水馴てぞ行く/好忠集」
(2)気が進まない。気性がはきはきしない。心の働きが鈍い。「さいふとも日たけなむと,―・き心どもはたゆたひて/紫式部日記」
懈怠
けだい [0] 【懈怠】 (名)スル
(1)「けたい(懈怠)」に同じ。
(2)〔仏〕 善を修めることを努力しない心の状態。
⇔精進(シヨウジン)
「一時の―,即ち一生の―となる/徒然 188」
懈怠
けたい [0] 【懈怠】 (名)スル
(1)〔古くは「けだい」〕
なまけること。おこたること。怠慢。
(2)〔法〕
⇒かいたい(懈怠)
懈怠
かいたい [0] 【懈怠】
〔「けたい」とも〕
(1)〔法〕
(ア)訴訟行為など,一定期間内にしなければならないことを怠ること。「期日の―」「通知の―」
(イ)民法上,「過失」と同義。
(2)「けたい(懈怠)」に同じ。
懈惰
かいだ [1] 【懈惰】
なまけおこたること。懈怠(ケタイ)。「―怠慢」
懈慢
けまん [0] 【懈慢】
おこたりなまけて,仕事や義務をいいかげんにすること。怠慢。
懈慢界
けまんがい [2] 【懈慢界】
〔仏〕 菩薩処胎経(ボサツシヨタイキヨウ)に説く,この世と阿弥陀仏の浄土の中間にあり,信仰の不完全なものの生まれる世界。快楽の多い世界であるため,それに執着して真の浄土に行きにくいとされる。浄土真宗では,他力の信心に徹底できない者が一度ここに生まれ,次に真の浄土に往生するとされる。
懊悩
おうのう アウナウ [0] 【懊悩】
■一■ (名)スル
悩みもだえること。「―の極み」「人生の岐路に立って―する」
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
悩みもだえるさま。「―たる思い」「―として憂(ウキ)に堪へざらんやうなる彼の容体に/金色夜叉(紅葉)」
懊悩
おうのう【懊悩】
worry;→英和
agony.→英和
〜する agonize.→英和
懐
ほほ 【懐】
ふところ。懐中。「帯しながら―へ入れてじつと抱きしめ/浮世草子・一代男 1」
懐
ふところ [0] 【懐】
(1)衣服,特に和服におおわれた胸のあたり。「財布を―に入れる」
(2)山などに周りを囲まれた所。「山の―」
(3){(1)}に入れて持っている金。所持金。「人の―を当てにする」「―がさびしい」
(4)胸中。心中。腹。「―を見すかす」
(5)外部から隔てられている所。内部。内側。「敵の―深く入る」
(6)「ふところご(懐子)」に同じ。「そこをば―といふばかりにおほし立て奉りしかば/宇津保(蔵開下)」
懐
ふところ【懐】
the breast (胸);→英和
[懐中]one's pocket;→英和
one's purse (さいふ).〜に入れる pocket <the money> (着服).自分の〜をこやす fill one's (own) pockets.
懐かしい
なつかしい【懐かしい】
〔形〕dear;→英和
beloved;→英和
sweet.→英和
〜思い出 sweet memories.懐かしそうに longingly;→英和
wistfully.→英和
懐かしい
なつかし・い [4] 【懐かしい】 (形)[文]シク なつか・し
〔動詞「懐く」の形容詞化〕
(1)昔のことが思い出されて,心がひかれる。「ふるさとが―・い」
(2)久しぶりに見たり会ったりして,昔のことが思い出される状態だ。「十何年ぶりに逢って,ほんとうに―・いなあ」
(3)過去のことが思い出されて,いつまでも離れたくない。したわしい。「佐保山をおほに見しかど今見れば山―・しも風吹くなゆめ/万葉 1333」
(4)心がひかれて手放したくない。かわいらしい。「あさましきにあきれたるさま,いと―・しうをかしげなり/源氏(花宴)」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
懐かしがる
なつかしがる【懐かしがる】
long[yearn] <for> ;→英和
remember.→英和
懐かしむ
なつかし・む [4] 【懐かしむ】 (動マ五[四])
(1)昔を思い出し,その頃を慕わしく思う。懐かしく思う。「幼時を―・む」
(2)親しみを感じ,近くに居たいと思う。「春の野にすみれ摘みにと来し我そ野を―・み一夜(ヒトヨ)寝にける/万葉 1424」
懐かせる
なつかせる【懐かせる】
win over;tame (動物を).→英和
懐く
うだ・く 【抱く・懐く】 (動カ四)
だく。いだく。「熱き銅(アカガネ)の柱を―・かしめられて立つ/霊異記(上訓)」
〔上代語「むだく」の転で,「だく」の古形。平安鎌倉時代の漢文訓読にだけ見える語〕
懐く
いだ・く [2] 【抱く・懐く】 (動カ五[四])
(1)「だく{(1)}」の文語的な言い方。「二つの半島に―・かれた静かな湾」「大自然の懐に―・かれて暮らす」「子を―・きつつおりのりす/土左」
(2)ある考え・気持ちを心の中にもつ。「理想を―・く」「不安を―・く」「相手に不信感を―・かせる」
[可能] いだける
懐く
なず・く ナヅク [2] 【懐く】 (動カ五[四])
「なつく(懐)」に同じ。「自分は疾(ト)うに喜んで木村の愛に―・いてゐるのだ/或る女(武郎)」
懐く
なつ・く [2] 【懐く】
■一■ (動カ五[四])
慣れ親しむ。親近感をいだき,近づきなじむ。「彼には後輩の人たちもよく―・いている」「狼は人に―・かない」「―・きにし奈良の都の荒れ行けば/万葉 1048」
[可能] なつける
■二■ (動カ下二)
⇒なつける
懐く
なつく【懐く】
become attached <to> ;take to <a person> ;be tamed (動物が).
懐ける
なつ・ける [3] 【懐ける】 (動カ下一)[文]カ下二 なつ・く
なつくようにしむける。なつかせる。てなづける。「犬ヲ―・ケル/ヘボン」「智深くして人を―・け/太平記 4」
懐こい
なつこ・い [3] 【懐こい】 (形)
人になれ親しみやすい。なつっこい。「―・い子供」
懐っこい
なつっこ・い [4] 【懐っこい】 (形)
「懐こい」の転。「―・くついて来る」
懐メロ
なつメロ [0] 【懐―】
〔「懐かしのメロディー」の略〕
その頃がなつかしく思い出されるような,当時流行した歌。
〔ラジオ放送番組名からできた語〕
懐中
かいちゅう クワイ― [0] 【懐中】 (名)スル
(1)ふところやポケットの中。また,そこに入れること。「―をさぐる」「―して来た翻訳物を取出し/浮雲(四迷)」
(2)「懐中物」の略。「人の―を抜くのがスリで/吾輩は猫である(漱石)」
懐中
かいちゅう【懐中】
one's pocket.‖懐中電灯 <米> a flashlight; <英> a torch.懐中物御用心 <掲示> Beware of Pickpockets.
懐中ガッパ
かいちゅうガッパ クワイ― [5] 【懐中―】
小さくたたんでふところに入れられるカッパ。
懐中日記
かいちゅうにっき クワイ― [5] 【懐中日記】
日記帳形式の小型の手帳。ポケット日記。
懐中時計
かいちゅうどけい クワイ― [5] 【懐中時計】
ポケットやふところに入れて携帯する小型の時計。たもと時計。
懐中汁粉
かいちゅうじるこ クワイ― [5] 【懐中汁粉】
ほした餡(アン)を最中(モナカ)の皮で包んだもの。熱湯を注げば即席の汁粉になる。
懐中物
かいちゅうもの クワイ― [0] 【懐中物】
財布や時計など,ふところやポケットに入れてあるもの。
懐中硯
かいちゅうすずり クワイ― [5] 【懐中硯】
筆・墨などを一緒に収め,携帯できるようにした小型の硯。
懐中鏡
かいちゅうかがみ クワイ― [5] 【懐中鏡】
携帯用の小さな鏡。
懐中電灯
かいちゅうでんとう クワイ― [5] 【懐中電灯】
乾電池を電源とする携帯用の小型電灯。
懐具合
ふところぐあい [5] 【懐具合】
持っている金の額。財政状態。懐都合。「―が悪い」
懐刀
ふところがたな【懐刀】
(1)[短刀]a dagger.→英和
(2)[腹心の者]one's right hand[right-hand man].
懐刀
ふところがたな [5] 【懐刀】
(1)常に懐や帯の間に挟んで持っている小さな守り刀。懐剣。
(2)機密に参与する腹心の部下。腹心。「社長の―だ」
懐剣
かいけん【懐剣】
a dagger.→英和
懐剣
かいけん クワイ― [0] 【懐剣】
ふところに入れて携行する短刀。ふところがたな。
懐勘定
ふところかんじょう [5] 【懐勘定】
所持金の額や費用などを心の中で見積もること。胸算用。
懐古
かいこ クワイ― [1] 【懐古】 (名)スル
昔のことをなつかしく思うこと。懐旧。「子供の頃を―する」「―談」「―趣味」
懐古園
かいこえん クワイコヱン 【懐古園】
長野県小諸(コモロ)市にある,小諸城跡の公園。藤村記念館がある。
懐奘
えじょう ヱジヤウ 【懐奘】
(1198-1280) 鎌倉時代の曹洞(ソウトウ)宗の僧。号は孤雲。藤原氏の出身。比叡山の横川(ヨカワ)で学び,のち道元に長く侍し,道元没後永平寺第二世となる。著「正法眼蔵随聞記」など。
懐妊
かいにん クワイ― [0] 【懐妊】 (名)スル
子をみごもること。妊娠。懐胎。「御―」
懐妊
かいにん【懐妊】
conception.→英和
⇒妊娠(にんしん).
懐子
ふところご [4] 【懐子】
(1)大切に育てられた子供。また,世間知らずの子,特に娘。「とみは富家(フウカ)の―で,性質が温和であった/渋江抽斎(鴎外)」
(2)親が懐に入れるような幼児。嬰児。「ほんの―でござります/浮世草子・風流曲三味線」
懐孕
かいよう クワイ― [0] 【懐孕】
妊娠すること。懐妊。
懐徳堂
かいとくどう クワイトクダウ 【懐徳堂】
大坂町人出資の庶民教育の漢学塾。1724年,中井甃庵(シユウアン)が中心となって尼崎に創設。朱子学・陽明学を講じて準官学に扱われ,富永仲基・山片蟠桃(バントウ)らを出した。懐徳書院大坂学問所。
懐手
ふところで [0] 【懐手】 (名)スル
(1)和服を着て,腕を袖に通さず懐に入れていること。抜き入れ手。[季]冬。《―して宰相の器たり/虚子》
(2)人にまかせて,何もしないこと。「―で大儲けする」
懐手をしている
ふところで【懐手をしている】
[何もしない]keep one's hands in one's pockets;do nothing.〜をして with one's hands in one's pockets.
懐手錠
ふところてじょう [5] 【懐手錠】
江戸時代の刑罰の一。両手を懐に入れさせて縛り,縛り目に封印を施したもの。
懐抱
かいほう クワイハウ [0] 【懐抱】 (名)スル
(1)抱きかかえること。多く男女が抱き合うことをいう。抱擁。「あはれ,美しき海原よ。汝は我を―し我をゆり動かして/即興詩人(鴎外)」
(2)常に胸中にいだく思い。心に思うこと。「貧民個々の希望を―し/日本風景論(重昂)」
(3)ふところ。「同じく父母の―を出て浮沈を共にし/太平記 30」
懐旧
かいきゅう クワイキウ [0] 【懐旧】
昔のことをなつかしく思い出すこと。懐古。「―の情にかられる」「―談」
懐春
かいしゅん クワイ― [0] 【懐春】
年頃になって春情を抱くこと。色気づくこと。特に,女子にいう。
懐時計
ふところどけい [5] 【懐時計】
懐中(カイチユウ)時計。
懐月堂安度
かいげつどうあんど クワイゲツダウ― 【懐月堂安度】
〔名は「やすのり」とも〕
江戸中期の浮世絵師。懐月堂派の始祖。肥痩の激しい線で懐月堂美人と呼ばれる豊満な遊女の肉筆立姿絵を描(カ)いた。絵島事件で伊豆大島に流され,のち江戸に戻る。経歴未詳。
懐柔
かいじゅう クワイジウ [0] 【懐柔】 (名)スル
上手に話をもちかけて,自分の思う通りに従わせること。手なずけること。「―策」
懐柔する
かいじゅう【懐柔する】
conciliate;→英和
win[gain]over;pacify.→英和
懐柔策 a conciliatory measure.
懐海
えかい ヱカイ 【懐海】
⇒百丈(ヒヤクジヨウ)懐海
懐炉
かいろ【懐炉】
a body warmer.
懐炉
かいろ クワイ― [1] 【懐炉】
懐中に入れ,体を温める器具。懐炉灰またはベンジンなどの燃料に点火して金属製の小箱に入れ密閉して用いる。[季]冬。
懐炉灰
かいろばい クワイ―バヒ [3] 【懐炉灰】
懐炉用の燃料。キリなどの木炭末にわら灰や草木灰を混ぜ,硝石などの助燃剤を加え紙で包んだもの。
懐生
かいせい クワイ― [0] 【懐生】
命あるもの。生き物。
懐疑
かいぎ クワイ― [1] 【懐疑】 (名)スル
(1)疑いをいだくこと。「―心」「―的」「事更物々しく否定し,―して得々たるが故に滑稽なのである/竹沢先生と云ふ人(善郎)」
(2)〔哲〕 十分な根拠がないために,判断を保留・中止している状態。
懐疑
かいぎ【懐疑】
(a) doubt.→英和
〜的 skeptical.‖懐疑論者 a skeptic.
懐疑派
かいぎは クワイ― [0] 【懐疑派】
懐疑論の立場の思想家。また,その集団。特に,古代ヘレニズム期にストア派・エピクロス派と並んで一派を画した,ピュロン・ティモンおよびそれに続くアルケシラオス・カルネアデス,アイネシデモス・セクストゥス=エンピリコスらの古代懐疑派が著名。
懐疑論
かいぎろん クワイ― [3] 【懐疑論】
〔scepticism〕
人間の認識は主観的相対的であるとして,絶対的真理の認識の可能性を疑い究極的な判断を中止する思想的態度。懐疑主義。
⇔独断論
→不可知論
懐石
かいせき クワイ― [0] 【懐石】
〔禅院で温石(オンジヤク)を懐中して空腹をしのいだことから,一時の空腹しのぎ程度の軽い料理の意〕
茶席で,茶の前に出す簡単な食事。茶懐石。
懐硯
ふところすずり 【懐硯】
浮世草子。五巻。井原西鶴作。1687年成立。行脚僧の見聞記の形式による怪奇談集。
懐硯
ふところすずり [5] 【懐硯】
携行できるように作った硯。懐中硯。
懐紙
ふところがみ [0] 【懐紙】
畳んで懐に入れておく紙。ちり紙にしたり,歌などを書いたりする。畳紙(タトウガミ)。かいし。
懐紙
かいし クワイ― [0] 【懐紙】
(1)たたんでふところに入れておく紙。茶席で,菓子を取り分けたりするのに用いる。普通,奉書紙を使う。ふところがみ。たとうがみ。
(2)和歌・連歌・俳諧などを正式に書きしるす時に用いる紙。檀紙(ダンシ)・奉書紙・鳥の子紙など。連歌・俳諧では横半折の折紙を用いる。
懐素
かいそ クワイソ 【懐素】
(725頃-785頃) 中国,唐の僧・書家。字(アザナ)は蔵真。草書をよくした。「草書千字文」など。
懐育ち
ふところそだち 【懐育ち】
親元で大切に育てられること。「まる三つになるかならぬの―/人情本・娘節用」
懐胎
かいたい クワイ― [0] 【懐胎】 (名)スル
子をみごもること。妊娠。懐妊。「処女―」「お品は十九の春に―した/土(節)」
懐良親王
かねよししんのう 【懐良親王】
⇒かねながしんのう(懐良親王)
懐良親王
かねながしんのう 【懐良親王】
〔「懐良」は「かねよし」とも読む〕
(1329-1383) 後醍醐天皇の皇子。南朝方の征西将軍として一時九州全土を制圧。のち九州探題今川貞世(了俊)に追われ,筑後で没した。鎮西宮。九州宮。
懐裡
かいり クワイ― [1] 【懐裡】
(1)ふところ。
(2)胸のうち。心中(シンチユウ)。
懐郷
かいきょう クワイキヤウ [0] 【懐郷】
故郷をなつかしむこと。「―の念抑えがたし」
懐郷病
かいきょうびょう クワイキヤウビヤウ [0] 【懐郷病】
⇒ホームシック
懐都合
ふところつごう [5] 【懐都合】
「懐具合(フトコログアイ)」に同じ。
懐鉄砲
ふところでっぽう 【懐鉄砲】
「短筒(タンヅツ)」に同じ。「南蛮流の―受けて見よ/浄瑠璃・近江源氏」
懐鏡
ふところかがみ [5] 【懐鏡】
携帯用の小型の鏡。懐中鏡。
懐風藻
かいふうそう クワイフウサウ 【懐風藻】
漢詩集。一巻。撰者未詳。751年成立。近江朝から奈良朝の間の詩約一二〇編を収める。中国詩の影響を大きく受け,個性的表現にまでは至っていないが,現存最古の漢詩集として貴重。
懐香
くれのおも 【呉の母・懐香】
茴香(ウイキヨウ)の異名。[和名抄]
懦夫
だふ [1] 【懦夫】
おくびょうな男。意気地なし。「―といへども志を立て/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
懦弱
だじゃく [0] 【惰弱・懦弱】 (名・形動)[文]ナリ
(1)積極的に物事をしようとする意気込みをもたないこと。意気地のないこと。気力に欠けること。また,そのさま。「―な心」「世の中が益々―に流れる/象(潤一郎)」
(2)体力の弱いこと。勢力の弱いこと。また,そのさま。「―な体を鍛えなおす」
懲らしむ
こらし・む 【懲らしむ】 (動マ下二)
⇒こらしめる
懲らしめ
こらしめ【懲らしめ】
chastisement;→英和
(a) punishment.〜る chastise;→英和
punish;→英和
give <a person> a lesson.→英和
懲らしめ
こらしめ [0][4] 【懲らしめ】
こらしめること。こりさせること。「―のために外に立たせる」
懲らしめる
こらし・める [4] 【懲らしめる】 (動マ下一)[文]マ下二 こらし・む
悪いことをした人に罰を与えて,二度とするまいという気持ちにさせる。こりさせる。「いたずら者を―・める」
懲らす
こら・す [2] 【懲らす】 (動サ五[四])
こらしめる。「醜面(スベタ)を当てがつて―・してやるが好い/社会百面相(魯庵)」
懲りずまに
こりずまに 【懲りずまに】 (副)
しょうこりもなく。前の失敗にこりもせず。「―又もなき名はたちぬべし人にくからぬ世にしすまへば/古今(恋三)」
懲りる
こりる【懲りる】
learn by experience;have had enough of.
懲りる
こ・りる [2] 【懲りる】 (動ラ上一)[文]ラ上二 こ・る
ある事をした際にいやな目にあって,再び同じことをする気力がなくなる。「失敗に―・りる」「―・りずにまたやって来る」
懲り懲り
こりごり [3] 【懲り懲り】
〔古くは「こりこり」とも〕
■一■ (副)スル
ひどく懲りて,二度と同じことはしたくない気持ちを表す語。「前の失敗でもうすっかり―した」
■二■ (形動)
ひどく懲りるさま。「保証人になるのは―だ」
懲り懲りする
こりごり【懲り懲りする】
⇒懲りる.
懲る
こ・る 【懲る】 (動ラ上二)
⇒こりる
懲役
ちょうえき【懲役】
penal servitude;imprisonment.→英和
〜に行く be sent to[put in]prison.〜に処せられる be sentenced to <two years'> imprisonment with hard labor.
懲役
ちょうえき [0] 【懲役】
監獄に拘置して所定の作業を科す刑罰。自由刑の一種で,無期と有期とがある。
懲役囚
ちょうえきしゅう [4] 【懲役囚】
懲役に服している囚人。
→禁固
懲役監
ちょうえきかん [4] 【懲役監】
懲役刑に処せられた者を収容する監獄。施設の名称は刑務所。
懲悪
ちょうあく [0] 【懲悪】
悪をこらすこと。「勧善―」
懲戒
ちょうかい [0] 【懲戒】 (名)スル
(1)こらしいましめること。「悪人を―することにはならずして/明六雑誌 15」
(2)不正・不当な行為に対して,制裁を与えること。
(ア)公職にある者の義務違反に対し,国家または公共団体の与える制裁。一般職の公務員には,免職・停職・減給・戒告があり,裁判官や国立大学教員にも裁判や審査の手続きがある。懲戒罰。懲罰。
(イ)弁護士会が会員である弁護士に対して与える制裁。
懲戒
ちょうかい【懲戒(免職される)】
(be dismissed by way of) disciplinary punishment.懲戒処分(を受ける) (be submitted to) disciplinary action.‖懲戒免職 a disciplinary dismissal.
懲戒免職
ちょうかいめんしょく [5] 【懲戒免職】
懲戒処分として行われる免職。
懲戒処分
ちょうかいしょぶん [5] 【懲戒処分】
懲戒として科される行政処分。公務員の服務上の義務違反に対しては,免職・停職・減給・戒告の四種がある。
懲戒権
ちょうかいけん [3] 【懲戒権】
懲戒を行う権限。「―の濫用」
懲戒裁判所
ちょうかいさいばんしょ [0][9] 【懲戒裁判所】
旧憲法下で,判事・会計検査官・行政裁判所長官・評定官・弁護士に対する懲戒のために設けられた裁判所。
懲戒解雇
ちょうかいかいこ [5] 【懲戒解雇】
懲戒処分として行われる解雇。
懲治
ちょうじ [1] 【懲治】
こらしめて悪心・悪癖をなおすこと。
懲治監
ちょうじかん [3] 【懲治監】
旧刑法で,刑事責任のない幼者または瘖唖者(インアシヤ)を懲治するために留置した監獄。懲治場。
懲罰
ちょうばつ【懲罰】
(a) punishment;discipline.→英和
〜する punish;→英和
discipline.→英和
‖懲罰委員会(に付する) (refer a case to) the disciplinary committee.
懲罰
ちょうばつ [1][0] 【懲罰】 (名)スル
(1)悪い行為に対して,いましめのために罰を与えること。また,その罰。「遅刻した生徒を―する」
(2)〔法〕 国会の各議院や地方議会が議会内部の秩序を乱した議員に対して行う制裁。戒告・陳謝・登院停止・除名の四種がある。
懲罰委員会
ちょうばついいんかい [6] 【懲罰委員会】
国会の常任委員会の一。議院の規律を乱すとされた議員の懲罰に関して審議する。
懶
ものぐさ [0] 【物臭・懶】 (名・形動)[文]ナリ
〔古くは「ものくさ」〕
(1)何かすることを面倒がること。また,そのような性質や人。また,そのさま。ぶしょう。「―な人」「―をする」
(2)「ものぐさぞうり」に同じ。
懶い
ものぐさ・い [4] 【物臭い・懶い】 (形)[文]ク ものぐさ・し
〔中世後期頃まで「ものくさし」と清音〕
(1)(何かをするのが)おっくうだ。面倒だ。大儀である。「何をするのも―・い」
(2)何となく怪しい。うさんくさい。「この内は―・し。捜せや捜せ/浄瑠璃・碁盤太平記」
(3)病気で体がだるい。気分がすぐれない。「―・くなりて,死ぬべき時に/仮名草子・仁勢物語」
(4)何となくくさい。どことなく嫌なにおいがする。「女君は,程ふるままに―・き部屋に臥して/落窪 1」
懶く
なま・く 【怠く・懶く】 (動カ下二)
⇒なまける
懶ける
なま・ける [3] 【怠ける・懶ける】 (動カ下一)[文]カ下二 なま・く
(1)すべきことをしないで無駄にすごす。「仕事を―・ける」「学校を―・ける」
(2)だらけている。なまぬるくなる。また,なまる。「おれも上州の新田で育つた故,京の詞は―・けて悪い/浄瑠璃・神霊矢口渡」
(3)元気がなくなる。「とんだ顔つきが―・けて来た/滑稽本・続膝栗毛」
懶け者
なまけもの [0][5] 【怠け者・懶け者】
(1)仕事や勉強を怠ける人。怠けてばかりいる人。怠惰(タイダ)な人。
(2) [0]
(「樹懶」と書く)貧歯目ナマケモノ科に属する哺乳動物の総称。一見サルに似た体形で,体長60センチメートル前後。耳は目立たず,尾は短いか無い。常に肢端のかぎ爪を木の枝にかけてぶら下がっている。きわめて不活発で,全身をおおう長い毛は,付着したコケのためにしばしば緑色を帯びる。中南米の森林にすむ。ミツユビナマケモノ・フタユビナマケモノなど。
樹懶(2)[図]
懶婦
らんぷ [1] 【懶婦・嬾婦】
なまけ者の女。ぶしょうな女。
懶惰
らんだ [1] 【懶惰・嬾惰】 (名・形動)[文]ナリ
なまけおこたる・こと(さま)。らいだ。「―な生活を送つた報ひに/羹(潤一郎)」
懶惰
らいだ [1] 【懶惰】 (名・形動)[文]ナリ
「懶惰(ランダ)」を誤読した語。「里人の―なるを歎き/新聞雑誌 31」
懶熊
なまけぐま [3] 【懶熊】
クマの一種。体長約160センチメートル。頭部,特に吻(フン)部が大きい。全身に硬く長い黒色の毛が生える。四肢は短くよたよたと歩くが,行動は活発。蜂蜜・シロアリ・果実などを食う。インドとスリランカに分布。
懶眠
らんみん [0] 【懶眠】
怠惰なねむけ。惰眠。
懶草履
ものぐさぞうり 【懶草履】
足の裏の半ばまでしかない,短い草履。足半(アシナカ)。ものぐさ。「藁縄,帯にして,―の破れたるをはき/御伽草子・物臭太郎」
懸かり
かかり [1] 【掛(か)り・懸(か)り】
〔動詞「かかる(掛)」の連用形から〕
(1)費用がかかること。出費。《掛》「―がかさむ」
(2)攻めること。特に囲碁で,隅を占めた相手の石を攻めるため自分の石を打つこと。《掛》「―の石」「高(タカ)―」
(3)落ちたり,すべったりしないようにこしらえたもの。また,釣り針の返し。「向う状(ザマ)に椅子の―に俯伏せになると/婦系図(鏡花)」
(4)(邦楽などで)本演奏の前に奏する部分。
(5)髪の垂れ下がったようす。「うちうつぶし給へる髪の―/源氏(宿木)」
(6)蹴鞠(ケマリ)をする庭の四隅に植えた木。正式には北東に桜,南東に柳,南西に楓(カエデ),北西に松を植える。
(7)かまえ。作り方。構造。「いづれも同じ局の―/浄瑠璃・油地獄(下)」
(8)世話になること。頼ること。また,頼る人。「主(シユウ)に―の身なれば/浮世草子・真実伊勢物語」
(9)(和歌・連歌・能楽などで)風情。趣。姿。風体。様子。感じ。「姿―まことにいつくしさたとへん方なし/御伽草子・文正」
→がかり(掛)
懸かりの松
かかりのまつ [5] 【懸(か)りの松】
(1)能舞台で橋懸かりの前にある三本の松のうち揚げ幕に最も近いもの。三の松。
(2)蹴鞠(ケマリ)の場の懸かりの木のうちで,北西隅にある松の木。
懸かる
かか・る [2] 【掛(か)る・懸(か)る】 (動ラ五[四])
❶物がほかの物に取り付けられたり,支えられたりしてそこにある。《懸・掛》
(1)上方に掲げられる。ぶらさがっている。「壁に絵が―・っている」「凧(タコ)が木の枝に―・る」「大きな看板が―・った店」「戸口に表札が―・っている」「のれんが―・っている」
(2)中空にある。「月が中天に―・る」「天の川が夜空に―・る」
(3)〔自在鉤にかけて火の上に置いたことから〕
鍋などが火の上にのせられている。「ガスコンロに鍋が―・っている」
(4)〔竿秤(サオバカリ)の鉤にかけて重さをはかることから〕
秤で重さが量られる。「重すぎてこの秤には―・らない」
(5)もたれる。よりかかる。「手すりに―・って休む」「もたれ―・る」「しなだれ―・る」「かきおこされて人に―・りてものす/蜻蛉(上)」
(6)仕組んだものに捕らえられる。「大きな魚が網に―・る」「わなに―・る」「計略に―・る」
(7)(「心にかかる」などの形で)心配になる。「子供のことが気に―・る」「心に―・る」
(8)戸などが開かないように,掛け金や鍵で固定されている。「ドアに鍵が―・っている」
❷物が上方に置かれる。《懸・掛》
(1)ある物がほかの物を覆うように置かれる。「雲が月に―・る」「霞が―・る」「カバーが―・った本」「ワックスが―・った床」
(2)液体や粉末が上方から注がれる。「水が―・る」「波しぶきが―・る」「雨が―・る」「ほこりが―・る」「ドレッシングの―・ったサラダ」
❸身に作用を受ける。《懸・掛》
(1)好ましくない作用を受ける。「あなたに迷惑が―・っては申し訳ない」
(2)疑いが向けられる。「 K 氏に嫌疑が―・る」
(3)期待が向けられる。「ひとり息子に期待が―・っている」
(4)
(ア)他から言葉による働きかけを受ける。「『よう御両人』と声が―・る」「誘いが―・る」
(イ)命令・指示が与えられる。「号令が―・る」「医者からストップが―・る」
(5)魔法・麻酔など特別な作用が及び,普通でない状態になる。「麻酔が―・っているので痛みを感じない」「暗示に―・りやすい人」
(6)(力が)加わる。「パイプに強い圧力が―・る」「右足に体重が―・る」「この電極には一〇〇ボルトの電圧が―・っている」
(7)道具を用いて表面に加工が施される。「木材にはきれいにかんなが―・っている」「アイロンの―・ったワイシャツ」「みがきの―・った丸太」
(8)課せられる。「給料には所得税が―・る」
❹ある物がほかの物に渡される。また,作用が一方から他方へ向かう。
(1)
(ア)一方から他方へさし渡される。《懸・架》「谷につり橋が―・っている」「空に虹が―・る」
(イ)糸・ひもなどの両端が結ばれて渡される。「鉄塔と鉄塔の間に高圧線が―・る」「クモの巣が―・る」
(2)電話で,ほかへの通話が行われる。《掛》「電話が―・ってくる」
(3)上に置かれる。手などがふれる。《掛・懸》「肩に手が―・る」「引き金に指が―・る」
❺取り扱われる。扱いを受ける。
(1)論議・審議の対象として取り上げられ,処理される。「例の件は今日の会議に―・る」「裁判に―・る」
(2)面倒をみてもらう。「子に―・ると云ふ日本特有の風習/半日(鴎外)」
(3)診察を受ける。治療を受ける。「医者に―・る」
(4)人に見られるようになる。「また来週お目に―・りましょう」「人目に―・る」
(5)傷つけられたり殺されたりいじめられたりする。「敵の手に―・る」「刃(ヤイバ)に―・る」「ひとの口に―・る(=ウワササレル)」「兵火に―・って焼失した」
(6)ある人の扱いを受ける。「孫に―・っては会長もただの甘いおじいさんだ」「彼の手に―・るとオンボロ車もピカピカになる」
❻機械・装置が起動された状態になる。機械が動く。「エンジンが―・る」「ラジオが―・る」「レコードが―・っている」「バッハの曲が―・っている」
❼(「繋る」とも書く)ひもなどでつなぎとめられる。
(1)ひもで縛られる。「縄が―・った俵」「水引の―・った品」「お縄に―・る」
(2)船が係留される。停泊する。「沖に船が―・っている」
❽建物が作られる。
(1)ある場所に仮設の建物が作られる。仮設される。「広場にサーカス小屋が―・る」
(2)芝居や興行などが行われる。「忠臣蔵が―・っている劇場」
❾あるものに託す。
(1)あることの賞として金品の渡されることが示される。《懸》「優勝者には一〇〇万円が―・っている」「懸賞が―・る」
(2)それによって物事が決まる。《懸》「甲子園の出場が―・った試合」
(3)ある契約がなされている。《掛》「この家には火災保険が―・っている」
❿その領域に至る。
(1)その場所に至る。「登りに―・る」「松林を過ぎると山道に―・る」
(2)その時期・時間に至る。「夜中まで―・ってやっと終わった」「追い込みに―・る」「冬に―・る」
(3)他の方へ及ぶ。「鼻に―・った声」
⓫関係がある。
(1)重大な関係がある。…に関する。《係》「傷害事件に―・る一件書類」「会社の運命に―・る秘密」
(2)携わる。かかずらう。《係》「公害防止に―・る行政組織が不十分だ」
(3)ある語句が,他の語句と文法関係や意味関係をもつ。《係・懸・掛》
⇔うける
「主語が述語に―・る」「下の句に掛け詞として―・っている」
⓬費用・労力・時間などを要する。費やされる。入用になる。「これを作るには金も時間も―・る」「修理するには一〇万円以上―・る」「手間が―・る」「暇が―・る」
⓭ある物に別の種類の物が混ざる。「赤みの―・った茶色」
⓮相手にして向かっていく。「やる気か。さあどこからでも―・ってこい」「…に食って―・る」「襲い―・る」
⓯交尾する。「近所の雄犬が―・る」
⓰着手・従事する。
(1)その作業をする。取り組む。《掛》「三人で―・ってやっと運べるほどの庭石」
(2)(動作性の名詞や動詞の連用形に助詞「に」の付いたものを受けて)その作業を始める。手をつける。着手する。《掛》「今日から印刷に―・る」「反対派を押さえに―・る」「ビラをはがしに―・る」
⓱(動詞の連用形に付く)
(1)もう少しでそうするところである。…しそうになる。「川でおぼれ―・った」「暮れ―・る」
⓲(動詞の連用形に助詞「て」の付いたものに付いて)…した態度で臨む。「子どもだと思ってばかにして―・る」「相手をなめて―・る」
⓳
(1)すがりつく。まつわる。「御指貫の裾に―・りてしたひ聞え給ふほどに/源氏(薄雲)」
(2)矢が的に当たる。「二つの矢どもの―・りてなむ/蜻蛉(中)」
(3)出会う。ぶつかる。「いかなる行きぶれに―・らせ給ふぞや/源氏(夕顔)」
(4)巻き添えになる。連座する。「この兄殿の御ののしりに―・りて/大鏡(道隆)」
〔「かける」に対する自動詞〕
[可能] かかれる
[慣用] 息が―・お座敷が―・嵩(カサ)に―・肩に―・口が―・声が―・手が―・手に―/箸(ハシ)にも棒にもかからない
懸く
か・く 【掛く・懸く・繋く】
■一■ (動カ四)
(1)かける。つなぐ。「馬にこそふもだし―・くもの/万葉 3886」
(2)構える。組む。編む。「八重の組垣―・かめども/日本書紀(武烈)」
(3)結ぶ。締める。「黒き色には赤き物をたふさきに―・き/宇治拾遺 1」
(4)賭けをする。「押し出して―・きたりければ,はやくかきおほせて/著聞 12」
■二■ (動カ下二)
⇒かける
懸けの魚
かけのうお [3] 【懸けの魚】
〔「かけのいお」とも〕
(1)初漁でとれた魚を氏神などに供えること。かけざかな。
(2)正月の飾り物。幸い木と呼ばれる木に二尾のタイ・ブリ・サケ・マス・タラなどをつるしたもの。
懸けまく
かけまく 【懸けまく】
〔「まく」は助動詞「む」のク語法〕
心にかけて思うこと。言葉に出して言うこと。「しかすがに―欲しき言(コト)にあるかも/万葉 2915」
懸ける
か・ける [2] 【掛ける・懸ける】 (動カ下一)[文]カ下二 か・く
❶物をほかの物に取り付ける。
(1)物を壁や構造物の高い所に運んで行って上部を固定する。上方に掲げる。他の物にぶらさげる。「壁に絵を―・ける」「戸口に表札を―・ける」「窓にカーテンを―・ける」「帆を―・けた船」
(2)〔自在鉤にかけて火の上に置いたことから〕
鍋などを火の上にのせる。「鍋を火に―・ける」
(3)〔竿秤(サオバカリ)の鉤にかけて重さを測ったことから〕
はかりに載せて重さを測る。「肉を秤に―・ける」
(4)椅子などの上に座る。「椅子に腰を―・ける」
(5)人を,罰として高い所につるしたり置いたりする。「罪人を十字架に―・ける」「獄門に―・ける」
(6)物を,取り外しのできるような状態で他の物に取り付ける。「眼鏡を―・けた人」「上着のボタンを―・ける」
(7)組んだもので獲物を捕らえる。「兎をわなに―・ける」「計略に―・ける」
(8)(「気にかける」などの形で)気持ちをそこに置く。いつもそのことに対して配慮する。思いやる。「子の将来を気に―・ける」「心に―・ける」「歯牙(シガ)にも―・けない」
(9)相撲で,足を相手の足にからめる。「右足を―・けて相手を倒す」
(10)錠などを固定して動かないようにする。「ドアに鍵を―・ける」「犯人に手錠を―・ける」
❷上方から物を置く。
(1)ある物を,他の物を覆うように置く。かぶせる。「荷物の上に覆いを―・ける」「床にワックスを―・ける」
(2)液体や粉末を上方から注ぐ。「背中にお湯を―・ける」「肉にコショウを―・ける」「ご飯に生卵を―・けて食べる」「振り―・ける」「あびせ―・ける」
❸他にある作用を与える。他に影響を及ぼす。
(1)好ましくないことを相手に及ぼす。「妻にはずいぶん苦労を―・けてきた」「他人に迷惑を―・ける」
(2)
(ア)人に対してある感情を持つ。「先輩に思いを―・ける」「犯人に情けを―・ける」「…に疑いを―・ける」
(イ)願い・期待をそこに置く。託す。「神様に願(ガン)を―・ける」「ひとり息子に期待を―・ける」「…に一縷(イチル)の望みを―・ける」
(3)言葉などによる働きかけをする。
(ア)言葉を人に向けて発する。「部下に言葉を―・ける」「生徒に声を―・ける」
(イ)言葉による働きかけを行う。「相手になぞを―・ける」「新入生に誘いを―・ける」「おどしを―・ける」
(4)魔法・麻酔など特別な作用を及ぼす。「お姫様に魔法を―・ける」「患者に麻酔を―・ける」「絶対勝つんだ,と自分を暗示に―・ける」
(5)(力を)加える。「右足に体重を―・ける」「一方の電極に電圧を―・けると…」
(6)道具を用いて表面を加工する。「材木にかんなを―・ける」「やすりを―・ける」「ワイシャツにアイロンを―・ける」「ミシンを―・ける」「廊下に雑巾を―・ける」「丸太にみがきを―・ける」
(7)課す。「贅沢品に重い税を―・ける」
(8)攻撃を加える。「夜襲を―・ける」「相手に技を―・ける」「追い討ちを―・ける」
❹ある物を他の物に渡す。また作用を一方から他方へ向ける。
(1)(「架ける」とも書く)一方から他方へさし渡す。「川に橋を―・ける」「二階にはしごを―・ける」
(2)電話機を操作して先方と話をする。「会社に電話を―・ける」
(3)手や足など体の一部をほかの物の上に軽くおく。「ドアの取っ手に手を―・ける」「階段に片足を―・ける」
❺取り扱う。対象として扱う。
(1)論議・審議の対象にする。「この問題を会議に―・ける」「被告を裁判に―・ける」
(2)検査・診察の場所・場面に置く。「薬品を分析装置に―・ける」「…を医者に―・ける」
(3)相手に見えるようにする。「私の秘蔵の品をお目に―・けます」
(4)人を殺傷する。「敵を刀に―・ける」「我が子を手に―・ける」「蹄(ヒヅメ)に―・ける」
❻機械を機能させる。「自動車のエンジンを―・ける」「ブレーキを―・ける」「ラジオを―・けっぱなしにする」「レコードを―・ける」
❼(「繋ける」とも書く)結びつけて留める。つないで留める。「小包に紐を―・ける」「たすきを―・けて掃除をする」
❽
(1)ある場所に仮設の建物などを組み立てる。「河原に小屋を―・ける」「小鳥が街路樹に巣を―・ける」
(2)芝居や興行を行う。「来月は勧進帳を―・ける予定」
❾
(1)数を乗ずる。掛け算をする。
⇔割る
「二に三を―・けると六」
(2)基準の値段より割高な値段を付ける。掛け値をする。「市価よりも二割がた―・けて売る」
(3)(「保険をかける」の形で)ある物について保険の契約をして掛け金を払う。「美術品に保険を―・ける」
❿言葉と言葉に関連を持たせる。
(1)ある語句と他の語句との間に意味関係や文法関係をもたせる。「関係代名詞を名詞句に―・ける」
(2)掛け言葉を言う。「『長雨』を『眺め』に―・ける」
(3)かこつける。意味づける。「妹が名に―・けたる桜/万葉 3787」
⓫
(1)時期・場所について,ここからそこまでの間ずうっと。「夏から秋に―・けて咲く花」「宮城県から青森県に―・けて大雪だ」
(2)それに関して。その面で。「暗算に―・けては彼の右に出る者がない」
⓬あること・物のために費用・労力・時間などを費やす。「服装に金を―・ける」「手間ひま―・けて作った人形」
⓭交配する。「レグホンにコーチンを―・ける」
⓮(「鼻にかける」の形で)
(1)鼻声を出す。「鼻に―・けて歌う」
(2)自慢する。「一流大学を出たことを鼻に―・ける」
⓯(動詞の連用形の下に付いて)
(1)相手に向かって物事をする。「話し―・ける」「働き―・ける」
(2)…し始める。途中まで…する。「言い―・けてやめる」「長編を読み―・ける」
(3)もう少しで,ある動作を始めそうになる。もう少しでそういう状態になる。「死に―・ける」「川でおぼれ―・ける」
⓰
(1)兼ねる。「国の守,斎(イツキ)の宮のかみ―・けたる/伊勢 69」
(2)目標にする。目指す。めがける。「阿波の山―・け漕ぐ舟/万葉 998」
(3)よりどころにする。託する。「かくたまさかの御慰めに―・け侍る命のほども/源氏(澪標)」
(4)含める。こめる。「行く末―・けて契りたのめ給ひし人々/源氏(松風)」
(5)乗り物などをある場所に止める。
(ア)車をある場所に止める。つなぐ。「さて車―・けてその崎にさしいたり/蜻蛉(中)」
(イ)船をある場所に停泊させる。係留する。[日葡]
(ウ)牛馬をある場所につなぐ。「輪強き御車にいちもちの御車牛―・けて/大鏡(道隆)」
(6)あらかじめ約束する。「秋―・けて言ひしながらもあらなくに木の葉降りしくえにこそありけれ/伊勢 96」
(7)だます。ひっかける。「今来むと言ひしばかりに―・けられて/古今六帖 5」
(8)数に入れる。加える。「お供―・けて三人ぢや/浄瑠璃・丹波与作(中)」
〔「かかる」に対する他動詞〕
[慣用] 圧力を―・後足で砂を―・命を―・腕に縒(ヨ)りを―・鎌を―・声を―・尻に帆を―・尻目に―・手に―・手を―・手塩に―・天秤(テンビン)に―・秤(ハカリ)に―・拍車を―・股に―・水を―・目を―・山を―・輪を―
懸けタバコ
かけタバコ [3] 【懸け―】
タバコの葉を一枚ずつ縄に挟んで軒先・炉上などにつるして乾かすこと。また,そのタバコの葉。[季]秋。
懸け仏
かけぼとけ [3] 【懸(け)仏】
銅などの円板に仏像・神像の半肉彫の鋳像などを付けたもの。柱や壁にかけて礼拝したもので,平安後期に本地垂迹(ホンジスイジヤク)の思想から生まれ,鎌倉・室町時代に盛行した。
→御正体(ミシヨウタイ)
懸け佩き
かけはき 【懸け佩き】
腰につるすようにつけること。「―の小太刀取り佩き/万葉 1809」
〔「かきはき」とも訓(ヨ)む〕
懸け合い
かけあい [0] 【掛(け)合い・懸(け)合い】
(1)互いにかけあうこと。「水の―」
(2)交渉や談判をすること。「借金の―に出掛ける」
(3)演芸などで,二人以上の人がかわるがわる話したり演奏したりすること。
(4)歌舞伎舞踊で,二種以上の異なった地方(ジカタ)が,交互にまたは同時に演奏すること。「紅葉狩」における義太夫節・常磐津節・長唄のかけあいなど。掛け合わせ。
(5)義太夫・浄瑠璃で,二人以上の太夫が交互また同時に語ること。
(6)両方の軍隊が正面から互いに攻めかかること。「ひろみへ出て,―のいくさにてぞあらんずらん/平家 7」
(7)ありあわせのもの。また,ありあわせの材料で作った食事。「旅籠屋に立寄り―の食(メシ)を出し給へといひて/浮世草子・文反古 5」
懸け合う
かけあ・う [3][0] 【掛(け)合う・懸(け)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いにかける。「水を―・う」
(2)要求をもって相手側と話し合う。交渉する。「境界問題で隣家と―・う」
(3)つりあう。匹敵する。「挑灯(チヨウチン)に釣鐘(ツリガネ)―・はぬ事すれば/浮世草子・織留 1」
[可能] かけあえる
懸け守り
かけまもり [3] 【懸(け)守り】
胸にかける筒形の守り袋。平安時代以降主に婦人が用いた。
懸け守り[図]
懸け官
かけづかさ 【懸け官】
「兼官(ケンカン)」に同じ。
懸け小鯛
かけこだい [3] 【懸(け)小鯛】
「懸け鯛」に同じ。
懸け樋
かけい [0] 【筧・懸け樋】
⇒かけひ(筧)
懸け樋
かけひ [0] 【筧・懸け樋】
竹の節を抜いたり,木のしんをくりぬいた樋(トイ)を,地上に設けて水を引く装置。かけい。掛け樋(ドイ)。
→埋(ウズ)み樋
筧[図]
懸け橋
かけはし [2] 【掛(け)橋・懸(け)橋・梯】
(1)険しいがけ沿いに木や藤づるなどで棚のように設けた道。桟道。「木曾の―」
(2)谷や川などにかけ渡した仮の橋。
(3)双方の関係を取り持つこと。また,その人や物。なかだち。橋わたし。「日中友好の―」
(4)はしご。階段。
懸け歌
かけうた [2] 【懸(け)歌】
相手に対して言いかけた歌。問いかけ歌。呼びかけ歌。
⇔返し歌
懸け武者
かけむしゃ 【駆け武者・懸け武者】
突進する勇猛な武士。かかりむしゃ。「究竟の―を五百余騎勝(スグツ)て/太平記 15」
懸け爪
かけづめ [2][0] 【懸け爪】
鶏などの蹴爪(ケヅメ)。[ヘボン(三版)]
懸け物
かけもの [2] 【賭け物・懸(け)物】
勝負事にかける金銭や品物。賭け禄。
懸け盤
かけばん [0] 【懸(け)盤】
食器を載せる道具。古くは,四脚の台の上に折敷(オシキ)を載せたが,のちには脚を作り付けにした。儀式や貴人用。
懸け盤[図]
懸け硯
かけすずり [3] 【懸け硯】
(1)書き付けや小物を入れる「掛け子(ゴ){(1)}」のある硯箱。
(2)江戸時代,廻船の船頭などが重要書類や金銭を入れるために用いた硯箱兼用の手文庫。
→船箪笥(フナダンス)
懸け税
かけちから 【懸け税】
上代,稲の初穂を茎のまま抜いて青竹にかけて神に奉納したもの。掛け稲。
懸け筒
かけづつ [2] 【懸(け)筒・掛(け)筒】
壁・柱にかける筒型の花器。
懸け籠
かけご [2] 【掛(け)子・懸け籠】
(1)ほかの箱の縁にかけて,中にはまるように作った箱。
(2)〔(1)が外箱に隠れて見えないことから〕
本心を隠していること。隔て心。下心。「詞にも虚言なく心にも―なし/浄瑠璃・嫗山姥」
懸け紙
かけがみ [0][2] 【懸(け)紙】
(1)贈り物の品の上を巻くように包む白紙。多く熨斗(ノシ)や水引などが印刷してある。
(2)申し文・手紙などを包む白紙。礼紙(ライシ)。空紙。包紙。
懸け花
かけばな [2][0] 【掛(け)花・懸(け)花】
華道で,花を活(イ)けた花器を,壁・柱などに掛けて飾ること。また,その花。
→置き花
→釣り花
懸け菜
かけな [2] 【懸(け)菜】
冬,大根・蕪(カブ)などの葉を縄で編んで軒下などにかけて干しておくもの。干し菜。[季]冬。
懸け角
かけつの [2][0] 【懸(け)角】
〔「かけづの」とも〕
邪気をはらうために御帳台の左右の柱にかけた呪物。平安時代から行われ,もと犀角を用いたが,のちには沈(ジン)の木を角形に削り,両端に銀の金具飾りをつけ丸紐でつるした。御角(ミツノ)。
懸け詞
かけことば [3] 【掛け詞・懸け詞】
主に韻文で用いられる修辞上の技法の一。同音を利用して,一語に複数の意味をもたせるもの。たとえば「わが身世にふるながめせしまに/古今(春下)」の「ふる」が「降る」と「経る」,「ながめ」が「長雨」と「眺め」のように,また「その手は桑名の焼蛤(ヤキハマグリ)」の「食わない」と「桑名」のように一連の字句に二語の意味をもたせる場合をいう。言い掛け。
懸け路
かけじ 【懸け路】
(1)がけに木材で棚のように造った道。かけみち。かけはし。「恐ろしや木曾の―の丸木橋/千載(雑下)」
(2)険しい道。「山の―に思う給ふるを/源氏(橋姫)」
懸け造り
かけづくり [3] 【懸(け)造り】
山間あるいは川岸・海岸・池畔などで,一部分を斜面あるいは水面に張り出して建てること。また,その建物。掛け出し。崖(ガケ)造り。
懸け造る
かけつく・る 【懸け造る】 (動ラ四)
斜面や川・海・池などの上に一部を張り出して建物を建てる。「―・りたる房なれば,谷底へ投入れ畢んぬ/古事談 3」
懸け道
かけみち 【懸け道】
「懸け路(ジ){(1)}」に同じ。「岩の―を伝ひつつ/平家(灌頂)」
懸け隔たり
かけへだたり [0] 【懸(け)隔たり】
「懸け隔て」に同じ。
懸け隔たる
かけへだた・る [5][0] 【懸(け)隔たる】 (動ラ五[四])
(1)遠く離れる。はるかにへだたる。
(2)二つの物事に大きな違いがある。「実力の―・った相手」
(3)(「駆け隔たる」とも書く)争う両者の間に分け入る。「郎等は主を討たせじと―・りて実盛と押し並べて組むところを/謡曲・実盛」
懸け隔つ
かけへだ・つ 【懸(け)隔つ】
■一■ (動タ五[四])
(1)「懸け隔たる{(1)}」に同じ。「田や畑で―・つて誰も通りやあしねえから/真景累ヶ淵(円朝)」
(2)「懸け隔たる{(2)}」に同じ。「何う考へても此―・つた二つの現象に/思ひ出す事など(漱石)」
■二■ (動タ下二)
⇒かけへだてる
懸け隔て
かけへだて [0] 【懸(け)隔て】
両者の間に距離感や差があること。「―のない交際」
懸け隔てる
かけへだ・てる [0][5] 【懸(け)隔てる】 (動タ下一)[文]タ下二 かけへだ・つ
(1)両者の違いを大きくさせる。
(2)間に物をはさんで両者が隔たるようにする。「中門の唐垣を―・てられ師直只一人六間の客殿に坐したり/太平記 27」
(3)(「駆け隔てる」とも書く)間に入り,両者が隔たるようにする。「―・てられては判官のためあしかりなんと/保元(中・古活字本)」
懸け離れる
かけはな・れる [5][0] 【掛(け)離れる・懸(け)離れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 かけはな・る
(1)遠くへだたる。「遠く―・れた土地」
(2)相違が大きい。大きな差がある。「現実と―・れた理想論」「実力が―・れている」
(3)関係がうすくなる。疎遠になる。「など山の井の―・るらむ/源氏(若紫)」
懸け魚
かけざかな [3] 【懸(け)魚】
「懸けの魚(ウオ){(1)}」に同じ。
懸け鯛
かけだい [2] 【懸け鯛】
近世,正月に,二匹の干し鯛を藁縄(ワラナワ)で結び合わせ,かまどの上などに掛けたもの。六月一日にこれを食べると,疫病にかからないといわれた。
懸り
かかり [1] 【掛(か)り・懸(か)り】
〔動詞「かかる(掛)」の連用形から〕
(1)費用がかかること。出費。《掛》「―がかさむ」
(2)攻めること。特に囲碁で,隅を占めた相手の石を攻めるため自分の石を打つこと。《掛》「―の石」「高(タカ)―」
(3)落ちたり,すべったりしないようにこしらえたもの。また,釣り針の返し。「向う状(ザマ)に椅子の―に俯伏せになると/婦系図(鏡花)」
(4)(邦楽などで)本演奏の前に奏する部分。
(5)髪の垂れ下がったようす。「うちうつぶし給へる髪の―/源氏(宿木)」
(6)蹴鞠(ケマリ)をする庭の四隅に植えた木。正式には北東に桜,南東に柳,南西に楓(カエデ),北西に松を植える。
(7)かまえ。作り方。構造。「いづれも同じ局の―/浄瑠璃・油地獄(下)」
(8)世話になること。頼ること。また,頼る人。「主(シユウ)に―の身なれば/浮世草子・真実伊勢物語」
(9)(和歌・連歌・能楽などで)風情。趣。姿。風体。様子。感じ。「姿―まことにいつくしさたとへん方なし/御伽草子・文正」
→がかり(掛)
懸りの松
かかりのまつ [5] 【懸(か)りの松】
(1)能舞台で橋懸かりの前にある三本の松のうち揚げ幕に最も近いもの。三の松。
(2)蹴鞠(ケマリ)の場の懸かりの木のうちで,北西隅にある松の木。
懸る
かか・る [2] 【掛(か)る・懸(か)る】 (動ラ五[四])
❶物がほかの物に取り付けられたり,支えられたりしてそこにある。《懸・掛》
(1)上方に掲げられる。ぶらさがっている。「壁に絵が―・っている」「凧(タコ)が木の枝に―・る」「大きな看板が―・った店」「戸口に表札が―・っている」「のれんが―・っている」
(2)中空にある。「月が中天に―・る」「天の川が夜空に―・る」
(3)〔自在鉤にかけて火の上に置いたことから〕
鍋などが火の上にのせられている。「ガスコンロに鍋が―・っている」
(4)〔竿秤(サオバカリ)の鉤にかけて重さをはかることから〕
秤で重さが量られる。「重すぎてこの秤には―・らない」
(5)もたれる。よりかかる。「手すりに―・って休む」「もたれ―・る」「しなだれ―・る」「かきおこされて人に―・りてものす/蜻蛉(上)」
(6)仕組んだものに捕らえられる。「大きな魚が網に―・る」「わなに―・る」「計略に―・る」
(7)(「心にかかる」などの形で)心配になる。「子供のことが気に―・る」「心に―・る」
(8)戸などが開かないように,掛け金や鍵で固定されている。「ドアに鍵が―・っている」
❷物が上方に置かれる。《懸・掛》
(1)ある物がほかの物を覆うように置かれる。「雲が月に―・る」「霞が―・る」「カバーが―・った本」「ワックスが―・った床」
(2)液体や粉末が上方から注がれる。「水が―・る」「波しぶきが―・る」「雨が―・る」「ほこりが―・る」「ドレッシングの―・ったサラダ」
❸身に作用を受ける。《懸・掛》
(1)好ましくない作用を受ける。「あなたに迷惑が―・っては申し訳ない」
(2)疑いが向けられる。「 K 氏に嫌疑が―・る」
(3)期待が向けられる。「ひとり息子に期待が―・っている」
(4)
(ア)他から言葉による働きかけを受ける。「『よう御両人』と声が―・る」「誘いが―・る」
(イ)命令・指示が与えられる。「号令が―・る」「医者からストップが―・る」
(5)魔法・麻酔など特別な作用が及び,普通でない状態になる。「麻酔が―・っているので痛みを感じない」「暗示に―・りやすい人」
(6)(力が)加わる。「パイプに強い圧力が―・る」「右足に体重が―・る」「この電極には一〇〇ボルトの電圧が―・っている」
(7)道具を用いて表面に加工が施される。「木材にはきれいにかんなが―・っている」「アイロンの―・ったワイシャツ」「みがきの―・った丸太」
(8)課せられる。「給料には所得税が―・る」
❹ある物がほかの物に渡される。また,作用が一方から他方へ向かう。
(1)
(ア)一方から他方へさし渡される。《懸・架》「谷につり橋が―・っている」「空に虹が―・る」
(イ)糸・ひもなどの両端が結ばれて渡される。「鉄塔と鉄塔の間に高圧線が―・る」「クモの巣が―・る」
(2)電話で,ほかへの通話が行われる。《掛》「電話が―・ってくる」
(3)上に置かれる。手などがふれる。《掛・懸》「肩に手が―・る」「引き金に指が―・る」
❺取り扱われる。扱いを受ける。
(1)論議・審議の対象として取り上げられ,処理される。「例の件は今日の会議に―・る」「裁判に―・る」
(2)面倒をみてもらう。「子に―・ると云ふ日本特有の風習/半日(鴎外)」
(3)診察を受ける。治療を受ける。「医者に―・る」
(4)人に見られるようになる。「また来週お目に―・りましょう」「人目に―・る」
(5)傷つけられたり殺されたりいじめられたりする。「敵の手に―・る」「刃(ヤイバ)に―・る」「ひとの口に―・る(=ウワササレル)」「兵火に―・って焼失した」
(6)ある人の扱いを受ける。「孫に―・っては会長もただの甘いおじいさんだ」「彼の手に―・るとオンボロ車もピカピカになる」
❻機械・装置が起動された状態になる。機械が動く。「エンジンが―・る」「ラジオが―・る」「レコードが―・っている」「バッハの曲が―・っている」
❼(「繋る」とも書く)ひもなどでつなぎとめられる。
(1)ひもで縛られる。「縄が―・った俵」「水引の―・った品」「お縄に―・る」
(2)船が係留される。停泊する。「沖に船が―・っている」
❽建物が作られる。
(1)ある場所に仮設の建物が作られる。仮設される。「広場にサーカス小屋が―・る」
(2)芝居や興行などが行われる。「忠臣蔵が―・っている劇場」
❾あるものに託す。
(1)あることの賞として金品の渡されることが示される。《懸》「優勝者には一〇〇万円が―・っている」「懸賞が―・る」
(2)それによって物事が決まる。《懸》「甲子園の出場が―・った試合」
(3)ある契約がなされている。《掛》「この家には火災保険が―・っている」
❿その領域に至る。
(1)その場所に至る。「登りに―・る」「松林を過ぎると山道に―・る」
(2)その時期・時間に至る。「夜中まで―・ってやっと終わった」「追い込みに―・る」「冬に―・る」
(3)他の方へ及ぶ。「鼻に―・った声」
⓫関係がある。
(1)重大な関係がある。…に関する。《係》「傷害事件に―・る一件書類」「会社の運命に―・る秘密」
(2)携わる。かかずらう。《係》「公害防止に―・る行政組織が不十分だ」
(3)ある語句が,他の語句と文法関係や意味関係をもつ。《係・懸・掛》
⇔うける
「主語が述語に―・る」「下の句に掛け詞として―・っている」
⓬費用・労力・時間などを要する。費やされる。入用になる。「これを作るには金も時間も―・る」「修理するには一〇万円以上―・る」「手間が―・る」「暇が―・る」
⓭ある物に別の種類の物が混ざる。「赤みの―・った茶色」
⓮相手にして向かっていく。「やる気か。さあどこからでも―・ってこい」「…に食って―・る」「襲い―・る」
⓯交尾する。「近所の雄犬が―・る」
⓰着手・従事する。
(1)その作業をする。取り組む。《掛》「三人で―・ってやっと運べるほどの庭石」
(2)(動作性の名詞や動詞の連用形に助詞「に」の付いたものを受けて)その作業を始める。手をつける。着手する。《掛》「今日から印刷に―・る」「反対派を押さえに―・る」「ビラをはがしに―・る」
⓱(動詞の連用形に付く)
(1)もう少しでそうするところである。…しそうになる。「川でおぼれ―・った」「暮れ―・る」
⓲(動詞の連用形に助詞「て」の付いたものに付いて)…した態度で臨む。「子どもだと思ってばかにして―・る」「相手をなめて―・る」
⓳
(1)すがりつく。まつわる。「御指貫の裾に―・りてしたひ聞え給ふほどに/源氏(薄雲)」
(2)矢が的に当たる。「二つの矢どもの―・りてなむ/蜻蛉(中)」
(3)出会う。ぶつかる。「いかなる行きぶれに―・らせ給ふぞや/源氏(夕顔)」
(4)巻き添えになる。連座する。「この兄殿の御ののしりに―・りて/大鏡(道隆)」
〔「かける」に対する自動詞〕
[可能] かかれる
[慣用] 息が―・お座敷が―・嵩(カサ)に―・肩に―・口が―・声が―・手が―・手に―/箸(ハシ)にも棒にもかからない
懸仏
かけぼとけ [3] 【懸(け)仏】
銅などの円板に仏像・神像の半肉彫の鋳像などを付けたもの。柱や壁にかけて礼拝したもので,平安後期に本地垂迹(ホンジスイジヤク)の思想から生まれ,鎌倉・室町時代に盛行した。
→御正体(ミシヨウタイ)
懸合い
かけあい [0] 【掛(け)合い・懸(け)合い】
(1)互いにかけあうこと。「水の―」
(2)交渉や談判をすること。「借金の―に出掛ける」
(3)演芸などで,二人以上の人がかわるがわる話したり演奏したりすること。
(4)歌舞伎舞踊で,二種以上の異なった地方(ジカタ)が,交互にまたは同時に演奏すること。「紅葉狩」における義太夫節・常磐津節・長唄のかけあいなど。掛け合わせ。
(5)義太夫・浄瑠璃で,二人以上の太夫が交互また同時に語ること。
(6)両方の軍隊が正面から互いに攻めかかること。「ひろみへ出て,―のいくさにてぞあらんずらん/平家 7」
(7)ありあわせのもの。また,ありあわせの材料で作った食事。「旅籠屋に立寄り―の食(メシ)を出し給へといひて/浮世草子・文反古 5」
懸合う
かけあ・う [3][0] 【掛(け)合う・懸(け)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いにかける。「水を―・う」
(2)要求をもって相手側と話し合う。交渉する。「境界問題で隣家と―・う」
(3)つりあう。匹敵する。「挑灯(チヨウチン)に釣鐘(ツリガネ)―・はぬ事すれば/浮世草子・織留 1」
[可能] かけあえる
懸吊
けんちょう [0] 【懸吊】
かけつるすこと。「―装置」
懸命
けんめい [0] 【懸命】 (形動)[文]ナリ
力を尽くして頑張るさま。命がけ。精一杯。「一所―」「―な努力」
[派生] ――さ(名)
懸命の
けんめい【懸命の(に)】
eager(ly);→英和
earnest(-ly);→英和
strenuous(ly).→英和
懸命の地
けんめいのち 【懸命の地】
主家から与えられ,一家の生計をささえるべき大切な領地。一所懸命の地。「すなはち勅免有て,―をぞ安堵せられける/太平記 11」
懸垂
けんすい【懸垂(運動)】
chinning (exercises).〜をする chin oneself (up).
懸垂
けんすい [0] 【懸垂】 (名)スル
(1)まっすぐにたれさがること。「一大絶壁の斜に―するあるのみ/不二の高根(麗水)」
(2)器械体操の一。鉄棒や平行棒に両手でぶら下がること。また,腕の力で体を持ち上げる運動。「―運動」
懸垂下降
けんすいかこう [5] 【懸垂下降】
⇒アプザイレン
懸垂幕
けんすいまく [3] 【懸垂幕】
標語や広告文などを大書して建物の上から垂らす帯状の布。垂れ幕。
懸垂碍子
けんすいがいし [5] 【懸垂碍子】
電線を鉄塔などから懸垂して支える碍子。超高圧の送電線に用い,使用電圧に応じて適当な個数を連結する。
懸垂線
けんすいせん [0] 【懸垂線】
太さと重さの一様な綱の両端を固定し,中間を自由にした時,その綱のつくる曲線。カテナリー。
懸壅垂
けんようすい [3] 【懸壅垂】
⇒口蓋垂(コウガイスイ)
懸壅垂
けんようすい【懸壅垂】
《解》the uvula.→英和
懸守り
かけまもり [3] 【懸(け)守り】
胸にかける筒形の守り袋。平安時代以降主に婦人が用いた。
懸け守り[図]
懸小鯛
かけこだい [3] 【懸(け)小鯛】
「懸け鯛」に同じ。
懸屋
かけや 【掛屋・懸屋】
江戸時代,幕府・諸藩の蔵屋敷に出入りして,蔵物の処理や代金の出納に当たり,また金銭の融通や両替をした御用商人。
懸崖
けんがい [0] 【懸崖】
(1)切り立ったがけ。きりぎし。
(2)盆栽で,茎や枝が根より下に垂れ下がるように仕立てること。菊の鉢植えでもつくる。
懸巣
かけす [0] 【懸巣】
スズメ目カラス科の鳥。全長約33センチメートル。体は淡い葡萄(ブドウ)色,尾は黒,腰は白,翼は黒・白・青の斑(マダラ)で美しい。他の鳥の声をよくまねる。樫(カシ)の実を好みカシドリの名もある。全国の低山帯で繁殖し,冬は平地でも普通に見られる。[季]秋。
懸巣[図]
懸念
けねん [0][1] 【懸念】 (名)スル
(1)気になって心から離れないこと。気がかり。心配。「事の成り行きを―する」「姉は真(ホン)に病気です。私も―でなりませぬ/谷間の姫百合(謙澄)」
(2)〔仏〕 ある対象に思念を集中させること。
(3)心がとらわれること。執着。執念。「かやうの者までも皇居に―をなしけるにや/盛衰記 1」
懸念
けんねん 【懸念】 (名)スル
気がかり。心配。けねん。
懸念
けねん【懸念(する)】
fear;→英和
worry.→英和
⇒心配.
懸想
けそう [2][0] 【懸想】 (名)スル
〔「けんそう」の撥音「ん」の無表記から〕
異性に思いをかけること。恋い慕うこと。「窃かにお鈴に―して/薄命のすず子(お室)」
懸想ず
けそう・ず ケサウ― 【懸想ず】 (動サ変)
思いをかける。恋慕する。「―・じける女のもとに/伊勢 3」
懸想ぶ
けそう・ぶ ケサウ― 【懸想ぶ】 (動バ上二)
恋している様子をする。「見給へよ,―・びたる文のさまか/源氏(夕霧)」
懸想人
けそうびと 【懸想人】
人を恋している人。また,その相手。「不覚なりける―かな/落窪 2」
懸想文
けそうぶみ [2] 【懸想文】
(1)恋慕の情を書きつづった手紙。恋文。艶書(エンシヨ)。
(2)近世,正月に京都の町などで売られたお札。艶書に似せて,縁起を祝う文句が書いてある。[季]新年。
懸想文売り
けそうぶみうり 【懸想文売り】
近世,「懸想文{(2)}」を売り歩いた者。覆面をして赤い衣装をつけ,古くは烏帽子(エボシ)を,のちに編み笠をかぶった。
懸想文売り[図]
懸想立つ
けそうだ・つ ケサウ― 【懸想立つ】 (動タ四)
恋慕の気持ちが外に表れる。「わざと―・ちてももてなさじ/源氏(椎本)」
懸果
けんか [1] 【懸果】
⇒双懸果(ソウケンカ)
懸架
けんか [1] 【懸架】 (名)スル
つりさげ,ささえること。「独立―」「前輪―」
懸架装置
けんかそうち [4] 【懸架装置】
⇒サスペンション
懸案
けんあん [0] 【懸案】
かねてから問題になっていて,まだ解決のつかない事柄。「長年の―がやっと解決した」
懸案
けんあん【懸案】
a pending[an outstanding]question[problem].
懸橋
かけはし [2] 【掛(け)橋・懸(け)橋・梯】
(1)険しいがけ沿いに木や藤づるなどで棚のように設けた道。桟道。「木曾の―」
(2)谷や川などにかけ渡した仮の橋。
(3)双方の関係を取り持つこと。また,その人や物。なかだち。橋わたし。「日中友好の―」
(4)はしご。階段。
懸歌
かけうた [2] 【懸(け)歌】
相手に対して言いかけた歌。問いかけ歌。呼びかけ歌。
⇔返し歌
懸氷
けんぴょう [0] 【懸氷】
つらら。氷柱。
懸河
けんが [1] 【懸河】
傾斜が急で流れが速い川。「―の勢い」
懸濁液
けんだくえき [4] 【懸濁液】
固体の微粒子が液体中に分散している混合物。粒子の大きさはコロイド粒子程度かそれよりも大きい。泥水や墨汁など。
懸物
かけもの [2] 【賭け物・懸(け)物】
勝負事にかける金銭や品物。賭け禄。
懸物状
かけものじょう 【懸物状】
鎌倉・室町時代,武家の所領相論に関して,原告と被告が奉行所に提出した文書。敗訴の場合は争っている所領の一部を相手方に引き渡す旨を書いた誓約の文書。
懸盤
かけばん [0] 【懸(け)盤】
食器を載せる道具。古くは,四脚の台の上に折敷(オシキ)を載せたが,のちには脚を作り付けにした。儀式や貴人用。
懸け盤[図]
懸筒
かけづつ [2] 【懸(け)筒・掛(け)筒】
壁・柱にかける筒型の花器。
懸紙
かけがみ [0][2] 【懸(け)紙】
(1)贈り物の品の上を巻くように包む白紙。多く熨斗(ノシ)や水引などが印刷してある。
(2)申し文・手紙などを包む白紙。礼紙(ライシ)。空紙。包紙。
懸絶
けんぜつ [0] 【懸絶】 (名)スル
はなはだしい違いのあること。かけはなれていること。「―した実力」「両者の間隔が甚しく―するときは/草枕(漱石)」
懸緒
かけお [2] 【掛緒・懸緒】
(1)掛け物をかけるためにその上部に付けた紐(ヒモ)。
(2)冠・烏帽子などの緒。
(3)鎧(ヨロイ)の袖に付け,綿上(ワタガミ)の袖付けの緒に結ぶ紐。
→大鎧
懸腕直筆
けんわんちょくひつ [0] 【懸腕直筆】
書道で,腕をあげて肘(ヒジ)を脇から離し筆をまっすぐ立てて書くこと。大字を書くのに適する。懸腕法。
→枕腕(チンワン)
→提腕(テイワン)
懸花
かけばな [2][0] 【掛(け)花・懸(け)花】
華道で,花を活(イ)けた花器を,壁・柱などに掛けて飾ること。また,その花。
→置き花
→釣り花
懸菜
かけな [2] 【懸(け)菜】
冬,大根・蕪(カブ)などの葉を縄で編んで軒下などにかけて干しておくもの。干し菜。[季]冬。
懸角
かけつの [2][0] 【懸(け)角】
〔「かけづの」とも〕
邪気をはらうために御帳台の左右の柱にかけた呪物。平安時代から行われ,もと犀角を用いたが,のちには沈(ジン)の木を角形に削り,両端に銀の金具飾りをつけ丸紐でつるした。御角(ミツノ)。
懸谷
けんこく [0] 【懸谷】
滝または急傾斜となって本流に合流する支流の谷。
懸賞
けんしょう【懸賞】
<offer> a prize <for> ;→英和
a prize contest[competition].〜に当たる win a prize.‖懸賞金 prize money.懸賞論文(小説) a prize essay (novel).
懸賞
けんしょう [0] 【懸賞】
正解を出した人,優秀な作品を出した人,物を探し出した人などに与えるという条件で出す,賞金や賞品。「―金」「―付き」「―小説に応募する」
懸賞広告
けんしょうこうこく [5] 【懸賞広告】
特定の行為をした人に一定の報酬を与えることを表示する広告。
懸蹄
けんてい [0] 【懸蹄】
偶蹄類の後足の地に触れない蹄(ヒズメ)。
懸車
けんしゃ [1] 【懸車】
〔漢の薛広徳が退官した時,天子から賜った車を高所にかけつるし,記念として子孫に残したという「漢書(薛広徳伝)」の故事による〕
(1)官を辞すること。致仕(チシ)。
(2)致仕の年である七〇歳の異名。
懸軍
けんぐん [0] 【懸軍】
〔「懸」は隔たる意〕
後方との連絡がないまま,敵地の奥深くに入りこむこと。また,その軍隊。「―万里」
懸造り
かけづくり [3] 【懸(け)造り】
山間あるいは川岸・海岸・池畔などで,一部分を斜面あるいは水面に張り出して建てること。また,その建物。掛け出し。崖(ガケ)造り。
懸針
けんしん [0] 【懸針】
書道で,筆法の一。縦の画の下端を針のようにとがらせるもの。
→垂露(スイロ)
懸隔
けんかく [0] 【懸隔】
〔古くは「けんがく」とも〕
■一■ (名・形動)スル [文]ナリ
(1)二つの物事の間に大きなへだたりがあること。かけはなれていること。「事実と―する」
(2)普通とはかけはなれているさま。「してもあのやうに―な事をいはします/狂言・鈍太郎」
■二■ (副)
程度のはなはだしいさま。「今日は―寂しかりけり(野坡)/炭俵」
懸隔たり
かけへだたり [0] 【懸(け)隔たり】
「懸け隔て」に同じ。
懸隔たる
かけへだた・る [5][0] 【懸(け)隔たる】 (動ラ五[四])
(1)遠く離れる。はるかにへだたる。
(2)二つの物事に大きな違いがある。「実力の―・った相手」
(3)(「駆け隔たる」とも書く)争う両者の間に分け入る。「郎等は主を討たせじと―・りて実盛と押し並べて組むところを/謡曲・実盛」
懸隔つ
かけへだ・つ 【懸(け)隔つ】
■一■ (動タ五[四])
(1)「懸け隔たる{(1)}」に同じ。「田や畑で―・つて誰も通りやあしねえから/真景累ヶ淵(円朝)」
(2)「懸け隔たる{(2)}」に同じ。「何う考へても此―・つた二つの現象に/思ひ出す事など(漱石)」
■二■ (動タ下二)
⇒かけへだてる
懸隔て
かけへだて [0] 【懸(け)隔て】
両者の間に距離感や差があること。「―のない交際」
懸隔てる
かけへだ・てる [0][5] 【懸(け)隔てる】 (動タ下一)[文]タ下二 かけへだ・つ
(1)両者の違いを大きくさせる。
(2)間に物をはさんで両者が隔たるようにする。「中門の唐垣を―・てられ師直只一人六間の客殿に坐したり/太平記 27」
(3)(「駆け隔てる」とも書く)間に入り,両者が隔たるようにする。「―・てられては判官のためあしかりなんと/保元(中・古活字本)」
懸離れる
かけはな・れる [5][0] 【掛(け)離れる・懸(け)離れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 かけはな・る
(1)遠くへだたる。「遠く―・れた土地」
(2)相違が大きい。大きな差がある。「現実と―・れた理想論」「実力が―・れている」
(3)関係がうすくなる。疎遠になる。「など山の井の―・るらむ/源氏(若紫)」
懸魚
かけざかな [3] 【懸(け)魚】
「懸けの魚(ウオ){(1)}」に同じ。
懸魚
げぎょ [1] 【懸魚】
屋根の破風に取りつけて,棟木(ムナギ)や桁(ケタ)の木口を隠す装飾。破風の拝み(=合掌の合わせ目)の部分にあるものを本(オモ)懸魚,左右の下部のものを降(クダリ)懸魚または桁隠し懸魚という。また,その形によって猪目(イノメ)懸魚・蕪(カブラ)懸魚・梅鉢懸魚などがある。
懸魚[図]
懸魚
げんぎょ 【懸魚】
⇒げぎょ(懸魚)
懺悔
さんげ [1] 【懺悔】 (名)スル
〔仏〕「ざんげ(懺悔)」に同じ。
懺悔
ざんげ【懺悔】
(a) confession;→英和
repentance (悔悟).→英和
〜する confess;→英和
repent.→英和
‖懺悔者 a penitent.懺悔話 a confession.
懺悔
ざんげ [1][3] 【懺悔】 (名)スル
〔「懺」は梵語 kṣama の音訳「懶摩」の略。「悔」はその漢訳。江戸時代中頃まで「さんげ」。仏教用語としては現在も「さんげ」〕
自分の犯した罪悪に気づき,それを神仏や他人に告白し,悔い改めることを誓うこと。
懺悔懺悔
さんげさんげ 【懺悔懺悔】
歌舞伎下座唄の一。江戸時代に,法印が唱えた呪文を歌曲化したもの。世話狂言で裏長屋の場などの幕開きや,小悪党の出入りに用いる。
懺悔文
さんげもん [0] 【懺悔文】
〔仏〕 懺悔をするときに唱える文。代表的なものは,「華厳経」普賢行願品の「我昔所�造諸悪業,皆由�無始貪瞋癡�,従�身口意�之所�生,一切我今皆懺悔」という七言四句の偈文(ゲモン)。
懺悔滅罪
さんげめつざい [1] 【懺悔滅罪】
〔仏〕 懺悔の功徳(クドク)によって,それまでに犯した一切の罪を消滅させること。
懺悔話
ざんげばなし [4] 【懺悔話】
過去におかした過ちを悔いて,罪ほろぼしの気持ちで他人に打ち明ける話。
懺悔録
ざんげろく 【懺悔録】
⇒告白録(コクハクロク)
懺法
せんぼう [0] 【懺法】
〔仏〕
(1)経を誦し罪過を懺悔(ザンゲ)する儀式作法。日本では法華・観音・阿弥陀・吉祥などの懺法がよく行われた。悔過(ケカ)。
(2){(1)}のときに誦する経文。
(3)懺悔の方法を書いた作法書。
懺法講
せんぼうこう [0] 【懺法講】
懺法のために催される講会(コウエ)。多くは法華懺法を行う。
懼れる
おそ・れる [3] 【恐れる・畏れる・怖れる・懼れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おそ・る
(1)危害が及ぶことを心配してびくびくする。危害を及ぼすような人や物と接することを避けたがる。こわがる。《恐・怖・懼》「野獣は火を―・れる」「相手が去年の優勝チームだからといって―・れるな」「報復を―・れる」「残りの船は風に―・るるか/平家 11」
(2)良くないことが起きることを予想し,そうならなければよいが,と思う。危惧(キグ)する。《恐・懼》「失敗を―・れていては進歩は望めない」「資料の散逸を―・れる」
(3)神仏などを,人為の及ばないものとして敬い,身をつつしむ。《恐・畏》「神をも―・れぬ不逞(フテイ)の輩(ヤカラ)」
(4)閉口する。恐れ入る。《恐》「飲六さんの悪ふざけには―・れるねへ/滑稽本・浮世風呂 2」
〔上代は上二段か四段か不明だが,平安初期は上二段活用が多い。平安中期に下二段にも活用するようになり,中世以降は下二段活用のみとなった〕
懽楽
かんらく クワン― [0][1] 【歓楽・懽楽】
■一■ (名)スル
(1)喜び楽しむこと。喜びと楽しみ。快楽。「―の巷(チマタ)」「―を尽くす」「他人をして,喜悦―せしむるものなり/西国立志編(正直)」
(2)(「冠落」とも書く)「病気」の忌み詞。「将軍家御―により延びて今日に及ぶ/東鑑(承元二)」
■二■ (形動)
ぜいたくなさま。「それより親を―に養ひ/狂言記・泣尼」
懾伏
しょうふく セフ― [0] 【懾伏・懾服・慴伏】 (名)スル
おそれひれ伏すこと。勢力におそれて屈服すること。「皆(ミナ)須知以芬(スチイブン)に―して,敬礼せざるはなかりき/慨世士伝(逍遥)」
懾服
しょうふく セフ― [0] 【懾伏・懾服・慴伏】 (名)スル
おそれひれ伏すこと。勢力におそれて屈服すること。「皆(ミナ)須知以芬(スチイブン)に―して,敬礼せざるはなかりき/慨世士伝(逍遥)」
懿徳
いとく [1] 【懿徳】
麗しい立派な徳。
懿徳天皇
いとくてんのう 【懿徳天皇】
記紀所伝の第四代天皇,大日本彦耜友尊(オオヤマトヒコスキトモノミコト)の漢風諡号(シゴウ)。安寧天皇の第二皇子。
懿旨
いし [1] 【懿旨】
太皇太后・皇太后・皇后の命令。
戈
ほこ [1] 【矛・鉾・戈・鋒・戟】
(1)両刃の剣に長い柄をつけた武器。刺突用。古代に用いられたが平安時代からは薙刀(ナギナタ)などにとってかわられ,儀仗・祭祀(サイシ)に用いられるのみになった。
(2)武器。
(3)弓の幹(カラ)のこと。ゆがら。
矛(1)[図]
戈
か クワ [1] 【戈】
古代中国の武器の一。片方に枝が出たほこ。
戈旁
ほこづくり [3] 【戈旁】
⇒戈構(ホコガマ)え
戈構え
ほこがまえ [3] 【戈構え】
漢字の構えの一。「成」「戒」などの「戈」の部分。
戈法
かほう クワハフ [0] 【戈法】
書道で,右斜めに引きおろした線をはね上げる筆法。
戈船
かせん クワ― [0] 【戈船】
ほこを積んだ戦闘用の船。軍(イクサ)船。
戊
つちのえ [3] 【戊】
〔「土の兄(エ)」の意〕
十干(ジツカン)の第五。
戊
ぼ [1] 【戊】
十干の第五。つちのえ。
戊午
ぼご [1] 【戊午】
干支(エト)の一。つちのえうま。
戊夜
ぼや [1] 【戊夜】
五夜の第五。「五更{(2)}」に同じ。
戊子
ぼし [1] 【戊子】
干支(エト)の一。つちのえね。
戊寅
ぼいん [0] 【戊寅】
干支(エト)の一。つちのえとら。
戊戌
ぼじゅつ [1] 【戊戌】
干支(エト)の一。つちのえいぬ。
戊戌変法
ぼじゅつへんぽう 【戊戌変法】
⇒変法自強(ヘンポウジキヨウ)
戊戌夢物語
ぼじゅつゆめものがたり 【戊戌夢物語】
⇒夢物語
戊戌政変
ぼじゅつせいへん 【戊戌政変】
中国清末,戊戌の年(1898年),西太后を中心とする保守派が光緒帝を幽閉し康有為(コウユウイ)らの変法自強(ヘンポウジキヨウ)運動を弾圧した事件。
戊申
ぼしん [0] 【戊申】
干支(エト)の一。つちのえさる。
戊申詔書
ぼしんしょうしょ 【戊申詔書】
1908年(明治41)戊申の年に発せられた詔書。日露戦争後において,国民が国民道徳を強化し,上下一致,勤倹力行して国富増強にあたることが強調された。
戊辰
ぼしん [0] 【戊辰】
干支(エト)の一。つちのえたつ。
戊辰戦争
ぼしんせんそう 【戊辰戦争】
1868年(慶応4)戊辰の年に始まり,維新政府軍と旧幕府側との間に一六か月余にわたって戦われた内戦。正月の鳥羽・伏見の戦いに勝利した政府軍は,四月江戸城を接収,上野にこもる彰義隊はじめ関東各地で旧幕府主戦派を討滅,奥羽越列藩同盟を結んで対抗する諸藩をも会津戦争を頂点に一〇月には帰順させた。翌年5月,最後の拠点箱館五稜郭を陥落させ,内戦は終結,明治絶対主義国家確立への途が開かれた。
戌
いぬ [2] 【戌】
(1)十二支の第一一番目。年・日・時刻・方位などに当てる。
→戌の日
(2)時刻の名。今の午後八時頃。また,午後七時から九時まで,または午後八時から一〇時まで。
(3)方角の名。西から北へ三〇度の方角。
戌
いぬ【戌(年)】
(the year of) the Dog.
戌の日
いぬのひ [4][0] 【戌の日】
暦の上で戌にあたる日。俗に犬は安産と信じられて,妊婦が妊娠五か月目のこの日に岩田帯を締める習慣がある。
戌亥
いぬい [0][2] 【戌亥・乾】
方角の名。戌と亥との中間の方角。北西の方角。
戍卒
じゅそつ [1] 【戍卒】
国境などを守る兵卒。
戎
えびす [0] 【恵比須・恵比寿・夷・戎・蛭子】
七福神の一。商売繁盛・福の神として広く信仰される,兵庫県西宮神社の祭神。蛭子(ヒルコ)とも,事代主(コトシロヌシノ)神ともいわれる。古くは豊漁の神として漁民に信仰され,また農神としても信仰された。狩衣(カリギヌ)・風折り烏帽子(エボシ)姿で右手に釣り竿,左手に鯛(タイ)を抱えた神像に描かれる。夷(エビス)三郎。
〔「えびす(戎・夷)」と同源の語。一般に「恵比須」と書くことが多く,この場合の歴史的仮名遣いは「ゑびす」〕
恵比須[図]
戎
えびす [1] 【戎・夷】
〔「えみし」の転〕
(1)「えぞ(蝦夷){(1)}」に同じ。「其の国の奥に―と云ふ者有りて/今昔 31」
(2)都から遠く離れた未開の土地の人。「かかることは,―・町女などこそいへ/栄花(浦々の別)」
(3)荒々しい武士。情を解さぬ荒っぽい人。特に,東国の武士を京の人から見て言う語。「―は弓引くすべ知らず/徒然 80」「荒―」「東(アズマ)―」
(4)野蛮な外国人。蛮夷(バンイ)。「これは胡国の―の大将/謡曲・昭君」
戎具
じゅうぐ [1] 【戎具】
戦争の用具。武器。戎器。
戎器
じゅうき [1] 【戎器】
戦争に用いる器具。武器。兵器。戎具。
戎国
じゅうこく [0][1] 【戎国】
えびすの国。野蛮な国。
戎夷
じゅうい [1] 【戎夷】
未開の蛮族。えびす。
戎扇
えびすおうぎ [4] 【恵比須扇・戎扇】
年の初めの祝いに用いる粗製の扇。
戎服
じゅうふく [0] 【戎服】
戦うときに着る服。軍服。
戎狄
じゅうてき [0] 【戎狄・戎翟】
〔「戎」は西方,「狄」は北方のえびすの意〕
野蛮な国の住民。えびす。戎夷(ジユウイ)。
戎羯
じゅうけつ [0] 【戎羯】
〔「戎」「羯」ともに古代中国で蛮族の意〕
えびす。戎狄(ジユウテキ)。戎夷(ジユウイ)。
戎翟
じゅうてき [0] 【戎狄・戎翟】
〔「戎」は西方,「狄」は北方のえびすの意〕
野蛮な国の住民。えびす。戎夷(ジユウイ)。
戎舞
えびすまい [3][0] 【恵比須舞・戎舞】
恵比須に扮して踊る舞。豊作を祈る大黒舞に対して大漁を祈願する。七福神舞や神楽・田植え踊りなどに入る。
戎衣
じゅうい [1] 【戎衣】
戦(イクサ)の場に着て出る衣服。「藤房衣冠をぬぎ,―に成つて/太平記 4」
戎講
えびすこう [0] 【恵比須講・戎講・夷講】
商家で,商売繁盛を祈って恵比須をまつり,親類・知人を招いて祝う行事。祭日は一〇月二〇日(もと陰暦)・一一月二〇日・一月一〇日など,地方により異なる。[季]秋。《行かゝり客に成けり―/去来》
成
せい 【成】
五胡十六国の一。氐(テイ)族の李特が四川に建国(304-347)。東晋に滅ぼされた。成漢。後蜀。
成
なる [1] 【成】
暦注の十二直の一。新たに事を始めることに吉,訴訟談判に凶という日。
成ぎ
たいらぎ タヒラギ [0] 【平らぎ・成ぎ】
〔動詞「平らぐ」の連用形から〕
仲直り。和睦。「この―の覚束なかるべきを/即興詩人(鴎外)」
成さしめる
なさ∘しめる 【成さしめる】 (連語)
成るようにさせる。
→名(ナ)を成さしめる(「名」の句項目)
成し
なし 【成し・為し】
〔動詞「なす(成)」の連用形から〕
そうすること。せい。「目も鼻もなほし,とおぼゆるは心の―にやあらむ/源氏(総角)」
成し上ぐ
なしあ・ぐ 【成し上ぐ】 (動ガ下二)
(1)仕上げる。なしとげる。
(2)官位などを昇進させる。「いかでこの右大臣,今すこし―・げてわがかはりの職(ソク)をも譲らむ/栄花(花山)」
成し立つ
なした・つ 【成し立つ】 (動タ下二)
立派に成長させる。「御子ども,皆物めかし―・て給ふを/源氏(玉鬘)」
成し遂げる
なしと・げる [4][0] 【成(し)遂げる・為し遂げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 なしと・ぐ
物事を最後までしとおす。やりとげる。また,大きな事業を完成させる。「五連覇(レンパ)を―・げる」
成し遂げる
なしとげる【成し遂げる】
⇒仕遂げる.
成す
な・す [1] 【成す・為す】 (動サ五[四])
(1)あるまとまったものを作り上げる。築き上げる。《成》「一代で財を―・す」
(2)(「…をなす」の形で)そういう形・状態をつくる。《成》「カラスが群れを―・している」「返品が山を―・す」「文章の体を―・していない」
(3)別の物・状態に変える。「荒野を変じて沃野(ヨクヤ)と―・す」
(4)ある行為をする。主に慣用句的なかたい言い回しの中で使われる。《為》「人力の―・し得るところではない」「相手の―・すがままにまかせる」「すること―・すこと」
(5)動詞の連用形の下に付いて,補助動詞のように用いる。特に心がけてある動作をする意を表す。意識して…する。「いと心ことによしありて同じ木草をも植ゑ―・し給へり/源氏(若紫)」「心細く住み―・したる庵あり/徒然 11」
〔「なる」に対する他動詞〕
[慣用] 市を―・色を―・恐れを―・重きを―・名を―
成ず
じょう・ず ジヤウ― 【成ず】 (動サ変)
(1)出来上がる。しあがる。完成する。「八は悉地の―・ずる数也/盛衰記 19」
(2)なしとげる。しあげる。「蛇身を転じて仏道を―・ず/曾我 2」
成らず
ならず 【成らず・不成】
(1)一人前になっていないこと。成就していないこと。「―学者」
(2)「ならず者」に同じ。「―の野良者をすかし/浄瑠璃・会稽山」
成らずして
ならずして 【成らずして】 (連語)
…でなくて。…にならないうちに。多く「日」「月」などを受けて用いられる。「日(ヒ)―(=日数ヲ経ナイウチニ)」
成らずの森
ならずのもり 【成らずの森】
「糺(タダ)すの森」をもじって,「成らず」をしゃれていった語。不可能だ。許されない。「夫さへもわつちらには,―だから/洒落本・仮根草」
成らぬ中(ウチ)が楽しみ
成らぬ中(ウチ)が楽しみ
物事は成就しないうちが楽しみなので,成就してしまえばそれほどのこともないということ。待つ間が花。
成らぬ堪忍(カンニン)するが堪忍
成らぬ堪忍(カンニン)するが堪忍
堪忍できないようなことを堪忍するのが本当の堪忍というものだということ。
成り
なり [2] 【成り・為り】
(1)将棋で,駒が成ること。
→成る
(2)(「おなり」の形で)貴人が出かけること。
→御成(オナリ)
(3)成ること。成就。「―も成らずも汝と二人はも/万葉 3492」
成り丈
なりたけ [0] 【成り丈】 (副)
「なるたけ(成丈)」の転。「(背ガ高イノデ)だから―草履を穿くの/三四郎(漱石)」
成り上がり
なりあがり [0] 【成り上(が)り】
成り上がること。また,成り上がった者。
成り上がり者
なりあがりもの [0] 【成り上(が)り者】
低い身分や境涯から,高い地位を得たり,金持ちになった者。多く不相応であるという気持ちをこめていう。なりあがり。
成り上がる
なりあがる【成り上がる】
rise <to> ;→英和
become suddenly rich;work one's way up <to> (努力して);rise from the ranks (低い身分から).
成り上がる
なりあが・る [4][0] 【成り上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)地位・身分の低い人や貧乏な人が高い地位に上がったり,金持ちになったりする。「一従業員から社長に―・る」
(2)地位が上がる。「つぎつぎの御弟も―・り給へれど/落窪 4」
成り上り
なりあがり [0] 【成り上(が)り】
成り上がること。また,成り上がった者。
成り上り者
なりあがりもの [0] 【成り上(が)り者】
低い身分や境涯から,高い地位を得たり,金持ちになった者。多く不相応であるという気持ちをこめていう。なりあがり。
成り上る
なりあが・る [4][0] 【成り上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)地位・身分の低い人や貧乏な人が高い地位に上がったり,金持ちになったりする。「一従業員から社長に―・る」
(2)地位が上がる。「つぎつぎの御弟も―・り給へれど/落窪 4」
成り下がり
なりさがり [0] 【成り下(が)り】
おちぶれること。また,おちぶれた人。零落。
成り下がる
なりさが・る [4][0] 【成り下(が)る】 (動ラ五[四])
栄えていた者がおとろえる。おちぶれる。「物乞いにまで―・る」
成り下がる
なりさがる【成り下がる】
be reduced <to> ;sink <to> .→英和
成り下り
なりさがり [0] 【成り下(が)り】
おちぶれること。また,おちぶれた人。零落。
成り下る
なりさが・る [4][0] 【成り下(が)る】 (動ラ五[四])
栄えていた者がおとろえる。おちぶれる。「物乞いにまで―・る」
成り代る
なりかわ・る [4][0] 【成り代(わ)る・為り変(わ)る】 (動ラ五[四])
(1)その代わりとなる。とって代わる。「本人に―・りまして,御礼申し上げます」
(2)変わって他の物となる。「淵(フチ)は瀬に―・るてふ飛鳥川/後撰(恋三)」
成り代る
なりかわる【成り代る】
take the place of <a person> .…に成り代って in place of;on behalf of.
成り代わる
なりかわ・る [4][0] 【成り代(わ)る・為り変(わ)る】 (動ラ五[四])
(1)その代わりとなる。とって代わる。「本人に―・りまして,御礼申し上げます」
(2)変わって他の物となる。「淵(フチ)は瀬に―・るてふ飛鳥川/後撰(恋三)」
成り余る
なりあま・る 【成り余る】 (動ラ四)
出来上がって余りがある。「我が身は成り成りて―・れる処一処あり/古事記(上訓)」
成り出づ
なりい・ず 【成り出づ】 (動ダ下二)
成り上がって世に出る。出世する。「男はなほわかき身の―・づるぞいとめでたきかし/枕草子 186」
成り切る
なりき・る [0][3] 【成(り)切る】 (動ラ五)
すっかりそのものになる。「役に―・る」
[可能] なりきれる
成り勝る
なりまさ・る 【成り勝る】 (動ラ四)
次第にその度合が大きくなる。ますますそうなる。「みよし野の山の白雪つもるらしふる里寒く―・るなり/古今(冬)」
成り合ひ
なりわい 【成り合ひ】
〔「なりあひ(成合)」の転〕
なるがままであること。成り行きにまかせること。「只正直にして―に一生を送らんは/浮世草子・二十不孝 3」
成り合ふ
なりあ・う 【成り合ふ】 (動ハ四)
(1)完成する。出来上がる。「汝(ナ)が身の―・はざる処にさし塞ぎて,国土(クニ)を生み成さむとおもふはいかに/古事記(上訓)」
(2)成長する。成熟する。「まだ幼く,―・はぬ人をさし越えて/源氏(東屋)」
(3)協力する。結託する。「葛山は,平一揆の者共畠山と―・ひて,夜打に寄せたりと騒ぎ/太平記 37」
成り成る
なりな・る 【成り成る】 (動ラ四)
(1)できあがる。完成する。「わが身は―・りて成り合はざる処一処あり/古事記(上訓)」
(2)順々になる。「男子(オノコゴ),女子(オンナゴ)あまた生みつづけて,またそれが妻男(メオトコ)に―・りしつつ/宇治拾遺 4」
成り手
なりて [3][0] 【成り手】
ある役目になろうとする人。なる人。「会長の―がない」
成り損なう
なりそこなう【成り損なう】
fail to be <a poet> .
成り星
なりぼし 【成(り)星】
〔「一つ星みつけた,長者になろう」という童歌(ワラベウタ)から出た語〕
急に出世したり金持ちになったりした人。俄分限(ニワカブゲン)。出来星(デキボシ)。
成り木責め
なりきぜめ [0] 【成り木責め・生り木責め】
小正月の予祝行事。果樹に,刃物で傷をつけたり,棒で打つなどの威嚇をして,果実の精霊に豊熟を約束させるもの。その際,「成るか成らぬか,成らねばきるぞ」「成ります,成ります」などと問答をする。木責め。木呪(キマジナイ)。成るか成らぬか。
成り束
なりがら 【成り柄・成り束】
除目(ジモク)の際の,成り文(ブミ)をこよりで束ねたもの。
成り果せる
なりおお・せる [0][5] 【成り果せる】 (動サ下一)[文]サ下二 なりおほ・す
すっかりそのものになる。なりきる。「首尾よく社の一員に―・せる」
成り果て
なりはて [0] 【成り果て】
物事の終わったのち。なれのはて。
成り果てる
なりは・てる [4][0] 【成(り)果てる】 (動タ下一)[文]タ下二 なりは・つ
(1)おちぶれて,好ましくない状態になる。なりさがる。「とうとう敵の手先に―・てた」
(2)すっかりそのようになる。「心ばかりは聖に―・て給ひて/源氏(橋姫)」
成り果てる
なりはてる【成り果てる】
⇒成り下がる.
成り柄
なりがら 【成り柄・成り束】
除目(ジモク)の際の,成り文(ブミ)をこよりで束ねたもの。
成り済ます
なりすま・す [4][0] 【成(り)済ます】 (動サ五[四])
(1)あるものになりきる。なりおおせる。「早(ハヤ)聟君(ムコギミ)に―・したやうな気で/社会百面相(魯庵)」
(2)その人であるようなふりをする。「警官に―・す」
[可能] なりすませる
成り済ます
なりすます【成り済ます】
disguise oneself <as> ;pose <as> .→英和
…に成り済まして in the disguise of….
成り立ち
なりたち [0] 【成(り)立ち】
(1)物事ができあがるまでの事情や過程。でき方。「会の―」
(2)いくつかの要素から成る物の,内部のしくみ。「文の―」
(3)成長すること。また,その過程。「身もと,―,偽らず具(ツブ)さに申せ/浄瑠璃・松風村雨」
成り立つ
なりた・つ [3][0] 【成(り)立つ】 (動タ五[四])
(1)要件が満たされてある事柄ができあがる。成立する。「契約が―・つ」「方程式が―・つ」
(2)ある状態の存在が可能となる。「組織は人によって―・っている」「その考えも―・つ」
(3)事業などが立ちゆく。「商売が―・つ」「物価高で暮らしが―・たない」
(4)一人前になる。出世をする。「人と―・ちぬれば,おろかに思ふ人もなきわざなるを/源氏(乙女)」
成り立つ
なりたつ【成り立つ】
(1)[実現]be realized;[締結]be concluded.⇒成立.
(2)[構成]consist[be made up] <of> .→英和
(3)[可能]hold good;be possible.
成り立て
なりたて [0] 【成(り)立て】
(ある身分・地位・職業などに)なって間もないこと。「―の先生」
成り行き
なりゆき [0] 【成(り)行き】
(1)物事が移り変わってゆく様子や過程。「今後の―を注目する」「―に任せる」
(2)「成り行き注文」の略。
成り行き値段
なりゆきねだん [5] 【成(り)行き値段】
市場の成り行きのままに形成された値段。
成り行き売買
なりゆきばいばい [5] 【成(り)行き売買】
取引で,成り行き注文により売買すること。
成り行き注文
なりゆきちゅうもん [5] 【成(り)行き注文】
取引で,依頼者が銘柄と数量だけを指定して,値段はその時の相場で売買するよう注文すること。成り行き。
⇔指し値注文
成り行く
なりゆ・く [0][3] 【成(り)行く】 (動カ五[四])
物事が次第にそのようになってゆく。次第に移り変わってゆく。「紅葉が色鮮やかに―・く山々」
成り込む
なりこ・む [3][0] 【成(り)込む】 (動マ五[四])
将棋で,駒が敵陣内へはいって成る。
→成る
成り金
なりきん [0] 【成(り)金】
(1)将棋で,成って金将のはたらきを得た駒(コマ)。特に歩(フ)の成ったもの。
→成る❷(4)
(2)わずかの時日のうちに金持ちになること。また,その人。にわか分限(ブゲン)。「石油―」「―趣味」
成り金風
なりきんかぜ [3] 【成(り)金風】
急に金持ちになった人が見せる自慢げな様子。「―を吹かせる」
成り駒
なりこま [0] 【成り駒】
将棋で,成った駒。
→成る❷(4)
成る
な・る [1] 【成る・為る】 (動ラ五[四])
❶物・ことが結果として実現・成立する。《成》
(1)完成する。実現する。「七四九年,東大寺大仏―・る」「新装―・った県民ホール」「ローマは一日にして―・らず」
(2)(「だれだれの…になる」の形で)その人により作られる。「名人の手に―・る逸品」「定家自身の筆に―・る小倉色紙」
(3)(「…からなる」「…よりなる」の形で)構成されている。形づくられている。「水の分子は水素原子二個と酸素原子一個から―・る」「国会は衆議院と参議院とから―・る」
(4)願いごとが実現する。成就する。「宿願―・る」「全勝優勝―・らず」
❷それまでとは違う物・違う状態に変わる。
(1)ある物がほかの物に変わる。「おたまじゃくしが蛙に―・る」「火事で家が灰に―・ってしまう」「相手の身に―・って考える」
(2)人がある身分に変わる。ある役・職業につく。「将来何に―・りたいか」「学芸会の劇で王子さまに―・る」「若くして三人の子の母と―・る」
(3)ある状態に至る。
(ア)「…になる」「…となる」の形で名詞を受ける。「病気に―・る」「クラスでトップに―・る」「原稿が没に―・る」「今夜は雪に―・りそうだ」
(イ)形容詞・形容動詞などの連用形を受ける。「顔が赤く―・る」「生活が豊かに―・る」
(4)将棋で,王将・金将以外の駒が敵陣内へはいったりそこで動いたりして金将と同じ働きになる。飛車・角行は本来の働きを失わず,金将・銀将の働きをも得る。《成》
❸ある数値・時に達する。
(1)ある数値に達する。「マイナスにマイナスを掛けるとプラスに―・る」「会員が三〇人以上に―・る」
(2)ある時刻・時期に達する。「正午に―・る」「春に―・れば雪もとける」「世は明治と―・った」
❹ある機能をする。
(1)ある物の代わりにその働き・役目をする。「この草は薬に―・る」「ソファーがベッド代わりに―・る」
(2)プラスまたはマイナスの効果・機能がある。「ために―・る本」「名誉と―・る」「激励がかえって重荷に―・る」
❺(「…することになる」の形で)…することに決まる。
(1)成り行きとして,あることをするに至る。「 A 氏を派遣することに―・る」「昔は長男が家を継ぐことに―・っていた」
(2)(条件句を受けて)ある条件のもとでは,あるいは,ある目的のためには,当然のこととしてある行為が行われることが決まっている。「ホームでの見送りには入場券を買うことに―・っている」
❻(「…になる」の形で)他人から恩恵を受けることを表す。「先輩の世話に―・る」「 A さんに御馳走に―・る」
❼多く否定の表現を伴って用いる。
(1)「…て(で)ならない」の形で,形容詞・形容動詞を受けて,非常に…だ,…て仕方がない,…てしようがないの意を表す。「腰が痛くて―・らない」「この映画は退屈で―・らない」
(2)…することができる,…してさしつかえない,…することが許されるの意を表す。「もう我慢が―・らない」「負けて―・るものか」
(3)「…してはならない」の形で動詞を受けて,禁止されている,してはいけないの意を表す。「消火栓の前に駐車しては―・らない」「秘密を漏らしては―・らない」
(4)「…しなくてはならない」「…しなければならない」「…せねばならぬ」などの形で動詞を受けて,当然…するべきである,…する義務・必要があるの意を表す。「法律は守らなくては―・らない」「すぐ出かけねば―・らない」
❽
(1)酒を飲むことができる。上戸である。「重ね��祝はれ,日比(ヒゴロ)―・る者はと云ふさへ/浮世草子・俗つれつれ 1」
(2)貴人の動作を敬っていう。
(ア)貴人がお出かけになる,おいでになる。「御所に―・りぬるとてあれば/中務内侍日記」
(イ)貴人の動作を表す語に付けて,補助動詞的に用いる。…なさる。「かしこへ行幸―・つて紅葉を叡覧―・るに/平家 6」「白河院は北首に御寝―・りけり/徒然 133」
❾(補助動詞)
「お」を冠した動詞の連用形や「ご」を冠した動作性の漢語名詞に,「になる」の形で付いて,その動作主に対する尊敬の意を表す。「手紙をお書きに―・る」「城跡を御見物に―・る」
〔「なす」に対する自動詞〕
[可能] なれる
[慣用] 気に―・首に―・様に―・力に―・手に―・馬鹿に―・身二つに―・物に―/あとは野となれ山となれ
成る
なる【成る】
(1) become;→英和
get;→英和
be;→英和
[…に変わる]turn <into> ;→英和
change <into> .→英和
(2)[…するようになる]begin to <do> ;come to <do> .
(3)[結果が]result <in> ;→英和
turn out;[当然…となる]It follows that….
(4)[完成]be completed[finished].(5)[成立]consist[be made up] <of> .→英和
(6)[経過]pass.→英和
…以来10年に It is ten years since….
(7)[数量が]amount[come] <to> ;→英和
bring <100 yen> (…の値に売れる).→英和
(8)[…に扮する]play <Hamlet> ;→英和
serve as[for](…の用をする).
成るか成らずに
成るか成らずに
その時期や状態になるかならないかのうちに。「姉(ネエ)やは十六に―嫁に行った」
成るはいやなり思うは成らず
成るはいやなり思うは成らず
望まないことは実現し,望むことは実現しない意で,世の中のことは思うようにならないことにいう。
成るように成る
成るように成る
物事は,とやかく言ったり,あれこれ心配しても関係なく,必然の成り行きのままになるものだ。
成る丈
なるたけ [0] 【成る丈】 (副)
〔「なるだけ」とも〕
できるだけ。なるべく。「―早く帰って下さい」「―辛抱する」
成る口
なるくち 【成る口】
飲める口。酒の飲める人。「二人ながら―ゆゑ,あひのおさへのと飲みかけ/滑稽本・膝栗毛(初)」
成る可く
なるべく [0][3] 【成る可く】 (副)
〔動詞「成る」の終止形に助動詞「べし」の連用形が付いたもの〕
できることなら。なるたけ。「―出席するように」
成る程
なるほど [0] 【成る程】
■一■ (副)
(1)相手に同意したり,自ら納得したりする気持ちを表す語。ほんとうに。たしかに。「話には聞いていたが,―見事な桜だ」「―たくさんある」
(2)できるだけ。なるたけ。なるべく。「―意気過ぎて,男ふるほどの女郎よべ/浮世草子・一代男 5」
■二■ (感)
相手の言葉に同感である気持ちを表す語。「―,その通りだ」「―,もっともだ」「―,―,とうなずく」
成れの果
なれのはて【成れの果】
a wreck <of> .→英和
成れの果て
なれのはて [0][5] 【成れの果て】
落ちぶれはてた結果。みじめに落ちぶれた姿。「不孝者の―」
成ろう事なら
成ろう事なら
もし可能ならば。できることなら。なろうならば。「―このまま無事に済ませたい」
成丁
せいてい [0] 【成丁】
成年に達した男子。
成丁者
せいていしゃ [3] 【成丁者】
成年に達した男子。成丁。
〔明治期の語〕
成上がり
なりあがり【成上がり(者)】
an upstart.→英和
⇒成金.
成上り
なりあがり 【成上り】
狂言の一。眠っている間に,詐欺師に主人の刀を竹棒とすりかえられた太郎冠者は,刀が竹に成り上がってめでたいと言い訳する。
成事
せいじ [1] 【成事】
なしとげたこと。成就した事柄。
成人
せいじん [0] 【成人】 (名)スル
(1)心身ともに成長して,一人前の人間になること。また,その人。「子供は皆―して家を出た」
(2)成年に達すること。また,その人。現代日本では満二〇歳以上の男女をいう。
成人
せいじん【成人】
an adult;→英和
a grown-up.〜する grow up;attain (wo)manhood.‖成人教育 adult education.成人式 a coming-of-age ceremony.成人の日 Coming-of-Age Day.成人病 adults' disease.成人向き映画 an adult movie.
成人T細胞白血病
せいじんティーさいぼうはっけつびょう [7][0] 【成人 T 細胞白血病】
〔adult T cell leukemia〕
成人の T 細胞が白血病細胞となって異常に増殖するウイルス性の病気。九州・四国の一部に多発する。ATL 。ヒト T 細胞白血病。
成人の日
せいじんのひ [6] 【成人の日】
国民の祝日の一。一月一五日。おとなになったことを自覚し,みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます日。1948年(昭和23)制定。各地で成人式が行われる。[季]新年。
成人学校
せいじんがっこう [5] 【成人学校】
成人に対して社会教育を行うために設けられる講座。
成人式
せいじんしき [3] 【成人式】
今日の日本で満二〇歳になった男女のために,成人の日に地方自治体・企業などによって行われる祝典。
→成年式(2)
成人教育
せいじんきょういく [5] 【成人教育】
成人を対象とする教育。社会教育の一部で,一般教養・技術教育などが内容の中心である。広義には社会教育そのものをさす。
成人映画
せいじんえいが [5] 【成人映画】
映倫によって成人向きと指定された映画。一八歳未満の入場が制限される。
成人病
せいじんびょう [0] 【成人病】
中年から老年に特に多く現れ,慢性の経過をたどる疾患の総称。脳卒中・癌・高血圧・心臓病など。
〔戦後,日本で作られた用語〕
成仏
じょうぶつ ジヤウ― [1] 【成仏】 (名)スル
(1)〔仏〕 煩悩(ボンノウ)を解脱(ゲダツ)し,悟りを開いて仏となること。得仏。
(2)死んで,この世に執着を残さず仏となること。
(3)死ぬこと。
成仏する
じょうぶつ【成仏する】
enter Nirvana;die in peace.
成仏得脱
じょうぶつとくだつ ジヤウ― [1][0] 【成仏得脱】
仏となって苦や迷いのある境地から脱すること。
成体
せいたい [0] 【成体】
成熟して生殖作用を営めるようになった生物体。
成俊
じょうしゅん ジヤウシユン 【成俊】
南北朝時代の天台宗(園城寺)の学僧。万葉集を書き写し,その識語で定家仮名遣いに対する疑問を提出した。生没年未詳。
成全
せいぜん [0] 【成全】 (名)スル
完全に仕上げること。
成典
せいてん [0] 【成典】
(1)定まった法式・儀式。
(2)成文の法典。
成分
せいぶん【成分】
an ingredient;→英和
a component;→英和
an element.→英和
成分
せいぶん [1] 【成分】
(1)ある物を構成している要素・物質。
(2)〔化〕 化合物を構成するそれぞれの元素,混合物を構成するそれぞれの純物質。また,二相以上からなる不均一系において,各相の組成を表すのに最小限必要な,しかも,互いに独立にそれぞれの量を変えることのできる物質。
(3)〔文法〕 文を組み立てている各要素。主語・述語・修飾語や名詞句・動詞句など。
(4)〔数〕 一つのベクトルを,平面または空間の各座標軸方向のベクトルに分解した時の各ベクトル。
〔明治期に constituent の訳語としてできた語〕
成分栄養
せいぶんえいよう [5] 【成分栄養】
アミノ酸・糖質・脂質と各種ビタミンや無機物を配合し完全栄養を目的とした薬剤。糞便などの残りかすを出さない。
成分輸血
せいぶんゆけつ [5] 【成分輸血】
患者が必要としている血液成分のみを血管に注入すること。血液を有効に利用できる。
成切
なりきり 【成切】
⇒御成切(オナリキリ)
成切る
なりき・る [0][3] 【成(り)切る】 (動ラ五)
すっかりそのものになる。「役に―・る」
[可能] なりきれる
成功
せいこう【成功】
<a great> success <in life> ;→英和
achievement.〜する succeed <in> ;→英和
be successful;get on in life;prosper.→英和
〜した(しない) (un)successful.〜の見込み the chance of success.〜を収める(あせる) win (be too eager for) success.
成功
じょうごう ジヤウ― [0] 【成功】
朝廷の臨時の出費に私財を寄付した者に官位を与えたこと。平安末期には諸国の受領,鎌倉初期には八省の判官までが対象とされた。「―まいらせて信濃の守になりたる者なり/愚管 6」
成功
せいこう [0] 【成功】 (名)スル
(1)仕事・計画などがうまくいくこと。目的を達成すること。
⇔失敗
「実験が―する」
(2)相当な地位や財産を得ること。「実業界で―する」「―者」
(3)功を積むこと。年功。
成功報酬
せいこうほうしゅう [5] 【成功報酬】
依頼された物事が成功した場合に支払われる報酬。成功金。
成功裏
せいこうり [3] 【成功裏・成功裡】
成功といえる状態のうち。「会は―に終わった」
成功裡
せいこうり [3] 【成功裏・成功裡】
成功といえる状態のうち。「会は―に終わった」
成劫
じょうごう ジヤウゴフ [0] 【成劫】
⇒じょうこう(成劫)
成劫
じょうこう ジヤウコフ [0] 【成劫】
〔「じょうごう」とも〕
〔仏〕 四劫(シコウ)のうち第一の劫。「かくて万億の世界同時になる。是を―と云ふなり/正統記(序)」
成務天皇
せいむてんのう 【成務天皇】
記紀所伝の第一三代天皇稚足彦尊(ワカタラシヒコノミコト)の漢風諡号(シゴウ)。景行天皇の第四皇子。記紀の構想では,景行天皇および日本武尊(ヤマトタケルノミコト)による国内統一をうけて,行政区画を定め,国造(クニノミヤツコ)を任命するなど国家の体制を整備する任務をになう。
成句
せいく【成句】
an idiomatic phrase;a set phrase.
成句
せいく [0][1] 【成句】
(1)昔から多くの人に知られ,しばしば引用される名句やことわざ。成語。「故事―」
(2)二語以上の語が習慣的に結び付いて,ある決まった意味を表す言い回し。「襟を正す」などの類。慣用句。
成否
せいひ [1] 【成否】
物事が成功するかしないかということ。「作戦の―」「事の―」
成否にかかわらず
せいひ【成否にかかわらず】
regardless of the issue.→英和
成員
せいいん【成員】
a member.→英和
成員
せいいん [0] 【成員】
団体・組織などに加わり,それを構成している人。メンバー。
成唯識論
じょうゆいしきろん ジヤウユイシキ― 【成唯識論】
世親の「唯識三十頌」に対する,インドの仏僧護法ら十大論師の注釈。一〇〇巻。659年唐の玄奘(ゲンジヨウ)の漢訳の際,一〇巻にまとめられた。万有は識によって顕現したことを説く。法相宗の根本聖典。
成因
せいいん [0] 【成因】
物事のできあがる原因。「岩石の―」
成型
せいけい [0] 【成形・成型】 (名)スル
(1)形を作ること。また,ある形に作ること。
(2)型や轆轤(ロクロ)などを用いて,素材を一定の形に作ること。
(3)耕地に畔(アゼ)や作条などを作って播種などができるようにする作業。
成城大学
せいじょうだいがく セイジヤウ― 【成城大学】
私立大学の一。1917年(大正6)沢柳政太郎によって創設された成城小学校を起源とし,26年(大正15)設立の成城高等学校を前身に,50年(昭和25)新制大学となる。本部は東京都世田谷区。
成女式
せいじょしき セイヂヨ― [3] 【成女式】
女子の成年式。日本では,かつては初潮をみる一三歳前後に行われることが多く,所によっては鉄漿(カネ)つけが行われた。
成婚
せいこん [0] 【成婚】
結婚が成立すること。「皇太子御―」
成存
せいぞん [0] 【成存】 (名)スル
ある価値などをもって存在すること。「同じ権利を以て―するものだ/罪と罰(魯庵)」
成学
せいがく [0] 【成学】
学問を修めること。
成安造形大学
せいあんぞうけいだいがく 【成安造形大学】
私立大学の一。1920年(大正9)創立の成安裁縫学校を源とし,92年(平成4)設立。本部は大津市。
成実
じょうじつ ジヤウ― [0] 【成実】
〔仏〕「成実宗(シユウ)」の略。
成実宗
じょうじつしゅう ジヤウ― [4] 【成実宗】
南都六宗・中国一三宗の一。「成実論」に依拠し,これを研究する学派。五世紀初めの僧叡(ソウエイ)・僧導らに始まる。唐代に衰微。日本では一つの宗派を形成するまでに至らず,三論宗に付随して学ばれたが,平安以降さらに無視されるようになった。
成実論
じょうじつろん ジヤウジツ― 【成実論】
仏書。一六巻または二〇巻。訶梨跋摩(カリバツマ)著。鳩摩羅什(クマラジユウ)訳。この世界全体は仮の現象にすぎず,すべては空であることを強調する。中国で,六,七世紀から空の強調にかたより,小乗仏教に属するとされた。
成尋
じょうじん ジヤウジン 【成尋】
(1011-1081) 平安後期の天台宗の僧。藤原佐理の子という。1072年入宋,神宗(シンソウ)から善慧大師の号を受け,訳経場の監事を務めた。経典五百余巻を日本に送る。中国の開宝寺に没す。著書に「法華経註」「参天台五台山記」など。
成尋阿闍梨母集
じょうじんあじゃりのははのしゅう ジヤウジン―シフ 【成尋阿闍梨母集】
私家集。自撰。1073年頃成る。成尋の母が入宋したわが子成尋への思いを綴(ツヅ)った日記的歌集。
成就
じょうじゅ【成就】
accomplishment;→英和
achievement.〜する accomplish;→英和
achieve <an end> ;→英和
realize <one's wishes> ;→英和
succeed <in doing> .→英和
成就
じょうじゅ ジヤウ― [1] 【成就】 (名)スル
〔古くは「じょうじゅう」とも〕
願いなどのかなうこと。物事が望んだとおりに完成すること。「悲願が―する」「大願―」
成層
せいそう [0] 【成層】
次第に積み重なって層を成すこと。
成層圏
せいそうけん [3] 【成層圏】
対流圏と中間圏の間にあって,気温のほぼ一定した部分。ほぼ高さ10〜50キロメートルの領域。オゾンを多く含む。
成層圏
せいそうけん【成層圏】
<fly through> the stratosphere.→英和
〜飛行(機) a stratosphere flight (a stratoplane).
成層岩
せいそうがん [3] 【成層岩】
⇒堆積岩(タイセキガン)
成層火山
せいそう【成層火山】
a stratovolcano.成層岩 a stratified rock.
成層火山
せいそうかざん [5] 【成層火山】
中心噴火を繰り返して,火口の周りに溶岩流や火砕物などを交互に堆積してできた円錐形の火山。山体に比べて山頂火口が小さく,山腹斜面は上部に急で,下部に緩い。例,富士山。錐状火山。コニーデ。
成層面
せいそうめん [3] 【成層面】
⇒層理面(ソウリメン)
成島
なるしま 【成島】
姓氏の一。
成島司直
なるしまもとなお 【成島司直】
(1778-1862) 江戸後期の儒学者。号,東岳。奥儒者となり1809年より40年間にわたり「徳川実紀」の編纂(ヘンサン)・撰修にたずさわり,これを完成。著「改正三河後風土記」
成島柳北
なるしまりゅうほく 【成島柳北】
(1837-1884) 新聞記者・漢詩人。江戸の人。名は惟弘(コレヒロ)。徳川家茂の侍講,外国奉行などを務め,維新後は「朝野新聞」に拠って時事随想を発表。1877年(明治10)「花月新誌」を創刊。漢文戯作体で文明開化を風刺した。著「柳橋(リユウキヨウ)新誌」ほか。
成帯土壌
せいたいどじょう [5] 【成帯土壌】
気候・植生の影響を強く受けて生成され,ほぼ東西に帯状に連なって分布する土壌。ポドゾル・チェルノーゼム・ラテライトなど。
成年
せいねん [0] 【成年】
人の知能・身体が成育発達して一人前の人として認められる年齢。また,単独で法律行為をなしうる年齢。現行法では満二〇歳。ただし,未成年者でも結婚すれば成年とみなされる。また,天皇・皇太子・皇太孫の成年は満一八歳。「―に達する」
成年に達する
せいねん【成年に達する】
come of age;attain one's majority.成年者 an adult.→英和
成年式
せいねんしき [3] 【成年式】
(1)天皇および皇族が成年に達したとき行われる儀式。
(2)子供から大人の社会へ仲間入りし,心身ともに一人前の人間として社会的に承認される式。女子の場合には成女式と呼び分けることもある。
→イニシエーション
成年者
せいねんしゃ [3] 【成年者】
成年に達したもの。
⇔未成年者
成形
せいけい [0] 【成形・成型】 (名)スル
(1)形を作ること。また,ある形に作ること。
(2)型や轆轤(ロクロ)などを用いて,素材を一定の形に作ること。
(3)耕地に畔(アゼ)や作条などを作って播種などができるようにする作業。
成形パップ剤
せいけいパップざい [7] 【成形―剤】
パップ剤をあらかじめ不織布などにのばして使いやすくしたもの。湿布に用いる。
成形型
せいけいがた [0] 【成形型】
陶磁器を形作るための型。木型・石膏型・土型などがある。
成徳
せいとく [0] 【成徳】
成し遂げた徳。完成した徳。
成心
せいしん [0] 【成心】
(1)たくらみごとのある心。したごころ。
(2)ある立場・考え方などにとらわれた見方。先入観。「―があつちや,好い批評が出来ない/明暗(漱石)」
成所作智
じょうしょさち ジヤウシヨサ― [4] 【成所作智】
唯識(ユイシキ)宗の四智,密教の五智の一。仏の智の一つ。さまざまに変化して衆生(シユジヨウ)を仏道に導く仏のはたらき。作事智。
成敗
せいばい【成敗】
judgment;punishment.〜する punish;→英和
judge;→英和
deal with.
成敗
せいばい [1] 【成敗】 (名)スル
(1)処罰すること。こらしめること。「悪人を―する」「喧嘩両―」
(2)打ち首にすること。斬罪に処すること。
(3)政治を行うこと。政務をとること。「いかなる賢王賢主の御政も,摂政関白の御―も/平家 1」
(4)裁くこと。裁いて可否を決すること。「泰時御代官として,年久しく此の如く問答―仕つる/沙石 3」
(5)とりはからい。処置。計画。「南都炎上の事,故入道殿の―にもあらず/平家 10」
成敗
せいはい [0][1] 【成敗】
成功することと失敗すること。成否。「―は時の運」
→せいばい(成敗)
成敗場
せいばいば [0][5] 【成敗場】
罪人を死刑に処する所。しおきば。
成文
せいぶん [0] 【成文】
文章として書き表すこと。文章化すること。また,その文章。
成文化
せいぶんか [0] 【成文化】 (名)スル
規則・取り決めなどを文章の形に表すこと。「―して公示する」
成文化する
せいぶんか【成文化する】
codify;→英和
put in statutory form.
成文律
せいぶんりつ [3] 【成文律】
「成文法」に同じ。
⇔不文律
成文憲法
せいぶんけんぽう [5] 【成文憲法】
成文法の形式をとる憲法。
⇔不文憲法
成文法
せいぶんほう [0][3] 【成文法】
文章に書き表された法。制定法。成文律。
⇔不文法
成文法
せいぶんほう【成文法】
a statute law.
成星
なりぼし 【成(り)星】
〔「一つ星みつけた,長者になろう」という童歌(ワラベウタ)から出た語〕
急に出世したり金持ちになったりした人。俄分限(ニワカブゲン)。出来星(デキボシ)。
成書
せいしょ [1] 【成書】
書物として成っているもの。書物。
成東
なるとう 【成東】
千葉県東部,山武(サンブ)郡の町。九十九里平野と下総台地に位置する。伊藤左千夫の生地。
成果
せいか [1] 【成果】
なしとげた結果。できあがったよい結果。「―を収める」
〔「なりはて(成果)」を音読した語〕
成果
せいか【成果】
a result;→英和
the fruit(s).→英和
〜を上げる obtain good results.
成果てる
なりは・てる [4][0] 【成(り)果てる】 (動タ下一)[文]タ下二 なりは・つ
(1)おちぶれて,好ましくない状態になる。なりさがる。「とうとう敵の手先に―・てた」
(2)すっかりそのようになる。「心ばかりは聖に―・て給ひて/源氏(橋姫)」
成案
せいあん [0] 【成案】
できあがった考えや文案。「―を得る」
成案
せいあん【成案】
<have> a definite plan.
成業
じょうごう ジヤウゴフ [0] 【成業】
(1)学業や事業をなしとげること。せいぎょう。
(2)律令制下,大学寮の学生(ガクシヨウ)が最終試験に合格すること。得業。
成業
せいぎょう [0] 【成業】 (名)スル
学業・事業などをなしとげること。「洋学は―したれども/学問ノススメ(諭吉)」
成歯
せいし [1] 【成歯】
乳歯が抜けたあとに生える歯。永久歯。
成済ます
なりすま・す [4][0] 【成(り)済ます】 (動サ五[四])
(1)あるものになりきる。なりおおせる。「早(ハヤ)聟君(ムコギミ)に―・したやうな気で/社会百面相(魯庵)」
(2)その人であるようなふりをする。「警官に―・す」
[可能] なりすませる
成湯
せいとう セイタウ 【成湯】
中国,殷(イン)の湯王の別名。
成漢
せいかん 【成漢】
五胡十六国の一。
→成(セイ)
成瀬
なるせ 【成瀬】
姓氏の一。
成瀬仁蔵
なるせじんぞう 【成瀬仁蔵】
(1858-1919) 教育家。周防国の人。教師・牧師として活動。アメリカ留学後,梅花女学校校長となり,1901年(明治34)日本女子大学校を創立。
成瀬巳喜男
なるせみきお 【成瀬巳喜男】
(1905-1969) 映画監督。「浮雲」を頂点とする「めし」「おかあさん」「稲妻」「あにいもうと」などの作品で,平凡人の日常実感を非凡な静かさで描きぬいた。
成熟
せいじゅく【成熟】
ripeness;→英和
<reach> maturity.→英和
〜する ripen;→英和
mature.→英和
〜した ripe;→英和
mature.→英和
成熟
せいじゅく [0] 【成熟】 (名)スル
(1)果物・穀物などが熟すること。
(2)人間の身体・精神などが十分に成長し発達すること。「よく―した肉体」「―した社会」
(3)物事をなすに適当な時期になること。「戦機が―するのを待つ」
成熟児
せいじゅくじ [4] 【成熟児】
母体外で独立生活を営むことができる状態になった,またはその状態にある胎児や新生児。
成熟分裂
せいじゅくぶんれつ [5] 【成熟分裂】
「減数分裂」に同じ。
成熟卵
せいじゅくらん [4] 【成熟卵】
卵巣内で成熟した卵細胞。
成熟社会
せいじゅくしゃかい [5] 【成熟社会】
量的拡大のみを追求する経済成長が終息に向かう中で,精神的豊かさや生活の質の向上を重視する,平和で自由な社会。
〔イギリスの物理学者ガボール(Dennis Gabor 1900-1979)の同名の著書から〕
成犬
せいけん [0] 【成犬】
十分に成長した犬。
成獣
せいじゅう [0] 【成獣】
生殖が可能なほどにじゅうぶん成長したけもの。
成王
せいおう 【成王】
中国,周の第二代の王。武王の子。初め叔父周公旦が摂政。のち親政し,洛陽に新都の成周を営み,東方の淮夷(ワイイ)を平定した。生没年未詳。
成田
なりた 【成田】
千葉県北部の市。成田山新勝寺の門前町。市の東部に新東京国際空港がある。
成田
なりた 【成田】
姓氏の一。
成田不動
なりたふどう 【成田不動】
新勝寺の異名。
成田屋
なりたや 【成田屋】
歌舞伎俳優市川団十郎およびその一門の屋号。
成田山
なりたさん 【成田山】
新勝寺の山号,また通称。
成田空港
なりたくうこう 【成田空港】
新東京国際空港のこと。
成田線
なりたせん 【成田線】
JR 東日本の鉄道線。千葉県佐倉と我孫子(46キロメートル),成田と松岸(62.3キロメートル),成田と成田空港(10.8キロメートル)間。
成田蒼虬
なりたそうきゅう 【成田蒼虬】
(1761-1842) 江戸後期の俳人。名は利定。金沢の生まれ。別号,芭蕉堂二世・南無庵二世・対塔庵。高桑闌更門。天保三大家の一といわれた。著「対塔庵蒼虬句集」「蒼虬翁句集」など。
成畜
せいちく [0] 【成畜】
十分に成長した家畜。
成相寺
なりあいじ ナリアヒ― 【成相寺】
京都府宮津市成相山中腹にある高野山真言宗の寺。山号,成相山。西国三十三所第二八番札所。慶雲年間(704-708)文武天皇の勅願寺として真応が開創。橋立観音。
成相山
なりあいさん ナリアヒ― 【成相山】
京都府北部,宮津市にある山。海抜569メートル。中腹からの天橋立のすぐれた眺望で知られる。鼓ヶ岳。
成祖
せいそ 【成祖】
明の第三代皇帝永楽帝の廟号(ビヨウゴウ)。
成稿
せいこう [0] 【成稿】 (名)スル
原稿を書き上げること。また,でき上がった原稿。
成立
せいりゅう [0] 【成立】 (名)スル
「せいりつ(成立)」に同じ。「今日までに―する専制政体/花間鶯(鉄腸)」
成立
せいりつ [0] 【成立】 (名)スル
物事がなりたつこと。でき上がること。「法律が―する」「和解が―する」
成立する
せいりつ【成立する】
come into existence (出来る);be materialized[realized](出現する);be organized[formed](作られる);consist of (で成り立つ);be concluded (締結).〜させる bring into existence;materialize;→英和
form.→英和
成立ち
なりたち [0] 【成(り)立ち】
(1)物事ができあがるまでの事情や過程。でき方。「会の―」
(2)いくつかの要素から成る物の,内部のしくみ。「文の―」
(3)成長すること。また,その過程。「身もと,―,偽らず具(ツブ)さに申せ/浄瑠璃・松風村雨」
成立ち
なりたち【成立ち】
formation;→英和
history (由来);→英和
origin (由来);→英和
organization (組織).→英和
成立つ
なりた・つ [3][0] 【成(り)立つ】 (動タ五[四])
(1)要件が満たされてある事柄ができあがる。成立する。「契約が―・つ」「方程式が―・つ」
(2)ある状態の存在が可能となる。「組織は人によって―・っている」「その考えも―・つ」
(3)事業などが立ちゆく。「商売が―・つ」「物価高で暮らしが―・たない」
(4)一人前になる。出世をする。「人と―・ちぬれば,おろかに思ふ人もなきわざなるを/源氏(乙女)」
成立て
なりたて [0] 【成(り)立て】
(ある身分・地位・職業などに)なって間もないこと。「―の先生」
成童
せいどう [0] 【成童】
〔礼記(内則)〕
一五歳以上の少年。
成竹
せいちく [0] 【成竹】
〔蘇軾の「篔簹谷偃竹記」に「竹を描(カ)くのに,まず完全な竹の形を心の中で想像して,そののち書き始める」とあるところから〕
あらかじめ立てる計画。十分な見込み。成算。「胸中すでに―あり」
成等正覚
じょうとうしょうがく ジヤウトウシヤウガク [5] 【成等正覚】
菩薩が仏の最高の境界にはいること。仏になること。修行者が悟りを開くこと。
成箇
なりか 【成箇】
⇒取箇(トリカ)
成箇郷帳
なりかごうちょう 【成箇郷帳】
⇒郷帳(ゴウチヨウ)
成算
せいさん [0] 【成算】
物事をやりとげることができるという見込み。成功する見込み。「―がある」「―が立たない」
成算
せいさん【成算】
confidence[chances]of success.〜がある(ない) be confident (have little hope) of success.
成約
せいやく [0] 【成約】 (名)スル
契約が成り立つこと。また,その契約。「輸入契約が―した」
成績
せいせき [0] 【成績】
(1)事業・仕事などのできぐあい。「営業―」
(2)学生・生徒などの学業のできぐあい。「―が上がる」
成績
せいせき【成績】
result;→英和
record;→英和
marks (点数).〜が良(悪)い do well (poorly) at school;show good (poor) business result.‖成績順に in the order of merit.成績表 a list of students' records (全体の);a report card (通信簿);a score book (勝負の).
成美
せいび 【成美】
⇒夏目(ナツメ)成美
成育
せいいく【成育】
growth.→英和
〜する grow (up);→英和
raise.→英和
成育
せいいく [0] 【成育】 (名)スル
(1)成長すること。育つこと。
(2)(動物が)育って成熟すること。「稚魚が―する」
成良親王
なりながしんのう 【成良親王】
(1326-1344) 後醍醐天皇の皇子。1335年征夷大将軍に任ぜられ,光明天皇の皇太子となったが,南北両朝の対立が激化すると廃された。
成苗
せいびょう [0] 【成苗】
本葉が四枚以上の手植え用のイネの苗。機械移植される稚苗(チビヨウ)・中苗に対していう。
成虫
せいちゅう【成虫】
《動》an imago.→英和
成虫
せいちゅう [0] 【成虫】
昆虫の成熟した個体。幼虫が変態成長して,生殖が可能となったもの。
成行き
なりゆき [0] 【成(り)行き】
(1)物事が移り変わってゆく様子や過程。「今後の―を注目する」「―に任せる」
(2)「成り行き注文」の略。
成行き
なりゆき【成行き】
[経過]the course <of events> ;→英和
the development(s).→英和
〜に任せる leave <a thing> to take its own course;leave <a thing> to chance.〜を見る watch the development <of> .
成行き値段
なりゆきねだん [5] 【成(り)行き値段】
市場の成り行きのままに形成された値段。
成行き売買
なりゆきばいばい [5] 【成(り)行き売買】
取引で,成り行き注文により売買すること。
成行き注文
なりゆきちゅうもん [5] 【成(り)行き注文】
取引で,依頼者が銘柄と数量だけを指定して,値段はその時の相場で売買するよう注文すること。成り行き。
⇔指し値注文
成行く
なりゆ・く [0][3] 【成(り)行く】 (動カ五[四])
物事が次第にそのようになってゆく。次第に移り変わってゆく。「紅葉が色鮮やかに―・く山々」
成規
せいき [1] 【成規】
成文になった規則。
成語
せいご [0] 【成語】
(1)成句。「故事―」
(2)「熟語」に同じ。
成趣園
じょうじゅえん ジヤウジユヱン 【成趣園】
⇒水前寺公園(スイゼンジコウエン)
成跡
せいせき [0] 【成跡】
過去の実績。結果。
成蹊
せいけい [0] 【成蹊】
徳のある人のところには自然と人が集まってくることのたとえ。
→桃李(トウリ)もの言わざれども下(シタ)自(オノズカ)ら蹊(ミチ)を成す
成蹊大学
せいけいだいがく 【成蹊大学】
私立大学の一。1906年(明治39)設立の私塾成蹊園を起源とし,25年(大正14)開設の成蹊高等学校を前身に,49年(昭和24)新制大学となる。本部は東京都武蔵野市。
成込む
なりこ・む [3][0] 【成(り)込む】 (動マ五[四])
将棋で,駒が敵陣内へはいって成る。
→成る
成造
せいぞう [0] 【成造】 (名)スル
つくりあげること。造成。「軍艦も―せしかば/近世紀聞(延房)」
成遂げる
なしと・げる [4][0] 【成(し)遂げる・為し遂げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 なしと・ぐ
物事を最後までしとおす。やりとげる。また,大きな事業を完成させる。「五連覇(レンパ)を―・げる」
成道
じょうどう ジヤウダウ [0] 【成道】 (名)スル
〔仏〕 悟りを開き,仏道を完成すること。悟道。大悟。
成道会
じょうどうえ ジヤウダウヱ [3] 【成道会】
釈迦が悟りを開いた日として,毎年12月8日に行われる法会(ホウエ)。臘八会(ロウハチエ)。[季]冬。
成選
じょうせん ジヤウ― [0] 【成選】
「せいせん(成選)」に同じ。
成選
せいせん [0] 【成選】
律令官制で,官吏が選考の結果,叙位されること。じょうせん。
成都
せいと 【成都】
中国,四川省の省都。米・茶・薬材などの集散が盛ん。絹織物工業が発達し蜀錦として知られる。三国時代の蜀の都。チョントゥー。
成都(望江楼公園)[カラー図版]
成都(武侯祠)[カラー図版]
成金
なりきん【成金】
an upstart;→英和
a parvenu;→英和
an overnight millionaire.戦争(土地)成金 a war (land) profiteer.
成金
なりきん [0] 【成(り)金】
(1)将棋で,成って金将のはたらきを得た駒(コマ)。特に歩(フ)の成ったもの。
→成る❷(4)
(2)わずかの時日のうちに金持ちになること。また,その人。にわか分限(ブゲン)。「石油―」「―趣味」
成金風
なりきんかぜ [3] 【成(り)金風】
急に金持ちになった人が見せる自慢げな様子。「―を吹かせる」
成長
せいちょう【成長】
growth.→英和
〜する grow (up).→英和
〜した grown-up.‖成長株 a growth stock.成長率 a growth rate;a rate of growth.
成長
せいちょう [0] 【成長】 (名)スル
〔古くは「せいぢょう」とも〕
(1)(人・動植物が)育って,大きくなること。一人前に成熟すること。大人になること。「子が立派に―する」
(2)物事の規模が大きくなること。「―産業」「経済―」
(3)個体・器官・細胞の形態的あるいは量的増大を伴う変化。環境条件によって一定の限度があるが,高等植物では限られた部分では一生つづく。細菌学では個体数の増加,生態学では個体群の増加にも使われる。生長。
成長の限界
せいちょうのげんかい セイチヤウ― 【成長の限界】
ローマ-クラブの報告書。1972年刊。資源の制約や環境の制約(廃棄物の捨て場の枯渇)から経済成長や人口増加に限界があることを論じた。
成長ホルモン
せいちょうホルモン [5] 【成長―】
脳下垂体前葉から分泌され,主に成長を促進するホルモン。小児期に過剰になると巨人症,成人以降に過剰になると末端巨大症になる。成長期以前に不足すると小人症となる。ソマトトロピン。
成長曲線
せいちょうきょくせん [5] 【成長曲線】
横軸に時間,縦軸に身長や体重の測定値をとって表したグラフ。
成長株
せいちょうかぶ [3] 【成長株】
(1)将来,業績が大きく伸びると期待される企業の株式。
(2)将来有望な人物。将来性のある人材。
成長点
せいちょうてん [3] 【成長点】
茎や根の先端にあって,活発に分裂して新しい組織を作る部分。
成長理論
せいちょうりろん [5] 【成長理論】
人口増加・資本蓄積・技術進歩などの要因と経済成長との関係,成長経路の安定性,均衡成長のための条件などを分析する理論。
成長線
せいちょうせん [0][3] 【成長線】
魚の鱗や貝殻の表面にみられる年輪に似た線。成長の跡を示すもので,一年一輪ではないが,年齢を推定することもできる。
成風
せいふう [0] 【成風】
〔荘子(徐無鬼)〕
(1)見事に建築物を作り上げること。「―の功終て,此寺五山第二の列に至りしかば/太平記 24」
(2)人に詩文を添削してもらうこと。
成駒屋
なりこまや 【成駒屋】
歌舞伎俳優中村歌右衛門・中村鴈治郎およびその一門の屋号。
成魚
せいぎょ [1] 【成魚】
(稚魚・幼魚に対して)成長した魚。
成鳥
せいちょう [0] 【成鳥】
繁殖できる年齢に達し,成長に伴って羽色が変わらなくなった鳥。多くの小鳥は一年であるが,数年かかる種もある。
成鶏
せいけい [0] 【成鶏】
十分に成長した鶏。
成[為]す
なす【成[為]す】
(1)[成就]achieve;→英和
accomplish;→英和
succeed <in> .→英和
(2)[作る]make <a fortune> .→英和
(3) ⇒為(す)る.
〜に任せる let <a person> do as he likes;leave <a person> alone.
我
わ [1] 【我・吾】
■一■ (代)
(1)一人称。男女ともに用いる。われ。わたくし。「寝もと―は思ふ汝はあどか思ふ/万葉 3494」
(2)(反照代名詞)その人自身。自分自身。「宇津の山に至りて,―が入らむとする道は,いと暗う細きに/伊勢 9」
(3)二人称。親しみをもって相手に呼びかける。また,軽んじ卑しめていう場合もある。おまえ。「或ル時シャント,イソポニ,―ガ第一ト思ワウ珍物ヲ買イ求メテ来イ,ト下知セラルルニ/天草本伊曾保」
■二■ (接頭)
名詞・代名詞に付く。
(ア)親愛の情を表す。「なほ―翁の年こそ聞かまほしけれ/大鏡(序)」
(イ)相手に対する軽いあなどりの気持ちを表す。「まことに―男は,宣旨とはなんぞ,とて斬たりけるか/平家 4」
我
われ [1] 【我・吾】
■一■ (名)
(1)自分。自分自身。「―にもなく」「―に返る」「―を忘れる」
(2)自分のほう。みかた。「―に利あり」
■二■ (代)
(1)一人称。わたし。わたくし。「―は海の子」
(2)二人称。目下の人に対して,また相手をののしっていう。おまえ。「―はなかなか力持ちだな」「―,何をしてるんだ」
〔■二■(2)は,目下の人や身分の低い人に対していう語として,中世以降のもの。「いつ―がおれに酒をくれたぞ/狂言・乞聟」〕
→われと
我
われ【我】
I;→英和
oneself.→英和
⇒我知らず.〜を忘れる be absorbed <in> (専念する).〜にかえる come to oneself.→英和
我
が [0] 【我】
(1)自分本位の考え。我意。わがまま。「―をおさえる」
(2)〔仏〕 自己の内部にあると考えられる不変な実体。
→アートマン
→無我(2)
我
が【我】
self;→英和
ego.→英和
〜の強い self-willed;obstinate (頑固).→英和
〜を通す have one's own way.〜を折る give in.
我
あれ 【吾・我】 (代)
一人称。私。われ。「枕(マ)かむとは―はすれどさ寝むとは―は思へど/古事記(中)」
〔中古以降は,この語の代わりに「われ」が用いられるようになる〕
我
わぬ 【我・吾】 (代)
〔上代東国方言〕
一人称。わたくし。われ。「うべ児なは―に恋ふなも/万葉 3476」
我
あ 【吾・我】 (代)
〔上代語。中古以降は「わ」が用いられた〕
一人称。わたし。あれ。「吾妹子に―が恋ひ死なば/万葉 3566」
我か
われか 【我か】 (連語)
(1)自分か。
(2)「我か人か」の略。「―のさまにておはしつきたり/源氏(夕顔)」
我から
われから 【我から】 (副)
(1)自分自身が原因で。自分のせいで。「―と音(ネ)をこそなかめ世をば恨みじ/古今(恋五)」
(2)われながら。「―哀れも押へかたき/平家(二中・延慶本)」
我が
わが [1] 【我が・吾が】 (連体)
〔文章や演説などに使う〕
(1)わたくしの。自分の。「―国」「―子」
(2)自分たちに共通のものであることを表す。われわれの。「―日本の前途」
我がでに
わがでに 【我がでに】 (副)
自分自身で。みずから。「おのれらが,―さうぬかしをつたからにやあ/滑稽本・続膝栗毛」
我がシッドの歌
わがシッドのうた 【我が―の歌】
〔Cantar de Mío Cid〕
現存するスペイン最古の叙事詩。作者不詳。一二世紀中葉の成立とされる。実在の英雄エル-シッド=カンペアドールを主人公とする武勲詩。史実に基づくリアリズムが特徴。
我が世の春
わがよのはる 【我が世の春】 (連語)
自分の思いのままになる,最も得意な時期。絶頂の時期。「―を謳歌する」
我が事
わがこと [1] 【我が事】
自分に直接関係のあること。自分のこと。「―のように喜ぶ」
我が仏
わがほとけ [1] 【我が仏】
「あがほとけ(吾が仏)」に同じ。「―とまで崇めてる人の云ふ事/はやり唄(天外)」
我が儘
わがまま 【我が儘】
■一■ [3][4] (名・形動)[文]ナリ
(1)他人のことを考えず,自分の都合だけを考えて行動する・こと(さま)。身勝手。自分勝手。「―をいう」「―な性格」
(2)思うとおりに贅沢をする・こと(さま)。「金拵への大脇差,―に見ゆる所/浮世草子・織留 4」
■二■ (連語)
自分の意のままであること。「天下を―にまつりごちておはします/大鏡(道長)」
我が党
わがとう【我が党】
our party;we.→英和
我が君
わがきみ 【我が君】 (連語)
(1)尊敬の気持ちを込めて主君を呼ぶ語。「―は千代に八千代に/和漢朗詠(雑)」
(2)敬愛の気持ちを込めて相手に呼びかける語。「―,はらまれおはしましたりし時より/源氏(薄雲)」
我が国
わがくに [1] 【我が国】
自分の国。わたしの国。
我が大君
わがおおきみ 【我が大君】
天皇を敬っていう語。わごおおきみ。「高光子日の御子やすみしし―/古事記(中)」
我が夫
わがせ 【我が夫・我が背】
女性が,夫や恋人,または男性を親しみを込めていう語。まれに,相聞的発想から,男性が男性を親しみを込めていう場合もある。「都辺に参(マ)ゐし―を…恋ふるそら/万葉 4116」「―の君(=大伴家持ガ大伴池主ヲ指シテイウ)を朝去らず逢ひて言問ひ/万葉 4006」
我が夫
わがつま 【我が妻・我が夫】 (連語)
夫が妻を,また妻から夫を親しんでよぶ語。
→つま(妻・夫)
我が妻
わがつま 【我が妻・我が夫】 (連語)
夫が妻を,また妻から夫を親しんでよぶ語。
→つま(妻・夫)
我が家
わがや [1] 【我が家】
自分の家。
我が家
わがいえ [1] 【我が家】
自分の家。わがや。
我が意
わがい [1] 【我が意】
自分の気持ち。自分の考え。
我が意を得る
わがい【我が意を得る】
quite agree <with a person> .
我が方
わがほう [1] 【我が方】
自分たちの方。自分たちの側(ガワ)。味方。「―の損害は軽微なり」
我が物
わがもの [1] 【我が物】
(1)自分の物。
(2)〔冒頭に榎本其角(キカク)の句を詠み変えた「我ものと思へば軽し笠の雪」を据えたところから〕
端唄・うた沢節の一。文化文政期(1804-1830)の作。一中節の都源内の作曲といわれる。雪の夜に,女のもとに通う心をうたったもの。
我が物
わがもの【我が物】
one's own (property).〜にする make <a thing> one's own.
我が物顔
わがものがお [0] 【我が物顔】 (名・形動)[文]ナリ
自分のものあるいは自分の領域であるというような顔や振る舞い。また,そのようなさま。「―に振る舞う」「雑草が―にはびこる」
我が物顔に振舞う
わがものがお【我が物顔に振舞う】
lord it over (威張る).
我が田
わがた [1] 【我が田】
自分の田。自分が耕作している田。
我が畳
わがたたみ 【我が畳】 (枕詞)
畳は重ねるところから,地名「三重」にかかる。「―三重の川原の磯の裏に/万葉 1735」
我が立つ杣
わがたつそま 【我が立つ杣】 (連語)
(1)自分の住む山。「阿耨多羅三藐三菩提(アノクタラサンミヤクサンボダイ)の仏達―に名賀(ミヨウガ)あらせたまへ/和漢朗詠(下)」
(2)比叡山(ヒエイザン)の異称。
〔(1)の歌は伝教大師が比叡山中堂建立の時に詠まれたというところから〕
我が背
わがせ 【我が夫・我が背】
女性が,夫や恋人,または男性を親しみを込めていう語。まれに,相聞的発想から,男性が男性を親しみを込めていう場合もある。「都辺に参(マ)ゐし―を…恋ふるそら/万葉 4116」「―の君(=大伴家持ガ大伴池主ヲ指シテイウ)を朝去らず逢ひて言問ひ/万葉 4006」
我が背子
わがせこ 【我が背子】
親しい男性を呼ぶ語。多くは女性が夫・恋人を呼ぶ場合に用いられるが,母から子,姉から弟,男性から男性に用いることもある。「―が来べき宵なり/日本書紀(允恭)」
我が背子を
わがせこを 【我が背子を】 (枕詞)
自分の夫を待つ意で,地名「我が松原」や,「待つ」と同音を含む地名「待乳の山」「松浦(マツラ)の山」などにかかる。「―我(ア)が松原よ/万葉 3890」「―待乳の山の葛かづら/続古今(恋二)」
我が身
わがみ [1] 【我が身】
■一■ (名)
自分の体。自分。「―を省みる」「―を大切にする」
■二■ (代)
(1)一人称。わたし。われ。「―の事ありの儘に申すべし/沙石 2」
(2)二人称。目下の者に対して親しみをもって用いる。そち。おまえ。「―はこの国の者かと御尋ねありけれども/盛衰記 3」
我が身を省みる
わがみ【我が身を省みる】
reflect on oneself.
我が輩
わがともがら 【我が輩】
われわれの仲間。自分たち。われら。一人称の人代名詞のようにも用いる。
我が輩
わがはい [0] 【我が輩・吾が輩】 (代)
一人称。男性が用いる。
(1)単数。古風で尊大な言い方。われ。わし。余。「―は大いに愉快だ」
(2)複数。われわれ。われら。「事務を取らせて渉(ハカ)の往く者と言つたら,まあ―二三人だ/浮雲(四迷)」
我ぎ家
わぎえ ワギヘ 【我ぎ家】
〔「わがいへ」の転〕
自分の家。わが家。「はしけやし―の方よ雲居たち来も/古事記(中)」
我ご大君
わごおおきみ 【我ご大君】
「わがおほきみ」の転。「やすみしし―の大御舟待ちか恋ふらむ/万葉 152」
我じ
われ・じ 【我じ】 (形シク)
〔「じ」はシク活用形容詞を作る接尾語〕
自分と同じようである。「立ち別れ君がいまさば磯城(シキ)島の人は―・じく斎ひて待たむ/万葉 4280」
我と
われと [1] 【我と】 (副)
〔「われ」に助詞「と」の付いたもの〕
(1)みずから。自分で。「―わが身をつねってみる」
(2)ひとりでに。自然と。「箸も後には―右に持つ物/浮世草子・織留 6」
我どち
われどち 【我どち】
自分たちどうし。仲間どうし。「―いふことも何事ならむとおぼゆ/枕草子 33」
我に張り者
がにはりもの 【我に張り者】
我を張る人。また,我慢強い人。「―ももてあつかひ/浄瑠璃・関八州繋馬」
我一
われいち 【我一】
「我勝ちに」に同じ。「何れも―としこりかかつてせめ念仏を申/咄本・露が咄」
我丈
わじょう 【我丈・和丈】 (代)
二人称。相手を親しんで呼ぶ語。おまえ。「げにも―の不審の通り/浮世草子・元禄太平記」
我上臈
わじょうろう 【我上臈・和上臈】 (代)
二人称。身分の高い女性に対して親しみの気持ちをこめて用いる語。「あら痛はしや候ふ。さすがに―は,常磐腹には三男/謡曲・鞍馬天狗」
我主
わぬし 【我主・和主】 (代)
二人称。対等またはそれ以下の相手に対して親しみの気持ちをもって用いる。そなた。おぬし。「―の問はれんほどのこと,何事なりとも答へ申さざらんや/徒然 135」
我主
わがぬし 【我主】 (代)
二人称。相手に対して,親愛の気持ちを込めて呼ぶ語。あがぬし。「左大将,―を酔はし奉る心ありや/宇津保(俊蔭)」
我乍ら
われながら [0][3] 【我乍ら】 (副)
自分のしたことであるにもかかわらず。自分のことではあるが。「―よく歩いたものだ」「―いやになる」
我人
われひと [1] 【我人】
自分と他人。また,自分も他人も。「―ともに幸せになるべく」
我人
わひと 【我人・和人】 (代)
二人称。相手に対して,親しみの気持ちをもって,また,軽んじ卑しめて呼ぶ語。おまえ。「―,我人也/藻塩草」
我人ども
わひとども 【我人ども・和人ども】 (代)
二人称。相手に対して,軽んじ卑しめる気持ちで用いる。複数の相手に向かっていうことが多いが,単数の相手にもいう。おまえら。「―が心剛ならば,など軍には勝たずして,負けて落つるぞ/平治(中)」「さいふ―こそ,伊勢の鈴鹿山にて山賊(ヤマダチ)して,妻子をもやしなひ/平家 11」
我他彼此
がたひし 【我他彼此】
〔仏〕 我と他と,彼と此とを対立的に見ること。個物を個物としてのみ把握して,根元的な万物の同一性を見失っていること。我他彼此の見。
我侭
わがまま【我侭】
selfishness (利己);→英和
willfulness (気侭).→英和
〜な selfish;→英和
willful.→英和
〜に育てる spoil <a child> .→英和
〜を通す have one's own way.‖我侭者 a selfish person;an egoist.
我俗
わぞく 【我俗・和俗】 (代)
二人称。在俗の男性に対して,親しみの気持ちをもって,また,軽んじ卑しめて呼ぶ語。おまえ。「抑―は平家伺候の家人か/盛衰記 36」
我僧
わそう 【我僧・和僧】 (代)
二人称。僧侶に対して親しみの気持ちをもって,また,軽んじ卑しめて呼ぶ語。「―は何人ぞ/宇治拾遺 13」「―のぼて物詣(ブツケイ)するやうにて,たばかてうて/平家 12」
我儕
わなみ 【我儕・吾儕】 (代)
一人称。対等の相手に対して用いる。「―六十に及ぶけふまで/読本・弓張月(残)」
我先に
われさきに [1] 【我先に】 (副)
自分が先にと,先を争うさま。われがちに。「―走り出す」
我先にバスに乗る
われさき【我先にバスに乗る】
push one's way onto a bus.→英和
我先生
わせんじょう 【我先生・和先生】 (代)
二人称。相手に対して親しみの気持ちをもって,また,軽んじ卑しめて呼ぶ語。そこもと。おまえ。「―は,いかで此の鮭をぬすむぞ/宇治拾遺 1」
我党
わとう 【我党・和党】 (代)
二人称。複数の相手に対して親しみの気持ちをもって,また,軽んじ卑しめて呼ぶ語。おまえたち。その方たち。「―たちこそ,させる能もおはせねば,物をも惜しみ給へ/宇治拾遺 3」
我党
わがとう 【我党】 (代)
(1)一人称。単数で用いる。わたし。「今宵は―がだいてねるきざし/浮世草子・御前義経記」
(2)二人称。おまえ。「―は何と心得てをるてや/滑稽本・続膝栗毛」
我入道
わにゅうどう 【我入道・和入道】 (代)
二人称。出家した者に対して親しみの気持ちをこめて,また,軽んじ卑しめて呼ぶ語。「かく宣ふ―は,いかに王孫とこそ名乗り給へども/盛衰記 5」
我利
がり [1] 【我利】
自分だけの利益。「―をむさぼる」「―我欲」
我利我利亡者
がりがり【我利我利亡者】
a greedy[grasping]fellow.
我利我利亡者
がりがりもうじゃ [5] 【我利我利亡者】
自分の利益だけを考えて,他を顧みない人を卑しめていう語。我利我利坊主。
我利我利坊主
がりがりぼうず [5] 【我利我利坊主】
⇒我利我利亡者(ガリガリモウジヤ)
我勝ちに
われがちに [0] 【我勝ちに】 (副)
人に先んじようとするさま。われさきに。「―逃げだす」
我勝ちに席をとる
われがち【我勝ちに席をとる】
rush for seats.
我勢
がせい [0] 【我精・我勢】 (形動)
(1)勝気なさま。我が強いさま。「―な老母と並んで/青春(風葉)」
(2)骨身を惜しまず働くさま。「―によく働きますね/滑稽本・浮世風呂 3」
我君
わぎみ 【我君・和君】 (代)
二人称。親しみを込めて呼びかける語。あなた。「―はまたいどこへおはしますぞ/今昔 17」
我坊主
わぼうず 【我坊主・和坊主】 (代)
二人称。僧侶に対して,軽んじ卑しめる気持ちで用いる。「やい―,此の肩箱を晩の泊り迄持て/狂言・犬山伏(虎寛本)」
我執
がしゅう [0] 【我執】
(1)〔仏〕 自己の内部に不変の実体,本質が存在するとする,非仏教的な考え。我見。
(2)自分中心の狭い考え。また,それにとらわれること。
我女
わじょ 【我女・和女】 (代)
二人称。女性に対して親しみの気持ちをこめて用いる語。「―に名残は惜しけれどもよ/狂言謡」
我女
わおんな 【我女・吾女】 (代)
二人称。女性に対して親しみまたは軽んじ侮る気持ちで用いる。おまえ。あんた。「市場にて,布一尺もえ売らいで,さのみ人の聞くに物な言ふそ,―/狂言・吃」
我女房
わにょうぼう 【我女房・和女房】 (代)
二人称。女性に対して親しみの気持ちをこめて用いる。「―の歎きをとぶらはぬと恨み給ふなるは/沙石 3」
我女郎
わじょろう 【我女郎・和女郎】 (代)
二人称。女性に対して親しみの気持ちをこめて用いる語。「―の嫁入りの小袖の数は何々/狂言・吃(虎寛本)」
我妻
わがつま 【我妻】
姓氏の一。
我妻栄
わがつまさかえ 【我妻栄】
(1897-1973) 民法学者。山形県生まれ。東大教授。精緻な法概念と形式論理を用いて現行法の体系のうちに判例を巧みに取り込み,法曹界に多大な影響を与えた。主著「民法講義」など。
我孫子
あびこ 【我孫子】
千葉県北西部の市。利根川と手賀沼の間に位置。水戸街道の宿駅から発達。都市化が進む。
我尊
わみこと 【我尊・和尊】 (代)
二人称。相手に対して,親しみの気持ちあるいは軽い敬意の気持ちで用いる。おまえ。「此の立てる榲(スギ)の木は,―の目には見ゆや/今昔 27」
我強い
がづよ・い [3] 【我強い】 (形)[文]ク がづよ・し
我が強い。強情だ。「何ぼ―・い御家老でも/桐一葉(逍遥)」
我御前
わごぜ 【我御前・和御前】 (代)
二人称。女性を親しんで呼ぶのに用いる。あなた。そなた。「いでいで―があまりにいふ事なれば,見参してかへさん/平家 1」
我御女
わごじょ 【我御女・和御女】 (代)
二人称。女性を親しんで呼ぶのに用いる。「―たちにさす合点,こて��とむつかしい事はいらぬ/浄瑠璃・菅原」
我御房
わごぼう 【我御房・和御房】 (代)
二人称。僧侶を親しんで呼ぶ語。「―は命惜しくは無きか/今昔 23」
我御料
わごりょう 【我御料・和御寮】 (代)
「わごりょ(我御料)」に同じ。「―は,其の年までも妻をもたぬ程に,やりたいなう/狂言・八幡の前」
我御料
わごりょ 【我御料・和御寮】 (代)
〔「わごりょう」の転〕
二人称。対等もしくはそれ以下の相手に対して,親しみをもって呼ぶ語。男女にかかわらず用いる。おまえ。「身共は不案内な。―が案内者ぢや程に,―がよいやうに分別さしめ/狂言・目近籠骨」
我御許
わおもと 【我御許・吾御許】 (代)
二人称。女性に対して親しみまたは軽い敬意を込めて用いる。「―はうるさき(=リッパナ)兵の妻とこそ思ひつるに/今昔 28」
我心
がしん [0] 【我心】
(1)自分の心。
(2)自我にとらわれた心。
我意
がい [1] 【我意】 (名・形動)[文]ナリ
自分の考えを押し通そうとする気持ち。わがまま。我(ガ)。「―を通す」「―ナ者/日葡」
→がいな
→がいに
我慢
がまん【我慢】
patience;→英和
endurance;→英和
perseverance;self-control (自制).〜する be patient;→英和
persevere;→英和
[…を]bear;→英和
endure;→英和
[…で]put up with <some thing> ;[…したいのを]forbear <to do,doing> .→英和
〜強い tolerant;→英和
patient.〜できる(できない) (un)bearable;→英和
(in)tolerable;→英和
(cannot) stomach.→英和
我慢
がまん [1] 【我慢】 (名)スル
□一□感情や欲望のままに行動するのを抑え堪え忍ぶこと。辛抱すること。「空腹を―する」「―に―を重ねる」「もはや―がならない」
□二□
(1)〔仏〕 七慢の一。実際には存在しない我が自己の中心にあると考え,それを根拠として行動する思い上がった心。おごり高ぶり。「―邪慢の大天狗ども/太平記 18」
(2)我意を通すこと。わがまま。強情。「和御前がやうなる―愚痴(グチ)の猿智恵を/浄瑠璃・出世景清」
(3)〔彫るときに痛みを我慢することから〕
入れ墨。
〔□二□(1)が原義〕
我慢強い
がまんづよ・い [5] 【我慢強い】 (形)[文]ク がまんづよ・し
(1)忍耐力がある。「―・い子だ」
(2)我が強い。高慢である。「いかに―・い自分も自分の方が佳(イ)いとは言へなかつた/画の悲み(独歩)」
[派生] ――さ(名)
我慢者
がまんもの [0] 【我慢者】
我意を押し通す人。強情者。「―の伴之丞/浄瑠璃・鑓の権三(上)」
我慾
がよく [0][1] 【我欲・我慾】
他人のことを考えず,自分の利益のみを目指す欲望。「―の強い男」
我我
われわれ [0] 【我我】
〔「われ」を重ねた語〕
■一■ (代)
(1)一人称。
(ア)「われ」の複数。わたくしたち。われら。「―はあくまで戦う」「―は最善を尽くした」
(イ)単数に用いる。みずからをへりくだっていう語。わたくし。「―の見立手のよき餅屋仕出し/浮世草子・文反古 4」
(2)二人称。複数の相手に対して用いる。おまえたち。「かかる身の果を―も外のやうにはおもふまじ/浮世草子・桜陰比事 2」
■二■ (名)
それぞれ一人一人。「もしも道にて追手のかかり―になるとても/浄瑠璃・曾根崎心中」
我文字
わもじ 【我文字】 (代)
〔「われ」の「わ」に「もじ(文字)」を添えたもの〕
二人称。おまえ。そなた。「物部の守屋とは―の事か/浄瑠璃・聖徳太子」
我楽多文庫
がらくたぶんこ 【我楽多文庫】
雑誌。1885(明治18)〜89年。硯友社の機関誌。尾崎紅葉・山田美妙らを中心とし,江戸戯作的作品が多い。近代日本最初の文芸雑誌で,同人雑誌の先駆。
我様
われさま [1] 【我様】 (代)
二人称。対等またはそれ以下の者に対して用いる。わりさま。[コリャード日本文典]
我欲
がよく [0][1] 【我欲・我慾】
他人のことを考えず,自分の利益のみを目指す欲望。「―の強い男」
我武者
がむしゃ 【我武者】 (名・形動)[文]ナリ
向こう見ずに行動するさま。血気にはやるさま。また,そのような人。「葉子は我れにもなく―にすり入つて/或る女(武郎)」「―な上に気もはやく/浄瑠璃・虎が磨」
我武者ら
がむしゃら [0] 【我武者ら】 (名・形動)[文]ナリ
一つの目的に向かって,勢い込んで向こう見ずにする・こと(さま)。「―に勉強する」
我武者者
がむしゃもの 【我武者者】
向こう見ずに行動する人。「中にも剛韃といふ―/浄瑠璃・国性爺合戦」
我殿
わどの 【我殿・和殿】 (代)
二人称。対等またはそれ以下の相手に対して,親しみの気持ちをこめて用いる。そなた。「―のききわかせ給へば,いとどいますこしも/大鏡(道長)」
我毛香
われもこう [3] 【吾亦紅・吾木香・我毛香】
バラ科の多年草。山野に生える。葉は羽状複葉。夏から秋,高さ約80センチメートルの花茎を立てて上方で枝を分け,それぞれの枝先に暗赤色楕円形の小さい花穂をつける。根茎は黒褐色で太く,漢方で地楡(ジユ)と称し薬用とする。[季]秋。
吾亦紅[図]
我法師
わほうし 【我法師・和法師】 (代)
二人称。僧侶に対して,親しみの,あるいは軽んじ卑しめる気持ちで用いる。「―めが人あなづりして…ねたき目見するに/著聞 10」
我流
がりゅう [0] 【我流】
正規の流儀・作法にのっとっていない,自分独特のやり方。自己流。
我流でやる
がりゅう【我流でやる】
do <a thing> in one's own way.〜の self-taught <typist> .
我猛し
われたけ・し 【我猛し】 (形ク)
得意になってえらそうにするさま。「―・く言ひそし侍るに/源氏(帚木)」
我田引水
がでんいんすい [1][0] 【我田引水】
〔自分の田にだけ水を引く意から〕
自分に都合のよいように説明したり,物事を運んだりすること。我が田へ水を引く。
我田引水の
がでんいんすい【我田引水の】
self-seeking;selfish.→英和
我男
わおとこ 【我男・吾男】 (代)
〔「わ」は接頭語〕
二人称。対等以下の相手に対して用いる。おまえ。「前右大将宗盛卿大床に立て,信連を大庭にひ据ゑさせ,まことに―は,宣旨とはなんぞ,とて斬たりけるか/平家 4」
我相
がそう [0] 【我相】
(1)〔仏〕 自己の本体としての我は実在しないのだが,それが存在すると思う心に現れる偽りの我の姿。また,そのように我を考えること。
(2)自分を恃(タノ)んで他を軽んじ侮ること。我慢の相。
我知らず
われしらず [1][0] 【我知らず】 (副)
自分では気づかず。無意識に。思わず。「夫人は―嘆息した/婦系図(鏡花)」
我知らず
われしらず【我知らず】
[思わず]in spite of oneself;unconsciously.→英和
我空
がくう [0] 【我空】
人間の肉体や精神は,因縁和合によってできた仮のもので,永久不変の実体的根拠である我を持つものではない,とする仏教の考え。人空。
→法空(ホツクウ)
我等
われら [1] 【我等】 (代)
(1)一人称。「われ」の複数。自分たち。わたくしたち。われわれ。「―の誓い」
(2)二人称。対等またはそれ以下の複数の相手に対して用いる。おまえたち。「―はこのお方を何と心得る」
(3)一人称。単数に用いる。わたくし。われ。「この君の御夢,―にとらせ給へ/宇治拾遺 13」
我精
がせい [0] 【我精・我勢】 (形動)
(1)勝気なさま。我が強いさま。「―な老母と並んで/青春(風葉)」
(2)骨身を惜しまず働くさま。「―によく働きますね/滑稽本・浮世風呂 3」
我褒め
われぼめ [0] 【我褒め】
自分で自分のことをほめること。自慢。「擅(ホシイママ)に見たてしての―/うたかたの記(鴎外)」
我見
がけん [0] 【我見】
(1)自分だけの狭くかたよった意見や見方。
(2)〔仏〕「我執(ガシユウ)」に同じ。
我許
わがり 【我許】
自分のいる所。私のもとへ。「今夜(コヨイ)か君が―来まさむ/万葉 1519」
我賢
われかしこ 【我賢】 (形動ナリ)
自分一人が賢いというように。「せめて―にかこちなし給へば/源氏(若菜下)」
我賢し
われさか・し 【我賢し】 (形シク)
分別があると自認しているさま。利口ぶっているさま。「いとほしう,―・しう思ひしづめ給ふにはあらねど/源氏(椎本)」
我郎
わろう 【和郎・我郎】
■一■ (名)
「わろ(和郎){■一■}」に同じ。「おやじ口がしこい―にて/咄本・御前男」
■二■ (代)
「わろ(和郎){■二■}」に同じ。「われにお貸しやれ―が上の小袖を/田植草紙」
戒
かい [1] 【戒】
(1)いましめ。訓戒。
(2)漢文の文体の一。訓戒を目的としたもの。
(3)〔梵 śīla〕
仏教の信者が守るべき行動の規範。戒律。禁戒。
戒の師
かいのし 【戒の師】
「戒師(カイシ)」に同じ。
戒む
いまし・む 【戒む】 (動マ下二)
⇒いましめる(戒)
戒め
いましめ [0] 【戒め・誡め・警め】
(1)過ちのないように,前もって与える注意。「親の―を守る」
→断機の戒め
→覆車の戒め
(2)罰。こらしめ。「―に出入りをさしとめる」
(3)警戒。「院の近習者をば内より御―あり/平家 1」
戒め
いましめ【戒め】
(1) admonition (訓戒);→英和
(a) warning (警告);→英和
(a) caution;→英和
a lesson (教訓);→英和
(a) reproof (けん責).→英和
(2) binding (しばること);bonds.〜を解く unbind;→英和
set a person free.
戒める
いましめる【戒める】
(1) admonish;→英和
warn[caution] <a person against> .→英和
(2) reprove (けん責).→英和
戒める
いまし・める [4] 【戒める・誡める・警める】 (動マ下一)[文]マ下二 いまし・む
(1)禁を犯したり,失敗したりすることのないように,前もって注意を与える。「殺生を―・める」「浪費を―・める」
(2)同じ過失を繰り返さないように,過失を犯したことをしかる。とがめる。《戒》「無断欠勤を―・める」
(3)警戒する。「御心安き兵を以て非常を―・めらるべし/太平記 12」
(4)(「縛める」と書く)ひもなどでしばる。「あらゆる制約に―・められてゐる人間/竹沢先生と云ふ人(善郎)」
(5)忌むべきこととして嫌う。「人の―・むる五月は去ぬ/宇津保(藤原君)」
(6)罰する。こらしめる。「この猫,我国の庭鳥を食ひ殺し候程に,さてこそ―・めて候へ/仮名草子・伊曾保物語」
戒体
かいたい [0] 【戒体】
〔仏〕 戒を受けた時に身に備わるという,罪悪を防止する力。
戒具
かいぐ [1] 【戒具】
拘禁者の逃走・暴行などを防ぐため,その身体を拘束する器具。手錠・防声具・捕縄など。
戒刀
かいとう [0] 【戒刀】
(1)僧が三衣の裁断や髪を剃るのに用いる小刀。
(2)修験者などが持つ,魔障を防ぐ刀。
戒力
かいりき 【戒力】
持戒,また受戒によって生ずる功徳。かいりょく。「前生の御―に/大鏡(伊尹)」
戒厳
かいげん [0] 【戒厳】
(1)戦時またはそれに準ずる非常の場合に,軍隊によって全国または一地域を管理し警戒すること。その地域の行政権・司法権などは軍の管理に移る。
(2)特別にきびしく警戒すること。厳戒。「人の尤も―すべき時は/欺かざるの記(独歩)」
戒厳令
かいげんれい【戒厳令】
martial law.〜をしく place <a city> under martial law.〜を解く withdraw martial law.
戒厳令
かいげんれい [3] 【戒厳令】
非常時に軍隊に統治権をゆだねる命令。旧憲法下では天皇の大権に属した。1947年(昭和22)に廃止。
戒厳司令部
かいげんしれいぶ [6] 【戒厳司令部】
戒厳令を施行する軍隊の指導部。
戒名
かいみょう【戒名】
a posthumous Buddhist name.
戒名
かいみょう [1] 【戒名】
(1)仏式で,死者に僧侶がつける名前。鬼号。
⇔俗名
(2)〔仏〕 受戒によって与えられる,仏教徒としての名前。法名。
〔(2)が原義〕
戒告
かいこく【戒告】
a warning;→英和
a caution.→英和
戒告
かいこく [0] 【戒告・誡告】 (名)スル
(1)過失や非行などをいましめ注意すること。「―を与える」
(2)命じた義務を期限までに履行しなければ代執行を行うという,行政庁による通知。《戒告》
(3)公務員の職務上の義務違反に対する懲戒処分の一。もとは「譴責(ケンセキ)」といった。《戒告》「―処分」
戒和上
かいわじょう [3] 【戒和尚・戒和上】
具足戒を受戒する時の三人の師のうち,最高位で,戒を授ける役の僧。天台宗の円頓戒(エンドンカイ)では,釈迦をこの役に請ずる。
戒和尚
かいわじょう [3] 【戒和尚・戒和上】
具足戒を受戒する時の三人の師のうち,最高位で,戒を授ける役の僧。天台宗の円頓戒(エンドンカイ)では,釈迦をこの役に請ずる。
戒善
かいぜん [0] 【戒善】
〔仏〕 持戒によって得る善根。
戒場
かいじょう [0] 【戒場】
仏教で,戒を授ける壇場。
戒壇
かいだん [0] 【戒壇】
僧侶になるための授戒の儀式を行う壇。日本では,754年東大寺に鑑真が臨時に設けたのに始まり翌年東大寺,761年には下野国薬師寺・筑前国観世音寺に常設の戒壇が設けられた。
戒壇[図]
戒壇廻り
かいだんめぐり [5] 【戒壇廻り】
仏堂の内陣の床下の通路を念仏を唱えながら一周すること。長野県善光寺のものが有名。
戒壇石
かいだんせき [3] 【戒壇石】
律宗・禅宗などの寺院の前に立てた石標。多く,「不許葷酒入山門(クンシユサンモンニイルヲユルサズ)」の句が刻んである。結界石。
戒壇院
かいだんいん [3] 【戒壇院】
戒壇が設けてある建物。東大寺・延暦寺などにある。
戒定慧
かいじょうえ [3] 【戒定慧】
〔仏〕 行動の規範である「戒」と,宗教的精神統一である「定」と,真理を知る「慧」。仏道修行者の修めるべき三つの要目。三学。
戒尺
かいしゃく [0] 【戒尺】
授戒の時に法要の次第を定めたり,また読経の拍子をそろえるために打ちならす拍子木。尺。
戒師
かいし [1] 【戒師】
戒を授ける法師。戒の師。
戒律
かいりつ [0] 【戒律】
(1)〔仏〕 自発的に守るべき戒と,罰則のある律のこと。戒と律は別であるが,しばしば混用される。
(2)宗教上,人が守るべきおきて。「―を破る」
戒律
かいりつ【戒律】
commandments;religious precepts.
戒律宗
かいりつしゅう [4] 【戒律宗】
⇒律宗(リツシユウ)
戒心
かいしん [0] 【戒心】 (名)スル
油断しないこと。用心を怠らないこと。「―の要」「深く―すべき/肉弾(忠温)」
戒慎
かいしん [0] 【戒慎】 (名)スル
戒めつつしむこと。「向後に注意せざるべからずと皆互に―せり/経国美談(竜渓)」
戒文
かいもん [0][1] 【戒文】
〔仏〕 戒律を記した条文。
戒日王
かいじつおう 【戒日王】
⇒ハルシャ=バルダナ
戒杖
かいじょう [0] 【戒杖】
山伏が護身のために携える杖(ツエ)。
戒法
かいほう [0] 【戒法】
〔仏〕 戒の精神や戒に即した行為に対し,戒の法,規定そのもののこと。
戒牒
かいちょう [0] 【戒牒】
〔仏〕 僧尼が戒を受けたことを公式に証明する文書。受戒者の意志の表白の形式をとる。
戒禁
かいきん [0] 【戒禁】
(1)戒め禁ずること。禁戒。
(2)〔仏〕 一切の不善を戒め,止めること。戒法。戒律。
戒能
かいのう 【戒能】
姓氏の一。
戒能通孝
かいのうみちたか 【戒能通孝】
(1908-1975) 法学者。長野県生まれ。東大卒。早大・都立大教授などを歴任。入会(イリアイ)権闘争として知られる小繋(コツナギ)事件で農民側弁護士として活躍。著「入会の研究」など。
戒臈
かいろう 【戒臈・戒臘】
(1)出家受戒してからの年数。「寂照は―の浅ければ/今昔 19」
(2)芸道修業などの年数。「二曲三体の功入りて,―を経て/申楽談儀」
戒臘
かいろう 【戒臈・戒臘】
(1)出家受戒してからの年数。「寂照は―の浅ければ/今昔 19」
(2)芸道修業などの年数。「二曲三体の功入りて,―を経て/申楽談儀」
戒行
かいぎょう [1][0] 【戒行】
戒律を守って修行すること。
戒護
かいご [1] 【戒護】
(1)いましめ,まもること。
(2)刑務所内の保安を維持すること。
戒賢
かいげん 【戒賢】
〔梵 Śīlabhadra〕
古代インド,マガダ国那爛陀(ナランダ)寺の僧。サマタンタ国の王族出身。玄奘(ゲンジヨウ)の師。
戒飭
かいしょく [0] 【戒飭】
「かいちょく(戒飭)」の誤読。
戒飭
かいちょく [0] 【戒飭】 (名)スル
人をいましめること。注意を与えて,慎ませること。また,自らいましめ慎むこと。「―処分」「上中流の男子を第一に―し/一隅より(晶子)」
戒香
かいこう [0] 【戒香】
〔徳が四方に及ぶことを,香が遠くまで匂うのにたとえた語〕
戒律を固く守る功徳。「忍辱の衣を身に著(キ)つれば,―匂にしみ薫りて/栄花(玉の台)」
戕賊
しょうぞく シヤウ― [0] 【戕賊】
傷つけて殺すこと。そこない傷つけること。「天下の正理―せられて/民権自由論(枝盛)」
或いは
あるいは [2] 【或いは】
〔動詞「あり」の連体形に助詞の「い」と「は」が付いたもの〕
■一■ (接続)
そのうちのどちらかという関係にある二つのものをつなぐ語。でなければ。または。もしくは。「本人―保護者の出頭を求める」
■二■ (副)
(1)もしかすると。ひょっとしたら。「―そうかもしれない」
(2)(「あるいは…あるいは…」の形で)同じような事柄を列挙して,さまざまな動作が行われたさまを表す。「―海山に遊んで休養をはかり,―勉学にいそしむ者もある」
〔漢文訓読に由来する語法。古く「あるひは」と書かれることもあったが,「あるいは」が本来の形〕
或は
あるは 【或は】 (接続)
〔動詞「あり」の連体形に係助詞「は」が付いたもの。「あるは…あるは…」と重ねて用いることが多い〕
(1)ある者は。ある場合は。「―花をそふとてたよりなき所にまどひ―月を思ふとて/古今(仮名序)」
(2)または。もしくは。「あふさか山に至りて手向けを祈り,―春夏秋冬にもいらぬくさぐさの歌をなむえらばせたまひける/古今(仮名序)」
或る
ある【或る】
a,an;a certain;→英和
some… (others…).→英和
〜日 once;→英和
one day.〜時 on one occasion;once (upon a time).〜所で at a certain place;somewhere.→英和
〜意味で in a sense.→英和
或る
ある [1] 【或る】 (連体)
〔動詞「あり」の連体形からできた語〕
事物・人・時・場所などを漠然とさしていう語。また,それらをはっきりさせずにいう時にも用いる。「―所におじいさんがいました」「―日」「―時」「―未知の物質」
或る女
あるおんな 【或る女】
小説。有島武郎作。1919年(大正8)刊。自我に目覚めた明治の新しい女性早月葉子が,現実生活の中で生きる方向を失い,苦悩する姿を重厚なリアリズムで描いた作者の代表作。
或問
わくもん [0] 【或問】
文章形式の一。問いに答える形で自分の意見を述べる体裁の文。
戚
しゅく [2] 【戚】
八佾(ハチイツ)の舞に用いる,斧(オノ)をかたどった木製の持ち物。
戚戚
せきせき [0] 【戚戚】 (形動タリ)
うれえて思いわずらうさま。「窮して―たらず,天命を楽(タノシ)む/金色夜叉(紅葉)」
戚揚
せきよう 【戚揚】
〔「戚」は斧(オノ),「揚」は鉞(マサカリ)〕
おのとまさかり。斧鉞(フエツ)。転じて,武器。「干戈―相挟み/太平記 11」
戚然
せきぜん [0] 【戚然】 (ト|タル)[文]形動タリ
憂え悲しむさま。「―として愁ひ/いさなとり(露伴)」
戚里
せきり 【戚里】
〔中国漢代,長安にあって,天子の外戚が居を構えていた所〕
天子の外戚。「先帝の御時,―の臣として久しく朝家につかうまつる/平家 10」
戛戛
かつかつ [1] 【戛戛】 (ト|タル)[文]形動タリ
堅い物の触れる音を表す語。「―たる馬蹄の響き」「―と錠を内より下せしが/緑簑談(南翠)」
戛然
かつぜん [0] 【戛然】 (ト|タル)[文]形動タリ
堅い物が触れて出る音のさま。「石畳に―と響く馬蹄の音」「天に向つて石を投ぜば,―として天鳴らむかと思ふ/自然と人生(蘆花)」
戟
ほこ [1] 【矛・鉾・戈・鋒・戟】
(1)両刃の剣に長い柄をつけた武器。刺突用。古代に用いられたが平安時代からは薙刀(ナギナタ)などにとってかわられ,儀仗・祭祀(サイシ)に用いられるのみになった。
(2)武器。
(3)弓の幹(カラ)のこと。ゆがら。
矛(1)[図]
戟
げき [1] 【戟】
古代中国の武器の一。両方に枝が出た三つ叉(マタ)のほこ。漢代のものは普通,鉄製。
戟形
げきけい [0] 【戟形】
葉の形で,ヒルガオの葉などのように戟の形をしているもの。
戡定
かんてい [0] 【戡定】 (名)スル
敵を討って乱を鎮めること。平定。「禍乱を―せらるるや/日本開化小史(卯吉)」
戦
いくさ [3][0] 【戦・軍】
(1)たたかい。戦争。合戦。
(2)軍勢。兵隊。「千万(チヨロズ)の―なりとも言挙げせず/万葉 972」
(3)弓を射るわざ。「―習ふ所を築かしむ/日本書紀(持統訓)」
戦々恐々としている
せんせんきょうきょう【戦々恐々としている】
be trembling with fear.
戦い
たたかい タタカヒ [0] 【戦い・闘い】
(1)たたかうこと。争い。戦争。戦闘。「―を宣する」「激烈な―の場」
(2)技芸などの優劣を争うこと。競技。試合。
(3)軍勢。軍隊。「胡国の―こはくして/平家 2」
戦い
たたかい【戦い】
a war (戦争);→英和
a battle (戦闘);→英和
[闘争]a fight;→英和
a struggle;→英和
a strife.→英和
〜に出る go to war[the front].〜に勝つ(負ける) win (lose) a battle.
戦い抜く
たたかいぬく【戦い抜く】
fight it out;fight to a[the]finish.→英和
戦い抜く
−ぬく【戦い抜く】
fight it out.生き〜 survive <a war> .→英和
戦う
たたかう【戦う】
fight <with,against> ;→英和
fight a battle;→英和
make war <with> ;struggle <with,against> (困難などと);→英和
contend <with> (争う).→英和
戦う
たたか・う タタカフ [0] 【戦う・闘う】 (動ワ五[ハ四])
〔動詞「たたく」の未然形に接尾語「ふ」の付いた語〕
(1)武力をもって互いに攻め合う。争う。「隣国と―・う」
(2)技芸や力の優劣を競う。勝負する。「横綱と互角に―・う」
(3)利害を異にする者が,自分の利益を守ったり獲得したりするために争う。「労使が―・う」
(4)困難や苦しみに負けないよう努力する。「難病と―・う」「暑さと―・う」
(5)繰り返し叩く。叩き合う。「小(スコ)しきの事に依りて,此の童と―・ひ合ひて/今昔 12」
[可能] たたかえる
戦がす
そよが・す [3] 【戦がす】 (動サ五[四])
風がそよそよと軽い物をゆるがす。「風が木の葉を―・す」
戦き
おののき ヲノノキ [0] 【戦き】
怖くて震えること。戦慄(センリツ)。
戦ぎ
そよぎ [3] 【戦ぎ】
そよぐこと。「木の葉の―」
戦く
おののく【戦く】
tremble <with fear> ;→英和
shudder;→英和
shiver.→英和
戦く
おのの・く ヲノノク [3] 【戦く】 (動カ五[四])
〔「わななく」の母音交替形〕
恐怖・寒さ・興奮などで震える。「恐怖に―・く」
戦ぐ
そよぐ【戦ぐ】
rustle (in the wind) (さらさらと);→英和
[ゆらぐ]wave;→英和
quiver.→英和
戦ぐ
そよ・ぐ [2] 【戦ぐ】 (動ガ五[四])
草木などが風に吹かれ,静かな音を立てながらゆれ動く。「あしの葉が―・ぐ」
戦わす
たたかわす【戦わす】
make <a person> fight with <another> ;pit <a dog> against <another> ;⇒議論(する).
戦わす
たたかわ・す タタカハス [0][4] 【戦わす】 (動サ五[四])
力・技などをきそう。激しくやりあう。「議論を―・す」
戦中
せんちゅう [0] 【戦中】
戦争の間。戦時中。
戦中派
せんちゅうは [0] 【戦中派】
第二次大戦の間に青年時代を送った世代。また,その人々。戦前派・戦後派に対してできた語。
戦中派
せんちゅうは【戦中派】
the war generation.
戦乱
せんらん【戦乱】
war disturbances.戦乱の巷(ちまた) a scene of deadly strife.
戦乱
せんらん [0] 【戦乱】
戦争が起こってその地が乱れること。また,戦争。
戦争
せんそう [0] 【戦争】 (名)スル
(1)武力を用いて争うこと。特に,国家が自己の意志を貫徹するため他国家との間に行う武力闘争。国際法上,宣戦布告によって発生し,戦時国際法が適用される。いくさ。
(2)激しい競争や混乱。「受験―」「交通―」
戦争
せんそう【戦争】
(a) war;→英和
warfare;→英和
[戦闘]a battle;→英和
a fight;→英和
a combat.→英和
〜する make war <with> ;wage war <against> ;fight <a battle> .〜に勝つ(負ける) win (lose) a war[battle (戦闘)].〜に行く go to war[the front].〜をひき起こす bring on a war.〜を放棄する renounce war.‖戦争犯罪人(未亡人) a war criminal (widow).
戦争と平和
せんそうとへいわ センサウ― 【戦争と平和】
〔原題 (ロシア) Voina i Mir〕
レフ=トルストイの長編小説。1869年完成。ナポレオンのロシア侵入を背景にロシア国民全体の姿を壮大かつ克明に描く。
戦争文学
せんそうぶんがく [5] 【戦争文学】
近代戦争を題材にした文学。特に,戦争という特殊状況における人間の苦悩を主題にしたものをいう。レマルクの「西部戦線異状なし」,メーラーの「裸者と死者」,桜井忠温の「肉弾」,大岡昇平の「レイテ戦記」など。
戦争犯罪
せんそうはんざい [5] 【戦争犯罪】
(1)「戦時犯罪」に同じ。
(2)第二次大戦後の国際軍事裁判において処罰の対象とされた犯罪。従来の戦時犯罪よりも範囲が拡大され,単に戦争法規違反の罪だけでなく,平和に対する罪,人道に対する罪をも含める。
戦争犯罪人
せんそうはんざいにん [0] 【戦争犯罪人】
戦争犯罪を犯した者。戦犯。
戦争画
せんそうが [0] 【戦争画】
戦争を主題にした絵画。ピカソの「ゲルニカ」に代表される反戦絵画,国策に協力し戦意高揚のために描かれた絵画,事実の記録としての歴史画など。
戦争神経症
せんそうしんけいしょう [0][7] 【戦争神経症】
戦闘体験がストレスとなって発症する神経症の一。戦場で現れる急性反応と,戦場を離れてから現れる遅発性反応がある。
戦争賠償
せんそうばいしょう [5] 【戦争賠償】
⇒戦時(センジ)賠償
戦事
せんじ [1] 【戦事】
戦争に関する事柄。兵事。
戦備
せんび [1] 【戦備】
戦争に対する備え。軍備。
戦備
せんび【戦備】
<make> preparations for war.
戦債
せんさい【戦債】
war bonds.
戦債
せんさい [0] 【戦債】
戦争の費用にあてるために発行される国債。戦時公債。
戦傷
せんしょう [0] 【戦傷】
戦闘で受けた傷。
戦傷死
せんしょうし [3] 【戦傷死】
戦闘で受けた傷が原因で死ぬこと。
戦傷病者
せんしょうびょうしゃ [5] 【戦傷病者】
軍人・軍属・準軍属であった者で,公務上の傷病を原因とする心身の障害をもつ者のこと。
戦列
せんれつ【戦列】
a line of battle.〜に加わる(を離れる) join (leave) the line of battle.
戦列
せんれつ [0] 【戦列】
(1)戦いの部隊の隊列。「―から脱落する」
(2)闘争するためにつくられた組織やその連合体。
戦利
せんり [1] 【戦利】
(1)戦いで勝利を得ること。
(2)戦争で,物品を奪い取ること。
戦利品
せんりひん [0] 【戦利品】
戦争中,敵国から奪って自国の所有に移した動産。国際法上,敵国の国有財産に限定される。
戦利品
せんりひん【戦利品】
a trophy;→英和
booty;→英和
spoils <of war> .
戦前
せんぜん [0] 【戦前】
戦争の始まる前。特に,第二次大戦以前をいう。
戦前の
せんぜん【戦前の】
prewar <days,generation> ;→英和
before the war.→英和
戦前派
せんぜんは [0] 【戦前派】
(1)戦前に育った人。特に,第二次大戦前の価値観や生活態度を身につけている人。
(2)アバン-ゲールに同じ。
戦力
せんりょく【戦力(の増強)】
(the strengthening of) war potential.
戦力
せんりょく [1] 【戦力】
(1)(兵力のほか,兵器など軍需品の生産力・補給力を含めた)戦争を遂行しうる力。
(2)事を行いうる能力。また,それをもった人。「―となりうる人物」
戦功
せんこう [0] 【戦功】
戦争であげた功績。軍功。
戦功
せんこう【戦功】
distinguished services in war.〜をたてる distinguish oneself in war.
戦勝
せんしょう【戦勝】
<celebrate> a victory;→英和
a triumph.→英和
〜する win a victory;carry the day.→英和
‖戦勝国 a victorious country.
戦勝
せんしょう [0] ―シヨウ 【戦勝】 ・ ―セフ 【戦捷】 (名)スル
戦いに勝つこと。かちいくさ。
戦勢
せんせい [0] 【戦勢】
戦闘・試合などの形勢。
戦勲
せんくん [0] 【戦勲】
戦争でたてたてがら。戦功。軍功。
戦友
せんゆう【戦友】
a comrade;→英和
a fellow soldier.
戦友
せんゆう [0] 【戦友】
戦場でともに戦った仲間。同じ部隊に属している同僚。
戦史
せんし [1] 【戦史】
戦争の歴史。戦争の記録。
戦史
せんし 【戦史】
〔原題 (ギリシヤ) Historiai「歴史」とも〕
歴史書。八巻。ツキディデス著。ペロポネソス戦争((前431-前404))の経過を開戦前から前411年の途中まで編年体で記す。未完。
戦国
せんごく [0] 【戦国】
(1)戦争で混乱した世の中。群雄が割拠し互いに争った世。また,その争った国々。
(2)「戦国時代」の略。
戦国の七雄
せんごくのしちゆう 【戦国の七雄】
中国,戦国時代の韓・魏・趙・斉(田斉)・秦・楚(ソ)・燕(エン)の七大強国。
戦国大名
せんごくだいみょう [5] 【戦国大名】
戦国時代,各地に割拠して分権的な小封建国家を形成した大名。守護代や土豪が主家を倒して大名化した者が多かった。
戦国家法
せんごくかほう [5] 【戦国家法】
⇒分国法(ブンコクホウ)
戦国時代
せんごくじだい【戦国時代】
a turbulent age;the age of (civil) wars.
戦国時代
せんごくじだい [5] 【戦国時代】
(1)日本史で,応仁の乱(1467-1477)から1568年の織田信長入京頃までの混乱期をいうが異説もある。群雄割拠,戦国大名の登場と下剋上の時代で,各地に戦乱が続いた。
(2)中国史で,東周の後期。一般に晋の有力貴族の韓・魏(ギ)・趙(チヨウ)三氏が晋を三分して諸侯に封ぜられた前403年から秦が中国を統一した前221年までの動乱期をいう。
(3)多くの者が互いに勢力を伸ばそうとして,激しく争う時代。戦国。「コンピューター業界は―の様相を見せている」
戦国策
せんごくさく 【戦国策】
中国,戦国時代の史書。三三編。縦横家の説いた策略を国別に集めたもの。もといくつかの書であったものを前漢の劉向(リユウキヨウ)が整理編集。国策。
戦地
せんち【戦地】
the seat of war; <leave for,come back from> the front;→英和
a battlefield.→英和
戦地
せんち [1] 【戦地】
戦争の行われている土地。戦場。
戦域
せんいき [0] 【戦域】
戦闘の区域。戦いの場。
戦域
せんいき【戦域】
a theater of war.‖戦域核兵器 theater nuclear weapons.
戦域核
せんいきかく [4] 【戦域核】
⇒中距離核戦力(チユウキヨリカクセンリヨク)
戦場
せんじょう【戦場】
a battlefield;→英和
<at> the front.→英和
〜と化する become a scene of battle.〜の露と消える be killed in battle[action].
戦場
せんじょう [0] 【戦場】
戦闘の行われる場所。戦地。
戦場ヶ原
せんじょうがはら センヂヤウ― 【戦場ヶ原】
栃木県日光市,男体山西麓にある海抜1400メートル前後の乾燥湿原。男体山の主の大蛇と赤城山の主の大百足(ムカデ)が戦った地という。
戦塵
せんじん [0] 【戦塵】
(1)戦場に立つ砂ぼこりやちり。
(2)戦争の騒ぎ。「―を逃れる」
戦士
せんし [1] 【戦士】
(1)戦場で戦う者。兵士。
(2)生存競争の激しい事業などの第一線で活動している人。「企業―」
戦士
せんし【戦士】
a combatant.→英和
無名戦士 an unknown soldier.
戦守
せんしゅ [1] 【戦守】
(1)攻めることと守ること。
(2)戦って守ること。
戦局
せんきょく【戦局】
the tide of war.
戦局
せんきょく [0] 【戦局】
戦争の成り行き。戦いの局面。戦いの形勢。「―に重大変化が見られる」
戦役
せんえき [0] 【戦役】
戦争。たたかい。役。「日露―」
戦役
せんえき【戦役】
⇒戦争.
戦後
せんご [0][1] 【戦後】
戦争の終わったあと。特に第二次大戦のあとをいう。
戦後の
せんご【戦後の】
postwar;→英和
after the war.→英和
戦後派 the postwar generation;the après guerre.
戦後恐慌
せんごきょうこう [4] 【戦後恐慌】
第一次大戦後の1920年(大正9)に主要な資本主義国を襲った深刻な恐慌。
戦後改革
せんごかいかく [4] 【戦後改革】
第二次大戦の日本の降伏後,占領軍が主体になって行われた非軍事化と民主化をめざす改革の総称。平和憲法の制定,絶対主義的天皇制の象徴天皇制への転換,財閥解体,農地改革,教育の民主化など。
戦後派
せんごは [0] 【戦後派】
(1)第二次大戦後に育った人々。
(2)「戦後派文学」の略。
戦後派文学
せんごはぶんがく [5] 【戦後派文学】
第二次大戦後に登場した文学の一派。心理主義的・実存主義的手法を取り入れ,政治と文学の問題を軸に戦争責任・主体性の問題などを主題として追求した。主な作家・批評家に野間宏・椎名麟三・梅崎春生・大岡昇平・武田泰淳・埴谷雄高らがいる。
戦後補償問題
せんごほしょうもんだい [7] 【戦後補償問題】
強制徴用・強制連行・強制労働など,第二次大戦時の日本の戦争行為によって被害を受けた個人に対する補償問題。講和条約等による処理では救済が不十分であったため1990年(平成2)前後から特に強く主張されるようになった。
戦意
せんい [1] 【戦意】
戦おうとする意志。闘志。「―喪失」
戦意
せんい【戦意(を失う)】
(lose) one's fighting spirit.
戦慄
せんりつ【戦慄(する)】
shiver;→英和
shudder.→英和
〜すべき terrible;→英和
horrible;→英和
shocking.→英和
〜させる make <a person> shudder.→英和
戦慄
せんりつ [0] 【戦慄】 (名)スル
恐ろしさのあまり,ふるえおののくこと。「―がはしる」
戦慄かす
わななか・す [4] 【戦慄かす】 (動サ五[四])
恐ろしさで体や声を震わせる。「顔の色は蒼くなりて,全身を―・して/社会百面相(魯庵)」
戦慄き
わななき [4][3] 【戦慄き】
わななくこと。せんりつ。
戦慄く
わなな・く [3] 【戦慄く】 (動カ五[四])
(1)寒さ・恐怖・発熱などのために体が小刻みに震える。おののく。「恐怖に―・く」
(2)楽器の音や声が,細かく震える。「神楽の笛の面白く―・き吹きすまされて/枕草子 142」
(3)ざわざわする。「下臈の物見むと,―・き騒ぎ笑ふこと限りなし/落窪 2」
(4)乱れる。「ところどころ―・きちりぼひて/枕草子 83」
戦戦
せんせん [0] 【戦戦】 (ト|タル)[文]形動タリ
恐れおののくさま。恐れつつしむさま。「―と此の心を驚かしめたし/欺かざるの記(独歩)」
戦戦兢兢
せんせんきょうきょう [0] 【戦戦恐恐・戦戦兢兢】 (ト|タル)[文]形動タリ
恐れつつしむさま。恐れてびくびくしているさま。「いつしかられるかと―としている」
戦戦恐恐
せんせんきょうきょう [0] 【戦戦恐恐・戦戦兢兢】 (ト|タル)[文]形動タリ
恐れつつしむさま。恐れてびくびくしているさま。「いつしかられるかと―としている」
戦捷
せんしょう [0] ―シヨウ 【戦勝】 ・ ―セフ 【戦捷】 (名)スル
戦いに勝つこと。かちいくさ。
戦敗
せんぱい [0] 【戦敗】
戦いに負けること。敗戦。
戦敗国
せんぱいこく【戦敗国】
a defeated country.
戦旗
せんき [1] 【戦旗】
戦争のときに用いる旗。いくさばた。
戦旗
せんき 【戦旗】
文芸誌。全日本無産者芸術連盟(ナップ)の機関誌として1928年(昭和3)5月創刊。31年12月廃刊。労働者・農民に対する啓蒙活動を目指した。
戦時
せんじ [1] 【戦時】
戦争をしている時。戦争中。
⇔平時
戦時
せんじ【戦時】
<in> wartime;→英和
<during> the war.→英和
〜も平時も in war and in peace.‖戦時禁制品 contraband of war.戦時状態 war conditions.戦時体制 <establish> wartime structure.戦時内閣 a war cabinet.
戦時中
せんじちゅう [0] 【戦時中】
戦争が行われている間。特に,第二次世界大戦が行われていた間。戦争中。戦中。
戦時体制
せんじたいせい [4] 【戦時体制】
戦争を続けるためにとられる国内の政治および経済の構え。
戦時公債
せんじこうさい [4] 【戦時公債】
戦争中,軍事費にあてるために国家が発行する公債。軍事公債。
戦時共産主義
せんじきょうさんしゅぎ [8] 【戦時共産主義】
ロシア革命直後ソビエト政府が反革命軍と外国干渉軍に対処するためにとった統制経済政策。自由商工業の禁止,食糧の強制徴発,労働義務制など。
戦時国際法
せんじこくさいほう [0] 【戦時国際法】
戦時に適用される国際法の総称。交戦国間の関係を定める交戦法規と,交戦国と中立国間の関係を定める中立法規がある。戦時国際公法。戦時公法。
戦時復仇
せんじふっきゅう [4] 【戦時復仇】
交戦国の一方が戦時法規に違反する行為をした場合,他の交戦国が行う同程度の違反行為。適法とされるが戦争拡大の一因となりやすい。
戦時犯罪
せんじはんざい [4] 【戦時犯罪】
交戦法規に違反する行為。降伏者の殺傷,禁止兵器の使用など。戦争犯罪。
戦時禁制品
せんじきんせいひん [0] 【戦時禁制品】
戦時国際法上,交戦国の一方への輸送・供給を他方の交戦国が防止できる物品。絶対的禁制品(兵器・弾薬など)と,相対的または条件付き禁制品とがある。
戦時立法
せんじりっぽう [4] 【戦時立法】
戦争に対処するため,戦争時に,または戦争を想定して制定される法規の総称。第二次大戦直前に制定された国家総動員法など。
戦時賠償
せんじばいしょう [4] 【戦時賠償】
戦争に起因して交戦国に生じた一切の損失・損害に対する補償・賠償のこと。戦争法規違反の行為に対して請求される損害賠償に限定されない。通常は講和条約で処理される。戦争賠償。
戦書
せんしょ [1] 【戦書】
開戦の通知書。宣戦布告の書。
戦果
せんか [1] 【戦果】
(1)戦闘・戦争において上げた成果。「赫赫(カクカク)たる―」
(2)何事かをして得た成果。
戦果
せんか【戦果】
<achieve brilliant> war results.
戦機
せんき【戦機】
the time for fighting.〜の熟するのを待つ wait for the time to strike.
戦機
せんき [1] 【戦機】
(1)戦うのに適した時期。「―が熟す」
(2)戦争上の機密。軍事的な秘密。軍機。
戦歴
せんれき [0] 【戦歴】
戦争に参加した経歴。「赫々たる―」
戦死
せんし【戦死】
death in battle.〜する fall[be killed]in battle[action].‖戦死者 a fallen soldier;the war dead (総称).
戦死
せんし [0] 【戦死】 (名)スル
兵士が戦闘によって死ぬこと。うちじに。「南方で―する」「―者」
戦歿
せんぼつ [0] 【戦没・戦歿】 (名)スル
戦争で死ぬこと。「―者」「―した人の御霊をまつる」
戦没
せんぼつ [0] 【戦没・戦歿】 (名)スル
戦争で死ぬこと。「―者」「―した人の御霊をまつる」
戦没する
せんぼつ【戦没する】
be killed in war.戦没将兵 the war dead.
戦況
せんきょう【戦況】
the progress of a battle;→英和
the war situation.
戦況
せんきょう [0] 【戦況】
戦争・戦闘の状況。
戦法
せんぽう【戦法】
tactics;→英和
strategy.→英和
戦法
せんぽう [0] 【戦法】
戦闘・競技などの戦い方。
戦渦
せんか [1] 【戦渦】
戦争によって生じる混乱。「―に巻きこまれる」
戦火
せんか【戦火】
war;→英和
war disasters.
戦火
せんか [1] 【戦火】
(1)戦争によって起こる火災。兵火。
(2)戦争。「―を交える」
戦災
せんさい [0] 【戦災】
戦争による災害。「―に遭う」
戦災
せんさい【戦災】
<suffer> war damage.‖戦災孤児 a war orphan.戦災者 a war victim[sufferer].戦災地 war-damaged areas.
戦災孤児
せんさいこじ [5] 【戦災孤児】
戦災で両親を失った子供。
戦災復興院
せんさいふっこういん 【戦災復興院】
1945年(昭和20)11月,戦災に遭った市街地や住宅を再建するために設けられた政府機関。
戦無派
せんむは [0] 【戦無派】
第二次大戦後に生まれ,戦争を全く知らない人々。戦前派・戦後派に対して作られた語。
戦犯
せんぱん [0] 【戦犯】
「戦争犯罪人」の略。
戦犯
せんぱん【戦犯】
<be accused of> a war crime;a war criminal(人).
戦略
せんりゃく【戦略】
strategy;→英和
stratagem.→英和
〜的 strategic.〜上 from the strategical point of view.‖戦略家 a strategist.戦略(核)兵器 strategic (nuclear) weapons.
戦略
せんりゃく [0] 【戦略】
〔strategy〕
長期的・全体的展望に立った闘争の準備・計画・運用の方法。戦略の具体的遂行である戦術とは区別される。
戦略兵器制限交渉
せんりゃくへいきせいげんこうしょう 【戦略兵器制限交渉】
⇒ソルト(SALT)
戦略兵器削減条約
せんりゃくへいきさくげんじょうやく 【戦略兵器削減条約】
⇒スタート(START)
戦略単位
せんりゃくたんい [5] 【戦略単位】
軍隊として戦略的な活動を独立して作戦しうる最小の単位。陸軍では師団がそれに当たる。
戦略情報システム
せんりゃくじょうほうシステム [9] 【戦略情報―】
〔strategic information system〕
企業の競争戦略を支援・策定することを目的にした情報技術の利用システム。また,それを実現するためにコンピューター・通信ネットワークを統合したソフトウエアの体系。SIS 。
戦略核
せんりゃくかく [4] 【戦略核】
大陸間弾道ミサイル・潜水艦発射弾道ミサイルおよび長距離爆撃機を運搬手段とする,破壊力の大きな長距離核兵器。戦略攻撃核兵器。
→戦術核
戦略爆撃
せんりゃくばくげき [5] 【戦略爆撃】
相手の戦争継続能力を奪うための爆撃。主要軍事施設・生産施設・物資貯蔵所・交通網や政治・軍事の中枢などに対する爆撃。
戦略物資
せんりゃくぶっし [5] 【戦略物資】
鉄・石油など,戦略上重要な物資。
戦略産業
せんりゃくさんぎょう [5] 【戦略産業】
経済の発展に大きな影響を及ぼすと見られる産業。輸出の拡大,技術の向上,雇用の増大などの目的に応じて特定される場合が多い。
戦略防衛構想
せんりゃくぼうえいこうそう [9] 【戦略防衛構想】
⇒エス-ディー-アイ( SDI )
戦病死
せんびょうし [3] 【戦病死】 (名)スル
従軍中に病気で死ぬこと。「南方戦線で―した」
戦病死する
せんびょうし【戦病死する】
die from a disease contracted at the front.→英和
戦禍
せんか【戦禍】
<suffer> the evils[horrors]of war.〜を受けた war-torn.〜より救う save <Asia> from war.
戦禍
せんか [1] 【戦禍】
戦争による被害。「―を被る」
戦端
せんたん [0] 【戦端】
戦いのいとぐち。戦闘の始まり。「―を開く」
戦端を開く
せんたん【戦端を開く】
open hostilities <with> ;take up arms <against> .
戦線
せんせん [0] 【戦線】
(1)戦闘が行われている区域。第一線。戦場。「―を拡大する」「西部―」
(2)政治運動や社会運動における闘争の行われる場。また,その組織づくりの形態。「労農の―を統一する」「統一―を組む」
戦線
せんせん【戦線】
a battle line; <at> the front.→英和
戦績
せんせき【戦績】
a war record;→英和
[競技の]results;a record.
戦績
せんせき [0] 【戦績】
戦闘や試合の成績。
戦艦
せんかん【戦艦】
a battleship.→英和
戦艦
せんかん [0] 【戦艦】
(1)軍艦の艦種の一。強大な砲力を備え,堅牢な防御をもち,艦隊の主力となって敵艦隊撃滅を任務とする艦。普通,艦型も最も大きく,その保有が一国の海軍力のシンボルともされたが,第二次大戦以降,主力艦としての座は空母にとってかわられた。
(2)戦争に用いる船。いくさぶね。軍艦。戦闘艦。
戦虜
せんりょ [1] 【戦虜】
捕虜。とりこ。
戦術
せんじゅつ [0] 【戦術】
(1)個々の具体的な戦闘における戦闘力の使用法。普通,長期・広範の展望をもつ戦略の下位に属する。
(2)一定の目的を達成するためにとられる手段・方法。「牛歩―」
戦術
せんじゅつ【戦術】
tactics.→英和
〜上の tactical <(nuclear) weapons> .→英和
戦術家
せんじゅつか [0] 【戦術家】
戦術をたてる人。また,戦術にたけた人。
戦術核
せんじゅつかく [4] 【戦術核】
戦場での軍事目標攻撃用の核兵器。
→戦略核
戦袍
せんぽう [0] 【戦袍】
(1)鎧(ヨロイ)の上に着る衣服。陣羽織の類。
(2)戦闘の際に着る衣服。戎衣(ジユウイ)。
戦訓
せんくん [0] 【戦訓】
実際の戦闘から受けた教訓。
戦記
せんき [1] 【戦記】
戦争や戦闘に関する記録。軍記。
戦記
せんき【戦記】
a record of a war;→英和
a war history.
戦記物語
せんきものがたり [6] 【戦記物語】
⇒軍記物語(グンキモノガタリ)
戦評
せんぴょう [0] 【戦評】
(スポーツ・囲碁・将棋などの)試合の批評。
戦費
せんぴ【戦費】
war expenditure.
戦費
せんぴ [1] 【戦費】
戦争に要する費用。
戦跡
せんせき【戦跡】
<visit> the scene of old battle.
戦跡
せんせき [0] 【戦跡】
戦闘の行われたあと。
戦車
せんしゃ【戦車】
a tank.→英和
‖戦車隊(砲) a tank corps (gun).戦車兵 a tankman.
戦車
せんしゃ [1] 【戦車】
(1)厚い装甲で全体を防護し,火砲を搭載してキャタピラで走行する車両。第一次大戦で初めて登場。タンク。
(2)兵士を乗せ,馬に引かせた戦闘用の車。古代中国・ローマなどで用いられた。兵車。
戦野
せんや [1] 【戦野】
戦いの行われた野。戦場。
戦間期
せんかんき [3] 【戦間期】
第一次大戦の終結(1918年)から第二次大戦の勃発(39年)に至る約20年の期間。
戦闘
せんとう [0] 【戦闘】 (名)スル
たたかうこと。特に,兵器を用いて敵と戦いを交えること。「繰り返し―する」
戦闘
せんとう【戦闘】
a battle;→英和
a fight;→英和
<take part in> an action.→英和
〜を中止する suspend hostilities.‖戦闘機 a fighter.戦闘行為 an act of hostility.戦闘準備 <be in> preparation for action.戦闘力 fighting strength.非戦闘員 a non-combatant.
戦闘力
せんとうりょく [3] 【戦闘力】
戦闘を続けていく力。戦い続ける兵力。
戦闘員
せんとういん [3] 【戦闘員】
交戦国の兵力に直接に属し,戦闘に従事する人。
→非戦闘員
戦闘帽
せんとうぼう [3] 【戦闘帽】
日本の軍隊で戦時にかぶった略帽。
戦闘旗
せんとうき [3] 【戦闘旗】
軍艦が戦闘開始の合図として掲げる旗。
戦闘機
せんとうき [3] 【戦闘機】
敵機を攻撃したり,味方航空機の護衛あるいは地上戦闘の支援に用いる小型の軍用飛行機。速力と上昇力に富む。
戦闘的
せんとうてき [0] 【戦闘的】 (形動)
戦い・争いに訴えてでも,事を行おうとするさま。また,戦いを好むさま。「―自由主義者」
戦闘艦
せんとうかん [0] 【戦闘艦】
⇒戦艦(センカン)
戦陣
せんじん [0] 【戦陣】
(1)戦いのための陣営。また,その場所。
(2)戦いの方法。兵法。戦法。
戦陣
せんじん【戦陣】
<go to> the front;→英和
a battlefield.→英和
戦陣訓
せんじんくん 【戦陣訓】
1941年(昭和16)1月陸相東条英機の名で,戦場での道義・戦意を高めるため,全陸軍に示達した訓諭。
戦隊
せんたい【戦隊】
a corps;→英和
a fleet <of ships> .→英和
戦隊
せんたい [1][0] 【戦隊】
海軍または空軍の戦術単位。水雷戦隊・航空戦隊など。
戦雲
せんうん【戦雲】
war clouds <hang over Asia> .
戦雲
せんうん [0] 【戦雲】
戦争の起こりそうな気配。また,戦争。「―が垂れこめる」「―急を告げる」
戦鼓
せんこ [1] 【戦鼓】
戦場で合図に打ち鳴らす太鼓。陣太鼓。
截つ
た・つ [1] 【裁つ・截つ】 (動タ五[四])
〔「断つ」と同源〕
布・紙などを,所用の寸法や形に切る。裁断する。「布地を―・つ」「浴衣を―・つ」
[可能] たてる
截り金
きりかね [2][0] 【切(り)金・截り金】
(1)金銀をのばしひろげた薄い板。箔(ハク)より少し厚く,種々の形に切って蒔絵(マキエ)の面にはめこむ。細金(サイキン)。
(2)金銀をのばしひろげて細かく切った薄い板を,仏画・仏像に貼りつけて彩色効果を高める技法。平安時代から鎌倉時代にかけて盛んに行われた。切り金彩色(ザイシキ)。細金。
截る
き・る [1] 【切る・斬る・伐る・截る】
■一■ (動ラ五[四])
(1)刃物などを使って一続きのものを分離させる。断ち分ける。《切・伐・截》「大根を包丁で―・る」「爪を―・る」「型紙どおりに布地を―・る」「志賀の山いたくな―・りそ/万葉 3862」
〔「伐」は木をきりたおす時,「截」は布・紙などをきる時に用いる〕
(2)刃物などで自分の体の一部を傷つける。意図的な場合と,不注意による場合とがある。「腹を―・って死ぬ」「ナイフで手を―・る」「すすきの葉で指を―・る」
(3)刃物で傷つけ殺す。斬り殺す。《切・斬》「罪人を―・る」「敵兵を―・る」
(4)塞がっているものや閉じているものをあける。《切》「封を―・る」「口を―・る」
(5)空間的に連続しているもの,流れているものを分断する。《切》「船が波を―・って進む」「肩で風を―・って歩く」「道を―・る」
(6)話や文章を続けないで区切りをつける。《切》「この文は長すぎるから,ここで一旦―・った方がいい」
(7)電流を止める。《切》
⇔いれる
「電源を―・る」「電灯のスイッチを―・る」
(8)関係やつながりをなくす。《切》
⇔むすぶ
「あの人とは縁を―・りたい」
(9)時間的に継続しているものを中断させる。打ち切る。《切》「電話を―・る」「彼はそこで言葉を―・った」
(10)本体やグループから外す。取り除く。《切・斬》「六〇点以下の者は―・る」「反対派を―・る」
(11)手術をして取り去る。「胃を―・る」
(12)ぬれた物から振ったりして水分を取り去る。《切》「洗濯物の水気を―・る」「揚げ物の油を―・る」
(13)ものごとを作り出す。出現させる。《切》
(ア)一部分を掘りとって作る。「溝を―・る」「ねじを―・る」「炉が―・ってある」
(イ)手を動かして形を作る。「十字を―・る」
(ウ)断定的な言葉を発する。「たんかを―・る」「しらを―・る」
(エ)目に立つような所作をする。「見得を―・る」「とんぼを―・る」
(14)日時・数量などに限定をつける。《切》「日を―・って金を貸す」「人数を―・って参加を受け付ける」
(15)ものごとに決着をつける。「未だ勝負も―・らぬに/今昔 28」
(16)数値が,ある目安・限界よりも小さくなる。割る。《切》「一〇〇メートル競走で一〇秒を―・る」「上昇率が一〇パーセントを―・る」
(17)ある動作・行動を起こす。始める。《切》「スタートを―・る」「伝票を―・る」
(18)乗り物の進行方向を変える操作をする。また,それによって進行方向を変える。《切》「右にハンドルを―・る」「カーブを―・る」
(19)(比喩的に)欠点をあばいて攻撃する。糾弾する。《切・斬》「世相を―・る」「官界の腐敗を―・る」
(20)テニスや卓球で,ボールが強く回転するように打つ。カットする。《切》
(21)囲碁で,相手の石のつながりを断つ。《切》
(22)トランプやカルタなどで,札の数がそろったりしないようにまぜあわせる。《切》「札をよく―・ってから配る」
(23)トランプで,切り札を使って勝負をつける。《切》「切り札を―・る」
(24)(動詞の連用形について)《切》
(ア)量的な限界点までその運動をする。…しおえる。「厚い本を読み―・る」「あり金を使い―・る」「ドーバー海峡を泳ぎ―・る」
(イ)運動が完全にその終局点に到達する。すっかり…する。「ほとほと困り―・る」「疲れ―・った表情」
(25)(近世,竿金(サオガネ)などを必要なだけ切って使ったことから)
(ア)両替をする。「和尚が小判が―・つてもらひたいとおつしやる/歌舞伎・男伊達初買曾我」
(イ)気前よく金を払う。「鉢植の梅に一朱を―・つて買ひ/柳多留 101」
〔「きれる」に対する自動詞〕
[可能] きれる
■二■ (動ラ下二)
⇒きれる
[慣用] 口火を―・札片(サツビラ)を―・自腹を―・堰(セキ)を―・手を―・火蓋(ヒブタ)を―・見得(ミエ)を―・身銭(ミゼニ)を―
截断
せつだん [0] 【切断・截断】 (名)スル
(1)物をたち切ること。切り離すこと。「鉄板を―する」
(2)〔数〕
(ア)直線で平面図形を,また平面で立体を切ること。
(イ)有理数を二つのグループに分けること。ドイツの数学者デデキント(1831-1916)は切断の概念を用いて無理数を厳密に定義した。
截断
さいだん [0] 【截断】 (名)スル
「せつだん(截断)」の慣用読み。
截断言
せつだんげん [3] 【截断言】
江戸時代の国学者,東条義門の名づけた活用形の名称。現在の終止形にあたる。
截枝
せっし [0][1] 【截枝・切枝】
樹木の枝を切り取って,その切り口から新しい枝を発芽させる作業。
截然
せつぜん [0] 【截然】 (ト|タル)[文]形動タリ
〔「さいぜん」は慣用読み〕
区別などがはっきりしているさま。「―たる差」「自己と他人の間に―たる利害の鴻溝(コウコウ)がある/吾輩は猫である(漱石)」
截然
さいぜん [0] 【截然】 (ト|タル)[文]形動タリ
「せつぜん(截然)」の慣用読み。
截瘧
せつぎゃく [0] 【截瘧】
悪性の流行病。えやみ。「主人痛風―の二方を伝う/伊沢蘭軒(鴎外)」
截金
さいきん [0] 【細金・截金】
「きりかね(切金)」に同じ。
截頭
せっとう [0] 【截頭・切頭】
頭部を切り取ること。また,先端が切り取られたような植物の葉や花の形状。
戮する
りく・する [3] 【戮する】 (動サ変)[文]サ変 りく・す
人を殺す。罪人を死刑にする。「日に千人の小賊を―・して/草枕(漱石)」
戮力
りくりょく [0] 【戮力】 (名)スル
力を合わせること。協力。「―一心」「己とあの男と秘密を共有してゐて,それを同心―して隠蔽してゐる筈だと/青年(鴎外)」
戯
あじゃら 【戯】
ふざけること。たわむれ。冗談。戯(ザ)れ。「―が誠になるわいな/歌舞伎・幼稚子敵討」
戯える
そば・える ソバヘル [3] 【戯える】 (動ア下一)[文]ハ下二 そば・ふ
(1)そよ風がやさしく吹く。「冷い頸元に―・える軽い風に吹かれていると/あらくれ(秋声)」
(2)馴れてたわむれる。あまえる。「―・へたる小舎人童などにひきはられて泣くもをかし/枕草子 39」
(3)動物がじゃれる。「目貫はくりから不動に猫の―・へる所を物ずき/浮世草子・御前義経記」
戯く
たわ・く タハク 【戯く】 (動カ下二)
⇒たわける
戯け
たわけ タハケ [3][0] 【戯け・白痴】
〔動詞「たわく」の連用形から〕
(1)ふざけること。ふざけた言動。「―もいい加減にしろ」
(2)馬鹿者。ふざけた者。「―め」「何時何処の―が言出したか/社会百面相(魯庵)」
(3)姦淫すること。また,禁忌にふれるような性行為。「上通下通(オヤコ)―・馬―・牛 ―・鶏―の罪/古事記(中訓)」
戯け
たわけ【戯け】
[人]a fool;→英和
an idiot.→英和
戯け
おどけ [0] 【戯け】
おどけること。たわむれ。滑稽。道化。「―役」「―顔」
戯けし
たわけ・し タハケシ 【戯けし】 (形ク)
(1)ふざけたさまである。ばかげている。「―・き獺(オソ)の恋は為さねど/露団々(露伴)」
(2)みだらだ。好色だ。「わらはを見てなめげに―・き心を発(オコ)したれば/読本・弓張月(前)」
戯けた
たわけた【戯けた】
foolish;→英和
silly;→英和
stupid.→英和
〜ことを言う(な) talk nonsense (Don't be silly).
戯ける
おど・ける [0] 【戯ける】 (動カ下一)
滑稽なことを言ったり,したりする。ふざける。たわむれる。「―・けたしぐさで笑わせる」
戯ける
たわ・ける タハケル [3] 【戯ける】 (動カ下一)[文]カ下二 たは・く
(1)ばかげたことをする。ふざける。「―・けたことを言うな」
(2)みだらなことをする。「王の母と相―・けて,多(サワ)に無礼(イヤナキワザ)す/日本書紀(応神訓)」
戯け口
おどけぐち [3] 【戯け口】
おどけた口のききかた。冗談。ざれごと。
戯け歌
おどけうた [3] 【戯け歌】
(歌詞が)おどけた歌。ざれ歌。俳諧歌。
戯け絵
おどけえ [3] 【戯け絵】
たわむれに面白おかしく描いた絵。ざれ絵。
戯け者
おどけもの [0] 【戯け者】
(1)わざと滑稽なことをしたり言ったりする人。「クラスの―」
(2)大馬鹿者。愚か者。[日葡]
戯け者
たわけもの タハケ― [0] 【戯け者・白痴者】
たわけた者。ばか者。おろか者。痴(シ)れ者。「この―め」
戯け芝居
おどけしばい [4] 【戯け芝居】
おどけた所作(シヨサ)で笑わせる芝居。笑劇。
戯け話
おどけばなし [4] 【戯け話】
滑稽な話。ふざけた物語。
戯け面
たわけづら タハケ― [0] 【戯け面】
あほうづら。馬鹿づら。
戯し
たわ・し タハシ 【戯し】 (形シク)
好色である。ふしだらなさまである。「かの大臣はいみじう―・しうて/栄花(楚王の夢)」
戯しい
あじゃらし・い 【戯しい】 (形)
〔動詞「あじゃる」の形容詞形〕
ふざけた態度である。「そんな―・いこたあ,中絶なうしてゐますに/滑稽本・膝栗毛 2」
戯ふ
そば・う ソバフ 【戯ふ】 (動ハ下二)
⇒そばえる
戯へ
そばえ ソバヘ 【戯へ】
〔動詞「そばふ」の連用形から〕
(1)たわむれること。あまえること。
(2)〔「日照雨」とも書く〕
ある所だけに降っている雨。かたしぐれ。「嵐吹く時雨の雨の―にはせきの雄波の立つ空もなし/万代集」
戯ゆ
そば・ゆ 【戯ゆ】 (動ヤ下二)
〔ハ行下二段動詞「そばふ」の転。中世後期以降の語〕
「そばえる」に同じ。「狗子(エノコロ)の―・ゆるやうに,すれまとひ/仮名草子・東海道名所記」
戯らける
じゃら・ける [3] 【戯らける】 (動カ下一)
ふざける。たわむれる。じゃれる。「若しも―・けたこといはば唯は置かぬ/いさなとり(露伴)」
戯らす
じゃら・す [2] 【戯らす】 (動サ五[四])
じゃれるようにしむける。じゃれさせる。「毛糸の玉で子猫を―・す」
戯る
たわ・る タハル 【戯る・狂る】 (動ラ下二)
(1)遊び興ずる。たわむれる。「秋来れば野辺に―・るる女郎花(オミナエシ)/古今(雑体)」
(2)いたずら心でする。ふざける。「おほやけざまは少し―・れてあざれたる方なりし/源氏(藤裏葉)」
(3)みだらな振る舞いをする。不倫な関係を持つ。「うちしなひ寄りてそ妹は―・れてありける/万葉 1738」
(4)一途にそれにふける。おぼれる。狂う。「ひたすら―・れたる方にはあらで/徒然 3」
戯る
たわむ・る タハムル 【戯る】 (動ラ下二)
⇒たわむれる
戯る
ざ・る 【戯る】 (動ラ下二)
⇒ざれる
戯る
たわぶ・る タハブル 【戯る】 (動ラ下二)
⇒たわぶれる
戯る
あじゃ・る 【戯る】 (動ラ四)
〔「あざる」の転〕
「あざる{■二■}」に同じ。「秦を曲り―・つて云ふなり/三体詩絶句抄 6」
戯る
そぼ・る 【戯る】 (動ラ下二)
(1)たわむれる。ふざける。「年のうちの祝ひごとどもして―・れあへるに/源氏(初音)」
(2)しゃれる。「書きざま今めかしう―・れたり/源氏(胡蝶)」
戯る
あざ・る 【戯る】
■一■ (動ラ下二)
(1)ふざける。たわむれる。「潮海(シオウミ)のほとりにて―・れあへり/土左」
(2)打ち解ける。くだけた態度をとる。「―・れたる大君姿のなまめきたるにて/源氏(花宴)」
(3)しゃれる。風流である。「返しはつかうまつりけがさじ。―・れたり/枕草子 87」
■二■ (動ラ四)
ふざける。たわむれる。「中よりつがひの鳩とび出,桜につたひ―・りける/浄瑠璃・文武五人男」
戯れ
たわぶれ タハブレ 【戯れ】
「たわむれ」に同じ。「遊びをせむとや生まれけむ,―せむとや生まれけむ/梁塵秘抄」
戯れ
じゃれ 【戯れ】
〔「ざれ」の転〕
じゃれること。ふざけること。冗談。「今のは何も皆―ぢや/浄瑠璃・堀川波鼓(上)」
戯れ
たわむれ【戯れ】
[遊戯]play;→英和
sport;→英和
a joke (冗談);→英和
(a) flirtation (男女の);a freak (気まぐれ).→英和
〜に for fun;in joke[play].
戯れ
たわむれ タハムレ [0][4] 【戯れ】
〔動詞「たわむれる」の連用形から。近世以降の語。古くは「たわぶれ」〕
(1)遊び興ずること。遊び。
(2)ふざけること。いたずら。「―に詠んだ歌」
(3)遊びやからかいで言うこと。冗談。「―に言ったこと」
(4)男女のいちゃつき。本気でない男女の交わり。痴戯。
戯れ
ざれ [2] 【戯れ】
ざれること。たわむれ。じゃれ。「―言」
戯れ
たわれ タハレ 【戯れ】
〔動詞「たわる」の連用形から〕
(1)たわむれること。いたずら。遊び。「根無草―やせましよの若い時/古今六帖 6」
(2)異性と遊ぶこと。遊蕩(ユウトウ)。
戯れがまし
あざれがま・し 【戯れがまし】 (形シク)
ふざけている様子である。ふまじめに見える。「なにか,―・しと思へばはなたず/紫式部日記」
戯ればむ
ざれば・む 【戯ればむ】 (動マ四)
(1)たわむれる。じゃれる。「いぎたなき夜と―・みて/浮世草子・好色万金丹」
(2)風流で気が利いている。しゃれている。「―・みたるがまだ造りさしたる所なれば/源氏(東屋)」
戯ればむ
あざれば・む 【戯ればむ】 (動マ四)
ふざけている。ふまじめな態度をとる。「わがいにしへ,少し―・み,あだなる名をとり給うし面(オモテ)おこしに/源氏(夕霧)」
戯れる
たわむれる【戯れる】
play (遊ぶ);→英和
joke (冗談);→英和
flirt <with> (男女が).→英和
戯れる
ざ・れる [2] 【戯れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ざ・る
〔古くは「さる」とも〕
(1)ふざける。たわむれる。じゃれる。「若君はいとうつくしうて,―・れ走りおはしたり/源氏(須磨)」
(2)風情(フゼイ)がある。趣がある。しゃれている。「―・れたる女ぞ/落窪 1」「さすがに―・れたる遣戸(ヤリド)口に/源氏(夕顔)」
(3)あだめいている。「年の程よりは,―・れてやありけむ/源氏(乙女)」
戯れる
じゃ・れる [2] 【戯れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 じや・る
〔「ざれる」の転〕
子供や犬・猫などが人や物にまつわりついて遊ぶ。「犬が飼い主に―・れる」
戯れる
たわむ・れる タハムレル [4] 【戯れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 たはむ・る
〔「たはぶる」の転〕
(1)遊び興ずる。無心に遊ぶ。「子供と―・れる」「百千の鳥どもが枝に―・れてさへづるぞ/中華若木詩抄」
(2)ふざけた気持ちで事をする。たわむれにする。「―・れて言う」
(3)(男女が)みだらな言動をする。いちゃつく。「公園で―・れる男女」
戯れる
たわぶ・れる タハブレル [4] 【戯れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 たはぶ・る
「たわむれる」に同じ。「花に―・れる」「人に―・れ物に争ひ一度は恨み一度は喜ぶ/徒然 75」
戯れ事
ざれごと [0] 【戯れ事】
〔「ざれこと」とも〕
ふざけてすること。いたずら。
戯れ事
たわむれごと タハムレ― [0][6] 【戯れ事】
たわむれにする事。ざれごと。
戯れ人
たわれびと タハレ― 【戯れ人】
好色な人。浮気な人。
戯れ人
たわぶれびと タハブレ― 【戯れ人】
おどけた人。浮気な人。「あやしき―にてありける/宇津保(嵯峨院)」
戯れ付く
じゃれつ・く [0] 【戯れ付く】 (動カ五[四])
子供や動物が,ふざけたり甘えたりしてまつわりつく。「子犬が足もとに―・く」
戯れ口
たわむれぐち タハムレ― [4][0] 【戯れ口】
たわむれて言う言葉。冗談。戯言(ザレゴト)。
戯れ句
ざれく [0][2] 【戯れ句】
(1)滑稽な句。狂句。
(2)たわむれに作った句。
戯れ名
たわれな タハレ― 【戯れ名】
(1)恋愛事に関係したうわさ。浮き名。
(2)(狂歌師などが)たわむれに付けた雅号。狂名。
戯れ女
たわれめ タハレ― 【戯れ女・遊れ女】
(1)遊女。浮かれ女。
(2)浮気な女。
戯れ心
たわれごころ タハレ― 【戯れ心】
たわむれ心。あそび心。
戯れ心
たわむれごころ タハムレ― [5] 【戯れ心】
本気でない,ふざけた気分。たわぶれ心。
戯れ書き
たわむれがき タハムレ― [0] 【戯れ書き】
たわむれに書くこと。また,書いたもの。いたずらがき。
戯れ書き
ざれがき [0] 【戯れ書き】
たわむれに書いた書画・文章。
戯れ歌
ざれうた [2] 【戯れ歌】
(1)滑稽味のある和歌。俳諧歌。
(2)「狂歌{(1)}」に同じ。
戯れ歌
たわぶれうた タハブレ― 【戯れ歌】
滑稽を主とした歌。狂歌。「―とて人々よみけるを/聞書集」
戯れ歌
たわれうた タハレ― 【戯れ歌】
(1)滑稽を主とした歌。たわぶれうた。
(2)特に,狂歌。
戯れ男
たわれお タハレヲ 【戯れ男】
好色な男。浮気な男。放蕩男。「―が袂にかくるあやめ草/堀河百首」
戯れ絵
ざれえ [2] 【戯れ絵】
(1)たわむれ書きの絵。滑稽や風刺を主とした絵。戯画。
(2)略画。「―ざつと書いたるを求めてこい/狂言・末広がり」
戯れ言
たわむれごと タハムレ― [0][6] 【戯れ言】
たわむれて言う言葉。戯れ口。たわれごと。たわごと。
戯れ言
たわれごと タハレ― 【戯れ言】
「たわむれごと(戯れ言)」に同じ。
戯れ言
ざれごと [0] 【戯れ言】
〔「ざれこと」とも〕
ふざけて口にする言葉。たわむれの言葉。冗談。「このはかなき―いひ得て/浴泉記(喜美子)」
戯れ言歌
ざれごとうた [4] 【戯れ言歌】
滑稽・機知を主とした歌。俳諧歌。ざれうた。
戯れ遊び
たわぶれあそび タハブレ― 【戯れ遊び】
ふざけ遊ぶこと。「―を好みて,心のままなる官爵にのぼりぬれば/源氏(乙女)」
戯事
たわごと タハ― [0] 【戯事】
〔古くは「たはこと」と清音〕
ばかげた行為。たわむれごと。
戯作
げさく [0] 【戯作】
〔「ぎさく」とも〕
(1)戯れにつくること。また,その作品。
(2)黄表紙・洒落本・談義本など,近世後期に江戸でおこった小説類の総称。一八世紀半ば,小説界の中心が京坂から江戸に移り,知識人が新しい様式の小説を書き出し,{(1)}の意で著書に「戯作」と付したのが起源。けさく。
戯作
ぎさく [0] 【戯作】
⇒げさく(戯作)
戯作三昧
げさくざんまい 【戯作三昧】
小説。芥川竜之介作。1917年(大正6)「大阪毎日新聞」に連載。滝沢馬琴晩年の到達点を,人生の雑事に煩わされない,芸術創造に徹した姿として描く。
戯作者
げさくしゃ [3] 【戯作者】
戯作を業とする人。主として江戸後期の通俗作家をいう。
戯具
ぎぐ [1] 【戯具】
遊戯の道具。おもちゃ。
戯双紙
たわれぞうし タハレザウ― 【戯草紙・戯双紙】
江戸後期の戯作(ゲサク)の草紙。
戯号
ぎごう [0] 【戯号】
戯作者の用いる号。げごう。
戯場
ぎじょう [0] 【戯場】
芝居の舞台。劇場。
戯奴
わけ 【戯奴】 (代)
(1)一人称。自分のことを卑下していう語。わたくしめ。「我(ア)が君は―をば死ねと思へかも逢ふ夜逢はぬ夜二走るらむ/万葉 552」「我(ア)が君に―は恋ふらし賜(タバ)りたる茅花(ツバナ)を食(ハ)めどいや痩せに痩す/万葉 1462」
(2)二人称。目下の者に対して親しみを込めていう語。おまえ。「―がため我(ア)が手もすまに春の野に抜ける茅花ぞ召して肥えませ/万葉 1460」「昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木(ネブ)の花君のみ見めや―さへに見よ/万葉 1461」
戯弄
ぎろう [0] 【戯弄】 (名)スル
たわむれもてあそぶこと。「一群の少年紙鳶竹馬を―し/花柳春話(純一郎)」
戯文
ぎぶん [0] 【戯文】
(1)たわむれに書いた文章。滑稽を主にした文章。滑稽文。
(2)中国,元代の劇の一。雑劇の変化したもの。「琵琶記」「還魂記」など。南戯。
戯曲
ぎきょく【戯曲】
a drama;→英和
a play.→英和
〜化する dramatize <a novel> .‖戯曲家 a dramatist;a playwright.
戯曲
ぎきょく [0] 【戯曲】
劇の上演のために書かれた脚本。また,その形式で書かれた文学作品。台詞(セリフ)に,人物の動作や舞台効果など,演出に関する注意(ト書き)を加えたもの。日本・外国ともに,その形式が確立したのは近代以後であるが,謡曲,あるいは浄瑠璃の丸本(マルホン)や歌舞伎の台帳などもその一種であるといえる。
→レーゼドラマ
戯書
ぎしょ [1] 【戯書】
(1)たわむれに書いた文・書物。ざれがき。
(2)上代文献,特に万葉集における用字法の一。義訓の一種で,特に使用者の遊戯的な意図や技巧の認められるもの。「くく」を「八十一」,「し」を「重二」,「出でば」を「山上復有山者」と書く類。
戯画
ぎが [1] 【戯画】
たわむれに描いた絵。また,風刺や滑稽をねらって描いた絵。ざれ絵。風刺画。カリカチュア。
戯画
ぎが【戯画】
a caricature.→英和
〜化する caricature.
戯画化
ぎがか ギグワクワ [0] 【戯画化】 (名)スル
風刺や滑稽をねらい,意識的におもしろおかしく表現すること。「世相を―する」
戯称
ぎしょう [0] 【戯称】 (名)スル
ふざけて名づけること。また,その名。
戯笑
ぎしょう [0] 【戯笑】
たわむれ笑うこと。おどけること。滑稽(コツケイ)。
戯草紙
たわれぞうし タハレザウ― 【戯草紙・戯双紙】
江戸後期の戯作(ゲサク)の草紙。
戯言
たわごと【戯言】
<talk> nonsense.→英和
戯言
たわごと タハ― [0] 【戯言】
〔古くは「たはこと」と清音〕
ばかげた言葉。しれごと。たわむれごと。「そんな―を聞いている暇はない」
戯言
ぎげん [0] 【戯言】
ふざけて言う言葉。冗談。「―を弄する」
戯訓
ぎくん [0] 【戯訓】
万葉集などの義訓のうち,特に遊戯的技巧的にあてはめられた訓。戯書{(2)}に基づく訓。
戯評
ぎひょう [0] 【戯評】
漫画などによる社会時評。
戯論
けろん [0] 【戯論】
〔仏〕 無意味で,役に立たない議論。
戯謔
ぎぎゃく [0] 【戯謔】
たわむれおどけること。けぎゃく。「こは固(モト)より―に過ぎざりき/即興詩人(鴎外)」
戴き
いただき [0] 【頂き・戴き】
〔動詞「いただく」の連用形から〕
(1)勝負事で,勝利が自分のものになること。「この試合は―だ」「おっと,そのカードは―だ」
(2)頭に物をのせて売り歩く浜の女。ささげ。かべり。
(3)「いただきもち」の略。
(4)「いただきもちい」の略。「我は若君の―せさせたてまつらんとおぼして/浜松中納言 4」
戴きます
いただきます 【戴きます】 (連語)
食事を始める際の挨拶(アイサツ)の言葉。
戴き物
いただきもの [0] 【戴き物】
よそからもらった物。
戴き立ち
いただきだち [0] 【戴き立ち】
ごちそうになってすぐ辞去すること。食べ立ち。
戴き袋
いただきぶくろ 【戴き袋】
平安時代,外出のときに物を入れて頭にのせ歩いた袋。
戴き餅
いただきもちい 【戴き餅】
公家の家で,子供が五歳になるまで,毎年正月の元日または吉日に,餅を子供の頭にのせて祝い,将来の幸せを願った儀式。いただき。「ことし正月三日まで,宮たちの,御―に/紫式部日記」
戴き餅
いただきもち [4] 【戴き餅】
糝粉(シンコ)の餅を丸め,上をくぼめてあずきの餡(アン)をのせたもの。四月八日,灌仏会(カンブツエ)に作る。いただき。
戴く
いただ・く [0] 【頂く・戴く】 (動カ五[四])
(1)頭の上にのせてもつ。現代では比喩的な使い方が多い。「白雪を―・いた山々」「国王を国家元首に―・く国」「頭(コウベ)((カシラ))に霜を―・く(=頭髪ガ白クナル)」「星を―・いて帰る(=夜ニ帰ル)」「―・きて角髪(ミズラ)の中に合へ巻かまくも/万葉 4377」
(2)「もらう」の謙譲語。目上の人から金品をもらうことや恩恵となるような動作を受けることを,受け手を低めていう言い方。頂戴する。「○○さんから辞典を―・く」「『お代はいくら』 『五千円―・きます』」
(3)「食べる」「飲む」の謙譲語・丁寧語。「もう十分―・きました」「お昼御飯はうちで―・いてきました」
(4)(補助動詞)
(ア)(「…て(で)いただく」の形で動詞の連用形を受けて)他人から恩恵となるような動作を受ける意を表す。(a)その動作が動作者の意志に基づく場合。「先生にもほめて―・きました」「セーターを編んで―・く」(b)その動作が受け手の意志に基づく場合。「いやなら帰って―・こう」「ゆっくりくつろいで―・きたい」
(イ)(「お…いただく」の形で動詞の連用形,「御(ゴ)…いただく」の形でサ変動詞の語幹を受けて)他人にその動作をしてもらう意を表す。(a)その動作が動作者の意志に基づく場合。「わざわざお越し―・いて恐縮です」「御心配―・きましたがもう元気になりました」(b)その動作が受け手の意志に基づく場合。「しばらくお待ち―・きます」「この計画に御協力―・きたい」
(ウ)(「…させていただく」の形で)相手に自分がしようとする動作についての許しを願う謙譲表現。「私が進行役をつとめさせて―・きます」「ここでもう少し待たせて―・きたいのですが…」
[可能] いただける
戴く物は夏も小袖(コソデ)
戴く物は夏も小袖(コソデ)
⇒貰(モラ)う物は夏も小袖
戴けない
いただけ∘ない 【頂けない・戴けない】 (連語)
評価できない。感心しない。「―∘ない話」
→いただける(3)
戴ける
いただ・ける [0] 【頂ける・戴ける】 (動カ下一)
〔「いただく」の可能動詞形から〕
(1)もらうことができる意の謙譲語。「案内の葉書を―・けるとありがたいのですが」
(2)飲食することができる意の謙譲語。「毎日の食事がおいしく―・けます」
(3)評価できる。受け入れられる。多く「いただけない」の形で用いる。「あの絵は―・けないね」
(4)(補助動詞)
「いただく{(4)}」の可能動詞。「詳しく話して―・けませんか」「今度お越し―・けるのはいつでしょう」「御理解―・けましたでしょうか」
戴冠
たいかん [0] 【戴冠】 (名)スル
帝王が即位後初めて王冠を頭にいただくこと。
戴冠式
たいかんしき【戴冠式】
a coronation.→英和
戴冠式
たいかんしき [3] 【戴冠式】
新国王が,王家に伝わる宝冠を初めてかぶり,即位を内外に明らかにする儀式。
戴勝
やつがしら [3] 【戴勝】
ブッポウソウ目ヤツガシラ科の鳥。全長約25センチメートル。体は淡赤褐色で,翼と尾は黒地に白い斑紋がある。先端の黒い長い冠羽をもつ。ユーラシア中南部からアフリカに分布。日本には旅鳥として渡来するが,近年は長野県で少数が繁殖する。
戴天
たいてん [0] 【戴天】
天をいただくこと。この世に生きていること。「不倶―」
戴天仇
たいてんきゅう 【戴天仇】
⇒戴季陶(タイキトウ)
戴季陶
たいきとう 【戴季陶】
(1890-1949) 中国の政治家。号は天仇。日大卒。革命運動に従事。孫文の死後は,中国国民党右派の領袖となった。中華人民共和国成立後,自殺。著「日本論」など。戴天仇。タイ=チータオ。
戴徳
たいとく 【戴徳】
中国,漢代の学者。字(アザナ)は延君。甥(オイ)の戴聖を小戴というのに対し,大戴と呼ばれた。周・秦・漢代諸儒の伝える礼の記録を整理して「大戴礼(ダタイレイ)」を編した。生没年未詳。
戴恩記
たいおんき 【戴恩記】
歌学書。二巻。松永貞徳著。1641〜45年頃の成立。晩年の著者が,九条稙通(タネミチ)・細川幽斎らの師についての追憶などを,歌学を中心に述べたもの。内容は連歌や国文学一般にも及ぶ。
戴白
ひたいじろ ヒタヒ― 【額白・戴白】
「月白(ツキジロ)」に同じ。
戴聖
たいせい 【戴聖】
漢の儒学者。字(アザナ)は次君。戴徳(大戴)の甥で小戴とも称された。戴徳の「大戴礼」八五編の文章・字句を正して「小戴礼」四九編(「小戴記」とも。現在の「礼記」のこと)を伝えた。生没年未詳。
戴震
たいしん 【戴震】
(1723-1777) 中国,清代の考証学者。字は東原。気の哲学の理論的完成者。経書の研究は小学(言語学)から始めるべきだと主張し,「孟子」などから用例を集め,帰納的に経書の原義を解明する方法論を確立。その学派は皖派(カンパ)と呼ばれ,段玉裁・王引之・王念孫らが輩出した。著「孟子字義疏証」「原善」「戴氏遺書」など。
戴顒
たいぎょう 【戴顒】
(378-441) 中国,南北朝時代,晋(シン)・宋の学者・隠士。字(アザナ)は仲若。琴の新曲を作り,呉下に移って士人と清遊し,「逍遥論」などを著した。
戴[頂]く
いただく【戴[頂]く】
(1) have <a hat> on (かぶる);wear;→英和
be crowned[capped] <with snow> .
(2) receive (もらう);→英和
get;→英和
have (食事など).→英和
(3) trouble <a person> to do (わざわざしてもらう);have <a person> do;have <a thing> done.
戸
と 【門・戸】
(1)家の出入り口。戸口。かど。もん。「後つ―より逃げ出でて/古事記(中訓)」
(2)海峡などの,両岸がせばまった水流の出入りする所。水門(ミト)。瀬戸。「天離る鄙(ヒナ)の長道ゆ恋ひ来れば明石の―より大和島見ゆ/万葉 255」
戸
と【戸】
a door;→英和
a sliding door (雨戸);a shutter (窓の).→英和
戸
へ 【戸】
民の家。また,戸籍。「秦人の―の数,総て七千五十三―/日本書紀(欽明訓)」
戸
こ【戸】
a house;→英和
a door.→英和
40〜の村 a village of forty houses.
戸
と [0] 【戸】
〔「門(ト)」と同源〕
窓や出入り口,門・戸棚などに取り付け,開閉して内部と外部とを仕切ったり,出入り口を閉ざしたりするための建具の総称。「雨―」「―をあける」
戸
こ 【戸】
■一■ [1] (名)
(1)家の出入り口。戸口。また,とびら。と。
(2)家。家屋。また,一家。
(3)律令制で,地方行政における社会組織の最小単位。戸籍記載・賦課の単位でもあり,里や郷を構成する。
→郷戸(ゴウコ)
■二■ (接尾)
助数詞。家や世帯の数を数えるのに用いる。「戸数百―」
戸の札
へのふだ 【戸の札】
古代の良民の戸籍。律令時代には六年ごとに全国的に調査作成された。へのふみた。へのふんだ。へふだ。
戸主
へぬし [0] 【戸主】
(1)律令制における戸の法律上の責任者。こしゅ。
(2)平城京・平安京の地割りの最小単位。一町を三二の区画に分割したもの。
戸主
こしゅ【戸主】
the head of a family.→英和
戸主
こしゅ [1] 【戸主】
(1)律令制で,戸の首長。戸口の租・庸(ヨウ)・調などに責任を負う。家長。
(2)民法旧規定で,一家の統率者。戸主権を有し,家族を統轄し扶養する義務を負う。1947年(昭和22),現行民法の公布により廃止。家長。
戸主権
こしゅけん [2] 【戸主権】
民法旧規定で,戸主に与えられていた家族を支配・統率する権利。
戸倉
とぐら 【戸倉】
長野県北部,埴科(ハニシナ)郡の町。北国街道の旧宿場町・温泉町。
戸倉上山田温泉
とぐらかみやまだおんせん 【戸倉上山田温泉】
長野県戸倉町と更級(サラシナ)郡上山田町にまたがる温泉街。千曲川の中流域で,背後に冠着山(カムリキヤマ)がある。単純硫黄泉。
戸内
こない [1] 【戸内】
家のなか。「―にはいる」
戸冠
とかんむり [2] 【戸冠】
漢字の冠の一。「房」「扉」「扁」などの「戸」の部分。戸垂れ。
戸別
こべつ [0] 【戸別】
一軒一軒。家ごと。
戸別に
こべつ【戸別に】
from house[door]to house[door].戸別訪問(調査)する make a house-to-house visit (investigation).
戸別訪問
こべつほうもん [4] 【戸別訪問】 (名)スル
家を一軒一軒訪問すること。特に,選挙の投票依頼のための訪問。日本では公職選挙法によって禁止されている。
戸前
とまえ 【戸前】
■一■ [0] (名)
土蔵の入り口の戸のある所。また,その戸。「―にある部屋」「―に錠をさす」
■二■ (接尾)
助数詞。土蔵を数えるのに用いる。「土蔵三―」
戸口
ここう [0][1] 【戸口】
戸数と人口。「六十六州の―の数は確かならず/折たく柴の記」
戸口
とぐち [1][0] 【戸口】
建物の出入り口。
戸口
とぐち【戸口】
<stand in> the doorway;→英和
<at> the door.→英和
戸口調査
ここうちょうさ [4] 【戸口調査】
(1)戸数や人口を調べること。
(2)各戸を訪ねて家族の動態などを調べること。戸口実査。
戸坂
とさか 【戸坂】
姓氏の一。
戸坂潤
とさかじゅん 【戸坂潤】
(1900-1945) 哲学者・評論家。東京生まれ。京大卒。新カント派からマルクス主義的立場に転じ,主に科学方法論・イデオロギー論に関心を寄せる。唯物論研究会を創立し,時の反動化に抗したが,治安維持法により検挙,1944年(昭和19)下獄,翌年,長野刑務所で獄死。著「日本イデオロギー論」など。
戸垂
とだれ [0] 【戸垂(れ)】
⇒戸冠(トカンムリ)
戸垂れ
とだれ [0] 【戸垂(れ)】
⇒戸冠(トカンムリ)
戸塚
とつか 【戸塚】
姓氏の一。
戸塚
とつか 【戸塚】
(1)神奈川県横浜市南西部にある区。住宅地・内陸工業地。
(2)東京都新宿区北部にある町名。早稲田大学がその一画を占める。
戸塚静海
とつかせいかい 【戸塚静海】
(1799-1876) 幕末期の蘭方医。遠州掛川の人。シーボルトに師事。神田お玉が池種痘所設立に参加。幕府奥医師となり法印。
戸外
こがい [1][0] 【戸外】
家の外。屋外(オクガイ)。「―で遊ぶ」
戸外の
こがい【戸外の】
outdoor <life,exercise> ;→英和
open-air.〜で[に]in the open air;out of doors.
戸山ヶ原
とやまがはら 【戸山ヶ原】
東京都新宿区にあった原。旧陸軍が練兵場などに使用。現在は住宅・文教地区。
戸川
とがわ トガハ 【戸川】
姓氏の一。
戸川秋骨
とがわしゅうこつ トガハシウコツ 【戸川秋骨】
(1870-1939) 評論家・英文学者。熊本県生まれ。本名,明三。東大卒。1893年(明治26)島崎藤村らと「文学界」を創刊。のち慶大教授。翻訳家としても知られる。
戸帳
とちょう [0] 【斗帳・戸帳】
〔斗(マス)を伏せたような形をしているのでいう〕
(1)貴族の使う帳台の上からおおっている布。
(2)仏像などを安置した厨子(ズシ)などの上にかける覆い。金襴(キンラン)・錦など美しい布で作られる物が多い。
戸建て
こだて [0] 【戸建て】
(集合住宅に対して)一戸建ての住宅。戸建て住宅。
戸張
とばり 【戸張】
姓氏の一。
戸張孤雁
とばりこがん 【戸張孤雁】
(1882-1927) 彫刻家。東京生まれ。版画・水彩画をよくし,日本水彩画会・日本創作版画協会の創立に参加。代表作「虚無」
戸当たり
とあたり [2] 【戸当(た)り】
(1)扉を閉じた時,扉が行き過ぎないように方立(ホウダテ)または枠に取り付けた突出部。
(2)戸を開いた時,戸が壁などに当たらないようにする金具。ドアストッパー。
戸当り
とあたり [2] 【戸当(た)り】
(1)扉を閉じた時,扉が行き過ぎないように方立(ホウダテ)または枠に取り付けた突出部。
(2)戸を開いた時,戸が壁などに当たらないようにする金具。ドアストッパー。
戸惑い
とまどい [0][3] 【戸惑い】 (名)スル
(1)とまどうこと。「―を覚える」「何から云出さうと各(オノオノ)―するらしい/夢の女(荷風)」
(2)夜中に目を覚まして方角を失い,まごつくこと。ねぼけ。「小便に起きた所が,つい―をして/滑稽本・膝栗毛 2」
戸惑い
とまどい【戸惑い】
puzzlement.
戸惑う
とまど・う [3] 【戸惑う】 (動ワ五[ハ四])
〔「とまどい」を動詞化したものか〕
予想外の事に,どう対処していいかわからずにまごつく。「急に聞かれて―・う」
戸惑う
とまどう【戸惑う】
be puzzled[at a loss];get lost (道に).
戸戸
ここ [1] 【戸戸】
一軒一軒。家々。家ごと。
戸扉
こひ [1] 【戸扉】
戸や,とびら。また,入り口。
戸数
こすう【戸数】
the number of houses[families].
戸数
こすう [2] 【戸数】
家の数。
戸板
といた【戸板】
a door;→英和
a shutter.→英和
戸板
といた [0] 【戸板】
(1)雨戸として用いられる板。はずして人や物を運ぶ時に使う語。「負傷者を―で運ぶ」
(2)「戸板平目(ビラメ)」に同じ。
戸板平目
といたびらめ [4] 【戸板平目】
ヒラメの特に大きなもの。といた。
戸板返し
といたがえし [4] 【戸板返し】
(1)歌舞伎の仕掛け物の一。一枚の戸板の表裏に別々の衣装を取りつけておき,顔にあたる部分にあけた穴から俳優が顔のみを見せて早変わりするもの。四世鶴屋南北作「東海道四谷怪談」の隠亡堀(オンボウボリ)の場で用いられたものが最初という。
(2)(転じて)人の態度などが急変すること。
戸棚
とだな【戸棚】
a cupboard;→英和
a cabinet;→英和
a locker;→英和
a closet (押入れ).→英和
戸棚
とだな [0] 【戸棚】
三方を板などで囲い,中に棚を造って前面に戸を設けたもの。「造りつけの―」「食器―」
戸毎
こごと [2][0] 【戸毎】
一軒一軒の家。家ごと。
戸毎に
こごと【戸毎に】
at every door[house]; <visit> from door to door.
戸無瀬
となせ 【戸無瀬】
京都市右京区,嵐山の付近の地名。「戸無瀬の滝」や「戸無瀬川(大堰川)」は歌枕として有名。「おほゐ川散るもみぢ葉にうづもれて―の滝は音のみぞする/金葉(秋)」
戸田
とだ 【戸田】
埼玉県南部,荒川中流域北岸の市。近世,中山道の渡しが置かれた。住宅地・工場地化が進む。
戸田
とだ 【戸田】
姓氏の一。
戸田
こでん [0] 【戸田】
(1)家屋と田地。
(2)律令制で,郷戸の耕作田地。
戸田城聖
とだじょうせい 【戸田城聖】
(1900-1958) 宗教家。石川県生まれ。牧口常三郎に出会い,創価学会の前身である創価教育学会の旗上げに参加,理事長となる。学会の政治進出を理論化し,公明党の基盤をつくった。
戸田太子堂
とだたいしどう 【戸田太子堂】
⇒鶴林寺(カクリンジ)
戸田旭山
とだきょくざん 【戸田旭山】
(1696-1769) 江戸中期の医者・本草家。備前国の人。名は斎(イツキ)。自宅に薬草園をつくり薬物会を開く。著「非薬選」「文会録」など。
戸田流
とだりゅう 【戸田流】
(1)剣・小太刀・居合術などの一派。祖は天正(1573-1592)の頃の人戸田清玄吉方。
(2)薙刀(ナギナタ)術の一派。沼田藩にて戸田派武甲流の薙刀術をいう。
(3)捕手(トリテ)・鎖・縄術などの一派。祖は戸田越後守高興。
戸田芝
とだしば [0] 【戸田芝】
イネ科の多年草。日当たりのよい草原や荒地に自生。根生葉は線形。夏から秋にかけ,高さ80センチメートル内外の花茎を立て,淡緑色または紫色を帯びた小穂を円錐状につける。バレンシバ。
戸田茂睡
とだもすい 【戸田茂睡】
(1629-1706) 江戸前期の歌人・歌学者。駿河の人。名は恭光(ヤスミツ)。通称,茂右衛門。号,梨本(ナシノモト)。古今伝授や制禁の詞を認めず,二条家歌学を攻撃,近世革新派の先駆となる。著「梨本集」「僻言調(ヒガゴトシラベ)」「紫の一本」など。
戸田貞三
とだていぞう 【戸田貞三】
(1887-1955) 社会学者。兵庫県生まれ。東大教授。実証的学風の確立につとめ,家族構造とその機能を分析した「家族構成」を著した。
戸畑
とばた 【戸畑】
福岡県北九州市の区の一。洞海湾に面する工業港湾地区。筑豊炭田の石炭積出港として発展,またトロール船の基地。
戸立て
とだて [0] 【戸立て】
(1)戸を立てること。戸をしめること。
(2)和船の艫(トモ)の傾斜板。戸立て板。
戸籍
こせき【戸籍】
the (village,town,city) register.〜に入れる have a person's name entered in one's family register.‖戸籍係 a registrar.戸籍謄(抄)本 a copy (an abstract) of one's family register.
戸籍
こせき [0] 【戸籍】
(1)個人の家族的身分関係を明確にするため,夫婦とその未婚の子とを単位として,氏名・生年月日・続柄などを記載した公文書。本籍地の市町村に置かれる。旧制では,家を中心とした身分関係を明確にするため,戸主および一家を構成する家族で編成された。
(2)律令制下,班田収授や氏姓決定などのため,戸主・戸口・奴婢(ヌヒ)の氏姓名・性別・年齢や課不課の別,受田額などを記載したもの。六年に一度の作成が原則だが平安中期には廃(スタ)れた。庚午年籍(コウゴネンジヤク)など。
戸籍原本
こせきげんぽん [4] 【戸籍原本】
戸籍事務を取り扱う市区町村長が,最初に作成した戸籍。
戸籍抄本
こせきしょうほん [4] 【戸籍抄本】
戸籍の記載のうち,請求者の指定した一部を転写した証明文書。
戸籍法
こせきほう 【戸籍法】
戸籍制度を規律する法律。現行戸籍法は1947年(昭和22)制定。民法改正に伴う家の廃止により,従来のものを根本的に改めたもの。
戸籍筆頭者
こせきひっとうしゃ [6] 【戸籍筆頭者】
各戸籍の最初に記載されている人。民法旧規定の戸主とは異なり,法律的な権利関係を意味するものではない。原則として,婚姻の際に氏を変えなかった側の者をいい,その多くは男性である。
戸籍簿
こせきぼ [3] 【戸籍簿】
同一市町村内の戸籍を地番順および戸籍筆頭者の氏の五十音順に綴(ツヅ)った帳簿。
戸籍謄本
こせきとうほん [4] 【戸籍謄本】
一戸籍の記載の全部を転写した証明文書。
戸締まり
とじまり [2] 【戸締(ま)り】 (名)スル
出入り口の戸や窓などを締め,鍵をかけたりなどして,外から入れないようにすること。「―を厳重にする」「―して出かける」
戸締め
とじめ [0] 【戸締め】
(1)戸を締めること。戸が締めてあること。
(2)江戸時代,庶民に科せられた刑の一。家の戸を締めて釘付けし,中で謹慎させる。押し込め。釘付け。
戸締り
とじまり [2] 【戸締(ま)り】 (名)スル
出入り口の戸や窓などを締め,鍵をかけたりなどして,外から入れないようにすること。「―を厳重にする」「―して出かける」
戸締りをする
とじまり【戸締りをする】
lock[bolt,fasten]the doors.
戸袋
とぶくろ【戸袋】
a door case.
戸袋
とぶくろ [2][0] 【戸袋】
開けた雨戸を引き入れるために敷居の端に設けた収納部分。
戸襖
とぶすま [2] 【戸襖】
紙または布を張って襖のようにした板戸。
戸走り
とばしり [2][4] 【戸走り】
〔塗れば戸がよく滑ることから〕
虫白蝋(イボタロウ)の別名。
戸車
とぐるま [2] 【戸車】
戸の上または下に取り付けて,滑らかに動くようにする小さな車。滑り車。
戸車
とぐるま【戸車】
a roller.→英和
戸辷り
とすべり [2] 【戸辷り】
虫白蝋(イボタロウ)の異名。
戸部
こほう 【戸部】
〔「ほう」は漢音〕
民部省の唐名。こぶ。「―の家をば出されたり/折たく柴の記」
戸部
こぶ [1] 【戸部】
(1)昔の中国の官庁の名。六部の一。隋代より清代まで土地・戸口・税務・財政などをつかさどった。
(2)民部省の唐名。こほう。
戸部尚書
こぶしょうしょ [3] 【戸部尚書】
民部卿(ミンブキヨウ)の唐名。
戸長
こちょう [1] 【戸長】
1872年(明治5)大区・小区制による地方制度改革で,小区ごとに置かれた役人。従来の庄屋・名主から選ばれ,一般行政事務を扱った。89年市町村制施行により町・村長と改称。
戸閉蜘蛛
とたてぐも [4] 【戸閉蜘蛛】
トタテグモ科とカネコトタテグモ科に属するクモの総称。体長15ミリメートル内外。地面に穴を掘って円筒状の巣を造り,入り口に扉をつける。夜,巣から出て昆虫などを食う。カネコトタテグモ科は日本と北アメリカだけに分布。
戸閾
とじきみ [2] 【戸閾】
(1)「閾(シキミ)」に同じ。
(2)牛車(ギツシヤ)の部分の名。車の前の口に渡した横木。
戸隙
こげき [0] 【戸隙】
戸のすき間。
戸障子
としょうじ [2] 【戸障子】
戸と障子。
戸隠
とがくし 【戸隠】
長野県北部,戸隠山麓にある地名。天手力男命(アマノタヂカラオノミコト)が投げた天岩戸の落ちた所という。
戸隠升麻
とがくししょうま [5] 【戸隠升麻】
メギ科の多年草。日本特産で中部地方の林中に生える。高さ約30センチメートル。葉は三出複葉で茎頂に二個対生する。六月頃茎頂の花柄に淡紫色の花を下向きにつける。萼片(ガクヘン)は六個,花弁は小さい。戸隠山中で最初に発見された。戸隠草。
戸隠山
とがくしやま 【戸隠山】
長野県北部,戸隠村にある山。海抜1904メートル。全山凝灰岩質集塊岩からなり,鋸(ノコギリ)状の崖が連なる。古来,山伏の修験道場。
戸隠神社
とがくしじんじゃ 【戸隠神社】
長野県戸隠にある神社。祭神は天手力男命(アマノタヂカラオノミコト)。中世には修験者の道場として栄えた。
戸頭
ことう [0] 【戸頭】
律令制で,一戸の長。戸主(コシユ)。
戻し
もどし [3] 【戻し】
戻すこと。「金の―が遅い」
戻し交雑
もどしこうざつ [4] 【戻し交雑】
雑種第一代(F�)を,その両親のいずれか,またはそれと同じ遺伝子型をもつ個体と交配すること。F� の遺伝子構成の検定や育種に利用する。戻し交配。
戻し税
もどしぜい [3] 【戻し税】
(1)関税納付済みの輸入貨物が一定の要件を充たした場合に,納付済みの関税の全部または一部を戻すこと。
(2)減税の一方式。過去の年度に徴収した所得税の一部を納税者に返すこと。特別立法により行われる。戻し減税。
戻す
もど・す [2] 【戻す】 (動サ五[四])
(1)以前あった場所などに移す。返す。「本を棚に―・す」「話を教育の問題に―・そう」
(2)以前の状態にする。「計画を白紙に―・す」「別れた夫とよりを―・す」「(水ニ浸シテ)ワカメを―・す」
(3)進んだのと反対の方向へ動かす。「時計の針を―・す」
(4)食べたり飲んだりした物を吐き出す。嘔吐(オウト)する。「乗物に酔って―・してしまった」
(5)(「値をもどす」などの形で)下がった相場が以前の値段水準を回復する。
[可能] もどせる
戻す
もどす【戻す】
[返す]return;→英和
put back (もとの所に);send back (送り返す);[後へさげる]put[turn]back;[吐く]throw up;vomit.→英和
戻らかす
もとらか・す 【戻らかす】 (動サ四)
ゆがめる。まげる。「ヒジヲ―・ス/ヘボン(三版)」[温故知新書]
戻り
もどり [3] 【戻り】
(1)もどること。家へ帰り着くこと。「今夜は主人の―が遅い」
(2)帰り道。帰路。「行きは辛かったが―は楽だ」「―の車を拾う」
(3)浄瑠璃・歌舞伎の演出・演技の一形式。悪人がある動機で善人に立ち戻ったり,悪をよそおっていたものが本性の善心をあらわすことをいう。「義経千本桜」のいがみの権太など。
戻り
もどり【戻り】
⇒帰り.戻り道 the way back[home].
戻り手形
もどりてがた [4] 【戻り手形】
手形の遡求(ソキユウ)権者が遡求のため遡求義務者を支払人として一覧払いで振り出す新手形。逆手形。
戻り掛け
もどりがけ [0] 【戻り掛け】
「帰り掛け」に同じ。
戻り梅雨
もどりづゆ [3] 【戻り梅雨】
梅雨が明けたあとに,再び訪れる梅雨と同じような気象状態。返り梅雨。
→走り梅雨
→残り梅雨
戻り船
もどりぶね [4] 【戻り船】
帰り船。
戻り足
もどりあし [3] 【戻り足】
(1)帰り道の足。帰路。
(2)取引で,下がっていた相場が再び上がろうとする動き。「―が早い」
戻り車
もどりぐるま [4] 【戻り車】
客や荷物を乗せて送った帰り道の車。
戻り道
もどりみち [3] 【戻り道】
帰り道。
戻り馬
もどりうま [3] 【戻り馬】
荷物や客を運んで行った帰り道の馬。帰り馬。
戻り駕籠
もどりかご [3] 【戻り駕籠】
(1)客を乗せて送った帰りの駕籠。
(2)歌舞伎舞踊(別項参照)。
戻る
もどる【戻る】
(1) ⇒帰る.
(2)[引き返す]turn back.
戻る
もど・る [2] 【戻る】 (動ラ五[四])
(1)ある場所から離れて,再びもとの場所に帰り着く。また,もとの場所の方向へ引き返す。帰る。「家に―・る」「行きつ―・りつする」「いま来た道を―・る」「自分の席に―・りなさい」
(2)持ち主や本来あった場所に返される。「財布が―・った」「貸した本がやっと―・ってきた」
(3)以前の状態に再びなる。旧に復する。「村に平和が―・った」「意識が―・る」
[可能] もどれる
戻ろかす
もとろか・す 【戻ろかす】 (動サ四)
「戻(モト)らかす」に同じ。「己が口を―・して音(コエ)を訛(ヨコナマ)りて/霊異記(上訓)」
戻入
れいにゅう [0] 【戻入】 (名)スル
いったん支出した歳出を何らかの理由でもとの歳出予算の科目に戻し入れること。戻し入れ。
戻換
れいかん [0] 【戻換】
〔論〕
⇒逆換(ギヤツカン)
戻橋
もどりばし 【戻橋】
歌舞伎舞踊の一。常磐津。新古演劇十種の一。本名題「戻橋恋の角文字(ツノモジ)」。河竹黙阿弥作詞。1890年(明治23)東京歌舞伎座初演。渡辺綱が鬼女の片腕を切り落としたという伝説を脚色したもの。
戻道
れいどう 【戻道】 (名・形動ナリ)
道理にはずれる・こと(さま)。「自らもてまうで来ぬ下部(シモメ)はいと―なり/枕草子(一三六・能因本)」
戻駕
もどりかご 【戻駕】
歌舞伎舞踊の一。常磐津。本名題「戻駕色相肩(イロニアイカタ)」。1788年江戸中村座初演。駕籠かき,実は石川五右衛門と真柴久吉とが,客の禿(カムロ)を相手に郭(クルワ)話を踊ったのち,見現しとなる。常磐津三名曲の一。
房
ふさ [2] 【総・房】
(1)多くの糸をたばね,その先端を散らして垂らしたもの。「紐(ヒモ)の―」
(2)花や実などの,多く集まって,枝から垂れ下がっているもの。「ブドウの―」
(3)ミカンなどの果実の中身の袋の一つ一つ。
房
ふさ【房】
a tuft <of hair> ;→英和
a tassel (かざりの);→英和
a fringe (縁の);→英和
a bunch <of grapes> (果実の).→英和
〜のついた tasseled;fringed.
房
ぼう バウ [1] 【房】
(1)小部屋。つぼね。「草の御蓆も此の―にこそまうけ侍るべけれ/源氏(若紫)」
(2)僧の住んでいる所。また,僧。「或る―には経典を読誦する比丘有り/今昔 4」「すぐれたる御―ぞかし/大鏡(昔物語)」
(3)二十八宿の一。東方の星宿。蠍座(サソリザ)の前半部に当たる。房宿。そいぼし。
房中
ぼうちゅう バウ― [1][0] 【房中】
(1)部屋の中。室内。房内。
(2)閨房の中。閨中。
房事
ぼうじ バウ― [1] 【房事】
閨房の中で行う行為。男女の交合。ねやごと。「―過多」
房事
ぼうじ【房事】
sexual intercourse.
房内
ぼうない バウ― [1] 【房内】
(1)部屋の中。
(2)閨房の中。また,そこでのいとなみ。「―過度/庭訓往来」
房室
ぼうしつ バウ― [0] 【房室】
(1)へや。室。
(2)門跡家で,僧房の事務を執る者。坊官。
(3)夫婦の寝室。また,寝室でのいとなみ。房事。「終夜(ヨモスガラ)寝ずして大酒を好み,且―を繁くす/評判記・色道大鏡」
(4)植物の子房の内腔。胞。室。
(5)心臓の心房と心室をあわせていう語。
房室弁
ぼうしつべん バウ― [4] 【房室弁】
心臓弁膜の一。心房と心室の間にあり,心室から心房への血液の逆流を防いでいる。
→三尖(サンセン)弁
→僧帽(ソウボウ)弁
房室結節
ぼうしつけっせつ バウ― [5] 【房室結節】
右心房の,心室との境界で三尖弁のつけ根にある心筋細胞の塊。洞房結節から心房へ伝わった興奮を心室全体に伝える最初の部分。自動性もあり,第二のペースメーカーとなり得る。
房屋
ぼうおく バウヲク [0] 【房屋】
家。家屋。
房州
ぼうしゅう バウシウ 【房州】
安房(アワ)国の別名。
房州石
ぼうしゅういし バウシウ― [3] 【房州石】
千葉県君津郡・安房郡から産する凝灰岩。白色で耐久性に乏しい。石垣などに用いる。
房州砂
ぼうしゅうずな バウシウ― [3] 【房州砂】
千葉県館山市北条付近から産する磨き砂。器具の研磨,玄米の精白,塗料材などとして用いる。
房戸
ぼうこ バウ― [1] 【房戸】
715年,郷里制の施行とともに,それまでの郷戸(ゴウコ)のもとに設定された,さらに小規模な戸。740年頃,郷里制とともに廃止され旧に復した。
房房
ふさふさ [2][1] 【総総・房房】 (副)スル
ふさのように多く集まって垂れ下がっているさま。「―(と)した髪」「―と絡(マト)つた緋の花纐纈(ハナシボリ)の帯揚は/多情多恨(紅葉)」
房星
そいぼし ソヒ― [0] 【添(い)星・房星】
二十八宿の房(ボウ)宿の和名。蝎(サソリ)座の頭部の四星より成る。
房杜
ぼうと バウ― 【房杜】
(1)房玄齢と杜如晦(トジヨカイ)。ともに唐の太宗の貞観(ジヨウガン)の治を担った名宰相。
(2)名宰相のこと。
房水
ぼうすい バウ― [0] 【房水】
目の角膜の後ろと虹彩の間のレンズ形の空間,虹彩の後ろと水晶体との間を満たす液。水晶体などへの栄養補給を行う。房水の生産が増えたり,排出障害がおきると眼圧が高まり,緑内障をおこす。
房玄齢
ぼうげんれい バウ― 【房玄齢】
(578-648) 中国,唐初の政治家。字(アザナ)は喬。山東の人。太宗に仕え唐朝創立に努め,杜如晦(トジヨカイ)らとともに宰相として貞観(ジヨウガン)の治を現出させた。房杜と併称される。「晋書」の撰者。
房総
ぼうそう バウ― 【房総】
安房(アワ)と上総(カズサ)と下総(シモウサ)の総称。特に安房と上総。
房総半島
ぼうそうはんとう バウ―タウ 【房総半島】
関東地方の東南部,太平洋に突出する半島。千葉県の大部分を占める。洲崎を境に西部の東京湾側を内房,東部の太平洋側を外房という。
房舎
ぼうしゃ バウ― [1] 【房舎】
へやと家。また,家屋。
房藻
ふさも [2] 【房藻】
アリノトウグサ科の多年生水草。茎の下部は地下茎として泥中にあり,長く伸びて分枝する。葉は四個ずつ輪生し,糸状の裂片に羽裂。夏,水上に花穂を立てて,白色の小四弁花を多数つける。キツネノオ。
所
ところ【所】
[場所]a place;→英和
a spot;→英和
a district (地方);→英和
[余地]room;→英和
space;→英和
[住所]one's house[address]; <stay> with a person[in a person's];→英和
[点]a <good> point;→英和
<There is> something <attractive> about one;[部分]a part;→英和
a <difficult> passage.→英和
〜[当]を得る(得ない) be in (out of) place.〜をわきまえない disregard the occasion.→英和
〜もあろうに of all places[occasions].〜嫌[構]わず everywhere;→英和
all over;indiscriminately.→英和
今(まで)の〜 at present (so far).この〜 lately;→英和
recently;these days.‖所変われば品変わる So many countries,so many customs.所により雨[天気予報で] <fine with> scattered showers.
所
しょ 【所】 (接尾)
助数詞。
(1)場所を数えるのに用いる。「西国三十三―」「六―遠流」
(2)神や貴人を数えるのに用いる。「姫宮一―/平家 6」
所
と 【所・処】
ところ。「隈所(クマト)」など複合した形でみられる。「ふしど(臥所)」「ねど(寝所)」のように「ど」ともなる。
所
ところ [0] 【所・処】
□一□空間的な位置・場所。
(1)ある地点。また,そのあたり。「遠い―から来た」「町を出た―に橋がある」「時と―を考える」「窓の―に立つ」
(2)ある地域。地方。「―変われば品変わる」
(3)住んでいる場所。住所。居所。「―番地」「書類に―と名前を書き込む」「―払い」
(4)家庭・会社・地域など,所属している社会。「兄の―は五人家族だ」「あなたの―では何人社員がいますか」「私の―ではまだそんな風習が残っている」
(5)ある箇所。部分。「口の上の―に吹き出物ができる」
(6)その者が所有している領地。「―には地頭強して,領家は弱く/太平記 1」
(7)都から離れたいなか。在所。「かの人々を待ちて―の名所をも尋ねばや/謡曲・求塚」
(8)「蔵人(クロウド)所」「武者所」の略。
□二□抽象的な事柄についての位置や場面など。
(1)ふさわしい部署・地位。「―を得た人事配置」
(2)時間の流れの中のある部分を漠然とさす。場面。段階。「今の―は心配がない」「今日の―はこの程度にしておきます」「すんでの―で助かる」
(3)連体修飾語を受けて用いる。
(ア)ちょうど何かをしようとする,あるいは,何かをしたばかりの場面・状況であることを表す。ちょうどその時。ほかならぬその時点。「出かけようとする―に来客があった」「もうすぐ式が始まる―だ」「今し方外出した―だ」
(イ)特定の状況における事態を表す。場合。「彼女が一人で歩いている―を見たことがある」「普通の人間なら当然おこり出す―だ」
(ウ)抽象的な箇所を表す。点。部分。「彼には人をひきつける―がある」「小説のおもしろい―だけ話す」
(エ)そこに示されている内容のことであることを表す。…すること。…であること。「自分の信ずる―を述べる」「聞く―によると」
(4)数量を表す語に「が」を介して付いて,そのぐらいの程度であることを表す。くらい。「千円が―損をした」
□三□(形式名詞)
(1)〔漢文の「為 A 所 B 」を「 A の B するところとなる」と訓読したことから〕
状態。成り行き。「人の知る―となった」
(2)〔漢文訓読で連体修飾の「所」を直訳したことから生じた用法。近代では西洋語の関係代名詞の翻訳にも用いられるようになった〕
用言に付き,「…ところの」の形で,連体修飾語をつくる。「彼のめざす―の理想」「私が愛する―の家族」
□四□(「どころ」の形で)
(1)動詞の連用形の下に付いて,それをするのにふさわしい部分・場所を表す。「見―」「つかみ―がない」
(2)名詞の下に付いて,それがたくさんとれるところを表す。「米―」「茶―」
(3)名詞・形容動詞の語幹の下に付いて,それに該当する人たちの意を表す。「きれい―」「社の幹部―が集まった」
(4)名詞の下に付いて,それを扱う場所・役所を表す。「台盤―」「御息(ミヤスン)―」「大歌―」「蔵人(クロウド)―」
→ところが
→ところで
→ところに
→ところへ
→ところを
所
とこ [2][0] 【所】
「ところ」の略。俗語的な言い方。「今着いた―だ」「そこん―をもう一ぺん聞かしてくれ」「草津よい―一度はおいで」「千円が―(=千円ホド)損をした」
所々
ところどころ【所々】
in some[several]places;here and there.
所の人
ところのひと 【所の人】
その土地の人。所の者。「―にたづねばやと存ずる/狂言・通円(虎寛本)」
所の物
ところのもの 【所の物】
その土地の産物。
所の衆
ところのしゅう 【所の衆】
蔵人(クロウド)所に属して雑事を行うもの。六位のものが補せられた。
所へ
ところへ 【所へ】 (連語)
〔形式名詞「ところ」に格助詞「へ」の付いたもの〕
(「…たところへ」「…ているところへ」などの形で接続助詞的に用いて)一つの事態が起こったとき,あるいは,起こっているちょうどその時,他の事態がさらに生じることを表すのに用いる。「家を出た―,雨が降ってきた」「寝ようとしている―,電話がかかってきた」
所与
しょよ [1] 【所与】
(1)与えられること。与えられるもの。「―の条件」
(2)〔哲〕
(ア)考察の出発点として,そのまま認められる確実な知識や事実。与件。
(イ)与えられたままで,思考によって加工されていない直接的な意識内容。感覚所与。センス-データ。
所以
ゆえん ユヱン [0] 【所以】
〔漢文訓読語である「ゆえになり」の転「ゆえんなり」から生じた語かという〕
いわれ。わけ。理由。「彼を不世出の作家とする―はここにある」
所以である
ゆえん【所以である】
This is (the reason) why….
所伝
しょでん [0] 【所伝】
伝えられてきたこと。伝えられてきたもの。「代々―の宝物」
所体
しょたい 【所体】
⇒しょてい(所体)
所体
しょてい [0] 【所体】
なりふり。身なり。体裁。しょたい。
所作
しょさ【所作】
[振舞]conduct;→英和
behavior;→英和
acting (芝居の).→英和
所作事 a dance-play.
所作
しょさ [1] 【所作】
(1)〔仏〕 身・口・意の三つのはたらきが現れること。
(2)なすこと。おこない。古くは,読経・礼拝などをいう。「毎日の―として怠ることなし/今昔 17」
(3)仕事。生業。「遅々たる春の日も―足らねば時を失ひ/謡曲・善知鳥」
(4)その場に応じた身のこなし。しぐさ。また,演技。「同じ―を繰り返す」
(5)「所作事」の略。
所作事
しょさごと [0][2] 【所作事】
歌舞伎の舞踊または舞踊劇。狭義には,長唄を伴奏とする舞踊。振り事。
所作繰る
しょさく・る 【所作繰る】 (動ラ四)
ある動作や仕事をする。特に,念仏や読経(ドキヨウ)をする。「つぎの一間によすがら―・りて何こころなく気縮まり/浮世草子・懐硯 3」
所作舞台
しょさぶたい [3] 【所作舞台】
歌舞伎で舞踊劇などを演ずる際,足拍子の響きをよくしたり滑りをよくしたりするために,舞台・花道に敷きつめる低い檜(ヒノキ)の台。置き舞台。所作台。所作板(イタ)。
所依
しょえ [1] 【所依】
〔仏〕 頼るところ。よりどころ。宗派・教義の根拠。「―の経典」
所信
しょしん【所信】
one's belief[conviction];one's opinions[views].〜を述べる express one's opinions[convictions,belief].
所信
しょしん [0] 【所信】
信じている事柄。信ずるところ。「―を表明する」
所内
しょない [1] 【所内】
営業所・研究所・発電所など,「所」という名のついた組織や役所の中。
所出
しょしゅつ [0] 【所出】
(1)生まれたところ。生まれ。
(2)物事の出どころ。
(3)差し出すこと。また,差し出した物。「農商の―は五分の一を減じて/文明論之概略(諭吉)」
所労
しょろう [0] 【所労】
病気。わずらい。また,つかれ。「当直の日であつたのを,―を以て辞した/渋江抽斎(鴎外)」
所動
しょどう [0] 【所動】
他から働きかけられること。受動。
⇔能動
「ただ―的,器械的の人物になりて/舞姫(鴎外)」
所務
しょむ [1] 【所務】
(1)つとめとする事柄。つとめ。やくめ。
(2)中世,荘官などの職務。また,それに伴う得分。荘務。
所務沙汰
しょむさた 【所務沙汰】
鎌倉時代の訴訟のうち,所領に関する訴訟の裁判。
→検断沙汰
→雑務沙汰
所務高
しょむだか 【所務高】
領主の得分。特に近世,領主の年貢取米高。
所化
しょけ [0] 【所化】
(1)〔仏〕
(ア)教化(キヨウケ)されること。
(イ)教化される者。衆生(シユジヨウ)。人々。
(ウ)僧侶の弟子。修行僧。
⇔能化(ノウゲ)
(2)化け物。変化(ヘンゲ)。「狐狸の―かと暫しがほどこそ紛ひつれ/浄瑠璃・井筒業平」
所収
しょしゅう [0] 【所収】
おさめられていること。ある論文や作品が,書物・全集などにおさめられていること。
所司
しょし [1] 【所司】
(1)官庁の役人。また,役所。
(2)鎌倉時代,侍所・小侍所の次官。
(3)室町時代,侍所・小侍所の長官。
(4)〔仏〕
(ア)僧侶の職名。上座・寺主・都維那(ツイナ)の三綱の称。
(イ)寺務をつかさどる役僧。
(5)貴族の家の雑務をつかさどる人。
所司代
しょしだい [2][0] 【所司代】
(1)室町時代,侍所の所司の代官。応仁の乱後,実質的に京都を支配した要職。
(2)「京都所司代」に同じ。
所員
しょいん [1][0] 【所員】
出張所・研究所など「所」と名の付く組織に所属している人。
所在
しょざい【所在】
one's whereabouts;the position[location](位置).→英和
〜をくらます hide oneself;disappear.→英和
〜不明である be missing.‖所在地 the seat <of> .
所在
しょざい [0] 【所在】 (名)スル
(1)物や人が存在すること。存在する場所。ありか。「―をつきとめる」「どこにも―しない」「―地」
(2)すること。しわざ。行為。「此様な―をするも,どうぞして金をこしらへ/歌舞伎・韓人漢文」
(3)身分。職業。境遇。「―こそ出女なれ/浄瑠璃・丹波与作(中)」
所在ない
しょざいない【所在ない】
have nothing to do;be bored.
所在地
しょざいち [2] 【所在地】
建物の存在する場所。「県庁―」「会社の―」
所在地法
しょざいちほう [0] 【所在地法】
物の存在する場所の法律。国際私法上,物権関係の準拠法となる。
所在無い
しょざいな・い [4] 【所在無い】 (形)[文]ク しよざいな・し
手持ちぶさたである。することがなく退屈だ。所在が無い。「―・いままに新聞を読み返す」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
所変
しょへん [0] 【所変】
神仏が姿を変えてこの世に現れること。姿を変えて現れた神仏。化現(ケゲン)。
所天
しょてん [1][0] 【所天】
あがめ敬うべき人。人民にとっての君主,妻にとっての夫,子にとっての父など。
所存
しょぞん [0] 【所存】
心に思っていること。考え。意見。「御―を伺いたい」「厳守する―です」
所存
しょぞん【所存】
one's opinion.⇒考え.
所存の外
しょぞんのほか 【所存の外】
思っていたこととは違うこと。意外であること。また,遺憾であること。「卒爾の見参こそ,―なれ/曾我 4」
所学
しょがく [1] 【所学】
学問すること。学問。また学ぶところ。「我が―多年の功をつめり/正法眼蔵随聞記」
所定
しょてい [0] 【所定】
定められていること。「―の手続き」
所定の
しょてい【所定の】
fixed;→英和
prescribed.
所定内賃金
しょていないちんぎん [6] 【所定内賃金】
労働協約などで定められている所定労働時間の対価として支払われる賃金。普通,基本給と諸手当からなる。
所定外賃金
しょていがいちんぎん [6] 【所定外賃金】
労働協約などで定められている所定労働時間以外の労働時間に対して支払われる賃金。時間外・休日労働に対する賃金。
所宛
ところあて 【所宛】
平安・鎌倉時代,諸寮・諸司・諸所などの行事の主宰者を任命すること。
所属
しょぞく [0] 【所属】 (名)スル
団体・機関などに一員として加わっていること。「政党に―する」
所属の
しょぞく【所属の】
belonging[attached] <to> .〜する belong[be attached] <to> .→英和
〜させる attach;→英和
assign.→英和
所帯
しょたい [2][1] 【所帯・世帯】
(1)一家を構え独立の生計を営むこと。またその生活。せたい。
(2)家庭での暮らし。暮らし向き。「―のやりくり」
(3)住居および生計を一つにして営まれている生活体。せたい。「―数」「男―」「大―」
(4)もっている財産や得ている地位。身代。「竹沢が―を没収して,その身を追ひ出されけり/太平記 33」
所帯
しょたい【所帯】
a household;→英和
a home.→英和
〜の苦労 domestic cares.〜じみる be domesticated.〜やつれする be worn out with the cares of housekeeping.〜を持つ keep[set up]house.‖所帯道具 household necessaries.所帯主 a householder;the head of a household.男所帯 a bachelor's home.
所帯主
しょたいぬし [2] 【所帯主・世帯主】
所帯の長。せたいぬし。
所帯向き
しょたいむき [0] 【所帯向き】
(1)所帯の切り回しに適していること。「地味に―に出来上つた人/吾輩は猫である(漱石)」
(2)所帯に関する方面。
所帯崩し
しょたいくずし [4] 【所帯崩し】
所帯を持って,のち,別れること。また,その人。
所帯崩れ
しょたいくずれ [4] 【所帯崩れ】
新婦が所帯じみて,結婚当初の初々しさを失うこと。
所帯持
しょたいもち [2][5] 【所帯持(ち)】
(1)一家を構えて生活している人。
(2)所帯のやりくり。「―のいい女」
所帯持ち
しょたいもち [2][5] 【所帯持(ち)】
(1)一家を構えて生活している人。
(2)所帯のやりくり。「―のいい女」
所帯持ち
しょたいもち【所帯持ち】
a family man.〜が良い be a good housekeeper.〜の良(悪)い女 a good (bad) housewife.
所帯染みる
しょたいじ・みる [5] 【所帯染みる】 (動マ上一)
言動に所帯の苦労がにじんでいる。「―・みたことをいう」
所帯窶れ
しょたいやつれ [4] 【所帯窶れ】 (名)スル
生活の苦労のために,やつれること。女性についていうことが多い。
所帯道具
しょたいどうぐ [4] 【所帯道具】
一家が暮らしていくのに必要な道具。家具・台所道具など。
所当
しょとう 【所当】
(1)中世,官または領主に納付する物品や雑役。「年貢―」
(2)相応すること。相当すること。「―の罪科おこなはれん上は/平家 2」
所役
しょやく [1] 【所役】
(1)役目。職掌。
(2)中世,田租以外の雑税。
所従
しょじゅう [0] 【所従】
(1)従うこと。「其の―の大臣の類幾(イクバク)ぞ/今昔 3」
(2)家来。従者。「子息―朝恩にほこれり/平家 1」
(3)中世,特定の主に隷属して使われた身分。また,その人。下人。
所得
しょとく [0] 【所得】
(1)
(ア)一定期間に,個人・企業などの経済主体が勤労・事業・資産などによって得た収入から,それを得るのに要した経費を差し引いた残りの純収入。「―の源泉」
(イ)一定期間における財産の増加分から減少分を差し引いた残りの純増加分。「国民―」
(2)収入。利益。
(3)得ること。会得(エトク)すること。「いかに況んや,人として説の如く修行せむ―の功徳をや/今昔 14」
所得
しょとく【所得】
(an) income;→英和
earnings.‖所得税 income tax.所得政策 the incomes policy.勤労(不労)所得 (un)earned income.
所得
しょうとく 【所得】 (名)スル
得をすること。もうけること。「玉のぬしの男,―したりと思ひけるに/宇治拾遺 14」
所得保障
しょとくほしょう [4] 【所得保障】
所得の喪失・不足に対する,現金給付による社会保障。所得維持。
所得倍増計画
しょとくばいぞうけいかく [8] 【所得倍増計画】
1960年(昭和35)に池田内閣のもとで策定された長期経済計画。61年度からの10年間に実質国民所得を倍増する目標であったが,現実の日本経済はこれ以上の率で成長した。国民所得倍増計画。
所得再分配政策
しょとくさいぶんぱいせいさく [10] 【所得再分配政策】
市場に委ねておいたのでは所得分配の不平等が起こるので,これを是正するために,政府が累進税などの財政手段を用いて,低所得者に所得移転を行う政策。
所得分配
しょとくぶんぱい [4] 【所得分配】
生産活動によって生み出された国民所得が,それにかかわった経済主体の間にどのように配られるかをいう。
所得効果
しょとくこうか [4] 【所得効果】
ある商品の価格が低下すると,実質所得が増え,その商品の購入力が高まること。また,価格は不変でも,所得が増加(低下)すると,価格の低下(増加)時と同じように消費が増加(減少)すること。
→代替効果
所得弾力性
しょとくだんりょくせい [0] 【所得弾力性】
個人所得または国民所得が1パーセント増大したとき,他の経済数量がそれに対応して何パーセント変化するかを表す比率の総称。需要の所得弾力性,輸入の所得弾力性,雇用の所得弾力性など。狭義には需要の所得弾力性をさす。所得弾性値。
→弾力性
所得弾性値
しょとくだんせいち [6] 【所得弾性値】
⇒所得弾力性(シヨトクダンリヨクセイ)
所得控除
しょとくこうじょ [4] 【所得控除】
所得税額の計算に際し,総所得金額・退職所得金額・山林所得金額からある金額を差し引くこと。所得税法上,基礎控除・医療費控除・社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除などがある。
所得政策
しょとくせいさく [4] 【所得政策】
物価の安定と経済成長を両立させるために,賃金上昇率などを調整する政策。
所得税
しょとくぜい [3] 【所得税】
個人の所得に対して課せられる国税。広義には,法人税を含めていう場合がある。
所得速度
しょとくそくど [4] 【所得速度】
貨幣は取引の度に経済主体の間を移動するが,このうち国民所得の形成にかかわる取引のみについて,貨幣総量が年間に平均何回移動したかを表す回転率。名目国民所得を貨幣総量で割ったもので示される。この逆数がマーシャルの �。貨幣の所得速度。
所得顔
ところえがお [4] 【所得顔】
所を得て満足そうなさま。得意顔。したりがお。
所得顔に
ところえがお【所得顔に】
with a triumphant look;triumphantly.→英和
所志
しょし [1] 【所志】
こうしようと心に思っている点。こころざしているところ。「―に違(タガ)う結果」
所念
しょねん [1][0] 【所念】
心に思いこんでいる事柄。所思。
所思
しょし [1] 【所思】
思っていること。思うところ。
所感
しょかん【所感(を述べる)】
(give) one's impressions <of> ;(express) one's opinions.
所感
しょかん [0] 【所感】
(1)心に感じたこと。感想。所懐。「―を述べる」
(2)手に入れること。「知行ヲ下サレタレドモ未ダ―イタサヌ/日葡」
(3)〔仏〕 過去の行為が結果を生ずること。また,その結果。
所懐
しょかい [0] 【所懐】
心に思うこと。思い。「いささか―を述べる」
所懐
しょかい【所懐】
<express> one's opinions[thoughts].
所所
しょしょ [1] 【所所・処処】
ところどころ。あちこち。「―の寺社をめぐる」「―方々」「―に農家が点在する」
所所
ところどころ [4] 【所所】
(1)あちこち。ここかしこ。「―にベンチが置いてある」「―まちがっている」
(2)「人々」の尊敬語。かたがた。「―ながめ給ふらむかしと,思ひやり給ふにつけても/源氏(須磨)」
所払い
ところばらい [4] 【所払い】
江戸時代,庶民に科せられた刑罰の一。その居住地より追い払われたこと。所構え。
所拠
しょきょ [1] 【所拠】
よりどころとすること。根拠。「―本文」
所持
しょじ【所持】
possession.→英和
〜する possess;→英和
have;→英和
be in possession <of> ;own.→英和
‖所持金 money in hand.所持品 one's belongings.
所持
しょじ [1] 【所持】 (名)スル
(1)持っていること。「銃器を不法に―する」
(2)〔法〕 人が物を事実上支配していること。
所掌
しょしょう [0] 【所掌】
法令により,特定の機関の権限でつかさどること。「本庁の―する事務」
所損
しょそん [0] 【所損】
損をすること。損失。
所書き
ところがき [0] 【所書き】
文書に,住所を記入すること。また,その記入した住所。
所替え
ところがえ [0] 【所替え】 (名)スル
(1)場所を移しかえること。
(2)幕命により大・小名の領地をよそへ移し変えること。江戸時代に多かった。国替え。移封。転封。
所有
しょゆう【所有】
possession;→英和
ownership.→英和
〜する have;→英和
possess;→英和
own.→英和
〜となる fall into a person's hands.…〜の belonging to…;owned by….‖所有格《文》the possessive (case).所有権 the right of ownership;a right[title] <to a thing> .所有者 an owner;a proprietor.
所有
しょゆう [0] 【所有】 (名)スル
自分の物として持つこと。また,そのもの。「財産を―する」「国の―に帰す」「―地」
所有格
しょゆうかく [2] 【所有格】
〔possessive case〕
英文法などで,主格・目的格と並ぶ格の一つ。所有・所属の関係を表すもの。my, your, its などの類。
→属格
所有権
しょゆうけん [2] 【所有権】
特定のものを自由に使用・収益・処分することのできる権利。
所有権留保
しょゆうけんりゅうほ [6] 【所有権留保】
売買において,売り主が代金の完済を受けるまで売買の目的物の所有権を自己に留めておくこと。割賦販売においてこのような特約をすることが多い。
所有物
しょゆうぶつ [2] 【所有物】
所有権のある物件。所有権の客体。
所有者
しょゆうしゃ [2] 【所有者】
所有している人。所有権を有する人。所有主。
所望
しょもう [0] 【所望】 (名)スル
欲しいと望むこと。望み願うこと。「御―の品」「黙して忠孝の実あらんことを―する者なり/福翁百話(諭吉)」
所望の
しょもう【所望の】
desired.〜する desire;→英和
wish <for> .→英和
〜により by[at a person's]request.
所望準備
しょもうじゅんび [4] 【所望準備】
市中銀行の,支払準備制度のもとで支払いに備え保有を義務づけられている法定準備と超過準備とを合わせた支払準備。
→法定準備率
所期
しょき [1] 【所期】 (名)スル
期待すること。しょご。「―の目的を達することができた」
所期の
しょき【所期の】
<as was> expected;anticipated.〜に反する be contrary to one's expectations.
所柄
ところがら [0] 【所柄】
その場所の性質。その場所の風(フウ)。場所柄。
所業
しょぎょう [0] ―ゲフ 【所業】 ・ ―ギヤウ 【所行】
なしたこと。しわざ。多く,よくないことにいう。「ふらちな―に及ぶ」
所構え
ところがまえ [4] 【所構え】
⇒所払(トコロバラ)い
所沢
ところざわ トコロザハ 【所沢】
埼玉県南部の市。武蔵野台地と狭山丘陵に位置する。近年,住宅地として発展。航空記念公園・ユネスコ村・西武球場がある。
所済
しょせい [0] 【所済】
年貢を納めること。また,その租税。
所演
しょえん [0] 【所演】 (名)スル
芸能などが演じられること。
所為
しょい [1] 【所為】
(1)した事。仕業。「悪魔の―」
(2)原因・理由。せい。ため。「何をいふもみんなが銭のない―だ/洒落本・遊子方言」
所為
せい【所為】
consequences (結果);effect (影響).→英和
…の〜で owing[due]to;because[on account]of;under the influence of.…の〜である be caused by;be due to.…の〜にする put the blame on.
所為
そい [1] 【所為】
したこと。せい。しょい。「かちぐりをおつことして,人の―にしたぢやあねえか/洒落本・素見数子」
所為
せい [1] 【所為】
ある(悪い)結果を生じた原因・理由。ゆえ。ため。「失敗したのも君の―だ」「年の―か目がかすむ」「失敗を人の―にする」「気の―」
所無し
ところな・し 【所無し】 (形ク)
すきまがない。あいた場所がない。「一条の大路,―・くむくつけきまで騒ぎたり/源氏(葵)」
所狭い
ところせま・い [5] 【所狭い】 (形)[文]ク ところせま・し
場所が狭い。場所が狭い感じである。「本などが―・いまでに積まれている」「さまざまの機器が―・しと並んでいる」
所狭きなし
ところせきな・し 【所狭きなし】 (形ク)
あたり一杯になっている。余す所ない。「毎日の繁昌此御時,君が代の道広く,通り町十二間の大道―・く/浮世草子・永代蔵 3」
所狭し
ところせ・し 【所狭し】 (形ク)
(1)空間を物が占めていて,場所が狭い。いっぱいだ。残された余地が少ない。「屯食(トンジキ),禄の唐櫃どもなど,―・きまで/源氏(桐壺)」
(2)精神的に窮屈だ。気づまりだ。「(天皇トイウ)よろづ―・き御ありさまよりは,なかなか安らかに/増鏡(おどろの下)」
(3)堂々としている。重々しく立派である。「いで給ふ気色―・きを,人々端に出て見奉れば/源氏(紅葉賀)」
(4)おおげさだ。仰山だ。大層だ。「ただ近き所なれば,車は―・し/堤中納言(はいずみ)」
(5)扱いにくい。めんどうだ。難儀だ。うっとうしい。「雨降り出でて―・くもあるに/源氏(末摘花)」
所生
しょしょう [0] 【所生】
⇒しょせい(所生)
所生
しょせい [0] 【所生】
〔「しょしょう」とも〕
(1)ある物を生み出したもの。生み出したところ。父母・家筋・出生地など。
(2)あるものが生み出したものや作り出したもの。「文豪―の言葉」
所産
しょさん [0] 【所産】
作り出されるもの。産み出されるもの。「時代の―」
所産
しょさん【所産】
a product;→英和
fruit(s);→英和
an outcome.→英和
所用
しょよう [0] 【所用】 (名)スル
(1)用いること。用いるもの。「―の資材」「蒸気機械を―するを得ず/月世界旅行(勤)」
(2)用事。用件。「―で外出する」
所用で
しょよう【所用で】
on business.
所由
しょゆう [0] 【所由】
由来するところ。ゆえん。
所番地
ところばんち [4] 【所番地】
所在地・住所の地名と番地。
所相
しょそう [0] 【所相】
〔大槻文彦の「広日本文典」の用語〕
受け身を示す文法形式。動詞に「る」「らる」,「れる」「られる」を添えて示す。
所知
しょち [1] 【所知】
(1)知っている事柄。「一撃に―を亡ふ/行人(漱石)」
(2)知行している土地。所領。
所管
しょかん【所管】
jurisdiction;→英和
competency (権能).‖所管争い jurisdictional rivalry.
所管
しょかん [0] 【所管】 (名)スル
権限をもって管理すること。また,その範囲。「区役所の―する事項」
所管庁
しょかんちょう [2] 【所管庁】
その行政事務を扱う官庁。
所籐
ところどう 【所籐】
弓の一種。ところどころに籐(トウ)を巻いたもの。
所縁
しょえん [0] 【所縁】
(1)ゆかり。縁故。関係。「お力が―の源七が家なり/にごりえ(一葉)」
(2)〔仏〕 認識作用の対象となるもの。客体。
⇔能縁
所職
しょしき [0] 【所職】
財産として相続・譲渡・売買の対象となった職。荘園所職・寺社所職・鋳物師所職など。
所育ち
ところそだち 【所育ち】
その土地で生まれ育ったこと。また,その人。「―も物まぎれして/浮世草子・一代男 4」
所自慢
ところじまん [4] 【所自慢】
自分の住んでいる所や故郷などについて自慢すること。
所蔵
しょぞう [0] 【所蔵】 (名)スル
自分の物としてしまっておくこと。また,そのもの。「旧家の―する古文書」
所蔵の
しょぞう【所蔵の】
in one's possession.A氏〜の <a book> owned by[in the possession of]Mr.A.→英和
所行
しょぎょう [0] ―ゲフ 【所業】 ・ ―ギヤウ 【所行】
なしたこと。しわざ。多く,よくないことにいう。「ふらちな―に及ぶ」
所要
しょよう [0] 【所要】
必要なこと。「往復の―時間」
所要の
しょよう【所要の】
needed; <the time> required.
所見
しょけん [0] 【所見】
(1)見たところ。見た上での判断や見解。「医師の―」
(2)意見。考え。
所見
しょけん【所見(を述べる)】
(give,express) one's views[opinions] <on> .
所言葉
ところことば 【所言葉】
その土地の言葉。方言。「その―をつかひ/浮世草子・一代女 6」
所記
しょき [1] 【所記】
(1)記されていること。「歴史の―に拠れば/文明論之概略(諭吉)」
(2)〔ソシュールの言語理論を翻訳する際に小林英夫の用いた語〕
「シニフィエ((フランス) signifié)」の訳語。
→能記
所証
しょしょう [0] 【所証】
〔仏〕 修行によって得られた悟り。証得した内容。
所詮
しょせん [0] 【所詮】
■一■ (副)
あれこれ考えたりした結論として。結局。「―高根の花だ」「―負けは負けだ」
■二■ (名)
(1)〔仏〕 言葉や文章・教えなどで表される意義・内容。
⇔能詮
(2)最後に行きつくところ。「なむあみだぶつばかり―たるべしと思ひさだめて/一遍上人語録」
所詮
しょせん【所詮】
after all;in the end;→英和
in the long run.
所説
しょせつ [0] 【所説】
説くところ。説いている事柄。説。
所課
しょか 【所課】
課せられること。また,課せられたもの。賦課。「負になりて,―いかめしくせられたりけるとぞ/徒然 135」
所論
しょろん [0] 【所論】
主張する意見。持論。
所謂
いわゆる【所謂】
what you[we,they]call;what is called;so-called.
所謂
いわゆる イハ― [3][2] 【所謂】 (連体)
〔「言ふ」に上代の受け身の助動詞「ゆ」の連体形が付いた語〕
世にいわれている。よくいう。いうところの。「―天才とはまた違う」
所質
ところじち 【所質】
中世,債権者が契約を順守履行しない債務者に対して行う強制執行手段。債務者が所属する共同体の成員の身柄または財産を無作為に選んで,実力行使によって差し押さえる行為。
所載
しょさい [0] 【所載】
新聞・雑誌・書籍などに載っていること。「一月号―の記事」
所載の
しょさい【所載の】
<as> published[reported] <in the previous issue> .
所轄
しょかつ【所轄】
jurisdiction.→英和
‖所轄官庁(警察) the competent (police) authorities concerned.(警察の)所轄区域 a police district[ <米> precinct].
所轄
しょかつ [0] 【所轄】 (名)スル
支配・管理すること。また,その範囲。「―署」「―する行政官庁」
所酒
ところざけ 【所酒】
その土地でつくられる酒。地酒。「―のから口,鱶(フカ)のさしみを好み/浮世草子・永代蔵 1」
所長
しょちょう [0] 【所長】
(1)事務所・研究所・出張所などの長。
(2)すぐれているところ。「上下の種族,互に其―を採らずして/文明論之概略(諭吉)」
所領
しょりょう [0] 【所領】
領有している土地。領地。
所領役
しょりょうやく 【所領役】
⇒知行役(チギヨウヤク)
所顕し
ところあらわし 【所顕し】
平安時代に行われた結婚披露の宴。結婚二,三日から五日後に新婦の家で行われ,酒肴を設けて婿とその従者をもてなした。新婦方の両親・親族はこの時初めて婿と正式に対面し,以後,婿は夫として自由に妻の家に出入りできた。「忍びてもあらましを,―をさへして,…我も人もゆゆしき恥をとる事/落窪 2」
所願
しょがん [0][1] 【所願】
願っていること。願い。「―成就」
所[署]員
しょいん【所[署]員】
a member of the staff;→英和
the staff (総称).‖税務署員 a tax office clerk.
扁
へん【扁】
a left-hand radical <of a Chinese character> .
扁円
へんえん [0] 【扁円】
完全な円でなく細長い円。
扁壺
へんこ [1] 【扁壺】
銅鑼(ドラ)状の胴をした壺。もと携行用の酒壺で,その両肩にひもを通すための耳のあるものもある。陶磁器のほか,青銅器などにも類似の器形がある。
扁平
へんぺい [0] 【扁平】 (名・形動)[文]ナリ
平たい・こと(さま)。「―な顔」
扁平な
へんぺい【扁平な】
flat.→英和
扁平足 a flatfoot.→英和
扁平コンジローム
へんぺいコンジローム [8] 【扁平―】
〔(ラテン) condyloma latum〕
第二期梅毒に見られる扁平な丘疹。多く肛門周囲や陰部に生じ,くずれて膿性の液体を分泌,大きな感染源となる。
扁平率
へんぺいりつ [3] 【扁平率】
天体の扁平の度合を示す数値。赤道半径と極半径との差を,赤道半径で割って表す。
扁平苔癬
へんぺいたいせん [5] 【扁平苔癬】
手足,外陰部,胴体部などにできる,かゆみを伴う扁平状に隆起する赤紫色の丘疹。口腔内にできるものは白色樹枝状となる。
扁平足
へんぺいそく [3] 【扁平足】
土踏まずが異常に浅く足の裏が平らな足。
扁形
へんけい [0] 【扁形】
ひらべったい形。
扁形動物
へんけいどうぶつ [5] 【扁形動物】
動物界の一門。最も下等な後生動物で,渦虫綱・吸虫綱・条虫綱の三綱からなる。寄生性のものが多い。体は細長いか楕円状,左右相称で扁平。口は腹面にあり,肛門はないものが多い。排出器官は原腎管。大部分は雌雄同体。扁虫類。
扁木喰虫
ひらたきくいむし [5] 【扁木喰虫】
ヒラタキクイムシ科の甲虫。体長3〜7ミリメートル。体は細長く扁平で,茶褐色。幼虫はラワン材・ナラ材の内部を食害。世界中に分布。
扁柏
へんぱく [0][1] 【扁柏】
植物のヒノキのこと。
扁桃
へんとう [0] 【扁桃】
(1)アーモンドの別名。
(2)咽頭にあるリンパ組織。咽頭の周りに輪状に数個あり,一般に扁桃腺とよばれる口蓋扁桃と咽頭扁桃に分けられる。細菌の侵入を防ぐ役目をする。
扁桃油
へんとうゆ [3] 【扁桃油】
アーモンドの種子からとった黄金色の油。化粧品や軟膏などに用いる。
扁桃炎
へんとうえん [3] 【扁桃炎】
扁桃{(2)}の炎症。一般には口蓋扁桃の炎症をいう。溶連菌などの細菌感染によって生ずる。扁桃腺炎。
扁桃肥大
へんとうひだい [5] 【扁桃肥大】
扁桃{(2)}が異常に大きくなっている状態。小児に見られる生理的肥大と成人になってもそれが退縮しない場合,ならびに慢性扁桃炎による病的肥大がある。呼吸・嚥下・発声などに障害が起こる。扁桃腺肥大。
扁桃腺
へんとうせん [0] 【扁桃腺】
(1)「扁桃(ヘントウ){(2)}」に同じ。
(2)「扁桃炎」に同じ。「―にかかる」
扁桃腺
へんとうせん【扁桃腺】
《解》the tonsils.扁桃腺炎《医》tonsillitis.→英和
扁球
へんきゅう [0] 【扁球】
楕円を短軸を中心に一回転させたときに生じる立体。
→回転楕円体
扁舟
へんしゅう [0] 【扁舟】
小さい舟。こぶね。
扁虫
ひらむし [2] 【扁虫・平虫】
(1)サナダムシなど,体が扁平な虫の総称。
(2)渦中綱多岐腸目に属する扁形動物の総称。体は楕円形か帯状で扁平。長さ数ミリメートル〜数センチメートル。海産。他の動物に寄生するものもある。養殖ガキの害虫イイジマヒラムシのほか,ツノヒラムシ・ウスヒラムシなどを含む。
扁虫類
へんちゅうるい [3] 【扁虫類】
⇒扁形動物(ヘンケイドウブツ)
扁虻
ひらたあぶ [4] 【扁虻】
ショウガバエ科に属する昆虫のうち成虫の腹部が扁平なものの総称。多くの幼虫はアブラムシを捕食するので益虫とされる。ホソヒラタアブ・マルヒラタアブなど。
扁蜘蛛
ひらたぐも [4] 【平蜘蛛・扁蜘蛛】
クモの一種。体は扁平で,体長10ミリメートルほど。頭胸部と脚は褐色,腹部は白色で成虫には独特の黒斑が現れる。岩の割れ目や人家内に,獲物が触れたことを知らせる触糸の付いた平たい巣を作る。ヒラグモ。
扁螺
へんら [1] 【扁螺】
貝のシジミの異名。
扁螺
きさご [0] 【細螺・喜佐古・扁螺】
海産の巻貝。貝殻は直径2センチメートル内外のそろばん玉状で,美しい淡褐色や灰青色の波状紋があり,おはじきや装飾に用いる。肉は食用。内湾の干潟に多産する。北海道南部以南に分布。キシャゴ。シタダミ。ゼゼガイ。[季]春。
扁額
へんがく [0] 【扁額】
門戸や室内に掲げる横に長い額。
扁鵲
へんじゃく 【扁鵲】
中国,戦国時代の伝説的な名医。姓は秦,名は越人。虢(カク)の太子を蘇らせた話などで有名だが,その事績は数世紀にわたっており,数種の伝説が集約されたものと思われる。名医の代名詞とされる。
扃し
とざし 【鎖し・扃し】
(1)門戸をとざすこと。「立ちとまり霧のまがきの過ぎうくは草の―にさはりしもせじ/源氏(若紫)」
(2)門戸をさし固めるもの。錠・掛け金の類。「この狭き間の―に手を掛くる如き音したれば/即興詩人(鴎外)」
扇
おうぎ アフギ [3] 【扇】
〔動詞「あおぐ」の連用形から〕
(1)あおいで涼をとるための道具。竹や木を骨にして一端に軸を通して要(カナメ)とし,それに紙を張り折り畳めるようにしたもの。檜扇(ヒオウギ)とともに平安前期日本で考案された。装身・儀礼用の道具,舞踊の具ともする。せんす。末広。「―をかざす」[季]夏。《老けりな―づかいの小ぜはしき/一茶》
(2)ヒノキなどの薄板をとじて{(1)}の形に作った礼装用の道具。檜扇(ヒオウギ)。
(3)家紋の一。{(1)}を図案化したもの。
(4)「団扇(ウチワ)」に同じ。「とこしへに夏冬行けや裘(カワゴロモ)―放たぬ山に住む人/万葉 1682」
扇(3)[図]
扇
おうぎ【扇】
a (folding) fan.〜であおぐ fan oneself.〜形の fan-shaped.
扇ぎたてる
あおぎたてる【扇ぎたてる】
fan;→英和
stir up;instigate.→英和
扇ぎ立てる
あおぎた・てる アフギ― [5][0] 【扇ぎ立てる・煽ぎ立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 あふぎた・つ
(1)むやみにあおぐ。「うちわで―・てる」
(2)扇動する。あおりたてる。「異国趣味を―・てる/夜明け前(藤村)」
扇ぐ
あお・ぐ アフグ [2] 【扇ぐ・煽ぐ】 (動ガ五[四])
うちわ・扇などで風を起こす。「うちわで―・ぐ」
[可能] あおげる
扇ぐ
あおぐ【扇ぐ】
fan.→英和
扇の別れ
おうぎのわかれ アフギ― 【扇の別れ】
〔班婕妤(ハンシヨウヨ)の故事から〕
男女の名残尽きない別れ。「名残尽せぬ妹背(イモセ)の別れ,―と遉(サスガ)また/浄瑠璃・菅原」
→秋の扇
扇の拝
おうぎのはい アフギ― 【扇の拝】
平安時代,朝廷で孟夏の旬(シユン)の儀の際に,群臣に扇を与えたこと。
扇の的
おうぎのまと アフギ― [0] 【扇の的】
挟み物の一。開いた扇を串の先に刺した的。
扇の賀
おうぎのが アフギ― [5] 【扇の賀】
扇を用いる季節,すなわち夏に行われる誕生や長寿の祝い。
扇切り
おうぎきり アフギ― [0] 【扇切り】
扇を刀の柄頭(ツカガシラ)に立てて,刀を早く抜いて,扇が地に落ちないうちに切る技。また,投げつけられた扇を指で払い落とす技。
扇動
せんどう [0] 【扇動・煽動】 (名)スル
(1)人をあおり立てて,ある行動を起こすように刺激を与えること。あおり。「―されて暴徒と化した大衆」
(2)〔法〕 他人に特定の行為を実行させるため,その決意を生じさせ,またはすでに生じている決意を助長するような勢いのある刺激を与えること。あおり行為。
扇動
せんどう【扇動】
instigation;agitation.〜的 inflammatory;→英和
seditious.〜する stir up;instigate;→英和
agitate.→英和
‖扇動者 an agitator.
扇合せ
おうぎあわせ アフギアハセ [4] 【扇合(わ)せ】
古く宮廷で行われた遊戯の一種。左右に分かれて,互いに詩歌などを書いた扇を出し,判者がその優劣を定めるもの。
扇合わせ
おうぎあわせ アフギアハセ [4] 【扇合(わ)せ】
古く宮廷で行われた遊戯の一種。左右に分かれて,互いに詩歌などを書いた扇を出し,判者がその優劣を定めるもの。
扇垂木
おうぎだるき アフギ― [4] 【扇垂木】
垂木の配置方法の一。垂木を放射状に配置したもの。禅宗寺院建築にみられる。
扇垣
おうぎがき アフギ― [3] 【扇垣】
⇒車垣(クルマガキ)
扇売り
おうぎうり アフギ― [3] 【扇売り】
(1)江戸時代,扇の地紙を売り歩いた商人。客の扇に合わせて地紙を折って売った。扇地紙売り。
(2)元旦に年玉用の扇を売り歩いた商人。
扇子
せんす【扇子】
<use> a (folding) fan.
扇子
せんす [0] 【扇子】
おうぎ。[季]夏。
扇子腹
せんすばら [0] 【扇子腹】
「おうぎばら(扇腹)」に同じ。
扇子車
せんすぐるま [4] 【扇子車】
棟上(ムネア)げ式のときに棟に置く飾り。扇を三つ開いて円形にし,棒の先に取り付けたもの。
扇尽くし
おうぎづくし アフギ― [4] 【扇尽(く)し】
屏風(ビヨウブ)などに多数の扇の形を描き,その一つ一つにいろいろな絵を描くこと。
扇尽し
おうぎづくし アフギ― [4] 【扇尽(く)し】
屏風(ビヨウブ)などに多数の扇の形を描き,その一つ一つにいろいろな絵を描くこと。
扇屋染
おうぎやぞめ アフギ― [0] 【扇屋染(め)】
丸・四角・扇・菱(ヒシ)などの形を染め残し,その部分に花鳥などの模様を染めたもの。江戸中期に流行。
扇屋染め
おうぎやぞめ アフギ― [0] 【扇屋染(め)】
丸・四角・扇・菱(ヒシ)などの形を染め残し,その部分に花鳥などの模様を染めたもの。江戸中期に流行。
扇引き
おうぎひき アフギ― 【扇引き】
(1)扇にひもなどをつけ,籤引きのようにしてとらせる遊戯。「―などして/讃岐典侍日記」
(2)一本の扇の両端を二人が親指と人差し指とで挟んで引き合う遊び。扇相撲。「よい年をして,螺(バイ)まはし,―/浮世草子・一代男 5」
扇形
せんけい [0] 【扇形】
(1)扇を開いたような形。おうぎがた。扇状。
(2)〔数〕
⇒おうぎがた(扇形)
扇形
せんけい【扇形】
《数》a sector.→英和
扇形
おうぎがた アフギ― [0] 【扇形】
(1)扇を開いた形。せんけい。おうぎなり。
(2)〔数〕 円弧の両端を通る二つの半径と,その弧で囲まれた図形。せんけい。
扇形グラフ
せんけいグラフ [5] 【扇形―】
⇒円グラフ(1)
扇情
せんじょう [0] 【扇情・煽情】
感情や欲望・情欲をあおり立てること。
扇情的
せんじょうてき [0] 【扇情的】 (形動)
欲望や情欲をあおり立てるさま。「―なポスター」
扇情的な
せんじょう【扇情的な】
sensational;→英和
exciting;suggestive (劣情を起こさせる).→英和
扇懸
おうぎかけ アフギ― [3] 【扇掛(け)・扇懸(け)】
書画などを書いた扇を開いて飾るための道具。扇架(センカ)。
扇懸け
おうぎかけ アフギ― [3] 【扇掛(け)・扇懸(け)】
書画などを書いた扇を開いて飾るための道具。扇架(センカ)。
扇折り
おうぎおり アフギヲリ 【扇折り】
扇を作ること。また,その職人。
扇拍子
おうぎびょうし アフギビヤウ― [4] 【扇拍子】
扇でてのひらや膝などを打ち鳴らして,拍子をとること。
扇掛
おうぎかけ アフギ― [3] 【扇掛(け)・扇懸(け)】
書画などを書いた扇を開いて飾るための道具。扇架(センカ)。
扇掛け
おうぎかけ アフギ― [3] 【扇掛(け)・扇懸(け)】
書画などを書いた扇を開いて飾るための道具。扇架(センカ)。
扇枘
おうぎほぞ アフギ― [0][3] 【扇枘】
横断面が台形をした枘。隅柱(スミバシラ)を土台に枘差しするときなどに用いる。
扇架
せんか [1] 【扇架】
⇒扇(オウギ)掛(カ)け
扇歯鯨
おうぎはくじら アフギ―クヂラ [5] 【扇歯鯨】
鯨目アカボウクジラ科の一種。体長5メートル程度。短いくちばしをもち,雄の下顎には特徴的な一対の歯が見られる。黒色で,首と腹面が灰色。主にイカを食べ,太平洋北部を中心に分布する。標準和名オオギハクジラ。
〔「オオギハ」は「扇歯(おうぎは)」の誤記による〕
扇流し
おうぎながし アフギ― [4] 【扇流し】
(1)金・銀で装飾した扇を水に流して遊ぶこと。「昼は楽書(ラクガキ)して行く水に―,夜は花火の映り/浮世草子・一代男 5」
(2)水に扇が流れているさまを描いた模様。
扇状
せんじょう [0] 【扇状】
扇を開いた形。
扇状地
せんじょうち [3] 【扇状地】
河川が山地から低地に移り,流れがゆるやかになる所に堆積物が積もってできる扇形の地形。
扇相撲
おうぎずもう アフギズマフ 【扇相撲・扇角力】
「扇引き{(2)}」に同じ。「―や拳角力。是皆角力の旧流にして/歌舞伎・名歌徳」
扇眼
せんがん [0] 【扇眼】
扇のかなめ。
扇箱
おうぎばこ アフギ― [3] 【扇箱】
扇を入れる箱。江戸時代には,足付きの台に載せて,祝いの贈り物とした。
扇紙
おうぎがみ アフギ― [3] 【扇紙】
扇に張る紙。扇の地紙(ジガミ)。
扇紙鳶
おうぎいか アフギ― [3] 【扇紙鳶】
扇の形に作った凧(タコ)。おうぎだこ。
扇網
おうぎあみ アフギ― [3] 【扇網】
扇の形に開く網。四つ手網の一種。
扇腹
おうぎばら アフギ― [0] 【扇腹】
江戸時代の武士に対する刑罰の一。前に置かれた三方(サンボウ)にのせた扇をとって礼をすると同時に介錯人(カイシヤクニン)が首をきる。扇子腹(センスバラ)。
扇芭蕉
おうぎばしょう アフギ―セウ [4] 【扇芭蕉】
タビビトノキの別名。
扇落し
おうぎおとし アフギ― [4] 【扇落(と)し】
(1)能の演技の型。扇を落としてそれを拾う所作。
(2)投扇興(トウセンキヨウ)の別名。
扇落とし
おうぎおとし アフギ― [4] 【扇落(と)し】
(1)能の演技の型。扇を落としてそれを拾う所作。
(2)投扇興(トウセンキヨウ)の別名。
扇角力
おうぎずもう アフギズマフ 【扇相撲・扇角力】
「扇引き{(2)}」に同じ。「―や拳角力。是皆角力の旧流にして/歌舞伎・名歌徳」
扇貝
おうぎがい アフギガヒ [3] 【扇貝】
〔貝殻が扇状であることから〕
シャコガイ・ホタテガイの別名。
扇起
せんき [1] 【扇起・煽起】 (名)スル
扇動して行動を起こさせること。「風俗を傷敗し若くは禍乱を―する/三酔人経綸問答(兆民)」
扇車
おうぎぐるま アフギ― [4] 【扇車】
(1)扇紋の一。開いた扇三本を要(カナメ)を中心に円形に並べたもの。
(2)開いた扇三本を組んで円形にした飾り物。上棟式などに用いる。
扇面
せんめん [0][3] 【扇面】
おうぎの地紙。また,おうぎの紙の面。
扇面写経
せんめんしゃきょう [5] 【扇面写経】
扇面形の料紙に書き写した経。
扇面屏風
せんめんびょうぶ [5] 【扇面屏風】
書画を描いた扇面形の紙を貼り付けた屏風。
扇面法華経
せんめんほけきょう 【扇面法華経】
扇面形の料紙に法華経八巻と開結経の無量義経・観普賢経各一巻を書写した装飾経。一〇帖。金銀切箔(キリハク)などを散らした地紙には,自然風物や平安末期の風俗などが描かれている。六帖が大阪四天王寺などに現存。国宝。
扇風機
せんぷうき【扇風機】
<turn on,turn off> a fan[an electric fan].→英和
扇風機
せんぷうき [3] 【扇風機】
小型のモーターで数枚の羽根を回して風を起こし,涼をとる電気器具。[季]夏。《―大きな翼をやすめたり/山口誓子》
扇骨
おうぎぼね アフギ― [0] 【扇骨】
扇の芯(シン)に用いる細く薄い竹。
扈従
こじゅう [0] 【扈従】 (名)スル
「こしょう(扈従)」に同じ。
扈従
こしょう [0] 【扈従】 (名)スル
〔「しょう」は漢音〕
貴人につき従うこと。また,その人。おとも。こじゅう。「書類の箱を携へつつ主人の後に―して/緑簑談(南翠)」
扉
とびら【扉】
a door;→英和
a title page (本の).扉絵 a title-page illustration.
扉
とびら [0] 【扉】
(1)〔「戸と 片(ヒラ)」の意〕
開き戸式の戸。ドア。「―が開く」
(2)見返しや口絵などの次に置き,書籍の題名・著者名などが記してあるページ。標題紙。
→製本
(3)ある物事への入り口のたとえ。「宇宙旅行への―を開く」
扉絵
とびらえ [3] 【扉絵】
(1)厨子(ズシ)または寺院などの扉に描いた絵画。
(2)書物の扉に描いた絵。
手
て【手】
a hand;→英和
an arm (腕);→英和
a paw (犬・猫の);→英和
[人手]a hand;→英和
a man;→英和
a handle (柄);→英和
[手段・方法]a way;→英和
a means;→英和
a trick (相撲の);→英和
a move (将棋の);→英和
a <good> hand (トランプの);[筆跡]a hand;→英和
handwriting.→英和
〜が足りない be short of hands.〜がとどく reach.→英和
〜が省ける save <one> trouble.〜が早い be a wolf <to a girl> ;→英和
be lightfingered (手癖が悪い).
〜がふさがって(あいて)いる be busy (free).〜が回る be on the track <of an offender> (警察の).→英和
〜が回らぬ be too busy <to do> .
〜に余る[を焼く] be too much <for one> ;have trouble <doing> .
〜に入れる get;→英和
win;→英和
be available.〜に手をとって hand in hand.〜につかない have no heart <for the work> .
〜に取るように clearly.〜に乗る be taken in.〜にはいる come to hand <through> .
〜に渡る pass[fall]into the hands of.〜のかかる troublesome;→英和
difficult.→英和
〜の甲(ひら) the back (palm) of the hand.〜のこんだ complicated;→英和
elaborate.→英和
〜のつけようがない can do nothing.〜もなく quite easily.〜も足も出ない be helpless.〜をあげる raise one's hand;give up (あきらめる).
〜を打つ do something <to do> ;take steps.〜を貸す help.→英和
〜を切る break <with a person> ;→英和
wash one's hands <of the business> .
〜を組んで in cooperation[league]with.〜を染める try one's hands <at> .
〜を出す ⇒手出し.
〜を尽す try every possible means.〜をつける put one's hand to (着手);make free with <another's money> (金に);pocket (同上);→英和
become intimate <with> (女に).
〜をつなぐ join hands.〜を抜く scamp one's work;do careless work.〜を引く lead <a child> by the hand;withdraw (引退);→英和
back out <of> (事業などから).
手
て 【手】
■一■ [1] (名)
(1)人体の肩から先の部分。手首・てのひら・指先などをさすこともある。また,動物の前足をいうこともある。「―を上げる」「―が触れる」「おたまじゃくしに―が生える」
(2)形状や機能が,ヒトの{(1)}に似ているもの。
(ア)器物の取っ手。「急須の―」
(イ)植物の蔓などをからませるための竹など。
(ウ)本体から突き出たもの。几帳(キチヨウ)の横木・幕を棹に付けるための緒など。「鍵の―」
(3){(1)}を働かせて様々な事をすること。
(ア)事を行なったり,物を作り出したりすること。また,その時の手の使い方。「巨匠の―になる」「司直の―にゆだねる」「追及の―がゆるい」
(イ)働く人・力。「―が足りない」「―を貸す」
(ウ)事を処理する能力。「―に余る」
(エ)手間。手数。「―がこんだ細工」「―ばかり掛かる」
(オ)人との結びつき・つながり。「―を切る」
(4)事を行うための方法・技術など。
(ア)方法。手段。また,策略。「その―には乗らない」
(イ)技量。腕前。「―が上がる」
(5)技芸などの一定の型。
(ア)囲碁・将棋・相撲などで,攻め方・受け方。「四十八―」
(イ)舞や踊りの手振り。「さす―引く―」
(6)日本音楽で,(節(フシ)に対して)楽器の演奏。また,その旋律や音型。定型化されて慣用される。「古い三味線曲に箏の―を付ける」「大薩摩の―」
(7)字を書くこと。また,筆跡・書風。「一つには御―を習ひ給へ/枕草子 23」
(8)(手{(1)}に握ることから)
(ア)所有。保持。「―にする」
(イ)支配下にあって思い通りに使える人や軍勢。「―の者」
(ウ)トランプや花札で,持っている札。手札。
(9)方向。方面。「山の―」「行く―」
(10)いくつかに分けたうちのある種類。また,ある手法・技法によるもの。「この―の品」「高麗―」
(11)一方面の部隊。「此の―の大将軍は何ものぞ/平治(中)」
(12)ものが現れ出ること。また,その勢い。「火の―」「水の―」
(13)代金。代償。「酒―」
(14)受けた傷。「―を負う」
(15)種々の語と複合して名詞をつくり,手と関係する様々の意味を加える。
(ア)機械に頼らずに人の力によること,また他人の力を借りずに自分の力によることを表す。「―料理」「―づくり」
(イ)小型で手の内に入る,または手で持って使えることを表す。「―帳」「―斧(オノ)」
(ウ)手{(2)}が付いていることを表す。「―鏡」
(エ)身近であることを表す。「―道具」
(オ)そのことをする人。また,特にそのことに秀でた人を表す。「語り―」「小太刀(コダチ)の使い―」
(16)形容詞・形容動詞の上に付いて,接頭語的に用いられ,物事の処理の仕方にかかわることを表す。また,転じて,下の語の意味を強めるのにも用いられる。「―厚い」「―ごわい」「―ぬるい」「―広い」「―短に話す」
■二■ (接尾)
助数詞。
(1)囲碁や将棋で石や駒を動かす回数を数えるのに用いる。「三―で詰む」
(2)甲矢(ハヤ)・乙矢(オトヤ)二本を一組として,矢の数を数えるのに用いる。「的矢一―」
手
た 【手】
〔「て(手)」の交替形〕
て(手)。多く「手綱(タヅナ)」「手折る」「たなごころ(掌)」など複合した形でみられる。
手ずから
てずから【手ずから】
personally;→英和
<do> oneself.→英和
手ずから
てずから [1] 【手ずから】 (副)
〔「手つ(助詞)柄(カラ)」の意〕
(1)自分の手で。直接,手を下して。「―お書き下さる」
(2)自分自身で。みずから。「―仰せさぶらふやう/宇治拾遺 1」
手っ取り早い
てっとりばや・い [6] 【手っ取り早い】 (形)[文]ク てつとりばや・し
(1)手間がかからない。簡略である。「―・い方法」
(2)すばやい。敏捷である。「―・く畳をてうどはね退くれば/浄瑠璃・近江源氏」
[派生] ――さ(名)
手っ取り早い
てっとりばやい【手っ取り早い】
<It would> be easier <to do> .手っ取り早く quickly;→英和
promptly.→英和
手っ取り早く言えば in short.
手っ甲
てっこう [3] 【手っ甲】
手の甲を覆うもの。武具は多く革製,旅行・労働用には多く紺の木綿が用いられた。てこう。
手っ甲[図]
手づつ
てずつ 【手づつ】 (形動ナリ)
拙劣なさま。不器用なさま。手際の悪いさま。「何がな御意に預からんと,―の細工も当座の間似合/浄瑠璃・布引滝」
手てんごう
ててんごう 【手てんごう】
〔「ててんご」とも〕
(1)手で物をもてあそぶこと。「親の歎きも白洲の小石拾い集めて―/浄瑠璃・夏祭」
(2)博打(バクチ)。
手とり足とり
てとりあしとり【手とり足とり】
by force (無理に);with utmost care and kindness (丁寧に).
手なり
てなり [0] 【手なり】
茶道の点前(テマエ)で,器物を扱う手の動きが,自然に無理なくなされること。
手に手に
てにてに 【手に手に】 (連語)
同じような物を,それぞれが手にしているさま。「―武器を取って立ち上がる」
手のひら
てのひら [2][1] 【掌・手のひら】
手首から先の,握った時に内側になる面。たなごころ。
手の下
てのした 【手の下】
(1)手の届くところ。手の内のこと。「あの高みへ登りますれば五町や三町は―に見えまするが/狂言・武悪」
(2)たやすいこと。たちまち。「に」を伴って副詞的に用いる。「この者どもを―に討つはいかさま鬼神か/謡曲・熊坂」
(3)腕前。「此の武者おのれらが―に及ぶべき物か/浮世草子・新可笑記 2」
手の中
てのなか [1] 【手の中】
てのひら。手の内。
手の内
てのうち [1][2] 【手の内】
(1)握った手の中。また,てのひら。「感触を―に確かめる」
(2)掌握していること。思うままになること。支配下。「敵の―にある」
(3)心中の思い。他人に隠している考えや計画。「―を見すかされる」
(4)手なみ。腕前。「―と言ひ,智謀の程,末頼母敷き/浄瑠璃・先代萩」
(5)乞食に施す銭・米など。「どりや―をやつて去(イ)なそと巾着(キンチヤク)の銭は一銭/歌舞伎・お染久松色読販」
(6)手ごたえ。「水の中へうちこうだやうな―で御ざつた/狂言・武悪」
手の内を見せる
てのうち【手の内を見せる】
display one's skill (技量);show one's hand[cards](意図).〜を見すかされる have one's weakness detected.
手の外
てのほか 【手の外】
予想外であること。意外。「信玄公の御さばき―なる儀多し/甲陽軍鑑(品四八)」
手の物
てのもの [1] 【手の物】
(1)手に入ったもの。自分のもの。また,手に持っているもの。
(2)慣れて,得意とするもの。おてのもの。「かけっくらなら,お―だ」
手の甲
てのこう【手の甲】
⇒手(の甲).
手の甲
てのこう [1] 【手の甲】
手首から指のつけ根までの,握った時に外側になる面。
手の窪
てのくぼ [1] 【手の窪】
(1)てのひらを内側に曲げた時にできるくぼみ。
(2)手づかみで食べること。また,握り飯のこと。「落人となり宮も―/壬生の雨」[俚言集覧]
手の筋
てのすじ【手の筋】
the lines of the palm.→英和
手の筋
てのすじ [2][1] 【手の筋】
(1)手の皮膚を透かして見える静脈。あおすじ。
(2)てのひらに刻まれた筋。手相。てすじ。「―が見てもらひたい/浄瑠璃・道成寺現在蛇鱗」
(3)言い当てること。「とてものことに―といひたい程に当てられたが/歌舞伎・勧善懲悪覗機関」
手の者
てのもの [1] 【手の者】
部下。配下。手下。「―をくり出す」
手の腹
てのはら [1] 【手の腹】
てのひら。たなごころ。
手の裏
てのうら [1] 【手の裏】
てのひら。たなごころ。
手の裏を返すように
てのうら【手の裏を返すように】
instantly;→英和
suddenly; <treat a person> quite differently.
手ぶら
てぶら [0] 【手ぶら】
(1)手に何も持っていないこと。荷物がないこと。から身。「―で出かける」
(2)特に,他家を訪問するときに,土産を持って行かないこと。
手ぶらで
てぶら【手ぶらで】
empty-handed.
手まめ
てまめ [1][0] 【手まめ】 (名・形動)[文]ナリ
(1)厄介なことも面倒がらずにすること。おっくうがらずによく働くこと。また,そのさま。「―に家の中を片付ける」
(2)手先を使う仕事の上手な・こと(さま)。「―な人」
[派生] ――さ(名)
手まめな
てまめ【手まめな】
⇒まめ(な).
手もすまに
てもすまに 【手もすまに】
⇒「手」の句項目
手もなく
てもなく【手もなく】
⇒手(もなく).
手も無く
てもなく [1] 【手も無く】 (副)
(1)手数もかからずに。たやすく。「―言いくるめられる」
(2)論もなく。そのまま。「―他人同士が下宿してゐる様なもんで/くれの廿八日(魯庵)」
手ん手に
てんでに [0][3] 【手ん手に】 (副)
〔「手に手に」の転〕
(1)それぞれの人が自分の思う通りにするさま。めいめいに。てんでんに。「―動き出す」
(2)各自の手にもつさま。「老僧ども四五百人,―もつたる数珠共を/平家 2」
手ん棒
てんぼう [0] 【手ん棒】
〔「てぼう」の転。棒のような手の意〕
指や手首から先のないこと。
手ランプ
てランプ [2] 【手―】
取っ手のある小さいランプ。
手一合
ていちごう 【手一合】
両手ですくった分量。約一合の米。分量の少ないことをたとえていう。「―でも御扶持を戴ましたらば/浄瑠璃・忠臣蔵」
手一杯
ていっぱい [2] 【手一杯】 (副)
(1)それ以上のことをする余裕がないさま。それだけで限度であるさま。「注文をこなすだけで―だ」
(2)自分の思うままにするさま。「おめえさんが若紫さんの所へ行かねえ様になりなんしてより―にしやりと思つたところが/洒落本・廓之桜」
手一杯である
ていっぱい【手一杯である】
have one's hands full.〜に暮らす can barely live <on one's income> .
手万力
てまんりき [2] 【手万力】
小形の万力。小物の細工などに用いる。
手万力[図]
手下
てか [1] 【手下】
てした。配下。
手下
てした [3] 【手下】
ある人のもとで命令・指図されて,そのとおりに動く人。配下。手下(テカ)。「―を見張りに立てる」
手下
てした【手下】
a follower;→英和
one's men.
手不調
てぶっちょう 【手不調】 (名・形動)[文]ナリ
手先が不器用なこと。また,その人。「商人には巻舌でむかず,職人には―なり/滑稽本・浮世床(初)」
手不足
てぶそく [2] 【手不足】 (名・形動)
人手の足りない・こと(さま)。人手不足。「―で猫の手も借りたい」
手不足である
てぶそく【手不足である】
be short of hands.
手並
てなみ [1] 【手並(み)】
腕前。技量。「鮮やかな―」
→お手並み
手並み
てなみ [1] 【手並(み)】
腕前。技量。「鮮やかな―」
→お手並み
手並を見せる
てなみ【手並を見せる】
show[display]one's skill.
手中
しゅちゅう [0] 【手中】
あるものが自分の所有に帰していること。手のなか。手のうち。「成否は彼の―にある」
手中に収める
しゅちゅう【手中に収める】
take possession <of> ;secure.→英和
〜にある be at the mercy <of> .→英和
手丸
てまる [0] 【手丸】
「手丸提灯(ヂヨウチン)」の略。
手丸提灯
てまるぢょうちん [4] 【手丸提灯】
丸形の提げ提灯。手丸。
手事
てごと [1] 【手事】
(1)地歌・箏曲(ソウキヨク)の曲の構成部分名称。前歌(マエウタ)と後歌(アトウタ)の間に挿入された長い間奏。多くはその器楽的展開が曲の眼目となる。
(2)計略。技巧。手練手管(テレンテクダ)。「それ者の果ぢや故,―とやらがあらうわいの/歌舞伎・小袖曾我」
手事物
てごともの [0] 【手事物】
地歌・箏曲で,手事{(1)}を含む曲。多くは前歌・手事・後歌の楽曲構成をとる。「笹(ササ)の露」「残月」など。
手交
しゅこう [0] 【手交】 (名)スル
(公式文書などを)手渡しすること。「要請書を―する」
手交する
しゅこう【手交する】
hand over;deliver.→英和
手人
てひと 【手人】
(1)特別の技術をもった人。機織り,裁縫などの技術者。「高麗に使ひして―を召す/日本書紀(仁賢訓)」
(2)腕前のすぐれた者。上手。「馬射―などをけふ御覧ぜらるる/公事根源愚考」
(3)配下の者。手の者。
手仕事
てしごと【手仕事】
manual work;handicraft.→英和
手仕事
てしごと [2] 【手仕事】
手先を使う細かい仕事。
手仕舞
てじまい [2] 【手仕舞(い)】
清算取引や信用取引で空(カラ)売り,空買いしていたのを,買い戻しや転売によって決済すること。
手仕舞い
てじまい [2] 【手仕舞(い)】
清算取引や信用取引で空(カラ)売り,空買いしていたのを,買い戻しや転売によって決済すること。
手仕舞う
てじま・う [3] 【手仕舞う】 (動ワ五[ハ四])
取引で,手仕舞いを行なって決済する。
→手仕舞い
手付
てつけ【手付(金)】
<pay> earnest[bargain]money; <make> a deposit.→英和
手付
てつけ [3][0] 【手付(け)】
〔「てづけ」とも〕
(1)「手付け金」の略。「―を払う」「―を打つ」
(2)手を付けること。つかったり,着手したりすること。
手付かず
てつかず [3][2] 【手付かず】 (名・形動)[文]ナリ
(1)まだ手をつけていないこと。つかったり,着手したりしていないこと。また,そのさま。「絵の宿題がまだ―だ」「―の金」
(2)手間がかからない・こと(さま)。「頸(ツムリ)へ乗せさへすれば―に髷(マゲ)が出来る/滑稽本・浮世風呂 2」
手付かずの
てつかず【手付かずの】
untouched;→英和
unused.→英和
手付き
てつき [1] 【手付き】
(1)物事をする際の手の使い方,動かし方。手のかっこう。「危なっかしい―」
(2)手を用いて行う技芸の手なみ。腕前。「少しここしき―どもをこそいどませめとて/源氏(若菜下)」
(3)特に,文字の書き具合。筆跡。
(4)江戸幕府の職名の一。郡代・代官や奉行などに属して主に書記の役をつとめた小吏。
手付け
てつけ [3][0] 【手付(け)】
〔「てづけ」とも〕
(1)「手付け金」の略。「―を払う」「―を打つ」
(2)手を付けること。つかったり,着手したりすること。
手付け損倍戻し
てつけぞんばいもどし [8] 【手付(け)損倍戻し】
手付け金の交付者がその金を放棄し(手付け損),または手付け金の受領者がその金額の倍額を返還して(手付け倍戻し),契約を解除すること。
→解約手付け
手付け流れ
てつけながれ [4] 【手付(け)流れ】
契約を解除したために,支払った手付け金が受領者に没収されること。手つけ損。
手付け金
てつけきん [0] 【手付(け)金】
売買・賃貸・請負などの契約締結の際に,契約の証拠,違約損害の補填,解約権利の留保として,買い主や注文主が相手方に渡す金。いずれ代金に含めるが,代金そのものではない。手金(テキン)。てつけ。
手付損倍戻し
てつけぞんばいもどし [8] 【手付(け)損倍戻し】
手付け金の交付者がその金を放棄し(手付け損),または手付け金の受領者がその金額の倍額を返還して(手付け倍戻し),契約を解除すること。
→解約手付け
手付流れ
てつけながれ [4] 【手付(け)流れ】
契約を解除したために,支払った手付け金が受領者に没収されること。手つけ損。
手付金
てつけきん [0] 【手付(け)金】
売買・賃貸・請負などの契約締結の際に,契約の証拠,違約損害の補填,解約権利の留保として,買い主や注文主が相手方に渡す金。いずれ代金に含めるが,代金そのものではない。手金(テキン)。てつけ。
手代
てだい [0] 【手代】
〔手がわり,の意〕
(1)商家の使用人で,丁稚(デツチ)と番頭の中間の身分の者。
(2)商法で,販売・仕入れなど特定事項について代理権を認められた者。
(3)江戸時代,郡代・代官・奉行の下で雑務を担当した役人。
手代
てだい【手代】
⇒店員.
手代り
てがわり [2] 【手替(わ)り・手代(わ)り】
(1)先の人に代わって,仕事をすること。また,その人。交代。手代(テシロ)。
(2)代理。また,代理の人。「若宮御加持,住心院―参る,誰人か知らず/看聞御記」
(3)趣が変わっていること。風変わり。「少し―に衆道狂ひと心ざし/浮世草子・真実伊勢物語」
(4)裏切り。手返し。「秀頼―の由告げ来る/三河物語」
手代わり
てがわり [2] 【手替(わ)り・手代(わ)り】
(1)先の人に代わって,仕事をすること。また,その人。交代。手代(テシロ)。
(2)代理。また,代理の人。「若宮御加持,住心院―参る,誰人か知らず/看聞御記」
(3)趣が変わっていること。風変わり。「少し―に衆道狂ひと心ざし/浮世草子・真実伊勢物語」
(4)裏切り。手返し。「秀頼―の由告げ来る/三河物語」
手代敵
てだいがたき [4] 【手代敵】
歌舞伎の役柄の一。世話物で悪事を働く手代の役。多くは端敵(ハガタキ)。
手任せ
てまかせ [2] 【手任せ】
手の働くのにまかせること。「―につかむ」
手伝い
てつだい【手伝い】
help;→英和
assistance;[人]a help(er);an assistant;→英和
a hand (お手伝いさん).→英和
手伝い
てつだい [3] 【手伝い】
てつだうこと。また,その人。「お―」「家事―」「―に来てもらう」
手伝う
てつだう【手伝う】
help;→英和
assist;→英和
aid;→英和
lend a (helping) hand <to> .
手伝う
てつだ・う [3] 【手伝う】 (動ワ五[ハ四])
(1)人の仕事を助ける。「家業を―・う」
(2)あることが影響を与えて勢いを増す。「群集心理も―・って事が大きくなる」「仕合が―・はねば是非もなし/浮世草子・胸算用 4」
[可能] てつだえる
手余す
てあま・す [3] 【手余す】 (動サ五[四])
自分の力にあまる。もてあます。「仕事ヲ―・ス/ヘボン(三版)」
手余り地
てあまりち [4] 【手余り地】
江戸時代,人手不足によって耕作が放棄された土地。農民の逃散などによって生じたもので,幕府は帰農令,人返し令によりその増大を防ごうとしたが,効果はあがらなかった。
手作
てさく [0] 【手作】
(1)手製。手づくり。「是はわたくしの―でござると申て/狂言・瓜盗人」
(2)自分で耕作すること。また,その田畑。「大久保一名の地行,又は―までも根をほり給へば/三河物語」
手作り
てづくり [2] 【手作り】
(1)自分の手で作ること。手製。「―の菓子」
(2)手織りの布。「多摩川にさらす―さらさらに/万葉 3373」
(3)「手びねり」に同じ。
(4)自分で考え出すこと。また,独断。「―ナ事ヲ言ウ/日葡」
(5)田畑を自分で耕作・経営すること。特に,近世以降,地主が,所有地の一部を家族や雇用の労働力によって耕作すること。
手作り
たづくり 【手作り】
手織りの布。古代,調として納めたもの。調布。「槙の島さらしかけたる―に見えまがふまで鷺ぞむれゐる/夫木 23」
手作りの
てづくり【手作りの】
handmade;homemade.→英和
手作る
たづく・る 【手作る】 (動ラ四)
着る。よそおう。「足結(アヨイ)―・り腰作らふも/日本書紀(皇極)」
手作業
てさぎょう [2] 【手作業】
機械によらず,手で行う作業。
手使い
てづかい [2] 【手遣い・手使い】
(1)手の運び方。手の使い方。
(2)手勝手。「―ノ良イ家/日葡」
(3)自分の家で使うこと。「味噌は一斗ほど御座候。是は―に御座候/梅津政景日記」
(4)配下の者を遣わすこと。また,軍勢を配備すること。「小原鑑元かたへ―せし故に鑑元が逆心顕れて/武家名目抄(軍陣)」
手信号
てしんごう [2] 【手信号】
車両に対して警察官や信号手が手で行う信号。鉄道信号では昼間は旗,夜間は手提げランプを使う。
手偏
てへん [0] 【手偏】
漢字の偏の一。「打」「投」などの「扌」。
手傀儡
てくぐつ [2] 【手傀儡】
〔「でくぐつ」とも〕
手で操る人形。操り人形。またそれを操ること。「よくよくめでたく舞ふものは…八千独楽(ヤチコマ)・蟾舞(ヒキマイ)・―/梁塵秘抄」
手傘
てがさ [2][1] 【手傘】
手に持って差すかさ。さしがさ。
手備え
てぞなえ [2] 【手備え】
大将の陣営を守る兵。
手傷
てきず [1] 【手傷・手創・手疵】
負傷。特に戦いで負ったきず。「―を負う」
手傷を負う
てきず【手傷を負う】
be wounded.
手元
てもと [3] 【手元・手許】
(1)手の下。手の届くあたり。「―が暗い」「―に資料がない」「娘は―におく」
(2)器具などの,手で持つ部分。
(3)手つき。手の動き。「―が狂う」
(4)手元にある金。懐具合。「―不如意」
(5)〔中世女性語〕
箸。おてもと。
手元に
てもと【手元に】
at[on]hand;by one (側に); <have> with one (持ち合わせて).〜が狂う miss one's aim.〜が苦しい be hard up (for money) (不如意).
手元流動性
てもとりゅうどうせい [6][0] 【手元流動性】
企業などが保有する,流動性が最も高い現金・預金・短期保有の有価証券を合計したもの。
手先
たなさき [0] 【手先】
手のさき。指先。
手先
てさき [3] 【手先】
(1)手の先。指先。また,手や指の使い方。「―がつめたい」「―が器用だ」
(2)他人の意のままに使われる者。手下。「悪者の―」
(3)部隊の先頭。先鋒。「―をまくりて中を破らんとするに/太平記 26」
(4)江戸時代,町奉行配下の同心の下働きをした者のうち,無給の者。目明かし。
(5)雁股(カリマタ)の鏃(ヤジリ)の先。
(6)兜(カブト)の吹き返しの前方の称。
(7)〔建〕
(ア)扉の釣り元から最も遠い部分。
(イ)二枚畳みの唐戸の,枠に遠い方の戸。
(ウ)土蔵の扉の召し合わせ部分につけられた段。
(エ)建築の斗組(マスグ)みで,壁面より前方へ突き出ている斗組み。組み方によって一手先(ヒトテサキ)(出組)・二手先・三先手(ミテサキ)などと呼ぶ。
手先の器用な
てさき【手先の器用な】
clever with one's hands.〜に使う use <a person> as a tool.→英和
手児
てご 【手児】
〔上代東国語。「てこ」とも〕
(1)幼児。赤子。「音をぞ泣きつる―にあらなくに/万葉 3485」
(2)少女。おとめ。「埴科(ハニシナ)の石井の―が言な絶えそね/万葉 3398」
手児奈
てごな 【手児奈】
〔上代東国語。「てこな」とも。「な」は愛称の接尾語〕
「てご(手児){(2)}」に同じ。「勝鹿の真間の―が奥つきを/万葉 431」
→真間(ママ)の手児奈
手入らず
ていらず [2] 【手入らず】
(1)手数がかからないこと。
(2)まだ一度も使っていないこと。転じて,きむすめ。手つかず。
(3)まだ一度も手入れをしていないこと。
手入れ
ていれ [3][1] 【手入れ】 (名)スル
(1)よい状態に保つために,整えたりつくろったりして,手を掛けること。「庭を―する」
(2)犯人の検挙や捜査のために,警官などが踏み込むこと。「賭場を―する」
(3)囲碁で,自陣の欠陥部所の補完のために石を打つこと。
手入れをする
ていれ【手入れをする】
take care of;trim <hair,a tree> ;→英和
repair (修理);→英和
make a raid <on> (警察の).→英和
〜の行きとどいた(いない) well-kept (ill-kept) <gardens> ; <be> in good (bad) repair.
手全し
てまた・し 【手全し】 (形ク)
手がたい。実直である。「しやれたる女を成る程―・く作りて/浮世草子・織留 6」
手八丁
てはっちょう [2] 【手八丁】
腕が立ち,仕事をよくこなすこと。また,その人。
手八丁口八丁
てはっちょうくちはっちょう [2][3] 【手八丁口八丁】
⇒「手」の句項目
手六十
てろくじゅう [2] 【手六十】
手習いは六〇歳まで上達の見込みがあるということ。
手兵
しゅへい [0] 【手兵】
手もとに置いて直接率いる兵。手勢。
手具
しゅぐ [1] 【手具】
体操,特に新体操の競技で用いる道具。縄・輪・棍棒(コンボウ)・帯状布(リボン)・ボールなど。
手具体操
しゅぐたいそう [3] 【手具体操】
手にいろいろな器具を持って行う体操。亜鈴体操・ボール体操・棍棒体操など。
手具足
てぐそく 【手具足】
身のまわりの小道具。手道具。「わ上郎の―/狂言・吃」
手内職
てないしょく [2] 【手内職】
裁縫・袋張りなど手先を使ってする内職。
手冊
しゅさつ [0] 【手冊】
覚え書きのための手帳。
手写
しゅしゃ [1] 【手写】 (名)スル
手で書き写すこと。書写。「―本」「借りて之を―せり/病牀譫語(子規)」
手出し
てだし [1] 【手出し】 (名)スル
(1)手を出すこと。打つ・殴るなど,争いをしかけること。「先に―したのはどっちだ」
(2)自分から積極的にその事にかかわること。してみること。「商品相場に―する」
(3)他人の問題に介入すること。立ち入ること。「余計な―をしないでくれ」
手出しする
てだし【手出しする】
have a hand <in> (関与);→英和
attempt (試みる);→英和
poke one's nose <into> (干渉);make advances to (女に).
手刀
てがたな [2] 【手刀】
指をそろえてのばした手を刀のように使うこと。
手刀
しゅとう [0] 【手刀】
空手で,親指を軽くまげ,他の四本の指をそろえて伸ばし,刀のように使って,眉間・脇腹など相手の急所を打つ技。
手分け
てわけ [3] 【手分け】 (名)スル
(1)一つの仕事を何人かで分けて受け持つこと。「―して探す」
(2)軍勢を配置すること。「敵すでに寄せ来るに,方々の―をこそせられんずれ/保元(中・古活字本)」
手分けする
てわけ【手分けする】
divide the work <among> .→英和
〜して捜す send parties to search <for> .
手切れ
てぎれ [0][3] 【手切れ】
〔「てきれ」とも〕
(1)それまでの互いの関係をたつこと。特に,男女が関係を絶つこと。
(2)「手切れ金(キン)」に同じ。
(3)談判が破れ,敵対関係に入ること。「然間,駿河と御―を成され候へて/三河物語」
手切れ話
てぎればなし [4] 【手切れ話】
別れ話。
手切れ金
てぎれきん [0] 【手切れ金】
男女が今までの愛情関係を絶つ代償として相手に支払う金。手切り金。手切れ。慰謝料。
手切れ金
てぎれ【手切れ金】
a solatium;consolation money.
手初めに
てはじめ【手初めに】
in the beginning;at the start;→英和
to begin with.
手判
てはん [0] 【手判】
(1)手に墨を塗って紙に押し後日の証とするもの。また,自筆の書き判。てがた。
(2)江戸時代,関所の通行券。名主や五人組の証印が押してあった。関所手形。
手利き
てきき [3] 【手利き】
技量のすぐれていること。手際のよいこと。また,その人。うできき。
手刷
てずり [3][0] 【手刷(り)】 (名)スル
(1)印刷機を手で操作して印刷すること。また,その印刷物。「会報を―する」
(2)木版を馬楝(バレン)を用いて,一枚ずつ刷ること。また,その印刷物。
手刷の
てずり【手刷の】
hand-printed.
手刷り
てずり [3][0] 【手刷(り)】 (名)スル
(1)印刷機を手で操作して印刷すること。また,その印刷物。「会報を―する」
(2)木版を馬楝(バレン)を用いて,一枚ずつ刷ること。また,その印刷物。
手刺
てさし [0] 【手指(し)・手刺(し)】
野良仕事・山仕事などで,腕から手を保護するためにはめるもの。手甲と同様のもの,指のない手袋様のものなどがある。
手刺し
てさし [0] 【手指(し)・手刺(し)】
野良仕事・山仕事などで,腕から手を保護するためにはめるもの。手甲と同様のもの,指のない手袋様のものなどがある。
手前
てまえ [0] 【手前】
■一■ (名)
(1)自分のすぐ前。自分に近い方。また,基準にした物より自分に近い方。「―にあるのが小学校で後ろが中学校」「橋の一つ―の角を右に曲がる」
(2)他人に対する,自分の立場。面目。体裁。「友人の―知らないとは言えない」「力になろうと言った―断れない」
(3)腕前。技量。手並み。
(4) [0][1]
(多く「点前」と書く)茶をたてたり,香を炷(タ)いたりする作法。また,その所作。
(5)自分ですること。自分の負担ですること。「―に湯屋風呂屋を拵(コシラ)へ/浮世草子・永代蔵 3」
(6)自分の勢力の及ぶ範囲。また,支配下にある物。「親の―を引きとられ,余所(ヨソ)の内に預けられておりましたが/滑稽本・膝栗毛(発端)」
(7)家計。暮らし向き。内証。「―の摺り切りも苦にならず/仮名草子・浮世物語」
■二■ (代)
(1)一人称。ややへりくだっていう語。「―は存じません」
(2)二人称。対等または対等以下の相手に用いる。ややさげすんでいう語。てめえ。「―なんか何も知らないくせに,黙ってろ」
手前
てまえ【手前】
(1) I;→英和
we (手前ども);→英和
you (お前).→英和
(2)[こちら]this side <of> .
(3)[茶の湯]the tea ceremony.
手前
てめえ [0] 【手前】 (代)
〔「てまえ」の転。話しことばでのごくくだけた言い方〕
(1)一人称。「てまえ(手前){■二■(1)}」に同じ。「―なんかもすっかり老いぼれてしまいまして」
(2)二人称。「てまえ(手前){■二■(2)}」に同じ。「―なんかの知ったことか」
手前共
てまえども [4][2] 【手前共】 (代)
一人称。わたくしたち。商人・芸人などが多く用いる。商人の場合,「わたくしの店」の意にも用いる。「―でお願いした品でございます」
手前勘
てまえかん [3] 【手前勘】
自分の都合にあわせて勝手な思い込みをすること。ひとりよがり。
手前勝手
てまえがって [4] 【手前勝手】 (名・形動)[文]ナリ
自分の都合だけを考えて行動する・こと(さま)。自分勝手。「―な言い分」
手前勝手
てまえがって【手前勝手】
⇒勝手.
手前味噌
てまえみそ [4] 【手前味噌】
〔自分の家で作った味噌の味を自慢することから〕
自分のことをほめること。自慢。「―を並べる」
手前味噌を並べる
てまえみそ【手前味噌を並べる】
praise[flatter]oneself;sing one's own praises.
手前定規
てまえじょうぎ [4] 【手前定規】
自分に都合のいいようにきめた理屈。
手前普請
てまえぶしん [4] 【手前普請】
職人を頼まずに自分で家を修繕または建築すること。
手前極め
てまえぎわめ [4] 【手前極め】
自分勝手にきめてしまうこと。自分ぎめ。「―にひとりのみこみ/西洋道中膝栗毛(魯文)」
手前療治
てまえりょうじ [4] 【手前療治】
医師にかからず,自分で療治すること。
手前者
てまえしゃ 【手前者】
裕福な人。資産家。「ためしまれなる―にて/浮世草子・御前義経記」
手創
てきず [1] 【手傷・手創・手疵】
負傷。特に戦いで負ったきず。「―を負う」
手力
たぢから 【手力】
腕の力。腕力。「春の花今は盛りに匂ふらむ折りてかざさむ―もがも/万葉 3965」
手力男命
たぢからおのみこと タヂカラヲ― 【手力男命】
⇒天手力男命(アマノタヂカラオノミコト)
手加減
てかげん [2] 【手加減】 (名)スル
(1)手を使って動作をする時の力の入れ具合・動かし方など。「―がわからない」
(2)相手の程度やその時々の状況に応じて適当に調節すること。てごころ。「―を加える」「―して打つ」
手加減
てかげん【手加減】
⇒手心.
手助かり
てだすかり [2] 【手助かり】
手だすけを得て,楽になること。
手助け
てだすけ [2] 【手助け】 (名)スル
手伝うこと。また,手伝いとして役に立つこと。「店の仕事を―する」
手助けする
てだすけ【手助けする】
help.→英和
〜になる be helpful[a help] <to> .
手勅
しゅちょく [0] 【手勅】
天皇直筆の勅書。手詔。
手動
しゅどう [0] 【手動】
機械などを手で動かして操作すること。
⇔自動
「―式ポンプ」「―計時」
手動の
しゅどう【手動の】
hand-operated.手動ブレーキ a hand brake.
手勝手
てがって [2] 【手勝手】
(1)実際に使ってみた時の,具合のよしあし。「内開きの扉は―が悪い」
(2)手加減(テカゲン)。手心(テゴコロ)。
手勢
てぜい [0] 【手勢】
直接率いている軍勢。「わずかの―」
手勢
てぜい【手勢】
one's men.
手医師
ていし [1] 【手医師】
「手医者(テイシヤ)」に同じ。
手医者
ていしゃ [1] 【手医者】
お抱えの医者。かかりつけの医者。侍医。手医師。「―間もなく見まはれ/浮世草子・織留 6」
手卜
てうら [0] 【手占・手卜】
手相・爪の色,指の屈伸の具合など,手を見て占うこと。手うらない。「先づ―を置いてみませう/狂言・居杭(虎寛本)」
手占
てうら [0] 【手占・手卜】
手相・爪の色,指の屈伸の具合など,手を見て占うこと。手うらない。「先づ―を置いてみませう/狂言・居杭(虎寛本)」
手印
しゅいん [0] 【手印】
(1)手の指で印を結ぶこと。また,その指の形。それによって,悟りや修行の内容を象徴的に示す。印契(インゲイ)。
(2)手の形を押して印としたもの。てがた。
(3)自筆の文書。また,自分でした署名。
手印
ていん [0] 【手印】
てのひらに朱や墨を塗って,文書の文面に押した印。願文・証文などに用いた。掌印。しゅいん。
手厚い
てあつい【手厚い(く)】
cordial(ly);→英和
warm(ly);→英和
courteous(ly);→英和
hearty(-ily);→英和
hospitable (with great hospitality).→英和
手厚い
てあつ・い [0][3] 【手厚い】 (形)[文]ク てあつ・し
取り扱いやもてなし方に心がこもっていて丁寧である。親切で手落ちがない。「―・い看護を受ける」「―・くもてなす」「―・く葬る」
[派生] ――さ(名)
手厳しい
てきびしい【手厳しい(く)】
severe(ly);→英和
hard.→英和
手厳しい
てきびし・い [4] 【手厳しい】 (形)[文]シク てきび・し
遠慮や気遣いなしに相手に対応するさま。手加減がない。容赦ない。「―・い批判」「―・くはねつける」
[派生] ――さ(名)
手取り
てどり [3][0] 【手取り】
(1)(多く「手捕り」と書く)素手で捕らえること。生け捕りにすること。「苦もなく之を―にしたが,今度のも前と同じく雌であつた/日本北アルプス縦断記(烏水)」
(2)糸を,手で繰り取ること。手繰り。
(3) [0]
収入から税金・経費などを差し引いた,実際に自分の手に入る金額。
(4)口のある湯沸かし。やかん。「石の如くにして焼けざるものの,―の勢なるあり/沙石 7」
手取り
てどり【手取り】
real income;a net profit (純益);[給 料]take-home pay; <200,000 yen> after taxes.
手取り
てとり [3] 【手取り】
〔「てどり」とも〕
(1)相撲で,技の巧みなこと。また,その人。「―の力士」
(2)手練手管にたけること。また,その人。「さすが―の仇吉が,しばらく前後思案して/人情本・辰巳園(後)」
手取り物
てとりもの 【手取り物】
得意なもの。「そうじて失物(ウセモノ)の待人(マチビト)のと申すが,算置きの―でござる/狂言・居杭(虎寛本)」
手取り者
てとりもの 【手取り者】
(1)技の巧みな相撲取り。相撲巧者。
(2)遊女などで,人あしらいの上手なもの。「昔の高尾・薄雲・小紫にもをさ��劣らぬ―/歌舞伎・菊模様法灯籠」
手取り釜
てどりがま [3] 【手取り釜】
茶の湯の釜の一。鐶付(カンツキ)につるが付いているもの。
手取り鍋
てどりなべ [4] 【手取り鍋】
つるの付いた鍋。てなべ。
手取川
てどりがわ 【手取川】
両白山地の白山周辺を水源とし,石川県南部を北流して日本海に注ぐ川。下流域には鶴来(ツルギ)を扇頂とする扇状地が発達。中流に手取峡谷・手取温泉,上流に手取川ダムがある。
手口
てぐち【手口】
a way;→英和
a trick;→英和
a style <of a crime> .→英和
手口
てぐち [1] 【手口】
(1)悪事などを実行した時の方法・手段。「巧妙な―」「掏摸(スリ)の―」
(2)取引用語。
(ア)売買内容(銘柄・数量など)。
(イ)売り手と買い手。
手古舞
てこまい [0] 【手古舞】
江戸時代の祭礼で,男装の女性が山車(ダシ)や神輿(ミコシ)の先駆をして舞った舞。また,その人。姿は,男髷(オトコマゲ),右肩ぬぎの派手な襦袢(ジバン),伊勢袴,手甲,脚絆(キヤハン),足袋,わらじ,というもので,背に花笠を掛け,鉄棒を突き,牡丹を描いた黒骨の扇を持ち,煽ぎながら木遣(キヤリ)などを歌いつつ舞い歩いた。
手古舞[図]
手合
てあい [0][1] 【手合(い)】
(1)同類の人や物。連中。仲間。「あの―とはつき合うな」「同じ―の品」
(2)一緒に行動する相手。適当な仲間。「此所にても口きく程の若き人新町に―を拵(コシラ)へ/浮世草子・一代男 5」
(3)勝負をすること。手合わせ。
(ア)囲碁・将棋で対局すること。「大―」
(イ)相撲をとること。また,立ち合いの差し手争い。「行司の団(ウチワ)引くより早く,やつと声かけ―して/浄瑠璃・井筒業平」
(4)契約すること。約束をすること。手配。「かねて―の早駕籠/浮世草子・好色盛衰記 4」
(5)見込み。予想。「―の噂思ひ入れを互に言ひ合い/洒落本・秘事真告」
手合
てあい【手合】
a fellow;→英和
[連中]a lot;→英和
a set.→英和
手合い
てあい [0][1] 【手合(い)】
(1)同類の人や物。連中。仲間。「あの―とはつき合うな」「同じ―の品」
(2)一緒に行動する相手。適当な仲間。「此所にても口きく程の若き人新町に―を拵(コシラ)へ/浮世草子・一代男 5」
(3)勝負をすること。手合わせ。
(ア)囲碁・将棋で対局すること。「大―」
(イ)相撲をとること。また,立ち合いの差し手争い。「行司の団(ウチワ)引くより早く,やつと声かけ―して/浄瑠璃・井筒業平」
(4)契約すること。約束をすること。手配。「かねて―の早駕籠/浮世草子・好色盛衰記 4」
(5)見込み。予想。「―の噂思ひ入れを互に言ひ合い/洒落本・秘事真告」
手合せ
てあわせ【手合せ】
(1)[勝負] <have> a game <with> ;→英和
a contest.→英和
(2)[取引] <strike> a bargain <with> .→英和
手合せ
てあわせ [2] 【手合(わ)せ】 (名)スル
(1)相手となって勝負をすること。「一度―してみたい」
(2)箏(コト)・三弦・尺八などで,異なる楽器どうしあるいは本手と替手など異なる手で合奏すること。
(3)(長く続く戦いの)最初の勝負。「菊池は―の合戦に討勝つて門出吉と悦んで/太平記 16」
(4)剃(ソ)る前に剃刀(カミソリ)の刃をてのひらに当ててみること。「櫛笥(クシゲ)の眉垂(マユダレ)―し/松の葉」
(5)薬などを自分で調合すること。「秤(ハカリ)目の違ひなきやうに―念を入れ/浮世草子・永代蔵 3」
手合わせ
てあわせ [2] 【手合(わ)せ】 (名)スル
(1)相手となって勝負をすること。「一度―してみたい」
(2)箏(コト)・三弦・尺八などで,異なる楽器どうしあるいは本手と替手など異なる手で合奏すること。
(3)(長く続く戦いの)最初の勝負。「菊池は―の合戦に討勝つて門出吉と悦んで/太平記 16」
(4)剃(ソ)る前に剃刀(カミソリ)の刃をてのひらに当ててみること。「櫛笥(クシゲ)の眉垂(マユダレ)―し/松の葉」
(5)薬などを自分で調合すること。「秤(ハカリ)目の違ひなきやうに―念を入れ/浮世草子・永代蔵 3」
手合割
てあいわり [0] 【手合割(り)】
囲碁・将棋で,対局者の技量の差を補う,一種のハンディキャップ。
(ア)囲碁では,互い先(セン)・先相先(センアイセン)・先および二子以上置く置き碁がある。
(イ)将棋では,同段の場合の平手(ヒラテ),駒落ちでさす場合の香落ち・角落ち・飛車落ちなどがある。駒割り。
手合割り
てあいわり [0] 【手合割(り)】
囲碁・将棋で,対局者の技量の差を補う,一種のハンディキャップ。
(ア)囲碁では,互い先(セン)・先相先(センアイセン)・先および二子以上置く置き碁がある。
(イ)将棋では,同段の場合の平手(ヒラテ),駒落ちでさす場合の香落ち・角落ち・飛車落ちなどがある。駒割り。
手名椎
てなずち テナヅチ 【手摩乳・手名椎】
記紀神話の神。脚摩乳(アシナズチ)の妻で,奇稲田姫(クシナダヒメ)の母。てなずちのかみ。
手向い
てむかい【手向い】
⇒抵抗.
手向い
てむかい [2] 【手向(か)い】 (名)スル
てむかうこと。抵抗。反抗。「むだな―はするな」
手向かい
てむかい [2] 【手向(か)い】 (名)スル
てむかうこと。抵抗。反抗。「むだな―はするな」
手向かう
てむか・う [3] 【手向かう】 (動ワ五[ハ四])
腕力や武力を用いて抵抗する。はむかう。反抗する。さからう。「柔道五段の相手では,―・っても無駄だ」
[可能] てむかえる
手向かひ
たむかい 【手向かひ】
抵抗すること。てむかい。「人は言へども―もせず/日本書紀(神武)」
手向け
たむけ [3] 【手向け】
(1)神仏,あるいは死者の前に物を供えること。また,その物。特に,道祖神の場合についていうことが多い。「―の花」
(2)別れを惜しんで人に贈るしるし。餞別。はなむけ。「―の杯」「―の言葉」
(3)手向けの神のあるところ。特に,山道の登りつめた所である峠をいう。「佐保過ぎて奈良の―に置く幣は/万葉 300」
(4)「手向けの神」の略。「あふさか山にいたりて,―をいのり/古今(仮名序)」
(5)道中の安全を祈るために神仏に幣(ヌサ)をたてまつること。「舟を漕ぎ出して漕ぎ来る道に―する所あり/土左」
手向けの山
たむけのやま 【手向けの山】
「たむけやま」に同じ。
手向けの神
たむけのかみ [5] 【手向けの神】
峠や坂の上にいて,通過に際して旅人が旅の安全を祈願する神。「礪波(トナミ)山,―に幣奉(マツ)り/万葉 4008」
手向ける
たむける【手向ける】
offer <flowers> .→英和
手向ける
たむ・ける [3] 【手向ける】 (動カ下一)[文]カ下二 たむ・く
(1)神仏や死者の霊に供え物をささげる。古くは主に旅の平安を祈るものであった。「墓に線香を―・ける」
(2)旅立つ人に餞別を贈る。「ゆく年に涙の玉を―・けつるかな/新古今(雑上)」
(3)旅に出る人や別れて行く人に,はなむけをする。「友人の壮途に―・ける言葉」
手向け山
たむけやま [0] 【手向け山】
手向けの神をまつってある山。一般的な呼び名から固有名詞になった所も多い。奈良山・逢坂山など。「このたびはぬさもとりあへず―紅葉の錦神のまにまに/古今(羇旅)」
手向け歌
たむけうた [3] 【手向け歌】
神仏への手向けとして詠んだ歌。
手向け水
たむけみず [3] 【手向け水】
神仏あるいは死者にささげる水。「涙を子どもの―となし/浮世草子・武家義理物語 1」
手向け花
たむけばな [3] 【手向け花】
神仏や死者の霊などにささげる花。「―とて咲きおくれし桜を一本持たせけるに/浮世草子・五人女 4」
手向け草
たむけぐさ 【手向け草】
神仏への供物。「白波の浜松が枝の―/万葉 34」
手向山八幡宮
たむけやまはちまんぐう 【手向山八幡宮】
奈良市雑司町にある神社。祭神は応神天皇・比売命・仲哀天皇・神功皇后。749年,聖武天皇が東大寺の守護神として宇佐八幡を平城京の南の梨原宮に勧請してまつったのに始まるという。手向山神社。東大寺八幡宮。
手味噌
てみそ 【手味噌】
(1)自分で作り出した原因。「此世の―の報ひで,もし青馬の腹へなど生れては行れぬか/浄瑠璃・嵯峨天皇」
(2)ごまかし。いかさま。「さすが恩愛の―のくせぞ悲しき/浄瑠璃・大職冠」
(3)「手前(テマエ)味噌」に同じ。
手品
てじな [1] 【手品】
(1)指先や器具を巧みに操り,人の注意をそらせておいて,不思議なことをして見せる芸。仕掛けを主体とする大掛かりなものを特に奇術と称する場合がある。てづま。「―の種」
(2)腕前。手並み。「―は皆見えぬ,弊(ツタナ)き事なし/今昔 25」
(3)手の動かし方。手つき。手ぶり。「菜刀取つて切り刻(キザ)み,ちよき��,��と―よく/浄瑠璃・菅原」
手品
てじな【手品(を使う)】
jugglery (juggle);→英和
(do) magic[conjuring]tricks.手品師 a juggler;→英和
a conjurer;a magician.→英和
手品師
てじなし [3] 【手品師】
手品をしてみせる芸人。手品遣い。
手品節
てじなぶし [0] 【手品節】
古浄瑠璃の一。延宝(1673-1681)から元禄(1688-1704)にかけて手品市左衛門によって語られ盛んとなった。河東節に節が伝えられているという。
手品遣い
てじなつかい [4] 【手品遣い】
「手品師(テジナシ)」に同じ。
手器用
てぎよう [2] 【手器用】 (名・形動)
手先が器用なこと。手際がよいこと。また,そのさま。「―に作り上げる」
手回し
てまわし [2] 【手回し】
(1)器具・機械を手で回すこと。また,その器具・機械。
(2)前もって手配りすること。準備。支度。「―がいい」
(3)金のやりくり。「何や彼や内証の―は悪うなる/合巻・正本製」
手回しをする
てまわし【手回しをする】
get ready;prepare[arrange] <for> .→英和
〜が良い be ready[(fully) prepared].
手回しオルガン
てまわしオルガン [5] 【手回し―】
手でハンドルを回して自動演奏する小型のオルガン。木製の円筒の表面にピンを立て,その回転でオルガンの鍵(ケン)を押さえて音を出す。
手回す
てまわ・す 【手回す】 (動サ四)
準備する。「こつちから帯といて―・したけれど/洒落本・�閣秘言」
手回り
てまわり【手回り(品)】
one's things;personal effects[belongings].⇒手荷物.
手回り
てまわり [2] 【手回り】
(1)身の回り。身辺。また,身の回りの道具。「―を整頓(セイトン)する」
(2)常に主人の身近に仕え,世話をしたり警護をしたりする者。「―少々御供にて/浄瑠璃・嫗山姥」
(3)暮らし向き。家計の状態。「―もよく幾はへか庭に五つのたなつ物/浄瑠璃・宵庚申(中)」
手回り品
てまわりひん [0] 【手回り品】
身のまわりで使ったり,持ち歩いたりするもの。携帯品。
手回り道具
てまわりどうぐ [5] 【手回り道具】
身近に置いて日常使用する道具。
手回る
てまわ・る 【手回る】 (動ラ四)
(1)手に入る。「どの様に口説ても思ふ様に―・る物ではない/歌舞伎・霧太郎天狗酒醼」
(2)金のやりくりがつく。「内の事さへ相応に―・つたら/歌舞伎・四谷怪談」
手土産
てみやげ【手土産】
a present.→英和
手土産
てみやげ [2] 【手土産】
人を訪問するときに持って行くちょっとした物。挨拶(アイサツ)がわりの簡単な土産。
手型千鳥
てがたちどり [4] 【手型千鳥】
チドリソウ{(1)}の別名。
手垢
てあか [3] 【手垢】
手のあか。また,器物などに手が触れてついたよごれ。「―のついた本」
手垢のついた
てあか【手垢のついた】
thumbed <book> .
手堅い
てがたい【手堅い】
steady;→英和
safe;→英和
sound;→英和
[信用]reliable;→英和
honest;→英和
of good reputation.手堅く steadily; <do business> on a steady[sound]basis.
手堅い
てがた・い [3][0] 【手堅い】 (形)[文]ク てがた・し
(1)やり方が確実で危なげがない。堅実だ。「―・い方法」「定石どおり―・く攻める」
(2)相場で,下落しそうな気配がない。「―・い銘柄」
[派生] ――さ(名)
手塚
てづか 【手塚】
姓氏の一。
手塚治虫
てづかおさむ 【手塚治虫】
(1926-1989) 漫画家。本名,治。大阪府生まれ。日本におけるストーリー漫画・アニメーションの開拓者かつ第一人者。ヒューマニズムに裏打ちされた構想により人間存在の深淵に迫る。代表作「ジャングル大帝」「鉄腕アトム」「火の鳥」など。
手塩
てしお [0][3] 【手塩】
(1)それぞれの食膳に備えた少量の塩。古く,食膳の不浄を払うために,小皿に盛って添えたという。
(2)「手塩皿(ザラ)」の略。
(3)手ずから世話をすること。「他人の―に育てられ/歌舞伎・心謎解色糸」
手塩にかけて
てしお【手塩にかけて】
<bring up> with tender care.
手塩皿
てしおざら [3] 【手塩皿】
(1)手塩を盛った小さな皿。
(2)香の物などを盛る,ごく小さく浅い皿。おてしょ。
手奇麗
てぎれい [2] 【手奇麗・手綺麗】 (形動)[文]ナリ
手際よく,きれいに仕上げるさま。「―な細工」
手套
しゅとう [0] 【手套】
手袋。
手妻
てづま [1] 【手妻・手爪】
(1)手先。また,手先でする仕事。また,その技術。「―もすぐれて,折柳とて一流結(ユ)ひ出し/浮世草子・男色大鑑 3」
(2)手品。奇術。
手妻
てずま [1] 【手妻】
⇒てづま(手妻)
手妻人形
てづまにんぎょう [4] 【手妻人形】
手遣い人形の一。江戸時代中期,舞台や座敷で盛んに遣われた,内部の引き糸装置によって,目の開閉など一部が早変わりする人形。山本飛騨掾が代表的遣い手。
手妻遣い
てづまつかい [4] 【手妻遣い】
手品遣い。手品師。
手始め
てはじめ [2] 【手始め】
物事を始める第一歩。しはじめ。「―にラジオを作ってみる」
手子
てこ [2] 【手子・梃子】
〔「てご」とも〕
手助けをする者。鍛工・土工・石工などの下回りの仕事をする者。てこの衆。「あれ天満の―ぢや/咄本・大黒柱」
手子の衆
てこのしゅう 【手子の衆】
(1)「手子(テコ)」に同じ。「鍛冶屋の―/浄瑠璃・用明天皇」
(2)大名お抱えの火消し人足。
手子摺る
てこず・る [3] 【手子摺る・梃子摺る】 (動ラ五[四])
困る。もてあます。安永(1772-1781)頃の流行語。「説得に―・る」「親分の唐紙表紙きたる故―・る/黄表紙・御存商売物」
手実
しゅじつ [1] 【手実】
(1)直接に事実を書き記した文書。
(2)律令制で,計帳作成のために戸主が国司に提出する戸籍帳。戸内の各人の続柄・氏名・性別・年齢などを記した。
手将棋
てしょうぎ [2] 【手将棋】
定跡にとらわれず,力量にまかせて強引に打つ将棋。力(チカラ)将棋。
手島
てじま 【手島】
姓氏の一。
手島
てしま 【手島】
姓氏の一。
手島堵庵
てしまとあん 【手島堵庵】
(1718-1786) 江戸中期の心学者。俗称は近江屋嘉左衛門。京都の商人の出身。石田梅岩に師事。四四歳で家業を長男に譲り,心学の普及に努めた。著「前訓」「知心弁疑」など。
手島精一
てじませいいち 【手島精一】
(1849-1918) 教育家。沼津藩出身。長年,東京高等工業学校長をつとめ,実業教育関係の法律・規則制定に努力。工業教育の基礎をつくった。
手工
しゅこう【手工】
handiwork;→英和
manual work.
手工
しゅこう [0] 【手工】
(1)主に手先による簡単な工芸。
(2)もと小・中学校の教科の名。今の工作に当たる。
手工業
しゅこうぎょう [2] 【手工業】
簡単な道具を使って,主に手先で物品を製造する小規模な工業。
⇔機械工業
手工業
しゅこうぎょう【手工業】
manual industry;handicraft.→英和
手工芸
しゅこうげい【手工芸】
handicrafts.
手工芸
しゅこうげい [2] 【手工芸】
手先によって,装飾品・服飾品・日用品などをつくる工芸。
手差
てざし [0] 【手差(し)】
(1)手で差し込むこと。特に印刷機で,給紙を手で一枚一枚行うこと。
(2)手を出すこと。手出し。「脇から―もならず/浄瑠璃・天の網島(上)」
(3)物を扱う際の手の使い方。多く,笛の指の用法にいう。「田刈る鎌のつかを笛ふく様にして―をおしへ/残夜抄」
手差し
てざし [0] 【手差(し)】
(1)手で差し込むこと。特に印刷機で,給紙を手で一枚一枚行うこと。
(2)手を出すこと。手出し。「脇から―もならず/浄瑠璃・天の網島(上)」
(3)物を扱う際の手の使い方。多く,笛の指の用法にいう。「田刈る鎌のつかを笛ふく様にして―をおしへ/残夜抄」
手巻
てまき [0] 【手巻(き)】
(1)手で巻くこと。自分で巻くこと。「―鮨(ズシ)」
(2)時計などで,ねじを手で巻くこと。また,その方式や機械。
手巻き
てまき [0] 【手巻(き)】
(1)手で巻くこと。自分で巻くこと。「―鮨(ズシ)」
(2)時計などで,ねじを手で巻くこと。また,その方式や機械。
手巾
しゅきん [0] 【手巾】
(1)手ぬぐい。手ふき。
(2)ハンカチ。
(3)「手巾帯」の略。
手巾帯
しゅきんおび [4] 【手巾帯】
手ぬぐいのような布帛(フハク)を帯にしたもの。僧や尼が法衣の上にしめて前に結んだ。手巾の上帯。手巾。
手帖
てちょう [0] ―チヤウ 【手帳】 ・ ―テフ 【手帖】
(1)常に携帯して心覚えを記入する小形の帳面。手控え。
(2)江戸時代,正規の検地に用いた手控え。
手帳
てちょう【手帳】
a notebook;→英和
a pocketbook.→英和
手帳
てちょう [0] ―チヤウ 【手帳】 ・ ―テフ 【手帖】
(1)常に携帯して心覚えを記入する小形の帳面。手控え。
(2)江戸時代,正規の検地に用いた手控え。
手広
てびろ [0] 【手広】 (形動)[文]ナリ
てびろいさま。「―な家に引っ越す」
手広い
てびろい【手広い】
extensive;→英和
large;→英和
spacious.→英和
手広く extensively;→英和
on a large scale.
手広い
てびろ・い [3][0] 【手広い】 (形)[文]ク てびろ・し
(1)関係する範囲が広い。多方面にわたっている。「―・く商売を営む」
(2)家・部屋などが広い。
⇔手狭(テゼマ)い
「―・い家」
[派生] ――さ(名)
手序で
てついで [2] 【手序で】
他の事をするついで。
手底
たなそこ [0] 【手底】
〔手の底の意。「たなぞこ」とも〕
てのひら。たなごころ。
手延び
てのび 【手延び】 (名・形動ナリ)
処置をするのが遅れて,時機を失う・こと(さま)。「刀は部屋の長持に,取りに帰るは―なり/浄瑠璃・薩摩歌」
手延べ
てのべ [0] 【手延べ】
(1)素麺(ソウメン)や冷や麦の製法の一。包丁で切り出さず,生地を引き延ばして細い麺状に仕上げること。
(2)「手延び」に同じ。「すは,きやつを―にしてたばかられぬるは/平家 4」
手弁当
てべんとう [2] 【手弁当】
(1)自前の弁当を持参すること。また,その弁当。
(2)費用などを自分で負担して働くこと。「―で手伝う」
手弁当で
てべんとう【手弁当で】
without pay (無給で).
手弄る
てまさぐ・る [4] 【手弄る】 (動ラ五[四])
手先でもてあそぶ。「纔(ワズカ)に膝の上なる紅絹(モミ)を―・るのみ/金色夜叉(紅葉)」
手引
てびき【手引】
[案内] <under> the guidance <of> ;→英和
a guide (人・書);→英和
(an) introduction (紹介).→英和
〜をする (act as) guide;introduce.→英和
手引き
てびき [1][3] 【手引き】 (名)スル
〔「てひき」とも〕
(1)(手を引いて)力添えをしたり,導いたりすること。また,その人。導き。案内。「内部に―した者がいる」
(2)初心者を教え導くこと。手ほどき。また,そのための書物など。
(3)手で引くこと。手で引き出すこと。「夏ひきの―のいとの年へても/新古今(恋二)」
手引き書
てびきしょ [0][4] 【手引き書】
案内書。入門書。
手引き糸
てびきいと [4] 【手引き糸】
機械を用いないで手で引き出して繰(ク)った糸。
手弱し
たよわ・し 【手弱し】 (形ク)
〔「た」は接頭語〕
弱い。かよわい。「岩戸割る手力もがも―・き女にしあれば/万葉 419」
手弱女
たおやめ タヲヤ― [0] 【手弱女】
(1)やさしい女。しとやかな女。
⇔ますらお
(2)浮かれ女。あそびめ。たわれめ。
手弱女
たわやめ [0][3] 【手弱女】
〔「手弱」はあて字。「たわ」は「撓(タワ)む」と同源。「や」は接尾語〕
たおやめ。「逢はむ日の形見にせよと―の思ひ乱れて縫へる衣そ/万葉 3753」
手弱女振り
たおやめぶり タヲヤ― [0] 【手弱女振り】
〔賀茂真淵の用語から〕
女性的で優雅な歌風。古今集以後の歌風を,多くは非難の意でいう語。万葉集の歌風を「ますらおぶり」といったのに対する。
手弱腕
たわやがいな 【手弱腕】
〔「手弱」はあて字。「たわ」は「撓(タワ)む」と同源。「や」は接尾語〕
しなやかな腕。「―を枕(マ)かむとは我はすれど/古事記(中)」
手張り
てばり [0] 【手張り】
(1)自分で張ること。また,手で張ること。「―の扇」
(2)証券会社の社員が,自分で相場を張ること。
(3)後日支払う約束で,賭け金を持たずに博打(バクチ)をすること。
(4)見えを張ること。「―の奢(オゴリ)強く折節はうまい物会も興行し/洒落本・浪花色八卦」
手張る
てば・る 【手張る】 (動ラ四)
手にあまる。荷が重すぎる。「一日ノ仕事ニワ―・ル/ヘボン」
手強い
てごわい【手強い】
tough;→英和
powerful.→英和
手強い
てごわ・い [3] 【手強い】 (形)[文]ク てごは・し
相手にすると,容易に勝てないほど強い。負かすことがむずかしい。「敵に回すと―・い相手」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
手強い
てづよ・い [3] 【手強い】 (形)[文]ク てづよ・し
てきびしい。てごわい。「其の事なら最(モ)う聞くまい,と―・く念を入れると/婦系図(鏡花)」
手当
てあて [1] 【手当(て)】 (名)スル
(1)前もって準備しておくこと。また,事態に応じた処置をすること。用意。準備。「来期の資材を―しておく」「欠員の―」
(2)けがや病気の処置をすること。また,その処置。「応急―」
(3)労働などに対する報酬。「月々の―」
(4)心付け。チップ。
(5)支払う金銭。「乳母を置く程の―がない/真景累ヶ淵(円朝)」
(6)基本給のほかに支給する賃金。家族手当・通勤手当・住宅手当など。
(7)江戸時代,捕方(トリカタ)の捜索。また,召し取ること。「己が―になり,送りになつた其時に/歌舞伎・島鵆」
手当
てあて【手当】
an allowance (給与);→英和
provisions (衣食の);a medical treatment (治療).〜をする(受ける) give (get) an allowance (給与);→英和
provide (be provided) for (衣食の);treat (be treated) (治療);→英和
give (receive) a medical treatment (同上).‖年末手当 a year-end bonus[allowance].
手当たり
てあたり [2] 【手当(た)り】
(1)手に触れること。また,触れたときの感じ。「―がよい」
(2)人と接するときの態度・印象。人あたり。「―ガコワイ/日葡」
(3)手ごたえ。手がかり。
手当たり放題
てあたりほうだい [5] 【手当(た)り放題】
「手当たり次第(シダイ)」に同じ。
手当たり次第
てあたりしだい [5] 【手当(た)り次第】
手に触れる物を区別しないさま。それが何であるかとか,順序とかを考えないで行うさま。てあたりほうだい。「―(に)投げつける」
手当て
てあて [1] 【手当(て)】 (名)スル
(1)前もって準備しておくこと。また,事態に応じた処置をすること。用意。準備。「来期の資材を―しておく」「欠員の―」
(2)けがや病気の処置をすること。また,その処置。「応急―」
(3)労働などに対する報酬。「月々の―」
(4)心付け。チップ。
(5)支払う金銭。「乳母を置く程の―がない/真景累ヶ淵(円朝)」
(6)基本給のほかに支給する賃金。家族手当・通勤手当・住宅手当など。
(7)江戸時代,捕方(トリカタ)の捜索。また,召し取ること。「己が―になり,送りになつた其時に/歌舞伎・島鵆」
手当り
てあたり [2] 【手当(た)り】
(1)手に触れること。また,触れたときの感じ。「―がよい」
(2)人と接するときの態度・印象。人あたり。「―ガコワイ/日葡」
(3)手ごたえ。手がかり。
手当り放題
てあたりほうだい [5] 【手当(た)り放題】
「手当たり次第(シダイ)」に同じ。
手当り次第
てあたりしだい [5] 【手当(た)り次第】
手に触れる物を区別しないさま。それが何であるかとか,順序とかを考えないで行うさま。てあたりほうだい。「―(に)投げつける」
手当り次第に
てあたりしだい【手当り次第に】
<read> at random.
手形
てがた【手形】
a note;→英和
a bill;→英和
a draft.→英和
〜で支払う pay by draft.〜を振り出す(割引する) draw (discount) a bill.‖手形交換所 a clearing house.三か月払手形 a bill at three months' sight.
手形
てがた [0] 【手形】
(1)手を押し付けてついた,手の跡。また,てのひらに墨や朱を塗って紙や布に押した跡。「白木の家具に―がつく」「関取の―」
(2)一定の金額を支払うことを委託または約束した有価証券。
→為替手形
→約束手形
(3)後日のための証として,てのひらに朱や墨を塗り,文面に押したもの。手印(シユイン)。「母さまの―を据ゑて証書を渡し,百両の金を受け取り/読本・稲妻表紙」
(4)印を押した証書・証文。借用書・契約書・切手・関所札など。「外から一言邪魔させまいとの―が取りたい物/浄瑠璃・今宮心中(上)」
(5)事情。都合。首尾。「あすの晩はちよつとした―が有るけれど,せはしいよつて四五日のうちに来う/洒落本・南遊記」
(6)牛車(ギツシヤ)の方立(ホウダテ)や馬の鞍(クラ)の前輪(マエワ)につけたくぼみ。つかまる時の手がかりにする。
手形ジャンプ
てがたジャンプ [4] 【手形―】
手形期日に決済できないことから,期日を延期すること。
手形交換
てがたこうかん [4] 【手形交換】
手形・小切手などの決済方法の一。一定地域の金融機関が,全国主要都市に設けられた手形交換所に手形などを持ち寄り,一括交換して貸借を相殺し,差額のみを決済する。クリアランス。
手形仲買人
てがたなかがいにん [0] 【手形仲買人】
銀行と手形所有者の間に立って手形の売買やその仲介をする人。ビルブローカー。
手形保証
てがたほしょう [4] 【手形保証】
手形に保証の署名をすることによって,手形の債務者と同一内容の債務を負う手形行為。
手形債権
てがたさいけん [4] 【手形債権】
手形に表記されている一定金額の支払いを目的とする金銭債権。
手形割引
てがたわりびき [4] 【手形割引】
手形の所持人が支払い期日以前の手形を金融機関などの第三者に裏書譲渡し,支払い期日までの利息や手数料を差し引かれて金銭化すること。割引。割手。
→割引手形
手形勘定
てがたかんじょう [4] 【手形勘定】
簿記の勘定科目の一。手形の債権・債務を記載するために設定される。
手形受取人
てがたうけとりにん [0] 【手形受取人】
振出人から手形の交付を受け取る最初の所持人。自ら支払いを受けることができ,または,その手形を他に譲渡することができる。
手形引受
てがたひきうけ [4] 【手形引受】
為替手形の支払人が手形金の支払義務を負担する行為。支払人は振出人から支払人として指定されただけで支払義務を負うことにはならず,引受署名をして初めて支払義務を負う。
手形所持人
てがたしょじにん [0] 【手形所持人】
手形を占有する者。裏書きが連続する手形の所持人は適法な所持人と推定される。
手形払い
てがたばらい [4] 【手形払い】
現金ではなく手形で支払うこと。
手形抗弁
てがたこうべん [4] 【手形抗弁】
手形上の請求を受けたものが,これを拒否することができる事由。
手形振出人
てがたふりだしにん [0] 【手形振出人】
手形を発行した人。
手形支払人
てがたしはらいにん [0] 【手形支払人】
為替手形の支払いをなすべき者として,振出人によって指定された者。
手形法
てがたほう [3][0] 【手形法】
(1)手形に関する私法法規の総称。
(2)為替手形・約束手形について定める1932年(昭和7)制定の「手形法」のこと。
手形石
てがたいし [3] 【手形石】
神や高僧などの手の形がついているという口碑をもつ神聖な石。また,それにまつわる伝説。
→足跡(アシアト)石
手形行為
てがたこうい [4] 【手形行為】
手形上の債務を発生・変動させる法律行為。為替手形の振出・裏書・引受・手形保証・参加引受,約束手形の振出・裏書・手形保証をいう。
手形裏書人
てがたうらがきにん [0] 【手形裏書人】
手形上の権利を他へ譲渡するため,手形に裏書きをする者。
手形訴訟
てがたそしょう [4] 【手形訴訟】
手形・小切手による金銭の支払いおよびこれに付帯する法定利率による損害賠償を請求する訴訟。手形・小切手所持人が迅速に権利を実現できることを目的とし,通常の訴訟手続より簡易・迅速に処理するための種々の特則が設けられている。
手形貸付
てがたかしつけ [4] 【手形貸付】
金融機関の行う貸付の方法。借用証書の代わりに借り主から貸し主あての約束手形を交付するもの。主に短期資金の金融に用いられる。
手彫
てぼり [0][3] 【手彫(り)】
(1)のみなどを用いて手で彫ること。
(2)自分で彫刻すること。
手彫り
てぼり [0][3] 【手彫(り)】
(1)のみなどを用いて手で彫ること。
(2)自分で彫刻すること。
手彫りの
てぼり【手彫りの】
hand-carved.
手役
てやく [0][1] 【手役】
花札の遊び八八(ハチハチ)で,はじめに配られた手札の中でできる役。
手待ち
てまち [0] 【手待ち】
(1)する仕事がなくて,手をあけて仕事が来るのを待っていること。
(2)将棋で,こちらから仕掛ける有効な手がなく,相手の動きを見る状態のこと。
手待ち時間
てまちじかん [4] 【手待ち時間】
労働時間の中でありながら,所定の労働に従事することなく待機している時間。
手後れ
ておくれ [2] 【手遅れ・手後れ】
手当てや処置の時機が遅れること。時機を失して,効果的な手を打てないこと。「病気が―になる」「今頃気がついても,もう―だ」
手得
てどく [0] 【手得】
将棋で,先手・後手が応酬して一段落した結果,一方が手数において得をすること。
⇔手損
手心
てごころ [2] 【手心】
(1)相手や事情に応じて適当に扱うこと。事情を考慮して普通よりゆるやかな扱いをすること。手加減。「―を加える」
(2)手に受ける感じ。また,経験して覚えている具合や技術。「きれ口―は良けれども,あばら三枚かかつたり/浄瑠璃・唐船噺」
手心を加える
てごころ【手心を加える】
use one's discretion;make allowances <for> .
手応え
てごたえ [2] 【手応え】
(1)打ったり触れたりした時に,手に受ける感触。また,確かに当たったという感じ。「槍で突くと―があった」
(2)働きかけに対する反応。「いくら教えてもさっぱり―がない」
手応え
てごたえ【手応え】
resistance;→英和
response[reaction];→英和
(an) effect (効果).→英和
〜がある have effect;tell;→英和
feel a pull (釣で).→英和
〜のある(ない) (ir)responsive;→英和
(in)effectual;→英和
worthy <opponent> .→英和
手性
てしょう [2] 【手性】
(1)手先を使う仕事の上手下手。
(2)文字を書くことの巧拙。「―がいい」
手惑ひ
てまどい 【手惑ひ】
うろたえて,どこから手を付けてよいかわからないこと。「車どももかちびとも―し,たちさはぎて/大鏡(昔物語)」
手慣らし
てならし [2] 【手慣らし・手馴らし】
手に使いならすこと。手をならしておくこと。「―に二,三枚書いてみる」
手慣らす
てなら・す 【手慣らす・手馴らす】 (動サ四)
(1)使いならす。手になじませる。「かの―・し給へりし螺鈿(ラデン)の箱なりけり/源氏(夕霧)」
(2)てなずける。飼いならす。「恋ひわぶる人の形見と―・せば/源氏(若菜下)」
手慣れ
てなれ [0] 【手慣れ・手馴れ】 (名)スル
手なれていること。使いなれていること。しなれていること。「―した道具」
手慣れている
てなれる【手慣れている】
be skillful[quite at home] <in> .
手慣れる
てな・れる [3] 【手慣れる・手馴れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 てな・る
(1)慣れて巧みになる。熟練する。「―・れた仕事」「―・れた手つき」
(2)使ってなれている。手になじんでいる。「―・れた道具」
(3)飼いならされている。「―・レタ鳥/日葡」
手慰み
てなぐさみ [2] 【手慰み】
(1)手先で物をもてあそぶこと。「―に鉛筆をころがす」
(2)博打(バクチ)。
手懐ける
てなず・ける [4] 【手懐ける】 (動カ下一)[文]カ下二 てなづ・く
(1)うまく扱って,なつくようにする。「犬を―・ける」
(2)さまざまな手段を使って,味方に引き入れる。「部下を―・ける」
手懐ける
てなずける【手懐ける】
gain <a person> over (味方にする);tame (動物を).→英和
手懸
てかけ [3] 【手掛(け)・手懸(け)】
(1)器具などの手をかける所。また,そのために設けた穴・金具など。
(2)〔「妾」とも書く。「手にかけて愛するもの」の意〕
めかけ。
(3)「蓬莱飾(ホウライカザ)り」の別名。
手懸かり
てがかり [2] 【手掛(か)り・手懸(か)り】
(1)手をかける所。とりつく所。「わずかのくぼみを―に岩場を登る」
(2)考えたり調べたりするためのよすがとなるもの。いとぐち。「犯人捜索の―をつかむ」
手懸け
てかけ [3] 【手掛(け)・手懸(け)】
(1)器具などの手をかける所。また,そのために設けた穴・金具など。
(2)〔「妾」とも書く。「手にかけて愛するもの」の意〕
めかけ。
(3)「蓬莱飾(ホウライカザ)り」の別名。
手懸ける
てが・ける [3] 【手掛ける・手懸ける】 (動カ下一)[文]カ下二 てが・く
自分で直接その事をする。「入社して初めて―・けた仕事」
手懸り
てがかり [2] 【手掛(か)り・手懸(か)り】
(1)手をかける所。とりつく所。「わずかのくぼみを―に岩場を登る」
(2)考えたり調べたりするためのよすがとなるもの。いとぐち。「犯人捜索の―をつかむ」
手房
たぶさ 【腕・手房】
手。手首。また,腕。「篠(ササ)の葉を―に取りて遊びけらしも/神楽歌」
手手甲
ぜぜがこう 【手手甲】
(1)昔,手を組み合わせて顔に当ててその間からのぞき,子供をおどかす時に戯れにいう言葉。
(2)昔の鬼ごっこの一種。手を組み合わせて手の甲を互いに打ちながら童謡を歌い,歌い終わった時に打たれた者が鬼となるもの。
手打ち
てうち [3][0] 【手打ち】
(1)和解・取引の成立や物事の成就を祝って,一同が拍子を合わせてする拍手。また,和解・取引が成立すること。
(2)そば・うどんなどを機械にかけずに手で打って作ること。
(3)自分の手で討ち取ること。また,手で打ち殺すこと。「宗との侍二人―にして/保元(中)」
(4)(「手討ち」とも書く)武士が家来や町人を自ら斬り殺すこと。「お―の夫婦なりしを更衣(コロモガエ)/蕪村句集」
(5)江戸時代,歌舞伎の顔見世(カオミセ)の儀式として,手打連と称する贔屓連(ヒイキレン)が土間から当たり祝いに拍手したりしたこと。
手打ち手打ち
ちょうちちょうち テウチテウチ [1][1] 【手打ち手打ち】
〔「手打ち手打ち」の転〕
幼児をあやすため,両手を打ち合わせて鳴らすこと。ちょちちょち。「ふたりの寵愛―髪振(カブリ)のあたまも定り/浮世草子・一代男 1」
手打にする
てうち【手打にする】
kill <a person> with one's own hands.手打そば handmade soba[buckwheat vermicelli].
手打胡桃
てうちぐるみ [4] 【手打胡桃】
クルミ科の落葉高木。中国原産。長野県や東北地方で広く栽植する。核の殻は薄く割りやすい。実は食用。菓子胡桃。
手技
しゅぎ [1] 【手技】
手を使ってする技術。てわざ。手仕事。
手抄
しゅしょう [0] 【手抄】 (名)スル
自分の手で直接抜き書きすること。また,そのように書いたもの。
手抉り
たくじり 【手抉り】
上代,土を丸め,中を手でくじって作った土器。[紀(神武訓注)]
手把
しゅは [1] 【手把】
⇒細把(コマザラ)い
手投げ
てなげ [0] 【手投げ】
(1)手で投げること。
(2)野球で,投手が体全体ではなく手先だけでボールを投げること。
手投げ弾
てなげだん [3] 【手投げ弾】
「手榴弾(テリユウダン)」に同じ。
手折る
たお・る [2] 【手折る】 (動ラ五[四])
〔「た」は「て」の母音交替形〕
(1)花や枝などを,手で折り取る。「紅葉を―・る」「草―・り柴取り敷きて/万葉 886」
(2)(比喩的に)若い女を自分のものにする。
手抜かり
てぬかり [2] 【手抜かり】
物事を行う上で,手続き・方法などに欠陥があること。手落ち。「対応に―があった」
手抜かり
てぬかり【手抜かり】
⇒手落ち.
手抜き
てぬき [3][0] 【手抜き】 (名)スル
(1)手を抜くこと。するべき手続きや手数を省くこと。「―した仕事」「工事に―があった」
(2)囲碁・将棋で,相手の攻撃的着手に対して応手せず,他の方面に打つこと。
手抜き
てぬき【手抜き】
scamping;negligence.→英和
‖手抜き工事 scamped work.
手抜け
てぬけ [3] 【手抜け】
ておち。てぬかり。「其名を聞かざりし―を悔(クユ)れど詮方なし/鉄仮面(涙香)」
手押
しゅおう [0] 【手押】
拇印(ボイン)。つめ印。
手押し
ておし [0] 【手押し】
手で押して動かすこと。「―車」
手押しポンプ
ておしポンプ [4] 【手押し―】
人力で作動させて液体を吸い上げるポンプ。
手押し車
ておし【手押し車】
a handcart;→英和
a pushcart.→英和
手押しポンプ a manual fire engine.
手拍き
てばたき [2] 【手拍き】
手を打ち合わせて鳴らすこと。
手拍子
てびょうし [2] 【手拍子】
(1)手をたたいて拍子をとること。「―に合わせて踊る」「―をとる」
(2)囲碁や将棋で,軽率に相手の手に応じた着手。悪手であることが多い。
手拍子をとる
てびょうし【手拍子をとる】
beat time with the hands.
手拓
しゅたく [0] 【手拓】
拓本をとること。また,その拓本。
手招き
てまねき [2] 【手招き】 (名)スル
〔「てまねぎ」とも〕
こちらへ来るようにと手で合図をすること。普通,手首から先を甲を上にして上下に小刻みに振る。「母が―している」
手招きする
てまねき【手招きする】
beckon <to> .→英和
手拭
てぬぐい【手拭】
a (hand) towel.手拭掛 a towel rack[horse].
手拭い
てぬぐい [0] 【手拭い】
手・顔・体などをぬぐうのに用いる布。一幅(ヒトノ)の木綿を約90センチメートルに切ったものが普通。古くは麻布。江戸期には四尺(約1.2メートル)・五尺のものもあった。たのごい。てのごい。みのごい。
手拭い地
てぬぐいじ [0] 【手拭い地】
手拭いにする,あらい織りの木綿の布。
手拭き
てふき [3][0] 【手拭き】
手をふく布。
手拭き
てふき【手拭き】
a towel;→英和
a handkerchief.→英和
手拭ひ
たなごい 【手拭ひ】
てぬぐい。たのごい。[名義抄]
手拭ひ
たのごい 【手拭ひ】
てぬぐい。たなごい。[和名抄]
手拭ひ
てのごい 【手拭ひ】
「てぬぐい」に同じ。「御霊会の細男の―して顔隠したる心地するに/栄花(若生え)」
手拳
しゅけん [0] 【手拳】
握りこぶし。
手持
てもち【手持】
holdings;stocks; <materials> on hand.〜の in one's hands[possession].‖手持品 stocks.手持外貨 foreign currency reserve.
手持ち
てもち [3][0] 【手持ち】
(1)現に手元に持っていること。また,そのもの。「―の材料」「―が乏しい」「―外貨」
(2)手の扱い方。また,手の構え。「舞の―は,顔持ちに相応して/花鏡」
(3)道具などの扱い方。「―ガ良イ/日葡」
手持ち悪い
てもちわる・い 【手持ち悪い】 (形)[文]ク てもちわる・し
〔中世・近世の語〕
(1)手持ち無沙汰で,恰好(カツコウ)がつかない。「聞き入るる耳がないと愛想なければ―・く/浄瑠璃・平家女護島」
(2)人との折り合いが悪い。「アノ人ワ―・イ/日葡」
手持ち無い
てもちな・い 【手持ち無い】 (形)[文]ク てもちな・し
〔近世語〕
「てもちわるい{(1)}」に同じ。「梶原井上―・く顔見合はせ/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
手持ち無沙汰
てもちぶさた [4] 【手持ち無沙汰】 (名・形動)[文]ナリ
何もすることがなくて,間がもたないこと。所在ないこと。また,そのさま。「応接室で待たされて,―で困った」
手持無沙汰である
てもちぶさた【手持無沙汰である】
be bored;feel awkward.
手指
しゅし [1] 【手指】
手の指。
手指
てさし [0] 【手指(し)・手刺(し)】
野良仕事・山仕事などで,腕から手を保護するためにはめるもの。手甲と同様のもの,指のない手袋様のものなどがある。
手指し
てさし [0] 【手指(し)・手刺(し)】
野良仕事・山仕事などで,腕から手を保護するためにはめるもの。手甲と同様のもの,指のない手袋様のものなどがある。
手挟む
たばさ・む [3] 【手挟む】 (動マ五[四])
手・指の間や脇にはさんで持つ。「大小ヲ腰ニ―・ム/ヘボン」「ますらをのさつ矢―・み立ち向かひ/万葉 61」
[可能] たばさめる
手振り
てぶり [1] 【手振り】
(1)手の動かし方。手のしぐさ。手つき。「―をまじえて話す」
(2)取引所で,会員の代理人が売買のために符丁の手を振ること。また,それをする人。
(3)書体。書風。
(4)振る舞い。風俗。習わし。「都の―たちまちに改まりて/方丈記」
(5)供人。従者。「しもつかへ,―などが具しいけば/蜻蛉(上)」
(6)手に何も持たないこと。てぶら。「長居はおそれありといふて―で帰りける/浮世草子・胸算用 3」
(7)財産・金などのないこと。元手がないこと。「―でかかることは…取手の師匠か取揚婆々/浮世草子・永代蔵 3」
手振り
てぶり【手振り】
⇒手真似.
手振り水
てぶりみず [3] 【手振り水】
濡れた手を振ってしずくを散らすこと。湯灌(ユカン)の際の作法といい,嫌う地方が多い。
手振り編み笠
てぶりあみがさ 【手振り編み笠】
編み笠のほかは何も持たないこと。「ゆふべも,屋形に能(イイ)のが有るから行つたりや,―になつた/洒落本・辰巳之園」
手振り鶯
てぶりうぐいす 【手振り鶯】
身振りばかりで鳴かない鶯。「声せぬ夏の―/浄瑠璃・油地獄(上)」
手振れ
てぶれ [0] 【手振れ】
カメラで撮影するとき,手が動いて映像がぼけること。
手捌き
てさばき [2] 【手捌き】
手で物を扱う際の,手の使い方・動かし方。「―もあざやかにカードを切る」
手捌きがよい
てさばき【手捌きがよい】
handle skilfully.
手捏ね
てづくね [2] 【手捏ね】
(1)自分で手ずからこしらえること。手作り。
(2)「手捻(テビネ)り」に同じ。
手捕りにする
てどり【手捕りにする】
catch;→英和
seize.→英和
手捷い
てばしこ・い [4] 【手捷い】 (形)[文]ク てばしこ・し
すばやい。機敏である。「―・く片付ける」「僕の帯のゆるむだのを―・く結むで呉(ク)れた/思出の記(蘆花)」
[派生] ――さ(名)
手捻り
てびねり [2] 【手捻り】
陶土を轆轤(ロクロ)・型などを用いず手でこねて陶器を形作ること。また,そうして作られた器物。手捏(テヅク)ね。手作り。
手掌
しゅしょう [0] 【手掌】
てのひら。たなごころ。
手掘り
てぼり [0][3] 【手掘り】
大掛かりな機械を用いずに,簡単な道具によって手で掘ること。
手掛
てかけ [3] 【手掛(け)・手懸(け)】
(1)器具などの手をかける所。また,そのために設けた穴・金具など。
(2)〔「妾」とも書く。「手にかけて愛するもの」の意〕
めかけ。
(3)「蓬莱飾(ホウライカザ)り」の別名。
手掛かり
てがかり [2] 【手掛(か)り・手懸(か)り】
(1)手をかける所。とりつく所。「わずかのくぼみを―に岩場を登る」
(2)考えたり調べたりするためのよすがとなるもの。いとぐち。「犯人捜索の―をつかむ」
手掛け
てかけ [3] 【手掛(け)・手懸(け)】
(1)器具などの手をかける所。また,そのために設けた穴・金具など。
(2)〔「妾」とも書く。「手にかけて愛するもの」の意〕
めかけ。
(3)「蓬莱飾(ホウライカザ)り」の別名。
手掛ける
てが・ける [3] 【手掛ける・手懸ける】 (動カ下一)[文]カ下二 てが・く
自分で直接その事をする。「入社して初めて―・けた仕事」
手掛ける
てがける【手掛ける】
[扱う]handle;→英和
deal with;[世話]look after;take care of.
手掛け奉公
てかけぼうこう [4] 【手掛(け)奉公】
「妾奉公(メカケボウコウ)」に同じ。
手掛け女
てかけおんな [4] 【手掛(け)女】
「手掛け{(2)}」に同じ。
手掛け者
てかけもの [0] 【手掛(け)者】
「手掛け{(2)}」に同じ。
手掛け腹
てかけばら [0] 【手掛(け)腹】
「妾腹(メカケバラ)」に同じ。
手掛り
てがかり【手掛り】
a hold (つかみ所);→英和
<find> a clue <to> (糸口);→英和
<get on> the track <of> (犯人などの).→英和
手掛り
てがかり [2] 【手掛(か)り・手懸(か)り】
(1)手をかける所。とりつく所。「わずかのくぼみを―に岩場を登る」
(2)考えたり調べたりするためのよすがとなるもの。いとぐち。「犯人捜索の―をつかむ」
手掛奉公
てかけぼうこう [4] 【手掛(け)奉公】
「妾奉公(メカケボウコウ)」に同じ。
手掛女
てかけおんな [4] 【手掛(け)女】
「手掛け{(2)}」に同じ。
手掛者
てかけもの [0] 【手掛(け)者】
「手掛け{(2)}」に同じ。
手掛腹
てかけばら [0] 【手掛(け)腹】
「妾腹(メカケバラ)」に同じ。
手探り
てさぐり [2] 【手探り】 (名)スル
(1)暗闇など見えないところで手先の感じでさぐること。「―で穴の中を進む」
(2)様子がわからないまま物事をすすめること。「解決法を―する」「―の状態が続く」
手探りする
てさぐり【手探りする】
feel[grope,fumble] <for> .→英和
〜で行く feel[grope]one's way.
手控
てびかえ【手控】
[覚書]a note(book);→英和
a memo(randum).→英和
手控え
てびかえ [2] 【手控え】
(1)手元に記録しておくこと。また,その帳面。
(2)予備に手元に残しておくこと。また,そのもの。「―を残す」
(3)取引などをさし控えること。
手控える
てびか・える [4][3] 【手控える】 (動ア下一)[文]ハ下二 てびか・ふ
(1)書きとめておく。「要点を―・える」
(2)予備に残しておく。「一セット―・えておく」
(3)(物事を)控え目にする。見合わせる。「出荷を―・える」
手控える
てびかえる【手控える】
withhold;→英和
hold off.
手掴み
てづかみ [2] 【手掴み】
直接手でつかむこと。「―で食べる」「生きた魚を―にする」
手掴みにする
てづかみ【手掴みにする】
seize by hand;grasp.→英和
〜で <eat> with one's fingers.
手掻い物
てがいもの [0] 【手掻い物・転害物】
〔奈良東大寺の転害(テガイ)門付近に住した刀工の手になるからという〕
東大寺に属した刀工一派の鍛えた刀剣。鎌倉中期の包永(カネナガ)を祖とし,室町まで続いた。
手描
てがき [0] 【手書き・手描】 (名)スル
印刷などによらず手で書くこと。また,書いたもの。「―の年賀状」
手提かご
てさげ【手提かご】
a hand basket.手提かばん a briefcase.→英和
手提金庫 a portable cashbox.手提ランプ a lantern.→英和
手提げ
てさげ [3][0] 【手提げ】
手に提げて持つように作った袋・鞄(カバン)・籠(カゴ)などの類。
手提げ金庫
てさげきんこ [4] 【手提(げ)金庫】
手に提げて運ぶことができる小型の軽便な金庫。
手提げ鞄
てさげかばん [4] 【手提げ鞄】
手にさげる鞄。さげかばん。
手提灯
てぢょうちん [2] 【手提灯】
手でさげて用いる提灯。
手提金庫
てさげきんこ [4] 【手提(げ)金庫】
手に提げて運ぶことができる小型の軽便な金庫。
手握る
たにぎ・る 【手握る】 (動ラ四)
(1)手を握りしめてこぶしを作る。「面忘れだにもえすやと―・りて打てども懲りず恋といふ奴(ヤツコ)/万葉 2574」
(2)手に握る。「剣太刀(ツルギタチ)腰に取り佩(ハ)きさつ弓を―・り持ちて/万葉 804」
手損
てぞん [0] 【手損】
将棋で,先手・後手が応酬して一段落した結果,一方が手数において損をすること。
⇔手得
手摩れ
てずれ [0][3] 【手擦れ・手摩れ】 (名)スル
何度も手が触れてすれて傷むこと。また,その部分。「―した本」
手摩れる
てず・れる [3] 【手擦れる・手摩れる】 (動ラ下一)
(1)手のあたる部分が擦れて傷む。「その証拠には―・れてゐて古色蒼然たり/浮雲(四迷)」
(2)世間なれしている。「―・れても,けつくおもしろくねえものよ/洒落本・金錦三調伝」
手摩乳
てなずち テナヅチ 【手摩乳・手名椎】
記紀神話の神。脚摩乳(アシナズチ)の妻で,奇稲田姫(クシナダヒメ)の母。てなずちのかみ。
手摺
てすり【手摺】
a handrail;→英和
a railing.→英和
手摺り
てすり [3] 【手摺り】
(1)橋・階段などで,歩く人がつかまるように取り付けた柵,または柵の上に渡した横棒。高欄。
(2)人形浄瑠璃の舞台で,人形遣いの腰から下を隠すために設けた横板。文楽系の三人遣い人形の舞台では手前から奥へ三段に設けてある。また一人遣い人形では,人形遣いの身体を隠す高さに,張った幕をいう。
→綟(モジ)手摺り
手摺り舞台
てすりぶたい [4] 【手摺り舞台】
手摺り{(2)}を設けた人形浄瑠璃の舞台。
手擦れ
てずれ [0][3] 【手擦れ・手摩れ】 (名)スル
何度も手が触れてすれて傷むこと。また,その部分。「―した本」
手擦れる
てず・れる [3] 【手擦れる・手摩れる】 (動ラ下一)
(1)手のあたる部分が擦れて傷む。「その証拠には―・れてゐて古色蒼然たり/浮雲(四迷)」
(2)世間なれしている。「―・れても,けつくおもしろくねえものよ/洒落本・金錦三調伝」
手支へ
てづかえ 【手支へ】
さしつかえ。障害。「何かがきつい―と役人衆の心遣ひ/浄瑠璃・廿四孝」
手支へる
てづか・える 【手支へる】 (動ア下一)[文]ハ下二 てづか・ふ
〔近世江戸語〕
差し支えが生じる。支障が起こる。「その金にちつと―・へたから/歌舞伎・三人吉三」
手放し
てばなし [2] 【手放し】
(1)手をはなすこと。「―で自転車に乗る」
(2)手を加えないで,放っておくこと。「然し―で落ちては,あまり早過ぎる/吾輩は猫である(漱石)」
(3)感情などをおさえないで表すこと。「―の喜びよう」「―でほめる」
手放しで
てばなし【手放しで】
with one's hands free;[露骨に]openly;→英和
without reserve.
手放す
てばなす【手放す】
[譲渡]part with;dispose of;send away (子供などを).
手放す
てばな・す [3] 【手放す】 (動サ五[四])
(1)手に持っていたものをはなす。「犬のくさりを―・す」
(2)自分が所有しているものを他人に売ったり与えたりする。「事業のため山林を―・す」「家宝を―・す」
(3)手元に置いていた人を保護・監督の及ばない所へやる。「娘を―・す」「優秀な部下を―・す」
(4)仕事などを途中で一時中止する。「―・しかねる用事があるので,失礼する」
[可能] てばなせる
手数
てかず【手数】
⇒手数(てすう).
手数
てかず [1] 【手数】
(1)ある事をするための労力。手間。てすう。「―のかからない仕事」
(2)碁・将棋などの手の数。てすう。「―が少ない」
(3)ボクシングで手を出す回数。
手数
てすう [2] 【手数】
それをするのに必要な動作・細工などの数。また,それが多くて面倒なこと。てかず。「―ばかりかかる仕事」「お―ですがよろしくお願いいたします」
手数のかかる
てすう【手数のかかる】
<be> troublesome.→英和
〜をかける(省く) give (save) <a person> trouble;→英和
trouble.‖手数料[料金]a fee;a charge;[口銭]a commission;a percentage.
手数入り
でずいり [0] 【手数入り】
横綱土俵入りの俗称。
手数料
てすうりょう [2] 【手数料】
手続き・仲介などの行為の代償として受け取る金。「―を徴収する」
手数珠
てじゅず [0] 【手数珠】
手首にはめる短い数珠。
手文庫
てぶんこ【手文庫】
a box;→英和
a casket.→英和
手文庫
てぶんこ [2] 【手文庫】
文具・用紙などを入れて手近におく小箱。
手料理
てりょうり [2] 【手料理】
自分で,または自分の家でつくった料理。「娘の―を出す」
手料理
てりょうり【手料理】
a dish of one's own cooking.
手斧
ちょうな テウナ [3] 【手斧】
〔「ておの」の転〕
大工道具の一。柄の曲がった鍬形(クワガタ)のおの。木材の荒削りなどに使う。ておの。
手斧[図]
手斧
ておの【手斧】
an ax;a hatchet.→英和
手斧
ておの [0] 【手斧】
「ちょうな(手斧)」に同じ。
手斧始
ちょうなはじめ テウナ― [4] 【手斧始(め)】
(1)大工が工事にとりかかる最初の日に行う儀式。鋸(ノコギリ)・墨矩(スミカネ)・墨打ちの儀のあと,手斧打ちの儀が行われる。手斧立て。
(2)新年1月2日に行う大工の仕事始めの儀式で,材木に簡単に手斧を入れるもの。鉋(カンナ)始め。木造り始め。
手斧始め
ちょうなはじめ テウナ― [4] 【手斧始(め)】
(1)大工が工事にとりかかる最初の日に行う儀式。鋸(ノコギリ)・墨矩(スミカネ)・墨打ちの儀のあと,手斧打ちの儀が行われる。手斧立て。
(2)新年1月2日に行う大工の仕事始めの儀式で,材木に簡単に手斧を入れるもの。鉋(カンナ)始め。木造り始め。
手斧掛
ちょうなかけ テウナ― [3] 【手斧掛(け)】
「ためだし(撓出)」に同じ。
手斧掛け
ちょうなかけ テウナ― [3] 【手斧掛(け)】
「ためだし(撓出)」に同じ。
手斧擲り
ちょうななぐり テウナ― [4] 【手斧擲り】
木材の表面を,手斧で削って仕上げること。ちょうなはつり。
手斧目
ちょうなめ テウナ― [0][3] 【手斧目】
手斧で削ったあと。不規則な凹凸のある荒い削り目。
手旗
てばた [0] 【手旗】
(1)手に持つ小旗。
(2)手旗信号に用いる旗。
手旗
しゅき [1][2] 【手旗】
手に持つ小旗。てばた。
手旗
てばた【手旗】
a flag.→英和
手旗信号 flag signaling;semaphore.→英和
手旗信号
てばたしんごう [4] 【手旗信号】
手に持った赤・白の小旗で一定の形を表して通信する信号。
手早
てばや [0] 【手早】 (形動)[文]ナリ
手早いさま。すばやいさま。「何事にも―な人」「―に着替える」
手早い
てばやい【手早い(く)】
quick(ly);→英和
rapid(ly);→英和
prompt(ly);→英和
smart(ly).→英和
手早い
てばや・い [3] 【手早い】 (形)[文]ク てばや・し
仕事などをするのが早い。動作がてきぱきとすばやい。「―・く後片付けをする」
[派生] ――さ(名)
手明き
てあき [3] 【手明き・手空き】
する事がなくて暇でいること。てすき。「―になる」「―の者をよこしてくれ」
手明きの
てあき【手明きの】
free;→英和
disengaged.→英和
手暗がり
てくらがり [3][0] 【手暗がり】
自分の手の陰になって,手許がよく見えないこと。「―になる」
手書
しゅしょ [1] 【手書】 (名)スル
(1)自分の手で書くこと。また,書いたもの。「―して保に謝した/渋江抽斎(鴎外)」
(2)自筆の手紙。
手書き
てかき [3] 【手書き】
(1)上手に文字を書く人。能筆。「今の侍従大納言行成卿,世の―とののしり給ふは/大鏡(伊尹)」
(2)文字を書く役の人。書記。執筆(シユヒツ)。「―に具せられたる大夫房覚明を召して/平家 7」
手書き
てがき【手書き】
handwriting.→英和
〜の handwritten.
手書き
てがき [0] 【手書き・手描】 (名)スル
印刷などによらず手で書くこと。また,書いたもの。「―の年賀状」
手替り
てがわり [2] 【手替(わ)り・手代(わ)り】
(1)先の人に代わって,仕事をすること。また,その人。交代。手代(テシロ)。
(2)代理。また,代理の人。「若宮御加持,住心院―参る,誰人か知らず/看聞御記」
(3)趣が変わっていること。風変わり。「少し―に衆道狂ひと心ざし/浮世草子・真実伊勢物語」
(4)裏切り。手返し。「秀頼―の由告げ来る/三河物語」
手替わり
てがわり [2] 【手替(わ)り・手代(わ)り】
(1)先の人に代わって,仕事をすること。また,その人。交代。手代(テシロ)。
(2)代理。また,代理の人。「若宮御加持,住心院―参る,誰人か知らず/看聞御記」
(3)趣が変わっていること。風変わり。「少し―に衆道狂ひと心ざし/浮世草子・真実伊勢物語」
(4)裏切り。手返し。「秀頼―の由告げ来る/三河物語」
手木
てぎ 【手木】
(1)短い棒。「よい頃の―をあたまへあてがふ程に/狂言・麻生」
(2)紐などを強く締め付けるために用いる短い棒。
(3)十手(ジツテ)の別名。
手末
たなすえ 【手末】
〔手の末の意〕
手の先。指の先。「千引の石を―にささげて来て/古事記(上訓)」
手本
てほん【手本】
a copy (習字の);→英和
[模範]a model;→英和
an example.→英和
〜にする copy <from,after> ;take <a thing> as a model;follow another's example.
手本
てほん [2] 【手本】
(1)初心者が絵や字を習うときにまねて似せるべき絵や字。
(2)物事をするときにならうべき人や物。また,先例。「―となる人」
手札
てふだ【手札】
a hand (トランプ).→英和
‖手札形 a card-size photograph (写真).
手札
てふだ [0] 【手札】
(1)名札(ナフダ)。名刺。
(2)「手札判(バン)」の略。
(3)トランプ・花札などで,各自が手に持っている札。
手札判
てふだばん [0] 【手札判】
写真の印画紙や乾板の大きさの一。縦105ミリメートル,横80ミリメートルほどのもの。手札型。手札。
手札型
てふだがた [0] 【手札型】
「手札判」に同じ。
手杖
しゅじょう [0] 【拄杖・手杖】
つえ。特に禅僧の持つつえ。「―に団扇を添へて持たれたり/謡曲・放下僧」
手束
たつか 【手束】
手に握り持つこと。「中央に―ばかりなる木一株(ヒトモト)あるのみ/出雲風土記」
手束弓
たつかゆみ 【手束弓】
手に握り持つ弓。一説に握るところの太い弓。手束の弓。「―手に取り持ちて朝狩に/万葉 4257」
手束杖
たつかづえ 【手束杖】
手に握り持つ杖。「―腰にたがねてか行けば人にいとはえ/万葉 804」
手杵
てぎね [1] 【手杵】
杵の一。太く丸い棒の中央のくびれた部分を手で握って搗(ツ)く。かちぎね。
手板
てはん [0] 【手版・手板】
自社の出版物。「―物(モノ)」
手板
ていた [0] 【手板】
(1)心覚えなどを書きつけた漆塗りの小さな板。書いた字はぬぐえば消せる。ぬりいた。
(2)笏(シヤク)の異名。
(3)江戸時代,主として遠距離輸送に使用した一種の納品目録。運送品品目・発送者・受領者などの明細を記したもの。運送責任者たる問屋が二通作成し,一通は積み荷に付し,一通は問屋が保管した。
手板組
ていたぐみ [0] 【手板組】
物資の輸送に際し,手板{(3)}を用いることを互いに取り決めた飛脚問屋の組合。
手枕
てまくら [2] 【手枕】
肘(ヒジ)を曲げて枕にすること。たまくら。ひじまくら。「―で寝る」
手枕
たまくら 【手枕】
腕を枕とすること。てまくら。「―まかずひとりかも寝む/万葉 1663」
手枕をする
てまくら【手枕をする】
rest one's head on one's arm.
手枷
てかせ【手枷】
⇒手錠.
手枷
てかせ [1] 【手桎・手械・手梏・手枷】
〔「てがせ」とも〕
(1)刑具の一。手にはめて,自由に動かせないようにするもの。てかし。
(2)自由な行動を束縛するもの。
手柄
てがら [3] 【手柄】
(1)目覚ましい働き。腕前を発揮した成果。いさお。「―をたてる」
(2)手並み。腕前。「―の程みせん/平治(中・古活字本)」
(3)すぐれているところ。誇りとするところ。「四季の草いろ��をの��花の―を見せ/洒落本・通言総籬」
手柄
てがら【手柄】
an exploit;→英和
a merit;→英和
an achievement;a distinguished service.〜を立てる distinguish oneself <in> .
手柄岡持
てがらのおかもち 【手柄岡持】
⇒朋誠堂喜三二(ホウセイドウキサンジ)
手柄話
てがらばなし [4] 【手柄話】
功績をあげた話。手柄の自慢話。
手柄顔
てがらがお [0] 【手柄顔】
手柄を自慢そうにする顔つき。ほこりがお。
手柏
てがしわ [2] 【手柏】
コノテガシワの異名。
手染
てぞめ [0] 【手染(め)】
手ずから染めること。また,そのもの。
手染め
てぞめ [0] 【手染(め)】
手ずから染めること。また,そのもの。
手柔らか
てやわらか [0] 【手柔らか】 (形動)[文]ナリ
かげんしてやさしく取り扱うさま。「女房にばかり―なる可笑(ヲカ)しさ/ゆく雲(一葉)」
→お手柔らかに
手根骨
しゅこんこつ [2] 【手根骨】
手の関節基部を形成する八個の短骨の総称。上下二列に四個ずつ並ぶ。腕骨(ワンコツ)。
手桎
てかせ [1] 【手桎・手械・手梏・手枷】
〔「てがせ」とも〕
(1)刑具の一。手にはめて,自由に動かせないようにするもの。てかし。
(2)自由な行動を束縛するもの。
手桎
てかし 【手桎・手梏】
〔「てがし」とも〕
「てかせ」に同じ。[新撰字鏡]
手桶
ておけ [0][3] 【手桶】
取っ手のある,手に提げて運ぶ桶。
手桶
ておけ【手桶】
a pail;→英和
a bucket.→英和
手梏
てかせ [1] 【手桎・手械・手梏・手枷】
〔「てがせ」とも〕
(1)刑具の一。手にはめて,自由に動かせないようにするもの。てかし。
(2)自由な行動を束縛するもの。
手梏
てかし 【手桎・手梏】
〔「てがし」とも〕
「てかせ」に同じ。[新撰字鏡]
手械
てかせ [1] 【手桎・手械・手梏・手枷】
〔「てがせ」とも〕
(1)刑具の一。手にはめて,自由に動かせないようにするもの。てかし。
(2)自由な行動を束縛するもの。
手棒
てぼう 【手棒】
(1)手に持った棒。つえ。「上人腹をすゑかねて―を振り上げかかり給へば/狂言・若市」
(2)手や指のない人。また,手の不自由な人。てんぼう。「さあ命は助くる,―でも生きば生きて見よ/浄瑠璃・唐船噺」
手棹
てざお [0] 【手棹】
船で相手との間隔をとったりするのに用いる水棹(ミザオ)より短い棹。
手植え
てうえ [3][0] 【手植え】
手で植えること。また,(貴人が)自分自身で植えること。「お―の松」
手植の
てうえ【手植の】
planted (in person) <by> .
手業
てわざ [3][1] 【手業】
(1)手でする仕事。手仕事。
(2)しわざ。行為。「わるい―を見習うたによつて/歌舞伎・幼稚子敵討」
(3)柔道で,投げ技のうち,主に腕を使う技。
手楯
てだて [1] 【手楯】
歩兵が手に持ち,地面に突き立てて防御に用いる木の楯。持ち楯。
手榴弾
てりゅうだん【手榴弾】
a (hand) grenade.
手榴弾
しゅりゅうだん シユリウ― [2] 【手榴弾】
⇒てりゅうだん(手榴弾)
手榴弾
しゅりゅうだん【手榴弾】
<throw> a hand grenade <at> .
手榴弾
てりゅうだん [2] 【手榴弾】
手で投げる小型の爆弾。手投げ弾。しゅりゅうだん。
手槍
てやり [1][0] 【手槍・手鑓】
柄が,標準より短い槍。
手樽
てだる [0] 【手樽】
「柄樽(エダル)」に同じ。
手機
てばた [1] 【手機】
⇒手織機(テオリバタ)
手次ぎ
てつぎ [3][0] 【手次ぎ・手継ぎ】
(1)代々受け継いでいること。また,そのもの。[日葡]
(2)浄土真宗で信徒が檀家として所属している寺院をいう語。本山と檀家との中間にあって信仰に関する取り次ぎをする寺。手次ぎ寺(デラ)。
(3)「手継ぎ証文(シヨウモン)」の略。
手段
しゅだん [1] 【手段】
目的をとげるのに必要な方法。「目的のためには―を選ばない」「最後の―」「生産―」
手段
しゅだん【手段】
a means;→英和
a way;→英和
a step;→英和
a measure;→英和
a shift (便法).→英和
〜が尽きる be at one's wit's[wits']end.〜を誤る take a wrong step.〜を選ばずに by any means;by fair means or foul.あらゆる〜を尽す try every possible means.最後の〜として as a last resort.
手毬
てまり [0][1] 【手鞠・手毬】
手でついて遊ぶまり。綿を丸めて芯(シン)とし,色糸を固く幾重にも巻いたもの。現在はゴム・塩化ビニール製などが多い。昔,女児の正月の遊び道具であった。[季]新年。
手鞠[図]
手毬唄
てまりうた [3] 【手鞠歌・手毬唄】
手鞠をついて遊ぶときに歌う歌。[季]新年。《―かなしきことをうつくしく/虚子》
手水
てみず [1] 【手水】
(1)手を洗う水。手洗い水。ちょうず。
(2)洗ったりして,手についている水。
(3)餅(モチ)をつく時,捏(コ)ね取りが手に水をつけて餅をしめすこと。また,その水。
手水
ちょうず【手水】
washing-water;⇒便所.手水鉢 <米> a washbowl[ <英> washbasin].→英和
手水
ちょうず テウヅ [1] 【手水】
〔「てみず」の転〕
(1)手や顔を洗うための水。「―を使う」
(2)用便に行くこと。また,大小便を婉曲にいう語。「―に立つ」
(3)便所。手洗い。ちょうずば。「お―はどちらですか」
手水の間
ちょうずのま テウヅ― 【手水の間】
内裏,清涼殿内朝餉(アサガレイ)の間の北にある部屋。天皇が毎朝洗面をする所。御手水の間。
手水場
ちょうずば テウヅ― [0] 【手水場】
(1)便所のそばの手を洗う所。
(2)便所。かわや。ちょうず。
手水所
ちょうずどころ テウヅ― [4] 【手水所】
神仏を拝む前に手水を使う所。みたらし。
手水手拭い
ちょうずてぬぐい テウヅ―ヌグヒ [4] 【手水手拭い】
手や顔を洗い清める時に使う手拭い。
手水柄杓
ちょうずひしゃく テウヅ― [4] 【手水柄杓】
手水に用いる柄杓。
手水桶
ちょうずおけ テウヅヲ― [4] 【手水桶】
茶道で,蹲踞(ツクバイ)のない露地の時や,または雨や風雪が強く露地入りのできない時に,臨時に手水を盛って置く桶。赤味の杉または椹(サワラ)製で径一尺ほど。松か杉の蓋(フタ)が付いている。
手水湯
ちょうずゆ テウヅ― [3] 【手水湯】
手や顔を洗い清めるための湯。
手水盥
ちょうずだらい テウヅダラヒ [4] 【手水盥】
手水を入れるたらい。
手水舎
ちょうずや テウヅ― [0] 【手水舎】
神社・寺院の前に設けられた手水所の建物。四方を吹き抜けにして,四本の隅柱の上に軒深い屋根をかけ,内に水盤・水槽を備える。てみずや。
手水舎
てみずや [0] 【手水舎】
⇒ちょうずや(手水舎)
手水鉢
ちょうずばち テウヅ― [3] 【手水鉢】
手水を入れておく鉢。茶室の露地や,庭園の飾りにも用いられる。手洗い。
→蹲(ツクバイ)
手池
ていけ [0] 【手池・手生け・手活け】
(1)自分の持っている池。《手池》「―に放ち置く/浮世草子・諸国はなし 4」
(2)自分一人の物にして,自由にすること。「秋は広沢の月を―にして/浮世草子・諸艶大鑑 6」
手池の魚
ていけのうお 【手池の魚】
〔自分の池で飼養する魚の意〕
身請けして,自分の自由にする女。「―と水深き妹背に国もかたぶきて/浄瑠璃・用明天皇」
手沢
しゅたく [0] 【手沢】
手あかで出たつや。転じて,身近に置いて愛用した物。「父祖の―を存じてゐる書籍が少くなかつただらうが/渋江抽斎(鴎外)」
手沢本
しゅたくぼん [0] 【手沢本】
(1)先人が愛読した本。故人遺愛の書物。
(2)書き入れのある本。
手法
しゅほう【手法】
technical skill;(a) technique.→英和
手法
しゅほう [0] 【手法】
物事のやり方・技巧。特に,芸術作品の表現技巧。技法。「リアリズムの―を取り入れる」
手洗
てあらい [2] 【手洗(い)】
(1)手を洗うこと。また,それに用いる器や湯水。「―の水が凍る」
(2)便所。おてあらい。「―に立つ」
手洗い
てあらい【手洗い】
a washstand;→英和
a lavatory (便所).→英和
手洗鉢 <米> a washbowl;→英和
<英> a washbasin.→英和
手洗い
てあらい [2] 【手洗(い)】
(1)手を洗うこと。また,それに用いる器や湯水。「―の水が凍る」
(2)便所。おてあらい。「―に立つ」
手洗い場
てあらいば [0] 【手洗(い)場】
(1)手や顔を洗う場所。
(2)便所。
手洗い鉢
てあらいばち [3] 【手洗(い)鉢】
手を洗う水を入れておく鉢。手水(チヨウズ)鉢。
手洗場
てあらいば [0] 【手洗(い)場】
(1)手や顔を洗う場所。
(2)便所。
手洗鉢
てあらいばち [3] 【手洗(い)鉢】
手を洗う水を入れておく鉢。手水(チヨウズ)鉢。
手活け
ていけ [0] 【手池・手生け・手活け】
(1)自分の持っている池。《手池》「―に放ち置く/浮世草子・諸国はなし 4」
(2)自分一人の物にして,自由にすること。「秋は広沢の月を―にして/浮世草子・諸艶大鑑 6」
手活けの花
ていけのはな 【手活けの花】
(1)手ずから活けた花。
(2)「手池の魚」に同じ。「お亀を今さら余の人の―になす事もいと口惜しき事なり/人情本・娘節用」
手淫
しゅいん【手淫】
<practice> masturbation[onanism].→英和
手淫
しゅいん [0] 【手淫】 (名)スル
手などを使って自分の性器を刺激し性的快感を得ること。自慰。自瀆。オナニー。マスターベーション。
手渋い
てしぶ・い 【手渋い】 (形)
〔近世語〕
(1)手きびしい。「ても―・い御異見に逢ました/歌舞伎・韓人漢文」
(2)手ごわい。「詞(コトバ)はうまく―・い相手/浄瑠璃・忠臣金短冊」
手渡し
てわたし [2] 【手渡し】 (名)スル
(1)手から手へと,次々に渡して,物を送ること。
(2)自分でじかに相手に渡すこと。「書類を―する」
手渡す
てわた・す [3][0] 【手渡す】 (動サ五[四])
物を,自分の手で相手に直接渡す。手渡しする。「手紙を―・される」
[可能] てわたせる
手渡す
てわたす【手渡す】
hand <a thing to a person> .→英和
手溜まり
てだまり [2] 【手溜まり】
刀・弓・槍などの手をかけるところ。また,そこを手にしたときの具合。「―がいい」
手漉き
てすき [0][3] 【手漉き】
紙を,機械を使わずに手ですくこと。また,その紙。「―の和紙」
手漉紙
てすきがみ【手漉紙】
handmade paper.
手灯台
てとうだい [2] 【手灯台】
「手燭(テシヨク)」に同じ。
手炉
しゅろ [1] 【手炉】
「手焙(テアブ)り」に同じ。
手焙り
てあぶり [2] 【手焙り】
手をあぶるのに使う小形の火鉢。手炉(シユロ)。[季]冬。《―に僧の位の紋所/虚子》
手無し
てなし [3] 【手無し】
(1)手がないこと。また,その人。
(2)袖のない胴着。また,袖無しの羽織。「下臈のきる―といふ布着物きて/著聞 20」
(3)無能なこと。また,その人。「薄情(ジヨウナシ)―/洒落本・辰巳婦言」
(4)〔女房詞。調度・料理などに手を触れられぬことから〕
月経。
手焼
てやき [0] 【手焼(き)】
人の手で焼くこと。また,自分自身で焼くこと。「―の煎餅(センベイ)」
手焼き
てやき [0] 【手焼(き)】
人の手で焼くこと。また,自分自身で焼くこと。「―の煎餅(センベイ)」
手煎じ
てせんじ [2] 【手煎じ】
(1)自分で茶を煎じること。また,その茶。
(2)自分で炊事をすること。奉公人を置けない生活。「身の裸になる事はさておき,後には―する事/浮世草子・織留 2」
(3)めかけ。囲い者。「是は都の月ぎりに,隠し置かれし―や/浄瑠璃・松風村雨」
手燭
しゅしょく [0][1] 【手燭】
手に持つあかり。てしょく。
手燭
てしょく [3][0] 【手燭】
蝋燭(ロウソク)立てに長柄をつけた灯具。手とぼし。手灯台。
手燭[図]
手燭石
てしょくいし [3] 【手燭石】
蹲(ツクバイ)の役石の一。湯桶(ユオケ)石と相対して据える。手燭を乗せやすいように平らなものを使う。
→蹲
手爪
てづま [1] 【手妻・手爪】
(1)手先。また,手先でする仕事。また,その技術。「―もすぐれて,折柳とて一流結(ユ)ひ出し/浮世草子・男色大鑑 3」
(2)手品。奇術。
手爪先
てづまさき [2][0] 【手爪先】
手の指先。
手爾波
てには [0] 【弖爾波・手爾波】
〔三論宗の仏家で用いたヲコト点を左下から左中・左上の順に読むと「てには」となることからの名称〕
「弖爾乎波(テニヲハ)」に同じ。
手爾葉大概抄
てにはたいがいしょう 【手爾葉大概抄】
語学書。一冊。藤原定家著といわれたが,実際は,鎌倉末期から室町初期の成立。漢文で書かれ,「てにをは」研究の最初のもの。
手版
てはん [0] 【手版・手板】
自社の出版物。「―物(モノ)」
手狭
てぜま [0] 【手狭】 (形動)[文]ナリ
家・部屋などが人数や仕事の規模に比べて狭いさま。「社員が増えてオフィスが―になる」
[派生] ――さ(名)
手狭い
てぜま・い 【手狭い】 (形)[文]ク てぜま・し
〔近世語〕
家・場所などが,活動するのに狭く感じられる。また,規模が小さい。
⇔手広い
「只今迄は二丁町にて物事―・く候へしが/洒落本・遊婦多数寄」
手狭な
てぜま【手狭な】
small;→英和
narrow.→英和
手猿楽
てさるがく [2] 【手猿楽】
中世から近世初期に,武士や商人などの素人が演じた能,およびその集団。広義には,猿楽専業者であっても大和猿楽四座に属さない者が演じる能をもいう。
手玉
てだま [0] 【手玉】
(1)曲芸に用いる玉。また,女児が遊戯に用いる玉。品玉。お手玉。
(2)手につける飾りの玉。「足玉も―もゆらに織る機(ハタ)は/古今六帖 5」
手玉にとる
てだま【手玉にとる】
trifle with[make sport of] <a person> .
手玩
てまもり 【手玩】
おもちゃ。てあそび。「柴生のつばなぬきためてうなゐ子供が―にせん/新撰六帖 6」
手瓶
てがめ [1] 【手瓶】
取っ手のついた瓶。
手生け
ていけ [0] 【手池・手生け・手活け】
(1)自分の持っている池。《手池》「―に放ち置く/浮世草子・諸国はなし 4」
(2)自分一人の物にして,自由にすること。「秋は広沢の月を―にして/浮世草子・諸艶大鑑 6」
手甲
てこう [2] 【手甲】
⇒てっこう(手甲)
手番
てつがい [2] 【手結・手番】
(1)射礼(ジヤライ)・賭弓(ノリユミ)・相撲などで,競技者の組み合わせをつくること。また,その取組。
(2)物事の段取り。手順。手筈。「其の上は時の才覚,―ようし給へと/浄瑠璃・娥哥がるた」
手疵
てきず [1] 【手傷・手創・手疵】
負傷。特に戦いで負ったきず。「―を負う」
手痛い
ていた・い [3] 【手痛い】 (形)[文]ク ていた・し
(1)受けた被害の程度がはなはだしくて,心が動揺するほどだ。「終了間際に―・いエラーをした」
(2)程度が激しいさま。きびしい。「十六時間の程―・く攻れど/近世紀聞(延房)」
[派生] ――さ(名)
手痛い
ていたい【手痛い(く)】
⇒手厳(きび)しい.手痛いエラー a costly error.
手療治
てりょうじ [2] 【手療治】
医者にかからず,自分で病気や傷の治療をすること。また,その治療法。
手癖
てくせ [3][1] 【手癖】
〔「てぐせ」とも〕
手で,つい,してしまうこと。特に,盗みのくせ。
手癖が悪い
てくせ【手癖が悪い】
have light fingers;be light-fingered.
手盛り
てざかり [2] 【手盛り】
壮年で,最も技量のすぐれている年代。「―の振舞,年寄りての風体(フウテイ)/風姿花伝」
手盛り
てもり [3][0] 【手盛り】
(1)自分で自分の食物を盛ること。
(2)自分の都合のよいように決めること。
→おてもり
手盥
てだらい [2] 【手盥】
手や顔を洗う小さな盥。手水(チヨウズ)盥。
手目
てめ 【手目】
(1)博打(バクチ)で,いかさまをすること。「すべてばくちに―があるものぢやと/咄本・都男」
(2)ごまかし。いんちき。「―のならぬ御かたは/浮世草子・一代男 4」
手直し
てなおし【手直し】
later adjustment.
手直し
てなおし [2] 【手直し】 (名)スル
不完全な部分を直すこと。修正。「脚本を―する」
手直り
てなおり [2] 【手直り】
囲碁・将棋の対局で,一定の回数(通常四回)勝ち越した場合に,両者間の手合い割りを改めること。
手相
てそう【手相】
the lines of the palm;→英和
<practice> palmistry (術).→英和
〜を見る read one's palm[hand].‖手相見 a palmist.
手相
てそう [2] 【手相】
手指や掌の形・肉づき・筋などのようす。特に,人の運勢などを表していると思われる特徴。
手相撲
てずもう 【手相撲】
腕相撲。腕押し。「ふけゆくまで糸取り・―して/浮世草子・一代男 5」
手相術
しゅそうじゅつ シユサウ― [2] 【手相術】
手相(テソウ)を見て,その人の運勢を占う術。
手相見
てそうみ [2][4] 【手相見】
手相を見て,その人の運勢・吉凶などを判断することを職業とする人。
手真似
てまね [1] 【手真似】 (名)スル
手で物の様子などを表すこと。「―をまじえて話す」
手真似をする
てまね【手真似をする】
make a gesture;→英和
make a sign.→英和
〜で話す talk by signs[in sign language].
手矢
てや [1] 【手矢・手箭】
(1)手に持つ矢。「弓を―に取りて/今昔 26」
(2)武具の一。手で投げる矢。長さ約40センチメートルの竹または木の細い棒の先に約10センチメートルの鏃(ヤジリ)を付け,他端に矢羽を付けたもの。打ち矢。手突き矢。
手短
てみじか [0] 【手短】 (形動)[文]ナリ
短くまとめられたさま。簡略。簡単。「―に事情を説明する」「―にまとめる」
手短い
てみじか・い [4] 【手短い】 (形)[文]ク てみじか・し
文章・話が簡略なさま。「―・く書いて頂きたいと思ひまして/破戒(藤村)」
[派生] ――さ(名)
手短かに言えば
てみじか【手短かに言えば】
in short;to put it briefly.
手秤
てばかり [2] 【手秤】
(1)小形の秤。
(2)手にのせたり,下げたりして大体の重さを知ること。
手稲山
ていねやま 【手稲山】
札幌市西区と手稲区との境にある山。海抜1024メートル。山頂からの眺望よく,山腹はスキー-コース。
手稿
しゅこう [0] 【手稿】
手書きの原稿。稿本。
手積もり
てづもり [2] 【手積(も)り】
秤(ハカリ)・升などを用いずに,手で大体の重さ・量などをはかること。
手積り
てづもり [2] 【手積(も)り】
秤(ハカリ)・升などを用いずに,手で大体の重さ・量などをはかること。
手穢い
てむさ・い 【手穢い】 (形)[文]ク てむさ・し
〔中世・近世の語〕
きたない。見苦しい。「留主の中(ウチ)に―・い事があるまじ/浮世草子・色三味線」
手空き
てあき [3] 【手明き・手空き】
する事がなくて暇でいること。てすき。「―になる」「―の者をよこしてくれ」
手空きの時に
てすき【手空きの時に】
when one is free.
手突き
てつき 【手突き】
弓を使わず,矢を手で投げつけて突き刺すこと。「わざと弓をば持たず,是は―にせんがためなりけり/太平記 15」
手窓
てまど [0] 【手窓】
「肘掛(ヒジカ)け窓」に同じ。
手窪
てくぼ 【手窪】
手のひらのくぼんだ部分。[日葡]
手立て
てだて【手立て】
⇒手段(しゆだん).
手立て
てだて [1] 【手立て】
(1)方法。対策。手段。「救う―がない」「―を講ずる」
(2)策を弄(ロウ)すること。策略。「―する家につかはれければ/浮世草子・胸算用 3」
手筆
しゅひつ [0] 【手筆】
(1)手ずから書くこと。自筆。
(2)著書。
手筈
てはず【手筈】
a plan;→英和
arrangements.〜を決める arrange[make arrangements] <with a person for a matter> .→英和
手筈
てはず [1] 【手筈】
物事を行う際に,あらかじめ予定しておく順序・段取り。準備。「―を整える」「―が狂う」
手筋
てすじ [1] 【手筋】
(1)てのひらにある筋。
(2)技芸などの素質。天分。「―のいい子」
(3)囲碁・将棋で,相手の着手に対して十分働きうる手。「―をよむ」
(4)師から伝わる芸風。芸の系統。「鼓は生田与右衛門の―/浮世草子・永代蔵 2」
(5)手段。方法。てだて。「敵の―が知れさうな/浄瑠璃・伊賀越道中双六」
(6)ある物事に関係のある人や事を漠然とさす。方面。すじ。「是はいづくの―より漏れ聞えし事ぞと/浮世草子・好色敗毒散」
(7)てづる。てがかり。「―聞き出し長崎屋伝九郎を頼み/浮世草子・二十不孝 1」
手筋がよい
てすじ【手筋がよい】
have a natural aptitude <for> ;write a good hand (筆跡).
手筒
てづつ [1] 【手筒・手銃】
片手であつかえる鉄砲。短銃。
手箒
てぼうき [2] 【手箒】
片手で使う小形の箒。
手管
てくだ [1] 【手管】
(1)人をうまく操ったり,ごまかしたりする方法・技術。「手練―」
(2)遊女が客をたらし込む技術。手練。
(3)遊女が情夫を持つこと。また,その情夫。間夫(マブ)。「本のは―の男につかはし/浮世草子・一代男 4」
手管
てくだ【手管】
a trick;→英和
wiles.
手箪笥
てだんす [2] 【手箪笥】
手元に置いて,手回りの品などを入れる小形の箪笥。用箪笥。
手箭
てや [1] 【手矢・手箭】
(1)手に持つ矢。「弓を―に取りて/今昔 26」
(2)武具の一。手で投げる矢。長さ約40センチメートルの竹または木の細い棒の先に約10センチメートルの鏃(ヤジリ)を付け,他端に矢羽を付けたもの。打ち矢。手突き矢。
手箱
てばこ【手箱】
a box;→英和
a case;→英和
a casket.→英和
手箱
てばこ [1][0] 【手箱】
手回りの小道具を入れておく小箱。
手節
てぶし 【手節】
(1)手並み。腕前。「おとよが兄めが―もきかねえざまで/洒落本・卯地臭意」
(2)手。腕。「―をおつ付てくれるな,けがれるわい/洒落本・南江駅話」
手節崎
たふしのさき 【手節崎】
三重県鳥羽市,答志(トウシ)島の東北隅の黒崎の古名。
手篭
てかご【手篭】
a hand basket.
手簡
しゅかん [0] 【手簡・手翰】
手紙。
手籠
てかご [0][1] 【手籠】
手に提げて持つ籠。
手籠む
てご・む 【手込む・手籠む】 (動マ下二)
手込めにする。「これほどまで―・め申す上は,片時の御暇ならば参らせられ候へ/謡曲・咸陽宮」
手籠め
てごめ [3][0] 【手込め・手籠め】
(1)女性を暴力で犯すこと。強姦。「―にする」
(2)人を力ずくで押さえ付けたりして自由を奪うこと。手込み。「三人かかつて弥次郎を―にする/滑稽本・膝栗毛 4」
手粘
てねば 【手粘】 (形動ナリ)
〔形容詞「てねばい」の語幹から〕
手の動作がのろいさま。仕事が遅いさま。「今のすずきを―の者があらふかしておそい/狂言・鱸庖丁」
手粘い
てねば・い 【手粘い】 (形)[文]ク てねば・し
〔中世・近世の語〕
動作がのろい。「余りにおもくれて―・く候間/三河物語」
手紋
しゅもん [0] 【手紋】
てのひらのすじ。てすじ。
手紙
てがみ【手紙】
a letter;→英和
a note (簡単な).→英和
〜を出す send a letter;→英和
write (to) <a person> .→英和
手紙
てがみ [0] 【手紙】
(1)考え・用件などを記して送る文書。書簡。書状。「―を出す」
(2)葉書に対して,封書。
(3)常に手元に置いて用いる紙。半切り紙。
手紙台
てがみだい [3] 【手紙台】
半切り紙などを載せて座右に置く台。
手紙文
てがみぶん [0][3] 【手紙文】
手紙に用いられる文章・文体。書簡文。
手紬
てつむぎ [2] 【手紬】
手織りの紬。
手細
てぼそ [0] 【手細】
(1)絹の,帯状の布。腰帯・ほおかむりなどに用いた。「紅の―に目を塞ぎ/浮世草子・諸艶大鑑 4」
(2)「船綿帽子(フナワタボウシ)」に同じ。
(3)筒袖,垂領(タリクビ)の,丈の短い衣服。労働着の称。
手細工
てざいく [2] 【手細工】
(1)手先でする細工。「―の宝石箱」
(2)自分の手で作ること。また,その細工。
手細工
てざいく【手細工】
hand(i)work;manual work.〜の handmade.
手組
てぐみ [3][0] 【手組(み)】 (名)スル
(1)人の手で組むこと。「―の紐」
(2)手を組むこと。「三人―して寄る所を,三人ながら掻いつかんで/保元(下)」
(3)人を集めたり,軍勢を分けたりして,部隊を編制すること。「さあ,攻め寄せよ,と―を揃へ/浄瑠璃・碁太平記」
(4)仲間(ナカマ)。同類。「いつもの―の客まじりに/浮世草子・男色大鑑 7」
(5)手筈(テハズ)。計略。段取り。「―はかうと智恵の有たけふるひけるに/浮世草子・御前義経記」
手組の犬追物
てぐみのいぬおうもの 【手組の犬追物】
正式の犬追物。射手(イテ)は一二騎から成る手組が三組,犬は総数一五〇匹を用いる。
手組み
てぐみ [3][0] 【手組(み)】 (名)スル
(1)人の手で組むこと。「―の紐」
(2)手を組むこと。「三人―して寄る所を,三人ながら掻いつかんで/保元(下)」
(3)人を集めたり,軍勢を分けたりして,部隊を編制すること。「さあ,攻め寄せよ,と―を揃へ/浄瑠璃・碁太平記」
(4)仲間(ナカマ)。同類。「いつもの―の客まじりに/浮世草子・男色大鑑 7」
(5)手筈(テハズ)。計略。段取り。「―はかうと智恵の有たけふるひけるに/浮世草子・御前義経記」
手結
たゆい 【手結】
上代の装身具。玉や鈴や管に紐(ヒモ)を通して,袖を結び腕を飾ったもの。たまき。
手結
てつがい [2] 【手結・手番】
(1)射礼(ジヤライ)・賭弓(ノリユミ)・相撲などで,競技者の組み合わせをつくること。また,その取組。
(2)物事の段取り。手順。手筈。「其の上は時の才覚,―ようし給へと/浄瑠璃・娥哥がるた」
手絡
てがら [3] 【手絡】
日本髪で,髷(マゲ)の根元にかける飾りの布。絞り染めの縮緬(チリメン)が多い。
手絡髷
てがらわげ [3] 【手絡髷】
手絡を使った結髪。江戸時代,江戸吉原で流行。てがらまげ。
手継ぎ
てつぎ [3][0] 【手次ぎ・手継ぎ】
(1)代々受け継いでいること。また,そのもの。[日葡]
(2)浄土真宗で信徒が檀家として所属している寺院をいう語。本山と檀家との中間にあって信仰に関する取り次ぎをする寺。手次ぎ寺(デラ)。
(3)「手継ぎ証文(シヨウモン)」の略。
手継ぎ証文
てつぎしょうもん [4] 【手継ぎ証文】
ある土地の所有権の由来を証明するために,その土地に関するそれ以前の売券・譲状を年代順に継ぎ合わせた一連の文書。所有者の移動の際には一括して新所有者に渡された。中世に多く見られる。手継ぎ券文。
手続
てつづき [2] 【手続(き)】 (名)スル
(1)物事を行う順序・方法。手順。「―を誤る」
(2)書類を整えたり,料金を払いこんだりする,事務上の処置。「入学の―を済ませる」
(3)手掛かり。つながり。「一心太助がここへ来て,よい―にありつくも/歌舞伎・芽出柳緑翠松前」
手続き
てつづき [2] 【手続(き)】 (名)スル
(1)物事を行う順序・方法。手順。「―を誤る」
(2)書類を整えたり,料金を払いこんだりする,事務上の処置。「入学の―を済ませる」
(3)手掛かり。つながり。「一心太助がここへ来て,よい―にありつくも/歌舞伎・芽出柳緑翠松前」
手続き型言語
てつづきがたげんご [7] 【手続き型言語】
手続きを記述することによってアルゴリズムを表現するプログラミング言語。それに対し,非手続き型言語では内容と関連付けて判断を進める方式や知識表現による推論をする。
手続をする[ふむ]
てつづき【手続をする[ふむ]】
go through the (due) formalities (形式);follow the <usual> procedure (手順);→英和
take proceedings <for divorce> (起訴);take steps <to do> (措置).
手続法
てつづきほう [4][0] 【手続法】
実体法の定める権利義務を実現するための手続きについて規定する法。民事訴訟法・刑事訴訟法・不動産登記法など。形式法。助法。
→実体法
手綱
たづな [0] 【手綱】
(1)馬具の一。轡(クツワ)の左右に結び付け,乗り手が握って馬を操る綱。「―を引く」
(2)(比喩的に)勝手な行動を他人がしないように,活動に枠をはめること。「―を取る」「―をゆるめる」
(3)細長い布。帯・鉢巻きなど,様々な用途に用いた。たんな。「烏帽子に―うたせて/盛衰記 34」
(4)ふんどし。下帯。[日葡]
手綱
たんな 【手綱】
〔「たづな」の転〕
(1)馬の手綱(タヅナ)。「よい乗り手といふものは―にあたらいで自由にするぞ/毛詩抄 6」
(2)下帯。褌(フンドシ)。「縮緬の―をして/仮名草子・仁勢物語」
手綱
たづな【手綱】
reins;a bridle.→英和
〜をとる lead <a horse> by the bridle.〜をゆるめる give <the horse> the reins.
手綱捌き
たづなさばき [4] 【手綱捌き】
(1)馬を乗りこなす腕前・技術。
(2)人を統御し使いこなす腕前。
手綱染
たづなぞめ [0] 【手綱染(め)】
〔馬の手綱に多く用いたからいう〕
だんだら染めの一。種々の色の筋を斜めに染めたもの。
手綱染め
たづなぞめ [0] 【手綱染(め)】
〔馬の手綱に多く用いたからいう〕
だんだら染めの一。種々の色の筋を斜めに染めたもの。
手網
てあみ【手網】
a hand net.
手網
てあみ [0] 【手網】
手にもって魚をとる網。
手綺麗
てぎれい [2] 【手奇麗・手綺麗】 (形動)[文]ナリ
手際よく,きれいに仕上げるさま。「―な細工」
手締め
てじめ [0][3] 【手締め】
物事の決着や成就を祝って,関係者がそろって拍子を合わせて手を打つこと。手打ち。
手編の
てあみ【手編の】
hand-knit.
手編み
てあみ [0] 【手編み】
機械を用いないで手で編むこと。また,手で編んだもの。「―のセーター」
手緩い
てぬる・い [3][0] 【手緩い】 (形)[文]ク てぬる・し
きびしさが足りない。なまぬるい。「そんな―・いやり方ではだめだ」「取り締まりが―・い」
[派生] ――さ(名)
手緩い
てぬるい【手緩い】
not strict[severe]enough;mild;→英和
lenient;→英和
lukewarm;→英和
<be> too easy <with students> .
手練
しゅれん【手練】
skill;→英和
dexterity.
手練
てれん [0] 【手練】
人を思うままに操りだます技巧。手管(テクダ)。「此様な―をせねば,分限者にはなられぬ/浄瑠璃・傾城酒呑童子」
手練
しゅれん [0][1] 【手練】 (名)スル
(1)熟練した,みごとな手並み。「―の早業」
(2)練習して練れること。「琵琶の上手なりしが又三味線をも―し/日本開化小史(卯吉)」
手練れ
てだれ [3] 【手足れ・手練れ】
〔「てだり」の転。「てたれ」とも〕
技芸などのその道に熟達していること。また,その人。腕利き。上手。「一刀流の―」
手練手管
てれんてくだ [4] 【手練手管】
〔同義の語を重ねて意味を強めた語〕
「てれん(手練)」に同じ。「―の限りを尽くす」
手縄
てなわ [1][0] 【手縄】
(1)旗や幕を張るために乳(チ)に通す縄。
(2)口取りが馬を引くとき持つ縄。たなわ。
(3)捕り方などが人を捕らえて縛るのに用いる縄。
(4)和船で,帆桁(ホゲタ)の両端から船上にとる一対の麻縄。風向きに応じて帆の角度を操作するためのもの。
手縫い
てぬい [0] 【手縫い】
ミシンなどを使わず,手で縫うこと。また,その物。
手縫いの
てぬい【手縫いの】
hand-sewn.
手繁し
てしげ・し 【手繁し】 (形ク)
度数が多い。手をゆるめない。「敵―・くよするならば様あるまじ/盛衰記 21」
手織
ており [0] 【手織(り)】
(1)(動力を用いず)手織り機(バタ)などで布を織ること。「―のつむぎ」
(2)自家で織ること。
手織り
ており [0] 【手織(り)】
(1)(動力を用いず)手織り機(バタ)などで布を織ること。「―のつむぎ」
(2)自家で織ること。
手織りの
ており【手織りの】
hand-woven;homespun.→英和
手織り機
ておりばた [3] 【手織(り)機】
動力を用いず人の手足で操作する織機。高機(タカバタ)・地機(ジバタ)など。手機(テバタ)。
手織り縞
ておりじま [0] 【手織り縞】
自家で織った粗末な縞木綿。田舎縞。
手織機
ておりばた [3] 【手織(り)機】
動力を用いず人の手足で操作する織機。高機(タカバタ)・地機(ジバタ)など。手機(テバタ)。
手繰り
てぐり [3][0] 【手繰り】
(1)手で繰ること。たぐり寄せること。
(2)手から手に物を受け渡して運ぶこと。「嫁御の御入りと乗物すぐに―にして/浮世草子・娘容気」
(3)工夫して都合をつけること。やり繰り。
(4)「手繰り網」「手繰り船」の略。
手繰り
たぐり [3] 【手繰り】
たぐること。
手繰り上げる
たぐりあ・げる [5][0] 【手繰(り)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 たぐりあ・ぐ
たぐって上に引き上げる。「網を―・げる」
手繰り出す
たぐりだ・す [4][0] 【手繰(り)出す】 (動サ五[四])
たぐって少しずつ引き出す。比喩的にも用いる。「彼等の口から,その身の上話を少しづつ―・さうと試みた/飇風(潤一郎)」
手繰り寄せる
たぐりよ・せる [5] 【手繰(り)寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 たぐりよ・す
たぐって手元へ引き寄せる。「網を―・せる」
手繰り糸
てぐりいと [4] 【手繰り糸】
手で繰り取った糸。手引き糸。
手繰り網
てぐりあみ [3][0] 【手繰り網】
引き網の一。袋網と両翼に付けた袖網・引網から成り,たぐり寄せて船上に上げ,漁獲する。主にカレイ・ヒラメ・カニ・エビなどをとる。てぐり。
手繰り船
てぐりぶね [4] 【手繰り船】
(1)手繰り網を使い,磯で漁をする小船。
(2)江戸時代,大坂・伏見間を往復した早船。今井船。
手繰り車
たぐりぐるま [4] 【手繰(り)車】
車井戸などで,綱をたぐるために仕掛けた滑車。
手繰り込む
たぐりこ・む [4] 【手繰(り)込む】 (動マ五[四])
たぐって手元に入れる。また,手もとへ寄せる。「引き綱を―・む」
手繰り釣り
たぐりづり [0] 【手繰(り)釣り】
釣り竿を使わず,釣り糸を手でたぐりあげて魚を釣る方法。
手繰る
たぐ・る [2] 【手繰る】 (動ラ五[四])
(1)糸・綱などを,両手を交互に使って,手元へ引き寄せる。たくる。「釣り糸を―・る」
(2)話の筋や記憶を順々に求めたり,引き出したりする。「記憶を―・る」「歴史を―・る」
[可能] たぐれる
手繰る
たぐる【手繰る】
haul[pull]in <a rope> (hand over hand);trace (たどる).→英和
手繰上げる
たぐりあ・げる [5][0] 【手繰(り)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 たぐりあ・ぐ
たぐって上に引き上げる。「網を―・げる」
手繰出す
たぐりだ・す [4][0] 【手繰(り)出す】 (動サ五[四])
たぐって少しずつ引き出す。比喩的にも用いる。「彼等の口から,その身の上話を少しづつ―・さうと試みた/飇風(潤一郎)」
手繰寄せる
たぐりよ・せる [5] 【手繰(り)寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 たぐりよ・す
たぐって手元へ引き寄せる。「網を―・せる」
手繰車
たぐりぐるま [4] 【手繰(り)車】
車井戸などで,綱をたぐるために仕掛けた滑車。
手繰込む
たぐりこ・む [4] 【手繰(り)込む】 (動マ五[四])
たぐって手元に入れる。また,手もとへ寄せる。「引き綱を―・む」
手繰釣り
たぐりづり [0] 【手繰(り)釣り】
釣り竿を使わず,釣り糸を手でたぐりあげて魚を釣る方法。
手纏
たまき [1] 【手纏・環・鐶】
〔手に巻く物の意〕
(1)上代の装身具の一。玉や鈴に紐(ヒモ)を通して,肘(ヒジ)のあたりに巻いた。くしろ。
(2)弓を射るとき肘につける籠手(コテ)。弓籠手(ユゴテ)。[和名抄]
(3)輪の形をし,中に穴のある玉。昔,指などに付けて飾りとした。
手署
しゅしょ [1] 【手署】 (名)スル
自分で氏名を書くこと。自署。
手羽
てばね [1] 【手羽】
鳥の翼の風切羽のうち,最も外側にある部分。普通一〇枚の大羽からなる。初列風切羽。
手羽
てば [1] 【手羽】
鶏の,羽のつけ根の部分の肉。脂肪が少なく柔らかい。手羽肉。
手羽先
てばさき [0] 【手羽先】
手羽の先の方の部分。
手羽肉
てばにく [2][0] 【手羽肉】
「手羽(テバ)」に同じ。
手習い
てならい [2] 【手習い】 (名)スル
(1)江戸時代,寺子屋で文字の読み書きを習うこと。習字。「―机」「―師匠」
(2)勉強。稽古(ケイコ)。「四十の―」
(3)源氏物語の巻名。第五三帖。宇治十帖の一。
手習い
てならい【手習い】
⇒習字.60の手習い It is never too late to learn.
手習い所
てならいどころ [5] 【手習い所】
習字を教える所。
手習い草紙
てならいぞうし [5] 【手習い草紙】
習字に用いる帳面。
手習い詞
てならいことば [5] 【手習い詞】
平安時代以降,手習いに使われた歌詞や詩文。「難波津の歌」「安積山(アサカヤマ)の歌」「天地(アメツチ)の歌」「大為爾(タイニ)の歌」「いろは歌」「千字文」など。
手習ふ
てなら・う 【手習ふ】 (動ハ四)
(1)習字をする。字を書くことを習う。「―・ふ人の,はじめにもしける/古今(仮名序)」
(2)慰みに,歌などを無造作に書く。「あやしき硯召し出でて―・ひ給ふ/源氏(浮舟)」
(3)学問・稽古などをする。「これより―・ふはじめ/浮世草子・永代蔵 1」
手習子
てならいこ テナラヒコ 【手習子】
歌舞伎舞踊。長唄。本名題「杜若(カキツバタ)七重の染衣(ソメギヌ)」。増山金八作詞,初世杵屋正次郎作曲。1792年(寛政4)江戸河原崎座初演。寺子屋帰りのおしゃまな町娘の姿を描いたもの。
手翰
しゅかん [0] 【手簡・手翰】
手紙。
手者
てしゃ [1] 【手者】
技芸や武芸の熟達した人。達人。「いかなる―もだますには/浮世草子・諸国はなし 2」
手職
てしょく [1][0] 【手職】
〔「てじょく」とも〕
手先でする仕事。手仕事の職。
手背
しゅはい [0] 【手背】
手の甲。
手腓
たくふら 【手腓・臂】
「たこむら(手腓)」に同じ。「―に虻掻きつきつ,その虻をあきつはや食ひ/日本書紀(雄略)」
手腓
たこむら 【手腓】
腕の内側の肉のふくれた所。たくふら。「―に虻(アム)かきつき/古事記(下)」
手腕
しゅわん [1][0] 【手腕】
物事を行う,すぐれた腕前。能力。「改革に―を振るう」
手腕
しゅわん【手腕】
<show one's> ability;→英和
(a) talent;→英和
capability.〜のある (cap)able;→英和
talented.→英和
‖手腕家 a man of ability.
手腕家
しゅわんか [0] 【手腕家】
手腕のある人。実行力のある人。やり手。
手船
てぶね [0] 【手船】
自分が所有している船。持ち船。傭船(ヨウセン)に対していう。「拙者が―も御用に達し/浄瑠璃・千本桜」
手花火
てはなび [2] 【手花火】
線香花火の別名。[季]秋。
手芸
しゅげい [0][1] 【手芸】
編み物・刺繍(シシユウ)など,主に手先を使ってする技芸。「―教室」
手芸
しゅげい【手芸】
a handicraft.→英和
手芸品 fancy articles;handiwork.→英和
手草
たぐさ 【手草】
歌舞などの時,手にとるもの。笹など。「天の香山の小竹葉を―に結ひて/古事記(上訓)」
手荒
てあら [0] 【手荒】 (形動)[文]ナリ
(1)取り扱いの丁寧でないさま。粗略。「本を―に扱う」
(2)振る舞いの荒々しいさま。暴力的。「―なまねはよせ」
[派生] ――さ(名)
手荒い
てあら・い [0][3] 【手荒い】 (形)[文]ク てあら・し
取り扱いが丁寧でない。粗略だ。また,振る舞いが荒々しい。「ガラス器は―・く扱わないこと」「仲間から―・い祝福を受ける」
[派生] ――さ(名)
手荒い
てあらい【手荒い(く)】
rough(ly);→英和
rude(ly);→英和
violent(ly).→英和
手荷物
てにもつ [2] 【手荷物】
(1)手で持ち運ぶ荷物。
(2)旅客が手回り品として持ち運ぶ荷物。自身が身辺に置く携帯手荷物と,駅で委託する託送手荷物とがある。
手荷物
てにもつ【手荷物】
<米> <a piece of> baggage[ <英> luggage];→英和
⇒手回り(品).〜を預ける have one's baggage checked.‖手荷物一時預所[ホテルなどの]a cloakroom; <米> a checkroom;[駅の] <米> a baggage room; <英> a left-luggage office.手荷物取扱所 a baggage[luggage]office.
手萎
てなえ [1] 【手萎・攣】
手の自由がきかないこと。また,その病。「―躄(アシナエ)となり/霊異記(下訓注)」
手落ち
ておち [3] 【手落ち】
方法や手続きなどに不十分な点があること。また,その不十分な点。「調査に―があった」
手落ち
ておち【手落ち】
a mistake;→英和
a slip;→英和
a fault.→英和
〜なく thoroughly;→英和
carefully.
手蓋
てがい 【手蓋】
武具の籠手(コテ)の異名。「一の刀には―をつき/平家(六・長門本)」
手蔓
てづる [1] 【手蔓】
(1)ものごとを行う上でたよりとなる人やもの。特に,依頼・交渉などで,手がかりになる縁故。たより。つて。「―を求める」
(2)てがかり。いとぐち。
手蔓
てづる【手蔓】
⇒伝手(つて).
手蔓藻蔓
てづるもづる [4] 【手蔓藻蔓】
棘皮(キヨクヒ)動物クモヒトデ類の一群の総称。オキノテヅルモヅル・セノテヅルモヅルなどがある。いずれも触腕が長く,中央の体盤の一〇〜二〇倍に達する。腕は途中で十数回分岐してたくさんの細い触腕となる。数百メートルの深海底にすむ。
手薄
てうす [0] 【手薄】 (名・形動)[文]ナリ
(1)人手が少ない・こと(さま)。「―な警備陣」
(2)手元に物・金などの少ない・こと(さま)。「在庫が―になる」「次第々々に貯蓄(タクハエ)の―になる所から足掻(アガ)き出した/浮雲(四迷)」
[派生] ――さ(名)
手薄い
てうす・い [3] 【手薄い】 (形)[文]ク てうす・し
金銭や物品などが不十分である。手薄だ。「もとより―・き身代なれば/滑稽本・根無草後編」
手薄な
てうす【手薄な】
scanty;→英和
scarce;→英和
<run> short.→英和
手薬煉
てぐすね [2] 【手薬煉】
手に薬煉(クスネ)を塗ること。
→薬煉
手術
しゅじゅつ【手術】
an[a surgical]operation <for appendicitis> .→英和
〜する perform an operation;operate <upon> ;→英和
〜を受ける be operated <upon> ;undergo an operation.‖手術医(台) an operating surgeon (table).手術室 <米> an operating room[ <英> theatre].
手術
しゅじゅつ [1] 【手術】 (名)スル
(1)〔operation〕
外科の医師が治療のため,メスや器械を用いて患部を切開し,治療処置をほどこすこと。オペ。「胃を―する」「―室」
(2)比喩的に,物事の状態を思い切って改めること。「社内組織の大―」
(3)手さばき。手先のわざ。「空に文織(アヤ)る練磨の―/義血侠血(鏡花)」
手袋
てぶくろ【手袋】
(a pair of) gloves[mittens (親指だけ分れた)].
手袋
てぶくろ [2] 【手袋】
(1)防寒や保護,装飾のために手にはめる袋状のもの。指が一本ずつ分かれたものと,親指だけを別にした形のものがある。[季]冬。《―の左許りになりにける/正岡子規》
(2)「弓懸(ユガケ)」に同じ。
(3)鷹が片足を上げて腹毛のなかに入れること。
手裏
しゅり [1] 【手裏・手裡】
手のうち。手中。掌中。「大将の首は―にあり/浄瑠璃・本朝三国志」
手裏剣
しゅりけん [0] 【手裏剣】
相手に投げつける鉄製の小武器。一方または両方をとがらせた小棒と,十字形・卍形(マンジガタ)などの鉄板に刃をつけた車剣(クルマケン)とがある。
手裏剣
しゅりけん【手裏剣】
a dirk.→英和
手裏剣
しりけん [0] 【手裏剣】
「しゅりけん(手裏剣)」の転。
手裡
しゅり [1] 【手裏・手裡】
手のうち。手中。掌中。「大将の首は―にあり/浄瑠璃・本朝三国志」
手製
てせい [0] 【手製】
自分で作ること。また,作ったもの。「―の菓子」
手製の
てせい【手製の】
handmade;homemade <fire bomb> ;→英和
of one's own making.
手褒め
てぼめ 【手褒め】
自分で自分のことや身内のことをほめること。「―ながらわしも目高ぢや/浮世草子・禁短気」
手覆い
たおおい [2] 【手覆い】
小具足の籠手(コテ)の,手の甲を覆う部分。
手覆い
ておおい [2] 【手覆い】
(1)籠手(コテ)の手の甲を覆う部分。
(2)手の甲を覆う布。手甲。
手見せ
てみせ [0][3] 【手見せ】
腕前・技量を人に見せること。
手見せ禁
てみせきん 【手見せ禁】
「手見禁(テミキン)」に同じ。
手見禁
てみきん [0] 【手見禁】
碁・将棋・双六(スゴロク)などで,相手の応ずる手を見て,自分の前の手をやり直すことを禁じること。待ったなし。てみせきん。「けんくわかとおもや―待つてくれ/柳多留 54」
手解き
てほどき [2] 【手解き】 (名)スル
学問・技芸などの初歩を教えること。「友人に柔道を―した」
手解きする
てほどき【手解きする】
teach;→英和
initiate <a person into> .→英和
手触り
てざわり [2] 【手触り】
(1)手でさわった時の感じ。「―のいい布地」
(2)物から受ける感じ。印象。「―のあらい言葉を使ふ/吾輩は猫である(漱石)」
手触りが粗い
てざわり【手触りが粗い(柔らかい)】
feel rough (soft);be rough (soft) to the touch.→英和
手記
しゅき【手記】
a note;→英和
a memorandum;→英和
memoirs (回想の).
手記
しゅき [1][2] 【手記】 (名)スル
自分で書き記すこと。また,その文書。特に,自分の体験や感想などを書き記したもの。「抽斎の―した文に就いて/渋江抽斎(鴎外)」
手許
てもと [3] 【手元・手許】
(1)手の下。手の届くあたり。「―が暗い」「―に資料がない」「娘は―におく」
(2)器具などの,手で持つ部分。
(3)手つき。手の動き。「―が狂う」
(4)手元にある金。懐具合。「―不如意」
(5)〔中世女性語〕
箸。おてもと。
手許金
てもときん [0] 【手許金】
手元に持っている金。手元。
手証
てしょう [2][1] 【手証】
(犯行などの)確かな証拠。てっしょう。てっしょ。「―もみねえ事が,なんといはれるものか/洒落本・青楼昼之世界錦之裏」
手詰まり
てづまり [2] 【手詰(ま)り】
(1)打つべき手段・方法がつきて困ること。「捜索が―になる」
(2)金銭のやりくりができなくなること。手もとが苦しいこと。
手詰まりである
てづまり【手詰まりである】
be pinched for money (金に困る);have no means left (せっぱ詰まる).
手詰まる
てづま・る [3] 【手詰(ま)る】 (動ラ五[四])
(1)手立てが尽きる。特に,金の融通がつかなくなる。「まことに貧者の―・る事,かかる物入りのありけるゆゑぞかし/浮世草子・織留 1」
(2)窮屈である。息が詰まる。「今日の生活はあまりに―・つてゐて,堰かれてゐて/うづまき(敏)」
手詰め
てづめ [0][3] 【手詰め】
(1)厳しく攻め寄せること。「敵を出し抜いて,―の勝負を決せんため/太平記 10」
(2)窮地におちいること。追いつめられること。「これ程の―になり,この親が目前に八つ裂きにせらるる/浄瑠璃・国性爺合戦」
手詰り
てづまり [2] 【手詰(ま)り】
(1)打つべき手段・方法がつきて困ること。「捜索が―になる」
(2)金銭のやりくりができなくなること。手もとが苦しいこと。
手詰る
てづま・る [3] 【手詰(ま)る】 (動ラ五[四])
(1)手立てが尽きる。特に,金の融通がつかなくなる。「まことに貧者の―・る事,かかる物入りのありけるゆゑぞかし/浮世草子・織留 1」
(2)窮屈である。息が詰まる。「今日の生活はあまりに―・つてゐて,堰かれてゐて/うづまき(敏)」
手話
しゅわ【手話】
<talk in> sign language.‖手話法 dactylology.
手話
しゅわ [1] 【手話】
おもに聴覚障害者の間で用いられる身振りや手の動きによる意思伝達の方法。手指や腕で作られる形,およびその位置やその移動に加え,表情や唇の動きを総合して行われる。パリに世界最初の聾学校を設立したエペーにより体系化が行われ,日本では古河太四郎(1845-1907)らにより始められた。「―通訳」
→口話
手話[図]
手話法
しゅわほう [0] 【手話法】
聴覚障害者に対する言語教育の一で,意思伝達の手段として手話を用いる方法。
手話通訳士
しゅわつうやくし [6] 【手話通訳士】
手話の知識と技能を用いて,耳の聞こえない人と聞こえる人の意志疎通を仲立ちする者。厚生大臣が認定する資格。
手談
しゅだん [0] 【手談】
〔手で語る意〕
囲碁の異名。[下学集]
手識本
しゅしきぼん [0] 【手識本】
自筆の識語が書かれている本。
手負い
ておい [0] 【手負い】
撃たれたり,切られたりして傷を負うこと。また,そのもの。「―の兵」「―の猪(イノシシ)」
手負の
ておい【手負の】
wounded.→英和
手貸
てがし [0] 【手貸】
「手形貸付(テガタカシツケ)」の略。
手賀沼
てがぬま 【手賀沼】
千葉県北西部,利根川南岸にある沼。淡水魚に富む。江戸時代以来しばしば干拓が行われた。
手賄い
てまかない [2] 【手賄い】
自分で自分の食事を作ること。自炊。
手賢し
てかしこ・し 【手賢し】 (形ク)
手が早い。手早い。「―・く抱き起してうらの畠に尿やりて/おらが春」
手足
てあし【手足】
hands and feet; <be bound> hand and foot.〜となって働く be at a person's beck and call.
手足
てあし [1] 【手足】
(1)手と足。
(2)人の思い通りに働くたとえ。「社長の―となって働く」
手足
しゅそく [1] 【手足】
(1)手と足。てあし。
(2)手足のように頼りになる部下。股肱。てした。「主君の―となって働く」
手足り
てだり 【手足り】
「てだれ」に同じ。「後徳大寺の大臣は左右なき―にていませしかども/無名抄」
手足れ
てだれ [3] 【手足れ・手練れ】
〔「てだり」の転。「てたれ」とも〕
技芸などのその道に熟達していること。また,その人。腕利き。上手。「一刀流の―」
手足口病
てあしくちびょう [0] 【手足口病】
手のひら,足の裏,口の中などに紅斑・小水疱ができる病気。ウイルスの感染によるもので,伝染力が比較的強く,幼児や小児の間でしばしば小規模な流行を見る。一〜二週間で自然治癒する。
手足纏い
てあしまとい [4] 【手足纏い】
「足手纏(アシテマト)い」に同じ。
手跡
しゅせき [0] 【手跡・手蹟】
書いた文字。筆跡。
手踊り
ておどり [2] 【手踊り】
(1)歌舞伎舞踊で,曲全体の物語進行や劇的内容から離れて,踊り手が小道具などを使わず,踊り地(賑やかな伴奏)に乗って,リズミカルに踊る部分。
(2)祭り屋台や寄席の高座などで手軽にする踊り。
(3)盆踊りなど,多人数が揃って同じ手振りで踊る踊り。
手蹟
しゅせき [0] 【手跡・手蹟】
書いた文字。筆跡。
手車
てんぐるま [3] 【手車】
「てぐるま(手車){(4)}」に同じ。
手車
てぐるま【手車】
⇒手押し.
手車
てぐるま [2] 【手車・輦】
(1)手で押したり引いたりして動かす小形の車。
(2)土砂などを運ぶ二本の柄のついた小形の一輪車。猫車(ネコグルマ)。
(3)自家用の人力車。「和らかひ衣類(キモノ)きて―に乗りあるく時は/十三夜(一葉)」
(4)二人が向かい合って両腕を組み合わせ,その上に人を乗せて運ぶこと。「二人の―に乗つて帰らうと思ふが/狂言・鈍太郎」
(5)近世の玩具の一。菊花や井戸車の形の車に糸をつけた,ヨーヨーのようなもの。
(6)(多く「輦」「輦車」と書く)屋形に車を付けて,手で引く乗り物。内裏の中は歩くのが普通であったが,東宮・親王・摂政関白・女御などが,これに乗って入ることを許された。輦輿(レンヨ)。れんしゃ。
輦(6)[図]
手軽
てがる [0] 【手軽】 (名・形動)[文]ナリ
〔形容詞「てがるい」の語幹から〕
手間のかからないこと。楽に処理できること。また,そのさま。安直。「持ち歩きに―な鞄(カバン)」「夕食は―にすませる」
[派生] ――さ(名)
手軽い
てがる・い [0][3] 【手軽い】 (形)[文]ク てがる・し
(1)面倒な手数がかからず簡単だ。たやすい。「―・く扱える機械」
(2)重大でない。たいしたことではない。「貴下(アナタ)の御病気は其様(ソン)な―・いのではありません/外科室(鏡花)」
(3)機敏だ。手際がよい。
⇔手重い
「景虎公―・き大将なれば/甲陽軍鑑(品三二)」
[派生] ――さ(名)
手軽な
てがる【手軽な】
easy;→英和
light <meals> ;→英和
ready;→英和
simple;→英和
informal;→英和
handy;→英和
inexpensive.→英和
〜に easily;→英和
readily;simply;→英和
informally.→英和
手輿
てごし [1] 【手輿】
⇒たごし(手輿)
手輿
しゅよ [1] 【手輿】
⇒たごし(手輿)
手輿
たごし [1] 【手輿・腰輿】
輿の一。前後二人で,手で腰のあたりの高さまで持ち上げて運ぶもの。しゅよ。ようよ。てごし。
手輿[図]
手轆轤
てろくろ [2] 【手轆轤】
手回し式の製陶用ろくろ。
手込む
てご・む 【手込む・手籠む】 (動マ下二)
手込めにする。「これほどまで―・め申す上は,片時の御暇ならば参らせられ候へ/謡曲・咸陽宮」
手込め
てごめ [3][0] 【手込め・手籠め】
(1)女性を暴力で犯すこと。強姦。「―にする」
(2)人を力ずくで押さえ付けたりして自由を奪うこと。手込み。「三人かかつて弥次郎を―にする/滑稽本・膝栗毛 4」
手込めにする
てごめ【手込めにする】
violate;→英和
rape.→英和
手近
てぢか [0] 【手近】 (名・形動)[文]ナリ
(1)手の届くほど近くにある・こと(さま)。「―に置く」「お―のポストに投函して下さい」
(2)ごく普通にあって,わかりやすいさま。卑近。「―な例」「―な話題」
[派生] ――さ(名)
手近い
てぢか・い [3] 【手近い】 (形)[文]ク てぢか・し
すぐ近くである。身近でわかりやすい。「先(マズ)―・いところで愚案いたしますれば/安愚楽鍋(魯文)」
[派生] ――さ(名)
手近な
てぢか【手近な】
nearby;→英和
familiar.→英和
〜に near[close]by;(near) at hand.
手返し
てがえし [2] 【手返し】
(1)何度も手を加えること。また,手をかけて処置すること。始末。「皺だらけやら酒染だらけ明日の―も大抵な事ではない/いさなとり(露伴)」
(2)裏切り。心変わり。反抗。「今日したがひても明日は―をし/室町殿日記」
(3)遊戯の一。相手が伏せて差し出す手の下に自分の手を入れ,すきを見て自分の手を返し相手の手を打つこと。
手透き
てすき [0][3] 【手隙・手透き】
仕事の区切りがついたりして,手があいていること。「お―の時にでもおいで下さい」
手遅れ
ておくれ [2] 【手遅れ・手後れ】
手当てや処置の時機が遅れること。時機を失して,効果的な手を打てないこと。「病気が―になる」「今頃気がついても,もう―だ」
手遅れになる
ておくれ【手遅れになる】
be too late.
手遊び
てあそび [2] 【手遊び】
(1)手に持って遊ぶこと。気晴らしにすること。「ずずを持ち―として更にこと物にふけらず/発心 3」
(2)おもちゃ。玩具。
(3)博打(バクチ)。
手遊び
てすさび [2] 【手遊び】
慰みに,手先で物をもてあそぶこと。手慰み。てすさみ。「老後の―」
手遊み
てすさみ 【手遊み】
〔「てずさみ」とも〕
「手すさび」に同じ。「―に節のもとを指にて板敷に押しあてて/宇治拾遺 13」
手道具
てどうぐ [2] 【手道具】
日常用いる,小道具や調度。
手達者
てだっしゃ [2] 【手達者】 (名・形動)[文]ナリ
書や技芸などがたくみな・こと(さま)。また,その人。手者(テシヤ)。「―な人」
手違い
てちがい [2] 【手違い】
(1)し損ない。間違い。「当方の―で,御連絡が遅れました」
(2)「手違い鎹(カスガイ)」の略。
手違いになる
てちがい【手違いになる】
go wrong.何かの〜で by some mistake.
手違い組み
てちがいぐみ [0] 【手違い組み】
格子の組み方の一。格子の組子を表裏交互に欠き合わせて,網代状に組むもの。
手違い鎹
てちがいかすがい [5] 【手違い鎹】
両端の爪が同一平面上になく,互いに直角方向に向いている鎹。直交する部材の接合に使用する。手違い。
→鎹
手遠
てどお 【手遠】 (名・形動ナリ)
手元から遠い・こと(さま)。「刀脇差は―に置き/仮名草子・浮世物語」
手遠し
てどお・し 【手遠し】 (形ク)
手元から遠い。手が届かない。「―・きねがひを捨てて/浮世草子・永代蔵 1」
手遣い
てづかい [2] 【手遣い・手使い】
(1)手の運び方。手の使い方。
(2)手勝手。「―ノ良イ家/日葡」
(3)自分の家で使うこと。「味噌は一斗ほど御座候。是は―に御座候/梅津政景日記」
(4)配下の者を遣わすこと。また,軍勢を配備すること。「小原鑑元かたへ―せし故に鑑元が逆心顕れて/武家名目抄(軍陣)」
手遣い人形
てづかいにんぎょう [5] 【手遣い人形】
糸操りなどに対して,人形の体を直接手に持って遣う形式の操り人形。一本の木がそのまま人形である棒人形式,人形の首(カシラ)の下に支えの串を差し込む胴串式,人形の首に接触して持つ指人形式の三種がある。
手都合
てつごう [2] 【手都合】
仕事の手はず。また仕事のくり合わせ。「―ガ悪イカラ延バシマス/ヘボン(三版)」
手酌
てじゃく [0] 【手酌】
自分で酒をついで飲むこと。
手酌で飲む
てじゃく【手酌で飲む】
help oneself to sake.
手配
てはい [1] 【手配】 (名)スル
(1)事を行うために必要な物や人の準備・連絡・調整などをすること。「会場を―する」
(2)特に,容疑者の逮捕のための準備・指令。「指名―」
手配する
てはい【手配する】
arrange[make arrangements] <for> ;→英和
make (a) search <for> (警察が).手配写真 a photo(graph) of a wanted criminal; <俗> a mug shot.手配書 a police bulletin.
手配り
てくばり [2] 【手配り】 (名)スル
(1)必要な部署に人を配置したり,分担を決めたりして備えること。てはい。「必要な人員を―する」
(2)必要な連絡や段取りをすること。てはい。「早々と―する」
手配り
てくばり【手配り】
⇒手配(てはい).
手配師
てはいし [2] 【手配師】
職業安定所などの公的機関を通さないで自由労務者などを雇用者に紹介し,斡旋料を取る者。
手酷い
てひどい【手酷い(く)】
severe(ly);→英和
harsh(ly);→英和
merciless(ly).→英和
手酷い
てひど・い [3] 【手酷い】 (形)[文]ク てひど・し
容赦なくきびしい。徹底的ではげしい。てきびしい。「―・い打撃を受ける」
[派生] ――さ(名)
手重い
ておも・い [0][3] 【手重い】 (形)[文]ク ておも・し
(1)重々しい。ものものしい。「―・いもてなし」
(2)容易でない。重大である。「あれ程御医者が―・く云つたものが/こころ(漱石)」
(3)動作が鈍い。
⇔手軽い
「―・イ人/日葡」
手金
てきん [0] 【手金】
「手付(テツ)け金(キン)」に同じ。
手金
てきん【手金】
⇒手付.
手金
てがね [0] 【手鉄・手金】
手錠(テジヨウ)。手鎖(テグサリ)。「父(トト)が代はりに―を打たれ/浄瑠璃・夏祭」
手釣
てづり [0] 【手釣(り)】
竿(サオ)を用いずに,釣り糸を直接手に持って釣ること。
手釣
てづり【手釣】
hand-line fishing.
手釣り
てづり [0] 【手釣(り)】
竿(サオ)を用いずに,釣り糸を直接手に持って釣ること。
手釣瓶
てつるべ [2] 【手釣瓶】
(はねつるべなどに対して)手で操るつるべ。
手鈎
てかぎ【手鈎】
a hook.→英和
手鈎無用 <表示> Use No Hook.
手鉄
てがね [0] 【手鉄・手金】
手錠(テジヨウ)。手鎖(テグサリ)。「父(トト)が代はりに―を打たれ/浄瑠璃・夏祭」
手鉤
てかぎ [0][1] 【手鉤】
(1)柄を付けた鉤。荷物の運搬や魚の扱いなどに用いる,長さ30センチメートルくらいの棒の先に鉤をつけたもの。
(2)漁具の一。大きな魚を引き揚げるのに用いる,長柄に鉄の鉤をつけたもの。ギャフ。
(3)鳶口(トビグチ)の一。約60センチメートルくらいの筋金の入った樫(カシ)の棒の中ほどに鉤をつけたもの。鳶頭(トビガシラ)が腰に差して用いる。
手銃
てづつ [1] 【手筒・手銃】
片手であつかえる鉄砲。短銃。
手銭
てせん [0] 【手銭】
自分の金。身銭(ミゼニ)。
手錠
てじょう [0] ―ヂヤウ 【手錠】 ・ ―ジヤウ 【手鎖】
(1)手首にはめて,腕の自由を奪う,金属製・革製の輪。被疑者の逮捕の時などに用いる。
(2)江戸時代の刑具の一。両手首を拘束する,鉄製で瓢箪(ヒヨウタン)形の腕輪。また,これをかける刑罰。三〇日・五〇日・一〇〇日の三種があった。手鎖(テグサリ)。
手錠をかける
てじょう【手錠をかける】
handcuff;→英和
put handcuffs on.
手録
しゅろく [0] 【手録】 (名)スル
自分で記録すること。また,その記録。「これを―して玄沢大槻氏へ贈りぬ/蘭学事始」
手鍋
てなべ [0] 【手鍋】
(1)つるの付いた鍋。手取り鍋。
(2)奉公人をおかないで,自分で煮炊きすること。「―でもくらされまい物でもなし/浄瑠璃・五十年忌(中)」
手鍋
てなべ【手鍋】
a pan.→英和
手鎖
てぐさり [2] 【手鎖】
「手錠(テジヨウ){(2)}」に同じ。
手鎖
てじょう [0] ―ヂヤウ 【手錠】 ・ ―ジヤウ 【手鎖】
(1)手首にはめて,腕の自由を奪う,金属製・革製の輪。被疑者の逮捕の時などに用いる。
(2)江戸時代の刑具の一。両手首を拘束する,鉄製で瓢箪(ヒヨウタン)形の腕輪。また,これをかける刑罰。三〇日・五〇日・一〇〇日の三種があった。手鎖(テグサリ)。
手鏡
てかがみ【手鏡】
a hand glass[mirror].
手鏡
てかがみ [2] 【手鏡】
手に持って使う,柄のついた鏡。
手鑑
てかがみ [2] 【手鑑】
(1)代表的な古人の筆跡を集めて帖に仕立てたもの。古筆の鑑定用・保存用に作られた。
(2)手本。模範。
手鑓
てやり [1][0] 【手槍・手鑓】
柄が,標準より短い槍。
手長
てなが [0] 【手長】
(1)手の長いこと。
(2)盗癖のあること。また,その人。
(3)手長島に住むという手の大変長い人間。足長(アシナガ)とともに清涼殿の荒海の障子に描かれていた。
(4)祭祀(サイシ)の際,神饌(シンセン)を運ぶ神官。
(5)宮中や貴族の家で,宴会の際に,配膳の取り次ぎをする人。
(6)大名家などの奥向きに仕える女性。仲居。「御―のもの…おあちやと申すと/おきく物語」
手長島
てながじま 【手長島】
手長{(3)}が住むという想像上の島。「―川をへだててつかみ合い/柳多留 57」
手長海老
てながえび [3] 【手長海老】
淡水産のエビ。体長約9センチメートル。淡灰色。雄では第二胸脚が特に長く,体長の一・五倍,雌ではその半分ぐらいで,先端は鋏(ハサミ)状。美味。低地の河川や湖沼の水草の生えている所に多い。本州・四国・九州に分布。杖突(ツエツキ)えび。草えび。[季]夏。
手長猿
てながざる [4] 【手長猿】
霊長目テナガザル科の哺乳類の総称。類人猿に属する進化の進んだサルである。顔面は無毛で黒い。体は細く,前肢が非常に長い。尾はなく,尻だこがある。頭胴長50センチメートル内外で,体は灰色ないし灰褐色・黒色など。樹上にすみ,昆虫や果実を食べる。シロテテナガザル・フクロテナガザルなど。東南アジアの森林に分布。ギボン。
手長猿
てながざる【手長猿】
a long-armed ape.
手長蛸
てながだこ [4] 【手長蛸】
タコの一種。全長70センチメートル内外になるが,そのうち腕の長さが60センチメートルほどで,腕が胴に比べてきわめて長い。食用。また,延縄(ハエナワ)漁業で餌(エサ)にする。日本近海の泥の多い浅海にすむ。アシナガダコ。
手開き
てびらき [2] 【手開き】
イワシのように,身がやわらかく小骨の多い魚に用いる開き方。頭と内臓を取ってから,包丁を使わずに親指を中骨に沿わせるようにして身を開く。
手間
てま [2] 【手間】
(1)ある仕事に費やす労力や時間。「―のかかる仕事」
(2)「手間賃」に同じ。「―を払う」
(3)手間賃を払って雇う人。また,その仕事。「―を入れる」
手間だう
てまどう 【手間だう】 (形動ナリ)
〔「どう」は「どうな」からか〕
手間がかかり面倒なさま。「平氏の侍一人ずつ殺さん事―なりと/浄瑠璃・佐々木大鑑」
→どうな
手間だうな
てまどうな 【手間だうな】
無駄に手間をかけること。「福原の御所は大工の―/雑俳・川柳評万句合」
→どうな
手間仕事
てましごと [3] 【手間仕事】
(1)手間のかかる仕事。「―をきらう」
(2)手間賃をとってする仕事。「大工の―」
手間代
てまだい [0][2] 【手間代】
「手間賃(テマチン)」に同じ。
手間取り
てまとり [4][3] 【手間取り】
手間賃をもらって人に雇われること。また,その人。
手間取る
てまど・る [3] 【手間取る】 (動ラ五[四])
予想外に時間や手数がかかる。「手続きに―・った」
手間取る
てま【手間取る】
take time;be delayed.〜が省ける save <a person> trouble.〜はとらせません I won't keep you long.
手間損
てまぞん [0] 【手間損】
手間ばかりかかってその効果のないこと。手間潰し。
手間替え
てまがえ [0] 【手間替え】
農村などで,労力を貸し合うこと。助け合うこと。結(ユイ)。
手間潰し
てまつぶし [3] 【手間潰し】
「手間損(ゾン)」に同じ。
手間賃
てまちん【手間賃】
pay;→英和
wages.
手間賃
てまちん [2] 【手間賃】
仕事にかかった時間や出来高に応じて支払われる代金。手間代(テマダイ)。
手間隙
てまひま [2] 【手間隙】
手間とひま。労力と時間。「―をかける」
手限り
てぎり [3] 【手限り】
〔「てきり」とも〕
(1)自分の一存で決めること。「一生奉公でも年いつぱいでもおめえの―にどうでもしねえ/人情本・辰巳園 4」
(2)江戸時代,奉行・諸役人・代官などが上部機構の裁断を仰がず,自己の責任で事件を処理し,あるいは判決を下すこと。
手隙
てすき [0][3] 【手隙・手透き】
仕事の区切りがついたりして,手があいていること。「お―の時にでもおいで下さい」
手際
てぎわ [0] 【手際】 (名・形動)[文]ナリ
(1)物事の処理の仕方。また,その腕前。技量。「―よくまとめる」「―が悪い」
(2)技量のすぐれている・こと(さま)。「如何(イカ)にも―なる書体なり/日本開化小史(卯吉)」
手際よい
てぎわ【手際よい(よく)】
skillful(ly);clever(ly);→英和
neat(ly);→英和
smart(ly).→英和
手離れ
てばなれ [2] 【手離れ】 (名)スル
(1)幼児が成長して,親がさほど世話する必要がなくなること。「上の子が―する」
(2)仕事などが一段落し,直接のかかわりがなくなること。
手雪洞
てぼんぼり [2] 【手雪洞】
底部に短い柄を付けた小形のぼんぼり。
手鞄
てかばん [2] 【手鞄】
手提げかばん。
手鞠
てまり【手鞠(歌)】
a handball (song).→英和
手鞠
てまり [0][1] 【手鞠・手毬】
手でついて遊ぶまり。綿を丸めて芯(シン)とし,色糸を固く幾重にも巻いたもの。現在はゴム・塩化ビニール製などが多い。昔,女児の正月の遊び道具であった。[季]新年。
手鞠[図]
手鞠歌
てまりうた [3] 【手鞠歌・手毬唄】
手鞠をついて遊ぶときに歌う歌。[季]新年。《―かなしきことをうつくしく/虚子》
手鞠花
てまりばな [3] 【手鞠花】
スイカズラ科の落葉低木。ヤブデマリの園芸品種。葉は対生し,広卵形。初夏の頃,先の五裂した白色の中性花多数を枝先に球状につける。オオデマリ。[季]夏。
手鞴
てふいご [2] 【手鞴】
手で操作する小さいふいご。
手頃
てごろ [0] 【手頃】 (名・形動)[文]ナリ
(1)手で扱うのにちょうどよい大きさや重さである・こと(さま)。「―な石を拾って投げる」
(2)自分の能力や状況にちょうどあっていること。ふさわしいこと。また,そのさま。「―な相手」「―な値段」
[派生] ――さ(名)
手頃な
てごろ【手頃な】
handy;→英和
reasonable (値段).→英和
手順
てじゅん【手順】
an order;→英和
a process;→英和
a plan (計画);→英和
arrangements (手はず).〜を定める arrange <for> ;→英和
plan (out).〜よくいく(が狂う) go smoothly (wrong).
手順
てじゅん [0][1] 【手順】
物事をする順序。段取り。「―が狂う」「―を定める」
手頸
てくび [1] 【手首・手頸】
腕とてのひらがつながる部分。
手風琴
てふうきん [2] 【手風琴】
アコーディオン。
手飼い
てがい [0] 【手飼い】
自分の手で飼うこと。自宅・自邸で飼い養うこと。「―の犬」
手飼いの虎
てがいのとら 【手飼いの虎】
〔「虎」は猫のこと〕
飼い猫。「―の引綱も/謡曲・遊行柳」
手首
てくび【手首】
a wrist.→英和
手首
てくび [1] 【手首・手頸】
腕とてのひらがつながる部分。
手馴らし
てならし [2] 【手慣らし・手馴らし】
手に使いならすこと。手をならしておくこと。「―に二,三枚書いてみる」
手馴らす
てなら・す 【手慣らす・手馴らす】 (動サ四)
(1)使いならす。手になじませる。「かの―・し給へりし螺鈿(ラデン)の箱なりけり/源氏(夕霧)」
(2)てなずける。飼いならす。「恋ひわぶる人の形見と―・せば/源氏(若菜下)」
手馴る
たな・る 【手馴る】 (動ラ下二)
手になれる。なれる。てなる。「君が手にはた―・るべらなり/躬恒集」
手馴れ
たなれ 【手馴れ】
(1)手に慣れていること。使い慣れていること。「我が背子が―のみ琴地(ツチ)に置かめやも/万葉 812」
(2)飼いならすこと。よくなついていること。「―の駒の帰りくるかも/詞花(雑上)」
手馴れ
てなれ [0] 【手慣れ・手馴れ】 (名)スル
手なれていること。使いなれていること。しなれていること。「―した道具」
手馴れる
てな・れる [3] 【手慣れる・手馴れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 てな・る
(1)慣れて巧みになる。熟練する。「―・れた仕事」「―・れた手つき」
(2)使ってなれている。手になじんでいる。「―・れた道具」
(3)飼いならされている。「―・レタ鳥/日葡」
手駒
てごま [0] 【手駒】
(1)将棋で,自分が取った相手の駒。持ち駒。
(2)自分の配下にある者。手下。「―をうまく使う」
手骨
しゅこつ [0] 【手骨】
手首から各指の先までにある骨。手根骨・中手骨・指骨から成る。
手鼓
てつづみ [2] 【手鼓】
撥(バチ)を使わず手で打ち鳴らす鼓。のちには,能楽などの小鼓をさす。
手鼓
しゅこ [1] 【手鼓】
柄(エ)がついていて,手に持って打ち鳴らす太鼓。特に,朝鮮の民族音楽で使うものが有名。
手鼻
てばな [0][1] 【手鼻】
指で片方の鼻孔を押さえて,鼻息で鼻汁を吹き出すこと。「―をかむ」
手鼻をかむ
てばな【手鼻をかむ】
blow one's nose with one's fingers (on the ground).
才
かど 【才】
気の利いた点。才能。才気。「今めかしくかい弾いたる爪音,―なきにはあらねど/源氏(帚木)」
才
さい 【才】
〔古くは「ざえ」とも〕
■一■ [1] (名)
(1)生まれつきもっているすぐれた能力。才能。「音楽の―がある」「天賦の―に恵まれる」
(2)知力。知能。頭の働き。「妻をめとらば―長(タ)けて」「―におぼれる」
(3)船荷や石材を量る単位。石(コク)の一〇分の一。一立方尺(0.0278立方メートル)。
(4)木材の体積を量る単位。一寸角で一間(地方によっては二間)の長さの材積。
(5)容積の単位。勺(シヤク)の一〇分の一。
■二■ (接尾)
助数詞。俗に年齢を数える「歳」の代わりに用いられる。歳。「五―」
才
さい【才】
[才能]ability;→英和
(a) talent;→英和
an aptitude <for> ;→英和
[才知]intelligence;→英和
wit.→英和
〜のある talented;→英和
able.→英和
〜を伸ばす develop one's talent.語学の〜がある have a linguistic aptitude.
才
ざえ 【才】
(1)学問。特に,漢学。学才。ざい。「この人は日本紀をこそ読み給ふべけれ。まことに―あるべし/紫式部日記」
(2)芸能の技量。「琴ひかせ給ふ事なむ,一の―にて,次には横笛・琵琶・箏の琴をなむ,次次に習ひ給へる/源氏(絵合)」
(3)神楽(カグラ)のとき,音楽などを奏する人の称。才の男(オノコ)。芸能者。「幄(アゲバリ)うちて,―ども,笛吹き・歌うたひ着き並みぬ/宇津保(菊の宴)」
才がる
ざえが・る 【才がる】 (動ラ四)
学識がありそうに振る舞う。学識をひけらかす。「男だに,―・りぬる人は,いかにぞや,はなやかならずのみ侍るめるよ/紫式部日記」
才の男
ざえのおのこ 【才の男】
神楽(カグラ)の楽人・舞人。猿楽芸を得意とする者で,宮中の神楽などに召され,採物(トリモノ)のあとの酒宴に才を披露した。ざえのおとこ。
才めく
かどめ・く 【才めく】 (動カ四)
才気・才能がありそうに見える。「これは―・いたる所ぞ添ひたる/源氏(胡蝶)」
才人
さいじん【才人】
⇒才子.
才人
さいじん [0] 【才人】
(1)才知のある人。頭の鋭い人。才子。
(2)抜け目のない人。
(3)学芸にすぐれている人。
(4)漢詩文の才能のある人。「殿にも文つくり繁く,博士・―ども,ところ得たり/源氏(乙女)」
才俊
さいしゅん [0] 【才俊】
才知のすぐれていること。また,その人。俊才。
才傑
さいけつ [0] 【才傑】
才知の優れた人。英傑。
才六
ぜいろく 【贅六・才六】
⇒ぜえろく(贅六)
才六
ぜえろく 【贅六・才六】
〔「才六(サイロク)」の転〕
江戸時代,江戸の者が関西人をあざけっていった称。ぜいろく。「おめえがたの事を上方―といふわな/滑稽本・浮世風呂 2」
才六
さいろく 【才六・采六・賽六】
(1)丁稚(デツチ)。小僧。[俚言集覧]
(2)人をののしっていう語。特に,江戸の人が上方の人を軽蔑していう時に使う。ぜいろく。ぜえろく。けさいろく。「いやこの―めらは/滑稽本・膝栗毛 6」
才分
さいぶん [0] 【才分】
生まれつきの才能。「芸術性豊かな―」
才力
さいりょく [1] 【才力】
才知の働き。才知の能力。
才取り
さいとり [4][3] 【才取り】
(1)売買を取り次いでその手数料をとること。また,それを業とする人。
(2)左官の手伝いとして,壁土などを才取り棒にのせて足場の上にいる左官に下からわたす作業。また,その人。「牛若は左官―武蔵坊/柳多留 151」
(3)「才取り棒」の略。
才取り人
さいとりにん [0] 【才取り人】
才取り{(1)}を職業とする人。さいとり。
才取り棒
さいとりぼう [4] 【才取り棒】
才取り{(2)}が使う道具。長い棒の先に板を打ちつけたもの。さいとり。
才取会員
さいとりかいいん [5] 【才取会員】
取引所の会員のうち,自分自身で売買もする正会員に対し,正会員間の仲介を業とする会員。
才名
さいめい [0] 【才名】
才能があるという評判。
才器
さいき [1] 【才器・材器】
才知と器量。また,それらを持ち合わせる人。
才太郎畑
さいたらばたけ 【才太郎畑】
(1)冥土ではあるが,地獄でも極楽でもない所。「死出の田長を友がねに―のかがしかと/浄瑠璃・二つ腹帯」
(2)どっちつかずであること。「どちらつかずの―/浄瑠璃・聖徳太子」
才女
さいじょ [1] 【才女】
才知のすぐれた女性。才媛(サイエン)。
⇔才子
才媛
さいえん [0] 【才媛】
高い教養や才能のある女性。才女。
才媛
さいえん【才媛】
a talented girl.〜の誉れが高い be noted for her talents.
才子
さいし [1] 【才子】
才知のすぐれた人。才人。
⇔才女
才子
さいし【才子】
a man of talent;a wit.→英和
〜肌の clever;→英和
smart.→英和
才子佳人
さいしかじん [1] 【才子佳人】
才知のすぐれた男子と,美人のほまれ高い女子。
才子多病
さいしたびょう [1] 【才子多病】
才知のすぐれた人は体が弱く病気がちであること。
才学
さいがく [0] 【才学】
才知と学識。
〔古くは漢音で「さいかく」と発音されたらしい〕
→才覚
才尻
さいじり [0] 【賽尻・才尻】
三味線の撥(バチ)の,手に持つ四角柱状の部分。
才幹
さいかん [0] 【才幹】
物事をてきぱきと処理する才能。知恵や働き。うでまえ。材幹。「智識自ら開明―自ら壮大にして/明六雑誌 36」
才弁
さいべん [0] 【才弁】
才気ある弁舌。巧みな弁舌。
才弾け
さいはじけ [3] 【才弾け】
利発で抜け目なく,小才がきくこと。「生得(ウマレエ)て―の一徳には生覚(ナマオボ)えながら飲込みも早く/浮雲(四迷)」
才弾ける
さいはじ・ける [5] 【才弾ける】 (動カ下一)
りこうである。また,利発ぶってふるまう。「田舎娘にしては―・けた顔立ちだ/斑鳩物語(虚子)」
才弾け者
さいはじけもの [0] 【才弾け者】
小才のきく人。
才徳
さいとく [0] 【才徳】
才知と徳行。
才才し
かどかど・し 【才才し】 (形シク)
才気に満ちている。才走っている。「顔あかみて,―・しげなる/枕草子 55」
才才し
ざえざえ・し 【才才し】 (形シク)
才能があるようにみえる。「ただ走り書きたる趣の―・しく/源氏(若菜下)」
才智
さいち [1] 【才知・才智】
才能と知恵。頭のはたらきが鋭いこと。「―にたける」「―縦横の人」
才望
さいぼう [0] 【才望】
才知と人望。
才槌
さいづち [4][0][3] 【才槌】
小型の木の槌。竹の釘(クギ),枘(ホゾ),工具などの木部をたたくのに用いる。
才槌頭
さいづちあたま [5] 【才槌頭】
前頭・後頭部が突き出て,槌のような形の頭。
才気
さいき [1] 【才気】
すぐれた頭のはたらき。「―あふれる新人」
才気
さいき【才気】
(a) talent.→英和
〜ある talented;→英和
clever.→英和
〜煥発の brilliant.→英和
才気煥発
さいきかんぱつ [1] 【才気煥発】 (名・形動)スル [文]ナリ
すぐれた才能が外に表れ出る・こと(さま)。「機にのぞんで―する」「―な歌人」
才気走る
さいきばし・る [5] 【才気走る】 (動ラ五[四])
いかにも才能がありそうに見える。また,才能にまかせて事をする。才走る。「―・ったところがある」
才無し
みつな・し 【才無し】 (形ク)
才がない。その能力がない。「寡人(オノレ)―・うして以て称(カナ)ふに足らず/日本書紀(継体訓)」
才物
さいぶつ [0] 【才物】
才能がある人物。才子。才人。
才男
せいのう [3] 【細男・才男】
〔「のう」は「男」の音「なん」から〕
(1)平安初期から,神社の祭礼で舞を舞った舞人,またその舞。奈良春日若宮の御祭(オンマツリ)では,白丁・立烏帽子(タテエボシ)姿の六人が登場するものが行われている。ほそおとこ。せいのお。さいのう。
(2)祭りの行列の先駆に立てる人形。宇佐八幡の祭礼などに見られる。
才略
さいりゃく [0][1] 【才略】
(1)才知と計略。
(2)才知を働かしてつくった巧みなはかりごと。
才知
さいち [1] 【才知・才智】
才能と知恵。頭のはたらきが鋭いこと。「―にたける」「―縦横の人」
才知
さいち【才知】
<full of> wit;→英和
intelligence.→英和
〜ある witty;→英和
intelligent.→英和
才穎
さいえい [0] 【才英・才穎】
才知が大層すぐれていること。また,その人。
才筆
さいひつ [0] 【才筆】
巧みな文章。また,巧みな文章を書く能力。「―をもって鳴る人」
才能
さいのう [0] 【才能】
物事をうまくなしとげるすぐれた能力。技術・学問・芸能などについての素質や能力。「―に恵まれている」「珍しい―の持ち主」「―を生かす」
才能
さいのう【才能】
(a) talent;→英和
ability;→英和
a gift.→英和
〜のある talented;→英和
able;→英和
gifted.→英和
〜を発揮する display one's ability.
才腕
さいわん [0] 【才腕】
頭がよくはたらき,物事をてきぱきと処理する腕前。「会社の経営に―を振るう」
才色
さいしょく [0] 【才色】
才知と容色。
才色兼備
さいしょくけんび [5] 【才色兼備】
すぐれた才能をもち,顔かたちも美しいこと。普通,女性にいう。「―の花嫁」
才色兼備の
さいしょく【才色兼備の】
beautiful and talented.
才芸
さいげい [0][1] 【才芸】
才能と技芸。「―に優れる」
才英
さいえい [0] 【才英・才穎】
才知が大層すぐれていること。また,その人。
才華
さいか [1] 【才華】
すぐれた才能。はなやかな才能。
才蔵
さいぞう 【才蔵】
(1)万歳(マンザイ){(2)}で,太夫(タユウ)の相手をする役。鼓を打ち,太夫の謡に合わせて滑稽なしぐさをする。[季]新年。
(2)調子よく相づちを打つ人をあざけっていう語。
才藻
さいそう [0] 【才藻】
才能と文藻。また,詩文の才。
才覚
さいかく [0] 【才覚】
〔「才学」の転か〕
■一■ (名)スル
(1)物事をなす際のすばやい頭の働き。機転。
(2)あれこれ苦心・工夫して金銭や物品を整えること。工面。算段。「―がつく」「月末の不足を自分で―する/明暗(漱石)」
(3)才知と学識。才学。「この比は深く案じ,―をあらはさんとしたるやうに聞ゆる,いとむつかし/徒然 116」
■二■ (形動ナリ)
才知があるさま。知恵があるさま。「親のゆづり受けず,其の身―にしてかせぎ出し/浮世草子・永代蔵 1」
才覚
さいかく【才覚】
resources (才知);a device (工夫).→英和
〜する raise <money> .→英和
〜のある(ない人) a man of (no) resource.
才覚者
さいかくもの [0] 【才覚者】
有能で気が利く者。計画が巧みな者。
才識
さいしき [0] 【才識】
才知と識見。「方略の―あるも,必しも天下の大学者たるに非ざるべし/偽悪醜日本人(雪嶺)」
才貌
さいぼう [0] 【才貌】
才知にあふれた容貌。
才賢
さいけん [0] 【才賢】
才知優れて賢いこと。また,その人。
才質
さいしつ [0] 【才質】
才知ある資質。
才走る
さいばし・る [4] 【才走る】 (動ラ五[四])
「才気走る」に同じ。「―・ったことを言う」
才走る
さいばしる【才走る】
be clever(ish).
才量
さいりょう [0] 【才量】
(1)才気と度量。「王者の―を御心にかけ/平家 8」
(2)貨物の体積と重量。めかた。量目。
才鋒
さいほう [0] 【才鋒】
鋒先(ホコサキ)のように鋭く現れる才気。
才麿
さいまろ 【才麿】
⇒椎本(シイガモト)才麿
打
だ [1] 【打】
野球やゴルフで,ボールを打つこと。打撃。「投―のバランス」「第一―」
打ず
ちょう・ず チヤウ― 【打ず】 (動サ変)
〔「ちょう」は打の呉音〕
打ちたたく。なぐる。「見るに,―・ぜんこといとほしく/宇治拾遺 9」
打たす
うた・す 【打たす】 (動サ下二)
〔動詞「打つ」の未然形に使役の助動詞「す」が付いたものから〕
(鞭(ムチ)で打って馬を走らせる意から)馬に乗って進む。「―・せたる大名は一人も参らず/太平記 3」
打た瀬網
うたせあみ [3] 【打た瀬網】
引き網の一。船首と船尾から長い桁(ケタ)を突き出し,その先端に網の引き綱を結びつけて人力・風力・潮力などを利用して引き回して漁獲するもの。底引き網の前身。うちせあみ。
打た瀬網[図]
打ち
ぶち 【打ち】 (接頭)
動詞に付いて,その意味を強める意を表す。また,激しい勢いでその動作をする意を表す。「―まける」「―明ける」
〔音便の形をとって「ぶっ」「ぶん」となることもある〕
打ち
うち 【打ち】 (接頭)
〔動詞「打つ」の連用形から〕
動詞に付く。
(1)下の動詞の意を強める。「―しおれる」「―寄せる」「―捨てる」
(2)下の動詞の意を軽くする。ちょっと,少しなどの意を添える。「―見る」
(3)下の動詞の意味を抽象化する。「―明ける」「―とける」「―けす」
(4)語調をととのえる。「―連れる」「―まぎれる」
打ちす
うち・す 【打ちす】 (動サ変)
さっと,それをする。急にそれが起こる。「あくびおのれ―・して寄り臥しぬる/枕草子 25」
打ちっ放し
うちっぱなし [0] 【打ちっ放し】
(1)打ったままであること。「―のゴルフ練習場」
(2)
⇒打ち放(ハナ)しコンクリート
打ちのめす
ぶちのめ・す [4] 【打ちのめす】 (動サ五[四])
二度と立ち上がれないくらいはげしくたたいて倒す。たたきのめす。「今度あったら―・してやる」
[可能] ぶちのめせる
打ちのめす
うちのめ・す [4][0] 【打ちのめす】 (動サ五[四])
(1)ひどくなぐって,相手を起き上がれなくする。「バットで―・す」
(2)再び起き上がれないほどに損害や精神的苦痛などを与える。「相次ぐ不幸に―・される」「政敵を徹底的に―・す」
打ちのめす
うちのめす【打ちのめす】
knock[beat,strike] <a person> down.
打ちまくる
うちまく・る [4][0] 【打ちまくる】 (動ラ五[四])
むやみにうつ。絶え間なくうつ。「ヒットを―・る」
打ちまくる
うちまくる【打ちまくる】
《野》score[make]many hits.
打ちまける
ぶちま・ける [4][0] 【打ちまける】 (動カ下一)[文]カ下二 ぶちま・く
(1)容器をひっくり返して中の物を散らす。「引き出しの中の物を床に―・ける」
(2)思っていることを隠さずに,あらいざらい言う。「憤懣(フンマン)を―・ける」
打ちみしゃぐ
うちみしゃ・ぐ 【打ちみしゃぐ】 (動ガ四)
たたきつぶす。「片端より―・ぎ,手並みを見せん/浄瑠璃・反魂香」
打ち上がる
うちあが・る [0][4] 【打ち上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)打って高く上がる。「花火が―・る」
(2)高い所へ上がる。勢いよく上がる。「梶原源太景季高き所に―・り/平家 9」
(3)地位が高くなる。「―・つたる上臈の行儀を見習はせけるに/浮世草子・咲分五人媳」
(4)気位が高くなる。高尚になる。「言葉俗なりとも,心―・りたらんは如何ばかり高尚ならまし/獺祭書屋俳話(子規)」
打ち上げ
うちあげ [0] 【打(ち)上げ】
(1)(「打ち揚げ」とも書く)打って高く上げること。「ロケットの―」
(2)事業や興行を終えること。また,その終了の宴。「工事完了の―をする」
(3)「打ち上げ花火」の略。
(4)囲碁で,相手の死に石を盤上から取り上げること。
打ち上げる
うちあげる【打ち上げる】
(1)[花火・宇宙船などを]shoot[fire,let,set]off <fireworks> ;send[launch] <a spaceship into space> .→英和
(2)[波が物を]throw up <a thing> on the shore.→英和
(3)[興行を]finish;→英和
end;→英和
close.→英和
打ち上げる
ぶちあ・げる [0] 【打(ち)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 ぶちあ・ぐ
(1)大きなことを言う。大風呂敷を広げる。「遷都論を―・げる」
(2)取り上げる。奪う。「海道筋の御器の実を―・げ/浄瑠璃・丹波与作(中)」
(3)すっかりあげる。「此頃はおつな所へはまつて血道を―・げて騒いでゐるが/滑稽本・浮世床(初)」
打ち上げる
うちあ・げる [0][4] 【打(ち)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 うちあ・ぐ
(1)(「打ち揚げる」とも書く)空高く上げる。「花火を―・げる」「ロケットを―・げる」
(2)〔太鼓を打ち終わる意から〕
芝居・相撲などの興行を終える。「一五日間の興行を―・げる」
(3)波が物を陸地に運ぶ。「難破船を―・げる」
(4)囲碁で,相手の死に石を取り上げる。
(5)酒宴や管弦を盛んに行なって遊ぶ。「七日七夜,豊明りして,―・げ遊ぶ/宇津保(藤原君)」
(6)乗っている馬を川などから陸地に上がらせる。「はるかの下より―・げたり/平家 9」
(7)声を張り上げる。ことさらに大声を出す。「われもわれもと―・げたる伴僧の声々/紫式部日記」
打ち上げ簾
うちあげすだれ [5] 【打(ち)上げ簾】
乗り物の一。左右に引き戸がなく簾を上げて出入りする乗り物。打ち上げ乗り物。うちあげ。
打ち上げ花火
うちあげはなび [5] 【打(ち)上げ花火】
筒に込め,空中高く打ち上げて開くようにした花火。室町末期に伝来。揚げ花火。
→仕掛け花火
打ち上る
うちあが・る [0][4] 【打ち上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)打って高く上がる。「花火が―・る」
(2)高い所へ上がる。勢いよく上がる。「梶原源太景季高き所に―・り/平家 9」
(3)地位が高くなる。「―・つたる上臈の行儀を見習はせけるに/浮世草子・咲分五人媳」
(4)気位が高くなる。高尚になる。「言葉俗なりとも,心―・りたらんは如何ばかり高尚ならまし/獺祭書屋俳話(子規)」
打ち下ろす
うちおろ・す [4][0] 【打(ち)下ろす】 (動サ五[四])
(1)(太刀・槌(ツチ)などを)上の方から勢いよく下ろす。
(2)すっと下ろす。「轅(ナガエ)ほうと―・すを/枕草子 25」
打ち下ろす
うちおろす【打ち下ろす】
land a blow <on a person's head> .→英和
打ち乱りの箱
うちみだりのはこ 【打ち乱りの箱】
女性用の調度。古くは蓋(フタ)のある手ぬぐいを入れた箱。のちには,髢(カモジ)などを入れる広蓋様のものをいった。乱れ箱。「御櫛の箱,―,香壺の箱ども/源氏(絵合)」
打ち乱りの箱[図]
打ち交ひ
うちかい 【打ち交ひ・打ち違ひ】
(1)二つのものが重なり合うところ。うちちがい。うちかえ。
(2)行き交うこと。行き違い。「泉川くだる小舟の―に/新撰六帖 3」
打ち交へ
うちかえ 【打ち交へ・打ち違へ】
「うちかい(打交)」に同じ。「から衣裾の―あはねども/万葉 3482」
打ち交わす
うちかわ・す [0][4] 【打(ち)交わす】 (動サ五[四])
(1)互いに打つ。打ち合う。「礼砲を―・す」
(2)交換する。「別離の言葉が―・される/春潮(花袋)」
(3)重ね合わせる。交える。「白雲に羽―・しとぶ雁の/古今(秋上)」
打ち付け
うちつけ 【打ち付け】 (形動)[文]ナリ
(1)急に物事が起こるさま。いきなり。突然。だしぬけ。「―な申し入れ」「この君は,…―にも言ひかけ給はず/源氏(東屋)」
(2)露骨なさま。むきだし。無遠慮。「―に過ぎし言(コトバ)を二人ともに快からず思へば/金色夜叉(紅葉)」
(3)
(ア)ある事がきっかけになって,急に物事が起こるさま。即座。早速。とたん。「ほととぎす人松山に鳴くなれば我―に恋ひまさりけり/古今(夏)」
(イ)自分本位に急に態度を変えるさま。現金。「いと心もとなくて,この中隔てなる三条を呼ばすれど,食ひ物に心を入れてとみにも来ず,いと憎く覚ゆるも―なりや/源氏(玉鬘)」
(4)じっくり観察しないさま。ちょっと見。「吹く風になびく尾花を―に招く袖かと頼みけるかな/貫之集」
(5)深い考えもなく行動するさま。軽率。「越前へはもとも―には行くまじけれど,かくてもすべき方なければ,心も知らぬ人に具して往ぬる/古本説話 54」
打ち付ける
うちつ・ける [4][0] 【打(ち)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちつ・く
(1)強く打つ。ぶつける。「柱に頭を―・ける」「コップを床に―・ける」
(2)釘(クギ)などで打って固定する。「塀に板を―・ける」
(3)強く当たる。「窓に―・ける雨」
(4)「付ける」を強めた言い方。「はかなき疵(キズ)も―・けられなば由なし/今昔 28」
(5)無遠慮にする。「―・けたる文章/浮世草子・五人女 3」
打ち付ける
うちつける【打ち付ける】
(1) strike;→英和
knock <a person's head against the wall> .→英和
(2) drive in <a nail> ;nail <the cover on a box> .→英和
打ち付け事
うちつけごと 【打ち付け事】
思いもかけなかった事件。「―ども出で来けり/増鏡(あすか川)」
打ち付け心
うちつけごころ 【打ち付け心】
ふと思い立つ心。急な思いつき。「―ありて参りこむにだに/源氏(手習)」
打ち付け懸想
うちつけげそう 【打ち付け懸想】
いきなり思慕の情を打ち明けること。「かやうの―などは,わざとみ心にもとまらず/狭衣 1」
打ち付け書き
うちつけがき [0] 【打(ち)付け書き】
(1)書簡文で時候の挨拶(アイサツ)を略してすぐに用件を書くこと。
(2)書簡の上書きに脇付をしないこと。
(3)下書きなしでいきなり書くこと。
打ち付け目
うちつけめ 【打ち付け目】
ちょっと見たときの情景。ちょっと見。「―には,それかとのみ耳とどめらるる心地すれば/寝覚 1」
打ち付け言
うちつけごと 【打ち付け言】
無遠慮に言う言葉。むきだしな言葉。「いとわりなき御―になむときこえ給へば/源氏(行幸)」
打ち付け錠
うちつけじょう [4] 【打(ち)付け錠】
箪笥(タンス)の引き出しや扉などに打ちつけた飾りのついた錠。
打ち付け階子
うちつけばしご 【打ち付け階子】
釘(クギ)やかすがいなどで固定した簡単な階段。
打ち任す
うちまか・す [0] 【打(ち)任す】
■一■ (動サ五[四])
まかせる。ゆだねる。「倚(ヨ)りすがるものに何もかも―・して/星座(武郎)」
■二■ (動サ下二)
(1){■一■}に同じ。「天下の政良相に―・せてありけるに/愚管 3」
(2)普通である。珍しくない。「この病の有様―・せたる事にあらず/宇治拾遺 4」
打ち任せては
打ち任せては
普通では。一般には。「―,その御姿ははばかり申せども/とはずがたり 4」
打ち伏す
うちふ・す [0][3] 【打(ち)伏す・打ち臥す】
■一■ (動サ五[四])
(1)顔を物の上につけて伏せる。「机に―・して泣く」
(2)横になる。寝る。「―・すこと五,六日にしてつひにはかなくなりにけり/平家 6」
■二■ (動サ下二)
打って倒す。「数多(アマタ)して手負ほせ―・せて/徒然 87」
打ち倒す
うちたおす【打ち倒す】
knock[strike]down.
打ち倒す
うちたお・す [4][0] 【打(ち)倒す】 (動サ五[四])
(1)なぐり倒す。「暴漢を―・す」
(2)(「撃ち倒す」とも書く)銃砲で撃って倒す。
(3)「倒す」を強めたいい方。「部屋の戸―・して/落窪 2」
[可能] うちたおせる
打ち傷
うちきず [3][2] 【打(ち)傷】
強く打たれたり,ぶつかったりしてできた傷。打撲傷。
打ち入る
うちい・る 【打ち入る】
■一■ (動ラ四)
(1)勢いよく中に入る。「馬に乗りながら門の内に―・り/平家 4」
(2)囲碁などに熱中する。「明暮れ碁に―・りて/浮世草子・織留 2」
(3)軍勢が退却する。[日葡]
■二■ (動ラ下二)
(1)ひょいと入れる。「手に―・れて家へ持ちて来ぬ/竹取」
(2)勢いよく中に入れる。「武者一騎…海へざと―・れ/平家 9」
(3)博打(バクチ)などに金品をつぎ込む。入れあげる。「身の装束などは皆―・れて/宇津保(忠こそ)」
(4)味方の軍勢を退却させる。[日葡]
打ち処
うちど 【打ち処】
(1)打ち当てる所。うちどころ。「膝ふるひ,太刀の―もおぼえざりける所に/曾我 10」
(2)刀の真ん中から切っ先にかけての物を斬る部分。[日葡]
打ち出
うちで [0] 【打ち出】
打ち出すこと。
打ち出し
うちだし [0] 【打(ち)出し】
(1)〔その合図として太鼓を打つことから〕
演劇や相撲などの一日の興行の終わり。
(2)打ち出した器物・模様。また,その方法。
(3)江戸時代,検地の結果,表高(オモテダカ)より余分に出た分。増し分。出目(デメ)。
打ち出し太鼓
うちだしだいこ [5] 【打(ち)出し太鼓】
芝居や相撲などで,一日の興行の終わりを告げる大太鼓。
打ち出し彫り
うちだしぼり [0] 【打(ち)出し彫り】
金属の裏から打って表へ模様を浮き出させる細工。
打ち出し鮫
うちだしざめ [4] 【打(ち)出し鮫】
「打ち鮫(ザメ)」に同じ。
打ち出す
うちだ・す [3][0] 【打(ち)出す】 (動サ五[四])
(1)打って中の物を外へ出す。「弾丸を―・す」
(2)打ちはじめる。「太鼓を―・す」
(3)金属塊や板金を槌(ツチ)で打ち延ばして成形し,器物を作る。また,裏からたたいて模様などを表す。
(4)主義主張や新しい考えなどを,はっきり示す。「新しい方針を―・す」
(5)興行の終わりを知らせる太鼓を打つ。「―・す太鼓に送られて帰る」
[可能] うちだせる
打ち出だす
うちいだ・す 【打ち出だす】 (動サ四)
(1)外に出す。特に,出衣(イダシギヌ)をする。「きぬのつま重なりて―・したるは/栄花(若生え)」
(2)口に出す。吟じ出す。「兼行花上苑に明らかなりと,―・したるに/増鏡(老のなみ)」
(3)作り上げる。完成する。「三年が内に雌雄の二剣を―・せり/太平記 13」
打ち出づ
うちい・ず 【打ち出づ】 (動ダ下二)
(1)出る。開けた所に出る。「田児の浦ゆ―・でて見れば/万葉 318」
(2)目の前に出てくる。「谷風にとくる氷のひまごとに―・づる波や春のはつ花/古今(春上)」
(3)外に出す。特に,出衣(イダシギヌ)をする。「二重文の唐衣など―・でたり/栄花(根合)」
(4)馬に乗って戦場に向け出発する。出陣する。「明日―・でんとての夜/平家 9」
(5)たたき合わせて音や火を出す。「拍子―・でて忍びやかにうたふ声/源氏(篝火)」
(6)口に出す。発言する。「恥づかしげに静まりたれば,―・でにくし/源氏(帚木)」
(7)声をあげて詠ずる。声高らかに歌う。「拍子とりて席田(ムシロダ)(=催馬楽ノ名)―・でさせ給ひけるに/大鏡(昔物語)」
(8)文字や絵にかき表す。「筥の蓋に葦手に―・でたるは/紫式部日記」
打ち出で
うちいで 【打ち出で】
〔「うちで」とも〕
(1)金・銀・銅などをたたいて箔に延ばすこと。「薄(ハク)うち南鐐(ナンリヨウ)にて―わろき/七十一番職人歌合」
(2)出衣(イダシギヌ)をすること。「寝殿の南より西まで―したり/栄花(御裳着)」
打ち出での衣
うちいでのきぬ 【打ち出での衣】
「出衣(イダシギヌ)」に同じ。「―の色に知らるる/行宗集」
打ち出の太刀
うちでのたち [5] 【打ち出の太刀】
〔「うちいでのたち」とも〕
(1)金銀を打ち延べて飾った太刀。
(2)新作の太刀。
打ち出の小槌
うちでのこづち [5] 【打ち出の小槌】
「一寸法師」のおとぎ話などで,振れば何でも欲しい物が出てくるという小さい槌。
打ち刀
うちがたな [3] 【打(ち)刀】
(足緒(アシオ)で腰に吊(ツ)る太刀に対して)刃の側を上にして腰に差す刀。抜く動作と斬る動作が一連になる利点がある。元来は下卒が用いたものであるが,戦国時代には平時の差し料として武将たちも常用するようになり,やがて,大小拵(ダイシヨウゴシラエ)を生むに至った。
打ち刀[図]
打ち切り
うちきり [0] 【打(ち)切り】
途中でやめること。中止。「仕事はこれで―にする」
打ち切りにする
うちきり【打ち切りにする】
⇒打ち切る.
打ち切り補償
うちきりほしょう [5] 【打(ち)切り補償】
療養補償を受ける労働者が,療養開始後三年を経過しても全快しない場合に,使用者から受ける災害補償。平均賃金の一二〇〇日分とし,使用者は以後の補償義務を免れる。
打ち切る
うちき・る [3][0] 【打(ち)切る】 (動ラ五[四])
(1)激しい勢いで切る。たたき切る。「木の枝を―・る」
(2)物事を途中でやめにする。中止する。「討議を―・る」「先着五〇〇名で―・る」
[可能] うちきれる
打ち切る
うちきる【打ち切る】
close[cease,break off] <negotiations> ;→英和
call off <a strike,a meeting> ;give up[put an end to] <a discussion> .
打ち割る
うちわ・る [0][3] 【打(ち)割る】 (動ラ五[四])
(1)打って割る。たたき割る。「扉を―・って中に乱入する」
(2)包み隠さず言う。打ち明ける。「―・って言えば」
[可能] うちわれる
打ち勝つ
うちか・つ [3][0] 【打(ち)勝つ】 (動タ五[四])
(1)(戦争・勝負などで)相手を破る。勝つ。「強敵に―・つ」
(2)(多く「打ち克つ」と書く)困難や苦しみなどを乗り越える。克服する。「病に―・つ」
(3)球技などで,相手と打ち合って勝つ。
⇔打ち負ける
[可能] うちかてる
打ち勝つ
うちかつ【打ち勝つ】
conquer <the enemy> ;→英和
overcome <difficulties> .→英和
打ち取る
うちと・る [3][0] 【打(ち)取る・討(ち)取る】 (動ラ五[四])
(1)武器などを使って敵を殺す。《討取》「大将を―・った」
(2)勝負で相手に勝つ。《打取》「三振に―・る」
(3)攻めて奪い取る。「唐土(モロコシ)の帝…この国―・らむとて/枕草子 244」
(4)賭けに勝って手に入れる。「―・りたる侍は,忽に便(タヨリ)有る妻(メ)を儲て/今昔 16」
(5)つかまえる。とらえる。「虫―・りてゐたりけるに/宇治拾遺 3」
[可能] うちとれる
打ち叩く
ぶちたた・く 【打ち叩く】 (動カ五[四])
打つ。なぐる。ぶったたく。「なきがらを,―・いても腹はいまい/桐一葉(逍遥)」
打ち合い
うちあい [0] 【打(ち)合い】 (名)スル
(1)互いに打つこと。
(2)(多く「撃ち合い」と書く)互いに射撃すること。「艦砲の激しい―」
(3)互いに技をしかけること。「投げの―」
(4)「打ち合わせ{(2)}」に同じ。
打ち合う
うちあ・う [3][0] 【打(ち)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いに打つ。「ホームランを―・う」「投げを―・う」
(2)(多く「撃ち合う」と書く)銃・砲を両方から発射する。「ピストルを激しく―・う」
(3)二つ以上の物事がうまく適合する。「もとの品,時世の覚え―・ひ/源氏(帚木)」
(4)敵対する。対抗する。「人いと多くて―・ふべくもあらねば/落窪 2」
[可能] うちあえる
打ち合す
うちあわ・す [0][4] 【打ち合(わ)す】
■一■ (動サ五[四])
「うちあわせる」に同じ。「拍子木を―・す」
■二■ (動サ下二)
⇒うちあわせる
打ち合せ
うちあわせ [0] 【打ち合(わ)せ・打合せ】 (名)スル
(1)事前の相談。下相談。「会議の議題を―する」
(2)衣服の明きの,左右が重なり合う部分。打ち合い。
(3)ぴったり合うようにすること。似合うこと。「―の夫婦とはなりける/鶉衣」
(4)地歌・箏曲(ソウキヨク)の用語。
(ア)二挺(チヨウ)の三弦または三弦と箏が,同じ(ないし近似)の旋律を半拍ずつずらして合奏すること。
(イ)おのおの独立しているが同一の拍数で作られた二曲(または三曲)を合奏すること。
打ち合せる
うちあわ・せる [5][0] 【打ち合(わ)せる・打合せる】 (動サ下一)[文]サ下二 うちあは・す
(1)物と物とをぶつける。「火打ち石を―・せる」
(2)前もって相談する。下相談する。「旅行の日程を―・せる」
(3)合奏する。合唱する。「物の上手とおぼしき限りとりどりに―・せたる拍子/源氏(椎本)」
打ち合わす
うちあわ・す [0][4] 【打ち合(わ)す】
■一■ (動サ五[四])
「うちあわせる」に同じ。「拍子木を―・す」
■二■ (動サ下二)
⇒うちあわせる
打ち合わせ
うちあわせ [0] 【打ち合(わ)せ・打合せ】 (名)スル
(1)事前の相談。下相談。「会議の議題を―する」
(2)衣服の明きの,左右が重なり合う部分。打ち合い。
(3)ぴったり合うようにすること。似合うこと。「―の夫婦とはなりける/鶉衣」
(4)地歌・箏曲(ソウキヨク)の用語。
(ア)二挺(チヨウ)の三弦または三弦と箏が,同じ(ないし近似)の旋律を半拍ずつずらして合奏すること。
(イ)おのおの独立しているが同一の拍数で作られた二曲(または三曲)を合奏すること。
打ち合わせる
うちあわ・せる [5][0] 【打ち合(わ)せる・打合せる】 (動サ下一)[文]サ下二 うちあは・す
(1)物と物とをぶつける。「火打ち石を―・せる」
(2)前もって相談する。下相談する。「旅行の日程を―・せる」
(3)合奏する。合唱する。「物の上手とおぼしき限りとりどりに―・せたる拍子/源氏(椎本)」
打ち噛まし
ぶちかまし [0] 【打ち噛まし】
相撲で,ぶちかますこと。
打ち噛ます
ぶちかま・す [4][0] 【打ち噛ます】 (動サ五)
(1)相撲で,立ち合いに,相手の胸に頭から強く当たる。
(2)相手に大きな打撃となるような一撃を与える。
[可能] ぶちかませる
打ち囃す
うちはや・す 【打ち囃す】 (動サ四)
(1)「囃す」を強めていう。「かね・太鼓・笛・つづみにて―・し/三河物語 1」
(2)わいわいと騒ぎ立てる。はやし立てる。「太鼓衆に―・されて,鼻の先うぞやき/仮名草子・浮世物語」
打ち囃子
うちはやし [3][0] 【打ち囃子】
打楽器による囃子。太鼓・鼓などを打つこと。近世,男子の芸事とされた。「茶の湯盤上―男の芸に一つでも/浄瑠璃・五十年忌(下)」
打ち垂れ髪
うちたれがみ 【打(ち)垂れ髪】
結い上げずに,垂らした髪。中古・中世の婦人または小児の普通の髪形。
打ち填む
うちは・む 【打ち填む・打ち嵌む】 (動マ下二)
(1)投げ込む。投げ入れる。「鶯の鳴くくら谷に―・めて焼けは死ぬとも君をし待たむ/万葉 3941」
(2)閉じ込める。押し込める。「中の劣りにて,―・められてありけるものを/落窪 2」
打ち壊し
うちこわし [0] 【打(ち)壊し・打ち毀し】
(1)たたきこわすこと。とりこわし。
(2)江戸時代,中下層の百姓・町人が群集して豪農・米穀商・高利貸しらの家屋・家財などを破壊すること。一八世紀半ばから都市の米騒動を中心に,百姓一揆や幕末の世直し騒動の中で多くみられた。
打ち壊し
ぶちこわし [0] 【打ち壊し】
ぶちこわすこと。だいなしにすること。「せっかくの名案も,これじゃ―だ」
打ち壊す
ぶちこわ・す [4][0] 【打ち壊す・打ち毀す】 (動サ五[四])
(1)たたきこわす。こなごなにこわす。「ガラス戸を―・す」
(2)うまく運びそうな計画や話を,妨害する。整っているものをめちゃめちゃにする。「いい雰囲気を―・す」
[可能] ぶちこわせる
打ち壊す
うちこわ・す [4][0] 【打(ち)壊す・打ち毀す】 (動サ五[四])
(1)物をたたきこわす。「土蔵を―・す」
(2)既存の思想・計画などを努力して取り除く。「古い道徳観を―・す」
[可能] うちこわせる
打ち外す
うちはず・す [0][4] 【打(ち)外す】 (動サ五[四])
(1)打ち損なう。打ち誤る。
(2)打って外す。「矢庭に閂木(カンヌキ)を―・し/近世紀聞(延房)」
(3)失敗する。やり損なう。「こたみだに,げに又―・してはいかさまにせむと/増鏡(北野の雪)」
打ち太刀
うちだち [0][3] 【打(ち)太刀】
(1)剣道の型を演じるとき,動作を仕掛ける方の人。
(2)実戦用の太刀。「赤銅作りの―,足緒長に結び下げ/浄瑠璃・栬狩」
打ち守る
うちまも・る [4][0] 【打ち守る】 (動ラ四)
(1)じっと見つめる。「幼心地にもさすがに―・りて/源氏(若紫)」
(2)しっかり守る。「固く本営を―・り/近世紀聞(延房)」
打ち寄する
うちよする 【打ち寄する】 (枕詞)
波のうち寄せる国の意で,「駿河(スルガ)」にかかる。「寄する」の「する」と「駿河」とが同音であるところからともいう。「―駿河の国と/万葉 319」
打ち寄せる
うちよせる【打ち寄せる】
[波が]break[beat] <upon the shore> ;→英和
dash <against the rock> ;→英和
wash[sweep] <over the deck> ;→英和
[敵が]press <on,toward> .→英和
打ち寄せる
うちよ・せる [4][0] 【打(ち)寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 うちよ・す
(1)波が岸に寄せてくる。「岸に―・せる波」
(2)波が岸に物を運ぶ。「岸辺に―・せられた流木」
(3)攻め寄せる。おしよせる。「ひたひたと―・せる敵軍」
(4)乗った馬を近づける。「御馬を…いとちかう―・せさせ給て/大鏡(道長)」
打ち寛ぐ
うちくつろ・ぐ [5][0] 【打ち寛ぐ】 (動ガ五[四])
ゆったりとくつろぐ。気分を楽にする。「―・いで語り合う」
打ち崩す
うちくず・す [4][0] 【打(ち)崩す】 (動サ五[四])
(1)打って相手の備えなどを崩す。特に野球で,安打を続けて,相手チームの投手を降板させる。「エースを―・す」
(2)形・考え・雰囲気などをこわす。「既成の概念を―・す」
[可能] うちくずせる
打ち嵌む
うちは・む 【打ち填む・打ち嵌む】 (動マ下二)
(1)投げ込む。投げ入れる。「鶯の鳴くくら谷に―・めて焼けは死ぬとも君をし待たむ/万葉 3941」
(2)閉じ込める。押し込める。「中の劣りにて,―・められてありけるものを/落窪 2」
打ち延ばす
うちのばす【打ち延ばす】
beat out.
打ち延ふ
うちは・う 【打ち延ふ】 (動ハ下二)
(1)長く伸ばす。長々と延べわたす。「栲(タク)縄の千尋(チヒロ)縄―・へ釣為し海人の/古事記(上訓)」
(2)ずっといつまでも続く。長期にわたる。「―・へて思ひし小野は/万葉 3272」
打ち延へ
うちはえ 【打ち延へ】 (副)
〔動詞「うちはふ」の連用形から〕
引き続き。長い間。「若き人だに子を思ひて,―独り臥しをせらるるに/宇津保(楼上・下)」
打ち延べ
うちのべ [0] 【打(ち)延べ】
(1)うってのばすこと。
(2)金属だけで煙管(キセル)をつくること。また,そのような煙管。
打ち廻る
うち・みる 【打ち廻る】 (動マ上一)
廻(メグ)る。「―・みる島の埼々(サキザキ)/古事記(上)」
打ち当たる
ぶちあた・る [0][4] 【打ち当たる】 (動ラ五[四])
(1)強い勢いで当たる。ぶつかる。
(2)困難に直面する。「難問に―・って往生している」
打ち当てる
うちあ・てる [0][4] 【打(ち)当てる】 (動タ下一)[文]タ下二 うちあ・つ
「当てる」を強めた言い方。「かべにボールを―・てる」「鴨居(カモイ)に頭を―・てる」
打ち忘れる
うちわす・れる [0][5] 【打(ち)忘れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うちわす・る
すっかり忘れる。「帰る時刻も―・れ/ふらんす物語(荷風)」
打ち懸かる
うちかか・る [4][0] 【打ち掛(か)る・打ち懸(か)る】 (動ラ五[四])
(1)武器などを持って攻めかかる。「棒を持って―・る」
(2)寄りかかる。「雪の前殿―・り,自害してこそ死し給ふ/仮名草子・恨の介」
(3)従事する。「おのづから親かたの商売ばかりに―・りて/浮世草子・織留 6」
打ち懸ける
うちか・ける [0] 【打ち掛ける・打ち懸ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちか・く
(1)物の上にちょっとかける。軽くもたせかける。[ヘボン]
(2)軽くひっかける。軽くのせる。「帷子(カタビラ)を―・けて/徒然 53」
(3)相手に,弾丸などを発射する。「よせ手より鉄砲―・け/おあむ物語」
打ち懸る
うちかか・る [4][0] 【打ち掛(か)る・打ち懸(か)る】 (動ラ五[四])
(1)武器などを持って攻めかかる。「棒を持って―・る」
(2)寄りかかる。「雪の前殿―・り,自害してこそ死し給ふ/仮名草子・恨の介」
(3)従事する。「おのづから親かたの商売ばかりに―・りて/浮世草子・織留 6」
打ち所
うちどころ [0][3] 【打ち所】
(1)物などに打ち当たったからだの箇所。うちどこ。「―が悪くて死ぬ」
(2)打ち当てるべき所。指摘する箇所。「一点の非の―もない」
打ち扇
うちおうぎ [3] 【打(ち)扇】
能楽の舞台で用いる扇。
打ち手
うちて [3] 【打(ち)手・討(ち)手】
(1)銃砲を撃つ人。射手。
(2)鉦(カネ)・太鼓などを鳴らす役。また,その人。
(3)博打(バクチ)・すごろく・碁などを打つ人。また,その技にすぐれた人。
(4)(「討ち手」と書く)「うって(討手)」に同じ。「百三十余人が首切つて,―の交名(キヨウミヨウ)記(シル)いて/平家 9」
打ち打擲
うちちょうちゃく [1] 【打ち打擲】 (名)スル
人を殴りつけること。ちょうちゃく。
打ち払い
うちはらい [0] 【打(ち)払い】
(1)たたいてほこりなどを払うこと。「蔀(シトミ)打上げ此彼(ココカシコ)―などして/今昔 29」
(2)ほこりを払う道具。はたき。塵(チリ)払い。
(3)銃砲などを撃って追い払うこと。「異国船―」
打ち払う
うちはら・う [4][0] 【打(ち)払う】 (動ワ五[ハ四])
(1)さっとはらう。「袖(ソデ)を―・う」
(2)たたいてはらう。「ほこりを―・う」
(3)(「撃ち払う」とも書く)大砲などを撃って追い払う。「異国船を―・う」
(4)(敵を)攻めて追い払う。平定する。「せめいりて,…やすやすと―・ひてけり/愚管 5」
[可能] うちはらえる
打ち払う
うちはらう【打ち払う】
[払い落とす]beat[shake]off;[追い払う]drive away.
打ち抜き
うちぬき [0] 【打(ち)抜き】
(1)板金・厚紙などに型を当てて強く打ち,その型どおりに抜くこと。
(2)境界を取り除くこと。「八畳間二つを―にした宴会場」
(3)芝居の大道具で,樹木・建物などにかたどったもの。
(4)包み隠さないこと。正直。「―の実事はかくいてもかくれなし/浮世草子・男色十寸鏡」
打ち抜き綴じ
うちぬきとじ [0] 【打(ち)抜き綴じ】
製本で,折りの端近くに穴をあけて糸・針金などを通してとじる仕方。
打ち抜く
ぶちぬ・く [0][3] 【打ち抜く】 (動カ五[四])
(1)大きな力を加えて反対側まで貫き通す。「三枚重ねた板を―・く」
(2)間にあるしきりなどを取り除いてひと続きにする。「座敷を―・いて宴会を催す」
[可能] ぶちぬける
打ち抜く
うちぬ・く [3][0] 【打(ち)抜く・打ち貫く】 (動カ五[四])
(1)厚紙や板金などに型を当て,強く打って,その型どおりの穴をあける。「プレスで鉄板を―・く」
(2)境界になっているものを取り除く。ぶちぬく。「二間を―・いて祝宴を催す」
(3)予定どおり最後まで続ける。「ストを―・く」
(4)(多く「撃ち抜く」と書く)弾丸などがつらぬく。「たまが壁を―・く」
[可能] うちぬける
打ち抜く
うちぬく【打ち抜く】
[貫通]pierce;→英和
shoot through (弾丸で);[穴をあける]punch <a hole> ;→英和
[型で]strike[stamp out] <a coin> .→英和
打ち拉がれて
うちひしぐ【打ち拉がれて】
crushed <by one's misfortunes> .
打ち拉ぐ
うちひし・ぐ [4][0] 【打ち拉ぐ】 (動ガ五[四])
(1)ひどい打撃・衝撃などで気力や意欲をなくさせる。多く受け身の形で用いられる。「たび重なる不幸に―・がれる」
(2)一気に相手を破る。「只一打に―・がんと/太平記 32」
打ち振る
うちふ・る [3] 【打(ち)振る】 (動ラ五[四])
「振る」を強めたいい方。「旗を―・る」
打ち捨てる
うちす・てる [0][4] 【打(ち)捨てる】 (動タ下一)[文]タ下二 うちす・つ
(1)「捨てる」を強めた言い方。「何もかも―・てて旅に出る」
(2)構わないでほうっておく。「長い間―・てられたままの家」
(3)人を斬り捨てる。
打ち据える
うちすえる【打ち据える】
⇒打ちのめす.
打ち据える
うちす・える [0][4] 【打(ち)据える】 (動ア下一)[文]ワ下二 うちす・う
(1)動けなくなるほどに,たたく。「竹刀(シナイ)で―・える」
(2)しっかりとすえる。「庭石をどっかりと―・える」
打ち掛かる
うちかか・る [4][0] 【打ち掛(か)る・打ち懸(か)る】 (動ラ五[四])
(1)武器などを持って攻めかかる。「棒を持って―・る」
(2)寄りかかる。「雪の前殿―・り,自害してこそ死し給ふ/仮名草子・恨の介」
(3)従事する。「おのづから親かたの商売ばかりに―・りて/浮世草子・織留 6」
打ち掛け
うちかけ [0] 【打(ち)掛け】
(1)〔うちかけて着るもの,の意。「打掛」「裲襠」と書く〕
帯をしめた上からはおる丈の長い小袖。武家の婦人の秋から春までの礼服。江戸時代には,富裕な町家でも用いられた。現代の花嫁衣装に残る。かいどり。
(2)
⇒りょうとう(裲襠)
(3)碁などで,双方の合意により対局の途中でいったん中断すること。
打ち掛け(1)[図]
打ち掛ける
うちか・ける [0] 【打ち掛ける・打ち懸ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちか・く
(1)物の上にちょっとかける。軽くもたせかける。[ヘボン]
(2)軽くひっかける。軽くのせる。「帷子(カタビラ)を―・けて/徒然 53」
(3)相手に,弾丸などを発射する。「よせ手より鉄砲―・け/おあむ物語」
打ち掛る
うちかか・る [4][0] 【打ち掛(か)る・打ち懸(か)る】 (動ラ五[四])
(1)武器などを持って攻めかかる。「棒を持って―・る」
(2)寄りかかる。「雪の前殿―・り,自害してこそ死し給ふ/仮名草子・恨の介」
(3)従事する。「おのづから親かたの商売ばかりに―・りて/浮世草子・織留 6」
打ち揃う
うちそろ・う [4][0] 【打ち揃う】 (動ワ五[ハ四])
全員がそろう。「一族―・って祖父の米寿を祝う」
打ち損じる
うちそん・じる [5] 【打ち損じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「打ち損ずる」の上一段化〕
うつことに失敗する。うちそこなう。うちもらす。「好球を―・じた」「敵を―・じた」
打ち損ずる
うちそん・ずる [5] 【打ち損ずる】 (動サ変)[文]サ変 うちそん・ず
(1)「うちそんじる」に同じ。
(2)打撃を加えて,壊す。「大浪に舟どもさんざんに―・ぜられて/平家 11」
打ち撒き
うちまき 【打ち撒き】
(1)悪霊よけのまじないとして米をまくこと。また,その米。散米。「祓(ハラ)へすとも,―に米(ヨネ)いるべし/宇津保(藤原君)」
(2)神に供える米。「御幣紙,―の米ほどの物/宇治拾遺 6」
(3)〔もと女房詞〕
米。
打ち放しコンクリート
うちはなしコンクリート [9] 【打(ち)放し―】
コンクリートの表面に仕上げを施さずにそのまま仕上げ面とするもの。うちっぱなし。
打ち散らす
うちちら・す [4][0] 【打(ち)散らす】 (動サ五[四])
(1)棒などで打って追い散らす。「ステツキで右往左往に―・し/思出の記(蘆花)」
(2)(「討ち散らす」とも書く)敵を攻めて追い散らす。「隊伍を改め―・せ/近世紀聞(延房)」
(3)あちこちに散らかす。「子ども・わらはべ…調度―・しぬる/枕草子 28」
打ち敷
うちしき [0] 【打(ち)敷】
(1)家具などに敷く布製の敷物。
(2)仏座・仏壇に敷く金襴(キンラン)などで作った敷物。供物・仏具などを載せる。
(3)香席で,香元が手前のときに畳の上に敷く,額縁仕立ての布。
(4)火敷に同じ。[日葡]
打ち方
うちかた [3][0] 【打(ち)方】
(1)打つ方法。「ヒットの―」
(2)(「撃ち方」とも書く)鉄砲・大砲などを撃つこと。「―,やめ」
打ち明かす
うちあか・す 【打ち明かす】 (動サ四)
打ち明ける。「はじめから何もかも―・して/人情本・梅児誉美(初)」
打ち明ける
ぶちあ・ける [0][4] 【打ち明ける・打ち開ける】 (動カ下一)
(1)穴などを勢いよくあける。「壁に穴を―・ける」
(2)隠しごとをしないですっかり話す。「洗いざらい―・ける」
(3)中のものをすべてほうり出す。「―・けて詮議せん/浄瑠璃・千本桜」
打ち明ける
うちあ・ける [0][4] 【打(ち)明ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちあ・く
(1)秘密や,心の中に思っていたことなどを,包み隠さず人に話す。「悩みを―・ける」「―・けた話だが」
(2)中にはいっているものを出して空にする。「巾着(キンチヤク)にあるほど―・けて/浮世草子・一代男 5」
打ち明ける
うちあける【打ち明ける】
tell;→英和
confess (告白する);→英和
disclose;→英和
confide <a secret to a person> .→英和
胸中を〜 speak one's mind frankly.打ち明けて言えば to be frank with you;frankly.‖打明け話 a confidential talk.
打ち明け話
うちあけばなし [5] 【打(ち)明け話】
包み隠さないで語る話。
打ち有り
うちあ・り 【打ち有り】 (動ラ変)
(1)ある。存在する。「わが心の―・るさまをも,深うおしはからむ/紫式部日記」
(2)世の中に多くある。ありふれている。「これは―・る矢にもあらざりけり/宇治拾遺 15」
打ち札
うちふだ [2][0] 【打(ち)札】
(1)花札・トランプなどで手から場に出す札。
(2)立て札。高札。「彼の寺に参り給ひたりけるに,書き置き給へる―あり/盛衰記 39」
打ち松
うちまつ 【打ち松】
かがり火にたく折った松。折り松。「―,おどろおどろしからぬ程におきて/源氏(篝火)」
打ち板
うちいた [0] 【打(ち)板】
(1)廊下の打ち橋などに渡した板。
(2)牛車(ギツシヤ)の乗り降りのとき,車寄せの板敷から車に渡す板。
(3)地面に座るときに敷く板。「大薙刀の真中にぎり,―の上に立ちけり/義経記 8」
(4)鷹の糞(フン)を受ける板。
打ち果たす
うちはた・す [4][0] 【討(ち)果たす・打(ち)果たす】 (動サ五[四])
(1)殺してしまう。うち殺す。「首尾よく敵(カタキ)を―・す」
(2)果たし合いをする。「今某と―・さば/浄瑠璃・神霊矢口渡」
打ち枝
うちえだ [0] 【打(ち)枝】
(1)樹木の下枝を切り落とすこと。
(2)金銀のめっきを施した金属製の花の枝。広蓋(ヒロブタ)に載せた小袖のおさえに用いるもの。うちおき。
打ち栗
うちぐり [2] 【打ち栗】
搗(カ)ち栗を蒸し,打ちつぶして平たくしたもの。江戸時代,甲州名産の菓子。
打ち根
うちね 【打(ち)根・撃(ち)根】
打ち矢。また,そのやじり。
打ち楊枝
うちようじ [3] 【打ち楊枝】
「総楊枝(フサヨウジ)」に同じ。
打ち橋
うちはし 【打ち橋】
(1)両岸に板をかけわたしただけの橋。「上つ瀬に―渡し/万葉 3907」
(2)離れた建物の間を行き来するためにかけた板。不要のときは取り払う。「―,渡殿のここかしこの道に/源氏(桐壺)」
(3)恋のなかだち。「かさねて誰いひわたすべき―なし/読本・春雨(死首のゑがほ)」
打ち櫂
うちがい 【打ち櫂】
船べりに支点を設けて西洋のオールと同様のこぎ方をする櫂。「船は霧にこめられて見えず。―の音ばかりきこえて/著聞 6」
打ち欠く
うちか・く [3][0] 【打(ち)欠く】 (動カ五[四])
(1)たたいて欠く。打ってくだく。ぶっかく。「氷を―・く」
(2)囲碁で,欠け目をつくらせるために,捨て石をうつ。
打ち次ふ
うちすが・う 【打ち次ふ】 (動ハ四)
(1)優劣がない。匹敵する。「中の君も―・ひてあてになまめかしう/源氏(紅梅)」
(2)続いて起こる。「大将殿など,皆同じ程(裳瘡(モガサ)ガ)―・ひなどして出てさせ給へば/栄花(布引の滝)」
打ち止め
うちどめ [0] 【打(ち)止め・打(ち)留め】
(1)芝居・相撲などの興行物で,一日または一連の興行の終わり。打ち出し。また,一般に物事の終わり。「この一番にて本日の―」
(2)パチンコで,出た玉が一定量に達した機械の使用をとめること。
打ち止めにする
うちどめ【打ち止めにする】
bring <the show> to a close[an end].→英和
打ち止める
うちと・める [0][4] 【打(ち)止める・打(ち)留める】 (動マ下一)[文]マ下二 うちと・む
(1)釘(クギ)などを打ちつけてとめる。「看板を釘で―・める」
(2)興行を終える。「興行を月末で―・める」
(3)(多く「撃ち止める」「討ち止める」と書く)敵や獲物を銃や刀を使って確実に殺す。「一発で―・めた」
打ち歩詰め
うちふづめ [0] 【打(ち)歩詰め】
将棋の禁じ手の一。持ち駒の歩を打って相手の王を詰めること。
打ち殺す
ぶちころ・す [0][4] 【打ち殺す】 (動サ五[四])
(1)「殺す」を強めていう語。ぶっころす。「ぐずぐず言うと,―・すぞ」
(2)質(シチ)に入れる。売り払う。「おのれが縕袍(ワンボウ)―・して買うて来い/浄瑠璃・近江源氏」
(3)遊里で,手練手管を用いて相手を悩殺する。「拙者秘密の手を出し,―・して御目にかけう/歌舞伎・名歌徳」
打ち殺す
うちころ・す [4][0] 【打(ち)殺す】 (動サ五[四])
(1)たたいて殺す。なぐり殺す。「猛牛を一撃のもとに―・す」
(2)(「撃ち殺す」とも書く)弾丸を命中させて殺す。「ピストルで―・す」
(3)不満・怒りなどの感情を外に表さないよう抑える。「感情を―・す訳には行かないからね/道草(漱石)」
(4)「殺す」を強めていう語。ぶっ殺す。「北の方を―・さばやと思ふ/落窪 1」
(5)質に入れる。ころす。「人の物でも手廻り次第―・してその日を凌げ/浄瑠璃・妹背山」
[可能] うちころせる
打ち殿
うちどの 【打(ち)殿・擣殿】
布地を砧(キヌタ)で打つための建物。平安時代,宮中や貴族の邸内に設けられた。
打ち毀し
うちこわし [0] 【打(ち)壊し・打ち毀し】
(1)たたきこわすこと。とりこわし。
(2)江戸時代,中下層の百姓・町人が群集して豪農・米穀商・高利貸しらの家屋・家財などを破壊すること。一八世紀半ばから都市の米騒動を中心に,百姓一揆や幕末の世直し騒動の中で多くみられた。
打ち毀す
うちこわ・す [4][0] 【打(ち)壊す・打ち毀す】 (動サ五[四])
(1)物をたたきこわす。「土蔵を―・す」
(2)既存の思想・計画などを努力して取り除く。「古い道徳観を―・す」
[可能] うちこわせる
打ち毀す
ぶちこわ・す [4][0] 【打ち壊す・打ち毀す】 (動サ五[四])
(1)たたきこわす。こなごなにこわす。「ガラス戸を―・す」
(2)うまく運びそうな計画や話を,妨害する。整っているものをめちゃめちゃにする。「いい雰囲気を―・す」
[可能] ぶちこわせる
打ち気
うちき [0][3] 【打(ち)気】
野球で,打者が積極的に打とうとする気持ち。「―にはやる」「―満々」
打ち水
うちみず [2] 【打(ち)水】 (名)スル
ほこりをしずめたり,涼をとるために水をまくこと。また,その水。[季]夏。《―をしている主縁に客/今井つる女》
打ち沈む
うちしず・む [0][4] 【打ち沈む】 (動マ五[四])
意気が上がらなくなる。暗い雰囲気になる。「大敗に―・む」
打ち消し
うちけし [0] 【打(ち)消し】
(1)そうではないと言うこと。打ち消すこと。否定。
(2)文法で,動作・作用・存在・状態などを否定する意を表す言い方。口語では,助動詞「ない」「ぬ」「まい」,文語では助動詞「ず」「じ」「まじ」や助詞「で」などを付けて言い表す。
打ち消す
うちけす【打ち消す】
deny.→英和
打ち消す
うちけ・す [0][3] 【打(ち)消す】 (動サ五[四])
(1)そうではないと言う。否定する。「うわさを―・す」
(2)「消す」を強めていう。「波の音が彼の声を―・してしまった」「彦右衛門火を―・しながら/いさなとり(露伴)」
[可能] うちけせる
打ち渡し
うちわたし 【打ち渡し】 (副)
〔多く「橋」の縁語として用いられる〕
(1)ずっと長くにわたって。「―長き心は八橋のくもでに思ふことはたえせじ/後撰(恋二)」
(2)おしなべて。「―よに許しなき関川を/源氏(宿木)」
打ち渡す
うちわた・す 【打ち渡す】 (動サ四)
(1)馬に乗って,川などを渡らせる。「清き瀬を馬―・し/万葉 715」
(2)端から端までずっと並べる。かけわたす。「平張どもあまた―・したるおはしどころに/大鏡(道長)」
(3)眺めやる。ずっと見渡す。「―・す竹田の原に鳴く鶴の/万葉 760」
打ち渡る
うちわた・る 【打ち渡る】 (動ラ四)
(1)渡る。「此の橋の上に,思ふ事を誓て―・れば/海道記」
(2)行く。通る。来る。はいる。「親の御あたりにもたはやすう―・り/源氏(真木柱)」
打ち火
うちび [2] 【打(ち)火】
火打ち石で打ち出す火。切り火。
打ち物
うちもの [2] 【打(ち)物】
(1)打ちきたえて作った武器。刀剣・槍など。
(2)金属を打ちたたいて作った器具。
⇔鋳物
(3)「打ち菓子」に同じ。
(4)砧(キヌタ)で打って光沢を出した織物や衣。
(5)鉦(カネ)・太鼓など,打って鳴らす楽器。
(6)物々交換。「その儀ならば―にいたそ/狂言記・富士松」
打ち物師
うちものし [4] 【打(ち)物師】
(1)金属をきたえて器物を作る職人。
(2)刀剣をきたえる職人。刀工。
打ち物業
うちものわざ [4][0] 【打(ち)物業】
刀や槍を持って戦うこと。また,その技術。
打ち留め
うちどめ [0] 【打(ち)止め・打(ち)留め】
(1)芝居・相撲などの興行物で,一日または一連の興行の終わり。打ち出し。また,一般に物事の終わり。「この一番にて本日の―」
(2)パチンコで,出た玉が一定量に達した機械の使用をとめること。
打ち留める
うちと・める [0][4] 【打(ち)止める・打(ち)留める】 (動マ下一)[文]マ下二 うちと・む
(1)釘(クギ)などを打ちつけてとめる。「看板を釘で―・める」
(2)興行を終える。「興行を月末で―・める」
(3)(多く「撃ち止める」「討ち止める」と書く)敵や獲物を銃や刀を使って確実に殺す。「一発で―・めた」
打ち盤
うちばん [0][2] 【打(ち)盤】
(1)能で,大鼓・小鼓・太鼓などを稽古するとき,張り扇で打ち鳴らす盤。
(2)洗濯物を打って柔らかくするための木製の台。
打ち目
うちめ [3] 【打(ち)目・擣目】
絹を砧(キヌタ)で打ったときに生じる光沢の模様。砧の跡。
打ち直し
うちなおし [0] 【打(ち)直し】 (名)スル
古くかたくなった綿を再生してふんわりさせること。打ち返し。
打ち直す
うちなお・す [4][0] 【打(ち)直す】 (動サ五[四])
(1)改めてもう一度打つ。「杭(クイ)を―・す」
(2)綿の打ち直しをする。
(3)もとのように直す。「詠(エイ)はてて袖―・し給へるに/源氏(紅葉賀)」
[可能] うちなおせる
打ち眺める
うちなが・める [5][0] 【打(ち)眺める】 (動マ下一)[文]マ下二 うちなが・む
(1)遠くの景色を見渡す。ながめる。「山頂から遠く海を―・める」
(2)物思いにふけってぼんやりと見る。「この女いとようけさうじて―・めて/伊勢 23」
打ち着
うちぎ 【内着・打ち着】
(1)日常の着物。ふだん着。「―のまま順慶町で正月の買い物/洒落本・虚実柳巷方言」
(2)下着。「おまへも其着物(ベベ)着かへと―の帷子を渡せば/洒落本・南遊記」
打ち矢
うちや [2] 【打(ち)矢】
手で敵に投げつける矢の形をした武器。手矢。手突き矢。打ち根。
打ち砕く
うちくだく【打ち砕く】
⇒砕く.
打ち砕く
うちくだ・く [4][0] 【打(ち)砕く】 (動カ五[四])
(1)打ってくだく。こなごなにする。「石を―・く」「相手の自信を―・く」
(2)(多く「うちくだいて」の形で)わかりやすく細かく説明する。「―・いて話す」
[可能] うちくだける
打ち破る
うちやぶ・る [4][0] 【打(ち)破る】 (動ラ五[四])
(1)たたいてこわす。うちくだく。「城門を―・って侵入する」「旧弊を―・る」
(2)(「討ち破る」「撃ち破る」とも書く)相手を攻め負かす。撃破する。「強豪を―・る」
[可能] うちやぶれる
打ち破る
うちやぶる【打ち破る】
⇒破る.
打ち立つ
うちた・つ 【打ち立つ】
■一■ (動タ四)
(1)立つ。立っている。「蔵人はその小さき家の前に―・ちて/今昔 29」
(2)出発する。出立する。「只今―・たんずる形勢(アリサマ)にて/太平記 11」
(3)夢中になって打つ。「この御博奕(バクヨウ)は―・たせ給ひぬれば/大鏡(道隆)」
■二■ (動タ下二)
⇒うちたてる
打ち立てる
うちた・てる [4][0] 【打(ち)立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 うちた・つ
しっかりと立てる。確立する。「新しい法則を―・てる」
打ち粉
うちこ [3] 【打(ち)粉】
(1)刀剣の手入れに用いる砥粉(トノコ)。絹の布に丸く包んで使う。
(2)麺(メン)類・餅などをのばすとき,台や手にふりかける粉。ねばり付くのを防ぐ。小麦粉などを用いる。
(3)汗取りの粉。
打ち糸
うちいと [3][2] 【打(ち)糸】
篦(ヘラ)などで打って固めた組紐(クミヒモ)。
打ち紐
うちひも [2] 【打ち紐】
篦(ヘラ)で打ち込んで組み目をかたく作った紐。組紐。うちお。
打ち紙
うちがみ [2] 【打(ち)紙】
木槌(キヅチ)で打ってつやを出した紙。
打ち紛れる
うちまぎ・れる [5][0] 【打(ち)紛れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うちまぎ・る
(1)他のことに気をとられて忘れる。「多忙に―・れ連絡が遅くなりました」「ほど経ば,少し―・るることもやと/源氏(桐壺)」
(2)他のものと混じってわからなくなる。「この人の御さま,なのめに―・れたる程ならば/源氏(総角)」
打ち絶え
うちたえ 【打ち絶え】 (副)
〔動詞「打ち絶ゆ」の連用形から〕
まったく。ひたすら。「物語の事も,―忘られて/更級」
打ち絶えて
うちたえて 【打ち絶えて】 (副)
(下に打ち消しの語を伴って)まったく。すっかり。「―内,春宮にも参り給はず/源氏(賢木)」
打ち絶える
うちた・える [4][0] 【打(ち)絶える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 うちた・ゆ
交際や関係などがまったく絶える。「寺とはいつとはなしに―・えてゐたが/銀の匙(勘助)」
打ち継ぎ
うちつぎ [0] 【打(ち)継ぎ】
打ち掛けの碁を再開すること。
打ち続く
うちつづ・く [0][4] 【打(ち)続く】
■一■ (動カ五[四])
(1)長く続く。継続する。「―・く長雨」
(2)ある物事のあとに次のものが切れ目なく起こる。ひき続く。「―・く天災におそれおののく」
■二■ (動カ下二)
⇒うちつづける
打ち続く雨天
うちつづく【打ち続く雨天】
a long spell of rainy weather.〜不幸 a series[succession]of misfortunes.
打ち続ける
うちつづ・ける [0][5] 【打(ち)続ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちつづ・く
(1)「打つ」ことを続けて行う。「太鼓を―・ける」「興行を―・ける」
(2)「続ける」を強めていう。「男子二人―・けて産みてけり/今昔 22」
打ち網
うちあみ [0] 【打(ち)網】
広がるように水中に投げ込んで魚を捕らえる網。投網(トアミ)。
打ち綾
うちあや 【打ち綾】
砧(キヌタ)で打ち光沢を出した綾織物。
打ち綿
うちわた [2][0] 【打(ち)綿】
(1)打ち返した古綿。
(2)繰り綿を綿弓で打って不純物を取り去り柔らかくしたもの。
打ち緒
うちお [2] 【打(ち)緒】
「打ち紐(ヒモ)」に同じ。
打ち置き
うちおき [0] 【打(ち)置き】
⇒打(ウ)ち枝(エダ)(2)
打ち置く
うちお・く 【打ち置く】 (動カ四)
(1)無造作におく。「赤駒にしづ鞍―・き/万葉 804」
(2)手をつけずそのままにしておく。「棺をひさくもの,作りて―・くほどなし/徒然 137」
打ち聞き
うちぎき 【打ち聞き】
(1)ちょっと耳にはいった言葉。ふと聞いた話。「深きすぢ思ひ得ぬ程の―には/源氏(常夏)」
(2)ちょっと聞いたことを書きとめたもの。「人といひかはしたる歌の聞えて,―などに書き入れらるる/枕草子 276」
打ち聞く
うちき・く 【打ち聞く】 (動カ四)
ちらっと聞く。「―・き給ふにはあさましく物おぼえぬ心地して/源氏(椎本)」
打ち臥す
うちふ・す [0][3] 【打(ち)伏す・打ち臥す】
■一■ (動サ五[四])
(1)顔を物の上につけて伏せる。「机に―・して泣く」
(2)横になる。寝る。「―・すこと五,六日にしてつひにはかなくなりにけり/平家 6」
■二■ (動サ下二)
打って倒す。「数多(アマタ)して手負ほせ―・せて/徒然 87」
打ち興ずる
うちきょう・ずる [0][5] 【打(ち)興ずる】 (動サ変)[文]サ変 うちきよう・ず
心から面白がって物事をする。「囲碁に―・ずる」
打ち荷
うちに [0] 【打(ち)荷】
海難に遭った船が,重量を軽くするため積み荷の一部を海中に投げ捨てること。また,その荷。なげに。撥(ハ)ね荷。捨て荷。荷打ち。
打ち菓子
うちがし [3][2] 【打(ち)菓子】
干菓子(ヒガシ)の一種。微塵粉(ミジンコ)・砂糖・水飴(ミズアメ)などを練り,木型に入れてかため,打ち出したもの。落雁(ラクガン)の類。打ちもの。
打ち萎れる
うちしお・れる [0] 【打ち萎れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うちしを・る
気を落として,しょんぼりする。すっかり元気がなくなる。
打ち落す
うちおと・す [4][0] 【打ち落(と)す】 (動サ五[四])
(1)たたいたり切ったりして落とす。「クリを竹竿で―・す」「首を―・す」
(2)(多く「撃ち落とす」と書く)矢・鉄砲などで撃って落とす。「敵機を―・す」
(3)ぽろりと落とす。おとす。「嬉しくて老心地に涙を―・して喜びゐたり/落窪 3」
(4)城などを攻め落とす。「合戦度々に及ぶ。毎度に学侶―・されて/平家 2」
[可能] うちおとせる
打ち落とす
うちおと・す [4][0] 【打ち落(と)す】 (動サ五[四])
(1)たたいたり切ったりして落とす。「クリを竹竿で―・す」「首を―・す」
(2)(多く「撃ち落とす」と書く)矢・鉄砲などで撃って落とす。「敵機を―・す」
(3)ぽろりと落とす。おとす。「嬉しくて老心地に涙を―・して喜びゐたり/落窪 3」
(4)城などを攻め落とす。「合戦度々に及ぶ。毎度に学侶―・されて/平家 2」
[可能] うちおとせる
打ち衣
うちぎ 【打ち衣・擣衣】
⇒うちぎぬ(打衣)
打ち衣
うちぎぬ 【打ち衣】
砧(キヌタ)で打って光沢を出した衣。装束着用のとき,女性は表衣の下,袿(ウチキ)の上に,男性は直衣(ノウシ)・狩衣(カリギヌ)の下に着る。のちには板引きで光沢を出すようになった。色は多く紅か濃赤紫色。打ち衣(ギ)。
打ち衵
うちあこめ 【打ち衵】
砧(キヌタ)で打って光沢を出した衵。
打ち袴
うちばかま 【打ち袴】
砧(キヌタ)で打って光沢を出した袴。表裏ともに紅か濃赤紫色。女房装束で用いる。
打ち袴[図]
打ち覆ひ
うちおおい 【打ち覆ひ】
(1)仮に作った屋根。「―を葺きて/方丈記」
(2)棺に入れるまで,死者にかぶせておく生前着用した着物。また,死者の棺を包む白布。
打ち見
うちみ [0] 【打(ち)見】
ちらりと見たときの具合。ちょっと見。外見。「―にも元気よき老人なり/書記官(眉山)」
打ち見る
うち・みる 【打ち見る】 (動マ上一)
ちょっと見る。目にとめる。「―・みるより珍しううれしきにも/源氏(須磨)」
打ち覚ゆ
うちおぼ・ゆ 【打ち覚ゆ】 (動ヤ下二)
(1)思われる。心に浮かぶ。「さやうにておはせましも,悪しからましと,―・え侍るにも/源氏(乙女)」
(2)どことなく似ている。「大将にも―・えたてまつり給ひて/狭衣 4」
打ち解く
うちと・く 【打ち解く】
■一■ (動カ四)
解く。解き放つ。「紐―・き/枕草子 146」
■二■ (動カ下二)
⇒うちとける
打ち解け
うちとけ 【打ち解け】
うちとけること。
打ち解けて話す
うちとける【打ち解けて話す】
talk freely[in a relaxed mood] <with> .打ち解けた frank;→英和
unreserved.→英和
打ち解けない be reserved.
打ち解ける
うちと・ける [0][4] 【打(ち)解ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちと・く
(1)警戒心や遠慮が消えて親しくなる。「―・けて語り合う」
(2)(氷などが)とける。「つらら―・けて/新古今(春上)」
打ち解け勝り
うちとけまさり 【打ち解け勝り】
くつろいだときの様子の方がきちんとしているときよりもすぐれて見えること。「いかにぞ,―の聊かもあらば嬉しからむ/源氏(末摘花)」
打ち解け姿
うちとけすがた 【打ち解け姿】
くつろいだ姿。「裳など―にて出でて見るに/蜻蛉(下)」
打ち解け文
うちとけぶみ 【打ち解け文】
何もかも打ち明けた親しい手紙。「書き通はしたらむ―をば,御覧ぜむ/源氏(浮舟)」
打ち解け業
うちとけわざ 【打ち解け業】
相手に親しんでする行為。親身の世話。「さまことにさならぬ―もし給ひけり/源氏(末摘花)」
打ち解け言
うちとけごと 【打ち解け言】
打ち解けた気兼ねない言葉。「かりに下りたる人の―につきて/源氏(明石)」
打ち解け顔
うちとけがお 【打ち解け顔】
相手に慣れ親しんで気を許した顔つき。「小さきは童(ワラワ)げて,喜び走るに,扇なども落として―をかしげなり/源氏(朝顔)」
打ち語らふ
うちかたら・う 【打ち語らふ】 (動ハ四)
(1)語り合う。親しく話し合う。「なつかしう―・ひつつ/源氏(若紫)」
(2)(男女が)言い交わす。契る。「―・ひて我が命のはてにもあらせむと/蜻蛉(下)」
打ち調ず
うちちょう・ず 【打ち調ず】 (動サ変)
打ってこらしめる。「この翁丸(オキナマロ)―・じて犬島へつかはせ/枕草子 9」
〔「ちょう」に「懲」を当てる説もある〕
打ち豆
うちまめ [2] 【打(ち)豆】
大豆を水に浸し,槌(ツチ)で打ってつぶしたもの。汁などに入れて食べる。
打ち負かす
うちまか・す [4][0] 【打(ち)負かす】 (動サ五[四])
(1)打って負かす。
(2)完全に負かす。「完膚なきまでに―・す」
[可能] うちまかせる
打ち貫く
うちぬ・く [3][0] 【打(ち)抜く・打ち貫く】 (動カ五[四])
(1)厚紙や板金などに型を当て,強く打って,その型どおりの穴をあける。「プレスで鉄板を―・く」
(2)境界になっているものを取り除く。ぶちぬく。「二間を―・いて祝宴を催す」
(3)予定どおり最後まで続ける。「ストを―・く」
(4)(多く「撃ち抜く」と書く)弾丸などがつらぬく。「たまが壁を―・く」
[可能] うちぬける
打ち賃
うちちん [2] 【打(ち)賃】
「切り賃{(2)}」に同じ。
打ち越し
うちこし [0] 【打(ち)越し】
(1)建築で,中間の点を越えて測った二点間の長さ。
(2)連歌・俳諧で,付句の二つ前の句。付句と打ち越しの間に特定の同じ韻や縁語があることを「打ち越しを嫌う」といって避ける。
(3)「打ち越し酒」の略。
(4)ある地点から次の地点を通り越してその先へ行くこと。「ふた川まで―だがいいか/滑稽本・膝栗毛 4」
(5)江戸時代の商慣習の一。二点間の荷物輸送の際に中間地点の問屋の手を経ないで行うこと。特に,大坂と東北地方との取引を江戸の問屋の手を経ずに行うこと。その荷物を打ち越し荷物という。
打ち越し酒
うちこしざけ 【打ち越し酒】
酒席で席次によらないで,名指しで差す杯。「年一つ―の二年酔(エイ)かな/狂言・餅酒」
打ち跨る
うちまたが・る [5][0] 【打ち跨る】 (動ラ五[四])
「跨る」を強めたいい方。「駿馬に―・る」
打ち身
うちみ [3][0] 【打(ち)身】
(1)強く打ってできた皮下組織の傷。内出血や腫(ハ)れなど。打撲傷。
(2)刺身。「鱸なりとも―でとおしやるか/狂言・鱸庖丁」
打ち込み
うちこみ [0] 【打(ち)込み】
(1)たたいて中へ入れること。
(2)物事に熱中すること。また,人に惚れ込むこと。「並々ならぬ―ようだ」
(3)囲碁で,打ち込むこと。
(4)剣道で,練習のために何度も同じ動作で打ち込むこと。
(5)テニスなどの球技で,相手の陣に球を強く打ち込むこと。
(6)〔音〕 正確なリズムやフレーズなどを得るために,コンピューターなどの機器にシンセサイザーなどの電子楽器を自動演奏させる演奏データを入力すること。また,その演奏形態や作品。
(7)(能楽・文楽・歌舞伎などで)
(ア)舞の型の一。手にした扇などを頭上から前方に出し正面をさす。
(イ)太鼓などを強くたたき鳴らす囃(ハヤ)し方。
(8)釣りで,水面の一点に繰り返し針を下ろすこと。
(9)敵味方入り乱れて戦うこと。「―のいくさこのまぬ物也/平家 9」
打ち込み汁
うちこみじる [5] 【打(ち)込み汁】
打ちたてのうどんをゆでずに,野菜・油揚げとともに煮込む香川県の郷土料理。
打ち込む
ぶちこ・む [0][3] 【打ち込む】 (動マ五[四])
手荒く入れる。ほうり込む。「弾丸を腹に―・むぞ」「留置場へ―・む」
[可能] ぶちこめる
打ち込む
うちこ・む [0][3] 【打(ち)込む】 (動マ五[四])
(1)たたいて中に入れる。「くぎを―・む」「楔(クサビ)を―・む」
(2)(多く「撃ち込む」と書く)球・弾丸などを相手の陣に入れる。「弾丸を敵陣に―・む」
(3)刀できりかかる。剣道で,相手に打ちかかる。「すきをうかがって―・む」
(4)精神を集中する。夢中になる。「物理学の研究に―・む」「練習に―・む」「玄宗は楊貴妃の百の媚に―・まれ/仮名草子・竹斎」
(5)人の弱みを的確に突く。急所を突く。「容赦なく―・んでくる」
(6)囲碁で,相手の陣の中に,自分の石を置く。「白地へ―・む」
(7)コンクリートを所定の場所に流し込む。「土台を―・む」
(8)野球やゴルフで,球を打つ練習を十分にする。「バッティング-マシーンで―・む」
(9)財産を使い果たす。「国会開設の運動に,地所も家も―・んで仕舞いなすった/火の柱(尚江)」
(10)こみあう。「後に三百余騎は―・みてありけり/愚管 6」
[可能] うちこめる
打ち込む
うちこむ【打ち込む】
(1)[くぎを]drive <a nail> <into> ;→英和
[太刀で]strike <at> ;→英和
[弾丸を]fire[shoot] <into> ;→英和
[テニスなどで]smash.→英和
(2)[熱中する]devote oneself <to> ;be absorbed <in> .
打ち返し
うちかえし [0] 【打(ち)返し】
■一■ (名)
(1)布団の綿を打ち直し,再生すること。
(2)舞台で,背景などの書割(カキワリ)の板を裏返して別の景にすること。また,その板。
(3)建築で,左右・上下が対称なこと。うってがえし。うたせがえし。
■二■ (副)
(1)反対に。逆に。「雪をこそ花とは見しか―花も雪かと見ゆる春かな/赤染衛門集」
(2)繰り返し。何度も。「―君ぞ恋しき大和なる布留の早稲田の思ひ出でつつ/後撰(恋一)」
打ち返す
うちかえす【打ち返す】
(1)[手で]strike[beat,hit]back;[拳闘]give a counterblow <to> .
(2)[波が]roll <on the shore> .→英和
(3)[綿を]rewhip.
打ち返す
うちかえ・す [3][0] 【打(ち)返す】 (動サ五[四])
(1)打たれた仕返しに相手を打つ。また,射撃し返す。「右フックを―・す」
(2)打って相手のほうに返す。「センター前に―・す」
(3)引いた波がまた寄せる。「―・す波」
(4)古い綿を再生する。打ち直す。「古綿を―・す」
(5)田畑の土を耕す。「田を―・す」
(6)ひっくり返す。逆にする。ひるがえす。「かよれる袖どもの―・す端風に/源氏(匂宮)」
(7)繰り返す。「前の世ゆかしうなむと―・しつつ/源氏(桐壺)」
[可能] うちかえせる
打ち連れて
うちつれる【打ち連れて】
<go> together.→英和
打ち連れる
うちつ・れる [0][4] 【打(ち)連れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うちつ・る
いっしょに出かける。連れ立つ。「家族―・れて出かける」
打ち過ぎる
うちす・ぎる [4][0] 【打(ち)過ぎる】 (動ガ上一)[文]ガ上二 うちす・ぐ
(1)時が過ぎる。経過する。「長らく無音に―・ぎまして」
(2)ある場所を通り過ぎる。「藤波の―・ぎがたく見えつるは/源氏(蓬生)」
(3)程度が普通以上である。度が過ぎる。「山里の人こそは身の程にはやや―・ぎ/源氏(朝顔)」
打ち過ぐす
うちすぐ・す 【打ち過ぐす】 (動サ四)
年をとる。高齢になる。「歌頭は―・したる人のさきざきするわざを/源氏(竹河)」
打ち違い
うちちがい [0] 【打(ち)違い】
(1)間違えて打つこと。うちまちがい。「タイプの―」
(2)交差すること。ぶっちがい。
打ち違う
うちちが・う [0][4] 【打(ち)違う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
(1)間違えて打つ。
(2)交差する。
■二■ (動ハ下二)
⇒うちちがえる
打ち違える
うちちが・える [0][5] 【打(ち)違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 うちちが・ふ
(1)間違えて打つ。「キーを―・える」
(2)交差させる。「紐(ヒモ)を―・えてかける」
(3)刀などで打ち合う。「懸ては―・えて死(コロ)し/太平記 16」
打ち違ひ
うちかい 【打ち交ひ・打ち違ひ】
(1)二つのものが重なり合うところ。うちちがい。うちかえ。
(2)行き交うこと。行き違い。「泉川くだる小舟の―に/新撰六帖 3」
打ち違へ
うちかえ 【打ち交へ・打ち違へ】
「うちかい(打交)」に同じ。「から衣裾の―あはねども/万葉 3482」
打ち遣る
うちや・る 【打ち遣る】 (動ラ四)
(1)うっちゃっておく。捨てておく。「わつちが方を―・つて,…みな鶴様の所へ行かんした/浄瑠璃・神霊矢口渡」
(2)遠くへ離す。向こうへやる。「かひなを枕にて―・られたる御ぐしの程/源氏(常夏)」
打ち重なる
うちかさな・る [5][0] 【打(ち)重なる】 (動ラ五[四])
(1)幾重にも重なる。「―・って散る花びら」
(2)同じことが続いて起こる。「―・る不運に耐える」
打ち金
うちきん [3][0] 【打(ち)金】
取引で,値段の違う二つの品物を引き換えるとき,不足の分を補って支払う金。
打ち鉤
うちかぎ [2] 【打ち鉤】
水戦に用いた武器の一。鉄鉤に長い柄をつけ敵船にひっかけ引き寄せるもの。
打ち開く
うちひら・く [4][0] 【打(ち)開く】 (動カ五[四])
(1)勢いよくあける。「門を―・く」
(2)広々としている。開けている。「是は聞及うだよりは―・いた景のよい庭ぢやなあ/狂言・萩大名(虎寛本)」
〔(2)は自動詞〕
打ち開ける
ぶちあ・ける [0][4] 【打ち明ける・打ち開ける】 (動カ下一)
(1)穴などを勢いよくあける。「壁に穴を―・ける」
(2)隠しごとをしないですっかり話す。「洗いざらい―・ける」
(3)中のものをすべてほうり出す。「―・けて詮議せん/浄瑠璃・千本桜」
打ち集う
うちつど・う [0][4] 【打(ち)集う】 (動ワ五[ハ四])
「集う」を強めたいい方。
打ち靡く
うちなび・く 【打ち靡く】
■一■ (動カ四)
(1)草・木・髪などが,横になる。なびき伏す。「―・く我が黒髪に霜の置くまでに/万葉 87」
(2)人が横になる。寝る。「阿騎の野に宿る旅人―・き寝(イ)も寝(ヌ)らめやも古(イニシエ)思ふに/万葉 46」
(3)相手の意に従う。「さうじみもいささか―・きて思ひ知り給ふこと有るべし/源氏(総角)」
■二■ (動カ下二)
攻撃して服従させる。「国中を―・け,剰(アマツサエ)他国へ打越んと/太平記 3」
打ち靡く
うちなびく 【打ち靡く】 (枕詞)
春になると草木が伸びてなびく意から「春」に,また,しなやかになびく草の意から地名「草香」にかかる。「―春の始めは/万葉 4360」「―草香の山を夕暮にわが越えくれば/万葉 1428」
打ち頻る
うちしき・る 【打ち頻る】 (動ラ四)
たびかさなる。たびたび…する。「あまり―・る折り折りは/源氏(桐壺)」
打ち飼ひ
うちがい 【打ち飼ひ】
(1)餌(エサ)。うちがえ。「鬼の―にこそなりつれや/保元(上)」
(2)「打ち飼い袋」の略。
打ち飼ひ袋
うちがいぶくろ 【打ち飼ひ袋】
(1)犬・鷹などの餌(エサ)を入れる,筒状の細長い袋。
(2)旅人・兵士などが携行する食糧などを入れる袋。
打ち飼へ
うちがえ 【打ち飼へ】
(1)「うちがい(打飼){(1)}」に同じ。
(2)「打ち飼い袋」に同じ。「腰に巻きし―より香箱を出せば/浮世草子・禁短気」
打ち首
うちくび [2][3] 【打(ち)首】
罪人の首を刀できり落とす刑罰。斬首(ザンシユ)の刑の通称。斬罪。
打ち騒ぐ
うちさわ・ぐ 【打ち騒ぐ】 (動ガ四)
(1)騒がしい音をたてて動く。「この女ども―・ぎて,みな,板敷にのぼりぬ/平中 17」
(2)急激に変化する。「空のけしきも―・ぎてなむ/紫式部日記」
(3)不安や期待で,胸がどきどきする。「胸―・ぎていみじく嬉しきにも涙落ちぬ/源氏(紅葉賀)」
打ち驚く
うちおどろ・く 【打ち驚く】 (動カ四)
(1)はっと目が覚める。「かの御夢に見え給ひければ―・き給ひて/源氏(若菜上)」
(2)はっと驚く。「おぼえなき折なれば―・かるれど/源氏(幻)」
打ち鮑
うちあわび 【打ち鮑】
アワビの肉を細く切り,打って薄くのばして干したもの。儀式の席の酒の肴(サカナ)に用いた。のしあわび。「一献に―,二献にえび/徒然 216」
打ち鮫
うちざめ [0] 【打ち鮫・打ち鰄】
鮫皮のように粒を打ち出した,金・銀の薄板。刀剣の装飾に用いる。打ち出し鮫。
打ち鰄
うちざめ [0] 【打ち鮫・打ち鰄】
鮫皮のように粒を打ち出した,金・銀の薄板。刀剣の装飾に用いる。打ち出し鮫。
打ち鳴す
うちな・す 【打ち鳴す】 (動サ四)
〔「なす」は「ならす」の古語〕
うちならす。「時守の―・す鼓よみみれば/万葉 2641」
打ち鳴らし
うちならし [0] 【打(ち)鳴らし】
仏具の一。金属製の打楽器,磬(キン)・鈴(リン)などをいう。
打ち鳴らす
うちなら・す [4][0] 【打(ち)鳴らす】 (動サ五[四])
たたいて鳴らす。「半鐘を―・す」
打ち麻
うちそ 【打ち麻】
打って柔らかくした麻。うつそ。「少女(オトメ)らが績麻(ウミオ)のたたり―懸け績(ウ)む時なしに恋ひ渡るかも/万葉 2990」
打ち麻やし
うちそやし 【打ち麻やし】 (枕詞)
〔「や」「し」は詠嘆の助詞〕
「打ち麻を績(ウ)む」意から「麻を績(ウミ)」の約の「をみ」にかかる。うつそやし。「―をみの子ら/万葉 3791」
打ち麻を
うちそを 【打ち麻を】 (枕詞)
「打ち麻を績む」意から,「麻績(オミ)王」にかかる。「―麻績王海人(アマ)なれや/万葉 23」
打っ
ぶっ 【打っ】 (接頭)
〔動詞「打(ブ)つ」の連用形「ぶち(打)」の転〕
動詞に付いて,その意味を強める。また,激しい勢いでその動作をする意を表す。「―とばす」「―倒れる」「―倒す」「―こわす」
打っこ抜く
ぶっこぬ・く [4][0] 【打っこ抜く】 (動カ五[四])
(1)勢いよく抜く。抜き取る。「大根を―・く」
(2)穴をあける。また,仕切りなどを取り去って,ひと続きにする。ぶちぬく。「三部屋―・いて宴会をする」
打って一丸(イチガン)となる
打って一丸(イチガン)とな・る
すべての人がひとまとまりになる。「全員―・って頑張る」
打って付け
うってつけ [0] 【打って付け】 (名・形動)
〔釘で打ち付けたようにぴったり合う意から〕
条件や役割にぴったり合っている・こと(さま)。あつらえむき。「そういう役には―の人物がいる」
打って付けの人
うってつけ【打って付けの人】
the right man in the rigth place;just the man <for the position> .→英和
打って出る
うってでる【打って出る】
[選挙に] <米> run for; <英> stand for <the Diet> ;[政界に]enter upon <a political career> .
打って出る
うって・でる [1] 【打って出る】 (動ダ下一)
(1)攻撃に出る。「城から―・でる」
(2)進んで活動の場に出て行く。「選挙に―・でる」
打って変る
うってかわ・る [1] 【打って変(わ)る】 (動ラ五[四])
それまでと全く変わる。「―・って強硬な態度に出る」
打って変わる
うってかわ・る [1] 【打って変(わ)る】 (動ラ五[四])
それまでと全く変わる。「―・って強硬な態度に出る」
打って変わる
うってかわる【打って変わる】
change completely;[人間が]become a different man.
打って掛かる
うってかかる【打って掛かる】
strike <at> .→英和
打って替え
うってがえ [0] 【打って替え】
(1)入れかわること。交替すること。ひきかえ。「此度は―に饑饉疫病の流行するは/日本開化小史(卯吉)」
(2)囲碁で,自分の石一つを犠牲にして取らせ,その取られた石のあとに再び打って逆に相手の石の一団を取ってしまうこと。または,そうなる石の形。打って返し。
打って返し
うってがえし [4] 【打って返し】
「打って替え{(2)}」に同じ。
打っ付かる
ぶっつか・る [0] 【打っ付かる】 (動ラ五[四])
「ぶつかる」を強めていう語。「電柱に―・る」
[可能] ぶっつかれる
打っ付け
ぶっつけ [0] 【打っ付け】
■一■ (名)
(1)準備や予告なしに,物事をいきなりすること。「余り―で失礼だ」
(2)包み隠さないこと。遠慮しないこと。「―に話す」「―にことわる」
(3)江戸吉原で,揚代一分の女郎。「―有れば櫓下佃島あり/洒落本・辰巳之園」
■二■ (副)
初めから。いきなり。「おらあ,あの手があれば芝居へ出て―二枚目/滑稽本・八笑人」
打っ付ける
ぶっつ・ける [0] 【打っ付ける】 (動カ下一)
〔「ぶちつける」の転〕
(1)激しくぶつける。強く当てる。「車を電柱に―・けてしまった」
(2)釘・金槌(カナヅチ)などでしっかりと止める。うちつける。「ガラスの代わりに板を―・ける」
(3)遠慮や隠し事をしないで,心にあることをすべて表す。「―・けた話が恁うだ/婦系図(鏡花)」
打っ付け書き
ぶっつけがき [0] 【打っ付け書き】
下書きをしないで,すぐに書くこと。また,書いたもの。
打っ付け本番
ぶっつけほんばん [0] 【打っ付け本番】
(1)映画・演劇で,リハーサルやテストなしですぐ撮影・上演すること。
(2)準備なしにいきなり始めること。「時間がないから―で行こう」
打っ伏す
うっぷ・す [3] 【打っ伏す・打っ臥す】 (動サ五[四])
〔「うちふす」の転〕
うつぶせになる。「畳に―・して寝る」
打っ倒す
ぶったお・す [4] 【打っ倒す】 (動サ五[四])
勢いよくたおす。また,「たおす」の乱暴な言い方。「じゃまな木は―・してしまえ」
[可能] ぶったおせる
打っ倒れる
ぶったお・れる [5][0] 【打っ倒れる】 (動ラ下一)
勢いよくたおれる。また,「たおれる」の乱暴な言い方。「強烈な右パンチを受けて―・れた」
打っ切り
ぶっきり [0] 【打っ切り】
(1)ぶっ切ること。また,そうして切ったもの。
(2)「ぶっきり飴」の略。
打っ切り棒
ぶっきりぼう [4] 【打っ切り棒】
(1)水飴(ミズアメ)を煮つめて回転させ,白くのばして切った棒状のあめ。
(2)「ぶっきら棒」に同じ。「さく花に―の翁哉/七番日記」
打っ切り飴
ぶっきりあめ [4] 【打っ切り飴】
棒状にした固い飴を小口切りにしただけのもの。ぶっきり。
打っ切る
ぶっき・る [3] 【打っ切る】 (動ラ五[四])
勢いよく切る。激しい力で切る。「魚の頭を―・る」
[可能] ぶっきれる
打っ千切り
ぶっちぎり [0] 【打っ千切り】
競走で,大差をつけて勝つこと。「―のトップ」
打っ千切る
ぶっちぎ・る [4] 【打っ千切る】 (動ラ五[四])
(1)強くちぎる。また,「ちぎる」の乱暴な言い方。「―・ったような雲」
(2)(主に競馬で)大差をつけて勝つ。
[可能] ぶっちぎれる
打っ叩く
ぶったた・く [4] 【打っ叩く】 (動カ五[四])
乱暴にたたく。また,「たたく」の乱暴な言い方。「ひとつ,―・いてやろうか」
[可能] ぶったたける
打っ壊す
ぶっこわ・す [4][0] 【打っ壊す・打っ毀す】 (動サ五[四])
〔「ぶちこわす」の転〕
「壊す」を乱暴に言った語。
[可能] ぶっこわせる
打っ手切る
ぶったぎ・る [4] 【打っ手切る】 (動ラ五[四])
勢いよく切る。荒っぽく切る。「じゃまな枝を―・る」
[可能] ぶったぎれる
打っ手繰り
ぶったくり [0] 【打っ手繰り】
強引に奪い取ること。強奪。
打っ手繰る
ぶったく・る [4] 【打っ手繰る】 (動ラ五[四])
(1)強引に奪いとる。ひったくる。「抱えていた袋を―・られた」
(2)法外に高い料金をとる。ふんだくる。「バーで―・られた」
[可能] ぶったくれる
打っ掛け
ぶっかけ [0] 【打っ掛け】
(1)ぶっかけること。また,斬りかかること。「手討にでも―にでも勝手にしやあがれ/歌舞伎・八重霞曾我組糸」
(2)汁をかけただけの食べ物。特に,「ぶっかけそば」のこと。「寒(サブ)いから―を食ひてえの/滑稽本・浮世風呂 2」
打っ掛ける
ぶっか・ける [4][0] 【打っ掛ける】 (動カ下一)
乱暴にあびせかける。「水を―・ける」「砂を―・ける」
打っ掛け蕎麦
ぶっかけそば [5] 【打っ掛け蕎麦】
かけそばのこと。
打っ放す
ぶっぱな・す [4] 【打っ放す】 (動サ五[四])
〔「ぶちはなす」の転〕
(1)勢いよく発射する。「銃を―・す」
(2)斬り殺す。「―・さんにも刀のけがれ/桐一葉(逍遥)」
[可能] ぶっぱなせる
打っ散らかす
ぶっちらか・す [5] 【打っ散らかす】 (動サ五[四])
〔「ぶっ」は接頭語〕
乱雑にちらかす。
打っ棄る
うっちゃ・る [3] 【打っ遣る・打っ棄る】 (動ラ五[四])
〔「打ち遣(ヤ)る」の転〕
(1)投げすてる。すてる。「ごみを―・る」
(2)そのまま手をつけずにほうっておく。ほったらかす。「そんなことはしばらく―・っておけ」
(3)相撲で,土俵際まで攻められた力士が,からだをひねって相手を土俵の外に投げ出す。「寄りをこらえて右に―・る」
[可能] うっちゃれる
打っ欠き
ぶっかき [0] 【打っ欠き】
たたいて欠くこと。またそのもの。特に,氷を小さく砕いたもの。「氷を―にする」
打っ欠く
ぶっか・く [3][0] 【打っ欠く】 (動カ五[四])
〔「ぶちかく」の転〕
一部分を欠く。たたいて欠き取る。「氷を―・く」「一つで千両一文―・いても売らず/咄本・鹿の子餅」
打っ殺す
ぶっころ・す [4][0] 【打っ殺す】 (動サ五[四])
〔「ぶちころす」の転〕
「殺す」を強めた語。「四の五のぬかすと―・すぞ」
打っ毀す
ぶっこわ・す [4][0] 【打っ壊す・打っ毀す】 (動サ五[四])
〔「ぶちこわす」の転〕
「壊す」を乱暴に言った語。
[可能] ぶっこわせる
打っ潰す
ぶっつぶ・す [4][0] 【打っ潰す】 (動サ五[四])
勢いよくつぶす。また,「つぶす」の乱暴な言い方。「こんな小屋は―・せ」
[可能] ぶっつぶせる
打っ続け
ぶっつづけ [0] 【打っ続け】
ずっと続けること。「三日間―の審議」
打っ締める
ぶっち・める 【打っ締める】 (動マ下一)
(1)押さえつける。締めつける。動けないようにする。「まんまと烏はわれら―・めました/黄表紙・魚鳥塩梅吉」
(2)手に入れる。奪う。ものにする。「今夜あの娘を―・めて見せやう/滑稽本・膝栗毛 2」
(3)こらしめる。とっちめる。「とてもの事に―・めてやらう/歌舞伎・忠臣蔵年中行事」
打っ臥す
うっぷ・す [3] 【打っ伏す・打っ臥す】 (動サ五[四])
〔「うちふす」の転〕
うつぶせになる。「畳に―・して寝る」
打っ裂き
ぶっさき [0] 【打っ裂き】
「ぶっさきばおり(打裂羽織)」に同じ。
打っ裂く
ぶっさ・く [3] 【打っ裂く】 (動カ五[四])
力まかせに引き裂く。
打っ込み
ぶっこみ [0] 【打っ込み】
(1)ぶっこむこと。
(2)ぶっこみ釣り。また,その仕掛け。
打っ込み釣
ぶっこみづり [0] 【打っ込み釣(り)】
魚の釣り方の一。浮きを用いず,おもりを付けた仕掛けを投入し,餌(エサ)を底に静止させて釣る方法。ぶっこみ。
打っ込み釣り
ぶっこみづり [0] 【打っ込み釣(り)】
魚の釣り方の一。浮きを用いず,おもりを付けた仕掛けを投入し,餌(エサ)を底に静止させて釣る方法。ぶっこみ。
打っ込む
ぶっこ・む [3][0] 【打っ込む】 (動マ五[四])
〔「ぶちこむ」の転〕
(1)うちこむ。うって入れる。「くいを―・む」
(2)なげこむ。たたきこむ。「海に―・む」
(3)無造作に,または荒々しく入れる。つっこむ。「肉も野菜もそのまま―・んで煮る」
(4)刀を無造作に腰に差す。「腰に脇差を―・む」
打っ通し
ぶっとおし [0] 【打っ通し】
(1)途中で休まずに初めから終わりまで続けること。ぶっつづけ。「昼夜―の猛練習」
(2)仕切りなどをすっかり取り除くこと。ぶちぬき。「広間を―にする」
打っ通す
ぶっとお・す [3][0] 【打っ通す】 (動サ五[四])
(1)貫通させる。とおす。「五寸釘を壁に―・す」
(2)ずっと休まずに続ける。「会議を午前午後―・して行う」
(3)仕切りを取り払って連続させる。「三部屋を―・して宴を張る」
[可能] ぶっとおせる
打っ違い
ぶっちがい [0] 【打っ違い】
(ななめに)交差させること。すじかい。「―に旗をたてる」
打っ違え
ぶっちがえ [0] 【打っ違え】
「ぶっちがい」に同じ。「鷹の羽の―の家紋」
打っ遣らかす
うっちゃらか・す [5] 【打っ遣らかす】 (動サ五[四])
物事を処理しきらないままほうり出しておく。ほったらかす。「仕事を―・して遊びに行く」
打っ遣る
うっちゃ・る [3] 【打っ遣る・打っ棄る】 (動ラ五[四])
〔「打ち遣(ヤ)る」の転〕
(1)投げすてる。すてる。「ごみを―・る」
(2)そのまま手をつけずにほうっておく。ほったらかす。「そんなことはしばらく―・っておけ」
(3)相撲で,土俵際まで攻められた力士が,からだをひねって相手を土俵の外に投げ出す。「寄りをこらえて右に―・る」
[可能] うっちゃれる
打っ飛ばす
ぶっとば・す [4] 【打っ飛ばす】 (動サ五[四])
(1)強く遠くまで飛ばす。「ホーム-ランを―・す」
(2)なぐりとばす。「あんななまいきな奴,―・してやれ」
(3)勢いよく車を走らせる。「時速一五〇キロで―・す」
[可能] ぶっとばせる
打っ飛ぶ
ぶっと・ぶ [3] 【打っ飛ぶ】 (動バ五[四])
勢いよく飛ぶ。ふっとぶ。「土俵の外に―・ぶ」
打っ魂消る
ぶったま・げる [5] 【打っ魂消る】 (動ガ下一)
ひどくたまげる。「いやもう,―・げたのなんのって」
打つ
ぶつ【打つ】
strike;→英和
beat;→英和
spank (罰として尻を).→英和
打つ
う・つ [1] 【打つ】
■一■ (動タ五[四])
□一□
(1)ある物を他の物に勢いよく当てて衝撃を与える。たたく。「ボールを―・つ」「二塁打を―・つ」「手で頬(ホホ)を―・つ」「馬ないたく―・ちてな行きそ/万葉 263」
(2)不注意などにより,体の一部を何かにぶつける。「転んで頭を―・った」
(3)雨などが強くぶつかる。「雨が窓を―・つ」
(4)心に衝撃を与える。感動させる。「心を―・つ話」
(5)たたいて音を出す。「太鼓を―・つ」「手を―・って人を呼ぶ」「柱時計が正しく正午を―・つ」
(6)何かをたたいているように動く。「動悸(ドウキ)を―・つ」「脈を―・つ」
(7)たたいたり押したりして中に入れる。「柱に釘を―・つ」「杭を―・つ」「鍼(ハリ)を―・つ」
(8)釘などでとめて動かないようにする。「楔(クサビ)を―・つ」「表御門・裏御門,両方―・ちたる館/浄瑠璃・忠臣蔵」
(9){(1)}の動作によって物を作るなどの仕事をする。
(ア)(キーをたたくことから)電報を発信する。「祝電を―・つ」
(イ)たたくような動作によって作る。「そばを―・つ」
(ウ)(「擣つ」とも書く)繊維を砧(キヌタ)などでたたいて,柔らかくしたり艶(ツヤ)を出したりする。「衣を―・つ」「綿を―・つ」「今様色の二なく―・ちたるなど/源氏(野分)」
(エ)たたいて延ばす。「金箔を―・つ」
(オ)金属をたたいてきたえて作る。「刀を―・つ」(カ)(鍬(クワ)などを上げて下ろす動作から)たがやす。「田を―・つ」(キ)刃物でたたくような動作で切る。また,そうして作る。「面を―・つ」「首を―・つ」「佐野山に―・つや斧音(オノト)の遠かども/万葉 3473」
→討つ
(ク)筆などで記す。「点を―・つ」(ケ)将棋の駒や碁石を勢いよく盤面に置く。「王の頭に金を―・つ」
(10)強く投げ出して広げる。また,当てる。「投網(トアミ)を―・つ」「庭に水を―・つ」「つぶてを―・つ」
(11)勝負事や博打(バクチ)をする。「博打を―・つ」「双六をぞ―・ち給ふ/源氏(常夏)」
(12)ある動作・行為をする。
(ア)(効果的な)手だてを講ずる。「―・つ手がない」
(イ)内金を支払う。「手金(テキン)を―・つ」
(ウ)大きな,荒々しい動作をする。「とんぼ返りを―・つ」「投げを―・つ」「なだれを―・つ」
(エ)巡礼をする。「西国を―・つ」
(13)〔小屋を掛けるための杭を立てる意から〕
芝居・相撲などの興行をする。
(14)紐(ヒモ)・緒(オ)などを組む。「緒を―・つ」
(15)縄などをかけてしばる。「悪人に縄を―・つ」
(16)石をぶつけて火を出す。「折々に―・ちて焚く火の煙あらば/貫之集」
(17)構え作る。設ける。「賀茂川の辺にさじき―・ちて/宇津保(藤原君)」「舞台の左右(ソウ)にひらばり―・ちて/源氏(若菜上)」
[可能] うてる
■二■ (動タ下二)
〔「打たれる」の意〕
(1)圧倒される。負ける。「このたびは壇光―・てにけり/著聞 16」
(2)おしつぶされる。「軍兵共五百余人,一人も残らず圧(オシ)に―・てて死にけり/太平記 13」
(3)神の罰をうける。「式に―・てて死に侍りぬ/宇治拾遺 2」
(4)納得する。合点がいく。「さすがの武士も―・てぬ顔/浄瑠璃・天の網島(上)」
[慣用] 相槌(アイヅチ)を―・裏を―・極印を―・心を―・舌鼓(シタツヅミ)を―・反りを―・手を―・雪崩(ナダレ)を―・波を―・逃げを―・寝返りを―・鼻を―・膝を―・ピリオドを―・不意を―・耳を―・胸を―・面を―
打つ
ぶ・つ [1] 【打つ】 (動タ五[四])
〔「うつ」の転〕
(1)悪意をもって人をたたく。なぐる。「頭を―・たれる」
(2)「語る」「演説する」などの意を強めていう語。「一席―・つ」
(3)博打(バクチ)をする。「―・つに買ふあいそうこそうつきたどら/柳多留 4」
[可能] ぶてる
打つかり稽古
ぶつかりげいこ [5] 【打つかり稽古】
相撲で,実戦さながらにぶつかりあってする激しい稽古。
打つかる
ぶつか・る [0] 【打つかる】 (動ラ五)
(1)勢いよく突き当たる。「トラックとタクシーが―・った」「岩に―・った波が砕ける」
(2)障害となるものに出会う。「難問に―・る」「夕方のラッシュに―・る」
(3)対立する。争う。「進学をめぐって父親と―・る」
(4)困難に立ち向かう。捨て身で物事に対する。「逃げないで正面から―・ってゆく」
(5)重なる。かち合う。「二つの会議が―・る」
[可能] ぶつかれる
打つ手
うつて [1] 【打つ手】
とるべき手段・方法。「―がない」
打つ立つ
うった・つ 【打つ立つ】
〔「うちたつ」の転〕
■一■ (動タ四)
(1)出発する。出陣する。「いそぎの旅なれば,暁より―・ちてあるく也/中華若木詩抄」
(2)「立つ」を強めて言う。「判官みぎはに―・つて,馬の息休めておはしけるが/平家 11」
■二■ (動タ下二)
立てる。「まづ白旗…黒坂のうへにぞ―・てたる/平家 7」
打てば響く
打てば響・く
すぐ,その反応・効果が現れる。「―・くような返答」
打ん投げる
ぶんな・げる [4] 【打ん投げる】 (動ガ下一)
強く投げる。乱暴に投げる。「相手の力士を―・げる」
打ん殴る
ぶんなぐ・る [4] 【打ん殴る】 (動ラ五[四])
強くなぐる。「思い切り―・る」
[可能] ぶんなぐれる
打上げ
うちあげ【打上げ】
(1) shooting[sending]up;launch <of a spaceship> ;→英和
a display <of fireworks> .→英和
(2)[終演]the close <of a run> .→英和
‖打上げ花火 a skyrocket.
打上げ
うちあげ [0] 【打(ち)上げ】
(1)(「打ち揚げ」とも書く)打って高く上げること。「ロケットの―」
(2)事業や興行を終えること。また,その終了の宴。「工事完了の―をする」
(3)「打ち上げ花火」の略。
(4)囲碁で,相手の死に石を盤上から取り上げること。
打上げる
ぶちあ・げる [0] 【打(ち)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 ぶちあ・ぐ
(1)大きなことを言う。大風呂敷を広げる。「遷都論を―・げる」
(2)取り上げる。奪う。「海道筋の御器の実を―・げ/浄瑠璃・丹波与作(中)」
(3)すっかりあげる。「此頃はおつな所へはまつて血道を―・げて騒いでゐるが/滑稽本・浮世床(初)」
打上げる
うちあ・げる [0][4] 【打(ち)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 うちあ・ぐ
(1)(「打ち揚げる」とも書く)空高く上げる。「花火を―・げる」「ロケットを―・げる」
(2)〔太鼓を打ち終わる意から〕
芝居・相撲などの興行を終える。「一五日間の興行を―・げる」
(3)波が物を陸地に運ぶ。「難破船を―・げる」
(4)囲碁で,相手の死に石を取り上げる。
(5)酒宴や管弦を盛んに行なって遊ぶ。「七日七夜,豊明りして,―・げ遊ぶ/宇津保(藤原君)」
(6)乗っている馬を川などから陸地に上がらせる。「はるかの下より―・げたり/平家 9」
(7)声を張り上げる。ことさらに大声を出す。「われもわれもと―・げたる伴僧の声々/紫式部日記」
打上げ簾
うちあげすだれ [5] 【打(ち)上げ簾】
乗り物の一。左右に引き戸がなく簾を上げて出入りする乗り物。打ち上げ乗り物。うちあげ。
打上げ花火
うちあげはなび [5] 【打(ち)上げ花火】
筒に込め,空中高く打ち上げて開くようにした花火。室町末期に伝来。揚げ花火。
→仕掛け花火
打下ろす
うちおろ・す [4][0] 【打(ち)下ろす】 (動サ五[四])
(1)(太刀・槌(ツチ)などを)上の方から勢いよく下ろす。
(2)すっと下ろす。「轅(ナガエ)ほうと―・すを/枕草子 25」
打交わす
うちかわ・す [0][4] 【打(ち)交わす】 (動サ五[四])
(1)互いに打つ。打ち合う。「礼砲を―・す」
(2)交換する。「別離の言葉が―・される/春潮(花袋)」
(3)重ね合わせる。交える。「白雲に羽―・しとぶ雁の/古今(秋上)」
打付ける
うちつ・ける [4][0] 【打(ち)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちつ・く
(1)強く打つ。ぶつける。「柱に頭を―・ける」「コップを床に―・ける」
(2)釘(クギ)などで打って固定する。「塀に板を―・ける」
(3)強く当たる。「窓に―・ける雨」
(4)「付ける」を強めた言い方。「はかなき疵(キズ)も―・けられなば由なし/今昔 28」
(5)無遠慮にする。「―・けたる文章/浮世草子・五人女 3」
打付け書き
うちつけがき [0] 【打(ち)付け書き】
(1)書簡文で時候の挨拶(アイサツ)を略してすぐに用件を書くこと。
(2)書簡の上書きに脇付をしないこと。
(3)下書きなしでいきなり書くこと。
打付け錠
うちつけじょう [4] 【打(ち)付け錠】
箪笥(タンス)の引き出しや扉などに打ちつけた飾りのついた錠。
打任す
うちまか・す [0] 【打(ち)任す】
■一■ (動サ五[四])
まかせる。ゆだねる。「倚(ヨ)りすがるものに何もかも―・して/星座(武郎)」
■二■ (動サ下二)
(1){■一■}に同じ。「天下の政良相に―・せてありけるに/愚管 3」
(2)普通である。珍しくない。「この病の有様―・せたる事にあらず/宇治拾遺 4」
打伏す
うちふ・す [0][3] 【打(ち)伏す・打ち臥す】
■一■ (動サ五[四])
(1)顔を物の上につけて伏せる。「机に―・して泣く」
(2)横になる。寝る。「―・すこと五,六日にしてつひにはかなくなりにけり/平家 6」
■二■ (動サ下二)
打って倒す。「数多(アマタ)して手負ほせ―・せて/徒然 87」
打倒
だとう [0] 【打倒】 (名)スル
打ち倒すこと。打ち負かすこと。「宿敵を―する」
打倒す
うちたお・す [4][0] 【打(ち)倒す】 (動サ五[四])
(1)なぐり倒す。「暴漢を―・す」
(2)(「撃ち倒す」とも書く)銃砲で撃って倒す。
(3)「倒す」を強めたいい方。「部屋の戸―・して/落窪 2」
[可能] うちたおせる
打倒する
だとう【打倒する】
overthrow.→英和
打傷
うちきず [3][2] 【打(ち)傷】
強く打たれたり,ぶつかったりしてできた傷。打撲傷。
打傷
うちきず【打傷】
a bruise.→英和
打出し
うちだし【打出し】
[興行の]the close;→英和
[細工]embossed work.
打出し
うちだし [0] 【打(ち)出し】
(1)〔その合図として太鼓を打つことから〕
演劇や相撲などの一日の興行の終わり。
(2)打ち出した器物・模様。また,その方法。
(3)江戸時代,検地の結果,表高(オモテダカ)より余分に出た分。増し分。出目(デメ)。
打出し太鼓
うちだしだいこ [5] 【打(ち)出し太鼓】
芝居や相撲などで,一日の興行の終わりを告げる大太鼓。
打出し彫り
うちだしぼり [0] 【打(ち)出し彫り】
金属の裏から打って表へ模様を浮き出させる細工。
打出し鮫
うちだしざめ [4] 【打(ち)出し鮫】
「打ち鮫(ザメ)」に同じ。
打出す
うちだ・す [3][0] 【打(ち)出す】 (動サ五[四])
(1)打って中の物を外へ出す。「弾丸を―・す」
(2)打ちはじめる。「太鼓を―・す」
(3)金属塊や板金を槌(ツチ)で打ち延ばして成形し,器物を作る。また,裏からたたいて模様などを表す。
(4)主義主張や新しい考えなどを,はっきり示す。「新しい方針を―・す」
(5)興行の終わりを知らせる太鼓を打つ。「―・す太鼓に送られて帰る」
[可能] うちだせる
打出の小槌
うちでのこづち【打出の小槌】
a mallet of luck;a cornucopia;→英和
an Aladdin's lamp.
打出の浜
うちでのはま 【打出の浜】
滋賀県大津市琵琶湖岸の地名。うちいでのはま。((歌枕))「近江なる―のうちいでつつうら見やせまし人の心を/拾遺(恋五)」
〔多く「胸中を口に出す」意をかけて歌われる〕
打刀
うちがたな [3] 【打(ち)刀】
(足緒(アシオ)で腰に吊(ツ)る太刀に対して)刃の側を上にして腰に差す刀。抜く動作と斬る動作が一連になる利点がある。元来は下卒が用いたものであるが,戦国時代には平時の差し料として武将たちも常用するようになり,やがて,大小拵(ダイシヨウゴシラエ)を生むに至った。
打ち刀[図]
打切り
うちきり [0] 【打(ち)切り】
途中でやめること。中止。「仕事はこれで―にする」
打切り補償
うちきりほしょう [5] 【打(ち)切り補償】
療養補償を受ける労働者が,療養開始後三年を経過しても全快しない場合に,使用者から受ける災害補償。平均賃金の一二〇〇日分とし,使用者は以後の補償義務を免れる。
打切る
うちき・る [3][0] 【打(ち)切る】 (動ラ五[四])
(1)激しい勢いで切る。たたき切る。「木の枝を―・る」
(2)物事を途中でやめにする。中止する。「討議を―・る」「先着五〇〇名で―・る」
[可能] うちきれる
打刻
だこく [0] 【打刻】 (名)スル
(1)(硬いものに)数字や文字を打ち記すこと。「製造年月を―する」
(2)タイム-レコーダーなどで時刻を打ち記すこと。「九時ちょうどに―する」
打割る
うちわ・る [0][3] 【打(ち)割る】 (動ラ五[四])
(1)打って割る。たたき割る。「扉を―・って中に乱入する」
(2)包み隠さず言う。打ち明ける。「―・って言えば」
[可能] うちわれる
打力
だりょく [0] 【打力】
(1)打つ力。打撃力。
(2)野球で,打撃の能力。「―に勝る選手を選ぶ」
打勝つ
うちか・つ [3][0] 【打(ち)勝つ】 (動タ五[四])
(1)(戦争・勝負などで)相手を破る。勝つ。「強敵に―・つ」
(2)(多く「打ち克つ」と書く)困難や苦しみなどを乗り越える。克服する。「病に―・つ」
(3)球技などで,相手と打ち合って勝つ。
⇔打ち負ける
[可能] うちかてる
打取る
うちと・る [3][0] 【打(ち)取る・討(ち)取る】 (動ラ五[四])
(1)武器などを使って敵を殺す。《討取》「大将を―・った」
(2)勝負で相手に勝つ。《打取》「三振に―・る」
(3)攻めて奪い取る。「唐土(モロコシ)の帝…この国―・らむとて/枕草子 244」
(4)賭けに勝って手に入れる。「―・りたる侍は,忽に便(タヨリ)有る妻(メ)を儲て/今昔 16」
(5)つかまえる。とらえる。「虫―・りてゐたりけるに/宇治拾遺 3」
[可能] うちとれる
打合い
うちあい [0] 【打(ち)合い】 (名)スル
(1)互いに打つこと。
(2)(多く「撃ち合い」と書く)互いに射撃すること。「艦砲の激しい―」
(3)互いに技をしかけること。「投げの―」
(4)「打ち合わせ{(2)}」に同じ。
打合う
うちあ・う [3][0] 【打(ち)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いに打つ。「ホームランを―・う」「投げを―・う」
(2)(多く「撃ち合う」と書く)銃・砲を両方から発射する。「ピストルを激しく―・う」
(3)二つ以上の物事がうまく適合する。「もとの品,時世の覚え―・ひ/源氏(帚木)」
(4)敵対する。対抗する。「人いと多くて―・ふべくもあらねば/落窪 2」
[可能] うちあえる
打合せ
うちあわせ【打合せ】
an arrangement;→英和
arrangements (手はず).〜をする arrange[make arrangements] <for> ;→英和
fix <the time> .→英和
‖打合せ会(を開く) (hold) a preliminary meeting[conference];(hold) a consultation <with> .
打合せ
うちあわせ [0] 【打ち合(わ)せ・打合せ】 (名)スル
(1)事前の相談。下相談。「会議の議題を―する」
(2)衣服の明きの,左右が重なり合う部分。打ち合い。
(3)ぴったり合うようにすること。似合うこと。「―の夫婦とはなりける/鶉衣」
(4)地歌・箏曲(ソウキヨク)の用語。
(ア)二挺(チヨウ)の三弦または三弦と箏が,同じ(ないし近似)の旋律を半拍ずつずらして合奏すること。
(イ)おのおの独立しているが同一の拍数で作られた二曲(または三曲)を合奏すること。
打合せる
うちあわ・せる [5][0] 【打ち合(わ)せる・打合せる】 (動サ下一)[文]サ下二 うちあは・す
(1)物と物とをぶつける。「火打ち石を―・せる」
(2)前もって相談する。下相談する。「旅行の日程を―・せる」
(3)合奏する。合唱する。「物の上手とおぼしき限りとりどりに―・せたる拍子/源氏(椎本)」
打坐
たざ [1] 【打坐】
〔「打」は行為をなす意〕
〔仏〕 すわること。座禅すること。「只管(シカン)―」
打垂れ髪
うちたれがみ 【打(ち)垂れ髪】
結い上げずに,垂らした髪。中古・中世の婦人または小児の普通の髪形。
打壊し
うちこわし [0] 【打(ち)壊し・打ち毀し】
(1)たたきこわすこと。とりこわし。
(2)江戸時代,中下層の百姓・町人が群集して豪農・米穀商・高利貸しらの家屋・家財などを破壊すること。一八世紀半ばから都市の米騒動を中心に,百姓一揆や幕末の世直し騒動の中で多くみられた。
打壊す
うちこわ・す [4][0] 【打(ち)壊す・打ち毀す】 (動サ五[四])
(1)物をたたきこわす。「土蔵を―・す」
(2)既存の思想・計画などを努力して取り除く。「古い道徳観を―・す」
[可能] うちこわせる
打外す
うちはず・す [0][4] 【打(ち)外す】 (動サ五[四])
(1)打ち損なう。打ち誤る。
(2)打って外す。「矢庭に閂木(カンヌキ)を―・し/近世紀聞(延房)」
(3)失敗する。やり損なう。「こたみだに,げに又―・してはいかさまにせむと/増鏡(北野の雪)」
打太刀
うちだち [0][3] 【打(ち)太刀】
(1)剣道の型を演じるとき,動作を仕掛ける方の人。
(2)実戦用の太刀。「赤銅作りの―,足緒長に結び下げ/浄瑠璃・栬狩」
打寄せる
うちよ・せる [4][0] 【打(ち)寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 うちよ・す
(1)波が岸に寄せてくる。「岸に―・せる波」
(2)波が岸に物を運ぶ。「岸辺に―・せられた流木」
(3)攻め寄せる。おしよせる。「ひたひたと―・せる敵軍」
(4)乗った馬を近づける。「御馬を…いとちかう―・せさせ給て/大鏡(道長)」
打崩す
うちくず・す [4][0] 【打(ち)崩す】 (動サ五[四])
(1)打って相手の備えなどを崩す。特に野球で,安打を続けて,相手チームの投手を降板させる。「エースを―・す」
(2)形・考え・雰囲気などをこわす。「既成の概念を―・す」
[可能] うちくずせる
打席
だせき [0] 【打席】
野球で,バッター-ボックスのこと。また,打者がそこに立つこと。アット-バット。
打席
だせき【打席】
《野》at bat <a.b.> .
打席数
だせきすう [3] 【打席数】
野球で,打者がバッター-ボックスに入って打撃を完了した回数。
→打数
打延べ
うちのべ [0] 【打(ち)延べ】
(1)うってのばすこと。
(2)金属だけで煙管(キセル)をつくること。また,そのような煙管。
打弦楽器
だげんがっき [4] 【打弦楽器】
弦をハンマーや桴(バチ)などで打って音を発する楽器。ピアノ・洋琴など。
打当てる
うちあ・てる [0][4] 【打(ち)当てる】 (動タ下一)[文]タ下二 うちあ・つ
「当てる」を強めた言い方。「かべにボールを―・てる」「鴨居(カモイ)に頭を―・てる」
打忘れる
うちわす・れる [0][5] 【打(ち)忘れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うちわす・る
すっかり忘れる。「帰る時刻も―・れ/ふらんす物語(荷風)」
打成一片
たじょういっぺん タジヤウ― 【打成一片】
(1)〔仏〕 禅宗で,座禅によって実現する,自他・内外・心身などの諸対立が消滅し,すべてが一体となった悟りの心境。座禅に没頭すること。
(2)一切を忘れて専心すること。「―ニ学文ヲスル/日葡」
打扇
うちおうぎ [3] 【打(ち)扇】
能楽の舞台で用いる扇。
打手
うちて [3] 【打(ち)手・討(ち)手】
(1)銃砲を撃つ人。射手。
(2)鉦(カネ)・太鼓などを鳴らす役。また,その人。
(3)博打(バクチ)・すごろく・碁などを打つ人。また,その技にすぐれた人。
(4)(「討ち手」と書く)「うって(討手)」に同じ。「百三十余人が首切つて,―の交名(キヨウミヨウ)記(シル)いて/平家 9」
打打
ちょうちょう チヤウチヤウ [1][0] 【丁丁・打打】 (副)
物を続けて強く打つ音を表す語。「突然(イキナリ)鉄拳(ゲンコツ)を振ひ―と打たれて/怪談牡丹灯籠(円朝)」
打払い
うちはらい [0] 【打(ち)払い】
(1)たたいてほこりなどを払うこと。「蔀(シトミ)打上げ此彼(ココカシコ)―などして/今昔 29」
(2)ほこりを払う道具。はたき。塵(チリ)払い。
(3)銃砲などを撃って追い払うこと。「異国船―」
打払う
うちはら・う [4][0] 【打(ち)払う】 (動ワ五[ハ四])
(1)さっとはらう。「袖(ソデ)を―・う」
(2)たたいてはらう。「ほこりを―・う」
(3)(「撃ち払う」とも書く)大砲などを撃って追い払う。「異国船を―・う」
(4)(敵を)攻めて追い払う。平定する。「せめいりて,…やすやすと―・ひてけり/愚管 5」
[可能] うちはらえる
打抜き
うちぬき [0] 【打(ち)抜き】
(1)板金・厚紙などに型を当てて強く打ち,その型どおりに抜くこと。
(2)境界を取り除くこと。「八畳間二つを―にした宴会場」
(3)芝居の大道具で,樹木・建物などにかたどったもの。
(4)包み隠さないこと。正直。「―の実事はかくいてもかくれなし/浮世草子・男色十寸鏡」
打抜き綴じ
うちぬきとじ [0] 【打(ち)抜き綴じ】
製本で,折りの端近くに穴をあけて糸・針金などを通してとじる仕方。
打抜く
うちぬ・く [3][0] 【打(ち)抜く・打ち貫く】 (動カ五[四])
(1)厚紙や板金などに型を当て,強く打って,その型どおりの穴をあける。「プレスで鉄板を―・く」
(2)境界になっているものを取り除く。ぶちぬく。「二間を―・いて祝宴を催す」
(3)予定どおり最後まで続ける。「ストを―・く」
(4)(多く「撃ち抜く」と書く)弾丸などがつらぬく。「たまが壁を―・く」
[可能] うちぬける
打振る
うちふ・る [3] 【打(ち)振る】 (動ラ五[四])
「振る」を強めたいい方。「旗を―・る」
打捨てる
うちす・てる [0][4] 【打(ち)捨てる】 (動タ下一)[文]タ下二 うちす・つ
(1)「捨てる」を強めた言い方。「何もかも―・てて旅に出る」
(2)構わないでほうっておく。「長い間―・てられたままの家」
(3)人を斬り捨てる。
打据える
うちす・える [0][4] 【打(ち)据える】 (動ア下一)[文]ワ下二 うちす・う
(1)動けなくなるほどに,たたく。「竹刀(シナイ)で―・える」
(2)しっかりとすえる。「庭石をどっかりと―・える」
打掛け
うちかけ [0] 【打(ち)掛け】
(1)〔うちかけて着るもの,の意。「打掛」「裲襠」と書く〕
帯をしめた上からはおる丈の長い小袖。武家の婦人の秋から春までの礼服。江戸時代には,富裕な町家でも用いられた。現代の花嫁衣装に残る。かいどり。
(2)
⇒りょうとう(裲襠)
(3)碁などで,双方の合意により対局の途中でいったん中断すること。
打ち掛け(1)[図]
打掛け
うちかけ【打掛け】
an uchikake;a long outer garment.
打掛烏帽子
うちかけえぼし [5] 【打掛烏帽子】
⇒かけえぼし(掛烏帽子)
打掛素袍
うちかけすおう 【打掛素袍】
素袍の裾を袴の内に入れず,ただ肩からうちかけて着ること。
打掛肩衣
うちかけかたぎぬ 【打掛肩衣】
肩衣の裾を袴(ハカマ)の内へ入れず,ただ肩からうちかけて着ること。
打掛鎧
うちかけよろい 【打掛鎧・挂甲】
⇒かけよろい
打撃
だげき [0] 【打撃】
(1)強く打つこと。「―を加える」
(2)相手の攻撃や思わぬ出来事によって受ける心の痛手や物質的な損害。「彼女の話に―を受ける」
(3)野球で,打者が投手の投げた球を打つこと。バッティング。
打撃
だげき【打撃】
a blow;→英和
a shock;→英和
《野》batting.→英和
〜である(を与える) be (give) a blow[shock] <to> .〜を受ける be <badly> hit <by> ;be shocked <at,by> .‖打(撃)率 a batting rate[average].
打撲
だぼく [0] 【打撲】 (名)スル
打ったり,たたいたりすること。「全身―で重体」「―したあとが痛む」
打撲傷
だぼくしょう [0][3] 【打撲傷】
物に打ちつけたり,たたかれたりしてできた傷。打ち身。
打撲傷を受ける
だぼくしょう【打撲傷を受ける】
get a bruise[be bruised] <on the arm> .→英和
打擲
ちょうちゃく チヤウ― [0][1] 【打擲】 (名)スル
人をたたくこと。なぐること。「余(アンマ)りぶち―されると腹が立つ/真景累ヶ淵(円朝)」
打放しコンクリート
うちはなしコンクリート [9] 【打(ち)放し―】
コンクリートの表面に仕上げを施さずにそのまま仕上げ面とするもの。うちっぱなし。
打散らす
うちちら・す [4][0] 【打(ち)散らす】 (動サ五[四])
(1)棒などで打って追い散らす。「ステツキで右往左往に―・し/思出の記(蘆花)」
(2)(「討ち散らす」とも書く)敵を攻めて追い散らす。「隊伍を改め―・せ/近世紀聞(延房)」
(3)あちこちに散らかす。「子ども・わらはべ…調度―・しぬる/枕草子 28」
打数
だすう [2] 【打数】
野球で,打者が犠打・四死球と,打撃妨害・守備妨害によって一塁を得た場合を除いた打席の数。打撃数。アット-バット。
→打席数
打数5
だすう【打数5】
《野》five times at bat <5 a.b.> .
打敷
うちしき [0] 【打(ち)敷】
(1)家具などに敷く布製の敷物。
(2)仏座・仏壇に敷く金襴(キンラン)などで作った敷物。供物・仏具などを載せる。
(3)香席で,香元が手前のときに畳の上に敷く,額縁仕立ての布。
(4)火敷に同じ。[日葡]
打方
うちかた [3][0] 【打(ち)方】
(1)打つ方法。「ヒットの―」
(2)(「撃ち方」とも書く)鉄砲・大砲などを撃つこと。「―,やめ」
打明ける
うちあ・ける [0][4] 【打(ち)明ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちあ・く
(1)秘密や,心の中に思っていたことなどを,包み隠さず人に話す。「悩みを―・ける」「―・けた話だが」
(2)中にはいっているものを出して空にする。「巾着(キンチヤク)にあるほど―・けて/浮世草子・一代男 5」
打明け話
うちあけばなし [5] 【打(ち)明け話】
包み隠さないで語る話。
打札
うちふだ [2][0] 【打(ち)札】
(1)花札・トランプなどで手から場に出す札。
(2)立て札。高札。「彼の寺に参り給ひたりけるに,書き置き給へる―あり/盛衰記 39」
打板
うちいた [0] 【打(ち)板】
(1)廊下の打ち橋などに渡した板。
(2)牛車(ギツシヤ)の乗り降りのとき,車寄せの板敷から車に渡す板。
(3)地面に座るときに敷く板。「大薙刀の真中にぎり,―の上に立ちけり/義経記 8」
(4)鷹の糞(フン)を受ける板。
打板
ちょうはん チヤウ― [0] 【打板・長板】
「雲版(ウンパン){(1)}」に同じ。
打板
だばん [0] 【打板】
禅寺などで魚板(ギヨバン)を打ち鳴らして時間の合図などをすること。
打果たす
うちはた・す [4][0] 【討(ち)果たす・打(ち)果たす】 (動サ五[四])
(1)殺してしまう。うち殺す。「首尾よく敵(カタキ)を―・す」
(2)果たし合いをする。「今某と―・さば/浄瑠璃・神霊矢口渡」
打枝
うちえだ [0] 【打(ち)枝】
(1)樹木の下枝を切り落とすこと。
(2)金銀のめっきを施した金属製の花の枝。広蓋(ヒロブタ)に載せた小袖のおさえに用いるもの。うちおき。
打根
うちね 【打(ち)根・撃(ち)根】
打ち矢。また,そのやじり。
打棄つ
うつ・つ 【打棄つ】 (動タ下二)
〔「打ち棄(ウ)つ」の転〕
うちすてる。「騒く児どもを―・てては死には知らず/万葉 897」
打棒
だぼう [0] 【打棒】
野球で,打撃のこと。「―がふるう」
打棒を封じる
だぼう【打棒を封じる】
《野》throttle the bats.
打楽器
だがっき [2] 【打楽器】
打つ,あるいは振ることによって音を発する楽器の総称。一定の音律をもつものともたないものとがある。また,木・金属の物質が音を出す体鳴楽器と,張られた皮をたたいて音を出す膜鳴楽器とに分類する。
打楽器
だがっき【打楽器】
a percussion instrument.
打欠く
うちか・く [3][0] 【打(ち)欠く】 (動カ五[四])
(1)たたいて欠く。打ってくだく。ぶっかく。「氷を―・く」
(2)囲碁で,欠け目をつくらせるために,捨て石をうつ。
打止め
うちどめ [0] 【打(ち)止め・打(ち)留め】
(1)芝居・相撲などの興行物で,一日または一連の興行の終わり。打ち出し。また,一般に物事の終わり。「この一番にて本日の―」
(2)パチンコで,出た玉が一定量に達した機械の使用をとめること。
打止める
うちと・める [0][4] 【打(ち)止める・打(ち)留める】 (動マ下一)[文]マ下二 うちと・む
(1)釘(クギ)などを打ちつけてとめる。「看板を釘で―・める」
(2)興行を終える。「興行を月末で―・める」
(3)(多く「撃ち止める」「討ち止める」と書く)敵や獲物を銃や刀を使って確実に殺す。「一発で―・めた」
打歩
だぶ [1] 【打歩】
⇒うちぶ(打歩)
打歩
うちぶ【打歩】
《商》a premium;→英和
an agio (両替差額).→英和
打歩
うちぶ [0][2] 【打歩】
株式・社債の発行の際,また外国為替などに額面金額以上の割り増し価格がつくこと。プレミアム。だぶ。
打歩公債
うちぶこうさい [4] 【打歩公債】
応募額が発行額より多く,時価が額面金額より高い公債。
打歩詰め
うちふづめ [0] 【打(ち)歩詰め】
将棋の禁じ手の一。持ち駒の歩を打って相手の王を詰めること。
打殺す
うちころ・す [4][0] 【打(ち)殺す】 (動サ五[四])
(1)たたいて殺す。なぐり殺す。「猛牛を一撃のもとに―・す」
(2)(「撃ち殺す」とも書く)弾丸を命中させて殺す。「ピストルで―・す」
(3)不満・怒りなどの感情を外に表さないよう抑える。「感情を―・す訳には行かないからね/道草(漱石)」
(4)「殺す」を強めていう語。ぶっ殺す。「北の方を―・さばやと思ふ/落窪 1」
(5)質に入れる。ころす。「人の物でも手廻り次第―・してその日を凌げ/浄瑠璃・妹背山」
[可能] うちころせる
打殿
うちどの 【打(ち)殿・擣殿】
布地を砧(キヌタ)で打つための建物。平安時代,宮中や貴族の邸内に設けられた。
打毬
だきゅう [0] 【打毬】
二組みの騎馬に分かれ,馬上から毬杖(ギツチヨウ)で毬(マリ)をすくい取って自分の毬門に投げ込むのを競う古代の遊戯。大陸から伝わったもの。平安以降,庶民の間では徒歩で行われた。まりうち。
打毬楽
たぎゅうらく タギウラク 【打毬楽】
舞楽の一。左方に属する新楽で,太食(タイシキ)調の中曲。毬杖(ギツチヨウ)を持ち,毬(マリ)を打つさまを四人で舞う。
打毬楽[図]
打気
うちき [0][3] 【打(ち)気】
野球で,打者が積極的に打とうとする気持ち。「―にはやる」「―満々」
打水
うちみず [2] 【打(ち)水】 (名)スル
ほこりをしずめたり,涼をとるために水をまくこと。また,その水。[季]夏。《―をしている主縁に客/今井つる女》
打水をする
うちみず【打水をする】
water <the garden> ;→英和
sprinkle water <in the garden> .
打法
だほう [0] 【打法】
球技で,球の打ち方。「広角―」
打消
うちけし【打消】
(a) denial;→英和
negation.〜の negative.→英和
打消し
うちけし [0] 【打(ち)消し】
(1)そうではないと言うこと。打ち消すこと。否定。
(2)文法で,動作・作用・存在・状態などを否定する意を表す言い方。口語では,助動詞「ない」「ぬ」「まい」,文語では助動詞「ず」「じ」「まじ」や助詞「で」などを付けて言い表す。
打消す
うちけ・す [0][3] 【打(ち)消す】 (動サ五[四])
(1)そうではないと言う。否定する。「うわさを―・す」
(2)「消す」を強めていう。「波の音が彼の声を―・してしまった」「彦右衛門火を―・しながら/いさなとり(露伴)」
[可能] うちけせる
打渡状
うちわたしじょう 【打渡状】
中世の武家社会で,所領の争いの際,施行状・遵行(ジユンギヨウ)状を受けた守護代・代官がその領地を勝訴した者に引き渡すとき,当事者に与えた文書。
打火
うちび [2] 【打(ち)火】
火打ち石で打ち出す火。切り火。
打点
だてん【打点】
《野》runs batted in <rbi> .
打点
だてん [0] 【打点】
野球で,打者が安打・犠打・四死球などで走者をホーム-インさせてあげた得点の数。
打物
うちもの [2] 【打(ち)物】
(1)打ちきたえて作った武器。刀剣・槍など。
(2)金属を打ちたたいて作った器具。
⇔鋳物
(3)「打ち菓子」に同じ。
(4)砧(キヌタ)で打って光沢を出した織物や衣。
(5)鉦(カネ)・太鼓など,打って鳴らす楽器。
(6)物々交換。「その儀ならば―にいたそ/狂言記・富士松」
打物師
うちものし [4] 【打(ち)物師】
(1)金属をきたえて器物を作る職人。
(2)刀剣をきたえる職人。刀工。
打物業
うちものわざ [4][0] 【打(ち)物業】
刀や槍を持って戦うこと。また,その技術。
打率
だりつ [0] 【打率】
野球で,打者の打撃成績を示すもの。安打数を打数で割る。打撃率。
→打数
打率
だりつ【打率】
《野》 <have> a batting average <of.350> .
打球
だきゅう [0] 【打球】
野球・ゴルフなどで,打った球。
打球
だきゅう【打球】
《野》batting;→英和
a batted ball.
打留め
うちどめ [0] 【打(ち)止め・打(ち)留め】
(1)芝居・相撲などの興行物で,一日または一連の興行の終わり。打ち出し。また,一般に物事の終わり。「この一番にて本日の―」
(2)パチンコで,出た玉が一定量に達した機械の使用をとめること。
打留める
うちと・める [0][4] 【打(ち)止める・打(ち)留める】 (動マ下一)[文]マ下二 うちと・む
(1)釘(クギ)などを打ちつけてとめる。「看板を釘で―・める」
(2)興行を終える。「興行を月末で―・める」
(3)(多く「撃ち止める」「討ち止める」と書く)敵や獲物を銃や刀を使って確実に殺す。「一発で―・めた」
打盤
うちばん [0][2] 【打(ち)盤】
(1)能で,大鼓・小鼓・太鼓などを稽古するとき,張り扇で打ち鳴らす盤。
(2)洗濯物を打って柔らかくするための木製の台。
打目
うちめ [3] 【打(ち)目・擣目】
絹を砧(キヌタ)で打ったときに生じる光沢の模様。砧の跡。
打直し
うちなおし [0] 【打(ち)直し】 (名)スル
古くかたくなった綿を再生してふんわりさせること。打ち返し。
打直す
うちなお・す [4][0] 【打(ち)直す】 (動サ五[四])
(1)改めてもう一度打つ。「杭(クイ)を―・す」
(2)綿の打ち直しをする。
(3)もとのように直す。「詠(エイ)はてて袖―・し給へるに/源氏(紅葉賀)」
[可能] うちなおせる
打眠
ためん [0] 【打眠】
〔「だめん」とも〕
僧がねむること。
打眺める
うちなが・める [5][0] 【打(ち)眺める】 (動マ下一)[文]マ下二 うちなが・む
(1)遠くの景色を見渡す。ながめる。「山頂から遠く海を―・める」
(2)物思いにふけってぼんやりと見る。「この女いとようけさうじて―・めて/伊勢 23」
打矢
うちや [2] 【打(ち)矢】
手で敵に投げつける矢の形をした武器。手矢。手突き矢。打ち根。
打砕く
うちくだ・く [4][0] 【打(ち)砕く】 (動カ五[四])
(1)打ってくだく。こなごなにする。「石を―・く」「相手の自信を―・く」
(2)(多く「うちくだいて」の形で)わかりやすく細かく説明する。「―・いて話す」
[可能] うちくだける
打破
だは [1] 【打破】 (名)スル
打ち破ること。障害をとりのぞくこと。「悪習を―する」
打破する
だは【打破する】
break down;overthrow;→英和
abolish;→英和
do away with.
打破る
うちやぶ・る [4][0] 【打(ち)破る】 (動ラ五[四])
(1)たたいてこわす。うちくだく。「城門を―・って侵入する」「旧弊を―・る」
(2)(「討ち破る」「撃ち破る」とも書く)相手を攻め負かす。撃破する。「強豪を―・る」
[可能] うちやぶれる
打碑
だひ [1] 【打碑】
碑面の文字を拓本に取ること。
打突
だとつ [0] 【打突】 (名)スル
剣道で,打ち込んだり,突いたりすること。
打立てる
うちた・てる [4][0] 【打(ち)立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 うちた・つ
しっかりと立てる。確立する。「新しい法則を―・てる」
打算
ださん [0] 【打算】 (名)スル
計算してみること。損得を考えること。「卑しい―」「思索の労力を―して/三四郎(漱石)」
打算的
ださんてき [0] 【打算的】 (形動)
自分の損得ばかりを考えて行動するさま。勘定高いさま。「―な人」
打算的な
ださん【打算的な】
selfish;→英和
calculating;→英和
mercenary (金銭ずくの).→英和
打粉
うちこ [3] 【打(ち)粉】
(1)刀剣の手入れに用いる砥粉(トノコ)。絹の布に丸く包んで使う。
(2)麺(メン)類・餅などをのばすとき,台や手にふりかける粉。ねばり付くのを防ぐ。小麦粉などを用いる。
(3)汗取りの粉。
打糸
うちいと [3][2] 【打(ち)糸】
篦(ヘラ)などで打って固めた組紐(クミヒモ)。
打紐
うちひも【打紐】
a braid.→英和
打紙
うちがみ [2] 【打(ち)紙】
木槌(キヅチ)で打ってつやを出した紙。
打紛れる
うちまぎ・れる [5][0] 【打(ち)紛れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うちまぎ・る
(1)他のことに気をとられて忘れる。「多忙に―・れ連絡が遅くなりました」「ほど経ば,少し―・るることもやと/源氏(桐壺)」
(2)他のものと混じってわからなくなる。「この人の御さま,なのめに―・れたる程ならば/源氏(総角)」
打絶える
うちた・える [4][0] 【打(ち)絶える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 うちた・ゆ
交際や関係などがまったく絶える。「寺とはいつとはなしに―・えてゐたが/銀の匙(勘助)」
打継ぎ
うちつぎ [0] 【打(ち)継ぎ】
打ち掛けの碁を再開すること。
打続く
うちつづ・く [0][4] 【打(ち)続く】
■一■ (動カ五[四])
(1)長く続く。継続する。「―・く長雨」
(2)ある物事のあとに次のものが切れ目なく起こる。ひき続く。「―・く天災におそれおののく」
■二■ (動カ下二)
⇒うちつづける
打続ける
うちつづ・ける [0][5] 【打(ち)続ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちつづ・く
(1)「打つ」ことを続けて行う。「太鼓を―・ける」「興行を―・ける」
(2)「続ける」を強めていう。「男子二人―・けて産みてけり/今昔 22」
打網
うちあみ [0] 【打(ち)網】
広がるように水中に投げ込んで魚を捕らえる網。投網(トアミ)。
打網
うちあみ【打網】
a casting net.
打綿
だめん [0] 【打綿】
紡績で,開綿した綿の塊をさらによくほぐし,夾雑物(キヨウザツブツ)を取り除き筵状(ムシロジヨウ)に広げる工程。
打綿
うちわた [2][0] 【打(ち)綿】
(1)打ち返した古綿。
(2)繰り綿を綿弓で打って不純物を取り去り柔らかくしたもの。
打緒
うちお [2] 【打(ち)緒】
「打ち紐(ヒモ)」に同じ。
打線
だせん【打線】
《野》the batting lineup.
打線
だせん [0] 【打線】
野球で,そのチームの打者の顔ぶれ。また,打撃のつながり。「―が火を噴く」「上位―」
打置き
うちおき [0] 【打(ち)置き】
⇒打(ウ)ち枝(エダ)(2)
打者
だしゃ [1] 【打者】
野球で,バッター。また,クリケットで,バッツマン。
打者
だしゃ【打者】
《野》a batter.→英和
〜になる be at bat.‖強打者 a hard hitter;a slugger.指名打者 a designated hitter.
打聞集
うちぎきしゅう 【打聞集】
説話集。下巻だけ現存。作者未詳。1134年以前に成立。インド・中国・日本三国の仏教霊験譚二七話を収録。同一の説話が「今昔物語集」「宇治拾遺物語」などにみえる。
打興ずる
うちきょう・ずる [0][5] 【打(ち)興ずる】 (動サ変)[文]サ変 うちきよう・ず
心から面白がって物事をする。「囲碁に―・ずる」
打荷
うちに [0] 【打(ち)荷】
海難に遭った船が,重量を軽くするため積み荷の一部を海中に投げ捨てること。また,その荷。なげに。撥(ハ)ね荷。捨て荷。荷打ち。
打菓子
うちがし [3][2] 【打(ち)菓子】
干菓子(ヒガシ)の一種。微塵粉(ミジンコ)・砂糖・水飴(ミズアメ)などを練り,木型に入れてかため,打ち出したもの。落雁(ラクガン)の類。打ちもの。
打裂羽織
ぶっさきばおり [5] 【打裂羽織】
帯刀に便利なように背縫いの下半分を縫い合わせていない羽織。武士などが乗馬・旅行の際などに用いた。せさきばおり。せわりばおり。さきばおり。ひっさきばおり。
打裂羽織[図]
打製
だせい [0] 【打製】
打ったり打ち欠いたりして器具を作ること。
打製石器
だせいせっき [4] 【打製石器】
大きな原石を打ち欠くだけで,研磨を施さずに作った石器。旧石器時代の石器の多くがこれ。新石器時代にも磨製石器と併用された。
打見
うちみ [0] 【打(ち)見】
ちらりと見たときの具合。ちょっと見。外見。「―にも元気よき老人なり/書記官(眉山)」
打解ける
うちと・ける [0][4] 【打(ち)解ける】 (動カ下一)[文]カ下二 うちと・く
(1)警戒心や遠慮が消えて親しくなる。「―・けて語り合う」
(2)(氷などが)とける。「つらら―・けて/新古今(春上)」
打設
だせつ [0] 【打設】 (名)スル
建設現場で,コンクリートを流し込むこと。
打診
だしん【打診】
《医》percussion.→英和
〜する examine <the chest> by tapping[percussion];[意向を]sound out <a person on[about,as to]a matter> .‖打診器[つち]《医》a plexor.
打診
だしん [0] 【打診】 (名)スル
(1)医者が体表を指でたたき,その音で内臓の様子を知ること。
(2)交渉の際,前もって相手側の意向を知るためにその問題に触れて,相手の反応をみること。「相手の意向を―する」
打豆
うちまめ [2] 【打(ち)豆】
大豆を水に浸し,槌(ツチ)で打ってつぶしたもの。汁などに入れて食べる。
打負かす
うちまか・す [4][0] 【打(ち)負かす】 (動サ五[四])
(1)打って負かす。
(2)完全に負かす。「完膚なきまでに―・す」
[可能] うちまかせる
打賃
うちちん [2] 【打(ち)賃】
「切り賃{(2)}」に同じ。
打越し
うちこし [0] 【打(ち)越し】
(1)建築で,中間の点を越えて測った二点間の長さ。
(2)連歌・俳諧で,付句の二つ前の句。付句と打ち越しの間に特定の同じ韻や縁語があることを「打ち越しを嫌う」といって避ける。
(3)「打ち越し酒」の略。
(4)ある地点から次の地点を通り越してその先へ行くこと。「ふた川まで―だがいいか/滑稽本・膝栗毛 4」
(5)江戸時代の商慣習の一。二点間の荷物輸送の際に中間地点の問屋の手を経ないで行うこと。特に,大坂と東北地方との取引を江戸の問屋の手を経ずに行うこと。その荷物を打ち越し荷物という。
打越し垂木
うちこしだるき [5] 【打越し垂木】
社寺建築で,母屋から延ばして向拝(コウハイ)の桁(ケタ)にかけわたした垂木。
打身
うちみ【打身】
a bruise.→英和
打身
うちみ [3][0] 【打(ち)身】
(1)強く打ってできた皮下組織の傷。内出血や腫(ハ)れなど。打撲傷。
(2)刺身。「鱸なりとも―でとおしやるか/狂言・鱸庖丁」
打込み
うちこみ [0] 【打(ち)込み】
(1)たたいて中へ入れること。
(2)物事に熱中すること。また,人に惚れ込むこと。「並々ならぬ―ようだ」
(3)囲碁で,打ち込むこと。
(4)剣道で,練習のために何度も同じ動作で打ち込むこと。
(5)テニスなどの球技で,相手の陣に球を強く打ち込むこと。
(6)〔音〕 正確なリズムやフレーズなどを得るために,コンピューターなどの機器にシンセサイザーなどの電子楽器を自動演奏させる演奏データを入力すること。また,その演奏形態や作品。
(7)(能楽・文楽・歌舞伎などで)
(ア)舞の型の一。手にした扇などを頭上から前方に出し正面をさす。
(イ)太鼓などを強くたたき鳴らす囃(ハヤ)し方。
(8)釣りで,水面の一点に繰り返し針を下ろすこと。
(9)敵味方入り乱れて戦うこと。「―のいくさこのまぬ物也/平家 9」
打込み汁
うちこみじる [5] 【打(ち)込み汁】
打ちたてのうどんをゆでずに,野菜・油揚げとともに煮込む香川県の郷土料理。
打込む
うちこ・む [0][3] 【打(ち)込む】 (動マ五[四])
(1)たたいて中に入れる。「くぎを―・む」「楔(クサビ)を―・む」
(2)(多く「撃ち込む」と書く)球・弾丸などを相手の陣に入れる。「弾丸を敵陣に―・む」
(3)刀できりかかる。剣道で,相手に打ちかかる。「すきをうかがって―・む」
(4)精神を集中する。夢中になる。「物理学の研究に―・む」「練習に―・む」「玄宗は楊貴妃の百の媚に―・まれ/仮名草子・竹斎」
(5)人の弱みを的確に突く。急所を突く。「容赦なく―・んでくる」
(6)囲碁で,相手の陣の中に,自分の石を置く。「白地へ―・む」
(7)コンクリートを所定の場所に流し込む。「土台を―・む」
(8)野球やゴルフで,球を打つ練習を十分にする。「バッティング-マシーンで―・む」
(9)財産を使い果たす。「国会開設の運動に,地所も家も―・んで仕舞いなすった/火の柱(尚江)」
(10)こみあう。「後に三百余騎は―・みてありけり/愚管 6」
[可能] うちこめる
打返し
うちかえし [0] 【打(ち)返し】
■一■ (名)
(1)布団の綿を打ち直し,再生すること。
(2)舞台で,背景などの書割(カキワリ)の板を裏返して別の景にすること。また,その板。
(3)建築で,左右・上下が対称なこと。うってがえし。うたせがえし。
■二■ (副)
(1)反対に。逆に。「雪をこそ花とは見しか―花も雪かと見ゆる春かな/赤染衛門集」
(2)繰り返し。何度も。「―君ぞ恋しき大和なる布留の早稲田の思ひ出でつつ/後撰(恋一)」
打返す
うちかえ・す [3][0] 【打(ち)返す】 (動サ五[四])
(1)打たれた仕返しに相手を打つ。また,射撃し返す。「右フックを―・す」
(2)打って相手のほうに返す。「センター前に―・す」
(3)引いた波がまた寄せる。「―・す波」
(4)古い綿を再生する。打ち直す。「古綿を―・す」
(5)田畑の土を耕す。「田を―・す」
(6)ひっくり返す。逆にする。ひるがえす。「かよれる袖どもの―・す端風に/源氏(匂宮)」
(7)繰り返す。「前の世ゆかしうなむと―・しつつ/源氏(桐壺)」
[可能] うちかえせる
打連れる
うちつ・れる [0][4] 【打(ち)連れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うちつ・る
いっしょに出かける。連れ立つ。「家族―・れて出かける」
打過ぎる
うちす・ぎる [4][0] 【打(ち)過ぎる】 (動ガ上一)[文]ガ上二 うちす・ぐ
(1)時が過ぎる。経過する。「長らく無音に―・ぎまして」
(2)ある場所を通り過ぎる。「藤波の―・ぎがたく見えつるは/源氏(蓬生)」
(3)程度が普通以上である。度が過ぎる。「山里の人こそは身の程にはやや―・ぎ/源氏(朝顔)」
打違い
うちちがい [0] 【打(ち)違い】
(1)間違えて打つこと。うちまちがい。「タイプの―」
(2)交差すること。ぶっちがい。
打違う
うちちが・う [0][4] 【打(ち)違う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
(1)間違えて打つ。
(2)交差する。
■二■ (動ハ下二)
⇒うちちがえる
打違える
うちちが・える [0][5] 【打(ち)違える】 (動ア下一)[文]ハ下二 うちちが・ふ
(1)間違えて打つ。「キーを―・える」
(2)交差させる。「紐(ヒモ)を―・えてかける」
(3)刀などで打ち合う。「懸ては―・えて死(コロ)し/太平記 16」
打重なる
うちかさな・る [5][0] 【打(ち)重なる】 (動ラ五[四])
(1)幾重にも重なる。「―・って散る花びら」
(2)同じことが続いて起こる。「―・る不運に耐える」
打金
うちきん [3][0] 【打(ち)金】
取引で,値段の違う二つの品物を引き換えるとき,不足の分を補って支払う金。
打鍵
だけん [0] 【打鍵】
(ピアノなどの)鍵盤をたたくこと。
打鍼
だしん [0] 【打鍼】
鍼(ハリ)の頭部を小槌(コヅチ)で打ち,徐々に皮膚や筋肉にさし込む方法。うちばり。
打開
だかい [0] 【打開】 (名)スル
行き詰まった点を切り開くこと。解決の方法を見いだすこと。「局面の―をはかる」「膠着状態を―する」
打開く
うちひら・く [4][0] 【打(ち)開く】 (動カ五[四])
(1)勢いよくあける。「門を―・く」
(2)広々としている。開けている。「是は聞及うだよりは―・いた景のよい庭ぢやなあ/狂言・萩大名(虎寛本)」
〔(2)は自動詞〕
打開する
だかい【打開する】
break <the deadlock> ;→英和
get out of <difficulty> .打開策(を講じる) (try to find) a way out <of> .
打集う
うちつど・う [0][4] 【打(ち)集う】 (動ワ五[ハ四])
「集う」を強めたいい方。
打電
だでん [0] 【打電】 (名)スル
電報を打つこと。また,無電を打つこと。「特使に帰国を―する」
打電する
だでん【打電する】
⇒電報.
打順
だじゅん【打順】
《野》the batting order.
打順
だじゅん [0] 【打順】
野球などで,打者の順番。打撃順。バッティング-オーダー。
打飯
たはん [0] 【打飯】
〔「だはん」とも〕
僧が食事をすること。また,その食事。
打首
うちくび [2][3] 【打(ち)首】
罪人の首を刀できり落とす刑罰。斬首(ザンシユ)の刑の通称。斬罪。
打首にする
うちくび【打首にする】
behead.→英和
打鳴らし
うちならし [0] 【打(ち)鳴らし】
仏具の一。金属製の打楽器,磬(キン)・鈴(リン)などをいう。
打鳴らす
うちなら・す [4][0] 【打(ち)鳴らす】 (動サ五[四])
たたいて鳴らす。「半鐘を―・す」
打鼓
だこ [1] 【打鼓】
太鼓を打ち鳴らすこと。
打[撃
うつ【打[撃・討]つ】
(1)[打つ・叩く]strike;→英和
hit;→英和
beat;→英和
slap (平手で);→英和
knock.→英和
頭(顔)を〜 strike[slap] <a person> on the head (in the face).→英和
(2)[時を]strike <two> .
(3)[心を]move[strike,impress]a person;→英和
touch a person's heart.(4)[鉄砲を]fire <a gun> .→英和
(5)[手を]clap one's hands (拍手).釘(くい)を〜 drive a nail (stake) <into> .→英和
(6)[碁を]play go.
打[撃]たれる
うたれる【打[撃]たれる】
右腕を〜 be shot in the right arm.胸を〜[感動する]be impressed[moved,touched] <with,by> .恐怖(驚異)の念に〜 be struck with horror (wonder).
打[撃]ち出す
うちだす【打[撃]ち出す】
[発砲]open fire;[模様を]emboss;→英和
[政策を]announce[publish,disclose,hammer out] <a new policy> ;→英和
[原則を]lay down <a principle> ;[閉演]end;→英和
close.→英和
打[撃]ち合う
うちあう【打[撃]ち合う】
fight;→英和
exchange blows (なぐり合い)[shots (撃合い)].
打[撃]ち損なう
うちそこなう【打[撃]ち損なう】
miss <the target> .→英和
打[撃]ち殺す
うちころす【打[撃]ち殺す】
strike[shoot] <a person> dead[to death].
打[撃]ち落とす
うちおとす【打[撃]ち落とす】
strike[knock]down;shoot down <a bird> .
打[撃]合い
うちあい【打[撃]合い】
a fight (なぐり合い);→英和
an exchange of shots (射撃の).
払い
はらい ハラヒ [2] 【払い】
(1)代金・料金など金銭を払うこと。支払い。「―をすます」「―がたまる」
(2)払って除くこと。取り除くこと。「厄介―」「煤(スス)―」
(3)不用なものを売って処分すること。「―に出す」
(4)漢字を書くとき,線の終わりを左(あるいは右)斜め下方に力を抜きながら引くこと。
払い
はらい【払い】
payment (支払);→英和
[勘定]account;→英和
a bill (勘定書).→英和
〜が良い be punctual in payment.〜を済ます pay <one's bill,for a thing> .→英和
払い上げる
はらいあ・げる ハラヒ― [5][0] 【払い上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 はらひあ・ぐ
下から上へ払うように振る。
払い下げ
はらいさげ ハラヒ― [0] 【払い下げ】
払い下げること。「国有地が―になる」「―を受ける」
払い下げる
はらいさげる【払い下げる】
sell;→英和
dispose of.
払い下げる
はらいさ・げる ハラヒ― [5][0] 【払い下げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 はらひさ・ぐ
官公庁などが,動産・不動産を民間に売り渡す。「国有地を―・げる」
払い出し
はらいだし ハラヒ― [0] 【払い出し】
支払い出すこと。支出。「―期日」
払い戻し
はらいもどし ハラヒ― [0] 【払い戻し】 (名)スル
金銭を払い戻すこと。「特急料金の―」
払い戻し
はらいもどし【払い戻し】
(a) repayment;→英和
(a) refund.→英和
払い戻す
はらいもどす【払い戻す】
pay back;refund.→英和
払い戻す
はらいもど・す ハラヒ― [5][0] 【払い戻す】 (動サ五[四])
(1)一度受け取った金銭を清算して余ったものを返す。「特急料金を―・す」
(2)預貯金を,預けた人に払い渡す。「定期預金を―・す」
(3)競馬・競輪などで,的中した投票券を現金に換えて払う。
[可能] はらいもどせる
払い済の
はらいずみ【払い済の】
paid.→英和
払い渡し
はらいわたし【払い渡し】
(a) payment.→英和
払い渡す
はらいわた・す ハラヒ― [5] 【払い渡す】 (動サ五[四])
金銭を支払って渡す。
払い渡す
はらいわたす【払い渡す】
pay (out).→英和
払い物
はらいもの ハラヒ― [0][5] 【払い物】
不用になって売り払う物。「―らしき品品/魔風恋風(天外)」
払い腰
はらいごし ハラヒ― [2] 【払い腰】
柔道の技の名。自分の腰に相手を乗せながら,相手の外股を払い上げて投げる腰技。
払い超
はらいちょう ハラヒテウ [2] 【払い超】
⇒散超(サンチヨウ)
払い込み
はらいこみ ハラヒ― [0] 【払い込み】
金を払い込むこと。「会費の―」
払い込む
はらいこむ【払い込む】
pay <into a bank> ;→英和
pay in <to one's accounts in the bank> ;pay up <one's stocks> .
払い込む
はらいこ・む ハラヒ― [4][0] 【払い込む】 (動マ五[四])
金銭を相手方に納め入れる。「税金を―・む」
[可能] はらいこめる
払い過ぎ
はらいすぎ【払い過ぎ】
overpayment.→英和
払い過ぎる
はらいすぎる【払い過ぎる】
overpay.→英和
払い除ける
はらいの・ける ハラヒ― [5] 【払い除ける】 (動カ下一)[文]カ下二 はらひの・く
手ではらうようにして取り除く。振りはらう。「相手の手を―・ける」
払い除ける
はらいのける【払い除ける】
brush off[away];drive away.
払う
はら・う ハラフ [2] 【払う】 (動ワ五[ハ四])
(1)じゃまなもの,無益なもの,不用なもの,害をなすものなどを除く。
(ア)手などで勢いよく除き去る。「ほこりを―・う」「天井のすすを―・う」「肩に積もった雪を―・う」
(イ)刃物でさっと切って取り除く。切り払う。「立ち木の下枝を―・う」「鎌(カマ)で下草を―・う」
(ウ)使用するために,取り除く。「刀の鞘(サヤ)を―・う」「襖(フスマ)を―・う」
(エ)自分のほうへ向かってくるものを,手や足を勢いよく動かしてわきへどける。払いのける。「足を―・って倒す」「つかみかかってくる手を―・う」
(2)人や動物をその場からいなくさせる。去らせる。また,先払いをする。「人を―・って密談する」「はえを―・う」「行列の先を―・う」
(3)圧倒する。威圧する。「威風あたりを―・う」
(4)不用なものを売って処分する。「古雑誌を屑屋に―・はうと思つて/一隅より(晶子)」
(5)金銭を渡す。
(ア)支払う。「代金を―・う」「給料を―・う」「勘定を―・う」
(イ)納入する。「罰金を―・う」「税金を―・う」
(6)目的を達するために,あるものを費やす。消費する。「勝利のために大きな犠牲を―・った」「努力を―・う」
(7)それまで居た場所をあける。引き払う。「宿を―・う」
(8)気持ちをあるものに向ける。心を傾ける。「…に注意を―・う」「敬意を―・う」「関心を―・う」「苦心を―・う」
(9)(「地をはらう」の形で)すっかり失われる。全くなくなる。「威信地を―・う」
(10)刀・棒などを左右に振る。なぎ倒す。「刀を―・う」「なぎなたで脛(スネ)を―・う」
(11)従わないものを討ち退ける。平定する。「姦を―・はん時は今/天地有情(晩翠)」
(12)軽くたたくように触れる。「池水の水草(ミクサ)も取らで青柳の―・ふしづ枝にまかせてぞ見る/後拾遺(春上)」
(13)ごみやちりなどを取り払う。はき清める。掃除する。「宮の東(ヒンガシ)の対を―・ひしつらひて/源氏(真木柱)」
(14)追放する。追い払う。「別当をも―・ふべしなんどまでののしりて/沙石 9」
[可能] はらえる
払う
はらう【払う】
(1)[除去]brush off;clear away;expel (追い払う).→英和
ほこりを〜 dust <a desk> .→英和
(2)[支払う]pay.→英和
払下げ
はらいさげ【払下げ】
sale (of government property);→英和
disposal (by auction sale) (競売で).→英和
‖払下品 an article (to be) disposed of by the government.
払出し
はらいだし【払出し】
(a) withdrawal (預金の).→英和
払子
ほっす [0] 【払子】
〔「ほっ」「す」共に唐音〕
もとインドで,虫や塵(チリ)を払うための具。獣毛や麻などを束ねて柄をつけたもの。後世,中国・日本で僧が説法などで威儀を正すために用いる法具。真宗以外の各派で用いる。
→麈尾(シユビ)
払子[図]
払子貝
ほっすがい [3] 【払子貝】
海綿動物の一種。体はコップ状で高さ約12センチメートル。体の底部から長さ50センチメートルあまりのケイ質の柄が伸び,先端は海底の泥中に入る。相模湾や駿河湾の深海底に分布する。ウミホッス。
払底
ふってい【払底】
shortage;→英和
scarcity.→英和
〜する run short.
払底
ふってい [0] 【払底】 (名)スル
〔底を払う意〕
物がすっかり無くなること。また,非常に少なくなること。「物資が―する」
払拭
ふっしき [0] 【払拭】 (名)スル
〔「しき」は呉音〕
「ふっしょく(払拭)」に同じ。
払拭
ふっしょく [0] 【払拭】 (名)スル
汚れなどをすっかりぬぐい去ること。除き去って,きれいにすること。ふっしき。「不信感を―しきれない」
払暁
ふつぎょう [0] 【払暁】
夜明け。明け方。あかつき。黎明(レイメイ)。
払田柵
ほったのさく 【払田柵】
秋田県仙北町と千畑町にまたがる古代の城柵の跡。
払菻
ふつりん 【払菻】
中国で,南北朝から初唐にかけてビザンツ帝国を呼んだ語。
→大秦(タイシン)
払込み
はらいこみ【払込み(金)】
(a) payment;→英和
(a) subscription (会費など).→英和
‖払込資本金 paid-up capital.
払除
ふつじょ [0] 【祓除・払除】
⇒ばつじょ(祓除)
托す
たく・す [2] 【託す・托す】
■一■ (動サ五)
〔サ変動詞「託する」の五段化〕
「託する」に同じ。「使者に手紙を―・す」「望みを―・さない」
[可能] たくせる
■二■ (動サ変)
⇒たくする
托する
たく・する [3] 【託する・托する】 (動サ変)[文]サ変 たく・す
(1)物事の処置・運用を人に頼んでまかせる。「後事を親友に―・する」
(2)用件・品物などを人にことづける。「本を友人に―・する」
(3)かこつける。ことよせる。「戯言に―・して人の意(ココロ)を測つてみたり/浮雲(四迷)」
(4)神仏がこの世に現れるとき,人などの身体を借りて宿る。「何なる神の―・せさせ給ひたるぞ/太平記 25」
托卵
たくらん [0] 【托卵】
鳥が,他の鳥の巣に卵を産み,抱卵・育雛(イクスウ)を托す習性。日本では,ホトトギスやカッコウなどにこの習性が知られている。
托子
たくす [1] 【托子】
〔「す」は唐音〕
⇒たくし(托子)
托子
たくし [1] 【托子】
茶托(チヤタク)。たくす。
托生
たくしょう [0] 【托生・託生】
生を寄せること。ほかのものに身を寄せ,頼って生きること。「一蓮―」
托葉
たくよう [0] 【托葉】
葉柄の基部付近に生じる葉状・突起状・とげ状などの小片。双子葉植物に多く,裸子植物には見られない。そえば。
→葉
托鉢
たくはつ【托鉢】
religious mendicancy.〜する go about asking for alms.‖托鉢僧 a mendicant (priest).
托鉢
たくはつ [0] 【托鉢】 (名)スル
〔梵 piṇḍapātika 鉢の中に物を受ける意〕
(1)修行僧が,鉢を持って市中を歩き,他人の家の前に立って施しの米や金銭を受けて回ること。乞食(コツジキ)。「―僧」「市中を―する」
(2)禅寺で食事の際,僧が鉢を持って僧堂に行くこと。
托鉢修道会
たくはつしゅうどうかい [7] 【托鉢修道会】
一三世紀初頭,西ヨーロッパで創設された修道会の総称。定住・観想を旨とした従来の修道会とは異なり,信徒の喜捨によって生活し,清貧・宣教を重んじた。フランチェスコ会・ドミニコ会など。
扛秤
ちぎ [1] 【杠秤・扛秤】
重い物をはかる大型の桿秤(サオバカリ)。ちぎばかり。ちき。ちぎり。
扛秤
ちぎばかり 【杠秤・扛秤】
「杠秤(チギ)」に同じ。
扛秤
ちぎり 【杠秤・扛秤】
〔「ちきり」とも〕
「杠秤(チギ)」に同じ。「上方ははかり江戸では―也/柳多留 15」
扞格
かんかく [0] 【扞格・捍格】 (名)スル
〔「扞」「格」ともこばむ意〕
二者が互いに相手を受け入れないこと。「決して君の持説と―する事は有りますまい/社会百面相(魯庵)」
扞止
かんし [1][0] 【扞止】 (名)スル
せきとめること。「土砂―」
扞禦
かんぎょ [1] 【扞禦】 (名)スル
〔「扞」「禦」ともに防ぐ意〕
守り防ぐこと。防御。「自由を恢復して之れを―するを/民約論(徳)」
扠
さて [1] 【扨・扠・偖】
■一■ (接続)
(1)それまでの話をきりあげ,別な話題に移る意を表す語。ところで。「―,次に討論に入ります」
(2)これまでの話を受けて,次の話に続けていく語。そうして。それから。「―,舟に乗った桃太郎はいよいよ鬼が島に着きました」「渠(カレ)は…地理書とを書箱(ホンバコ)から出して,―静かに昨日の続きの筆を執(ト)り始めた/蒲団(花袋)」
■二■ (感)
(1)感心したり驚いたりしたときに発する語。「―,ここはどこだろう」
→さても
(2)次の行動に移ろうとするときに発する語。「―,ぼちぼち行くか」「―,困った」
(3)文末に用いて感動を表す語。…よ。「はて,そなたが待たば,愚僧も待たうは―/狂言・宗論(虎寛本)」
■三■ (副)
(1)その状態で。そのままで。「さらに,―過ぐしてむと思されず/源氏(夕顔)」
(2)(「さての」の形で)そのほかの。それ以外の。「―の人々は,みな臆しがちに鼻じろめる/源氏(花宴)」
→さてこそ
→さては
→さても
扠置き
さておき【扠置き】
setting aside[apart].冗談は〜 joking apart.何は〜 first of all.
扠首
さす [0] 【扠首】
棟木(ムナギ)などを支えるために合掌形に組んだ材。民家の屋根,社寺建築の妻飾りなどにみられる。
扠首[図]
扠首束
さすづか [2][0] 【扠首束】
扠首竿(ザオ)の交差部を下から支えている束。
扠首梁
さすばり [0] 【扠首梁】
妻飾りの扠首を支えている梁。
扠首竿
さすざお [0][2] 【扠首竿】
扠首を構成する斜めの材。
扣え
ひかえ ヒカヘ [3][2] 【控え・扣え】
〔動詞「控える」の連用形から〕
(1)予備として用意すること。また,そのものや人。「―の投手」「書類の―」
(2)忘れないように書きとめたもの。メモ。ひかえがき。
(3)順番のくるのを待つこと。待機すること。また,その人やそのための場所。「―の力士」「―の間」
(4)建築で,支えとしていれる柱・壁・石など。
(5)石垣の積石の奥行寸法。
(6)和船で,櫓(ロ)を操作して船首を左へ曲げること。
⇔押さえ
(7)〔船体の船梁(フナバリ)と区別するところから〕
和船の矢倉を構成する梁の称。
(8)引き止めること。制止すること。「神仏の御―あつて/浮世草子・織留 3」
(9)神仏などがかたわらにいて,加護すること。「天道の―強きにや/浄瑠璃・菅原」
扣える
ひか・える ヒカヘル [3][2] 【控える・扣える】 (動ア下一)[文]ハ下二 ひか・ふ
〔動詞「引く」に継続の接尾語「ふ」の付いた語〕
□一□(自動詞)
(1)いつでも活動できるよう準備をして待機する。「楽屋に―・えて出番を待つ」
(2)表立たずに傍らにいる。「首相の後ろに―・えている夫人」
(3)すぐ近くにある。
(ア)場所的に近い。「北側に山が―・えている小村」
(イ)時間的に近い。「大事な試合が明日に―・えている」
(4)進まないで止まる。「琴をぞひきすまされたる,―・へて是をききければ/平家 6」
□二□(他動詞)
(1)他のものが動こうとするのを引きとどめる。抑制する。「袖を―・える」「馬を―・える」
(2)あることに配慮して,自分の行動を制限・抑制する。「酒を―・える」「公表を―・える」「言葉を―・える」
(3)後ろに退かせる。「裏を一センチ―・える」
(4)すぐ近くにある,ということを他動詞的に表現する。
(ア)近い関係にある。「近くに有数の観光地を―・えて発展した都市」「代議士がバックに―・えている」
(イ)時間的に間近にせまる。「開会式を三日後に―・えて準備に忙しい」
(5)記録にとどめる。メモする。「電話番号を手帳に―・える」
(6)和船で,櫓(ロ)を操作して船首を左へ曲げる。
⇔押さえる
(7)引く。「其方(ソナタ)へ引け。強く―・へよ/義経記 5」
扣除
こうじょ [1] 【控除・扣除】 (名)スル
(計算の対象からある金額・数量などを)差し引くこと。「収入から必要経費を―する」「扶養―」
扨
さて [1] 【扨・扠・偖】
■一■ (接続)
(1)それまでの話をきりあげ,別な話題に移る意を表す語。ところで。「―,次に討論に入ります」
(2)これまでの話を受けて,次の話に続けていく語。そうして。それから。「―,舟に乗った桃太郎はいよいよ鬼が島に着きました」「渠(カレ)は…地理書とを書箱(ホンバコ)から出して,―静かに昨日の続きの筆を執(ト)り始めた/蒲団(花袋)」
■二■ (感)
(1)感心したり驚いたりしたときに発する語。「―,ここはどこだろう」
→さても
(2)次の行動に移ろうとするときに発する語。「―,ぼちぼち行くか」「―,困った」
(3)文末に用いて感動を表す語。…よ。「はて,そなたが待たば,愚僧も待たうは―/狂言・宗論(虎寛本)」
■三■ (副)
(1)その状態で。そのままで。「さらに,―過ぐしてむと思されず/源氏(夕顔)」
(2)(「さての」の形で)そのほかの。それ以外の。「―の人々は,みな臆しがちに鼻じろめる/源氏(花宴)」
→さてこそ
→さては
→さても
扨は
さては [1][0] 【扨は】
■一■ (接続)
(1)いろいろのことをしたあげく。遂には。「歌うやら騒ぐやら―踊り出す者まで出る始末だった」
(2)そういうことなら。しからば。「―心やすし,とて頸をのべてうたせたり/平治(中)」
(3)そのほかは。あるいは。「かの夕顔のしるべせし随身ばかり,―顔むげに知るまじき童一人ばかりぞ/源氏(夕顔)」
■二■ (感)
思い当たったり,納得したりしたときに発する語。それではきっと。「―,だまされたか」
■三■ (副)
そのままでは。「まさに―過ぐし給ひてむやと/源氏(末摘花)」
扨も
さても [1] 【扨も】
■一■ (感)
物事に感じ入ったときに発する語。ほんとにまあ。「―見事な桜だ」
■二■ (副)
そのままでいても。「―かひなければまかりぬる/蜻蛉(上)」
■三■ (接続)
話題を転じるときに用いる。さて。ところで。「返す返すうれしく対面したるかな。―いくつにかなり給ひぬる/大鏡(序)」
扨又
さてまた [1] 【扨又】 (接続)
そうしてまた。それからまた。「まづ春はわらび出る,―夏は田をうゑ/狂言・法師が母」
扨措く
さてお・く [1] 【扨措く・扨置く】 (動カ五[四])
そのままにしておく。さしあたり話題から外しておく。多く「さておき」「さておいて」の形で用いる。「冗談は―・いて,本題にはいろう」「外国のことは―・き,日本では…」
扨置く
さてお・く [1] 【扨措く・扨置く】 (動カ五[四])
そのままにしておく。さしあたり話題から外しておく。多く「さておき」「さておいて」の形で用いる。「冗談は―・いて,本題にはいろう」「外国のことは―・き,日本では…」
扮する
ふん・する [3] 【扮する】 (動サ変)[文]サ変 ふん・す
演劇で,その人物の姿になる。扮装する。「王様に―・する」
扮する
ふんする【扮する】
[役に]play the part <of Hamlet> ;→英和
do <Hamlet> .→英和
⇒扮装.
扮装
ふんそう [0] 【扮装】 (名)スル
(1)俳優が役柄に合わせた装いをすること。また,その装い。
(2)身なりをよそおうこと。また,変装すること。「老人に―して逃れる」
扮装
ふんそう【扮装】
(a) makeup;→英和
(a) disguise.→英和
〜する make up <as> ;disguise oneself <as> .に〜して disguised as….
扮飾
ふんしょく [0] 【粉飾・扮飾】 (名)スル
(1)紅や白粉(オシロイ)などで化粧すること。「忙しさの間にも自分を―するのを忘れずにゐる葉子/或る女(武郎)」
(2)うわべを飾ること。とりつくろって立派に見せること。「―して報告する」
扱い
あつかい【扱い】
management;→英和
handling;treatment (待遇).→英和
子供〜する treat a person like a child.→英和
他人〜する treat coldly.
扱い
あつかい アツカヒ [0] 【扱い】
(1)物を使用したり,操作したりすること。「―が乱暴だ」
(2)人の相手になること。応対。「部下の―がうまい」
(3)その地位,その状態にある者として接すること。他の語と複合して用いられる。「罪人―」「子供―」
(4)人の世話をすること。病人を看護すること。「この人,かくてやみ侍なば,御前の御―,いかがつかうまつらむ/狭衣 1」
(5)訴訟や争い事の仲立ちをすること。調停。仲裁。「町衆―にかかり年分に其家を立んといへば/浮世草子・永代蔵 3」
扱い手
あつかいて アツカヒ― [0][5] 【扱い手】
(1)その物や事柄を取り扱う人。取り扱い人。
(2)もめごとなどを調停する人。仲裁人。「―になつて挨拶なされ/狂言記・禁野」
扱う
あつか・う アツカフ [0][3] 【扱う】 (動ワ五[ハ四])
(1)道具・機械・品物などを,手で動かしたり持ったりして操作・使用する。取り扱う。「この装置は訓練を受けないと―・えない」「劇薬を―・う」
(2)ある物を業務の対象とする。取り扱う。担当する。「洋書は二階で―・っています」「刑事事件を専門に―・う」「社会問題を―・った本」
(3)人にある態度で応対する。「人を邪険に―・う」「頑固で―・いにくい人」
(4)(「 A を B としてあつかう」の形で)処遇する。処理する。「一人前の社会人として―・う」「遅刻三回を欠席一回として―・う」
(5)他人の紛争やけんかを仲裁する。「ケンカヲ―・ッテ仲ヲ直ス/へボン(三版)」
(6)あれこれとうわさをする。いろいろ言う。「人々も,思ひの外なる事かなと―・ふめるを/源氏(紅葉賀)」
(7)処置に困る。もてあます。「多く取らむと騒ぐものは,なかなかうちこぼし―・ふほどに/枕草子 142」
[可能] あつかえる
扱う
あつかう【扱う】
(1)[待遇]treat;→英和
deal with;entertain.→英和
(2)[処理]manage;→英和
deal with.(3)[操作]work;→英和
handle.→英和
扱い難い(易い) hard (easy) to deal with.事務を〜 transact business.
扱き
しごき【扱き】
hard[rigorous]training; <米> hazing.
扱き
しごき [3][0] 【扱き】
(1)しごくこと。
(2)厳しく鍛練すること。
(3)「扱き帯」の略。
扱きる
こき・る 【扱きる】 (動ラ下二)
〔「扱き入る」の転〕
しごき取って,袖などに入れる。「藤波の花なつかしみ引攀(ヨ)ぢて袖に―・れつ/万葉 4192」
扱き上げ
こきあげ [0] 【扱き上げ】
稲こきを終えること。また,その時にする祝い。
扱き下ろす
こきおろ・す [4][0] 【扱き下ろす】 (動サ五[四])
(1)ことさらに悪く言う。ひどくけなす。「人の説をさんざんに―・す」
(2)しごいて落とす。「花―・す春の山風/散木奇歌集」
扱き使う
こきつかう【扱き使う】
work[drive] <a person> hard;sweat <workers> .→英和
扱き使う
こきつか・う [1][4] 【扱き使う】 (動ワ五[ハ四])
容赦なくはげしく使う。酷使する。「使用人を―・う」
扱き元結
こきもとゆい [3] 【扱き元結】
長く撚(ヨ)ったこよりを水に浸し,さらに撚りをかけて作った元結。しごき元結。
扱き元結
しごきもとゆい [4] 【扱き元結】
⇒扱(コ)き元結(モトユイ)
扱き入る
こきい・る 【扱き入る】
■一■ (動ラ四)
はいる。「先づこちへ―・つて,まづ烏帽子(エボシ)着せやれ/狂言記・烏帽子折」
■二■ (動ラ下二)
(1)しごき取って袖や袂などに入れる。「もみぢ葉は袖に―・れて持て出でなむ/古今(秋下)」
(2)入れる。「銭百貫,大いなる紫檀(シタン)の櫃(ヒツ)に―・れて/宇津保(あて宮)」
扱き取る
こきと・る [3] 【扱き取る】 (動ラ五[四])
しごいて取る。むしり取る。「稲穂を―・る」
扱き帯
しごきおび [4] 【扱き帯】
並幅の布を,そのまま用いる帯。兵児(ヘコ)帯・三尺帯など。元来は抱え帯。しごき。
扱き混ぜる
こきま・ぜる [4][0] 【扱き混ぜる】 (動ザ下一)[文]ザ下二 こきま・ず
まぜあわせる。また,そのような状態である。「うそも本当も―・ぜて話す」「かなしさうれしさ―・ぜて/当世書生気質(逍遥)」「見渡せば柳桜を―・ぜて都ぞ春の錦なりける/古今(春上)」
扱き竹
こきだけ [2] 【扱き竹】
⇒扱(コ)き箸(バシ)
扱き箸
こきばし [3] 【扱き箸】
脱穀用具の一。50センチメートル前後の竹棒二本の間に稲穂をはさんで引き,もみを落とす原始的なもの。江戸中期にできた千歯(センバ)扱きの普及とともにすたれた。こきだけ。こいばし。稲扱き箸(バシ)。
扱き落す
こきおと・す [4][0] 【扱き落(と)す】 (動サ五[四])
ついている物を,しごいて落とす。「稲を―・す」
[可能] こきおとせる
扱き落とす
こきおと・す [4][0] 【扱き落(と)す】 (動サ五[四])
ついている物を,しごいて落とす。「稲を―・す」
[可能] こきおとせる
扱く
こ・く [1] 【扱く】 (動カ五[四])
〔「こぐ」とも〕
(1)打ちつけたり,狭い所を通したりして,付いているものをむしり取る。「稲を―・く」
(2)長い物を片手で軽く握り,他の手で引き抜く。しごく。「ひもを―・く」
(3)草木を根の付いたまま引き抜く。「あの松を直したい所がある程に,急いであれを―・いで来い/狂言記・富士松」
[可能] こける
扱く
しご・く [2] 【扱く】 (動カ五[四])
(1)細長い物を片手で握り,もう一方の手で強く引き抜く。こく。「槍を―・く」「稲の穂を―・いて,もみを落とす」
(2)いためつける。転じて,厳しく訓練する。「合宿で―・かれる」「芽ざし柳を―・く朝風に/色懺悔(紅葉)」
[可能] しごける
扱く
しごく【扱く】
(1) squeeze <a thing> through one's hand;stroke <one's beard> .→英和
(2) train[drill]hard[severely]; <米> haze.→英和
扱はし
あつかわ・し アツカハシ 【扱はし】 (形シク)
〔動詞「扱ふ」の形容詞化〕
どう処置すべきか悩むさま。取り扱いに困るさま。「いとかく朽木にはなしはてずもがなと,人知れず―・しく覚え侍れど/源氏(総角)」
扱ひ種
あつかいぐさ アツカヒ― 【扱ひ種】
(1)世話をすべき対象。養育すべき子供など。「一条の宮の,さる―持たまへらで,さうざうしきに/源氏(匂宮)」
(2)話の種。話題。「まづこの君だちの御事を―にし給ふ/源氏(椎本)」
扱心流
きゅうしんりゅう キフシンリウ 【扱心流】
柔術の一派。江戸中期,近江国犬上郡の人,犬上左近将監長勝の創始という。
扶ける
たす・ける [3] 【助ける・扶ける】 (動カ下一)[文]カ下二 たす・く
〔「助(ス)く」に手の意の接頭語「た」が付いて一語化したもの〕
(1)力を添えて人や動物を,死の危険や苦痛・災難から逃れさせる。「池に落ちた子供を―・ける」「災害に遭った人々を―・けよう」
(2)(「援ける」「輔ける」「左ける」などとも書く)他人を補佐して,事がうまく運ぶようにする。助力する。手伝う。「主君を―・けてお家を再興する」「新聞配達をして家計を―・ける」
(3)ある作用を促進させる。悪いことにはいわない。「大根おろしは消化を―・けるそうだ」
(4)(神などが人間を)庇護(ヒゴ)する。「皇祖(スメロキ)の御霊(ミタマ)―・けて…我が御代に顕はしてあれば/万葉 4094」
(5)倒れそうになるのを支える。「左右の戸も皆よろぼひ倒れにければ,をのこども―・けて/源氏(蓬生)」
[慣用] 芸は身を―
扶け合い義務
たすけあいぎむ [6] 【扶け合い義務】
直系血族の間及び同居の親族の間において,互いに扶け合う義務。民法に規定がある。互助義務。
扶余
ふよ 【夫余・扶余】
古代のツングース系民族の一。また,夫余族が紀元前一〜後五世紀に中国東北部に建てた国。一〜三世紀中頃に全盛,のち鮮卑と高句麗に挟まれて衰え,494年勿吉(モツキツ)に滅ぼされた。
扶助
ふじょ【扶助】
help;→英和
aid;→英和
assistance.〜する help;→英和
aid;→英和
assist.→英和
‖扶助料 an allowance.
扶助
ふじょ [1] 【扶助】 (名)スル
(経済的に)たすけること。援助すること。「―を受ける」「困窮者を―する」「―料」
扶南
ふなん 【扶南】
インドシナ半島,メコン川下流域にクメール人が建てた国の中国名。一〜二世紀に成立,海上貿易で栄え,インド文化の影響を受けた。北方の真臘(シンロウ)に圧迫され七世紀に衰亡。
扶壁
ふへき [0] 【扶壁】
⇒パラペット
扶持
ふじ [1] 【扶持】 (名)スル
そばにいてたすけささえること。ふち。「官府これを―すること能はず/西国立志編(正直)」
扶持
ふち [1] 【扶持】 (名)スル
(1)たすけること。面倒をみること。「渠等(カレラ)を―すべき責任/義血侠血(鏡花)」
(2)武家の主君が家臣に与えた給与の一種。江戸時代には一日玄米五合を一日扶持とし,これを標準に何人扶持と称して一年間分の米や金が下級武士に与えられた。
(3)俸禄を与えて家臣として抱えること。「この信濃入道を―し給けり/徒然 226」
(4)扶持米。転じて,食糧,食い扶持などの意。
扶持米
ふちまい [0] 【扶持米】
扶持として与えられた俸禄米。
扶持高
ふちだか [2][3] 【扶持高】
扶持米の石高。
扶掖
ふえき [1] 【扶掖】 (名)スル
助力すること。扶助。「弱国を―するの大国の度量を示すのと/社会百面相(魯庵)」
扶木
ふぼく [0] 【扶木】
(1)東海の日の出るあたりの海中にあるという神木。扶桑(フソウ)。また,日の当たっている木。
(2)神殿の建築に用いる神木。
扶桑
ふそう フサウ 【扶桑】
愛知県北西部,丹羽郡の町。木曾川下流に位置する近郊農業地域。
扶桑
ふそう [0] 【扶桑】
(1)昔,中国で,東方の海中にあるという神木。日の昇る所という。また,その木のある地。扶木。
(2)日本の異名。扶桑国。「松島は―第一の好風にして/奥の細道」
(3)太陽。「全く―の光なし/中右記」
扶桑名画伝
ふそうめいがでん フサウメイグワデン 【扶桑名画伝】
日本の画家の伝記を記したもの。江戸後期に編纂。信州須坂藩主堀直格(ナオタダ)の草稿に国学者黒川春村が増補訂正。
扶桑国
ふそうこく [2] 【扶桑国】
⇒扶桑(2)
扶桑拾葉集
ふそうしゅうようしゅう フサウシフエフシフ 【扶桑拾葉集】
詞文集。三〇巻,目録・作者系図各一巻。徳川光圀(ミツクニ)編。1693年刊。勅撰集その他の序・跋,日記・紀行など三百編余りの詞文を集めたもの。
扶桑教
ふそうきょう 【扶桑教】
教派神道十三派の一。教祖,長谷川角行。1873年(明治6)宍野半(シシノナカバ)が,富士講を組織化し,82年に神道事務局から独立。
扶桑略記
ふそうりゃっき フサウリヤクキ 【扶桑略記】
歴史書。三〇巻,うち一六巻分と抄本とが現存。皇円著。平安末期成立。神武天皇から堀河天皇までを漢文・編年体で記す。六国史以下の国史・記録類,諸寺の僧伝・縁起などを抄録する。仏教関係の記事が多い。
扶桑集
ふそうしゅう フサウシフ 【扶桑集】
漢詩集。一六巻。紀斉名(キノタダナ)撰。長徳年間(995-999)成立。平安中期の詩を集めたものという。現存は二巻,二四人一〇二篇。
扶植
ふしょく [0] 【扶植】 (名)スル
(勢力などを)うえつけること。「自己の勢力を―するに汲々(キユウキユウ)たるを/思出の記(蘆花)」
扶清滅洋
ふしんめつよう [0] 【扶清滅洋】
清朝を助けて西洋を討ち滅ぼす意。中国清末,欧米勢力の進出に反対して民族主義者が用いた標語。義和団のスローガンとなった。
扶翼
ふよく [1] 【扶翼】 (名)スル
助け守ること。「天壌無窮の皇運を―する/求安録(鑑三)」
扶育
ふいく [0] 【扶育】 (名)スル
育てること。たすけ育てること。
扶養
ふよう【扶養】
support;→英和
maintenance.→英和
〜する support;→英和
maintain.→英和
‖扶養家族 a dependent.扶養家族手当 a family allowance.扶養控除 deduction for dependents;dependents exemption.
扶養
ふよう [0] 【扶養】 (名)スル
たすけ養うこと。生活の面倒をみること。「幼い妹たちを―する」
扶養家族
ふようかぞく [4] 【扶養家族】
扶養親族の通称。
扶養手当
ふようてあて [4] 【扶養手当】
「家族手当{(1)}」に同じ。
扶養控除
ふようこうじょ [4] 【扶養控除】
所得控除の一。所得税の納税義務者に扶養親族(配偶者を除く)がある場合,扶養親族の数に応じた額を控除すること。
扶養料
ふようりょう [2] 【扶養料】
扶養義務を負う者が,扶養のため被扶養者に対してなす金銭その他の生活上の給付。
扶養義務
ふようぎむ [4] 【扶養義務】
法律上,一定範囲内の親族が相互に負っている生活保障の義務。
扶養親族
ふようしんぞく [4] 【扶養親族】
扶養の対象となる親族。扶養家族。
批准
ひじゅん [0] 【批准】 (名)スル
〔ratification〕
(1)全権委員が調印して内容の確定した条約を,条約締結権をもつ国家機関が承認すること。「講和条約を―する」
(2)臣下の差し出す文書を,君主が可否を判断すること。
批准
ひじゅん【批准】
ratification.〜する ratify.→英和
批准書
ひじゅんしょ [0] 【批准書】
条約を批准する旨の国家の意思を表示した文書。この文書の交換または寄託により条約は正式に成立する。
批判
ひはん [0] 【批判】 (名)スル
(1)物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。「学説―」「―を仰ぐ」
(2)誤っている点やよくない点を指摘し,あげつらうこと。「政府の外交方針を―する」
(3)〔哲〕
〔(ドイツ) Kritik〕
人間の知識や思想・行為などについて,その意味内容の成立する基礎を把握することにより,その起源・妥当性・限界などを明らかにすること。
批判
ひはん【批判】
criticism;→英和
(a) comment.→英和
〜する criticize;→英和
comment <on> .〜的な(に) critical(ly).→英和
‖批判者 a critic.
批判主義
ひはんしゅぎ [4] 【批判主義】
〔哲〕
〔(ドイツ) Kritizismus〕
(1)批判を主たる態度とする思想。反省を持つ点で独断論に対し,理性への信頼を捨てない点で懐疑論に対する。
(2)カント主義における,人間の認識・経験の批判,すなわちそれらの可能となる根拠・制約などの検討を課題とする哲学の立場。神とは異なる有限な人間に許される理性の正当な権限を明らかにする。
批判哲学
ひはんてつがく [5][4] 【批判哲学】
批判主義{(2)}による哲学。カントおよび新カント学派の哲学。先験哲学。
批判理論
ひはんりろん [4] 【批判理論】
〔(ドイツ) kritische Theorie〕
フランクフルト学派が標榜する立場。道具的理性に支配され,社会の再生産に奉仕するのみの伝統的理論に対し,理論が社会的経済的過程に属することを自己認識しつつ,理性を批判的に実現しようとする。
→道具的理性
批判的
ひはんてき [0] 【批判的】 (形動)
(1)批判する立場に立つさま。「増税政策には―だ」
(2)〔哲〕 人間の認識や経験の根拠・条件についての認識論的検討を主たる哲学の課題とするさま。
批判的合理主義
ひはんてきごうりしゅぎ [9] 【批判的合理主義】
〔critical rationalism〕
ポパーに代表される哲学の立場。科学と非科学を分かつ境界設定の基準を反証可能性の概念に求め,科学研究を絶えざる推測と反駁のプロセスとしてとらえる。
批判的実在論
ひはんてきじつざいろん [8] 【批判的実在論】
〔critical realism〕
第一次大戦後,ドレーク・ラブジョイなどアメリカの哲学者達が「批判的実在論論集」(1920)で示した主張。人間は客観的実在をそのままに知ることはできず,ただ知覚与件としての性質複合を知るのみであるが,それらを実在物の客観的性質と信じて行動するのであるから,客観的実在は「プラグマティックな」見地から是認されるべきであるとする。
批判的教育学
ひはんてききょういくがく [9] 【批判的教育学】
経験主義や観念的な独断によらない教育学。狭義には,新カント学派の教育学をいう。
批判的観念論
ひはんてきかんねんろん [8] 【批判的観念論】
〔(ドイツ) kritischer Idealismus〕
⇒超越論的観念論(チヨウエツロンテキカンネンロン)
批正
ひせい [0] 【批正】 (名)スル
批判して訂正すること。「御―を乞う」
批点
ひてん [0] 【批点】
(1)詩歌・文章などを訂正または批評して評点をつけること。
(2)文章中の要所や注意すべき箇所を示すためにつける傍点。
(3)訂正または非難すべき箇所。欠点。きず。
批評
ひひょう [0] 【批評】 (名)スル
事物の善悪・優劣・是非などについて考え,評価すること。「文芸―」「作品を―する」
批評
ひひょう【批評】
(a) comment;→英和
criticism;→英和
(a) review (新刊書などの).→英和
〜的(に) critical(ly).→英和
〜する criticize;→英和
review;comment <on> .‖批評家 a critic.
批評家
ひひょうか [0] 【批評家】
批評することを職業とする人。
批評眼
ひひょうがん [2] 【批評眼】
物事を批評できる見識や力。眼識。
批難
ひなん [1] 【非難・批難】 (名)スル
相手の欠点や過失を取り上げて責めること。「不手際を―する」
扼す
やく・す [2] 【扼す】
■一■ (動サ五)
〔サ変動詞「扼(ヤク)する」の五段化〕
「扼する」に同じ。「海峡を―・す要衝」
■二■ (動サ変)
⇒やくする
扼する
やくする【扼する】
command;→英和
control;→英和
hold.→英和
扼する
やく・する [3] 【扼する】 (動サ変)[文]サ変 やく・す
(1)押さえつける。締めつける。「腕を―・する」
(2)重要な地点を支配下におく。「橋を―・する」
[慣用] 咽喉(インコウ)を―
扼喉
やくこう [0] 【扼喉】
手や腕でのどをしめること。
扼守
やくしゅ [1] 【扼守】 (名)スル
要所をおさえて守ること。「哥侖(コリント)の地峡を―す/経国美談(竜渓)」
扼死
やくし [0] 【扼死】
扼殺による死。
扼殺
やくさつ [0] 【扼殺】 (名)スル
手や腕でしめ殺すこと。特に頸部をしめて殺すこと。
扼殺する
やくさつ【扼殺する】
strangle <a person> to death.
扼腕
やくわん [0] 【扼腕】 (名)スル
憤慨したり,残念がったりして,思わず自分の腕をにぎりしめること。「切歯―する」
扼頸
やくけい [0] 【扼頸】
手や腕で頸部を強くしめること。
承
しょう [1] 【承】
漢詩で,承句。
承ける
う・ける [2] 【受ける・請ける・承ける・享ける】 (動カ下一)[文]カ下二 う・く
(1)向かってくる物をとらえておさめる。「ボールを手で―・ける」「雨漏りをバケツで―・ける」
(2)風や光が当てられる。「追い風を―・けて快走するヨット」「西日をまともに―・ける部屋」
(3)自分に差し出されたものを自分のものとする。受け取る。《受》「謝礼を―・ける」
(4)(動作を表す語や,動作の結果生ずるものを目的語とする)他からの働きかけが及ぶことを,働きを及ぼされた側から言うことば。《受》
(ア)課せられた物事やしかけられた行為などに積極的に対処する。「部下から報告を―・ける」「挑戦を―・ける」
(イ)自分の意志に関係なく,他からの働きかけをこうむる。「敵から攻撃を―・ける」「罰を―・ける」「読者からのお叱りを―ける」
(ウ)他からもたらされた状態が自分の身に自然と生ずる。
⇔あたえる
「あの本を読んでどんな印象を―・けたか」「地震で被害を―・ける」「精神的ショックを―・ける」
(エ)与えられる。
〔「享ける」とも書く〕
「生を―・ける」
(5)自分からすすんで,あることをしてもらう。《受》「手術を―・ける」「お祓(ハラ)いを―・ける」「入学試験を―・けに行く」
(6)他からの注文・依頼を承知して対処する。《受・請》「注文を―・ける」「神は―・けずぞなりにけらしも/古今(恋一)」
(7)(提案などを)承服する。受け入れる。のむ。《受・承》「とても―・けられないきびしい条件」
(8)影響・関連・つながりがそこに及んでいる。《受・承》「理事会の決定を―・けて事務局では…」「『もしも』を―・けて,あとには仮定表現が来る」
(9)引き継ぐ。継承する。《承》「先代のあとを―・けて二代目当主となる」「母親から絵の才を―・ける」
(10)観客・聴衆に気に入られ,好まれる。《受》「若者に―・けるギャグ」
(11)(方角を表す語を目的語として)…に面する。《受》「南を―・ける」
(12)借金を払って,質種(シチグサ)などを取り戻す。現代では「うけ出す」「うけ戻す」など,複合した形で用いる。《受・請》「衣を…質に置けるが,そののち―・くる事成がたく/浮世草子・世間胸算用 1」
[慣用] 意を―・生を―・真(マ)に―
承る
うけたまわる【承る】
(1)[御用命を受ける]receive <an order> .→英和
(2)[聞く]承っておく Please tell[give]me <your name and address> .
承っている I hear[am told,understand]that….
承る
うけたまわ・る [5] 【承る】 (動ラ五[四])
〔「受け賜る」の意〕
(1)「聞く」の謙譲語。
(ア)(目上の人の言葉を)つつしんで聞く。拝聴する。「御意見を―・る」
(イ)(目上の人の様子を)伝え聞く。「―・るところによりますと」
(2)「引き受ける」「承諾する」の謙譲語。(目上の人の命令や頼みを)引き受ける。「御用命を―・る」「委細―・りました」
(3)「受ける」の謙譲語。お受けする。いただく。「かしこき仰せ言をたびたび―・りながら/源氏(桐壺)」
承久
しょうきゅう シヨウキウ 【承久】
⇒じょうきゅう(承久)
承久
じょうきゅう ジヨウキウ 【承久】
年号(1219.4.12-1222.4.13)。建保の後,貞応の前。順徳・仲恭・後堀河天皇の代。
承久の乱
じょうきゅうのらん ジヨウキウ― 【承久の乱】
1221年(承久3)後鳥羽上皇らが鎌倉幕府打倒の兵を挙げ,執権北条義時を中心とする幕府軍に鎮圧された事件。後鳥羽・土御門・順徳の三上皇は配流,上皇方の公家・武士の所領は没収され,新補地頭の設置,六波羅探題の設置など幕府の権力は西国でも強化され,公家勢力の権威は著しく失墜した。承久の変。
承久記
じょうきゅうき ジヨウキウキ 【承久記】
軍記物語。二巻。作者未詳。鎌倉ないし室町初期の成立か。承久の乱の原因・経過・結末を記す。鎌倉幕府に好意的な立場をとりながら京都側の動静も詳細に記され,史料的価値が比較的高い。異本に「承久兵乱記」「承久軍物語」などがある。
承了
しょうりょう [0] ―リヤウ 【承領】 ・ ―レウ 【承了】 (名)スル
承知すること。聞き入れること。「足下の請求せし日より之を―せり/新聞雑誌 10」
承仕
じょうじ [1] 【承仕】
〔「しょうじ」とも〕
(1)堂内の仏具の管理などの用に従事する僧。承仕法師。
(2)剃髪(テイハツ)して,院の御所・摂関家などに仕え,雑役に従事する者。
(3)室町幕府で,儀式の際,座敷の設備を担当した役。
承仕法師
じょうじほうし [4] 【承仕法師】
「承仕{(1)}」に同じ。
承伏
しょうふく [0] 【承服・承伏】 (名)スル
〔古くは「しょうぶく」「じょうふく」とも〕
相手の言うことを納得して従うこと。「どうにも―しがたい」
承伝
しょうでん [0] 【承伝】
受け伝えること。受け継ぐこと。
承保
じょうほう 【承保】
年号(1074.8.23-1077.11.17)。延久の後,承暦の前。白河天皇の代。しょうほう。しょうほ。
承保
しょうほ 【承保】
⇒じょうほう(承保)
承保
しょうほう 【承保】
⇒じょうほう(承保)
承允
しょういん [0] 【承允】 (名)スル
承知すること。許すこと。「君主より―したる約定/自由之理(正直)」
承元
しょうげん 【承元】
⇒じょうげん(承元)
承元
じょうげん 【承元】
年号(1207.10.25-1211.3.9)。建永の後,建暦の前。土御門(ツチミカド)・順徳天皇の代。
承前
しょうぜん【承前】
Continued <from> .
承前
しょうぜん [0] 【承前】
前の文を受けつぐこと。前の文のつづき。書き出すときに用いる語。
承句
しょうく [1] 【承句】
漢詩で起句の意をうける句。絶句の第二句,律詩の第三・四の両句をいう。
承和
じょうわ 【承和】
年号(834.1.3-848.6.13)。天長の後,嘉祥の前。仁明(ニンミヨウ)天皇の代。しょうわ。
承和
しょうわ 【承和】
⇒じょうわ(承和)
承和の変
じょうわのへん 【承和の変】
842年(承和9)伴健岑(トモノコワミネ)・橘逸勢(タチバナノハヤナリ)らが皇太子恒貞親王を奉じて謀反を企てたとして流罪に処せられ,親王が廃された事件。藤原良房の陰謀といわれ,その妹の子道康親王が皇太子となった。
承和楽
じょうわらく 【承和楽】
舞楽の一。左方唐楽。壱越(イチコツ)調。襲(カサネ)装束。四人による舞。承和年間に仁明天皇の命により大戸清上(オオトノキヨガミ)が作曲。冬明楽。黄菊承和楽。
承嗣
しょうし [1] 【承嗣】
あとをうけつぐこと。あとつぎ。継嗣。
承塵
しょうじん [0] 【承塵】
貴人の御座所などで屋根裏から落ちる塵を受けるために,室の上方に板・蓆(ムシロ)・布などを今日の天井のように一面に張り渡したもの。
承安
じょうあん 【承安】
〔「しょうあん」とも〕
年号(1171.4.21-1175.7.28)。嘉応の後,安元の前。高倉天皇の代。
承平
しょうへい 【承平】
⇒じょうへい(承平)
承平
じょうへい 【承平】
年号(931.4.26-938.5.22)。延長の後,天慶の前。朱雀(スザク)天皇の代。
承平天慶の乱
じょうへいてんぎょうのらん 【承平天慶の乱】
一〇世紀前半,承平・天慶年間,関東で平将門(マサカド)が,瀬戸内海で藤原純友(スミトモ)が,ほとんど同時に起こした反乱。
承引
しょういん [0] 【承引】 (名)スル
承諾してひきうけること。うけあうこと。「要求は―しがたい」
承当
しょうとう [0] 【承当】 (名)スル
うけつぐこと。「人より托せられたらんをば,これを―すべし/西国立志編(正直)」
承役地
しょうえきち [4][3] 【承役地】
〔法〕 地役権が設定された時,要役地のために便益を供する土地。要役地の利用のために通路となる土地など。
承徳
しょうとく 【承徳】
⇒じょうとく(承徳)
承徳
しょうとく 【承徳】
中国,河北省北部の都市。綿花・大豆・薬材の集散地。旧熱河省の省都。チョントー。
承徳
じょうとく 【承徳】
年号(1097.11.21-1099.8.28)。永長の後,康和の前。堀河天皇の代。
承応
じょうおう 【承応】
〔「しょうおう」とも〕
年号(1652.9.18-1655.4.13)。慶安の後,明暦の前。後光明(ゴコウミヨウ)・後西(ゴサイ)天皇の代。
承接
しょうせつ [0] 【承接】
前を受けて後へ続けること。
承明門
しょうめいもん 【承明門】
平安京内裏内郭門の一。紫宸殿(シシンデン)正面にある,南面の正門。建礼門と対する。
→内裏
承明門院
しょうめいもんいん 【承明門院】
(1171-1257) 後鳥羽天皇の後宮。名は源在子。源通親の養女。土御門天皇の生母。1202年院号宣下。
承暦
じょうりゃく 【承暦】
年号(1077.11.17-1081.2.10)。承保の後,永保の前。白河天皇の代。
承暦
しょうりゃく 【承暦】
⇒じょうりゃく(承暦)
承服
しょうふく [0] 【承服・承伏】 (名)スル
〔古くは「しょうぶく」「じょうふく」とも〕
相手の言うことを納得して従うこと。「どうにも―しがたい」
承服する
しょうふく【承服する】
submit[yield] <to> .→英和
承盤
しょうばん [0] 【承盤】
器物の下を承(ウ)け,また支える受け皿状の浅い盤。特に博山炉の台座。
承知
しょうち [0] 【承知】 (名)スル
(1)知っていること。わかっていること。「いきさつは―しております」
(2)聞き入れること。承諾すること。「解約の件は―できない」
(3)許すこと。多く否定の形で「許さない」「勘弁しない」の意を表す。「そんなことをしたら―しないぞ」
承知する
しょうち【承知する】
(1)[同意]agree[consent] <to> .→英和
(2)[許可]permit;→英和
allow;→英和
forgive.→英和
(3)[知る]know;→英和
understand;→英和
be aware <of> .
〜させる prevail <upon a person to do> .→英和
互いに〜の上で by mutual consent.御〜の通り as you know[see,are aware].〜しました All right./O.→英和
K.→英和
/Certainly.
承知の助
しょうちのすけ [4] 【承知の助】
「承知」を,人名のように言った語。「おっと合点―」
承知の幕
しょうちのまく 【承知の幕】
〔近世,役者の間で用いられた語から〕
承知していること。「『貴様を頼むは』『―さ』/歌舞伎・お染久松色読販」
承秋門
じょうしゅうもん ジヨウシウ― 【承秋門】
平安京大内裏の豊楽(ブラク)院十九門の一。
承継
しょうけい [0] シヨウ― 【承継】 ・ セウ― 【紹継】 (名)スル
先の人の地位・事業・精神などを受け継ぐこと。継承。「伝統を―する」「先祖の位を―せし君主/明六雑誌 9」
承継取得
しょうけいしゅとく [5] 【承継取得】
〔法〕 他人の権利を受け継いで,その全部または一部を取得すること。継受取得。
→原始取得
承継的共同正犯
しょうけいてききょうどうせいはん [11] 【承継的共同正犯】
ある者が犯罪の実行に出た後に,他の者が共同意思のもとに犯罪の実行に加わること。
承継税制
しょうけいぜいせい [5] 【承継税制】
個人企業が相続される場合,事業資産の相続税の負担について配慮を行い,事業の継承を容易にしようとする税制。事業承継税制。
承認
しょうにん【承認】
recognition;→英和
(an) <a written> acknowledgment;an admission;→英和
approval;→英和
consent.→英和
〜する recognize;→英和
admit;→英和
acknowledge;→英和
approve;→英和
consent.→英和
〜を得る obtain approval.‖承認書 a written acknowledgment.
承認
しょうにん [0] 【承認】 (名)スル
(1)その事柄が正当であると判断すること。もっともなことだと思うこと。「理事会の―した事項」
(2)相手の言い分を聞き入れること。「裁定に従うことを双方が―した」
(3)〔法〕 国家・政府・交戦団体などについて,国際法上の主体として一定の地位を認めること。
承認要求
しょうにんようきゅう [5] 【承認要求】
他人に自分の存在や考えを認められることを求める社会的要求。
承諾
しょうだく [0] 【承諾】 (名)スル
〔古くは「じょうだく」〕
(1)他人の依頼・要求などをもっともと思い,引き受けること。承知。
⇔拒否
「移転を―する」「―を得る」
(2)〔法〕 申し込みの意思表示と結合して契約を成立させる意思表示。
承諾
しょうだく【承諾】
consent;→英和
assent;→英和
agreement.〜する consent[agree,assent] <to> ;comply <with> ;→英和
accept.→英和
〜を得て(得ずに) with (without) a person's consent.
承陽大師
じょうようだいし ジヤウヤウ― 【承陽大師】
1879年(明治12)に贈られた道元(ドウゲン)の諡号(シゴウ)。
承鞚
みずつき ミヅ― [0] 【承鞚・七寸・水付】
(1)馬の手綱の端を結びつける轡(クツワ)の部分名。
→轡
(2)手綱の両端。
承鞚
みずき ミヅキ [0] 【承鞚】
⇒みずつき(承鞚)
承領
しょうりょう [0] ―リヤウ 【承領】 ・ ―レウ 【承了】 (名)スル
承知すること。聞き入れること。「足下の請求せし日より之を―せり/新聞雑誌 10」
承香殿
そきょうでん ソキヤウ― 【承香殿】
⇒しょうきょうでん(承香殿)
承香殿
しょうきょうでん シヨウキヤウ― 【承香殿】
平安京内裏(ダイリ)の殿舎の一。仁寿(ジジユウ)殿の北,常寧殿の南にあり,内宴や御遊などが行われた。そきょうでん。しょうこうでん。
→内裏
技
わざ [2] 【技】
〔「わざ(業)」と同源〕
(1)技芸。技術。腕前。「―をみがく」「糸竹の―」
(2)柔剣道・相撲などで,相手に仕掛けて負かすための一定の型に基づく動作。「―をかける」「投げ―」
技
ぎ [1] 【技】
わざ。腕前。
技
ぎ【技】
art;→英和
craft;→英和
skill.→英和
〜をみがく improve one's art.
技倆
ぎりょう [1][0] 【技量・伎倆・技倆】
■一■ (名)
物事を行ううまさ。腕前。手なみ。「すぐれた―」「―伯仲」
■二■ (形動ナリ)
強くてたくましいさま。「イママデワサモ―ニシテ,カイガイシク/サントスの御作業」
技官
ぎかん [1] 【技官】
特別の学術・技芸に関することをつかさどる国家公務員。建設技官・厚生技官の類。
技官
ぎかん【技官】
a technical official.
技工
ぎこう [0] 【技工】
手で加工する技術。また,その技術をもつ人。「歯科―士」
技巧
ぎこう [0] 【技巧】
すぐれた技術。特に,芸術作品をたくみに制作する技術。テクニック。「―をこらす」「―に走る」
技巧
ぎこう【技巧】
(an) art;→英和
(a) technique;→英和
craft;→英和
technical skill.〜を弄する resort to artifice.
技巧派
ぎこうは [0] 【技巧派】
特に技巧を重んじ,また技巧にすぐれている人。「―の投手」「―の詩人」
技師
ぎし【技師】
an engineer;→英和
a technical expert (専門家).‖建築技師 an architect.土木(電気)技師 a civil (an electrical) engineer.
技師
ぎし [1] 【技師】
(1)技術関係のことを専門の職業とする人。エンジニア。
(2)旧制官庁で,技術関係のことを扱う高等官また高等官待遇の技術官。
→技官
技手
ぎしゅ【技手】
an assistant engineer.
技手
ぎしゅ [1] 【技手】
(1)会社などで,技師の下にあり,技術関係の仕事を行う者。
(2)旧制官庁で,技術官吏の一つとして技師の下に属した判任官または同待遇者。ぎて。
技手
ぎて [1][0] 【技手】
〔「ぎし(技師)」と紛らわしく聞こえるところから言い分けた語〕
「ぎしゅ(技手)」に同じ。
技有り
わざあり [2] 【技有り】
柔道で,一本に近い技があったと認める判定。投げ技では一本に近い技の効果があったとき,抑え込み技では抑え込んでから二五秒経過したときに,技有りとなる。二回取ると一本となる。
技法
ぎほう [0] 【技法】
芸術・スポーツなどで,技術上の方法。手法。テクニック。
技癢
ぎよう [0] 【技癢・伎癢】
〔「癢」はかゆい意〕
自分の腕前を示したくてむずむずすること。「僕は見るより例の―を発して/思出の記(蘆花)」
技監
ぎかん [0] 【技監】
技術をつかさどる国家公務員の職名。現在,わが国では建設省と特許庁に各一人が置かれている。
技能
ぎのう [1] 【技能】
物事を行う腕前。技量。「―検定」「―工」
技能
ぎのう【技能】
(technical) skill.→英和
〜がすぐれている be highly skilled <in> .‖技能オリンピック the Vocational Olympics;the International Vocational Training Competition.技能賞 a prize for skill (相撲の).
技能労働者
ぎのうろうどうしゃ [6] 【技能労働者】
一定の熟練技能を身につけて作業をする労働者。大工・とび職・機械組立工など。技能工。
技能士
ぎのうし [2] 【技能士】
職業能力開発促進法により国,都道府県,またはその依嘱を受けた職業能力開発協会が実施する技能検定試験の合格者に与えられる称号。職種によっては,等級に区分されるものもある。
技芸
ぎげい [1][0] 【技芸】
美術・工芸などの芸術に関する技術。
技芸
ぎげい【技芸】
arts;handicrafts (手芸);accomplishments (芸事).
技術
ぎじゅつ【技術】
(an) art;→英和
technique;→英和
technical skill.〜的 technical <aid> .→英和
〜上 technically.→英和
‖技術家 a technical expert.技術革新 technological innovation.技術者 a technician.技術提携 a technical tie-up.
技術
ぎじゅつ [1] 【技術】
(1)物事を巧みにしとげるわざ。技芸。「運転―」
(2)自然に人為を加えて人間の生活に役立てるようにする手段。また,そのために開発された科学を実際に応用する手段。科学技術。
技術士
ぎじゅつし [3] 【技術士】
技術士法に基づき,機械・船舶・航空・建築などの部門で,科学技術に関する高度の専門的応用能力を要する事項について計画・研究・設計・指導などの業務を行う者。
技術官
ぎじゅつかん [3] 【技術官】
もと,工芸・技術に関する職務に従事した官吏。判任官を技手,高等官を技師と称した。
技術家
ぎじゅつか [0] 【技術家】
(1)物事を巧みに行う人。
(2)「技術者」に同じ。
技術家庭
ぎじゅつかてい [4] 【技術家庭】
中学校教育の教科の一。男子向きの技術科と女子向きの家庭科からなる。1958年(昭和33)の教育課程改訂で必修科目とされた。
技術屋
ぎじゅつや [0] 【技術屋】
「技術者」の俗称。
技術援助
ぎじゅつえんじょ [4] 【技術援助】
先進国が発展途上国に対して経済開発に必要な知識・技術を提供すること。海外からの研修生の訓練,専門家・技術者の海外への派遣,機械・施設の提供などの形態があり,無償の場合が多い。
技術教育
ぎじゅつきょういく [4] 【技術教育】
生産活動に必要な知識・技術の教育。学校・職業訓練所その他公共機関・私企業などで行われる。
技術的
ぎじゅつてき [0] 【技術的】 (形動)
(1)科学技術を実地に応用するのに関係のあるさま。「―に立ち遅れている」
(2)根本的な理論や方針ではなく,実務的な方法や手段にかかわるさま。
技術移転
ぎじゅついてん [4] 【技術移転】
技術力の高い国・企業・産業分野から技術力の低い方へ技術が移されること。例えば,先進国から発展途上国への技術援助や,宇宙開発技術の民生分野への応用など。
技術立国
ぎじゅつりっこく [4] 【技術立国】
卓越した技術をもとに工業発展を促し,国家の繁栄をはかること。
技術者
ぎじゅつしゃ [3] 【技術者】
技術{(2)}を役立てることを職業とする人。技術家。
技術輸出
ぎじゅつゆしゅつ [4] 【技術輸出】
特許・実用新案・技術情報などを用いる権利を外国に提供し,その対価として特許料などの技術料を受け取ること。
技術革新
ぎじゅつかくしん [4] 【技術革新】
⇒イノベーション
技量
ぎりょう【技量】
ability;→英和
capability.〜のある able;→英和
capable.→英和
技量
ぎりょう [1][0] 【技量・伎倆・技倆】
■一■ (名)
物事を行ううまさ。腕前。手なみ。「すぐれた―」「―伯仲」
■二■ (形動ナリ)
強くてたくましいさま。「イママデワサモ―ニシテ,カイガイシク/サントスの御作業」
抃喜
べんき [1] 【抃喜】
手を打って喜ぶこと。非常に喜ぶこと。「―措く能はざるなり/日乗(荷風)」
抃舞
べんぶ [1] 【抃舞】 (名)スル
手を打ち踊り回って喜ぶこと。「汝の児孫盾を抱いて―するものあらん/幻影の盾(漱石)」
抃躍
べんやく [0] 【抃躍】 (名)スル
〔「へんやく」とも〕
手を打ちおどり上がって喜ぶこと。「はからずも翁其人にあたりしを―し/蘭学事始」
抄
しょう セウ [1] 【抄・鈔】
(1)書物などの一部分を抜き出して書くこと。抜き書き。
(2)難しい語句などを抜き出して注釈をつけること,またその書。「史記の―」
(3)尺貫法で,容積の単位。勺(シヤク)の一〇分の一。《抄》
抄い
すくい スクヒ [0] 【掬い・抄い】
すくうこと。すくいとること。「金魚―」
抄い網
すくいあみ スクヒ― [0][3] 【掬い網・抄い網】
魚をすくいとるための網。木・竹・針金の枠に袋状の網を取り付け,柄を付けたもの。さであみ・たもあみ・四つ手網の類。
抄う
すく・う スクフ [0] 【掬う・抄う】 (動ワ五[ハ四])
(1)液体や粉末の中に手・さじなどを入れて,一部分を取り出す。「汁を―・う」「泉の水を両手で―・って飲む」
(2)液体の中や表面にいるものを網などで取り出す。「金魚を―・う」「浮いた灰汁(アク)をお玉で―・う」
(3)下から上へ曲線をえがくようにして横にはらう。また,下から上へ急にもちあげる。「足を―・う」「後ろよりかき―・ひて飛ぶやうにして出でぬ/宇治拾遺 12」
[可能] すくえる
抄き
すき [0] 【漉き・抄き】
紙をすくこと。「手―」「機械―」
抄き入れ
すきいれ [0] 【漉き入れ・抄き入れ】
紙を透かして見たときに現れる文字や模様。また,このような紙を漉くこと。「―紙」
抄き込む
すきこ・む [3] 【漉き込む・抄き込む】 (動マ五[四])
紙に異質の繊維を入れてすく。また,木の葉などを入れてすく。「木の葉を―・んだ和紙」
[可能] すきこめる
抄き返し
すきかえし [0] 【漉き返し・抄き返し】
一度使った紙をすき返すこと。また,その紙。宿紙(シユクシ)。
抄き返す
すきかえ・す [3] 【漉き返す・抄き返す】 (動サ五[四])
一度使った紙を水にひたして突き砕き,煮溶かしてから再びすいて紙をつくる。
[可能] すきかえせる
抄く
す・く [0] 【漉く・抄く】 (動カ五[四])
〔「鋤く」と同源〕
水にとかしたどろどろの原料をすくい上げて薄くひろげ,乾かして紙や海苔(ノリ)を作る。「紙を―・く」「海苔(ノリ)を―・く」
[可能] すける
抄する
しょう・する セウ― [3] 【抄する・鈔する】 (動サ変)[文]サ変 せう・す
(1)書き写す。また,抜き書きする。
(2)あちこちから抜き出したものを集めて本を作る。「延喜の御時に古今―・せられしをり/大鏡(昔物語)」
(3)抜き出して注をつける。「本がなさに索隠本で―・するぞ/史記抄 13」
(4)紙を漉(ス)く。
抄写
しょうしゃ セウ― [0][1] 【抄写】 (名)スル
文章の一部を書き写すこと。抄録。「日記を―したものである/渋江抽斎(鴎外)」
抄出
しょうしゅつ セウ― [0] 【抄出】 (名)スル
一部を書き抜くこと。また,その書き抜いた部分。「関連記事を―する」
抄帳
しょうちょう セウチヤウ 【抄帳】
平安時代,諸官庁に納められる調・庸(ヨウ)・雑物などの受領証の台帳。
抄掠
しょうりゃく セウ― [0] 【抄掠・抄略】 (名)スル
かすめとること。「斯軍に田実を―せられ/経国美談(竜渓)」
抄書
しょうしょ セウ― [1][0] 【抄書・鈔書】
書物の一部を抜き出して書くこと。また,そうして編んだ本。
抄本
しょうほん【抄本】
an abstract[extract].→英和
抄本
しょうほん セウ― [0] 【抄本】
(1)一部を抜き書きした書物。
(2)書類の一部を書き抜いたもの。戸籍抄本・登記簿抄本など。
抄物
しょうもの セウ― [0] 【抄物】
主として室町時代に作られた漢籍・仏典・漢文体国書の注釈書の総称(一部は江戸時代に入っても作られた)。多く,原典の書名に「抄」を付して「論語抄」「史記抄」のように呼ばれる。講述のための手控え,講述の聞き書き,それらを類纂(ルイサン)したものなどがある。漢文で書かれた漢文抄と漢字片仮名交じり文で書かれた仮名抄とがあり,後者は文語体と口語体とがある。口語体仮名抄は室町時代の口語を反映する。
抄物
しょうもつ セウ― [0] 【抄物】
書物の抜き書き。また,和歌・漢詩の作り方を書き抜いて集めた本。参考書。「古歌を多く覚え,家々の―をみるばかりによりて/為兼和歌抄」
→しょうもの(抄物)
抄物書き
しょうもつがき セウ― [0] 【抄物書き】
僧侶などが書写する際に,頻出する漢字の字画を省略する書き方。�(菩薩),忄忄(懺悔),女女(娑婆),厂(歴),广(鹿・摩・魔など),尺(釈),�(般若),釗(金剛)など。
抄略
しょうりゃく セウ― [0] 【抄掠・抄略】 (名)スル
かすめとること。「斯軍に田実を―せられ/経国美談(竜渓)」
抄紙
しょうし セウ― [1] 【抄紙】
紙を漉(ス)くこと。かみすき。
抄紙機
しょうしき セウ― [3] 【抄紙機】
紙漉(カミス)き機。
抄記
しょうき セウ― [1] 【抄記】 (名)スル
抜き書きすること。また,そのもの。抄録。
抄訳
しょうやく【抄訳】
<make> an abridged translation <of> .
抄訳
しょうやく セウ― [0] 【抄訳】 (名)スル
原文の一部分を抜き出して翻訳すること。また,その翻訳。
⇔全訳
⇔完訳
抄造
しょうぞう セウザウ [0] 【抄造】 (名)スル
紙料から紙を漉(ス)くこと。「薄葉紙を―する」
抄録
しょうろく セウ― [0] 【抄録】 (名)スル
一部分をぬいて書きとめること。ぬきがき。抜粋。「雑誌の論文を―する」
抄録
しょうろく【抄録(する)】
(make) an abstract.→英和
抉じる
こ・じる [2] 【抉じる】 (動ザ上一)[文]ザ上二 こ・ず
物のすきまや穴などの中に棒状の物などを入れ,強くねじる。えぐるようにねじる。「方々の戸の隙を―・じて見た/疑惑(秋江)」
抉じ入れる
こじい・れる [4] 【抉じ入れる】 (動ラ下一)
狭いすき間から無理やり入れる。「すき間に鉄の棒を―・れる」
抉じ開ける
こじあ・ける [4][0] 【抉じ開ける】 (動カ下一)[文]カ下二 こじあ・く
閉ざされているもののすき間に細い棒などをさしこんで,むりにあける。「雨戸を―・ける」「ふたを―・ける」
抉ず
こ・ず 【抉ず】 (動ザ上二)
⇒こじる(抉)
抉り
えぐり ヱグリ [3] 【抉り・刳り】
(1)えぐること。刃物などでくりぬくこと。
(2)風変わりな趣向で人を驚かすこと。うがち。
抉り
くじり [3] 【抉り】
〔動詞「抉る」の連用形から〕
(1)穴をあけるのに用いる錐(キリ)の一種。
(2)結び目をくじってほどく道具。象牙製で先が錐のようにとがっている。[和名抄]
抉り出す
えぐりだ・す ヱグリ― [4][0] 【抉り出す】 (動サ五[四])
(1)えぐって取り出す。「病巣を―・す」
(2)隠されていることを探り出して明るみに出す。「真相を―・す」
[可能] えぐりだせる
抉る
えぐる【抉る】
scoop out;gouge;→英和
pierce (心を).→英和
抉る
くじ・る [2] 【抉る】 (動ラ五[四])
(1)穴に棒などを押し込んでかき回す。「穴に棒をつっこんで―・る」
(2)えぐって中の物を取りだす。「眼(マナコ)を―・りて其眼玉をゑぐり/女房殺し(水蔭)」
(3)穴をうがつ。「穴を―・り/竹取」
抉る
えぐ・る ヱグル [2] 【抉る・刳る・剔る】
■一■ (動ラ五[四])
(1)刃物などをつきさしぐるりと回してくり抜く。「木を―・った椀」
(2)人の心に激しい苦痛・動揺などを与える。「肺腑(ハイフ)を―・る話」
(3)真相を明らかにしようとして容赦なく追及する。「現代の世相を―・る」
[可能] えぐれる
■二■ (動ラ下二)
⇒えぐれる
抉る
こじ・る [2] 【抉る】 (動ラ五)
〔上一段動詞「こじる(抉)」の五段化〕
「こじる(上一)」に同じ。「戸を―・って開ける」
抉る
さく・る [2] 【決る・抉る】 (動ラ五[四])
地面に溝などを掘る。「枝は挫(クジ)けて其先が庭の土を―・つた/土(節)」「横しまの源(ウナカミ)を―・り,海に通はせ/日本書紀(仁徳訓)」
抉る
しゃく・る [0] 【決る・抉る・刳る】 (動ラ五[四])
〔「さくる」の転〕
(1)中をえぐる。また,溝を切る。「西瓜をスプーンで―・って食べる」
(2)液体や粉などをすくい取る。しゃくう。「ひしゃくで水を―・る」
(3)綱などを,すくうような動作で上下左右に動かす。「鞭ヲ―・ル/ヘボン」
(4)あごを軽く突き出すようにして上げる。人に横柄に指示する時の動作。「あっちへ行け,とあごを―・った」
(5)戸を持ち上げるようにして動かす。「こりや何で門口閉めたと言ひつつ―・る潜戸(クグリド)の/浄瑠璃・夏祭」
(6)おだてて,そそのかす。「お前小林から何か―・られたね/明暗(漱石)」
[可能] しゃくれる
抉れる
えぐ・れる ヱグレル [3] 【抉れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ゑぐ・る
その部分が抉り取られたようになる。「大きく―・れたような跡」
抉れる
しゃく・れる [0] 【決れる・抉れる】 (動ラ下一)
中ほどが弓なりにくぼんでいる。「―・れたあご」
抉出
けっしゅつ [0] 【抉出】 (名)スル
えぐって中にあるものを出すこと。
抉剔
けってき [0] 【抉剔】 (名)スル
えぐり出すこと。
把
ぱ 【把】 (接尾)
「わ(把)」(接尾)に同じ。「薪十―」
把
ば 【把】 (接尾)
「わ(把)」(接尾)に同じ。「ほうれん草三―」
把
たば 【束・把】
■一■ [1] (名)
いくつかのものをひとまとめにしたもの。まとめてたばねたもの。細長いものや平たく薄いものをまとめる場合にいう。「稲の―」「札―」「薪(マキ)を―にする」
■二■ (接尾)
助数詞。たばねたものを数えるのに用いる。「薪三―」
把
わ【把】
a bundle <of firewood> .→英和
把
わ ハ 【把】 (接尾)
助数詞。束ねたものを数えるのに用いる。「にら一―」
〔上にくる語によって「ば」「ぱ」ともなる〕
把住
はじゅう [0] 【把住】 (名)スル
(1)つかまえること。ひっつかむこと。「―し難き我空想は/即興詩人(鴎外)」
(2)〔仏〕 禅宗で,師が弟子を指導する際,弟子に解答を強く求めたり,その考えを叱責するなど,厳しい態度をとること。
把手
とって [0][3] 【取っ手・把手】
〔「とりて」の転〕
手で持ったりするのに便利なように,家具・機械類などに取りつけた柄。ハンドル。とりて。「引き出しの―」「なべの―」
把手
はしゅ [1] 【把手】
取っ手。
把持
はじ [1] 【把持】 (名)スル
(1)しっかり持つこと。かたく握っていること。「信念を―する」
(2)〔心〕「保持{(2)}」に同じ。
把捉
はそく [0] 【把捉】 (名)スル
しっかりつかむこと。とらえること。「文意を―する」
把握
はあく [0] 【把握】 (名)スル
(1)手で握ること。しっかりつかむこと。
(2)よく理解すること。「情勢を―する」
把握する
はあく【把握する】
grasp;→英和
understand (理解).→英和
把針
はしん 【把針】
裁縫。針仕事。「だんなかたに―を頼ませられて毎日しこう致す/狂言・若市」
把針者
はしんしゃ 【把針者】
針仕事をする人。[日葡]
把鼻
はび 【把鼻・巴鼻】
〔牛の鼻に縄を通してつかまえる意〕
(1)物事のとらえどころ。要点。「この―あるは,これ古仏なり/正法眼蔵」
(2)由来。いわれ。「コトバノ―/日葡」
抑
そも [1] 【抑】 (接続)
〔代名詞「そ(其)」に係助詞「も」の付いたもの〕
前に述べたことを受けて次のことを説き起こすとき用いる語。そもそも。一体全体。「坊さんが何か云てたよ。―何とかいつたつけ/怪談牡丹灯籠(円朝)」
抑
そもそも [1] 【抑・抑抑】
〔「そも」を重ねた語。古くは漢文訓読に多く用いられた〕
■一■ (名)
(物事の)最初。起こり。どだい。副詞的にも用いる。「―は僕が始めたものだ」「―の始まり」
■二■ (接続)
改めて説き起こすとき,文頭に用いる語。いったい。だいたい。「―,事前調査の不備がこのような事態を招いた」「―私の今日あるは彼のおかげだ」
〔■一■は■二■の転〕
抑え
おさえ オサヘ [3][2] 【押(さ)え・抑え】
(1)おさえること。また,おさえる物。「石を置いて―にする」
(2)他人の言動を支配・制限すること。また,欲望などに抗する力。「新任の課長では―がきかない」「その気になったら―のきかない人」
(3)敵の侵攻を防ぐこと。また,防ぐための備えや軍勢。防備。「敵(アタ)守る―の城(キ)そと/万葉 4331」
(4)囲碁で,相手が「伸び」または「はね」を打った時,その石の隣に打って,進出を止めること。
(5)相手の反攻・反撃などを阻止すること。「―のピッチャー」
(6)行列の最後にいて,列を整える役。また,その人。「羽織袴股立の―弐人/歌舞伎・小袖曾我」
(7)決まりをつけること。「義朝の―の詞,後日いかがと思ひてや返す詞はなかりけり/浄瑠璃・鎌田兵衛」
(8)和船で,櫓(ロ)を操作して船首を右に向けること。
⇔控え
(9)相手が返す杯を押し戻して,もう一度飲ませること。「合も―も二人なれば/滑稽本・根南志具佐」
抑える
おさ・える オサヘル [3][2] 【押(さ)える・抑える】 (動ア下一)[文]ハ下二 おさ・ふ
〔「押す」に継続の助動詞「ふ」の付いた語〕
(1)力をある部分に加えて,その状態を持続する。《押》
(ア)物に力や重みを加えて,動かないようにする。「ドアを手で―・える」「文鎮で半紙を―・える」「髪を―・える」
(イ)体の一部に手などをあてる。「目頭(メガシラ)を―・える」「耳を―・える」
(ウ)傷口や痛む所に手や物をあてがう。「傷口をガーゼで―・える」
(2)動作・現象の実現をさまたげる。
(ア)動きが起ころうとするのを,何らかの手段で,未然にあるいは途中でとどめる。「ライバル会社の進出を―・える」「記事を―・える」
(イ)スポーツの試合で,相手が活躍するのをとどめる。「強敵を―・えて優勝する」「相手を 0 点に―・える」
(ウ)度をこさないようにする。適当な範囲にあるようにする。「出費を―・える」「量産で値段を―・える」「甘みを―・えた上品な味」
(エ)感情が外に表れそうなのを,こらえる。「うれしさを―・え切れないようす」「怒りを―・える」
(3)支配下・管轄(カンカツ)下に置く。《押》
(ア)自由に活動できないようにする。「上司に頭を―・えられる」
(イ)自分の支配下に置いて他の者をさえぎる。「担保物件を―・える」「帰りの切符は―・えてある」「自動車市場は二社が―・えている」
(4)重要な点を確実に認識・理解する。《押》「要点を―・える」「勘所(カンドコロ)を―・える」「犯行の現場を―・える」
(5)和船で,船首を右に向ける。《押》
⇔控える
(6)下手に見る。「当山の末寺でありながら…と―・へて書く条奇怪なり/平家 4」
(7)差そうとする杯を受けないで,もう一度飲ませる。「一度一度に―・へて酒ぶりかたし/浮世草子・一代男 3」
〔中世末期から近世,ヤ行にも活用した。「涙ヲ―・ユル/日葡」〕
抑え字
おさえじ オサヘ― [3] 【押(さ)え字・抑え字】
(1)連歌・俳諧で,句末に一定の結び方を要求する助詞など。や・か・いつ・何など。
(2)係り結びなどの呼応関係にある結びの語。
抑え込み
おさえこみ オサヘ― [0] 【抑え込み】
柔道の技の名。相手をあお向けにおさえつけて,動きを奪った状態。二五秒で「技有り」,三〇秒で「一本」となる。
抑え難い
おさえがた・い ヲサヘ― 【抑え難い】 (連語)
抑制することがむずかしい。「―・い衝動にかられる」
抑ふ
おさ・う オサフ 【押さふ・抑ふ】 (動ハ下二)
⇒おさえる
抑制
よくせい [0] 【抑制】 (名)スル
(1)たかぶろうとする感情,激しい欲望,衝動的な行動などをおさえてとめること。「痛みを―する」「感情を―する」
(2)急激に進もうとするものをおさえとめること。「インフレの―」
(3)〔医〕 刺激によって興奮した神経細胞の活動が,他の神経細胞によって抑えられること。制止。
抑制する
よくせい【抑制する】
control[suppress] <one's feeling> ;→英和
restrain;→英和
check.→英和
〜できない uncontrollable;→英和
beyond[out of]control.
抑制均衡
よくせいきんこう [5] 【抑制均衡】
⇒チェック-アンド-バランス
抑制栽培
よくせいさいばい [5] 【抑制栽培】
作物の自然の生育・成熟の時期を,人工的に抑制して生産・出荷の時期を遅らせる栽培方法。
⇔促成栽培
抑圧
よくあつ [0] 【抑圧】 (名)スル
(1)行動や自由などを無理におさえつけること。「政治活動を―する」
(2)精神分析の用語。不快な考えや感情を無意識のうちにおさえつけ,意識にのぼらないようにすること。
(3)第二の突然変異が,最初の突然変異による形質の変化をおさえ,元の形質を発現させること。
抑圧する
よくあつ【抑圧する】
oppress;→英和
suppress;→英和
repress;→英和
check.→英和
抑塞
よくそく [0] 【抑塞】 (名)スル
おさえふさぐこと。おさえてせきとめること。「臣等が―窮惋の誠情/近世紀聞(延房)」
抑情
よくじょう [0] 【抑情】
欲情をおさえること。
抑抑
そもそも [1] 【抑・抑抑】
〔「そも」を重ねた語。古くは漢文訓読に多く用いられた〕
■一■ (名)
(物事の)最初。起こり。どだい。副詞的にも用いる。「―は僕が始めたものだ」「―の始まり」
■二■ (接続)
改めて説き起こすとき,文頭に用いる語。いったい。だいたい。「―,事前調査の不備がこのような事態を招いた」「―私の今日あるは彼のおかげだ」
〔■一■は■二■の転〕
抑揚
よくよう [0] 【抑揚】
音声や音楽・文章などの調子を上げたり下げたり,また強めたり弱めたりすること。また,その調子。イントネーション。「―をつけて読む」
抑揚
よくよう【抑揚】
(an) intonation;→英和
(a) modulation.〜のない monotonous.→英和
(変な)〜をつけて with an (a strange) intonation.
抑揚頓挫
よくようとんざ [5] 【抑揚頓挫】
言葉の調子をおさえたり高めたり,また,急に勢いを変えたりすること。「感激の深い言葉に―を付けながら/羹(潤一郎)」
抑損
よくそん [0] 【抑損・抑遜】 (名)スル
おさえてひかえめにすること。へりくだること。「大いなれども能く―せる我心とは/即興詩人(鴎外)」
抑止
よくし [1][0] 【抑止】 (名)スル
抑えとどめること。また,ある行動を思いとどまらせること。「核の―力」
抑止する
よくし【抑止する】
⇒抑制.‖抑止戦略 determent[deterrent]strategy.抑止力 deterrent.
抑止刑論
よくしけいろん [4] 【抑止刑論】
一般人による犯罪または犯罪者による再犯を抑止することを刑罰の正当性の根拠とする考え方。
⇔応報刑論
抑留
よくりゅう [0] 【抑留】 (名)スル
(1)おさえとどめること。また,一か所に無理にひきとめておくこと。「外地に―される」「土人等が列車を―して/八十日間世界一周(忠之助)」
(2)〔法〕
(ア)比較的短期間,強制的に身体の自由を拘束すること。
→拘禁
(イ)国際法上,他国に属する人または物を自国の権力下に置くこと。特に船舶の場合にいう。
抑留する
よくりゅう【抑留する】
detain;→英和
seize;→英和
intern.→英和
‖抑留者 a detainee;an internee.
抑遏
よくあつ [0] 【抑遏】 (名)スル
おさえとどめること。おさえつけて,やめさせること。抑制。「人力を以て強て世間の風潮を―するの危険/天賦人権論(辰猪)」
抑遜
よくそん [0] 【抑損・抑遜】 (名)スル
おさえてひかえめにすること。へりくだること。「大いなれども能く―せる我心とは/即興詩人(鴎外)」
抑鬱
よくうつ [0] 【抑鬱】
心がふさいで不快なこと。おさえられて心がはればれしないこと。
抑鬱状態
よくうつじょうたい [5] 【抑鬱状態】
⇒鬱(ウツ)状態
抑鬱症
よくうつしょう [0][4] 【抑鬱症】
⇒鬱病(ウツビヨウ)
抒情
じょじょう [0] 【抒情・叙情】
感情を述べ表すこと。
→叙事
抒情小曲集
じょじょうしょうきょくしゅう ジヨジヤウセウキヨクシフ 【抒情小曲集】
詩集。室生犀星作。1918年(大正7)刊。「小景異情」「合掌」など,少年の多感な哀傷,自然・故郷への想いなどを直截にうたい,新しい抒情詩をうちたてた。
抒情文
じょじょうぶん [2] 【抒情文・叙情文】
自分の感情を表現した文章。
抒情民謡集
じょじょうみんようしゅう ジヨジヤウミンエウシフ 【抒情民謡集】
〔原題 Lyrical Ballads〕
ワーズワース・コールリッジ共著の詩集。1798年刊,1800年改訂再版。イギリス-ロマン主義を画する作品。ワーズワースの再版序文が有名。
抒情詩
じょじょうし [2] 【抒情詩】
〔lyric〕
作者の思いや感情を表す詩。元来は楽器に合わせて歌う詩。
→叙事詩
抓み
つまみ [0] 【摘まみ・撮み・抓み】
(1)つまんだ分量。「塩を一―加える」
(2)つまんで持つために器具や機械などに取り付けた部分。「鍋の蓋の―」
(3)手軽な酒のさかな。つまみもの。おつまみ。「ビールの―」
抓み高
つかみだか [3] 【掴み高・抓み高】
江戸時代,一筆ごとの耕地を検地することなく,村全体に対して概算的に定めた石高。
抓む
つま・む [0] 【摘まむ・撮む・抓む】 (動マ五[四])
〔「爪(ツメ)」を動詞化した語〕
(1)指や棒などの先で挟んで持つ。「ピンセットで―・む」「ごみを―・んで捨てる」
(2)少量を指先などではさんで食べる。「お菓子を―・む」「すしを―・む」「台所で―・む」
(3)要点を抜き出す。要約する。かいつまむ。「要点を―・んで話す」
(4)(多く「つままれる」の形で)ばかされる。「キツネに―・まれたようだ」
(5)人を愚弄する。[日葡]
[可能] つまめる
抓める
つめ・る [2] 【抓める】 (動ラ五[四])
「つねる」に同じ。「乳母はよく自分を過ちも無いのに―・つた/一隅より(晶子)」
抓る
つね・る [2] 【抓る】 (動ラ五[四])
つめや指先で皮膚を少しつまんでねじる。「ほっぺたを―・る」
[可能] つねれる
抓る
つねる【抓る】
(give a) pinch;→英和
nip.→英和
抔
など 【等・抔】 (副助)
〔「なにと」の転である「なんど」から。中古以降の語。発生期から「なんど」の形も用いられ,近世以降「なぞ」「なんぞ」「なんか」の形も用いられた〕
体言または体言に準ずるもの,文節や文などに接続する。多くの中から一つのものを例示するのが本来の用法である。
(1)多くの事柄の中から,主なものを取りあげて「たとえば」の気持ちをこめて例示する。多くの場合,他に同種類のものがあることを言外に含めて言う。「…や…や…など」の形で総括することもある。「雨や風―の被害がでています」「委員会―で調査してから報告します」「植木の手入れや草取り―してくたびれた」
(2)ある事物を特に取りあげて例示する。
(ア)軽んじて扱う場合。「だれが急ぎ―するものか」「君―の言うことを聞くものか」
(イ)叙述を弱めやわらげる場合。この場合には例示の気持ちはあまりない。文語文や古文に多く見られる用法。「彼―よくやっているほうだね」「かの御法事―し給ふにも,いかめしうとぶらひ聞え給へり/源氏(紅葉賀)」
(3)引用文を受けて,大体このようなことを,の意を表す。現代語では「などと」の形で用いることが多い。「三学期に入ってから勉強すればいい―とのんきなこと言っている」「あやしきまで,此の世の事にはおぼえ侍らぬ―宣ひて/源氏(若紫)」
〔語源が「なにと」であるために,古くは引用文を受ける場合にも格助詞「と」の付かないのが普通であったが,語源意識が薄れるに従って「と」が付くようにもなった〕
投
とう [1] 【投】
(1)野球で,投手力。「―打そろったチーム」
(2)(接尾語的に用いて)投げた回数を表す。「槍投げの第一―」
投ぐ
な・ぐ 【投ぐ】 (動ガ下二)
⇒なげる
投ぐる矢の
なぐるさの 【投ぐる矢の】 (枕詞)
投げる矢のようにの意で,「遠離(トオザカ)る」にかかる。「―遠ざかり居て/万葉 3330」
投ぐ矢
なぐや 【投ぐ矢】
弓を使わず,手で投げる矢。「君が帯(オ)ばしし―し思ほゆ/万葉 3345」
〔万葉集の投矢・投箭は「なげや」と読むとする説もある〕
投げ
なげ [2] 【投げ】
(1)投げること。「輪―」「まり―」
(2)相撲(スモウ)や柔道の技の一。相手をかかえ,腰を入れて投げ倒す技。首投げ・背負い投げ・上手投げ・下手投げ・小手投げなど。投げ技。「土俵際で―を打つ」
(3)囲碁・将棋で,対局の途中で勝算のないことが明らかになり,自分の負けを認めて勝負をやめること。投了(トウリヨウ)。
(4)取引で,これ以上の損失を避けるため,損を承知で売ること。
投げ
なげ【投げ】
a throw (相撲の).→英和
投げる
なげる【投げる】
(1) throw;→英和
fling;→英和
cast;→英和
pitch (野球の球を).→英和
(2) ⇒放棄.
投げる
な・げる [2] 【投げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 な・ぐ
(1)物を手に持って遠くへ飛ばす。ほうる。「ボールを―・げる」
(2)相撲や柔道で,「投げ」の技をする。「土俵の外に―・げる」
(3)自分の身体を,ほうり出す。「身を―・げる」「五体を地に―・げ/平家 10」
(4)離れた地点にまで届かせる。「光を―・げる」「話題を―・げる」
(5)本気で立ち向かうことを途中でやめる。「勝負を―・げる」
(6)囲碁・将棋で,対局の途中で勝算のないことが明らかになり,自分の負けを認めて勝負をやめる。
[慣用] 匙(サジ)を―・手袋を―/賽(サイ)は投げられた
投げキッス
なげキッス [3] 【投げ―】
自分の手にキッスをしてそのキッスを,離れた場所にいる相手に投げる形をすること。
投げ上げる
なげあげる【投げ上げる】
throw[toss]up.
投げ下ろす
なげおろ・す [4][0] 【投(げ)下ろす】 (動サ五[四])
下に向かって投げる。また投げて下へおろす。「オーバーハンドから―・す直球」
[可能] なげおろせる
投げ付ける
なげつ・ける [0][4] 【投(げ)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 なげつ・く
(1)物を目標に向けて投げる。また,手荒く投げる。「石を―・ける」「土俵に相手を―・ける」
(2)強い口調で相手にものを言う。「非難の言葉を―・ける」
投げ付ける
なげつける【投げ付ける】
throw <a thing at> .→英和
投げ倒す
なげたお・す [0][4] 【投(げ)倒す】 (動サ五[四])
投げて倒す。相手のからだを投げつけるようにして転ばす。「土俵中央で―・した」
[可能] なげたおせる
投げ入れる
なげい・れる [4][0] 【投(げ)入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 なげい・る
投げて中に入れる。投げ込む。「かごにごみを―・れる」
投げ入れる
なげいれる【投げ入れる】
throw <a thing> into.
投げ出す
なげだす【投げ出す】
throw out[down];stretch out <one's legs> ;[放棄]give up;abandon;→英和
lay down <one's life> .
投げ出す
なげだ・す [0][3] 【投(げ)出す】 (動サ五[四])
(1)投げて外へ出す。また,投げるようにして物を置く。ほうり出す。「足を―・して座る」「荷物を床に―・す」
(2)他につくすため自分の身や財産などを差し出す。「全財産を―・す」
(3)途中であきらめて,やめる。放棄する。「仕事を―・す」
[可能] なげだせる
投げ勝つ
なげか・つ [3][0] 【投(げ)勝つ】 (動タ五)
(1)相撲・柔道などで,相手を投げ倒して勝つ。
(2)(野球で)
(ア)投手が相手の投手よりすぐれていて勝つ。
(イ)投手が打者を三振または凡打に打ちとる。
[可能] なげかてる
投げ合う
なげあ・う [3][0] 【投(げ)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いに相手に向かって投げる。
(2)互いにきそって投げる。
投げ売り
なげうり [0] 【投(げ)売り】 (名)スル
損を覚悟で,捨てるように安い値段で売ること。捨て売り。「夏物を―する」
投げ島田
なげしまだ [3] 【投(げ)島田】
髷(マゲ)の根を下げて結った島田髷。髷が後ろにそる形になるからという。下げ島田。
投げ島田[図]
投げ扇
なげおうぎ [3] 【投(げ)扇】
「投扇興(トウセンキヨウ)」のこと。
投げ技
なげわざ [0] 【投(げ)技】
相撲・柔道・レスリングなどで,相手を投げ倒すわざ。投げ。
投げ捨てる
なげすてる【投げ捨てる】
throw away.
投げ捨てる
なげす・てる [0][4] 【投(げ)捨てる】 (動タ下一)[文]タ下二なげす・つ
(1)物をほうって捨てる。「吸い殻を―・てる」
(2)やりかけの仕事などをほったらかしたままにしておく。「仕事を―・てて遊び回る」
投げ掛ける
なげかける【投げ掛ける】
[視線を]turn one's eyes <to> ;[疑問を]raise a question.→英和
投げ掛ける
なげか・ける [4][0] 【投(げ)掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 なげか・く
(1)衣類などを投げて打ち掛ける。「コートを脱いで子供に―・ける」
(2)体を他人にもたれかかるようにする。「夫の胸に身を―・ける」
(3)影を遠くへ届かせる。「杉の木が校庭に長い影を―・けていた」
(4)言葉や視線を相手に届かせる。「冷たい視線を―・ける」
(5)人々に対して疑問などを提出する。「学界の通説に対して疑問を―・ける」
(6)衣類を急いで着せる。また,自分で衣類を急いで着る。「静,着背長(キセナガ)取つて―・け奉る/平家 12」
投げ文
なげぶみ [0] 【投(げ)文】
家の中へ投げ込まれた匿名の書状。
投げ棒
なげぼう [2][0] 【投(げ)棒】
逃げる者の足もとに棒を投げ,足をからませて倒すこと。また,そのときに使う棒。
投げ槍
なげやり [0] 【投げ槍】
敵に投げつけるための小形の槍。
投げ櫛
なげぐし 【投げ櫛・擲げ櫛】
櫛を投げること。また,その櫛。不吉だとして忌み嫌われた。「夜―を忌む/日本書紀(神代上訓)」
投げ渡す
なげわた・す [4][0] 【投(げ)渡す】 (動サ五[四])
(1)物を投げて人に渡す。
(2)向こう側へ投げるように渡してかける。「丸太を―・しただけの橋」
[可能] なげわたせる
投げ物
なげもの [2] 【投(げ)物】
取引で,売り方が投げた売り物。
→投げ(4)
投げ物一巡
なげものいちじゅん [0] 【投(げ)物一巡】
投げ物が一通り出つくして,相場が下がりきった状態。投げ一巡。
投げ矢
なげや [2] 【投(げ)矢】
手で投げる矢。なぐや。
投げ算
なげざん 【投(げ)算】
占いの一。算木や銭を投げて,その表裏によって卦(ケ)を立てるもの。「愚僧が筮(ウラナイ)は秘伝の―/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
投げ網
なげあみ [0] 【投(げ)網】
「とあみ(投網)」に同じ。
投げ縄
なげなわ [0] 【投(げ)縄】
投げて獲物を捕らえるのに使う,先を輪形に結んだ長い縄。
投げ荷
なげに [0] 【投(げ)荷】
「打ち荷」に同じ。
投げ足
なげあし [2] 【投(げ)足】
(1)足を投げ出して座ること。また,その座り方。
(2)他人の行動のとばっちりをうけること。
投げ込み
なげこみ [0] 【投(げ)込み】
(1)投げ込むこと。投げ入れること。
(2)本や新聞にさしはさむ別刷りの印刷物。「―広告」
(3)投げ込み寺で行われるような粗略な埋葬。「―同然に来た葬ひだといつて/歌舞伎・心謎解色糸」
(4)「投げ込み寺」の略。「わるくそばへ立てをしやがると―へはふり込むぞ/歌舞伎・暫」
投げ込み寺
なげこみでら [0] 【投(げ)込み寺】
身もとの知れない行き倒れや,引き取り人のない遊女などを葬った寺。東京品川の法禅寺,新宿の成覚寺,板橋の文殊院,千住の浄閑寺など。
投げ込む
なげこ・む [0][3] 【投(げ)込む】 (動マ五[四])
(1)物の中に投げて入れる。投げ入れる。「ポストに手紙を―・む」
(2)野球で,投手が十分に投げる。「百球ほど―・んだ」
[可能] なげこめる
投げ込む
なげこむ【投げ込む】
⇒投げ入れる.
投げ返す
なげかえす【投げ返す】
throw back.
投げ返す
なげかえ・す [3][0] 【投(げ)返す】 (動サ五[四])
物を投げて相手に返す。言葉・視線などについてもいう。「ボールを―・す」「同じ言葉を―・す」
[可能] なげかえせる
投げ遣り
なげやり [0] 【投げ遣り】 (名・形動)[文]ナリ
物事をいい加減な態度で行うこと。どうなってもいいというような無責任な態度であること。また,そのさま。「―な学習態度」「―な物言い」
投げ遣りな
なげやり【投げ遣りな】
neglectful;→英和
irresponsible.→英和
〜にする neglect;→英和
be neglectful <of> ;scamp <one's work> .→英和
投げ遣る
なげや・る [0][3] 【投げ遣る】 (動ラ五[四])
(1)投げて与える。投げて渡す。
(2)いい加減にする。なげやりにする。「―・つた帽子の冠り方/ふらんす物語(荷風)」
投げ金
なげがね 【投(げ)金・投げ銀】
(1)江戸初期の豪商が朱印船主や外国貿易商人を対象として行なった金融。
(2)手付金。前渡し金。「武蔵野から―して一目も見ぬ女郎をかい掴み/浮世草子・好色敗毒散」
投げ釣り
なげづり [0] 【投(げ)釣り】
釣り竿に糸を巻いたリールを付け,おもりで仕掛けを遠投して釣ること。
投げ釣瓶
なげつるべ [3] 【投げ釣瓶】
(1)縄をつるべにつけ,それを水中に投げ入れて,水を汲(ク)みあげるもの。
(2)つるべの両端に縄をつけ,二人でおのおのその一方を持ち,水中に投げ入れ,その縄をひっぱって水を汲みあげるもの。溝をさらうときや田に水を入れるときなどに用いた。
投げ銀
なげがね 【投(げ)金・投げ銀】
(1)江戸初期の豪商が朱印船主や外国貿易商人を対象として行なった金融。
(2)手付金。前渡し金。「武蔵野から―して一目も見ぬ女郎をかい掴み/浮世草子・好色敗毒散」
投げ銭
なげせん [2][0] 【投(げ)銭】
大道芸人などに投げ与える金銭。なげぜに。
投げ鞘
なげざや [2] 【投げ鞘】
槍(ヤリ)の鞘の一種。毛皮などで長く作り,その先を折りたらしておくもの。「熊の皮の―は,讃州高松/浄瑠璃・薩摩歌」
投げ頭巾
なげずきん [3][4] 【投げ頭巾】
四角な袋状に縫い,前に厚紙を入れて立て,余りを後ろに垂らしてかぶる頭巾。黒船頭巾。「女は―に大小をさすもありて/浮世草子・一代男 5」
投げ頭巾[図]
投げ飛ばす
なげとばす【投げ飛ばす】
fling away[off].
投げ飛ばす
なげとば・す [4][0] 【投(げ)飛ばす】 (動サ五[四])
勢いよく遠方へ投げる。また,荒っぽく投げる。「大の男を―・す」
[可能] なげとばせる
投げ餅
なげもち [2] 【投げ餅】
棟上げの祝いなどに,餅をまいて人々に拾わせること。また,その餅。
投げ首
なげくび [2] 【投(げ)首】 (名)スル
投げ出すように首を傾けること。思案に暮れるさま,しょんぼりするさまにいう。「思案―する」「母親は遽(ニワカ)に―をして/多情多恨(紅葉)」
投じる
とう・じる [0][3] 【投じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「投ずる」の上一段化〕
「投ずる」に同じ。「一石を―・じる」
投じる
とうじる【投じる】
throw;→英和
cast <a vote> ;→英和
launch <into politics> (乗り出す);→英和
join (参加);→英和
seize <an opportunity> (機に);→英和
catch[hit] <the popular fancy> (人気);→英和
invest <capital in an enterprise> (投資).→英和
投ず
とう・ず 【投ず】 (動サ変)
⇒とうずる(投)
投ずる
とう・ずる [0][3] 【投ずる】 (動サ変)[文]サ変 とう・ず
□一□(自動詞)
(1)屈する。投降する。「敵軍に―・ずる」
(2)つけこむ。乗ずる。「時流に―・ずる」「其の為す所機(キ)に―・じ/露団々(露伴)」
(3)一致する。投合する。「意気相(アイ)―・ずる」「甲と丙と逢ふときは必ず相―・じて/文明論之概略(諭吉)」
(4)とまる。投宿する。「旅宿に―・ずる」
□二□(他動詞)
(1)(手に持って)なげる。遠くに放る。「直球を―・ずる」「一石を―・ずる」
(2)投げ込むように入れる。「白票を―・ずる」「獄に―・ずる」
(3)ある環境の中へ身を投げ出す。「解放運動に身を―・ずる」
(4)遠くまで届かせる。投げかける。「影を―・ずる」「光を―・ずる」
(5)金などを差し出す。「巨額の資金を―・ずる」
(6)贈る。与える。また,投与する。「薬餌(ヤクジ)を―・ずる」
投下
とうか [1][0] 【投下】 (名)スル
(1)高い所から物を落とすこと。なげ落とすこと。「飛行機から物資を―する」
(2)資本を出すこと。投入すること。「設備に資本を―する」
投下する
とうか【投下する】
throw down;drop;→英和
invest <in> (投資).→英和
投下資本 invested capital.
投下ろす
なげおろ・す [4][0] 【投(げ)下ろす】 (動サ五[四])
下に向かって投げる。また投げて下へおろす。「オーバーハンドから―・す直球」
[可能] なげおろせる
投与
とうよ【投与】
⇒投薬.
投与
とうよ [1] 【投与】 (名)スル
(1)薬を患者に与えること。「栄養剤を―する」
(2)投げ与えること。「乞食に銭を―し/学問ノススメ(諭吉)」
投了
とうりょう [0] 【投了】 (名)スル
囲碁・将棋などで,途中で一方が負けを認めて勝負を終えること。
投了する[囲碁などで]
とうりょう【投了する[囲碁などで]】
give up the game.→英和
投付ける
なげつ・ける [0][4] 【投(げ)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 なげつ・く
(1)物を目標に向けて投げる。また,手荒く投げる。「石を―・ける」「土俵に相手を―・ける」
(2)強い口調で相手にものを言う。「非難の言葉を―・ける」
投企
とうき [1] 【投企】
〔(ドイツ) Entwurf〕
ハイデッガーの用語。いつもすでに自己の可能性に向かって開かれている現存在(人間)固有の存在の仕方で,具体的には理解という形をとる。被投性(気分)に対する。
投信
とうしん [0] 【投信】
「投資信託」の略。
投倒す
なげたお・す [0][4] 【投(げ)倒す】 (動サ五[四])
投げて倒す。相手のからだを投げつけるようにして転ばす。「土俵中央で―・した」
[可能] なげたおせる
投光
とうこう [0] 【投光】 (名)スル
光を当てること。レンズと反射鏡を組み合わせて光を集め,ある部分を照らすこと。
投光器
とうこうき【投光器】
a floodlight projector.
投光器
とうこうき [3] 【投光器】
投光のための照明器具。光の束を遠方から一定方向に集中して照らす。
投光照明
とうこうしょうめい [5] 【投光照明】
投光器を用いて,建造物・記念碑・競技場などを明るく照らし出すこと。
投入
とうにゅう [0] 【投入】 (名)スル
(1)投げ入れること。「郵便函に―した/思出の記(蘆花)」
(2)資本・労力などをつぎ込むこと。「設備に資本を―する」
投入
なげいれ [0] 【投入・抛入】
生け花の形式の一。小原雲心が壺形・筒形の背の高い花器に生けた新しい花を称した語。のち,他流派でも用いる。
→盛花
投入する
とうにゅう【投入する】
throw <a thing> into;invest <capital> .→英和
投入れる
なげい・れる [4][0] 【投(げ)入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 なげい・る
投げて中に入れる。投げ込む。「かごにごみを―・れる」
投入産出分析
とうにゅうさんしゅつぶんせき [9] 【投入産出分析】
〔input-output analysis〕
⇒産業連関分析(サンギヨウレンカンブンセキ)
投入産出表
とうにゅうさんしゅつひょう [0] 【投入産出表】
⇒産業連関表(サンギヨウレンカンヒヨウ)
投写
とうしゃ [0] 【投写】 (名)スル
(スライドを)写すこと。「スクリーンに―する」
投出す
なげだ・す [0][3] 【投(げ)出す】 (動サ五[四])
(1)投げて外へ出す。また,投げるようにして物を置く。ほうり出す。「足を―・して座る」「荷物を床に―・す」
(2)他につくすため自分の身や財産などを差し出す。「全財産を―・す」
(3)途中であきらめて,やめる。放棄する。「仕事を―・す」
[可能] なげだせる
投函
とうかん [0] 【投函】 (名)スル
郵便物をポストに入れること。「葉書を―する」
投函する
とうかん【投函する】
<米> mail[ <英> post] <a letter> .→英和
投力
とうりょく [1] 【投力】
投擲(トウテキ)の能力。
投勝つ
なげか・つ [3][0] 【投(げ)勝つ】 (動タ五)
(1)相撲・柔道などで,相手を投げ倒して勝つ。
(2)(野球で)
(ア)投手が相手の投手よりすぐれていて勝つ。
(イ)投手が打者を三振または凡打に打ちとる。
[可能] なげかてる
投句
とうく [0] 【投句】 (名)スル
俳句を投稿すること。また,その句。「新聞に―する」
投合
とうごう [0] 【投合】 (名)スル
二つのものが一つに合うこと。互いの気持ちなどが一致すること。「意気―する」
投合う
なげあ・う [3][0] 【投(げ)合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)互いに相手に向かって投げる。
(2)互いにきそって投げる。
投売
なげうり【投売】
a sacrifice[bargain]sale;a clearance sale (蔵払い);dumping (海外への).→英和
〜する sell at a sacrifice;→英和
dump.→英和
投売り
なげうり [0] 【投(げ)売り】 (名)スル
損を覚悟で,捨てるように安い値段で売ること。捨て売り。「夏物を―する」
投壺
つぼなげ [0] 【投壺・壺投げ】
⇒とうこ(投壺)
投壺
つぼうち 【投壺・壺打ち】
「投壺(トウコ)」に同じ。[和名抄]
投壺
とうこ [1] 【投壺】
壺の中へ矢を投げ入れ,その数・入り方などで点を争う遊び。中国で周代に始まり,古くは宴席での興とされた。奈良時代に中国から伝わり,江戸時代再び盛行。つぼうち。つぼなげ。
投壺[図]
投宿
とうしゅく [0] 【投宿】 (名)スル
宿屋に泊まること。宿をとること。「商人宿に―する」
投宿する
とうしゅく【投宿する】
put up <at> ;stop[stay] <at> .→英和
投宿者 a guest.→英和
投射
とうしゃ【投射(影)】
(a) projection.→英和
投射(角)《理》(an angle of) incidence.→英和
投射
とうしゃ [0] 【投射】 (名)スル
(1)光をあてること。光をなげかけること。照射。「探照灯を―する」
(2)「入射」に同じ。
(3)〔心〕
〔projection〕
自分の感情や性質を無意識のうちに他人に移しかえる心の働き。例えば他人に敵意を抱いている時,逆に相手が自分を憎んでいると思い込むなど。投影。
投射法
とうしゃほう [0] 【投射法】
〔心〕
⇒投影法(トウエイホウ)
投島田
なげしまだ [3] 【投(げ)島田】
髷(マゲ)の根を下げて結った島田髷。髷が後ろにそる形になるからという。下げ島田。
投げ島田[図]
投影
とうえい [0] 【投影】 (名)スル
(1)物の影をある物の上に映すこと。また,映った影。
(2)(比喩的に)ある物事を他に反映させて現し出すこと。「作者の屈折した心情を―した作品」
(3)〔数〕 平面図形あるいは立体に平行光線を当てて,平面上にその影を映したもの。平行光線が平面(投影面)に垂直なとき,これを正投影,垂直でないとき,斜投影という。
(4)
(ア)〔心〕 ある状況や刺激に対してなされる解釈・判断・表現などに,心理状態やパーソナリティーが反映されること。
(イ)「投射(トウシヤ){(3)}」に同じ。
投影
とうえい【投影】
a shadow (影);→英和
a projection (図).→英和
投影画法 projection.
投影図
とうえいず [3] 【投影図】
投影図法によって平面上に表された図形。投影画。
投影図法
とうえいずほう [5] 【投影図法】
物の形を平行光線によって画面に投影したものとして平面上に描く図法。投影画法。
投影法
とうえいほう [0] 【投影法】
〔心〕 曖昧な刺激や状況を設定して,それに対してなされる解釈や判断・表現などからパーソナリティーや欲求を知ろうとする心理診断の技法。ロールシャッハ-テスト,TAT など。投射法。
投扇
とうせん [0] 【投扇】
「投扇興(トウセンキヨウ)」の略。
投扇
なげおうぎ [3] 【投(げ)扇】
「投扇興(トウセンキヨウ)」のこと。
投扇興
とうせんきょう [3][0] 【投扇興】
1メートルほど離れた距離に座り,開いた扇の要(カナメ)を親指が上になるようにつまんで投げ,台の上にある蝶と呼ばれる的を落とす室内遊戯。的の落ち方,扇の開き具合で点数を争う。江戸後期頃から流行。扇落とし。なげおうぎ。投扇。[季]新年。
投扇興[図]
投手
とうしゅ [1] 【投手】
野球やソフトボールで,打者に対して球を投ずる者。ピッチャー。
投手
とうしゅ【投手】
a pitcher ‖投手陣 a pitching staff.投手戦 a pitching duel.投手板 the pitcher's plate.勝(負,先発,救援)投手 a winning (losing,starting,relief) pitcher.
投手戦
とうしゅせん [0] 【投手戦】
野球で,両チームの投手ともに相手打者の力を上回り,互いに打線を押さえ込んでいる緊迫した試合。
投手板
とうしゅばん [0] 【投手板】
野球で,内野の中央部に設けられた長方形の板。投手はこれに軸足をつけて投球しなければならない。ピッチャーズ-プレート。
投打
とうだ [1] 【投打】
野球で,投げることと打つこと。また,投手力と打撃力。「―にわたる活躍」
投技
なげわざ [0] 【投(げ)技】
相撲・柔道・レスリングなどで,相手を投げ倒すわざ。投げ。
投捨てる
なげす・てる [0][4] 【投(げ)捨てる】 (動タ下一)[文]タ下二なげす・つ
(1)物をほうって捨てる。「吸い殻を―・てる」
(2)やりかけの仕事などをほったらかしたままにしておく。「仕事を―・てて遊び回る」
投掛ける
なげか・ける [4][0] 【投(げ)掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 なげか・く
(1)衣類などを投げて打ち掛ける。「コートを脱いで子供に―・ける」
(2)体を他人にもたれかかるようにする。「夫の胸に身を―・ける」
(3)影を遠くへ届かせる。「杉の木が校庭に長い影を―・けていた」
(4)言葉や視線を相手に届かせる。「冷たい視線を―・ける」
(5)人々に対して疑問などを提出する。「学界の通説に対して疑問を―・ける」
(6)衣類を急いで着せる。また,自分で衣類を急いで着る。「静,着背長(キセナガ)取つて―・け奉る/平家 12」
投擲
とうてき [0] 【投擲】 (名)スル
(1)投げうつこと。投げること。
(2)「投擲競技」の略。
投擲競技
とうてき【投擲競技】
throwing events.
投擲競技
とうてききょうぎ [5] 【投擲競技】
陸上競技で,砲丸投げ・円盤投げ・槍投げ・ハンマー投げの総称。投擲。
投文
なげぶみ [0] 【投(げ)文】
家の中へ投げ込まれた匿名の書状。
投映
とうえい [0] 【投映】 (名)スル
スライドなどを画面に映し出すこと。「―機」
投書
とうしょ【投書】
a contribution;→英和
a letter.→英和
〜する contribute <an article to> ;→英和
write (a letter) to.‖投書家 a contributor.投書箱 a suggestion[complaints]box.投書欄 the readers' column.
投書
とうしょ [0] 【投書】 (名)スル
(1)意見・批判・苦情・希望などを書いて関係機関に送ること。また,その文書。「新聞に―する」
(2)「投稿」に同じ。
投書欄
とうしょらん [3] 【投書欄】
新聞・雑誌で,読者の投書をのせる欄。
投棄
とうき [1] 【投棄】 (名)スル
投げすてること。「廃棄物を海洋に―する」
投棄する
とうき【投棄する】
throw away;dump.→英和
投棒
なげぼう [2][0] 【投(げ)棒】
逃げる者の足もとに棒を投げ,足をからませて倒すこと。また,そのときに使う棒。
投機
とうき [1][0] 【投機】
(1)〔speculation〕
(ア)偶然の利益をねらって行う行為。
(イ)将来の価格変動を予想して,価格差から生ずる利益を得ることを目的として行う売買取引。
(2)禅宗で,修行者が禅の心機に投合すること。学人の機と師家の機と合致すること。
投機
とうき【投機(に手を出す)】
(dabble in) speculation.〜する speculate <in> .→英和
‖投機師 a speculator.投機事業 a speculative enterprise.
投機取引
とうきとりひき [4][5] 【投機取引】
実物の授受を伴わず,相場の変動によって生ずる差額を利得するための取引。投機売買。
→差金取引
投機心
とうきしん [3] 【投機心】
(1)大きな利益をねらう心。
(2)不確実であるが,あることを思い切ってやってみようとする気持ち。
投機株
とうきかぶ [3] 【投機株】
投機{(1)
(イ)}を目的として売買する株。
投機的
とうきてき [0] 【投機的】 (形動)
偶然に得られる大きな利益をあてにして物事を行うさま。「―な色合いの濃い事業」
投機買い
とうきがい [0] 【投機買い】
あとで高く売る目的であらかじめ安く買い入れておくこと。
投法
とうほう [0][1] 【投法】
球の投げ方。
投渡す
なげわた・す [4][0] 【投(げ)渡す】 (動サ五[四])
(1)物を投げて人に渡す。
(2)向こう側へ投げるように渡してかける。「丸太を―・しただけの橋」
[可能] なげわたせる
投物
なげもの [2] 【投(げ)物】
取引で,売り方が投げた売り物。
→投げ(4)
投物一巡
なげものいちじゅん [0] 【投(げ)物一巡】
投げ物が一通り出つくして,相場が下がりきった状態。投げ一巡。
投獄
とうごく [0] 【投獄】 (名)スル
牢(ロウ)や監獄に入れること。「賊を―する」
投獄する
とうごく【投獄する】
put <a person> in prison;imprison.→英和
投球
とうきゅう【投球】
《野》pitching.投球モーション a windup.→英和
投球
とうきゅう [0] 【投球】 (名)スル
野球で,投手が打者に対して球を投げること。また,投げた球。「―モーション」
投矢
なげや [2] 【投(げ)矢】
手で投げる矢。なぐや。
投石
とうせき [0] 【投石】 (名)スル
石を投げつけること。
投石する
とうせき【投石する】
throw a stone <at> .→英和
投票
とうひょう [0] 【投票】 (名)スル
選挙・採決などに当たって,自分の意志を示すため選びたい人の名や賛否などを記入した紙を所定の箱などへ入れること。
投票する
とうひょう【投票する】
vote <for,against> .→英和
〜に付する put <a matter> to the vote.〜で決める decide by vote[ballot].‖投票者 a voter.投票場 a polling place[station,booth]; <米> the polls.投票数 (the number of) votes.投票箱 a ballot box.投票日 a voting day.投票用紙 a voting paper;a ballot (無記名).投票率 the voting percentage.(無)記名投票 an open (a secret) vote.無効投票 an invalid vote.
投票区
とうひょうく [3] 【投票区】
投票のため選挙区内をさらに細分して,投票所ごとに設けた区画。
投票率
とうひょうりつ [3] 【投票率】
有権者総数に対する投票者の比率。
投稿
とうこう【投稿】
⇒投書.
投稿
とうこう [0] 【投稿】 (名)スル
読者が新聞・雑誌などに載せてもらうために原稿を送ること。また,その原稿。「俳句欄に―する」「研究論文の―」
投算
なげざん 【投(げ)算】
占いの一。算木や銭を投げて,その表裏によって卦(ケ)を立てるもの。「愚僧が筮(ウラナイ)は秘伝の―/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
投節
なげぶし [0] 【投節】
承応(1652-1654)から元禄(1688-1704)にかけて流行した三味線伴奏の小歌。京都島原の遊女河内が歌い始めたと言われ,各地で遊里中心に広まった。詞形は七・七・七・五の近世調。大津投節はその一種。
投網
なげあみ [0] 【投(げ)網】
「とあみ(投網)」に同じ。
投網
とあみ【投網】
<throw> a cast(ing) net.
投網
とあみ [0] 【投網】
被(カブ)せ網の一種。水面に投げ広げて,魚を捕らえる網。円錐形で,上部に長い手綱を結び,網裾(アミスソ)におもりを付けたもの。比較的浅い所にいる魚を捕らえるのに用いる。なげあみ。唐網。「―を打つ」
投網[図]
投縄
なげなわ【投縄】
a lasso.→英和
〜で捕える lasso <a horse> .
投縄
なげなわ [0] 【投(げ)縄】
投げて獲物を捕らえるのに使う,先を輪形に結んだ長い縄。
投荷
なげに [0] 【投(げ)荷】
「打ち荷」に同じ。
投薬
とうやく [0] 【投薬】 (名)スル
病気に適した薬を患者に与えること。「患者に―する」
投薬する
とうやく【投薬する】
prescribe[give]medicine <to a patient> .
投融資
とうゆうし [3] 【投融資】
投資と融資。「財政―」
投資
とうし【投資(資本)】
(an) investment.→英和
〜する invest[put,lay out] <money> <in> .→英和
‖投資景気 an investment boom.投資家 an investor.投資信託 investment trust.設備投資 investment in plant and equipment.
投資
とうし [0][1] 【投資】 (名)スル
(1)利益を得る目的で,資金を証券・事業などに投下すること。「新事業に―する」
(2)〔経〕
〔investment〕
生産者の実物資本の増加分。設備投資・建設投資・在庫投資の三種に分類できる。資本形成。
投資乗数
とうしじょうすう [4] 【投資乗数】
投資が独立的に増大したとき,それに誘発されて所得の増加と投資(消費)の増加が繰り返される。この最初の投資の増大分に対して,最終的にもたらされる国民所得の増加額が何倍になるかを表す比率。一から限界消費性向を引いた値の逆数で示される。
→乗数
投資会社
とうしがいしゃ [4] 【投資会社】
⇒証券投資会社(シヨウケントウシガイシヤ)
投資信託
とうししんたく [4] 【投資信託】
証券会社が一般投資者から資金を集め,これを信託銀行に信託し,信託銀行を指図して証券投資を中心に運用し,これによって得た利益を投資者に分配する制度。
→貸付信託
投資市場
とうししじょう [4] 【投資市場】
資本が取引される場。資本市場を資本の供給者の側からみた概念。
投資減税
とうしげんぜい [4] 【投資減税】
企業の設備投資額の一定部分を税額控除する措置。民間の投資を促進するための一種の優遇措置。
投資紛争解決国際センター
とうしふんそうかいけつこくさいセンター 【投資紛争解決国際―】
〔International Center for Settlement of Investment Disputes〕
民間投資に関する紛争解決のための調停および仲裁の施設提供を目的とする国際組織。1966年設立。世界銀行の本部内に事務局をもつ。ICSID 。
投資財
とうしざい [3] 【投資財】
将来の生産のために使われる生産手段。
→資本財(シホンザイ)
投資銀行
とうしぎんこう [4] 【投資銀行】
⇒インベストメント-バンク
投資顧問業
とうしこもんぎょう [5] 【投資顧問業】
投資関連の情報を提供し,証券売買の助言をする業務。1986年(昭和61)に法制化された。
投足
なげあし [2] 【投(げ)足】
(1)足を投げ出して座ること。また,その座り方。
(2)他人の行動のとばっちりをうけること。
投身
とうしん [0] 【投身】 (名)スル
水中に飛び込んだり,高所から地上に身を投げて自殺すること。身投げ。「―自殺」
投身
とうしん【投身】
⇒身投げ.
投込み
なげこみ [0] 【投(げ)込み】
(1)投げ込むこと。投げ入れること。
(2)本や新聞にさしはさむ別刷りの印刷物。「―広告」
(3)投げ込み寺で行われるような粗略な埋葬。「―同然に来た葬ひだといつて/歌舞伎・心謎解色糸」
(4)「投げ込み寺」の略。「わるくそばへ立てをしやがると―へはふり込むぞ/歌舞伎・暫」
投込み寺
なげこみでら [0] 【投(げ)込み寺】
身もとの知れない行き倒れや,引き取り人のない遊女などを葬った寺。東京品川の法禅寺,新宿の成覚寺,板橋の文殊院,千住の浄閑寺など。
投込む
なげこ・む [0][3] 【投(げ)込む】 (動マ五[四])
(1)物の中に投げて入れる。投げ入れる。「ポストに手紙を―・む」
(2)野球で,投手が十分に投げる。「百球ほど―・んだ」
[可能] なげこめる
投返す
なげかえ・す [3][0] 【投(げ)返す】 (動サ五[四])
物を投げて相手に返す。言葉・視線などについてもいう。「ボールを―・す」「同じ言葉を―・す」
[可能] なげかえせる
投金
なげがね 【投(げ)金・投げ銀】
(1)江戸初期の豪商が朱印船主や外国貿易商人を対象として行なった金融。
(2)手付金。前渡し金。「武蔵野から―して一目も見ぬ女郎をかい掴み/浮世草子・好色敗毒散」
投釣り
なげづり [0] 【投(げ)釣り】
釣り竿に糸を巻いたリールを付け,おもりで仕掛けを遠投して釣ること。
投銭
なげせん [2][0] 【投(げ)銭】
大道芸人などに投げ与える金銭。なげぜに。
投錨
とうびょう [0] 【投錨】 (名)スル
船が錨(イカリ)を下ろすこと。船が碇泊(テイハク)すること。
⇔抜錨
「港外に―する」
投錨する
とうびょう【投錨する(している)】
cast (lie at) anchor.‖投錨地 an anchorage.
投降
とうこう [0] 【投降】 (名)スル
敵に降参すること。「―兵」
投降する
とうこう【投降する】
surrender <to> .→英和
投降者 a surrenderer.
投飛ばす
なげとば・す [4][0] 【投(げ)飛ばす】 (動サ五[四])
勢いよく遠方へ投げる。また,荒っぽく投げる。「大の男を―・す」
[可能] なげとばせる
投首
なげくび [2] 【投(げ)首】 (名)スル
投げ出すように首を傾けること。思案に暮れるさま,しょんぼりするさまにいう。「思案―する」「母親は遽(ニワカ)に―をして/多情多恨(紅葉)」
投馬国
とうまこく 【投馬国】
「魏志倭人伝」にみえる国。伊都国の南,邪馬台国との間とされる。邪馬台国位置説によって,出雲,備後国鞆,周防佐波郡玉祖(タマノヤ)郷,但馬などに比定される。つまこく。
抖擻
とそう [0] 【抖擻・斗擻】
(1)〔仏〕
〔「頭陀(ズダ)」の音訳〕
衣食住に関する欲望を捨て,仏道を修行すること。托鉢行脚(タクハツアンギヤ)。また,その僧。「捨身―の行体は/謡曲・安達原」
(2)徒歩で往き来すること。「―のわづらひもなかりけり/平家 5」
抗
こう カウ [1] 【抗】
名詞の上について,「…に抵抗する」「…をおさえる」などの意で複合語を作る。「―ヒスタミン剤」「―貧血作用」
抗う
あらが・う アラガフ [3] 【抗う・争う・諍う】 (動ワ五[ハ四])
(1)さからう。抵抗する。「権力に―・う」
(2)相手の言うことを否定して言い争う。「わがため面目あるやうに言はれぬるそらごとは,人いたく―・はず/徒然 73」
[可能] あらがえる
抗す
こう・す カウ― 【抗す】 (動サ変)
⇒こうする(抗)
抗する
こう・する カウ― [3] 【抗する】 (動サ変)[文]サ変 かう・す
抵抗する。さからう。あらがう。「時流に―・する」
抗アレルギー
こうアレルギー【抗アレルギー(の)】
antiallergic <drugs> .
抗ウイルス剤
こうウイルスざい カウ― [6] 【抗―剤】
体内に侵入したウイルスに働きかけて,その作用を弱めたり消滅させたりする薬剤。インターフェロン・免疫グロブリン製剤など。
抗コリン剤
こうコリンざい カウ― [4] 【抗―剤】
副交感神経に対し遮断的に作用する薬物の総称。アトロピンなど。胃・十二指腸潰瘍,緑内障の治療や鎮痙に用いられる。口の渇き,眠気,散瞳などの副作用を伴う。
抗ヒスタミン
こうヒスタミン【抗ヒスタミン(の)】
antihistaminic <drugs> .抗ヒスタミン剤 an antihistamine (agent).→英和
抗ヒスタミン剤
こうヒスタミンざい カウ― [6] 【抗―剤】
体内に発生するヒスタミンの作用を軽減する薬剤。蕁麻疹(ジンマシン)・鼻炎など各種アレルギー性疾患の治療に用いられる。感冒・乗り物酔いにも効果がある。
抗リューマチ剤
こうリューマチざい カウ― [6] 【抗―剤】
リューマチの原因となる酵素などのタンパクの生成を抑制することにより,症状を緩和する薬剤。
抗争
こうそう【抗争】
contention;→英和
(a) dispute;→英和
(a) struggle;→英和
(a) resistance.→英和
〜する contend <with> ;→英和
struggle <against> ;resist.→英和
抗争
こうそう カウサウ [0] 【抗争】 (名)スル
(1)抵抗して争うこと。張り合って争うこと。「派閥―」「暴力団が―する」
(2)〔心〕「葛藤(カツトウ){(2)}」に同じ。
抗体
こうたい【抗体】
an antibody.→英和
抗体
こうたい カウ― [0] 【抗体】
抗原の侵入を受けた生体がその刺激で作り出すタンパク質の総称。その抗原だけに結合する性質があり,結合によって抗原である細菌などを溶解したり,毒素を中和するなどして生体を防御する。免疫グロブリンに属する。免疫体。
→抗原
抗体産生機能
こうたいさんせいきのう カウ― [9] 【抗体産生機能】
生体に侵入した細菌などの抗原を処理して,再度同様な状況が起きたときに対応できるようにリンパ組織が抗体を産生する機能。
抗利尿ホルモン
こうりにょうホルモン カウリネウ― [6] 【抗利尿―】
排出器官系の水の再吸収を促進して,水の排出を減らす作用をもつホルモン。ヒトでは下垂体後葉から分泌され,腎臓の細尿管に作用する。子宮収縮をきたす作用もある。バソプレッシン。ADH 。
抗力
こうりょく カウ― [1] 【抗力】
(1)物体が接触面に力を及ぼすとき,面から物体に働く力。面に垂直に働く成分と平行に働く成分とがあり後者は摩擦力という。
(2)流体中を運動する物体に働く抵抗。多く航空力学で用いる。
抗原
こうげん【抗原】
an antigen.→英和
抗原
こうげん カウ― [0] 【抗原】
生体内に侵入して抗体をつくらせ,その抗体とだけ結合して反応する物質。細菌毒素・菌体成分や多くの異種タンパク質がこれに該当する。アンチゲン。
→抗体
抗原抗体反応
こうげんこうたいはんのう カウ―カウタイハンオウ [9] 【抗原抗体反応】
抗原とそれに対応する抗体との特異的な結合によって起こる反応。生体では免疫・アナフィラキシー・溶血などの現象として現れる。
抗告
こうこく カウ― [0] 【抗告】 (名)スル
下級裁判所の決定・命令を不服として,上級裁判所に異議を申し立てること。普通抗告・即時抗告・再抗告などがある。
抗告
こうこく【抗告】
<make> a protest;→英和
a complaint.→英和
抗告人 a complainant.→英和
抗告審
こうこくしん カウ― [4][3] 【抗告審】
抗告裁判所が行う抗告の当否についての審理。
抗告裁判所
こうこくさいばんしょ カウ― [0][9] 【抗告裁判所】
抗告の申し立てを受理し,審理する裁判所。
抗告訴訟
こうこくそしょう カウ― [5] 【抗告訴訟】
行政事件訴訟の一種で,行政庁の公権力の行使または不行使によって生じた違法状態の除去を目的としてなされる不服申し立ての訴訟。
抗命
こうめい カウ― [0] 【抗命】 (名)スル
命令にさからうこと。
抗弁
こうべん カウ― [1][0] 【抗弁】 (名)スル
(1)相手の主張ややり方に反対して弁ずること。口答えすること。「婆さん等は―するやうにいつた/土(節)」
(2)民事訴訟法上,相手方の申し立てまたは主張を単に否認するのではなく,その排斥を求めてそれと相いれない別の事項を主張すること。
抗弁権
こうべんけん カウ― [3] 【抗弁権】
相手方の請求権の行使に対し,それを阻止(ソシ)し,請求を拒絶することのできる当事者の権利。同時履行・催告・検索などの抗弁権がある。
抗張力
こうちょうりょく カウチヤウ― 【抗張力】
⇒引(ヒ)っ張(パ)り強(ツヨ)さ
抗戦
こうせん カウ― [0] 【抗戦】 (名)スル
抵抗して戦うこと。「徹底―を主張する」「独立の為に―すべし/経国美談(竜渓)」
抗戦する
こうせん【抗戦する】
offer resistance;resist.→英和
抗抵
こうてい カウ― [0] 【抗抵】 (名)スル
手向かうこと。抵抗。「敵するものには―すれども/舞姫(鴎外)」
抗拒
こうきょ カウ― [1] 【抗拒】 (名)スル
抵抗し拒否すること。「改革に猶―する者多きに/明六雑誌 7」
抗敵
こうてき カウ― [0] 【抗敵】 (名)スル
敵対して手向かうこと。「恩人に―すべき暴客/八十日間世界一周(忠之助)」
抗日
こうにち カウ― [0] 【抗日】
日本の帝国主義的侵略に対する抵抗。
⇔親日
抗日運動
こうにちうんどう カウ― [5] 【抗日運動】
日本の侵略に対する中国国民の抵抗運動。1915年の二十一箇条要求後本格化,五・四運動や山東出兵などの際に高まりを見せた。満州事変後は武力闘争に発展し,36年の西安事件を契機に抗日民族統一戦線が結成された。排日運動。
抗日運動
こうにち【抗日運動】
an anti-Japanese movement.
抗毒素
こうどくそ【抗毒素】
an antitoxin.→英和
抗毒素
こうどくそ カウドク― [3][4] 【抗毒素】
〔antitoxin〕
特定の毒素と特異的に結合して,それを無毒にする抗体。
→血清
抗火石
こうかせき カウクワ― [3] 【抗火石】
伊豆七島の新島に産する石材の名。流紋岩質の多孔質溶岩で,白色または淡紅色。きわめて軽く,加工が容易。建築材・耐火材・保温材に利用。
抗生物質
こうせいぶっしつ【抗生物質】
《医》an antibiotic.→英和
抗生物質
こうせいぶっしつ カウセイ― [5] 【抗生物質】
〔antibiotics〕
カビ・放線菌などの微生物によってつくられ,他の微生物や細胞の発育または機能を阻害する物質。ペニシリンなど。
抗癌
こうがん【抗癌(の)】
anticancer <drugs> .→英和
抗癌剤
こうがんざい カウガン― [3][0] 【抗癌剤】
制癌剤。
抗真菌剤
こうしんきんざい カウシンキン― [5] 【抗真菌剤】
水虫,田虫の治療や,薬剤の副作用で抵抗力の弱った場合の内臓における真菌類の感染症の治療に用いられる薬剤。
抗租運動
こうそうんどう カウソ― [4] 【抗租運動】
中国で,佃租(デンソ)(地代)問題をめぐって佃戸(デンコ)(小作人)が地主との間に起こした闘争。明末清初以降,河南や江南で特に著しかった。
抗菌
こうきん カウ― [0] 【抗菌】
細菌の増殖を抑えること。
抗菌スペクトル
こうきんスペクトル カウ― [6] 【抗菌―】
抗生物質や化学療法剤が効力を及ぼす病原微生物の範囲とそれらの作用強度を表す語。作用スペクトル。
抗菌性
こうきんせい カウ― [0] 【抗菌性】
細菌,特に病原菌の増殖を阻止する性質。
抗菌性物質
こうきんせいぶっしつ カウ― [7] 【抗菌性物質】
抗菌性を持つ物質。抗生物質やサルファ剤など。
抗血清
こうけっせい カウ― [3] 【抗血清】
抗原を動物に接種して得られる抗体を含む血清。治療や実験に用いる。免疫血清。
抗言
こうげん カウ― [0] 【抗言】 (名)スル
相手にさからって言うこと。また,その言葉。「主筆に―する/社会百面相(魯庵)」
抗論
こうろん カウ― [0][1] 【抗論】 (名)スル
相手の言に逆らって議論すること。反論。「母親と―する理由(イワレ)もない/浮雲(四迷)」
抗議
こうぎ カウ― [1] 【抗議】 (名)スル
相手の行動や処置の仕方などに,反対の意見や苦情を述べること。また,その意見や苦情。「判定に―する」
抗議
こうぎ【抗議】
a protest;→英和
a complaint (苦情).→英和
〜する (make a) protest <against> .‖抗議集会(デモ) a protest rally (demonstration).抗議文[書]a note of protest;a written protest.
抗酸化剤
こうさんかざい カウサンクワ― [5] 【抗酸化剤】
医薬品などが空気中の酸素に触れて酸化し,変質することを防ぐために添加される物質。
抗酸菌
こうさんきん カウサン― [0] 【抗酸菌】
表面に脂質・蝋質(ロウシツ)を含むため,一度染色されると酸などで脱色されにくい一群の細菌。結核菌,非定型抗酸菌など。
抗高血圧薬
こうこうけつあつやく カウカウケツアツ― [8] 【抗高血圧薬】
⇒血圧降下薬(ケツアツコウカヤク)
抗鬱薬
こううつやく カウ― [4] 【抗鬱薬】
向精神薬の一。また,鬱病の治療に用いられる薬剤の総称。鬱状態の除去,気分の高揚などが主な作用。
折
おり【折】
(1) a chip box (箱).
(2) time (時);→英和
an occasion (場合);→英和
an opportunity (機会).→英和
〜よく(悪く) (un)fortunately;(un)luckily.〜にふれて occasionally.→英和
〜があり次第…する take the first opportunity to do.
折
おり ヲリ 【折(り)】
■一■ [2] (名)
(1)折ること。また,折ったもの。
(2)薄い板を折り曲げて作った箱。折り箱。「弁当を―に詰める」
(3)製本で,ページが正しい順序になるように,印刷された紙を折り畳む作業。また,その折り畳んだもの。折り本。
(4)横に長く二つ折りにした料紙。連歌・連句に用いた。
(5)時節。時季。「酷寒の―お体にお気をつけ下さい」
(6)機会。その時。「帰郷した―に旧友に会う」「―をみて話す」
(7)幾度も繰り返すこと。「八塩―の酒/古事記(上訓)」
(8)折り目。「衣のすその―までも/右京大夫集」
■二■ (接尾)
助数詞。
(1)折り箱に入れたものや折り詰めにしたものなどを数えるのに用いる。「菓子二―」「鰹節一―」
(2)折り重ねたものを数えるのに用いる。「半紙一―」
折々
おりおり【折々】
sometimes;→英和
occasionally.→英和
折から
おりから【折から】
just then.気候不順の〜 at this unseasonable time of the year.→英和
折ぎ
へぎ [2] 【折ぎ・片木】
(1)へぐこと。へいだもの。
(2)「へぎ板」の略。
(3)「折(ヘ)ぎ折敷(オシキ)」の略。
(4)「へぎ折り」の略。
折ぎ折り
へぎおり [0] 【折ぎ折り】
へぎ板で作った折り箱。弁当などに用いる。
折ぎ折敷
へぎおしき [3] 【折ぎ折敷】
へぎ板で作った盆。へぎ。
折ぎ板
へぎいた [3][0] 【折ぎ板】
杉や檜(ヒノキ)などの材木を薄くはいだ板。へぎ。
折ぎ焼き
へぎやき [0] 【折ぎ焼き】
⇒杉焼(スギヤ)き
折ぎ盆
へぎぼん [0] 【折ぎ盆】
へぎ板で作った盆。
折ぎ餅
へぎもち [2] 【折ぎ餅】
餅を薄く切って乾かしたもの。かきもち。
折ぐ
へ・ぐ [1] 【剥ぐ・折ぐ】
■一■ (動ガ五[四])
(1)表面を薄く削り取る。はぐ。「木ノ皮ヲ―・グ/ヘボン」
(2)少なくする。へずる。「知行ヲ―・グ/日葡」
(3)かすめ取る。「馬飼の者それを皆―・ぎて己が徳とし/仮名草子・浮世物語」
[可能] へげる
■二■ (動ガ下二)
⇒へげる
折しも
おりしも【折しも】
⇒折から.
折しも
おりしも ヲリ― [2] 【折しも】 (副)
〔「し」「も」は強意の助詞〕
ちょうどその時。おりから。「―名月は雲間を離れ」
折たく柴の記
おりたくしばのき ヲリタク― 【折たく柴の記】
新井白石の自叙伝。三巻。1716年成立。父祖のことから自己の生い立ち・経歴,将軍家宣(イエノブ)補佐の事跡,家宣死後の引退までを回顧したもの。平易な和漢混交文で記されている。
折よく
おりよく【折よく】
⇒折.
折り
おり ヲリ 【折(り)】
■一■ [2] (名)
(1)折ること。また,折ったもの。
(2)薄い板を折り曲げて作った箱。折り箱。「弁当を―に詰める」
(3)製本で,ページが正しい順序になるように,印刷された紙を折り畳む作業。また,その折り畳んだもの。折り本。
(4)横に長く二つ折りにした料紙。連歌・連句に用いた。
(5)時節。時季。「酷寒の―お体にお気をつけ下さい」
(6)機会。その時。「帰郷した―に旧友に会う」「―をみて話す」
(7)幾度も繰り返すこと。「八塩―の酒/古事記(上訓)」
(8)折り目。「衣のすその―までも/右京大夫集」
■二■ (接尾)
助数詞。
(1)折り箱に入れたものや折り詰めにしたものなどを数えるのに用いる。「菓子二―」「鰹節一―」
(2)折り重ねたものを数えるのに用いる。「半紙一―」
折り丁
おりちょう ヲリチヤウ [0] 【折(り)丁】
製本のために折り畳まれた刷り紙で,本の中身を構成する一単位。一六ページ分が基準だが,四ページ・八ページあるいは三二ページを一単位とすることもある。折り本。
折り上げ
おりあげ ヲリ― [0] 【折(り)上げ】
曲線状の支輪や蛇腹などを用いて,天井の中央部を周囲より高くすること。また,そのように作った天井。
折り上げ天井
おりあげてんじょう ヲリ―ジヤウ [5] 【折(り)上げ天井】
折り上げにした天井。
折り代
おりしろ ヲリ― [2] 【折(り)代】
紙や布の,折り曲げるための細長い部分。
折り伏せ縫い
おりふせぬい ヲリフセヌヒ [3] 【折(り)伏せ縫い】
縫い代の始末の一法。幅の狭いほうの縫い代を広いほうで包み,表まで通して押さえ縫いすること。
折り入って
おりいって ヲリイツ― [0][3] 【折り入って】 (副)
〔動詞「折り入る」の連用形に助詞「て」の付いたもの〕
特に心をこめて。じっくりと。「―話したいことがある」
折り入ってお願いしたいことがある
おりいって【折り入ってお願いしたいことがある】
I have a special favor to ask of you.
折り入る
おりい・る ヲリ― 【折り入る】
■一■ (動ラ四)
深く心をこめる。「ちと―・りまして御相談申したい義がございまして/滑稽本・八笑人」
→おりいって
■二■ (動ラ下二)
あらかじめ定めた言葉を歌などに詠み込む。「二年を―・れて,歌を一首づつ御年貢によそへて申あげい/狂言・餅酒」
折り取る
おりと・る ヲリ― [3][0] 【折(り)取る】 (動ラ五[四])
(草木を)折って取る。「梅の枝を―・る」
折り合い
おりあい ヲリアヒ [0] 【折(り)合い】
(1)人と人との関係。「嫁と姑との―が悪い」
(2)互いに譲り合って一致点をみつけること。「―をつける」「二人の間で―がつく」
(3)連句で,長句のとめの字と,短句の中のとめの字とが同じであること。「てにをは」でとめる場合,避けるべきこととされる。体言の場合にはかまわない。
折り合い
おりあい【折り合い】
(a) compromise (妥協);→英和
(an) agreement.〜がつく come to terms <with> ;reach an understanding <with> .→英和
〜が良い(悪い) be on good (bad) terms <with> .〜をつける make a compromise;settle <a matter> .→英和
折り合う
おりあ・う ヲリアフ [3][0] 【折(り)合う】 (動ワ五[ハ四])
(交渉などで)互いに譲り合って話がまとまる。「値段が―・わない」
[可能] おりあえる
折り合う
おりあう【折り合う】
get on[along]well <with> ;come to terms <with> ;compromise <with> .→英和
折り唐戸
おりからと ヲリ― [3] 【折(り)唐戸】
真ん中から折って開くようになっている扉。
折り唐戸[図]
折り妻戸
おりつまど ヲリ― [3] 【折(り)妻戸】
折り畳みのできる妻戸。
折り尺
おりじゃく ヲリ― [0] 【折(り)尺】
折り畳み式の携帯用ものさし。三つ折り(30センチメートル),四つ折り(60センチメートル),六つ折り(1メートル)などがある。おれじゃく。畳み尺。
折り尺[図]
折り屈み
おりかがみ ヲリ― 【折り屈み】
〔腰や膝を折りかがむことから〕
行儀作法。立ち居振る舞い。おれかがみ。「どのやうにやかましく申しても,―が直りませぬ/滑稽本・浮世風呂 2」
折り屋
おりや ヲリ― [2][0] 【折(り)屋】
製本の際に,印刷された紙を定められた順序と大きさに折り畳む職業。また,その人。
折り山
おりやま ヲリ― [0] 【折(り)山】
布や紙を折った場合にできる,外側の折り目。
折り延ふ
おりは・う ヲリハフ 【折り延ふ】 (動ハ下二)
時間的に長く延ばす。し続ける。「あしひきの山ほととぎす―・へて誰かまさると音をのみぞなく/古今(夏)」
折り弁当
おりべんとう ヲリベンタウ [3] 【折(り)弁当】
折り箱につめた弁当。
折り形
おりかた ヲリ― [3][4] 【折(り)形】
(1)飾り物や贈り物を紙で包む時に紙を折る形式。
(2)料理の添え物・薬味などを包む折り紙。
(3)紙を折り畳んでいろいろな物の形に作ること。また,その作ったもの。折り紙細工。
折り懸く
おりか・く ヲリ― 【折り懸く】 (動カ下二)
(1)折って物にかける。「賤(シズ)の男(オ)が篠―・けて干す衣/梁塵秘抄」
(2)折ってそのままにしておく。「―・け―・けしたりければ,簑(ミノ)を逆様に着たる様/義経記 8」
(3)波などが折りかえしては寄せてくる。「岩ねこす清滝川のはやければ浪―・くる岸の山ぶき/新古今(春下)」
折り懸け
おりかけ ヲリ― [0] 【折(り)掛け・折(り)懸け】
(1)折り始めてまだ折り終わってないこと。また,その物。
(2)幟(ノボリ)の,乳を通す鉤(カギ)形の金具。おりがね。
(3)「折り懸け垣」の略。
折り懸け垣
おりかけがき ヲリ― [4] 【折(り)懸け垣】
柴・竹などを折り曲げて両端を地面にさして作った垣。おりかけ。
折り懸け灯籠
おりかけどうろう ヲリ― [5] 【折(り)懸け灯籠】
細く削った竹二本を四角の薄いへぎ板の角に曲げてさしかけて紙を張った盆灯籠。[季]秋。
折り戸
おりど ヲリ― [2] 【折(り)戸】
蝶番(チヨウツガイ)で折り畳めるようにした戸。
折り手本
おりでほん ヲリ― [3] 【折(り)手本】
折り本にした書画の手本。
折り据ゑ
おりすえ ヲリスヱ 【折り据ゑ・折居】
(1)折り紙。「或時は―をあそばし/浮世草子・一代男 1」
(2)香道で,香を聞くごとに香札を入れる畳(タトウ)。
折り掛け
おりかけ ヲリ― [0] 【折(り)掛け・折(り)懸け】
(1)折り始めてまだ折り終わってないこと。また,その物。
(2)幟(ノボリ)の,乳を通す鉤(カギ)形の金具。おりがね。
(3)「折り懸け垣」の略。
折り掛け樽
おりかけだる ヲリ― [4] 【折(り)掛け樽】
山の神などに神酒を供えるのに用いる器。節を二つ付けて篠竹を切り,中央部をそいで折り曲げ,両端に少量の酒を注いで枝などに掛けるもの。
折り敷く
おりし・く ヲリ― [0][3] 【折(り)敷く】 (動カ五[四])
(1)折敷(オリシキ)の姿勢で座る。「内儀は賊の姿を見るより,平坦(ペツタリ)と膝を―・き/義血侠血(鏡花)」
(2)木の枝や草を折って敷く。「紅葉―・きて/宇津保(菊の宴)」
折り曲げる
おりまげる【折り曲げる】
bend;→英和
double (二つに);→英和
turn up[down].
折り曲げる
おりま・げる ヲリ― [4][0] 【折(り)曲げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 をりま・ぐ
折って曲げる。「ブリキ板を―・げる」
折り木戸
おりきど ヲリ― [3] 【折(り)木戸】
折り畳みができる木戸。
折り本
おりほん ヲリ― [0] 【折(り)本】
(1)横に長く継ぎあわせた紙を折り畳んで作った本。習字の手本・経本に多い。法帖(ホウジヨウ)。経本。
(2)製本工程の一。印刷した紙を正しいページ順になるように折り畳んだもの。おり。折り丁。
折り本(1)[図]
折り枝
おりえだ ヲリ― [0] 【折(り)枝】
(1)折った木の枝。また,折った木の枝の模様。
(2)能楽で,シテが持って出る造花の枝。
折り櫃
おりびつ ヲリ― [2][0] 【折り櫃】
檜(ヒノキ)の薄い板を折り曲げて作ったうつわ。肴(サカナ)・菓子などを盛る。四角・六角などの形がある。
折り櫃[図]
折り櫃
おりうず ヲリウヅ 【折り櫃】
「おりびつ(折櫃)」の転。「―に入りし御菓子/折たく柴の記」
折り櫃物
おりびつもの ヲリ― 【折り櫃物】
折り櫃に入れた物。「大殿の方より―など/栄花(初花)」
折り熨斗
おりのし ヲリ― [2] 【折り熨斗】
のしの一種。方形の紙をのし包みの折り形にした中央に,のしあわびの小片をはり付けたもの。
折り畳み
おりたたみ ヲリ― [0] 【折(り)畳み】
折り畳むこと。また,折り畳んだもの。「―の傘」
折り畳む
おりたたむ【折り畳む】
fold up.折りたたみ式の folding <umbrella> ;collapsible <boat> .
折り畳む
おりたた・む ヲリ― [4][0] 【折(り)畳む】 (動マ五[四])
いくつかに折り重ねて小さくする。「新聞をきちんと―・む」
[可能] おりたためる
折り目
おりめ【折り目】
a fold;→英和
a crease (洋服などの);→英和
a pleat (ひだ).→英和
ズボンに〜をつける get creases in trousers.〜正しい polite (丁重な);→英和
right and proper <conduct> ;well-mannered <gentleman> .
折り目
おりめ ヲリ― [3][0] 【折(り)目】
(1)紙・布などを折った時につく線。「ズボンに―をつける」
(2)物事のきまりやけじめ。「―の正しい人」「生活に―をつける」
(3)「矢開(ヤビラ)き」に同じ。
折り目正しい
おりめただし・い ヲリメ― [6] 【折(り)目正しい】 (形)[文]シク をりめただ・し
行儀作法をよくわきまえている。礼儀正しい。「―・い青年」
折り目高
おりめだか ヲリ― [3][0] 【折(り)目高】 (名・形動)
(1)袴(ハカマ)などの折り目がくっきりと高く現れている・こと(さま)。「―きり��と/歌行灯(鏡花)」
(2)礼儀作法を重んずること。きちんとしていて堅苦しいこと。また,そのさま。「大層―に物を仰(オツシ)あること/天うつ浪(露伴)」
折り箱
おりばこ ヲリ― [0][2] 【折(り)箱】
薄い板や厚紙を折り曲げて作った箱。折り。
折り箸
おりはし ヲリ― 【折り箸】
一本の木を二つに折り曲げてその両端で食物を挟むようにした箸。おりばし。
折り紙
おりがみ ヲリ― [0][2] 【折(り)紙】
〔古くは「おりかみ」〕
(1)色紙で鶴・舟・奴(ヤツコ)さんなどいろいろな形に折る遊び。折り紙細工。また,それに用いる色紙や折ったもの。
(2)二つに折った紙。
(3)奉書紙・鳥の子紙などを横半分に折った形の文書。公式文書・贈呈品の目録などに用いるもの。平安末期より始まった。
→切り紙
(4)書画・骨董などの作者や由来などを証明する鑑定書。「―つきの品物」
(5)武術・技芸で,一定の技量を修得したことの証明。
折り紙付き
おりがみつき ヲリ― [4][0] 【折(り)紙付き】
(1)「折り紙{(4)}」が付いていること。「―の壺」
(2)絶対に間違いないと保証できること。また,そうしたもの。「能力は―の人物」
折り紙台
おりがみだい ヲリ― [4] 【折(り)紙台】
進上物の折り紙をのせる台。目録台。
折り紙物
おりがみもの ヲリ― [0] 【折(り)紙物】
(1)折り紙つきの上等の物。
(2)価が金四枚(三〇両)以上の極(キワ)め札(フダ)のある刀剣。
折り紙細工
おりがみざいく ヲリ― [5] 【折(り)紙細工】
薄い紙を折っていろいろの形を作る細工。幾何学的模様や動植物・人物の形などを作る。
折り紙道具
おりがみどうぐ ヲリ―ダウ― 【折(り)紙道具】
(1)保証つきの立派な道具・器物。
(2)保証つきの最上のもの。「袖崎が芸を―といへり/浮世草子・元禄太平記」
折り罫
おりけい ヲリ― [0] 【折り罫】
文字を書く時の目印に,紙に折り目をつけたもの。
折り羽
おりは ヲリ― 【折(り)羽・折(り)葉】
双六(スゴロク)遊びの一。白・黒一二個ずつの石を持ち,二個の賽(サイ)を竹筒から振り出し,出た目によって石を取り,取った石の数で勝負を決する。
折り菓子
おりがし ヲリグワシ [3][2] 【折(り)菓子】
折り詰めの菓子。
折り葉
おりは ヲリ― 【折(り)羽・折(り)葉】
双六(スゴロク)遊びの一。白・黒一二個ずつの石を持ち,二個の賽(サイ)を竹筒から振り出し,出た目によって石を取り,取った石の数で勝負を決する。
折り襟
おりえり ヲリ― [0] 【折(り)襟】
背広やワイシャツの襟のように,折り返すように仕立てた襟の総称。
折り記号
おりきごう ヲリキガウ [3] 【折り記号】
製本で,丁合いのために各折り丁の背の部分に刷り込んだ背丁と背標。
折り詠草
おりえいそう ヲリエイサウ [3] 【折(り)詠草】
料紙を横に長く二つに折り,さらに縦に三つか四つに折った詠草。横詠草。
折り詰め
おりづめ ヲリ― [0][4] 【折(り)詰め】
食品などを折り箱に詰めること。また,詰めたもの。折り。「―弁当」
折り込み
おりこみ ヲリ― [0] 【折(り)込み】
(1)新聞や雑誌の中に,広告やちらしなどを折って入れること。また,その物。
(2)雑俳で,課題の漢字二文字を別々にして一句の中に詠み入れる技法。例えば「振向」を「松の振見て向け直す春日形」とする類。
折り込み広告
おりこみこうこく ヲリ―クワウ― [5] 【折(り)込み広告】
新聞などに折り込む別紙の広告・ちらし。
折り込む
おりこ・む ヲリ― [3][0] 【折(り)込む】 (動マ五[四])
(1)中の方へ折り曲げる。「へりを―・んで縫う」
(2)ほかのものを中へ折って入れる。「新聞にちらしを―・む」
[可能] おりこめる
折り込む
おりこむ【折り込む】
tuck in (端を);fold up[insert] <a bill in papers> .‖折り込み広告 a (an inserted) bill.折り込みページ a foldout;gatefold.
折り返し
おりかえし【折り返し】
a (coat) lapel (服の); <米> a cuff[ <英> turn-up](ズボンの);→英和
a flap (本のカバーの);→英和
a turn (水泳の);→英和
a refrain (詩の).→英和
〜返事する answer by return of post (手紙で);call back (電話で).‖折り返し運転(列車) shuttle service (a shuttle train).折り返し地点 the turning point.
折り返し
おりかえし ヲリカヘシ [0] 【折(り)返し】
■一■ (名)
(1)衣類などで,折り返すようにしたもの。また,その部分。「ズボンの―」
(2)詩歌で,同じ語句の繰り返し。また,その語句。リフレーン。
(3)ある所まで行って,来た方向に引き返すこと。また,その地点。「マラソン-コースの―点」
■二■ (副)
間をおかずにすぐにするさま。ただちに。「―返書を送る」
折り返し運転
おりかえしうんてん ヲリカヘシ― [6] 【折(り)返し運転】
鉄道・道路に事故などで通過できない箇所ができた時,列車・バスなどがその不通区間の両端の駅まで行き,そこから折り返して運行すること。
折り返し銘
おりかえしめい ヲリカヘシ― [5] 【折(り)返し銘】
刀の茎(ナカゴ)を磨(ス)りあげて,銘がなくなるような場合に,それを惜しんで反対側に折り曲げてその銘を残したもの。
折り返す
おりかえす【折り返す】
turn up[down];fold;→英和
turn back.
折り返す
おりかえ・す ヲリカヘス [3][0] 【折(り)返す】 (動サ五[四])
(1)紙や布などを折って,裏が表に出るようにして重ねる。「ズボンのすそを―・す」
(2)来た方向へひきかえす。「このバスは次の停留所で―・します」
(3)(手紙や話の返事を)時間をおかないでする。「友人から―・して返信がきた」
(4)(詩歌や音楽などを)二度繰り返して吟じたり奏したりする。「―・し謡ひ給ふ御声/源氏(若菜下)」
折り重なる
おりかさな・る ヲリ― [5][0] 【折(り)重なる】 (動ラ五[四])
人や物が幾重にも重なる。「―・って人が倒れた」
折り重なる
おりかさなる【折り重なる】
lie one upon another.折り重なって倒れる fall down in a heap.→英和
折り重ねる
おりかさ・ねる ヲリ― [5][0] 【折り重ねる】 (動ナ下一)[文]ナ下二 をりかさ・ぬ
(1)折り畳んで積み上げる。「毛布を―・ねる」
(2)薄いものが重なり合ってたくさんある。「柯(エダ)を交じへ葉を―・ねて鬱蒼として翠(ミドリ)も深く/浮雲(四迷)」
折り重ねる
おりかさねる【折り重ねる】
fold up;pile one upon another.
折り金
おりがね ヲリ― [0][2] 【折(り)金】
(1)刀の鞘(サヤ)の部分の名。刀を抜いた時,帯にさした鞘が抜けないように鞘の中程に間隔をおいてつけた突起。返し金。おびどめ。
(2)「折り掛け{(2)}」に同じ。
折り釘
おりくぎ ヲリ― [2] 【折り釘】
「折れ釘」に同じ。
折り鞄
おりかばん ヲリ― [3] 【折り鞄】
二つに折れるようになったかばん。書類などを入れて携帯する。
折り骨
おりぼね ヲリ― 【折り骨】
(1)馬の三頭(サンズ)の隆起した骨。「馬の―五六枚ざつときれて/保元(中)」
(2)腰骨。「裾ふくらに,後ろの―臍(ホゾ)の下へさしこみ/曾我 1」
折り鶴
おりづる ヲリ― [2][0] 【折り鶴】
紙で折った鶴。
折る
お・る ヲル [1] 【折る】 (動ラ五[四])
(1)紙・布など平面状・線状のものを鋭く曲げる。また,曲げて重ねる。「端を直角に―・る」「千代紙で鶴を―・る」
(2)固い,線状・棒状のものを曲げて切り離す。「木の枝を―・る」「足の骨を―・る」
(3)(自分の体を)深く曲げる。「膝(ヒザ)を―・る」「腰を―・る」
(4)それまでの強い気持ちや態度をかえる。「我(ガ)を―・る」「節(セツ)を―・る」
(5)(波などが)幾重にも重なる。自動詞的に用いる。「白波の八重―・るが上に/万葉 1168」
[可能] おれる
[慣用] 話の腰を―・筆を―・ペンを―
折る
おる【折る】
break;→英和
snap (ぽきりと);→英和
break off (折り取る);pick (花など);→英和
bend (曲げる);→英和
fold (up) (たたむ).→英和
折れ
おれ ヲレ [2] 【折れ】
折れること。折れた物。折れた部分。
折れこだる
おれこだ・る ヲレ― 【折れこだる】 (動ラ下二)
(体が)くねりまがる。「―・れ,身をなきになして舞ひたりし/弁内侍日記」
折れる
お・れる ヲレル [2] 【折れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 を・る
(1)紙など平面状のものが鋭く曲がる。おれまがる。「ページのすみが―・れる」
(2)固い,線状・棒状のものが曲がってこわれる。「風で木の枝が―・れた」「足の骨が―・れる」「鉛筆の芯が―・れる」
(3)曲がって進む。「つきあたりを右に―・れるとバス通りに出る」「道が左に―・れている」
(4)相手に対する自分の主張をやわらげて相手の言い分を聞き入れる。譲歩する。「最後には相手が―・れて,やっと話がまとまった」
(5)(「骨がおれる」の形で)手間がかかる。苦労する。「骨が―・れる仕事」「気骨が―・れる」
折れる
おれる【折れる】
(1) break <in two> ;→英和
be broken.(2) can be folded (折りたためる).
(3) give in[yield to](譲歩);compromise;→英和
meet <a person> halfway (折れて出る).
折れ口
おれくち ヲレ― [2] 【折れ口】
(1)物の折れたところ。折れた断面。
(2)人の死にあうこと。とむらい。「明日は伊勢五の家の―で/歌舞伎・梅雨小袖」
(3)仲直りをする機会。「粋な女房の挨拶もよい―と/浄瑠璃・夏祭」
折れ合う
おれあ・う ヲレアフ [3][0] 【折れ合う】 (動ワ五[ハ四])
お互いにゆずりあって妥協する。おりあう。「妥当な線で―・う」
折れ合う
おれあう【折れ合う】
⇒折り合う.
折れ曲がる
おれまが・る ヲレ― [4][0] 【折れ曲(が)る】 (動ラ五[四])
(1)棒状のものが中途から折れてまがる。また,くねくねとまがる。「先の―・った釘」「―・った山道」
(2)進路をかえてまがる。「バス道路から右へ―・る」
折れ曲る
おれまが・る ヲレ― [4][0] 【折れ曲(が)る】 (動ラ五[四])
(1)棒状のものが中途から折れてまがる。また,くねくねとまがる。「先の―・った釘」「―・った山道」
(2)進路をかえてまがる。「バス道路から右へ―・る」
折れ目
おれめ ヲレ― [3] 【折れ目】
物の折れたところにつく境や線。
折れ線
おれせん ヲレ― [0] 【折れ線】
いくつかの点を順に線分で結んでできる図形。折線(セツセン)。
折れ線グラフ
おれせんグラフ ヲレ― [5] 【折れ線―】
数量の大きさを表す位置を線で順次結んでできるグラフ。時間の経過に伴って変化する量の推移をみるのに便利。
折れ込ます
おれこま・す ヲレ― 【折れ込ます】 (動サ四)
妊娠させる。はらませる。「娘と出来て―・したもんだから/滑稽本・浮世床 2」
折れ込む
おれこ・む ヲレ― [3][0] 【折れ込む】 (動マ五[四])
(1)折れて中に入る。「鉄柱が壁の中に―・む」
(2)妊娠する。はらむ。「―・んだ御礼に石の手水鉢/柳多留 23」
折れ釘
おれくぎ【折れ釘】
a broken[hooked (折れ曲がった)]nail.
折れ釘
おれくぎ ヲレ― [2] 【折れ釘】
(1)折れた釘。
(2)和釘の一種。頭部を直角に折り曲げてある釘。柱などに打ちつけて,物を掛けるのに用いる。おりくぎ。
折れ釘流
おれくぎりゅう ヲレ―リウ [0] 【折れ釘流】
きわめて字の下手(ヘタ)なこと。金釘(カナクギ)流。
折丁
おりちょう ヲリチヤウ [0] 【折(り)丁】
製本のために折り畳まれた刷り紙で,本の中身を構成する一単位。一六ページ分が基準だが,四ページ・八ページあるいは三二ページを一単位とすることもある。折り本。
折上げ
おりあげ ヲリ― [0] 【折(り)上げ】
曲線状の支輪や蛇腹などを用いて,天井の中央部を周囲より高くすること。また,そのように作った天井。
折上げ天井
おりあげてんじょう ヲリ―ジヤウ [5] 【折(り)上げ天井】
折り上げにした天井。
折中
せっちゅう [0] 【折衷・折中】 (名)スル
二つ以上の考え方や事物から,それぞれのよいところをとって一つに合わせること。「両案を―する」「和洋―の家」
折代
おりしろ ヲリ― [2] 【折(り)代】
紙や布の,折り曲げるための細長い部分。
折伏
せっぷく [0] 【折伏】 (名)スル
相手をくじいて,己に従わせること。「其のお説教たるや…読者を―せずんば止まずといふ/復活(魯庵)」
→しゃくぶく(折伏)
折伏
しゃくぶく [0] 【折伏】 (名)スル
〔仏〕 相手の悪や誤りを打破することによって,真実の教えに帰服させる教化法。破邪。
⇔摂受(シヨウジユ)
折伏せ縫い
おりふせぬい ヲリフセヌヒ [3] 【折(り)伏せ縫い】
縫い代の始末の一法。幅の狭いほうの縫い代を広いほうで包み,表まで通して押さえ縫いすること。
折伏門
しゃくぶくもん [4] 【折伏門】
折伏によって人を正法に帰依(キエ)させる法門。
⇔摂受門
折助
おりすけ ヲリ― [2] 【折助】
江戸時代,武家で使われた小者(コモノ)の異称。「旦那さまも―も孰(ドレ)が孰やら/滑稽本・浮世風呂(前)」
折助根性
おりすけこんじょう ヲリ―ジヤウ [5] 【折助根性】
〔折助がとかくそうであることから〕
かげひなたのある根性。奉公人根性。
折半
せっぱん [1][0] 【折半】 (名)スル
半分に分けること。「利益を―する」
折半する
せっぱん【折半する】
divide into halves;halve;→英和
go fifty-fifty <on the profit> .
折半小作
せっぱんこさく [5] 【折半小作】
分益小作のうち,地主と小作農民で収穫物を半々に分け合うもの。
折取る
おりと・る ヲリ― [3][0] 【折(り)取る】 (動ラ五[四])
(草木を)折って取る。「梅の枝を―・る」
折口
おりくち ヲリクチ 【折口】
姓氏の一。
折口信夫
おりくちしのぶ ヲリクチ― 【折口信夫】
(1887-1953) 国文学者・民俗学者・歌人。大阪生まれ。号,釈迢空(シヤクチヨウクウ)。国学院大・慶大教授。国文学の民俗学的研究や神道・芸能などの研究に優れた業績を残す一方,歌人としても独自の境地を開いた。著「古代研究」,歌集「海山のあひだ」,詩集「古代感愛集」,小説「死者の書」など。
折句
おりく ヲリ― [0][2] 【折句】
和歌・俳句・川柳で,五音または三音の語の一音ずつを各句の初めに置いて詠む歌。「かきつばた」を「〈か〉らころも〈き〉つつなれにし〈つ〉ましあれば〈は〉るばるきぬる〈た〉びをしぞ思ふ」と詠む類。
折句沓冠
おりくくつかむり ヲリ― 【折句沓冠】
⇒くつかぶり(沓冠)
折合い
おりあい ヲリアヒ [0] 【折(り)合い】
(1)人と人との関係。「嫁と姑との―が悪い」
(2)互いに譲り合って一致点をみつけること。「―をつける」「二人の間で―がつく」
(3)連句で,長句のとめの字と,短句の中のとめの字とが同じであること。「てにをは」でとめる場合,避けるべきこととされる。体言の場合にはかまわない。
折合う
おりあ・う ヲリアフ [3][0] 【折(り)合う】 (動ワ五[ハ四])
(交渉などで)互いに譲り合って話がまとまる。「値段が―・わない」
[可能] おりあえる
折唐戸
おりからと ヲリ― [3] 【折(り)唐戸】
真ん中から折って開くようになっている扉。
折り唐戸[図]
折好く
おりよく ヲリ― [3][2] 【折好く・折良く】 (副)
ちょうど具合よく。都合よく。
⇔折悪(ア)しく
「―車が通りかかった」
折好し
おりよ・し ヲリ― 【折好し】 (形ク)
時機がよい。間がよい。「もみぢはひとり見侍るに…―・くて御らんぜさせ給へ/源氏(賢木)」
→おりよく
折妻戸
おりつまど ヲリ― [3] 【折(り)妻戸】
折り畳みのできる妻戸。
折尺
おりじゃく ヲリ― [0] 【折(り)尺】
折り畳み式の携帯用ものさし。三つ折り(30センチメートル),四つ折り(60センチメートル),六つ折り(1メートル)などがある。おれじゃく。畳み尺。
折り尺[図]
折尺
おりじゃく【折尺】
a folding[zigzag]rule.
折居
おりすえ ヲリスヱ 【折り据ゑ・折居】
(1)折り紙。「或時は―をあそばし/浮世草子・一代男 1」
(2)香道で,香を聞くごとに香札を入れる畳(タトウ)。
折屋
おりや ヲリ― [2][0] 【折(り)屋】
製本の際に,印刷された紙を定められた順序と大きさに折り畳む職業。また,その人。
折山
おりやま ヲリ― [0] 【折(り)山】
布や紙を折った場合にできる,外側の折り目。
折弁当
おりべんとう ヲリベンタウ [3] 【折(り)弁当】
折り箱につめた弁当。
折形
おりかた ヲリ― [3][4] 【折(り)形】
(1)飾り物や贈り物を紙で包む時に紙を折る形式。
(2)料理の添え物・薬味などを包む折り紙。
(3)紙を折り畳んでいろいろな物の形に作ること。また,その作ったもの。折り紙細工。
折悪し
おりあ・し ヲリ― 【折悪し】 (形シク)
時機が悪い。「又仕うまつる人もなきに,―・しき御悩みかな/源氏(総角)」
→折悪しく
折悪しく
おりあしく ヲリ― [3][4] 【折悪しく】 (副)
〔形容詞「折悪(ア)し」の連用形から〕
ちょうど悪い時に。まがわるく。あいにく。
⇔折好く
「―雨が降ってきた」
折懸け
おりかけ ヲリ― [0] 【折(り)掛け・折(り)懸け】
(1)折り始めてまだ折り終わってないこと。また,その物。
(2)幟(ノボリ)の,乳を通す鉤(カギ)形の金具。おりがね。
(3)「折り懸け垣」の略。
折懸け垣
おりかけがき ヲリ― [4] 【折(り)懸け垣】
柴・竹などを折り曲げて両端を地面にさして作った垣。おりかけ。
折懸け灯籠
おりかけどうろう ヲリ― [5] 【折(り)懸け灯籠】
細く削った竹二本を四角の薄いへぎ板の角に曲げてさしかけて紙を張った盆灯籠。[季]秋。
折戸
おりど ヲリ― [2] 【折(り)戸】
蝶番(チヨウツガイ)で折り畳めるようにした戸。
折手本
おりでほん ヲリ― [3] 【折(り)手本】
折り本にした書画の手本。
折折
おりおり ヲリヲリ [0] 【折折】
■一■ (名)
その時その時。機会がある時ごと。「四季―の眺め」「―の歌」
■二■ (副)
(1)機会がある時ごとに。ときどき。「―見かける」
(2)次第に。だんだん。「よはひは歳々にたかく,住み家は―にせばし/方丈記」
折折
せつせつ [0] 【節節・折折・切切】
たびたび。しばしば。また,時々。「恁(コ)うして―おいでなさる/婦系図(鏡花)」「―ノ御音信ヲクダサルル/日葡」
〔多く副詞的に用いる〕
折掛け
おりかけ ヲリ― [0] 【折(り)掛け・折(り)懸け】
(1)折り始めてまだ折り終わってないこと。また,その物。
(2)幟(ノボリ)の,乳を通す鉤(カギ)形の金具。おりがね。
(3)「折り懸け垣」の略。
折掛け樽
おりかけだる ヲリ― [4] 【折(り)掛け樽】
山の神などに神酒を供えるのに用いる器。節を二つ付けて篠竹を切り,中央部をそいで折り曲げ,両端に少量の酒を注いで枝などに掛けるもの。
折損
せっそん [0] 【折損】 (名)スル
おれて破損すること。「車軸が―する」
折敷
おりしき ヲリ― [0] 【折敷】
旧軍隊で,右の膝を曲げて腰をおろし,左膝を立てた身の構え。
折敷
おしき ヲ― [0] 【折敷】
「へぎ」を折り曲げて縁とした角盆,または隅切り盆。足を付けたものもある。近世以降,食膳としても用いる。
折敷[図]
折敷く
おりし・く ヲリ― [0][3] 【折(り)敷く】 (動カ五[四])
(1)折敷(オリシキ)の姿勢で座る。「内儀は賊の姿を見るより,平坦(ペツタリ)と膝を―・き/義血侠血(鏡花)」
(2)木の枝や草を折って敷く。「紅葉―・きて/宇津保(菊の宴)」
折曲げる
おりま・げる ヲリ― [4][0] 【折(り)曲げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 をりま・ぐ
折って曲げる。「ブリキ板を―・げる」
折木戸
おりきど ヲリ― [3] 【折(り)木戸】
折り畳みができる木戸。
折本
おりほん ヲリ― [0] 【折(り)本】
(1)横に長く継ぎあわせた紙を折り畳んで作った本。習字の手本・経本に多い。法帖(ホウジヨウ)。経本。
(2)製本工程の一。印刷した紙を正しいページ順になるように折り畳んだもの。おり。折り丁。
折り本(1)[図]
折枝
おりえだ ヲリ― [0] 【折(り)枝】
(1)折った木の枝。また,折った木の枝の模様。
(2)能楽で,シテが持って出る造花の枝。
折柄
おりから ヲリ― [2] 【折柄】
(1)(多く副詞的に用いる)ちょうどその時。折しも。「―の風に花も散る」「―夕立が激しく降り出した」
(2)〔名詞「折」に格助詞「から」の付いたもの〕
(接続助詞的に用いる)…の時であるから。手紙などに用いる語。「酷暑の―御自愛下さい」
(3)ちょうどよい時。ふさわしい時。「―の思ひかけぬ心地して,胸にあたりけるにや/徒然 41」
折桂
せっけい [0] 【折桂】
中国で,進士の試験に及第すること。
→桂(カツラ)を折る
折檻
せっかん [1] 【折檻】 (名)スル
〔漢の朱雲が皇帝を強くいさめて怒りをうけ殿上から引きずり降ろされたとき,檻(テスリ)につかまったためそれが折れたという「漢書(朱雲伝)」の故事による〕
厳しく戒めること。のちの戒めのため,たたいたりしてこらしめること。「子を―する」
折檻する
せっかん【折檻する】
chastise;→英和
castigate;→英和
give a whipping (打つ).→英和
折烏帽子
おりえぼし ヲリ― [3] 【折烏帽子】
頂端を折り伏せた烏帽子。特に,武士のかぶり物としての侍烏帽子(サムライエボシ)をいう。
折畳み
おりたたみ ヲリ― [0] 【折(り)畳み】
折り畳むこと。また,折り畳んだもの。「―の傘」
折畳む
おりたた・む ヲリ― [4][0] 【折(り)畳む】 (動マ五[四])
いくつかに折り重ねて小さくする。「新聞をきちんと―・む」
[可能] おりたためる
折目
おりめ ヲリ― [3][0] 【折(り)目】
(1)紙・布などを折った時につく線。「ズボンに―をつける」
(2)物事のきまりやけじめ。「―の正しい人」「生活に―をつける」
(3)「矢開(ヤビラ)き」に同じ。
折目正しい
おりめただし・い ヲリメ― [6] 【折(り)目正しい】 (形)[文]シク をりめただ・し
行儀作法をよくわきまえている。礼儀正しい。「―・い青年」
折目高
おりめだか ヲリ― [3][0] 【折(り)目高】 (名・形動)
(1)袴(ハカマ)などの折り目がくっきりと高く現れている・こと(さま)。「―きり��と/歌行灯(鏡花)」
(2)礼儀作法を重んずること。きちんとしていて堅苦しいこと。また,そのさま。「大層―に物を仰(オツシ)あること/天うつ浪(露伴)」
折知り顔
おりしりがお ヲリシリガホ 【折知り顔】
いかにも時節をわきまえているような顔つき。「例の―にのたまはせたるに/和泉式部日記」
折箱
おりばこ ヲリ― [0][2] 【折(り)箱】
薄い板や厚紙を折り曲げて作った箱。折り。
折節
おりふし ヲリ― [2] 【折節】
■一■ (名)
(1)おりおり。その場合場合。「―の眺め」
(2)季節。「―の移り変わり」
■二■ (副)
(1)ときどき。「面倒臭くなつて嫌になる事が―はある/社会百面相(魯庵)」
(2)ちょうどその時。折しも。「―但馬の国のあきたりけるを給(タ)びにけり/平家 1」
折簡
せっかん [0] 【折簡】 (名)スル
〔簡は竹簡・書札の意〕
二つ切りにした紙に手紙を書くこと。転じて短い手紙。「―して母を招いた/北条霞亭(鴎外)」
折納
せつのう [0] 【折納】
中国,唐・宋代の制度で,政府に納入すべき銭物を等価の他物に換算して納入すること。
折紙
おりがみ【折紙】
paper folding (遊び);folding paper.〜をする fold paper into figures.〜付の certified;guaranteed;notorious (悪名).→英和
折紙
おりがみ ヲリ― [0][2] 【折(り)紙】
〔古くは「おりかみ」〕
(1)色紙で鶴・舟・奴(ヤツコ)さんなどいろいろな形に折る遊び。折り紙細工。また,それに用いる色紙や折ったもの。
(2)二つに折った紙。
(3)奉書紙・鳥の子紙などを横半分に折った形の文書。公式文書・贈呈品の目録などに用いるもの。平安末期より始まった。
→切り紙
(4)書画・骨董などの作者や由来などを証明する鑑定書。「―つきの品物」
(5)武術・技芸で,一定の技量を修得したことの証明。
折紙付き
おりがみつき ヲリ― [4][0] 【折(り)紙付き】
(1)「折り紙{(4)}」が付いていること。「―の壺」
(2)絶対に間違いないと保証できること。また,そうしたもの。「能力は―の人物」
折紙台
おりがみだい ヲリ― [4] 【折(り)紙台】
進上物の折り紙をのせる台。目録台。
折紙物
おりがみもの ヲリ― [0] 【折(り)紙物】
(1)折り紙つきの上等の物。
(2)価が金四枚(三〇両)以上の極(キワ)め札(フダ)のある刀剣。
折紙細工
おりがみざいく ヲリ― [5] 【折(り)紙細工】
薄い紙を折っていろいろの形を作る細工。幾何学的模様や動植物・人物の形などを作る。
折紙道具
おりがみどうぐ ヲリ―ダウ― 【折(り)紙道具】
(1)保証つきの立派な道具・器物。
(2)保証つきの最上のもの。「袖崎が芸を―といへり/浮世草子・元禄太平記」
折線
せっせん [1] 【折線】
⇒おれせん(折線)
折置
おりおき ヲリ― [0] 【折置】
和風小屋組みの一。柱の上に直接小屋梁(バリ)を架け,その上に軒桁(ノキゲタ)を載せる構造。折置組。
⇔京呂(キヨウロ)
折羽
おりは ヲリ― 【折(り)羽・折(り)葉】
双六(スゴロク)遊びの一。白・黒一二個ずつの石を持ち,二個の賽(サイ)を竹筒から振り出し,出た目によって石を取り,取った石の数で勝負を決する。
折良く
おりよく ヲリ― [3][2] 【折好く・折良く】 (副)
ちょうど具合よく。都合よく。
⇔折悪(ア)しく
「―車が通りかかった」
折花攀柳
せっかはんりゅう セツクワハンリウ [1][0] 【折花攀柳】
〔花を折り柳をよじのぼる意〕
遊里に遊ぶこと。
折菓子
おりがし ヲリグワシ [3][2] 【折(り)菓子】
折り詰めの菓子。
折葉
おりは ヲリ― 【折(り)羽・折(り)葉】
双六(スゴロク)遊びの一。白・黒一二個ずつの石を持ち,二個の賽(サイ)を竹筒から振り出し,出た目によって石を取り,取った石の数で勝負を決する。
折衝
せっしょう【折衝】
negotiation.〜する negotiate[parley] <with> .→英和
〜中である be under negotiation(s).
折衝
せっしょう [0] 【折衝】 (名)スル
〔敵の衝(ツ)いてくる矛先をくじく意〕
有利に事を運ぶように,相手と駆け引きすること。また,その駆け引き。外交的または政治的駆け引きなどにいう。「事務レベルで―する」「―を重ねる」
折衝府
せっしょうふ [3] 【折衝府】
中国,唐代,各地に設置された軍府。府兵の徴集・訓練・動員などを行なった。
→府兵制
折衷
せっちゅう [0] 【折衷・折中】 (名)スル
二つ以上の考え方や事物から,それぞれのよいところをとって一つに合わせること。「両案を―する」「和洋―の家」
折衷
せっちゅう【折衷(案)】
a compromise.→英和
〜する make a compromise.→英和
〜派の(主義)《哲》eclectic (eclecticism).→英和
和洋〜の semiforeign.⇒和洋.
折衷主義
せっちゅうしゅぎ [5] 【折衷主義】
(1)〔哲〕
〔eclecticism〕
相異なる哲学上・宗教上の見解のうちから正しいと思われるものを選び出して調和させようとする考え方。古代哲学ではキケロ,近世哲学ではウォルフ・クーザンなどにみられる。
(2)建築・家具などの様式で,独自の様式を創造せずに過去の歴史的様式を模倣すること。1830年代以後のフランスの建築・工芸などにみられる。歴史主義。
折衷学派
せっちゅうがくは [5] 【折衷学派】
江戸中期の儒学の一派。古学・朱子学・陽明学のいずれにも偏せず先行学説の長所のみをとるという折衷的態度の学派。井上金峨・片山兼山らが提唱。
折衷尺
せっちゅうじゃく [3] 【折衷尺】
享保尺(キヨウホウジヤク)と又四郎尺とを,伊能忠敬が折衷して作った尺。現在に残る遺品によればその一尺は30.304センチメートル。明治時代に曲尺(カネジヤク)を定めるのに最も有力な根拠となった。
折衷様
せっちゅうよう [0] 【折衷様】
社寺建築の一様式。和様を基礎とし,新様式の唐様・天竺(テンジク)様の特徴を取り入れる。鎌倉末期から室町時代にかけて行われた。大阪府の観心寺本堂はその代表例。観心寺様。
折衷派
せっちゅうは [0] 【折衷派】
江戸時代後期に漢方医学の一派が唱えた医学説。古医方に後世方を折衷し,それぞれの長所を統合する立場をとる。
→古医方
→後世方
折衷苗代
せっちゅうなわしろ [5] 【折衷苗代】
水苗代と陸(オカ)苗代の様式を折衷させた苗代。種子の発芽や生長に合わせて,水を入れたり,干したりする。
折襟
おりえり【折襟】
a turned-down collar;a lapel.→英和
折襟
おりえり ヲリ― [0] 【折(り)襟】
背広やワイシャツの襟のように,折り返すように仕立てた襟の総称。
折角
せっかく 【折角】
■一■ [0] (副)
(1)
(ア)努力・尽力・期待が空しくなって残念に思う意を表す。「―知らせてやったのに」「―楽しみにしていたのに雨で流れてしまった」「―の手料理がさめてしまった」
(イ)相手の努力・尽力・期待にこたえられなくて,申し訳ない気持ちを表す。「―おいでいただきましたのに…」「―のお誘いですが」
(ウ)稀にしかないこと,幸運などが無駄になって,または,生かせなくて惜しい,残念だ,という気持ちを表す。「子供が―泣きやんだのに…」「―の美貌も台無しだ」「―きれいに咲いたのに見る人がいない」
(2)十分に気をつけて。せいぜい。つとめて。「恩給のことなぞは絶念(アキラ)めて,―御静養なさるが可(イイ)でせう/破戒(藤村)」
■二■ [4][0] (名)
(1)ひとかたならぬ苦労をすること。骨折り。「大小の合戦数をしらず,中にも―の合戦,二十余ヶ度なり/保元(上・古活字本)」
(2)困難。窮迫。「難儀―ニ遭ウ/日葡」
(3)力を尽くすべき大事なこと。「三日の中に,殊に―の日と覚しからん時/風姿花伝」
〔昔中国で,朱雲が五鹿の人充宗と易を論じて言い負かしたのを,世人が評して,朱雲の強力,よく鹿の角を折ったと洒落たという「漢書(朱雲伝)」の故事から〕
折角
せっかく【折角】
[苦心して]with much trouble;at great pains;[苦心したのに]in spite of all one's trouble;kindly (親切に).→英和
〜の special;→英和
kind;→英和
long-awaited <holiday> .
折詠草
おりえいそう ヲリエイサウ [3] 【折(り)詠草】
料紙を横に長く二つに折り,さらに縦に三つか四つに折った詠草。横詠草。
折詰
おりづめ【折詰】
food packed in a chip box; <米> a box lunch.
折詰め
おりづめ ヲリ― [0][4] 【折(り)詰め】
食品などを折り箱に詰めること。また,詰めたもの。折り。「―弁当」
折込み
おりこみ ヲリ― [0] 【折(り)込み】
(1)新聞や雑誌の中に,広告やちらしなどを折って入れること。また,その物。
(2)雑俳で,課題の漢字二文字を別々にして一句の中に詠み入れる技法。例えば「振向」を「松の振見て向け直す春日形」とする類。
折込み広告
おりこみこうこく ヲリ―クワウ― [5] 【折(り)込み広告】
新聞などに折り込む別紙の広告・ちらし。
折込む
おりこ・む ヲリ― [3][0] 【折(り)込む】 (動マ五[四])
(1)中の方へ折り曲げる。「へりを―・んで縫う」
(2)ほかのものを中へ折って入れる。「新聞にちらしを―・む」
[可能] おりこめる
折返し
おりかえし ヲリカヘシ [0] 【折(り)返し】
■一■ (名)
(1)衣類などで,折り返すようにしたもの。また,その部分。「ズボンの―」
(2)詩歌で,同じ語句の繰り返し。また,その語句。リフレーン。
(3)ある所まで行って,来た方向に引き返すこと。また,その地点。「マラソン-コースの―点」
■二■ (副)
間をおかずにすぐにするさま。ただちに。「―返書を送る」
折返し運転
おりかえしうんてん ヲリカヘシ― [6] 【折(り)返し運転】
鉄道・道路に事故などで通過できない箇所ができた時,列車・バスなどがその不通区間の両端の駅まで行き,そこから折り返して運行すること。
折返し銘
おりかえしめい ヲリカヘシ― [5] 【折(り)返し銘】
刀の茎(ナカゴ)を磨(ス)りあげて,銘がなくなるような場合に,それを惜しんで反対側に折り曲げてその銘を残したもの。
折返す
おりかえ・す ヲリカヘス [3][0] 【折(り)返す】 (動サ五[四])
(1)紙や布などを折って,裏が表に出るようにして重ねる。「ズボンのすそを―・す」
(2)来た方向へひきかえす。「このバスは次の停留所で―・します」
(3)(手紙や話の返事を)時間をおかないでする。「友人から―・して返信がきた」
(4)(詩歌や音楽などを)二度繰り返して吟じたり奏したりする。「―・し謡ひ給ふ御声/源氏(若菜下)」
折重なる
おりかさな・る ヲリ― [5][0] 【折(り)重なる】 (動ラ五[四])
人や物が幾重にも重なる。「―・って人が倒れた」
折金
おりがね ヲリ― [0][2] 【折(り)金】
(1)刀の鞘(サヤ)の部分の名。刀を抜いた時,帯にさした鞘が抜けないように鞘の中程に間隔をおいてつけた突起。返し金。おびどめ。
(2)「折り掛け{(2)}」に同じ。
折鶴
おりづる【折鶴】
a folded paper crane.
折鶴羊歯
おりづるしだ ヲリ― [5] 【折鶴羊歯】
オシダ科の常緑性シダ植物。葉はヤブソテツに似,革質で一回羽状複葉。葉の中肋(チユウロク)は著しく伸びて地面に着き,そこに新芽を生ずる。
折鶴蘭
おりづるらん ヲリ― [4] 【折鶴蘭】
ユリ科の常緑多年草。南アフリカ原産。観賞用に栽培される。葉は線形で根生し,しばしば白線がある。葉間から長い地上横走枝を出し先に小苗を生じる。小苗が折り鶴に似るのでこの名がある。春,白色,六弁の小花をつける。
抛つ
なげう・つ [3][0] 【抛つ・擲つ】 (動タ五[四])
捨てる。惜しげもなく差し出す。放棄してかえりみない。「全財産を―・つ」
[可能] なげうてる
抛る
ほ・る [0] 【放る・抛る】 (動ラ五[四])
〔「ほうる」の転〕
(1)途中でするのをやめてしまう。投げ出す。「問題がむずかしいので―・ってしまう」
(2)手をつけないで成り行きにまかせる。うち捨ててかえりみない。「めんどうなので―・っておく」
(3)投げる。無造作に投げる。ほうる。「やら腹立に門口へ―・れば/浄瑠璃・新版歌祭文」
[可能] ほれる
抛入
なげいれ [0] 【投入・抛入】
生け花の形式の一。小原雲心が壺形・筒形の背の高い花器に生けた新しい花を称した語。のち,他流派でも用いる。
→盛花
抛入花
なげいればな [4] 【抛入花】
生け花の形式の一。文明時代(1469-1487)の後半に小座敷に飾る生け花として創出された。花材をゆるやかにまげて花器に入れるとともに,花器口に積むように入れる形のもの。生け花{(2)}と交流して,茶席を飾る生け花となり,さらに享保(1716-1736)末年頃から日常生活の場を飾る生け花として用いられ,多くの流派が生まれた。
抛出
ほうしゅつ ハウ― [0] 【抛出】 (名)スル
なげ出すこと。ほうり出すこと。
抛却
ほうきゃく ハウ― [0] 【放却・抛却】 (名)スル
うちすてておくこと。「早く既に旧物を―し/学問ノススメ(諭吉)」
抛射
ほうしゃ ハウ― [0] 【抛射】
なげうつこと。なげとばすこと。
抛擲
ほうてき ハウ― [0] 【放擲・抛擲】 (名)スル
ほうってしまうこと。うちすてること。「地位も名誉も―して隠棲する」
抛棄
ほうき ハウ― [1] 【放棄・抛棄】 (名)スル
(1)投げ捨てること。捨ててかえりみないこと。「任務を―する」
(2)自分の持っている権利・資格・利益などを,あえて喪失させること。「権利を―する」
抛物線
ほうぶつせん ハウブツ― [0] 【放物線・抛物線】
〔parabola〕
二次曲線の一。平面上で,一つの定点 F(�,0)と一つの直線 � からの距離が等しい点の軌跡。この場合 F を焦点,� を準線という。標準形の方程式は �²=4��
→円錐曲線
放物線[図]
抛物運動
ほうぶつうんどう ハウブツ― [5] 【放物運動・抛物運動】
重力の作用の下で投げ出した物体の行う運動。特に,空中に斜めに投げ上げた物体の行う運動。この場合,空気の抵抗がなければ,物体は放物線を描く。
抛物面
ほうぶつめん ハウブツ― [4] 【放物面・抛物面】
二次曲面の一。標準形の方程式は �²/�²+�²/�²=2�(楕円放物面)または �²/�²−�²/�²=2�(双曲放物面)。
放物面[図]
抜かす
ぬか・す [0] 【抜かす】 (動サ五[四])
(1)入れるべきものを入れないままですます。もらす。「一人―・して数える」「一行―・して読む」
(2)抜けた状態にする。「腰を―・す」「現(ウツツ)を―・す」
(3)追い抜く。「二台―・した」
(4)(「吐かす」とも書く)「言う」の意で,動作主をいやしんでいう語。言いやがる。「なんだと―・しやがる此芋掘めヱ/西洋道中膝栗毛(魯文)」
[可能] ぬかせる
抜かす
ぬかす【抜かす】
(1)[省略]omit;→英和
leave out;skip (over) (とばして読む).→英和
(2) 腰を〜 ⇒腰.
抜からぬ顔
抜からぬ顔
油断のない顔つき。抜けめのない顔つき。「―して,吉野の山を雪かと見ればと/浮世草子・諸艶大鑑 1」
抜かり
ぬかり【抜かり】
[手落ち]a slip;→英和
an oversight;→英和
a mistake.→英和
〜がない be cautious[careful].〜なく cautiously;→英和
carefully.
抜かり
ぬかり [0] 【抜かり】
ぬかること。手落ち。手ぬかり。油断。「準備に―はない」
抜かる
ぬか・る [0] 【抜かる】 (動ラ五[四])
油断したり,思慮が足りなかったりして失敗する。「さあ―・るなよ」「ざれ事とは―・つた事を言ふ/狂言・昆布売」「女色には―・らしやまして,尼将軍の婬乱に世はみだれたのみならず/胆大小心録」
抜かる
ぬかる【抜かる】
[手落ち]make a slip[mistake].→英和
〜な Look sharp.
抜き
ぬき [1] 【抜き】
(1)除き去ること。省くこと。「冗談は―にして」「難しい話は一切―にする」「昼飯―」「しみ―」
(2)ドジョウなどの骨を取り去ること。また,骨を取り去ったドジョウやその料理。
(3)食べ物で,普通は入れるものを特に除いたもの。わさびを付けない握りずしの類。
(4)「栓抜き」の略。
(5)人数を表す漢語の数詞の下に付いて,その人数だけ対戦相手を続けて負かす意を表す。「五人―」
抜きつ抜かれつ
抜きつ抜かれつ
相手を追い越したり追い越されたり。追いつ追われつ。「―の大接戦」
抜きにする
ぬき【抜きにする】
leave out;omit.→英和
冗談は〜にして joking apart.
抜きん出る
ぬきん・でる [4] 【抜きん出る・抽んでる・擢んでる】 (動ダ下一)[文]ダ下二 ぬきん・づ
〔「ぬきづ」の転〕
(1)周囲の物よりひときわ高く突き出ている。「他に―・でる高峰」
(2)人並みはずれてすぐれている。ずば抜けている。「―・でた才能」「衆に―・でる」
(3)群れなどから離れる。抜け出る。「只一人―・でて後の山より何地ともなく落ち給ひにけり/太平記 13」
(4)引き抜いて取り出す。また,多くの中から選び出す。「錫は一廉―・でて下さるる時書く字ぢやぞ/毛詩抄」
(5)人よりも目立たせる。際立たせる。「忠功を―・でば,日来の昇殿を不日に許さるべき也/保元(上)」
抜きん出る
ぬきんでる【抜きん出る】
surpass[excel] <a person> ;→英和
stand out <above> .
抜き写し
ぬきうつし [0] 【抜(き)写し】
書物の中の一部分を抜き出して写すこと。抜き書き。
抜き出
ぬきで 【抜(き)出】
相撲(スマイ)の節(セチ)の翌日,前日の勝負ですぐれていた者を選んで取組を行うこと。抜き取り。抜き手。
抜き出す
ぬきだす【抜き出す】
pick out;select;→英和
extract (抽出).→英和
抜き出す
ぬきだ・す [3] 【抜(き)出す】 (動サ五[四])
(1)引き抜いて取り出す。「ケースから本を―・す」
(2)多くのものの中から選び出す。「条件に合う者だけ―・す」
(3)外に突き出す。「ぬっと半身を―・す」
[可能] ぬきだせる
抜き出づ
ぬきい・ず 【抜き出づ】 (動ダ下二)
(1)現れ出る。姿を現す。「林に―・でたる筍(タコウナ)/源氏(横笛)」
(2)秀でている。すぐれている。「永手・百川とて―・でたる人々ありて/愚管 3」
(3)抜いて出す。抜き出す。「剣大刀(ツルギタチ)鞘ゆ―・でて伊香胡山(イカゴヤマ)いかにか我(ア)がせむ行くへ知らずて/万葉 3240」
抜き出る
ぬき・でる [3] 【抜(き)出る】 (動ダ下一)[文]ダ下二 ぬき・づ
他のものより一段とまさった状態になる。抜きん出る。「他より一歩―・でる」「頭一つ―・でる」
抜き刷り
ぬきずり [0] 【抜(き)刷り】 (名)スル
雑誌・論文集などの,ある部分の記事だけを抜き出して別に印刷すること。また,その印刷物。別刷り。「必要なところを―する」
抜き去る
ぬきさ・る [3] 【抜(き)去る】 (動ラ五[四])
(1)抜いて取り去る。すっかり抜く。「小骨を―・る」
(2)追い抜いて先へ行く。「二人―・ってトップへ出る」
抜き取り
ぬきとり [0] 【抜(き)取り】
(1)物を抜き取ること。
(2)輸送途中の品の一部を盗み取ったり,人の懐中の品をすり取ったりすること。
(3)「抜き出」に同じ。
抜き取り検査
ぬきとりけんさ [5] 【抜(き)取り検査】
製品の検査法の一。大量の製品の検査をする場合,製品の一部を抜き取って調べ,それによって全体の状態を推測するもの。サンプリング調査。標本調査。一部調査。
抜き取る
ぬきとる【抜き取る】
pull out;extract.→英和
抜取り検査 sampling.→英和
抜き取る
ぬきと・る [3] 【抜(き)取る】 (動ラ五[四])
(1)引き抜いて取り出す。「本棚から本を―・る」「釘を―・る」
(2)引き抜いて盗む。「現金書留を―・られた」
(3)城などを攻めおとす。「三つの城を―・りつ/日本書紀(継体訓)」
[可能] ぬきとれる
抜き合せる
ぬきあわ・せる [5] 【抜き合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 ぬきあは・す
互いに刀を抜く。
抜き合わせる
ぬきあわ・せる [5] 【抜き合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 ぬきあは・す
互いに刀を抜く。
抜き差し
ぬきさし [0][2] 【抜(き)差し】 (名)スル
(1)抜き出すことと入れること。除くことと加えること。「簡単に―ができる」「穴に―する」
(2)あれこれやりくりすること。処理。処置。
抜き差しならぬ
ぬきさし【抜き差しならぬ】
be in a pinch[fix].→英和
抜き巾子
ぬきこじ 【抜き巾子】
元服式のとき用いた加冠用の冠。巾子の部分が額から抜きとることができるようになっているもの。はなちこじ。
抜き師
ぬきし [2] 【抜(き)師】
「すり(掏摸)」のこと。
抜き手
ぬきて [0] 【抜(き)手】
〔「ぬきで」とも〕
(1)水をかいた手を水から抜いて前に返し,かえる足またはあおり足で泳ぐ泳法の総称。日本古来の泳法。
(2)「抜き出」に同じ。
抜き打ち
ぬきうち [0] 【抜(き)打ち】
(1)刀を抜くと同時に斬りつけること。「―に切りかかる」
(2)予告なしに,突然物事を行うこと。「―検査」
抜き打ちスト
ぬきうちスト [5] 【抜(き)打ち―】
争議予告なしに,または,予告期限の前に,抜き打ちに行うストライキ。運輸・電気通信・医療などの公益事業では禁止されている。
抜き打ち解散
ぬきうちかいさん [5] 【抜(き)打ち解散】
政府の都合により何の前触れもなく衆議院を解散すること。
→予告解散
抜き掘り
ぬきぼり [0] 【抜(き)掘り】
「狸(タヌキ)掘り」に同じ。
抜き放つ
ぬきはな・つ [4] 【抜(き)放つ】 (動タ五[四])
刀などを勢いよく,一気に抜く。抜き放す。「腰の大刀を―・つ」
抜き書き
ぬきがき [0] 【抜(き)書き】 (名)スル
必要な箇所だけを抜き出して書くこと。また,その書いたもの。「要点を―する」
抜き本
ぬきほん [0] 【抜(き)本】
(1)義太夫の一部を抜粋した本。全曲を収録した丸本に対していう。
(2)抄本。
抜き染め
ぬきぞめ [0] 【抜(き)染め】
⇒ばっせん(抜染)
抜き状
ぬきじょう 【抜(き)状】
江戸時代に行われた書状急送の方法。早飛脚の荷の中から,さらに急を要する書状を抜き出して,別に至急飛脚で送ること。また,その書状。
抜き穂
ぬきほ 【抜(き)穂】
大嘗祭(ダイジヨウサイ)のとき,神に供えるための稲の穂を悠紀(ユキ)・主基(スキ)の斎田(サイデン)から抜き取ること。また,その穂。
抜き穂の使
ぬきほのつかい 【抜(き)穂の使】
抜き穂をするために派遣される使者。
抜き穂田
ぬきほだ 【抜(き)穂田】
大嘗祭のとき,神に供える稲穂を抜き取る田。斎田。
抜き糸
ぬきいと [3] 【抜(き)糸】
着物や衣服をほどいたときに抜き取った縫い糸。
抜き紋
ぬきもん [0] 【抜(き)紋】
白く染め抜いた紋。
抜き綿
ぬきわた [0] 【抜(き)綿】
古着・古布団などから抜き取った綿。ぬきでわた。
抜き翳す
ぬきかざ・す [4] 【抜き翳す】 (動サ五[四])
刀などを抜いて,頭上に振りかざす。「刀を―・す」
抜き花
ぬきばな 【抜(き)花】
遊女や芸者が,客の相手をしている途中,席をはずして他の客の相手をして揚げ代を稼ぐこと。
抜き荷
ぬきに [0] 【抜(き)荷】 (名)スル
運送途中の荷物の中から,こっそり抜き取ること。また,その品物。
抜き衣紋
ぬきえもん [3] 【抜き衣紋】
着物の後ろ襟を引き下げて,首筋を現す着方。ぬきえり。のけえもん。
抜き襟
ぬきえり [0] 【抜(き)襟】
「抜き衣紋(エモン)」に同じ。
抜き読み
ぬきよみ [0] 【抜(き)読み】 (名)スル
必要な部分やおもしろそうな部分だけを読むこと。
抜き足
ぬきあし [0][2] 【抜(き)足】
音を立てないように,そっと足を抜くように上げて歩くこと。
抜き足で歩く
ぬきあし【抜き足で歩く】
steal <to,into,out of> .→英和
〜差し足で歩く walk on tiptoe.
抜き足差し足
ぬきあしさしあし [0][2][2] 【抜(き)足差(し)足】
音のしないように,そっと足を上げたり下ろしたりして歩くさま。「―忍び足」
抜き身
ぬきみ [0] 【抜(き)身】
(1)鞘(サヤ)から抜き出した刀や槍(ヤリ)。白刃。「―の刀」
(2)貝などのむき身。
(3)むき出しの男根。
抜き連れる
ぬきつ・れる [4] 【抜(き)連れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ぬきつ・る
大勢の者が,そろって刀を抜く。「四人均しく刀を―・れ切つてかかる/真景累ヶ淵(円朝)」
抜き難い
ぬきがた・い 【抜(き)難い】 (連語)
取り除くことがむずかしい。「―・い不信感」
抜く
ぬ・く [0] 【抜く】
■一■ (動カ五[四])
❶物を引き出す。
(1)生えている物,はまっている物などを,引っぱって取り出す。「とげを―・く」「庭の雑草を―・く」「ビールの栓を―・く」「刀を―・く」
(2)(ポケット・かばんなどの中の金品を)ひそかにすり取る。また,輸送途中の荷物などを盗み取る。「すりに財布を―・かれた」「積み荷を―・かれる」
(3)中に充満しているものを外に出す。除き去る。「タイヤの空気を―・く」「風呂の水を―・く」「肩の力を―・く」「気を―・く」
❷一部を取り出す。
(1)(「抽く」とも書く)多くの中から一部を選んで取り出す。抽出する。「好きなカードを一枚―・いてください」「原文から三分の一ほどを―・いてダイジェスト版をつくる」
(2)(「抽く」とも書く)有用なもの,価値あるものだけを選んでわきに置く。「大きいものだけ―・いて別にしておく」
(3)余分なものやじゃまなものを取り除く。除去する。「魚の腹わたを―・く」「わさびを―・いた握りずし」「灰汁(アク)を―・く」「染みを―・く」
(4)過程の一部を省略する。省く。「昼飯を―・く」「仕事の手を―・く」
(5)抜き衣紋(エモン)にする。「襟を―・く」
(6)所属している組織などから離れる。関係を絶つ。「籍を―・く」「足を―・く」
❸追いこす。
(1)競走で,前の者を追いこす。また,上位の者よりもさらに上位になる。追い抜く。「ゴールまぎわで三人―・いた」「―・きつ―・かれつの大接戦」「彼の実力は群を―・いている」
(2)(新聞などで)他社を出し抜いて特種(トクダネ)記事をつくる。「 A 新聞に―・かれた」
❹(「貫く」とも書く)向こう側に出す。
(1)穴を作る。「ハート形に―・く」
(2)突き破る。「三遊間を―・く当たり」
(3)穴に緒などを通してとめる。つらぬく。「浅緑糸よりかけて白露を珠にも―・ける春の柳か/古今(春上)」
❺攻略する。
(1)城などを攻め落とす。「堅陣(ケンジン)を―・く」
(2)囲碁で,相手の石を囲んで取る。うちぬく。
(3)つきくずす。「―・き難い不信の念」「決心牢乎(ロウコ)として―・くべからず」
❻動詞の連用形の下に付いて複合動詞をつくる。
(1)最後まで…する,…し通すの意を表す。「がんばり―・く」「走り―・く」「耐え―・く」
(2)ひどく…するの意を表す。「困り―・いている」
❼だます。ごまかす。「とう仰せられたれば―・かれまい物を/狂言・張蛸」
〔「抜ける」に対する他動詞〕
[可能] ぬける
■二■ (動カ下二)
⇒ぬける
[慣用] 息を―・生き馬の目を―・一頭地を―・気を―・度肝を―/月夜に釜(カマ)を抜かれる
抜く
ぬく【抜く】
(1) pull[draw]out;extract;→英和
uncork (栓を).→英和
(2)[除く]remove;→英和
omit (省略).→英和
(3)[追い抜く]outrun;→英和
get ahead <of a person> ;[勝ち抜く]beat <two competitors> .→英和
手を〜 scamp one's work.昼食を〜 skip lunch.
抜く手も見せず
抜く手も見せず
〔刀を抜く手元の動きが見えないほどの意〕
刀をすばやく抜くさま。「―に斬りつける」
抜け
ぬけ [0] 【抜け】
(1)あるはずのものがないこと。抜けていること。「名簿に―がある」
(2)知恵の足りないこと。また,その人。
(3)責任を逃れるための言葉。ぬけぐち。「狂言綺語の―はあれど/歌舞伎・水天宮」
(4)「抜け風(フウ)」に同じ。
抜けそ
ぬけそ 【抜けそ】
「抜けそけ」に同じ。「お鯛茶屋からよう―をやつたなあ/浄瑠璃・夏祭」
抜けそけ
ぬけそけ 【抜けそけ】
人に見つからないようにこっそりとその場を抜け出すこと。また,夜逃げ。抜けそ。「どうでこの内を―するのかして/浄瑠璃・忠臣蔵」
抜けば玉散る氷の刃(ヤイバ)
抜けば玉散る氷の刃(ヤイバ)
研ぎすまされた日本刀の,冷たく不気味に光るさまをいう語。
抜ける
ぬ・ける [0] 【抜ける】 (動カ下一)[文]カ下二 ぬ・く
(1)中にある物が外に出る。
(ア)中にはまり込んでいる物,生えている物が取れる。脱落する。「毛が―・ける」「打った釘が―・けてしまう」「人形の首が―・ける」
(イ)中に充満していた物が自然に外へ出る。「タイヤの空気が―・ける」
(ウ)中に含まれていた物が外へ出る。「油気が―・ける」「気の―・けたビール」「ペンキの匂いがまだ―・けない」
(エ)人の気力・疲れ・習慣などがなくなる。消える。「全身の力が―・けてしまう」「腰が―・ける」「疲れが―・ける」「朝寝のくせがまだ―・けない」「言葉のなまりが―・ける」
(オ)構成要素の一部がなくなる。脱漏する。脱落する。「名簿に私の名が―・けている」「途中で一六ページ分―・けている」「説明が―・けている」
(2)(「脱ける」とも書く)現在の状態から離れる。
(ア)所属していた組織を離れる。離脱する。「会を―・ける」「グループから―・ける」
(イ)自分の持ち場を一時的に離れる。「忙しくて職場を―・けられない」
(ウ)逃げ去る。のがれ出る。「ここにあつてはあしかりなんと思ひ給ひて,足にまかせて―・け給ふ程に/平治(中・古活字本)」
(エ)うまく言い訳をする。言いのがれる。「左様(ソウ)―・けてはいけぬ,真実の処を話して聞かせよ/にごりえ(一葉)」
(3)向こう側へ出る。
(ア)穴ができる。「バケツの底が―・ける」
(イ)通り抜ける。「人ごみを―・ける」「この路地は―・けられません」
(4)(魂・知恵などが抜ける,の意で)注意力が散漫である。知恵が不足している。普通,「抜けた」「抜けている」の形で用いる。「君もずいぶん―・けているなあ」「ちょっと―・けた男」
(5)「ぬけるような」「ぬけるように」の形で,すき通っているさまをいう。「―・けるような青空」「―・けるように白い肌」
(6)他人よりもすぐれる。ひいでる。「少し人に―・けたりける御心と覚えける/源氏(藤裏葉)」
〔「抜く」に対する自動詞〕
[慣用] 灰汁(アク)が―・気が―・間(マ)が―・目から鼻へ―
抜ける
ぬける【抜ける】
(1)[脱落]come off[out].(2)[なくなる]go.→英和
(3)[省略・不足]be left out;be missing.(4)[通過]go[pass]through <a tunnel> .
(5)[脱退]leave;→英和
withdraw <from> .→英和
⇒抜け出す.
抜け上がる
ぬけあが・る [4] 【抜け上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)髪の生えぎわが額の上の方まで退く。はげあがる。「額が―・る」
(2)抜けて上に出る。「目の玉の―・る程叱られて/仮名草子・竹斎」
抜け上る
ぬけあが・る [4] 【抜け上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)髪の生えぎわが額の上の方まで退く。はげあがる。「額が―・る」
(2)抜けて上に出る。「目の玉の―・る程叱られて/仮名草子・竹斎」
抜け井戸
ぬけいど [0] 【抜け井戸】
中に抜け道を設けてある井戸。
抜け作
ぬけさく [0] 【抜け作】
〔「作」は人名らしく添えた語〕
まぬけな人をあざけっていう語。
抜け出す
ぬけだす【抜け出す】
get[sneak,slip]out <of a room> .
抜け出す
ぬけだ・す [3] 【抜け出す】 (動サ五[四])
(1)ある場所・集まり・状態などからのがれ出る。抜けて出る。「教室を―・す」「寝床を―・す」「苦境を―・す」
(2)追い越して前へ出る。「競泳で,からだ一つ―・す」
(3)抜け始める。「髪の毛が―・す」
[可能] ぬけだせる
抜け出る
ぬけ・でる [3] 【抜け出る】 (動ダ下一)
(1)中から外に出る。「トンネルから―・でる」「絵から―・でたような美女」
(2)こっそり出る。抜けて出る。「勤務中に―・でる」「古い観念から―・でる」
(3)他のものより高く現れ出る。突き出る。「ビルの間から東京タワーが―・でて見える」
(4)他のものより特にすぐれている。ぬきんでる。「一段と―・でた才能」
抜け参り
ぬけまいり [3] 【抜け参り】 (名)スル
親や主人また村役人に無断で家を抜け出し,伊勢神宮に参拝すること。帰ってからも叱責されなかった。江戸時代に流行。抜け参宮。
抜け参宮
ぬけさんぐう [3] 【抜け参宮】
「抜け参(マイ)り」に同じ。
抜け口
ぬけぐち [2] 【抜け口】
(1)通り抜けられる場所。逃げ出せる口。抜け道。
(2)「抜け句」に同じ。
抜け句
ぬけく 【抜け句】
言いのがれのための言葉。逃げ口上。言いわけ。抜け口。「手のよい―を仰せらるる/浮世草子・禁短気」
抜け商い
ぬけあきない [4][3] 【抜け商い】
禁を犯し,ひそかに密貿易などの商売をすること。
抜け売り
ぬけうり [0] 【抜け売り】 (名)スル
禁を犯してひそかに商品を売ること。「―する人なんどの隠家と/即興詩人(鴎外)」
抜け字
ぬけじ [0] 【抜け字・脱け字】
脱字(ダツジ)。落字。
抜け小路
ぬけこうじ [3] 【抜け小路】
通り抜けのできる小路。抜け路地。
抜け抜け
ぬけぬけ 【抜け抜け】
■一■ [1][3] (副)
(多く「と」を伴って)
(1)ずうずうしく平気なさま。無恥で厚かましいさま。「―とうそをつく」
(2)間の抜けているさま。愚かなさま。「子細を問へば,返事もせず。―とぞ見えける/沙石 8」
■二■ [0] (形動ナリ)
一人ずつひそかに列から抜けるさま。「先駆けのつはものども,―に赤坂の城へ向つて/太平記 6」
抜け替る
ぬけかわ・る [4] 【抜け替(わ)る】 (動ラ五[四])
乳歯や髪の毛などが抜けたあとに新しいものが生える。はえかわる。
抜け替わる
ぬけかわる【抜け替わる】
shed;→英和
molt (羽が).→英和
犬の毛が抜け替わっている Our dog is shedding.
抜け替わる
ぬけかわ・る [4] 【抜け替(わ)る】 (動ラ五[四])
乳歯や髪の毛などが抜けたあとに新しいものが生える。はえかわる。
抜け歯
ぬけば [0] 【抜け歯】
抜け落ちた歯。また,ところどころ抜けて欠けている歯並び。
抜け殻
ぬけがら [0] 【抜け殻・脱け殻】
(1)ヘビ・セミなどの,脱皮したあとの殻。
(2)中身のなくなったあとのもの。
(3)魂が抜けたように,うつろな状態になることのたとえ。「重なる不幸に打ちのめされて―同然になる」
抜け毛
ぬけげ [0] 【抜け毛・脱け毛】
抜け落ちた髪の毛。
抜け物
ぬけもの [0] 【抜け物】
(1)抜け買いや抜け売りをした物。密輸品。また,盗品。
(2)他に抜きん出てすぐれているもの。
抜け目
ぬけめ [0] 【抜け目】
(1)抜けたところ。欠けたところ。
(2)手抜かり。手落ち。心配りの足りないところ。
抜け穴
ぬけあな [0] 【抜け穴】
(1)通り抜けられる穴。
(2)逃げ出すための穴。「城の外に通じる―」
(3)うまくのがれる手段。「法の―」
抜け船
ぬけぶね [0] 【抜け船】
(1)役儀の定まっている船を,許可なしに他の用に使うこと。また,その船。「同じこころの瓢金玉,―を急がせ/浮世草子・一代男 5」
(2)江戸時代,幕府の禁令を犯して海外へ渡航した船。また,それによって密貿易・密出国を行なった船。
抜け荷
ぬけに [0] 【抜け荷】
江戸時代,幕府の禁令を破って行われた密貿易。当時,外国との取引は長崎会所を通して行われ,厳重に統制されていた。出買い。
抜け落ちる
ぬけお・ちる [4] 【抜け落ちる】 (動タ上一)[文]タ上二 ぬけお・つ
(1)生えているもの,はまっているものなどが,抜けて落ちる。「羽が―・ちる」「ボルトが―・ちる」
(2)物の一部が欠ける。「二行―・ちている」
抜け裏
ぬけうら [0] 【抜け裏】
通り抜けられる裏道。抜け路地。
抜け買い
ぬけがい [0] 【抜け買い】 (名)スル
禁を犯して品物を買うこと。「出買・仲買・ぬけ荷・―など/折たく柴の記」
抜け路地
ぬけろじ [3] 【抜け路地】
「抜け小路(コウジ)」に同じ。
抜け道
ぬけみち [0] 【抜け道】
(1)本道以外の近道。また,人にあまり知られていない裏道。間道。「―を通って先回りする」
(2)逃れる手だて。法律・規則などの間隙をついて責任などを逃れる方法。「法の―」
抜け風
ぬけふう [0] 【抜け風】
談林俳諧の手法の一。そのものを句の表面に出さず余意にそれを利かせること。例えば「鹿を追ふ猟師か今朝の八重霞」の句は,「鹿を追ふ猟師山を見ず」の諺を下敷きにして,上五に「山を見ず」の語を利かせた詞のぬけの例。ぬけ。
抜け首
ぬけくび [2] 【抜け首】
ろくろ首。
抜け駆け
ぬけがけ [0] 【抜け駆け】 (名)スル
(1)〔(2)の意から〕
他の人を出し抜いて自分だけ先に物事をすること。「一人だけ―する」
(2)戦功を上げようと,陣を抜け出して他の者より先に敵陣へ攻め入ること。「功をあせって―する」
抜け駆けをする
ぬけがけ【抜け駆けをする】
steal a march on <a person> .
抜け髪
ぬけがみ [0] 【抜け髪】
抜け落ちた髪の毛。
抜写し
ぬきうつし [0] 【抜(き)写し】
書物の中の一部分を抜き出して写すこと。抜き書き。
抜出
ぬきで 【抜(き)出】
相撲(スマイ)の節(セチ)の翌日,前日の勝負ですぐれていた者を選んで取組を行うこと。抜き取り。抜き手。
抜出
ばっしゅつ [0] 【抜出】 (名)スル
抜け出ていること。抜群。「其中に於て最も卓越―し/新聞雑誌 45」
抜出す
ぬきだ・す [3] 【抜(き)出す】 (動サ五[四])
(1)引き抜いて取り出す。「ケースから本を―・す」
(2)多くのものの中から選び出す。「条件に合う者だけ―・す」
(3)外に突き出す。「ぬっと半身を―・す」
[可能] ぬきだせる
抜出る
ぬき・でる [3] 【抜(き)出る】 (動ダ下一)[文]ダ下二 ぬき・づ
他のものより一段とまさった状態になる。抜きん出る。「他より一歩―・でる」「頭一つ―・でる」
抜刀
ばっとう [0] 【抜刀】 (名)スル
刀を抜くこと。
抜刀隊
ばっとうたい [0] 【抜刀隊】
抜刀して,敵陣に斬り込む部隊。
抜刷
ぬきずり【抜刷】
an offprint.→英和
抜刷り
ぬきずり [0] 【抜(き)刷り】 (名)スル
雑誌・論文集などの,ある部分の記事だけを抜き出して別に印刷すること。また,その印刷物。別刷り。「必要なところを―する」
抜剣
ばっけん [0] 【抜剣】 (名)スル
剣を抜くこと。また,その剣。
抜去る
ぬきさ・る [3] 【抜(き)去る】 (動ラ五[四])
(1)抜いて取り去る。すっかり抜く。「小骨を―・る」
(2)追い抜いて先へ行く。「二人―・ってトップへ出る」
抜取り
ぬきとり [0] 【抜(き)取り】
(1)物を抜き取ること。
(2)輸送途中の品の一部を盗み取ったり,人の懐中の品をすり取ったりすること。
(3)「抜き出」に同じ。
抜取り検査
ぬきとりけんさ [5] 【抜(き)取り検査】
製品の検査法の一。大量の製品の検査をする場合,製品の一部を抜き取って調べ,それによって全体の状態を推測するもの。サンプリング調査。標本調査。一部調査。
抜取る
ぬきと・る [3] 【抜(き)取る】 (動ラ五[四])
(1)引き抜いて取り出す。「本棚から本を―・る」「釘を―・る」
(2)引き抜いて盗む。「現金書留を―・られた」
(3)城などを攻めおとす。「三つの城を―・りつ/日本書紀(継体訓)」
[可能] ぬきとれる
抜山蓋世
ばつざんがいせい [2][2][0] 【抜山蓋世】
〔史記(項羽本紀)〕
気力の盛んなこと。
→力(チカラ)山を抜き気は世を蓋(オオ)う
抜差し
ぬきさし [0][2] 【抜(き)差し】 (名)スル
(1)抜き出すことと入れること。除くことと加えること。「簡単に―ができる」「穴に―する」
(2)あれこれやりくりすること。処理。処置。
抜師
ぬきし [2] 【抜(き)師】
「すり(掏摸)」のこと。
抜手
ぬきて [0] 【抜(き)手】
〔「ぬきで」とも〕
(1)水をかいた手を水から抜いて前に返し,かえる足またはあおり足で泳ぐ泳法の総称。日本古来の泳法。
(2)「抜き出」に同じ。
抜手を切る
ぬきて【抜手を切る】
swim with overarm strokes.
抜打ち
ぬきうち [0] 【抜(き)打ち】
(1)刀を抜くと同時に斬りつけること。「―に切りかかる」
(2)予告なしに,突然物事を行うこと。「―検査」
抜打ちの
ぬきうち【抜打ちの】
surprise.→英和
〜的に without notice.‖抜打ち検査 a spot-check.抜打ち解散 the surprised dissolution of the Diet (国会の).
抜打ちスト
ぬきうちスト [5] 【抜(き)打ち―】
争議予告なしに,または,予告期限の前に,抜き打ちに行うストライキ。運輸・電気通信・医療などの公益事業では禁止されている。
抜打ち解散
ぬきうちかいさん [5] 【抜(き)打ち解散】
政府の都合により何の前触れもなく衆議院を解散すること。
→予告解散
抜掘り
ぬきぼり [0] 【抜(き)掘り】
「狸(タヌキ)掘り」に同じ。
抜擢
ばってき【抜擢】
selection.→英和
〜する select;→英和
pick[single]out;promote <a person to a post> .→英和
抜擢
ばってき [0] 【抜擢】 (名)スル
多くの人の中から,特にひきぬいて用いること。ばったく。「新人を―する」
抜放つ
ぬきはな・つ [4] 【抜(き)放つ】 (動タ五[四])
刀などを勢いよく,一気に抜く。抜き放す。「腰の大刀を―・つ」
抜書
ぬきがき【抜書】
an extract;→英和
an excerpt.→英和
〜する extract;quote <from> .→英和
抜書き
ぬきがき [0] 【抜(き)書き】 (名)スル
必要な箇所だけを抜き出して書くこと。また,その書いたもの。「要点を―する」
抜本
ぬきほん [0] 【抜(き)本】
(1)義太夫の一部を抜粋した本。全曲を収録した丸本に対していう。
(2)抄本。
抜本
ばっぽん [0] 【抜本】
物事の根本の原因を取り除くこと。
抜本塞源
ばっぽんそくげん [0] 【抜本塞源】
〔「左氏伝(昭公九年)」より。根元を引き抜き,源をふさぐ意から〕
根本的に物事を処理すること。災いを根源から取り去ること。
抜本的
ばっぽんてき【抜本的】
drastic <measures> .→英和
抜本的
ばっぽんてき [0] 【抜本的】 (形動)
根本にさかのぼるさま。「―な対策を立てる」
抜染
ばっせん [0] 【抜染】
捺染(ナツセン)法の一。いったん無地染めにした布や糸の一部分に抜色剤を含む糊(ノリ)を印捺し,蒸気処理で脱色すること。脱色と同時に他の色を染めることもある。ぬきぞめ。
抜染め
ぬきぞめ [0] 【抜(き)染め】
⇒ばっせん(抜染)
抜染剤
ばっせんざい [0] 【抜染剤】
脱色のための薬剤。酸化抜染剤と還元抜染剤とがある。
抜染絣
ばっせんがすり [5] 【抜染絣】
抜染法によって絣模様を表した木綿。
抜歯
ばっし [0] 【抜歯】 (名)スル
(1)歯を抜くこと。「―手術」
(2)成年式などの儀礼として,特定の歯を人為的に抜くこと。世界各地で行われ,縄文・弥生時代の日本でも行われた。
抜歯する
ばっし【抜歯する】
extract[pull out]a tooth.→英和
抜殻
ぬけがら【抜殻】
a cast-off skin[shell].
抜毛
ぬけげ【抜毛】
fallen hairs.
抜状
ぬきじょう 【抜(き)状】
江戸時代に行われた書状急送の方法。早飛脚の荷の中から,さらに急を要する書状を抜き出して,別に至急飛脚で送ること。また,その書状。
抜目ない
ぬけめ【抜目ない(なく)】
shrewd(ly);→英和
clever(ly);→英和
[注意深い]careful(ly);→英和
cautious(ly).→英和
抜穂
ぬきほ 【抜(き)穂】
大嘗祭(ダイジヨウサイ)のとき,神に供えるための稲の穂を悠紀(ユキ)・主基(スキ)の斎田(サイデン)から抜き取ること。また,その穂。
抜穂の使
ぬきほのつかい 【抜(き)穂の使】
抜き穂をするために派遣される使者。
抜穂田
ぬきほだ 【抜(き)穂田】
大嘗祭のとき,神に供える稲穂を抜き取る田。斎田。
抜穴
ぬけあな【抜穴】
an underground passage (地下の);a tunnel;→英和
a loophole (法律などの).→英和
⇒抜道.
抜粋
ばっすい [0] 【抜粋・抜萃】 (名)スル
(1)書物などから必要な部分だけを抜き出すこと。また,抜き出したもの。「一節を―する」
(2)多くの中で,とび抜けてすぐれていること。「生れて異相有り,―にして聡敏なり/盛衰記 39」
抜粋
ばっすい【抜粋】
an extract;→英和
a selection (選集).→英和
〜する extract;select.→英和
抜糸
ぬきいと [3] 【抜(き)糸】
着物や衣服をほどいたときに抜き取った縫い糸。
抜糸
ばっし [0] 【抜糸】 (名)スル
手術の切り口が癒着したあと,縫合に使った糸を抜き取ること。「一〇日後に―する」
抜糸する
ばっし【抜糸する】
take stitches out <of a wound> .
抜紋
ぬきもん [0] 【抜(き)紋】
白く染め抜いた紋。
抜綿
ぬきわた [0] 【抜(き)綿】
古着・古布団などから抜き取った綿。ぬきでわた。
抜群
ばつぐん [0] 【抜群】
〔古くは「ばっくん」〕
■一■ (名・形動)[文]ナリ
(1)多くの中でとびぬけて優れている・こと(さま)。「数学が―にすぐれている」「―の成績」「―に速い」
(2)程度のはなはだしい・こと(さま)。「忠信一人討たん事も―の逗留にて候ふべし/謡曲・吉野静」
■二■ (副)
{■一■(2)}に同じ。はなはだしく。非常に。「年ノ程ヨリモ―大人シュウ見ユル/日葡」
抜群の
ばつぐん【抜群の】
distinguished;→英和
outstanding.→英和
抜花
ぬきばな 【抜(き)花】
遊女や芸者が,客の相手をしている途中,席をはずして他の客の相手をして揚げ代を稼ぐこと。
抜苦与楽
ばっくよらく [1] 【抜苦与楽】
〔仏〕 仏・菩薩や善行の力により苦が取り除かれ楽が与えられること。
抜荷
ぬきに [0] 【抜(き)荷】 (名)スル
運送途中の荷物の中から,こっそり抜き取ること。また,その品物。
抜萃
ばっすい [0] 【抜粋・抜萃】 (名)スル
(1)書物などから必要な部分だけを抜き出すこと。また,抜き出したもの。「一節を―する」
(2)多くの中で,とび抜けてすぐれていること。「生れて異相有り,―にして聡敏なり/盛衰記 39」
抜襟
ぬきえり [0] 【抜(き)襟】
「抜き衣紋(エモン)」に同じ。
抜読み
ぬきよみ [0] 【抜(き)読み】 (名)スル
必要な部分やおもしろそうな部分だけを読むこと。
抜足
ぬきあし [0][2] 【抜(き)足】
音を立てないように,そっと足を抜くように上げて歩くこと。
抜足差足
ぬきあしさしあし [0][2][2] 【抜(き)足差(し)足】
音のしないように,そっと足を上げたり下ろしたりして歩くさま。「―忍び足」
抜身
ぬきみ【抜身】
a naked[drawn]sword[blade].
抜身
ぬきみ [0] 【抜(き)身】
(1)鞘(サヤ)から抜き出した刀や槍(ヤリ)。白刃。「―の刀」
(2)貝などのむき身。
(3)むき出しの男根。
抜連れる
ぬきつ・れる [4] 【抜(き)連れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ぬきつ・る
大勢の者が,そろって刀を抜く。「四人均しく刀を―・れ切つてかかる/真景累ヶ淵(円朝)」
抜道
ぬけみち【抜道】
(1)[裏道]a byway;→英和
a secret passage (秘密の道);an escape (逃げ道).→英和
(2)[比喩的]a loophole <in the law> .→英和
抜選
ばっせん [0] 【抜選】 (名)スル
抜き出して選ぶこと。選抜。
抜錨
ばつびょう [0] 【抜錨】 (名)スル
錨(イカリ)をあげて出帆すること。
⇔投錨
「何日(イクカ)欧洲を―したるや/月世界旅行(勤)」
抜錨する
ばつびょう【抜錨する】
weigh anchor;leave.→英和
抜難い
ぬきがた・い 【抜(き)難い】 (連語)
取り除くことがむずかしい。「―・い不信感」
抜頭
ばとう 【抜頭・撥頭】
舞楽の一。管弦にも用いる。唐楽に属する古楽で,太食(タイシキ)調。一人による走り舞。左方右方に異なる拍子の舞がある。袍(ホウ)・裲襠(リヨウトウ)を着て,長髪のついた鼻高の朱面をつけ,桴(バチ)を持って舞う。
〔「髪頭」「鉢頭」「馬頭」などとも書く〕
抜頭[図]
択ぶ
えら・ぶ [2] 【選ぶ・択ぶ・撰ぶ】 (動バ五[四])
〔動詞「選(エ)る」に助動詞「ふ」の付いたものという。上代は「えらふ」と清音〕
(1)いくつかのもののうちで,条件にかなうものを決める。また,決めて抜き出す。よる。選択する。《選・択》「学校を―・ぶ」「学級委員に―・ばれる」「天の下奏(マオ)したまひし家の子と―・ひたまひて/万葉 894」
(2)編集して書物にまとめる。あむ。《撰》「歌集を―・ぶ」
(3)(多く打ち消しを伴って)区別する。「勝つためには手段を―・ばない」
[可能] えらべる
択む
えら・む 【選む・択む】 (動マ四)
「えらぶ(選)」に同じ。「源氏の方には…佐奈田の与市義貞を―・む/狂言・文蔵」「山伏をかたく―・むとこそ申しつれ/謡曲・安宅」
択る
よ・る [1] 【選る・択る】 (動ラ五[四])
〔「える(選)」の転〕
多くのものの中から,選び出す。える。「傷のないりんごを―・る」「気に適(イ)つたのを―・つて御覧な/魔風恋風(天外)」「悪イノヲ―・ッテ捨テル/ヘボン」
[可能] よれる
択一
たくいつ [0] 【択一】
二つ以上のものの中からどれか一つをえらぶこと。「二者―」「―的」
択伐
たくばつ [0] 【択伐】 (名)スル
林業で,林内の伐期に達した木を適量ずつ数年から数十年おきに抜き切りして,林内での更新をはかること。
→皆伐
択抜
たくばつ [0] 【択抜】 (名)スル
選び抜き出すこと。選抜。
択捉島
えとろふとう 【択捉島】
千島列島最大の島。江戸時代から知られ,1854年日露和親条約により日本領。第二次大戦後,ソ連(のちロシア連邦)の占領下にある。
披展
ひてん [0] 【披展】 (名)スル
(手紙などを)ひらいて見ること。「坤輿の図を―すれば/真善美日本人(雪嶺)」
披瀝
ひれき [0] 【披瀝】 (名)スル
〔ひらきそそぐ意〕
考えをすべて打ち明けること。「真情を―する」
披瀝する
ひれき【披瀝する】
express <one's opinion,oneself> .→英和
披裂軟骨
ひれつなんこつ [4] 【披裂軟骨】
喉頭部を形成する七種の軟骨の一。声帯の緊張・弛緩,声門の開閉に関与する。
披見
ひけん [0] 【披見】 (名)スル
手紙や書籍などを開いて見ること。「―を許さず」「此書を―するや/経国美談(竜渓)」
披覧
ひらん [0] 【披覧】
文書などを開いて見ること。披見。
披読
ひどく [0] 【披読】
書物などを開いて読むこと。
披講
ひこう [0] 【披講】 (名)スル
詩歌の会で,詩歌を読みあげて披露すること。また,その役目の人。
披針
ひしん [0] 【披針・鈹鍼】
「刃針(ハバリ)」に同じ。
披針形
ひしんけい [0] 【披針形】
先のとがった,平たく細長い形。笹の葉のような形。植物の葉の形についていう。
披鍼
はばり [0] 【刃針・披鍼】
(1)ランセットに同じ。ひしん。
(2)鍼術(シンジユツ)に用いられる諸刃(モロハ)で先のとがった鍼。ひしん。
披閲
ひえつ [1][0] 【披閲】 (名)スル
書状などを開いてよく見ること。「西川は一拝し之を―すれば/世路日記(香水)」
披陳
ひちん [0] 【披陳】 (名)スル
心に思っていることをかくさず述べること。開陳。披瀝(ヒレキ)。
披露
ひろう【披露】
(an) announcement.〜する announce;→英和
introduce.→英和
‖結婚披露宴 a wedding banquet[reception].
披露
ひろう [1] 【披露】 (名)スル
〔文書などを披(ヒラ)き露(アラワ)す意〕
(1)ひろく人々に知らせること。公に発表すること。「昨晩の出来事を皆に―する」
(2)縁組・開店などをひろく知らせること。また,その宴。「開店―」「結婚―」
(3)意見などを申し上げること。お見せすること。「御迎ひの様子をも後ほど―申すべし/浄瑠璃・用明天皇」
披露会
ひろうかい [2] 【披露会】
祝い事などを披露する会。「襲名の―」
披露宴
ひろうえん [2] 【披露宴】
結婚・開店などを披露するために催す宴。ひろめの宴。
披露状
ひろうじょう [2][0] 【披露状】
(1)ある事を披露する旨をしたためた書状。
(2)貴人に直接送らず,その家人に送って,主人への披露をたのむ形式の書状。
披風
ひふ [0] 【被風・被布・披風】
(1)長着の上に羽織る防寒用の外衣。襟あきは四角く,前を深く重ね,総(フサ)付きの組紐でとめて着る。江戸末期,茶人や俳人が好んで着たが,のちに女性用のコートとなった。子供用のものもある。[季]冬。
(2)近世,公家が着用した,盤領(マルエリ)の道服(ドウブク)の一種。
被風(1)[図]
披麻皴
ひましゅん [2] 【披麻皴】
水墨画の皴法(シユンポウ)の一。麻糸を披(ト)いたような筆致で山や岩石のひだを描き立体感を表す技法。中国,宋代におこり,南宗画に好んで用いられた。麻皮皴。
抱
だき [0] 【抱(き)】
〔動詞「抱く」の連用形から〕
民家で,屋根と屋根が直角に接した所にできる屋根の谷間。
抱え
かかえ カカヘ 【抱え】
■一■ [0] (名)
〔動詞「抱える」の連用形から〕
(1)(多く「おかかえ」の形で)召しかかえること。雇うこと。また,その人。「お―の運転手」
(2)「かかえおび」の略。
■二■ (接尾)
数を表す語に付いて,両手でかかえるほどの大きさを示すのに用いる。「一―の薪」「三―もある大木」
抱え
かかえ【抱え】
an armful <of books> (量).→英和
三〜もある measure three spans (太さ).‖お抱え運転手 a chauffeur.
抱える
かか・える カカヘル [0] 【抱える】 (動ア下一)[文]ハ下二 かか・ふ
(1)物を腕で囲むようにして胸にだいたり,脇の下にはさんだりして持つ。「大きな箱を両手で―・えている」「書類を小脇に―・える」「難問続出で,頭を―・えてしまう」「膝を―・えている」「腹を―・えて笑う」「すきっ腹を―・えてさまよう」
(2)人を雇って家族や会社の一員とする。召しかかえる。「庭師を―・える」「大勢の店員を―・えている大店」
(3)自分の負担となるような人を家族の一員としてもつ。「両親と五人の子供を―・えて,生活に追われる」「病人を―・えている」
(4)処理・解決しなければならないことをもつ。「巨額の借金を―・えて経営が行きづまる」「難問を―・えている」「紛争の火種を―・えている」
(5)内部に含む。「汗の香すこし―・へたる綿衣の薄きを/枕草子 44」
(6)罪をかばう。「山門の大衆あげて『流罪せられよ』と公家に申ししかども,君―・へ仰せられしを/平治(下・古活字本)」
抱える
かかえる【抱える】
(1) hold[carry] <a thing> in one's arms[under one's arm (小わきに)].(2) employ.→英和
⇒雇う.
抱え主
かかえぬし カカヘ― [3][2] 【抱え主】
使用人などを雇っている人。特に,芸娼妓をかかえている人。かかえて。
抱え地
かかえち カカヘ― 【抱え地】
(1)江戸時代,所有地のこと。
(2)江戸時代,武士・寺院・町人などが農民から買い取った土地。1691年以降,家作を禁じられ,野原や田地のまま所有しなければならなかった。
抱え屋敷
かかえやしき カカヘ― 【抱え屋敷】
江戸時代,抱え地に建てられた屋敷。多く,郊外にあって別宅とされた。
抱え帯
かかえおび カカヘ― [4] 【抱え帯】
(1)江戸時代,女性が帯の下に締めて御端折りを押さえた細い帯。現在は花嫁衣装や七五三の晴れ着などに装飾として結ぶ。
(2)「前帯」に同じ。
抱え扇
かかえおうぎ カカヘアフギ [4] 【抱え扇】
能で,扇を用いる形の一。右手に持った扇を左の肩へ上げ,体をやや左へ引くようにして右方を見渡す。月の扇。
抱え田地
かかえでんじ カカヘ―ヂ 【抱え田地】
江戸時代,その村の農民以外の人が所有している田地。
抱え相撲
かかえずもう カカヘズマフ [4] 【抱え相撲】
江戸時代,諸大名がかかえていた力士。抱え力士。
抱え車
かかえぐるま カカヘ― [4] 【抱え車】
自家用の人力車。てぐるま。
抱え込む
かかえこ・む カカヘ― [4] 【抱え込む】 (動マ五[四])
(1)物を両腕で囲むようにしてだきかかえる。「大きな荷物を―・む」
(2)自分の物だとして,他人に触れさせない。「データを―・んで公表しない」
(3)負担になるものを扱ったり,引き受けたりする。しょいこむ。「難問を―・む」「厄介者を―・む」
[可能] かかえこめる
抱かふ
いだか・う イダカフ 【抱かふ】 (動ハ下二)
だきかかえる。「女,塗籠(ヌリゴメ)の内に,かぐや姫を―・へてをり/竹取」
抱き
だき [0] 【抱(き)】
〔動詞「抱く」の連用形から〕
民家で,屋根と屋根が直角に接した所にできる屋根の谷間。
抱きかかえる
だきかかえる【抱きかかえる】
hold[embrace,hug] <a person> in one's arms.
抱きつく
だきつく【抱きつく】
cling to;throw oneself into another's arms;[首に]embrace <a person> around the neck.→英和
抱き上げる
だきあ・げる [4] 【抱(き)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 だきあ・ぐ
抱いて上にもちあげる。「赤ん坊を―・げる」
抱き上げる
だきあげる【抱き上げる】
take <a child> up in one's arms.
抱き下ろす
だきおろ・す [4] 【抱(き)下ろす】 (動サ五[四])
だいて下へおろす。かかえておろす。「病人を車から―・す」
[可能] だきおろせる
抱き乳母
だきうば 【抱き乳母】
(乳をやる乳母に対して)守りを専門にする乳母。「本乳母・―とて二人まで,氏すじやうまでを吟味して/浮世草子・織留 6」
抱き付く
だきつ・く [3] 【抱(き)付く】 (動カ五[四])
両腕でかかえるように相手に取りつく。「母親に―・く」
抱き入れる
だきい・れる [4] 【抱(き)入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 だきい・る
(1)だいて入れる。かかえて入れる。
(2)仲間に引き入れる。抱き込む。
抱き取る
だきと・る [3] 【抱(き)取る】 (動ラ五[四])
(1)受けとって,自分の腕にだく。「赤ん坊を―・る」
(2)だきとめる。「あやまちすなと,―・り―・り制すれば/狂言記・老武者」
抱き合う
だきあう【抱き合う】
embrace[hug]each other.
抱き合う
だきあ・う [3] 【抱(き)合う】 (動ワ五[ハ四])
互いに相手をだくようにする。「―・って泣く」
[可能] だきあえる
抱き合せ
だきあわせ [0] 【抱き合(わ)せ】
だきあわせること。
抱き合せる
だきあわ・せる [5] 【抱き合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 だきあは・す
(1)だきあうようにする。組み合わせる。
(2)よく売れるものとあまり売れないものとを組み合わせて売る。「見切り品を―・せて売る」
抱き合せ増資
だきあわせぞうし [6] 【抱き合(わ)せ増資】
増資のために新株を発行する際,額面の一部を無償にして,有償分と無償分とを抱き合わせる形にしたもの。増資の目的を達しやすい。
抱き合わせ
だきあわせ [0] 【抱き合(わ)せ】
だきあわせること。
抱き合わせる
だきあわ・せる [5] 【抱き合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 だきあは・す
(1)だきあうようにする。組み合わせる。
(2)よく売れるものとあまり売れないものとを組み合わせて売る。「見切り品を―・せて売る」
抱き合わせ増資
だきあわせぞうし [6] 【抱き合(わ)せ増資】
増資のために新株を発行する際,額面の一部を無償にして,有償分と無償分とを抱き合わせる形にしたもの。増資の目的を達しやすい。
抱き寄せる
だきよせる【抱き寄せる】
embrace[hug] <a person> closer to one's breast;give <a person> a squeeze.→英和
抱き寄せる
だきよ・せる [4][0] 【抱(き)寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 だきよ・す
自分の方へ引き寄せて抱く。「子供を―・せる」
抱き寝
だきね [0] 【抱(き)寝】 (名)スル
子供などを抱いてねること。
抱き寝する
だきね【抱き寝する】
lie[sleep]with one's baby in one's arms.
抱き幅
だきはば [2][0] 【抱(き)幅】
和服長着で,男物は袖付止まりから,女物は身八つ口止まりから袵(オクミ)付けまでの前身頃の幅。
抱き抱える
だきかか・える [5] 【抱き抱える】 (動ア下一)[文]ハ下二 だきかか・ふ
腕をまわして,だくようにして支える。「―・えられて病院へ行く」
抱き柱
だきばしら [3] 【抱(き)柱】
板囲いの板などを間にはさむ二本の柱。特に,押さえのために添える方の柱。押さえ柱。
抱き止める
だきとめる【抱き止める】
hold <a person> back.
抱き留める
だきと・める [4] 【抱(き)留める】 (動マ下一)[文]マ下二 だきと・む
抱くようにして受けとめる。抱くようにして押しとどめる。「駆け出そうとする子を―・める」
抱き癖
だきぐせ [0] 【抱(き)癖】
赤ん坊をいつも抱いてかわいがっているため,抱かないと泣きやまなかったり,むずかったりすること。「―がつく」
抱き石葬
だきいしそう [4] 【抱(き)石葬】
縄文時代の墓址にみられる,死体に石をだかせるようにした埋葬法。死霊を封じるためのものといわれる。
抱き竦める
だきすく・める [5] 【抱き竦める】 (動マ下一)[文]マ下二 だきすく・む
だきしめて,相手が身動きのできないようにする。「後ろから―・める」
抱き籠
だきかご [0] 【抱き籠】
「竹夫人(チクフジン)」に同じ。
抱き締める
だきしめる【抱き締める】
embrace[hug] <a person> closely[tightly].
抱き締める
だきし・める [4] 【抱(き)締める】 (動マ下一)[文]マ下二 だきし・む
強くしっかりとだく。「いとし子を―・める」
抱き起こす
だきおこ・す [4] 【抱き起(こ)す】 (動サ五[四])
倒れた人をかかえておこす。「幼児を―・す」
[可能] だきおこせる
抱き起こす
だきおこす【抱き起こす】
help <a person> to sit up.
抱き起す
だきおこ・す [4] 【抱き起(こ)す】 (動サ五[四])
倒れた人をかかえておこす。「幼児を―・す」
[可能] だきおこせる
抱き身
だきみ [0] 【抱(き)身】
鳥の胸肉。特に,鴨(カモ)・あい鴨にいう。
抱き込む
だきこ・む [3] 【抱(き)込む】 (動マ五[四])
(1)腕の中にかかえるようにしてだく。
(2)仲間に引き入れる。味方にする。「役人を―・む」
(3)巻き添えにする。「どいつもこいつも―・んで皆んな泣面(ホエヅラ)を見せてやるぞ/歌舞伎・勧善懲悪覗機関」
[可能] だきこめる
抱き込む
だきこむ【抱き込む】
win <a person> over to one's side.
抱き重り
だきおもり [0] 【抱(き)重り】
赤ん坊などを抱くとずっしりと重みを感じること。「―のする子」
抱く
いだく【抱く】
hold in one's arms (腕に);have[bear]in mind (心に);entertain <a hope> .→英和
抱く
うだ・く 【抱く・懐く】 (動カ四)
だく。いだく。「熱き銅(アカガネ)の柱を―・かしめられて立つ/霊異記(上訓)」
〔上代語「むだく」の転で,「だく」の古形。平安鎌倉時代の漢文訓読にだけ見える語〕
抱く
むだ・く 【抱く】 (動カ四)
いだく。だく。「上野(カミツケノ)安蘇のま麻(ソ)群(ムラ)かき―・き/万葉 3404」
抱く
だ・く [0] 【抱く】 (動カ五[四])
〔「うだく」「いだく」の転〕
(1)両腕を回して物を中にかかえこむ。「赤ん坊を―・く」「恋人の肩を―・く」「二人して―・く計なる檜木の柱を/太平記 38」
(2)男が女と肉体関係を持つ。
(3)仲間に引き入れる。「手前が―・くか俺が―・くか/歌舞伎・小袖曾我」
[可能] だける
抱く
だく【抱く】
embrace;→英和
hold[have,carry] <a baby> in one's arms;sit <on eggs> (卵を).→英和
抱く
いだ・く [2] 【抱く・懐く】 (動カ五[四])
(1)「だく{(1)}」の文語的な言い方。「二つの半島に―・かれた静かな湾」「大自然の懐に―・かれて暮らす」「子を―・きつつおりのりす/土左」
(2)ある考え・気持ちを心の中にもつ。「理想を―・く」「不安を―・く」「相手に不信感を―・かせる」
[可能] いだける
抱っこ
だっこ [1] 【抱っこ】 (名)スル
〔幼児語〕
だくこと。だかれること。「―してあげよう」
抱ふ
かか・う カカフ 【抱ふ】 (動ハ下二)
⇒かかえる
抱ふ
だか・う ダカフ 【抱ふ】 (動ハ下二)
だきかかえる。いだく。「手づから風呂敷づつみを―・へしが/浮世草子・一代女 6」
抱ゆ
かか・ゆ 【抱ゆ】 (動ヤ下二)
〔ハ行下二段動詞「かかふ」が室町時代にヤ行に転じて生じた語〕
「かかえる」に同じ。「えいやと押せば,内よりもえいやと―・ゆ/狂言・朝比奈(虎寛本)」
抱一
ほういつ ハウイツ 【抱一】
⇒酒井(サカイ)抱一
抱一派
ほういつは ハウイツ― [0] 【抱一派】
酒井抱一を祖とする日本画の一派。尾形光琳の画風を受け継ぎ,華やかな色彩の中にも俳味を帯びた装飾的な画風を形成した。
抱上げる
だきあ・げる [4] 【抱(き)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 だきあ・ぐ
抱いて上にもちあげる。「赤ん坊を―・げる」
抱下ろす
だきおろ・す [4] 【抱(き)下ろす】 (動サ五[四])
だいて下へおろす。かかえておろす。「病人を車から―・す」
[可能] だきおろせる
抱付く
だきつ・く [3] 【抱(き)付く】 (動カ五[四])
両腕でかかえるように相手に取りつく。「母親に―・く」
抱入れる
だきい・れる [4] 【抱(き)入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 だきい・る
(1)だいて入れる。かかえて入れる。
(2)仲間に引き入れる。抱き込む。
抱卵
ほうらん ハウ― [0] 【抱卵】 (名)スル
親鳥が卵を温めること。
抱卵斑
ほうらんはん ハウ― [3] 【抱卵斑】
親鳥の腹面の羽毛が抜けて皮膚の露出した,卵を温めるための部位。血管が集まり温度が高くなる。
抱取る
だきと・る [3] 【抱(き)取る】 (動ラ五[四])
(1)受けとって,自分の腕にだく。「赤ん坊を―・る」
(2)だきとめる。「あやまちすなと,―・り―・り制すれば/狂言記・老武者」
抱合
ほうごう ハウガフ [0] 【抱合】 (名)スル
(1)だきあうこと。
(2)「化合」に同じ。「炭素と空気中の酸素と―して/文明論之概略(諭吉)」
(3)生体内で,毒物・薬物などの有害物質が他の物質と結合すること。解毒作用の一つ。
抱合う
だきあ・う [3] 【抱(き)合う】 (動ワ五[ハ四])
互いに相手をだくようにする。「―・って泣く」
[可能] だきあえる
抱合せ売り
だきあわせ【抱合せ売り】
a tie-in[combination]sale.
抱合語
ほうごうご ハウガフ― [0] 【抱合語】
言語の形態的類型による分類の一。文を構成するすべての要素が,動詞を中心にその前後に密接に結合して,あたかも全体で一語のようなまとまりを示す言語。アラスカ-エスキモー語・アメリカ-インディアン諸語・アイヌ語などがその例。集合語。
→屈折語
→膠着(コウチヤク)語
→孤立語
抱囲
ほうい ハウヰ [1] 【抱囲】
両手で抱えこむこと。また,その長さ。
抱守り
だきもり [0][2] 【抱守り】
幼児を抱いて守りをし,世話をすること。また,その役をする奉公人。
抱寄せる
だきよ・せる [4][0] 【抱(き)寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 だきよ・す
自分の方へ引き寄せて抱く。「子供を―・せる」
抱寝
だきね [0] 【抱(き)寝】 (名)スル
子供などを抱いてねること。
抱幅
だきはば [2][0] 【抱(き)幅】
和服長着で,男物は袖付止まりから,女物は身八つ口止まりから袵(オクミ)付けまでの前身頃の幅。
抱懐
ほうかい ハウクワイ [0] 【抱懐】 (名)スル
ある考えや意見などを心の中にもつこと。「青雲の志を―する」
抱持
ほうじ ハウヂ [1] 【抱持】 (名)スル
かかえ持つこと。「確乎たる目的と期望とを―し/薄命のすず子(お室)」
抱接
ほうせつ ハウ― [0] 【抱接】
雌雄の個体が体を重ね合わせて互いの生殖口を近づけ,雌が卵を産むと同時に雄が精液をかける行為。カエルなどにみられる。
→体外受精
抱擁
ほうよう ハウ― [0] 【抱擁】 (名)スル
だきかかえること。だきしめて愛撫すること。「再会の喜びに言葉もなく―する」
抱擁
ほうよう【抱擁】
an embrace;→英和
a hug.→英和
⇒抱く.
抱月
ほうげつ ハウゲツ 【抱月】
⇒島村(シマムラ)抱月
抱朴子
ほうぼくし ハウボクシ 【抱朴子】
(1)中国,晋代の道家,葛洪(カツコウ)の号。
(2)葛洪の著書。八巻。内編二〇,外編五二。317年頃成立。内編は道家思想に基づく不老長生術の理論と実践を主に述べ,外編は儒家思想による国家社会の構成,日常道徳,文明の進歩などを論じる。
抱柏
だきがしわ [3] 【抱柏】
柏紋の一。柏の葉を左右向かい合った形に描いたもの。
→柏
抱柱
だきばしら [3] 【抱(き)柱】
板囲いの板などを間にはさむ二本の柱。特に,押さえのために添える方の柱。押さえ柱。
抱水クロラール
ほうすいクロラール ハウスイ― [7] 【抱水―】
最も古くから使われた催眠薬。不眠症のほか,ヒステリー・舞踏病などの治療に鎮静薬として用いる。
→クロラール
抱沢瀉
だきおもだか [3] 【抱沢瀉】
沢瀉紋の一。沢瀉の葉を向かい合わせにし,その間に花を入れたもの。
抱瓶
だちびん [0] 【抱瓶】
沖縄地方で用いられる携帯用の酒瓶。陶製で,腰に付けやすいように胴の横断面が三日月形をしている。
抱瓶[図]
抱留める
だきと・める [4] 【抱(き)留める】 (動マ下一)[文]マ下二 だきと・む
抱くようにして受けとめる。抱くようにして押しとどめる。「駆け出そうとする子を―・める」
抱癖
だきぐせ [0] 【抱(き)癖】
赤ん坊をいつも抱いてかわいがっているため,抱かないと泣きやまなかったり,むずかったりすること。「―がつく」
抱石葬
だきいしそう [4] 【抱(き)石葬】
縄文時代の墓址にみられる,死体に石をだかせるようにした埋葬法。死霊を封じるためのものといわれる。
抱締める
だきし・める [4] 【抱(き)締める】 (動マ下一)[文]マ下二 だきし・む
強くしっかりとだく。「いとし子を―・める」
抱腹
ほうふく [0] ハウ― 【抱腹】 ・ ホウ― 【捧腹】 (名・形動)スル[文]ナリ
〔「捧」はかかえる意。「抱腹」は後世生じた用字〕
腹をかかえて大笑いする・こと(さま)。「随分―な珍事が多いよ/当世書生気質(逍遥)」「哀れの深い物語,或は―するやうな物語が…/武蔵野(独歩)」
抱腹絶倒
ほうふくぜっとう ハウ―タウ [0] 【抱腹絶倒】 (名)スル
腹をかかえてひっくり返るほど大笑いすること。
抱腹絶倒する
ほうふくぜっとう【抱腹絶倒する】
be convulsed with laughter.〜の sidesplitting.→英和
抱茗荷
だきみょうが [3] 【抱茗荷】
茗荷紋の一。茗荷の花序を左右向かい合わせて丸形にしたもの。
抱茗荷[図]
抱角
だきづの [0] 【抱角】
鹿の枝角を左右抱き合わせた紋。
抱負
ほうふ ハウ― [0] 【抱負】
心の中にいだき持っている計画や決意。「新大臣の―を聞く」「将来の―を語る」
抱負
ほうふ【抱負】
(an) ambition;→英和
(an) aspiration.→英和
〜をいだく have an ambition <to do> .
抱身
だきみ [0] 【抱(き)身】
鳥の胸肉。特に,鴨(カモ)・あい鴨にいう。
抱込む
だきこ・む [3] 【抱(き)込む】 (動マ五[四])
(1)腕の中にかかえるようにしてだく。
(2)仲間に引き入れる。味方にする。「役人を―・む」
(3)巻き添えにする。「どいつもこいつも―・んで皆んな泣面(ホエヅラ)を見せてやるぞ/歌舞伎・勧善懲悪覗機関」
[可能] だきこめる
抱重り
だきおもり [0] 【抱(き)重り】
赤ん坊などを抱くとずっしりと重みを感じること。「―のする子」
抱関撃柝
ほうかんげきたく ハウクワン― [0] 【抱関撃柝】
門番と拍子木を打って夜警をする人。また,身分の低い小役人。
抵償
ていしょう [0] 【抵償】
(1)つぐなうこと。賠償。
(2)抵当。
抵当
ていとう [0] 【抵当】
(1)借金の際,借り主が自分の財産や権利を貸し主への保証に当てること。また,その保証に当てられた物など。抵償。担保。かた。「土地を―に金を借りる」
(2)〔法〕 抵当権の目的物。
抵当
ていとう【抵当】
mortgage (不動産の);→英和
security.→英和
〜に入れる mortgage <one's house> ;give <a thing> as (a) security.→英和
〜を取って <lend money> on mortgage[security].‖抵当権(者) mortgage (a mortgagee).抵当物(を流す) (foreclose) a mortgage[security].
抵当保険
ていとうほけん [5] 【抵当保険】
担保物の滅失・毀損などにより抵当権者が受ける損害を填補(テンポ)するための損害保険。
抵当信用保険
ていとうしんようほけん [9] 【抵当信用保険】
抵当物件の競売,代金が債権額に達しないために生ずる損失,災害による損害などの補填を目的とする信用保険。
抵当権
ていとうけん [3] 【抵当権】
担保の目的物を債務者に残したままにしながら,債務不履行の場合には債権者が優先してその者から弁済を受け得る権利。目的物の範囲は,登記・登録の制度のあるものに限られ,不動産・地上権・永小作権のほか,立木・船舶・自動車・特殊の財団などに及ぶ。
抵当流れ
ていとうながれ [5] 【抵当流れ】
抵当の目的物件が債務者の債務不履行のため,債権者の所有に帰すること。債権者はこの物件を流(リユウ)抵当として任意に売却してよい。
→抵当直流れ
抵当物
ていとうぶつ [3] 【抵当物】
抵当に入れた物品。抵当。
抵当直流れ
ていとうじきながれ [7] 【抵当直流れ】
債務が弁済されない場合,特約によって,抵当物件の所有権が債権者に移転すること,あるいは債権者が任意に換価して弁済にあてること。流(リユウ)抵当。
抵当証券
ていとうしょうけん [5] 【抵当証券】
債権とそれを担保とする抵当権を結合させたものを内容とする有価証券。
抵当貸し
ていとうがし [0] 【抵当貸し】
抵当となる物を取って金銭を貸し付けること。
⇔信用貸し
抵抗
ていこう【抵抗】
resistance;→英和
opposition.→英和
〜する resist;→英和
oppose;→英和
stand[fight]against.‖抵抗器《電》a resistor.抵抗力 resistance.
抵抗
ていこう [0] 【抵抗】 (名)スル
(1)外から加えられる力に逆らったり,張り合ったりすること。手向かうこと。さからうこと。「―すると撃つぞ」「官軍に―する」
(2)そのまま素直には受け入れがたい感じ。反発したい感じ。抵抗感。「そういう言い方には―がある」
(3)運動する物体に対し,運動と反対の方向に作用する力。抗力。「空気の―を少なくする」「摩擦―」
(4)「電気(デンキ)抵抗」の略。
抵抗力
ていこうりょく [3] 【抵抗力】
(1)外部からの力をはねかえす力。反発する力。
(2)病気などに対して耐えることのできる力。
抵抗器
ていこうき [3] 【抵抗器】
回路に電気抵抗を与えるための素子。
抵抗性
ていこうせい [0] 【抵抗性】
生体が,自己にとって有害な状況(例えば,病因となる環境,薬剤の作用,微生物の侵入,異種細胞や組織の移植など)から自己を守ろうとする性質。
抵抗文学
ていこうぶんがく [5] 【抵抗文学】
⇒レジスタンス文学(ブンガク)
抵抗権
ていこうけん [3] 【抵抗権】
国家権力の不当な行使に対して抵抗する国民の権利。
抵抗温度計
ていこうおんどけい [0] 【抵抗温度計】
金属または半導体の電気抵抗の温度変化を利用した温度計。摂氏マイナス二〇〇度からプラス七〇〇度まで測定可能であり,しかも精度が高い。白金が多く用いられる。
抵抗溶接機
ていこうようせつき [8][7] 【抵抗溶接機】
金属と金属との接触面に低電圧で多量の電流を流し,接触面に生ずる高熱によって溶接する機械。
抵抗率
ていこうりつ [3] 【抵抗率】
電流の流れにくさを表す物質定数。電気伝導率の逆数。比抵抗。
→電気伝導率
抵抗線
ていこうせん [0] 【抵抗線】
(1)敵の攻撃を阻止するための防御線。
(2)電気エネルギーを熱エネルギーに変え,また電流を小さくするために使用するニクロム線やタングステン線など固有抵抗の大きい導線。電熱器・抵抗器などに使用する。
抵抗運動
ていこううんどう [5] 【抵抗運動】
⇒レジスタンス
抵牾
もどき [3] 【擬・抵牾・牴牾】
(1)もどくこと。非難。批判。「をさなき人を盗みいでたりと―負ひなむ/源氏(若紫)」
(2)日本の芸能において,主役を揶揄(ヤユ)したり模倣したりして滑稽を演ずる役。一種の道化役。
(3)名詞の下に付いて,それと張り合うくらいのもの,それに匹敵するもの,そのものに似て非なるものである,などの意を表す。「がん―」「梅―」「芝居―」
抵牾く
もど・く 【擬く・抵牾く・牴牾く】 (動カ四)
(1)さからって非難する。とがめる。「申分の無い主人の所計(ハカライ),其を―・きましては,私は罰(バチ)が中(アタ)ります/金色夜叉(紅葉)」
(2)まねる。物に似せる。「この七歳なる子,父を―・きて高麗人と文を作りかはしければ/宇津保(俊蔭)」
抵牾顔
もどきがお 【抵牾顔】 (名・形動ナリ)
顔つきが非難がましい・こと(さま)。「する墨を―にも洗ふかな書くかひなしと涙もやしる/鴨長明集」
抵触
ていしょく [0] 【抵触・觝触・牴触】 (名)スル
(1)法律・規定などにふれること。違反。「法に―する行為」
(2)物事が互いに矛盾し衝突すること。「諸の私利相―するの故を以てなり/民約論(徳)」
(3)ふれたり突き当たったりすること。「他船と―すれば速力の劇しきより稀有の災害を起す/八十日間世界一周(忠之助)」
抵触する
ていしょく【抵触する】
conflict with;be against <the law> .
抵触規定
ていしょくきてい [5] 【抵触規定】
国際私法上,渉外的私法事件の解決にあたって,どこの国の法を適用するかを指定する規定。当事者の権利・義務を直接に規律し,決定するのは各国の実質法である。抵触法・渉外法・準拠法選択規定などとも呼ばれる。
⇔実質法
抹する
まっ・する [3] 【抹する】 (動サ変)[文]サ変 まつ・す
(1)塗りつける。なすりつける。「只青を塗り紅を―・し黄を点ずれば則ち足る/病牀譫語(子規)」
(2)粉にひく。粉砕する。「クスリヲ―・スル/日葡」
抹殺
まっさつ [0] 【抹殺】 (名)スル
(1)意見・事実などを無視すること。また,存在を否定し消し去ること。「反対意見を―する」「社会的に―される」
(2)こすって,なくしてしまうこと。「三字分―する」
抹殺する
まっさつ【抹殺する】
efface;→英和
erase (抹消);→英和
cross out (線を引いて消す);exterminate (根絶する).→英和
抹消
まっしょう [0] 【抹消】 (名)スル
消し除くこと。字句や記載事項をぬりつぶすなどして消してしまうこと。「名簿から名前を―する」
抹消する
まっしょう【抹消する】
⇒抹殺.
抹消登記
まっしょうとうき [5] 【抹消登記】
登記原因が無効な場合または登記した権利が消滅した場合に,それまでの登記を抹消する登記。
抹茶
まっちゃ [0] 【抹茶】
碾茶(テンチヤ)を臼でひいたもの。湯を加え,茶筌(チヤセン)でかきまぜて飲用。主に茶の湯で用いる。ひき茶。
抹茶
まっちゃ【抹茶】
powdered green tea.
抹茶色
まっちゃいろ [0] 【抹茶色】
抹茶のようなくすんだ黄緑色。
抹額
もこう 【抹額・末額】
⇒まっこう(抹額)
抹額
まっかく [0] 【抹額】
⇒まっこう(抹額)
抹額
まっこう 【抹額・末額】
〔「まっかく」の転〕
中古,冠のへりに巻いた緋の絹の鉢巻。武官が冠のずれ落ちるのを防ぐために用いた。まこう。もこう。
抹香
まっこう【抹香】
incense.→英和
〜くさい〔動〕smack of religion.‖抹香鯨 a sperm (whale).
抹香
まっこう [0][3] 【抹香】
(1)沈香・栴檀(センダン)・白檀・丁子(チヨウジ)などの粉末を適宜まぜ合わせて作った香。今は,シキミの葉と皮を粉末状にして作る。仏前で焼香のとき用いる。
(2)「抹香鯨」の略。
抹香臭い
まっこうくさ・い マツカウ― [6] 【抹香臭い】 (形)[文]ク まつかうくさ・し
抹香のにおいがする。転じて,いかにも仏教的な感じがする。ぼうずくさい。「―・いお説教」
抹香鯨
まっこうくじら [5] 【抹香鯨】
クジラの一種。ハクジラ類中最大で,雄は全長18メートルに達する。体は黒色。前頭部は巨大で,下顎(アゴ)に二〇〜二五対の歯がある。世界中の比較的暖かい海にすみ,黒潮に乗って日本近海にも現れる。イカを主食とする。腸内より得られる竜涎香(リユウゼンコウ)は,香料の原料とされ,高価。腹部に白斑のあるものがあり,これが抹香の色に似ることからの称という。
抹香鯨[図]
押え
おさえ【押え】
a weight (重し).→英和
〜がきかない have no control <over one's men> .
押え
おさえ オサヘ [3][2] 【押(さ)え・抑え】
(1)おさえること。また,おさえる物。「石を置いて―にする」
(2)他人の言動を支配・制限すること。また,欲望などに抗する力。「新任の課長では―がきかない」「その気になったら―のきかない人」
(3)敵の侵攻を防ぐこと。また,防ぐための備えや軍勢。防備。「敵(アタ)守る―の城(キ)そと/万葉 4331」
(4)囲碁で,相手が「伸び」または「はね」を打った時,その石の隣に打って,進出を止めること。
(5)相手の反攻・反撃などを阻止すること。「―のピッチャー」
(6)行列の最後にいて,列を整える役。また,その人。「羽織袴股立の―弐人/歌舞伎・小袖曾我」
(7)決まりをつけること。「義朝の―の詞,後日いかがと思ひてや返す詞はなかりけり/浄瑠璃・鎌田兵衛」
(8)和船で,櫓(ロ)を操作して船首を右に向けること。
⇔控え
(9)相手が返す杯を押し戻して,もう一度飲ませること。「合も―も二人なれば/滑稽本・根南志具佐」
押える
おさ・える オサヘル [3][2] 【押(さ)える・抑える】 (動ア下一)[文]ハ下二 おさ・ふ
〔「押す」に継続の助動詞「ふ」の付いた語〕
(1)力をある部分に加えて,その状態を持続する。《押》
(ア)物に力や重みを加えて,動かないようにする。「ドアを手で―・える」「文鎮で半紙を―・える」「髪を―・える」
(イ)体の一部に手などをあてる。「目頭(メガシラ)を―・える」「耳を―・える」
(ウ)傷口や痛む所に手や物をあてがう。「傷口をガーゼで―・える」
(2)動作・現象の実現をさまたげる。
(ア)動きが起ころうとするのを,何らかの手段で,未然にあるいは途中でとどめる。「ライバル会社の進出を―・える」「記事を―・える」
(イ)スポーツの試合で,相手が活躍するのをとどめる。「強敵を―・えて優勝する」「相手を 0 点に―・える」
(ウ)度をこさないようにする。適当な範囲にあるようにする。「出費を―・える」「量産で値段を―・える」「甘みを―・えた上品な味」
(エ)感情が外に表れそうなのを,こらえる。「うれしさを―・え切れないようす」「怒りを―・える」
(3)支配下・管轄(カンカツ)下に置く。《押》
(ア)自由に活動できないようにする。「上司に頭を―・えられる」
(イ)自分の支配下に置いて他の者をさえぎる。「担保物件を―・える」「帰りの切符は―・えてある」「自動車市場は二社が―・えている」
(4)重要な点を確実に認識・理解する。《押》「要点を―・える」「勘所(カンドコロ)を―・える」「犯行の現場を―・える」
(5)和船で,船首を右に向ける。《押》
⇔控える
(6)下手に見る。「当山の末寺でありながら…と―・へて書く条奇怪なり/平家 4」
(7)差そうとする杯を受けないで,もう一度飲ませる。「一度一度に―・へて酒ぶりかたし/浮世草子・一代男 3」
〔中世末期から近世,ヤ行にも活用した。「涙ヲ―・ユル/日葡」〕
押えボルト
おさえボルト オサヘ― [4] 【押(さ)え―】
貫通した穴があけられないとき,相手の部品に雌ねじを切り,これにねじ込んで締めつけるボルト。
押え付ける
おさえつ・ける オサヘ― [5] 【押(さ)え付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おさへつ・く
(1)力を入れて強く押さえる。「手足を―・ける」
(2)相手の動きを封じる。活動できないようにする。「反対派を―・ける」
押え付ける
おさえつける【押え付ける】
hold[keep]down;check;→英和
control.→英和
押え台
おさえだい オサヘ― [3] 【押(さ)え台】
もてなしの宴席で最後のごちそうを盛って出す,盛り台。
押え字
おさえじ オサヘ― [3] 【押(さ)え字・抑え字】
(1)連歌・俳諧で,句末に一定の結び方を要求する助詞など。や・か・いつ・何など。
(2)係り結びなどの呼応関係にある結びの語。
押え所
おさえどころ オサヘ― [4][0] 【押(さ)え所】
(1)押さえる場所。ポイント。
(2)物事を判断・処理するのに重要な点。勘どころ。要点。
押え木
おさえぎ オサヘ― [3] 【押(さ)え木】
動かないように物を押さえる木。
押え柱
おさえばしら オサヘ― [4] 【押(さ)え柱】
⇒抱(ダ)き柱(バシラ)
押え物
おさえもの オサヘ― [0][5] 【押(さ)え物】
酒宴の最後に出す酒の肴(サカナ)。花鳥山水の作り物の台(押さえ台)に盛る。おさえ。
押え込む
おさえこ・む オサヘ― [4] 【押(さ)え込む】 (動マ五[四])
押さえつけて,動けないようにする。また,押さえて力を発揮させないようにする。「力ずくで―・む」「反主流派の動きを―・む」
[可能] おさえこめる
押さえ
おさえ オサヘ [3][2] 【押(さ)え・抑え】
(1)おさえること。また,おさえる物。「石を置いて―にする」
(2)他人の言動を支配・制限すること。また,欲望などに抗する力。「新任の課長では―がきかない」「その気になったら―のきかない人」
(3)敵の侵攻を防ぐこと。また,防ぐための備えや軍勢。防備。「敵(アタ)守る―の城(キ)そと/万葉 4331」
(4)囲碁で,相手が「伸び」または「はね」を打った時,その石の隣に打って,進出を止めること。
(5)相手の反攻・反撃などを阻止すること。「―のピッチャー」
(6)行列の最後にいて,列を整える役。また,その人。「羽織袴股立の―弐人/歌舞伎・小袖曾我」
(7)決まりをつけること。「義朝の―の詞,後日いかがと思ひてや返す詞はなかりけり/浄瑠璃・鎌田兵衛」
(8)和船で,櫓(ロ)を操作して船首を右に向けること。
⇔控え
(9)相手が返す杯を押し戻して,もう一度飲ませること。「合も―も二人なれば/滑稽本・根南志具佐」
押さえる
おさ・える オサヘル [3][2] 【押(さ)える・抑える】 (動ア下一)[文]ハ下二 おさ・ふ
〔「押す」に継続の助動詞「ふ」の付いた語〕
(1)力をある部分に加えて,その状態を持続する。《押》
(ア)物に力や重みを加えて,動かないようにする。「ドアを手で―・える」「文鎮で半紙を―・える」「髪を―・える」
(イ)体の一部に手などをあてる。「目頭(メガシラ)を―・える」「耳を―・える」
(ウ)傷口や痛む所に手や物をあてがう。「傷口をガーゼで―・える」
(2)動作・現象の実現をさまたげる。
(ア)動きが起ころうとするのを,何らかの手段で,未然にあるいは途中でとどめる。「ライバル会社の進出を―・える」「記事を―・える」
(イ)スポーツの試合で,相手が活躍するのをとどめる。「強敵を―・えて優勝する」「相手を 0 点に―・える」
(ウ)度をこさないようにする。適当な範囲にあるようにする。「出費を―・える」「量産で値段を―・える」「甘みを―・えた上品な味」
(エ)感情が外に表れそうなのを,こらえる。「うれしさを―・え切れないようす」「怒りを―・える」
(3)支配下・管轄(カンカツ)下に置く。《押》
(ア)自由に活動できないようにする。「上司に頭を―・えられる」
(イ)自分の支配下に置いて他の者をさえぎる。「担保物件を―・える」「帰りの切符は―・えてある」「自動車市場は二社が―・えている」
(4)重要な点を確実に認識・理解する。《押》「要点を―・える」「勘所(カンドコロ)を―・える」「犯行の現場を―・える」
(5)和船で,船首を右に向ける。《押》
⇔控える
(6)下手に見る。「当山の末寺でありながら…と―・へて書く条奇怪なり/平家 4」
(7)差そうとする杯を受けないで,もう一度飲ませる。「一度一度に―・へて酒ぶりかたし/浮世草子・一代男 3」
〔中世末期から近世,ヤ行にも活用した。「涙ヲ―・ユル/日葡」〕
押さえボルト
おさえボルト オサヘ― [4] 【押(さ)え―】
貫通した穴があけられないとき,相手の部品に雌ねじを切り,これにねじ込んで締めつけるボルト。
押さえ付ける
おさえつ・ける オサヘ― [5] 【押(さ)え付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おさへつ・く
(1)力を入れて強く押さえる。「手足を―・ける」
(2)相手の動きを封じる。活動できないようにする。「反対派を―・ける」
押さえ台
おさえだい オサヘ― [3] 【押(さ)え台】
もてなしの宴席で最後のごちそうを盛って出す,盛り台。
押さえ字
おさえじ オサヘ― [3] 【押(さ)え字・抑え字】
(1)連歌・俳諧で,句末に一定の結び方を要求する助詞など。や・か・いつ・何など。
(2)係り結びなどの呼応関係にある結びの語。
押さえ所
おさえどころ オサヘ― [4][0] 【押(さ)え所】
(1)押さえる場所。ポイント。
(2)物事を判断・処理するのに重要な点。勘どころ。要点。
押さえ木
おさえぎ オサヘ― [3] 【押(さ)え木】
動かないように物を押さえる木。
押さえ柱
おさえばしら オサヘ― [4] 【押(さ)え柱】
⇒抱(ダ)き柱(バシラ)
押さえ物
おさえもの オサヘ― [0][5] 【押(さ)え物】
酒宴の最後に出す酒の肴(サカナ)。花鳥山水の作り物の台(押さえ台)に盛る。おさえ。
押さえ込む
おさえこ・む オサヘ― [4] 【押(さ)え込む】 (動マ五[四])
押さえつけて,動けないようにする。また,押さえて力を発揮させないようにする。「力ずくで―・む」「反主流派の動きを―・む」
[可能] おさえこめる
押さふ
おさ・う オサフ 【押さふ・抑ふ】 (動ハ下二)
⇒おさえる
押されぬ
おされ∘ぬ 【押されぬ】 (連語)
(1)他からどうすることもできない。争えない。「暦の事は―∘ぬ/浄瑠璃・大経師(中)」
(2)引けを取らない。押しも押されもしない。「小町にもをさをさ―∘ぬ媚のみならず/洒落本・一事千金」
押し
おし【押し】
<put> a weight <on> .→英和
〜の強い pushing;→英和
audacious.→英和
〜がきく(きかない) have a great (no) influence.
押し
おし 【押し・圧し】
■一■ [0] (名)
(1)押すこと。押す力。「相撲は―が基本だ」
(2)上から重みをかけること。また,そのために置くもの。「漬物に―をする」
(3)人を威圧する力。「―のきく人」
(4)強引に自分の意志を通すこと。「―が強い」
(5)観測点における,地震波の P 波初動の方向が,震源に向かう方向と逆の方向に向くこと。
(6)(「押機」と書く)バネ仕掛けのねずみ捕りのように,踏めば打たれて圧死する仕掛け。「其の殿の内に―を作りて待ちし時/古事記(中訓)」
■二■ (接頭)
動詞に付く。《押》
(1)むりに…する,しいて…する,という意を表す。「―つける」「―切る」「―進める」
(2)意味を強める。「―黙る」「―つまる」
押しっ競
おしっくら [0] 【押しっ競】
「押し競(クラ)べ」に同じ。
押して
おして【押して】
forcibly (無理に).→英和
病気を〜 <go out> in spite of one's illness.
押して
おして 【押して】
■一■ (連語)
〔動詞「押す」の連用形「押し」に助詞「て」の付いたもの〕
(「…をおして」の形で)困難な状況の中で,あえてするさま。…を承知であえて…(する)。「風雨を―出発した」
■二■ (副)
むりに。しいて。「無理を承知で―頼んだ」
押しまくる
おしまくる【押しまくる】
keep pushing to the end.→英和
押しも押されぬ
おしもおされぬ【押しも押されぬ】
universally acknowledged <as> .
押しも押されもせぬ
押しも押されもせぬ
争う余地のない。ゆるぎない。れっきとした。「―大実業家」
押しやる
おしやる【押しやる】
push[thrust]aside.
押しピン
おしピン [0] 【押し―】
「画鋲(ガビヨウ)」の関西での表現形。
押しボタン
おしボタン【押しボタン】
a push button.‖押しボタン戦争 a push-button war.
押しボタン
おしボタン [3] 【押し―】
電気回路のスイッチの働きをするボタン。押すと回路がつながり,電気が流れる。
押し上げる
おしあげる【押し上げる】
push[thrust]up.押上げポンプ a force[forcing]pump.
押し上げる
おしあ・げる [4] 【押(し)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 おしあ・ぐ
(1)押して,上に上げる。「レバーを―・げると通風口が開く」
(2)ひきたてて,高い地位に就かせる。
押し上げポンプ
おしあげポンプ [5] 【押(し)上げ―】
ピストンを押し込むときの力で,液体を高所へ押し上げるポンプ。
⇔吸い上げポンプ
押し下げる
おしさ・げる [4] 【押(し)下げる】 (動ガ下一)[文] ガ下二 おしさ・ぐ
(1)押して下の方へやる。「コックを―・げる」
(2)気持ちをおさえて落ち着かせる。「片腹痛きを―・げ,同じ客ながら機嫌をとるはうたてかりき/浮世草子・好色盛衰記 1」
押し下ろす
おしおろ・す 【押し下ろす】 (動サ四)
(1)「下ろす」を強めた言い方。
(2)むりに下げる。ある地位からむりに下ろす。「主上ことなる御つつがもわたらせ給はぬを,―・したてまつり,東宮践祚(センソ)あり/平家 4」
押し並ぶ
おしな・ぶ 【押し並ぶ・押し靡ぶ】 (動バ下二)
(1)一面になびかせる。押しならす。「秋の穂をしのに―・べ置く露の/万葉 2256」
(2)すべてを同じ状態にする。「さきにやけにし憎所(ニクドコロ),こたみは―・ぶるなりけり/蜻蛉(下)」
(3)普通である。世間並みである。「―・べたらぬ心ざしの程を御覧じ知らば/源氏(若紫)」
押し並ぶ
おしなら・ぶ [4] 【押(し)並ぶ】
■一■ (動バ五[四])
いっしょに並ぶ。並ぶ。「―・んで跪(ヒザマズ)いた時/婦系図(鏡花)」
■二■ (動バ下二)
並ぶようにする。無理に並ばせる。「馳(ハセ)来り,―・べてむずと組む/平家 7」
押し並べて
おしなべて [3] 【押し並べて】 (副)
(1)大体の傾向として。概して。「今期の成績は―良好だ」
(2)すべて一様に。皆ひとしく。「老若―踊りの輪に加わった」
(3)普通であるさま。世間並み。「かの,―には思したらざりし人々を,お前ちかくて/源氏(幻)」
押し並べて
おしなべて【押し並べて】
generally (speaking).→英和
押し並み
おしなみ 【押し並み】
〔動詞「おしなぶ」の連用形「おしなべ」の転という〕
一面になびかせて。「旅寝してあかつきがたの鹿のねに稲葉―秋風ぞ吹く/新古今(羇旅)」
押し並めて
おしなめて 【押し並めて】
「おしなべて」の転。「―美しからんを以て幽玄と知るべし/花鏡」
押し事
おしごと 【押し事】
無理じい。「知つてゐながらこの伯母が,―したるそのとがめ/浄瑠璃・長町女腹切(下)」
押し付け
おしつけ [0] 【押(し)付け】
■一■ (名)
(1)無理じいすること。「―に反発する」
(2)鎧(ヨロイ)の背の上部で,綿上(ワタガミ)に続く所。
(3)「押付の板」の略。
■二■ (副)
間もなく。おっつけ。「是あ病気だから―治あ/滑稽本・浮世風呂(前)」
押し付けがましい
おしつけがまし・い [7] 【押(し)付けがましい】 (形)[文]シク おしつけがま・し
相手の意向を無視して,無理じいする感じがある。「―・い態度」
[派生] ――さ(名)
押し付ける
おしつける【押し付ける】
(1) press[hold] <a person against the wall> .→英和
(2)[強制]force[thrust] <a thing on a person> ;→英和
compel;→英和
shift <the responsibility on (to) another> .→英和
押し付ける
おしつ・ける [4] 【押(し)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おしつ・く
(1)力を入れて押し,他の物に付ける。「満員電車のドアに―・けられる」
(2)相手の意思を無視して,無理に承知させたり,引き受けさせたりする。「幹事役を―・ける」「不利な条件を―・けられる」
押し倒し
おしたおし [0] 【押(し)倒し】
相撲の決まり手の一。片手または両手を相手の脇の下・胸などに当てて押しあげ,相手を倒す技。
押し倒す
おしたおす【押し倒す】
throw[push]down.
押し倒す
おしたお・す [4] 【押(し)倒す】 (動サ五[四])
押して倒す。「土俵外に―・す」
[可能] おしたおせる
押し借り
おしがり [0] 【押(し)借り】 (名)スル
強引に金品を借りること。「―の金を路用に/高橋阿伝夜叉譚(魯文)」
押し入り
おしいり 【押し入り】
押し込み強盗。「―ありて,物をとるのみならず,人をあやめて逃げてゆく/浮世草子・一代男 4」
押し入る
おしいる【押し入る】
force one's way <into> ;break <into a house> .→英和
押し入る
おしい・る [3] 【押(し)入る】
■一■ (動ラ五[四])
強引に入りこむ。「強盗が―・った」
■二■ (動ラ下二)
⇒おしいれる
押し入れ
おしいれ [0] 【押(し)入れ】
日本間で,ふとんなどをおさめるために設けた作り付けの物入れの場所。普通,中棚を設け,前面に襖(フスマ)を立てる。
押し入れる
おしい・れる [4] 【押(し)入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おしい・る
押して中へ入れる。むりに入れる。「衣類を旅行かばんに―・れる」
押し凝る
おしこ・る 【押し凝る】 (動ラ四)
ひとかたまりになる。「女房三十人ばかり―・りて/源氏(葵)」
押し出し
おしだし [0] 【押(し)出し】
(1)押して出すこと。
(2)体格・態度などを含めて,人前に出た時に,他人に与える全体的な印象。「―がよい」「堂々たる―」
(3)相撲の決まり手の一。片手または両手を相手の脇(ワキ)の下・胸などに当てて押しあげ,土俵の外に出す技。
(4)野球で満塁の時,打者が四死球で出塁して三塁走者がホーム-インすること。
(5)歌舞伎で,大道具の下に車をつけ,舞台に押し出すこと。
押し出し
おしだし【押し出し】
pushing out of the ring (相撲).→英和
〜のよい of fine presence[impressive appearance].
押し出す
おしだ・す [3] 【押(し)出す】 (動サ五[四])
(1)押して中にある物を外へ出す。「守衛が暴徒を―・す」
(2)人中に出る。世間に出て行く。「是ならば十分と思ふ服装(ナリ)で隆として―・すんだね/金色夜叉(紅葉)」「お前達は是から直ぐに広い世界へ―・すのだが/谷間の姫百合(謙澄)」
(3)大勢で出かける。くりだす。「そろそろ花見に―・そうか」「今年は竜動(ロンドン)の博覧会へ―・すつもりだが/西洋道中膝栗毛(魯文)」
(4)はっきり外に現れる。明らかになる。「征夷大将軍の座につき,諸大名に威を振ふは,―・しての謀反紛れなし/浄瑠璃・津国女夫池」
[可能] おしだせる
押し出す
おしだす【押し出す】
push[force,thrust]out.
押し出だし
おしいだし 【押し出だし】
「押し出だし衣」の略。「もみぢがさねの―見ゆ/中務内侍日記」
押し出だし衣
おしいだしぎぬ 【押し出だし衣】
「出だし衣(ギヌ)」に同じ。
押し出だす
おしいだ・す 【押し出だす】 (動サ四)
(1)「おしだす{(1)}」に同じ。「髪の筋,裾つきいみじう美しきをわげ入れて―・す/堤中納言(このついで)」
(2)「出だす」を強めた言い方。「ただ一度に―・して,うちとられなば/著聞 12」
押し出づ
おしい・ず 【押し出づ】 (動ダ下二)
(1)「おしだす{(1)}」に同じ。「心安くしも対面し給はぬを,これかれ―・でたり/源氏(東屋)」
(2)「押し出(イ)だし衣(ギヌ)」をする。「あまた小半蔀(ハジトミ)の御簾(ミス)よりも―・でたる程/枕草子 23」
押し分ける
おしわける【押し分ける】
push[elbow](one's way) <through the crowd> .→英和
押し分ける
おしわ・ける [4] 【押(し)分ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おしわ・く
密集している人やものを力を入れて両側に分ける。かきわける。「葦(アシ)を―・けて進む」
押し切り
おしきり [0] 【押(し)切り】
(1)まぐさ・藁(ワラ)・草などを切る道具。飼い葉切り。
(2)馬のたてがみを5センチメートルほどにそろえて切ること。
(3)「押切判(オシキリバン)」の略。
押し切る
おしきる【押し切る】
persist to the end.→英和
押し切って boldly;→英和
daringly.→英和
押し切って…する dare to do.
押し切る
おしき・る [3] 【押(し)切る】 (動ラ五[四])
(1)押し当てて切る。
(2)(障害を乗り越えて)最後までしとおす。困難に打ち勝ってする。「親の反対を―・って上京する」
(3)「切る」を強めていう語。断ち切る。「あらまきのなはを―・りて/宇治拾遺 2」
[可能] おしきれる
押し割り
おしわり [0] 【押(し)割り】
「押し割り麦」の略。
押し割り麦
おしわりむぎ [5] 【押(し)割り麦】
押しつぶして割った大麦。おしわり。
→ひき割り麦
押し包む
おしつつ・む [4] 【押(し)包む】 (動マ五[四])
(1)しっかり包む。念入りに包む。
(2)物事を隠す。表面に出さないようにする。「悲しみを笑顔に―・む」
押し只管に
おしひたすらに 【押し只管に】 (副)
「ひたすらに」を強めていう語。「今はただ―恋しかるらむ/長秋詠藻」
押し合い
おしあい [0] 【押(し)合い】
(1)互いに押すこと。
(2)取引で,相場に変動のないこと。
(3)言い争うこと。押し問答。「値の―して,其の割で買ふに/滑稽本・浮世風呂 4」
押し合い圧し合い
おしあいへしあい [3][3] 【押(し)合い圧し合い】 (名)スル
狭い所で,多くの人が入りまじって混雑すること。「われ先に乗ろうとして―する」
押し合い祭り
おしあいまつり [5] 【押(し)合い祭り】
参詣者が互いに押し合いをする祭り。お札や袋を取り合うもの,集落どうしで押し合いをしてその年の豊凶を占うものなどがある。新潟県弥彦神社の祭礼など。けんか祭り。
押し合う
おしあ・う [3] 【押(し)合う】 (動ワ五[ハ四])
両方から互いに押す。「―・いつつ電車に乗り込む」
押し合う
おしあう【押し合う】
push[jostle]one another.
押し問答
おしもんどう [3] 【押(し)問答】 (名)スル
互いに自分の主張を譲らずに言い張ること。「―の末,やっと引き下がる」
押し回し
おしまわし [0] 【押し回し】
(1)(ガス栓や点火栓などを)押してからひねること。
(2)才能があり,役に立つこと。また,顔が広いこと。「―が利く」
押し回す
おしまわ・す [4] 【押(し)回す】 (動サ五[四])
(1)「まわす」を強めていう語。
(2)生活をしてゆく。世の中のことに対処する。「帰朝後も経済学で立派に―・される/浮雲(四迷)」
押し圧す
おしへ・す 【押し圧す】 (動サ四)
おしつぶす。おしひしぐ。「二藍・葡萄染(エビゾメ)などのさいで(=布切レ)の,―・されて草子の中などにありける/枕草子 30」
押し型
おしがた [0] 【押(し)形・押(し)型】
(1)版木の上に紙を置き,その上から蝋墨で模様などを写し取ったもの。
(2)刀剣に紙をあて,上から墨でその形や茎(ナカゴ)の文字を写しとり,刃文などを書き込んだもの。
押し型ガラス
おしがたガラス [5] 【押(し)型―】
雌型にガラス種を流し込み,雄型を押し当てて成形したガラス製品。肉厚の皿・鉢などを製する。
押し型付け
おしがたづけ [0] 【押(し)型付け】
型染めで,版木や型紙に染料を塗り,織物などに押しつけて,模様を染め出す方法。
押し型文
おしがたもん [4][0] 【押(し)型文】
縄文早期の土器にみられる文様の一。山形・格子目・楕円形などの彫刻を施した棒を土器面にころがしてつける。
押し売り
おしうり [0] 【押(し)売り】 (名)スル
(1)強引に売りつけること。また,その人。「―おことわり」
(2)無理じいすること。「親切の―」
押し寄せる
おしよ・せる [4] 【押(し)寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 おしよ・す
(1)多くの人やものが迫って行く。また,迫って来る。「群衆が警察に―・せる」「高波が―・せる」
(2)押して,一方に寄せる。「机を部屋のすみに―・せる」
押し寄せる
おしよせる【押し寄せる】
march[advance] <on a castle> ;→英和
bear down <upon the enemy> ;surge <upon> (波が).→英和
押し広げる
おしひろ・げる [5] 【押し広げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 おしひろ・ぐ
(1)のばしひろげる。拡張する。「版図(ハント)を―・げる」
(2)広くひろげて他に及ぼす。「―・げて解釈する」
押し広げる
おしひろげる【押し広げる】
extend;→英和
spread out (by force).
押し広める
おしひろめる【押し広める】
extend;→英和
spread;→英和
amplify.→英和
押し広める
おしひろ・める [5] 【押(し)広める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしひろ・む
広く行き渡らせる。普及させる。「考えを―・める」
押し延べる
おしの・べる [4] 【押(し)延べる】 (動バ下一)[文]バ下二 おしの・ぶ
大きく広げて,のばす。「四つ折にしたる半紙を取出(イダ)し,―・べて見せる/当世書生気質(逍遥)」
押し引き
おしひき [2] 【押(し)引き】
(1)品物の値段についての押し問答。「価(ネ)の―はしやしたが/西洋道中膝栗毛(魯文)」
(2)押したり引いたりすること。
押し張る
おしは・る 【押し張る】 (動ラ四)
(1)「張る」を強めていう語。「弓―・り矢うちあげ/沙石 5」
(2)意地を張る。「―・りての給はむ事を,言ひかへすべき上達部もおはせず/落窪 4」
押し強い
おしづよ・い [4] 【押し強い】 (形)[文]ク おしづよ・し
自分の意志を通そうという気持ちが強い。また,ずうずうしい。「―・ク頼ム/ヘボン(三版)」
押し当てる
おしあてる【押し当てる】
press <a thing against> ;→英和
hold <a handkerchief to one's eyes> .→英和
押し当てる
おしあ・てる [4] 【押(し)当てる】 (動タ下一)[文]タ下二 おしあ・つ
(1)強く当てる。おしつける。「手を顔に―・てて泣く」
(2)矢を射るとき,十分にねらいをつける。「面にすすみたる伊藤六がまんなかに―・てて放ちたり/保元(中)」
(3)袖を目に当てて泣く。「人しれず―・てられ給ひぬ/苔の衣」
押し形
おしがた [0] 【押(し)形・押(し)型】
(1)版木の上に紙を置き,その上から蝋墨で模様などを写し取ったもの。
(2)刀剣に紙をあて,上から墨でその形や茎(ナカゴ)の文字を写しとり,刃文などを書き込んだもの。
押し成る
おしな・る 【押し成る】 (動ラ四)
無理になる。「院の御厩の別当に―・つて,丹波国をぞ知行しける/平家 8」
押し戻し
おしもどし [0] 【押(し)戻し】
歌舞伎十八番の一。荒事。小手・脛当(スネアテ)・腹巻・大褞袍(オオドテラ)を着,三本の大太刀(オオダチ)をさし,竹笠と青竹を持ち高足駄を履いて花道から出,荒れ狂う怨霊や妖怪を舞台へ押し戻す。「道成寺(ドウジヨウジ)」「鳴神(ナルカミ)」など怨霊の出る狂言のあとに付けて演じられる。
押し戻す
おしもど・す [4] 【押(し)戻す】 (動サ五[四])
押して以前の場所へ戻す。おし返す。「土俵中央へ―・す」
[可能] おしもどせる
押し戻す
おしもどす【押し戻す】
push[force,press]back (人・物を);reject (拒絶).→英和
押し手
おして [0] 【押(し)手】
〔「おしで」とも〕
(1)〔てのひらに朱や墨を塗り文書に押して印としたことから〕
印判。[名義抄]
(2)証拠の印。「われにおいては千乗(センジヨウ)の位にかゆる―ぞや/読本・弓張月(前)」
(3)琵琶・箏(コト)などを弾く際に,左手で弦を押して音を変化させること。また,その手。
(4)弓術で,左手。ゆんで。
⇔引き手(デ)
⇔勝手(カツテ)
(5)押さえ。押し。「どうも―がきかなくつてじれつてえよ/人情本・辰巳園(後)」
押し手文
おしてふみ 【押し手文】
手形・印章の押してある文書。「―に依りて斬り梟(クシサ)す時に臨みて/日本書紀(崇峻訓)」
押し抜き機
おしぬきき [4] 【押(し)抜き機】
プレス機の一種。板金に穴を打ち抜く機械。パンチャー。
押し拉ぐ
おしひし・ぐ [4] 【押し拉ぐ】 (動ガ五[四])
(1)押しつぶす。「蓬の車に―・がれたりけるが/枕草子 223」
(2)押さえつけて勢いを弱める。「重責に―・がれる」
押し拭う
おしぬぐ・う [4] 【押し拭う】 (動ワ五[ハ四])
力を入れてふく。「あふれる涙を―・う」
押し捲る
おしまく・る [4] 【押し捲る】 (動ラ五[四])
一方的に押す。初めから終わりまで相手を圧倒する。「―・って土俵外に出す」「論争で一方的に―・られる」
押し掛かる
おしかか・る 【押し掛かる】 (動ラ四)
(1)からだをもたれさせる。寄り掛かる。「隅の勾欄に―・りて,とばかりながめ給ふ/源氏(須磨)」
(2)攻め寄せる 。襲う。「敵五人討取り,―・る敵を追ひ払ふ/常山紀談」
押し掛け
おしかけ [0] 【押(し)掛け】
(1)おしかけること。「―の客」
(2)馬具の名。面懸(オモガイ)・胸懸(ムナガイ)・尻懸(シリガイ)の総称。三懸(サンガイ)。
押し掛ける
おしか・ける [4] 【押(し)掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おしか・く
(1)招かれないのに人の家へ行く。「友人の新居に―・ける」
(2)相手を圧倒しようとして,大勢で出向いていく。押し寄せる。「陳情に役所に―・ける」
押し掛ける
おしかける【押し掛ける】
throng <to a place> ;→英和
<話> gatecrash <a party> .押し掛け客 an uninvited guest.
押し掛け女房
おしかけにょうぼう [5] 【押(し)掛け女房】
男の家におしかけていくようにして,妻になった女。押し入り女房。
押し放つ
おしはな・つ 【押し放つ】 (動タ四)
(1)遠くに放す。突き放す。「―・ち,引き寄せて見給へど/落窪 2」
(2)つっぱねる。「―・ちていらふもざれたり/堤中納言(ほどほどの)」
押し明け
おしあけ 【押し明け】
「押し明け方」の略。「―の月かげしろし路芝の露/右京大夫集」
押し明け方
おしあけがた 【押し明け方】
夜明け。明け方。「―の月影に/源氏(賢木)」
押し曲げる
おしま・げる [4] 【押(し)曲げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 おしま・ぐ
押してむりやり曲げる。ねじ曲げる。「枝を―・げる」「真実を―・げる」
押し板
おしいた [0] 【押(し)板】
(1)物を押さえつけるのに使う板。
(2)自在戸で,手をかける位置に取り付けた板。
(3)中世,壁に掛けた書画の下に置いて,三つ具足などを飾る板や台。また,それが作り付けとなったもの。現在の床の間の原形の一つと考えられる。
押し板(3)[図]
押し柄
おしから 【押し柄】
押しの強い性格。我意を通そうとするたち。「肝(キモ)太くして,―になむありける/今昔 28」
押し桶
おしおけ [0][3] 【押し桶】
(1)胞衣桶(エナオケ)。
(2)漬物桶。
押し止める
おしとど・める [5] 【押し止める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしとど・む
人の行動をさえぎってやめさせる。おしとめる。「怒って出て行こうとするのを―・める」
押し止める
おしと・める [4] 【押(し)止める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしと・む
「おしとどめる」に同じ。「実行に移るのを―・める」
押し歯
おしは 【押し歯】
八重歯。齵歯(オソハ)。「御歯は三枝(サキクサ)の如き―に坐しき/古事記(下訓)」
押し殺す
おしころ・す [4] 【押し殺す・圧し殺す】 (動サ五[四])
(1)押しつぶして殺す。
(2)感情や息などを努力しておさえる。こらえる。「笑いを―・す」「息を―・して隠れる」
押し殺す
おしころす【押し殺す】
crush[press]to death;stifle.→英和
押し沈める
おししず・める [5] 【押(し)沈める】 (動マ下一)[文]マ下二 おししづ・む
(1)押して沈める。
(2)〔「押し鎮める」と書く〕
静かに落ち着いた状態にする。「心を―・める」
(3)人の地位や身分を低くする。権力を奪う。「強ひて女御を―・め給ふもつらきに/源氏(乙女)」
押し洗い
おしあらい [3] 【押(し)洗い】 (名)スル
手洗い技法の一。もまずにてのひらで押して汚れを落とすこと。また,その洗い方。形くずれが少ない。
押し流す
おしながす【押し流す】
sweep[wash,carry]away.
押し流す
おしなが・す [4] 【押(し)流す】 (動サ五[四])
(1)激しい勢いで流し去る。「濁流が家を―・した」
(2)(比喩的に)時流・時勢など周囲の情勢が大きな影響を及ぼす。多く,受け身形で使う。「時流に―・される」
[可能] おしながせる
押し消つ
おしけ・つ 【押し消つ】 (動タ四)
圧倒する。制圧する。「この中将は,更に―・たれ聞えじと/源氏(紅葉賀)」
押し渡る
おしわた・る [4] 【押(し)渡る】 (動ラ五[四])
海・川などを勢いよく渡る。
押し湯
おしゆ [0] 【押(し)湯】
鋳物の収縮や空隙(巣)の発生を防ぐため,湯(溶融金属)を加圧しつつ内部のガスを抜き,鋳型内に流し込む方法。
押し湯口
おしゆぐち [3] 【押(し)湯口】
押し湯のために設けた溶融金属の通路。
押し潰す
おしつぶす【押し潰す】
crush;→英和
smash.→英和
押し潰す
おしつぶ・す [4] 【押し潰す・圧し潰す】 (動サ五[四])
(1)押してつぶす。「ボール箱を―・す」
(2)(比喩的に)大きな力で壊す。「戦争が少年の夢を―・した」
[可能] おしつぶせる
押し照る
おして・る 【押し照る】 (動ラ四)
一面に照る。「わが宿に月―・れり/万葉 1480」
押し照る
おしてる 【押し照る】 (枕詞)
難波の海が一面に光っていることから,「難波」にかかる。おしてるや。「―難波の国は葦垣(アシカキ)の古りにし郷(サト)と/万葉 928」
〔かかり方には異説もある〕
押し照るや
おしてるや 【押し照るや】 (枕詞)
「押し照る」に同じ。「―難波の津ゆり船よそひ/万葉 4365」
押し物
おしもの 【押し物】
〔「おしもん」とも〕
(1)決まりきったもの。ありきたり。「唐茄子のあべ川を食ふ上戸は,たひら一面の―だ/滑稽本・浮世風呂 4」
(2)得意なもの。「あれと,伊勢音頭が上方者の―だよ/滑稽本・浮世風呂 3」
押し目
おしめ [0] 【押(し)目】
上げ基調の相場が一時下がること。
押し目買い
おしめがい [0] 【押(し)目買い】
押し目にあたり,先高を予想して買うこと。
押し相撲
おしずもう [3] 【押(し)相撲】
四つ身に組まず,相手のからだに手をあてがい,「押し出し」「押し倒し」で勝負をつける相撲。
押し破る
おしやぶる【押し破る】
break down[open] <the door> .押し破って入る(出る) burst in (out).
押し破る
おしやぶ・る [4] 【押(し)破る】 (動ラ五[四])
押して破る。無理にこわす。「戸を―・って入る」
[可能] おしやぶれる
押し立つ
おした・つ 【押し立つ】
■一■ (動タ四)
(1)断固として立つ。「不動,火炎の前に―・ち/沙石 2」
(2)我意を通そうとする。「いと―・ち,かどかどしき所ものし給ふ/源氏(桐壺)」
■二■ (動タ下二)
⇒おしたてる
押し立てる
おしたてる【押し立てる】
set up;hoist <a flag> ;→英和
support[back](支持).→英和
押し立てる
おした・てる [4] 【押(し)立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 おした・つ
(1)勢いよく立てる。「大きな看板を―・てる」
(2)先頭に立てる。人目につくよう前面に出す。「主将に―・てて決勝戦に臨む」
(3)激しく押す。押しまくる。「土俵際まで―・てる」
(4)扉などをきっちり閉める。「やをらいだきおろして,戸は―・てつ/源氏(花宴)」
(5)無理を通そうとする。「さやうなる人の―・てての給はば,聞かではあらじ/落窪 2」
押し競
おしくら [0] 【押し競】
〔「おしっくら」とも〕
「押し競(クラ)べ」に同じ。
押し競べ
おしくらべ [3] 【押し競べ】
互いに押し合う遊び。おしくら。おしっくら。
押し競饅頭
おしくらまんじゅう [5] 【押し競饅頭】
子供の遊戯の一。大勢が寄り集まって,「おしくらまんじゅう,押されて泣くな」とはやしながら互いに押し合うもの。
押し箱
おしばこ [0] 【押(し)箱】
押し鮨を作るのに用いる底のない箱枠。飯と具を入れて蓋をのせ,押し抜くもの。押し枠。
押し紙
おしがみ [0] 【押(し)紙】
(1)疑問や補足を書いて,文書などにはりつけた紙。おうし。
(2)張り紙。おうし。「毎日―・貼札して/浄瑠璃・栬狩」
(3)吸い取り紙。
押し絵
おしえ [0] 【押(し)絵】
(1)人物・花鳥などの絵を部分ごとに切り離し,綿で立体感を出し,美しい布地で包んで厚紙や板にはったもの。羽子板・壁飾りなどにする。押し絵細工。
(2)模様を切り抜いた型紙を当て,上から墨や絵の具で摺(ス)った絵。押し型絵。
押し縁
おしぶち [0] 【押し縁】
板などを上から押さえるために打ちつけた,細長い竹や木。
押し肌脱ぐ
おしはだぬ・ぐ 【押し肌脱ぐ】 (動ガ四)
衣服を脱いで,上半身を現す。「鎧脱で―・ぎ,腹かき切つて伏給ふ/太平記 9」
押し船
おしぶね [0] 【押し船】
〔「おしふね」とも〕
(1)艪(ロ)を押して航行する船。
(2)艀(ハシケ)などを後ろから押して進める船。
押し花
おしばな [2][0] 【押(し)花】
押し葉にした花。
押し花
おしばな【押し花】
a pressed flower.
押し葉
おしば【押し葉】
a pressed leaf.
押し葉
おしば [0][1] 【押(し)葉】
採取した植物を標本などにするため,紙の間にはさんでおもしをかけ乾燥させたもの。腊葉(サクヨウ)。
押し葉標本
おしばひょうほん [4] 【押(し)葉標本】
押し葉を台紙にはり,植物名・採取地・日時・採集者名などを記載したラベルを付した標本。腊葉(サクヨウ)標本。
押し蓋
おしぶた [0] 【押し蓋】
(漬物などの)容器の中のものを押さえつけるための小ぶりの蓋。
押し被せ構造
おしかぶせこうぞう [6] 【押し被せ構造】
〔(ドイツ) Deckenstruktur〕
地層が強い褶曲(シユウキヨク)を受けて一方の翼が逆転(押し被せ褶曲)し,または,逆断層を生じて上盤が数キロメートルも水平移動(押し被せ断層)した地質構造。アルプス山脈などにみられる。
押し角
へしがく [0] 【押し角】
「おしかく(押角)」に同じ。
押し角
おしかく [2] 【押(し)角】
(1)「押角の日本農林規格」に該当する丸身の多い針葉樹の角材。標準寸法は木口の一辺が12センチメートル以下。
(2)杣角(ソマカク)の木口の幅が七寸(約21センチメートル)より小さい木材。杣小角(コガク)。へしがく。おしがく。
押し詰まる
おしつま・る [4] 【押し詰(ま)る】 (動ラ五[四])
(1)年の暮れに近くなる。押し迫る。「年も―・った三〇日」
(2)期限が近づく。さし迫る。「納期が―・る」
押し詰まる
おしつまる【押し詰まる】
be[get]near the end of the year (年末が).→英和
押し詰める
おしつ・める [4] 【押(し)詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしつ・む
(1)無理に詰め込む。押し込む。「重箱に―・める」
(2)逃げ場のない所まで追い込む。「土壇場に―・める」
(3)つづめる。要約する。「―・めて言えば」
押し詰める
おしつめる【押し詰める】
pack <a thing> tight;press <a person> hard (圧迫する).⇒詰める.
押し詰る
おしつま・る [4] 【押し詰(ま)る】 (動ラ五[四])
(1)年の暮れに近くなる。押し迫る。「年も―・った三〇日」
(2)期限が近づく。さし迫る。「納期が―・る」
押し豆腐
おしどうふ [3] 【押(し)豆腐】
豆腐を布巾などで包んで重しをのせ,水気を切ったもの。形がくずれにくく,炒め物などに用いる。
→豆腐干(ガン)
押し買い
おしがい [0] 【押(し)買い】 (名)スル
強引に買い取ること。
押し転かす
おしまろか・す 【押し転かす】 (動サ四)
ころがして丸く巻く。まるめて玉とする。「あららかなる東絹(アズマギヌ)どもを,―・して,投げ出でつ/源氏(東屋)」
押し込み
おしこみ [0] 【押(し)込み】
(1)むりに中に入れること。
(2)押し入れ。戸棚。
(3)「押し込み強盗」に同じ。
押し込み強盗
おしこみごうとう [5] 【押(し)込み強盗】
他人の家に押し入って金品を奪い取ること。また,その者。おしこみ。おしいり。
押し込み強盗
おしこみ【押し込み強盗】
a housebreaker;→英和
a burglar.→英和
押し込み通風
おしこみつうふう [5] 【押(し)込み通風】
炉やボイラーで,燃焼に必要な空気を強制的に送り込む方式。強制通風。強圧通風。
押し込む
おしこむ【押し込む】
force (one's way) <into> (押し入る);→英和
push in (押し込める).
押し込む
おしこ・む [3] 【押(し)込む】
■一■ (動マ五[四])
(1)狭い所に,強引に入れる。「満員電車に客を―・む」
(2)他人の家などに強引に入る。おしかけていって,入り込む。押し入る。「強盗が―・んだ」「是から三人で―・んで事情(コトワケ)を聞くと仕よう/西洋道中膝栗毛(七杉子)」
(3)狭い所にぎっしり入る。「寝殿のひんがしの渡殿の戸ぐちまで,ひまもなく―・みてゐたれば/紫式部日記」
[可能] おしこめる
■二■ (動マ下二)
⇒おしこめる
押し込め
おしこめ [0] 【押(し)込め】
(1)押し込めること。
(2)江戸時代の刑罰の一。一定期間,門を閉ざし,外出を禁ずるもの。
押し込める
おしこ・める [4] 【押(し)込める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしこ・む
(1)無理に中に入れる。押し込む。つめこむ。
(2)狭い所に入れて,外へ出られないようにする。とじこめる。「物置小屋に―・むるなど,おとなげもなき無慈非道/当世書生気質(逍遥)」
(3)内に隠して,外に表さないようにする。また,胸におさめる。「―・めたるは苦しかりけり/源氏(末摘花)」
押し込める
おしこめる【押し込める】
push in;stuff <into> (つめこむ);→英和
confine (監禁);→英和
shut <a person> up <in a dungeon> .
押し込め隠居
おしこめいんきょ 【押し込め隠居】
江戸時代,戸主を親権者や親族が強制的に隠居させること。
押し返し
おしかえし 【押し返し】 (副)
逆に。反対に。あべこべに。「下仕の唐衣に青色を―着たる/紫式部日記」
押し返す
おしかえ・す [3] 【押(し)返す】 (動サ五[四])
(1)押してきた相手を逆にこちらから押す。押し戻す。「押されたら―・せ」
(2)物を逆にする。反対にする。「鏡のしきを―・して書き給ふ/落窪 3」
(3)相手の問いかけに対して返事する。「これより―・し給はざらむは,ひがひがしからむ/源氏(玉鬘)」
(4)すぐさま…する。「―・しとひにやるこそ,心づきなけれ/徒然 234」
(5)繰り返す。「―・しかなしくおぼゆる夕暮に/蜻蛉(中)」
[可能] おしかえせる
押し返す
おしかえす【押し返す】
push[press,force]back.
押し迫る
おしせま・る [4] 【押(し)迫る】 (動ラ五[四])
間近に迫る。「入学試験が―・る」「今年も大分―・りましたね」
押し退ける
おしの・ける [4] 【押し退ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おしの・く
(1)そこにいる人を押して無理にどかせる。「人を―・けて一番前へ出る」
(2)自分の出世や勝利などのために他人をしりぞける。「同僚を―・けて出世街道を進む」
押し退ける
おしのける【押し退ける】
thrust[push]aside;elbow one's way <through the crowd> .
押し送り
おしおくり 【押し送り】
櫓(ロ)をこいで船を進めること。また,その船。
押し送り船
おしおくりぶね 【押し送り船】
江戸時代,江戸・大坂など大都市の魚市場へ生魚を運送した漕帆両用の快速の小型荷船。
押し通す
おしとお・す [3] 【押(し)通す】 (動サ五[四])
(考え方や態度などを)最後まで変えずに貫く。「一生,頑固者で―・した」「無理を―・す」
[可能] おしとおせる
押し通す
おしとおす【押し通す】
carry <it> through (遂行);persist to the end (主張);→英和
pose <as a doctor> (ふりをする).→英和
押し進める
おしすす・める [5] 【押(し)進める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしすす・む
押して前へ進める。前進させる。
押し遣る
おしや・る [3] 【押し遣る】 (動ラ五[四])
(1)押して向こうへやる。遠ざける。「隅に―・る」
(2)押しのける。しりぞける。「慎重論はいつのまにか―・られた」
押し開く
おしひら・く [4] 【押(し)開く】 (動カ五[四])
(1)押してあける。
(2)「開く」を強めていう語。「ドアを―・く」
押し開く
おしひらく【押し開く】
⇒押し開(あ)ける.
押し開ける
おしあける【押し開ける】
push[force] <a door> open.
押し開ける
おしあ・ける [4] 【押(し)開ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おしあ・く
力を入れて,強引に開ける。「ドアを―・けて侵入する」
押し隈
おしぐま [0] 【押し隈】
歌舞伎役者が顔の隈取りを絹布や紙に押して写しとったもの。ひいき客へ記念に贈った。
押し隠す
おしかく・す [4] 【押(し)隠す】 (動サ五[四])
ひたすらにかくす。一生懸命にかくす。「事実を―・す」「痛みを―・す」
押し静まる
おししずま・る [5] 【押(し)静まる】 (動ラ五[四])
ひどく静かになる。静まり返る。「いづれも大事の評議なれば,―・る其中に/浄瑠璃・凱陣八島」
押し靡ぶ
おしな・ぶ 【押し並ぶ・押し靡ぶ】 (動バ下二)
(1)一面になびかせる。押しならす。「秋の穂をしのに―・べ置く露の/万葉 2256」
(2)すべてを同じ状態にする。「さきにやけにし憎所(ニクドコロ),こたみは―・ぶるなりけり/蜻蛉(下)」
(3)普通である。世間並みである。「―・べたらぬ心ざしの程を御覧じ知らば/源氏(若紫)」
押し頂く
おしいただ・く [5][0] 【押(し)頂く】 (動カ五[四])
(1)物を目より高くささげて持つ。また,うやうやしい態度で物を受け取る。「御墨付きの文書を―・く」
(2)目上の人として敬い仕える。「会長に―・く」
押し鮎
おしあゆ [0][3] 【押し鮎】
塩漬けの鮎。「ただ―の口をのみぞ吸ふ/土左」
押し鮨
おしずし [0][2] 【押し鮨】
箱にすし飯を詰め,その上に魚肉などを並べ,押し蓋(ブタ)でしっかり押した関西風のすし。大阪ずしがその代表的なもの。はこずし。[季]夏。
押し鯛
おしだい [0] 【押し鯛】
三枚におろした鯛に塩を振り,酢をかけて,おもしをかけた食べ物。飯(イイ)無し鮨。
押し麦
おしむぎ [0][3] 【押(し)麦】
精白した大麦や燕麦(エンバク)を,蒸したのち押しつぶして乾かしたもの。つぶし麦。平麦。
押し黙る
おしだま・る [4] 【押(し)黙る】 (動ラ五[四])
長い時間黙る。「何を聞いても―・ったままだ」
押す
お・す [0] 【押す・圧す】 (動サ五[四])
(1)物に手・指先などを当てがって,前方へ力を加える。《押》
⇔引く
「―・しても引いてもあかない」「ボタンを―・すとブザーが鳴ります」
(2)車両などに後ろから力を加えて前進させる。《押》「乳母車を―・す」「橇(ソリ)を―・す」
(3)上から力を加える。
(ア)重みを加える。「上から―・してつぶす」
(イ)(「捺す」とも書く)印や型を上から当てて写す。「印鑑を―・して下さい」「記念帳にスタンプを―・す」「手形を―・す」
(ウ)箔(ハク)を貼り付ける。《押》「金箔を―・す」
(4)優位に立って相手を圧倒する。《押・圧》「気迫に―・される」「終始―・し気味に試合を進める」「その場の雰囲気に―・されて何も言えない」
(5)強引に自分の意志を通そうとする。《押》
(ア)相手に対して働きかける。「理詰めで―・して来られてはかなわない」「この条件でもう一押し―・してみよう」
(イ)方針を変えずに貫く。やり方などを変えずに進める。「医学部受験一本槍で―・す」
(6)障害や困難があるのに,無理をする。強いてする。《押》「反対を―・して…する」「病気を―・して会議に出席する」
→押して
(7)(「念を押す」などの形で)確かめる。《押》「約束を忘れないように念を―・す」
(8)(放送などで)時間がおしつまる。
(9)軍勢などを進める。「東海東山両道を―・して責め上る/太平記 13」
(10)光などを,上から一面に及ぼす。「春日山―・して照らせるこの月は/万葉 1074」
[可能] おせる
[慣用] 駄目を―・横車を―・横に車を―/烙印(ラクイン)を押される
押す
おす【押す】
push;→英和
press <the button> ;→英和
stamp <a seal> .→英和
念を〜 make sure.病を押して in spite of one's illness.
押すな押すな
押すな押すな
人が大勢おしかけて,「押すな」と叫びたくなるほど混雑するさまをいう。「―の盛況」
押せ押せ
おせおせ [0] 【押せ押せ】
(1)〔普通「おせおせになる」の形で使う〕
仕事や予定が立て込むこと。また,立て込んだ仕事などが,一か所で遅れてその影響が次々に及ぶこと。「会議が長引いてあとの予定が―になった」
(2)優位に立って積極的に物事を運ぶさま。「―ムードで試合を進める」
押せ押せになる
押せ押せになる
⇒押せ押せ
押そぶる
おそぶ・る 【押そぶる】 (動ラ四)
おしゆるがす。「誰そこの屋の戸―・る/万葉 3460」
押っ付け
おっつけ [0] 【押っ付け】
相撲で,相手の差し手の肘(ヒジ)を外側から押さえて下から上へ押しつけること。
押っ付ける
おっつ・ける [4] 【押っ付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おつつ・く
〔「おしつける」の転〕
(1)「押し付ける」の俗な言い方。「無理やり委員長を―・けられた」
(2)相撲で,相手の差し手の肘(ヒジ)を外側から押さえて下から上へ押しつける。
押っ伏せる
おっぷ・せる [4] 【押っ伏せる】 (動サ下一)[文]サ下二 おつぷ・す
〔「おしふせる」の転〕
むりに伏せさせる。「己(オレ)一人に四十人ほどの兵隊を差向て到頭―・せて仕舞てさ/鉄仮面(涙香)」
押っ取り刀
おっとりがたな [5] 【押っ取り刀】
腰に差すひまもなく,刀を手にしたままであること。緊急の場合に取るものも取りあえず駆けつけるさまにいう。「―で飛び出す」
押っ取る
おっと・る 【押っ取る】 (動ラ四)
〔「おしとる」の転〕
(1)勢いよくつかみ取る。「童にもたせたる太刀―・り,するりと抜きて/曾我 1」
(2)力ずくで無理やり奪い取る。「御史大夫で居て丞相の事を―・つて行くぞ/史記抄 15」
(3)要点を取る。「正義に六借しうした。―・つてはこの分ぞ/毛詩抄 10」
(4)相手の言葉をすぐ引き取って続ける。「『…』とあれば,弥七―・つて申上るは/浮世草子・禁短気」
押っ圧す
おっぺ・す [3] 【押っ圧す】 (動サ五)
〔「おしへす」の転〕
押す。押しつぶす。
押っ圧折る
おっぺしょ・る [4] 【押っ圧折る】 (動ラ五[四])
〔「おしへしおる」の転〕
押しつけて折る。へし折る。「この分らねい樹の枝を―・つて/西洋道中膝栗毛(七杉子)」
押っ掛かる
おっかか・る 【押っ掛(か)る】 (動ラ五[四])
〔「おしかかる」の転〕
(1)寄りかかる。「肩に―・る」
(2)まさになろうとする。近づく。「三十に―・り勘太郎お末といふ六つと四つの子の親/浄瑠璃・天の網島(上)」
押っ掛る
おっかか・る 【押っ掛(か)る】 (動ラ五[四])
〔「おしかかる」の転〕
(1)寄りかかる。「肩に―・る」
(2)まさになろうとする。近づく。「三十に―・り勘太郎お末といふ六つと四つの子の親/浄瑠璃・天の網島(上)」
押っ立て尻
おったてじり [4] 【押っ立て尻】
〔「おったて」は「おしたて」の転〕
尻を浮かせていまにも立ち上がりそうな座り方。落ち着いて座っていられないそぶり。「なぜ貴方はそんなに―をしてゐらつしやるんだよ/当世書生気質(逍遥)」
押っ被さる
おっかぶさ・る [5] 【押っ被さる】 (動ラ五[四])
「かぶさる」を強めていう語。
押っ被せ
おっかぶせ [0] 【押っ被せ】
(1)いいがかりをつけて無理に押しつけること。「丸太島で他国の人とみると―にかかる/西洋道中膝栗毛(魯文)」
(2)にせ物。まがい物。「太平記の―,名づけて通人講釈といふ/洒落本・弁蒙通人講釈」
押っ被せる
おっかぶ・せる [5] 【押っ被せる】 (動サ下一)[文]サ下二 おつかぶ・す
(1)勢いよくかぶせる。
(2)(責任や罪を)他人に負わせる。なすりつける。「責任を人に―・せる」
(3)相手の発言をさえぎるように,高圧的に物を言う。「しやば中に借りは無いぞと―・せ/柳多留 8」
(4)だます。ごまかす。「―・せられたといはにやつり合はず/柳多留 21」
押丁
おうてい アフ― [0] 【押丁】
旧監獄官制による職名。刑務所で看守長や看守を補佐する下級の職員。
押上げる
おしあ・げる [4] 【押(し)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 おしあ・ぐ
(1)押して,上に上げる。「レバーを―・げると通風口が開く」
(2)ひきたてて,高い地位に就かせる。
押上げポンプ
おしあげポンプ [5] 【押(し)上げ―】
ピストンを押し込むときの力で,液体を高所へ押し上げるポンプ。
⇔吸い上げポンプ
押下げる
おしさ・げる [4] 【押(し)下げる】 (動ガ下一)[文] ガ下二 おしさ・ぐ
(1)押して下の方へやる。「コックを―・げる」
(2)気持ちをおさえて落ち着かせる。「片腹痛きを―・げ,同じ客ながら機嫌をとるはうたてかりき/浮世草子・好色盛衰記 1」
押並ぶ
おしなら・ぶ [4] 【押(し)並ぶ】
■一■ (動バ五[四])
いっしょに並ぶ。並ぶ。「―・んで跪(ヒザマズ)いた時/婦系図(鏡花)」
■二■ (動バ下二)
並ぶようにする。無理に並ばせる。「馳(ハセ)来り,―・べてむずと組む/平家 7」
押付け
おしつけ [0] 【押(し)付け】
■一■ (名)
(1)無理じいすること。「―に反発する」
(2)鎧(ヨロイ)の背の上部で,綿上(ワタガミ)に続く所。
(3)「押付の板」の略。
■二■ (副)
間もなく。おっつけ。「是あ病気だから―治あ/滑稽本・浮世風呂(前)」
押付けがましい
おしつけがまし・い [7] 【押(し)付けがましい】 (形)[文]シク おしつけがま・し
相手の意向を無視して,無理じいする感じがある。「―・い態度」
[派生] ――さ(名)
押付ける
おしつ・ける [4] 【押(し)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おしつ・く
(1)力を入れて押し,他の物に付ける。「満員電車のドアに―・けられる」
(2)相手の意思を無視して,無理に承知させたり,引き受けさせたりする。「幹事役を―・ける」「不利な条件を―・けられる」
押付の板
おしつけのいた [6] 【押付の板】
胴丸・腹巻・当世具足などで,押し付け{■一■(2)}にあてた鉄板。押し付け。
押伍
おうご アフ― [1] 【押後・押伍】
軍隊のあとおさえ。後備え。
押倒し
おしたおし [0] 【押(し)倒し】
相撲の決まり手の一。片手または両手を相手の脇の下・胸などに当てて押しあげ,相手を倒す技。
押倒す
おしたお・す [4] 【押(し)倒す】 (動サ五[四])
押して倒す。「土俵外に―・す」
[可能] おしたおせる
押借り
おしがり [0] 【押(し)借り】 (名)スル
強引に金品を借りること。「―の金を路用に/高橋阿伝夜叉譚(魯文)」
押入
おしいれ【押入】
a closet;→英和
a wardrobe.→英和
押入る
おしい・る [3] 【押(し)入る】
■一■ (動ラ五[四])
強引に入りこむ。「強盗が―・った」
■二■ (動ラ下二)
⇒おしいれる
押入れ
おしいれ [0] 【押(し)入れ】
日本間で,ふとんなどをおさめるために設けた作り付けの物入れの場所。普通,中棚を設け,前面に襖(フスマ)を立てる。
押入れる
おしい・れる [4] 【押(し)入れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おしい・る
押して中へ入れる。むりに入れる。「衣類を旅行かばんに―・れる」
押出し
おしだし [0] 【押(し)出し】
(1)押して出すこと。
(2)体格・態度などを含めて,人前に出た時に,他人に与える全体的な印象。「―がよい」「堂々たる―」
(3)相撲の決まり手の一。片手または両手を相手の脇(ワキ)の下・胸などに当てて押しあげ,土俵の外に出す技。
(4)野球で満塁の時,打者が四死球で出塁して三塁走者がホーム-インすること。
(5)歌舞伎で,大道具の下に車をつけ,舞台に押し出すこと。
押出す
おしだ・す [3] 【押(し)出す】 (動サ五[四])
(1)押して中にある物を外へ出す。「守衛が暴徒を―・す」
(2)人中に出る。世間に出て行く。「是ならば十分と思ふ服装(ナリ)で隆として―・すんだね/金色夜叉(紅葉)」「お前達は是から直ぐに広い世界へ―・すのだが/谷間の姫百合(謙澄)」
(3)大勢で出かける。くりだす。「そろそろ花見に―・そうか」「今年は竜動(ロンドン)の博覧会へ―・すつもりだが/西洋道中膝栗毛(魯文)」
(4)はっきり外に現れる。明らかになる。「征夷大将軍の座につき,諸大名に威を振ふは,―・しての謀反紛れなし/浄瑠璃・津国女夫池」
[可能] おしだせる
押出仏
おしだしぶつ [4] 【押出仏】
仏像造法の一。銅製半肉彫りの型に銅板をのせ,上から鎚(ツチ)でたたいて仏像を打ち出し細部は鏨(タガネ)で打ち,浮き彫りのようにつくったもの。奈良時代に盛んにつくられた。鎚鍱(ツイチヨウ)像。
押分ける
おしわ・ける [4] 【押(し)分ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おしわ・く
密集している人やものを力を入れて両側に分ける。かきわける。「葦(アシ)を―・けて進む」
押切り
おしきり [0] 【押(し)切り】
(1)まぐさ・藁(ワラ)・草などを切る道具。飼い葉切り。
(2)馬のたてがみを5センチメートルほどにそろえて切ること。
(3)「押切判(オシキリバン)」の略。
押切る
おしき・る [3] 【押(し)切る】 (動ラ五[四])
(1)押し当てて切る。
(2)(障害を乗り越えて)最後までしとおす。困難に打ち勝ってする。「親の反対を―・って上京する」
(3)「切る」を強めていう語。断ち切る。「あらまきのなはを―・りて/宇治拾遺 2」
[可能] おしきれる
押切判
おしきりばん [4] 【押切判】
割り印。押し切り。
押切帳
おしきりちょう [0] 【押切帳】
現金などの受け渡しの際に割り印を押す帳簿。判取り帳。
押割り
おしわり [0] 【押(し)割り】
「押し割り麦」の略。
押割り麦
おしわりむぎ [5] 【押(し)割り麦】
押しつぶして割った大麦。おしわり。
→ひき割り麦
押包む
おしつつ・む [4] 【押(し)包む】 (動マ五[四])
(1)しっかり包む。念入りに包む。
(2)物事を隠す。表面に出さないようにする。「悲しみを笑顔に―・む」
押印
おういん アフ― [0] 【押印】 (名)スル
印を押すこと。捺印(ナツイン)。
押収
おうしゅう アフシウ [0] 【押収】 (名)スル
裁判所や捜査機関が証拠物や没収すべき物を占有・確保すること。差し押さえ・提出命令・領置の三種がある。「証拠物件を―する」
押収
おうしゅう【押収】
seizure;→英和
confiscation.〜する seize;→英和
confiscate.→英和
押合い
おしあい [0] 【押(し)合い】
(1)互いに押すこと。
(2)取引で,相場に変動のないこと。
(3)言い争うこと。押し問答。「値の―して,其の割で買ふに/滑稽本・浮世風呂 4」
押合い圧し合い
おしあいへしあい [3][3] 【押(し)合い圧し合い】 (名)スル
狭い所で,多くの人が入りまじって混雑すること。「われ先に乗ろうとして―する」
押合い祭り
おしあいまつり [5] 【押(し)合い祭り】
参詣者が互いに押し合いをする祭り。お札や袋を取り合うもの,集落どうしで押し合いをしてその年の豊凶を占うものなどがある。新潟県弥彦神社の祭礼など。けんか祭り。
押合う
おしあ・う [3] 【押(し)合う】 (動ワ五[ハ四])
両方から互いに押す。「―・いつつ電車に乗り込む」
押問答
おしもんどう [3] 【押(し)問答】 (名)スル
互いに自分の主張を譲らずに言い張ること。「―の末,やっと引き下がる」
押問答する
おしもんどう【押問答する】
argue[have an argument] <with> .→英和
押回す
おしまわ・す [4] 【押(し)回す】 (動サ五[四])
(1)「まわす」を強めていう語。
(2)生活をしてゆく。世の中のことに対処する。「帰朝後も経済学で立派に―・される/浮雲(四迷)」
押型
おしがた [0] 【押(し)形・押(し)型】
(1)版木の上に紙を置き,その上から蝋墨で模様などを写し取ったもの。
(2)刀剣に紙をあて,上から墨でその形や茎(ナカゴ)の文字を写しとり,刃文などを書き込んだもの。
押型ガラス
おしがたガラス [5] 【押(し)型―】
雌型にガラス種を流し込み,雄型を押し当てて成形したガラス製品。肉厚の皿・鉢などを製する。
押型付け
おしがたづけ [0] 【押(し)型付け】
型染めで,版木や型紙に染料を塗り,織物などに押しつけて,模様を染め出す方法。
押型文
おしがたもん [4][0] 【押(し)型文】
縄文早期の土器にみられる文様の一。山形・格子目・楕円形などの彫刻を施した棒を土器面にころがしてつける。
押売
おしうり【押売】
hard sell;high-pressure sale;[人]a hard seller;a high-pressure salesman.〜する press <a person> to buy.
押売り
おしうり [0] 【押(し)売り】 (名)スル
(1)強引に売りつけること。また,その人。「―おことわり」
(2)無理じいすること。「親切の―」
押妨
おうぼう アフバウ 【押妨】
〔「おうほう」とも〕
力や不当な方法で他人の所領地などを侵すこと。「先例にまかせて入部の―をとどめよ/平家 1」
押字
おうじ アフ― [0] 【押字】
署名の字を,くずしたり略したりして変形して印としたもの。かきはん。花押(カオウ)。
押寄せる
おしよ・せる [4] 【押(し)寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 おしよ・す
(1)多くの人やものが迫って行く。また,迫って来る。「群衆が警察に―・せる」「高波が―・せる」
(2)押して,一方に寄せる。「机を部屋のすみに―・せる」
押川
おしかわ オシカハ 【押川】
姓氏の一。
押川春浪
おしかわしゅんろう オシカハシユンラウ 【押川春浪】
(1876-1914) 小説家。本名,方存(マサヨリ)。「武侠小説」と称する SF 風冒険小説で人気を博した。作「海底軍艦」「武侠の日本」など。
押広める
おしひろ・める [5] 【押(し)広める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしひろ・む
広く行き渡らせる。普及させる。「考えを―・める」
押延べる
おしの・べる [4] 【押(し)延べる】 (動バ下一)[文]バ下二 おしの・ぶ
大きく広げて,のばす。「四つ折にしたる半紙を取出(イダ)し,―・べて見せる/当世書生気質(逍遥)」
押引き
おしひき [2] 【押(し)引き】
(1)品物の値段についての押し問答。「価(ネ)の―はしやしたが/西洋道中膝栗毛(魯文)」
(2)押したり引いたりすること。
押当てる
おしあ・てる [4] 【押(し)当てる】 (動タ下一)[文]タ下二 おしあ・つ
(1)強く当てる。おしつける。「手を顔に―・てて泣く」
(2)矢を射るとき,十分にねらいをつける。「面にすすみたる伊藤六がまんなかに―・てて放ちたり/保元(中)」
(3)袖を目に当てて泣く。「人しれず―・てられ給ひぬ/苔の衣」
押形
おしがた [0] 【押(し)形・押(し)型】
(1)版木の上に紙を置き,その上から蝋墨で模様などを写し取ったもの。
(2)刀剣に紙をあて,上から墨でその形や茎(ナカゴ)の文字を写しとり,刃文などを書き込んだもの。
押後
おうご アフ― [1] 【押後・押伍】
軍隊のあとおさえ。後備え。
押戻し
おしもどし [0] 【押(し)戻し】
歌舞伎十八番の一。荒事。小手・脛当(スネアテ)・腹巻・大褞袍(オオドテラ)を着,三本の大太刀(オオダチ)をさし,竹笠と青竹を持ち高足駄を履いて花道から出,荒れ狂う怨霊や妖怪を舞台へ押し戻す。「道成寺(ドウジヨウジ)」「鳴神(ナルカミ)」など怨霊の出る狂言のあとに付けて演じられる。
押戻す
おしもど・す [4] 【押(し)戻す】 (動サ五[四])
押して以前の場所へ戻す。おし返す。「土俵中央へ―・す」
[可能] おしもどせる
押手
おして [0] 【押(し)手】
〔「おしで」とも〕
(1)〔てのひらに朱や墨を塗り文書に押して印としたことから〕
印判。[名義抄]
(2)証拠の印。「われにおいては千乗(センジヨウ)の位にかゆる―ぞや/読本・弓張月(前)」
(3)琵琶・箏(コト)などを弾く際に,左手で弦を押して音を変化させること。また,その手。
(4)弓術で,左手。ゆんで。
⇔引き手(デ)
⇔勝手(カツテ)
(5)押さえ。押し。「どうも―がきかなくつてじれつてえよ/人情本・辰巳園(後)」
押抜き機
おしぬきき [4] 【押(し)抜き機】
プレス機の一種。板金に穴を打ち抜く機械。パンチャー。
押捺
おうなつ アフ― [0] 【押捺】 (名)スル
印を押すこと。捺印。押印。「署名の上―すること」
押掛け
おしかけ [0] 【押(し)掛け】
(1)おしかけること。「―の客」
(2)馬具の名。面懸(オモガイ)・胸懸(ムナガイ)・尻懸(シリガイ)の総称。三懸(サンガイ)。
押掛ける
おしか・ける [4] 【押(し)掛ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おしか・く
(1)招かれないのに人の家へ行く。「友人の新居に―・ける」
(2)相手を圧倒しようとして,大勢で出向いていく。押し寄せる。「陳情に役所に―・ける」
押掛け女房
おしかけにょうぼう [5] 【押(し)掛け女房】
男の家におしかけていくようにして,妻になった女。押し入り女房。
押曲げる
おしま・げる [4] 【押(し)曲げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 おしま・ぐ
押してむりやり曲げる。ねじ曲げる。「枝を―・げる」「真実を―・げる」
押書
おうしょ アフ― 【押書】
〔「あっしょ」とも〕
鎌倉時代,所領についての訴訟をする場合,敗訴の場合には所領を相手方に渡す旨を記して提出した契約状。
押板
おしいた [0] 【押(し)板】
(1)物を押さえつけるのに使う板。
(2)自在戸で,手をかける位置に取り付けた板。
(3)中世,壁に掛けた書画の下に置いて,三つ具足などを飾る板や台。また,それが作り付けとなったもの。現在の床の間の原形の一つと考えられる。
押し板(3)[図]
押柄
おうへい [1] ワウ― 【横柄】 ・ アフ― 【押柄】 (形動)[文]ナリ
〔「おしから(押柄)」の音読によって生じた語〕
人を見下したようなえらそうな態度をとるさま。大柄(オオヘイ)。「―な口のきき方をする」
[派生] ――さ(名)
押止める
おしと・める [4] 【押(し)止める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしと・む
「おしとどめる」に同じ。「実行に移るのを―・める」
押沈める
おししず・める [5] 【押(し)沈める】 (動マ下一)[文]マ下二 おししづ・む
(1)押して沈める。
(2)〔「押し鎮める」と書く〕
静かに落ち着いた状態にする。「心を―・める」
(3)人の地位や身分を低くする。権力を奪う。「強ひて女御を―・め給ふもつらきに/源氏(乙女)」
押洗い
おしあらい [3] 【押(し)洗い】 (名)スル
手洗い技法の一。もまずにてのひらで押して汚れを落とすこと。また,その洗い方。形くずれが少ない。
押流す
おしなが・す [4] 【押(し)流す】 (動サ五[四])
(1)激しい勢いで流し去る。「濁流が家を―・した」
(2)(比喩的に)時流・時勢など周囲の情勢が大きな影響を及ぼす。多く,受け身形で使う。「時流に―・される」
[可能] おしながせる
押渡る
おしわた・る [4] 【押(し)渡る】 (動ラ五[四])
海・川などを勢いよく渡る。
押湯
おしゆ [0] 【押(し)湯】
鋳物の収縮や空隙(巣)の発生を防ぐため,湯(溶融金属)を加圧しつつ内部のガスを抜き,鋳型内に流し込む方法。
押湯口
おしゆぐち [3] 【押(し)湯口】
押し湯のために設けた溶融金属の通路。
押目
おしめ [0] 【押(し)目】
上げ基調の相場が一時下がること。
押目買い
おしめがい [0] 【押(し)目買い】
押し目にあたり,先高を予想して買うこと。
押相撲
おしずもう [3] 【押(し)相撲】
四つ身に組まず,相手のからだに手をあてがい,「押し出し」「押し倒し」で勝負をつける相撲。
押破る
おしやぶ・る [4] 【押(し)破る】 (動ラ五[四])
押して破る。無理にこわす。「戸を―・って入る」
[可能] おしやぶれる
押立てる
おした・てる [4] 【押(し)立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 おした・つ
(1)勢いよく立てる。「大きな看板を―・てる」
(2)先頭に立てる。人目につくよう前面に出す。「主将に―・てて決勝戦に臨む」
(3)激しく押す。押しまくる。「土俵際まで―・てる」
(4)扉などをきっちり閉める。「やをらいだきおろして,戸は―・てつ/源氏(花宴)」
(5)無理を通そうとする。「さやうなる人の―・てての給はば,聞かではあらじ/落窪 2」
押箱
おしばこ [0] 【押(し)箱】
押し鮨を作るのに用いる底のない箱枠。飯と具を入れて蓋をのせ,押し抜くもの。押し枠。
押紙
おうし アフ― [1] 【押紙】
「おしがみ(押紙)」に同じ。
押紙
おしがみ [0] 【押(し)紙】
(1)疑問や補足を書いて,文書などにはりつけた紙。おうし。
(2)張り紙。おうし。「毎日―・貼札して/浄瑠璃・栬狩」
(3)吸い取り紙。
押絵
おしえ【押絵】
a pasted rag picture.
押絵
おしえ [0] 【押(し)絵】
(1)人物・花鳥などの絵を部分ごとに切り離し,綿で立体感を出し,美しい布地で包んで厚紙や板にはったもの。羽子板・壁飾りなどにする。押し絵細工。
(2)模様を切り抜いた型紙を当て,上から墨や絵の具で摺(ス)った絵。押し型絵。
押羽織
おしばおり [3] 【押羽織】
⇒陣羽織(ジンバオリ)
押花
おしばな [2][0] 【押(し)花】
押し葉にした花。
押葉
おしば [0][1] 【押(し)葉】
採取した植物を標本などにするため,紙の間にはさんでおもしをかけ乾燥させたもの。腊葉(サクヨウ)。
押葉標本
おしばひょうほん [4] 【押(し)葉標本】
押し葉を台紙にはり,植物名・採取地・日時・採集者名などを記載したラベルを付した標本。腊葉(サクヨウ)標本。
押角
おしかく [2] 【押(し)角】
(1)「押角の日本農林規格」に該当する丸身の多い針葉樹の角材。標準寸法は木口の一辺が12センチメートル以下。
(2)杣角(ソマカク)の木口の幅が七寸(約21センチメートル)より小さい木材。杣小角(コガク)。へしがく。おしがく。
押詰める
おしつ・める [4] 【押(し)詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしつ・む
(1)無理に詰め込む。押し込む。「重箱に―・める」
(2)逃げ場のない所まで追い込む。「土壇場に―・める」
(3)つづめる。要約する。「―・めて言えば」
押豆腐
おしどうふ [3] 【押(し)豆腐】
豆腐を布巾などで包んで重しをのせ,水気を切ったもの。形がくずれにくく,炒め物などに用いる。
→豆腐干(ガン)
押買い
おしがい [0] 【押(し)買い】 (名)スル
強引に買い取ること。
押込み
おしこみ [0] 【押(し)込み】
(1)むりに中に入れること。
(2)押し入れ。戸棚。
(3)「押し込み強盗」に同じ。
押込み強盗
おしこみごうとう [5] 【押(し)込み強盗】
他人の家に押し入って金品を奪い取ること。また,その者。おしこみ。おしいり。
押込み通風
おしこみつうふう [5] 【押(し)込み通風】
炉やボイラーで,燃焼に必要な空気を強制的に送り込む方式。強制通風。強圧通風。
押込む
おしこ・む [3] 【押(し)込む】
■一■ (動マ五[四])
(1)狭い所に,強引に入れる。「満員電車に客を―・む」
(2)他人の家などに強引に入る。おしかけていって,入り込む。押し入る。「強盗が―・んだ」「是から三人で―・んで事情(コトワケ)を聞くと仕よう/西洋道中膝栗毛(七杉子)」
(3)狭い所にぎっしり入る。「寝殿のひんがしの渡殿の戸ぐちまで,ひまもなく―・みてゐたれば/紫式部日記」
[可能] おしこめる
■二■ (動マ下二)
⇒おしこめる
押込め
おしこめ [0] 【押(し)込め】
(1)押し込めること。
(2)江戸時代の刑罰の一。一定期間,門を閉ざし,外出を禁ずるもの。
押込める
おしこ・める [4] 【押(し)込める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしこ・む
(1)無理に中に入れる。押し込む。つめこむ。
(2)狭い所に入れて,外へ出られないようにする。とじこめる。「物置小屋に―・むるなど,おとなげもなき無慈非道/当世書生気質(逍遥)」
(3)内に隠して,外に表さないようにする。また,胸におさめる。「―・めたるは苦しかりけり/源氏(末摘花)」
押返す
おしかえ・す [3] 【押(し)返す】 (動サ五[四])
(1)押してきた相手を逆にこちらから押す。押し戻す。「押されたら―・せ」
(2)物を逆にする。反対にする。「鏡のしきを―・して書き給ふ/落窪 3」
(3)相手の問いかけに対して返事する。「これより―・し給はざらむは,ひがひがしからむ/源氏(玉鬘)」
(4)すぐさま…する。「―・しとひにやるこそ,心づきなけれ/徒然 234」
(5)繰り返す。「―・しかなしくおぼゆる夕暮に/蜻蛉(中)」
[可能] おしかえせる
押迫る
おしせま・る [4] 【押(し)迫る】 (動ラ五[四])
間近に迫る。「入学試験が―・る」「今年も大分―・りましたね」
押送
おうそう アフ― [0] 【押送】 (名)スル
受刑者や被疑者を,監視のもとにほかの場所へ連れて行くこと。
押通す
おしとお・す [3] 【押(し)通す】 (動サ五[四])
(考え方や態度などを)最後まで変えずに貫く。「一生,頑固者で―・した」「無理を―・す」
[可能] おしとおせる
押進める
おしすす・める [5] 【押(し)進める】 (動マ下一)[文]マ下二 おしすす・む
押して前へ進める。前進させる。
押開く
おしひら・く [4] 【押(し)開く】 (動カ五[四])
(1)押してあける。
(2)「開く」を強めていう語。「ドアを―・く」
押開ける
おしあ・ける [4] 【押(し)開ける】 (動カ下一)[文]カ下二 おしあ・く
力を入れて,強引に開ける。「ドアを―・けて侵入する」
押隠す
おしかく・す [4] 【押(し)隠す】 (動サ五[四])
ひたすらにかくす。一生懸命にかくす。「事実を―・す」「痛みを―・す」
押静まる
おししずま・る [5] 【押(し)静まる】 (動ラ五[四])
ひどく静かになる。静まり返る。「いづれも大事の評議なれば,―・る其中に/浄瑠璃・凱陣八島」
押韻
おういん【押韻】
rhyming.〜する rhyme.→英和
押韻
おういん アフヰン [0] 【押韻】 (名)スル
詩文で,韻をふむこと。同種の音を所定の位置に繰り返し用い,ひびきを調和させること。頭韻・脚韻などがある。
→韻
押頂く
おしいただ・く [5][0] 【押(し)頂く】 (動カ五[四])
(1)物を目より高くささげて持つ。また,うやうやしい態度で物を受け取る。「御墨付きの文書を―・く」
(2)目上の人として敬い仕える。「会長に―・く」
押領
おうりょう アフリヤウ [0] 【押領】 (名)スル
(1)他人の領地などを実力をもって奪うこと。「為朝の九州を―し義平の関東に戦ふ/日本開化小史(卯吉)」
(2)兵卒を監督・統率すること。「国司の精幹の者一人を択(エラ)み―せしめて,速に相救援せよ/続紀(天平宝字三)」
押領使
おうりょうし アフリヤウ― [3] 【押領使】
平安時代の官名。地方の暴徒の鎮圧,盗賊の逮捕などにあたった。初め,令外(リヨウゲ)の官として国司・郡司・土豪などから臨時に任命したが,天暦(947-957)の頃から常置の官となった。
押麦
おしむぎ [0][3] 【押(し)麦】
精白した大麦や燕麦(エンバク)を,蒸したのち押しつぶして乾かしたもの。つぶし麦。平麦。
押黙る
おしだま・る [4] 【押(し)黙る】 (動ラ五[四])
長い時間黙る。「何を聞いても―・ったままだ」
押[抑
おさえる【押[抑・圧]える】
(1) hold <a person> down (押えつける).
(2) suppress <the rebellion> (鎮圧);→英和
control (抑制);→英和
check (抑止).→英和
(3) catch (捕える);→英和
arrest.→英和
(4) seize (差し押える);→英和
attach <a person's property> .→英和
押[推]し進める
おしすすめる【押[推]し進める】
push forward <a plan> .
抽き出し
ひきだし [0] 【引(き)出し・抽き出し】
(1)(「抽斗」とも書く)たんす・机などの,物をしまっておくための抜き差しできるようになっている箱。
(2)銀行・郵便局などから,預貯金を引き出すこと。
抽んでる
ぬきん・でる [4] 【抜きん出る・抽んでる・擢んでる】 (動ダ下一)[文]ダ下二 ぬきん・づ
〔「ぬきづ」の転〕
(1)周囲の物よりひときわ高く突き出ている。「他に―・でる高峰」
(2)人並みはずれてすぐれている。ずば抜けている。「―・でた才能」「衆に―・でる」
(3)群れなどから離れる。抜け出る。「只一人―・でて後の山より何地ともなく落ち給ひにけり/太平記 13」
(4)引き抜いて取り出す。また,多くの中から選び出す。「錫は一廉―・でて下さるる時書く字ぢやぞ/毛詩抄」
(5)人よりも目立たせる。際立たせる。「忠功を―・でば,日来の昇殿を不日に許さるべき也/保元(上)」
抽出
ちゅうしゅつ チウ― [0] 【抽出】 (名)スル
(1)全体の中から,ある物を抜き出すこと。「リストから条件を満たす物を―する」
(2)固体または液体の混合物に溶媒を加え,混合物中の特定の成分を溶媒中へ分離する操作。この操作後に得られる溶媒部分を抽出液という。溶媒抽出。
抽出する
ちゅうしゅつ【抽出する】
extract.→英和
‖抽出物 an extract.任意抽出 random sampling (統計の).
抽出法
ちゅうしゅつほう チウ―ハフ [0] 【抽出法】
⇒サンプリング
抽分
ちゅうぶん チウ― [0] 【抽分】
商品の一部を税として抽出・徴収したこと。転じて,税。
抽分銭
ちゅうぶんせん チウ― 【抽分銭】
室町時代,幕府や大名などが勘合貿易船に便乗した貿易商人から徴収した税。
抽水植物
ちゅうすいしょくぶつ チウスイ― [6] 【抽水植物】
根は水底の土壌に固着するが,葉や茎の一部は水面から出て生育する植物。アシ・コウホネ・ガマなど。挺水(テイスイ)植物。水沢植物。
抽籤
ちゅうせん チウ― [0] 【抽籤】 (名)スル
〔「抽選」とも書く〕
くじを引くこと。くじびき。「―して決める」「―が行われる」
抽籤
ちゅうせん【抽籤】
lottery.→英和
〜する draw lots <for> .〜に当たる(はずれる) draw a winning (losing) number.〜で <choose,settle> by lot[drawing lots].‖抽籤券(器) a lottery ticket (wheel).
抽薹
ちゅうだい チウ― [0] 【抽薹】
植物の花茎が急速な節間伸長をすること。とう立ち。
抽象
ちゅうしょう チウシヤウ [0] 【抽象】 (名)スル
〔abstraction〕
事物や表象を,ある性質・共通性・本質に着目し,それを抽(ヒ)き出して把握すること。その際,他の不要な性質を排除する作用(=捨象)をも伴うので,抽象と捨象とは同一作用の二側面を形づくる。
⇔具象(グシヨウ)
⇔具体
「意味或は判断の中に現はれたる者は原経験より―せられたるその一部であつて/善の研究(幾多郎)」
→捨象
抽象
ちゅうしょう【抽象】
abstraction.→英和
〜的(に) abstract(ly).→英和
‖抽象芸術 abstract art.抽象名詞《文》an abstract noun.抽象論(に陥る) (fall into) an abstract argument.
抽象代数学
ちゅうしょうだいすうがく チウシヤウ― [7] 【抽象代数学】
古典的な代数学を抽象化し,代数系,すなわち要素間の結合が定義された集合を研究する学問。例えば群・環・体などの理論。
抽象化
ちゅうしょうか チウシヤウクワ [0] 【抽象化】 (名)スル
抽象的にすること。
⇔具体化
「女性の姿を―した図案」
抽象名詞
ちゅうしょうめいし チウシヤウ― [5] 【抽象名詞】
名詞の一類。抽象概念を表す名詞。「平和」「思考」「娯楽」など。
抽象性
ちゅうしょうせい チウシヤウ― [0] 【抽象性】
〔哲〕 ありのままの事物を抽象することによって得られる一般的・観念的な性質。
⇔具体性
抽象概念
ちゅうしょうがいねん チウシヤウ― [5] 【抽象概念】
〔哲〕 ある性質や関係を,その基体である個々の事物から離れてそれ自体として指示する概念。例えば,人間性・大・正直など。抽象名辞。
⇔具体概念
抽象的
ちゅうしょうてき チウシヤウ― [0] 【抽象的】 (形動)
〔abstract〕
(1)概念的で一般的なさま。「現象を―にとらえる」
(2)事物を観念によって一面的にとらえ,実際の有り様から遠ざかっているさま。「―な説明に終始する」
⇔具象的
⇔具体的
抽象芸術
ちゅうしょうげいじゅつ チウシヤウ― [5] 【抽象芸術】
⇒アブストラクト-アート
抽象表現主義
ちゅうしょうひょうげんしゅぎ チウシヤウヘウゲン― [9] 【抽象表現主義】
あらゆる定形を否定し力動感を表現する非幾何学的な抽象絵画。第二次大戦後,アメリカにおこったアクション-ペインティング,フランスのアンフォルメルなどの総称。
抽象論
ちゅうしょうろん チウシヤウ― [3] 【抽象論】
具体的な手段や方法の裏付けのない理論。
抽賞
ちゅうしょう チウシヤウ 【抽賞】 (名)スル
多くの人の中から,特に選び出して賞すること。「もつとも―せらるべき者は勇敢の輩なり/平治(上)」
拄杖
ちゅうじょう [0] 【拄杖】
⇒しゅじょう(拄杖)
拄杖
しゅじょう [0] 【拄杖・手杖】
つえ。特に禅僧の持つつえ。「―に団扇を添へて持たれたり/謡曲・放下僧」
担
たん [1] 【担】
(1)奈良・平安時代の荷物を数える語。一人でかつげる程度の荷を一担とする。
(2)奈良・平安時代の量の単位。一人でかつぐべき量をいう。
(3)ピクルに同じ。
担い
にない ニナヒ [2] 【担い・荷ない】
(1)になうこと。肩にかけてかつぐこと。
(2)「担い桶」の略。「水ぎれの時にも―で水をかつがれますが/滑稽本・浮世風呂 3」
担い商い
にないあきない ニナヒ―ナヒ [5][4] 【担い商い】
商品の荷をかついで売り歩く商売。また,その人。
担い太鼓
にないだいこ ニナヒ― [4] 【担い太鼓】
雅楽用の楽太鼓の一種。道楽(ミチガク)に用い,二人で棒をにない,歩きながら打つ。
担い手
にないて ニナヒ― [0] 【担い手】
(1)荷物をかつぐ人。
(2)中心となって,物事を進める人。「次代の―」
担い旋毛
にないつむじ ニナヒ― [4] 【担い旋毛】
頭髪のつむじが二つ並んでいること。二つつむじ。にないつじ。
担い桶
にないおけ ニナヒヲ― [4] 【担い桶】
水などを入れて天秤棒でかついで運ぶ大きな桶。にない。
担い棒
にないぼう ニナヒバウ [2] 【担い棒】
物をになうのに用いる棒。天秤棒。
担い発条
にないばね ニナヒ― [4] 【担い発条】
車両などで車輪と台わくの間にいれ,緩衝をはかるばね。
担い籠
にないかご ニナヒ― [2] 【担い籠】
背中に背負って物を運ぶのに用いる籠。
担い茶屋
にないぢゃや ニナヒ― 【担い茶屋】
中世から近世末にかけて,茶釜・茶器・水桶などを天秤棒で前後ににない分けて町中を売り歩いた行商人。また,その荷。
担い輿
にないごし ニナヒ― 【担い輿】
ござで包んだ輿。地下(ジゲ)人が使用した。[日葡]
担い鉦鼓
にないしょうこ ニナヒシヤウ― [4] 【担い鉦鼓】
雅楽で用いる鉦鼓の一種。道楽(ミチガク)のとき棒でになって歩きながら打つ。
担い風呂
にないぶろ ニナヒ― 【担い風呂】
江戸前期に行われた移動式の風呂。料金をとって入浴させた。
担う
になう【担う】
carry <a thing> on one's shoulder;[義務などを]bear;→英和
take upon oneself.
担う
にな・う ニナフ [2] 【担う・荷なう】 (動ワ五[ハ四])
(1)肩で物をささえて持つ。かつぐ。「天秤棒で荷を―・う」
(2)身に引き受ける。負担する。せおう。「次代を―・う」「一身に期待を―・う」「足利殿は…徳を―・つて/太平記 9」
[可能] になえる
担え銃
になえつつ ニナヘ― [2] 【担え銃】
旧軍で,小銃を肩にになわせるときの号令。また,かつぐこと。
担ぎ
かつぎ [3] 【担ぎ】
(1)物をかついで運ぶこと。また,運ぶ人。「蕎麦(ソバ)屋の―が/三四郎(漱石)」
(2)商品をかついで売り歩く人。行商人。[ヘボン]
担ぎ上げる
かつぎあ・げる [5] 【担ぎ上げる】 (動ガ下一)
(1)物をかついで,上方に運ぶ。「荷物を二階に―・げる」
(2)おだてて,上に立つ人として押し立てる。「町会長に―・げる」
担ぎ出し
かつぎだし [0] 【担ぎ出し】
担ぎ出すこと。「立候補者の―をはかる」
担ぎ出す
かつぎだす【担ぎ出す】
bring <a person> forward <as> .
担ぎ出す
かつぎだ・す [4][0] 【担ぎ出す】 (動サ五[四])
(1)物をかついで運び出す。「荷物を倉庫から―・す」
(2)「かつぎあげる{(2)}」に同じ。「彼を市長選挙に―・す」
[可能] かつぎだせる
担ぎ屋
かつぎや【担ぎ屋】
(1) a blackmarket peddler <of rice> .
(2) a superstitious person (迷信家).
担ぎ屋
かつぎや [0] 【担ぎ屋】
(1)縁起などをひどく気にする人。御幣かつぎ。
(2)人をだましておもしろがる人。
(3)商品を生産者から仕入れ,持参して売り歩く人。
(4)第二次大戦後の昭和20年代に,米などの統制物資を買い入れ,かついで売り歩いた人。
担ぎ込む
かつぎこ・む [5][0] 【担ぎ込む】 (動マ五[四])
人や物をかついで運び入れる。特に,けが人などを病院に運び込む。「救急車で病院に―・まれる」
担ぐ
かつぐ【担ぐ】
(1) carry <a thing> on one's shoulder(s)[back];→英和
shoulder.(2) be superstitious (迷信);deceive (だます);→英和
choose <a person as president> (おし立てる).→英和
担ぐ
かた・ぐ 【担ぐ・肩ぐ】 (動ガ下二)
⇒かたげる
担ぐ
かつ・ぐ [2] 【担ぐ】 (動ガ五[四])
(1)物を肩の上にのせて支える。「米俵を―・ぐ」
(2)自分たちの上に立つ人として押し立てる。「会長に―・ぐ」
(3)迷信・縁起などにとらわれる。「縁起を―・ぐ」「御幣を―・ぐ」
(4)からかってだます。「うまく―・がれた」
(5)婦女を誘拐する。「―・がれる宵にしげしげうらへ出る/柳多留 7」
[可能] かつげる
[慣用] 後棒を―・お先棒を―・片棒を―・御輿(ミコシ)を―
担げ
かたげ 【担げ】
〔動詞「担げる」の連用形から〕
■一■ [3] (名)
かつぐこと。
■二■ (接尾)
助数詞。天秤(テンビン)棒で物をかついで運ぶ度数を数えるのに用いる。「ふた―の荷」
担げる
かた・げる [3] 【担げる・肩げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 かた・ぐ
(1)肩に載せる。かつぐ。になう。「鍬を―・げる」「猟銃―・げ行く/金色夜叉(紅葉)」
(2)身に引き受ける。しょい込む。「一本―・げ,恥かこより/浄瑠璃・二枚絵草紙(上)」
担ふ
かる・う カルフ 【担ふ】 (動ハ四)
背負う。「―・ワセテコイ/ロドリゲス」
担任
たんにん [0] 【担任】 (名)スル
(1)責任を持ってその仕事を引き受けること。また,受け持った仕事。担当。「日本の活社会と交渉のある教授を―すべき人物である/三四郎(漱石)」
(2)学校で,教師があるクラス・教科などを受け持つこと。また,その教師。「一年生を―する」
担任する
たんにん【担任する】
take[be in]charge of;teach.→英和
〜の組 one's class.〜の先生 the teacher in charge <of Class B> .
担体
たんたい [0] 【担体】
〔carrier〕
(1)〔物〕 物質中で電荷を運ぶ粒子。電子・イオン,半導体中の正孔など。
(2)〔化〕
(ア)触媒の微粒子を支える多孔性の物質。触媒を広い面積に分布させるために用いる。アルミナ・ケイ藻土など。
(イ)微量の物質を分離抽出するために加える,類似の化学的性質をもつ物質。微量の放射性同位体を混合溶液から沈殿させるために加える安定同位体など。
(3)〔生〕
(ア)生体膜にあって物質の輸送を仲介するタンパク質。輸送体。
→担体輸送
(イ)免疫原性が弱いか,または単独ではそれがない物質(ハプテン)と結合し,免疫原性をもたらす物質(タンパク質など)。シュレッパー。
担体輸送
たんたいゆそう [5] 【担体輸送】
生体膜において担体が特定の物質と結合し,その物質を輸送すること。仲介輸送。
担保
たんぽ【担保】
(a) security;→英和
(a) mortgage.→英和
〜に入れる give <a thing> as a security.〜にして <borrow money> on the security <of> .‖担保付(無担保)貸付 a secured (an unsecured) loan.
担保
たんぽ [1] 【担保】
(1)〔法〕 債務不履行の際に債務の弁済を確保する手段として,あらかじめ債権者に提供しておくもの。質権・抵当権などの物的担保と保証人などの人的担保がある。
(2)抵当。かた。しちぐさ。「―に取る」
(3)保証すること。また,保証人。
〔明治時代につくられた語〕
担保付公債
たんぽつきこうさい [6] 【担保付公債】
元利金支払いを保証するために物的な担保が設定されている公債。
担保付社債
たんぽつきしゃさい [6] 【担保付社債】
不動産などの物的担保の付された社債。社債発行会社と信託契約を結んだ受託会社が,総社債権者のための担保権を取得する。
担保品
たんぽひん [3][0] 【担保品】
担保として提供する物品。抵当の品・質種(シチグサ)など。担保物。
担保掛け目
たんぽかけめ [4] 【担保掛け目】
(1)株式の信用取引などで,担保とする有価証券の時価を評価する際の比率。この比率を変更することで相場の変動を調整する。
(2)融資を受ける際に差し入れる担保(不動産,有価証券など)の評価率。
担保物権
たんぽぶっけん [4] 【担保物権】
一定の物を債権の担保に供することを目的とする物権。民法上,留置権・先取特権・質権・抵当権の四種がある。
担保請求権
たんぽせいきゅうけん [6] 【担保請求権】
法律の規定または特約によって,担保の提供を請求しうる権利。
担保責任
たんぽせきにん [4] 【担保責任】
有償契約において一方の当事者が給付した目的物または権利に瑕疵(カシ)がある場合に相手方に対して負担する責任。
担保貸付
たんぽかしつけ [4] 【担保貸付】
銀行が,動産または不動産を担保として行う貸付。担保付き貸付。
担夫
たんぷ [1] 【担夫】
荷物をかつぐ人夫。荷かつぎ。荷持ち。
担子器
たんしき [3] 【担子器】
担子菌類に担子胞子が生ずる際,その母体となる菌糸末端の細胞。
担子胞子
たんしほうし [4] 【担子胞子】
担子菌類の担子器に形成される胞子。通常,一つの担子器から四個できる。
担子菌類
たんしきんるい [4] 【担子菌類】
有性生殖の結果,担子基という細胞となり担子胞子を作る菌類。きのことして知られているものに多く,マツタケ・シイタケなどが代表的。成熟したきのこの傘の襞(ヒダ)には,この担子基が密生する。
担当
たんとう [0] 【担当】 (名)スル
受け持ってその事に当たること。引き受けること。「営業を―する」「―者」
担当する
たんとう【担当する】
take[be in]charge <of> .担当者 a person in charge <of> .
担担麺
タンタンメン [3] 【担担麺】
〔中国語〕
芝麻醤(ジーマージヤン)・醤油・ラー油などで調味し,ザーサイのみじん切りをのせた四川風そば。昔,担いで売り歩いたことから。
担板漢
たんぱんかん [3] 【担板漢】
〔板を肩に担ぐと左右の片方しか見えないことから〕
物の一面しか見えない者。
担架
たんか [1] 【担架】
病人・負傷者などを乗せて運ぶ道具。普通,二本の長い棒の間に布を張ったもの。
担架
たんか【担架】
a stretcher;a wheeled stretcher (車付きの).
担桶
たごおけ [3] 【担桶】
「たご(担桶)」に同じ。
担桶
たご [2][1] 【担桶】
水や肥やしなどを入れて天秤棒でになう桶(オケ)。にない桶。たごおけ。
担桶
たんご [1] 【担桶】
担い桶(オケ)。たご。[節用集(文明本)]
担税
たんぜい [0] 【担税】
租税を負担すること。「―能力」
担税力
たんぜいりょく [3] 【担税力】
税金を負担する力。
担税者
たんぜいしゃ [3] 【担税者】
税金を実際に負担するもの。間接税では,納税義務者とは一致しない。
担送
たんそう [0] 【担送】 (名)スル
病人を担架に乗せて運ぶこと。
担送車
たんそうしゃ [3] 【担送車】
⇒ストレッチャー
拆釧
さくくしろ 【拆釧】
■一■ (名)
古代の腕飾り。鈴がついている。
■二■ (枕詞)
拆釧{■一■}に多くの鈴がついていることから,地名「五十鈴(イスズ)」にかかる。「この二柱の神は―伊須受能宮に拝(イツ)き祭る/古事記(上)」
拆鈴
さくすず 【拆鈴】 (枕詞)
〔「拆鈴」は,口の割れた鈴の意〕
地名「五十鈴(イスズ)」にかかる。「神風(カムカゼ)の伊勢の国の百伝ふ度逢県(ワタライノアガタ)の―の五十鈴の宮にます神/日本書紀(神功訓)」
拇
おゆび 【拇】
(1)〔「おおゆび(大指)」の転〕
親指。「膏薬を…―の腹にまんまと塗り/狂言・膏薬煉(虎寛本)」
(2)「および(指)」に同じ。ゆび。「我が両眼を左手の―にてつよくとらへ/読本・雨月(夢応の鯉魚)」